JP2003020445A - ゴルフボール用クリヤーペイント及びゴルフボール - Google Patents

ゴルフボール用クリヤーペイント及びゴルフボール

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JP2003020445A
JP2003020445A JP2002116332A JP2002116332A JP2003020445A JP 2003020445 A JP2003020445 A JP 2003020445A JP 2002116332 A JP2002116332 A JP 2002116332A JP 2002116332 A JP2002116332 A JP 2002116332A JP 2003020445 A JP2003020445 A JP 2003020445A
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acid
polyol
clear paint
golf ball
polymer
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JP2002116332A
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English (en)
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Yuichi Ishino
裕一 石野
Hiroto Sasaki
廣人 佐々木
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐擦傷性に優れ汚れ難く、容易に汚れを拭き
取ることができ、更に、表面の摩擦係数が小さく、表面
滑り性に優れ、その効果が長期的に持続するクリヤーペ
イント層を有するゴルフボールを提供する。 【解決手段】 グラフトポリマーを配合したゴルフボー
ル用クリヤーペイント。このゴルフボール用クリヤーペ
イントを表面に塗装したゴルフボール。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防汚性及び耐擦傷
性に優れ、しかも表面の摩擦係数が小さく滑り性の高い
塗装面を形成することができるゴルフボール用クリヤー
ペイントと、このようなクリヤーペイントを表面に塗布
したゴルフボールに関する。
【0002】
【従来の技術】ゴルフボールは、その構造上から、糸巻
きボールとソリッドボールとの2種類に大別される。糸
巻きボールは液体を含むゴム状の芯に、糸状ゴムを約1
0倍に引き伸ばして巻き付け、カバーを被せたものであ
る。また、ソリッドボールは硬質ゴムの固体球で、構造
によってはワンピース、ツーピースなどの種類がある。
【0003】いずれのゴルフボールにおいても、最外層
を構成する素材表面には塗装が施される。この塗膜は一
般的に白とクリヤーの2つの層から構成され、クリヤー
ペイント層が最表面となる。従来、このクリヤーペイン
ト層は、ウレタン樹脂系のクリヤーペイントで塗膜形成
されている。
【0004】この塗膜にはさまざまな特性が要求され、
例えば、まず、クラブフェースのインパクトで与えられ
る大きな衝撃力に耐え得る強靱性と、打撃に伴う変形に
追従する可撓性が要求される。また、打撃されたボール
が地上に落下する際、回転するボールは芝や泥土、小砂
利などに激しく擦られ、摩耗による光沢の低下、傷付き
による泥土のめり込み、芝による草汁の付着などの現象
が起きるが、近年、ゴルフボールには、使用後であって
も美観上の見た目の白さや光沢が求められていることか
ら、耐摩耗性、耐傷付き性に優れ、また、汚染され難
く、泥などを拭き取った後には、元の光沢や白さを再び
取り戻すことができることが理想とされる。
【0005】しかしながら、従来のウレタン樹脂系のク
リヤーペイントを最表面とするゴルフボールでは、使用
後に汚れが目立ち、特に油汚れや草汁などは濡れ雑巾な
どで拭き取っても取れず、また、摩擦や衝撃によって付
いた細かい傷の中に汚れが入り込むため簡単には元の白
さや光沢が戻らないのが現状である。
【0006】このため、柔軟で伸びが大きい耐擦傷性の
塗料が求められるが、このような塗料を用いるとボール
表面の摩擦力が大きくなり、例えば大量のゴルフボール
を回収して搬送する練習場などでは、ゴルフボール同士
が摩擦力のために密着して搬送路などに詰まり、ブロッ
キング現象と呼ばれるトラブルが起こりやすい。
【0007】特開平5−269221号公報には、水酸
基含有有機変性ポリシロキサンを塗料中に含有させたウ
レタン系クリヤー塗料を用いることにより、塗膜の耐衝
撃性を維持したまま、長期的に滑り性に優れたゴルフボ
ールを得ることができるとの記載がある。この特開平5
−269221号公報では、水酸基含有有機変性ポリシ
ロキサンとして、具体的には水酸基含有ポリエステル変
性ポリシロキサンByk−370(ビックケミージャパ
ン株式会社製)を用いている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この特
開平5−269221号公報に記載される塗料では、次
のような欠点がある。即ち、表面滑り性を付与する役割
を果たす水酸基含有有機変性ポリシロキサンは、バイン
ダー樹脂と反応可能なものであるが、水酸基含有有機変
性ポリシロキサンは界面活性が高いために表面に拡散し
やすく、またその反応面から塗膜表面に残存する性質を
持っている。特開平5−269221号公報に記載され
る塗料では、水酸基含有有機変性ポリシロキサンのこの
ような性質により、表面滑り性に効果をもたらしてい
る。しかし、ゴルフ練習場などではゴルフボールの汚れ
を落とすために洗浄剤に漬けたり、また雨水に晒された
りと、ゴルフボールは水に触れることが多い。ゴルフボ
ールが水に触れると未反応の水酸基含有有機変性ポリシ
ロキサンや、比較的低分子量の樹脂分(ポリシロキサン
を含む)が、水中へ溶け出すことにより、表面滑り性が
著しく低下する。特に、この水酸基含有有機変性ポリシ
ロキサンは塗膜の表面に残存しやすいため、初期の表面
滑り性の効果は大きいが、水に晒されることにより、成
分が溶出しやすく、溶出により水酸基含有有機変性ポリ
シロキサンが失われるために滑り性の効果が長続きしな
い。
【0009】本発明は上記従来の問題点を解決し、耐擦
傷性に優れ汚れ難く、しかも、容易に汚れを拭き取るこ
とができ、更に、表面の摩擦係数が小さく、表面滑り性
に優れ、その効果が長期的に持続するクリヤーペイント
層を有するゴルフボールを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のゴルフボール用
クリヤーペイントは、グラフトポリマーを配合したこと
を特徴とする。
【0011】グラフトポリマーとは高分子主鎖に、この
主鎖と異なる構成成分の分岐鎖が結合しているものを言
い、櫛形ポリマーとはグラフトポリマーのうち主鎖(幹
ポリマー)に対して分岐鎖(枝ポリマー)の数が平均で
2個以上のものを言う。本発明では、特に、櫛形ポリマ
ーの幹ポリマーがアクリル樹脂からなり、枝ポリマーが
ポリオルガノシロキサンからなるものが好ましく、ま
た、ポリオルガノシロキサンとしてはポリジメチルシロ
キサンが好ましい。アクリル樹脂としては、末端又は分
岐部に少なくとも1個の水酸基を有するものが好まし
い。
【0012】このようなグラフトポリマーであれば、ア
クリル樹脂等の幹骨格はクリヤーペイントのベースポリ
マーとの相溶性の向上に寄与し、また、ポリジメチルシ
ロキサン等の枝骨格はシリコーンオイルとしての特徴を
有し、塗膜の滑り性や防汚性の向上に寄与する。
【0013】ところで、クリヤーペイントに配合した成
分による滑り性や防汚性の効果を持続させるためには、
この成分をクリヤーペイントのベースポリマーの架橋骨
格中に安定に取り込み、塗膜(クリヤーペイント層)の
表面への偏析を防止することが必要となる。
【0014】ゴルフボールのクリヤーペイントのベース
ポリマーは、一般にポリエステルポリオールとイソシア
ネートを原料とするウレタン樹脂であるが、本発明で用
いるグラフトポリマーは、幹骨格によりベースポリマー
との優れた相溶性を得ることができる上に、この幹骨格
が水酸基を有する場合、この水酸基がイソシアネートと
効率的に反応し、ベースポリマーのウレタン3次元構造
の中に容易に組み込まれ、塗膜中に安定に存在するよう
になる。このため、本発明によれば、未反応成分が多
く、表面に偏析し易い特開平5−269221号記載の
水酸基含有有機変性ポリシロキサンと異なり、グラフト
ポリマーが摩耗や水洗いによっても損なわれることな
く、表面の滑り性を長期間維持することが可能となる。
【0015】本発明において、クリヤーペイントのベー
スポリマーのポリウレタン樹脂がポリオールとイソシア
ネートと前記グラフトポリマーとを反応させて得られる
ポリウレタン樹脂であり、ポリオール100重量部に対
するグラフトポリマーの割合が0.01〜10重量部で
あることが好ましい。
【0016】本発明のゴルフボールは、このような本発
明のゴルフボール用クリヤーペイントを表面に塗装した
ことを特徴とするものであり、耐擦傷性に優れ汚れ難
く、しかも、容易に汚れを拭き取ることができ、更に、
表面滑り性に優れ、その効果が長期的に持続する。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を詳細
に説明する。
【0018】まず、本発明でクリヤーペイントに配合す
る、グラフトポリマーについて説明する。本発明で用い
るグラフトポリマーは、主鎖(幹ポリマー)に対して分
岐鎖(枝ポリマー)の数が平均で2個以上の櫛形ポリマ
ーが好ましく、特に櫛形ポリマーの幹ポリマーがアクリ
ル樹脂からなり、枝ポリマーがポリオルガノシロキサン
からなる櫛形ポリマーが好ましく、ポリオルガノシロキ
サンとしてはポリジメチルシロキサンがコスト及び効果
の面から好ましい。
【0019】櫛形ポリマーとしては、具体的には片末端
がアクリル基及び/又はメタクリル基であり、主鎖がポ
リジメチルシロキサンである下記のようなマクロモノマ
ーと、メタクリル酸メチル又はアクリル酸メチルなどの
アクリル系モノマーをラジカル共重合させて得られるも
のが好ましい。
【0020】
【化1】
【0021】ここでマクロモノマーの分子量は500〜
10000程度のものが好適であり、櫛形ポリマーとし
ては、下記に示されるようなシリコーングラフトアクリ
ル樹脂が好適である。
【0022】
【化2】
【0023】前述の如く、ゴルフボールのクリヤーペイ
ントは主としてポリオールとイソシアネートを原料とす
るウレタン系であり、本発明で用いるグラフトポリマー
をポリウレタンの骨格の中に取り込むには、主鎖である
アクリル樹脂が末端又は分岐部に少なくとも1個の水酸
基を持つことが好ましく、2個以上の水酸基を持つこと
がより好ましく、3個以上の水酸基を持つことが最も好
ましい。
【0024】このようなシリコーングラフトアクリル樹
脂としては、下記のような構造が例示される。
【0025】
【化3】
【0026】このようなシリコーングラフトアクリル樹
脂等の櫛形ポリマーは、幹ポリマーのアクリル樹脂に対
して枝ポリマーのポリオルガノシロキサンを2〜10個
有し、分子量が500〜50000であることが好まし
く、室温の粘度が0.1〜500Pa・sのものがクリ
ヤーペイントへの溶解性の面で好ましく、また、水酸基
価は5〜150m−KOH/gのものが反応性の面で好
ましい。
【0027】このグラフトポリマーの配合の方法として
は、ベースポリマーのポリウレタン樹脂の原料成分の1
つであるポリオール成分に配合され、配合部数がポリオ
ール100重量部に対し0.01〜10重量部であるこ
とが好ましい。即ち、本発明のクリヤーペイントはポリ
ウレタン樹脂をベースポリマーとし、このポリウレタン
樹脂がポリオールとイソシアネートと上記グラフトポリ
マーとの反応で得られ、グラフトポリマーの割合がポリ
オール100重量部に対して0.01〜10重量部であ
ることが好ましい。グラフトポリマーの割合がこの範囲
よりも少ないと、グラフトポリマーを配合したことによ
る滑り性その他の改善効果を十分に得ることができず、
多いと下地との密着が悪くなる。
【0028】このように、グラフトポリマーをポリウレ
タン樹脂原料として配合する場合、グラフトポリマーの
溶解性を上げるために、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトンなどの溶剤で希釈することが好ましい。
【0029】なお、ポリウレタン樹脂原料のポリオール
及びイソシアネートとしては、通常のウレタン系塗料に
使用されるものを用いることができ、例えば、次のよう
なものが例示される。
【0030】〔ポリオール〕 脂肪族、脂環族、脂肪芳香族多価アルコール、或い
は脂肪族、脂環族、脂肪芳香族多価アルコールを開始剤
とするポリオール 具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、シクロヘキサンジメタノー
ル、グリセロール、トリメチロールプロパン、ヘキサン
トリオール、ペンタエリスリトール、ソルビトール等。
またこれらのアルコールを開始剤としてオキシラン基を
有する炭化水素基、即ちエチレンオキサイド、プロピレ
ンオキサイド等で変性したポリマー(ポリエーテル)ポ
リオール、及びアルキルアミン、アルカノールアミンを
開始剤としてオキシラン基を有する炭化水素で変性した
アミルポリマーポリオール、オキシラン基を含有するエ
ポキシ樹脂やエポキシ化油を水又はアルカノールアミン
にて開環させたポリマーポリオール。その他、上記アル
コールを開始剤としてε−カプロラクトンのラクトン類
を開環重合反応させて得られるラクトンポリオール等。
【0031】 脂肪族、脂環族、脂肪芳香族多価アル
コールと、多価カルボン酸等とのエステル化又はエステ
ル交換反応により得られるポリオール 例えば、上記多価アルコールと公知の1種又はそれ以上
の多価カルボン酸、例えば、シュウ酸、コハク酸、グル
タル酸、アジピン酸、セバチン酸、マレイン酸、フマル
酸、イタコン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、フタル
酸、イソフタル酸、テレフタル酸又はこれらの酸無水物
と反応させて得られるポリエステルポリオール等、及び
公知の油、ヒマシ油、又は各種脂肪酸を用い、多価アル
コールとのエステル交換又はエステル化と前記多塩基酸
とのエステル化により合成されるアルキドポリオール
等。
【0032】 イソシアヌレート環を有するポリエス
テルポリオール イソシアヌレート環を有するポリエステルポリオールと
は、少なくとも一部がイソシアヌレート環を有する多価
アルコールを含む多価アルコール成分と、多価カルボン
酸との反応により得られたポリエステルポリオールであ
る。
【0033】イソシアヌレート環を有する多価アルコー
ルとしては、下記一般式(A)で表されるものが挙げら
れる。
【0034】
【化4】 (式中、Rは水素、炭素数1〜5のアルキル基又は炭
素数1〜5のヒドロキシアルキル基であり、R及びR
は同一であっても異なるものであっても良く、炭素数
1〜5のアルキレン基を示す。)
【0035】このような多価アルコールの好ましいもの
の例としてはトリス−2−ヒドロキシエチルイソシアヌ
レートが挙げられる。
【0036】上記イソシアヌレート環を有する多価アル
コールは、ポリエステルポリオールを構成する多価アル
コール成分の少なくとも一部である。イソシアヌレート
環を有する多価アルコールは多価アルコール成分中に少
なくとも2重量%、特に5〜30重量%存在することが
好ましい。この割合が2重量%より少ない場合には得ら
れる塗膜の表面耐久性が劣るものとなる。使用し得る他
の多価アルコールとしては従来使用されていた脂肪族多
価アルコール、例えばエチレングリコール、ジエチレン
グリコール、トリエチレングリコール、ブチレングリコ
ール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパ
ン、グリセリン、ヘキサントリオール、又はこれらの混
合物等が挙げられる。多価アルコールとしてはジオール
類が好適であるが、架橋点を導入するためより高位の多
価アルコールを一部混合使用しても良い。このより高位
の多価アルコールとしては、上記のイソシアヌレート環
を有する多価アルコールの中でトリオールを用いても良
い。
【0037】一方、多価カルボン酸としては一般的なも
のを用いることができ、例を挙げると脂肪族カルボン
酸、例えばアジピン酸、グルタル酸、ダイマー酸等;脂
環族多価カルボン酸、例えばテトラヒドロフタル酸、シ
クロヘキサンジカルボン酸;芳香族多価カルボン酸、例
えばフタル酸;又はこれらの混合物等があり、特に、脂
肪族及び脂環族多価カルボン酸が好ましく、芳香族のも
のは黄変の可能性があり、好ましくない。
【0038】イソシアヌレート環を有するポリエステル
ポリオールは、上記成分をエステル化反応させることに
より得られる。得られたポリエステルポリオールの重量
平均分子量は2,000〜10,000であることが好
適である。また、ポリエステルポリオールの水酸基価
(単位:mg−KOH/g)は50〜250、特に10
0〜150であることが好ましい。従って、エステル化
反応の多価アルコールと多価カルボン酸の配合量はこの
ような水酸基価が得られるように適宜決定される。
【0039】 ポリカーボネートジオール 下記一般式(B)で示されるポリカーボネートジオー
ル。
【0040】
【化5】 (式中、R及びRは同一であっても異なるものであ
っても良く、脂肪族アルキレン基を示し、nは2〜15
の整数を示す。)
【0041】このようなポリカーボネートジオールは、
通常、多価アルコールとホスゲンもしくは有機カーボネ
ートとの常法による反応により得られるものである。反
応に用いられる多価アルコールとしては例えば1,4−
ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、エチレン
グリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−
プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、2−エ
チル−1,3−ヘキサンジオール、1,5−ペンタンジ
オール、1,4−シクロヘキサンジオール等が代表的な
ものとして挙げられる。特に、多価アルコールとして
1,4−ブタンジオール及び1,6−ヘキサンジオール
を用いて製造したポリカーボネートジオールが、イソシ
アネートとの相溶性又は塗膜物性に優れることから好ま
しい。
【0042】一方、有機カーボネートとしては例えばジ
エチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジフェニ
ルカーボネート、エチレンカーボネート、トリメチレン
カーボネート、テトラメチレンカーボネート等が代表的
なものとして挙げられる。
【0043】前記一般式中のnの数は15以下が望まし
い。この値が15を超えると得られる塗膜が柔軟になり
やすく、耐擦傷性等が悪くなる。
【0044】 ポリエステルポリオール/アクリルポ
リオール 即ち、ポリエステルポリオール(ポリエステルポリオー
ルの脂肪酸変性物であっても良い。)とアクリルポリオ
ールとの併用である。
【0045】アクリルポリオールは、アクリルモノマー
類を共重合することにより得られる。この「アクリルモ
ノマー類」とはアクリル酸又はメタクリル酸から誘導さ
れるモノマー類であって、例えばアクリル酸、メタクリ
ル酸、アクリレート類、メタクリレート類等が挙げられ
る。アクリルポリオールを形成する具体的なアクリルモ
ノマー類としては、アクリル酸、メタクリル酸、メチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ヒド
ロキシルエチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アク
リレート、ヒドロキシルブチル(メタ)アクリレート、ヘ
キシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシヘキシル(メタ)
アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イ
ソブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)アクリレート
などが挙げられる。
【0046】このアクリルポリオールは水酸基価40〜
120であることが好ましく、従って上記モノマーの中
で水酸基価を有するアクリルモノマーを必須成分として
含有する必要がある。
【0047】アクリルポリオールは分子量4,000〜
10,000であることが好ましい。分子量が4,00
0より少ないと必要とする塗膜強度が得られず、分子量
が10,000を超えると粘度が高く、塗装性が悪い。
このようなアクリルポリオールの具体的な例としては、
大日本インキ(株)製「アクリディック」、日立化成
(株)製「ヒタロイド」等が挙げられる。
【0048】一方、アクリルポリオールと併用するポリ
エステルポリオール又はその脂肪酸変性物は、多塩基酸
と多価アルコールとの重縮合反応により得られる。使用
し得る多塩基酸の例としては、脂肪族多塩基酸、例え
ば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、イタコン酸、
シトラコン酸;芳香族多塩基酸、例えば、フタル酸、イ
ソフタル酸、テレフタル酸;などが挙げられる。
【0049】多価アルコールの例としては、2〜4価の
脂肪族多価アルコール、例えば、エチレングリコール、
プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ブタン
ジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオー
ル、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、
ペンタエリスリトール等が挙げられる。
【0050】ポリエステルポリオールが脂肪酸で変性さ
れている場合、変性をする脂肪酸としては酪酸、カプリ
ン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベ
ヘン酸、リシノール酸、リノール酸などが挙げられる。
【0051】このポリエステルポリオールの最も好適な
例は脂肪族多塩基酸、芳香族多塩基酸及び炭素数が7〜
13の脂肪族多価アルコールの重縮合物であり、より具
体的にはアジピン酸又はフタル酸と1,4−ブタンジオ
ール又はヘキサンジオール(トリオールが少量存在して
も良い。)との重縮合物が挙げられる。なお、フタル酸
にはテレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、ヘキ
サヒドロ無水フタル酸等が含まれる。
【0052】他の好適なポリエステルポリオールとして
は、芳香族多塩基酸と脂肪族ジオールの重縮合物を、炭
素数15〜21の植物油脂肪酸で変性したものが挙げら
れる。具体的にはフタル酸とヘキサンジオールを重縮合
して得られたポリエステルポリオールを炭素数15〜2
1の植物油脂肪酸で変性したものが好適である。
【0053】このようなポリエステルポリオールは水酸
基価100〜180、特に110〜170であることが
好ましい。水酸基価が100より少ないと、樹脂が柔ら
かく、塗膜強度が弱い。180を超えると、硬すぎても
ろくなる。また、このポリエステルポリオールは分子量
800〜2,000、特に1,000〜1,800であ
ることが好ましい。分子量が800より少ないと、強靭
性がなく、塗膜強度が弱く、分子量が2,000を超え
ると、粘度が高く、均一塗装が難しい。
【0054】前記アクリルモノマーと上記ポリエステル
ポリオールとの使用割合は、アクリルモノマー/ポリエ
ステルポリオールの重量比において15/85〜85/
15、特に60/40〜15/85であることが好まし
い。アクリルポリオールが15/85より少ないと、耐
衝撃性や耐摩擦性が劣り、逆に85/15よりも多いと
塗膜が堅くなりすぎ、クラックが入りやすくなる。
【0055】 脂環構造を有するポリエステルポリオ
ール 脂環構造を有するポリエステルポリオールは、少なくと
も一部が分子内に脂環構造を有するポリオール成分と、
脂環構造を有さない或いは少なくとも一部が分子内に脂
環構造を有する多塩基酸成分とを反応させて得られるも
のである。
【0056】分子内に脂環構造を有する多価アルコール
成分としては、好適には、1,3−シクロヘキサンジメ
タノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等のジ
オール、又はこれらの混合物が挙げられる。また、分子
内に脂環構造を有する多塩基酸成分としては、好適に
は、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、
1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロ
ヘキサンジカボン酸等のジカルボン酸、これらの酸無水
物、これらの酸ハロゲン化物、又はこれらの混合物が挙
げられる。
【0057】分子内に脂環構造を有する多価アルコール
成分や多塩基酸成分は、ポリエステルポリオールの構成
成分の一部であっても全部であっても良い。分子内に脂
環構造を有する多価アルコール成分は、全多価アルコー
ル成分中に3重量%以上含有されていることが好まし
く、更に5〜40重量%含有されることが好ましい。分
子内に脂環構造を有する多塩基酸成分は、全多塩基酸成
分中に5重量%以上含有されているのが好ましく、更に
10〜55重量%含有されるのが好ましい。脂環構造を
有する多価アルコール成分及び多塩基酸成分の含有量が
前記範囲外であると、得られる塗膜の砂摩耗と草汁汚染
に対する耐久性が不十分となる。
【0058】分子内に脂環構造を有する多価アルコール
成分に併用することのできる分子内に脂環構造を有さな
い多価アルコール成分としては、エチレングリコール、
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレン
グリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチル
グリコール、3,3−ジメチロールヘプタン、ポリエチ
レングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリ
ン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、
ペンタエリスリトール、又はこれらの混合物等が挙げら
れる。
【0059】分子内に脂環構造を有する多塩基酸成分に
併用することのできる分子内に脂環構造を有さない多塩
基酸成分としては、アジピン酸、セバチン酸、ダイマー
酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン
酸、フマール酸、イタコン酸等のジカルボン酸、これら
の酸無水物、これらの酸ハロゲン化物、又はこれらの混
合物等が挙げられる。
【0060】脂環構造を有するポリエステルポリオール
は、上記の多価アルコール成分と多塩基酸成分をエステ
ル化反応させることによって得られる。このようにして
得られるポリエステルポリオールの重量平均分子量は
3,000〜35,000であることが好ましく、その
水酸基価は50〜300、特に150〜250であるこ
とが好ましい。このポリエステルポリオールの重量平均
分子量、水酸基価が上記範囲外であると、得られる塗膜
の砂摩耗と草汁汚染に対する耐久性が不十分となる。
【0061】 ポリウレタンポリオール ポリウレタンポリオールは、トリオールとジオールを、
トリオールとジオールの当量比率(トリオール/ジオー
ル)が0.2〜3となるように混合したポリオールとジ
イソシアネートとを反応させて得られるものである。
【0062】ポリウレタンポリオールを合成するための
ポリオールとして、ジオールとトリオールの混合ポリオ
ールを用いる理由は、以下の通りである。即ち、トリオ
ールを用いることにより、ジイソシアネートとの反応が
3次元的に起って網状に張り巡らされるようにウレタン
結合が形成され、引張物性でモジュラス及び引張強度が
大きいポリウレタンポリオールを得ることができる。こ
のようなポリウレタンポリオールを用いて得られる塗膜
は、耐摩耗性及び耐擦傷性が良好である。しかし、網状
構造を形成するウレタン結合の割合が高くなる程、最大
伸びが小さくなって柔軟性がなくなり、割れや剥離が起
こしやすくなる。よって、ポリウレタンポリオールを形
成するポリオール材料としては、トリオールとジオール
と併用することが好ましい。即ち、トリオール/ジオー
ルの当量比率(トリオール/ジオール)を特定範囲とす
ることにより、部分的に3次元的に反応して伸びと硬さ
のバランスがとれ、耐塗膜剥離性、耐擦傷性という相反
する特性を満たす塗膜を形成することができるポリウレ
タンポリオールを得ることができる。トリオールとジオ
ールの当量比率(トリオール/ジオール)は、0.2以
上、好ましくは0.3以上、より好ましくは1.0以上
である。また、その上限は3.0以下、好ましくは2.
3以下である。
【0063】ジオールとしては、例えば、エチレングリ
コール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、ブチレングリコール、1,3−ブタンジオール、
1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、
1,6−ヘキサンジオール等が挙げられ、トリオールと
しては、グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサ
ントリオールなどが挙げられる。また、1分子中の水酸
基の数が2又は3であれば、高分子ポリオールをジオー
ル又はトリオールとして用いても良い。高分子のポリオ
ールとしては、活性水素源を持つ開始剤とアルキレンオ
キサイドとの反応によって得ることができるポリエーテ
ルポリオール;アジピン酸等の2塩基酸とグリコール又
はトリオールとの脱水縮合によって得られる縮合系ポリ
エステルポリオール;ε−カプロラクタム等のラクタム
の開環重合によって得られるラクトン系ポリエステルポ
リオール;環状ジオールを用いて合成されるポリカーボ
ネートジオール;アクリル系共重合体に適宜水酸基を導
入してなるアクリルポリオールなどのポリマーポリオー
ルが挙げられる。上記ポリエーテルポリオールとして
は、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられ、縮合
系ポリエステルポリオールとしてはポリエチレンアジぺ
ートなどが挙げられ、ラクトン系ポリエステルポリオー
ルとしてはポリ−ε−カプロラクトンなどが挙げられ
る。
【0064】一方、ジイソシアネートとしては、イソシ
アネート基を2以上有するものであれば特に限定せず、
例えばヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、キ
シリレンジイソシアネート(XDI)、水添キシリレン
ジイソシアネート(HXDI)、イソホロンジイソシ
アネート(IPDI)、テトラメチルキシリレンジイソ
シアネート(TMXDI)、水添ジフェニルメタンジイ
ソシアネート(H12MDI)などの脂肪族、脂環族、
芳香族、芳香脂肪族ジイソシアネート化合物が挙げられ
る。これらのうち、耐候性の観点から、非黄変性の脂肪
族、脂環族のジイソシアネートが好ましく用いられる。
【0065】ポリウレタンポリオールの製造において、
上記ジイソシアネートとポリオール(ジオール及びトリ
オールの混合物)とは、イソシアネート基の比率(NC
O/OH)が0.4〜0.9となる割合で混合すること
が好ましい。この比率が0.4未満では合成されるポリ
ウレタンポリオールの分子量が小さくなって塗膜を形成
する際の硬化時間が長くなりやすい。一方、0.9を超
えると、合成されるポリウレタンポリオールの分子量が
大きくなりすぎてゲル化を起こしたり、塗膜と下地との
密着性が低下しやすくなる。また、ポリウレタンポリオ
ール中のウレタン結合の比率は、ポリウレタンポリオー
ル1gに対して0.1〜5mmol/gであることが好
ましい。ウレタン結合の比率は、形成される塗膜の剛性
と関係があり、0.1mmol/g未満では、形成され
る塗膜中のウレタン濃度が小さくなるため耐擦傷性に劣
るものとなり、5mmol/gを上回ると、塗膜が硬く
なりすぎてボール本体の変形に対する追随性が低下する
ために、ひび割れを起し易くなる。
【0066】また、ポリウレタンポリオールの重量平均
分子量は4,000以上、好ましくは4,500以上
で、10,000未満、好ましくは9,000以下であ
る。重量平均分子量が4,000未満では乾燥に時間が
かかって作業性、生産性が低下し、一方、10,000
以上の高分子量のポリウレタンポリオールでは、相対的
にポリウレタンポリオールの反応量が小さくなり、塗布
後の反応量が少なくなって下地との密着性が低下する。
また、重量平均分子量が9,000以下であれば、水に
濡れるような状態にあっても塗膜密着性の低下が少ない
緻密な塗膜を形成することができる。
【0067】このようなポリウレタンポリオールは、原
料となるポリオールを溶剤で希釈し、反応触媒(例えば
ジブチル錫ラウレート)を添加した状態で、イソシアネ
ート化合物を徐々に添加しながら、ウレタン結合を形成
させることにより合成されるもので、末端が水酸基であ
る。なお、ウレタン結合の比率は、原料となるポリオー
ルの分子量、ポリオールとイソシアネートの配合比率等
を調整することにより行なうことができる。
【0068】ポリオールとしては、アクリル酸、メタク
リル酸等のアクリルモノマーを共重合して得られるアク
リルポリオールや、多塩基酸と多価アルコールよりなる
ポリエステルポリオールが好ましく、いずれも分子内に
水酸基を2個以上有するものが好ましい。
【0069】これらのポリオールは1種を単独で用いて
も良く、2種以上を併用しても良い。
【0070】〔イソシアネート〕脂肪族系、脂環族系、
脂肪芳香族系の各ポリイソシアネート。脂肪族系のポリ
イソシアネートとしては、1,6−ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネー
ト、2,2,4−又は2,4,4−トリメチルヘキサメ
チレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメ
チルカプロエート(リジンイソシアネート)等が挙げら
れ、脂肪族ポリイソシアネートとしては、1,3−又は
1,4−ジイソシアネートシクロヘキサン、1,3−又
は1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサ
ン、ジシクロヘキシルメタン−4,4’− ジイソシア
ネート、イソプロピリジル−ビス(4−シクロヘキシル
イソシアネート)、3−イソシアネートメチル−3,
5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(イ
ソホロンジイソシアネート)、ノルボルネンジイソシア
ネート等が挙げられ、脂肪芳香族系としては、キシリレ
ンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシ
アネート、4,4’−ビス(イソシアネートメチル)ジ
フェニルメタン等が挙げられる。その他、上記ジイソシ
アネートとポリオールとの付加反応化合物、及びジイソ
シアネートとビュレット又はイソシアヌレート環構造を
有する三量体化合物、多量体化合物等が挙げられる。
【0071】イソシアネートとしては特にヘキサメチレ
ンジイソシアネートのような無黄変イソシアネートが好
ましい。
【0072】上記ポリオールとグラフトポリマーとを含
むポリオール成分とイソシアネートとの反応比率は、N
CO/OHのモル比が0.5〜1.5となるように配合
するのが好ましい。
【0073】本発明のクリヤーペイントをゴルフボール
に塗装する方法には、特に制限はなく、常法に従って行
うことができる。即ち、まず、ゴルフボールの被塗装面
(未塗装面)を洗浄して表面清浄化処理した後、サンド
ブラストなどの物理的処理の後、酸処理などの化学処理
が行われる。次に、白塗装し、更にマーキングを経てク
リヤー塗装を施す。この塗装の方法は、空気吹き付け式
塗装や静電塗装が一般的である。
【0074】本発明のクリヤーペイントをゴルフボール
の表面に塗装して本発明のゴルフボールを製造するに当
たり、このクリヤーペイントにより形成されるクリヤー
ペイント層の塗膜厚さは3〜50μm程度とするのが好
ましい。
【0075】本発明のゴルフボールとしては、糸巻きゴ
ルフボール、ワンピースゴルフボールやツーピースゴル
フボール等のソリッドゴルフボールのいずれであっても
良いが、特に下地のボール自体に滑り性の問題があるワ
ンピースゴルフボールに好適である。
【0076】また、本発明のクリヤーペイントは、下地
処理されたゴルフボールに直接施しても、或いは下地処
理された上に白エナメル塗装されたゴルフボールに最終
仕上げとして施しても良い。また、ペイントは通常クリ
アーとされるが、必要によってはカラーペイントとする
こともできる。
【0077】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をよ
り具体的に説明する。
【0078】実施例1〜6、比較例1〜6 表1に示す配合の櫛形ポリマー又はグラフトポリマーを
配合したウレタン系塗料を白塗装したワンピースボール
にスプレー塗装し、60℃で90分乾燥硬化して、平均
膜厚20μmのクリアー塗膜を形成した。このゴルフボ
ールについて、下記方法により、初期滑り性の評価と砂
摩耗試験と砂水摩耗試験を行い、結果を表1に示した。 [初期滑り性] 塗装直後のボール同士の滑り性を初期
滑り性として評価し、良好なものを○とした。 [砂摩耗試験] 5Lのボールミルの中に15個のクリ
ヤー塗装したボールと砂2Lを入れ、8時間、60r.
p.m.にて回転させた後、ボールを取り出し、外観を
評価した。○は表面に傷の少ないものとして評価した。 [砂水摩耗試験] 5Lのボールミル中に15個のクリ
ヤー塗装したボールと砂1.7Lと水1.7Lを入れ、
8時間、60r.p.m.にて回転させた後、ボールを
取り出し、乾燥させ、ボール同士の滑り性を評価する。
○はボール同士が密着しないもの、×はボール同士が密
着するものとして評価した。
【0079】なお、表1中、※1〜※9は次の通りであ
る。 ※1:多塩基酸(アジピン酸,フタル酸)及び多価アル
コール(ヘキサンジオール)から得られたポリエステル
ポリオール(水酸基価135,重量平均分子量150
0) ※2:多塩基酸(アジピン酸,テトラヒドロフタル酸)
及びイソシアヌレート環を有する多価アルコール(トリ
ス2−ヒドロキシエチルイソシアヌレート)と他の多価
アルコール(ネオペンチルグリコール,トリエチレング
リコール)から得られたポリエステルポリオール(水酸
基価120,重量平均分子量4800) ※3:エチレンカーボネートと1,6−ヘキサンジオー
ルから得られたポリカーボネートジオール(重量平均分
子量1700) ※4:多塩基酸(アジピン酸,フタル酸)及び多価アル
コール(ヘキサンジオール)から得られたポリエステル
ポリオール(水酸基価135,重量平均分子量150
0)と、水酸基価100のアクリルポリオール(大日本
インキ(株)製 アクリディック801)を重量比50
/50でブレンドしたもの ※5:多塩基酸(アジピン酸,無水フタル酸)及び脂環
構造を有した多価アルコール(1,3−シクロヘキサン
ジメタノール)及び多価アルコール(トリメチロールプ
ロパン,ネオペンチルグリコール)から得られたポリエ
ステルポリオール(水酸基価190,重量平均分子量1
2000) ※6:トリオール(トリメチロールプロパン)とジオー
ル(ポリテトラメチレングリコール)の当量比率が0.
6になるように配合されたポリオールとジイソシアネー
ト(イソホロンジイソシアネート)とから得られたポリ
ウレタンポリオール(重量平均分子量6300) ※7:ヘキサメチレンジイソシアネート※8:幹ポリマ
ーがポリメチルメタクリレートで、枝ポリマーがポリジ
メチルシロキサンである櫛形ポリマー。前記一般式
(I)においてR,Rはメチル基、R,R,R
はメチレン基。幹ポリマー1個に対する枝ポリマーの
数は3個。粘度(23℃)32.5Pa・s,水酸基価
64.6mg−KOH/g。※9:ビッグケミージャパ
ン(株)製「Byk−370」
【0080】
【表1】
【0081】表1より、グラフトポリマーを配合したク
リヤーペイントであれば、耐擦傷性に優れ、また滑り性
の持続性に優れることがわかる。
【0082】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明によれば、耐
擦傷性に優れ汚れ難く、しかも、容易に汚れを拭き取る
ことができ、また、表面の摩擦係数が小さく、表面滑り
性に優れ、その効果が長期的に持続するクリヤーペイン
ト層を有するゴルフボールが提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J038 DG101 DG111 DG121 DG181 DG191 DL151 GA03 GA15 NA05 PB02 PC07

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グラフトポリマーを配合したことを特徴
    とするゴルフボール用クリヤーペイント。
  2. 【請求項2】 請求項1において、該グラフトポリマー
    が櫛形ポリマーであり、該櫛形ポリマーの幹ポリマーが
    アクリル樹脂からなり、枝ポリマーがポリオルガノシロ
    キサンからなることを特徴とするゴルフボール用クリヤ
    ーペイント。
  3. 【請求項3】 請求項2において、該アクリル樹脂が末
    端又は分岐部に少なくとも1個の水酸基を有することを
    特徴とするゴルフボール用クリヤーペイント。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3において、該ポリオルガ
    ノシロキサンの主鎖がポリジメチルシロキサンであるこ
    とを特徴とするゴルフボール用クリヤーペイント。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか1項におい
    て、ベースポリマーとしてポリウレタン樹脂を含有する
    ことを特徴とするゴルフボール用クリヤーペイント。
  6. 【請求項6】 請求項5において、該ポリウレタン樹脂
    がポリオールとイソシアネートと前記グラフトポリマー
    とを反応させて得られるポリウレタン樹脂であり、該ポ
    リオール100重量部に対する該グラフトポリマーの割
    合が0.01〜10重量部であることを特徴とするゴル
    フボール用クリヤーペイント。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれか1項に記載
    のゴルフボール用クリヤーペイントを表面に塗装したこ
    とを特徴とするゴルフボール。
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