JP2003015835A - 印字システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 バンドバッファの再割当て処理に要する時間
を短縮する。 【解決手段】 アプリケーション３およびプリンタドラ
イバ４を備えたホストＰＣ１と印字処理を実行する印字
装置２とからなり、１ページの印刷データをバンディン
グ処理する印字システムであって、プリンタドライバ４
は、印刷対象の印刷設定情報またはページ毎の印刷設定
情報が変化した場合にアプリケーション３からの印刷デ
ータを処理するとともに、ホストＰＣ側のバンドバッフ
ァサイズに影響がある印刷設定情報またはページ毎の印
刷設定情報が変更された場合のみバンドバッファサイズ
の再割当て処理を行うようにする。

Description

【発明の詳細な説明】 【０００１】 【発明の属する技術分野】本発明は、１ページの印刷デ
ータをバンディング処理し、ページ毎の印刷設定変更に
対応できる能力を有する印字システムに関する。 【０００２】 【従来の技術】一般的な印字システムでは、印刷設定
（ページ設定や部数毎の印字などの指定）が変更される
たびにホストコンピュータ側のバンドバッファサイズの
再割当てを行うため、著しく処理が遅くなってしまう問
題があった。 【０００３】ここで、図８は従来の印字システムにおけ
るバンドバッファ再割当てを示す説明図である。 【０００４】図８に示すように、従来の印字システムで
は、印刷要求を受けると、アプリケーション２０によっ
て設定される印刷設定情報２２やページ毎の印刷設定情
報２３に従って、プリンタドライバ２１はシステムメモ
リ２６内にバンドバッファ２７用のメモリを確保する。
その後、印刷データ２５の受信を終えると、ページデー
タ送信終了を受ける。ページ毎の印刷設定が変わると、
印刷データの受信に先立って印刷設定変更通知を受け
る。そして、バンドバッファサイズの再割当て処理２４
が行われる。 【０００５】 【発明が解決しようとする課題】このように、従来の印
字システムでは、印刷設定（ページ設定や部数毎の印字
などの指定）が変更されるたびにホストコンピュータ側
のバンドバッファサイズの再割当てを行うため、著しく
処理が遅くなってしまうという問題があった。 【０００６】そこで、本発明は、バンドバッファの再割
当て処理に要する時間を短縮することのできる印字シス
テムを提供することを目的とする。 【０００７】 【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に、本発明の印刷システムは、アプリケーションおよび
プリンタドライバを備えたホストコンピュータと印字処
理を実行する印字装置とからなり、１ページの印刷デー
タをバンディング処理する印字システムであって、プリ
ンタドライバは、印刷対象の印刷設定情報またはページ
毎の印刷設定情報が変化した場合にアプリケーションか
らの印刷データを処理するとともに、ホストコンピュー
タ側のバンドバッファサイズに影響がある印刷設定情報
またはページ毎の印刷設定情報が変更された場合のみバ
ンドバッファサイズの再割当て処理を行うようにしたも
のである。 【０００８】これにより、変更の必要がない場合はバン
ドバッファの再割当て処理は行われなくなるので、バン
ドバッファの再割当て処理に要する時間を短縮すること
が可能になる。 【０００９】 【発明の実施の形態】本発明の請求項１に記載の発明
は、アプリケーションおよびプリンタドライバを備えた
ホストコンピュータと印字処理を実行する印字装置とか
らなり、１ページの印刷データをバンディング処理する
印字システムであって、プリンタドライバは、印刷対象
の印刷設定情報またはページ毎の印刷設定情報が変化し
た場合にアプリケーションからの印刷データを処理する
とともに、ホストコンピュータ側のバンドバッファサイ
ズに影響がある印刷設定情報またはページ毎の印刷設定
情報が変更された場合のみバンドバッファサイズの再割
当て処理を行う印刷システムであり、変更の必要がない
場合はバンドバッファの再割当て処理は行われなくなる
ので、バンドバッファの再割当て処理に要する時間を短
縮することが可能になるという作用を有する。 【００１０】以下、本発明の実施の形態について、図１
から図７を用いて説明する。なお、これらの図面におい
て同一の部材には同一の符号を付しており、また、重複
した説明は省略されている。 【００１１】図１は本発明の一実施の形態である印字シ
ステムの概略を示すブロック図、図２は図１の印字シス
テムにおけるバンディング処理とバンドバッファ再割当
て処理を示す説明図、図３は図１の印字システムにおけ
る選択的なバンドバッファ再割当て処理を示す説明図、
図４は図１の印字システムにおけるバンドバッファ再割
当て判定処理を示すフローチャート、図５は図１の印字
システムにおいて印刷設定の用紙サイズが変わった場合
のバンドバッファ幅の変化を示す説明図、図６は図１の
印字システムにおいて印刷設定の用紙の向き（オリエン
テーション）が変わった場合のバンドバッファ幅の変化
を示す説明図、図７は図１の印字システムにおいて印刷
設定の余白設定が変わった場合のバンドバッファ幅の変
化を示す説明図である。 【００１２】図１に示すように、本実施の形態の印字シ
ステムにおいて、ホストＰＣ（ホストコンピュータ）１
上で動作するアプリケーション３は、プリンタドライバ
４を通して印字装置２に印刷データ８を送る。 【００１３】また、プリンタドライバ４では、アプリケ
ーション３で設定された印刷設定６、ページ毎の印刷設
定７に基づいて印刷データ８を処理する。即ち、プリン
タドライバ４は、印刷データ８を処理するためのメモリ
５にアクセスし、メモリ確保９、メモリ再割当て１０、
メモリ解放１１の処理を行う。ここで、メモリ確保９は
印刷開始時に、メモリ再割当て１０はページ毎の印刷設
定が変わったときに、メモリ解放１１は印刷終了時に行
う。なお、メモリ再割当て１０は、メモリ確保したもの
を再割当てする場合と、メモリ確保したものを一旦解放
して新たにメモリ確保を行う場合の双方が含まれる。 【００１４】プリンタドライバ４は、印刷データ８を印
字装置２が解釈できる形式に変換処理を行い、印刷イメ
ージデータとして印字装置２へ送る。また、ホストＰＣ
１側のバンドバッファサイズは、解像度、それぞれの色
の数、階調レベル、用紙サイズ、用紙の向き（オリエン
テーション）、データのパス分解等のさまざまな印刷情
報によって決定される。 【００１５】次に、本発明の前提条件であるバンディン
グについて説明する。 【００１６】バンディングとは、印刷処理において、１
ページ分のページイメージをメモリに構成するのではな
く、ページをいくつかの矩形領域に分割し、この領域単
位にイメージの構成を行う技術をいう。そして、この際
の分割の単位をバンド（ｂａｎｄ）と呼ぶ。 【００１７】高レベルのページ制御機能を持たないプリ
ンタ（ドットマトリクスプリンタのようなラスタプリン
タ、一部のページプリンタ）では、ページイメージ全体
をメモリに構成すると莫大なサイズになってしまう。こ
のような場合には、バンディング技術を利用することに
より、部分的なイメージの連続として印刷処理を行うこ
とで、システムに重大な負荷をかけないですむようにな
る。 【００１８】図２にバンディング処理とバンドバッファ
再割当て処理をイメージ的に示す。 【００１９】先ず、バンディング処理について説明す
る。 【００２０】１ページ目のページイメージデータ１２を
複数（図２では８分割の例を示す）の矩形領域のイメー
ジデータ（以下、「バンドイメージデータ」という。）
１３に分割する。印刷要求を受けると、バンドイメージ
データ１３を処理するためにシステムメモリ１４内にバ
ンドイメージデータ１３の処理用メモリ（以下、「バン
ドバッファ」という。）１５を確保する。このとき、バ
ンドバッファ１５のサイズは、１ページ分のページイメ
ージデータ１２を図では８分割しているので、ページイ
メージデータ１２の８分の１のメモリ容量となる。 【００２１】そして、第１のバンドイメージデータ１３
からバンドイメージ単位で順次処理を行い、印字装置２
へ送る。この処理を最終のバンドイメージデータ１３ま
で繰り返し、１ページ目の処理を終了する。 【００２２】続いて、バンドバッファの再割当て処理に
ついて説明する。ここでは、２ページ目のページイメー
ジデータ幅１９は、１ページ目のページイメージデータ
幅１６の２倍の幅とする。 【００２３】２ページ目のバンドイメージデータ１８を
受ける前に、ページ毎の印刷設定変更要求を受ける。こ
のとき、１ページ目のバンドバッファ１５をそのまま使
ったとしても、２ページ目のページイメージデータ幅１
９は、１ページ目のイメージデータ幅１６の２倍でバン
ドバッファ１５のメモリ容量を超えているので、処理で
きない。そこで、２ページ目のバンドイメージデータ１
８の処理を可能にするためには、バンドバッファ１５の
再割当て処理を行い、２倍の幅のバンドバッファを確保
する必要がある。 【００２４】次に、本実施の形態の具体的内容について
説明する。 【００２５】図３に印字システムの処理を示す。 【００２６】印刷要求を受けると、アプリケーション２
８またはプリンタドライバ２９によって設定される印刷
設定情報３０、あるいはページ毎の印刷設定情報３１に
従って、プリンタドライバ２９は、印刷データ３３を処
理するために、システムメモリ３４内にバンドバッファ
３５用のメモリを確保する。 【００２７】そして、印刷データ３３の受信を終える
と、ページデータ送信終了を受ける。 【００２８】ページ毎の印刷設定情報３１が変わると、
印刷データの受信に先立ち、印刷設定変更通知を受け
る。 【００２９】印刷設定情報３０の何れかまたはページ毎
の印刷設定情報３１の中で変更が行われると、バンドバ
ッファサイズを再割当てすべきか判定処理３６を行う。
そして、変更が行われた印刷設定情報３０あるいはペー
ジ毎の印刷設定情報３１の項目のうち、ホストＰＣ側の
バンドバッファサイズに影響がある設定が変更された場
合のみ、バンドバッファサイズの再割当て処理３２が行
われる。 【００３０】したがって、従来の技術と本発明の処理時
間の差は、バンドバッファサイズの再割当て処理に要す
る処理時間と再割当て回数の積となる。 【００３１】図４に、バンドバッファサイズの再割当て
をすべきかどうかの判定処理のフローチャートを示す。
このシステムでは、ページ毎の印刷設定として、用紙サ
イズおよびオリエンテーションが変わるとバンドバッフ
ァサイズに影響があるものとした例を示す。 【００３２】ページ毎の印刷や他の印刷設定の値が変わ
ると、判定処理を行う（ステップ１）。そして、変化し
た印刷設定情報が用紙サイズである場合（ステップ
２）、変化した印刷設定情報がオリエンテーションであ
る場合（ステップ３）、および値が変わった印刷設定が
その他のバンドバッファサイズに影響がある情報（例え
ば余白設定）である場合（ステップ４）には、変化した
値に対応したバンドバッファサイズに再割当て処理を行
う（ステップ５）。また、これらでない場合は、そのま
まのバンドバッファサイズを維持する。 【００３３】このような判定処理を行うことによって、
ホストＰＣ側のバンドバッファサイズの再割当て処理を
適宜スキップすることになるので、処理時間の短縮を図
ることができる。 【００３４】次に、印刷設定の変更とバンドバッファサ
イズの関係について、図５〜図７を用いて説明する。 【００３５】図５に、ページ毎の印刷設定変更で用紙サ
イズが変わる場合のバンドバッファサイズの違いを説明
する。 【００３６】バンドバッファサイズは、バンドバッファ
高さとバンドバッファ幅の積で求められる。ここでは、
バンドバッファ高さは変わらないものとし、バンドバッ
ファ幅は通常用紙サイズの用紙幅と同じとして説明す
る。また、印刷設定（用紙サイズ）変更後の用紙サイズ
３８は、印刷設定（用紙サイズ）変更前の用紙サイズ３
７より大きいものとする。 【００３７】印刷設定変更の前後で印刷設定（用紙サイ
ズ）変更後の用紙サイズが大きくなると、用紙サイズ幅
と同じバンドバッファ幅も大きくなる。したがって、印
刷設定（用紙サイズ）変更後のバンドバッファ４０は、
印刷設定（用紙サイズ）変更前のバンドバッファ３９よ
り大きくなる。 【００３８】図６に、ページ毎の印刷設定変更で用紙の
向き（オリエンテーション）が変わる場合のバンドバッ
ファサイズの違いを説明する。ここでは、用紙の向きが
変わってもデータに回転処理をかけずに印刷できるもの
とする。また、印刷設定（用紙の向き）変更前の用紙サ
イズ４１は、「用紙高さ＞用紙幅」とする。 【００３９】印刷設定（用紙の向き）変更後の用紙サイ
ズ４２の用紙幅は、印刷設定（用紙の向き）変更前の用
紙サイズ４１の用紙高さと同じである。したがって、印
刷設定（用紙の向き）変更後の用紙サイズ４２の用紙幅
は、印刷設定（用紙の向き）変更前の用紙サイズ４１の
用紙幅より大きくなる。つまり、印刷設定（用紙の向
き）変更後のバンドバッファ幅４４は、印刷設定（用紙
の向き）変更前のバンドバッファ幅４３より大きくな
る。但し、用紙の向きが変わっても出力する用紙の向き
が変わらない印字装置については、バンドバッファ幅は
変わらない。 【００４０】図７に、ページ毎の印刷設定変更で余白設
定が変わる場合のバンドバッファサイズの違いを説明す
る。ここでは、余白設定された分だけバンドバッファの
幅を小さくできるものとする。 【００４１】印刷設定（余白設定）変更前の用紙サイズ
４５の用紙幅と印刷設定（余白設定）変更前のバンドバ
ッファ幅４６は同じである。印刷設定（余白設定）変更
後のバンドバッファ幅４８は、印刷設定（余白設定）変
更前のバンドバッファ幅４６から余白設定分の幅４７を
引いたものになり、小さくなる。但し、印刷設定（余白
設定）変更後のバンドバッファ幅４９のように、余白設
定をバンドバッファ幅の中に取り込む場合は、バンドバ
ッファ幅は変わらない。 【００４２】 【発明の効果】以上のように、本発明によれば、ページ
毎の印刷設定情報を調べてホストコンピュータ側のバン
ドバッファサイズを変更する必要があるか判定処理を行
い、変更する必要がある場合だけバンドバッファの再割
当てを行うようにしているので、変更の必要がない場合
はバンドバッファの再割当て処理は行われなくなり、バ
ンドバッファの再割当て処理に要する時間を短縮するこ
とが可能になるという有効な効果が得られる。

【図面の簡単な説明】 【図１】本発明の一実施の形態である印字システムの概
略を示すブロック図 【図２】図１の印字システムにおけるバンディング処理
とバンドバッファ再割当て処理を示す説明図 【図３】図１の印字システムにおける選択的なバンドバ
ッファ再割当て処理を示す説明図 【図４】図１の印字システムにおけるバンドバッファ再
割当て判定処理を示すフローチャート 【図５】図１の印字システムにおいて印刷設定の用紙サ
イズが変わった場合のバンドバッファ幅の変化を示す説
明図 【図６】図１の印字システムにおいて印刷設定の用紙の
向き（オリエンテーション）が変わった場合のバンドバ
ッファ幅の変化を示す説明図 【図７】図１の印字システムにおいて印刷設定の余白設
定が変わった場合のバンドバッファ幅の変化を示す説明
図 【図８】従来の印字システムにおけるバンドバッファ再
割当てを示す説明図 【符号の説明】 １ ホストＰＣ（ホストコンピュータ） ２ 印字装置 ３ アプリケーション ４ プリンタドライバ ６ 印刷設定 ７ ページ毎の印刷設定 ８ 印刷データ １０ メモリ再割当て

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 【請求項１】アプリケーションおよびプリンタドライバ
   を備えたホストコンピュータと印字処理を実行する印字
   装置とからなり、１ページの印刷データをバンディング
   処理する印字システムであって、 前記プリンタドライバは、印刷対象の印刷設定情報また
   はページ毎の印刷設定情報が変化した場合に前記アプリ
   ケーションからの前記印刷データを処理するとともに、
   ホストコンピュータ側のバンドバッファサイズに影響が
   ある印刷設定情報またはページ毎の印刷設定情報が変更
   された場合のみバンドバッファサイズの再割当て処理を
   行うことを特徴とする印字システム。