JP2003020501A - 保温肌着 - Google Patents

保温肌着

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JP2003020501A
JP2003020501A JP2001204534A JP2001204534A JP2003020501A JP 2003020501 A JP2003020501 A JP 2003020501A JP 2001204534 A JP2001204534 A JP 2001204534A JP 2001204534 A JP2001204534 A JP 2001204534A JP 2003020501 A JP2003020501 A JP 2003020501A
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JP
Japan
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heat
fiber
underwear
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hydrogen atom
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Application number
JP2001204534A
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English (en)
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Koichi Saegusa
宏一 三枝
Taizo Horiike
泰三 堀池
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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  • Undergarments, Swaddling Clothes, Handkerchiefs Or Underwear Materials (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、ポリフェニレンサルファイド繊維特
有の特徴を阻害することなく、紫外線等の光線に対する
耐久性に優れ、屋外における使用においても変色がな
く、かつ濃色に染色ができ、更に保温性あ優れたポリフ
ェニレンサルファイド繊維交編及び混紡肌着を提供せん
とするものである。 【解決手段】本発明の保温肌着は、ポリフェニレンサル
ファイド繊維を含み、木綿繊維、羊毛、ポリアクリロニ
トリル繊維、ポリエステル繊維及びポリアミド繊維から
選ばれた、1種以上よりなり、かつJIS L−084
2に基づいて測定される紫外線カーボンアーク灯光に対
する耐光堅牢度が1級以上であることを特徴とするもの
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、保温性が高く、紫
外線などの光線に対する耐久性が優れ、かつ濃色に染色
されたポリフェニレンサルファイド(以下、PPSとい
う)使いの保温肌着に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、保温性を必要とする衣料、すなわ
ちサポーターや肌着においては、ポリ塩化ビニルからな
る繊維を用いた衣料が広く用いられてきた。しかしなが
ら、これらポリ塩化ビニル繊維を使用した衣料は、廃棄
処分における焼却の際に、ダイオキシンが発生し、環境
に悪影響を及ぼすなどの問題があった。そこで上記した
ポリ塩化ビニルの代替繊維として、近年PPS繊維から
なる衣料が用いられるようになってきている。
【0003】しかしながら、PPSは素材固有の性質と
して耐光性に劣る、すなわち紫外線等の光線の照射下に
おいて変色すると言う問題があった。そのため、従来技
術にかかるPPS100%あるいはPPSとその他の汎
用樹脂による繊維、繊維資材、フィルム、成形体等のP
PS部材は、長時間日光にさらされた際にPPSが茶色
に変色し、繊維資材もしくは部材の外観を損ない、さら
には消費者の信頼を損なう懸念があった。
【0004】一般に、樹脂部材の耐光性を改善する試み
としては、耐光剤を樹脂中に含有あるいは表面に組成し
て用いることなどは知られるところである。しかしなが
ら、PPSにおいてはかかる耐光剤の適用により成功し
た例は知られていない。
【0005】更にPPSは、染着座席がないという分子
構造上の理由により、カチオン染料及び酸性染料のよう
な染料では、染色されないという欠点と、染着座席がな
い上に、結晶化度が非常に高くなることから、濃色に染
色することが非常に困難な門題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の背景に鑑み、PPS特有の特徴を阻害することな
く、保温性に優れ、紫外線等の光線に対する耐久性に優
れ、屋外における使用においても変色のなく、かつ濃色
に染色されたPPSからなる保温肌着を提供せんとする
ものである。
【0007】本発明によれば、キャリアを使用すること
なく染色することができる上に高温で染色する必要もな
く、濃色染色することができるので、環境や人体への影
響が少なく、効率的に、しかも、通常の染色条件で染色
することができるというメリットがある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するために、次のような手段を採用するものであ
る。すなわち、本発明の保温肌着は、ポリフェニレンサ
ルファイド繊維と、木綿繊維、羊毛、ポリアクリロニト
リル繊維、ポリエステル繊維及びポリアミド繊維から選
ばれた少なくとも1種とからなる肌着であって、かつ、
該肌着のJISL−0842に基づいて測定される紫外
線カーボンアーク灯光に対する耐光堅牢度が1級以上で
あることを特徴とするものである。
【0009】なお、本発明の好ましい実施形態として
は、前記PPS繊維に下記一般式(I)で表される化合
物および下記一般式(II)で表される化合物から選択
される少なくとも1種の紫外線吸収剤を含有することを
特徴とするものである。
【0010】
【化6】
【0011】(ここで、R1は水素原子または水酸基で
あり、R2は水酸基、あるいは1個〜12個の炭素原子
を有する直鎖状のまたは分岐鎖状のアルキルオキシ基で
あり、R3は水素原子または−SO3Hであり、R4は
水素原子または−OCH3であり、そしてR5は水素原
子または水酸基である。)
【0012】
【化7】
【0013】(ここで、R6は水素原子であるかあるい
は1個〜5個の炭素原子を有する直鎖状のまたは分岐鎖
状のアルキル基であり、R7は1個〜5個の炭素原子を
有する直鎖状のまたは分岐鎖状のアルキルであり、そし
てR8は水素原子または塩素原子である。)
【0014】
【発明の実施の形態】本発明に用いるPPSとは、その
構成単位の90モル%以上が−(C6 H4−S)−で
あらわされるフェニレンサルファイド構造単位を有する
重合体からなるものである。好ましくは、フェニレンサ
ルファイド構造の内90モル%以上がパラ配向にて結合
されたものである。このPPSは従来公知の方法にて製
造することができる。
【0015】PPS繊維と配合される繊維としては、木
綿繊維、羊毛繊維、ポリアクリロニトリル繊維、ポリエ
ステル繊維から選ばれた少なくとも1種を使用すること
が優れた耐光性を得るために好ましい。PPS100%
の状態で用いることも可能であるが、この場合は、肌着
などにおける規定の耐光堅牢度を満足することができな
い可能性があり好ましくない。上記した繊維に限定され
ることなく、その他の一般繊維、例えばナイロンなどの
ポリアミド系繊維も種々の用途に応じて用いることがで
きる。
【0016】かかる繊維のうち、合成繊維であるポリエ
ステル繊維やポリアクリロニトリル繊維においては、糸
の断面形状が丸断面だけでなく、三角やY型断面や中空
断面や田型断面など、保温性をより向上した断面形状の
繊維も優れた保温性を得る上で好ましく用いられる。ま
た、伸縮性を付与する目的で、ポリウレタン繊維を混入
することも好ましい。ポリフェニレンサルファイド繊維
の含有量は、全繊維重量のうち、好ましくは3〜60重
量%、さらに好ましくは10〜50重量%、特に好まし
くは15〜30重量%である。ポリフェニレンサルファ
イド繊維の含有量が多ければ、当然、保温性および耐蒸
熱性の優れた繊維資材が得られるが、ポリフェニレンサ
ルファイド繊維は、木綿繊維、羊毛繊維、ポリアクリロ
ニトリル繊維、ポリアミド繊維およびポリエステル繊維
に比較して高価であり、高価なものしか提供できなくな
る。またさらには、耐光性に劣るため好ましくない。ま
た、ポリフェニレンサルファイド繊維の含有量が少なす
ぎると、保温、耐蒸熱性、難燃性改善の効果が小さく望
ましくない。ところが、ポリフェニレンサルファイド繊
維を適量混ぜることにより、コストのアップ分が小さい
にもかかわらず、保温、耐蒸熱性および難燃性の改善効
果が大きくなるのである。
【0017】すなわち、保温性や耐蒸熱性および難燃性
のみを重視するのであれば、ポリフェニレンサルファイ
ド繊維のみからなる繊維資材を用いればよいが、たとえ
ば衣料としての経済性と保温性の向上効果を両立せしめ
るためには、ポリフェニレンサルファイド繊維の含有量
としては、上述のように、3〜60重量%であることが
望ましい。3重量%未満であれば保温性の向上効果が小
さく望ましくなく、60重量%より多ければ保温性の向
上効果は大きいものの非常に高価な繊維資材となり、保
温性衣料として適切ではない。さらに好ましくは、ポリ
フェニレンサルファイド繊維の含有量が15〜30重量
%のものがよい。
【0018】本発明のPPSからなる保温肌着は、耐光
性の評価指標であるJIS L−0842に基づいて測
定される紫外線カーボンアーク灯光における耐光堅牢度
が1級以上である。該耐光堅牢度が1級未満であると、
日光にさらされた際の変色が大きく、上述の課題を解決
することはできない。該耐光堅牢度は好ましくは2級以
上であり、さらに好ましくは3級以上であるのがよい。
【0019】本発明でいう耐光堅牢度はJIS L−0
842に基づいて測定されるものである。すなわち、試
験片と、該JISにて規定されたブルースケールとを共
にカーボンアーク灯光によって露光し、試験片の変退色
と、ブルースケールの変退色とを比較して、その堅牢度
を判定するものである。また、該耐光堅牢度の等級につ
いては、試験片と同程度の変退色を示したブルースケー
ルの等級で表し、この等級が高くなるほど、耐光堅牢度
に優れることを意味するものである。
【0020】本発明の衣料は、保温性の評価指標である
好ましくはクロー(clo)値が0.7℃m2hr/kcal
以上であるという特徴を有するものが好ましい。保温性
がさらに要求される場合には、該クロー値が、さらに好
ましくは1.5(℃・m2・hr/kcal)以上、特に好ま
しくは2(℃・m2・hr/kcal)以上であるものがよ
い。しかし、該クロー値が、3(℃・m2・hr/kcal)
以上となると、保温性は良好であるが、動きにくいなど
の制約が出てきるので好ましくない。
【0021】ここで言うクロー値(clo)値とは、G
agge A.P、BurtonA.Lらによって提案
された保温性の評価手法であって、1クローは、気温2
1℃、湿度50%以下、風速5cm/sの室内で椅子に
座っている人の皮膚温を平均33℃に保つのに必要な断
熱性であると定義されている。
【0022】実際の評価方法は、40℃の高温側恒温体
Th(℃)と20℃の低温側恒温体Tl(℃)の2枚の
恒温体の間にサンプルを挟み、定常状態となるまで待っ
てから、高温側恒温体から低温側恒温体に流れる熱流量
B(kcal/m2・hr)を測定し、下式にてクロー
値(℃・m2・hr/kcal)を算出する。
【0023】 クロー値(℃・m2・hr/kcal) =[Th(℃)−Tl(℃)]/[0.18×B(kcal/ m2・hr)] =[40(℃)−20(℃)]/[0.18×B(kcal/ m2・hr)] 次に、本発明のPPSからなる肌着を得る方法につい
て、一例を挙げて説明する。しかし、かかる説明によ
り、本発明が制限されるわけではない。
【0024】本発明のPPSからなる保温肌着は、好ま
しく少なくとも下記一般式(I)や一般式(II)に示
す特定の紫外線吸収剤をPPSに含有させることにより
得ることができる。
【0025】すなわち、一般式(I)で表される化合
物、および以下の一般式(II)で表される化合物から
なる群より選択される少なくとも1種の化合物である。
【0026】
【化8】
【0027】(ここで、R1は水素原子または水酸基で
あり、R2は水酸基、あるいは1個〜12個の炭素原子
を有する直鎖状のまたは分岐鎖状のアルキルオキシ基で
あり、R3は水素原子または−SO3Hであり、R4は
水素原子または−OCH3であり、そしてR5は水素原
子または水酸基である。)
【0028】
【化9】
【0029】(ここで、R6は水素原子であるかあるい
は1個〜5個の炭素原子を有する直鎖状のまたは分岐鎖
状のアルキル基であり、R7は1個〜5個の炭素原子を
有する直鎖状のまたは分岐鎖状のアルキルであり、そし
てR8は水素原子または塩素原子である。)かかる一般
式(I)で表される化合物の例としては、2,4−ヒド
ロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ
ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベン
ゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベン
ゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4−メトキシベ
ンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4,4'−ジメ
トキシベンゾフェノン、および2−ヒドロキシ−4−メ
トキシ−5−スルホベンゾフェノンが好ましく使用され
る。
【0030】また、一般式(II)で表される化合物の
例としては、2−(2'−ヒドロキシ−5'−tert−
メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒ
ドロキシ−5'−tert−ブチルフェニル)ベンゾト
リアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3'−tert−
ブチル−5'−メチルフェニル)−5−クロロベンゾト
リアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−
tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリア
ゾール、および2−(2'−ヒドロキシ−3',5'−t
ert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾールが好まし
く使用される。
【0031】本発明においては、上記一般式(I)およ
び(II)で表される化合物で示される紫外線吸収剤
を、単独または組み合わせて使用することができる。
【0032】本発明においては、かかる紫外線吸収剤の
中でも、2−(2'−ヒドロキシ−3'−tert−ブチ
ル−5'−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリア
ゾールを用いることが、PPS基材により優れた耐光性
を与える上から、特に好ましく使用される。
【0033】かかる紫外線吸収剤は、PPS基材100
gに対し、好ましくは0.3重量部〜6重量部、より好
ましくは0.5重量部〜4重量部の割合で分散、含有さ
れているのがよい。紫外線吸収剤の含有量が0.3重量
部を下回ると、得られるPPS部材は、充分な耐光性を
有しない恐れがある。他方、紫外線吸収剤の含有量が6
重量部を超えて含有させても、PPS部材に、特にそれ
以上の優位な差を得ることがなく、経済性の観点におい
て好ましくない。また、ブリードアウトなどで製品の外
観を損ねる恐れがある。
【0034】かかる紫外線吸収剤を含有させるための手
法については、特に限定されるものではないが、次の例
を好ましく用いることができる。
【0035】すなわち、上記紫外線吸収剤および分散剤
を含有する処理液に、PPS基材を接触させる方法が採
用される。この処理液との接触には、浸漬、スプレー、
および塗布などの任意の手段が使用されるが、作業性に
優れる点から、浸漬により接触させる手段が好ましく使
用される。
【0036】具体的には、例えば、高圧高温容器(例え
ば、高圧染色機)を用いて、PPS基材を、好ましくは
4倍〜400倍、より好ましくは8倍〜40倍の浴比
で、該処理液からなる処理浴に浸漬する方法が採用され
る。処理温度は、特に限定されないが、好ましくは14
0℃以上、より好ましくは140℃以上150℃以下の
温度に該処理浴を調節することにより、PPS部材の耐
光性をさらに向上せしめることができる。
【0037】また、かかる処理液に、後述するカバリン
グ剤を含有させることにより、該処理温度を低下させる
ことも可能である。さらに、上記接触に要する処理時間
は、好ましくは15分〜120分が採用される。
【0038】上記のような条件で処理液に接触されられ
たPPS基材は、次いで、処理浴から取り出され、水洗
等の通常の洗浄処理が施される。
【0039】本発明においては、かかる処理液に、分散
剤を含有せしめることが極めて好適に採用される。かか
る分散剤を併用することにより、処理液中(溶液中)の
紫外線吸収剤の分散性が向上し、かつ、PPS部材の耐
光性が飛躍的に向上する。本発明においては、分散剤を
用いず耐光性を向上させることも可能であるが、この場
合は、耐光性の向上効果も少なく、なおかつ紫外線吸収
剤の含有量を多くする必要や、紫外線吸収剤を含有させ
る際の処理温度を高くする必要などがあり、経済性、生
産性などを考慮する上で好ましくない。
【0040】このような分散剤の例としては、ポリオキ
シアルキレン・スチレンオキサイド付加物の硫酸化物、
スチレン化フェノール・エチレンオキサイド付加物の脂
肪酸エステル、およびポリオキシエチレンアルキルアリ
ルエーテルの脂肪酸エステルが好ましく使用される。か
かる分散剤としては、特に上記のものに限定する必要は
なく、上記紫外線吸収剤の水に対する分散性を向上させ
る分散剤であれば、別に使用してもさしつかえない。
【0041】処理液中に含まれる上記分散剤は、基材中
のPPS含量100gに対し、好ましくは0.1重量部
〜2重量部、より好ましくは0.2重量部〜1重量部の
割合であるのがよい。分散剤の含有量が0.1重量部を
下回ると、耐光性の改善に対し、分散剤の効果を十分に
認めることは困難である。他方、分散剤の含有量が2重
量部を超えても、その処理液を用いて得られるPPS部
材に特に優位な差を得ることがなく、むしろ生産性に劣
る恐れがある。
【0042】なお、本発明のPPS部材を得るにあた
り、前記処理液中において特定の平均粒径を有する上記
紫外線吸収剤と、上記分散剤とを併用して調製すること
は特に好ましい方法である。かかる紫外線吸収剤の平均
粒径としては、好ましくは2ミクロン以下、より好まし
くは0.1ミクロン〜1ミクロンの範囲のものが好まし
く使用される。紫外線吸収剤が、このような平均粒径の
ものであると、得られるPPS部材の耐光性を、さらに
顕著に向上させることができる。
【0043】また、これら紫外線吸収剤は、単独で用い
ることもできるが、種々の染料との併用も可能であり、
これにより、染色されたPPS部材の耐光性を向上させ
ることも可能である。
【0044】なお、紫外線吸収剤を含有するにあたり、
含有させる際の基材の形態は特に限定されるものではな
く、PPSの原糸、原綿、さらにはPPS繊維100%
からなる紡績糸や、PPS繊維とその他の汎用繊維とを
混紡した紡績糸の状態で紫外線吸収剤を含有せしめるこ
とも可能であるし、また平織りなどの織物の状態で含有
せしめることも可能である。さらには、PPSのステー
プルやフィラメント単独の状態で紫外線吸収剤を含有さ
せ、その後PPS100%からなる紡績糸もしくはフィ
ラメントや、その他の汎用繊維との混紡糸、混繊糸に仕
立て使用することが可能である。
【0045】本発明のPPS部材は、着色物を所望する
ときには、以下のカバリング剤と染料を含有せしめるこ
とが好ましい。
【0046】もちろん、かかるカバリング剤は、染料配
合せず、上記紫外線吸収剤のみを含む形で処理すること
もできる。
【0047】かかるカバリング剤としては、下記一般式
(III)で表される化合物および下記一般式(IV)
で表される化合物から選択される少なくとも1種を含む
ものが好ましく使用される。
【0048】
【化10】
【0049】(ここで、Aは、−O−または−C(O)
O−であり、R9はフェニル基またはその誘導体の基、
あるいは置換または未置換のフェニルアルキレン基であ
る。)
【0050】
【化11】
【0051】(ここで、R10は1個〜5個の炭素原子
を有する脂肪族炭化水素基であり、そしてX1およびX
2は、それぞれ独立して水素原子またはハロゲン原子で
ある。)と乳化剤とからなる乳化物である。
【0052】上記一般式(III)で表される化合物の
例としては、安息香酸フェニルおよびその誘導体(例え
ば、安息香酸サリチレート)、ベンジルベンゾエートお
よびその誘導体、ジフェニルエーテル、ならびにフェニ
ルベンジルエーテルおよびその誘導体が、好ましく採用
される。
【0053】また、上記一般式(IV)で表される化合
物の例としては、下記一般式の化合物が好ましく使用さ
れる。
【0054】
【化12】
【0055】(ここで、R2は、1個〜5個の炭素原子
を有する脂肪族炭化水素基である。)上記一般式(I
V)で表される化合物のより好ましい化合物の例として
は、下記一般式の化合物が好ましく使用される。
【0056】
【化13】
【0057】本発明においては、かかる(III)、
(IV)の化合物の中でも、汎用性を高める(例えば、
臭気および耐光性の低下が少ない)点から、ベンジルベ
ンゾエートを含有させることが好ましい。
【0058】本発明に用いられるカバリング剤を用いる
場合には、例えば、処理液中に含有せしめて用いること
ができる。このカバリング剤は、上記一般式(III)
および/または(IV)で表される化合物を含有する乳
化物を採用するものであるが、具体的には、かかる化合
物と、界面活性剤のような乳化剤とから構成されるもの
が使用される。
【0059】本発明のカバリング剤は、上記一般式(I
II)または(IV)で表される化合物を、カバリング
剤の全重量に対して、好ましくは10重量%〜40重量
%の割合でPPS基材中に含有させるのがよい。
【0060】上記カバリング剤は、基材中のPPS含量
100gに対し、好ましくは1重量部〜20重量部、よ
り好ましくは2重量部〜10重量部の割合で含有し、か
つ、染料を含有する処理液を使用して処理するのがよ
い。かかるカバリング剤の含有量をこのような範囲とす
ることにより、経済性および生産性の点で有利であり、
また、低い浴温度での処理が可能になるので、処理中の
変形を起こすことがなく、また、耐熱性に劣る他の素材
との複合時に、該素材の劣化あるいは変形などを起こす
ことなく、処理することができ、つまり実用性を損なう
こと無く、耐光性を向上せしめることが可能である。
【0061】また、ここで使用する染料は、分散染料が
好ましく使用され、通常の染料濃度で該処理液を構成す
ることができる。もちろん、前記紫外線吸収剤をかかる
処理液に配合して、同時に処理することもできる。
【0062】かかるカバリング剤を含有する処理液は、
PPS基材と、より低温度で接触させることができるの
である。かかる処理液の好ましい処理温度は、100℃
から130℃である。処理温度が100℃未満では、P
PS部材に充分な耐光性を提供することができない恐れ
がある。
【0063】本発明の濃色に染色されたPPS部材は、
L値が80以下、好ましくは70以下、さらに好ましく
は50以下であることを特徴とするものである。
【0064】本発明で言うL値とは、物体色の濃さを示
す明度の指標であって、本発明ではスガ試験機株式会社
製SMカラーコンピューター(型式:SM−4−2型)
を用いて、ハンター方式により、L値を測定した。この
L値は、低いほど濃色であることを意味するものであ
る。L値が80を越えると、染料の基材への浸透が十分
でなく、衣料などとして用いた際に外観を損なうので好
ましくない。
【0065】次に、本発明のPPS部材を得る方法につ
いて一例を挙げて説明する。しかし、かかる説明により
本発明が制限されるわけではない。
【0066】本発明の濃色に染色されたPPS部材は、
好ましくは少なくとも下記一般式(I)や一般式(I
I)に示す特定な化合物と、その乳化剤とからなるカバ
リング剤を含有させることにより、容易に得ることがで
きる。
【0067】すなわち、PPS部材に、染料と同時に下
記するカバリング剤を少量含有する処理液により、低温
領域において処理することにより、濃色に染色すること
ができる上に、環境や人体に有害なキャリアを含まない
PPS部材を提供することができるものである。
【0068】前記のカバリング剤とは、以下の一般式
(I)で表される化合物および以下の一般式(II)で
表される化合物から選択される少なくとも1種と、乳化
剤とからなるものを意味するものである。
【0069】
【化14】
【0070】(ここで、Aは、−O−または−C(O)
O−であり、R9はフェニル基またはその誘導体の基、
あるいは置換または未置換のフェニルアルキレン基であ
る。)
【0071】
【化15】
【0072】(ここで、R10は1個〜5個の炭素原子
を有する脂肪族炭化水素基であり、そしてX1およびX
2は、それぞれ独立して水素原子またはハロゲン原子で
ある。) 上記一般式(I)で表される化合物としては、安息香酸
フェニルおよびその誘導体、たとえば安息香酸サリチレ
ート、ベンジルベンゾエートおよびその誘導体、たとえ
ばジフェニルエーテル、フェニルベンジルエーテルなど
を使用することができる。
【0073】なお、汎用性を高める観点、例えば、臭気
および耐光性の低下が少ないという点から、上記一般式
(I)で表される化合物の中で、ベンジルベンゾエート
が好ましく使用される。
【0074】上記一般式(II)で表される化合物の例
としては、下記一般式で表される化合物が好ましく使用
される。
【0075】
【化16】
【0076】(ここで、R2は、1個〜5個の炭素原子
を有する脂肪族炭化水素基である。)さらに好ましい化
合物の例としては、下記一般式で表される化合物が好ま
しく使用される。
【0077】
【化17】
【0078】本発明においては、汎用性を高めるという
観点から、このような一般式(I)または(II)で表
される化合物のうち、ベンジルベンゾエートが好ましく
採用される。
【0079】本発明に用いられるカバリング剤は、上記
一般式(I)または(II)で表される少なくとも1種
の化合物と乳化剤とからなる乳化物である。
【0080】具体的には、一般式(I)または(II)
で表される化合物の少なくとも1種と、界面活性剤のよ
うな乳化剤とを含有するものである。
【0081】本発明のかかるカバリング剤は、上記一般
式(I)または(II)で表される化合物を、カバリン
グ剤の全重量に対して、好ましくは10重量%〜40重
量%の割合で含むものである。
【0082】なお、上記したカバリング剤は、いずれも
環境負荷が少なく、人体への影響も少ない化合物として
知られており、これらのカバリング剤と染料とを併用し
て処理することにより、濃色に染色され、なお、かつ比
較的低温での処理が可能であり、さらには環境や人体へ
の影響の少ないPPS部材を提供することができるもの
である。
【0083】これらカバリング剤を用いる際の手法につ
いては、特に限定されるものではないが、好ましくは下
記のとおりである。
【0084】すなわち、処理液に含まれる上記カバリン
グ剤は、PPS基材含量100gに対し、好ましくは1
重量部〜20重量部、より好ましくは2重量部〜10重
量部の割合で含有させる。カバリング剤の含有量が1重
量部未満であると、より低い浴温度で処理することが困
難になる恐れがある。他方、カバリング剤の含有量が2
0重量部を上回ると、その処理液を用いて得られるPP
S部材に、特にそれ以上の優位な差を得ることがなく、
むしろ生産性(経済性)に劣る恐れがでてくるものであ
る。
【0085】かかるカバリング剤を含む処理液は、PP
S基材と、好ましくは100〜130℃という、より低
い処理温度で処理することができる。かかる処理温度が
100℃未満では、PPS基材に染料を十分含有させる
ことができず、濃色に染色されたPPS部材を提供する
ことができない恐れがある。
【0086】本発明においては、上記したカバリング剤
を含有する処理液に、分散染料を同時に含有させること
で、PPS基材を染色することが可能となる。
【0087】かかる分散染料としては、通常、ポリエス
テル繊維の染色に用いられる分散染料を使用することが
できる。このような分散染料の例としては、ダイアニッ
クスイエローSE−G(ダイスター社製)、ダイアニッ
クスイエローAM−42(ダイスター社製)、ダイアニ
ックスイエローブラウンSE−R(ダイスター社製)、
ダイアニックスレッドSE−CB(ダイスター社製)、
ダイアニックスレッドS−2B(ダイスター社製)、ダ
イアニックスルビンSE−B(ダイスター社製)、ダイ
アニックスブルーS−BG(ダイスター社製)、ダイア
ニックスネイビーSE−RN300%(ダイスター社
製)、ダイアニックスブラックSE−RN300%(ダ
イスター社製)、ダイアニックスイエローAC−E(ダ
イスター社製)、ダイアニックスレッドAC−E01
(ダイスター社製)、ダイアニックスブルーAC−E
(ダイスター社製)、ダイアニックスブルーE−R15
0%(ダイスター社製)、スミカロンブルーE−FBL
(住友化学(株)製)、スミカロンネイビーブルーS−
2GL(住友化学(株)製)、およびスミカロンブルー
S−BG(住友化学(株)製)を好ましく使用すること
ができるが、これらに限定されない。
【0088】かかる分散染料は、基材中のPPS含量1
00gに対し、好ましくは0.001重量部〜40重量
部、より好ましくは0.01重量部〜20重量部の割合
で、処理液に含有させることができる。分散染料の含有
量が0.001重量部を下回ると色ムラ等を生じ、PP
S基材を充分に染色することができない恐れがある。他
方、分散染料の含有量が40重量部を上回ると、その処
理液を用いて得られるPPS部材の染着濃度に、特にそ
れ以上の優位な差を得ることがなく、むしろ経済性に劣
る恐れがある。
【0089】なお、前記方法においては、処理液中に分
散剤を含有せしめることが極めて好適に採用される。か
かる分散剤との併用により、処理液中(溶液中)の染料
や、カバリング剤の分散性が向上し、PPS基材中に極
めて均一に染料を含有させることができ、PPS部材の
染着濃度は飛躍的に向上する。
【0090】このような分散剤の例としては、ポリオキ
シアルキレン・スチレンオキサイド付加物の硫酸化物、
スチレン化フェノール・エチレンオキサイド付加物の脂
肪酸エステル、およびポリオキシエチレンアルキルアリ
ルエーテルの脂肪酸エステルが好ましく使用される。か
かる分散剤としては、上記染料やカバリング剤の水に対
する分散性を向上させるものであれば、特に上記に限定
されることなく使用することができる。
【0091】かかる分散剤は、基材中のPPS含量10
0gに対し、好ましくは0.1重量部〜2重量部、より
好ましくは0.2重量部〜1重量部の割合でね処理液に
含有させることができる。分散剤の含有量が0.1重量
部を下回ると、処理液中に染料やカバリング剤を完全に
分散させることが困難になる恐れがある。他方、分散剤
の含有量が2重量部を超えても、その処理液を用いて得
られるPPS部材に特に優位な差を得ることがなく、む
しろ生産性に劣る恐れがある。
【0092】本発明では、上記カバリング剤、染料、さ
らには分散剤を含有する処理液に、PPS基材が接触さ
せられる。処理液との接触には、浸漬、スプレー、およ
び塗布などの任意の手段が使用される。本発明において
は、作業性に優れる点から浸漬により接触させることが
好ましい。
【0093】具体的には、例えば、高圧高温容器(例え
ば、高圧染色機)を用いて、上記PPS基材を、好まし
くは4倍〜400倍、より好ましくは8倍〜40倍の浴
比で、かかる処理液からなる100〜130℃の処理浴
に浸漬する。
【0094】かかる高圧染色機を用いる場合は、処理温
度が130℃を越えると、圧力が容器の限界を超えるた
め、処理できない可能性があるなどの問題や、羊毛やポ
リアクリロニトリル繊維などの汎用繊維と同時に染色し
た際に、上記の汎用繊維が高温、高圧により劣化してし
まうため好ましくない。本発明は、かかる低温の処理条
件においても、その処理時間は、好ましくは15分〜1
20分で十分である。
【0095】PPS基材は、上記のような条件で処理液
に接触されられた後、処理浴から取り出され、水洗等の
通常の洗浄処理が施される。
【0096】また、本発明は濃色に染色されたPPS部
材を提供するものであるが、これらPPS部材やPPS
基材に紫外線吸収剤を少量含有させることにより、大幅
に耐光堅牢度を向上させることも可能である。これによ
り、濃色に染色され、なおかつ屋外の使用においても日
光による変色好ましい紫外線吸収剤としては、例えば以
下の一般式(III)で表される化合物、および以下の
一般式(IV)で表される化合物からなる群より選択さ
れる少なくとも1種の化合物である。
【0097】
【化18】
【0098】(ここで、R1は水素原子または水酸基で
あり、R2は水酸基、あるいは1個〜12個の炭素原子
を有する直鎖状のまたは分岐鎖状のアルキルオキシ基で
あり、R3は水素原子または−SO3Hであり、R4は
水素原子または−OCH3であり、そしてR5は水素原
子または水酸基である。)
【0099】
【化19】
【0100】(ここで、R6は水素原子であるかあるい
は1個〜5個の炭素原子を有する直鎖状のまたは分岐鎖
状のアルキル基であり、R7は1個〜5個の炭素原子を
有する直鎖状のまたは分岐鎖状のアルキルであり、そし
てR8は水素原子または塩素原子である。) 上記した紫外線吸収剤のうち、一般式(III)で表さ
れる化合物の例としては、2,4−ヒドロキシベンゾフ
ェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノ
ン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、
2,2'−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノ
ン、2,2'−ジヒドロキシ−4,4'−ジメトキシベン
ゾフェノン、および2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5
−スルホベンゾフェノンが挙げられる。
【0101】好ましい紫外線吸収剤のうち、一般式(I
V)で表される化合物の例としては、2−(2'−ヒド
ロキシ−5'−tert−メチルフェニル)ベンゾトリ
アゾール、2−(2'−ヒドロキシ−5'−tert−ブ
チルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒド
ロキシ−3'−tert−ブチル−5'−メチルフェニ
ル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒ
ドロキシ−3',5'−ジ−tert−ブチルフェニル)
−5−クロロベンゾトリアゾール、および2−(2'−
ヒドロキシ−3',5'−tert−アミルフェニル)ベ
ンゾトリアゾールが好ましく使用される。
【0102】本発明においては、上記一般式(III)
および(IV)で表される化合物でなる紫外線吸収剤を
単独または組み合わせて使用してもよい。本発明におい
ては、PPS基材に対し、より優れた耐光性を提供し得
る点から、上記紫外線吸収剤として、2−(2'−ヒド
ロキシ−3'−tert−ブチル−5'−メチルフェニ
ル)−5−クロロベンゾトリアゾールを用いることがよ
り好ましく使用される。
【0103】なお、カバリング剤を用いて染色するにあ
たり、染色する際のPPS基材の形態は、特に限定され
るものではなく、PPSの樹脂板状のものや、フイル
ム、さらにはポリフェニレンサルファイドの繊維100
%からなる紡績糸や、PPS繊維とその他の汎用繊維と
を混紡した紡績糸の状態で染色することも可能である
し、また、平織りなどの織物の状態で、染色せしめるこ
とも可能である。さらには、PPSのステープルやフィ
ラメント単独の状態で染色し、その後PPS100%か
らなる紡績糸もしくはフィラメントや、その他の汎用繊
維との混紡糸、混繊糸に仕立てて使用することも可能で
ある。該汎用繊維としては例えば、羊毛繊維、木綿、ポ
リエチレンテレフタレート繊維、ポリアクリロニトリル
繊維、ポリウレタン繊維、塩ビ繊維、ポリプロピレン繊
維、ナイロン繊維などが挙げられる。
【0104】以上説明したPPSよりなる保温肌着は、
用途に限定されることなく、種々の用途に使用すること
ができる。
【0105】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本願発明はそれら実施例に限定されるものではな
い。
【0106】実施例1 ポリフェニレンサルファイド短繊維(東レ”トルコ
ン”)を芯に重量比30%、鞘に木綿短繊維を重量比7
0%30Sを100%使いで、シングル丸編み機で天竺
組織を編み立てて、指定分散染料と指定耐光向上剤を染
色時併用し、130℃の温度で45分間浸積した、丸編
地天竺肌着を得た。
【0107】実施例2 ダブル丸編み機でスムース組織で編み立てたこと以外
は、実施例1と同様にして、丸編地スムース肌着を得
た。
【0108】比較例1 実施例1、2の生機を通常加工で染仕上げしたものとも
のと、実施例1.2の使用糸を綿100%30Sで比較
用を作った、比較用4種類と実施例を含め計6種類の、
耐光堅牢度、L値、クロー値を評価した。
【0109】この結果を表1に示す。
【0110】
【表1】
【0111】この結果からわかるように、実施例1〜2
の編地の耐光堅牢度、L値、クロー値が比較品に比べて
良好結果を得た。
【0112】
【発明の効果】本発明によれば、耐光堅牢度に優れてお
り、高温染色しなくても濃色染めができ、かつキャリア
を含まないため、環境や人体にへの影響あ少なく、さら
に保温性が向上した肌着を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/07 C08K 5/07 5/3475 5/3475 5/42 5/42 C08L 101/00 C08L 101/00 D06M 101:30 D06M 101:30 Fターム(参考) 3B028 DA02 3B029 HB01 4J002 AD031 AH001 BG101 CF001 CL001 CN011 EE036 EH127 EU176 EV236 FD046 FD207 GK01 4L033 AA06 AB06 AC15 BA09 BA14 BA22 BA55

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリフェニレンサルファイド繊維と、木
    綿繊維、羊毛、ポリアクリロニトリル繊維、ポリエステ
    ル繊維及びポリアミド繊維から選ばれた少なくとも1種
    とからなる肌着であって、かつ、該肌着のJIS L−
    0842に基づいて測定される紫外線カーボンアーク灯
    光に対する耐光堅牢度が1級以上であることを特徴とす
    る保温肌着。
  2. 【請求項2】該肌着のポリフェニレンサルファイド繊維
    の含有量が、3〜60重量%である請求項1に記載の保
    温肌着。
  3. 【請求項3】該肌着が、丸編地で構成されていることを
    特徴とする請求項1または2に記載の保温肌着。
  4. 【請求項4】該肌着が、0.7℃m2 hr/kcal以上の保
    温性の評価指標であるクロー(clo)値を有するもの
    である請求項1〜3のいずれかに記載の保温肌着。
  5. 【請求項5】該ポリフェニレンサルファイド繊維が、下
    記一般式(I)で表される化合物および下記一般式(I
    I)で表される化合物から選択された少なくとも1種の
    紫外線吸収剤を含有するものであることを特徴とする請
    求項1〜4のいずれかに記載の保温肌着。 【化1】 (ここで、R1は水素原子または水酸基であり、R2は
    水酸基、あるいは1個〜12個の炭素原子を有する直鎖
    状のまたは分岐鎖状のアルキルオキシ基であり、R3は
    水素原子または−SO3Hであり、R4は水素原子また
    は−OCH3であり、そしてR5は水素原子または水酸
    基である。) 【化2】 (ここで、R6は水素原子であるかあるいは1個〜5個
    の炭素原子を有する直鎖状のまたは分岐鎖状のアルキル
    基であり、R7は1個〜5個の炭素原子を有する直鎖状
    のまたは分岐鎖状のアルキルであり、そしてR8は水素
    原子または塩素原子である。)
  6. 【請求項6】 該紫外線吸収剤が、2−(2'−ヒドロ
    キシ−3'−tert−ブチル−5'−メチルフェニル)
    −5−クロロベンゾトリアゾールである請求項5に記載
    の保温肌着。
  7. 【請求項7】 該肌着が、L値が80以下であることを
    特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の保温肌着。
  8. 【請求項8】 該ポリフェニレンサルファイド繊維が、
    一般式(I)で表される化合物および一般式(II)で
    表される化合物から選択された少なくとも1種の化合物
    と、乳化剤とからなるカバリング剤を含有するものであ
    ることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の保
    温肌着。 【化3】 (ここで、Aは、−O−または−C(O)O−であり、
    R9はフェニル基またはその誘導体の基、あるいは置換
    または未置換のフェニルアルキレン基である) 【化4】 (ここで、R10は、1個〜5個の炭素原子を有する脂
    肪族炭化水素基であり、そしてX1およびX2は、それ
    ぞれ独立して水素原子またはハロゲン原子である。)
  9. 【請求項9】 該カバリング剤が、安息香酸フェニルお
    よびその誘導体、ベンジルベンゾエートおよびその誘導
    体、ジフェニルエーテル、フェニルベンジルエーテルお
    よびその誘導体、ならびに下記一般式で表される化合物
    から選ばれた少なくとも一種の化合物と、乳化剤とから
    なる乳化物であることを特徴とする請求項8に記載の保
    温肌着。 【化5】 (ここで、R2は、1個〜5個の炭素原子を有する脂肪
    族炭化水素基である)
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101824759A (zh) * 2010-04-12 2010-09-08 陈逊 聚苯硫醚纤维的染色工艺
US8097048B2 (en) * 2001-02-21 2012-01-17 Toray Industries, Inc. Polyphenylene sulfide member and method for producing the same
CN103451930A (zh) * 2012-06-04 2013-12-18 东丽纤维研究所(中国)有限公司 一种聚苯硫醚纤维及其用途

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