JP2003016771A - 情報端末装置 - Google Patents

情報端末装置

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JP2003016771A
JP2003016771A JP2001195301A JP2001195301A JP2003016771A JP 2003016771 A JP2003016771 A JP 2003016771A JP 2001195301 A JP2001195301 A JP 2001195301A JP 2001195301 A JP2001195301 A JP 2001195301A JP 2003016771 A JP2003016771 A JP 2003016771A
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substrate
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JP2001195301A
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Tatsuhiko Inagaki
辰彦 稲垣
Yoshihiro Ueno
善弘 上野
Shisei Den
志生 デン
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 動的な外部振動又は外部衝撃による影響を十
分に抑制してディスク装置の信頼性を高め得る情報端末
機器を提供することにある。 【解決手段】 ディスク状の記録媒体2を含むディスク
装置22と、ディスク装置22を搭載する基板31と、
基板の一部分31aが片持ち梁を構成するように基板3
1を支持する支持部材35とを少なくとも備えた情報端
末装置を用いる。ディスク装置22は、基板の片持ち梁
を構成する部分31aに、記録媒体2の面と基板31の
面とが平行となるようにして搭載する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハードディスク装
置、光ディスク装置など、ディスク状の記録媒体に情報
の記録再生を行うディスク装置を備えた情報端末装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、情報記録再生装置として、ハード
ディスク装置に代表される磁気ディスク装置や、光ディ
スク装置などのディスク状の記録媒体を用いたものが広
く普及している。中でも、ハードディスク装置は、デー
タ転送の高速性という特性を生かしてパーソナルコンピ
ュータ等の外部記憶装置として広く用いられている。
【0003】以下、近年普及している小型のハードディ
スク装置について、従来例1として図面を参照しながら
説明する。図11は、従来例1にかかるハードディスク
装置の断面図である。図12は従来例1にかかるハード
ディスク装置を構成するヘッド支持機構を示す図であ
り、図12(a)は斜視図で、図12の(b)は断面図
で示している。
【0004】図11の例に示すように、従来例1のハー
ドディスク装置は、密閉された筐体を構成するベース3
07及びカバー308と、磁気記録可能な媒体であるデ
ィスク301と、ディスク301を保持して高速に回転
させるスピンドルモータ302と、ディスク301に記
録されたデータの読み出し及び書き込みを行う磁気ヘッ
ド(図示せず)を搭載したヘッドスライダ303と、ヘ
ッドスライダ303を保持するサスペンション304
と、サスペンション304を介してヘッドスライダ30
3をディスク301の面内方向に揺動させるヘッドアク
チュエータ305とで構成されている。ここで、ヘッド
スライダ303とサスペンション304とを一体として
ヘッド支持機構と総称する。
【0005】また、図11に示すように、スピンドルモ
ータ302の中心軸306とヘッドアクチュエータ30
5の中心軸309とは両者ともベース307に取り付け
られている。そのため、スピンドルモータ302とヘッ
ドアクチュエータ305において、回転方向以外の自由
度はベース307によって拘束される。
【0006】図11に示すヘッド支持機構について図1
2を用いて説明する。図12に示すように、磁気ヘッド
(図示せず)を搭載するヘッドスライダ303は、ジン
バル機能を備えたフレキシャ402を介して、片持ち梁
状のロードビーム403に取り付けられている。フレキ
シャ402とロードビーム403とは金属薄板で形成さ
れており、これらが合わさってサスペンション304を
構成する。
【0007】ロードビーム403はヘッドスライダ30
3が取り付けられた端部と反対側の端部でマウント部4
04を介して、ヘッドアーム405に取り付けられてい
る。ヘッドアーム405は、図11で示したヘッドアク
チュエータ305に連結されている。
【0008】ヘッドスライダ303はディスク301の
面に対向するよう設置されており、ディスク301の回
転に伴って形成される空気膜によって浮上し、ディスク
301の表面に追従する。このとき、空気膜による浮上
力とロードビーム403の付勢力とは釣り合っており、
ヘッドスライダ303の浮上量は一定である。
【0009】このように、従来例1のハードディスク装
置においては、ヘッドスライダ303のディスク301
に対する位置決めは、ディスク301の回転によって生
じる空気膜を利用した非接触方式によって行われてい
る。
【0010】しかし、このような構成のため、外部から
の振動あるいは衝撃などにより、ハードディスク装置に
対して加速度が印加されると、ヘッド支持機構に発生す
る慣性力によってヘッドスライダ303とディスク30
1とが接触するという現象が生じてしまい、記憶装置と
しての信頼性が損なわれるという問題がある。
【0011】例えば、図12の(b)においてディスク
301からヘッド支持機構に向けて(図中上方向)加速
度が印加された場合、ヘッド支持機構には矢印で示すよ
うに下向きの慣性力Fが発生する。この場合、慣性力Fに
よってディスク301上の空気膜は圧縮され、圧縮量が
ディスク301の表面とヘッドスライダ303の表面と
の最小距離より大きくなれば接触が発生する。また、外
部からの加速度が解除されると、空気膜の反力とロード
ビーム403の弾性力による反力によって、ヘッドスラ
イダ303はディスク301の表面から大きく跳ね上が
り、更にその後ディスク301に衝突する場合もある。
【0012】そのため、例えば特開平9−82052号
公報や特開平11−39808号公報には、ハードディ
スク装置の信頼性の向上を目的とした、ヘッド支持機構
に加わる外部からの加速度の影響を低減するための技術
がいくつか提案されている。
【0013】次に、外部からの加速度による影響を低減
することを目的とした従来のハードディスク装置の一例
について、従来例2として図面を参照しながら説明す
る。図13は、従来例2にかかるハードディスク装置を
構成するヘッド支持機構を示す図であり、図13(a)
は斜視図で、図13(b)は断面図で示している。な
お、従来例2にかかるハードディスク装置は、図13に
示すヘッド支持機構が異なる以外は、図11に示した従
来例1にかかるハードディスク装置と同様にして構成さ
れている。
【0014】図13に示すように、従来例2にかかるハ
ードディスク装置を構成するヘッド支持機構は、ロード
ビーム403にロードビーム延長部406と金属体40
7とが設けられている点において、上記図12に示す従
来例1のヘッド支持機構と異なっており、他の構成要素
は実質的に同一である。なお、図12に示す従来例1の
ヘッド支持機構と同一の構成要素には同一の符号を付し
説明を省略する。
【0015】また、図13に示すように、ヘッドアーム
405の先端には切り欠き部405bが設けられてい
る。ロードビーム延長部406は、ロードビーム403
に一体的に形成されており、切り欠き部405bの内側
に収まっている。金属体407は所定の質量となるよう
に形成されており、ロードビーム延長部406の先端に
載置されている。ロードビーム延長部406及び金属体
407の設計は、ヘッド支持機構の重心位置がロードビ
ーム403とヘッドアーム405との境界近傍、実際に
はロードビーム403とマウント部404との境界線4
05aの近傍となるように行われている。
【0016】このように従来2にかかるヘッド支持機構
には、ロードビーム延長部406と金属体407とが設
けられているため、外部から衝撃が印加されても衝撃加
速度は回転中心付近(境界線405a付近)に作用する
こととなる。このため、ヘッドスライダ303の運動が
抑制されるので、ヘッドスライダ303とディスク30
1との衝突による損傷を低減できる可能性を有してい
る。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来例
2にかかるヘッド支持機構では、ヘッド支持機構を一つ
の剛体と見なした上で、その静的な質量のバランスを考
慮しているだけであるといえる。そのため、実際の動的
な外部衝撃に対して、その影響を十分に抑制できないと
いう課題がある。以下にこの課題について具体的に説明
する。
【0018】仮に、外部から印加される加速度が静的な
もの(例えば、重力加速度など時間的に変化しないも
の)であったとしたならば、従来例2にかかるヘッド支
持機構において、ヘッドスライダ303側のモーメント
と金属体407側のモーメントとが境界線405aを中
心にして釣り合うため、ヘッドスライダ303とディス
ク301との間に形成される空気層には力は作用しない
と言える。よって、ヘッドスライダ303とディスク3
01との衝突による損傷が低減される。
【0019】しかしながら、実際にハードディスク装置
に加わる衝撃加速度は静的なものではなく、時間的な変
化を有したものである。また、このような衝撃加速度
は、多くの場合、持続時間が数ミリ秒のパルス的なもの
である。よって、このような衝撃加速度が印加された場
合の影響を検討するにあたっては、ヘッド支持機構の動
的な挙動を考慮しなければならないといえる。
【0020】動力学的見地にたてば、振動系に衝撃加速
度が印加されたときは、慣性力による強制変位が生じる
とともに自由振動が励振され、衝撃加速度が解除された
ときは、自由振動が残留することがよく知られている。
従来例2にかかるヘッド支持機構は完全な剛体ではない
と言えるため、弾性変形による自由度を有する振動系と
みなす必要がある。
【0021】図14は、従来例2にかかるハードディス
ク装置を構成するヘッド支持機構の動的な挙動を説明す
るための模式図であり、該ヘッド支持機構は力学モデル
で示している。図14(a)に示すように、ロードビー
ム403の先端にはスライダ303が取り付けられてお
り、ロードビーム延長部406の先端には金属体407
が取り付けられている。スライダ303は空気膜に相当
する線形ばね410でディスク301に対して支持され
ている。また、ロードビーム403は回転中心(境界
線)405aにおいて単純支持されている。さらに可動
部全体の重心は回転中心405aに一致している。
【0022】図14(a)中の破線は、ヘッド支持機構
が振動したときの状態を示しており、ヘッド支持機構は
破線で示した形状の固有振動モードを有する。例えば、
金属体407が図中下方に変位したときは、図14
(b)に示すように線形ばね410には引張方向の力F
1が作用する。一方、金属体407が図中上方に変位し
たときは、図14(c)に示すように線形ばね410に
は圧縮方向の力F2が作用する。従って、この固有モー
ドの振動が励起されると、空気ばね410には、引っ張
り−圧縮を繰り返す周期的な力が加わることとなる。
【0023】ここで、一例として、ヘッドスライダの寸
法が1.2mm×1.0mm×0.3mm、サスペンシ
ョンの長さ(ロードビームの全長)が11mmの一般的
なヘッド支持機構を想定し、これについての評価を行
う。評価は、衝撃加速度を印加したときに空気膜に作用
する力の大きさ(絶対値)Faを耐衝撃性の尺度として
行った。また、評価は従来例1におけるヘッド支持機構
と従来例2におけるヘッド支持機構との二つについて行
った。なお、以下、Faを「空気膜じょう乱力」と称す
る。
【0024】図15は、従来例1のヘッド支持機構につ
いて算出した空気膜じょう乱力を示すグラフであり、図
16は、従来例2のヘッド支持機構について算出した空
気膜じょう乱力を示すグラフである。なお、図15及び
図16に示すグラフの算出において、衝撃加速度は重力
加速度の1000倍の大きさ(9.8×103m/se
2)で1ミリ秒(ms)間ノコギリ波状に印加してい
る。
【0025】図15に示すように、従来例1のヘッド支
持機構では、空気膜じょう乱力Faは衝撃力の印加中
(開始から1msまでの間)に最大値75mN(7.7
gf)をとる。この力は強制変位に起因するものであ
る。また、衝撃力の解除後(開始から1ms以後)の空
気膜じょう乱力は残留振動に起因するものである。
【0026】一方、図16に示した従来例2のヘッド支
持機構では、開始から1msまでの衝撃力の印加中にお
いて、空気膜じょう乱力Faは従来例1より低減されて
いる。しかし、開始から1ms以後に衝撃力が解除され
ると、残留する自由振動の影響によって、Faの最大値
は136mN(13.9gf)となり、むしろ従来例1
のヘッド支持機構よりも大きくなっている。その理由
は、従来例2のヘッド支持機構における可動部の質量
が、従来例1のヘッド支持機構のそれよりもおよそ2倍
となっており、振動する質量が大きいためである。
【0027】このように、従来例2のヘッド支持機構
は、ヘッド支持機構を一つの剛体と見なした上で、その
静的な力(質量)のバランスを考慮しているだけである
ので、実際の動的な外部衝撃が印加されると、励起され
る自由振動によって空気膜にじょう乱力が作用してしま
う。その結果、空気膜が圧縮され、ヘッドスライダ30
3がディスク301に接触したり、又はヘッドスライダ
303が大きく跳ね上がった後にディスク301に衝突
したりすることが発生する。即ち、従来例2のヘッド支
持機構では、動的な外部加速度の影響を十分に抑制でき
ないといえる。
【0028】本発明の目的は、上記問題を解決し、動的
な外部振動又は外部衝撃による影響を十分に抑制してデ
ィスク装置の信頼性を高め得る情報端末機器を提供する
ことにある。
【0029】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明にかかる情報端末装置は、ディスク状の記録媒
体を含むディスク装置と、ディスク装置を搭載する基板
と、基板の一部分が片持ち梁を構成するように基板を支
持する支持部材とを少なくとも備え、ディスク装置は、
基板の片持ち梁を構成する部分に、記録媒体の面と基板
の面とが平行となるようにして搭載されていることを特
徴とする。
【0030】上記本発明にかかる情報端末装置において
は、ディスク装置は、更に記録媒体を回転させるための
記録媒体駆動部と、記録媒体への情報の記録と記録媒体
からの情報の再生のうち何れか一方又は両方を行うヘッ
ドと、ヘッドを記録媒体の上方で支持するためのヘッド
支持機構部と、記録媒体駆動部及びヘッド支持機構部を
搭載する搭載部とを含む構成とするのが好ましい。
【0031】また、上記本発明にかかる情報端末装置に
おいては、ヘッド支持機構部は、記録媒体の面と平行な
軸を中心軸として揺動可能に構成された揺動部材と、揺
動部材の端部に取り付けられ、ヘッドを搭載するヘッド
スライダとを少なくとも含む構成とするのが好ましく、
このとき、揺動部材は、ヘッドスライダが取り付けられ
たときの重心が中心軸と記録媒体の面に垂直な方向にお
いて一致するように配置されているのが好ましい。
【0032】更に、上記本発明にかかる情報端末装置に
おいては、ディスク装置の質量と基板の剛性とから決ま
る固有振動数が、ヘッド支持機構部における記録媒体の
面に垂直な方向の固有振動数の2分の1倍以下となるよ
うに設定されているのが好ましい。
【0033】本発明にかかる情報端末機器は、このよう
な構成により、従来に比べてディスク装置に印加される
動的な外部振動又は外部衝撃による影響を抑制でき、デ
ィスク装置の信頼性を高めることができる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態にかか
る情報端末装置の一例について図面を参照しながら説明
する。図1は本実施の形態にかかる情報端末装置を示す
分解斜視図である。図2は本実施の形態にかかる情報端
末装置及びそれに搭載されたディスク装置の構成を示す
断面図であり、図2(a)は情報端末装置を示し、図2
(b)はディスク装置を示している。なお、図2(a)
と図2(b)とにおいて、ディスク装置の上下は逆にな
っている。図3は図1及び図2に示すディスク装置を構
成するヘッド支持機構部の一部を拡大して示す斜視図で
ある。図4は図3に示すヘッド支持機構部の一部を分解
して示す分解斜視図である。
【0035】図1に示すように、本実施の形態にかかる
情報端末装置は携帯電話である。本実施の形態にかかる
情報端末装置は、ディスク状の記録媒体を含むディスク
装置22と、ディスク装置22を搭載する基板31と、
基板31を支持する支持部材36とを少なくとも備えた
ものである。図1の例では、更に液晶ディスプレイ3
2、スピーカ33、マイク34、上ケース35が備えら
れている。支持部材36は下ケースであり、上ケース3
5と合わさって形態電話の筐体を構成する。
【0036】また、図2(a)に示すように、本実施の
形態にかかる情報端末装置においては、支持部材36
は、基板31の一部分31aが片持ち梁を構成するよう
に基板31を支持する構成を有している。図2(a)の
例では、支持部材36は突出した固定部36aを有して
おり、基板31は略中央と片持ち梁を構成しない部分の
端部において固定部36aにネジで固定されている。よ
って、基板31の一部分31aは中央のネジで固定され
た部分を固定端とする片持ち梁を構成する。
【0037】更に、ディスク装置22は、基板31の片
持ち梁を構成する部分31aに、記録媒体の面(図1
(b)参照)と基板31の面とが平行となるようにして
搭載されている。この構成により、ディスク装置22
は、基板31の弾性変形により矢印Z方向(基板31の
たわみ方向)に揺動(振動)可能となる。本実施の形態
において基板31の剛性は、このZ方向の固有振動数が
389Hzとなるよう設定されている。なお、この固有
振動数の値は、ディスク装置22の質量と基板31の剛
性とによって決定される値である。
【0038】また、図2(b)に示すように、ディスク
装置22は、ディスク状の記録媒体1と、記録媒体1を
回転させるための記録媒体駆動部2と、記録媒体1への
情報の記録と記録媒体1からの情報の再生のうち何れか
一方又は両方を行うヘッド(図示せず)と、ヘッドを記
録媒体1の上方で支持するためのヘッド支持機構部3
と、記録媒体駆動部2及びヘッド支持機構部3を搭載す
る搭載部7とを少なくとも有している。
【0039】図2(b)の例では、記録媒体1は、磁気
記録可能な記録層が成膜された磁気ディスクである(以
下、記録媒体は「ディスク」と記載する。)。このため
ヘッドは磁気ヘッドである。また、記録媒体駆動部2
は、ディスク1を保持して高速に回転させる機能を有し
たスピンドルモータである(以下、記録媒体駆動部は
「スピンドルモータ」と記載する。)。スピンドルモー
タ2の中心軸6は搭載部7に固定されている。スピンド
ルモータ2は中心軸6に対して回転可能に構成されてお
り、回転方向以外の自由度は搭載部7によって拘束され
ている。
【0040】また、ヘッド支持機構部3は、ヘッドアー
ム4と、揺動部材と、ヘッドスライダ102とで構成さ
れている。但し、図2(b)においては、揺動部材につ
いては図示しておらず、これらについては後述の図3及
び図4において説明する。ヘッドは後述の図3及び図4
に示すようにヘッドスライダ102に取り付けられてい
る。
【0041】ヘッドアーム4は、ディスク1の面と平行
な方向に揺動可能となるように一方の端部が搭載部7に
取り付けられている。図2(b)の例では、ヘッドアー
ム4の搭載部7への取り付けはヘッドアクチュエータ5
及び中心軸9を介して行われている。中心軸9は搭載部
7に固定されている。ヘッドアクチュエータ5は中心軸
9に対して回転可能に取り付けられており、回転方向以
外の自由度は搭載部7によって拘束されている。このた
め、ヘッドアーム4は中心軸9を中心にヘッドアクチュ
エータ5からの動力により揺動でき、ヘッドスライダ1
02をディスク1の半径方向に移送することができる。
【0042】搭載部7は箱状に形成されており、カバー
8と組み合わされて筐体を構成する。また、搭載部7の
底面における対向する二辺には、基板31にディスク装
置22を固定するための突出部7aが設けられている。
図2(b)の例では、ディスク装置22は、この突出部
7aにおいて基板31にネジで固定されている。
【0043】なお、本実施の形態では情報端末装置が携
帯電話である例について説明したが、本発明はこれに限
定されるものではない。本発明においては、情報端末装
置はコンピュータやPDA等の携帯電話以外の情報端末
装置であっても良い。
【0044】次に、上述したヘッド支持機構部3及びヘ
ッドの構成について図3及び図4を参照しながら説明す
る。ヘッド支持機構部3は揺動部材104を備えてい
る。揺動部材104はディスク1面と平行な軸103c
を中心軸として揺動可能に構成されている。図3の例で
は、軸103cはヘッドアーム4の自由端においてディ
スク1面に平行に固定された一対のトーションバーであ
る(以下、軸は「トーションバー」と記載する。)。ま
た、揺動部材104はヘッドスライダ102を支持する
ための支持ブロックであり(以下、揺動部材は「支持ブ
ロック」と記載する。)、軸103cに固定されてい
る。
【0045】また、図3の例に示すように、ディスク1
に情報の記録再生を行うヘッド101は、ヘッドスライ
ダ102の先端に一体的に搭載されている。102b
は、ヘッドスライダ102のディスク1に対向する面に
設けられた空気潤滑面102bである。ヘッドスライダ
102は、ディスク1に対向する面と反対の端面におい
て、ジンバル機構を構成するジンバルばね103aを介
して支持ブロック104に取り付けられている。
【0046】ここで、ジンバルばね103a、支持ブロ
ック104、およびトーションバー103cを合わせて
サスペンション109と総称する。このように、ヘッド
支持機構部は、サスペンション109、ヘッドスライダ
102及びヘッドアーム4で構成されている。
【0047】図4の例に示すように、図3に示すサスペ
ンション109は、金属の薄板で形成された板部材10
3に支持ブロック104とヘッドスライダ102とを接
着等の手段で接合することで構成されている。ヘッドス
ライダ102は板部材103を介して支持ブロック10
4に取り付けられることになる。
【0048】板部材103には、ジンバル機構としての
ジンバルばね103a、ヘッドスライダ接合部103
b、トーションバー103c、ヘッドアーム接合部10
3d、支持ブロック接合部103e、及びトーションバ
ー103cとジンバルばね103aとを結合する結合部
103fが一体的に形成されている。これらは、金属の
薄板をエッチング等することにより一括して作製されて
いる。
【0049】これらのうちジンバルばね103aは金属
の薄板を十字形に成形して作製されており、薄板ばねと
して機能する。よって、ヘッドスライダ102は、図4
に示すようにジンバルばね103aにより、直線aで示
した軸周りの回転自由度とそれに直交する直線bで示し
た軸周りの回転自由度とにおいて、支持ブロック104
に対して所定の剛性で支持されることになる。
【0050】また、トーションバー103cも薄板ばね
として機能するものであり、ねじりばね特性としての中
心軸周りのねじり剛性に比べて、他の方向の剛性が十分
大きいものとなる。言い換えれば、トーションバー10
3cは、その中心軸を中心とする回転方向に変位する自
由度を有している。トーションバー103cの板厚、幅
及び長さは、中心軸周りのねじり剛性と板厚方向の曲げ
剛性がそれぞれ所定の値となるように設定される。
【0051】このため、支持ブロック接合部103e及
び結合部103fで板部材103に接合された支持ブロ
ック104は、図4に示すようにトーションバー103
cにより、直線cで示した軸周りの回転自由度におい
て、ヘッドアーム4に対して所定の剛性で支持されるこ
とになる。よって、支持ブロック104はヘッドアーム
4に対し、軸部材103cを中心とした揺動運動を行う
ことができる。また、上記したようにヘッドスライダ1
02は支持ブロック104に取り付けられているため、
この揺動運動は支持ブロック104とヘッドスライダ1
02とが一体となって行われる。
【0052】また、支持ブロック104のトーションバ
ー103cへの取り付けは、ヘッドスライダ102が取
り付けられたときの支持ブロック104における重心、
即ちヘッドスライダ102の重心と支持ブロック104
の重心とを合成した重心と、トーションバー103cの
中心軸(直線c)とが、ディスク1の面に垂直な方向に
おいて一致するように行われている。図3及び図4の例
では、上記の合成重心はトーションバー103cの中心
軸(直線c)上に位置している。
【0053】このように、本実施の形態のディスク装置
においては、サスペンション109に所定の質量及び構
造の支持ブロック104を含ませることにより、ヘッド
スライダ102による回転モーメントが打ち消されるよ
うに構成されている。よって、支持ブロック104の質
量やトーションバー103cへの取り付け位置は、ヘッ
ドスライダ102によるモーメントに応じて設定され
る。
【0054】なお、図3及び図4の例において、ジンバ
ルばね103aとヘッドスライダ102との接合は、ス
ペーサ106を介して接着等の手段によって行われてい
る。またヘッドアーム接合部103dとヘッドアーム4
との接合は溶接等の手段によって行われている。但し、
本実施の形態において接合方法は上記の方法に限定され
るものではない。
【0055】以上のように構成されているため、図3及
び図4に示すヘッド支持機構部は以下の動作によりヘッ
ド101をディスク1に追従させることができる。即
ち、ディスク1の回転に伴いヘッドスライダ102底面
の空気潤滑面102bに高剛性の空気ばねとしての空気
膜が形成され、ヘッドスライダ102がディスク1の記
録面に倣うよう非接触で浮上する。このとき、ディスク
1の表面の傾き変動に対しては、ヘッド101は、ジン
バルばね103aの2つの直線a及びbを中心軸とした
回転自由度で追従する。一方、ディスク1の表面の高さ
変動に対しては、主にトーションバー103cのねじり
ばね特性、すなわち直線cを中心軸とした回転自由度で
追従する。
【0056】なお、本実施の形態においては、ヘッド支
持機構部は、ヘッドスライダ102による回転モーメン
トが打ち消されるような構成であれば、図4及び図5に
示すものに限定されるものではない。例えば、支持ブロ
ック104の代わりにヘッドアーム4自体が揺動部材と
して機能する構成が挙げられる。この場合、ヘッドスラ
イダ102が取り付けられたヘッドアーム4の重心が、
ヘッドアーム4の揺動中心に対して、ディスク1面に垂
直な方向において一致するようにすればヘッドスライダ
102による回転モーメントを打ち消すことができる。
【0057】また、揺動部材の揺動中心となる軸は、以
下の図5からも分かるように、搭載部7の上下方向の動
きに追従するように設けられていれば良く、ヘッド支持
機構部3のどの位置に設けられていても良い(ヘッド支
持機構3は搭載部7に搭載されているため)。従って、
ヘッドアーム4自体が揺動部材となる態様においては、
揺動中心となる軸は、ヘッドアームの中間部分に設けら
れていても良いし、ヘッドアクチュエータ5との接合部
分に設けられていても良い。
【0058】次に、図1及び図2に示したディスク装置
に外部衝撃が加わった場合における当該ディスク装置の
動作について、図5に基いて説明する。図5は図3に示
すヘッド支持機構部の動的な挙動を説明するための模式
図である。図5(a)は図1及び図2に示すディスク装
置の力学モデルを示し、図5(b)は図1及び図2に示
すディスク装置における第1の固有振動モードを模式的
に示し、図5(c)は図1及び図2に示すディスク装置
における第2の固有振動モードを模式的に示している。
【0059】図5(a)に示すように、ヘッドスライダ
に相当する第1の剛体202と、支持ブロックに相当す
る第2の剛体204とは、トーションバー(軸部材)に
相当する梁203で連結されている。第1の剛体202
と第2の剛体204とは梁203上の重心点Cにおい
て、搭載部7に相当する第3の剛体220によって単純
支持されている。このため、第1の剛体220、第2の
剛体204、梁203及び重心点Cは、第3の剛体22
0の動きに追従することになる。また、この重心点Cを
通る軸が揺動部材の揺動中心となる。更に、第1の剛体
202と第3の剛体220との間には、ディスクの回転
によって生じる空気膜に相当する第1のばね230が設
けられている。これらの構成要素はディスク装置22に
相当する。
【0060】また、第3の剛体220は、基板に相当す
る第2のばね221を介して、支持部材に相当する固定
部207に取り付けられている。ここで、第1の剛体2
02、第2の剛体204、第3の剛体220の質量をそ
れぞれm1、m2、m3とする。また第1のばね23
0、第2のばね221の剛性をk1、k2とする。な
お、m3は搭載部のみの質量ではなく、ディスク装置全
体の質量に相当する。よって、m3の値はm1及びm2
の値に比べて十分大きく設定されている。また、第2の
ばね221の剛性k2は基板の剛性に相当する。k1は
k2に比べて十分に大きく設定されている。
【0061】図5(b)に示す第1の固有振動モード
は、第1の剛体202、第2の剛体204及び第3の剛
体220が略一体となってZ方向に振動する形の振動モ
ードであり、図2(a)においてディスク装置22がZ
方向に振動することに相当する。なお、図2(a)にお
ける振動の態様は実際には揺動運動であるが、図5にお
いては便宜的に並進の1自由度で表現している。第1の
固有振動モードにおける固有振動数f1は、ディスク装
置22の質量に相当するm3と基板の剛性に相当するk
2とに基いて算出でき、上述したように本実施の形態で
は389Hzに設定されている。
【0062】また、図5(c)に示す第2の固有振動モ
ードは、主に梁203のたわみ方向(ディスク面に垂直
な方向)に振動する形の振動モードである。本実施の形
態にかかるディスク装置において、ヘッド支持機構部3
の質量は、ディスク装置22全体の質量に比べ十分小さ
いため、ヘッド支持機構部3の振動はディスク装置22
の振動にほとんど影響を及ぼさないといえる。従って、
第2の固有振動モードは実質的にヘッド支持機構部3単
体の固有振動モードと等価である。
【0063】図6は図3に示すヘッド支持機構部の固有
振動モード、即ち上記第2の固有振動モードの計算結果
を示す斜視図である。この第2の固有振動モードの固有
振動数f2は1554Hzとなる。以上のように、本実
施の形態においては、ディスク装置全体が振動する固有
振動数f1は、ヘッド支持機構部単体の振動数とみなせ
る第2の固有振動数f2に対して約4分の1倍に設定さ
れている。
【0064】次に、以上のように構成された本実施の形
態にかかる情報端末装置において、どのようにして外部
衝撃の影響が低減されるかについて説明する。一般に、
振動系に衝撃加速度が印加されたとき、慣性力によって
強制変位が生じるとともに自由振動が励振されることが
知られている。ここで、強制変位とは、外部加速度によ
る慣性力すなわち振動系の外力によって生じる変位のこ
とであり、外力が解除されれば変位も解消する。また自
由振動とは、外力に関係なく振動系の内力のつりあいに
よって生じる固有振動のことであり、衝撃加速度が解除
された後も残留する(以後、衝撃加速度解除後の自由振
動のことを残留振動という)。そこで、本実施の形態に
おける情報端末装置の動的挙動も強制変位と残留振動に
分けて説明する。
【0065】最初に、衝撃加速度が印加されている間の
挙動について説明する。図5(a)に示す力学モデルに
おいて、例えば、衝撃加速度が紙面上向きに大きさaで
印加されたとする。このとき、各剛体それぞれには、質
量m1、m2、m3に加速度aを乗じて求められる慣性
力F1、F2、F3が紙面下向きに作用する。上述のよ
うに、本実施の形態においては、慣性力F1とF2が重
心点Cで釣り合うよう構成されているので、C点まわり
のモーメントのつりあいを考えると、第1のばね(空気
ばね)203からの反力は常に0になると考えられる。
換言すれば、空気ばねに力は作用しないこととなる。こ
のことはサスペンションの弾性変形の有無にかかわらず
成立する。したがって、慣性力による強制変位が空気膜
にじょう乱力を与えることはない。
【0066】次に、残留振動の影響について説明する。
一般に振動系は、印加される外部加速度の波形と持続時
間に応じて、特有の応答をすることが知られている。よ
って、入力加速度と振動系応答との関係は、動力学の分
野においては衝撃応答スペクトルとして研究されてい
る。その研究結果によれば、1自由度の振動系に対し
て、入力加速度が以下の2つの条件を満足するとき、残
留振動が著しく抑制されることが明らかにされている。
第1の条件は、加速度の波形が対称的(例えば半正弦波
や三角波)であること、第2の条件は、入力加速度の持
続時間が、振動系の固有振動の周期に比べて十分長いこ
とである(以下、これら2つの条件を合わせて「残留振
動抑制条件」という)。一方、入力加速度の波形が非対
称(例えば、ノコギリ波)であるときには残留振動は抑
制されない。
【0067】本発明は、その知見を利用して、情報端末
装置に搭載されたディスク装置の耐衝撃性を向上するも
のである。すなわち、本実施の形態におけるヘッド支持
機構部は、固有振動数の近傍では1自由度の振動系とみ
なせるので、外部衝撃加速度の波形と持続時間が上記残
留振動抑制条件を満たせば、残留振動を抑制できると考
えられる。しかし、ディスク装置に対する衝撃加速度
は、かかるディスク装置を搭載する携帯電話等の情報端
末機器の構造やその使用方法によって多様に変化するも
のであり、それ自体を規定することはできないといえ
る。そこで、本実施の形態にかかる情報端末装置におい
ては、当該情報端末装置に対して任意の外部加速度が加
わったときに、ヘッド支持機構部に加わる加速度が常に
上記残留振動抑制条件を満たすよう規定する構成、即ち
図1に示すディスク装置22が基板31の片持ち梁を構
成した部分によって支持された構成が備えられている。
この点について図7を用いて以下に説明する。
【0068】図7は図1及び図2に示す情報端末装置の
力学的入出力関係を示すブロック図である。図7におい
て、矢印bはディスク装置への入力加速度を表す。矢印
cは、ディスク装置から空気膜への出力、即ち空気膜じ
ょう乱力を表す。また、矢印aは情報端末装置への入力
加速度(衝撃加速度)を表す。
【0069】図7に示すように、本実施の形態にかかる
情報端末装置の特徴は、ディスク装置の前段に、ディス
ク装置への入力加速度bを規定するための要素である機
械共振器を設けている点である。なお、本明細書でいう
機械共振器とはディスク装置を基板によって支持した構
造をいう(図1参照)。機械共振器は、上記図5(b)
で示した第1の固有振動モードの共振を利用すること
で、ディスク装置に所定の周波数の加速度を印加する。
従って、本実施の形態にかかる情報端末装置では、ディ
スク装置が搭載された情報端末装置に任意の外部加速度
(衝撃加速度)が加わると、第1の固有振動モードが励
起され、ディスク装置は常に389Hzの単振動をす
る。このため、ヘッド支持機構部には実質的に389H
zの正弦波的加速度が与えられることとなる。
【0070】ここで、第1に、正弦波振動は対称波形で
あること、第2に、ヘッド支持機構部単体の振動とみな
せる第2の固有振動数f2は、ディスク装置全体が振動
する固有振動数f1に対しておよそ4倍に設定されてい
ることから、前述の2つの残留振動抑制条件を満足して
いる。従って、残留する自由振動は大幅に低減されるこ
ととなる。
【0071】このように図7に示す機械共振器は、ヘッ
ド支持機構部に入力される加速度を規定する機能を有し
ている。また、情報端末装置に入力される入力加速度a
を所定の波形及び周波数の加速度bへ変換する機械的な
フィルタの役割を果たしているともいえる。以上のよう
に、本実施の形態における情報端末装置は、上述した構
成によって、外部衝撃による強制変位と残留振動の双方
によるディスク装置における影響を除去することができ
る。
【0072】次に、本発明にかかる情報端末装置の効果
を明確にするため、以下の図8及び図9に示すように空
気膜じょう乱力及びディスク装置の加速度の算出を行っ
た。なお、この算出は次の第1の態様と第2の態様との
二つの態様に対して行っている。第1の態様は、本実施
の形態にかかる図1及び図2に示す情報端末装置であ
る。第2の態様は、基板31の剛性が十分高く、外部か
らの加速度がそのままディスク装置22に伝達される構
成の情報端末装置、即ち基板31による効果が得られな
い(図7で示す機械共振器を設けなかった状態に相当)
以外は本実施の形態にかかる情報端末装置と同様の情報
端末装置である。また、上記算出において、衝撃加速度
(外部加速度)は、図15及び図16と同様に、重力加
速度の1000倍の大きさ(9.8×103m/se
2)で1ms間ノコギリ波状に印加している。
【0073】図8は、図1及び図2に示す情報端末装置
(第1の態様)について算出した空気膜じょう乱力及び
ディスク装置の加速度を示すグラフである。図8(a)
は空気膜じょう乱力を計算した結果を示し、図8(b)
はディスク装置の加速度を計算した結果を示している。
また、図9は、基板による効果が得られない情報端末装
置(第2の態様)について算出した空気膜じょう乱力及
びディスク装置の加速度を示すグラフである。図9
(a)は空気膜じょう乱力を計算した結果を示し、図9
(b)はディスク装置の加速度を計算した結果を示して
いる。
【0074】図9に示すように、第2の態様(機械共振
器のない状態)において、外部加速度が印可されている
1msの間は、前述したヘッド支持機構部の作用によっ
て、強制変位が抑制されている様子が確認できる。しか
し、外部加速度が解除された1ms経過後は空気膜じょ
う乱力が振動的に発生しており、残留振動の影響がある
ことが認められる。
【0075】なお、残留振動は発生しているものの、本
実施の形態のヘッド支持機構部では、前述のようにヘッ
ドスライダ近傍で質量バランスがとられているため、上
述の従来例2に比べ、可動質量が格段に小さくなってい
る。そのため、空気膜じょう乱力は最大で57mN
(5.8gf)と、図16で示した従来例2の136m
N(13.9gf)よりも大幅に低減されている。
【0076】一方、図8(b)に示すように、第1の態
様(機械共振器がある状態)においては、ディスク装置
に作用する加速度が正弦波的に波形整形されていること
が確認できる。そのため図8(a)に示すように、外部
加速度が印可されている1msの間の強制変位が抑制さ
れているのに加えて、外部加速度が解除された1ms経
過後の残留振動も格段に低減されている。図8(a)に
おいて、空気膜じょう乱力の最大値は4.1mN(0.
42gf)と、上述の従来例2の3パーセント程度に抑
制されている。換言すれば、従来例2に比べ、耐衝撃性
がおよそ33倍向上しているといえる。
【0077】図10は、本実施の形態における情報端末
装置(機械共振器)の固有振動数f1の影響を示したグ
ラフである。図10において、横軸はヘッド支持機構部
単体の固有振動数f2と情報端末装置(機械共振器)の
固有振動数f1との比(周波数比(f2/f1))であ
る。縦軸は、空気膜じょう乱力の最大値を機械共振器の
ない状態を1として規格化した値、即ち、図9に示す第
2の態様における空気じょう乱力の最大値を1として算
出した空気じょう乱力の相対値である。
【0078】図10に示すグラフの算出は固有振動数f
1の値を変化させることによって行っており(固有振動
数f2は固定値(1554Hz))、固有振動数f1の
変化は、図1及び図2に示す基板31として種々の形状
のものを用いて基板の剛性を変えることによって行って
いる。また、図10に示すグラフの算出においても、衝
撃加速度(外部加速度)は、図15及び図16と同様
に、重力加速度の1000倍の大きさ(9.8×103
m/sec2)で1ms間ノコギリ波状に印加してい
る。
【0079】図10に示すように、周波数比(f2/f
1)が2以上であれば、空気膜じょう乱力の最大値を機
械共振器のない状態の50%以下に低減できることが分
かる。さらに、周波数比(f2/f1)が4以上であれ
ば、10%以下に抑制できることも分かる。
【0080】以上の図8から図10に示したシミュレー
ションにより、本実施の形態にかかる情報端末装置によ
れば、ディスク装置における外部からの衝撃加速度によ
る強制変位と残留振動の両方を低減することができるの
が確認できる。よって、本実施の形態にかかる情報端末
装置を用いれば、従来の情報端末装置に比べて、ディス
ク装置の耐衝撃性を格段に向上することができる。
【0081】なお、一般にインシュレータ又は振動絶縁
体等と呼ばれる外部振動の影響を低減する部材を用いた
従来技術があるが、本発明における機械共振器は、それ
ら従来技術とは目的、作用とも全く異なるものである。
なぜならば、従来技術であるインシュレータ又は振動絶
縁体を用いた減衰構造は、装置に入力される衝撃加速度
の低減や、その減衰、減衰時間の短縮化を図ることを目
的とするものである。それに対し、本発明における機械
共振器は、装置への衝撃加速度を所定の波形及び周波数
に変換することを目的としたものであり、衝撃加速度の
低減や減衰、減衰時間の短縮化は必ずしも目的としてい
ない。
【0082】例えば、図8(b)から分かるように、情
報端末装置に印可された衝撃加速度の最大値が1000
Gであるのに対して、ディスク装置に作用する加速度の
最大値もほぼ同等の値であり、加速度の低減は図られて
いないといえる。しかも、時間方向における減衰も行わ
れていないといえる。本実施の形態においては、そのよ
うな条件であっても図8(a)に示したように、空気膜
じょう乱力を著しく低減できる効果が得られている。こ
のことから、本実施の形態における機械共振器は、イン
シュレータ又は振動絶縁体を用いた従来技術とは異なる
技術であることは明確である。
【0083】なお、上記した実施の形態にかかる情報端
末装置では、従来技術との差異を明確にするために、あ
えて機械共振器による衝撃加速度の低減や減衰が生じな
い条件となるよう構成されている。しかし、本発明にお
ける情報端末装置はこのような構成に限定されるもので
はなく、加速度の低減や減衰を行い得る構成とすること
もできる。
【0084】このような加速度の低減や減衰を行い得る
構成は、基板の剛性を適宜設定することによって得るこ
とができる。更に、ディスク装置と基板との間又は支持
部材と基板との間に、大きな減衰効果をもった材料、例
えば粘弾性特性を有するダンパを挿入することで、より
効果的なものとすることができる。なお、このような構
成とするのであれば、上記した実施の形態と異なり、ヘ
ッド支持機構部の構造は特に限定されるものではなく、
従来例で示したものと同様であっても良い。更にこの場
合、ディスク装置の固有振動数とヘッド支持機構部の固
有振動数との関係も限定されるものではない。
【0085】更に、この場合の加速度の低減率(外部衝
撃加速度とディスク装置の加速度の比)は、外部加速度
の持続時間τを機械共振器の共振周期Tで除したものに
円周率を乗ずること(π・τ/T)で概算できる。従っ
て、例えば機械共振器の固有振動数が160Hz(共振
周期Tが6.3ms)となるように基板の剛性を設定す
れば、持続時間τが1msの外部衝撃加速度に対して、
大きさをおよそ半分に低減することができる。さらに機
械共振器の固有振動数を小さくすれば、より外部加速度
を低減できる。
【0086】また、本実施の形態では情報端末装置に搭
載されるディスク装置がハードディスク装置の場合を例
にとって説明したが、本発明はこれに限定されるもので
はない。本発明にかかる情報端末装置は、例えば光ヘッ
ドがヘッドスライダに搭載された形態の光ディスク装置
等を搭載するものであっても良い。
【0087】
【発明の効果】以上のように本発明にかかる情報端末装
置によれば、外部より衝撃加速度が印加された場合に、
搭載されたディスク装置において、従来のディスク装置
に比べて、ヘッドと記録媒体とが接触することを回避で
きる。従って、本発明にかかる情報端末装置に、例えば
ハードディスク装置等のディスク装置を搭載すれば、か
かるディスク装置における外部衝撃に対する信頼性を大
幅に向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態にかかる情報端末を示す分解斜視
【図2】本実施の形態にかかる情報端末装置及びそれに
搭載されたディスク装置の構成を示す断面図
【図3】図1及び図2に示すディスク装置を構成するヘ
ッド支持機構部の一部を拡大して示す斜視図
【図4】図3に示すヘッド支持機構部の一部を分解して
示す分解斜視図
【図5】図3に示すヘッド支持機構部の動的な挙動を説
明するための模式図
【図6】図3に示すヘッド支持機構部の固有振動モード
の計算結果を示す斜視図
【図7】図1及び図2に示す情報端末装置の力学的入出
力関係を示すブロック図
【図8】図1及び図2に示す情報端末装置について算出
した空気膜じょう乱力及びディスク装置の加速度を示す
グラフ
【図9】基板による効果が得られない以外は本実施の形
態にかかる情報端末装置と同様の情報端末装置について
算出した空気膜じょう乱力及びディスク装置の加速度を
示すグラフ
【図10】本実施の形態における情報端末装置(機械共
振器)の固有振動数の影響を示したグラフ
【図11】従来例1にかかるハードディスク装置の断面
【図12】従来例1にかかるハードディスク装置を構成
するヘッド支持機構を示す図
【図13】従来例2にかかるハードディスク装置を構成
するヘッド支持機構を示す図
【図14】従来例2にかかるハードディスク装置を構成
するヘッド支持機構の動的な挙動を説明するための模式
【図15】従来例1のヘッド支持機構について算出した
空気膜じょう乱力を示すグラフ
【図16】従来例2のヘッド支持機構について算出した
空気膜じょう乱力を示すグラフ
【符号の説明】
1 記録媒体(ディスク) 2 記録媒体駆動部(スピンドルモータ) 3 ヘッド支持機構部 4 ヘッドアーム 5 ヘッドアクチュエータ 6 中心軸 7 搭載部 8 カバー 9 中心軸 22 ディスク装置 31 基板 31a 基板の片持ち梁を構成する部分 32 液晶ディスプレイ 33 スピーカ 34 マイク 35 上ケース 36 支持部材(下ケース) 36a 固定部 101 ヘッド 102 ヘッドスライダ 102b 空気潤滑面 103 板部材 103a ジンバルばね 103b ヘッドスライダ接合部 103c 軸部材(トーションバー) 103d ヘッドアーム接合部 103e 支持ブロック接合部 103f 結合部 104 支持ブロック 106 スペーサ 109 サスペンション 202 第1の剛体 203 梁 204 第2の剛体 207 固定部 220 第3の剛体 221 第2のばね 230 第1のばね
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 デン 志生 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディスク状の記録媒体を含むディスク装
    置と、前記ディスク装置を搭載する基板と、前記基板の
    一部分が片持ち梁を構成するように前記基板を支持する
    支持部材とを少なくとも備え、 前記ディスク装置は、前記基板の片持ち梁を構成する部
    分に、前記記録媒体の面と前記基板の面とが平行となる
    ように搭載されていることを特徴とする情報端末装置。
  2. 【請求項2】 前記ディスク装置が、更に前記記録媒体
    を回転させるための記録媒体駆動部と、前記記録媒体へ
    の情報の記録と前記記録媒体からの情報の再生のうち何
    れか一方又は両方を行うヘッドと、前記ヘッドを前記記
    録媒体の上方で支持するためのヘッド支持機構部と、前
    記記録媒体駆動部及び前記ヘッド支持機構部を搭載する
    搭載部とを含み、 前記ヘッド支持機構部が、前記記録媒体の面と平行な軸
    を中心軸として揺動可能に構成された揺動部材と、前記
    揺動部材の端部に取り付けられ、前記ヘッドを搭載する
    ヘッドスライダとを少なくとも含み、前記揺動部材が、
    前記ヘッドスライダが取り付けられたときの重心が前記
    中心軸と前記記録媒体の面に垂直な方向において一致す
    るように配置され、 前記ディスク装置の質量と前記基板の剛性とから決まる
    固有振動数が、前記ヘッド支持機構部における前記記録
    媒体の面に垂直な方向の固有振動数の2分の1倍以下と
    なるように設定されている請求項1記載の情報端末装
    置。
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