JP2003019568A - ラミネート缶体の製造方法 - Google Patents

ラミネート缶体の製造方法

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JP2003019568A
JP2003019568A JP2001206411A JP2001206411A JP2003019568A JP 2003019568 A JP2003019568 A JP 2003019568A JP 2001206411 A JP2001206411 A JP 2001206411A JP 2001206411 A JP2001206411 A JP 2001206411A JP 2003019568 A JP2003019568 A JP 2003019568A
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Masahiko Shigeno
雅彦 茂野
Takeshi Suzuki
威 鈴木
Hiroki Iwasa
浩樹 岩佐
Kenichi Kimura
賢一 木村
Shingo Arakawa
信悟 荒川
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NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ラミネート缶体へ手環または座金の溶接を行
うに際し、溶接箇所に対応する缶内面の樹脂層の補修や
熱硬化性樹脂の積層等が不要であり、また、新たな冷却
等の工程を設けることなく現状設備を用いて溶接するこ
とができるラミネート缶体の製造方法を提供する。 【解決手段】 缶体内面に熱可塑性樹脂層を形成してな
るラミネート鋼板製缶体に、手環または座金の一点また
は二点以上の複数箇所を通電抵抗発熱溶接してラミネー
ト缶体を製造するにあたり、手環または座金の溶接点一
点当たりの溶接電流量、通電時間、加圧力の内の何れか
2つ以上を制御する。前記で、溶接点一点当たりの溶接
電流量を2.2kA以上2.8kA以下且つ通電時間を
6.0msec以上7.4msec以下に制御、あるい
は、溶接点一点当たりの溶接電流量を2.2kA以上
2.8kA以下且つ加圧力を9.6kgf以上13.0
kgf以下に制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はラミネート缶体の製
造方法に係り、詳しくは、缶体の内面に熱可塑性樹脂層
を形成してなるラミネート鋼板製缶体への手環または座
金の溶接工程を備えたラミネート缶体の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般缶用途の大型缶分野においては、生
産性や省エネルギーの観点から各種ラミネート鋼板を使
用した金属缶を製造する試みがなされている。各種ラミ
ネート鋼板に使用されるラミネートフィルムは、多種の
薬品、食品等に対して、耐食性に非常に優れるため、こ
れらのフィルムが缶内面となるようにしてラミネート鋼
板から缶胴および天板、地板を形成して金属缶が製造さ
れる。また、このような大型缶(例えば18L缶、ペー
ル缶など)の多くは、缶の持ち運び等の目的から缶胴ま
たは天板に、手環または手環を取り付ける為の座金が取
り付けられる。
【0003】これらの手環や手環を取り付ける為の座金
は、缶外面に通電抵抗発熱溶接される。このため、熱可
塑性樹脂層を有するラミネート鋼板では、手環または座
金の溶接箇所に対応する缶内面の樹脂層が抵抗発熱によ
り損傷を受け、内面の耐食性が維持できない。
【0004】このような問題に対して、特開平7−23
2731号公報には、缶内面の樹脂の熱損傷部をエポキ
シ系樹脂の塗装焼付けで補修する技術が開示されてい
る。
【0005】また、特開平9−99941号公報には、
手環または座金の溶接箇所に対応する樹脂上に熱硬化性
樹脂を積層することにより、熱損傷を回避する技術が開
示されている。
【0006】また特開2000−296854号公報に
は、手環または座金の溶接箇所に対応する樹脂層領域を
冷却する工程を新たに設ける技術が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来技術のうち特開平7−232731号公報や特開
平9−99941号公報に開示された技術では、補修用
の塗料等や積層用の熱硬化性樹脂等の新たな材料が必要
となりコストアップとなるだけでなく、これら塗料およ
び樹脂からの溶出物による缶内容物への影響が懸念され
る。さらに、手環の取付部が缶胴部となる場合は、溶接
補修部の性能が耐食性に影響を及ぼし、缶体としてラミ
ネート樹脂層の耐食性能を得られないという問題もあ
る。また、特開2000−296854号公報に開示さ
れた技術では、新たな冷却工程を設けるために設備費用
がかかる等の問題がある。
【0008】本発明は、このような従来技術の問題点に
鑑みなされたものであり、ラミネート鋼板製缶体へ手環
または座金の溶接を行うに際し、溶接箇所に対応する缶
内面の樹脂層の補修や熱硬化性樹脂の積層等が不要であ
り、また、新たな冷却等の工程を設けることなく現状設
備を用いて溶接することができるラミネート缶体の製造
方法を提供する。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の課
題を解決すべく鋭意検討を行った結果、ラミネート缶体
の製造においてラミネート鋼板製缶体に手環や座金など
を通電抵抗発熱溶接する際には、溶接電流値、通電時
間、加圧力に適正範囲が存在し、この範囲内に制御し溶
接することで溶接箇所に対応する缶内面の樹脂層領域は
熱損傷することなく溶接可能になることが判った。
【0010】そして、上記知見は、従来技術の溶接工程
では熱損傷を回避できないために、溶接によって生じた
熱損傷部を塗料によって補修塗装する方法、または溶接
箇所に対応する樹脂層領域を冷却することで熱損傷を回
避する技術とは異なり、溶接条件を適正範囲に制御する
ことで缶内面の樹脂層の熱損傷等を防ぐという全く新し
い知見である。
【0011】本発明はかかる知見に基づきなされたもの
であり、以下の構成を有することを特徴とする。
【0012】[1]缶体内面に熱可塑性樹脂層を形成して
なるラミネート鋼板製缶体に、手環または座金の一点ま
たは二点以上の複数箇所を通電抵抗発熱溶接してラミネ
ート缶体を製造するにあたり、手環または座金の溶接点
一点当たりの溶接電流量、通電時間、加圧力の内の何れ
か2つ以上を制御することを特徴とするラミネート缶体
の製造方法。
【0013】[2]前記[1]に記載の製造方法において、
溶接点一点当たりの溶接電流量を2.2kA以上2.8
kA以下とし、且つ、通電時間を6.0msec以上
7.4msec以下に制御することを特徴とするラミネ
ート缶体の製造方法。
【0014】[3]前記[1]に記載の製造方法において、
溶接点一点当たりの溶接電流量を2.2kA以上2.8
kA以下とし、且つ、加圧力を9.6kgf以上13.
0kgf以下に制御することを特徴とするラミネート缶
体の製造方法。
【0015】[4]前記[1]に記載の製造方法におい
て、、溶接点一点当たりの溶接電流量を2.2kA以上
2.8kA以下、通電時間を6.0msec以上7.4
msec以下とし、且つ、加圧力を9.6kgf以上1
3.0kgf以下に制御することを特徴とするラミネー
ト缶体の製造方法。
【0016】[5]缶体内面の熱可塑性樹脂層の厚みが1
5μm以上であることを特徴とする前記[1]ないし[4]
のいずれかに記載のラミネート缶体の製造方法。
【0017】ここで、「ラミネート鋼板製缶体に手環ま
たは座金を通電抵抗発熱溶接する」とは、缶胴、天板な
どの缶体の任意の箇所への通電抵抗発熱溶接を含むこと
を意味する。
【0018】なお、本明細書では、「ラミネート鋼板製
缶体」は手環または座金を取り付け前の缶体、「ラミネ
ート缶体」は手環または座金を取り付け後の缶体を指し
ている。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明におけるラミネート缶体の
製造方法は、手環または座金をラミネート鋼板製缶体に
通電抵抗発熱溶接する工程を有する。
【0020】本発明により手環または座金が取り付けら
れるラミネート鋼板製缶体は、熱可塑性樹脂層が鋼板上
に形成された表面処理鋼板(ラミネート鋼板)を素材と
する。
【0021】図1は本発明により製造されるラミネート
缶体の素材であるラミネート鋼板の一形態を示してお
り、缶内面となる鋼板2の片面上に熱可塑性樹脂層1が
ラミネート形成されている。
【0022】本発明により製造されるラミネート缶体に
は、缶胴や天板などに手環または座金が取りつけられ
る。図2は本発明により製造されるラミネート缶体の一
形態を示しており、座金4が天板5に溶接され、この座
金4に手環3が取付けられている。また、図3は本発明
により製造されるラミネート缶体の他の形態を示してお
り、手環3が直接缶胴8に溶接されている。
【0023】本発明では、図2の形態の場合の座金や図
3の形態の場合の手環を通電抵抗発熱溶接するに当た
り、手環または座金の溶接点一点当たりの溶接電流量、
通電時間、加圧力の内の2つ以上を制御することを特徴
とする。通電抵抗発熱溶接は、例えば、プロジェクショ
ン溶接機などを用いて公知の方法で行うことができる。
【0024】溶接電流量については、溶接点一点当たり
の溶接電流量を2.2kA以上2.8kA以下に設定し
溶接する。
【0025】通電時間については、6.0msec以上
7.4msec以下に設定し溶接する。
【0026】加圧力については、溶接点一点当たりの加
圧力を9.6kgf以上13.0kgf以下に設定し溶
接する。
【0027】なお、本発明においては、溶接点1点当た
りの溶接電流量を2.2kA以上2.8kA以下とし、
且つ、通電時間を6.0msec以上7.4msecに
制御し手環または座金を通電抵抗発熱溶接する方法、も
しくは溶接点1点当たりの溶接電流量を2.2kA以上
2.8kA以下とし、且つ、加圧力を9.6kgf以上
13.0kgf以下に制御し手環または座金を通電抵抗
発熱溶接する方法のいずれかを用いることとする。
【0028】図4に、溶接電流量及び通電時間と性能
(強度、フィルム熱損傷程度)との関係を示す。なお、
図4において、強度はテア試験により測定し、十分なテ
ア強度値が確保され、破壊部が座金の入熱部または鋼板
の入熱部であり、更に溶接部断面熱影響部観察の結果、
座金と鋼板が一体になった組織が観察された場合を○、
強度値、破壊部、断面組織の一つでも上記事項を満足し
ない場合を×とし、フィルム熱損傷程度は、浸透性の高
い電解液を用いた導通テストにより測定し、全く電流が
流れなかった場合を○、僅かでも電流が流れた場合を×
とした。また、加圧力は6.0〜12.0kgfの範囲
で実施した。
【0029】図4より、溶接点一点当たりの溶接電流量
が2.2kA未満もしくは2.8kA超えでは強度が劣
っており、通電時間が6.0msec未満もしくは7.
4msec超えではフィルム熱損傷が起こっていること
がわかる。
【0030】また、図5に溶接電流量及び加圧力と性能
(強度、フィルム熱損傷程度)との関係を示す。なお、
図5において、強度及びフィルム熱損傷程度の測定方法
及び評価方法は図4と同様である。また、図5におい
て、通電時間は5.8〜9.2msecの範囲で複数実
施した。
【0031】図5より、溶接点1点当たりの溶接電流量
が2.2kA未満もしくは2.8kA超えでは強度が劣
っており、溶接点1点当たりの加圧力が9.6kgf未
満もしくは13.0kgf超えではフィルム熱損傷が起
こっていることがわかる。
【0032】以上、図4、図5からも通電抵抗発熱する
際の溶接電流量、通電時間量、加圧力が上記範囲を満足
しない場合には、溶接強度が劣ったりまたは樹脂層の熱
損傷回避が不可能となり、手環または座金を溶接するに
際し、溶接強度の確保と樹脂層の熱損傷回避の両立が計
れないことがわかる。
【0033】以上より、本発明のラミネート缶体の製造
方法においては、溶接点1点当たりの溶接電流量を2.
2kA以上2.8kA以下とし、且つ、通電時間を6.
0msec以上7.4msecに制御し手環または座金
を通電抵抗発熱溶接する方法、溶接点1点当たりの溶接
電流量を2.2kA以上2.8kA以下とし、且つ、加
圧力を9.6kgf以上13.0kgf以下に制御し手
環または座金を通電抵抗発熱溶接する方法のいずれかを
用いることとし、上記いずれかの方法を用いることによ
り本発明の効果が得られる。さらに電極摩耗などの外乱
要因の変動を考慮して前記効果をより安定して得るため
には、溶接点1点当たりの溶接電流量を2.2kA以上
2.8kA以下、通電時間を6.0msec以上7.4
msec以下とし、且つ、加圧力を9.6kgf以上1
3.0kgf以下に制御し手環または座金を通電抵抗発
熱溶接する方法を用いることが望ましい。
【0034】ラミネート鋼板用の素材鋼板に特別な制限
はないが、一般には厚さ0.26〜0.50mm程度の
鋼板に表面処理を施した表面処理鋼板が好ましい。
【0035】表面処理の種類も特に制限はないが、通電
加熱時に過剰発熱を生じにくい、すなわち表面の接触抵
抗の低い表面処理鋼板が好ましい。具体的には、表層の
クロムオキサイド層またはクロム水和酸化物層が金属ク
ロム換算で15mg/m2以下の非錫系表面処理(表面
処理層に錫を含有しない)鋼板や、金属錫を0.1g/
2以上含有する錫系の表面処理鋼板が望ましい。
【0036】ラミネートフィルム用の熱可塑性樹脂とし
ては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチ
ルペンテンなどのオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエス
テル系樹脂、ナイロン系樹脂等が挙げられる。また、ラ
ミネート鋼板の熱可塑性樹脂は単層でもよいし、同種ま
たは異種の熱可塑性樹脂層を2層以上積層させた複層で
もよい。
【0037】耐食性およびコストの観点からは、熱可塑
性樹脂層の総膜厚が15〜80μmの範囲となるように
表面処理鋼板上に熱可塑性樹脂をラミネートすることが
好ましい。ラミネートの総膜厚が15μm未満では耐食
性が確保できず、80μmを超えると製造コストがかさ
んでしまう。最も好ましくは、20〜50μmの範囲で
ある。
【0038】
【実施例】溶接性評価のうち、溶接強度評価に関しては
テア試験を実施し、断面検鏡による溶接部断面熱影響度
合いにより判断した。フィルム熱損傷性評価に関して
は、浸透性の高い電解液を用いて、導通テストを実施
し、即座に電流が流れるかどうかにより、熱損傷に伴う
孔、クラック等が発生しているかどうかを判断した。
【0039】[実施例1]ラミネ−ト鋼板として、板厚
0.32mmのティンフリースチール板(TFS板)の
片面にポリプロピレン−ポリエチレン混合フィルムを樹
脂層の総厚みが20μm以上となるようにラミネート
(1層または2層)したものを使用し、座金の通電発熱
抵抗溶接による溶接部の溶接強度ならびにフィルム熱損
傷性について上記方法により評価した。
【0040】なお、上記ラミネート鋼板の所定の場所
に、突出部が金属面側、窪みの部分がフィルムラミネー
ト層側となるような溶接用リブをプレス成形した。図6
は上記ラミネート鋼板を用いた天板を示す平面図であ
る。また図7は図6におけるA−A‘線に沿う天板断面
形状を示す斜視図である。また、図8は図6における座
金を示す斜視図である。この実施例では図6〜8に示す
ように、天板溶接用リブ6と座金溶接用リブ7が互いに
直行する状態で、座金を天板の外側に配置した後、座金
の左右上面に溶接電極を所定範囲内の加圧力で押し付
け、両リブの接触部同士を通電抵抗発熱溶接した。
【0041】また、この実施例では、座金の溶接リブが
12ヶ所設けられているものを用いた。
【0042】溶接電流は、溶接点1点あたりの溶接電流
量を12点に換算し電流値の設定を行った。また、加圧
力は6.0〜12.0kgfの範囲で実施した。得られ
た結果を表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】表1より、本発明例では、テア試験におけ
る破壊部はいずれも座金の入熱部または鋼板の入熱部で
あり正常な強度が得られていることが確認された。ま
た、溶接部断面熱影響部観察の結果、鋼板と座金が一体
となった結合組織が確認された。
【0045】フィルム熱損傷性評価に関しては、溶接点
全てにおいて導通は確認されず、樹脂層の損傷が抑制さ
れていることがわかった。
【0046】一方、溶接点1点あたりの溶接電流量が
2.2kA未満の比較例の場合はフィルム熱損傷は回避
できたものの、テア試験よる正常な溶接強度が確保され
なかった。また、溶接点1点あたりの溶接電流量が2.
8kAを超える比較例の場合は正常な溶接強度は確認さ
れたものの、フィルム熱損傷評価において導通が確認さ
れ、溶接箇所にフィルム熱損傷が見られた。
【0047】さらに、溶接電流の通電時間が7.4ms
ecを超える比較例の場合は正常な溶接強度が得られた
ものの、フィルム熱損傷評価において導通が確認され、
溶接箇所のフィルム熱損傷を回避出来なかった。また、
溶接電流の通電時間が6.0msec未満の比較例の場
合は導通が確認されず溶接箇所のフィルム熱損傷は回避
されたものの、正常な溶接強度が得られなかった。
【0048】[実施例2]ラミネ−ト鋼板として、板厚
0.32mmのティンフリースチール板(TFS板)の
片面にポリプロピレン−ポリエチレン混合フィルムを樹
脂層の総厚みが20μm以上となるようにラミネート
(1層または2層)したものを使用し、座金の通電発熱
抵抗溶接による溶接部の溶接強度ならびに脂層の熱損傷
性について評価した。
【0049】なお、実施例1と同様に、上記ラミネート
鋼板の所定の場所に、突出部が金属面側、窪みの部分が
フィルムラミネート層側となるような溶接用リブをプレ
ス成形した。さらに、実施例2でも、図6〜8に示すよ
うに、天板溶接用リブ6と座金溶接用リブ7が互いに直
行する状態で、座金を天板の外側に配置した後、座板の
左右上面に溶接電極を所定範囲内の加圧力で押し付け、
両リブの接触部同士を通電抵抗発熱溶接した。
【0050】また、この実施例では、座金の溶接リブが
12ヶ所設けられているものを用いた。
【0051】溶接電流ならびに加圧力は、溶接点1点あ
たりの溶接電流量を12点に換算し電流値の設定を行っ
た。また、通電時間は5.8〜9.2msecの範囲で
実施した。得られた結果を表2に示す。
【0052】
【表2】
【0053】表2より、本発明範囲内で通電発熱抵抗溶
接した本発明例では、テア試験における破壊部はいずれ
も座金の入熱部または鋼板の入熱部であり正常な強度が
得られていることが確認された。また、溶接部断面熱影
響部観察の結果、鋼板と座金が一体となった結合組織が
確認された。
【0054】フィルム熱損傷性評価に関しては、溶接点
全てにおいて導通は確認されず、樹脂層の損傷が抑制さ
れていることがわかった。
【0055】一方、溶接点1点あたりの加圧力が9.6
kgf未満及び13.0kgfを超える比較例の場合は
正常な溶接強度が得られたものの、フィルム熱損傷評価
において導通が確認され、溶接箇所のフィルム熱損傷を
回避出来なかった。
【0056】また、溶接点1点あたりの溶接電流値が
2.2kA未満の比較例の場合はフィルム熱損傷は回避
できたものの、テア試験よる正常な溶接強度が確保され
なかった。また、溶接点1点あたりの溶接電流量が2.
8kAを超える比較例の場合は正常な溶接強度は確認さ
れたものの、フィルム熱損傷評価において導通が確認さ
れ、溶接箇所にフィルム熱損傷が見られた。
【0057】
【発明の効果】以上、本発明によれば、ラミネート鋼板
製缶体へ手環または座金を溶接する際に、現状設備を用
いて、当該溶接箇所対応する缶内面の樹脂層の損傷を抑
制しながら溶接することができる。
【0058】従って、ラミネート樹脂層の性能が維持可
能となり耐食性に優れたラミネート缶体を製造すること
が可能となる。
【0059】さらに該溶接箇所に対応する缶内面の樹脂
層の補修、熱硬化性樹脂の積層が不要で、且つ、新たな
冷却工程等を設ける必要がないので、非常に経済的であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】ラミネート缶体の素材の一例を示す斜視図。
【図2】本発明により製造されたラミネート缶体を示す
斜視図。
【図3】本発明により製造されたラミネート缶体を示す
斜視図。
【図4】溶接電流量と通電時間及び性能との関係を示す
図。
【図5】加圧力と溶接電流量及び性能との関係を示す
図。
【図6】金属缶蓋を示す平面図。
【図7】図6におけるA−A‘間の天板形状を示す斜視
図。
【図8】図6における座金を示す斜視図。
【符号の説明】
1 熱可塑性樹脂 2 鋼板 3 手環 4 座金 5 天板 6 天板溶接用リブ 7 座金溶接用リブ 8 缶胴
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B23K 101:12 B23K 101:12 (72)発明者 岩佐 浩樹 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 木村 賢一 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 荒川 信悟 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 3E062 AA04 AC03 HA01 HA02 HB02 HB07 HC07 HD02 JA01 JA07 JB22 JC02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 缶体内面に熱可塑性樹脂層を形成してな
    るラミネート鋼板製缶体に、手環または座金の一点また
    は二点以上の複数箇所を通電抵抗発熱溶接してラミネー
    ト缶体を製造するにあたり、手環または座金の溶接点一
    点当たりの溶接電流量、通電時間、加圧力の内の何れか
    2つ以上を制御することを特徴とするラミネート缶体の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の製造方法において、溶
    接点一点当たりの溶接電流量を2.2kA以上2.8k
    A以下とし、且つ、通電時間を6.0msec以上7.
    4msec以下に制御することを特徴とするラミネート
    缶体の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の製造方法において、溶
    接点一点当たりの溶接電流量を2.2kA以上2.8k
    A以下とし、且つ、加圧力を9.6kgf以上13.0
    kgf以下に制御することを特徴とするラミネート缶体
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の製造方法において、溶
    接点一点当たりの溶接電流量を2.2kA以上2.8k
    A以下、通電時間を6.0msec以上7.4msec
    以下とし、且つ、加圧力を9.6kgf以上13.0k
    gf以下に制御することを特徴とするラミネート缶体の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 缶体内面の熱可塑性樹脂層の厚みが15
    μm以上であることを特徴とする請求項1ないし4のい
    ずれかに記載のラミネート缶体の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102215200B1 (ko) * 2020-06-12 2021-02-15 박한수 철제 용기 뚜껑의 스폿용접부 검사장치

Cited By (1)

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KR102215200B1 (ko) * 2020-06-12 2021-02-15 박한수 철제 용기 뚜껑의 스폿용접부 검사장치

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