JP2003020636A - 地盤注入工法 - Google Patents

地盤注入工法

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JP2003020636A JP2001206103A JP2001206103A JP2003020636A JP 2003020636 A JP2003020636 A JP 2003020636A JP 2001206103 A JP2001206103 A JP 2001206103A JP 2001206103 A JP2001206103 A JP 2001206103A JP 2003020636 A JP2003020636 A JP 2003020636A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 注入液として水ガラスを主成分(有効成分)
とするA液と、アルカリ土金属の塩化物を主成分(有効
成分)とするB液とを用いて地盤を強固に固結する地盤
注入工法であって、特にA液およびB液の注入状況を一
括監視して注入管理を行なう。 【解決手段】 水ガラスを有効成分とするA液と、アル
カリ土金属の塩化物を有効成分とするB液とを別々に、
異なった注入液送液系統を通して地盤中に注入し、これ
らを地盤中で反応させて該地盤を固結する地盤注入工法
において、前記注入液送液系統に流量検出器fおよび/
または圧力検出器pを配置するとともに、中央管理部X
を設け、前記流量検出器fおよび/または圧力検出器p
から検出された流量信号および/または圧力信号を前記
中央管理部Xに送信して信号データの記録ならびに表示
を行ない、各注入液送液系統におけるA液およびB液の
注入状況を一括監視することから構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は注入液として水ガラ
スを主成分(有効成分)とするA液と、アルカリ土金属
の塩化物を主成分(有効成分)とするB液とを用いて地
盤を強固に固結する地盤注入工法に係り、特にA液およ
びB液の注入状況を一括監視して注入管理を行ないなが
ら注入する地盤注入工法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、基礎地盤の強化、深い深度の底盤
注入、液状化防止等を目的として高強度な地盤改良が要
求されている。この種の地盤改良として、従来、セメン
ト系硬化材を地盤中に高圧噴射して高強度地盤を形成す
る高圧噴射注入、および水ガラスを主成分として用いた
薬液注入、特に水ガラスと塩化カルシウムをそれぞれ地
盤中に別々に注入し、これらを地盤中で反応させる溶液
型薬液注入が知られている。
【0003】
【発明が解決すべき課題】上述の高圧噴射注入は地盤の
所定の領域を高強度に、かつ一率に固結し得るという利
点を有するものの、固結材を土と置き換えるため、廃泥
等、産業廃棄物の発生が問題となっている。
【0004】また、上述の薬液注入は廃泥の問題は生じ
ないが、地盤は粘度や透水係数の異なった層が互層にな
って形成されており、このため、地盤に注入管を挿入
し、この注入管を通して地盤中に注入液を注入し、地盤
を固結するに際し、注入液は透水性の大きな層、あるい
は注入管の周辺を通って地表面に逸脱してしまい、地盤
全体を均質に固結することが困難である。また、注入液
の浸透性を良くするためには、注入液のゲル化時間を長
く設定しなければならず、このため高強度の固結は期待
できなくなってしまう。
【0005】また、水ガラスと塩化カルシウムをそれぞ
れ地盤中に別々に注入し、これらを地盤中で反応させる
上述薬液注入は高強度の固結を得ることができるため、
古くからヨーステン工法として知られている。
【0006】しかし、この工法では、注入液である水ガ
ラスと塩化カルシウムが瞬間的に反応するため注入管の
周辺しか固結せず、また、水ガラスと塩化カルシウムの
うちのいずれか一方の注入液が他方の注入液を押し出し
てしまう。このため、地盤中に存在するシリカ分に対し
てCa分がちょうど反応せず、いずれかが過大か、過少
になり、所定の領域を確実に注入して均質に固化するこ
とが困難である。
【0007】そこで、本発明の目的は水ガラスを主成分
とするA液と、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩
化バリウム等、アルカリ土金属の塩化物を主成分とする
B液とを用いて地盤を固結するに際し、A液、B液の注
入状況を一括監視して注入管理を行ないながら注入し、
これにより高圧噴射注入に匹敵するほど高強度に地盤を
固結するのみならず、廃泥等、産業廃棄物の発生を起こ
さず、かつ、地盤全体を確実に改良し、上述の公知技術
に存する欠点を改良した地盤注入工法を提供することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、本発明によれば、水ガラスを有効成分とするA液
と、アルカリ土金属の塩化物を有効成分とするB液とを
別々に、異なった注入液送液系統を通して地盤中に注入
し、これらを地盤中で反応させて該地盤を固結する地盤
注入工法において、前記注入液送液系統に流量検出器お
よび/または圧力検出器を配置するとともに、中央管理
部を設け、前記流量検出器および/または圧力検出器か
ら検出された流量信号および/または圧力信号を前記中
央管理部に送信して信号データの記録並びに表示を行な
い、各注入液送液系統におけるA液およびB液の注入状
況を一括監視することを特徴とする。
【0009】さらに、上述の目的を達成するため、本発
明によれば、水ガラスを有効成分するA液と、アルカリ
土金属の塩化物を有効成分とするB液とを別々に、異な
った注入液送液系統を通して地盤中に注入し、これらを
地盤中で反応させて該地盤を固結する地盤注入工法にお
いて、前記注入液送液系統に流量検出器および/または
圧力検出器を配置するとともに、中央管理部を設け、前
記流量検出器および/または圧力検出器から検出された
流量信号および/または圧力信号を前記、中央管理部に
送信して信号データの記録並びに表示を行ない、各注入
液送液系統におけるA液およびB液の注入状況を一括監
視することを特徴とし、かつ、前記地盤の所定注入領域
に代表的注入ポイントを一つまたは複数設定し、この代
表的注入ポイントの各注入ステージにおける注入圧力お
よび/または流量の適切値を測定し、この適切値を中央
管理部に設定し、この設定範囲にもとづいて所定の注入
領域における各注入ステージでの注入を行なうことを特
徴とする。
【0010】さらにまた、上述の目的を達成するため、
本発明によれば、水ガラスを有効成分するA液と、アル
カリ土金属の塩化物を有効成分とするB液とを別々に、
異なった注入液送液系統を通して地盤中に注入し、これ
らを地盤中で反応させて該地盤を固結する地盤注入工法
において、前記注入液送液系統に流量検出器および/ま
たは圧力検出器を配置するとともに、中央管理部を設
け、前記流量検出器および/または圧力検出器から検出
された流量信号および/または圧力信号を前記、中央管
理部に送信して信号データの記録並びに表示を行ない、
各注入液送液系統におけるA液およびB液の注入状況を
一括監視することを特徴とし、かつ前記中央管理部に送
信された流量信号および/または圧力信号のデータ情報
および地盤隆起のデータ情報に基づき、A、B液の注入
の完了、注入の中止、継続注入または再注入の管理を行
なうことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の態様】以下、本発明を具体的に詳述す
る。
【0012】本発明は上述のA液およびB液を地盤中で
確実に反応させ、固化せしめる地盤注入工法であって、
次を特徴とする。
【0013】(1)注入液を拘束して注入する。 (2)地盤中でCaOとSiO2 が無駄なく反応し得る
ように、A、B液の所望の注入量を管理する。 (3)地盤中におけるA液、B液の反応を確認し得るよ
うに注入管理する。 (4)反応効果が不充分な場合に再注入する。 (5)以上を自動的に行なう。 (6)A液とB液を注入液として用いて地盤を高強度に
固結し得るという公知技術の特性において、これらA、
B液を直接接触すれば不均質に反応して瞬結するという
公知技術の欠点を改良し、前記特性のみを有効に取り入
れる。
【0014】水ガラスを主成分とするA液とアルカリ土
金属の塩化物を主成分とするB液を反応させると、アル
カリ土金属水酸化物の沈殿を瞬時に発生して直ちにゲル
化する。したがって、このようなA液およびB液を地盤
中にそのまま注入すれば、これらは注入管まわりに強固
に、かつ不均質に固結するのみであり、せいぜい湧き水
の止水程度の効果しか生じない。
【0015】実際の施工で、直径1m程度の経済的範囲
の地盤中にA液およびB液を別々に注入した場合、注入
管まわりでは加圧されて1〜5MN/m2という大きな強
度を発現するものの、A液およびB液のいずれか一方の
液が他方の液を押し出して反応が不充分かつ不均質にな
り、このため、充分な固結強度が得られないばかりでは
なく、地盤中における両液の過不足によりかなりの注入
液が未反応のまま残されてしまう。本発明者はこのよう
な問題点を解決するために、A液およびB液の以下のゲ
ル化特性に着目した。
【0016】A液とB液は瞬間的に反応してゲル化する
ため浸透性が低い。しかし、そのゲルは繊維状のシリカ
−カルシウムが絡み合った脱水性(圧縮性)ゲルであ
る。すなわち、このゲルは圧縮すると脱水してシリカ−
カルシウムの高強度ゲルを形成する。A液自体は高粘性
(原液は200cpsであって、希釈により10cps
以下まで低下する。)を示すが、B液は濃度にもよる
が、同一化学当量では水ガラスよりも低粘性を呈する。
【0017】したがって、A液を地盤中に注入した後、
それよりも低粘性のB液を注入すると、土粒子同志の接
触面に水ガラスを残しながら、かつ大きな間隔では水ガ
ラスを外側に押し出しながらB液が浸透し、A液とB液
の接触面で瞬間的な白色沈殿物を生じる。この反応は加
圧状態で行なわれれば、脱水効果により大きな強度を得
るが、注入対象領域が拘束状態にないと、A液、B液が
勝手な方向に逸脱して化学当量的に反応が行なわれず、
このため、確実な固結が不可能となる。すなわち、A
液、B液を別々に注入すれば広く注入すること自体は可
能であるが、確実に地盤中で所定領域を所定の効果を得
るようにA液、B液を過不足なく反応固結せしめること
は困難である。本発明者はこのようなA液、B液の従来
の注入方式の欠点を以下の手法によって画期的効果を得
た。
【0018】(a)A液とB液の注入順序は以下のとお
りとする。 (1) A液を注入後、B液を注入する。 (2) B液を注入後、A液を注入する。 (3) A液とB液を交互に注入する。 (4) A液とB液を同時に注入する。
【0019】(b)地盤中での反応を確認して以下の確
認手法を用いる。 (1) 注入圧が上昇して注入が困難になるか、所定の圧力
範囲になるまで。 (2) 地盤隆起が生じるか、設定許容限界になるまで。 (3) 所定の注入量に達するまで。
【0020】(c)拘束効果を可能ならしめる次の注入
手法をもって地盤注入を行なう。 (1) A液、B液の注入工程を上から下に注入ステージを
移行して行なう。 (2) 複数のA液注入管路の吐出口と複数のB液注入管路
の吐出口からA液の同時注入とB液の同時注入を行な
う。 (3) A液注入管路の複数の吐出口とB液注入管路の複数
の吐出口からA液の同時注入とB液の同時注入を行な
う。 (4) A液、B液の少なくともいずれかを柱状浸透空間か
ら注入する。
【0021】(d)A液、B液の地盤中の量的関係と拘
束効果を確認できる注入管理方法を用いて地盤注入を行
なう。
【0022】図1は本発明にかる地盤注入工法の一具体
例を説明するためのフローシートであって、中央管理部
X、注入液加圧部Y、注入液分配部Zおよび注入部Wか
ら主に構成され、注入液送液系統Sには流量圧力検出器
f、Pが配置される。
【0023】図1において、地盤4中に注入すべき注入
液(A液およびB液)は注入液加圧部Yの注入液槽2か
ら導管8に導入され、グラウトポンプ1で加圧されて加
圧注入液として導管8を通して注入液分配部Zに送液さ
れる。中央管理部Xには注入監視盤X2を備えた集中管
理装置X1を必須として包含する。グラウトポンプ1は
集中管理装置X1からの指示を受け、注入液を所望の圧
力に加圧する。グラウトポンプ1はインバータ3または
無断変速機を有するポンプ、あるいはリターン装置RA
を有するポンプであってもよい。インバータ3や無断変
速機は集中管理装置X1からの指示を受けなくても、直
接流量を調整して所定の圧力値にセットすることもでき
る。また、リターン装置RAも直接調整して導管8の圧
力が所望の圧力を保つようにリターンさせることもでき
る。なお、上述の調整は手動で行なってもよい。
【0024】リターン装置RAは図1に示されるよう
に、集中管理装置X1からの指示を受けて導管8の流体
圧が所望の圧力になるようにリターン管路Rへの注入液
のリターン量を自動調整する。しかし、図3に示される
ように、集中管理装置X1とは独立した流量圧力制御装
置10を設け、これにより導管8の流体圧が所定の圧力を
保持するようにリターン量を自動調整してもよい。
【0025】これを図8を用いて詳述すると、流量圧力
制御装置10には導管8側の所望の圧力ないしは流量が設
定される。そして、注入液は注入液加圧部Yの注入液槽
2から導管8を通って分配装置6に向かう。このとき、
導管8では、圧力計P0 および/または流量計f0 によ
り注入液の圧力ないしは流量が測定される。このデータ
は流量圧力制御装置10に送信されるとともに、流量圧力
制御装置10では、このデータに基づく信号をリターン装
置RAに送信する。リターン装置RAでは、この信号を
受け、リバーシブルモータ13のシヤフト12を矢印方向
に、上下に正逆移動し、リターン管路R開口部の面積を
調整してリターン管路Rへの注入液のリターン量を調整
し、導管8側の圧力ないしは流量を所望の設定値とす
る。
【0026】また、図1のグラウトポンプ1に代えて、
図2に示されるように、コンプレッサ3を用いることも
できる。この場合、図2に示されるように、注入液槽2
からの注入液をまず、加圧容器3Aに充填し、次いでコ
ンプレッサ3の作動により加圧容器3A中の注入液を加
圧して加圧注入液とする。なお、本発明において、流量
とは単位時間、例えば1分当たりの注入流量ないしは注
入時間における注入流量の合計(積算流量)をいう。
【0027】注入液分配部Zは複数本の注入液送液系統
S、S・・・Sを備える。これら複数の送液系統S、S
・・・Sはそれぞれ注入液加圧部Yから分配装置6を通
して分岐され、先端に連結部7、7・・・7を有し、こ
の連結部7、7・・・7で地盤4に埋設された注入部W
の注入管路5、5・・・5と連結される。そして加圧部
Yからの加圧注入液は分配装置6を介して各送液系統
S、S・・・Sに分配され、注入管路5を通って地盤4
中の複数の異なる注入ポイント5aにそれぞれ同時に注
入される。ここで、異なる注入ポイント5aは異なる注
入管路5、5・・・5の地盤4中の開口部であることは
もちろんのこと、図示しないが、同一注入管路5の異な
る注入ステージにおける開口部であることもできる。9
aはストップバルブであって、各送液系統S、S・・・
Sに取りつけられる。このストップバルブ9aは注入が
完了した時点で手動により送液系統Sを閉束することも
でき、また、図示しないが、集中管理装置X1からの電
気信号によって自動的に開閉される。また、三方コック
を用い、送液終了後、送液系統Sに洗浄水を通して送液
系統S内を洗浄する際に吸水口として使用される。さら
に、注入が完了した送液系統Sの注入液を注入液槽2へ
リターンさせるときにも使用される。
【0028】なお、分配装置6には図示しないが攪拌装
置を備えることもできる。また、各送液系統S、S・・
・Sは分配装置6を経ずに、直接注入液加圧部Yの導管
8から分岐することもできる。さらに図示しないが、複
数の送液系統S、S・・・Sはそれぞれ独立した注入液
加圧部Yに連結することもできる。独立した複数の注入
液加圧部としては複数個の注入液ポンプであってもよ
く、また、単一の駆動体によって同時に駆動する複数個
のポンプのピストン駆動体を駆動する注入液加圧部であ
って、複数の送液系統がそれぞれ複数個のポンプに連通
したものであることもできる。この場合、複数の注入ポ
ンプと複数の送液系統の注入ポイントにおける注入が
1:1で対応して注入され、この複数の注入ポイントの
注入データが集中管理装置X1の注入監視盤X2で画面
表示され、一括監視で注入管理される。
【0029】ここで、図1におけるリターン装置RAを
説明する。注入液加圧部Yの導管8に設けた流量圧力検
出器f0 、P0 から検出された注入液の流量信号ないし
は圧力信号は集中管理装置X1に送信される。集中管理
装置X1はこれら信号に基づき、あらかじめ設定された
導管8内圧力(分配装置6内圧力に相当)になるように
リターン装置RAに指示してリターン管路Rに注入液を
分流するか、あるいはインバータ3に指示してグラウト
ポンプ1を制御することにより、送液系統Sへの送液を
所望の設定値の瞬時流量および/または圧力に維持す
る。
【0030】なお、図1の注入液加圧部Yにおいて、リ
ターンシステムRSおよび流量圧力検出器f0 、P0
代わりに、図3に示すように、流量圧力制御装置10を中
央管理部Xの集中管理装置X1から独立して、すなわ
ち、図1のように集中管理装置X1と接続せずに用い、
これにより注入液を所望の瞬時流量ないしは圧力に維持
することもできる。この場合、図8に示すように、リタ
ーンシステムRSは集中管理装置X1からの指示によら
ずとも、流量圧力制御装置10によって設定した送液圧力
になるように、リターンシステムRSを制御することが
できる。
【0031】本発明に用いられる図1、図3等に示され
る分岐バルブ11は分配装置6から分岐した複数の送液系
統S、S・・・Sにそれぞれ設けられた所定の口径、あ
るいは口径を調整し得る流路部分をいう。すなわち、一
定の口径からなるオリフイスの例、あるいは口径の絞り
を調整し得る絞り調整装置11の例等が一例として挙げら
れる。いずれにせよ、分岐バルブ11の上流側の注入液は
注入液加圧部Yによって、下流側よりも高い圧力を保持
し、注入管路5に送液され得る機能をもつ。図1の分岐
バルブ11では、図9に示されるように、集中管理装置X
1からの電気信号によってリバーシブルモータ13のシヤ
フト12が正逆方向、すなわち矢印方向に移動され、図8
と同様に注入液加圧部Yから注入管路5に流れる送液系
統S中の注入液の流量を調整する。このような絞り調整
可能な分岐バルブ11でも、一定の口径のオリフイスと、
圧力ないしは流量の関係についての原理は同じである。
図1における分岐バルブ11は絞り調整のできない、図1
1のような一定口径のオリフイスOであってもよい。
【0032】ここで、図1および図3の注入液加圧部Y
における注入液の圧力P0 と、送液系統Sにおけるオリ
フイスOを通して注入管路5に送液される流量fおよび
注入圧力Pとの関係について説明する。
【0033】図5および図6は図7の分配装置6中の加
圧された注入液(ポンプ圧=P0 )を、オリフイスOか
ら噴出する場合、オリフイスOの下流側にストップバル
ブ9aを有する流路を設け、ストップバルブ9aを絞っ
て下流側の圧力Pとオリフイスからの流量fを流量圧力
検出器f、Pで測定したグラフである。
【0034】図5および図6から、グラウトポンプのポ
ンプ圧P0 が抵抗圧力Pよりも充分に高いときには、流
量fは抵抗圧力PとオリフイスOの口径によって定ま
り、また、抵抗圧力Pが変動しても流量fはほとんど変
動しない。また、抵抗圧力Pとポンプ圧P0 の差がある
範囲内に小さくなると流量fは急速に低下することがわ
かる。
【0035】図3の装置の分配装置6から送液系統Sを
6本分岐し、これら送液系統6、6・・・6の分岐バル
ブ11、11・・・11には図示しないがオリフイスを内蔵す
るものとし、このような装置を用いて上述と同様な流量
試験を行ない、結果を表1に示した。試験の条件はポン
プ圧P0 :30kgf/cm2 、オリフイス口径:φ2.0mm、
分岐バルブ数:6個、流量f:3分間の流量f(l)、
抵抗圧力P:分岐バルブ11の下流側の圧力(注入圧に相
当)、6本の送液系統S、S・・・Sを全て空気中で開
放したときの流量f0 :15l/分である。
【0036】表1はオリフイスの下流側、すなわち、分
岐バルブ11よりも下流側の送液系統Sの流路にストップ
バルブ9をつけ、いくつかのストップバルブを絞って下
流側圧力Pを種々変化させて流量fを測定した測定結果
である。
【0037】
【表1】
【0038】表1からバルブV1の圧力Pを変動して
も、20kgf/cm2 まではほとんど流量fが変化しないこ
とがわかる。また、圧力がP0 :30kgf/cm2 に近づく
につれて流量fは減少し、ついには0になることもわか
る。また、V1のバルブの流量が変化しても、あるいは
V1のバルブの流量がゼロになっても、それ以外のバル
ブからの流量は変化しないことがわかる。これは流量圧
力制御装置によって自動的に制御されるためである。
【0039】また、注入中、いくつかの送液系統におけ
る注入ポイントの抵抗圧が高くなり、他の吐出口よりも
流量が少なくなっても、その把握は流量圧力検出器によ
って集中管理装置で一括してなされる。このため、所定
の注入量の注入の終了時点がそれぞれの送液系統で異な
っても、注入時間を各送液系統毎に管理することによ
り、所望の注入量をそれぞれの送液系統毎に完了するま
で管理することができる。
【0040】図9は図1における分岐バルブ11(絞り調
整装置)の一具体例の断面図を示す。絞り調整装置11は
集中管理装置X1からの指示を受け、リバーシブルモー
タ13の稼動によりシヤフト12を矢印方向に運動させ、送
液系統S中に送液される注入液をシヤフト12で絞り、オ
リフイスの口径を調整する機能を有する。すなわち、送
液系統S中に送液中の注入液が所定の圧力範囲および/
または瞬時流量範囲を保持するように、絞りを調整して
送液系統Sの液圧を所望の圧力範囲および/または瞬時
流量範囲に保持する。なお、オリフイスのように口径が
一定のものは一定の流量を保持して流量の変動はできな
いが、上述のように分岐バルブ11を用いれば、送液系統
Sの流量を自動的に調整できる。
【0041】なお、図7に示されるように、口径の異な
るオリフイスOを並列し、ストップバルブ(四方コッ
ク)9aで異なる口径のオリフイスに切り換えるように
すれば、あるいは複数のオリフイスを同時に使用すれ
ば、注入中に注入状況に応じて流量を変化させることが
できる。この場合、四方コック9aは手動でも、図示し
ないが、集中管理装置X1からの電気信号によって切り
換えることができる。
【0042】すなわち、図1における注入液槽2中の注
入液は導管8を介し、注入液加圧部Yから送液系統Sを
経て注入管路5から地盤4中に注入されるが、分岐バル
ブ11として絞り調整バルブを用いる場合、注入中にそれ
ぞれの送液系統Sの注入状況に応じて、図9に示すよう
に、絞り調整装置11に絞りの指示を与えながら注入を行
なって送液系統S中の液圧を所望の圧力および/または
流量に保持する。なお、分岐バルブ11は分配装置6から
注入液を送液系統Sに分岐する役目を果たすので、分岐
なる用語を用いて表現する。
【0043】注入液は注入液加圧部Yを経て送液系統S
に加圧送液され、次いで、図9に示されるように、送液
系統Sに設置された絞り調整装置11(分岐バルブ11)の
上下に移動自在なシヤフト12により流路が絞られる。シ
ヤフト12で絞られた流路の断面をAとすると、流路Aを
流れる注入液の瞬時流量qは圧力P0 とP1 の差がある
程度以内になるとシヤフト12よりも上流側の圧力P
0 (注入液加圧部Yによる導管8の圧力)と注入管路5
内圧力P1 (地盤注入圧)の差圧△P=P0 −P1によ
って定まる。差圧△Pが大きいほど、また、流路Aが大
きいほど、瞬時流量qは大きくなる。また、△Pがゼロ
に近づくにつれてqはゼロに近づく。
【0044】したがって、地盤注入圧P1 が注入経過と
ともに変動して注入圧力が上昇し、△Pが小さくなって
も流路Aを大きくすることによって瞬時流量qを所定範
囲に保つことができ、あるいは流路Aを小さくすること
によって瞬時流量を小さくし、P1 の上昇を抑えて地盤
の変状を少なくすることができる。
【0045】そして、これらの調整を各送液系統S毎に
行なう。すなわち、注入液加圧部Yの圧力と、絞り調整
装置11のシヤフト12の調整による流路Aの開度を変動す
ることにより、個々の送液系統S毎に、注入状況に応じ
て注入圧力、瞬時注入量の調整が可能であり、圧力が上
がっても瞬時注入量を小さくし、低圧にして所定量に達
するまで注入しつづけたり、あるいは地盤変位を最小限
にして所定注入量を注入することが可能となる。
【0046】図9を用いて具体的に説明すると、あらか
じめ集中管理装置X1に所望の圧力値および/または流
量値を設定しておき、この状態で、圧力計Pおよび/ま
たは流量計fから実際の圧力値および/または流量値を
集中管理装置X1に送る。絞り調整装置(分岐バルブ)
11にはリバーシブルモータ13が内在し、集中管理装置X
1の指示により実際の圧力値および/または流量値が設
定値に近付き、かつ同じ値を保つように、リバーシブル
モータ13を正転あるいは逆転し、シヤフト12を上下して
開度を調整し、注入管路5への流量を調整する。
【0047】これにより、各送液系統Sから注入管路5
に送液される注入液の吐出量および/または吐出圧力は
所望の範囲に保持されるのみならず、複数の送液系統
S、S・・・Sのいずれかが注入を停止しても、残りの
各送液系統Sの吐出量および/または吐出圧力もまた、
所望の範囲に保持される。
【0048】図10は注入液としてA液およびB液を並
列した注入管路5、5を通し、地盤4中で合流させる例
の簡略化ブロック図、および図11はその詳細なフロー
シートである。この場合、複数の送液系統Sの流量圧力
検出器f、Pは中央管理部Xの集中管理装置X1に接続
されるとともに、この集中管理装置X1からそれぞれの
分岐バルブ(絞り調整装置)11に指示を与える。また、
図10および図11において、複数の送液系統S、S・
・・Sは分配装置6に連結される。なお、分岐バルブ11
として、オリフイスである分岐バルブを用いてもよい。
また、図示しないが注入孔間隔をあけて、あるいは吐出
口を軸方向にずらした複数の管路を有する多重注入管か
らA液の同時注入、B液の同時注入を行なうこともでき
る。
【0049】なお、図1の流量検出器f0 、fとして
は、回転流量計、電磁流量計等、任意の流量計を使用で
き、パルスで出力された電気信号が集中管理装置X1に
入力され、カウントされる。流量検出器f0 および/ま
たは圧力検出器P0 や、流量検出器fおよび/または圧
力検出器Pからの情報に基づく集中管理装置X1からの
注入液加圧部Yへの指示によりインバータ3が制御さ
れ、グラウトポンプ1の回転数を調整して毎分流量f0
や注入圧力P0 を制御し、これにより送液系統Sの流量
を制御する。同じく、送液系統Sの流量圧力検出器f、
Pからの情報に基づき、集中管理装置X1の指示によ
り、分岐バルブ11の絞り開度を調節して送液系統Sの流
量を制御する。
【0050】このようにして、加圧注入液の所定の設定
流量ないしは設定圧力をもって、あるいは限界範囲内の
流量ないしは圧力をもって、注入液を一つの導管8から
複数の送液系統S、S・・・Sを経て複数の注入管路
5、5・・・5に、同時に、選択的にあるいはさらに、
自動的に送液注入する。この結果、広範囲の地盤を急
速、かつ、確実に改良する。
【0051】さらに、ストップバルブ9または9a(ま
たは三方コック)の操作は手で行うこともできるが、そ
れぞれ信号回路により集中管理装置X1で操作すること
もできる。そして、上述の流量検出器f0 および/また
は圧力検出器P0 からの情報に基づき、あるいは、流量
圧力検出器f、P、すなわち、流量検出器fおよび/ま
たは圧力検出器Pからの情報に基づき、ストップバルブ
9のオンオフ、図1に示される注入液加圧部Yの注入液
槽2に通じるリターン管路Rへの切り換え制御、さらに
は、水洗管路への切り換え制御が三方コック9aによっ
て行われる。また、送液系統S、S・・・Sの他の注入
管路5、5・・・5への連結換えも行われる。
【0052】本発明は図1において、各送液系統S、S
・・・Sにそれぞれ流量圧力検出器f、Pおよび分岐バ
ルブ11、11・・・11を設け、これらを集中管理装置X1
に接続し、かつ、データを注入監視盤X2に画面表示し
たことに特徴を有する。注入監視盤X2には、注入年月
日、注入時間等の「時データ」、注入ブロックNo. 、注
入孔の孔番、注入ポイント等の「場所データ」、注入圧
力、流量(単位時間流量や積算流量)等の「注入デー
タ」が表示される。その他、後述のように、注入液識別
データや地盤(あるいは構造物)変位データを表示する
こともできる。
【0053】そして図1において、地盤注入液を注入加
圧部Yから導管8、リターンシステムRSおよび分配装
置6を介し、複数の注入液送液系統S、S・・・Sを通
して地盤4中の複数の異なる注入ポイント5a、5a・
・・5aにそれぞれ同時に注入するに際し、複数の送液
系統S、S・・・Sの各流量圧力検出器f、Pから検出
された注入液の流量および/または圧力のデータは集中
管理装置X1に送信されて注入監視盤X2で画面表示さ
れて施工状況が表示される。このようなデータの画面表
示により、注入状況の一括監視を行って注入液の注入が
管理され、地盤4中に例えば図1に示されるように、第
一改良ブロックおよび第二改良ブロックが形成される。
なお、A液およびB液は同一注入領域で別々に注入す
る。すなわち、上から下にA液の同時注入、B液の同時
注入を繰り返しながら注入ステージを移向させ、固結板
で上部で拘束しながら層状に地盤を強化する。
【0054】図3は本発明にかかる装置の具体例の説明
図である。注入液槽2からの注入液は導管8のグラウト
ポンプ1および圧力流量制御装置10により一定圧力に制
御されて分配装置6に導入され、次いで複数の送液系統
S、S・・・Sに分流され、図示しないオリフイスを内
在した分岐バルブ11および流量圧力検出器f、Pを経て
注入管路5、5・・・5を通って地盤4中に注入ポイン
ト5a、5a・・・5aに注入される。なお、A液およ
びB液は同一注入領域で別々に注入する。このとき、流
量圧力検出器f、Pで検出された流量信号および/また
は圧力信号は中央管理部Xの集中管理装置X1に送信さ
れ、注入監視盤X2で画面表示され、注入状況の一括監
視を行なう。
【0055】集中管理装置X1には日報作成装置X3
(パソコン)および日報作成装置X3にはプリンタX4
が接続され、日報作成装置X3によって日報が作成さ
れ、プリンタX4でプリントアウトされる。
【0056】図4に集中管理装置X1の操作フローチヤ
ートを示しながら、図3の装置について説明する。図3
において、まず、送液系統S、S・・・SのNo.1〜No.1
0 についての注入仕様フアイルの圧力規定値(適正圧力
範囲)、規定注入量(適正積算注入量範囲)、すなわ
ち、所望の注入圧力、流量(単位時間当たり流量および
/または積算流量)を集中管理装置X1に予め設定して
おき(システム仕様設定登録)、次いで集中管理装置X
1のNo.1〜No.10 の開始スイッチ14をONにしてデータ
記録を開始する。
【0057】このとき、施工表示盤X5にもランプ15で
ON表示がなされる。注入監視盤X2では、注入液送液
系統S、S・・・Sからの注入データを画面に表示し、
これらデータが設定値に達したときに、集中管理装置X
1は完了信号を出力してこれを注入監視盤X2に表示す
るとともに、施工表示盤X5にランプ15で完了状態を表
示し、送液系統S、S・・・Sのストップバルブ9を閉
める信号を出力する。
【0058】全ての送液系統S、S・・・Sの注入が完
了の後、集中管理装置X1の開始スイッチ14をオフにす
ることにより集中管理装置X1によるデータの記録が終
了する。これら記録データに基づいて日報作成装置X3
で日報等の帳票を作成し、プリンタX4でプリントアウ
トする。
【0059】図3において、集中管理装置X1は10本
の送液系統S、S・・・Sにそれぞれ配置された流量圧
力検出器f、Pからの流量ないしは圧力データを記録
し、監視する。また、この装置X1は予め設定された、
それぞれ規定圧力値(あるいは規定圧力範囲)、規定瞬
時流量値(あるいは規定瞬時流量範囲)、および規定積
算注入量(あるいは規定積算注入量範囲)により注入完
了の自動判断を行なう。
【0060】この詳細は以下のとおりである。 測定データ 流 量:0〜30.0 l/分 圧 力:0〜3.00 MPa 演算データ 積算流量:0〜99999l 最大圧力:0〜3.00 MPa 記録媒体 フラッシュメモリカード 記録時間 1分データ記録(30秒や10秒データでもよい) (10系統分の流量、圧力、積算流量、最大圧力)
【0061】注入監視:注入仕様フアイルに基づき登録
された規定注入量、規定圧力をもって積算注入量デー
タ、圧力データを監視する。注入圧力が定められた規定
圧力以上であった場合、または、注入量(積算流量)が
規定積算注入量(規定積算流量)に達した場合、集中管
理装置X1はストップバルブ9の閉信号を出力するとと
もに、ランプを点灯させて完了であることを表示する。
(圧力規定による完了か、規定注入量による完了かは画
面に表示される。)
【0062】監視画面:図3に示されるそれぞれA液用
10本、B液用10本の送液系統分のデータ(流量、圧
力、積算流量、最大圧力の合計40データ)を注入監視
盤X2上に一つの画面で表示する。図12はA液の注入
状況を示すが、スイッチを押すことにより画面がB液の
注入状況に切り替わり、A液孔番01〜10に対応して
注入されるB液の孔番01a〜10a毎のデータが表示
される。
【0063】図12の画面を詳述すると、以下のとおり
である。 上半分の2画面: グループ1:1号〜5号の積算流量、最大圧力デジタル表示 (図3の左側5送液系統) グループ2:6号〜10号の積算流量、最大圧力デジタル表示 (図3の右側5送液系統) 積算流量は20分間の注入量である。また、最大圧力は
30秒毎に表示され、19分30秒から20分までの間
の最大値を表示した。最大圧力が設定圧力以上になり続
けたら、その送液系統の注入は終了することの判断にな
る。また、積算流量が設定積算流量に達した場合も、こ
の送液系統の注入は終了することの判断になる。
【0064】 下半分の2画面: グループ3:1号〜5号の流量、圧力 トレンド表示 (図3の左側5送液系統) グループ4:6号〜10号の流量、圧力 トレンド表示 (図3の右側5送液系統) 2画面のそれぞれの左側は各送液系統における時間
(t)の経過に対応した瞬時流量と瞬時圧力のチヤート
を示し、右側は19分30秒から20分までの平均瞬時
流量(l/分)と平均瞬時圧力(MPa)を示す。
【0065】このようにして、図12の画面に示される
ように、注入監視盤X2には送液系統No.1〜10の送液状
態が同時に表示されるが、一つの送液系統毎に画面を切
り換えながら表示することもできる。なお、流量圧力制
御装置10における設定圧力、実際圧力、分配装置6への
送液流量、積算送液流量を同一画面または別の画面に表
示してもよい。これにより、分配装置6内の液圧と、複
数の送液系統S、S・・・Sの圧力、流量との関係をリ
アルタイムで把握でき、注入を所定の設定範囲内に納ま
るように管理できる。また、図12において、最大圧力
の代わりに、図3の導管8における圧力や流量を表示し
てもよい。さらに、集中管理装置X1は注入仕様フアイ
ル、注入結果一覧表、注入チヤート、日計表、週計表、
月計表等の帳票作成ならびに解析データの作成をも行な
うことができる。
【0066】注入仕様フアイルは集中管理装置X1の動
作設定フアイル(図4におけるシステム仕様設定)であ
り、注入液送液系統S、S・・・Sの注入完了条件の規
定圧力値、規定注入量の設定を行う。さらに注入液送液
系統Sの分岐バルブ11の絞りや、注入液加圧部Yにおけ
るグラウトポンプ1のインバータ3の調整や分配装置6
内の流体圧を設定値に保つためのリターンシステムRS
の調整を行うための注入仕様を作成する。各帳票フアイ
ルは記録された流量、圧力、積算流量あるいは最大圧力
の各データと、孔番等の手動入力、または自動入力によ
るデータとから変換作成される。さらに解析データは各
帳票データから変換作成される。
【0067】なお、図12の画面において、各送液系統
の一本毎に一枚づつ、例えば、図13に示される注入孔
における注入ポイント毎に、ブロックNo. 、注入孔No.
およびステージNo.とともに、圧力、流量、チヤートを
表示することもできる。
【0068】さらに、これらのデータから注入孔毎に、
例えば、図13のブロックNo.1、注入孔No.3(A液用)
ならびにNo.3a(B液用)について例示すれば、図14
に示されるように、各ステージ毎に、時間tに対する注
入圧力P、流量Q、および積算流量(l)を表示するこ
ともできる。
【0069】また、各注入孔毎に、各ステージの設計積
算流量に対する実際積算流量の比率を算出して、図15
および図16に示すように、注入領域の区分毎に、ステ
ージ毎の水平面(図15)と垂直面(図16)を面的に
図示し、これにより、注入が不充分なゾーンが判別さ
れ、再注入すべき領域を知ることができる。図15およ
び図16を詳述すると、まず、A液に対するB液の設計
値(計算値)をあらかじめ定めておく。次いで、B液の
実際値を測定し、前記設計値に対するB液の実際値の比
率を注入孔毎に、かつステージ毎にパーセントで求め、
図15に水平面の注入比率の分布、図16に垂直面の注
入比率の分布を表した。例えば、図15の注入孔1は9
0〜70%、注入孔2は100〜90%、注入孔6は3
0%以下であり、また、図16注入孔No.4のステージ1
は90〜70%、注入孔No.5のステージ3は100〜9
0%、注入孔No.6のステージ1は30%以下である。図
16は図15のA−A線断面図である。
【0070】図17は地盤中の垂直方向における複数の
注入ポイント(各注入ステージ)の注入圧力分布および
積算流量を注入監視盤X2上に面的に表した画面の一例
である。図17では各注入ステージにおける積算流量も
表示される。したがって、この画面表示により、各注入
ステージにおける注入圧力および積算流量が一画面上に
表示され、一括監視により注入が管理される。図17を
詳述すると、まず、各ステージ毎にA液を350lづつ
注入した。このときの平均注入圧力は1kgf/cm 2 であ
る。このA液350lの注入量は実注入量であると同時
に、設計注入量でもある。これに対して、B液の設計注
入量はA液350lと過不足なく反応する量であるか
ら、350lとなる。ここで、B液の限界注入圧力を1
0kgf/cm2 と定めておく。次いで、A液350lを注入
の後に、B液を注入すると、ステージ1では、積算流量
350lのB液を注入したにもかかわらず、注入圧力は
2kgf/cm2 であった。すなわち、ステージ1ではB液は
限界注入圧力の範囲内で所望量の注入量を注入できた。
一方、ステージ2では、B液は積算流量100〜200
lで注入圧力が10kgf/cm2 に達し、これ以上の注入は
限界注入圧力を越えるので中止した。ステージ3、4も
同様である。このようにして、図17では、A液注入後
のB液の実注入量と最大圧力の垂直方向における分布状
態が明示される。
【0071】図18は地盤中の特定の注入ステージにお
ける水平断面の積算注入量を平面的に一画面上に表した
例である。この画面表示により、特定の注入ステージに
おける各注入ポイントの積算流量が一画面上に表示さ
れ、一括監視により注入が管理される。図18も図17
と同様、A液注入後のB液の実注入量と最大圧力の水平
断面における分布状態が明示される。
【0072】図19は地盤中の複数の注入ポイントにお
けるA液注入後のB液の注入圧力分布を注入監視盤X2
上に三次元的に表した画面の一例である。この画面表示
により、各注入ステージにおける注入圧力が三次元的に
表示され、立体的な一括監視により注入が管理される。
同様にして、積算流量も三次元的に表示して注入状況を
管理することができる。
【0073】例えば、注入圧力が過大に上昇して注入量
が不充分であった領域を立体的に把握でき、この場合、
注入圧力を少なくして所定量注入されるまで再注入す
る。さらには、所定量の注入が行なわれたにもかかわら
ず、注入圧力が過少であることも把握でき、この場合、
注入が逸脱したり、あるいは設定値が過少であることも
発見でき、設定値を変更して最適積算流量を注入する等
の措直を講じて注入効果を確実にすることができる。
【0074】図20は細管を複数本束ねて構成される注
入管路5を用い、図3と同様な注入システムにより、A
液注入管、B液注入管の注入ポイント5aに注入を施し
た例を示す。図3と同様に、注入液加圧部Yからの加圧
注入液A液、B液をそれぞれ分配装置6、6に送液し、
複数の送液系統S、S・・・Sを介して地盤4中の複数
の異なる注入ポイント5a、5a・・・5aにそれぞれ
同時に注入する。すなわち、A液、B液は同一ステージ
毎に同時に注入される。すなわち、A液用注入細管Ti
1〜Tin、B液用注入細管Ti1〜Tinを連結して
12本の結束注入細管とし、n本の結束注入細管を注入
領域に配置し、注入ステージを移向しながらA液用注入
細管Ti1〜TinとB液用注入細管Ti1〜Tinか
らA液の同時注入、B液の同時注入を同時にあるいは時
間をずらして行なう。
【0075】図20に用いられる細管を複数本束ねて構
成される注入管路5としては例えば図21に示す注入管
路5(結束注入細管5)が挙げられる。図21におい
て、注入管路5は先端の吐出口16の位置がそれぞれ縦方
向の異なる位置に配置するように複数本の細管17、17、
・・・17を束ねて構成される。
【0076】この注入管路5は地盤4の削孔18中に挿入
され、さらにこの削孔18中にシール19を填充することに
より地盤4中に埋設される。吐出口16から吐出される注
入液は地盤壁4aから地盤4中に浸透され、固結され
る。
【0077】複数の注入液送液系統S、S・・・Sには
それぞれ流量圧力検出器f、Pが設けられる。これら検
出器f、Pから検出された注入液の流量および/または
圧力のデータは集中管理装置X1に送信され、データの
記録ならびに画面表示により注入状況の一括監視を行っ
て注入管理される。導管8にも図1と同様、流量圧力検
出器f0 、P0 が設けられる。
【0078】一般に、沖積層は水平に滞積しているた
め、水平方向の透水係数は垂直方向のそれよりも大き
い。したがって、図20において、第1ステージの土層
はいずれの吐出口付近でもほぼ同じ透水係数で、例えば
中砂であり、また、第nステージの土層もいずれの吐出
口付近でもほぼ同じ透水係数で、例えば細砂である。
【0079】さらに、本発明において、A、B液を図3
に示される注入液加圧部Yから複数の注入液送液系統
S、S・・・Sを通って地盤4中の複数の異なる注入ポ
イント5a、5a・・・5aにそれぞれ同時に注入する
に際し、地盤4の所定の注入区分に代表注入孔を設置
し、この代表注入孔の各注入ステージにおける適切な圧
力、流量および積算流量を測定してこれらの値を集中管
理装置X1に設定して、この設定値に基づいて所定の注
入区分における各注入ステージでの注入を行う。
【0080】上述各注入ステージにおける適切な圧力、
流量および積算流量は集中管理装置X1で圧力および流
量を測定することにより測定される。この場合、適切な
圧力、流量および積算流量は注入試験による測定値に実
際の注入による測定値を加味し、補正することにより定
めることもできる。
【0081】すなわち、具体的には、図3のシステムを
用いて地盤注入を施工するに際し、集中管理装置X1に
よりリターン量を調整して時間とともに注入圧を低圧か
ら高圧に変化させ、圧力−流量曲線を得る。例えば、図
13に示されるように、注入領域を平面的に任意のブロ
ックに分け、例えば図13では4つのブロックに分け、
一つのブロック(例えばブロックNo.1)を代表する一つ
の注入孔(例えば注入孔No.5)を試験注入孔として選定
する。
【0082】この試験注入孔(No.5)の各ステージ毎、
あるいは代表的なステージにおいて、注入に先立ち、注
水試験、またはゲル化時間の長い注入液による注入試験
を行って、図22に示されるP−q曲線(曲線1および
2)、すなわち、P(注入圧力P)−q(流量l/分)
曲線を出す。
【0083】図22において、O1 点までは注入速度と
注入圧力は比例関係にあり、地盤破壊は生ぜず、完全な
浸透注入となる。しかし、O1 〜O2 点までは注入速度
(流量)と注入圧力は比例関係になく、部分的に割裂は
生じるが、地盤が破壊して注入液が逸脱する注入圧力の
低下はみられない。このO2 点の注入圧力を限界注入圧
ro、限界注水速度(あるいは限界注入速度)(流量)
r0とする。このようにして、地盤が破壊する限界注入
圧力Pr0および限界注入流量qr0(注入速度)を知るこ
とができる。
【0084】上述のとおり、各ステージにおける地盤を
破壊しないで注入し得る限界注入圧と限界注入速度(流
量)を知ることができ、これにより、各ステージの適正
注入圧力範囲あるいは適正注入速度範囲を知ることがで
きる。この数値を中央管理部Xの集中管理装置X1に記
憶させ、この適正範囲を保つようにそのステージにおけ
る注入を行って注入管理する。
【0085】図4の集中管理装置の操作フローチヤート
に示すように積算流量がこの適正範囲に達すればその時
点でその注入ポイントの注入を完了する。また、設定積
算流量に達しないうちに適正注入圧力を越える場合にも
そのステージの注入を終了とする。なお、上記適正注入
圧力または注入速度の設定値は注入工程の進行中、補正
することができる。この理由は注入過程で、同一ステー
ジの注入中に、あるいは別の注入ステージからの影響に
より、さらには他の注入孔からの注入液の部分的浸透に
より干渉効果を受けるからである。
【0086】また、注入ポイントの注入順序を選定する
ことにより、あるいは注入ブロックの注入順序を選択す
ることにより、先行した注入によって地盤が強化され、
このため後からの注入が拘束効果によって注入圧力を高
くしても破壊することなく注入できる。注入量が不充分
のとき、再注入する場合も同様である。
【0087】図22において、曲線1は注入試験結果で
あり、第1液(A液:例えば、水ガラス水溶液)の注入
試験結果もゲル化を伴わないためほぼ類似である。これ
に対して、曲線2は第2液(B液:例えば、塩化カルシ
ウム水溶液)の注入結果である。第2液は地盤中で第1
液と反応するため圧力が増大する。第1液をB液とし、
第2液をA液としても同一傾向となる。さらに、図22
において、F1 点までは直線関係にあるが、F1 〜F2
点までの間は直線ではないが破壊には至っていない。し
たがって、F2 点におけるPrfを限界圧力、qrfを限界
注入流量とする。このようにして、最終的な限界注入圧
力および限界注入流量(注入速度)をそれぞれPrfおよ
びqrfとして設定して、設計注入量(積算流量)の注入
をこの限界内で行うようにする。これらの値を集中管理
装置X1に記憶させておき、この設計流量が注入された
ら注入終了とし、もし、設計流量に達しないうちにこの
限界注入圧力に達した場合にはその時点で注入を終了す
る。このようにして、注入工程に最適範囲を設定して確
実な注入効果を得ることができる。
【0088】なお、注入中に注入圧力が全く上昇しなか
ったり、あるいは注入中に注入圧力があまりにも早く上
昇して注入を中止したために注入が不充分であると予想
されたり等の場合、注入領域を断面的あるいは平面的に
切り、その領域に再注入することもできる。また、所定
量注入して注入が完了しても、注入圧力の状況から注入
が不充分と判断した場合、設定値を変更して注入を続け
ることもでき、さらに手動に切り換えて注入を続けるこ
ともできる。さらに、注入中に注入圧力が設定値を越え
て注入中断の信号がでても、注入量から注入が不充分と
判断された場合、注入圧力の設定値を変更し、あるいは
手動に切り換えて注入を継続することもでき、また、瞬
時注入量の設定値を低くして注入を続けることもでき
る。
【0089】さらに、図20において、第1ステージの
土層はほぼ同一の透水性ではあるが、各吐出口1〜nの
流量(q)は多少ともばらつきが生じる。このため、各
吐出口における所定の注入が完了する時間はそれぞれ異
なる。このため、集中管理装置X1からの指示と注入が
完了した吐出口から順次、所定の電磁バルブが作動して
ストップバルブ9がオフになる。(電磁バルブでなくて
も、手動バルブでもよい。)いくつかのバルブが閉じて
も、残りの吐出口からの流量はリターン装置RAにより
同一流量を保つ。もちろん、場合によっては、集中管理
装置X1からの指示でリターン装置を調整したり、イン
バータ調整して注入速度、注入圧力を調整することがで
きる。
【0090】このようにして、吐出口からの同時注入に
よる浸透固結によってステージ毎に平面的に達成された
スラブが形成される。この固結層は第1ステージから第
nステージまで連続的に形成される。さらにまた、吐出
口からの同時注入による浸透固結は垂直方向にも形成す
ることができ、さらには、水平方向および垂直方向の両
方に同時進行させることもでき、また、透水性の大きな
層の吐出口から、あるいは透水性の大きな部分に開口し
た吐出口から選択的に注入することもできる。
【0091】ここで、図20において、細管Tの本数n
をn=100として、分岐バルブ11のオリフイス口径=
1.0mmとし、送液流量検出器f0 =150l/分とし、
細管(T1 〜T100 )の第1ステージに位置する吐出口
から同時注入すると、流量圧力検出器f、Pの分岐圧力
計P11は2kg/cm2 、分岐流量計f11は1.5l/分、圧
力検出器P0 =30kgf/cm2 を示す。また、P1r0 =5
kgf/cm2 、qr01 =4.0l/分を示す。P1rf =7.5kg
f/cm2(P1r0 の1.5倍)と設定する。また、細管T11
おける計画注入量Q11はQ11=100lに設定する。注
入中のP1 の注入圧力は3.0kgf/cm2 以内、平均注入速
度q1 =1.5l/分で100lの注入が完了した。
【0092】上述のとおり、第1ステージの土層はほぼ
同一の透水性ではあるが、各吐出口1〜nの流量qは多
少ともばらつきがある。このため、各吐出口における所
定の100lの注入が完了する時間はそれぞれ異なる。
このため、集中管理装置X1からの指示と注入が完了し
た吐出口から順次、所定の電磁バルブ(ストップバルブ
9)が作動してオフになる。図1において、リターン装
置RAを用いずに、インバータ3を有するグラウトポン
プ1を用いる場合、いくつかのバルブ、例えば10個のバ
ルブ、すなわち10%のバルブがオフになると、残りの吐
出口からの流量は増大し、かつ圧力検出器P0 の注入圧
力も増大する。これを是正して適正圧力範囲、適正流量
範囲にもどすために集中管理装置X1から注入液加圧部
Yに指示し、インバータ3を調整して流量を1割減少
し、流量検出器f0 の毎分流量を135l/分とし、残
りの吐出口からの平均注入速度を1.5l/分とする。し
かるに、図3に示すように、流量圧力制御装置10を用い
た場合、リターン装置RAによって常に一定の圧力P0
=30kgf/cm2 を維持することができるので、最後の一
本に至るまで同一流量で注入することができる。
【0093】また、吐出口数が同一で、注入速度qを一
定に保つ場合、注入が進行して地盤中のゲル化が進行す
るにつれて注入圧が増大する。さらには、先行した注入
ポイントからの注入による拘束効果がある場合も、同様
に注入圧が増大する。この場合、注入圧が限界点P1rf
=7.5kgf/cm2 に達すれば、その吐出量が所定注入量に
達しないまま注入を完了しても、充分な注入効果を得た
とみなす。したがって、あらかじめP1rf =7.5kgf/cm
2 が限界値として入力された集中管理装置X1からの指
示により電磁弁(ストップバルブ9)がオフになり、そ
の吐出口の注入が完了する。ただし、注入状況によって
は、設定値を変更しても、手動に切り換えて注入を続け
てもよい。
【0094】同時に、いくつかの吐出口の注入圧が限界
に達し、あるいは所定注入量に達した時点で、集中管理
装置X1からの注入液加圧部Yへの指示により、残りの
吐出口の平均注入速度が所定の範囲内におさまるように
インバータ3が制御され、流量検出器f0 の流量が低減
されて注入が続くという工程がくり返される。もちろ
ん、リターン装置RAを用いれば、最後の一本まで自動
的に、同一条件で注入できる。
【0095】このようにして、吐出口からの同時注入に
よる浸透固結はステージ毎に平面的に達成されてスラブ
が形成される。この固結層は第1ステージから第nステ
ージまで連続的に形成される。さらにまた、吐出口から
の同時注入による浸透固結は垂直方向にも形成すること
ができ、さらには水平方向および垂直方向の両方に、同
時に進行させることもでき、また、透水性の大きな層の
吐出口、あるいは透水性の大きな部分に開口した吐出口
から選択的に注入することもできる。
【0096】注入工法の原理は土粒子間隙の水を注入液
に置き換えることにある。このため、同時注入工法にお
いて、大容量土に多数の吐出口から同時注入しても、土
中水が注入液により逃げ場を失えば、地盤中に水のポケ
ットが生じ、あるいは注入液が水で希釈されて目的とす
る注入が達成できなくなる。これを防止するために、図
23に示されるように、固結対象の地盤4にほぼ同一土
質条件を有する想定改良ブロック(1)、(2)、
(3)、(4)、(5)を定め、図示しない複数の吐出
口から、まず、間隔をあけて定められた想定改良ブロッ
ク(1)および(2)に同時注入して地下水をブロック
外に排除し、次いで、想定改良ブロック(3)、
(4)、(5)に上述と同様に同時注入して地下水をブ
ロック外に排除し、順次に全体を固結してほぼ同一土層
を地下水を逃がしながら固結する。この際、地下水を効
果的に逃がすために、注入領域の所定の位置に排水パイ
プ、ペーパードレーン、砂柱等の排水材を地盤中に設置
してもよい。あるいはさらに、排水材を通してポンプに
よる地下水の吸水を併用して注入液の方向性を誘導する
こともできる。
【0097】また、図24に示されるように、注入領域
をいくつかのブロックに分け、地下水を逃がしやすいよ
うに注入順序を設定して所定の注入圧力、あるいは所定
の積算注入量に達した時点で、次のブロックの注入に移
向するように注入することにより全自動注入が可能にな
る。なお、注入目的や、地盤条件によっては、先行する
注入区分があとから注入する注入区分を拘束するように
注入順序を選択することによって効果的に地盤を加圧強
化することができる。
【0098】分配装置6は一般に、ポンプで注入液を分
配装置6内に急速に送液すると直ちに過大の圧力を呈し
て稼動が難しくなる。これに対して、図25のようにオ
リフイスO(絞り調整バルブでもよい。)に至る導管8
に注入液リターンシステムRS、すなわち、圧力検出器
0 、注入液リターン装置RA、リターン管路R、およ
び流量圧力制御装置10を設けることにより、グラウトポ
ンプ1を通常の稼動状態にしてスタートしたまま、徐々
に注入圧力P0 を上昇させ、送液系統S、S・・・Sか
らの吐出量を把握しながら注入圧力P0 を設定して、安
全かつ容易に注入操作が可能になる。図25に示す円筒
環状の分配装置6は分配装置6内の圧力か均等に分布す
るため、各送液系統Sへの吐出量が正確になる。なお、
圧力検出器P0 は分配装置6内に設けることもできる。
【0099】図26は注入液リターンシステムRSの他
の具体例のフローシートであり、グラウトポンプ1を並
列して複数個用い、注入圧力P0 を高めたり、非常に多
数の注入管路から同時に注入することができる。これに
より、本発明は送液系統S、S・・・Sを数十本あるい
は100本以上、一度に地盤中に設置して急速施工を可
能とする。例えば、1吐出口当たり1〜5l/分の低吐
出量により土粒子間浸透が可能になる。すなわち、1吐
出口3lとして100吐出口を同時注入する場合、30
0l/分の注入ポンプを必要とする。
【0100】ところが、300l/分の薬液注入ポンプ
は入手し難い。しかし、図26のシステムを用いること
により30l/分の薬液注入ポンプ10台を一セットに
し、100本吐出口から一気に注入することができる。
しかも、この注入液リターンシステムRSを用いること
により、一台毎のポンプの吐出量を調整することなく、
多数の吐出口から、吐出口の数が変動しても一定圧力P
0 により、所定量の吐出量で自動的に注入し続けること
ができ、上述のリターン装置を用いることによってこの
ような画期的注入工法の実用化が可能になる。
【0101】上述の本発明にかかる地盤注入工法におい
て、上述複数の注入液送液系統は次の(a)、(b)ま
たは(c)、すなわち、(a)注入液加圧部からそれぞ
れ分岐する、(b)独立した複数の注入液加圧部にそれ
ぞれ連通する、(c)単一の駆動体によって複数のポン
プのピストン駆動体を同時に駆動する注入液加圧部のそ
れぞれのポンプに連通する、ことから構成される。
【0102】前記(a)は具体的には、図1、図3、そ
の他に示されるとおり、注入液加圧部Yから分配装置6
を経て分岐され、あるいは図示しないが、注入液加圧部
Yの導管8から直接分岐されて構成され、地盤4中の注
入管路5に連結される。
【0103】前記(b)は、ゴムスリーブで覆われた吐
出口を軸方向に多数有する注入外管を地盤4中に多数設
置し、これら複数の注入外管にそれぞれダブルパッカを
有する注入内管を挿入して本発明にかかる注入管路5と
する。この注入管路5を介して注入ステージを移動しな
がら注入液を地盤4中に注入することにより、複数の注
入ポイント5aから注入を同時に行ない、この際、各注
入管路5における注入開始から終了に至るまでの工程は
それぞれ別々に行ないながら、これらの注入状況を集中
管理装置X1の注入監視盤X2に画面表示して一括管理
し、記録した上で各注入管路5の注入ポイント5a毎に
日計表にアウトプットし、混乱を生じることなくデータ
管理を行なう。
【0104】なお、上述(b)において、多重管ロッド
を用いてA液、B液を合流注入したり、あるいはA、B
液合流液の瞬結注入を行なった後、A液の注入、B液の
注入を別々に行ない、さらに多重管ロッドを移動させな
がら上述注入をステージ毎に繰り返す注入であってもよ
い。すなわち、複数の多重管ロッドから複数の注入ポイ
ント5aに同時に注入し、そして、それぞれの多重管ロ
ッドにおける注入は始めから終りまで個々の注入工程を
経ながら全体の注入状況を一括管理してデータ処理を行
なう。
【0105】上述(c)は図21に示される注入管路5
を用いて図20に示されるように注入管路5を地盤4中
に配置し、それぞれの注入管路5、5・・・5を複数の
注入液送液系統S、S・・・Sに連通して構成される。
この場合、注入液加圧部Yにおける多数のピストン駆動
部材は一つの駆動源によって駆動される。
【0106】すなわち、一つの駆動源(モータ)で駆動
する回転シヤフトは多数のカムを備え、それぞれのカム
駆動方式にしたがってピストンが作動する多数のユニッ
トポンプによって構成され、それぞれのユニットポンプ
が複数の注入送液系統に連通する。もちろん、上述
(b)の注入方式におけるそれぞれの注入管路5に複数
の注入液送液系統S、S・・・Sを連通することもでき
る。
【0107】なお、上述(a)、(b)において、注入
管路5(注入外管、注入内管を含む)は袋体やゴム等の
弾性を有する被膜を装着し、内部に硬化性液体、水、気
体(窒素等の不活性気体、空気等)等をパッカ用流路を
通じて圧入し、パッカ効果を生じさせた上で地盤注入液
を注入してもよい。この場合、これらのパッカ用流体の
圧入にかかわるデータ(パッカ用流体圧入データ)を集
中管理装置に送液し、画面表示して注入管理することに
なる。すなわち、流体の種類、圧入圧力、パッカ位置等
がデータとなる。
【0108】ここで、図10ないしは図11に示される
本発明にかかる装置を用い、A液として水ガラスを有効
成分とする水溶液、およびB液として塩化カルシウム、
塩化マグネシウム等のアルカリ土金属塩化物や、塩化ア
ルミニウム等の多価金属塩化物を有効成分とする水溶液
をそれぞれ異なる導管8、8を通して以下のように地盤
4中に注入し、地盤4中でA、B液を反応させて地盤4
を固結する例を示す。
【0109】 (1)A液を注入後、B液を注入する。 (2)B液を注入後、A液を注入する。 (3)A液とB液を交互に注入する。 (4)A液とB液を同時に注入する。
【0110】上述において、注入液送液系統Sの流量圧
力検出器f、Pで検出された流量信号ないしは圧力信号
を集中管理装置X1に送信して各注入液送液系統S、S
・・・Sの注入状況を把握し、これら注入状況を注入監
視盤X2に画面表示して一括監視を行ない、注入管理す
る。この際、集中管理装置X1に流量の範囲、圧力範囲
および/または積算流量範囲について仕様設定し、A、
B両液の注入ポイント5aで以下のいずれかの現象が生
じるまで繰り返し注入する。
【0111】 (1)注入が所定の圧力範囲ないしは注入量に達する。 (2)注入圧が上昇して注入が困難になるか、注入圧が
設定限界になる。 (3)地盤隆起が生じるか、あるいは地盤隆起が設定限
界になる。
【0112】B液としてのアルカリ土金属塩化物は水ガ
ラスグラウトと反応して瞬間的に沈殿物を生じる。この
沈殿物は加圧することによって水分を放出し、圧縮され
て強固なゲル化物となる。
【0113】ところで、溶液型の水ガラス系グラウトを
用いた工法は古くからヨーステン工法として知られてい
る。これは反応が瞬間的に起こるため、別々の注入管を
用いて地盤中で反応させるしかなかった。しかし、この
場合の問題点は注入管まわりしか固結しないため、浸透
範囲が狭い。さらに、水ガラス水溶液(A液)と塩化カ
ルシウム等の水溶液(B液)とを別々に地盤中に注入す
るため、先行して注入した液が後から注入する液によっ
て注入範囲外に押し出されてしまい、このため、地盤中
で化学当量的に反応させて一定の効果を奏し得ることが
できず、現在では実用に供されていない。
【0114】ところが、本発明によれば、注入地盤を地
盤条件がほぼ同一の複数の注入領域に区分し、その注入
区分毎に複数の注入液送液系統S、S・・・Sを通して
同時に注入し、かつ、注入圧力、瞬時注入量ないしは積
算注入量を送液系統S、S・・・Sの一本毎に、かつ注
入区分毎に総合的に管理できる。このため、A、B両液
は注入区分全体として化学当量的にほぼ過不足なく注入
できる。
【0115】なお、注入圧は高くなるほど強固に固結し
たことを示すので、設定圧力の範囲は下限値が例えば、
10kgf/cm2 以上、上限値は注入中の圧力低下を起こす
手前の圧力、すなわち、地盤の破壊を起こす手前の圧
力、あるいは地盤隆起が生じるか地盤隆起が設定限界値
になる圧力である。
【0116】注入がこれらの限界値に達したときに、注
入の完了または中断とするが、しかし、A、B液のいず
れかの注入量が設定値に達していないときには、設定値
を変更して引き続いて注入を行なうか、再注入を行な
う。この場合、一度固化した個所を破壊し、その外側ま
で注入液を浸透させなくてはならないから、当初の注入
圧力は過大になっても、その後は低下する。したがっ
て、再注入における仕様設定、あるいは引きつづいて注
入を行なうときの変更仕様の設定は流量を低く(例え
ば、f=5l/分)、注入圧力を高くし、積算流量は不
足分とする。
【0117】地盤の隆起がなく、注入が困難になるまで
注入する場合の注入圧の上限は注入液加圧部Yの圧力検
出器P0 における圧力P0 、例えば30kgf/cm2 であ
る。したがって、注入圧力Pについての仕様設定はP=
10〜30(=P0 )kgf/cm2となる。すなわち、注入
液送液系統Sの注入圧Pが大きく上昇すると、流量fが
減少し、P0 にまで達すると、f=0となり注入が中断
する。したがって、流量に関する仕様設定は、f=5〜
0l/分となる。
【0118】さらに注入するには、圧力P0 を高くすれ
ば良い。この場合、途中から手動に切り換えて地盤隆起
の状況を確認しながら注入をつづけることもできる。例
えば、図3の装置において、地盤隆起センサを地表面に
設置する。この場合、あらかじめ仕様設定に地盤隆起の
範囲を5〜20mmと設定したときに、地盤隆起センサか
らの電気信号が集中管理装置X1に伝えられ、隆起が2
0mmを越した場合、注入液送液系統Sからの注入が中止
となる。しかし、隆起が5〜20mmの範囲内ならば、こ
れは許容範囲であり、その範囲内での隆起は地盤強化の
ための反応が確実に行なわれていることを示している。
また、この地盤センサを注入領域付近の構造物に設ける
ことにより、構造物の変位が許容範囲内におさまるよう
に注入を管理することができる。
【0119】さらに、本発明において、複数の注入液送
液系統S、S・・・Sのいずれかの注入が完了して次の
注入管路5に接続しており、あるいは注入圧が限界値よ
りも高くなって注入を中断した後、再注入する場合、注
入液が送液系統S中でゲル化することを防止するために
送液系統Sを水洗する。この場合、注入液の送液量か、
水洗の送水量かを判断する特性を設定する必要がある。
【0120】水と注入液との違いを示す特性は例えば、
pH、電気伝導度、密度等である。したがって、これら
に関するセンサ、すなわち、pHメータ、電気伝導度メ
ータ、密度計等を注入液送液系統Sに設ければ良い。
【0121】これらのうち、密度計について例示する
と、送液系統Sを通過する注入液に放射線を照射する放
射線源を注入液送液系統Sの外側壁に配置する。さら
に、この放射線源に対向する送液系統Sの外側壁に前記
放射線の透過強度または反射強度を検出する放射線検出
器を配置する。さらにまた、この検出値から注入液の濃
度を算出する演算器を備えて濃度測定装置とする。
【0122】前記放射線源はガンマ線源であり、この場
合、放射線検出器はガンマ線検出器となる。そして、演
算器はガンマ線の入射強度と透過強度との比または反射
強度との比から注入液の濃度を算出する構成のものであ
る。
【0123】さらに、放射線源は中性子線源であること
もでき、この場合、放射線検出器は中性子検出器とな
る。そして、演算器は中性子線の入射強度と透過強度の
比、または反射強度との比から、注入液の濃度を算出す
る構成のものである。
【0124】算出した注入液の濃度またはこの濃度を指
標するデータを連続的に集中管理装置X1に送信して集
中管理装置X1中の演算制御装置(cpu)で注入液の
密度または濃度に変換し、これを予め定めた一定時間間
隔で集中管理装置X1に記録する。そして、注入液の密
度を例えば1.6〜2.2の範囲の設定仕様とし、このデー
タを例えば注入監視盤X2の画面上に図9のデータや図
11のチヤートとともに表示し、日報作成の際に積算注
入量から設定仕様の範囲外、すなわち密度が1.6よりも
低い流量を差し引いて真の注入液積算注入量とする。
【0125】また、導電率測定装置を送液系統に設け、
送液中の導電率を測定することにより測定値のデータを
集中管理装置に伝達し、これにより洗浄水と注入液を識
別して実際の注入量を把握することができる。
【0126】図27は水ガラスを主成分とする注入液
(A液)の水ガラス濃度を変化させた場合の導電率の変
化の状態を示したグラフである。蒸留水は0.01μ、水
道水は119.5μの導電率である。したがって、図1、
図3において、注入が完了した注入液送液系統Sを水洗
しても、あるいは注入液送液系統の中にゲルが詰まって
水洗する場合でも、検出値が1ms/cm以下なら洗浄
水とみなして注入液を識別し、注入量を把握する。な
お、この導電率は注入液によっても異なり、あるいは洗
浄水によっても異なるので、あらかじめ計測して識別す
る範囲を認識し、図4のシテスム仕様設定に登録してお
けばよい。
【0127】上述のとおり、注入液のpH、導電率、濃
度等を検出することにより、どのような特性の注入液を
注入しているかが識別される。したがって、注入液の種
類、濃度、配合等の注入液データを集中管理装置X1に
送信し、注入液データとして注入管理することもでき
る。
【0128】なお、地盤中に観測井戸を設け、この観測
井戸の中のpH値、導電率等を測定してこれらの変化を
見い出すことにより注入液が用水に流入していることが
わかり、そのデータを集中管理装置X1に送信し、これ
らを影響データとして画面表示し、これに基づいて注入
を中断して用水への影響を防ぐことができる。
【0129】同様に、上述の地盤変位や構造物の変位を
集中管理装置X1に送信し、限界値に達したら注入を中
断して影響を防止することもできる。したがって、これ
らを影響データとして注入管理することができる。
【0130】
【発明の効果】以上のとおり、本発明はA液、B液を複
数の注入液送液系統から複数の異なる注入ポイントにそ
れぞれ同時に注入するに際し、複数の注入液送液系統に
それぞれ流量圧力検出器を設け、これら検出器から検出
された注入液の流量信号、ないしは圧力信号を中央管理
装置に送信し、データの記録ならびに画面表示により注
入状況の一括監視を行って注入管理するようにしたか
ら、地盤中に設置した複数本の注入管路から、対象とす
る土層に注入液を注入して該地盤を改良するに際して、
最適な設定流量ないしは設定圧力をもって注入液を同時
かつ、自動的に、あるいは選択的に注入し、これにより
広範囲の地盤を急速かつ確実に改良することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる注入管理装置の一具体例のフロ
ーシートである。
【図2】図1の注入管理装置における注入液加圧部Yの
他の具体例の説明図である。
【図3】本発明にかかる注入管理装置の実際の具体例の
一例を示すフローシートである。
【図4】集中管理装置の操作フローチヤートである。
【図5】オリフイス口径φ2.0mmにおける抵抗圧力Pと
オリフイスからの流量fとの関係を各ポンプ圧について
表したグラフである。
【図6】オリフイス口径φ2.5mmにおける抵抗圧力Pと
オリフイスからの流量fとの関係を各ポンプ圧について
表したグラフである。
【図7】送液系統に配置されるオリフイスを並列して切
り換えるように構成した説明図である。
【図8】図1における導管8を流れる注入液のリターン
装置RAによる流量自動調整の位置具体例を表した説明
図である。
【図9】図1における送液系統Sを流れる注入液の分岐
バルブによる流量自動調整の一具体例を表した説明図で
ある。
【図10】本発明にかかる注入管理装置の一具体例であ
って、注入液としてA、B液を用い、これらAB注入液
を地盤中で合流させた例のブロック図である。
【図11】本発明にかかる注入管理装置の一具体例であ
って、注入液としてA、B液を用い、これらAB注入液
を地盤中で合流させた例のフローシートである。
【図12】図3の注入管理装置を用い、送液系統10本
についての積算流量と最大圧、および流量と圧力を注入
監視盤に表した画面表示の例である。
【図13】注入領域の4つの注入ブロック区分No.1〜4
を注入監視盤に表した画面表示の例である。
【図14】地盤のステージNo.1〜3における流量と注入
圧力を注入監視盤に表したグラフ(チヤート)である。
【図15】図6のブロックNo.1、ステージ1における注
入比率の分布を注入監視盤に水平面として表した画面表
示の例である。
【図16】図15のA−A線垂直面を注入監視盤に表し
た画面表示の例である。
【図17】地盤のステージNo.1〜4における注入圧力お
よび積算流量を注入監視盤に表した画面表示の例であ
る。
【図18】地盤の水平面における注入液の注入量を注入
監視盤に表した画面表示の例である。
【図19】地盤の注入圧力を注入監視盤に立体的に表し
た三次元画面表示の例である。
【図20】本発明にかかる注入管理装置の他の一具体例
であって、第1注入ブロックおよび第2注入ブロックに
それぞれ注入する例のフローシートである。
【図21】図20に用いられる細管17(T)を結束した
注入管路の位置具体例の断面図である。
【図22】注入液の流量qと注入圧力Pとの関係を表し
たグラフである。
【図23】本発明にかかる注入工程の一具体例を表した
説明図である。
【図24】本発明にかかる注入工程の他の具体例を表し
た説明図である。
【図25】本発明にかかる注入管理装置の注入液加圧部
および注入液分配部における他の具体例を表した説明図
である。
【図26】本発明にかかる注入管理装置の注入液加圧部
における他の具体例を表した説明図である。
【図27】シリカ溶液を用いた注入液の導電率変化を表
したグラフである。
【符号の説明】
1 グラウトポンプ 2 注入液槽 3 インバータ 4 地盤 5 注入管路 5a 注入ポイント 6 分配装置 7 連結部 8 導管 9 ストップバルブ 9a ストップバルブ 10 流量圧力制御装置 11 分岐バルブ 12 シヤフト 13 リバーシブルモータ 14 開始スイッチ 15 ランプ X 中央管理部 X1 集中管理装置 X2 注入監視盤 X3 日報作成装置 X4 プリンタ X5 施工表示盤 Y 注入液加圧部 RS リターンシステム RA リターン装置 R リターン管路 f0 流量検出器 P0 圧力検出器 Z 注入液分配部 S 送液系統 f 流量検出器 P 圧力検出器 W 注入部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 矢口 完洋 東京都北区赤羽南2−4−7−307 原工 業株式会社内 Fターム(参考) 2D040 AA00 CA01 CA02 CA04 CA10 CB03 CD02 CD03 DA02 DA03 DB01 DC02 FA08 FA09 4H026 CA02 CA03 CB03 CC06

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水ガラスを有効成分とするA液と、アル
    カリ土金属の塩化物を有効成分とするB液とを別々に、
    異なった注入液送液系統を通して地盤中に注入し、これ
    らを地盤中で反応させて該地盤を固結する地盤注入工法
    において、前記注入液送液系統に流量検出器および/ま
    たは圧力検出器を配置するとともに、中央管理部を設
    け、前記流量検出器および/または圧力検出器から検出
    された流量信号および/または圧力信号を前記中央管理
    部に送信して信号データの記録並びに表示を行ない、各
    注入液送液系統におけるA液およびB液の注入状況を一
    括監視することを特徴とする地盤注入工法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記A液およびB液
    を以下の(1)〜(6)に示すいずれかの注入方式で、
    かつ、以下の(a)〜(d)に示すいずれかの現象が生
    ずるまで注入を行なう請求項1に記載の地盤注入工法。 (注入方式) (1)A液を注入後、B液を注入する。 (2)B液を注入後、A液を注入する。 (3)A液とB液を交互に注入する。 (4)A液とB液を同時に注入する。 (5)上述(1)〜(4)のいずれかを繰り返して注入
    する。 (6)上述(1)〜(4)のいずれかを併用するか、併
    用を繰り返して注入する。 (注入による現象) (a)所定の圧力範囲になるまで。 (b)注入圧が上昇して注入困難になるまで。 (c)地盤隆起が生じるまで。 (d)所定の注入量に達するまで。
  3. 【請求項3】 請求項1において、A液およびB液を次
    の(1)〜(3)のいずれかにより、またはこれらの併
    用により注入対象領域を拘束しながら注入する請求項1
    に記載の地盤注入工法。 (1)A、B液の注入ステージを上から下に移行して注
    入する。 (2)A、B液の注入管路を複数設置し、これらの吐出
    口からA、B液を同時または時間差をもって注入する。 (3)A、B液の少なくともいずれかを柱状浸透空間か
    ら注入する。
  4. 【請求項4】 請求項1において、次のいずれかの注入
    態様で、またはこれらを併用して注入する請求項1に記
    載の地盤注入工法。 (1)複数本の細管を、これらの吐出口がそれぞれ長さ
    方向に異なるように束ねてなる注入管を複数本地盤中に
    設置し、これら複数の注入管を通じてA、B液を複数の
    注入ポイントから同時に注入する。 (2)パッカー機能を有する注入管を地盤中に設置し、
    この注入管を通じてA、B液を注入する。 (3)吐出口の少なくとも上側に膨脹された袋パッカー
    を備えた注入管を地盤中に設置し、該袋パッカーの下側
    の空間にA、B液を注入する。 (4)懸濁型グラウトまたは瞬結グラウトを一次注入し
    た地盤に、二次注入としてA、B液を注入する。 (5)軸方向の異なる位置に複数の吐出口を有する多重
    管を地盤中に設置し、これらの複数の吐出口からA、B
    液を同時注入する。 (6)A、B液の少なくとも一方を地盤中の複数の注入
    ポイントから同時注入する。 (7)スラグ系またはセメント系グラウトを地盤中に注
    入の後、A、B液を注入する。
  5. 【請求項5】 請求項1において、注入対象地盤を次の
    いずれかに示される注入態様で注入する請求項1に記載
    の地盤注入工法。 (1)上部の注入区分から下部の注入区分に順次に注入
    する。 (2)浸透性の大きな注入区分から小さな注入区分に順
    次に注入する。 (3)注入液の逸脱しやすい注入区分から逸脱しにくい
    注入区分に順次に注入する。 (4)地下水を周辺に押し出しやすい注入区分から順次
    に注入する。 (5)先行して注入する注入区分が、あとから注入する
    注入区分を拘束する順に注入する。 (6)注入ステージを上部から下部に移行して注入す
    る。 (7)注入ステージの上部に固結層を形成した後に、次
    いで注入ステージの下部に注入する。
  6. 【請求項6】 請求項1において、注入液送液系統は注
    入液加圧部から分岐される請求項1に記載の地盤注入工
    法。
  7. 【請求項7】 請求項1において、注入液送液系統はそ
    れぞれ、独立した複数の注入液加圧部に別々に連結され
    る請求項1に記載の地盤注入工法。
  8. 【請求項8】 請求項1において、注入液送液系統は単
    一の駆動体で同時に駆動する複数の注入液加圧部にそれ
    ぞれ別々に連結される請求項1に記載の地盤注入工法。
  9. 【請求項9】 請求項1において、地盤の注入領域およ
    びその付近の変位、または地盤上の構造物の変位を測定
    し、この測定値に基づいてA、B液を注入し、A、B液
    の注入管理を行なう請求項1に記載の地盤注入工法。
  10. 【請求項10】 請求項9において、地盤の注入領域お
    よびその付近、または地盤上の構造物に変位センサを設
    け、この変位センサからの情報を中央管理部に送信して
    上述地盤の注入領域およびその付近、または構造物に変
    位状況を把握するとともに、A、B液の浸透固結状況を
    も把握し、A、B液の注入管理を行なう請求項9に記載
    の地盤注入工法。
  11. 【請求項11】 請求項1において、地盤に注入液識別
    センサを設置し、地盤の注入領域およびこの付近におけ
    るA、B液の浸透または逸脱状況を測定してA、B液の
    注入管理を行なう請求項1に記載の地盤注入工法。
  12. 【請求項12】 請求項1において、地盤の所定の注入
    領域における任意の注入孔の横または縦断面を観察し、
    これが所定の範囲の注入圧および/または流量を満たし
    ていない場合には、前記注入領域の全部を再注入する請
    求項1に記載の地盤注入工法。
  13. 【請求項13】 請求項6、7または8において注入液
    送液系統に接続される注入液加圧部は流量圧力制御装置
    を備え、これによりA、B液を所望の圧力および/また
    は流量に保持して注入液送液系統に送液する請求項6、
    7または8に記載の地盤注入工法。
  14. 【請求項14】 請求項13において、流量圧力制御装
    置はリターンシテスムおよび/またはグラウトポンプ、
    および流量圧力検出器を備え、この流量圧力検出器で検
    出されたA、B液の流量データおよび/または圧力デー
    タにもとづいて前記リターンシテスムおよび/またはグ
    ラウトポンプを制御し、これによりA、B液を所望の圧
    力および/または流量に保持して注入液送液系統に送液
    する請求項13に記載の地盤注入工法。
  15. 【請求項15】 請求項1において、前記注入液送液系
    統にさらに絞り調整装置を備えた請求項1に記載の地盤
    注入工法。
  16. 【請求項16】 請求項1において、注入液送液系統は
    注入液加圧部から分岐されるとともに、絞り調整装置を
    備えかつ、該注入液加圧部は流量圧力制御装置を備え、
    さらに中央管理部にはA、B液のそれぞれ、注入圧力、
    流量、濃度、区別、注入順序、および地盤隆起にかかる
    注入データの一部または全部を設定しておき、これら注
    入データを前記絞り調整装置および流量圧力制御装置の
    いずれか一方または両方により、設定された範囲に維持
    するようにした請求項1に記載の地盤注入工法。
  17. 【請求項17】 請求項16において、前記注入データ
    の少なくとも注入圧力、流量および地盤隆起のうちの一
    つが設定範囲に達したとき、あるいは越えたとき、新た
    に設定値を設けるようにした請求項16に記載の地盤注
    入工法。
  18. 【請求項18】 請求項16において、前記注入データ
    の少なくとも注入圧力、流量および地盤隆起のうちの一
    つが設定範囲に達したとき、あるいは越えたとき、注入
    を手動により切り換えてさらに注入を続けるようにした
    請求項16に記載の地盤注入工法。
  19. 【請求項19】 請求項1において、前記注入液送液系
    統にさらに注入液識別センサを設けてA液およびB液の
    注入状況を一括監視する請求項1に記載の地盤注入工
    法。
  20. 【請求項20】 請求項1において、前記中央管理部
    に、さらに、時間データ、場所データ、A、B液のそれ
    ぞれ、注入圧力、流量、濃度、区別および順序にかかる
    各種注入データを画面表示して注入状況を一括監視する
    請求項1に記載の地盤注入工法。
  21. 【請求項21】 請求項1において、前記中央管理部
    に、さらに、時間データ、場所データ、A、B液のそれ
    ぞれ、注入圧力、流量、濃度、区別および順序にかかる
    各種注入データを記録し、この注入データにもとづいて
    注入日報を作成する請求項1に記載の地盤注入工法。
  22. 【請求項22】 請求項1において、前記中央管理部
    に、さらに、影響データおよび/または注入液データを
    送信し、画面表示して注入状況を一括監視する請求項1
    に記載の地盤注入工法。
  23. 【請求項23】 請求項22において、影響データは地
    盤隆起データ、またはA、B液の注入領域外への逸脱や
    地盤中におけるA、B液の浸透を識別する注入液識別セ
    ンサからのデータである請求項22に記載の地盤注入工
    法。
  24. 【請求項24】 請求項22において、注入液データは
    A、B液のそれぞれ種類、濃度および区別のデータおよ
    びA、B液と洗浄水との識別に関するデータである請求
    項22に記載の地盤注入工法。
  25. 【請求項25】 請求項13において、流量圧力制御装
    置でA、B液の注入圧力および/または流量を測定し、
    その測定値にもとづいて各注入ステージまたは各注入孔
    における適切な圧力および/または流量の範囲を設定す
    る請求項13に記載の地盤注入工法。
  26. 【請求項26】 請求項1において、前記中央管理部に
    平面的ないしは三次元画面表示を行うことにより、注入
    圧力および/または流量の少なくとも一つの設定範囲を
    満たしていない部分を見出し、その部分に再注入するよ
    うにした請求項1に記載の地盤注入工法。
  27. 【請求項27】 請求項1において、注入領域の所定の
    位置に排水材を設置し、注入に際して地下水を逃すか、
    あるいは地下水の吸水を併用して注入液の浸透を誘導す
    る請求項1に記載の地盤注入工法。
  28. 【請求項28】 請求項1において、水ガラスを有効成
    分とするA液は水ガラスと反応剤の混合液である請求項
    1に記載の地盤注入工法。
  29. 【請求項29】 請求項1において、水ガラスを有効成
    分とするA液は水ガラスと反応剤の混合液であって、地
    盤中でA液がゲル化する前にB液とA液を反応をさせる
    ようにした請求項1に記載の地盤注入工法。
  30. 【請求項30】 水ガラスを有効成分するA液と、アル
    カリ土金属の塩化物を有効成分とするB液とを別々に、
    異なった注入液送液系統を通して地盤中に注入し、これ
    らを地盤中で反応させて該地盤を固結する地盤注入工法
    において、前記注入液送液系統に流量検出器および/ま
    たは圧力検出器を配置するとともに、中央管理部を設
    け、前記流量検出器および/または圧力検出器から検出
    された流量信号および/または圧力信号を前記、中央管
    理部に送信して信号データの記録並びに表示を行ない、
    各注入液送液系統におけるA液およびB液の注入状況を
    一括監視することを特徴とし、かつ前記、中央管理部に
    送信された流量信号および/または圧力信号のデータ情
    報および地盤隆起のデータ情報に基づき、A、B液の注
    入の完了、注入の中止、継続注入または再注入の管理を
    行なうことを特徴とする地盤注入工法。
  31. 【請求項31】 水ガラスを有効成分するA液と、アル
    カリ土金属の塩化物を有効成分とするB液とを別々に、
    異なった注入液送液系統を通して地盤中に注入し、これ
    らを地盤中で反応させて該地盤を固結する地盤注入工法
    において、前記注入液送液系統に流量検出器および/ま
    たは圧力検出器を配置するとともに、中央管理部を設
    け、前記流量検出器および/または圧力検出器から検出
    された流量信号および/または圧力信号を前記、中央管
    理部に送信して信号データの記録並びに表示を行ない、
    各注入液送液系統におけるA液およびB液の注入状況を
    一括監視することを特徴とし、かつ、前記地盤の所定注
    入領域に代表的注入ポイントを一つまたは複数設定し、
    この代表的注入ポイントの各注入ステージにおける注入
    圧力および/または流量の適切値を測定し、この適切値
    を中央管理部に設定し、この設定範囲にもとづいて所定
    の注入領域における各注入ステージでの注入を行なうこ
    とを特徴とする地盤注入工法。
  32. 【請求項32】 請求項31において、前記適切値の設
    定範囲および注入試験によって得られた設定範囲に対し
    て、実際の注入による測定値を加味して補正するように
    した請求項31に記載の地盤注入工法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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