JP2003017434A - 熱処理方法及び熱処理装置 - Google Patents

熱処理方法及び熱処理装置

Info

Publication number
JP2003017434A
JP2003017434A JP2001204130A JP2001204130A JP2003017434A JP 2003017434 A JP2003017434 A JP 2003017434A JP 2001204130 A JP2001204130 A JP 2001204130A JP 2001204130 A JP2001204130 A JP 2001204130A JP 2003017434 A JP2003017434 A JP 2003017434A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
processed
objects
heat treatment
temperature
oxide film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001204130A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroaki Ikegawa
寛晃 池川
Koichi Sakamoto
浩一 坂本
Keisuke Suzuki
鈴木  啓介
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo Electron Ltd
Original Assignee
Tokyo Electron Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo Electron Ltd filed Critical Tokyo Electron Ltd
Priority to JP2001204130A priority Critical patent/JP2003017434A/ja
Publication of JP2003017434A publication Critical patent/JP2003017434A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インプラウエハを用いることなくシート抵抗
調整のための最適な温度分布を求めることが可能な熱処
理方法を提供する。 【解決手段】 縦型の処理容器8内に多段に配列された
被処理体Wに対して所定の温度にてシート抵抗を調整す
るためのアニール処理を施すに際して、前記被処理体の
配列方向に沿って、前記アニール処理と同じ熱履歴のも
とで熱酸化膜を成膜処理した時の酸化膜厚分布を参照し
て求めた温度分布と同じ温度分布を持たせるようにす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体ウエハ等の
被処理体を熱処理する熱処理方法及び熱処理装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、半導体集積回路を製造するため
には、半導体ウエハに対して、成膜処理、エッチング処
理、酸化拡散処理、改質処理等の各種の処理が繰り返し
施される。製造される半導体集積回路の電気的特性など
を良好に維持するための条件として、ウエハ表面に形成
される膜厚の面内均一性、或いはバッチ処理の場合の多
数枚のウエハ間の面間均一性が要求される。また、半導
体ウエハ表面には、必要に応じて、不純物などのイオン
が、SiO2 等の酸化膜をマスクとして注入される場合
もあり、このようなイオンが注入された半導体ウエハ
(以下、インプラウエハとも称す)は、注入時の格子欠
陥等を補修する目的でこのインプラウエハを高温に晒し
て熱処理(アニール処理)することが行われる。
【0003】このようなインプラウエハをバッチ式の熱
処理装置にて一度に多数枚熱処理(アニール処理)する
場合には、ウエハ面のイオンを注入した層の面内均一性
は勿論のこと、面間均一性も良好であることが要求され
る。ここで従来のバッチ式の熱処理装置における熱処理
について説明する。この熱処理装置の処理容器の下方よ
りN2 ガスを供給しつつ、処理容器の外周に設けたゾー
ン加熱型の加熱ヒータで各ゾーン毎に熱電対で温度を検
出しつつフィードバック制御により同一の温度に制御し
て熱処理を行う。この場合、図9に示すようにウエハボ
ートの上部(TOP)に位置するウエハのシート抵抗は
高くなり、逆にウエハボートの下部(BTM)に位置す
るウエハのシート抵抗は低くなる、という傾向を示して
おり、この場合には、シート抵抗の面間均一性が±2.
26%にもなって、面間均一性がやや劣る、といった問
題があった。尚、ここでは各ヒータゾーンの加熱温度を
すべて800℃に均一な状態(フラット)に制御した場
合を示す。
【0004】このように、各加熱ゾーン毎に熱電対で温
度を検出し、その温度が各ゾーンに亘ってすべて同一に
なるように加熱ヒータを制御した場合(これをフラット
制御とも称す)、種々の要因により、図9に示すように
ウエハの設置位置によりシート抵抗に大きなバラツキが
発生していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、ウエハ間にお
けるこのようなシート抵抗の大きなバラツキを抑制する
ために、すなわちシート抵抗の面間均一性を向上させる
ために、従来にあっては、トライアンドエラーの方式を
採用し、多数枚のインプラウエハを用いて加熱ゾーン毎
の制御温度を少しずつ微調整して何度も熱処理を行い、
シート抵抗の面間における分布が略均一となるような温
度分布を予め求め、この求めたゾーン毎の温度分布に基
づいて実際のインプラウエハの熱処理を行うようにして
いた。
【0006】しかしながら、この場合には、ゾーン毎の
適正な温度分布を求めるために高価なインプラウエハを
多数枚必要とするのみならず、シート抵抗を求めるため
にマスクとして用いていたSiO2 膜をその都度エッチ
ングで除去しなければならず、全体として多大なコスト
が必要になる、といった問題があった。本発明は、以上
のような問題点に着目し、これを有効に解決すべく創案
されたものである。本発明の目的は、いわゆるインプラ
ウエハを用いることなくシート抵抗調整のための最適な
温度傾斜を求めることが可能な熱処理方法及び熱処理装
置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、シート抵抗
値のバラツキの抑制については鋭意研究した結果、シー
ト抵抗調整のためのアニール処理時と同一の熱履歴とな
るようなプロセス条件下で作成した熱酸化膜の膜厚が、
そのシート抵抗に依存する、という知見を得ることによ
り、本発明に至ったものである。請求項1に規定する発
明は、縦型の処理容器内に多段に配列された被処理体に
対して所定の温度にてシート抵抗を調整するためのアニ
ール処理を施すに際して、前記被処理体の配列方向に沿
って、前記アニール処理と同じ熱履歴のもとで熱酸化膜
を成膜処理した時の酸化膜厚分布を参照して求めた温度
分布と同じ温度分布を持たせるようにしたことを特徴と
する熱処理方法である。このように、シート抵抗調整の
ためのアニール処理時と同じ熱履歴のもとで形成した熱
酸化膜の酸化膜厚分布に基づいて、実際のシート抵抗調
整のためのアニール処理を行うようにしたので、従来必
要とした多数枚のインプラウエハを用いることなくシー
ト抵抗の面間均一性の向上を図ることが可能となる。
【0008】この場合、例えば請求項2に規定するよう
に、前記同じ熱履歴には、実質的に同じプロセス温度及
び実質的に同じプロセス時間が含まれる。また、この場
合、例えば請求項3に規定するように、前記熱酸化膜の
成膜処理は、酸素の存在下にてベア半導体ウエハ上にS
iO2 膜を形成するドライ酸化処理である。また、例え
ば請求項4に規定するように、前記被処理体を支持する
被処理体支持ボートに満載時よりも少ない枚数の被処理
体を支持させる時には、前記被処理体の配列のピッチを
最適化する。この場合、例えば請求項5に規定するよう
に、前記被処理体の枚数が、満載時の実質的に1/2の
枚数の時には、前記被処理体を上詰め状態でシングルピ
ッチで載置する。また、例えば請求項6に規定するよう
に、前記被処理体の枚数が、満載時の実質的に1/4の
枚数の時には、前記被処理体を上詰め状態でダブルピッ
チで載置する。また、例えば請求項7に規定するよう
に、前記被処理体の枚数が、満載時の実質的に3/4の
枚数の時には、実質的に1/4ずつの枚数の被処理体を
それぞれ上詰め状態と下詰め状態でシングルピッチで載
置すると共に、残りの実質的に1/4の枚数の被処理体
を中段部にダブルピッチで載置する。また、例えば請求
項8に規定するよに、前記被処理体の配列の上下段部側
には、それぞれ所定の枚数のダミー被処理体が配列され
る。請求項9に規定する発明は、請求項1に規定する方
法発明を実施するための装置発明であり、すなわち、縦
型の処理容器内に、被処理体ボートに多段に配列支持さ
せた被処理体を導入し、前記被処理体に対して所定の温
度でシート抵抗調整のためのアニール処理を施す熱処理
装置において、前記処理容器の外周側にこれを囲むよう
にして設けた加熱ヒータ手段と、前記加熱ヒータ手段に
対して、前記被処理体の配列方向に沿って、前記アニー
ル処理と同じ熱履歴のもとで熱酸化膜を成膜処理した時
の酸化膜厚分布を参照して求めた温度分布と同じ温度分
布を持たせるようにした温度制御部と、を備えたことを
特徴とする熱処理装置である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る熱処理方法
及び熱処理装置の一実施例を添付図面に基づいて詳述す
る。図1は本発明に係る熱処理装置を示す構成図、図2
はベアウエハ上に形成された熱酸化膜の厚さとシート抵
抗との関係を示すグラフ、図3は15分間アニール処理
した時におけるウエハ位置に対するシート抵抗と各加熱
ゾーンの温度との関係を示すグラフ、図4は5分間成膜
処理した時におけるウエハ位置に対する酸化膜(SiO
2 膜)と各加熱ゾーンの温度との関係を示すグラフであ
る。ここでは熱処理としてシート抵抗を調整するための
アニール処理を行う場合について説明する。ここでは熱
処理装置として半導体ウエハの高速昇温及び高速降温が
可能な熱処理装置(FTP炉)を用いた場合を例にとっ
て説明する。図示するようにこの熱処理装置2は、天井
部を有し、且つ下端部が開放された筒体状の石英製の処
理容器8を有して単管構造になされている。この処理容
器8の外側は、加熱手段としての加熱ヒータ手段12と
断熱材14を備えた加熱炉16により囲むようにして覆
われている。上記加熱ヒータ手段12は断熱材14の内
面に全面に亘って設けられている。
【0010】上記処理容器8の下端は、例えばステンレ
ススチール製の筒体状のマニホールド18によって支持
されており、このマニホールド18の下方より多数枚の
被処理体としての半導体ウエハWを載置した石英製のウ
エハボート20が昇降可能に挿脱自在になされている。
本実施例の場合において、このウエハボート20には、
本実施例の場合には、例えば100〜150枚程度のウ
エハを略等ピッチで多段に支持できるようになってい
る。
【0011】このウエハボート20は、回転テーブル2
2上に石英製の保温筒24を介して載置されており、こ
の回転テーブル22は、マニホールド20の下端開口部
を開閉する蓋部26を貫通する回転軸28上に支持され
る。そして、この回転軸28の貫通部には、例えば磁性
流体シール30が介設され、この回転軸28を気密にシ
ールしつつ回転可能に支持している。また、蓋部26の
周辺部とマニホールド18の下端部には、例えばOリン
グ等よりなるシール部材32が介設されており、容器内
のシール性を保持している。上記した回転軸28は、例
えばボートエレベータ等の昇降機構34に支持されたア
ーム36の先端に取り付けられており、ウエハボート2
0及び蓋部26等を一体的に昇降できるようになされて
いる。マニホールド18の側部には、上記処理容器8内
に所定の処理ガスを導入する例えば石英製のガス導入ノ
ズル38が設けられており、上記処理ガスを図示しない
マスフローコントローラのような流量制御器により流量
制御しつつ供給できるようになっている。このノズル3
8は、マニホールド18内に貫通された後、処理容器8
の内壁に沿って天井部まで立ち上げられており、この天
井部にそのガス出口が位置されている。尚、図示例では
1つのノズル38しか記載していないが、必要とする処
理ガスの種類に応じてこのノズルが複数個設けられるの
は勿論である。
【0012】また、上記マニホールド18の側部には、
容器内の雰囲気を排出する排気口40が設けられてお
り、この排気口40には、図示しない真空ポンプ等を介
設した排気系が接続されている。また、断熱材14の下
部は、断熱シール部材50を介して処理容器8の下部と
接合され、この下部にはその周方向に沿ってリング状の
冷却ヘッダ52が設けられる。この冷却ヘッダ52に
は、途中に送風ファン54を介設した冷却気体導入通路
56が接続されると共に、この冷却ヘッダ52からは上
記処理容器8の外周壁と断熱材14の内壁との間隙内に
延びる冷却ノズル58が適当数設けられており、熱処理
終了後の降温時に処理容器8の外周壁に冷却気体を吹き
付けることによりこれを高速で冷却してウエハを高速降
温できるようになっている。そして、この断熱材14の
天井部には、上記冷却気体を排出する排気口60が形成
されており、この排気口60には、ウエハの熱処理時に
ここを閉じる開閉可能になされたシャッタ62が設けら
れる。
【0013】そして、上記加熱炉16内はリング状に複
数に分割されて、上下方向に配列された複数、図示例で
は4つの加熱ゾーン42A、42B、42C、42Dに
区画されている。そして、上記加熱ヒータ手段12は、
例えば2ケイ化モリブデン(MoSi2 )を主成分とし
た発熱抵抗体よりなり、常温では抵抗値が非常に小さ
く、高温になると抵抗値が大きくなる性質を有する。こ
の加熱ヒータ手段12は、従来のFeCrAl加熱源の
表面負荷が1200℃において2W/cm2 であるのに
対して10〜30W/cm2 程度と非常に大きく、数倍
〜10数倍の発熱量が得られ、ウエハに対して例えば5
0℃/分の高温昇温が可能となっている。
【0014】そして、上記加熱ヒータ手段12は、上記
各加熱ゾーン42A〜42D毎に配置された加熱ヒータ
12A、12B、12C、12Dを有しており、各加熱
ヒータ12A〜12Dは、例えばマイクロコンピュータ
等よりなる温度制御部46によりゾーン毎に個別に制御
可能になされている。また、各加熱ゾーン42A〜42
Dには温度測定器として例えば熱電対44A、44B、
44C、44Dがそれぞれ設けられており、各ゾーン毎
に温度検出を行うようになっている。上記各熱電対44
A〜44Dの検出値は、温度検出部48へ入力され、こ
の検出結果をフィードバック制御のために上記温度制御
部46へ入力するようになっている。ここで、この温度
制御部46には、ここで行われるアニール処理と同じ熱
履歴のもとで熱酸化膜を成膜処理した時の酸化膜厚分布
を参照して予め求めた温度分布と同じ温度分布となるよ
うに温度設定値が定められたプログラムが予め記憶され
ており、この温度分布に基づいて上記各加熱ゾーン42
A〜42Dを個別に温度制御するようになっている。
【0015】次に、以上のように構成された本実施例の
装置を用いて行われる本発明方法について説明する。ま
ず、本発明方法のシート抵抗調整のためのアニール処理
を行う前に、このアニール処理を行う時の各加熱ゾーン
42A〜42Dにおける温度傾斜を求めるための方法に
ついて説明する。すなわち、前述したように、シート抵
抗調整のためのアニール処理時と同一の熱履歴となるよ
うなプロセス条件下で作成した熱酸化膜の膜厚が、その
シート抵抗に依存する。換言すれば、熱酸化膜の膜厚の
高い面間均一性が得られれば、シート抵抗についても高
い面間均一性が得られることになる。従って、上述のよ
うに熱酸化膜の膜厚の高い面間均一性が得られるような
各加熱ゾーン42A〜42D毎の設定温度を予め求め
る。
【0016】ここでは、例えば略800℃の設定温度で
15分間アニール処理する場合を例にとって説明する
と、このようなアニール処理を行うに先立って、熱酸化
膜を上記アニール処理と略同一の熱履歴の下で形成す
る。ここでは、インプラウエハと比較して遥かに安価な
ベアウエハを用い、このベアウエハを図1に示す熱処理
装置2のウエハボート20に多段に設置して処理容器8
内に収容し、ベアウエハに熱酸化膜を形成する。この場
合、ガス導入ノズル38からは、ウエハの処理容器8内
へのロードからアンロードするまでの間、連続的に10
0%濃度の酸素を導入し、熱酸化膜としてSiO2 膜を
ウエハ表面に形成する。この時のプロセス圧力は、例え
ば常圧である。そして、プロセス温度はアニール処理と
同じ略800℃に設定し、この成膜処理を15分間行
う。この時、熱酸化膜(SiO2 )のウエハ間の膜厚が
均一化するように、すなわち膜厚の面間均一性が高く維
持されるような各加熱ゾーン42A〜42Dの温度を求
める。すなわち、プロセス温度を略800℃に設定する
が、実際には800℃を中心として各加熱ゾーン42A
〜42Dの設定温度は上下に僅かにずれた値となる。こ
こで、膜厚の面間均一性を得るためのシート抵抗の面間
均一性は以下の式で与えられる。 [(シート抵抗の最大値 − シート抵抗の最小値)/(2×シート抵
抗の平均値 )]×100 (%) 例えばウエハを100枚処理する場合、所定の間隔で例
えば5枚のモニタウエハを挿入しておき、これらのモニ
タウエハのシート抵抗を測定して下記のように求める。 シート抵抗の最大値:5枚のウエハの内の平均シート抵
抗の一番大きな値。 シート抵抗の最小値:5枚のウエハの内の平均シート抵
抗の一番小さな値。 シート抵抗の平均値:5枚のウエハの平均シート抵抗の
平均値。
【0017】このように熱酸化膜の膜厚の面間均一性が
向上する温度分布の状態を求める理由は、熱酸化膜の膜
厚とこのシート抵抗との間には図2に示すような一定の
関係が成立しているからである。図2は上記熱処理装置
2を用いてベアウエハ上に略800℃のプロセス温度で
5分間に亘って熱酸化膜(SiO2 )を成膜した時の膜
厚とシート抵抗との関係を示しており、これによれば膜
厚とシート抵抗とは略反比例の関係にあり、膜厚が厚く
なる程、シート抵抗が小さくなっていることが判明す
る。尚、同一温度、同一プロセス時間にも拘らず、各デ
ータが異なる理由は、各ウエハの熱履歴が異なるためで
ある。換言すれば、各ベアウエハ間における熱酸化膜の
膜厚が高い精度で同一になるような各加熱ゾーン42A
〜42Dの最適な温度分布を求めれば、各ベアウエハ間
におけるシート抵抗の面間均一性を大幅に向上できるこ
とになる。このような、各加熱ゾーン42A〜42Dの
最適な温度分布を求めるには、トライアンドエラー法を
用いて行い、上述したようなベアウエハを用いた熱酸化
膜の成膜処理と、シート抵抗の測定とを繰り返し行い、
その都度、熱酸化膜の面間均一性が良好になる方向へ各
加熱ゾーン42A〜42Dの設定温度を少しずつ微調整
して、最終的に上述したような各加熱ゾーン42A〜4
2Dの最適な温度分布を求める。
【0018】このようにして、トライアンドエラー方式
によって、一旦、各加熱ゾーン42A〜42Dの最適な
温度分布を求めたならば、この温度分布は温度制御部4
6へ記憶され、以後は、この温度分布を用いて、アニー
ル処理を繰り返し行えばよい。すなわち、実際のアニー
ル処理時には、インプラウエハをウエハボート20に多
段に支持させて、これを処理容器8内へロードして処理
容器8内を密閉する。そして、処理容器8内に、不活性
ガスとして例えば窒素ガスをガス導入ノズル38から導
入し、これと同時に処理容器8内を略800℃に加熱維
持しつつ所定の時間、すなわちここでは15分間のアニ
ール処理を行う。この窒素ガスはガス導入ノズル38内
を通ることによって加熱されつつ処理容器8の天井部に
至り、このノズル出口より処理容器8の天井部に放出さ
れ、そして、処理容器8内を流下して排気口40より排
出されることになる。この時のプロセス圧力は前述のよ
うに例えば常圧である。
【0019】また、この時の各加熱ゾーン42A〜42
Dの温度は、各熱電対44A〜44Dで検出され、この
値は温度検出部48を介して温度制御部46へ入力され
て各加熱ヒータ12A〜12Dをフィードバック制御す
ることになる。このように、直接的にシート抵抗を制御
する代わりに、熱酸化膜の膜厚の面間均一性が向上する
ような最適な温度分布を求めて、この温度分布をアニー
ル処理に適用するようにしたので、結果的に、インプラ
ウエハのシート抵抗の面間均一性を大幅に向上させるこ
とが可能となる。しかも、この場合には最適な温度分布
を求めるために比較的安価なベアウエハを用いるだけで
済み、高価なインプラウエハを用いる必要がない。
【0020】次に、前述したように熱酸化膜の膜厚の面
間均一性を向上させるようにした最適な温度分布を用い
て、実際にアニール処理を行ったので、そのアニール処
理の結果について説明する。図3はこの時のウエハ位置
に対するシート抵抗と各加熱ゾーンの設定温度との関係
を示している。尚、参考のために、上記各加熱ゾーンの
設定温度で酸化膜(SiO2 膜)を成膜した時の膜厚も
示している。この図3中において、横軸であるウエハ位
置のTOP、T/C、C/B及びBTMは、ウエハボー
ト20を高さ方向に4分割してなる各加熱ゾーン42A
〜42Dにそれぞれ対応しており、TOPはトップ、T
/Cはトップセンタ、C/Bはボトムセンタ、BTMは
ボトムをそれぞれ示す。また、横軸の数値はウエハの支
持位置を示し、ウエハボート20の最上段が1枚目、最
下段が140枚目として表されており、実際にはウエハ
ボート20の上段部及び下段部に製品ウエハとは異なる
複数枚のダミーウエハ(ダミー被処理体)がそれぞれ載
置支持される。
【0021】重要な点は、ここでは、処理容器8の上部
の温度は高く設定され、下方に行く程低く設定されてお
り、いわゆる温度傾斜が付けられてチルト温度制御がな
されている点である。具体的には、最上段である第1の
加熱ゾーン42Aは801.5℃に、第2の加熱ゾーン
42Bは800.7℃に、第3の加熱ゾーン42Cは7
99.3℃に、最下段である第2の加熱ゾーン42Dは
798.7℃にそれぞれ設定されており、アニール処理
時には上述したような設定温度を維持するように各ゾー
ン毎にフィードバック制御される。尚、このチルト温度
分布は、前述したように、トライアンドエラー法により
同一の熱履歴でもって膜厚の面間均一性の良好な熱酸化
膜を形成することにより、予め求めた温度分布である。
【0022】さて、上述のようなチルト温度分布のもと
でインプラウエハのアニール処理を行った結果、シート
抵抗は全ての加熱ゾーン42A〜42Dにおいて略29
0Ω/□を示しており、この時のシート抵抗の面間均一
性は±1.31%であった。従って、本発明方法によれ
ば、シート抵抗の面間均一性を、従来方法であるプロセ
ス温度800℃のフラット温度制御の場合のシート抵抗
の面間均一性である±2.26%(図9参照)よりも、
大幅に改善できることが判明した。ちなみに、上記チル
ト温度制御で熱酸化膜(SiO2 )を成膜した時の膜厚
の面間均一性は±0.48%であり、膜厚の面間均一性
が高く維持されている。換言すれば、このように、膜厚
の面間均一性が高くなるような温度分布でもって各加熱
ゾーン42A〜42Dの温度制御を行うことにより、イ
ンプラウエハのシート抵抗の面間均一性を大幅に向上さ
せることができる。尚、上記実施例は、設定温度が略8
00℃で、プロセス時間が15分間のアニール処理を行
う場合の温度分布(チルト温度)について説明したが、
設定温度、或いはプロセス時間が異なるアニール処理を
行う場合には、それに対応して異なった設定温度、或い
はプロセス時間(熱履歴)の熱酸化膜の成膜処理を行っ
て最適な温度分布を予め求めておくのは勿論である。す
なわち、熱履歴が異なる毎に、それに対応させたチルト
温度分布を予め求めておく。
【0023】例えば図4は設定温度は図3に示す場合と
同じ略800℃、プロセス時間は図3に示す場合よりも
10分短い5分間のアニール処理を行う時の最適な温度
分布を示すグラフである。この場合には、熱酸化膜(S
iO2 )の膜厚の高い面間均一性(±0.74%)を得
るための温度分布(チルト温度分布)は、第1の加熱ゾ
ーン42Aは804.3℃、第2の加熱ゾーン42Bは
800.4℃、第3の加熱ゾーン42Cは798.4
℃、第4の加熱ゾーンは797.3℃であり、上述のよ
うに設定温度は略800℃、5分間のアニール処理を行
う場合には、各加熱ゾーン42A〜42Dの設定温度を
上記したような温度分布となるように設定する。ちなみ
に、800℃のフラット温度制御で5分間熱酸化膜を形
成した時の膜厚の面間均一性は±1.70%であり、上
記チルト温度分布の場合と比較してかなり劣化してい
る。
【0024】また、図3に示す場合には、例えば100
枚の製品ウエハをアニール処理する場合を例にとって説
明したが、実際には、同一のウエハボート20を用いて
製品ウエハを75枚、50枚或いは25枚処理する場合
があり、この場合、図5に示すように各製品ウエハをウ
エハボート20の上側から順に詰め込むことも考えられ
る。尚、図5には参考のために製品ウエハを100枚満
載した状態も示している。このようなウエハの詰め方を
上詰めと称し、各製品ウエハの上下段にはそれぞれ複数
枚のダミーウエハDWが載置されている。このようにウ
エハボート20に空領域が発生する時には、前述したよ
うなチルト温度分布の制御を行った場合、図6に示すよ
うに100枚、50枚の処理枚数の時のシート抵抗のバ
ラツキは非常に小さくてよいが、75枚及び25枚の処
理枚数の時にはシート抵抗に大きなバラツキが生じて好
ましくない。これは、空領域ができることにより熱容量
が変化した加熱ゾーンにヒータパワーが悪影響を及ぼし
ているからであると考えられる。
【0025】そこで、製品ウエハを75枚、25枚アニ
ール処理する場合には、図7に示すようなウエハの詰め
込みを行う。すなわち、75枚処理の時には上詰め及び
下詰めでそれぞれシングルピッチ(ウエハボートに規定
された最小の載置ピッチ)で25枚ずつ詰め込み、ま
た、中央部には2倍のピッチ(ダブルピッチ:シングル
ピッチの2倍))で25枚の製品ウエハを詰め込む。ま
た、25枚処理時には、25枚の製品ウエハを2倍のピ
ッチで上詰め状態で詰め込み、その下方は空領域とす
る。尚、いずれの場合も、製品ウエハの上下段側に複数
枚のダミーウエハDWを支持させるのは勿論である。上
述のように製品ウエハを詰め込むことにより、チルト温
度分布の制御を行った場合、図8に示すようにシート抵
抗のバラツキは大幅に抑制され、この面間均一性を大幅
に向上させることが可能となる。図8では参考のため
に、50枚及び100枚処理の場合のグラフも併記して
いる。尚、上記実施例では、ウエハボート20への満載
時で製品ウエハを100枚処理する場合を例にとって説
明したが、この枚数に限定されないのは勿論である。
【0026】また、ここでは熱処理装置の装置例とし
て、単管構造の処理容器8を例にとって説明したが、こ
れに限定されず、内筒とこの外周を囲む外筒よりなる2
重管構造の処理容器にも本発明を適用でき、また、ウエ
ハ処理領域のガスの流れも上方より下方に向けて流れる
場合に限定されず、下方より上方に流れるような場合に
も本発明を適用できるのは勿論である。また、ここでは
処理容器内を4つの加熱ゾーンに分割した場合を例にと
って説明したが、分割数はこれに限定されず、3ゾー
ン、5ゾーン、或いは6ゾーン以上等に分割してもよ
い。更に、被処理体としては、半導体ウエハに限定され
ず、ガラス基板、LCD基板等にも適用できるのは勿論
である。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の熱処理方
法及び熱処理装置によれば、次のように優れた作用効果
を発揮することができる。シート抵抗調整のためのアニ
ール処理時と同じ熱履歴のもとで形成した熱酸化膜の膜
厚分布に基づいて、実際のシート抵抗調整のためのアニ
ール処理の温度設定を行なうようにしたので、従来必要
とした多数枚のインプラウエハを用いることなくシート
抵抗の面間均一性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る熱処理装置を示す構成図である。
【図2】ベアウエハ上に形成された熱酸化膜の厚さとシ
ート抵抗との関係を示すグラフである。
【図3】15分間アニール処理した時におけるウエハ位
置に対するシート抵抗と各加熱ゾーンの温度との関係を
示すグラフである。
【図4】5分間成膜処理した時におけるウエハ位置に対
する酸化膜(SiO2 膜)と各加熱ゾーンの温度との関
係を示すグラフである。
【図5】ウエハボートに空領域が発生する時のウエハ詰
め込み態様の一例を示す図である。
【図6】図5に示すウエハ詰め込み態様の時のシート抵
抗の面間均一性を示すグラフである。
【図7】ウエハボートに空領域が発生する時のウエハ詰
め込み態様の他の一例を示す図である。
【図8】図7に示すウエハ詰め込み態様の時のシート抵
抗の面間均一性を示すグラフである。
【図9】従来のアニール処理を行った時のウエハ位置に
対するシート抵抗のバラツキを示すグラフである。
【符号の説明】
2 熱処理装置 4 内筒 6 外筒 8 処理容器 12 加熱ヒータ手段 12A〜12D 加熱ヒータ 20 ウエハボート 42A〜42D 加熱ゾーン 44A〜44D 熱電対 46 温度制御部 DW ダミーウエハ W 半導体ウエハ(被処理体)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 啓介 東京都港区赤坂五丁目3番6号 TBS放 送センター東京エレクトロン株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 縦型の処理容器内に多段に配列された被
    処理体に対して所定の温度にてシート抵抗を調整するた
    めのアニール処理を施すに際して、 前記被処理体の配列方向に沿って、前記アニール処理と
    同じ熱履歴のもとで熱酸化膜を成膜処理した時の酸化膜
    厚分布を参照して求めた温度分布と同じ温度分布を持た
    せるようにしたことを特徴とする熱処理方法。
  2. 【請求項2】 前記同じ熱履歴には、実質的に同じプロ
    セス温度及び実質的に同じプロセス時間が含まれること
    を特徴とする請求項1記載の熱処理方法。
  3. 【請求項3】 前記熱酸化膜の成膜処理は、酸素の存在
    下にてベア半導体ウエハ上にSiO2 膜を形成するドラ
    イ酸化処理であることを特徴とする請求項1または2記
    載の熱処理方法。
  4. 【請求項4】 前記被処理体を支持する被処理体支持ボ
    ートに満載時よりも少ない枚数の被処理体を支持させる
    時には、前記被処理体の配列のピッチを最適化すること
    を特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の熱処理
    方法。
  5. 【請求項5】 前記被処理体の枚数が、満載時の実質的
    に1/2の枚数の時には、前記被処理体を上詰め状態で
    シングルピッチで載置することを特徴とする請求項4に
    記載の熱処理方法。
  6. 【請求項6】 前記被処理体の枚数が、満載時の実質的
    に1/4の枚数の時には、前記被処理体を上詰め状態で
    ダブルピッチで載置することを特徴とする請求項4に記
    載の熱処理方法。
  7. 【請求項7】 前記被処理体の枚数が、満載時の実質的
    に3/4の枚数の時には、実質的に1/4ずつの枚数の
    被処理体をそれぞれ上詰め状態と下詰め状態でシングル
    ピッチで載置すると共に、残りの実質的に1/4の枚数
    の被処理体を中段部にダブルピッチで載置することを特
    徴とする請求項4に記載の熱処理方法。
  8. 【請求項8】 前記被処理体の配列の上下段部側には、
    それぞれ所定の枚数のダミー被処理体が配列されること
    を特徴とする請求項4乃至7のいずれかに記載の熱処理
    方法。
  9. 【請求項9】 縦型の処理容器内に、被処理体ボートに
    多段に配列支持させた被処理体を導入し、前記被処理体
    に対して所定の温度でシート抵抗調整のためのアニール
    処理を施す熱処理装置において、 前記処理容器の外周側にこれを囲むようにして設けた加
    熱ヒータ手段と、 前記加熱ヒータ手段に対して、前記被処理体の配列方向
    に沿って、前記アニール処理と同じ熱履歴のもとで熱酸
    化膜を成膜処理した時の酸化膜厚分布を参照して求めた
    温度分布と同じ温度分布を持たせるようにした温度制御
    部と、を備えたことを特徴とする熱処理装置。
JP2001204130A 2001-07-04 2001-07-04 熱処理方法及び熱処理装置 Pending JP2003017434A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001204130A JP2003017434A (ja) 2001-07-04 2001-07-04 熱処理方法及び熱処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001204130A JP2003017434A (ja) 2001-07-04 2001-07-04 熱処理方法及び熱処理装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003017434A true JP2003017434A (ja) 2003-01-17

Family

ID=19040642

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001204130A Pending JP2003017434A (ja) 2001-07-04 2001-07-04 熱処理方法及び熱処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003017434A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100466201C (zh) * 2003-05-02 2009-03-04 东京毅力科创株式会社 热处理装置、热处理系统及热处理装置的温度控制方法
JP2014110305A (ja) * 2012-11-30 2014-06-12 Toyota Motor Corp 半導体装置の製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100466201C (zh) * 2003-05-02 2009-03-04 东京毅力科创株式会社 热处理装置、热处理系统及热处理装置的温度控制方法
JP2014110305A (ja) * 2012-11-30 2014-06-12 Toyota Motor Corp 半導体装置の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3504784B2 (ja) 熱処理方法
EP1388891B1 (en) System for heat treating semiconductor
US7313931B2 (en) Method and device for heat treatment
JP2002075890A (ja) 熱処理装置の降温レート制御方法および熱処理装置
WO2005064254A1 (ja) 縦型熱処理装置及びその制御方法
JPH10107018A (ja) 半導体ウェーハの熱処理装置
JPH09260364A (ja) 熱処理方法および熱処理装置
JP2003209063A (ja) 熱処理装置および熱処理方法
US20140090594A1 (en) Thin film forming apparatus and computer-readable medium
US20030221623A1 (en) Fabricating a semiconductor device
JP2005011911A (ja) 加熱装置及び加熱方法
KR102424677B1 (ko) 기판 처리 장치, 반도체 장치의 제조 방법 및 프로그램
JPH07312351A (ja) 熱処理方法
JP2002334844A (ja) 熱処理装置及び熱処理方法
JP4262908B2 (ja) 熱処理装置及び熱処理方法
JP2003017434A (ja) 熱処理方法及び熱処理装置
JP4553227B2 (ja) 熱処理方法
JP2002141347A (ja) バッチ式熱処理方法とバッチ式熱処理装置
JP2010073978A (ja) 基板処理方法
JP2020205406A (ja) 加熱部、温度制御システム、処理装置および半導体装置の製造方法
JPWO2005008755A1 (ja) 温度制御方法、基板処理装置及び半導体製造方法
JP3081886B2 (ja) 成膜方法
JP2005136370A (ja) 基板処理装置
JP2003051497A (ja) 熱処理方法および熱処理装置
JP3084232B2 (ja) 縦型加熱処理装置