JP2003016994A - 冷陰極蛍光ランプおよび照明装置 - Google Patents

冷陰極蛍光ランプおよび照明装置

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JP2003016994A
JP2003016994A JP2001194460A JP2001194460A JP2003016994A JP 2003016994 A JP2003016994 A JP 2003016994A JP 2001194460 A JP2001194460 A JP 2001194460A JP 2001194460 A JP2001194460 A JP 2001194460A JP 2003016994 A JP2003016994 A JP 2003016994A
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Yasuo Tomita
保男 富田
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Harison Toshiba Lighting Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成で暗黒中においても放電遅れのな
い始動性のよい冷陰極蛍光ランプおよびこのランプを装
着したバックライトなどの照明装置を提供することを目
的とする。 【解決手段】 内面に蛍光体被膜7が形成されたガラス
管バルブ1と、このバルブ1内に設けられた少なくとも
一対の冷陰極型電極4,4と、この電極4,4の表面に
形成されたBa、Sr、Ca、Y、Laのうちから選ば
れた少なくとも一種の化合物からなる第1の電子放射性
物質層5およびCs化合物からなる第2の電子放射性物
質層6A,6Bと、上記バルブ1内に封入された放電媒
体とを備えている冷陰極蛍光ランプLおよびこのランプ
Lを装着した照明装置8である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はパソコンなどの情報
機器やテレビなどの表示機器あるいは照明器具などにお
いて使用される冷陰極蛍光ランプおよびこのランプを装
着した上記情報機器や表示機器のバックライト装置なら
びに照明器具などの照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】冷陰極蛍光ランプは、内面に蛍光体被膜
を形成したガラス管バルブの両端に一対の冷陰極型の電
極が設けられるとともに、このバルブ内に放電を容易に
し所定の発光をさせるための放電媒体としてアルゴンな
どの希ガスと適量の水銀とを封入して構成されている。
【0003】この冷陰極蛍光ランプは、電極に電流を流
してバルブ内に放電を生起させ、紫外線を発生してバル
ブ内面に塗布されている蛍光体を励起し、蛍光体の種類
によって所望の色光をランプから放射するようになって
いる。
【0004】近年、冷陰極蛍光ランプも通常の照明用の
ほか、液晶を組込んだパソコン、ワープロ、電子手帳な
どの情報機器やテレビなどの表示機器のバックライトと
して多用されている。
【0005】そして、この蛍光ランプは入力が小さく、
通常の一般照明用の蛍光ランプに比べ、ガラス管バルブ
の外径が5mm以下の細径で、全長が150〜350m
m程度の細長い小形化されたものが用いられ、かつ、低
消費電力で同時に高輝度、高演色性で長寿命などの高性
能化がすすめられている。
【0006】一方、上記機器に装着した蛍光ランプは交
換が行われないのが原則で、ランプも機器の寿命に合わ
せたものが要求されている。このため、バックライト用
の小形蛍光ランプは、低消費電力に適合するよう電流と
電圧、封入する希ガスの種類や水銀の量などとともに寿
命の観点からも最適な電極の設計がなされている。
【0007】また、上記のバックライト用などランプと
して、スイッチイン後ただちに点灯して機器が正常に作
動するよう、始動性のよいランプが要求されている。
【0008】そして、この種放電ランプは、放電のきっ
かけとなる熱電子、光電子、放射線や宇宙線などの初期
電子が存在しないと電離が円滑にできず、電極に通電し
てもただちに点灯しない放電遅れが生じ始動が困難なこ
とが知られている。特に非予熱形の冷陰極型電極では予
熱型の熱陰極型電極に比べ始動が困難で、暗黒中におけ
る初期電子を電子放射性物質からや補助光照射により得
ている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】この放電遅れは、ラン
プおよび点灯回路を改良することによりなされるが、こ
こではランプ側における始動性の向上を究明した。
【0010】そして、従来の冷陰極放電ランプでは、ラ
ンプの始動にかかる時間を短縮する手段として、冷陰極
型電極の表面や電極と対面する蛍光体被膜上にたとえば
Al 2 3 、Ca2 OやMgOなどからなるExo電子
放射性物質層を形成したり、あるいはプロメチウム14
7などの放射性同位元素を封入しているものもある。
【0011】しかし、前者のAl2 3 などからなるE
xo電子放射性物質を形成した場合は、暗黒中でのラン
プの始動が遅く規定の時間内に点灯しないなどの問題が
あり、また、電子放射性物質を強制的にスパッタして蛍
光体被膜上に電子放射性物質の黒化被膜を形成するが、
上記材料では点灯初期における光束の低下が大きくなる
不具合がある。
【0012】また、後者の放射性同位元素の場合は、取
扱いを誤ると危険で高度な専門知識を要するなど、安全
に高い注意をはらう必要がある。
【0013】さらに、放電ランプ内で対処する手段であ
るが、ランプ外からの手段として電極に補助光線を当て
て初期電子を得ることも行われている。しかし、この場
合は、超小型電球や発光ダイオードを設けることを要
し、部品点数が増えて装置の組立に手間が掛り高価とな
る欠点がある。
【0014】本発明は上記問題に鑑みなされたもので、
簡単な構成で暗黒中においても放電遅れのない始動性の
よい冷陰極蛍光ランプおよびこのランプを装着したバッ
クライトなどの照明装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
の冷陰極蛍光ランプは、内面に蛍光体被膜が形成された
ガラス管バルブと、このバルブ内に設けられた少なくと
も一対の冷陰極型電極と、この電極の表面に形成された
Ba、Sr、Ca、Y、Laのうちから選ばれた少なく
とも一種の化合物からなる第1の電子放射性物質層およ
びCs化合物からなる第2の電子放射性物質層と、上記
バルブ内に封入された放電媒体とを具備していることを
特徴とする。
【0016】この冷陰極蛍光ランプは、放電開始に必要
な初期電子が電極およびこの電極と対面しているバルブ
の蛍光体被膜上に形成されたCsの化合物からなる第2
の電子放射性物質層から放出されている。
【0017】このランプは点灯回路装置を介し給電され
ると、上記初期電子は電界により加速され、バルブ内の
希ガスと衝突を繰返してバルブ内に多数の二次電子を生
成し、この衝突によって生成した二次電子により冷陰極
型電極間の放電が開始される。
【0018】そして、バルブ内の希ガスを励起して紫外
線が発生し、この紫外線がバルブの内面に形成した蛍光
体被膜で変換され可視光となってバルブの外表面から放
射され、放電開始の遅れが解消できる。
【0019】なお、本発明ならびに以下の各発明におい
て、特に指定しない限り用語の定義および技術的意味は
次による。
【0020】本発明の第1および第2の電子放射性物質
とは、Ba、Sr、Ca、Y、Laの酸化物やホウ化物
等の化合物を第1の電子放射性物質とし、この第1の電
子放射性物質より仕事関数が小さいCsの化合物を第2
の電子放射性物質という。
【0021】冷陰極蛍光ランプとは、水銀を封入してい
ない希ガス発光によるランプなど他の細管形(放電路が
小断面積)の蛍光ランプなども含む。また、ランプの用
途もバックライト用に限らず、照明用はもとより表示用
や紫外線放射用のランプなどにも適用できる。
【0022】また、ガラスバルブは、内径が4mm以下
程度の細径化したものに適用して好ましい。また、ガラ
スバルブの材質は、ソーダライムガラスや鉛ガラスなど
の軟質ガラスであっても、石英ガラス、ホウケイ酸ガラ
スやアルミノシリケートガラスなどの硬質ガラスであっ
てもよく、その形状は直管形状のものに限らず、環形
状、U字形状やW字形状などの屈曲したバルブあるいは
直管状のものを複数本接続して屈曲した放電路を直列的
に形成してなるバルブなどであってもよい。
【0023】また、冷陰極型電極の形成材料は、放電に
より溶融や損耗し難いものを選ぶことはいうまでもな
く、タングステン(W)系のものに限らず、ニッケル
(Ni)、鉄−ニッケル(Fe−Ni)合金、アルミニ
ウム−ジルコニウム(Al−Zr)合金などであっても
よい。また、形状は棒状、板状、筒状、く字状などであ
ってもよく、1本のランプに設けられる電極数は一対の
2個以上あってもよい。
【0024】さらに、ランプに封入する放電媒体として
の希ガスはネオン(Ne)−アルゴン(Ar)に限らず
ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(K
r)やキセノン(Xe)などを単独あるいは混合したガ
スであってもよく、これもランプ特性に合わせ、混合比
や封入圧を適宜決めればよい。
【0025】本発明の請求項2に記載の冷陰極蛍光ラン
プは、電極の外部表面に形成された第1の電子放射性物
質層の表面上に第2の電子放射性物質層が重層形成され
ていることを特徴とする。
【0026】電極が呈する外部表面に第1および第2の
電子放射性物質層が重層形成され、最外側に仕事関数の
小さいCs化合物からなる電子放射性物質層を形成する
ことにより、エージング時に最外側のCs化合物がスパ
ッタした際に電極周囲の蛍光体被膜上に飛着し易い。そ
して、このCs化合物が初期電子を放射して放電生起の
きっかけをつくる。
【0027】本発明の請求項3に記載の冷陰極蛍光ラン
プは、電極の外部表面の異なる部分に第1の電子放射性
物質層と第2の電子放射性物質層とが形成されているこ
とを特徴とする。
【0028】電極が呈する外部表面に第1および第2の
電子放射性物質層がたとえばある幅でもって交互に形成
され、エージング時に仕事関数の小さいCs化合物が早
々にスパッタして電極周囲の蛍光体被膜上に飛着し易
い。そして、このCs化合物が初期電子を放射して放電
生起のきっかけをつくる。
【0029】本発明の請求項4に記載の冷陰極蛍光ラン
プは、ホロー電極の内部表面部分に第1の電子放射性物
質層が、外部表面部分に第2の電子放射性物質層が形成
されていることを特徴とする。
【0030】バルブの内壁面に対向している電極の外部
表面に第2の電子放射性物質層であるCs化合物を形成
してあるので、エージング時にスパッタした際に電子放
射性物質が電極周囲の蛍光体被膜上に飛着し易い。そし
て、このCs化合物が初期電子を放射して放電生起のき
っかけをつくる。
【0031】本発明の請求項5に記載の冷陰極蛍光ラン
プは、第2の電子放射性物質層がCs2 SO4 からな
り、その形成量が0.1〜1.0mgの範囲内であるこ
とを特徴とする。
【0032】Cs2 SO4 の形成量が0.1mg以上あ
れば、約2msec程度で点灯できる。また、このCs
2 SO4 の形成量が1mgを超えるとランプの点灯時に
ちらつきの発生があり好ましくなかった。
【0033】本発明の請求項6に記載の照明装置は、器
具本体と、この器具本体に設けられた請求項1ないし請
求項5のいずれか一に記載の冷陰極蛍光ランプと、この
冷陰極蛍光ランプに接続された点灯回路装置とを具備し
ていることを特徴とする。
【0034】この照明装置は、上記請求項1ないし請求
項5に記載の作用を有する冷陰極蛍光ランプを備えてい
るので、バックライト用など種々の機器の始動遅れを防
止できる。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図1
および図2を参照して説明する。図1は冷陰極形蛍光ラ
ンプを示す一部を切欠した断面正面図、図2は図1のラ
ンプの一端部近傍を示す拡大縦断面図で、(a)図はラ
ンプ製作直後の状態を、(b)図はランプエージング
(点灯)後の状態を示す。
【0036】この冷陰極形蛍光ランプLは、たとえば消
費電力が約2W、外径が約2.6mm、内径が約2m
m、全長が約320mmのソーダライムガラスや鉛ガラ
スなどの軟質ガラスあるいはホウケイ酸ガラスなどの硬
質ガラスからなる直管形のガラス管バルブ1で、両端に
それぞれ封止部2,2が形成してある。
【0037】この両端の封止部2,2には、バルブ1の
ガラスと熱膨張率を合わせたKOV線などからなる封着
線を兼ねた外径が約0.5mmの導入線3が気密に封着
され、この導入線3の先端にはNiニッケル板で有底円
筒状に形成した外径が約1.6mm、長さが約4.0m
mのホロー型の冷陰極型の電極4が突合せ溶接により接
続してある。このバルブ1両端近傍にあるホロー型の電
極4,4の先端間距離は約306mmある。
【0038】このホロー型の電極4の内外両表面4a,
4bにはBa、Sr、Ca、Y、Laのうちから選ばれ
た少なくとも一種の酸化物やホウ化物などの化合物たと
えばLaB6 からなる第1の電子放射性物質層5が形成
されるとともに電極4の外表面4b側の第1の電子放射
性物質層5の表面上にはCsの化合物たとえばCs2
4 からなる第2の電子放射性物質層6Aが重層形成さ
れている。なお、このCs2 SO4 の形成量は約0.6
mgである。
【0039】また、このバルブ1の内壁面にはたとえば
青色、緑色、赤色に発光領域を有する蛍光体を混合した
3波長形の蛍光体からなる蛍光体被膜7が塗布形成され
ている。
【0040】また、バルブ1の内部には放電維持媒体と
してNeネオンとArアルゴンなどの混合希ガスと水銀
とが封入してある。
【0041】このような構成の蛍光ランプLは、製作直
後の電極4近傍は図2(a)に示すような状態にある
が、ランプLの発光特性安定化のためのエージング(点
灯)を行うと電極4近傍は図2(b)に示すような状態
となる。
【0042】すなわち、蛍光ランプLは、導入線3,3
に電源から点灯回路装置(図示しない。)を介し給電す
ると、ホロー型電極4の外表面4aの最外側に形成した
第2の電子放射性物質層6AであるCs2 SO4 からの
初期電子により放電が生起し、その放電熱によりCs2
SO4 の一部が飛散してバルブ1に向かい、図2(b)
に示すように蛍光体被膜7上にリング状に堆積して電子
放射性物質層6Bを形成する。
【0043】この蛍光ランプLは、高周波点灯回路(図
示しない。)などを介し点灯されるが、放電開始に必要
な初期電子が電極4およびこの電極4と対面しているバ
ルブ1の蛍光体被膜7上に形成されたCs2 SO4 から
なる第2の電子放射性物質層6Aおよび6Bから放出さ
れているので、点灯回路装置を介し給電されると、上記
初期電子は電界により加速され、バルブ1内の希ガスと
衝突を繰返して、バルブ1内に多数の二次電子が生成さ
れる。そして、この衝突によって生成した二次電子によ
り冷陰極型電極4,4間の放電が開始される。
【0044】そして、バルブ1内の希ガスを励起して紫
外線が発生し、この紫外線がバルブ1の内面に形成した
蛍光体被膜7で変換され可視光となってバルブ1の外表
面から放射される。
【0045】このランプLの始動後は、電圧が印加され
るとともに内外両表面4a,4bにLaB6 からなる第
1の電子放射性物質層5を形成した両電極4,4間を起
点として放電が持続され点灯が続行される。
【0046】この冷陰極型蛍光ランプLは、初期電子放
射作用を奏するCsを用いたことにより、暗黒雰囲気に
おいても放電の生起を容易とし、放電開始の遅れを解消
するとともにランプ電圧(V rms)の改善など始動特性
の向上がはかれた。また、ランプ特性を安定させるエー
ジング(点灯)時間の短縮がはかれるとともに黒化の進
行を遅延して初期光束(輝度)の向上ができた。
【0047】この電極4の外表面4aから飛散し、蛍光
体被膜7上に被着した電子放射性物質層6Bは金属表面
積が見かけ上増えるため、Exo電子放射によって初期
電子の放出源が確保され、暗黒特性が改善される。そし
て、電極4外表面4aからのCs2 SO4 の飛散は、ラ
ンプL点灯1000時間後位まで徐々に続き、電極4外
表面4aのCs2 SO4 がなくなっても蛍光体被膜7上
に被着した電子放射性物質層6Bが初期電子の放出を続
け、放電遅れを生じることがなく始動特性を維持でき
る。
【0048】また、この冷陰極型電極4は、内部にLa
6 からなる電子放射性物質層5を形成したホロー型電
極をなしているので、電子放射性物質を多量に保有させ
ることができるとともにそのスパッターが防止され、か
つ、始動時にグロー放電からアーク放電に速やかに移行
できるホロー電極効果を有するので、長寿命の蛍光ラン
プLを提供できる。
【0049】なお、本発明者の試験によれば、電極4に
形成するCs2 SO4 の形成量は0.1mg以上あれば
よかった。すなわち、図3はCs2 SO4 の形成量を種
々変えて上記構造のランプLを製作し、暗黒中で96時
間放置した後の始動時間(放電開始遅れ時間)(msec)
を調べたグラフである。図3は横軸にCs2 SO4 の形
成量(mg)を、縦軸に始動時間(放電開始遅れ時間)
(msec)を対比させたもので、Cs2 SO4 の形成
量は0.1mg以上あれば、約2msec程度で点灯で
きた。なお、図3中、白点は平均値、黒点は最高値であ
る。
【0050】しかし、このCs2 SO4 の形成量が1.
0mgを超えると図4にのグラフに示すように、塗布量
が多くなるため分散が不十分となり易く(不純物が存在
してしまう)なるためランプLの点灯時にちらつきの発
生があり、Cs2 SO4 の形成量は、0.1〜1.0m
gの範囲がよかった。
【0051】この図4は図3の試料とした各100個の
蛍光ランプLを、25℃の温度雰囲気中で8mAの点灯
電流で点灯したもので、横軸にCs2 SO4 の形成量
(mg)を、縦軸にちらつきの発生率(%)を対比させ
たグラフで、Cs2 SO4 の形成量が1mg以上を超え
るとちらつきの発生があり好ましくなかった。
【0052】また、従来のAl2 3 からなる電子放射
性物質を用いた場合に比べ、本発明のCs2 SO4 を用
いた場合には、特性を安定させるエージング時間を大幅
に短縮できるとともに初期黒化が低減できて点灯初期に
おける明るさを向上できた。
【0053】また、図5は本発明の蛍光ランプLの点灯
時間(時間)と、そのランプ電圧(V rms)とを対比さ
せたグラフである。このグラフから明らかなように本発
明のランプLは5000時間点灯経過程度までは低いラ
ンプ電圧を維持し、その後徐々に上昇していき8000
時間点灯経過程度で通常ランプのランプ電圧(たとえば
615V)程度になるという、通常のランプよりランプ
電圧が低い、すなわち、高効率化がはかれるランプLが
得られた。
【0054】また、図6(a)〜(d)は、本発明に係
わる他の冷陰極型の電極およびこの電極に形成された第
1および第2の電子放射性物質の構成を示し、図中、図
2と同一部分には同一の符号を付してその説明は省略す
る。
【0055】図6(a)に示す電極4の形状は変わらな
いが、電子放射性物質層5,6Aの形成が上記実施の形
態とは異なる。すなわち、図(a)のものはホロー型電
極4の内表面4aにはBa、Sr、Ca、Y、Laのう
ちから選ばれた少なくとも一種の化合物たとえばLaB
6 からなる第1の電子放射性物質層5が形成されている
とともに電極4の外表面4b上にはCsの化合物たとえ
ばCs2 SO4 からなる第2の電子放射性物質層6Aが
重層形成してある。
【0056】また、図(b)のものはホロー型電極4の
内表面4aにはたとえばLaB6 からなる第1の電子放
射性物質層5が形成されているとともに電極4の外表面
4b上にはたとえばLaB6 からなる第1の電子放射性
物質層5と、たとえばCs2SO4 からなる第2の電子
放射性物質層6Aとが交互にリング状に形成してある。
【0057】すなわち、この図6(a)および(b)に
示すものは、第1の電子放射性物質層5と第2の電子放
射性物質層6Aとが電極4表面の異なる部分に形成して
あり、このような構成であっても上記実施の形態と同様
な作用効果を奏する。なお、このホロー型の電極4など
の場合は、バルブ1の内面と対面している電極4の外表
面4b側に第2の電子放射性物質層6Aを形成しておく
ことが好ましい。
【0058】また、図(c)はニッケルなどの無空の金
属体からなる電極4の外表面4b上に、第1の電子放射
性物質層5と、第2の電子放射性物質層6Aとを重層し
て形成してある。
【0059】また、図(d)は導入線3にニッケル板等
からなる2枚の平板状の電極4,4を先端側が拡がるよ
うに溶接し、相対する内表面上に第1の電子放射性物質
層5を、外表面4b上に第2の電子放射性物質層6Aを
それぞれ形成してあり、このような構成であっても上記
実施の形態のホロー電極と同様な作用効果を奏する。
【0060】本発明者の試験によれば、上記蛍光ランプ
Lを情報機器や表示機器に装着して、ランプLの放電開
始遅れを解消して始動特性が向上できることが確認でき
た。
【0061】図7(a)および(b)は、上記図1に示
す蛍光ランプLを組込んだバックライトなどの本発明の
照明装置(照明器具)の実施の形態を示す。
【0062】図7(a)は、導光体方式の照明装置8の
一部断面斜視図で、図において81は蛍光ランプLを装
着した断面がU字状の樋形反射鏡、82はアクリル樹脂
などからなる導光板、83,84は導光板82の底面お
よび側面や導光板収容ケース(図示しない。)内に形成
した反射シート、85は導光板82の上面側に設けられ
た光拡散板で、これらは図示しない器具本体を形成する
上記収容ケースなどの内部に点灯回路装置とともに組込
まれている。
【0063】この導光体方式のものは、ランプLからの
直射光および反射鏡81からの反射光が導光板82に入
射して、導光板82を透過し底面あるいは側面に達した
光線は反射シート83,84により反射されて、導光板
82の上面に向かう。そして、導光板82の上面から光
拡散板85に入射した光は光拡散板85の上面から拡散
してたとえば液晶パネルPに向けて放射される。
【0064】また、図7(b)は反射板方式の照明装置
9の分解斜視図で、反射鏡を形成する反射ケース91内
に複数本の蛍光ランプL,…が装着されるとともに反射
ケース91の開口部に光拡散板92が載置され、これら
は図示しない器具本体などの内部に点灯回路装置ととも
に組込まれて構成されている。このものは、ランプLか
らの直射光および反射ケース91からの反射光が光拡散
板92に入射し、光拡散板92の上面から拡散して放射
される。
【0065】これらの照明装置(照明器具)8や9は、
パソコンやテレビなどの液晶表示装置のバックライトと
して、あるいは所定のディスプレイ装置が形成された表
示板のバックライト用として使用される。そして、ラン
プLの放電遅れが解消できるところから、これら装置
(器具)8,9の始動特性を向上できた。また、この照
明装置(照明器具)8,9は一般の照明器具としても使
用できるものである。
【0066】
【発明の効果】本発明の請求項1ないし請求項5の記載
によれば、ランプの始動遅れを解消した、始動特性の向
上した冷陰極蛍光ランプを提供できる。
【0067】本発明の請求項6の記載によれば、上記請
求項1ないし請求項5に記載と同様な効果を奏する冷陰
極蛍光ランプを備えているので、バックライト用など種
々の機器の始動性を向上した照明装置を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の冷陰極蛍光ランプの実施の形態を示す
正面図である。
【図2】図1のランプの一端部近傍を示す拡大縦断面図
で、(a)図はランプ製作直後の状態を、(b)図はラ
ンプエージング(点灯)後の状態を示す。
【図3】Cs2 SO4 の形成量を種々変えた蛍光ランプ
の、始動時間(放電開始遅れ時間)(msec)を調べたグ
ラフである。
【図4】Cs2 SO4 の形成量を種々変えた蛍光ランプ
の、ちらつきの発生率(%)を調べたグラフである。
【図5】本発明の冷陰極蛍光ランプの点灯時間(時間)
と、そのランプ電圧(V rms)とを対比させたグラフで
ある。
【図6】図(a)〜(d)は、本発明に係わる他の冷陰
極型の電極およびこの電極に形成された第1および第2
の電子放射性物質層の構成を示す一部切欠正面図であ
る。
【図7】本発明に係る照明装置(バックライト)の実施
の形態を示し、図(a)は導光体方式の一部断面斜視
図、同図(b)は反射板方式の斜視図である。
【符号の説明】
L:冷陰極蛍光ランプ 1:ガラス管バルブ 3:導入線 4:冷陰極型電極 5:第1の電子放射性物質層 6A:第2の電子放射性物質層(電極表面上) 6B:第2の電子放射性物質層(蛍光体被膜上) 7:蛍光体被膜 8,9:照明装置(照明器具)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内面に蛍光体被膜が形成されたガラス管
    バルブと、 このバルブ内に設けられた少なくとも一対の冷陰極型電
    極と、 この電極の表面に形成されたBa、Sr、Ca、Y、L
    aのうちから選ばれた少なくとも一種の化合物からなる
    第1の電子放射性物質層およびCs化合物からなる第2
    の電子放射性物質層と、 上記バルブ内に封入された放電媒体と、を具備している
    ことを特徴とする冷陰極蛍光ランプ。
  2. 【請求項2】 電極の外部表面に形成された第1の電子
    放射性物質層の表面上に第2の電子放射性物質層が重層
    形成されていることを特徴とする請求項1に記載の冷陰
    極蛍光ランプ。
  3. 【請求項3】 電極の外部表面の異なる部分に第1の電
    子放射性物質層と第2の電子放射性物質層とが形成され
    ていることを特徴とする請求項1に記載の冷陰極蛍光ラ
    ンプ。
  4. 【請求項4】 ホロー電極の内部表面部分に第1の電子
    放射性物質層が、外部表面部分に第2の電子放射性物質
    層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の
    冷陰極蛍光ランプ。
  5. 【請求項5】 第2の電子放射性物質層がCs2 SO4
    からなり、その形成量が0.1〜1.0mgの範囲内で
    あることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれ
    か一に記載の冷陰極蛍光ランプ。
  6. 【請求項6】 器具本体と、この器具本体に設けられた
    請求項1ないし請求項5のいずれか一に記載の冷陰極蛍
    光ランプと、この冷陰極蛍光ランプに接続された点灯回
    路装置とを具備していることを特徴とする照明装置。
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