JP2003016928A - プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法 - Google Patents

プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法

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JP2003016928A
JP2003016928A JP2001204328A JP2001204328A JP2003016928A JP 2003016928 A JP2003016928 A JP 2003016928A JP 2001204328 A JP2001204328 A JP 2001204328A JP 2001204328 A JP2001204328 A JP 2001204328A JP 2003016928 A JP2003016928 A JP 2003016928A
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glass frit
glass
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dielectric
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JP2001204328A
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Hiroshi Watanabe
拓 渡邉
Hiroyuki Kawamura
浩幸 河村
Masaki Aoki
正樹 青木
Mitsuhiro Otani
光弘 大谷
Junichi Hibino
純一 日比野
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 第一の電極層と第二の電極層を有する電極と
誘電体層を同時に焼成するプラズマディスプレイの製造
方法において、第一の電極層の有機バインダーのガラス
フリットへの付着を均一にして、有機バインダーの燃焼
速度差を少なくする。 【解決手段】 第一の電極層用ガラスフリットに球状化
処理を施す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマを利用し
たディスプレイパネルの製造方法に関するものであり、
特に厚膜電極と誘電体ガラス層を同時に焼成して形成す
るための課題を解決するためのものである。
【0002】
【従来の技術】近年、薄型に適した表示装置として注目
されているプラズマディスプレイパネルは、例えば、図
1に示す構成を有する。このプラズマディスプレイパネ
ルは互いに対向して配置された前面基板100と背面基
板101とを備えている。前面基板100の上には、表
示電極102と103、誘電体層104、及びMgO誘
電体保護層105が順に形成されている。また、背面基
板101の上には、アドレス電極106及び誘電体層1
07が形成されており、その上には、更に隔壁108が
形成され、隔壁108の側面には蛍光体層109が塗布
されている。
【0003】前面基板100と背面基板101との間に
は放電ガス110が、所定の圧力で封入されている。こ
の放電ガス110を表示電極102、103の間で放電
させて紫外線を発生させ、その紫外線を蛍光体層109
に照射することによって、カラー表示を含む画像表示が
可能となる。尚、実際は一方の基板を90度回転させた
構造であり、表示電極102、103とアドレス電極1
06は交差するように配置されている。
【0004】前面基板100において、表示電極10
2、103には、厚膜の銀電極や薄膜のCr−Cu−C
r電極が用いられている。厚膜電極の形成にはスクリー
ン印刷法やフォト法などがあり、パターン形成後、50
0℃〜600℃で焼成を行なう。また、厚膜銀電極を用
いた場合、プラズマディスプレイパネルの表示側からみ
ると電極ラインが白色であるため、明所での表示コント
ラストが劣化する。これを防ぐために、図2に示すよう
に第二の電極層204の下層に、黒色材料を有する第一
の電極層203を設ける方法がある。この構成だと表示
画面の色を黒く落とすことが可能となり、表示コントラ
ストを向上させることができる(たとえば特開平10−
40821)。第一の電極層の材料には、例えばPbO
−B23−SiO2系ガラスにFe、Cr、Ni、Ru
などの酸化物を添加して着色したガラスフリットを用い
る。このような黒色である第一の電極層と導電性で白色
である第二の電極層を有する2層構造電極を形成する方
法は、スクリーン印刷法やフォト法で各層をパターン印
刷して積層する方法や、スクリーン印刷法で第一の電極
層、第二の電極層をベタ印刷した後、フォト工程で2層
を一括露光、現像してパターニングする方法がある。い
ずれの場合も、第一の電極層と第二の電極層を同時に焼
成すれば焼成回数を減らすことができる。一方、薄膜電
極の形成はEB蒸着法やスパッタリング法で膜形成を行
った後、エッチング等でパターニングを行う。薄膜電極
形成法では焼成工程は必要ない。また、Cr−Cu−C
r電極ではプラズマディスプレイパネルの表示側はCr
であり、表示コントラストに問題はない。
【0005】誘電体層104は低融点ガラスペーストを
塗布、乾燥、焼成工程を経て形成する。誘電体層の形成
方法はスクリーン印刷や細長いスリットの間からペース
トを流しだして塗布するダイコート法がある。また、誘
電体ペーストをシート化してシートをラミネートするシ
ート法などがある。誘電体を形成するガラスペーストと
してはガラスの軟化点よりも10℃程度高い温度で焼成
する軟化点焼成タイプや軟化点より100℃程高い温度
で焼成する脱泡焼成タイプがある。脱泡焼成タイプのガ
ラスペーストだけで誘電体層を形成しようとすると、ガ
ラスペーストの焼成時にガラスと表示電極が反応し電極
材料がガラスへ拡散してしまうので、普通脱泡焼成タイ
プのガラスペーストを使うときは軟化点焼成タイプで1
層目を形成した上に脱泡焼成タイプの誘電体層を形成す
る2層構造の誘電体層を用いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】電極に印刷やフォトプ
ロセスを用いる厚膜銀電極を用いた場合、真空装置を用
い、且つエッチング処理が必要な薄膜Cr−Cu−Cr
電極に比べて、製造設備を簡便化することができるとい
うメリットを有するものの、電極層を焼成するために焼
成回数がCr−Cu−Cr電極を用いた場合に比べて多
く、ランニングコストが高いという課題を有していた。
そこで、電極層を焼成する前に誘電体層を厚膜銀電極上
に形成し、電極と誘電体を同時に焼成し焼成回数を減ら
す方法が考えられた。しかしながら、第二の電極層の導
電性材料の焼結温度は第一の電極層の有機バインダーの
燃焼温度に比べて低い。たとえば導電性材料が平均粒径
が2μm程度の銀粒子である場合、焼結開始温度は30
0℃以下であり、有機バインダーの燃焼温度300〜3
50℃に比べて低い。このために、厚膜電極が第一の電
極層と第二の電極層を有する2層構造である場合、焼成
工程において、第一の電極層中の有機バインダーの燃焼
が完全に終了しないうちに第二の電極層の電極材料の焼
結が進み、第一の電極層からの燃焼ガスが第二の電極層
に閉じこめられるといった現象が生じていた。そして閉
じこめられた燃焼ガスがその後の焼成過程において第一
の電極層の中や誘電体層の中で膨張して巨大な気泡を生
成し、その気泡により誘電体層の絶縁耐圧が劣化しプラ
ズマディスプレイパネルの歩留まりを低下させるという
課題を有していた。このように、2層構造を有する電極
と誘電体の同時焼成において第一の電極層の有機バイン
ダーの燃焼不良による燃焼ガス発生が問題となってい
た。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明では、第一の電極
層からの有機バインダーの燃焼速度を均一にすることで
第二の電極層の焼結によってさまたげられないような第
一の電極層用のガラスフリットを提供する。具体的に
は、基板の表面に第一の電極層を形成する工程と、前記
第一の電極層の上に第二の電極層を形成する工程と、誘
電体ガラス層を形成する工程を有するプラズマディスプ
レイパネルの製造方法において、前記第一の電極層はガ
ラスフリットと黒色顔料もしくは黒色酸化物などの黒色
材料を有する第一の電極材料ガラスを粗粉砕するステッ
プと、前記粗粉砕した後の第一の電極材料ガラスに球状
化処理を施すステップと、前記球状化処理を施した第一
の電極材料ガラスを有機バインダーと混合したものであ
り、前記第二の電極層は導電性材料とガラスフリットを
有する第二の導電性電極材料に有機バインダーを混合し
たものであり、前記誘電体層は誘電体ガラス粉末と有機
バインダーを混合したものであり、前記第一の電極材料
ガラスと有機バインダーを混合したものを基板上に積層
し第一の電極層を形成する工程と、前記第二の導電性材
料と有機バインダーを混合したものを前記第一の電極層
の上に積層し第二の電極層を形成する工程と、前記第一
の電極層と前記第二の電極層を有する基板上に前記誘電
体ガラスと有機バインダーを含む誘電体層を積層する工
程と、前記第一の電極層と前記第二の電極層と前記誘電
体層を有する基板を焼成する工程を有することであり、
前記第一の電極材料ガラスに球状化処理を施すステップ
は、粗粉砕後の第一の電極材料ガラスの粒子表面に溶融
処理を施すことであり、前記粒子表面溶融は、プラズマ
ジェット流中に粗粉砕後の第一の電極材料ガラスを投入
する処理を行うことであり、前記粒子表面溶融は、粗粉
砕後の第一の電極材料ガラスをその軟化点以下の雰囲気
に放置する処理を施すことであり、前記球状化処理は粗
粉砕後の第一の電極材料ガラスを気流中にて高速衝突さ
せる処理であり、球状化処理を施すステップと、第一の
電極層用ガラスフリットと有機バインダーとの混合物を
基板本体に塗布する前記ステップとの間に、第一の電極
用ガラスフリットの最大粒子径が焼成後の膜厚の1/2
を超えないように分級処理を施すステップを含むことで
ある。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態に係るプラズ
マディスプレイパネルの構成及びその製造方法について
図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は
粗粉砕後の第一の電極用ガラスフリットに球状処理を施
すという本発明の一例であり、同様の作用・効果を有す
る製法であれば本発明の技術的思想の範疇に含まれるこ
とはいうまでもない。
【0009】(実施の形態1)本発明はPDPの前面基
板、背面基板のいずれの誘電体層にも適用できるが、こ
こでは代表して前面基板への実施形態を述べる。
【0010】基板は、例えば旭ガラス製の高歪点ガラス
PD−200や日本電気ガラス製のpp−8などを用い
る。
【0011】第一の電極層の材料はガラスと黒色材料の
混合物からなる黒色ガラスフリットと有機バインダーか
らなるガラスペーストである。黒色ガラスフリットのガ
ラスは低融点ガラスであり、例えばPbO−B23−S
iO2系などの使用が可能である。黒色材料は、黒色酸
化物Fe23、NiO、Cr23、CuO、RuO2
1種類もしくは2種類以上の使用、もしくは黒色顔料の
カーボンブラック、チタンブラック等の導電性黒色顔
料、Co−Cr−Fe、Co−Mn−Fe、Co−Fe
−Mn−Al、Co−Ni−Cr−Fe、Co−Ni−
Mn−Cr−Fe、Co−Ni−Al−Cr−Fe、C
o−Mn−Al−Cr−Fe−Siなどの使用が可能で
ある。黒色材料は非導電性でよいが、電極に透明電極を
併用するような構成の場合は導電性を選択することが必
要となる。
【0012】ガラスと黒色材料を混合、溶融して黒色の
ガラスフリットを作成する。ガラスに対して黒色酸化物
の混合量は0.1〜0.001%程度とすればよい。ガ
ラスフリットと黒色酸化物の混合物を1300〜150
0℃くらいで溶融した後、冷却したものをボールミルな
どを用いて粗粉砕する。粗粉砕は、ボールミルや湿式ジ
ェットミル(例えば(株)スギノマシーン製 HJP3
00−02)などの粉砕装置を用いて最終的に第一の電
極層の形成に用いるガラスフリットの粒子径近くまで粗
粉砕したものである。粗粉砕後のガラスフリットの粒子
はおおむね図3(a)に示すように角張ったいびつな形
状をしている。
【0013】表面溶融処理の第一の実施形態はプラズマ
ジェットを用いた表面溶融処理である。図4に処理方法
の一例を示す。プラズマトーチ400は、プラズマ溶射
法などに用いられるものであって、陰極401と陽極4
02とを有し、陽極402および陰極401間の断面V
字形の空間403にはプラズマ作動ガス404が送り込
まれ、陽極402と陰極401の間に直流電源405か
ら直流電流が印可されることによって、空間403内の
プラズマ作動ガス404を用いてアーク放電をさせるも
のである。空間403内のプラズマ作動ガス404はプ
ラズマトーチの上部に設けられたガスポート406から
導入され、ノズル部407からプラズマ作動ガスの流量
に応じた圧力で噴射される。プラズマ作動ガス404と
しては、アルゴン、ヘリウム、窒素、水素などを使用す
ることができる。尚、陽極402と陰極401は図示さ
れていないが、水冷される構成となっているとともに両
電極は絶縁材410で絶縁されている。陰極401に
は、鉛直方向に粉末供給ポート408が設けられてい
て、第一の電極層用ガラスフリットがこの粉末供給ポー
ト408から空間403に供給される。空間403に供
給されたガラスフリット409はプラズマ作動ガス40
4にのせられてプラズマジェット411に曝されること
によって加熱溶融され、ノズル部407からプラズマジ
ェット411とともに噴射される。このようなプラズマ
トーチ400を用いてプラズマジェットにガラスフリッ
トを曝す処理を施すことによってガラスフリットは粒子
表面がプラズマ(10000℃程度)によって溶融して
図3(b)に示すような球に近くなる。
【0014】特に上記プラズマトーチの構成であればガ
ラスフリットがプラズマジェットに囲まれプラズマジェ
ット中に滞在する状態となるので、効率良く処理を行う
ことができる。これはプラズマジェット流による吸引力
が作用する領域からガラスフリットを投入しているた
め、プラズマジェット流中に効率良くガラスフリットが
取り込まれるからである。これに対してノズル407の
出口側付近においてガラスフリットを供給する外挿式で
は、ガラスフリットの一部がプラズマジェットに弾かれ
てしまうので、ガラスフリットをプラズマジェット中に
滞在させることが難しくなり、効率良く処理を行うこと
が難しい。ただし、ガラスフリットが過溶融とならない
ようなプラズマジェットの出力に設定することが必要と
なる。プラズマジェットを発生させる条件としては、プ
ラズマ作動ガスのガス流量を10L/min、プラズマ
電流を300Aとすることができる。この条件下では、
ガラスフリットの90wt%以上について表面を溶融さ
せて球に近づけることができる。
【0015】表面溶融処理を施したのちに、分級装置に
よって所定粒度分布に調整する。分級は、粒度分布がで
きるだけシャープなものとなるように、すなわち、粒子
径を揃えるように行うことが望ましい。粒子径が大きす
ぎたり、小さすぎたりすると粒子が不均一に積層し、バ
インダー樹脂の不均一が生じ、樹脂の燃焼速度に差を生
じさせやすくなる。そこで、第一の電極用ガラスフリッ
トの最大粒子径が焼成後膜厚の1/2を越えないように
分級することが望ましい。つまり、ガラスフリットの表
面を溶融させる方法であれば、ガラスフリット表面溶融
処理を行う方法は、上記プラズマトーチを用いた方法に
限らない。すなわち、加熱炉に粗粉砕後のガラス粉末を
置き、軟化点を超えない温度にて加熱することによって
も同様にガラス粒子表面を溶融させて球状化させること
は可能であるので、このような方法を適用することもも
ちろん可能である。
【0016】以上のように、表面溶融処理を施したガラ
スフリットを有機バインダーとバインダー溶解溶剤とと
もに、ボールミル、ディスパーミルあるいは湿式ジェッ
トミルによりよく混錬し、混合ガラスペーストを作成す
る。有機バインダーにはエチルセルロースやメチルセル
ロースなどのセルロース系樹脂やメチルメタクリレート
やプロピルアクリレートやブチルメタクリレートなどを
モノマーとするアクリル系共重合体などが可能である。
有機バインダーに感光性を有する樹脂を添加すると、電
極形成にフォトプロセスを利用することができ、高精細
な電極パターン形成が可能となる。感光性樹脂として
は、トリメチロールプロパントリアクリレートやトリエ
チレングリコールジメタクリレートなどのアクリル系モ
ノマーやベンゾフェノンなどの光重合開始剤が使用可能
である。また、バインダー溶解溶剤としてはターピネオ
ール、ブチルカルビトールアセテート、ペンタルジオー
ル単体、あるいはこれらの混合物などを用いることがで
きる。バインダー溶解溶剤の混合ペースト中に含有させ
る量を調整することによって、混合ペーストの粘度を採
用する成膜法に適した値に設定する。
【0017】第二の電極層の材料には導電性粉末とガラ
スフリットと有機バインダーから成る導電性ペーストを
用いる。導電性粉末はAg、Cu、Ni、Au、Al、
Ag−Pd粉末の1種類もしくは2種類以上の使用が可
能である。平均粒径が1〜5μm、望ましくは1〜2μ
mとする。粒子径が大きいと導電性粉末の焼結温度が上
がり、第一の電極層の燃焼ガスが抜けて行き易くなるが
電極パターン精度は悪くなる。ガラスには例えばPbO
−B23−SiO2系などが可能である。導電性粉末と
ガラスの混合比は100:1〜10、望ましくは10
0:1〜3である。ガラスの混合量が多くなると導電性
粉末の焼結温度が上昇するような影響が与えられ、第一
の電極層の燃焼ガスが抜けて行き易くなるが電極のライ
ン抵抗が上昇する。有機バインダーにはエチルセルロー
スやメチルセルロースなどのセルロース系樹脂やメチル
メタクリレートやプロピルアクリレートやブチルメタク
リレートなどをモノマーとするアクリル系共重合体など
が可能である。また、有機バインダーに感光性を有する
樹脂を添加すると、電極形成にフォトプロセスを利用す
ることができ、高精細な電極パターン形成が可能とな
る。感光性樹脂としては、トリメチロールプロパントリ
アクリレートやトリエチレングリコールジメタクリレー
トなどのアクリル系モノマーやベンゾフェノンなどの光
重合開始剤が使用可能である。
【0018】第一の電極層203と第二の電極層204
を形成する際、非感光性樹脂を用いた場合はスクリーン
印刷法を用いて所定パターンを積層印刷すればよい。ま
た、感光性樹脂を用いた場合は基板全面にスクリーン印
刷法などによってペーストを塗布した後、所定パターン
を有するフォトマスクを用いて露光、現像を行えばよ
い。感光性樹脂を用いる場合は、まず第一の電極層20
3と第二の電極層204の材料ペーストをそれぞれ基板
全面に印刷し、露光、現像を行い、一括で電極パターン
を形成することができる。
【0019】誘電体層は、誘電体ガラスとして、たとえ
ばPbO−B23−SiO2系、Bi23−ZnO−B2
3系、ZnO−B2O−SiO2系、P25−ZnO−
Al 23系ガラスなどの利用が可能であり、その他一般
にPDPの誘電体に用いられているガラスも同様にして
用いることができる。樹脂成分はセルロース系やアクリ
ル系の樹脂が可能である。また、溶剤はBCAやα−タ
ーピネオールが可能である。また、必要に応じて界面活
性剤や可塑剤を添加することも可能である。ガラス成
分、樹脂成分を3本ローラなどを用いて混練してガラス
ペーストを作成する。誘電体層の形成はガラスペースト
をスクリーン印刷法やダイコート法などを用いる。ま
た、誘電体シートを作成し、ラミネータを用いて基板上
に貼り付けるシート工法も可能である。
【0020】電極と誘電体を同時に焼成することが可能
である。焼成温度は誘電体ガラスの軟化点温度よりも1
0℃程高い温度で、10〜20分間行う。
【0021】次に誘電体層上にEB蒸着法で厚さ約50
00AのMgO誘電体保護層105を形成する。
【0022】以上のようにして前面基板を作成する。
【0023】背面基板は、例えば旭ガラス製の高歪点ガ
ラスPD−200や日本電気ガラス製pp−8などを用
いる。まず、ガラス基板上にアドレス電極を形成する。
電極の形成はスクリーン印刷法により所定パターンを印
刷する。
【0024】次に下地誘電体層を形成する。下地誘電体
ペーストは、例えば日本電気ガラス製PLS−3244
などが可能である。スクリーン印刷法で塗布、乾燥を数
回繰り返す。
【0025】次に電極と誘電体層を同時に焼成する。焼
成温度は誘電体の焼成温度と同じであり、本実施形態1
では580〜610℃、望ましくは590〜600℃で
焼成する。
【0026】次にリブをサンドブラスト法にて形成す
る。サンドブラスト法では、まずリブペーストを印刷法
などの方法で塗布し、乾燥した後、リブペースト乾燥膜
の上面にドライフィルムレジストをラミネートする。次
に所定パターンを有するフォトマスクを用いて露光し、
現像した後サンドブラスト法によってリブの不用部分を
削り取る。そしてドライフィルムを剥離して焼成する。
【0027】次にリブにはさまれた空間に赤、青、緑色
の蛍光体層を形成する。各色の蛍光体としてはPDP一
般に用いられている蛍光体を用いる。ここでは次の蛍光
体を用いる。
【0028】赤:(YxGd1-x)BO3:Eu 青:Zn2SiO4:Mn 緑:BaMgAl1017:Eu2+ 蛍光体層は蛍光体材料を有機バインダーと混合して作成
したペーストをスクリーン印刷法などで塗布し、400
〜500℃で焼成して形成する。
【0029】次にパネルを張り合わせ、封着、排気、ガ
ス交換を行う。前面基板と背面基板を表示電極とアドレ
ス電極が直交するように張り合わせた後、一旦パネル内
部を真空状態にした後、ネオンを主成分とする放電ガス
を導入する。
【0030】以上によりパネルが完成する。
【0031】(実施の形態2)本実施形態2におけるプ
ラズマディスプレイパネルは、その構成は上記実施形態
1と同様であるが、第一の電極用ガラスフリットを球状
化処理する手法が上記実施形態1と異なり、その点に特
徴がある。すなわち、ここでは粗粉砕後の球状化処理を
乾式ジェットミル粉砕装置(例えば、カウンタージェッ
トミル AGF型(アルピネ社製))にて更に微細な粒
子に粉砕することによって、同時にその粒子形状を球状
に近づけるようにする(球状化処理)。より具体的に
は、ここで用いた乾式ジェットミル粉砕装置は、2つの
高速気流中に第一の電極用ガラスフリットを混合し、こ
の高速気流の衝突する力を利用して微粉化するものであ
り、2つの気流同士がぶつかる際にガラス粒子同士も互
いに衝突することにより粒子径が小さくなり、更にそれ
と同時に粒子径が揃い、粒度分布がシャープになる。ま
た、このような高速気流に乗って流れる粒子同士が高速
衝突する作用により粒子粉砕を行うため、同時に粒子表
面がいわば研磨されることになり、粒子形状は球状に近
づくことになる。なお、このような微粉化に伴って、粒
子の形状が球に近づくことは顕微鏡観察により観察され
た。しかも、湿式ジェットミルでは一般に微粉化するの
に限界があり、本実施形態2のように粒子形状が球に近
づく程度まで微粉化されないことも確認している。した
がって、同じジェットミル粉砕装置でも粒子が球状化さ
れる程度に高速衝突させられる乾式とするのに意義があ
る。
【0032】
【発明の効果】以上のように本発明は、電極層が、黒色
ガラスフリットからなる第一の電極層と導電性材料を有
する第二の電極層の2層構造であり、電極層と誘電体層
を同時に焼成するときに、第一の電極層のガラスフリッ
トが、処理粒子であることを特徴としている。球状ガラ
スフリットを用いると、有機バインダーの燃焼速度を均
一化させ、燃焼を効率よく行うことができる。なぜなら
ば、非球状ガラスフリットは形状がいびつで角張った形
状のものが多く、粒子表面の濡れ性が不均一であり、ガ
ラスフリットを印刷した段階においては、ガラスフリッ
ト表面に有機バインダーが不均一に付着しやすく、した
がって焼成時において、ガラスフリット間の有機バイン
ダーの燃焼速度に差が生まれやすいので、燃焼速度の遅
い部分は上層材料である導電性材料や、誘電体ガラスが
焼結・溶融後も有機バインダーを燃え切らせることが難
しい。上層材料が焼結、溶融すると、第一の電極層から
の燃焼ガスの経路がなくなり燃焼ガスが上層材料中に閉
じ込められ、それが膨れて誘電体中の気泡となる。一
方、ガラスフリットを球状に近づけると有機バインダー
はガラスフリットに均一に付着するようになり、燃焼速
度の差が出にくくなり、上層材料の焼結・溶融前に有機
バインダーが燃えきる。そのために燃焼ガス起因の気泡
の発生がなくなる。
【0033】このようにして電極、誘電体の同時焼成を
おこなっても気泡の少ない高歩留まりなプラズマディス
プレイパネルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】プラズマディスプレイパネルの一例を示す図
【図2】2層電極構造を有するプラズマディスプレイパ
ネルの一例を示す図
【図3】球状化処理する前(a)と処理後(b)のガラ
スフリットの状態を示す図
【図4】プラズマジェットを利用した粒子表面溶融処理
の一例を示す図
【符号の説明】
100 前面基板 101 背面基板 102 表示電極 103 表示電極 104 誘電体層 105 MgO誘電体保護層 106 アドレス電極 107 下地誘電体層 108 隔壁 109 蛍光体層 110 放電ガス 200 前面基板 201 背面基板 202 透明電極 203 第一の電極層 204 第二の電極層 205 保護膜 206 アドレス電極 207 下地誘電体 208 隔壁(リブ) 209 蛍光体層 210 放電空間 400 プラズマトーチ 401 陰極 402 陽極 403 断面V字形の空間 404 プラズマ作動ガス 405 直流電源 406 ガスポート 407 ノズル部 408 粉末供給ポート 409 ガラスフリット 410 絶縁材 411 プラズマジェット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 青木 正樹 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 大谷 光弘 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 日比野 純一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5C027 AA02 AA06 5C040 FA01 FA04 GB03 GB14 GC19 GD09 JA02 KA09 KB09 KB14 KB17 MA23

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板の表面に第一の電極層を形成する工
    程と、前記第一の電極層の上に第二の電極層を形成する
    工程と、誘電体ガラス層を形成する工程を有するプラズ
    マディスプレイパネルの製造方法において、前記第一の
    電極層はガラスと黒色材料を含む第一の電極層用ガラス
    フリットを粗粉砕し、前記粗粉砕した後の第一の電極層
    用ガラスフリットに球状化処理を施した後、第一の電極
    層用ガラスフリットを有機バインダーと混合した第一の
    電極層用ペーストを用いて形成するものであり、前記第
    二の電極層は導電性材料とガラスフリットを有する導電
    性電極材料に有機バインダーを混合した第二の電極層用
    ペーストを用いて形成するものであり、前記誘電体層は
    誘電体ガラス粉末と有機バインダーを混合した誘電体ペ
    ーストを用いて形成するのものであり、前記第一の電極
    層用ペーストを基板上に積層する工程と前記第二の電極
    層用ペーストを前記第一の電極層の上に積層する工程と
    前記第一の電極層と前記第二の電極層を有する基板上に
    前記誘電体ペーストを積層する工程と、前記第一の電極
    層と前記第二の電極層と前記誘電体層を有する基板を焼
    成する工程を有するプラズマディスプレイパネルの製造
    方法。
  2. 【請求項2】 前記第一の電極層用ガラスフリットに球
    状化処理を施すステップは、粗粉砕処理を行った第一の
    電極材料ガラスの粒子表面に溶融を施す処理からなるこ
    とを特徴とする請求項1記載のプラズマディスプレイパ
    ネルの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記粒子表面溶融は、プラズマジェット
    流中に粗粉砕後の第一の電極層用ガラスフリットを投入
    する処理により行うことを特徴とする請求項2記載のプ
    ラズマディスプレイパネルの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記粒子表面溶融は、粗粉砕後の第一の
    電極層用ガラスフリットをその軟化点以下の雰囲気に放
    置する処理を施すことにより行うことを特徴とする請求
    項2記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記球状化処理は粗粉砕後の第一の電極
    層用ガラスフリットを気流中にて高速衝突させる処理か
    らなることを特徴とする請求項1記載のプラズマディス
    プレイパネルの製造方法。
  6. 【請求項6】 球状化処理を施すステップと、第一の電
    極層用ガラスフリットと有機バインダーとの混合物を基
    板本体に塗布する前記ステップとの間に、第一の電極用
    ガラスフリットの最大粒子径が焼成後の膜厚の1/2を
    超えないように分級処理を施すステップを含むことを特
    徴とする請求項1から5のいずれかに記載のプラズマデ
    ィスプレイパネルの製造方法。
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