JP2003015533A - 電磁波シールド性接着フィルム及び該フィルムを用いた電磁波遮蔽構成体、ディスプレイ - Google Patents

電磁波シールド性接着フィルム及び該フィルムを用いた電磁波遮蔽構成体、ディスプレイ

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JP2003015533A
JP2003015533A JP2002137312A JP2002137312A JP2003015533A JP 2003015533 A JP2003015533 A JP 2003015533A JP 2002137312 A JP2002137312 A JP 2002137312A JP 2002137312 A JP2002137312 A JP 2002137312A JP 2003015533 A JP2003015533 A JP 2003015533A
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wave shielding
conductive
film
adhesive film
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Minoru Tosaka
実 登坂
Toshishige Uehara
寿茂 上原
Hiroyuki Hagiwara
裕之 萩原
Aya Hashiba
綾 橋塲
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Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ディスプレイ前面から発生する電磁波のシー
ルド性が非常に良好で、赤外線遮蔽性、透明性、非視認
性および良好な接着特性を有する電磁波シールド性接着
フィルム及びそれを用いた電磁波遮蔽構成体、ディスプ
レイを提供する。 【解決手段】 プラスチックフィルムに接着剤層を介し
て構成される導電性金属付きプラスチックフィルムにお
いて、導電性金属で描かれた幾何学図形を有し、かつ、
導電性金属で描かれた幾何学図形の外周に前記幾何学図
形と電気的に接続した導電性の額縁部を有する電磁波シ
ールド性接着フィルム。得られた電磁波シールド性接着
フィルムをプラスチック板に設け電磁波遮蔽構成体とす
る。電磁波シールド性接着フィルムや電磁波遮蔽構成体
をディスプレイ画面に設置し電磁波遮蔽する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はCRT、PDP(プ
ラズマ)、液晶、ELなどのディスプレイ前面から発生
する電磁波のシールド性および赤外線の遮蔽性を有する
電磁波シールド性接着フィルム及び該フィルムを用いた
電磁波遮蔽構成体、ディスプレイに関する。
【0002】
【従来の技術】近年各種の電気設備や電子応用設備の利
用が増加するのに伴い、電磁気的なノイズ妨害(Electr
o Magnetic Interference;EMI)も増加の一途をたどっ
ている。ノイズは大きく分けて伝導ノイズと放射ノイズ
に分けられる。伝導ノイズの対策としては、ノイズフィ
ルタなどを用いる方法がある。一方、放射ノイズの対策
としては、電磁気的に空間を絶縁する必要があるため、
筐体を金属体または高導電体にするとか、回路基板と回
路基板の間に金属板を挿入するとか、ケーブルを金属箔
で巻き付けるなどの方法が取られている。これらの方法
では、回路や電源ブロックの電磁波シールド効果を期待
できるが、CRT、PDPなどのディスプレイ前面より
発生する電磁波シールド用途としては、不透明であるた
め適したものではなかった。
【0003】電磁波シールド性と透明性を両立させる方
法として、透明性基材上に金属または金属酸化物を蒸着
して薄膜導電層を形成する方法(特開平1−27880
0号公報、特開平5−323101号公報参照)が提案
されている。一方、良導電性繊維を透明基材に埋め込ん
だ電磁波シールド材(特開平5−327274号公報、
特開平5−269912号公報参照)や金属粉末等を含
む導電性樹脂を透明基板上に直接印刷した電磁波シール
ド材料(特開昭62−57297号公報、特開平2−5
2499号公報参照)、厚さが2mm程度のポリカーボ
ネート等の透明基板上に透明樹脂層を形成し、その上に
無電解めっき法により銅のメッシュパターンを形成した
電磁波シールド材料(特開平5−283889号公報参
照)、さらには、銅箔付きプラスチックフィルムにマイ
クロリソグラフ法により幾何学図形を施した接着フィル
ムをプラスチック板に貼り付けた電磁波遮蔽構成体(特
願平9−145076号公報参照)等が提案されてい
る。
【0004】電磁波遮蔽構成体をディスプレイに取り付
ける場合、電磁波の漏洩を低減し、良好なシールド性を
発現させるためには、電磁波遮蔽構成体が何らかの方法
により接地される必要がある。接地のための外部電極と
良好な接続を行うための電磁波遮蔽構成体の構成とし
て、プラスチック板の両面に貼りあわせた透明導電膜の
上または、プラスチック板の外周に導電性テープ等の導
電材料を密着させ、透明導電膜を外部電極に低抵抗(低
インピーダンス)で接続させる方法(特開平9−149
347号公報参照)、2枚のプラスチック板の間に金属
網をはみ出させ、金属網の露出部を接地のための外部電
極用枠等に挟む方法(特開平9−147752号公報参
照)等が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】電磁波シールド性と透
明性を両立させる方法として、特開平1−278800
号公報、特開平5−323101号公報に示されている
透明性基材上に金属または金属酸化物を蒸着して薄膜導
電層を形成する方法は、透明性が達成できる程度の膜厚
(数100Å〜2、000Å)にすると導電層の表面抵
抗が大きくなりすぎ、特開平9−149347号公報に
示される接地のための外部電極との接続方法でディスプ
レイに取り付けたとしても十分なシールド性能が得られ
なかった。良導電性繊維を透明基材に埋め込んだ電磁波
シールド材(特開平5−327274号公報、特開平5
−269912号公報)では、接地のための外部電極と
の接続を特開平9−147752号公報に示されている
方法等により接続すると、シールド効果は十分である
が、電磁波漏れのないように導電性繊維を規則配置させ
るために必要な繊維径が最も細いもので35μmと太す
ぎるため、繊維が見えてしまい(以後視認性という)デ
ィスプレイ用途には適したものではなかった。特開昭6
2−57297号公報、特開平2−52499号公報の
金属粉末等を含む導電性樹脂を透明基板上に直接印刷し
た電磁波シールド材料の場合も同様に、印刷精度の限界
からライン幅は、100μm前後となり視認性が発現す
るため適したものではなかった。また、特願平9−14
5076号公報に提案されている方法では、電磁波シー
ルド性と透明性を両立することが可能であるが、フィル
ムをプラスチック板に貼り付ける方式であるため、接地
のための外部電極と接続をとる際にプラスチックフィル
ム及び接着剤層が絶縁層であるために、そのまま接地す
ることが困難であった。これに対し、例えば幾何学図形
で描かれた導電性材料がプラスチック板と反対面になる
ようにフイルムを貼り付けたとしても、接地のための外
部電極と接する部位にも幾何学図形が描かれているた
め、幾何学図形を構成する導電性材料と、外部電極との
接触面積が小さくなり良好なシールド性を得られなかっ
た。ディスプレイ前面から発生する電磁波のシールド性
については、30MHz〜1GHzにおける30dB以
上の電磁波シールド機能の他に、ディスプレイ前面より
発生する900〜1、100nmの赤外線はリモートコ
ントロールで制御する他のVTR機器等に悪影響を及ぼ
すため、これを遮蔽する必要がある。さらに可視光透過
性(可視光透過率)が大きいだけでなく、電磁波の漏れ
を防止するため、接地のための外部電極と電磁波遮蔽構
成体が良好に接続することが必要である。しかし、電磁
波シールド性、赤外線遮蔽性、透明性・非視認性の特性
を同時に十分満たすものは得られていなかった。本発明
はかかる点に鑑み、接地のための外部電極と良好な接続
をとることによる高い電磁波シールド性、赤外線遮蔽
性、透明性・非視認性有する電磁波シールド性接着フィ
ルム及びそれを用いた電磁波遮蔽構成体、ディスプレイ
を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
の発明は、接地のための外部電極との接触面積を増大さ
せ、接地のための外部電極との接続を良好にする電磁波
シールド性接着フィルムを提供するため、プラスチック
フィルムに接着剤層を介して構成される導電性金属付き
プラスチックフィルムにおいて、導電性金属で描かれた
幾何学図形を有し、かつ、導電性金属で描かれた幾何学
図形の外周に前記幾何学図形と電気的に接続した導電性
の額縁部を有することを特徴とする電磁波シールド性接
着フィルムである。請求項2に記載の発明は、導電性金
属で描かれた幾何学図形と幾何学図形の外周に位置する
導電性の額縁部の接触抵抗を小さくするために、額縁部
が導電性金属付きプラスチックフィルムの導電性金属で
形成されていることを特徴とするものである。請求項3
に記載の発明は、導電性金属で描かれた幾何学図形を有
する電磁波シールド性接着フィルムにおいて、プラスチ
ックフィルム面側から接地できる電磁波シールド性接着
フィルムを提供するために、導電性の額縁部の少なくと
も一部が露出していることを特徴とするものである。請
求項4に記載の発明は、導電性の額縁部を支持する接着
剤層とプラスチックフィルムを除去し少なくとも額縁部
の一部を露出させるため、接着剤層とプラスチックフィ
ルムの一部または全部を除去するのに、加工性、量産性
に優れ、かつ、ドライ工程であるレーザーを用いて形成
させたことを特徴とするものである。請求項5に記載の
発明は、導電性の額縁部を支持する接着剤層とプラスチ
ックフィルムを除去し少なくとも額縁部の一部を露出さ
せるため、接着剤層とプラスチックフィルムの一部また
は全部を、加工性、量産性に優れるサンドブラストを用
いて形成させたことを特徴とするものである。
【0007】請求項6に記載の発明は、幾何学図形を保
護するために幾何学図形の部分及び額縁部のすくなくと
も一部に接着剤層を介して透明層を設けたことを特徴と
するものである。透明層は、プラスチックフィルム、プ
ラスチック板、ガラス板等の導電性金属で描かれた幾何
学図形を保護し、透明であればよい。請求項7に記載の
発明は、簡易な方法により接地のための外部電極との接
続を良好とする電磁波シ−ルド性接着フィルムを提供す
るため導電性金属付きプラスチックフィルムのプラスチ
ックフィルム側に導電性の額縁部を折り曲げて、プラス
チックフィルム側に額縁部の導電性金属が露出されてい
ることを特徴とするものである。請求項8に記載の発明
は、接地のための外部電極との接触面積を増大させ、接
地のための外部電極との接続を良好にする電磁波シール
ド性接着フィルムを提供するため、幾何学図形の外周に
導電性テープを貼り付けて額縁部を形成することを特徴
としたものである。導電性テープを貼り付け、これが額
縁部の機能を果たすため導電性金属で描かれた幾何学図
形が外周まであっても良く、額縁部が形成されていても
良い。請求項9に記載の発明は、接地のための外部電極
との接触面積を増大させ、接地のための外部電極との接
続を良好にする電磁波シールド性接着フィルムを提供す
るため、幾何学図形の外周に導電性の3次元網目構造体
を形成して額縁部とすることを特徴としたものである。
導電性の3次元網目構造体は、弾性による復元力がある
ため密着して取り付けることができる。請求項10に記
載の発明は、接地のための外部電極と良好な接続をする
ために、額縁部の幅を1〜40mmの範囲としたもので
ある。
【0008】請求項11に記載の発明は、加工性に優れ
た電磁波シールド性接着フィルムを提供するため、プラ
スチックフィルムの表面に接着剤層を介して導電性金属
を設けた導電性金属付きプラスチックフィルムの導電性
金属で形成された幾何学図形がマイクロリソグラフ法に
より形成されたものであることを特徴とするものであ
る。請求項12に記載の発明は、退色性が小さく、コン
トラストの大きい電磁波シールド性接着フィルムを提供
するため、導電性材料を銅として、少なくともその表面
が黒化処理されていることを特徴とするものである。請
求項13に記載の発明は、透明性、安価、耐熱性良好で
取り扱い性に優れた電磁波シールド性と赤外線遮蔽性を
有する電磁波シールド性接着フィルムを提供するため、
プラスチックフィルムをポリエチレンテレフタレートフ
ィルムまたはポリカーボネートフィルムとするものであ
る。請求項14に記載の発明は、透明性と非視認性に優
れた電磁波シールド性接着フィルムを提供するために、
導電性金属で描かれた幾何学図形のライン幅を40μm
以下、ライン間隔を100μm以上、ライン厚さを40
μm以下とするものである。請求項15に記載の発明
は、加工性や密着性に優れ、安価な電磁波シールド性と
非視認性を有する電磁波シールド性接着フィルムを提供
するため、導電性金属の厚みが0.5〜40μmの銅、
アルミニウムまたはニッケルを使用するものである。請
求項16に記載の発明は、赤外線遮蔽性を有する電磁波
シールド性接着フィルムを提供するため、電磁波シール
ド性接着フィルムを構成するいずれかの層に赤外線吸収
剤が含有されていることを特徴とするものである。
【0009】請求項17に記載の発明は、透明性と非視
認性に優れ、反りが少ない電磁波遮蔽構成体を提供する
ために、プラスチック板の少なくとも片面に前記の電磁
波シールド性接着フィルムを設けたことを特徴とするも
のである。請求項18に記載の発明は、透明性と非視認
性に優れ、反りが少ない電磁波遮蔽構成体を提供するた
めに、プラスチック板の片面に前記の電磁波シールド性
接着フィルムを設け、他面にプラスチックフィルムを設
けたことを特徴とするものである。電磁波シールド性接
着フィルムは、幾何学図形が形成されている面が、プラ
スチック板に接しても良いし、反対面側でも良い。ま
た、プラスチックフィルムは、赤外線吸収剤が含有され
ていたり、防眩処理、反射防止処理、帯電防止処理、耐
擦傷性のための硬質化処理、模様、アンチニュートンリ
ング処理や耐熱性のフィルム、保護フィルムであると好
ましい。請求項19に記載の発明は、透明性と非視認性
に優れ、反りが少ない電磁波遮蔽構成体を提供するため
に、プラスチック板の片面に前記の電磁波シールド性接
着フィルムを設け、その導電性の額縁部を折り曲げるよ
うに変形させ、額縁部がプラスチック板の反対面に達す
るようにしたことを特徴とするものである。請求項20
に記載の発明は、接地のための外部電極との良好な接触
による電磁波漏洩の低減、簡易な取り付け、優れた美観
をもつ電磁波遮蔽構成体を提供するために、電磁波遮蔽
構成体の電磁波シールド性接着フィルムの額縁部の一部
に導電性テープを貼り付けたことを特徴とするものであ
る。請求項21に記載の発明は、接地のための外部電極
との良好な接触による電磁波漏洩の低減、簡易な取り付
け、優れた美観をもつ電磁波遮蔽構成体を提供するため
に、前記の電磁波遮蔽構成体の電磁波シールド性接着フ
ィルムの少なくとも額縁部に導電性の3次元網目構造体
が接していることを特徴とするものである。請求項22
に記載の発明は、電磁波シールド性と赤外線遮蔽性を有
する電磁波遮蔽構成体を提供するために、電磁波遮蔽構
成体を構成する電磁波シールド性接着フィルム、プラス
チック板、プラスチックフィルムまたは接着剤層のすく
なくともいずれかに赤外線吸収剤を含有することを特徴
とするものである。請求項23に記載の発明は、上記電
磁波遮蔽構成体に防眩性または反射防止性を付与させる
ために、プラスチック板に設けた電磁波シールド性接着
フィルムのプラスチックフィルムまたはプラスチック板
若しくはプラスチックフィルム表面に防眩処理または反
射防止処理が施されていることを特徴とするものであ
る。請求項24に記載の発明は、電磁波の漏れを防止
し、美観を向上させるため、電磁波遮蔽構成体の周辺部
に額縁部と接するように枠体を設けることを特徴とす
る。
【0010】請求項25に記載の発明は、電磁波シール
ド性と透明性を有し、電磁波の漏洩を低減するために接
地のための外部電極と良好に接続する電磁波シールド性
接着フィルムをディスプレイに用いたものである。請求
項26に記載の発明は、電磁波シールド性と透明性を有
し、電磁波の漏洩を低減するために接地のための外部電
極と良好に接続する電磁波遮蔽構成体をディスプレイに
用いたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。本
発明で使用するプラスチックフィルムとしては、ポリエ
チレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタ
レートなどのポリエステル類、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリスチレン、EVAなどのポリオレフィン
類、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのビニル
系樹脂、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリカ
ーボネート、ポリアミド、ポリイミド、アクリル樹脂な
どのプラスチックからなるフィルムで全可視光透過率が
70%以上で厚さが1mm以下のものが好ましい。これ
らは単層で使うこともできるが、2層以上を組み合わせ
た多層フィルムとして使用することもできる。前記プラ
スチックフィルムのうち透明性、耐熱性、取り扱いやす
さ、価格の点からポリエチレンテレフタレートフィルム
またはポリカーボネートフィルムが好ましい。プラスチ
ックフィルム厚さは、5〜500μmがより好ましい。
5μm未満だと取り扱い性が悪くなり、500μmを超
えると可視光の透過率が低下してくる。10〜200μ
mとすることがさらに好ましい。
【0012】本発明で使用するプラスチック板は、プラ
スチックからなる板であり、具体的には、ポリスチレン
樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、
ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化
ビニリデン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹
脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエー
テルイミド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリアリレ
ート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリブチレンテレフタ
レート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂などの熱
可塑性ポリエステル樹脂、酢酸セルロース樹脂、フッ素
樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、
ポリメチルペンテン樹脂、ポリウレタン樹脂、フタル酸
ジアリル樹脂などの熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂が挙げ
れれる。これらの中でも透明性に優れるポリスチレン樹
脂、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポ
リカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレ
ンテレフタレート樹脂、ポリメチルペンテン樹脂が好適
に用いられる。本発明で使用するプラスチック板の厚み
は、0.5mm〜5mmがディスプレイの保護や強度、
取扱性から好ましい。
【0013】本発明の導電性金属として、銅、アルミニ
ウム、ニッケル、鉄、金、銀、ステンレス、タングステ
ン、クロム、チタンなどの金属、あるいは金属の2種以
上を組み合わせた合金を使用することができる。導電性
や回路加工の容易さ、価格の点から銅、アルミニウムま
たはニッケルが適しており、厚さが0.5〜40μmの
金属箔、めっき金属、蒸着などの真空下で形成される金
属が使われる。厚さが40μmを超えると、細いライン
幅の形成が困難であったり、視野角が狭くなる。また厚
さが0.5μm未満では、表面抵抗が大きくなり、電磁
波シールド効果が劣る傾向にある。
【0014】導電性金属が銅であり、少なくともその表
面が黒化処理されたものであると、コントラストが高く
なり好ましい。また導電性金属が経時的に酸化され退色
されることが防止できる。黒化処理は、幾何学図形の形
成前後で行えばよいが、通常形成後において、プリント
配線板分野で行われている方法を用いて行うことができ
る。例えば、亜塩素酸ナトリウム(31g/l)、水酸
化ナトリウム(15g/l)、燐酸三ナトリウム(12
g/l)の水溶液中、95℃で2分間処理することによ
り行うことができる。また導電性金属が、常磁性金属で
あると、磁場シールド性に優れるために好ましい。かか
る導電性金属を上記プラスチックフィルムに密着させる
方法としては、アクリルやエポキシ系樹脂を主成分とし
た加熱または加圧により流動する接着剤層を介して貼り
合わせるのが最も簡便である。導電性金属の導電層の厚
みを小さくする必要がある場合は真空蒸着法、スパッタ
リング法、イオンプレート法、化学蒸着法、無電解・電
気めっき法などの薄膜形成技術のうちの1または2以上
の方法を組み合わせることにより達成できる。導電性金
属の厚みは40μm以下とすることが好ましく、厚みが
薄いほどディスプレイの視野角が広がり電磁波シールド
材料として好ましく、18μm以下とすることがさらに
好ましい。
【0015】本発明の導電性金属で描かれた幾何学図形
は、正三角形、二等辺三角形、直角三角形などの三角
形、正方形、長方形、ひし形、平行四辺形、台形などの
四角形、(正)六角形、(正)八角形、(正)十二角
形、(正)二十角形などの(正)n角形(nは正の整
数)、円、だ円、星型などを組み合わせた模様であり、
これらの単位の単独の繰り返し、あるいは2種類以上組
み合わせで使うことも可能である。電磁波シールド性の
観点からは三角形が最も有効であるが、可視光透過性の
点からは同一のライン幅なら(正)n角形のn数が大き
いほど開口率が上がるが、可視光透過性の点から開口率
は50%以上であることが好ましい。開口率は、60%
以上がさらに好ましい。開口率は、電磁波シールド性接
着フィルムの有効面積に対する有効面積から導電性金属
で描かれた幾何学図形の導電性金属の面積を引いた面積
の比の百分率である。ディスプレイ画面の面積を電磁波
シールド性接着フィルムの有効面積とした場合、その画
面が見える割合となる。
【0016】このような幾何学図形を形成させる方法と
しては、導電性金属付きのプラスチックフィルムをマイ
クロリソグラフ法で作製するのが回路加工の精度および
回路加工の効率の点から有効である。このマイクロリソ
グラフ法には、フォトリソグラフ法、X線リソグラフ
法、電子線リソグラフ法、イオンビームリソグラフ法な
どがあり、これらの他にスクリーン印刷法なども含まれ
る。これらの中でも、その簡便性、量産性の点からフォ
トリソグラフ法が最も効率がよい。なかでも、ケミカル
エッチング法を使用したフォトリソグラフ法は、その簡
便性、経済性、回路加工精度などの点から最も好まし
い。フォトリソグラフ法の中ではケミカルエッチング法
の他にも無電解めっきや電気めっきによる方法、または
無電解めっきや電気めっきとケミカルエッチング法を組
み合わせて幾何学図形を形成することも可能である。
【0017】このような幾何学図形のライン幅は40μ
m以下、ライン間隔は100μm以上、ライン厚みは4
0μm以下の範囲とするのが好ましい。また幾何学図形
の非視認性の観点からライン幅は25μm以下、可視光
透過率の点からライン間隔は120μm以上、ライン厚
み18μm以下がさらに好ましい。ライン幅は、40μ
m以下、好ましくは25μm以下が好ましく、あまりに
小さく細くなると表面抵抗が大きくなりすぎてシールド
効果に劣るので1μm以上が好ましい。ライン厚みは4
0μm以下が好ましく、あまりに厚みが薄いと表面抵抗
が大きくなりすぎてシールド効果に劣るので0.5μm
以上が好ましく、さらに1μm以上がさらに好ましい。
ライン間隔は、大きいほど開口率は向上し、可視光透過
率は向上する。前述のようにディスプレイ前面に使用す
る場合、開口率は50%以上が好ましいが、60%以上
がさらに好ましい。ライン間隔が大きくなり過ぎると、
電磁波シールド性が低下するため、ライン間隔は100
0μm(1mm)以下とするのが好ましい。なお、ライ
ン間隔は、幾何学図形等の組合せで複雑となる場合、繰
り返し単位を基準として、その面積を正方形の面積に換
算してその一辺の長さをライン間隔とする。
【0018】本発明で用いる接着剤層となる接着剤は、
以下に示すものが代表的なものとして挙げられる。この
接着剤層は、加熱または加圧により流動し接着機能を有
するものであれば好ましい。本発明の電磁波シールド性
接着フィルムは、プラスチックフィルムの上に接着剤層
があり、その上の導電性金属で描かれた幾何学図形が形
成されている。接着剤層はプラスチックフィルムと導電
性金属で描かれた幾何学図形を接着しており、更にこれ
を被着体であるディスプレイ、プラスチック板、プラス
チックフィルム、ガラス板等に接着するとき、接着剤層
が、幾何学図形の形成されていない空間を介して流動し
被着体と接着する。このために接着剤層は、加熱または
加圧により流動することが好ましい。また、幾何学図形
を形成し接着性を向上するために導電性金属の接着面が
粗化されている場合、接着剤層にこの粗化面が転写さ
れ、粗化面で光が乱反射されるが、接着剤層の流動の際
に、粗化面の転写形状が流動により解消され光線透過性
の向上が図れる。これらのことから接着剤層は、加熱、
加圧により流動することが必要であり、熱可塑性、熱硬
化性、活性光線硬化性樹脂等の接着剤組成物が好まし
い。
【0019】これらの接着剤として、ビスフェノールA
型エポキシ樹脂やビスフェノールF型エポキシ樹脂、テ
トラヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、ノボラ
ック型エポキシ樹脂、レゾルシン型エポキシ樹脂、ポリ
アルコール・ポリグリコール型エポキシ樹脂、ポリオレ
フィン型エポキシ樹脂、脂環式やハロゲン化ビスフェノ
ールなどのエポキシ樹脂を使用することができる。エポ
キシ樹脂以外では天然ゴム、ポリイソプレン、ポリ−
1、2−ブタジエン、ポリイソブテン、ポリブテン、ポ
リ−2−ヘプチル−1、3−ブタジエン、ポリ−2−t
−ブチル−1、3−ブタジエン、ポリ−1、3−ブタジ
エンなどの(ジ)エン類、ポリオキシエチレン、ポリオ
キシプロピレン、ポリビニルエチルエーテル、ポリビニ
ルヘキシルエーテル、ポリビニルブチルエーテルなどの
ポリエーテル類、ポリビニルアセテート、ポリビニルプ
ロピオネートなどのポリエステル類、ポリウレタン、エ
チルセルロース、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリ
ル、ポリメタクリロニトリル、ポリスルホン、ポリスル
フィド、フェノキシ樹脂などを挙げることができる。こ
れらは好適な可視光透過率を発現する。
【0020】接着剤の硬化剤としてはトリエチレンテト
ラミン、キシレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン
などのアミン類、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水
ドデシルコハク酸、無水ピロメリット酸、無水ベンゾフ
ェノンテトラカルボン酸などの酸無水物、ジアミノジフ
ェニルスルホン、トリス(ジメチルアミノメチル)フェ
ノール、ポリアミド樹脂、ジシアンジアミド、アルキル
置換イミダゾールなどを使うことができる。これらは単
独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
また、使用しなくてもよい。これらの硬化剤(架橋剤)
の添加量は上記ポリマー100重量部に対して0.1〜
50重量部、好ましくは1〜30重量部の範囲で選択す
るのがよい。この量が0.1重量部未満であると硬化が
不十分となり、50重量部を超えると過剰架橋となり、
接着性に悪影響を与える場合がある。本発明で使用する
接着剤には必要に応じて、希釈剤、可塑剤、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、充填剤や粘着付与剤などの添加剤を
配合してもよい。そしてこの接着剤層は、プラスチック
フィルムの表面に塗布され、導電性金属を貼り合わせ導
電性金属付きプラスチックフィルムを形成する。
【0021】本発明でいう導電性の額縁部とは、導電性
金属で描かれた幾何学図形と同じ面にあり、導電性材料
により幾何学図形の外周に額縁状に形成されたものであ
る。額縁部は、導電性材料で描かれた幾何学図形と電気
的に接続され、接地のための外部電極と良好に接続され
る。本発明における電磁波シールド性接着フィルムの平
面図を図1(a)に示す。導電性金属で描かれた幾何学
図形(2)の外周に導電性の額縁部(1)が形成され
る。以下に電磁波シールド性接着フィルムの構成を、電
磁波シールド性接着フィルムの断面図により例示する。
電磁波シールド性接着フィルムの構成は、図1(b)に
示したように、プラスチックフィルム(3)に接着剤層
(4)を介して導電性金属で描かれた幾何学図形(2)
が形成され、その外周に導電性の額縁部(1)が形成さ
れる。また、図1(c)に示したように、プラスチック
フィルム(3)に接着剤層(4)を介して導電性金属で
描かれた幾何学図形(2)が形成され、その外周に導電
性の額縁部(1)が露出して形成されている。この額縁
部(1)が露出した構成は、電磁波シールド性接着フィ
ルムの額縁部を支持する接着剤層やプラスチックフィル
ムの一部若しくは全部を除去して形成することができ
る。接着剤層やプラスチックフィルムの一部若しくは全
部を除去する方法として、遮蔽治具を介してレーザやサ
ンドブラストを用いることにより容易に行うことができ
る。遮蔽治具は、レーザの場合は、金属板を加工して額
縁部の形状に貫通部を設け、貫通部を額縁部の形成位置
に合わせて電磁波シールド性接着フィルムのプラスチッ
ク面に載置し、金属板をレーザの遮蔽物として用いる。
一方、サンドブラストの場合も同様に、耐摩耗性の材料
であるゴム、フォトレジスト等を遮蔽物にして用いる。
導電性の額縁部(1)を形成させるには、導電性金属で
描かれた幾何学図形の外周に、額縁部を形成する金属
箔、導電性テープ、導電性の3次元網目構成体を後で設
けることにより行うこともできる。幾何学図形の導電性
金属と額縁部の電気的な接続は、電磁波シールド性接着
フィルムの接着剤層により金属箔等を額縁部として用い
接着し、額縁部の金属箔と導電性金属の幾何学図形との
接触による接続でも良いし、金属箔または導電性金属の
幾何学図形にはんだペーストを塗布しておき、加熱溶融
させての接続でも良い。また、導電性接着剤による接着
でも良い。
【0022】図1(d)には、プラスチックフィルム
(3)に接着剤層(4)を介して導電性金属で描かれた
幾何学図形(2)が形成され、その外周に導電性金属付
きプラスチックフィルムの導電性金属で導電性の額縁部
(1)が形成され、さらに、接着剤層を介して透明層
(5)が幾何学図形の上に額縁部の全てを覆わないよう
に貼りあわせて額縁部を露出させた例を示した。透明層
(5)は、プラスチックフィルム、プラスチック板、ガ
ラス板等であり、この構成では、ディスプレイに直接あ
るいは治具を介して設置することができる。図1(e)
は、導電性の額縁部(1)をプラスチックフィルム
(3)側に折り曲げてプラスチックフィルム側に額縁部
を露出させた例である。図1(f)は、プラスチックフ
ィルム(3)に接着剤層(4)を介して導電性金属で描
かれた幾何学図形(2)が形成され、その外周に導電性
接着剤や導電性テープ等の導電性材料(6)により額縁
部(1)を形成した例である。図1(g)は、プラスチ
ックフィルム(3)に接着剤層(4)を介して導電性金
属で描かれた幾何学図形(2)が形成され、その外周に
導電性の3次元網目構造体(7)により額縁部(1)を
形成した例である。図1(a)〜(g)に本発明の電磁
波シールド性接着フィルムの例を示したが、本発明は、
これらの構成に限るものではない。図1(b)の構成で
は、額縁部を形成する導電性金属が幾何学図形の導電性
金属と接続されているため、接地のための外部電極との
接続抵抗が低く良好な電磁波シールド性を発現させるこ
とができる。図1(b)の構成では、プラスチック板に
導電性金属で描かれた幾何学図形の面を、その接着剤層
を利用して貼り合わせた場合、額縁部の下層にある接着
剤層やプラスチックフィルムが絶縁層となるために、接
地のための外部電極との電気的な接続が困難になる。こ
れを解決したのが図1(e)の構成で、導電性金属で描
かれた幾何学図形(2)の面をプラスチック板に貼り合
わせたとき、額縁部が折り曲げられているため外層側に
接地のための電極となる額縁部があり電気的接続が容易
になる。折り曲げ方は、そのまま折り曲げてもよいが4
隅が嵩高くなるため、例えば4隅に切り込みを入れて折
り曲げることが好ましい。また、額縁部が形成されてい
る部分のプラスチックフィルムに両面粘着テープを貼り
付ける等により折り曲げた部分を固定してもよい。一
方、同様に図1(c)の構成では、プラスチック板に導
電性金属で描かれた幾何学図形(2)の面を貼り合わせ
ると、額縁部が露出しているため接地のための外部電極
との電気的接続が容易となる。図1(d)の構成では、
プラスチックフィルム(3)側をディスプレイやプラス
チック板に貼り合わせた場合、外層となる幾何学図形を
透明層(5)で保護し、接地のための外部電極との接続
が容易なように額縁部を露出させてある。貼り合わせる
プラスチックフィルム(3)あるいは透明層(5)に、
赤外線遮蔽機能、防眩、反射防止機能を付与させてもよ
い。図1(f)及び(g)の構成では、幾何学図形と接
地のための外部電極との接続抵抗を低下させるために、
導電性接着剤や導電性テープ等の導電性材料(6)ある
いは導電性の3次元網目構造体(7)により、幾何学図
形の導電性金属の上に導電性の額縁部(1)を形成して
いるため、使用する機器のサイズに規制されずに容易に
額縁部を形成できる。この構成は、図1(e)のように
額縁部を折り曲げることもできる。上記した額縁部の幅
としては、接地のための外部電極との接続を良好にする
ため1〜40mmとすることが好ましい。20mmを超
えると額縁部の幅が広すぎ、専有面積が大きくなるため
好ましくは、5〜15mmがよい。図1(e)のように
折り曲げる場合は、額縁部の幅を広めに取ることもでき
る。
【0023】本発明の電磁波遮蔽構成体は、図1の
(a)〜(g)の構成をした電磁波シールド性接着フィ
ルムをプラスチック板の少なくとも片面に設けた構成で
ある。また、電磁波シールド性接着フィルムを、導電性
幾何学図形が描かれている面を接着剤層を介してプラス
チック板に設け、他面に接着剤層を介してプラスチック
フィルムを設けた電磁波遮蔽構成体である。このような
電磁波遮蔽構成体は、電磁波の漏洩を抑制し良好な電磁
波シールド性を得るために接地のための外部電極に接触
させることが好ましい。接地のための外部電極と上記電
磁波遮蔽構成体の接続抵抗が高かったり、あるいは密着
性が不十分であると十分な電磁波シールド性が得られな
い。
【0024】本発明における電磁波遮蔽構成体の斜視図
を図2(a)に示した。プラスチック板(11)の片面
に電磁波シールド性接着フィルム(8)を、プラスチッ
ク板(11)の他面に接着剤層(12)を介してプラス
チックフィルム(13)を貼り合わせた構成例である。
この電磁波遮蔽構成体の断面図を図2(b)〜(e)に
示した。図2(b)の構成は、プラスチック板(11)
の片面に電磁波シールド性接着フィルム(8)の幾何学
図形の描かれている面を、他面に接着剤層(12)を介
してプラスチックフィルム(13)を貼り合わせてあ
る。図2(c)の構成は、プラスチック板(11)の片
面に電磁波シールド性接着フィルム(8)のプラスチッ
クフィルム(3)面を接着剤層(12)を介して貼り合
わせ、プラスチック板(11)の他面に接着剤層(1
2)を介してプラスチックフィルム(13)を貼り合わ
せてある。電磁波遮蔽構成体を接地のための外部電極に
接触させる場合、電磁波遮蔽構成体と接地のための外部
電極との密着性を向上させるために、導電性テープや導
電性の3次元網目構造体等のクッション性のある導電性
材料(6)を電磁波遮蔽構成体の額縁部に形成させてお
くことが好ましい(図2(d)、(e))。図3は、図
2に例示した電磁波遮蔽構成体の額縁部に導電性の枠体
(21)を設けた例である。枠体(21)は、導電性金
属で描かれた幾何学図形(2)と電気的に接続された導
電性の額縁部(1)と接地のための外部電極とを接続し
たり、美観を向上させる。外部電極との接続のために
は、枠体の表面は、導電性である必要があり、アルミニ
ウム、真鍮などの金属やプラスチックの必要な部分にメ
ッキを施したり、プラスチックに金属粉、導電性短繊維
等の導電性材料を分散させたものでもよい。枠体の断面
は、「コ」の字形状をしていると、電磁波遮蔽構成体に
はめ込み固定することができるので好ましい。固定は、
枠体の変形による復元力を利用したり、ねじやビス、接
着剤を使用しても良い。枠体の断面が「コ」の字状であ
ると枠体の凹部内側に銅箔等の金属箔を挿入し、全面が
導電性金属で描かれた幾何学図形の外周にこれをはめ込
むことにより枠体の金属箔と幾何学図形を圧接すること
ができ好ましい。この場合、幾何学図形と接している金
属箔が額縁部となる。
【0025】図3(a)は、電磁波遮蔽構成体に枠体
(21)を設けたときの斜視図であり、図3(b)〜
(g)は、その断面図である。図3(a)は、電磁波シ
ールド性接着フィルムの外周に設けた導電性の額縁部に
枠体(21)をはめ込み固定した電磁波遮蔽構成体であ
る。図3(b)は露出した額縁部の全部に枠体(21)
をはめ込み接触させた例で、(c)は、額縁部の一部に
枠体(21)をはめ込み接触させた例である。図3
(d)は、枠体(21)を「L」字の形状にして電磁波
シールド性接着フィルムの額縁部とプラスチック板の端
部側面だけに枠体を設けた構成である。額縁部と枠体の
導電性部分との接触が十分でないときは、導電性の額縁
部に額縁部や枠体よりやや硬い金属粉体を載せ、金属粉
体を額縁部や枠体に食い込ませて接触導通の確実性を増
すことも有効である。なお、プラスチック板の端部側面
と枠体は接着剤で固定した。図3(e)は、図2(c)
の電磁波遮蔽構成体に枠体(21)を設けた例である。
図3(f)は、図1(d)の電磁波シールド性接着フィ
ルム(8)の幾何学図形が形成されている面に透明層
(5)を設け、プラスチックフィルム(3)側に接着剤
層(12)を介してプラスチック板(11)の片面に積
層し、さらに、プラスチック板の他面に接着剤層(1
2)を介しプラスチックフィルム(13)を貼り合わせ
た電磁波遮蔽構成体(10)に枠体を設けた例である。
上記した枠体(21)は、これに限らず金属箔、導電性
接着剤、導電性テープ等の導電性材料とすることもでき
る。上記した構成は、一例であり、組み合わせは多数あ
る。
【0026】上記電磁波シールド性接着フィルムや電磁
波遮蔽構成体のいずれかの面には、赤外線遮蔽性を有す
る層、反射防止処理を有する層、防眩処理を有する層、
表面硬度の高い耐擦性を有する層を形成することができ
る。これらは例示であり、この他の形態で使用すること
もできる。ガラス板の片面に電磁波シールド性接着フィ
ルムを接着し、このガラス板をディスプレイ前面に取り
付けガラス面がディスプレイ装置の外側になるようにし
ても良い。
【0027】本発明では、レーザにより導電性の額縁部
を支持する接着剤層とプラスチックフィルムを除去し少
なくともその額縁部の一部を露出することが好ましい。
レーザは、YAGレーザ、炭酸ガスレーザ、TEA 炭
酸ガスレーザ、アルゴンイオンレーザ、エキシマレーザ
等があるが、本構成の場合除去面積が広く、PETフィ
ルム及び接着剤層をあわせると50μm以上の深度で除
去しなければならないこと、また、量産性の点からでき
るだけ短時間に加工する必要があることからYAGレー
ザ、炭酸ガスレーザ、TEA 炭酸ガスレーザが好まし
い。電磁波シールド性接着フィルムの外周に導電性金属
で描かれた幾何学図形と電気的に接続した導電性の額縁
部を形成するため、プラスチックフィルム面側から加工
する加工面のレーザーの出力が小さいと額縁部部分のプ
ラスチックフィルムと接着剤層の除去が不十分であり、
大きすぎると額縁部部分の導電性金属が破れてしまうた
め、10〜100Wが好ましく、20〜40Wがさらに
好ましい。
【0028】本発明では額縁部を形成するため、サンド
ブラストにより導電性の額縁部を支持する接着剤層とプ
ラスチックフィルムを除去し少なくともその額縁部の一
部を露出させる。サンドブラスト処理は、マスクされて
いない部分に研磨剤を吹き付けて非マスク部分を選択的
に食刻することにより行なわれる。サンドブラストに用
いるブラスト材としては、ガラスビーズ、アルミナ、シ
リカ、炭化ケイ素、酸化ジルコニウム等の粒径0.1〜
150μm程度の微粒子が用いられる。本発明において
は、額縁部以外の一部または全部をマスク材で覆い、額
縁部のプラスチックフィルム及び接着剤を除去する。マ
スク材は、ゴム、フォトレジスト、プラスチックフィル
ム、プラスチック板、金属、セラミック、木材等、サン
ドブラストの工程で傷がつかないように保護できるもの
なら制限はない。
【0029】本発明では、導電性金属で描かれた幾何学
図形と電気的に接続した導電性の額縁部が幾何学図形の
外周に形成した導電性の3次元網目構造体を使用するこ
ともできる。導電性3次元網目構造体は、例えばウレタ
ンフォーム等の3次元網目構造をもつ合成樹脂発泡体に
無電解金属メッキ触媒等で前処理し、メッキ槽中でニッ
ケル、銅等の金属層を無電解メッキさせて電気メッキと
組み合わせてメッキ金属の厚みを増し、その後焼成し樹
脂を分解焼失させて、発泡樹脂の形状を転写して作製し
た電着金属の3次元網目構造体や、ウレタンフォーム等
の3次元網目構造をもつ合成樹脂発泡体を、金属粉と増
粘性高分子と溶剤を混合し調製したスラリーに浸し、発
泡体の骨格に金属粉を塗着させ、その後熱処理すること
により合成樹脂発泡体を分解焼失させると共に金属粉の
焼結を行い発泡樹脂の形状を転写し作製した金属の3次
元網目構造体や、ウレタンフォーム等の連続気泡構造を
有する合成樹脂発泡体に粘着剤溶液を含浸させ乾燥した
後、金属粉を揺動により合成樹脂発泡体に付着させ、そ
の後焼成し樹脂を分解焼失させると共に金属粉を焼結し
て発泡樹脂の形状を転写して作製することができる。
【0030】本発明の電磁波シ−ルド性接着フィルムや
電磁波遮蔽構成体では、プラスチック板に設けた電磁波
シールド性接着フィルムのプラスチックフィルムまたは
プラスチック板若しくはプラスチックフィルム表面に、
防眩処理または反射防止処理が施されていると好まし
い。以下に、これらの処理をプラスチックフィルムに形
成することを代表例として示す。プラスチック板等にお
いても同様に実施することができる。反射防止処理は、
可視光の反射を防止することにより可視光の透過率を増
加させることをいう。この反射防止処理は、反射防止層
の塗布厚と屈折率によって最小反射波長が規定され、n
d=(m+1/2)λ/2 (n:屈折率、d:塗布厚、
λ:波長、m=0,1,2,3,…)によって示され
る。すなわち、nは物質によって定まるので、膜厚の調
節によって反射率最小の(透過率最大)の波長を選択す
ることができる。また、反射防止層には、プラスチック
フィルムとは異なる屈折率を有する単層構造または2層
以上の多層構造とされたものがある。単層構造のもので
は、プラスチックフィルムに比べ小さな屈折率を有する
材料が選定される。一方、反射防止処理により優れる多
層構造とする場合、プラスチックフィルムに比べ大きな
屈折率を有する材料層を設け、この上にこれより小さな
屈折率を有する材料層を設けるというように隣接層相互
間で屈折率の異なる材料構成とされるが、より好ましく
は3層以上の多層構造として最外層の屈折率がこれに隣
接する仮想の屈折率よりも小さくなるような材料構成と
するのがよい。このような反射防止層を構成させるため
の材料としては、公知のいかなる材料を使用してもよい
が、例えば、CaF2、MgF2、NaAlF6、Al2O3、SiOx(x=1〜
2)、ThF4、ZrO2、Sh2O3、Nd2O3、SnO2、TiO2、などの誘
電体が挙げられ、その屈折率及び膜厚が前記関係を満た
すように適宜選択される。
【0031】防眩処理は、ディスプレイのちらつき感や
目の疲れを防止するものであり、このような防眩処理層
を構成させるための材料としては公知のいかなる材料を
使用してもよいが、好ましくは無機のシリカを含む層で
ある。かかる無機シリカ層が、ビスフェノールA型エポ
キシ樹脂やビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラッ
ク型エポキシ樹脂などのエポキシ系樹脂、ポリイソプレ
ン、ポリ−1,2−ブタジエン、ポリイソブテン、ポリ
ブテンなどのジエン系樹脂、エチルアクリレート、ブチ
ルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、t
−ブチルアクリレートなどからなるポリアクリル酸エス
テル共重合体、ポリビニルアセテート、ポリビニルプロ
ピオネートなどのポリエステル系樹脂、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリスチレン、EVAなどのポリオレ
フィン系樹脂及びシリコン系樹脂などの硬化型樹脂中に
分散結着された硬化皮膜が防眩処理層として好ましく用
いられる。
【0032】この防眩処理層の皮膜の形成に際しては、
まず樹脂中にシリカ粒子を配合し必要に応じて帯電防止
剤、重合開始剤などの各種の添加剤を加えた組成物を、
通常溶剤で希釈して固形分が約20〜80重量%となる
防眩処理剤を調製する。ここで用いるシリカ粒子は、非
晶質で多孔性のものであり、代表例としてシリカゲルを
挙げることができる。平均粒子径としては、通常30μ
m以下、好ましくは2〜15μm程度であるのがよい。
また、配合割合は樹脂100重量部に対してシリカ粒子
が0.1〜10重量部となるようにするのが好ましい。
少なすぎると防眩効果に乏しくなりまた、多くなりすぎ
ると可視光線透過率や皮膜強度を低下させることにな
る。この防眩処理剤をプラスチックフイルムの一面に適
当な手段例えば一般的な溶液塗工手段であるグラビアコ
ータ、リバースコータ、スプレーコータなどの手段によ
り乾燥後の膜厚が通常5〜30μm程度となるように塗
布し、加熱乾燥後、紫外線照射、電子線照射あるいは加
熱により硬化させると好ましい。このようにして得られ
るシリカ粒子含有の皮膜からなる防眩処理層は、この処
理層を有するプラスチックフィルムをプラスチック基板
に貼り合わせたとき、この基板に対して良好な防眩性を
付与し、かつ皮膜の硬度が高くて耐スクラッチ性に優れ
るため、プラスチックの耐摩傷性の向上に大きく寄与す
ることになる。なお、このような防眩処理層の形成に先
立って、被着面、すなわちプラスチックフィルムの表面
に対し前処理としてコロナ放電処理、プラズマ処理、ス
パッタエッチング処理、易接着処理を施してもよく、こ
れにより上記プラスチックフィルムと防眩処理層との密
着性を高めることができる。
【0033】本発明では、電磁波シールド性接着フィル
ムやプラスチック板に設けた電磁波シールド性接着フィ
ルム、プラスチックフィルム、接着剤層等の電磁波遮蔽
構成体中に赤外線吸収剤を含有することが好ましい。赤
外線吸収剤は、900〜1、100nmの領域における
赤外線吸収率が高いことが好ましく、酸化鉄、酸化セリ
ウム、酸化スズ、酸化アンチモンなどの金属酸化物、ま
たはインジウム−スズ酸化物(以下ITO)、六塩化タ
ングステン、塩化スズ、硫化第二銅、クロム−コバルト
錯塩、チオール−ニッケル錯体またはアミニウム化合
物、ジイモニウム化合物(日本化薬株式会社製)などの
有機系赤外線吸収剤などを上記した接着剤層、プラスチ
ックフィルム、プラスチック板中に含有させたり、バイ
ンダー樹脂中に分散させた組成物をプラスチックの一面
に塗布して使用することができる。これらの赤外線吸収
性化合物のうち、最も効果的に赤外線を吸収する効果が
あるのは、硫化第二銅、ITO、アミニウム化合物、ジ
イモニウム化合物などの有機系赤外線吸収剤である。こ
こで注意すべきことはこれらの化合物の一次粒子の粒径
である。粒径が赤外線の波長より大きすぎると遮蔽効率
は向上するが、粒子表面で乱反射が起き、ヘイズが増大
するため透明性が低下する。一方、粒径が赤外線の波長
に比べて小さすぎると遮蔽効果が低下する。好ましい粒
径は0.01〜5μmで0.1〜3μmがさらに好まし
い。赤外線吸収剤は、接着剤層の接着剤やバインダー樹
脂中に均一に分散される。その配合の最適量は、接着剤
やバインダー樹脂100重量部に対して赤外線吸収剤が
0.01〜10重量部であるが、0.1〜5重量部がさ
らに好ましい。0.01重量部未満では赤外線遮蔽効果
が少なく、10重量部を超えると透明性が損なわれる。
バインダー樹脂組成物の場合は、プラスチックフィルム
の少なくともいずれかの面に0.1〜10μmの厚さで
塗布される。塗布された、赤外線吸収剤を含む組成物は
熱やUVを使用し硬化させてもよい。バインダー樹脂の
上に接着剤層を形成することもできる。赤外線吸収剤
は、接着剤層となる接着剤組成物に直接混合して使用す
ることが製造上簡易であり好ましい。
【0034】
【実施例】次に実施例に於いて本発明を具体的に述べる
が、本発明はこれに限定されるものではない。 <電磁波シールド性接着フィルム作製例1>プラスチッ
クフィルムとして厚さ50μmの防眩処理を施したポリ
エチレンテレフタレートフィルム(ダイアハードEX-
205;麗光株式会社製商品名)を用い、その上に接着
層となる厚み20μmの後述する接着剤組成物を介して
導電性金属である厚さ18μmの電解銅箔を、その粗化
面が接着剤側になるようにして、180℃、30kgf
/cmの条件で加熱ラミネートして接着させ銅箔付きP
ETフィルムを得た。幾何学図形と幾何学図形の外周に
幅10mmの額縁部となるようにしたネガフィルムを用
いて、得られた銅箔付きPETフィルムにフォトリソ工
程(レジストフィルム貼付け−露光−現像−ケミカルエ
ッチング−レジストフィルム剥離)を経て、ライン幅2
5μm、ライン間隔250μmの額縁部を有する銅格子
パターンをPETフィルム上に形成し、その後、亜塩素
酸ナトリウム31g/l、リン酸三ナトリウム12g/
l、水酸化ナトリウム15g/lの水溶液中、95℃2
分間処理することにより銅の表面を黒化処理して電磁波
シールド性接着フィルム1を得た(図1(b)の構
成)。
【0035】<電磁波シールド性接着フィルム作製例2
>電磁波シールド性接着フィルム1の額縁部を、PET
フィルム側から、IMPACT L500(住友重機械
工業株式会社製商品名)を用いて、電圧20kV、周波
数150Hz、スキャンスピード200mm/minの
条件でレーザ加工を行い、額縁部のPETフィルム及び
接着剤層を除去し、電磁波シールド性接着フィルム2を
得た(図1(c)の構成)。
【0036】<電磁波シールド性接着フィルム作製例3
>反射防止処理を施したPETフィルム(リアルック1
300;日本油脂株式会社製商品名、厚み50μm)の
反射防止処理を施していない面に、電磁波シールド性接
着フィルム作製例1で使用した接着剤組成物を用いて乾
燥塗布厚が20μmになるように塗布して作製した接着
フィルムを、電磁波シールド性接着フィルム1の幾何学
図形の上に、額縁部を全て覆わないように、180℃、
30kgf/cmの条件で加熱ラミネートして接着さ
せ、電磁波シールド性接着フィルム3を得た(図1
(d)の構成)。
【0037】<電磁波シールド性接着フィルム作製例4
>厚さ25μmの透明PETフィルム上に後述する厚み
30μmの接着剤層となる接着剤組成物を介して厚さ2
5μmのアルミ箔を接着させた。このアルミ箔付きPE
Tフィルムの外周に幅30mmの額縁部となるようにし
たネガフィルムを用いて電磁波シールド性接着フィルム
作製例1と同様のフォトリソ工程を経て、ライン幅25
μm、ライン間隔250μm、額縁部30mmを有するア
ルミ格子パターンをPETフィルム上に形成し、額縁部
をPETフィルム側に折り畳んで電磁波シールド性接着
フィルム4を得た(図1(e)の構成)。
【0038】<電磁波シールド性接着フィルム作製例5
>厚さ50μmのPETフィルム上に、マスク層を用い
て無電解ニッケルめっきを格子状に形成することにより
ライン幅12μm、ライン間隔500μm、厚み2μm
のニッケル格子パターンをPETフィルム上に作製し
て、幾何学図形を有する面の外周に導電性テープ(CH
O-FOIL CCH;太陽金網株式会社製商品名)を幅
15mmで貼り付け額縁部を形成し、電磁波シールド性
接着フィルム5を得た(図1(f)の構成)。
【0039】<電磁波シールド性接着フィルム作製例6
>電磁波シールド性接着フィルム作製例1で得た銅箔付
きPETフィルムに幾何学図形だけを有するネガフィル
ムを用いて、電磁波シールド接着フィルム作製例1と同
様のフォトリソ工程を経て、ライン幅25μm、ライン
間隔250μmの銅格子パターンをPETフィルム上に
形成し、幾何学図形を有する面の外周に、ポリウレタン
フォームを基体骨格とした発泡金属銅(日立化成工業工
業株式会社製、厚み5mm)を室温、5kgf/cm2
の圧力で、幅15mmに貼り付けて額縁部を形成し、電
磁波シールド性接着フィルム6を得た(図1(g)の構
成)。
【0040】<接着剤組成物>500cm3の三つ口フ
ラスコにトルエン200cm3、メタクリル酸メチル
(MMA)50g、メタクリル酸エチル(EA)5g、ア
クリルアミド(AM)2g、AIBN250mgを入れ、
窒素でバブリングさせながら100℃で3時間、還流中
で攪拌を行った。メタノールで再沈殿させて得られたポ
リマーをろ過後、減圧乾燥して得られたポリアクリル酸
エステルの収率は75%であった。これを接着剤組成物
の主成分とした。 ポリアクリル酸エステル(MMA/EA/AM=88/9/3、
Mw=70万) 100重量部トルエン 450重量部酢酸エチル 10重
量部
【0041】<赤外線遮蔽層をなす組成物>バイロンU
R―1400(東洋紡績株式会社製商品名;飽和ポリエ
ステル樹脂、Mn=4万) 100重量部IRG―022
(赤外線吸収剤:日本化薬株式会社製商品名;アミニウ
ム化合物) 1.2重量部MEK 285重量部シクロヘ
キサノン5重量部
【0042】(実施例1)反射防止処理を施したPET
フィルム(リアルック1300;日本油脂株式会社製商
品名)の反射防止処理が施されていない面に上述の赤外
線遮蔽層をなす組成物を乾燥塗布厚が10μmとなるよ
うに塗布して得た赤外線遮蔽性を有する接着フィルムの
接着剤面と、電磁波シールド性接着フィルム2の幾何学
図形の描かれている面を、市販のアクリル板(コモグラ
ス;株式会社クラレ製、厚み3mm)に、110℃、3
0kgf/cm2、30分の条件で熱プレス機を使って
加熱圧着して得られた電磁波遮蔽構成体を実施例1とし
た(図2(b)の構成)。
【0043】(実施例2)電磁波シールド性接着フィル
ム1の幾何学図形の描かれていないPETフィルム側に
上記の接着剤組成物を乾燥塗布厚が10μmとなるよう
に塗布した面と、反射防止処理を施したPETフィルム
(リアルック1300;日本油脂株式会社製商品名)の
反射防止処理が施されていない面に上述の赤外線遮蔽層
をなす組成物を乾燥塗布厚が10μmとなるように塗布
して得た赤外線遮蔽性を有する接着フィルムの接着剤面
とをロールラミネータを使用し、市販のアクリル板(コ
モグラス;株式会社クラレ製商品名、厚み3mm)に、
110℃、20Kgf/cm2の条件で加熱圧着して得
られた電磁波遮蔽構成体を実施例2とした(図2(c)
の構成)。
【0044】(実施例3)電磁波シールド性接着フィル
ム5を用いた以外は全て実施例2と同様にして得た電磁
波遮蔽構成体を実施例3とした(図2(d)の構成)。
【0045】(実施例4)電磁波シールド性接着フィル
ム6を用いた以外は全て実施例2と同様にして得た電磁
波遮蔽構成体を実施例4とした(図2(e)の構成)。
【0046】(実施例5)実施例1で得た電磁波遮蔽構
成体の額縁部及びアクリル板の側部及び赤外線遮蔽層を
形成したフィルムを幅23mmの導電性テープ(CHO
-FOIL CCH;太陽金網株式会社製商品名)で枠状
に覆って得られた電磁波遮蔽構成体を実施例5とした
(図3(b))。
【0047】(実施例6)導電性テープの代りに三次元
網目構造体である幅23mm、厚み5mmのポリウレタ
ンフォームを基体骨格とした発泡金属銅(日立化成工業
株式会社製)を、実施例1で得た電磁波遮蔽構成体の額
縁部及びアクリル板の側部及び赤外線遮蔽層を形成した
フィルムを枠状に覆い、常温、5kgf/cm2で、圧
着して得た電磁波遮蔽構成体を実施例6とした。
【0048】(実施例7)実施例5の導電性テープを、
額縁部の金属を5mm露出させるように覆った以外は全
て実施例5と同様にして得た電磁波遮蔽構成体を実施例
7とした(図3(c))。
【0049】(実施例8)実施例5の導電性テープを、
額縁部とアクリル板の側部だけを覆うように貼り付けて
得た電磁波遮蔽構成体を実施例8とした(図3
(d))。
【0050】(実施例9)実施例2で得た電磁波遮蔽構
成体を用い、電磁波遮蔽構成体の額縁部及びアクリル板
の側部及び赤外線遮蔽層を形成したフィルムを幅23m
mの導電性テープ(CHO-FOIL CCH;太陽金網
株式会社製商品名)で枠状に覆って得られた電磁波遮蔽
構成体を実施例9とした(図3(e))。
【0051】(実施例10)電磁波シールド性接着フィ
ルム3を用いた以外は全て実施例9と同様にして得た電
磁波遮蔽構成体を実施例10とした(図3(f))。
【0052】(実施例11)電磁波シールド性接着フィ
ルム4を用いた以外は全て実施例5と同様にして得た電
磁波遮蔽構成体を実施例11とした(図3(g))。
【0053】(実施例12)ライン幅を25μmから3
5μmにした以外は全て実施例5と同様にして得た電磁
波遮蔽構成体を実施例12とした。
【0054】(実施例13)ライン幅を25μmから1
2μmにし全て実施例5と同様にして得た電磁波遮蔽構
成体を実施例13とした。
【0055】(実施例14)ライン間隔を250μmか
ら500μmにした以外は全て実施例5と同様にして得
た電磁波遮蔽構成体を実施例14とした。
【0056】(実施例15)ライン間隔を250μmか
ら150μmにした以外は全て実施例5と同様にして得
た電磁波遮蔽構成体を実施例15とした。
【0057】(実施例16)電磁波シールド性接着フィ
ルム作製例2で形成した格子パターンの代わりに正三角
形の繰り返しパターンを作製した以外は全て実施例5と
同様にして得た電磁波遮蔽構成体を実施例16とした。
なお、正三角形は、図4(a)に示すものとした。
【0058】(実施例17)電磁波シールド性接着フィ
ルム作製例2で形成した格子パターンの代わりに正八角
形と正方形よりなる繰り返しパターンを作製した以外は
全て実施例5と同様にして得た電磁波遮蔽構成体を実施
例17とした。なお、正八角形と正方形の繰り返しパタ
ーンは、図4(b)に示すものとした。
【0059】(比較例1)銅箔の代わりにITO膜を
2、000Å全面蒸着させたITO蒸着PETを使い、
パターンを形成しないで、蒸着面と反対面のフィルムに
厚み5μmの接着剤組成物を塗布して、市販のアクリル
板(コモグラス;株式会社クラレ製、厚み3mm)に、
110℃、30kgf/cm2、30分の条件で熱プレ
ス機を使って加熱圧着して得られた電磁波遮蔽構成体の
額縁部及びアクリル板の側部と周辺部を幅23mmの導
電性テープ(CHO-FOIL CCH;太陽金網株式会
社製商品名)で枠状に覆って得られた電磁波遮蔽構成体
を比較例1とした。
【0060】(比較例2)比較例1と同様にITOに代
えて全面アルミ蒸着(200Å)したままパターンを形
成しないで、蒸着面と反対面のフィルムに厚み5μmの
接着剤組成物を塗布して、比較例1と同様にして得た電
磁波遮蔽構成体を比較例2とした。
【0061】(比較例3)電磁波シールド性接着フィル
ム作製例1で得た銅箔付きPETフィルムに幾何学図形
だけを有するネガフィルムを用いた以外は全て実施例2
と同様にして得た電磁波遮蔽構成体を比較例3とした。
【0062】以上のようにして得られた電磁波遮蔽構成
体のメッシュの開口率、電磁波シールド性、可視光透過
率、非視認性、赤外線遮蔽率、接着力を測定した。その
結果を表1、表2に示した。
【0063】なお電磁波シールド性は、スペクトラムア
ナライザー MS2601B、標準信号発生器 MG36
02B、測定用セルMA8602B(以上株式会社アド
バンテスト製商品名)を用いて周波数範囲10MHz〜
1GHzの間の電磁波シールド性を測定し、100MH
zと1GHzの値を代表値として示した。可視光透過率
の測定は、ダブルビーム分光光度計(株式会社日立製作
所、200−10型)を用いて、400〜700nmの
領域の透過率の平均値を用いた。非視認性は、アクリル
板に電磁波シールド性接着フィルムを貼り付けた電磁波
遮蔽構成体を0.5m離れた場所から目視して導電性金
属で形成された幾何学図形を認識できるかどうかで評価
し、認識できないものを良好とし、認識できるものをN
Gとした。赤外線遮蔽率の測定は、ダブルビーム分光光
度計(株式会社日立製作所、U−3410)を用いて、
900〜1、100nmの領域の赤外線遮蔽率の平均値
を用いた。接着力は、引張試験機(東洋ボールドウィン
株式会社製商品名、テンシロンUTM-4−100)を
使用し、幅10mm、90°方向、剥離速度50mm/
分で測定した。
【0064】
【表1】
【0065】
【表2】
【0066】本発明の導電性金属で描かれた幾何学図形
を有し、かつ、導電性金属で描かれた幾何学図形の外周
に幾何学図形と電気的に接続した導電性の額縁部を有す
る実施例は、額縁部を有さない比較例3より電磁波シー
ルド性に優れる。また、実施例中において、図2
(b)、(c)、(d)、(e)の構成にそれぞれ相当
する実施例1、2、3、4は、電磁波シールド性が35
〜42dB程度であるが、枠体を設けた図3に示す構成
の実施例5〜11は、開口率、可視光透過率が同程度で
電磁波シールド性が42〜52dBとシールド効果に優
れる。実施例12の幾何学図形のライン幅を25μm
(実施例5)から35μmにすると開口率が81%から
74%に低下し、可視光透過率も62%から56%に低
下してくるが導電性金属の面積が増える分電磁波シール
ド性が向上する。同様に実施例13は、ライン幅を25
μm(実施例5)から12μmにすると開口率が81%
から91%に増加し、可視光透過率も62%から70%
に増加してくるが導電性金属の面積が減る分電磁波シー
ルド性が低下する。実施例14は、ライン間隔を250
μm(実施例5)から500μmにした場合であるが、
開口率、光線透過率が向上するが、電磁波シールド性
は、低下する。同様に実施例15は、ライン間隔を25
0μm(実施例5)から125μmとした場合であり、
開口率、光線透過率は低下し、電磁波シールド性は向上
する。このように、導電性金属で描かれたライン幅やラ
イン間隔を変化させることにより、その傾向を示した
が、電磁波シールド性接着フィルムの幾何学図形は、ラ
イン幅が40μm以下、ライン間隔が100μm以上、
ライン厚みが40μm以下の導電性金属が好ましい値を
示した。比較例1、2は、ITOやAlを蒸着した場合
であるが、電磁波シールド性に劣る。本発明は、図2に
示すように、導電性金属で描かれた幾何学図形を有し、
かつ、導電性金属で描かれた幾何学図形の外周に幾何学
図形と電気的に接続した導電性の額縁部を有することに
より電磁波シールド性に優れ、また、図3に示すように
額縁部を枠体を覆うことにより、さらに電磁波シールド
性が向上する。
【0067】
【発明の効果】本発明で得られる電磁波シールド性接着
フィルムは実施例からも明らかなように、接地のための
外部電極との接触面積を増大させ、接地のための外部電
極との接続を良好にし、被着体に容易に貼付けて使用で
き、しかも密着性が優れているので電磁波漏れがなく広
周波数帯域にわたってシールド機能が特に良好である。
また可視光透過率、非視認性などの光学的特性が良好
で、しかも長時間にわたって高温での接着特性に変化が
少なく良好であり、優れた電磁波シールド性接着フィル
ムを提供することができる。請求項2に記載の額縁部が
導電性金属付きプラスチックフィルムの導電性金属で形
成されていることにより、導電性金属で描かれた幾何学
図形と幾何学図形の外周に位置する導電性の額縁部の接
触抵抗を小さくすることができ電磁波シールド性に優れ
る。請求項3に記載の導電性の額縁部の少なくとも一部
を露出させることにより、プラスチックフィルム面側か
ら接地できる電磁波シールド性接着フィルムを提供する
ことができ接続が容易にできる。請求項4に記載の接着
剤層とプラスチックフィルムの一部または全部を除去す
るのにレーザーを用いて形成させることにより、加工
性、量産性に優れ、かつ、ドライ工程であるので工程が
簡略にできる。請求項5に記載の導電性の額縁部を支持
する接着剤層とプラスチックフィルムを除去し少なくと
も額縁部の一部を露出させるため、接着剤層とプラスチ
ックフィルムの一部または全部をサンドブラストを用い
て形成させるため、加工性、量産性に優れる。
【0068】請求項6に記載の幾何学図形の部分及び額
縁部のすくなくとも一部に接着剤層を介して透明層を設
けることにより、幾何学図形を保護することができる。
請求項7に記載の導電性金属付きプラスチックフィルム
のプラスチックフィルム側に導電性の額縁部を折り曲げ
て、プラスチックフィルム側に額縁部の導電性金属を露
出させることにより、簡易な方法により接地のための外
部電極との接続を良好にすることができる。請求項8に
記載の幾何学図形の外周に導電性テープを貼り付けて額
縁部を形成することにより、接地のための外部電極との
接触面積を増大させ、接地のための外部電極との接続を
良好にすることができる。請求項9に記載の幾何学図形
の外周に導電性の3次元網目構造体を形成して額縁部と
することにより、接地のための外部電極との接触面積を
増大させ、接地のための外部電極との接続を良好にする
ことができる。請求項10に記載の額縁部の幅を1〜4
0mmの範囲とすることにより、接地のための外部電極
と良好な接続をすることができる。
【0069】請求項11に記載のプラスチックフィルム
の表面に接着剤層を介して導電性金属を設けた導電性金
属付きプラスチックフィルムの導電性金属で形成された
幾何学図形をマイクロリソグラフ法により形成すること
により、加工性に優れた電磁波シ−ルド性接着フィルム
を提供することができる。請求項12に記載の導電性材
料を銅として、少なくともその表面が黒化処理されてい
ることにより、退色性が小さく、コントラストの大きい
電磁波シールド性接着フィルムを提供することができ
る。請求項13に記載のプラスチックフィルムをポリエ
チレンテレフタレートフィルムまたはポリカーボネート
フィルムとすることにより、透明性、安価、耐熱性良好
で取り扱い性に優れた電磁波シールド性と赤外線遮蔽性
を有する電磁波シールド性接着フィルムを提供すること
ができる。請求項14に記載の導電性金属で描かれた幾
何学図形のライン幅を40μm以下、ライン間隔を10
0μm以上、ライン厚さを40μm以下とすることによ
り、透明性と非視認性に優れた電磁波シールド性接着フ
ィルムを提供することができる。請求項15に記載の導
電性金属の厚みが0.5〜40μmの銅、アルミニウム
またはニッケルを使用することにより、加工性や密着性
に優れ、安価な電磁波シールド性と非視認性を有する電
磁波シールド性接着フィルムを提供することができる。
請求項16に記載の電磁波シールド性接着フィルムを構
成するいずれかの層に赤外線吸収剤を含有させることに
より、赤外線遮蔽性を有する電磁波シールド性接着フィ
ルムを提供することができる。
【0070】請求項17に記載のプラスチック板の少な
くとも片面に前記の電磁波シールド性接着フィルムを設
けたことにより、透明性と非視認性に優れ、反りが少な
い電磁波遮蔽構成体を提供することができる。請求項1
8に記載のプラスチック板の片面に前記の電磁波シール
ド性接着フィルムの導電性幾何学図形の描かれている面
を接着剤層を介してプラスチック板に設け、他面に接着
剤層を介してプラスチックフィルムを設けたことによ
り、透明性と非視認性に優れ、反りが少ない電磁波遮蔽
構成体を提供することができる。請求項19に記載のプ
ラスチック板の片面に前記の電磁波シールド性接着フィ
ルムを設け、その導電性の額縁部を折り曲げるように変
形させ、額縁部がプラスチック板の反対面に達するよう
にした電磁波遮蔽構成体とすることにより、透明性と非
視認性に優れ、反りが少ない電磁波遮蔽構成体を提供す
ることができる。請求項20に記載の電磁波遮蔽構成体
の電磁波シールド性接着フィルムの額縁部の一部に導電
性テープを貼り付けた電磁波遮蔽構成体とすることによ
り、接地のための外部電極との良好な接触による電磁波
漏洩の低減、簡易な取り付け、優れた美観をもつ電磁波
遮蔽構成体を提供することができる。請求項21に記載
の電磁波遮蔽構成体の電磁波シールド性接着フィルムの
少なくとも額縁部に導電性の3次元網目構造体が接して
いる電磁波遮蔽構成体とすることにより、接地のための
外部電極との良好な接触による電磁波漏洩の低減、簡易
な取り付け、優れた美観をもつ電磁波遮蔽構成体を提供
することができる。請求項22に記載の電磁波遮蔽構成
体を構成する電磁波シールド性接着フィルム、プラスチ
ック板、プラスチックフィルムまたは接着剤層のすくな
くともいずれかに赤外線吸収剤を含有する電磁波遮蔽構
成体とすることにより、電磁波シールド性と赤外線遮蔽
性を有する電磁波遮蔽構成体を提供することができる。
請求項23に記載のプラスチック板に設けた電磁波シー
ルド性接着フィルムのプラスチックフィルムまたはプラ
スチック板若しくはプラスチックフィルム表面に防眩処
理または反射防止処理が施されている電磁波遮蔽構成体
とすることにより、電磁波遮蔽構成体に防眩性または反
射防止性を付与させることができる。請求項24に記載
の電磁波遮蔽構成体の周辺部に額縁部と接するように枠
体を設けた電磁波遮蔽構成体とすることにより、電磁波
の漏れを防止し、電磁波シールド性に優れ、美観の向上
した電磁波遮蔽構成体を提供することができる。
【0071】請求項25に記載の電磁波シールド性接着
フィルムをディスプレイに用いることにより、電磁波シ
ールド性と透明性を有し、電磁波の漏洩を低減し、赤外
線遮蔽性に優れ、接地のための外部電極と良好に接続す
ることができるディスプレイを提供することができる。
請求項26に記載の電磁波遮蔽構成体をディスプレイに
用いることにより、電磁波シールド性と透明性を有し、
電磁波の漏洩を低減し、赤外線遮蔽性に優れ、接地のた
めの外部電極と良好に接続することができるディスプレ
イを提供することができる。本発明の電磁波シールド性
接着フィルム及び電磁波遮蔽構成体は、電磁波シールド
性や透明性に優れているため、ディスプレイの他に電磁
波を発生したり、あるいは電磁波から保護する測定装
置、測定機器や製造装置の内部をのぞく窓や筐体、特に
透明性を要求される窓のような部位に設けて使用するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電磁波シールド性接着フィルムを示
し、(a)は、電磁波シールド性接着フィルムの正面
図、(b)〜(g)は断面図を示す。
【図2】 本発明の電磁波遮蔽構成体を示し、(a)は
射視図、(b)〜(e)は断面図を示す。
【図3】 本発明の電磁波遮蔽構成体を示し、(a)は
射視図、(b)〜(g)は断面図を示す。
【図4】 (a)、(b)は、本発明の導電性金属で描
かれた幾何学図形の説明図。
【符号の説明】
1 導電性の額縁部 2 導電性金属で描かれた幾何学図形 3 プラスチックフィルム 4 接着剤層 5 透明層 6 導電性材料 7 導電性の3次元網目構造体 8 電磁波シールド性接着フィルム 10 電磁波遮蔽構成体 11 プラスチック板 12 接着剤層 13 プラスチックフィルム 21 枠体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 萩原 裕之 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館研究所内 (72)発明者 橋塲 綾 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館研究所内 Fターム(参考) 2K009 BB24 CC14 DD01 EE03 5E321 AA04 AA14 CC16 GG05 GH01 5G435 AA01 AA16 AA17 BB02 BB05 BB06 BB12 GG33 HH12

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチックフィルムに接着剤層を介し
    て構成される導電性金属付きプラスチックフィルムにお
    いて、導電性金属で描かれた幾何学図形を有し、かつ、
    導電性金属で描かれた幾何学図形の外周に前記幾何学図
    形と電気的に接続した導電性の額縁部を有することを特
    徴とする電磁波シールド性接着フィルム。
  2. 【請求項2】 導電性金属で描かれた幾何学図形と電気
    的に接続した導電性の額縁部が導電性金属付きプラスチ
    ックフィルムの導電性金属で形成されていることを特徴
    とする請求項1に記載の電磁波シールド性接着フィル
    ム。
  3. 【請求項3】 導電性金属で描かれた幾何学図形と電気
    的に接続した導電性の額縁部の少なくとも一部が露出し
    ていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載
    の電磁波シールド性接着フィルム。
  4. 【請求項4】 レーザにより導電性の額縁部を支持する
    接着剤層とプラスチックフィルムを除去し少なくともそ
    の額縁部の一部を露出させたことを特徴とする請求項1
    ないし請求項3のいずれかに記載の電磁波シールド性接
    着フィルム。
  5. 【請求項5】 サンドブラストにより導電性の額縁部を
    支持する接着剤層とプラスチックフィルムを除去し少な
    くともその額縁部の一部を露出させたことを特徴とする
    請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の電磁波シー
    ルド性接着フィルム。
  6. 【請求項6】 導電性金属で描かれた幾何学図形と電気
    的に接続した導電性の額縁部が導電性金属付きプラスチ
    ックフィルムの導電性金属で形成され、幾何学図形の部
    分及び額縁部の一部に接着剤層を介して透明層を設けた
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに
    記載の電磁波シールド性接着フィルム。
  7. 【請求項7】 導電性金属で描かれた幾何学図形と電気
    的に接続した導電性の額縁部が導電性金属付きプラスチ
    ックフィルムの導電性金属で形成され、額縁部をプラス
    チックフィルム側に折り曲げて、プラスチックフィルム
    側に額縁部の導電性金属を露出させたことを特徴とする
    請求項1または請求項2に記載の電磁波シールド性接着
    フィルム。
  8. 【請求項8】 導電性金属で描かれた幾何学図形と電気
    的に接続した導電性の額縁部が幾何学図形の外周に形成
    した導電性テープである請求項1に記載の電磁波シール
    ド性接着フィルム。
  9. 【請求項9】 導電性金属で描かれた幾何学図形と電気
    的に接続した導電性の額縁部が幾何学図形の外周に形成
    した導電性の3次元網目構造体である請求項1に記載の
    電磁波シールド性接着フィルム。
  10. 【請求項10】 導電性金属で描かれた幾何学図形と電
    気的に接続されている導電性の額縁部の幅が1〜40m
    mである請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の電
    磁波シールド性接着フィルム。
  11. 【請求項11】 導電性金属で描かれた幾何学図形がマ
    イクロリソグラフ法により形成されることを特徴とする
    請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の電磁波シ
    ールド性接着フィルム。
  12. 【請求項12】 導電性金属が銅であり、少なくともそ
    の表面が黒化処理されていることを特徴とする請求項1
    ないし請求項11のいずれかに記載の電磁波シールド性
    接着フィルム。
  13. 【請求項13】 導電性金属付きプラスチックフィルム
    のプラスチックフィルムがポリエチレンテレフタレート
    フィルムまたはポリカーボネートフィルムである請求項
    1ないし請求項12のいずれかに記載の電磁波シールド
    性接着フィルム。
  14. 【請求項14】 導電性金属で描かれた幾何学図形のラ
    イン幅が40μm以下、ライン間隔が100μm以上、
    ライン厚さが40μm以下である請求項1ないし請求項
    13のいずれかに記載の電磁波シールド性接着フィル
    ム。
  15. 【請求項15】 導電性金属付きプラスチックフィルム
    の導電性金属が、厚さ0.5〜40μmの銅、アルミニ
    ウムまたはニッケルである請求項1ないし請求項14の
    いずれかに記載の電磁波シールド性接着フィルム。
  16. 【請求項16】 電磁波シールド性接着フィルムを構成
    するいずれかの層に赤外線吸収剤が含有されていること
    を特徴とする請求項1ないし請求項15のいずれかに記
    載の電磁波シールド性接着フィルム。
  17. 【請求項17】 プラスチック板の少なくとも片面に請
    求項1ないし請求項16のいずれかに記載の電磁波シー
    ルド性接着フィルムを設けた電磁波遮蔽構成体。
  18. 【請求項18】 プラスチック板の片面に請求項1ない
    し請求項16のいずれかに記載の電磁波シールド性接着
    フィルムを設け、他面にプラスチックフィルムを設けた
    電磁波遮蔽構成体。
  19. 【請求項19】 プラスチック板の片面に請求項1ない
    し請求項16のいずれかに記載の電磁波シールド性接着
    フィルムを設け、その導電性の額縁部がプラスチック板
    の反対面に達するようにしたことを特徴とする電磁波遮
    蔽構成体。
  20. 【請求項20】 請求項17または請求項18に記載の
    電磁波遮蔽構成体の電磁波シールド性接着フィルムの導
    電性の額縁部の一部に導電性テープを貼り付けた電磁波
    遮蔽構成体。
  21. 【請求項21】 請求項17または請求項18に記載の
    電磁波遮蔽構成体の電磁波シールド性接着フィルムの少
    なくとも額縁部に導電性の3次元網目構造体が接してい
    る電磁波遮蔽構成体。
  22. 【請求項22】 電磁波遮蔽構成体を構成する電磁波シ
    ールド性接着フィルム、プラスチック板、プラスチック
    フィルムまたは接着剤層のすくなくともいずれかに赤外
    線吸収剤を含有することを特徴とする請求項17ないし
    請求項21のいずれかに記載の電磁波遮蔽構成体。
  23. 【請求項23】 プラスチック板に設けた電磁波シール
    ド性接着フィルムのプラスチックフィルムまたはプラス
    チック板若しくはプラスチックフィルム表面に、防眩処
    理または反射防止処理が施されていることを特徴とする
    請求項17ないし請求項22のいずれかに記載の電磁波
    遮蔽構成体。
  24. 【請求項24】 請求項17ないし請求項23のいずれ
    かに記載の電磁波遮蔽構成体の周辺部に額縁部と接する
    ように枠体を設けたことを特徴とする電磁波遮蔽構成
    体。
  25. 【請求項25】 請求項1ないし請求項16のいずれか
    に記載の電磁波シールド性接着フィルムを用いたディス
    プレイ。
  26. 【請求項26】 請求項17ないし請求項24のいずれ
    かに記載の電磁波遮蔽構成体を用いたディスプレイ。
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