JP2003015244A - ハロゲン化銀写真乳剤 - Google Patents

ハロゲン化銀写真乳剤

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JP2003015244A JP2001284050A JP2001284050A JP2003015244A JP 2003015244 A JP2003015244 A JP 2003015244A JP 2001284050 A JP2001284050 A JP 2001284050A JP 2001284050 A JP2001284050 A JP 2001284050A JP 2003015244 A JP2003015244 A JP 2003015244A
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Ryoji Nishimura
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高感度で、保存性ならびに現像処理依存性に
優れ、外的な圧力負荷による写真性劣化耐性に優れたハ
ロゲン化銀写真乳剤を提供すること。 【解決手段】 全投影面積の70%以上が下記(i)か
ら(iv)を満たすハロゲン化銀粒子で占められているこ
とを特徴とするハロゲン化銀写真乳剤。 (i)(111)面を主表面とする沃塩臭化銀平板粒子 (ii)円相当径3.0μm以上 (iii)少なくとも一つのコーナー部にエピタキシャル
接合を有する (iv)エピタキシャル部に少なくとも1本の転位線を有
する

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ハロゲン化銀写真
乳剤に関するものであり、更に詳しくは、高感度で保存
性ならびに現像処理依存性に優れ、外的な圧力負荷によ
る写真性能変化の少ないハロゲン化銀写真乳剤に関する
ものである。 【0002】 【従来の技術】ハロゲン化銀カラー写真感光材料は、近
年、高感度でかつ高画質を両立させたレンズ付きフィル
ム「写ルンです800」の発売以来、高感度領域でのフ
ィルムの常用化が確実に浸透してきている。 【0003】このようなフィルムの高感度化は、暗い室
内でのストロボを使用しない撮影、スポーツ写真等の望
遠レンズを使用した高速シャッターでの撮影、天文写真
などの長時間露光を必要とする撮影など、感光材料にお
ける撮影領域の拡大を可能にし、その結果、ユーザーに
対する多大なメリットをもたらすことになる。よって、
フィルムの高感度化は当業界に課せられた永遠のテーマ
の一つである。 【0004】かつての高感度フィルムは、高感度を追求
するあまり、ユーザーが我慢の限界をはるかに越えるよ
うな低画質なフィルムしか提供できないような状況にあ
ったことから、ユーザーは感度もしくは画質の二者択一
を迫られ、結果的に感度よりも画質を選択せざるを得な
かった。 【0005】感光材料の高感度化のためには、感光素子
であるハロゲン化銀粒子のサイズを増加し、更に他の高
感度化技術と併用するのが当業界での常套手段となって
いる。 【0006】ハロゲン化銀の粒子サイズを増加させる
と、ある程度までは感度が上昇するが、ハロゲン化銀の
含有量を一定にしている限り、必然的にハロゲン化銀粒
子数の減少すなわち現像開始点の数が減少し、粒状性が
大きく損なわれるという欠点を有する。 【0007】高感度のハロゲン化銀写真感光材料を得る
ために平板状ハロゲン化銀粒子(以下、「平板粒子とい
う。」)を用いることは一般に良く知られている。これ
ら平板粒子の増感法としてエピタキシャル接合を用いた
増感法が特開昭58−108526ならびに59−13
3540号に開示されている。さらに、厚みがより薄い
または円相当径がより大きい平板粒子への適用について
特開平8−69069、8−101472、8−101
474、8−101475、8−171162、8−1
71163、8−101473、8−101476、9
−211762、9−211763号、米国特許第5,
612,176号、同第5,614,359号、同第
5,629,144号、同第5,631,126号、同
第5,691,127号、同5,726,007号に開
示されている。 【0008】しかしながら、塩化銀を主構成元素として
用いるエピタキシャル増感方法は沃臭化銀を基本構成要
素として組み立てられた撮影用感光材料においては基本
的に不安定である。その理由は塩化銀の溶解度積が臭化
銀および沃化銀の溶解度積よりも大きく、容易にハロゲ
ン変換を受けることに起因する。そのためにエピタキシ
ャル乳剤を用いた感光材料は保存時に感度の低下もしく
はかぶりの上昇という問題を引き起こす。さらにはエピ
タキシャル部位の不安定な溶解性のために現像処理時の
KBr量の変動により大きく写真性能が動くという問題
点を有している。そのために、一般の撮影用感光感材へ
の使用に対して汎用化できない。 【0009】このように、塩化銀を主構成元素として用
いるエピタキシャル増感方法の保存安定性及び処理安定
性の改良は写真感材が日々進歩する中でますます重要に
なっており、これらの性能が優れた高感度写真乳剤の開
発が望まれている。 【0010】一方で、この平板状粒子という特異的形状
であるが故に、幾つかの新たな副作用が存在することも
事実である。その一例として外的な応力(圧力)に対す
る写真性能の劣化が挙げられる。一般にハロゲン化銀乳
剤を塗布した写真感材には様々な機械的な圧力が負荷さ
れる。例えば、一般写真用ネガフィルムは、パトローネ
に巻き込まれたり、カメラに装填する際に折り曲げられ
たり、コマ送りの為に引っ張られたりする。更には、露
光済みのネガフィルムは現像の為に処理工程を通さねば
ならず、その際に処理機によっては膨潤状態で乳剤面が
押されたりする場合もある。 【0011】このように、写真感材に様々な圧力が負荷
されるとハロゲン化銀粒子の保持体(バインダー)であ
るゼラチンや支持体であるプラスチックフィルムを媒体
としてハロゲン化銀粒子にも圧力が負荷される。ハロゲ
ン化銀粒子に圧力が負荷されると写真感材の写真性に変
化が生じることが知られている。例えば、K.B.Mother,
J.Opt.Soc.Am.,38, 1054(1948)、P.Faelens and P.de S
met, Sci. et Ind.Phot.,25,No.5,178 (1954)、 P.Fael
ens, J.Phot.Sci., 2,103 (1954)等に詳細に報告されて
いる。また、R.King and D.Ashling,J.Phot.Sci.,33,(1
985)によると、ハロゲン化銀粒子への圧力負荷により生
じた電子が表面感光中心に捕獲されて現像中心となりそ
の粒子を被らせること、また圧力負荷による塑性変形に
より生じた内部構造欠陥が電子を捕獲することにより表
面感度を減少させること、が詳細に述べられている。 【0012】写真感材に露光前または露光後に圧力が負
荷された場合、すなわちハロゲン化銀粒子に圧力が負荷
された場合に、その写真感材は各々その後の露光および
現像処理またはその後の現像処理によって感度が減少ま
たは増加する場合(圧力減感または圧力増感)がある。 【0013】このような写真感材にとって好ましくない
これらの現象に対して、これまで種々の改良がなされて
いる。例えば、特開昭50-116025号、同51-107129号に
は、ハロゲン化銀粒子形成時にイリジウム塩、タリウム
塩を添加することで圧力減感を改良する方法が開示され
ている。特開平3-136032号、同3-136033号および米国特
許第5,061,616号には、平板状ホスト乳剤にヨウ化物を
添加し、その後pAgと温度を規定して臭ヨウ化銀薄層シ
ェルを形成することによって圧力減感を改良する方法が
開示されている。また、特開平9−189974号に
は、ハロゲン化銀ホスト乳剤の周辺部を溶解した後に該
周辺部にヨウ臭化銀層を再生させてハロゲン化銀粒子を
得る方法で圧力被りおよび圧力減感を改良した技術が開
示されている。 【0014】特開平9−211762号では、絶対感度
の高い領域での更なる高感度化のために、粒子サイズの
比較的大きな領域で平板状ハロゲン化銀粒子にエピタキ
シャルを接合する検討がなされてきている。しかしなが
ら、実際に高感度または超高感度感光材料にこのような
平板状粒子を適用しようとした場合には圧力耐性が大き
な課題となり、高感度化と圧力耐性を両立する技術は存
在しえなかった。 【0015】このように、高感度または超高感度感光材
料における圧力負荷による写真性の変化に対する改良は
写真感材が日々進歩する中でますます重要になってお
り、様々な圧力負荷による写真性劣化耐性に優れた高感
度写真乳剤の開発が望まれている。 【0016】 【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
の有する課題を解決するものであり、高感度で、保存性
ならびに現像処理依存性に優れ、外的な圧力負荷による
写真性劣化耐性に優れたハロゲン化銀写真乳剤を提供す
ることを目的とする。 【0017】 【課題を解決するための手段】上記課題は、鋭意研究の
結果、下記(1)ないし(7)によって達成することが
できた。 (1) 全投影面積の70%以上が下記(i)から(i
v)を満たすハロゲン化銀粒子で占められていることを
特徴とするハロゲン化銀写真乳剤。 (i)(111)面を主表面とする沃塩臭化銀平板粒子 (ii)円相当径3.0μm以上 (iii)少なくとも一つのコーナー部にエピタキシャル
接合を有する (iv)エピタキシャル部に少なくとも1本の転位線を有
する。 【0018】(2) 前記(iv)の要件が下記(iv’)
の要件を満たすことを特徴とする(1)に記載のハロゲ
ン化銀写真乳剤。 【0019】(iv’)エピタキシャル部に網目状の転位
線を有する。 【0020】(3) 前記(iii)の要件が下記(ii
i’)の要件を満たすことを特徴とする(1)又は
(2)に記載のハロゲン化銀写真乳剤。 (iii’)全てのコーナー部にエピタキシャル接合を有
する。 【0021】(4) 全投影面積の70%以上がさらに
下記(v)の要件を満たすハロゲン化銀粒子で占められ
ていることを特徴とする(1)ないし(3)のいずれか
1項に記載のハロゲン化銀写真乳剤。 (v)平均ヨウ化銀含有率の異なる少なくとも3層から
なる構造を有する。 【0022】(5) 全投影面積の70%以上がさらに
下記(vi)及び(vii)の要件を満たすハロゲン化銀粒
子で占められていることを特徴とする(1)ないし
(4)のいずれか1項に記載のハロゲン化銀写真乳剤。 (vi)最も平均ヨウ化銀含有率の高い層の平均ヨウ化銀
含有率が5モル%以上である。 (vii)平板状ホスト粒子部の平均ヨウ化銀含有率が5
モル%以上である。 【0023】(6) 全投影面積の70%以上がさらに
下記(viii)の要件を満たすハロゲン化銀粒子で占めら
れていることを特徴とする(1)ないし(5)のいずれ
か1項に記載のハロゲン化銀写真乳剤。 (viii)前記の平板状ホスト粒子部が、前記のエピタキ
シャル部以外の領域に1粒子当たり5本以上の転位線を
含有する。 【0024】(7) 全投影面積の70%以上がさらに
下記(ix)の要件を満たすハロゲン化銀粒子で占められ
ていることを特徴とする(1)ないし(6)のいずれか
1項に記載のハロゲン化銀写真乳剤。 (ix)アスペクト比が8.0以上である。 【0025】 【発明の実施の態様】以下、本発明について更に詳細に
説明する。本発明におけるハロゲン化銀粒子は、平板状
ハロゲン化銀ホスト粒子部(以後、平板状ホスト粒子と
も呼ぶ)および該ホスト粒子部と接合したハロゲン化銀
結晶部(以後、エピタキシャルと呼ぶ)とからなる。 【0026】まず、平板状ホスト粒子について説明す
る。本発明の平板状ホスト粒子とは、2つの対向する平
行な(111)主表面を有するハロゲン化銀粒子を言
う。本発明の平板状粒子は1枚の双晶面あるいは2枚以
上の平行な双晶面を有する。双晶面とは(111)面の
両側ですべての格子点のイオンが鏡像関係にある場合に
この(111)面のことをいう。 【0027】この平板状ホスト粒子は、粒子を主表面に
対して垂直方向から見た時、三角形状、六角形状もしく
はこれらが丸みを帯びた円形状をした主表面を有してお
り、それぞれの主表面は互いに平行である。 【0028】平板状ホスト粒子の円相当径ならびに厚み
は、レプリカ法による透過電子顕微鏡写真を撮影して個
々の粒子の投影面積と等しい面積を有する円の直径(以
後、円相当径と呼ぶ)と厚みを求める。この場合、厚み
はレプリカの影(シャドー)の長さから算出する。 【0029】本発明で用いる平板状ホスト粒子であっ
て、円相当径3.0μm以上の粒子が占める割合は、全
投影面積の70%以上であり、90%以上が好ましく、
より好ましくは95%以上である。ホスト平板状粒子の
占める割合が70%未満である場合は、粒子間分布およ
び/または粒子内分布の点でコーナーに限定したエピタ
キシャル接合が困難になり、写真性能上の劣化が大きく
なる。 【0030】本発明における平板状ホスト粒子は、円相
当径で3.0μm以上である。3.0μm以上10.0
μm以下が好ましく、3.0μm以上8.0μm以下が
最も好ましい。 【0031】球相当径では1.0μm以上5.0μm以
下が好ましく、1.2μm以上3μm以下がさらに好ま
しい。ここで、球相当径とは、個々の粒子の体積と等し
い体積を有する球の直径である。 【0032】また、本発明の平板状ホスト粒子のアスペ
クト比は、8以上であることが好ましい。8以上100
以下がより好ましく、8以上60以下がさらにより好ま
しい。アスペクト比とは粒子の投影面積径をその粒子の
厚みで割った値である。 【0033】本発明の平板状ホスト粒子は単分散である
ことが好ましい。すなわち、本発明の全ハロゲン化銀粒
子の球相当径の変動係数は30%以下、好ましくは25
%以下である。 【0034】また、本発明のハロゲン化銀乳剤の写真性
能を向上するためには、平板状ホスト粒子の円相当径お
よび厚みの変動係数が重要な要因であり、化学増感の均
質性を向上させること以外にも、エピタキシャルを効率
よく接合し、1粒子当たりのエピタキシャルの単分散性
を維持するためにも特に重要である。よって、本発明に
おける平板状ホスト粒子の円相当径の変動係数は30%
以下であることが好ましく、より好ましくは25%以下
である。 【0035】また、本発明の平板状ホスト粒子の厚みの
変動係数は30%以下であることが好ましく、20%以
下がより好ましい。ここで、変動係数とは個々のハロゲ
ン化銀粒子の円相当径の分布の標準偏差を平均円相当径
で割った値、もしくは、個々のハロゲン化銀平板状粒子
の厚みの分布の標準偏差を平均厚みで割った値である。 【0036】本発明の平板状ホスト粒子は、沃臭化銀ま
たは塩沃臭化銀からなることが好ましく、粒子内部はヨ
ウ化銀含有率の異なる少なくとも3層から成ることが好
ましい。 【0037】粒子形成の工程は核形成および熟成工程と
成長工程とから成るが、各々の平均ヨウ化銀含有率を求
める場合、核形成及び熟成工程はその後に引き続き行わ
れる第一成長工程に含むこととする。よって、本発明の
平板状ホスト粒子は、少なくとも、(核形成および熟成
工程+第一成長工程)により形成される層、第二成長工
程により形成される層、第三成長工程により形成される
層からなることが好ましく、これら3つの層における平
均ヨウ化銀含有率は互いに異なることが好ましい。更に
は第四成長により形成される層、第五成長により形成さ
れる層..第n成長工程により形成される層からなって
も良い。ここで、nは、20以下が好ましい。平均ヨウ
化銀含有率の最も高い層に使用される銀量は、平板状ホ
スト粒子の全銀量に対して1%以上99%以下であり、
好ましくは5%以上95%以下である。 【0038】本発明の場合、第一成長から第n成長まで
の平均ヨウ化銀含有率の大小の順番は特に制限されない
が、平均ヨウ化銀含有率の最も高い成長層の平均ヨウ化
銀含有率は2モル%以上であり、その上限は40モル%
以下であることが好ましく、さらに好ましくは5モル%
以上30モル%以下である。 【0039】本発明の平板状ホスト粒子の平均ヨウ化銀
含有率は1モル%以上であり、好ましくは2モル%以上2
0モル%以下であり、より好ましくは5モル%以上15
モル%以下である。塩化銀含有量は1モル%以上6モル
%以下が好ましく、より好ましくは2モル%以上5モル
%以下である。 【0040】ただし、本発明の平均ヨウ化銀含有率の最
も高い層およびその平均ヨウ化銀含有率、平板状ホスト
粒子の平均ヨウ化銀含有率に関しては、あくまでも平板
状ホスト粒子のみに及ぶものであり、エピタキシャル接
合の操作の際にしばしばサイトダイレクターとして用い
られるヨウ化物イオンやエピタキシャルのハロゲン組成
の制御として添加されるヨウ化物については含まれない
ものとする。 【0041】次に本発明のエピタキシャルについて説明
する。本発明においてエピタキシャルの接合する位置
は、平板状ホスト粒子のコーナー部に選択的に接合され
ている。ここで、「コーナー部」とは、平板粒子を主表
面に対して垂直方向から見たときに、頂点に隣接する2
辺のうち、短い方の辺の長さの1/3を半径とする円内
の部分を意味する。粒子が丸みを帯びた三角形状や六角
形状である場合、主表面の辺の長さは、各辺を延長する
ことにより形成される仮想の三角形や六角形の辺の長さ
とする。また、「選択的に」とは、平板状ホスト粒子の
コーナー部のみにエピタキシャルが存在している粒子
が、全ハロゲン化銀粒子の投影面積の60%以上である
ことをいう。エピタキシャルは1粒子当たり1個以上接
合している粒子が乳剤中に含有される全ハロゲン化銀粒
子個数の60%以上であることが好ましく、80%以上
であることがより好ましい。さらに、エピタキシャルは
1粒子当たり3個以上接合していることが好ましく、1
粒子当たり6個あることがより好ましい。 【0042】エピタキシャルに関しては、粒子の表面上
に不均一に多数存在するよりも、粒子の限定された部
位、特にコーナー部位に選択的に接合することにより、
光吸収により発生する光電子の効率的な捕獲が行われる
ことが示唆されている。米国特許第5011767号に
は、ホスト粒子1個あたり1個のエピタキシャル接合を
行う技術が開示されているが、本発明のような平板状粒
子における円相当径の非常に大きな領域ではその限りで
はなく、むしろ3個ないし6個のエピタキシャル接合が
より好ましい。 【0043】エピタキシャルの形成条件(たとえば銀塩
の組成や銀量、平板状ホスト粒子のハロゲン構造、エピ
タキシャルのサイトダイレクター(エピタキシャルを平
板状ホスト粒子のコーナーに選択的に接合せしめるため
に使用する添加剤)の種類、量など種々の因子が存在す
るが、)によっては、コーナーの上下2枚の主表面に対
して2点存在するエピタキシャルが成長して1個になる
場合もあり、このような成長して融合したエピタキシャ
ルは1個とカウントする。 【0044】本発明のエピタキシャルの銀塩組成は、A
gCl、AgBrCl、AgBrClI、AgBrI、
AgBr、AgI、チオシアン酸銀、燐酸銀、シアン化
銀、炭酸銀などが挙げられるが、中でもAgCl、Ag
BrCl、AgBrClI、AgBrI、AgBrが好
ましい。エピタキシャルに要される銀量の平板状ホスト
粒子の総銀量に対する割合は0.5%以上30%以下が
好ましく、より好ましくは1%以上15%以下である。 【0045】本発明の乳剤は全投影面積の70%以上が
エピタキシャル部に少なくとも1本の転位線を有する平
板粒子からなる。好ましくは全投影面積の80%以上が
エピタキシャル部に少なくとも1本の転位線を有する平
板粒子からなる。本発明の乳剤はより好ましくは全投影
面積の70%以上がエピタキシャル部に網目状の転位線
を有する平板粒子からなる。最も好ましくは全投影面積
の80%以上がエピタキシャル部に網目状の転位線を有
する平板粒子からなる。ここで網目状の転位線とは、本
数として数えられないような複数の転位線が網の目のよ
うに交錯した転位線である。二つ以上のコーナー部にエ
ピタキシャル接合を有する平板粒子において、必ずしも
各エピタキシャル部に転位線が存在する必要はない。少
なくとも一つのコーナー部に接合したエピタキシャル部
に1本の転位線、好ましくは網目状の転位線を含んでい
れば本発明のエピタキシャル乳剤に相当する。好ましく
はコーナー部にあるエピタキシャル部の70%以上が網
目状の転位線を含む。 【0046】平板粒子の転位線は、例えばJ.F.Ha
milton,Phot.Sci.Eng.,11、5
7、(1967)やT.Shiozawa,J.So
c.Phot.Sci.Japan,35、213、
(1972)に記載の、低温での透過型電子顕微鏡を用
いた直接的な方法により観察することができる。すなわ
ち乳剤から粒子に転位線が発生するほどの圧力をかけな
いよう注意して取り出したハロゲン化銀粒子を電子顕微
鏡観察用のメッシュにのせ、電子線による損傷(プリン
トアウト等)を防ぐように試料を冷却した状態で透過法
により観察を行う。この時粒子の厚みが厚い程、電子線
が透過しにくくなるので高圧型(0.25μmの厚さの
粒子に対して200kV以上)の電子顕微鏡を用いた方
がより鮮明に観察することができる。このような方法に
より得られた粒子の写真より、主表面に対して垂直方向
から見た場合の各粒子についての転位線の位置および数
を求めることができる。本発明において転位線を含むハ
ロゲン化銀粒子の割合を求める場合は、少なくとも10
0粒子について直接観察して求めることが好ましく、よ
り好ましくは200粒子以上、特に好ましくは300粒
子以上である。 【0047】また、本発明のエピタキシャル接合された
平板状ハロゲン化銀粒子は、エピタキシャル部以外の領
域に転位線を有することが好ましい。本発明におけるハ
ロゲン化銀粒子は、該粒子投影部の外周からの面積で2
0%以内、好ましくは10%以内の部分に転位線が存在
することが好ましい。存在する転位線は1粒子当り平均
5本以上が好ましく、より好ましくは1粒子当り平均1
0本以上である。 【0048】次に、ハロゲン化銀粒子の調製方法につい
て説明する。ハロゲン化銀乳剤の調製方法としては、ハ
ロゲン化銀核を形成した後、更にハロゲン化銀粒子を成
長させて所望のサイズの粒子を得る方法が一般的であ
り、本発明も同様であることに変りはない。また、平板
状粒子の形成に関しては、少なくとも核形成、熟成、成
長の工程が含まれる。この工程は、米国特許第4,945,03
7号に詳細に記載されている。成長工程とは、銀塩水溶
液とハロゲン塩溶液とをダブルジェット法で反応容器に
添加し、ハロゲン化銀粒子核を成長させる工程である。
ダブルジェット法での成長において反応溶液中のpAgを
制御する方法を用いることも出来る。 【0049】次に、本発明のハロゲン化銀乳剤の調製方
法について詳細に述べる。本発明の調製工程としては、
大きくは(a)平板状ホスト粒子形成工程と、それに引
き続く(b)エピタキシャル接合工程の2つの工程から
なる。 【0050】該(a)工程は、既に述べたように、平均
ヨウ化銀含有率の異なる少なくとも3層の成長工程を含
んでいれば良いが、該成長工程に加えて、転位導入工程
を含むのも好ましい。また、該(b)工程は、粒子形成
工程として(a)工程に引き続き直ちに行われても良い
し、(a)工程終了後脱塩および再分散された乳剤を用
いて行われても良く、更には(a)工程終了後脱塩およ
び再分散された乳剤を一度冷却保存した乳剤を改めて溶
解した後に行われても良い。生産効率を考慮すれば、
(a)工程終了後引き続き直ちに(b)工程を行うこと
が最も好ましい。 【0051】まず、(a)平板状ホスト粒子形成工程に
ついて説明する。該平板状ホスト粒子の成長工程は、銀
塩水溶液とハロゲン塩水溶液を同時に添加するダブルジ
ェット法で行っても良いが、この際ヨードの不均一によ
る成長転位の導入を防ぐ為、反応容器の攪拌を良くする
ことや、添加溶液の濃度を希釈することが好ましい。ま
た、成長時のpAgを高くすることも好ましい。この
際、pAgは7.0以上が好ましく、7.4以上が更に
好ましい。 【0052】銀塩水溶液とハロゲン塩水溶液の添加と同
時に反応容器外で調製したAgI微粒子乳剤を添加する
方法は更に好ましい。この際、成長の温度は、50℃以
上90℃以下が好ましく、60℃以上85℃以下が更に
好ましい。また、添加するAgI微粒子乳剤は、あらか
じめ調製したものでも良く、連続的に調製しながら添加
しても良い。この際の調製方法は特開平10−4357
0号を参考に出来る。 【0053】この場合、添加するAgI乳剤の平均粒子サ
イズは0.01μm以上0.1μm以下、好ましくは
0.02μm以上0.08μm以下である。基盤粒子の
ヨード組成は、添加するAgI乳剤の量により変化させ
ることが出来る。 【0054】また、銀塩水溶液とハロゲン塩水溶液の添
加の代わりに、ヨウ臭化銀微粒子を添加しても良い。こ
の際、微粒子のヨード量を所望する基盤粒子のヨード量
と等しくすることで、所望のヨード組成の基盤粒子が得
られる。ヨウ臭化銀微粒子はあらかじめ調製したもので
も良いが、連続的に調製しながら添加する方が好まし
い。添加するヨウ臭化銀微粒子サイズは、0.005μ
m以上0.05μm以下、好ましくは0.01μm以上
0.03μm以下である。成長時の温度は60℃以上9
0℃以下、好ましくは70℃以上85℃以下である。 【0055】以上述べてきた添加方法を1つないしいく
つか組み合わせ、3つ以上よりなる成長工程の各々のヨ
ウ化物イオンもしくはAgI微粒子もしくはAgBrI
微粒子の添加量を適宜調整することによりヨウ化銀含有
率の異なる3層以上の構造を形成することが可能であ
る。 【0056】ただし、本発明において、成長工程が分割
されている場合で、引き続き行われる成長工程と直前ま
での成長工程との平均ヨウ化銀含有率が同じであれば、
分割されていても同一の成長工程として取り扱い、1種
の平均ヨウ化銀含有率を有する1層となる。よって、例
えば第1成長工程の平均ヨウ化銀含有率が2モル%であ
り、引き続き行われる第2成長工程の平均ヨウ化銀含有
率が2モル%であれば、この場合は第1成長工程と第2
成長工程とを併せて、平均ヨウ化銀含有率2モル%の1
層と見なすことになる。 【0057】次に、(a)工程で成長工程に更に加える
ことのできる転位導入工程について説明する。転位導入
工程は第1シェル工程と第2シェル工程から成る。上述
した平板状ホスト粒子に第1シェルを設ける。第1シェ
ルの比率は好ましくは全銀量(エピタキシャル部を含ま
ない転位線導入工程を経た平板状ホスト粒子の全銀量)
に対して1モル%以上10モル%以下であって、その平
均沃化銀含有率20モル%以上100モル%以下であ
る。より好ましくは第1シェルの比率は全銀量に対して
1モル%以上5モル%以下であって、その平均沃化銀含
有率25モル%以上100モル%以下である。基盤への
第1シェルの成長は基本的には硝酸銀水溶液と沃化物と
臭化物を含むハロゲン水溶液をダブルジェット法で添加
する。もしくは硝酸銀水溶液と沃化物を含むハロゲン水
溶液をダブルジェット法で添加する。もしくは沃化物を
含むハロゲン水溶液をシングルジェット法で添加する。 【0058】以上のいずれの方法でも、それらの組み合
わせでも良い。第1シェルの平均沃化銀含有率から明ら
かなように、第1シェル形成時には沃臭化銀混晶の他に
沃化銀が析出しえる。いずれの場合でも通常は、次の第
2シェルの形成時に、沃化銀は消失し、すべて沃臭化銀
混晶に変化する。 【0059】第1シェルの形成の好ましい方法として沃
臭化銀もしくは沃化銀微粒子乳剤を添加して熟成し溶解
する方法がある。さらに、好ましい方法として沃化銀微
粒子乳剤を添加して、その後硝酸銀水溶液の添加もしく
は硝酸銀水溶液とハロゲン水溶液を添加する方法があ
る。この場合、沃化銀微粒子乳剤の溶解は、硝酸銀水溶
液の添加により促進されるが、添加した沃化銀微粒子乳
剤の銀量を用いて第1シェルとし、沃化銀含有率100
モル%とする。そして添加した硝酸銀水溶液を第2シェ
ルとして計算する。沃化銀微粒子乳剤は急激に添加され
ることが好ましい。 【0060】沃化銀微粒子乳剤を急激に添加するとは、
好ましくは10分以内に沃化銀微粒子乳剤を添加するこ
とをいう。より好ましくは7分以内に添加することをい
う。この条件は添加する系の温度、pBr、pH、ゼラ
チン等の保護コロイド剤の種類、濃度、ハロゲン化銀溶
剤の有無、種類、濃度等により変化しうるが、上述した
ように短い方が好ましい。添加する時には実質的に硝酸
銀等の銀塩水溶液の添加は行なわれない方が好ましい。
添加時の系の温度は40℃以上90℃以下が好ましく、
50℃以上80℃以下が特に好ましい。 【0061】沃化銀微粒子乳剤は実質的に沃化銀であれ
ば良く、混晶となり得る限りにおいて臭化銀および/ま
たは塩化銀を含有していても良い。好ましくは100%
沃化銀である。沃化銀はその結晶構造においてβ体、γ
体ならびに米国特許第4,672,026号に記載され
ているようにα体もしくはα体類似構造があり得る。本
発明においては、その結晶構造の制限は特にはないが、
β体とγ体の混合物さらに好ましくはβ体が用いられ
る。沃化銀微粒子乳剤は米国特許第5,004,679
号等に記載の添加する直前に形成したものでも良いし、
通常の水洗工程を経たものでもいずれでも良いが、本発
明においては好ましくは通常の水洗工程を経たものが用
いられる。 【0062】沃化銀微粒子乳剤は、米国特許第4,67
2,026号等に記載の方法で容易に形成できうる。粒
子形成時のpI値を一定にして粒子形成を行う、銀塩水
溶液と沃化物塩水溶液のダブルジェット添加法が好まし
い。ここでpIは系のI-イオン濃度の逆数の対数であ
る。温度、pI、pH、ゼラチン等の保護コロイド剤の
種類、濃度、ハロゲン化銀溶剤の有無、種類、濃度等に
特に制限はないが、粒子のサイズは0.1μm以下、よ
り好ましくは0.07μm以下が本発明に都合が良い。
微粒子であるために粒子形状は完全には特定できないが
粒子サイズの分布の変動係数は25%以下が好ましい。
特に20%以下の場合には、本発明の効果が著しい。こ
こで沃化銀微粒子乳剤のサイズおよびサイズ分布は、沃
化銀微粒子を電子顕微鏡観察用のメッシュにのせ、カー
ボンレプリカ法ではなく直接、透過法によって観察して
求める。これは粒子サイズが小さいために、カーボンレ
プリカ法による観察では測定誤差が大きくなるためであ
る。粒子サイズは観察された粒子と等しい投影面積を有
する円の直径と定義する。粒子サイズの分布について
も、この等しい投影面積円直径を用いて求める。本発明
において最も有効な沃化銀微粒子は粒子サイズが0.0
6μm以下0.02μm以上であり、粒子サイズ分布の
変動係数が18%以下である。 【0063】沃化銀微粒子乳剤は上述の粒子形成後、好
ましくは米国特許第2,614,929号等に記載の通
常の水洗およびpH、pI、ゼラチン等の保護コロイド
剤の濃度調整ならびに含有沃化銀の濃度調整が行われ
る。pHは5以上7以下が好ましい。pI値は沃化銀の
溶解度が最低になるpI値もしくはその値よりも高いp
I値に設定することが好ましい。保護コロイド剤として
は、平均分子量10万程度の通常のゼラチンが好ましく
用いられる。平均分子量2万以下の低分子量ゼラチンも
好ましく用いられる。また上記の分子量の異なるゼラチ
ンを混合して用いると都合が良い場合がある。乳剤1k
gあたりのゼラチン量は好ましくは10g以上100g
以下である。より好ましくは20g以上80g以下であ
る。乳剤1kgあたりの銀原子換算の銀量は好ましくは
10g以上100g以下である。より好ましくは20g
以上80g以下である。ゼラチン量および/または銀量
は沃化銀微粒子乳剤を急激に添加するのに適した値を選
択することが好ましい。 【0064】沃化銀微粒子乳剤は、通常あらかじめ溶解
して添加するが、添加時には系の撹拌効率を十分に高め
る必要がある。好ましくは撹拌回転数は、通常よりも高
めに設定される。撹拌時の泡の発生を防ぐために消泡剤
の添加は効果的である。具体的には、米国特許第5,2
75,929号の実施例等に記述されている消泡剤が用
いられる。 【0065】第1シェル形成のさらに好ましい方法とし
て、従来の沃化物イオン供給法(フリーな沃化物イオン
を添加する方法)のかわりに米国特許第5、496、6
94号に記載の沃化物イオン放出剤を用いて、沃化物イ
オンを急激に生成せしめながら沃化銀を含むハロゲン化
銀相を形成することができる。 【0066】沃化物イオン放出剤は沃化物イオン放出調
節剤(塩基および/または求核試薬)との反応により沃
化物イオンを放出するが、この際に用いる求核試薬とし
ては好ましくは以下の化学種が挙げられる。例えば、水
酸化物イオン、亜硫酸イオン、ヒドロキシルアミン、チ
オ硫酸イオン、メタ重亜硫酸イオン、ヒドロキサム酸
類、オキシム類、ジヒドロキシベンゼン類、メルカプタ
ン類、スルフィン酸塩、カルボン酸塩、アンモニア、ア
ミン類、アルコール類、尿素類、チオ尿素類、フェノー
ル類、ヒドラジン類、ヒドラジド類、セミカルバジド
類、ホスフィン類、スルフィド類が挙げられる。 【0067】塩基や求核試薬の濃度、添加方法、また反
応液の温度をコントロールすることにより沃化物イオン
の放出速度、タイミングをコントロールすることができ
る。塩基として好ましくは水酸化アルカリが挙げられ
る。 【0068】沃化物イオンを急激に生成せしめるのに用
いる沃化物イオン放出剤及び沃化物イオン放出調節剤の
好ましい濃度範囲は1×10-7〜20Mであり、より好
ましくは1×10-5〜10M、さらに好ましくは1×1
-4〜5M、特に好ましくは1×10-3〜2Mである。 【0069】濃度が20Mを上回ると、分子量の大きい
沃化物イオン放出剤及び沃化物イオン放出剤の添加量が
粒子形成容器の容量に対して多くなり過ぎるため好まし
くない。また、1×10-7Mを下回ると沃化物イオン放
出反応速度が遅くなり、沃化物イオン放出剤を急激に生
成せしめるのが困難になるため好ましくない。 【0070】好ましい温度範囲は30〜80℃であり、
より好ましくは35〜75℃、特に好ましくは35〜6
0℃である。温度が80℃を上回る高温では一般に沃化
物イオン放出反応速度が極めて速くなり、また30℃を
下回る低温では一般に沃化物イオン放出反応速度が極め
て遅くなるため、それぞれ使用条件が限られ好ましくな
い。 【0071】沃化物イオンの放出の際に塩基を用いる場
合、液pHの変化を用いても良い。この時、沃化物イオ
ンの放出速度、タイミングをコントロールするのに好ま
しいpHの範囲は2〜12であり、より好ましくは3〜
11、特に好ましくは5〜10、最も好ましくは調節後
のpHが7.5〜10.0である。pH7の中性条件下
でも水のイオン積により定まる水酸化物イオンが調節剤
として作用する。 【0072】また、求核試薬と塩基を併用しても良く、
この時もpHを上記の範囲でコントロールし、沃化物イ
オンの放出速度、タイミングをコントロールしても良
い。沃化物イオン放出剤から沃素原子を沃化物イオンの
形で放出させる場合、全沃素原子を放出させても良い
し、一部は分解せずに残っていても良い。 【0073】上述した平板状ホスト粒子基盤および第1
シェルを有する平板粒子上に第2シェルを設ける。第2
シェルの比率は好ましくは全銀量に対して10モル%以
上40モル%以下であって、その平均沃化銀含有率が0
モル%以上5モル%以下である。より好ましくは第2シ
ェルの比率は全銀量に対して15モル%以上30モル%
以下であって、その平均沃化銀含有率が0モル%以上3
モル%以下である。基盤および第1シェルを有する平板
粒子上への第2シェルの成長は該平板粒子のアスペクト
比を上げる方向でも下げる方向でも良い。基本的には硝
酸銀水溶液と臭化物を含むハロゲン水溶液をダブルジェ
ット法で添加することにより第2シェルの成長は行なわ
れる。もしくは臭化物を含むハロゲン水溶液を添加した
後、硝酸銀水溶液をシングルジェット法で添加しても良
い。系の温度、pH、ゼラチン等の保護コロイド剤の種
類、濃度、ハロゲン化銀溶剤の有無、種類、濃度等は広
範に変化しうる。pBrについては、本発明においては
第2シェルの形成終了時のpBrが第2シェルの形成初
期時のpBrよりも高くなることが好ましい。好ましく
は第2シェルの形成初期のpBrが2.9以下であり第
2シェルの形成終了時のpBrが1.7以上である。さ
らに好ましくは第2シェルの形成初期のpBrが2.5
以下であり第2シェルの形成終了時のpBrが1.9以
上である。最も好ましくは第2シェルの形成初期のpB
rが2.3以下1以上である。最も好ましくは第2シェ
ルの終了時のpBrが2.1以上4.5以下である。 【0074】以上述べてきた工程を1つないし幾つか組
み合わせることによって、平板状ホスト粒子のエピタキ
シャル部以外の領域に転位線を導入することができる。 【0075】次に、(b)エピタキシャル接合工程につ
いて詳しく述べる。エピタキシャル沈着前に好ましくは
PAGI法に準じて測定された分子量分布において、分
子量約200万以上の高分子量成分が5%以上30%以
下、かつ分子量約10万以下の低分子量成分が55%以
下の範囲にあるゼラチンを含有していることが好まし
い。特に好ましくはPAGI法に準じて測定された分子
量分布において、分子量約200万以上の高分子量成分
が5%以上15%以下、かつ分子量約10万以下の低分
子量成分が50%以下の範囲にあるゼラチンを含有して
いる。高分子量ゼラチンはエピタキシャル接合を行う時
に全ゼラチン量の10質量%以上、好ましくは30%以
上、より好ましくは50%以上含有される。塗布前まで
にこのゼラチンを添加しても有効であるが効果は小さく
なる。以下に本発明のエピタキシャル乳剤の調製に重要
な高分子量ゼラチンについて詳述する。 【0076】本発明の乳剤に用いられるゼラチン(以
下、「本発明のゼラチン」ともいう。)は、コラーゲン
組織をアルカリまたは酸によりその構造を分解して水溶
性を付与したものである。アルカリ処理ゼラチンの場合
は、その分子量に基づいて、サブα(低分子量)、α
(分子量約10万)、β(分子量約20万)、γ(分子
量約30万)およびボイド(高分子量)等からなる。 【0077】本発明におけるゼラチンの成分の比率、す
なわち分子量分布は国際的に決められたPAGI法に準
じて、ゲルパーミエーションクロマトグラフ法(以下
「GPC法」と記す)で測定したものである。この方法
に関しては大野隆司、小林裕幸、水澤伸也、 "日本写真
学会誌" 、47巻4号、1984年、237〜247頁
等に詳述されている。 【0078】本発明に係わるゼラチンの分子量分布の測
定条件を下記に示す。 (測定条件) カラム:Shodex Asahipak GS-620 7G(8mmI.D.×500mm)
×2 ガードカラム:Shodex Asahipak GS-1G 7B 溶離液:0.2モル/リットルりん酸バッファー(pH
6.8) 流速:0.8ミリリットル/分 カラム温度:50℃ 検出:UV230nm サンプル濃度:0.5wt% 横軸にリテンションタイム(Retention Time)縦軸に吸光
度をとって得られるGPC曲線は、まず排除限界のピー
クが現われ、次にゼラチンのβ成分、α成分のピークが
現われ、さらにリテンションタイムが長くなるにつれて
裾を引くような形になる。 【0079】本発明における分子量約200万以上の高
分子量成分の占める割合は、排除限界のピークの面積の
全体に占める割合を算出することにより求める。具体的
には、リテンションタイム17分位に現われるGPC曲
線の極小点から横軸に対して垂線を引き、その垂線より
高分子量側の部分(高分子量成分)の面積の全体の面積
に占める割合を算出する。また、分子量約10万以下の
低分子量成分の占める割合は、α成分以下の面積の全体
に占める割合を算出することにより求める。具体的に
は、リテンションタイム23分位に現われるβ成分ピー
クとα成分ピークとの間のGPC曲線の極小点から横軸
に対して垂線を引き、その垂線より低分子量側の部分
(低分子量成分)の面積の全体の面積に占める割合を算
出する。 【0080】本発明のゼラチンは、分子量約200万以
上の高分子量成分が5%以上30%以下、かつ分子量約
10万以下の低分子量成分が55%以下に制御されたも
のである。高分子量成分が30%を越えると濾過性が急
激に悪化するため好ましくない。また、低分子量成分が
55%を越える場合および/または高分子量成分が5%
未満の場合には本発明の効果が充分に発現しない。本発
明の効果を発現するためには、分子量約200万以上の
高分子量成分が5%以上15%以下、かつ分子量約10
万以下の低分子量成分が50%以下であることが特に好
ましい。 【0081】ゼラチンの一般的な製法に関してはよく知
られており、例えばティー・エイチ・ジェームズ(T. H.
James)著、ザ・セオリー・オブ・ザ・フォトグラフィ
ック・プロセス(The Theory of the Photographic Proc
ess)第4版、1977年[マクミラン(Macmillan) 社
刊]、55頁、科学写真便覧(上)、72〜75頁(丸
善株式会社)、菊地真一著、写真化学、1976年(共
立出版)213頁、赤堀四郎、水島三郎編、蛋白質化
学、1955年(共立出版)453頁等に記載されてい
る。 【0082】例えば、アルカリ処理ゼラチンの場合は、
原料の骨や皮のカルシウムを除去した後、石灰処理漬け
してコラーゲン構造をほぐし、その後温水で抽出し、濃
縮、乾燥して製造される。一般には抽出番数を1〜7段
階とって抽出が行われ、抽出温度は抽出番数と共に上昇
させていく。 【0083】本発明のゼラチンの製造法としては下記の
二つに大別される。 1.ゼラチンの架橋を行わない方法 例えば下記のような方法が用いられる。 製法 上記製法中の抽出操作で抽出後期のゼラチン抽
出液を使用して抽出初期のゼラチン抽出液を排除する。 製法 上記製法中、抽出以後乾燥までの製造工程にお
いて処理温度を40℃未満とする。 製法 ゼラチンゲルを冷水(15℃)透析する。[ザ
・ジャーナル・オブ・フォトグラフィックサイエンス(T
he Journal of Photographic Science)、23巻33頁
(1975)参照]。 製法 イソプロピルアルコールの使用による分画法。
[ディスカッションズ・オブ・ザ・フアラディ・ソサイ
エティ(Discussions of the Faraday Society)、18
巻、288頁(1954)参照]。 上記の製法を単独もしくは組み合わせて用いることによ
り、本発明のゼラチンを得ることができる。 【0084】2.ゼラチン架橋剤を用いる方法 本発明で用いられるゼラチンは、ゼラチンを架橋させる
ことで分子量分布を制御したものがより好ましく用いら
れる。架橋方法としては酵素によってゼラチン分子間の
架橋する方法と、架橋剤を添加して架橋剤がゼラチン分
子間に化学結合を作ってゼラチン分子を架橋する方法と
の二つがある。 【0085】本発明で用いられる酵素による方法の代表
的な方法として、トランスグルタミナーゼで架橋された
ゼラチンについて述べる。トランスグルタミナーゼ酵素
は、蛋白質であるゼラチンのグルタミン残基のγ−カル
ボキシアミド基と各種一級アミンとの間のアシル転移反
応を触媒する機能によってゼラチンを架橋する事ができ
る。トランスグルタミナーゼは動物由来、植物由来、微
生物由来のものがあり例えば、動物由来のものとして
は、モルモットの肝臓などの哺乳類の臓器、血液より抽
出したもの、また植物由来のものとしては、エンドウ豆
より抽出、微生物由来のものとしては放線菌より抽出さ
れている。本発明ではトランスグルタミナーゼ活性を示
すものであれば、どの様な起源のものも好ましく用いる
事ができる。 【0086】本発明で用いられるトランスグルタミナー
ゼは、例えばClark 等の方法(Achives of Biochemistr
y and Biophysics, 79, 338 (1959))、Connel等の方法
(J.Bilogical Chemistry, 246 (1971))、特開平4−
207149号記載の方法、特開平6−30770号記
載の方法のいずれで合成されたものでも好ましく用いる
事ができる。これらのトランスグルタミナーゼとしては
商品名アクテバ(味の素(株)製)があげられる。本発
明で用いられるトランスグルタミナーゼ活性は、ベンジ
ルオキシカルボニルLグルタミニルグリシンとヒドロキ
シアミンを反応させ、生成したヒドロキサム酸の量を求
める事により測定できる。この測定により1分間に1×
10-6モルのヒドリキサム酸を生成するトランスグルタ
ミナーゼ活性を1ユニット(unit)とする。本発明で用い
られるトランスグルタミナーゼは、使用されるゼラチン
によって異なるが、ゼラチン1gに対して1×10-6
ル以上のヒドロキサム酸を生成する量を添加して分子量
分布を制御するのが好ましい。 【0087】架橋剤によりゼラチンを架橋する方法とし
ては、これまでゼラチンの硬化剤として知られている架
橋剤は全てこれを使用する事ができる。以下にその代表
的な化合物をあげる。 【0088】A.無機架橋剤(無機硬膜剤) カチオン性のクロム錯体;錯体の配位子としてはヒドロ
キシル基、シュウ酸基、クエン酸基、マロン酸基、乳酸
塩、酒石酸塩、コハク酸塩、酢酸塩、ギ酸塩、硫酸塩、
塩化物、硝酸塩。 アルミニウム塩;特に硫酸塩、カリみょうばん、アンモ
ニウムみょうばん。上記の化合物はゼラチンのカルボキ
シル基を架橋する。 【0089】B.有機架橋剤(有機硬膜剤) 1.アルデヒド系架橋剤;もっともよく使われるのはホ
ルムアルデヒドである。またジアルデヒドでも有効な架
橋ができ、その例としてはグリオキザール、スクシンア
ルデヒド、特にグルタルアルデヒドが有効である。ジグ
リコアルデヒドや種々の芳香族ジアルデヒド、またジア
ルデヒドスターチ、植物ガムのジアルデヒド誘導体も本
発明の架橋に用いられる。 【0090】2.N−メチロール化合物およびその他の
保護されたアルデヒド架橋剤;ホルムアルデヒドと種々
の脂肪族直鎖或いは環状のアミド、尿素、含窒素ヘテロ
環との縮合によって得られるN−メチロール化合物。具
体的には2,3−ジヒドロキジオキサン、ジアルデヒド
とそのヘミアセタールの酢酸エステル、2,5−メトキ
シテトラヒドロフラン等があげられる。 【0091】3.ケトン架橋剤;ジケトン、キノン類の
化合物。よく知られているジケトンとして、2,3−ブ
タンジオン、CH3COCOCH3など。キノンとして
は、p−ベンゾキノンがよく知られている。 【0092】4.スルホン酸エステルとスルホニルハラ
イド;代表的化合物としてビス(スルホニルクロリド)
類およびビス(スルホニルフロリド)類がある。 【0093】5.活性ハロゲン化合物;2個以上の活性
ハロゲン原子をもつ化合物。代表的化合物としてケト
ン、エステル、アミドの単純なビス−α−クロロ或いは
ビス−α−ブロモ誘導体、ビス(2−クロロエチル尿
素)、ビス(2−クロロエチル)スルフォン、ホスホー
ルアミジックハライド等があげられる。 【0094】6.エポキサイド;ブタジエンジオキサイ
ドが代表的化合物としてあげられる。 【0095】7.活性オレフィン;2個以上の二重結
合、特に隣接する電子吸引基によって活性化された無置
換ビニル基をもつ多くの化合物はゼラチンの架橋剤とし
て有効である。この化合物の例としては、ジビニルケト
ン、レゾルシノールビス(ビニルスルホナート)、4,
6−ビス(ビニルスルホナート)、4,6−ビス(ビニ
ルスルホニル)−m−キシレン、ビス(ビニルスルホニ
ルアルキル)エーテル或いはアミン、1,3,5−トリ
アクリロイルヘキサヒドロ−s−トリアジン、ジアクリ
ルアミド、1,3−ビス(アクリロイル)尿素等があげ
られる。 【0096】8.s−トリアジン系化合物;下記一般式
(H−I)で示される化合物。 【0097】 【化1】 【0098】式中、R1は水酸基、−OM基(Mは1価
の金属原子)、炭素数1〜10のアルキル基(例えばメ
チル、エチル、2−エチルヘキシル)、−N(R2)(R3)
基(R2、R3はそれぞれ炭素数1〜10のアルキル基、
炭素数6〜15のアリール基を表し、互いに同じであっ
ても異なっても良い。)、−NHCOR4(R4は水素原
子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のア
リール基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数6
〜20アリールチオ基を表わす。)、あるいは炭素数1
〜20のアルコキシ基を表わす。また前記一般式(H−
I)で示されるシアヌルクロリド系硬膜剤については特
公昭47−6151号、同47−33380号、同54
−25411号、特開昭56−130740号に詳細な
記載がある。また一般式(H−I)の化合物と類似した
構造を持つ特公昭53−2726号、特開昭50−61
219号、同56−27135号等に記載されている化
合物も本発明に有用である。 【0099】9.ビニルスルホン系化合物;下記一般式
(H−II)で示される化合物。 【0100】 【化2】 【0101】上記一般式中、X1およびX2は−CH=C
2又は、−CH2CH2Yのいずれかであり、X1および
2は同じであっても異なっても良い。Yは求核性基に
より置換されるか、塩基によってHYの形で脱離し得る
基(例えば、ハロゲン原子、スルホニルオキシ、硫酸モ
ノエステル等)を表す。Lは2価の連結基であり、置換
されていても良い。一般式(H−II)で表わされるビニ
ルスルホン系硬膜剤については、例えば特公昭47−2
4259号、同50−35807号、特開昭49−24
435号、同53−41221号、同59−18944
号等の公報に詳細な記載がある。 【0102】10.カルバモイルアンモニウム塩;下記
一般式(H−III)で示される化合物。 【0103】 【化3】 【0104】式中、R1、R2は炭素数1〜10のアルキ
ル基(例えばメチル基、エチル基、2−エチルヘキシル
基など)、炭素数6〜15のアリール基(例えばフェニ
ル基、ナフチル基など)、または炭素数7〜15のアラ
ルキル基(例えばベンジル基、フェネチル基など)を表
わし、互いに同じであっても異なっても良い。また
1、R2は互いに結合して窒素原子と共に複素環を形成
することも好ましい。R3は水素原子、置換あるいは無
置換の炭素数1〜10のアルキル基(例えば、メチル
基、2−スルホエチル基)、炭素数6〜15のアリール
基(例えば、フェニル基)、炭素数7〜15のアラルキ
ル基(例えば、ベンジル基)、又はカルバモイル基を表
す。X-は陰イオンを表わす。一般式(H−III)で表わ
されるカルバモイルアンモニウム塩系硬膜剤についての
詳細な記載は、特公昭56−12853号、同58−3
2699号、特開昭49−51945号、同51−59
625号、同61−9641号に詳しい。 【0105】11.下記一般式(H−IV)で示される化
合物。 【0106】 【化4】 【0107】R1、R2、R3およびX-の定義は一般式
(H−III)における定義と全く同様であり、これらの化
合物はベルギー特許第825,726号に詳しい。 【0108】12.アミジニウム塩系化合物;下記一般
式(H−V)で示される化合物。 【0109】 【化5】 【0110】R1、R2、R3およびR4は炭素数1〜20
のアルキル基、炭素数7〜20のアラルキル基、または
炭素数6〜20のアリール基であり、それぞれ同じであ
っても異なっても良い。Yは一般式(H−V)で表わさ
れる化合物が求核試薬と反応した際に脱離し得る基を表
わし、好ましい例としてハロゲン原子、スルホニルオキ
シ基、1−ピリジニウミル基等をあげられる。X-は陰
イオンを表わす。一般式(H−V)で表わされるアミジ
ニウム塩系硬膜剤については特開昭60−225148
号に詳細な記述がある。 【0111】13.カルボジイミド系化合物;下記一般
式(H−VI)で示される化合物。 【0112】 【化6】 【0113】式中、R1は炭素数1〜10のアルキル基
(例えばメチル基、エチル基など)、炭素数5〜8のシ
クロアルキル基、炭素数3〜10のアルコキシアルキル
基、または炭素数7〜15のアラルキル基を表わす。R
2はR1に定義された基を表わす。これらのカルボジイミ
ド系硬膜剤については、特開昭51−126125号、
同52−48311号に詳しい。 【0114】14.リジニウム塩基系化合物;下記一般
式(H−VII)で示される化合物。 【0115】 【化7】 【0116】式中、R1は炭素数1〜10のアルキル
基、炭素数6〜15のアリール基、または炭素数7〜1
5のアラルキル基を表わす。これらの基は置換されても
良い。R2、R3は水素原子、ハロゲン原子、アシルアミ
ド基、ニトロ基、カルバモイル基、ウレイド基、アルコ
キシ基、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラ
ルキル基などの置換基を表わし、それぞれ同じであって
も異なっても良い。またR2とR3が結合してピリジニウ
ム環骨格と共に縮合環を形成することも好ましい。Yは
一般式(H−VII)で表わされる化合物が求核試薬と反応
した際に脱離し得る基を表わす。X-は陰イオンを表わ
す。これらのピリジニウム塩基硬膜剤については、特公
昭58−50699号、特開昭57−44140号、同
57−46538号に詳細な記載がある。 【0117】15.ピリジニウム塩系化合物;下記一般
式(H−VIII)で示される化合物。 【0118】 【化8】 【0119】式中、R1、R2の定義は一般式(H−II
I)におけるR1、R2の定義と全く同様であり、R3は炭
素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜15のアリール
基または炭素数7〜15のアラルキル基を表わす。X-
は陰イオンを表わす。一般式(H−VIII)で表わされる
ピリジニウム塩系硬膜剤については特開昭52−544
27号に詳しく記載されている。 【0120】本発明で用いられる硬膜剤としては前記の
一般式(H−I)〜一般式(H−VIII)で表わされる化合
物の他にも、特開昭50−38540号、同52−93
470号、同56−43353号、同58−11392
9号、米国特許第3,321,313号に記載された化
合物等も好ましい。 【0121】以下に本発明に使用される化合物の具体的
な例を分類してあげるが、本発明はこれに限定されるも
のではない。 【0122】 【化9】 【0123】 【化10】【0124】本発明の乳剤に用いられるゼラチンの製造
においては、これまであげてきた架橋剤をゼラチン溶液
に添加して、ゼラチン分子間架橋を起こさせる。その際
の条件は、各架橋剤によって異なっているが、一定の反
応温度と反応時間を設定してGPC法によってゼラチン
の分子量分布を測定する事によって、反応条件を決定す
る事ができる。その際、ゼラチン溶液の粘度測定する事
で架橋の進行を追跡する事ができる。添加された架橋剤
は全部を反応させる事が望ましいが、未反応であった場
合は、架橋反応後ゼラチン溶液の限外濾過などにより残
存した架橋剤を除去する事ができる。本発明のゼラチン
の分子量分布は、架橋剤の添加量や架橋反応の温度、時
間、pH等の架橋反応の条件を調節することにより制御
できる。 【0125】本発明のゼラチンとしては、上記の架橋剤
いずれか1種または2種以上を組み合わせて架橋された
ゼラチンを好ましく用いることができる。一般式(H−
I)で表されるs−トリアジン系化合物、一般式(H−I
I)で表されるビニルスルホン系化合物、一般式(H−I
II)で表されるカルバモイルアンモニウム塩または一般
式(H−VI)で表されるカルボジイミド系化合物を用い
て架橋されたゼラチンが好ましい。特に、写真性能への
影響が少ない点で一般式(H−II)で表されるビニルス
ルホン系化合物が好ましい。 【0126】本発明のゼラチンの製造に用いる元ゼラチ
ンとしては、アルカリ処理ゼラチン、酸処理ゼラチンの
いずれも使用可能だが、写真性能に悪影響を及ぼす不純
物含量が少ない点でアルカリ処理ゼラチンがより好まし
い。特に不純物イオンや不純物を除去する脱イオン処理
や限外濾過処理を施したアルカリ処理ゼラチンを用いる
ことが好ましい。また、本発明において好ましく用いら
れる架橋されたゼラチンの元ゼラチンとしても、アルカ
リ処理ゼラチンが好ましい。 【0127】米国特許第5,318,889号では、酸
処理ゼラチンをビニルスルホン化合物で架橋することに
より高分子量化したゼラチンが開示されている。該特許
で開示されたゼラチンは、本発明のゼラチンの分子量分
布には及ばないものであったが、酸処理ゼラチンの場合
には高分子量成分を本発明のゼラチンと同等まで増加さ
せた場合でも、写真感度を低下させるなど写真性能上の
欠点のあることが明らかになっている。 【0128】本発明のゼラチンは、下記の各種修飾処理
を施されていても良い。例えば、アミノ基を修飾したフ
タル化ゼラチン、コハク化ゼラチン、トリメリットゼラ
チン、ピロメリットゼラチン、カルボキシル基を修飾し
たエステル化ゼラチン、アミド化ゼラチン、イミダゾー
ル基を修飾したホルミル化ゼラチン、メチオニン基を減
少させた酸化処理ゼラチンや増加させた還元処理ゼラチ
ンなどが挙げられる。 【0129】一方、それ以外の親水性コロイドも用いる
ことができる。例えば、ゼラチン誘導体、ゼラチンと他
の高分子とのグラフトポリマー、アルブミン、カゼイン
のような蛋白質;ヒドロキシエチルセルロース、カルボ
キシメチルセルロース、セルロース硫酸エステル類のよ
うなセルロース誘導体、アルギン酸ソーダ、澱粉誘導体
のような糖誘導体;ポリビニルアルコール、ポリビニル
アルコール部分アセタール、ポリ−N−ビニルピロリド
ン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリル
アミド、ポリビニルイミダゾール、ポリビニルピラゾー
ルのような単一あるいは共重合体の如き多種の合成親水
性高分子物質を用いることができる。ゼラチンとしては
石灰処理ゼラチンのほか、酸処理ゼラチンやBull.
Soc.Sci.Photo.Japan.No.16.
P30(1966)に記載されたような酵素処理ゼラチ
ンを用いてもよく、また、ゼラチンの加水分解物や酵素
分解物も用いることができる。 【0130】本発明のエピタキシャル乳剤の調製のため
にはpH、pAg、ゼラチン種と濃度、粘度を選択す
る。特にpHは重要であり、好ましくは4以上5.5以
下である。特に好ましくは4.5以上5以下である。こ
のpHに設定することによりエピタキシャル沈着を粒子
間で均一におこなうことができ、本発明の効果が顕著に
なる。 【0131】本発明のエピタキシャル接合の部位指示剤
には増感色素を利用する。用いる色素の量や種類を選択
することによって、エピタキシャルの沈着位置をコント
ロールすることができる。色素は、飽和被覆量の50%
から90%を添加することが好ましい。用いられる色素
には、シアニン色素、メロシアニン色素、複合シアニン
色素、複合メロシアニン色素、ホロポーラーシアニン色
素、ヘミシアニン色素、スチリル色素およびヘミオキソ
ノール色素が包含される。特に有用な色素は、シアニン
色素に属する色素である。これらの色素類には、塩基性
複素環核としてシアニン色素類に通常利用される核のい
ずれをも適用できる。すなわち、例えば、ピロリン核、
オキサゾリン核、チオゾリン核、ピロール核、オキサゾ
ール核、チアゾール核、セレナゾール核、イミダゾール
核、テトラゾール核、ピリジン核;これらの核に脂環式
炭化水素環が融合した核;及びこれらの核に芳香族炭化
水素環が融合した核、即ち、例えば、インドレニン核、
ベンゾインドレニン核、インドール核、ベンゾオキサド
ール核、ナフトオキサゾール核、ベンゾチアゾール核、
ナフトチアゾール核、ベンゾセレナゾール核、ベンゾイ
ミダゾール核、キノリン核が適用できる。これらの核は
炭素原子上に置換基を有していてもよい。 【0132】これらの増感色素は単独に用いてもよい
が、それらの組合せを用いてもよく、増感色素の組合せ
は特に、強色増感の目的でしばしば用いられる。その代
表例は米国特許第2,688,545号、同第2,97
7,229号、同第3,397,060号、同第3,5
22,052号、同第3,527,641号、同第3,
617,293号、同第3,628,964号、同第
3,666,480号、同第3,672,898号、同
第3,679,428号、同第3,703,377号、
同第3,769,301号、同第3,814,609
号、同第3,837,862号、同第4,026,70
7号、英国特許第1,344,281号、同第1,50
7,803号、特公昭43−4936号、同53−12
375号、特開昭52−110618号、同52−10
9925号に記載されている。 【0133】増感色素とともに、それ自身分光増感作用
をもたない色素あるいは可視光を実質的に吸収しない物
質であって、強色増感を示す物質を同時または別個に添
加してもよい。 【0134】増感色素の吸着時にホスト平板粒子の最外
層の極表面層の沃化銀含量を最外層よりもさらに高くし
ておくとエピタキシャル乳剤の調製に好ましい。増感色
素の添加に先立って沃素イオンを添加することが行われ
る。本発明においては前述したAgI微粒子乳剤を添加
してホスト平板粒子の表面の沃化銀含量を高くすること
が最も好ましく用いられる。これにより粒子間の沃化銀
含量の分布が均一となり増感色素の吸着も均一になる。
これにより本発明のエピタキシャル乳剤の調製が可能と
なる。これら沃素イオンもしくは沃化銀の添加量はホス
ト平板粒子の銀量で1モルに対して5×10-6から1×
10-2モルの範囲が好ましく1×10-5から5×10-3
モルの範囲が特に好ましい。 【0135】エピタキシャル部の形成法はハロゲンイオ
ンを含む溶液とAgNO3を含む溶液の同時添加でも別
々の添加でも良く、ホスト平板粒子よりも粒径の小さな
AgCl微粒子、AgBr微粒子、AgI微粒子の添加、あるいは
それらの混晶粒子の添加等と適宜組み合わせて添加して
形成しても良い。AgNO3溶液を添加する場合は添加
時間は30秒以上10分以内であることが好ましく、1
分以上5分以内が特に好ましい。本発明のエピタキシャ
ル乳剤を形成するためには添加する硝酸銀溶液の濃度は
1.5モル/リットル以下の濃度が好ましく特に0.5
モル/リットル以下の濃度が好ましい。この時系中の攪
拌は効率良く行う必要があり、系中の粘度は低い方が好
ましい。 【0136】エピタキシャル部の銀量はホスト平板粒子
の銀量の0.5モル%以上30モル%以下であることが
好ましく、1モル%以上15モル%以下が更に好まし
い。少なすぎるとエピタキシャル乳剤の調製ができない
し、多すぎても不安定になる。 【0137】エピタキシャル部の形成時のpBrは3.
5以上が好ましく、特に4.0以上が好ましい。温度は
35℃以上70℃以下が好ましく、40℃以上60℃以
下が更に好ましい。 【0138】(b)工程において形成されるエピタキシ
ャルは、エピタキシャル接合部および/またはエピタキ
シャル中に特開平8−69069号に記載されている以
下のようなドーパント(金属錯体)を導入することはさ
らに好ましい。 【0139】すなわち、[Fe(CN)64-、[Ru
(CN)64-、[Os(CN)64 -、[Rh(CN)
63-、[Ir(CN)63-、[Fe(ピラジン)(C
N)54-、[RuCl(CN)54-、[OsBr(C
N)54-、[RhF(CN) 53-、[IrBr(C
N)53-、[FeCO(CN)53-、[RuF2(C
N)44-、[OsCl2(CN)44-、[RhI2(C
N)43-、[IrBr2(CN)43-、[Ru(C
N)5(OCN)]4-、[Ru(CN)5(N3)]4-
[Os(CN)5(SCN)]4-、[Rh(CN)5(S
eCN)]3-、[Ir(CN)5(H2O)]2-、[Fe
(CN)3Cl33-、[Ru(CO2)(C
N)41-、[Os(CN)Cl5)]4-、[Co(C
N)63-、[Ir(CN)4(オキサレート)]3-
[In(NCS)63-、[Ga(NCS)63-。 【0140】添加されるドーパントの量は、ドーパント
の構造によって最適量が異なるが、一般的にハロゲン化
銀粒子(平板状ホストとエピタキシャルの合計量)1モ
ルに対して、1×10-9〜1×10-2モルが好ましく、
より好ましくは1×10-8〜1×10-4モルである。 【0141】本発明の乳剤はエピタキシャル沈着後に前
述した増感色素および/または後述するかぶり防止剤お
よび/または安定剤を添加することが好ましい。本発明
においてはこの後以降にpBrを下げることが好まし
い。本発明外のエピタキシャル乳剤はこのpBrの低下
によりエピタキシャルの破壊がおこり写真性能が低感度
のものとなる。一方、本発明のエピタキシャル乳剤にお
いてはこのpBrの低下が可能となり、保存性、処理性
において顕著な効果を発揮できるようになる。好ましく
は40℃でのpBrを3.5以下に下げる。より好まし
くは本発明の乳剤は40℃でのpBrが3.0以下であ
り、特に好ましくは2.5以下である。pBrの低下は
KBr、NaBr等の臭素イオンを添加することにより
基本的に行われる。 【0142】エピタキシャル沈着後、通常は水洗を行
う。水洗の温度は目的に応じて選べるが、5℃〜50℃
の範囲で選ぶことが好ましい。水洗時のpHも目的に応じ
て選べるが2〜10の間で選ぶことが好ましい。さらに
好ましくは3〜8の範囲である。水洗時のpAgも目的に
応じて選べるが5〜10の間で選ぶことが好ましい。水
洗の方法としてヌードル水洗法、半透膜を用いた透析
法、遠心分離法、凝析沈降法、イオン交換法のなかから
選んで用いることができる。凝析沈降法の場合には硫酸
塩を用いる方法、有機溶剤を用いる方法、水溶性ポリマ
ーを用いる方法、ゼラチン誘導体を用いる方法などから
選ぶことができる。 【0143】本発明の乳剤調製時、例えば粒子形成時、
脱塩工程、化学増感時、塗布前に金属イオンの塩を存在
させることは目的に応じて好ましい。粒子にドープする
場合には粒子形成時、粒子表面の修飾あるいは化学増感
剤として用いる時は粒子形成後、化学増感終了前に添加
することが好ましい。粒子全体にドープする場合と粒子
のコアー部のみ、あるいはシェル部のみ、あるいはエピ
タキシャル部のみにドープする方法も選べる。より好ま
しくは、平板状ホスト粒子のシェル部の表面近傍とエピ
タキシャル部との両方にドーパントを導入する。例え
ば、Mg、Ca、Sr、Ba、Al、Sc、Y、La、
Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、R
u、Rh、Pd、Re、Os、Ir、Pt、Au、C
d、Hg、Tl、In、Sn、Pb、Biを用いること
ができる。これらの金属はアンモニウム塩、酢酸塩、硝
酸塩、硫酸塩、燐酸塩、水酸塩あるいは6配位錯塩、4
配位錯塩など粒子形成時に溶解させることができる塩の
形であれば添加できる。例えば、CdBr2、CdC
2、Cd(NO32、Pb(NO32、Pb(CH3
OO)2、K4[Fe(CN)6]、(NH44[Fe
(CN)6]、K2IrCl6、K2[IrCl5(H
2O)]、K2[IrCl4(H2O)2]、(NH43RhC
6、K4Ru(CN)6があげられる。配位化合物のリ
ガンドとしてハロ、アコ、シアノ、シアネート、チオシ
アネート、ニトロシル、チオニトロシル、オキソ、カル
ボニルのなかから選ぶことができる。これらは金属化合
物を1種類のみ用いてもよいが2種あるいは3種以上を
組み合せて用いてよい。 【0144】金属化合物は水またはメタノール、アセト
ンのような適当な有機溶媒に溶かして添加するのが好ま
しい。溶液を安定化するためにハロゲン化水素水溶液
(例えば、HCl、HBr)あるいはハロゲン化アルカ
リ(例えば、KCl、NaCl、KBr、NaBr)を
添加する方法を用いることができる。また必要に応じ酸
・アルカリなどを加えてもよい。金属化合物は粒子形成
前の反応容器に添加しても粒子形成の途中で加えること
もできる。また水溶性銀塩(例えば、AgNO3)ある
いはハロゲン化アルカリ水溶液(例えば、NaCl、K
Br、KI)に添加しハロゲン化銀粒子形成中連続して
添加することもできる。さらに水溶性銀塩、ハロゲン化
アルカリとは独立の溶液を用意し粒子形成中の適切な時
期に連続して添加してもよい。さらに種々の添加方法を
組み合せるのも好ましい。米国特許第3,772,03
1号に記載されているようなカルコゲン化合物を乳剤調
製中に添加する方法も有用な場合がある。S、Se、T
e以外にもシアン塩、チオシアン塩、セレノシアン酸、
炭酸塩、リン酸塩、酢酸塩を存在させてもよい。 【0145】本発明のハロゲン化銀粒子は硫黄増感およ
びセレン増感のようなカルコゲン増感、金増感およびパ
ラジウム増感のような貴金属増感、並びに還元増感の少
なくとも1つをハロゲン化銀乳剤の製造工程の任意の工
程で施こすことができる。2種以上の増感法を組み合せ
ることは好ましい。どの工程で化学増感するかによって
種々のタイプの乳剤を調製することができる。粒子の内
部に化学増感核をうめ込むタイプ、粒子表面から浅い位
置にうめ込むタイプ、あるいは表面に化学増感核を作る
タイプがある。本発明の乳剤は目的に応じて化学増感核
の場所を選ぶことができるが、一般に好ましいのは表面
近傍に少なくとも一種の化学増感核を作った場合であ
る。 【0146】本発明で好ましく実施しうる化学増感の一
つはカルコゲン増感と貴金属増感の単独又は組合せであ
り、ジェームス(T.H.James)著、ザ・フォト
グラフィック・プロセス、第4版、マクミラン社刊、1
977年、(T.H.James、The Theor
y of the Photographic Pro
cess,4th ed,Macmillan,197
7)67〜76頁に記載されるように活性ゼラチンを用
いて行うことができるし、またリサーチ・ディスクロー
ジャー、120巻、1974年4月、12008;リサ
ーチ・ディスクロージャー、34巻、1975年6月、
13452、米国特許第2,642,361号、同第
3,297,446号、同第3,772,031号、同
第3,857,711、同第3,901,714号、同
第4,266,018号、および同第3,904,41
5号、並びに英国特許第1,315,755号に記載さ
れるようにpAg 5〜10、pH5〜8および温度30〜8
0℃において硫黄、セレン、テルル、金、白金、パラジ
ウム、イリジウムまたはこれら増感剤の複数の組合せと
することができる。貴金属増感においては、金、白金、
パラジウム、イリジウム等の貴金属塩を用いることがで
き、中でも特に金増感、パラジウム増感および両者の併
用が好ましい。金増感の場合には、塩化金酸、カリウム
クロロオーレート、カリウムオーリチオシアネート、硫
化金、金セレナイドのような公知の化合物を用いること
ができる。パラジウム化合物はパラジウム2価塩または
4価の塩を意味する。好ましいパラジウム化合物は、R
2PdX6またはR2PdX4で表わされる。ここでRは水
素原子、アルカリ金属原子またはアンモニウム基を表わ
す。Xはハロゲン原子を表わし塩素、臭素または沃素原
子を表わす。 【0147】具体的には、K2PdCl4、(NH42
dCl6、Na2PdCl4、(NH42PdCl4、Li
2PdCl4、Na2PdCl6またはK2PdBr4が好ま
しい。金化合物およびパラジウム化合物はチオシアン酸
塩あるいはセレノシアン酸塩と併用することが好まし
い。 【0148】硫黄増感剤として、ハイポ、チオ尿素系化
合物、ロダニン系化合物および米国特許第3,857,
711号、同第4,266,018号および同第4,0
54,457号に記載されている硫黄含有化合物を用い
ることができる。いわゆる化学増感助剤の存在下に化学
増感することもできる。有用な化学増感助剤には、アザ
インデン、アザピリダジン、アザピリミジンのごとき、
化学増感の過程でカブリを抑制し、且つ感度を増大する
ものとして知られた化合物が用いられる。化学増感助剤
改質剤の例は、米国特許第2,131,038号、同第
3,411,914号、同第3,554,757号、特
開昭58−126526号および前述ダフィン著「写真
乳剤化学」、138〜143頁に記載されている。 【0149】本発明の乳剤は金増感を併用することが好
ましい。金増感剤の好ましい量としてハロゲン化銀1モ
ル当り1×10-4〜1×10-7モルであり、さらに好ま
しいのは1×10-5〜5×10-7モルである。パラジウ
ム化合物の好ましい範囲はハロゲン化銀1モル当たり1
×10-3から5×10-7モルである。チオシアン化合物
あるいはセレノシアン化合物の好ましい範囲は5×10
-2から1×10-6である。本発明のハロゲン化銀粒子に
対して使用する好ましい硫黄増感剤量はハロゲン化銀1
モル当り1×10-4〜1×10-7モルであり、さらに好
ましいのは1×10-5〜5×10-7モルである。 【0150】本発明の乳剤に対して好ましい増感法とし
てセレン増感がある。セレン増感においては、公知の不
安定セレン化合物を用い、具体的には、コロイド状金属
セレニウム、セレノ尿素類(例えば、N,N−ジメチル
セレノ尿素、N,N−ジエチルセレノ尿素)、セレノケ
トン類、セレノアミド類のようなセレン化合物を用いる
ことができる。セレン増感は硫黄増感あるいは貴金属増
感あるいはその両方と組み合せて用いた方が好ましい場
合がある。 【0151】本発明のハロゲン化銀乳剤を粒子形成中、
粒子形成後でかつ化学増感前あるいは化学増感中、ある
いは化学増感後に還元増感することは好ましい。ここ
で、還元増感とは、ハロゲン化銀乳剤に還元増感剤を添
加する方法、銀熟成と呼ばれるpAg 1〜7の低pAgの雰
囲気で成長あるいは熟成させる方法、高pH熟成と呼ばれ
るpH8〜11の高pHの雰囲気で成長あるいは熟成させる
方法のいずれを選ぶこともできる。また2つ以上の方法
を併用することもできる。還元増感剤を添加する方法は
還元増感のレベルを微妙に調節できる点で好ましい方法
である。 【0152】還元増感剤としては、例えば、第一錫塩、
アスコルビン酸およびその誘導体、アミンおよびポリア
ミン類、ヒドラジン誘導体、ホルムアミジンスルフィン
酸、シラン化合物、ボラン化合物が公知である。本発明
の還元増感にはこれら公知の還元増感剤を選んで用いる
ことができ、また2種以上の化合物を併用することもで
きる。還元増感剤としては塩化第一錫、二酸化チオ尿
素、ジメチルアミンボラン、アスコルビン酸およびその
誘導体が好ましい化合物である。還元増感剤の添加量
は、乳剤製造条件に依存するので添加量を選ぶ必要があ
るが、ハロゲン化銀1モル当り10-7〜10-3モルの範
囲が適当である。 【0153】還元増感剤は、例えば、水あるいはアルコ
ール類、グリコール類、ケトン類、エステル類、アミド
類のような有機溶媒に溶かし粒子成長中に添加される。
あらかじめ反応容器に添加するのもよいが、粒子成長の
適当な時期に添加する方法が好ましい。また水溶性銀塩
あるいは水溶性アルカリハライドの水溶性にあらかじめ
還元増感剤を添加しておき、これらの水溶液を用いてハ
ロゲン化銀粒子を沈澱せしめてもよい。また粒子成長に
伴って還元増感剤の溶液を何回かに分けて添加しても連
続して長時間添加するのも好ましい方法である。 【0154】本発明の乳剤の製造工程中に銀に対する酸
化剤を用いることが好ましい。銀に対する酸化剤とは、
金属銀に作用して銀イオンに変換せしめる作用を有する
化合物をいう。特にハロゲン化銀粒子の形成過程および
化学増感過程において副生するきわめて微小な銀粒子
を、銀イオンに変換せしめる化合物が有効である。ここ
で生成する銀イオンは、例えば、ハロゲン化銀、硫化
銀、セレン化銀のような水に難溶の銀塩を形成してもよ
く、又、硝酸銀のような水に易溶の銀塩を形成してもよ
い。銀に対する酸化剤は、無機物であっても、有機物で
あってもよい。無機の酸化剤としては、例えば、オゾ
ン、過酸化水素およびその付加物(例えば、NaBO2
・H22・3H2O、2NaCO3・3H22、Na42
7・2H22、2Na2SO4・H22・2H2O)、ペ
ルオキシ酸塩(例えば、K228、K226、K22
8)、ペルオキシ錯体化合物(例えば、K2[Ti(O
2)C2 4]・3H2O、4K2SO4・Ti(O2)OH
・SO4・2H2O、Na3[VO(O2)(C242
・6H2O)、過マンガン酸塩(例えば、KMnO4)、
クロム酸塩(例えば、K2Cr27)のような酸素酸
塩、沃素や臭素のようなハロゲン元素、過ハロゲン酸塩
(例えば、過沃素酸カリウム)、高原子価の金属の塩
(例えば、ヘキサシアノ第二鉄酸カリウム)およびチオ
スルフォン酸塩がある。また、有機の酸化剤としては、
p−キノンのようなキノン類、過酢酸や過安息香酸のよ
うな有機過酸化物、活性ハロゲンを放出する化合物(例
えば、N−ブロムサクシンイミド、クロラミンT、クロ
ラミンB)が例として挙げられる。 【0155】本発明の好ましい酸化剤は、オゾン、過酸
化水素およびその付加物、ハロゲン元素、チオスルフォ
ン酸塩の無機酸化剤及びキノン類の有機酸化剤である。
前述の還元増感と銀に対する酸化剤を併用するのは好ま
しい態様である。酸化剤を用いたのち還元増感を施こす
方法、その逆方法あるいは両者を同時に共存させる方法
のなかから選んで用いることができる。これらの方法は
粒子形成工程でも化学増感工程でも選んで用いることが
できる。 【0156】本発明に用いられる写真乳剤には、感光材
料の製造工程、保存中あるいは写真処理中のかぶりを防
止し、あるいは写真性能を安定化させる目的で、種々の
化合物を含有させることができる。すなわちチアゾール
類、例えば、ベンゾチアゾリウム塩、ニトロイミダゾー
ル類、ニトロベンズイミダゾール類、クロロベンズイミ
ダゾール類、ブロモベンズイミダゾール類、メルカプト
チアゾール類、メルカプトベンゾチアゾール類、メルカ
プトベンズイミダゾール類、メルカプトチアジアゾール
類、アミノトリアゾール類、ベンゾトリアゾール類、ニ
トロベンゾトリアゾール類、メルカプトテトラゾール類
(特に1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール);
メルカプトピリミジン類;メルカプトトリアジン類;例
えば、オキサドリンチオンのようなチオケト化合物;ア
ザインデン類、例えば、トリアザインデン類、テトラア
ザインデン類(特に4−ヒドロキシ置換(1,3,3
a,7)チトラアザインデン類)、ペンタアザインデン
類のようなかぶり防止剤または安定剤として知られた、
多くの化合物を加えることができる。例えば、米国特許
第3,954,474号、同第3,982,947号、
特公昭52−28660号に記載されたものを用いるこ
とができる。好ましい化合物の一つに特開昭63−21
2932号に記載された化合物がある。かぶり防止剤お
よび安定剤は粒子形成前、粒子形成中、粒子形成後、水
洗工程、水洗後の分散時、化学増感前、化学増感中、化
学増感後、塗布前のいろいろな時期に目的に応じて添加
することができる。乳剤調製中に添加して本来のかぶり
防止および安定化効果を発現する以外に、粒子の晶壁を
制御する、粒子サイズを小さくする、粒子の溶解性を減
少させる、化学増感を制御する、色素の配列を制御する
など多目的に用いることができる。 【0157】本発明に用いられる写真乳剤は、メチン色
素類その他によって分光増感されることが本発明の効果
を発揮するのに好ましい。用いられる色素には、シアニ
ン色素、メロシアニン色素、複合シアニン色素、複合メ
ロシアニン色素、ホロポーラーシアニン色素、ヘミシア
ニン色素、スチリル色素およびヘミオキソノール色素が
包含される。特に有用な色素は、シアニン色素、メロシ
アニン色素、および複合メロシアニン色素に属する色素
である。これらの色素類には、塩基性複素環核としてシ
アニン色素類に通常利用される核のいずれをも適用でき
る。すなわち、例えば、ピロリン核、オキサゾリン核、
チオゾリン核、ピロール核、オキサゾール核、チアゾー
ル核、セレナゾール核、イミダゾール核、テトラゾール
核、ピリジン核;これらの核に脂環式炭化水素環が融合
した核;及びこれらの核に芳香族炭化水素環が融合した
核、即ち、例えば、インドレニン核、ベンゾインドレニ
ン核、インドール核、ベンゾオキサドール核、ナフトオ
キサゾール核、ベンゾチアゾール核、ナフトチアゾール
核、ベンゾセレナゾール核、ベンゾイミダゾール核、キ
ノリン核が適用できる。これらの核は炭素原子上に置換
基を有していてもよい。 【0158】メロシアニン色素または複合メロシアニン
色素にはケトメチレン構造を有する核として、例えば、
ピラゾリン−5−オン核、チオヒダントイン核、2−チ
オオキサゾリジン−2,4−ジオン核、チアゾリジン−
2,4−ジオン核、ローダニン核、チオバルビツール酸
核の5〜6員複素環核を適用することができる。これら
の増感色素は単独に用いてもよいが、それらの組合せを
用いてもよく、増感色素の組合せは特に、強色増感の目
的でしばしば用いられる。その代表例は米国特許第2,
688,545号、同第2,977,229号、同第
3,397,060号、同第3,522,052号、同
第3,527,641号、同第3,617,293号、
同第3,628,964号、同第3,666,480
号、同第3,672,898号、同第3,679,42
8号、同第3,703,377号、同第3,769,3
01号、同第3,814,609号、同第3,837,
862号、同第4,026,707号、英国特許第1,
344,281号、同第1,507,803号、特公昭
43−4936号、同53−12375号、特開昭52
−110618号、同52−109925号に記載され
ている。 【0159】増感色素とともに、それ自身分光増感作用
をもたない色素あるいは可視光を実質的に吸収しない物
質であって、強色増感を示す物質を乳剤中に含んでもよ
い。増感色素を乳剤中に添加する時期は、これまで有用
であると知られている乳剤調製の如何なる段階であって
もよい。もっとも普通には化学増感の完了後塗布前まで
の時期に行なわれるが、米国特許第3,628,969
号、および同第4,225,666号に記載されている
ように化学増感剤と同時期に添加し分光増感を化学増感
と同時に行なうことも、特開昭58−113928号に
記載されているように化学増感に先立って行なうことも
出来、またハロゲン化銀粒子沈澱生成の完了前に添加し
分光増感を開始することも出来る。更にまた米国特許第
4,225,666号に教示されているようにこれらの
前記化合物を分けて添加すること、即ちこれらの化合物
の一部を化学増感に先立って添加し、残部を化学増感の
後で添加することも可能であり、米国特許第4,18
3,756号に開示されている方法を始めとしてハロゲ
ン化銀粒子形成中のどの時期であってもよい。添加量
は、ハロゲン化銀1モル当り、4×10-6〜8×10-3
モルで用いることができる。 【0160】本発明で得られるハロゲン化銀乳剤を用い
て製造される感光材料は、支持体上に上述した本発明の
乳剤を含有する乳剤層を少なくとも1層有していればよ
く、支持体上に青感色性層、緑感色性層、赤感色性層の
ハロゲン化銀乳剤層の少なくとも1層が設けられている
ことが好ましい。ハロゲン化銀乳剤層および非感光性層
の層数および層順に特に制限はない。典型的な例として
は、支持体上に、実質的に感色性は同じであるが感光度
の異なる複数のハロゲン化銀乳剤層から成る感色性層を
少なくとも1つ有するハロゲン化銀写真感光材料であ
り、該感光性層は青色光、緑色光、および赤色光の何れ
かに感色性を有する単位感光性層であり、多層ハロゲン
化銀カラー写真感光材料においては、一般に単位感光性
層の配列が、支持体側から順に赤感色性層、緑感色性
層、青感色性層の順に設置される。しかし、目的に応じ
て上記設置順が逆であっても、また同一感色性層中に異
なる感光性層が挾まれたような設置順をもとり得る。 【0161】上記のハロゲン化銀感光性層の間および最
上層、最下層には各層の中間層等の非感光性層を設けて
もよい。該中間層には、特開昭61−43748号、同
59−113438号、同59−113440号、同6
1−20037号、同61−20038号に記載される
ようなカプラー、DIR化合物が含まれていてもよく、
通常用いられるように混色防止剤を含んでいてもよい。 【0162】各単位感光性層を構成する複数のハロゲン
化銀乳剤層は、西独特許第1,121,470号あるい
は英国特許第923,045号に記載されるように高感
度乳剤層、低感度乳剤層の2層構成を好ましく用いるこ
とができる。通常は、支持体に向かって順次感光度が低
くなる様に配列するのが好ましく、また各ハロゲン乳剤
層の間には非感光性層が設けられていてもよい。また、
特開昭57−112751号、同62−200350
号、同62−206541号、同62−206543号
に記載されているように支持体より離れた側に低感度乳
剤層、支持体に近い側に高感度乳剤層を設置してもよ
い。 【0163】具体例として支持体から最も遠い側から、
例えば低感度青感光性層(BL)/高感度青感光性層
(BH)/高感度緑感光性層(GH)/低感度緑感光性
層(GL)/高感度赤感光性層(RH)/低感度赤感光
性層(RL)の順、またはBH/BL/GL/GH/R
H/RLの順、またはBH/BL/GH/GL/RL/
RHの順等に設置することができる。 【0164】また特公昭55−34932号公報に記載
されているように、支持体から最も遠い側から青感光性
層/GH/RH/GL/RLの順に配列することもでき
る。また特開昭56−25738号、同62−6393
6号明細書に記載されているように、支持体から最も遠
い側から青感光性層/GL/RL/GH/RHの順に設
置することもできる。 【0165】また特公昭49−15495号に記載され
ているように上層を最も感光度の高いハロゲン化銀乳剤
層、中層をそれよりも低い感光度のハロゲン化銀乳剤
層、下層を中層よりも更に感光度の低いハロゲン化銀乳
剤層を配置し、支持体に向かって感光度が順次低められ
た感光度の異なる3層から構成される配列が挙げられ
る。このような感光度の異なる3層から構成される場合
でも、特開昭59−202464号に記載されているよ
うに、同一感色性層中において支持体より離れた側から
中感度乳剤層/高感度乳剤層/低感度乳剤層の順に配置
されてもよい。 【0166】その他、高感度乳剤層/低感度乳剤層/中
感度乳剤層、あるいは低感度乳剤層/中感度乳剤層/高
感度乳剤層などの順に配置されていてもよい。また、4
層以上の場合にも、上記の如く配列を変えてよい。上記
のように、それぞれの感光材料の目的に応じて種々の層
構成、配列を選択することができる。 【0167】本発明に関する感光材料には、前記の種々
の添加剤が用いられるが、それ以外にも目的に応じて種
々の添加剤を用いることができる。これらの添加剤は、
より詳しくはリサーチ・ディスクロージャー Item
17643(1978年12月)、同 Item 18
716(1979年11月)および同 Item 30
8119(1989年12月)に記載されており、その
該当個所を後掲の表にまとめて示した。 【0168】 添加剤種類 RD17643 RD18716 RD308119 1 化学増感剤 23頁 648 頁右欄 996 頁 2 感度上昇剤 同 上 3 分光増感剤、 23〜24頁 648 頁右欄〜 996 右〜998 右 強色増感剤 649 頁右欄 4 増 白 剤 24頁 647 頁右欄 998 右 5 かぶり防止剤、 24〜25頁 649 頁右欄 998 右〜1000右 および安定剤 6 光吸収剤、 25〜26頁 649 頁右欄〜 1003左〜1003右 フィルター染料、 650 頁左欄 紫外線吸収剤 7 ステイン防止剤 25頁右欄 650 左〜右欄 1002右 8 色素画像安定剤 25頁 1002右 9 硬 膜 剤 26頁 651 頁左欄 1004右〜1005左 10 バインダー 26頁 同 上 1003右〜1004右 11 可塑剤、潤滑剤 27頁 650 頁右欄 1006左〜1006右 12 塗布助剤、 26〜27頁 同 上 1005左〜1006左 表面活性剤 13 スタチック 27頁 同 上 1006右〜1007左 防 止 剤 14 マット剤 1008左〜1009左。 【0169】また、ホルムアルデヒドガスによる写真性
能の劣化を防止するために、米国特許4,411,98
7号や同第4,435,503号に記載されたホルムア
ルデヒドと反応して、固定化できる化合物を感光材料に
添加することが好ましい。 【0170】本発明には種々のカラーカプラーを使用す
ることができ、その具体例は前出のリサーチ・ディスク
ロージャーNo.17643、VII−C〜G、および同N
o.307105、VII−C〜Gに記載された特許に記載
されている。 【0171】イエローカプラーとしては、例えば米国特
許第3,933,501号、同第4,022,620
号、同第4,326,024号、同第4,401,75
2号、同第4,248,961号、特公昭58−107
39号、英国特許第1,425,020号、同第1,4
76,760号、米国特許第3,973,968号、同
第4,314,023号、同第4,511,649号、
欧州特許第249,473A号、等に記載のものが好ま
しい。 【0172】マゼンタカプラーとしては5−ピラゾロン
系及びピラゾロアゾール系の化合物が好ましく、米国特
許第4,310,619号、同第4,351,897
号、欧州特許第73,636号、米国特許第3,06
1,432号、同第3,725,067号、リサーチ・
ディスクロージャーNo.24220(1984年6
月)、特開昭60−33552号、リサーチ・ディスク
ロージャーNo.24230(1984年6月)、特開昭
60−43659号、同61−72238号、同60−
35730号、同55−118034号、同60−18
5951号、米国特許第4,500,630号、同第
4,540,654号、同第4,556,630号、国
際公開WO88/04795号に記載のものが特に好ま
しい。 【0173】シアンカプラーとしては、フェノール系及
びナフトール系カプラーが挙げられ、米国特許第4,0
52,212号、同第4,146,396号、同第4,
228,233号、同第4,296,200号、同第
2,369,929号、同第2,801,171号、同
第2,772,162号、同第2,895,826号、
同第3,772,002号、同第3,758,308
号、同第4,334,011号、同第4,327,17
3号、西独特許公開第3,329,729号、欧州特許
第121,365A号、同第249,453A号、米国
特許第3,446,622号、同第4,333,999
号、同第4,775,616号、同第4,451,55
9号、同第4,427,767号、同第4,690,8
89号、同第4,254,212号、同第4,296,
199号、特開昭61−42658号等に記載のものが
好ましい。 【0174】ポリマー化された色素形成カプラーの典型
例は、米国特許第3,451,820号、同第4,08
0,211号、同第4,367,282号、同第4,4
09,320号、同第4,576,910号、英国特許
第2,102,137号、欧州特許第341,188A
号に記載されている。 【0175】発色色素が適度な拡散性を有するカプラー
としては、米国特許第4,366,237号、英国特許
第2,125,570号、欧州特許第96,570号、
西独特許(公開)第3,234,533号に記載のもの
が好ましい。 【0176】発色色素の不要吸収を補正するためのカラ
ード・カプラーは、リサーチ・ディスクロージャーNo.
17643のVII−G項、同No.307105のVII−G
項、米国特許第4,163,670号、特公昭57−3
9413号、米国特許第4,004,929号、同第
4,138,258号、英国特許第1,146,368
号に記載のものが好ましい。また、米国特許第4,77
4,181号に記載のカップリング時に放出された蛍光
色素により発色色素の不要吸収を補正するカプラーや、
米国特許第4,777,120号に記載の現像主薬と反
応して色素を形成しうる色素プレカーサー基を離脱基と
して有するカプラーを用いることも好ましい。 【0177】カップリングに伴って写真的に有用な残基
を放出する化合物もまた本発明で好ましく使用できる。
現像抑制剤を放出するDIRカプラーは、前述のRD1
7643、VII−F項及び同No.307105、VII−F
項に記載された特許、特開昭57−151944号、同
57−154234号、同60−184248号、同6
3−37346号、同63−37350号、米国特許第
4,248,962号、同第4,782,012号に記
載されたものが好ましい。 【0178】現像時に画像状に造核剤もしくは現像促進
剤を放出するカプラーとしては、英国特許第2,09
7,140号、同第2,131,188号、特開昭59
−157638号、同59−170840号に記載のも
のが好ましい。また、特開昭60−107029号、同
60−252340号、特開平1−44940号、同1
−45687号に記載の現像主薬の酸化体との酸化還元
反応により、かぶらせ剤、現像促進剤、ハロゲン化銀溶
剤等を放出する化合物も好ましい。 【0179】その他、本発明の感光材料に用いることの
できる化合物としては、米国特許第4,130,427
号等に記載の競争カプラー、米国特許第4,283,4
72号、同第4,338,393号、同第4,310,
618号等に記載の多当量カプラー、特開昭60−18
5950号、特開昭62−24252号等に記載のDI
Rレドックス化合物放出カプラー、DIRカプラー放出
カプラー、DIRカプラー放出レドックス化合物もしく
はDIRレドックス放出レドックス化合物、欧州特許第
173,302A号、同第313,308A号に記載の
離脱後復色する色素を放出するカプラー、RD.No.1
1449、同24241、特開昭61−201247号
等に記載の漂白促進剤放出カプラー、米国特許第4,5
55,477号等に記載のリガンド放出カプラー、特開
昭63−75747号に記載のロイコ色素を放出するカ
プラー、米国特許第4,774,181号に記載の蛍光
色素を放出するカプラーが挙げられる。 【0180】本発明に使用するカプラーは、種々の公知
の分散方法により感光材料に導入できる。水中油滴分散
法に用いられる高沸点溶媒の例は、例えば、米国特許第
2,322,027号に記載されている。 【0181】水中油滴分散法に用いられる常圧での沸点
が175℃以上の高沸点有機溶剤の具体例としては、フ
タル酸エステル類(例えば、ジブチルフタレート、ジシ
クロヘキシルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタ
レート、デシルフタレート、ビス(2,4−ジ−ter
t−アミルフェニル)フタレート、ビス(2,4−ジ−
tert−アミルフェニル)イソフタレート、ビス
(1,1−ジエチルプロピル)フタレート);リン酸ま
たはホスホン酸のエステル類(例えば、トリフェニルホ
スフェート、トリクレジルホスフェート、2−エチルヘ
キシルジフェニルホスフェート、トリシクロヘキシルホ
スフェート、トリ−2−エチルヘキシルホスフェート、
トリドデシルホスフェート、トリブトキシエチルホスフ
ェート、トリクロロプロピルホスフェート、ジ−2−エ
チルヘキシルフェニルホスホネート);安息香酸エステ
ル類(例えば、2−エチルヘキシルベンゾエート、ドデ
シルベンゾエート、2−エチルヘキシル−p−ヒドロキ
シベンゾエート);アミド類(例えば、N,N−ジエチ
ルドデカンアミド、N,N−ジエチルラウリルアミド、
N−テトラデシルピロリドン);アルコール類またはフ
ェノール類(例えば、イソステアリルアルコール、2,
4−ジ−tert−アミルフェノール);脂肪族カルボ
ン酸エステル類(例えば、ビス(2−エチルヘキシル)
セバケート、ジオクチルアゼレート、グリセロールトリ
ブチレート、イソステアリルラクテート、トリオクチル
シトレート);アニリン誘導体(例えば、N,N−ジブ
チル−2−ブトキシ−5−tert−オクチルアニリ
ン);炭化水素類(例えば、パラフィン、ドデシルベン
ゼン、ジイソプロピルナフタレン)を例示することがで
きる。また補助溶剤としては、例えば、沸点が約30℃
以上、好ましくは50℃以上かつ約160℃以下の有機
溶剤が使用でき、典型例としては、例えば、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、メチルエチルケ
トン、シクロヘキサノン、2−エトキシエチルアセテー
ト、ジメチルホルムアミドが挙げられる。 【0182】ラテックス分散法の工程、効果および含浸
用ラテックスの具体例は、例えば、米国特許第4,19
9,363号、西独特許出願(OLS)第2,541,
274号および、同第2,541,230号に記載され
ている。 【0183】本発明のカラー感光材料中には、フェネチ
ルアルコールや特開昭63−257747号、同62−
272248号、および特開平1−80941号に記載
の、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オ
ン、n−ブチル−p−ヒドロキシベンゾエート、フェノ
ール、4−クロル−3,5−ジメチルフェノール、2−
フェノキシエタノール、2−(4−チアゾリル)ベンゾ
イミダゾールのような各種の防腐剤もしくは防黴剤を添
加することが好ましい。 【0184】本発明は種々のカラー感光材料に適用する
ことができる。例えば、一般用もしくは映画用のカラー
ネガフィルム、スライド用もしくはテレビ用のカラー反
転フィルム、カラーペーパー、カラーポジフィルムおよ
びカラー反転ペーパーを代表例として挙げることができ
る。本発明は、カラーデュープ用フィルムにも特に好ま
しく使用できる。 【0185】本発明に使用できる適当な支持体は、例え
ば、前述のRD.No.17643の28頁、同No.
18716の647頁右欄から648頁左欄、および同
No.307105の879頁に記載されている。 【0186】本発明の感光材料は、乳剤層を有する側の
全親水性コロイド層の膜厚の総和が28μm以下である
ことが好ましく、23μm以下がより好ましく、18μ
m以下が更に好ましく、16μm以下が特に好ましい。
また膜膨潤速度T1/2が30秒以下が好ましく、20秒
以下がより好ましい。ここでの膜厚は、25℃相対湿度
55%調湿下(2日)で測定した膜厚を意味する。ま
た、膜膨潤速度T1/2は当該技術分野において公知の手
法に従って測定することができ、例えばエー・グリーン
(A.Green)らによりフォトグラフィック・サイ
エンス・アンド・エンジニアリング(Photogr.
Sci.Eng.)、19巻、2号、124〜129頁
に記載の型のスエロメーター(膨潤計)を使用すること
により測定できる。なお、T1/2は発色現像液で30
℃、3分15秒処理した時に到達する最大膨潤膜厚の9
0%を飽和膜厚とし、飽和膜厚の1/2に到達するまで
の時間と定義する。膜膨潤速度T1/2は、バインダーと
してのゼラチンに硬膜剤を加えること、あるいは塗布後
の経時条件を変えることによって調整することができ
る。 【0187】本発明の感光材料は、乳剤層を有する側の
反対側に、乾燥膜厚の総和が2μm〜20μmの親水性
コロイド層(バック層と称す)を設けることが好まし
い。このバック層には、例えば、前述の光吸収剤、フィ
ルター染料、紫外線吸収剤、スタチック防止剤、硬膜
剤、バインダー、可塑剤、潤滑剤、塗布助剤、表面活性
剤を含有させることが好ましい。このバック層の膨潤率
は150〜500%が好ましい。 【0188】本発明に従ったカラー写真感光材料は、前
述のRD.No.17643の28〜29頁、同No.
18716の651頁左欄〜右欄、および同No.30
7105の880〜881頁に記載された通常の方法に
よって現像処理することができる。 【0189】本発明の感光材料の現像処理に用いる発色
現像液は、好ましくは芳香族第一級アミン系発色現像主
薬を主成分とするアルカリ性水溶液である。この発色現
像主薬としては、アミノフェノール系化合物も有用であ
るが、p−フェニレンジアミン系化合物が好ましく使用
され、その代表例としては3−メチル−4−アミノ−
N,Nジエチルアニリン、3−メチル−4−アミノ−N
−エチル−N−β−ヒドロキシエチルアニリン、3−メ
チル−4−アミノ−N−エチル−N−β−メタンスルホ
ンアミドエチルアニリン、3−メチル−4−アミノ−N
−エチル−β−メトキシエチルアニリン、及びこれらの
硫酸塩、塩酸塩もしくはp−トルエンスルホン酸塩など
が挙げられる。これらの中で、特に、3−メチル−4−
アミノ−N−エチル−N−β−ヒドロキシエチルアニリ
ンの硫酸塩が好ましい。これらの化合物は目的に応じ2
種以上併用することもできる。 【0190】発色現像液は、例えば、アルカリ金属の炭
酸塩、ホウ酸塩もしくはリン酸塩のようなpH緩衝剤、
塩化物塩、臭化物塩、沃化物塩、ベンズイミダゾール
類、ベンゾチアゾール類もしくはメルカプト化合物のよ
うな現像抑制剤またはかぶり防止剤を含むのが一般的で
ある。また必要に応じて、ヒドロキシルアミン、ジエチ
ルヒドロキシルアミン、亜硫酸塩、N,N−ビスカルボ
キシメチルヒドラジンの如きヒドラジン類、フェニルセ
ミカルバジド類、トリエタノールアミン、カテコールス
ルホン酸類の如き各種保恒剤;エチレングリコール、ジ
エチレングリコールのような有機溶剤;ベンジルアルコ
ール、ポリエチレングリコール、四級アンモニウム塩、
アミン類のような現像促進剤;色素形成カプラー、競争
カプラー、1−フェニル−3−ピラゾリドンのような補
助現像主薬;粘性付与剤;アミノポリカルボン酸、アミ
ノポリホスホン酸、アルキルホスホン酸、ホスホノカル
ボン酸に代表されるような各種キレート剤を用いること
ができる。キレート剤としては、例えば、エチレンジア
ミン四酢酸、ニトリル三酢酸、ジエチレントリアミン五
酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチ
ルイミノジ酢酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−
ジホスホン酸、ニトリロ−N,N,N−トリメチレンホ
スホン酸、エチレンジアミン−N,N,N,N−テトラ
メチレンホスホン酸、エチレンジアミン−ジ(o−ヒド
ロキシフェニル酢酸)及びそれらの塩を代表例として挙
げることができる。 【0191】また、反転処理を実施する場合は、通常黒
白現像を行なってから発色現像する。この黒白現像液に
は、例えば、ハイドロキノンのようなジヒドロキシベン
ゼン類、例えば、1−フェニル−3−ピラゾリドンのよ
うな3−ピラゾリドン類、または例えば、N−メチル−
p−アミノフェノールのようなアミノフェノール類の公
知の黒白現像主薬を単独であるいは組み合わせて用いる
ことができる。これらの発色現像液及び黒白現像液のp
Hは、9〜12であることが一般的である。また、これ
らの現像液の補充量は、処理するカラー写真感光材料に
もよるが、一般に感光材料1平方メートル当たり3リッ
トル(以下、リットルを「L」とも表記する。)以下で
あり、補充液中の臭化物イオン濃度を低減させておくこ
とにより500ミリリットル(以下、ミリリットルを
「mL」とも表記する。)以下にすることもできる。補
充量を低減する場合には、処理液の空気との接触面積を
小さくすることによって液の蒸発、空気酸化を防止する
ことが好ましい。 【0192】処理槽での写真処理液と空気との接触面積
は、以下に定義する開口率で表わすことができる。即
ち、 開口率=[処理液と空気との接触面積(cm2)]÷[処
理液の容量(cm3)]。 【0193】上記の開口率は0.1以下であることが好
ましく、より好ましくは0.001〜0.05である。
このように開口率を低減させる方法としては、処理槽の
写真処理液面に、例えば浮き蓋のような遮蔽物を設ける
方法に加えて、特開平1−82033号に記載された可
動蓋を用いる方法、特開昭63−216050号に記載
されたスリット現像処理方法を挙げることができる。開
口率を低減させることは、発色現像及び黒白現像の両工
程のみならず、後続の諸工程、例えば、漂白、漂白定
着、定着、水洗、安定化の全ての工程において適用する
ことが好ましい。また、現像液中の臭化物イオンの蓄積
を抑える手段を用いることにより、補充量を低減するこ
ともできる。発色現像処理の時間は通常2〜5分の間で
設定されるが、高温高pHとし、かつ発色現像主薬を高
濃度に使用することにより、更に処理時間の短縮を図る
こともできる。 【0194】発色現像後の写真乳剤層は通常漂白処理さ
れる。漂白処理は定着処理と同時に行なわれてもよいし
(漂白定着処理)、個別に行なわれてもよい。更に処理
の迅速化を図るため、漂白処理後に漂白定着処理する処
理方法でもよい。さらに、二槽の連続した漂白定着浴で
処理すること、漂白定着処理の前に定着処理すること、
又は漂白定着処理後に漂白処理することも目的に応じ任
意に実施できる。漂白剤としては、例えば、鉄(III)の
ような多価金属の化合物、過酸類(特に、過硫酸ソーダ
は映画用カラーネガフィルムに適する)、キノン類、ニ
トロ化合物が用いられる。代表的漂白剤としては、鉄
(III)の有機錯塩、例えば、エチレンジアミン四酢酸、
ジエチレントリアミン五酢酸、シクロヘキサンジアミン
四酢酸、メチルイミノ二酢酸、1,3−ジアミノプロパ
ン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸のような
アミノポリカルボン酸類との錯塩、または、例えば、ク
エン酸、酒石酸、リンゴ酸との錯塩を用いることができ
る。これらのうち、エチレンジアミン四酢酸鉄(III)錯
塩、及び1,3−ジアミノプロパン四酢酸鉄(III)錯塩
をはじめとするアミノポリカルボン酸鉄(III)錯塩は、
迅速処理と環境汚染防止の観点から好ましい。さらに、
アミノボリカルボン酸鉄(III)錯塩は、漂白液において
も、漂白定着液においても特に有用である。これらのア
ミノポリカルボン酸鉄(III)錯塩を用いた漂白液又は漂
白定着液のpHは通常4.0〜8であるが、処理の迅速
化のためにさらに低いpHで処理することもできる。 【0195】漂白液、漂白定着液及びそれらの前浴に
は、必要に応じて漂白促進剤を使用することができる。
有用な漂白促進剤の具体例は、次の明細書に記載されて
いる:例えば、米国特許第3,893,858号、西独
特許第1,290,812号、同第2,059,988
号、特開昭53−32736号、同53−57831
号、同53−37418号、同53−72623号、同
53−95630号、同53−95631号、同53−
104232号、同53−124424号、同53−1
41623号、同53−18426号、リサーチ・ディ
スクロージャーNo.17129号(1978号7月)
に記載のメルカプト基またはジスルフィド基を有する化
合物;特開昭51−140129号に記載のチアゾリジ
ン誘導体;特公昭45−8506号、特開昭52−20
832号、同53−32735号、米国特許第3,70
6,561号に記載のチオ尿素誘導体、西独特許第1,
127,715号、特開昭58−16235号に記載の
沃化物塩;西独特許第966,410号、同第2,74
8,430号に記載のポリオキシエチレン化合物類;特
公昭45−8836号に記載のポリアミン化合物;その
他特開昭49−40943号、同49−59644号、
同53−94927号、同54−35727号、同55
−26506号、同58−163940号記載の化合
物;臭化物イオン等が使用できる。なかでも、メルカプ
ト基またはジスルフィド基を有する化合物が促進効果が
大きい観点で好ましく、特に米国特許第3,893,8
58号、西独特許第1,290,812号、特開昭53
−95630号に記載の化合物が好ましい。更に、米国
特許第4,552,884号に記載の化合物も好まし
い。これらの漂白促進剤は感材中に添加してもよい。撮
影用のカラー感光材料を漂白定着するときに、これらの
漂白促進剤は特に有効である。 【0196】漂白液や漂白定着液には上記の化合物の他
に、漂白ステインを防止する目的で有機酸を含有させる
ことが好ましい。特に好ましい有機酸は、酸解離定数
(pKa)が2〜5である化合物で、具体的には、例え
ば、酢酸、プロピオン酸、ヒドロキシ酢酸を挙げること
ができる。 【0197】定着液や漂白定着液に用いられる定着剤と
しては、例えば、チオ硫酸塩、チオシアン酸塩、チオエ
ーテル系化合物、チオ尿素類、多量の沃化物塩を挙げる
ことができる。このなかではチオ硫酸塩の使用が一般的
であり、特にチオ硫酸アンモニウムが最も広範に使用で
きる。また、チオ硫酸塩と、例えば、チオシアン酸塩、
チオエーテル系化合物、チオ尿素の併用も好ましい。定
着液や漂白定着液の保恒剤としては、亜硫酸塩、重亜硫
酸塩、カルボニル重亜硫酸付加物あるいは欧州特許第2
94,769A号に記載のスルフィン酸化合物が好まし
い。更に、定着液や漂白定着液には、液の安定化の目的
で、各種アミノポリカルボン酸類や有機ホスホン酸類の
添加が好ましい。 【0198】本発明において、定着液または漂白定着液
には、pH調整のためにpKaが6.0〜9.0の化合
物、好ましくはイミダゾール、1−メチルイミダゾー
ル、1−エチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール
の如きイミダゾール類を0.1〜10モル/L添加する
ことが好ましい。 【0199】脱銀工程の時間の合計は、脱銀不良が生じ
ない範囲で短い方が好ましい。好ましい時間は1分〜3
分、更に好ましくは1分〜2分である。また、処理温度
は25℃〜50℃、好ましくは35℃〜45℃である。
好ましい温度範囲においては脱銀速度が向上し、かつ処
理後のステイン発生が有効に防止される。 【0200】脱銀工程においては、撹拌ができるだけ強
化されていることが好ましい。撹拌強化の具体的な方法
としては、特開昭62−183460号に記載の感光材
料の乳剤面に処理液の噴流を衝突させる方法や、特開昭
62−183461号に回転手段を用いて撹拌効果を上
げる方法が挙げられる。更には、液中に設けられたワイ
パーブレードと乳剤面を接触させながら感光材料を移動
させ、乳剤表面を乱流化することによってより撹拌効果
を向上させる方法や、処理液全体の循環流量を増加させ
る方法が挙げられる。このような撹拌向上手段は、漂白
液、漂白定着液、定着液のいずれにおいても有効であ
る。撹拌の向上は、乳剤膜中への漂白剤および、定着剤
の供給を速め、結果として脱銀速度を高めるものと考え
られる。また、前記の撹拌向上手段は漂白促進剤を使用
した場合により有効であり、促進効果を著しく増加させ
たり、漂白促進剤により定着阻害作用を解消させること
ができる。 【0201】本発明の感光材料の現像に用いられる自動
現像機は、特開昭60−191257号、同60−19
1258号、同60−191259号に記載の感光材料
搬送手段を有していることが好ましい。前記の特開昭6
0−191257号に記載のとおり、このような搬送手
段は前浴から後浴への処理液の持込みを著しく削減で
き、処理液の性能劣化を防止する効果が高い。このよう
な効果は、各工程における処理時間の短縮や処理液補充
量の低減に特に有効である。 【0202】本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料
は、脱銀処理後、水洗及び/又は安定工程を経るのが一
般的である。水洗工程での水洗水量は、感光材料の特性
(例えば、カプラーのような使用素材による)、用途、
更には、例えば、水洗水温、水洗タンクの数(段数)、
向流、順流のような補充方式、その他種々の条件に応じ
て広範囲に設定し得る。このうち、多段向流方式におけ
る水洗タンク数と水量の関係は、Journal of
the Society of Motion Pi
cture and Television Engi
neers 第64巻、P.248〜253(1955
年5月号)に記載の方法で求めることができる。 【0203】前記文献に記載の多段向流方式によれば、
水洗水量を大幅に減少し得るが、タンク内における水の
滞留時間の増加によりバクテリアが繁殖し、生成した浮
遊物が感光材料に付着するというような問題が生じる。
本発明のカラー感光材料の処理おいては、このような問
題の解決策として、特開昭62−288838号に記載
のカルシウムイオン、マグネシウムイオンを低減させる
方法を極めて有効に用いることができる。また、特開昭
57−8542号に記載の、例えば、イソチアゾロン化
合物やサイアベンダゾール類、塩素化イソシアヌール酸
ナトリウムのような塩素系殺菌剤、その他、例えば、ベ
ンゾトリアゾールのような、堀口博著「防菌防黴剤の化
学」(1986年)三共出版、衛生技術会編「微生物の
滅菌、殺菌、防黴技術」(1982年)工業技術会、日
本防菌防黴学会編「防菌防黴剤事典」(1986年)に
記載の殺菌剤を用いることもできる。 【0204】本発明の感光材料の処理おける水洗水のp
Hは、4〜9、好ましくは5〜8である。水洗水温およ
び水洗時間も、例えば感光材料の特性、用途に応じて種
々設定し得るが、一般には、15〜45℃で20秒〜1
0分、好ましくは25〜40℃で30秒〜5分の範囲が
選択される。更に、本発明の感光材料は、上記水洗に代
えて、直接安定液によって処理することもできる。この
ような安定化処理においては、特開昭57−8543
号、同58−14834号、同60−220345号に
記載の公知の方法はすべて用いることができる。 【0205】また、前記水洗処理に続いて、更に安定化
処理する場合もある。その例として、撮影用カラー感光
材料の最終浴として使用される、色素安定化剤と界面活
性剤を含有する安定浴を挙げることができる。色素安定
化剤としては、例えば、ホルマリンやグルタルアルデヒ
ドのようなアルデヒド類、N−メチロール化合物、ヘキ
サメチレンテトラミンあるいはアルデヒド亜硫酸酸付加
物を挙げることができる。この安定浴にも、各種キレー
ト剤や防黴剤を加えることができる。 【0206】上記水洗及び/又は安定液の補充に伴うオ
ーバーフロー液は脱銀工程のような他の工程において再
利用することもできる。例えば自動現像機を用いた処理
において、上記の各処理液が蒸発により濃縮化する場合
には、水を加えて濃縮補正することが好ましい。 【0207】本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料
には、処理の簡略化及び迅速化の目的で発色現像主薬を
内蔵させても良い。内蔵させるためには、発色現像主薬
の各種プレカーサーを用いるのが好ましい。例えば、米
国特許第3,342,597号記載のインドアニリン系
化合物、例えば、同第3,342,599号、リサーチ
・ディスクロージャーNo.14,850及び同No.
15,159に記載のシッフ塩基型化合物、同No.1
3,924に記載のアルドール化合物、米国特許第3,
719,492号に記載の金属塩錯体、特開昭53−1
35628号に記載のウレタン系化合物を挙げることが
できる。 【0208】本発明のハロゲン化銀カラー感光材料は、
必要に応じて、発色現像を促進する目的で、各種の1−
フェニル−3−ピラゾリドン類を内蔵しても良い。典型
的な化合物は、例えば、特開昭56−64339号、同
57−144547号、および同58−115438号
に記載されている。 【0209】本発明における各種処理液は、10℃〜5
0℃において使用される。通常は33℃〜38℃の温度
が標準的であるが、より高温にして処理を促進し処理時
間を短縮したり、逆により低温にして画質の向上や処理
液の安定性の改良を達成することができる。 【0210】また、本発明のハロゲン化銀感光材料は、
米国特許第4,500,626号、特開昭60−133
449号、同59−218443号、同61−2380
56号、欧州特許第210,660A2号などに記載さ
れている熱現像感光材料にも適用できる。また、本発明
のハロゲン化銀カラー写真感光材料は、特公平2−32
615号、実公平3−39784号などに記載されてい
るレンズ付きフィルムユニットに適用した場合に、より
効果を発現しやすく有効である。 【0211】 【実施例】以下に実施例をもって本発明を具体的に説明
する。但し、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。 【0212】(実施例−1)以下の製法により平板状ホ
スト粒子乳剤aからeを調製した。 (平板状ホスト粒子乳剤aの調製) <種乳剤iの調製>特開平11−174606号の実施
例1に記載された乳剤1Cを参考にしてハロゲン化銀平
板粒子を調製した。水洗した後、ゼラチンを加えpH,
5.7、pAg,8.8、乳剤1kg当たりの銀換算の
質量131.8g、ゼラチン質量64.1gに調整し、
種乳剤iとした。球相当径0.7μm、平均ヨウ化銀含
有率6モル%の平板状粒子であった。 【0213】<ホスト粒子成長>トリメリット化率97
%のトリメリット化ゼラチン46g、KBr1.7gを
含む水溶液1211mLを75℃に保ち激しく攪拌し
た。種乳剤iを48g加えた後、変成シリコンオイル
(日本ユニカー株式会社製品、L7602)を0.3g
添加した。H2SO4を添加してpHを5.5に調整した
後、AgNO37.0gを含む水溶液67.6mLとKI
を6モル%含むKBr水溶液をダブルジェット法で最終
流量が初期流量の5.1倍になるように流量加速して6
分間に渡り添加した。この時、銀電位を飽和カロメル電
極に対して±0mVに保った。ベンゼンチオスルホン酸
ナトリウム,2mgと二酸化チオ尿素2mgを添加した
後、AgNO3216.8gを含む水溶液780mLと
KIを6モル%含むKBrとKIの混合水溶液をダブル
ジェット法で最終流量が初期流量の3.7倍になるよう
に流量加速して150分間に渡り添加した。添加中は、
銀電位を飽和カロメル電極に対して最初の134分間は
+10mVに保ち、最後の16分間は+50mVに制御
した。このように作成した粒子を平板状ホスト粒子乳剤
aとした。 【0214】(平板状ホスト粒子乳剤bの調製) <種乳剤iiの調製>特開平11−174606号の実施
例1に記載された乳剤1Cを参考にしてハロゲン化銀平
板粒子を調製した。水洗した後、ゼラチンを加えpH,
5.7、pAg,8.8,乳剤1kg当たりの銀換算の
質量131.8g、ゼラチン質量64.1gに調整し、
種乳剤iiとした。球相当径0.7μm、平均ヨウ化銀含
有率2モル%の平板状粒子であった。 【0215】<ホスト粒子成長>トリメリット化率97
%のトリメリット化ゼラチン46g、KBr1.7gを
含む水溶液1211mLを75℃に保ち激しく攪拌し
た。種乳剤iiを48g加えた後、変成シリコンオイル
(日本ユニカー株式会社製品、L7602)を0.3g
添加した。H2SO4を添加してpHを5.5に調整した
後、AgNO37.0gを含む水溶液67.6mLとKI
を2モル%含むKBr水溶液をダブルジェット法で最終
流量が初期流量の5.1倍になるように流量加速して6
分間に渡り添加した。この時、銀電位を飽和カロメル電
極に対して−40mVに保った。ベンゼンチオスルホン
酸ナトリウム2mgと二酸化チオ尿素2mgを添加した
後、AgNO3136.7gを含む水溶液483mLと
KIを2モル%含むKBrとKIの混合水溶液をダブル
ジェット法で最終流量が初期流量の2.6倍になるよう
に流量加速して102分間に渡り添加した。この時、銀
電位を飽和カロメル電極に対して−35mVに保った。
このように作成した粒子を平板状ホスト粒子乳剤bとし
た。 【0216】(平板状ホスト粒子乳剤cの調製) <種乳剤iiiの調製>特開平11−174606号の実
施例1に記載された乳剤1Cを参考にしてハロゲン化銀
平板粒子を調製した。水洗した後、ゼラチンを加えp
H,5.7、pAg,8.8,乳剤1kg当たりの銀換
算の質量131.8g、ゼラチン質量64.1gに調整
し、種乳剤iiiとした。球相当径0.7μm、平均ヨウ
化銀含有率4モル%の平板状粒子であった。 【0217】<ホスト粒子成長>トリメリット化率97
%のトリメリット化ゼラチン46g、KBr1.7gを
含む水溶液1211mLを75℃に保ち激しく攪拌し
た。種乳剤iiiを48g加えた後、変成シリコンオイル
(日本ユニカー株式会社製品、L7602)を0.3g
添加した。H2SO4を添加してpHを5.5に調整した
後、AgNO37.0gを含む水溶液67.6mLとKI
を4モル%含むKBr水溶液をダブルジェット法で最終
流量が初期流量の5.1倍になるように流量加速して1
0分間に渡り添加した。この時、銀電位を飽和カロメル
電極に対して−40mVに保った。ベンゼンチオスルホ
ン酸ナトリウム2mgと二酸化チオ尿素2mgを添加し
た後、AgNO3193.4gを含む水溶液700mL
とKIを4モル%含むKBrとKIの混合水溶液をダブ
ルジェット法で最終流量が初期流量の3.7倍になるよ
うに流量加速して140分間に渡り添加した。この時、
銀電位を飽和カロメル電極に対して−20mVに保っ
た。続いて、液温を40℃に降温した後、AgNO 3
3.4gを含む水溶液75mLとKIを6モル%含むKB
r水溶液をダブルジェット法で20分間に渡り添加し
た。添加中は銀電位を飽和カロメル電極に対して+50
mVに保った。このように作成した粒子を平板状ホスト
粒子乳剤cとした。 【0218】(平板状ホスト粒子乳剤dの調製) <種乳剤ivの調製>特開平11−174606号の実施
例1に記載された乳剤1Cを参考にして、適宜条件を変
更してハロゲン化銀平板粒子を調製した。水洗した後、
ゼラチンを加えpH,5.7、pAg,8.8、乳剤1
kg当たりの銀換算の質量131.8g、ゼラチン質量
64.1gに調整し、種乳剤ivとした。球相当径0.7
μm、平板状臭化銀粒子であった。 【0219】<ホスト粒子成長>トリメリット化率97
%のトリメリット化ゼラチン46g、KBr1.7gを
含む水溶液1211mLを75℃に保ち激しく攪拌し
た。前述した種乳剤ivを48g加えた後、変成シリコン
オイル(日本ユニカー株式会社製品、L7602)を
0.3g添加した。H2SO4を添加してpHを5.5に
調整した後、AgNO 37.0gを含む水溶液67.6
mLとKIを4モル%含むKBr水溶液をダブルジェット
法で最終流量が初期流量の5.1倍になるように流量加
速して10分間に渡り添加した。この時、銀電位を飽和
カロメル電極に対して−20mVに保った。ベンゼンチ
オスルホン酸ナトリウム2mgと二酸化チオ尿素2mg
を添加した後、反応容器外に設置した攪拌装置にAgN
3193.4gを含む水溶液,867mLとKBr1
40.9および分子量20000のゼラチンを86.7
g含んだ水溶液867mLを同時に添加してAgBr微
粒子乳剤(平均サイズ:0.015μm)を調製しなが
ら反応容器内にこのAgBr乳剤を140分間に渡り添
加した。この時、銀電位を飽和カロメル電極に対して−
10mVに保った。続いて、液温を40℃に降温した
後、AgNO323.4gを含む水溶液75mLとKI2
モル%を含むKBr水溶液をダブルジェット法で20分
間に渡り添加した。この時、銀電位を飽和カロメル電極
に対して+45mVに保った。このように作成した粒子
を平板状ホスト粒子乳剤dとした。 【0220】(平板状ホスト粒子乳剤eの調製) <ホスト粒子成長>トリメリット化率97%のトリメリ
ット化ゼラチン46g、KBr1.7gを含む水溶液1
211mLを75℃に保ち激しく攪拌した。前述した種
乳剤iiを48g加えた後、変成シリコンオイル(日本ユ
ニカー株式会社製品、L7602)を0.3g添加し
た。H2SO4を添加してpHを5.5に調整した後、A
gNO 37.0gを含む水溶液67.6mLとKIを4モ
ル%含むKBr水溶液をダブルジェット法で最終流量が
初期流量の4.1倍になるように流量加速して12分間
に渡り添加した。この時、銀電位を飽和カロメル電極に
対して+0mVに保った。ベンゼンチオスルホン酸ナト
リウム2mgと二酸化チオ尿素2mgを添加した後、A
gNO396.0gを含む水溶液404mLとKBr水
溶液をダブルジェット法で最終流量が初期流量の3.5
倍になるように流量加速して100分間に渡り添加し
た。この時、同時に0.037μmの粒子サイズのAg
I微粒子乳剤をヨウ化銀含有量が4モル%になるように
同時に流量加速して添加し、かつ銀電位を飽和カロメル
電極に対して−30mVに保った。AgNO323.4
gを含む水溶液75mLとKBr水溶液をダブルジェッ
ト法で11分間に渡り添加した。この時、銀電位を飽和
カロメル電極に対して−20mVに保った。 【0221】<転位導入工程>引き続き、上記液温を4
0℃に降温した後、化合物1を4.0g添加し、さらに
0.8Mの亜硫酸ナトリウム水溶液を30mL添加し
た。次にNaOH水溶液を用いてpH9.0に調整し5分間
保持した。液温を55℃に昇温した後、H2SO4にてp
Hを5.5に調整した。カルシウム濃度が1ppmの石
灰処理ゼラチンを10g添加した後、AgNO393.
6gを含む水溶液300mLとKBr水溶液をダブルジ
ェット法で銀電位を+60mVに保ちながら52分間に
渡り添加した。添加中、K4Ru(CN)6を平板状ハロ
ゲン化銀粒子の銀1モルに対して1.5×10-6モル添
加した。水洗した後、ゼラチンを添加し40℃でpH
5.8、pAg8.2に調整した。このようにして作成
した粒子を平板状ホスト粒子乳剤eとした。 【0222】 【化11】 【0223】平板状ホスト粒子乳剤aからeで得られた平
板状ホスト粒子の特性を表1に示す。全ての乳剤の平板
状ホスト粒子の主表面の面指数は(111)であった。 【0224】 【表1】【0225】(エピタキシャル接合)ホスト平板粒子乳
剤a〜eに以下に示したからのエピタキシャル沈着
を行った。 ホスト平板状乳剤を40℃で溶解し、0.3%KI水
溶液25mLを5分かけて添加した。その後、AgNO
311.7gを含む水溶液100mLとKBr8.2g
含む水溶液120mLを同時に添加した。添加の際、銀
電位に対して+85mVに保った。水洗した後、ゼラチ
ンを添加し40℃でpH5.8、pAg8.5に調整し
た。そして、50℃に昇温し、増感色素I、II、IIIを
添加した後に,チオシアン酸カリウム、塩化金酸、チオ
硫酸ナトリウム、ヘキサフルオロフェニルジフェニルホ
スフィンセレニド、化合物2を添加し最適に化学増感し
た。化学増感終了時に化合物3を添加した。ここで、最
適に化学増感するとは、増感色素ならびに各化合物をハ
ロゲン化銀1モルあたり10-1から10-8モルの添加量
範囲から選択したことを意味する。 【0226】ホスト平板状乳剤を40℃で溶解し、
0.3%KI水溶液55mLを10分かけて添加した。
その後直ちに、AgNO311.7gを含む水溶液10
0mLとNaCl1.7g、KBr3.45g含む水溶
液120mLとAgI微粒子0.011molを含む溶
液を同時に添加した。添加の際、銀電位に対して+10
0mVに保った。水洗した後、ゼラチンを添加し40℃
でpH,5.8、pAg,8.7に調整した。そして、
と同様に化学増感を行った。 【0227】ホスト平板状乳剤を40℃で溶解し、
0.3%KI水溶液55mLを10分かけて添加した。
その後直ちに、増感色素I、II、IIIを69:30:1
のモル比で飽和被覆量の70%の比率で添加し、20分
間保持した。次に、K4Ru(CN)6を平板状ホスト粒
子の銀1モルに対して1.5×10-6モル添加した後、
AgNO311.7gを含む水溶液100mLとKBr
8.2g含む水溶液120mLを同時に添加した。添加
の際、銀電位に対して+150mVに保った。水洗した
後、ゼラチンを添加し40℃でpH5.8、pAg8.
2に調整した。そして、と同様に化学増感を行った。 【0228】ホスト平板状乳剤を40℃で溶解し、増
感色素I、II、IIIを69:30:1のモル比で飽和被
覆量の70%の比率で添加し、20分間保持した。次
に、平板状ホスト粒子の銀1モル当たりK2[IrCl5
(H2O)]を1×10-6添加した後、AgNO3,5.
8gを含む水溶液50mLとKBr4.06g含む水溶
液50mLを同時に添加した。添加の際、銀電位に対し
て+150mVに保った。水洗した後、ゼラチンを添加
し40℃でpH5.8、pAg8.2に調整した。そし
て、と同様に化学増感を行った。 【0229】 【化12】【0230】ホスト平板粒子乳剤a〜eにからのエ
ピタキシャル沈着を行った乳剤(Em−1)から(Em
−20)について、レプリカでの電子顕微鏡観察からエ
ピタキシャル沈着の様子を観察した。また低温での透過
型電子顕微鏡観察を行い、エピタキシャル部の転位線を
観察した。乳剤(Em−1)から(Em−20)の特性
を表2に示す。 【0231】 【表2】【0232】塗布試料の作成および現像 下塗り層の設けてある三酢酸セルロースフィルム支持体
上に下記に示す条件で上記乳剤(Em−1)〜(Em−
20)を保護層を設けて塗布し、試料101〜120を
作成した。 【0233】 ・乳剤層 乳剤 Em−1〜Em−20 Ag 2.4g/m2 カプラー 化合物4 1.5×10-3モル/m2 トリクレジルフォスフェート 1.1g/m2 ゼラチン 2.3g/m2 ・保護層 2、4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジンナトリウム塩 0.08g/m2 ゼラチン 1.80g/m2 かぶり防止剤 化合物5 8.4×10-3モル/m2。 【0234】 【化13】 【0235】 【化14】 【0236】これらの試料を40℃、相対湿度70%の
条件下に14時間放置した。その後、富士フィルム
(株)製ゼラチンフィルターSC−50と連続ウエッジ
を通して1/100秒間露光した。現像は富士写真フイ
ルム社製自動現像機FP−360Bを用いて以下により
行った。尚、漂白浴のオーバーフロー液を後浴へ流さ
ず、全て廃液タンクへ排出する様に改造を行った。この
FP−360Bは発明協会公開技法94−4992号に
記載の蒸発補正手段を搭載している。 【0237】処理工程及び処理液組成を以下に示す。 (処理工程) 工程 処理時間 処理温度 補充量* タンク容量 発色現像 3分 5秒 37.8 ℃ 20 mL 11.5L 漂 白 50秒 38.0 ℃ 5 mL 5L 定着 (1) 50秒 38.0 ℃ − 5L 定着 (2) 50秒 38.0 ℃ 8 mL 5L 水 洗 30秒 38.0 ℃ 17 mL 3L 安定 (1) 20秒 38.0 ℃ − 3L 安定 (2) 20秒 38.0 ℃ 15 mL 3L 乾 燥 1分30秒 60.0 ℃ *補充量は感光材料35mm幅1.1m当たり(24Ex.1本相当)。 安定液及び定着液は(2)から(1)への向流方式であ
り、水洗水のオーバーフロー液は全て定着浴(2)へ導
入した。尚、現像液の漂白工程への持ち込み量、漂白液
の定着工程への持ち込み量、及び定着液の水洗工程への
持ち込み量は感光材料35mm幅1.1m当たりそれぞ
れ2.5mL、2.0mL、2.0mLであった。ま
た、クロスオーバーの時間はいずれも6秒であり、この
時間は前工程の処理時間に包含される。上記処理機の開
口面積は発色現像液で100cm2、漂白液で120c
2、その他の処理液は約100cm2であった。 【0238】以下に処理液の組成を示す。 (発色現像液) タンク液(g) 補充液(g) ジエチレントリアミン五酢酸 3.0 3.0 カテコール−3,5−ジスルホン酸 ジナトリウム 0.3 0.3 亜硫酸ナトリウム 3.9 5.3 炭酸カリウム 39.0 39.0 ジナトリウム−N,N−ビス(2−スル ホナートエチル)ヒドロキシルアミン 1.5 2.0 臭化カリウム 1.3 0.3 沃化カリウム 1.3mg − 4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3, 3a,7−テトラザインデン 0.05 − ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.4 3.3 2−メチル−4−〔N−エチル−N− (β−ヒドロキシエチル)アミノ〕 アニリン硫酸塩 4.5 6.5 水を加えて 1.0L 1.0L pH(水酸化カリウムと硫酸にて調整) 10.05 10.18。 【0239】 (漂白液) タンク液(g) 補充液(g) 1,3−ジアミノプロパン四酢酸第二 鉄アンモニウム一水塩 113 170 臭化アンモニウム 70 105 硝酸アンモニウム 14 21 コハク酸 34 51 マレイン酸 28 42 水を加えて 1.0L 1.0L pH〔アンモニア水で調整〕 4.6 4.0。 【0240】(定着(1)タンク液)上記漂白タンク液
と下記定着タンク液の5対95(容量比)混合液(pH
6.8)。 【0241】 (定着(2)) タンク液(g) 補充液(g) チオ硫酸アンモニウム水溶液 240mL 720 mL (750g/L) イミダゾール 7 21 メタンチオスルホン酸アンモニウム 5 15 メタンスルフィン酸アンモニウム 10 30 エチレンジアミン四酢酸 13 39 水を加えて 1.0L 1.0L pH〔アンモニア水、酢酸で調整〕 7.4 7.45。 【0242】(水洗水)水道水をH型強酸性カチオン交
換樹脂(ロームアンドハース社製アンバーライトIR−
120B)と、OH型強塩基性アニオン交換樹脂(同ア
ンバーライトIR−400)を充填した混床式カラムに
通水してカルシウム及びマグネシウムイオン濃度を3m
g/L以下に処理し、続いて二塩化イソシアヌール酸ナ
トリウム20mg/Lと硫酸ナトリウム150mg/L
を添加した。この液のpHは6.5〜7.5の範囲にあ
った。 【0243】 (安定液) タンク液、補充液共通 (単位g) p−トルエンスルフィン酸ナトリウム 0.03 ポリオキシエチレン−p−モノノニルフェニルエーテル 0.2 (平均重合度10) 1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン・ナトリウム 0.10 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.05 1,2,4−トリアゾール 1.3 1,4−ビス(1,2,4−トリアゾール−1− イルメチル)ピペラジン 0.75 水を加えて 1.0L pH 8.5。 【0244】処理済の試料を緑色フィルターで濃度測定
した。感度はかぶり濃度から0.2高い濃度を与える露
光量の逆数の相対値で表示した。また露光前に50℃、
相対湿度60%の条件に14日保存した試料についても
同様の評価を行い保存性について評価した。また、乳剤
を塗布した試料の圧力耐性の評価するために以下に示す
試験を実施した。 【0245】試料を25℃55%に調湿し、一定荷重4
gをかけた直径50μmの細針で乳剤面を一定方向に走
査し、先述した方法と同様に露光、現像処理を行った。
処理済の試料の圧力荷重をかけた部分の未露光部のかぶ
り濃度の変化と露光部の像濃度の変化との測定を行っ
た。この際、露光部の像濃度の変化は圧力を加えない試
料のかぶり濃度から0.4高い濃度を与える露光量での
変化を読み取った。表3に、塗布試料101〜120の
感度値、かぶり値、および上記保存試験と圧力試験の結
果を示した。 【0246】 【表3】【0247】表3から明らかなように、本発明の構成要
件である少なくとも一つのコーナー部にエピタキシャル
接合を有し、エピタキシャル部に転位線を有する粒子の
比率が高くなるとかぶりが低く高感度になる。さらに、
保存後のかぶり変化、感度変化も小さい。また、ホスト
平板粒子のハロゲン構造を持たせると加圧後のかぶり変
化、感度変化が小さい。 【0248】(実施例−2)青感性層に本発明の粒子を
用いた場合について説明する。以下の製法により平板状
ホスト粒子乳剤fとgを調製した。 (平板状ホスト粒子乳剤fの調製) <種乳剤vの調製>特開平11−174606号の実施
例1に記載された乳剤1Cを参考にして、適宜条件を変
更してハロゲン化銀平板粒子を調製した。水洗した後、
ゼラチンを加えpH,5.7、pAg,8.8、乳剤1
kg当たりの銀換算の質量131.8g、ゼラチン質量
64.1gに調整し、種乳剤vとした。球相当径0.7
μm、平均ヨウ化銀含有率10.0モル%の平板状粒子
であった。 【0249】<ホスト粒子成長>トリメリット化率97
%のトリメリット化ゼラチン46g、KBr1.7gを
含む水溶液1211mLを75℃に保ち激しく攪拌し
た。前述した種乳剤vを48g加えた後、変成シリコン
オイル(日本ユニカー株式会社製品、L7602)を
0.3g添加した。H2SO4を添加してpHを5.5に
調整した後、AgNO 37.0gを含む水溶液67.6
mLとKIを4モル%含むKBr水溶液をダブルジェット
法で最終流量が初期流量の5.1倍になるように流量加
速して10分間に渡り添加した。この時、銀電位を飽和
カロメル電極に対して−20mVに保った。ベンゼンチ
オスルホン酸ナトリウム2mgと二酸化チオ尿素2mg
を添加した後、反応容器外に設置した攪拌装置にAgN
3193.4gを含む水溶液,867mLとKBr1
35.5gとKI7.56gおよび分子量20000の
ゼラチンを86.7g含んだ水溶液867mLを同時に
添加してヨウ化銀含量4モル%のAgBrI微粒子乳剤
(平均サイズ:0.014μm)を調製しながら反応容
器内にこのAgBrI乳剤を140分間に渡り添加し
た。この時、銀電位を飽和カロメル電極に対して−30
mVに保った。続いて、液温を40℃に降温した後、平
板状ホスト粒子の銀量1モル当たりK2IrCl6を1×
10-8モル添加し、AgNO323.4gを含む水溶液
75mLとKI12モル%を含むKBr水溶液をダブルジ
ェット法で20分間に渡り添加した。この時、銀電位を
飽和カロメル電極に対して+45mVに保った。水洗し
た後、ゼラチンを添加し40℃でpH5.8、pAg
8.2に調整した。このように作成した粒子を平板状ホ
スト粒子乳剤fとした。 【0250】(平板状ホスト粒子乳剤gの調製) <ホスト粒子成長>トリメリット化率97%のトリメリ
ット化ゼラチン46g、KBr1.7gを含む水溶液1
211mLを75℃に保ち激しく攪拌した。前述した種
乳剤vを48g加えた後、変成シリコンオイル(日本ユ
ニカー株式会社製品、L7602)を0.3g添加し
た。H2SO4を添加してpHを5.5に調整した後、A
gNO 37.0gを含む水溶液67.6mLとKIを8モ
ル%含むKBr水溶液をダブルジェット法で最終流量が
初期流量の4.1倍になるように流量加速して12分間
に渡り添加した。この時、銀電位を飽和カロメル電極に
対して+0mVに保った。ベンゼンチオスルホン酸ナト
リウム2mgと二酸化チオ尿素2mgを添加した後、A
gNO3124.9gを含む水溶液525mLとKBr
水溶液をダブルジェット法で最終流量が初期流量の3.
5倍になるように流量加速して120分間に渡り添加し
た。この時、同時に0.037μmの粒子サイズのAg
I微粒子乳剤をヨウ化銀含有量が8モル%になるように
同時に流量加速して添加し、かつ銀電位を飽和カロメル
電極に対して−30mVに保った。AgNO346.8
gを含む水溶液150mLとKBr水溶液をダブルジェ
ット法で22分間に渡り添加した。この時、銀電位を飽
和カロメル電極に対して−20mVに保った。 【0251】<転位導入工程>引き続き、上記液温を4
0℃に降温した後、化合物1を4.8g添加し、さらに
0.8Mの亜硫酸ナトリウム水溶液を30mL添加し
た。次にNaOH水溶液を用いてpH9.0に調整し5分間
保持した。液温を55℃に昇温した後、H2SO4にてp
Hを5.5に調整した。カルシウム濃度が1ppmの石
灰処理ゼラチンを10g添加した後、AgNO335.
1gを含む水溶液113mLとKBr水溶液をダブルジ
ェット法で銀電位を+60mVに保ちながら20分間に
渡り添加した。添加中、K4Ru(CN)6を平板状ハロ
ゲン化銀粒子の銀1モルに対して1.5×10-6モル添
加した。水洗した後、ゼラチンを添加し40℃でpH
5.8、pAg8.2に調整した。このように作成した
粒子を平板状ホスト粒子乳剤gとした。平板状ホスト粒
子乳剤fとgの平板状ホスト粒子の特性を表1に示す。 【0252】<エピタキシャル接合>ホスト平板粒子乳
剤a、b、f、gに以下に示したからのエピタキシャ
ル沈着を行った。 ホスト平板状乳剤を40℃で溶解し、0.3%KI水
溶液25mLを5分かけて添加した。その後、AgNO
311.7gを含む水溶液100mLとKBr8.2g
含む水溶液120mLを同時に添加した。添加の際、銀
電位に対して+85mVに保った。水洗した後、ゼラチ
ンを添加し40℃でpH5.8、pAg8.5に調整し
た。そして、50℃に昇温し、増感色素IVおよびVを添
加した後に,チオシアン酸カリウム、塩化金酸、チオ硫
酸ナトリウム、ヘキサフルオロフェニルジフェニルホス
フィンセレニド、化合物2を添加し最適に化学増感し
た。化学増感終了時に化合物6を添加した。ここで、最
適に化学増感するとは、増感色素ならびに各化合物をハ
ロゲン化銀1モルあたり10-1から10-8モルの添加量
範囲から選択したことを意味する。 【0253】ホスト平板状乳剤を40℃で溶解し、
0.3%KI水溶液55mLを10分かけて添加した。
その後直ちに、増感色素IVおよびVを飽和被覆量の70
%の比率で添加し、20分間保持した。次に、K4Ru
(CN)6を平板状ホスト粒子の銀1モルに対して1.
5×10-6モル添加した後、AgNO311.7gを含
む水溶液100mLとKBr8.2g含む水溶液120
mLを同時に添加した。添加の際、銀電位に対して+1
50mVに保った。水洗した後、ゼラチンを添加し40
℃でpH5.8、pAg8.2に調整した。そして、
と同様に化学増感を行った。 【0254】 【化15】 【0255】 【化16】 乳剤(Em−21)から(Em−28)の特性を表4に
示す。 【0256】 【表4】【0257】塗布試料の作成および現像 露光を行う際、富士フィルム(株)製ゼラチンフィルタ
ーSC−50の代わりに富士フィルム(株)製ゼラチン
フィルターSC−39を使用した以外は実施例1と同様
に行った。 【0258】表5に、塗布試料201〜208の感度
値、かぶり値、および上記保存試験と圧力試験の結果を
示した。 【0259】 【表5】 【0260】表5から明らかなように、本発明乳剤を使
用した試料はかぶりが低く、高感度で、保存後のかぶり
変化、感度変化も小さく、加圧後のかぶり変化、感度変
化が小さい。また、青感性層では平均ヨウ化銀含有率が
大きい乳剤ほど感度が高いことが分かる。 【0261】(実施例−3)多層カラー感光材料におけ
る本発明の効果を示す。 (Em−29)の調製 ホスト平板状乳剤eを40℃で溶解し、0.3%KI水
溶液25mLを5分かけて添加した。その後、AgNO
311.7gを含む水溶液100mLとKBr8.2g
含む水溶液120mLを同時に添加した。添加の際、銀
電位に対して+85mVに保った。水洗した後、ゼラチ
ンを添加し40℃でpH5.8、pAg8.5に調整し
た。そして、50℃に昇温し、増感色素VI、増感色素VI
I、増感色素VIII、化合物7、チオシアン酸カリウム,
ビス(1,4,5−トリメチル−1,2,4−トリアゾ
リウム−3−チオレート金)(1)テトラフルオロボレ
イト,カルボキシメチルトリメチルチオ尿素、N,N−
ジメチルセレノウレア、化合物2、化合物8を添加し最
適に化学増感した。化学増感終了時に化合物3を添加し
た。ここで、最適に化学増感するとは,増感色素ならび
に各化合物をハロゲン化銀1モルあたり10-1から10
-8モルの添加量範囲から選択したことを意味する。 【0262】(Em−30)の調製 ホスト平板状乳剤eを40℃で溶解し、0.3%KI水
溶液55mLを10分かけて添加した。その後直ちに、
増感色素VI、増感色素VII、増感色素VIIIを飽和被覆量
の70%の比率で添加し、20分間保持した。次に、K
4Ru(CN)6を平板状ホスト粒子の銀1モルに対して
1.5×10-6モル添加した後、AgNO 311.7g
を含む水溶液100mLとKBr8.2g含む水溶液1
20mLを同時に添加した。添加の際、銀電位に対して
+150mVに保った。水洗した後、ゼラチンを添加し
40℃でpH5.8、pAg8.2に調整した。そし
て、(Em−29)と同様に化学増感を行った。 【0263】 【化17】【0264】 【化18】 【0265】 【化19】 【0266】(Em−B)低分子量ゼラチン0.96
g,KBr,0.9gを含む水溶液1192mLを40
℃に保ち、激しく攪拌した。AgNO3,1.49gを
含む水溶液37.5mLとKBrを1.5g含む水溶液
37.5mLをダブルジェット法で30秒間に渡り添加
した。KBrを1.2g添加した後、75℃に昇温し、
熟成した。充分熟成した後、アミノ基をトリメリット酸
で化学修飾した分子量100000のトリメリット化ゼ
ラチン,30gを添加し、pHを7に調整した。二酸化
チオ尿素6mgを添加した。AgNO3,29gを含む
水溶液116mLとKBr水溶液をダブルジェット法で
最終流量が初期流量の3倍になるように流量加速して添
加した。この時、銀電位を飽和カロメル電極に対して−
20mVに保った。AgNO3,110.2gを含む水
溶液440.6mLとKBr水溶液をダブルジェット法
で最終流量が初期流量の5.1倍になるように流量加速
して30分間に渡り添加した。この時、Em−5の調製
で使用したAgI微粒子乳剤をヨウ化銀含有率が15.
8mol%になるように同時に流量加速して添加し、か
つ銀電位を飽和カロメル電極に対して0mVに保った。
AgNO3,24.1gを含む水溶液96.5mLとK
Br水溶液をダブルジェット法で3分間に渡り添加し
た。この時、銀電位を0mVに保った。エチルチオスル
ホン酸ナトリウム,26mgを添加した後、55℃に降
温し、KBr水溶液を添加し銀電位を−90mVに調整
した。前述したAgI微粒子乳剤をKI質量換算で8.
5g添加した。添加終了後、直ちにAgNO3,57g
を含む水溶液228mLを5分間に渡り添加した。この
時、添加終了時の電位が+20mVになるようにKBr
水溶液で調整した。水洗した後、ゼラチンを添加し、次
いで、pH、pAgを調整した後、Em−25と同様に
最適に化学増感した。 【0267】(Em−C)1g当たり35μmolのメ
チオニンを含有する分子量100000のフタル化率9
7%のフタル化ゼラチン1.02g、KBr0.97g
を含む水溶液1192mLを35℃に保ち、激しく攪拌
した。AgNO3,4.47gを含む水溶液、42mL
とKBr,3.16g含む水溶液,42mLをダブルジ
ェット法で9秒間に渡り添加した。KBrを2.6g添
加した後、66℃に昇温し、充分熟成した。熟成終了
後、Em−Bの調製で使用した分子量100000のト
リメリット化ゼラチン41.2gとNaCl,18.5
gを添加した。pHを7.2に調整した後、ジメチルア
ミンボラン,8mgを添加した。AgNO3,26gを
含む水溶液203mLとKBr水溶液をダブルジェット
法で最終流量が初期流量の3.8倍になるように添加し
た。この時、銀電位を飽和カロメル電極に対して−30
mVに保った。AgNO3,110.2gを含む水溶液
440.6mLとKBr水溶液をダブルジェット法で最
終流量が初期流量の5.1倍になるように流量加速して
24分間に渡り添加した。この時、Em−5の調製で使
用したAgI微粒子乳剤をヨウ化銀含有率が2.3mo
l%になるように同時に流量加速して添加し,かつ銀電
位を飽和カロメル電極に対して−20mVに保った。1
Nのチオシアン酸カリウム水溶液10.7mLを添加し
た後、AgNO3,24.1gを含む水溶液153.5
mLとKBr水溶液をダブルジェット法で2分30秒間
に渡り添加した。この時、銀電位を10mVに保った。
KBr水溶液を添加して銀電位を−70mVに調整し
た。前述したAgI微粒子乳剤をKI質量換算で6.4
g添加した。添加終了後、直ちにAgNO3,57gを
含む水溶液404mLを45分間に渡り添加した。この
時、添加終了時の電位が−30mVになるようにKBr
水溶液で調整した。水洗した後、ゼラチンを添加し、次
いで、pH、pAgを調整した後、Em−Bと同様、最
適に化学増感した。 【0268】(Em−D)Em−Cの調製において核形
成時のAgNO3添加量を2.0倍に変更した。そし
て、最終のAgNO3,57gを含む水溶液404mL
の添加終了時の電位が+90mVになるようにKBr水
溶液で調整するように変更した。それ以外はEm−Cと
ほぼ同様にして調製した。水洗した後、ゼラチンを添加
し、次いで、pH、pAgを調整した後、Em−Cと同
様、最適に化学増感した。 【0269】(Em−E)分子量15000の低分子量
ゼラチン,0.71g、KBr,0.92g、Em−2
5の調製で使用した変成シリコンオイル0.2gを含む
水溶液1200mLを39℃に保ち、pHを1.8に調
整し激しく攪拌した。AgNO3,0.45gを含む水
溶液と1.5mol%のKIを含むKBr水溶液をダブ
ルジェット法で17秒間に渡り添加した。この時、KB
rの過剰濃度を一定に保った。56℃に昇温し熟成し
た。充分熟成した後、1g当たり35μmolのメチオ
ニンを含有する分子量100000のフタル化率97%
のフタル化ゼラチン20gを添加した。pHを5.9に
調整した後、KBr,2.9gを添加した。AgN
3,28.8gを含む水溶液288mLとKBr水溶
液をダブルジェット法で53分間に渡り添加した。この
時、0.037μmの粒子サイズのAgI微粒子乳剤を
ヨウ化銀含有率が4.1mol%になるように同時に添
加し、かつ銀電位を飽和カロメル電極に対して−60m
Vに保った。KBr,2.5gを添加した後、AgNO
3,87.7gを含む水溶液とKBr水溶液をダブルジ
ェット法で最終流量が初期流量の1.2倍になるように
流量加速して63分間に渡り添加した。この時、上述の
AgI微粒子乳剤をヨウ化銀含有率が10.5mol%
になるように同時に流量加速して添加し、かつ銀電位を
−70mVに保った。二酸化チオ尿素,1mgを添加し
た後、AgNO3,41.8gを含む水溶液132mL
とKBr水溶液をダブルジェット法で25分間に渡り添
加した。添加終了時の電位を+20mVになるようにK
Br水溶液の添加を調整した。 【0270】ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム,2m
gを添加した後、pHを7.3に調整した。KBrを添
加して銀電位を−70mVに調整した後、上述のAgI
微粒子乳剤をKI質量換算で5.73g添加した。添加
終了後、直ちにAgNO3,66.4gを含む水溶液6
09mLを10分間に渡り添加した。添加初期の6分間
はKBr水溶液で銀電位を−70mVに保った。水洗し
た後、ゼラチンを添加し40℃でpH6.5、pAg,
8.2に調整した。化合物2および6を添加した後、5
6℃に昇温した。上述したAgI微粒子乳剤を銀1mo
lに対して0.0004mol添加した後、増感色素IX
およびXを添加した。チオシアン酸カリウム、塩化金
酸、チオ硫酸ナトリウム、N,N−ジメチルセレノウレ
ア、化合物1を添加し最適に化学増感した。化学増感終
了時に化合物3を添加した。 【0271】 【化20】 【0272】(Em−F)Em−Eの調製において核形
成時のAgNO3添加量を3.1倍に変更した以外はE
m−Eとほぼ同様にして調製した。但しEm−Eの増感
色素を増感色素I、IIおよびIIIに変更した。 【0273】(Em−G)分子量15000の低分子量
ゼラチン0.70g,KBr,0.9g、KI,0.1
75g、Em−25の調製で使用した変成シリコンオイ
ル0.2gを含む水溶液1200mLを33℃に保ち、
pHを1.8に調整し激しく攪拌した。AgNO3
1.8gを含む水溶液と3.2mol%のKIを含むK
Br水溶液をダブルジェット法で9秒間に渡り添加し
た。この時、KBrの過剰濃度を一定に保った。69℃
に昇温し、熟成した。熟成終了後、1g当たり35μm
olのメチオニンを含有する分子量100000のアミ
ノ基をトリメリット酸で化学修飾したトリメリット化ゼ
ラチン27.8gを添加した。pHを6.3に調整した
後、KBr,2.9gを添加した。AgNO3,27.
58gを含む水溶液270mLとKBr水溶液をダブル
ジェット法で37分間に渡り添加した。この時、分子量
15000の低分子量ゼラチン水溶液とAgNO3水溶
液とKI水溶液を特開平10−43570号に記載の磁
気カップリング誘導型攪拌機を有する別のチャンバ−内
で添加前直前混合して調製した粒子サイズ0.008μ
mのAgI微粒子乳剤をヨウ化銀含有率が4.1mol
%になるように同時に添加し、かつ銀電位を飽和カロメ
ル電極に対して−60mVに保った。 【0274】KBr,2.6gを添加した後、AgNO
3,87.7gを含む水溶液とKBr水溶液をダブルジ
ェット法で最終流量が初期流量の3.1倍になるように
流量加速して49分間に渡り添加した。この時、上述の
添加前直前混合して調製したAgI微粒子乳剤をヨウ化
銀含有率が7.9mol%になるように同時に流量加速
し、かつ銀電位を−70mVに保った。二酸化チオ尿
素,1mgを添加した後、AgNO3,41.8gを含
む水溶液132mLとKBr水溶液をダブルジェット法
で20分間に渡り添加した。添加終了時の電位を+20
mVになるようにKBr水溶液の添加を調整した。78
℃に昇温し、pHを9.1に調整した後、KBrを添加
して電位を−60mVにした。Em−Eの調製で使用し
たAgI微粒子乳剤をKI質量換算で5.73g添加し
た。添加終了後、直ちにAgNO3,66.4gを含む
水溶液321mLを4分間に渡り添加した。添加初期の
2分間はKBr水溶液で銀電位を−60mVに保った。
水洗した後、ゼラチンを添加し、次いで、pH、pAg
を調整した後、Em−Fと同様に最適に化学増感した。 【0275】(Em−H)イオン交換した分子量100
000のゼラチン17.8g、KBr,6.2g、K
I,0.46gを含む水溶液を45℃に保ち激しく攪拌
した。AgNO3,11.85gを含む水溶液とKBr
を3.8g含む水溶液をダブルジェット法で47秒間に
渡り添加した。63℃に昇温後、イオン交換した分子量
100000のゼラチン24.1gを添加し,熟成し
た。充分熟成した後、AgNO3,133.4gを含む
水溶液とKBr水溶液をダブルジェット法で最終流量が
初期流量の2.6倍になるように20分間に渡って添加
した。この時、銀電位を飽和カロメル電極に対して+4
0mVに保った。また添加開始10分後にK2IrCl6
を0.1mg添加した。NaClを7g添加した後、A
gNO3を45.6g含む水溶液とKBr水溶液をダブ
ルジェット法で12分間に渡って添加した。この時、銀
電位を+90mVに保った。また添加開始から6分間に
渡って黄血塩を29mg含む水溶液100mLを添加し
た。KBrを14.4g添加した後、Em−Eの調製で
使用したAgI微粒子乳剤をKI質量換算で6.3g添
加した。添加終了後、直ちにAgNO3,42.7gを
含む水溶液とKBr水溶液をダブルジェット法で11分
間に渡り添加した。この時、銀電位を+90mVに保っ
た。Em−Fとほぼ同様に水洗し、化学増感した。 【0276】(Em−I)Em−Hの調製において核形
成時の温度を38℃に変更した以外はほぼ同様にして調
製した。 【0277】(Em−K)分子量15000の低分子量
ゼラチン4.9g,KBr,5.3gを含む水溶液12
00mLを60℃に保ち激しく攪拌した。AgNO3
8.75gを含む水溶液27mLとKBr,6.45g
を含む水溶液36mLを1分間に渡りダブルジェット法
で添加した。77℃に昇温した後、AgNO3,6.9
gを含む水溶液21mLを2.5分間に渡り添加した。
NH4NO3,26g、1N,NaOH,56mLを順
次、添加した後、熟成した。熟成終了後pHを4.8に
調製した。AgNO3,141gを含む水溶液438m
LとKBrを102.6g含む水溶液458mLをダブ
ルジェット法で最終流量が初期流量の4倍になるように
添加した。55℃に降温した後、AgNO3,7.1g
を含む水溶液240mLとKIを6.46g含む水溶液
をダブルジェット法で5分間に渡り添加した。KBrを
7.1g添加した後、ベンゼンチオスルホン酸ナトリウ
ム,4mgとK2IrCl6,0.05mg添加した。A
gNO3,57.2gを含む水溶液177mLとKB
r,40.2gを含む水溶液,223mLを8分間に渡
ってダブルジェット法で添加した。水洗した後、ゼラチ
ンを添加し、次いで、pH、pAgを調整した後、Em
−29と同様最適に化学増感した。 【0278】(Em−L)Em−Kの調製において核形
成時の温度を42℃に変更した以外は、ほぼ同様にして
調製した。 【0279】(Em−M、N、O)Em−HまたはEm
−Iとほぼ同様にして調製した。但し化学増感はEm−
Kとほぼ同様の方法で行った。 【0280】このようにして得られたハロゲン化銀乳剤
Em−29、30の特性は前掲の表4に、また、ハロゲ
ン化銀乳剤Em−B〜IおよびK〜Oの特性を(表6)
に示す。 【0281】 【表6】【0282】塗布試料の作成 下塗りを施した三酢酸セルロースフィルム支持体上に、
下記に示すような組成の各層を重層塗布し、多層カラー
感光材料である試料301を作成した。また、試料30
1の第14層における沃臭化銀乳剤Em−25をEm−
26に、第11層におけるEm−17をEm−19に、
第6層におけるEm−29をEm−30にそれぞれ置き
かえることにより試料302を作成した。 【0283】 (試料301の作成) (感光層の組成) 各層に使用する素材の主なものは下記のように分類されている; ExC:シアンカプラー UV :紫外線吸収剤 ExM:マゼンタカプラー HBS:高沸点有機溶剤 ExY:イエローカプラー H :ゼラチン硬化剤 (具体的な化合物は以下の記載で、記号の次に数値が付
けられ、後ろに化学式が挙げられている)。各成分に対
応する数字は、g/m2単位で表した塗布量を示し、ハ
ロゲン化銀については銀換算の塗布量を示す。また、増
感色素については同一層のハロゲン化銀1モルに対する
塗布量をモル単位で示した。 【0284】 第1層(第1ハレーション防止層) 黒色コロイド銀 銀 0.070 ゼラチン 0.660 ExM−1 0.048 Cpd−2 0.001 F−8 0.001 HBS−1 0.090 HBS−2 0.010。 【0285】 第2層(第2ハレーション防止層) 黒色コロイド銀 銀 0.090 ゼラチン 0.830 ExM−1 0.057 ExF−1 0.002 F−8 0.001 HBS−1 0.090 HBS−2 0.010。 【0286】 第3層(中間層) ExC−2 0.010 Cpd−1 0.086 UV−2 0.029 UV−3 0.052 UV−4 0.011 HBS−1 0.100 ゼラチン 0.580。 【0287】 第4層(低感度赤感乳剤層) Em−M 銀 0.47 Em−N 銀 0.37 Em−O 銀 0.20 ExC−1 0.222 ExC−2 0.010 ExC−3 0.072 ExC−4 0.148 ExC−5 0.005 ExC−6 0.008 ExC−8 0.071 ExC−9 0.010 UV−2 0.036 UV−3 0.067 UV−4 0.014 Cpd−2 0.010 Cpd−4 0.012 HBS−1 0.240 HBS−5 0.010 ゼラチン 1.630。 【0288】 第5層(中感度赤感乳剤層) Em−K 銀 0.43 Em−L 銀 0.23 ExC−1 0.111 ExC−2 0.039 ExC−3 0.018 ExC−4 0.074 ExC−5 0.019 ExC−6 0.024 ExC−8 0.010 ExC−9 0.005 Cpd−2 0.020 Cpd−4 0.021 HBS−1 0.129 ゼラチン 0.900。 【0289】 第6層(高感度赤感乳剤層) Em−29 銀 1.27 ExC−1 0.122 ExC−6 0.032 ExC−8 0.110 ExC−9 0.005 ExC−10 0.159 Cpd−2 0.068 Cpd−4 0.015 HBS−1 0.440 ゼラチン 1.610。 【0290】 第7層(中間層) Cpd−1 0.081 Cpd−6 0.002 固体分散染料ExF−4 0.015 HBS−1 0.049 ポリエチルアクリレートラテックス 0.088 ゼラチン 0.759。 【0291】 第8層(赤感層へ重層効果を与える層) Em−E 銀 0.40 Cpd−4 0.010 ExM−2 0.082 ExM−3 0.006 ExM−4 0.026 ExY−1 0.010 ExY−4 0.040 ExC−7 0.007 HBS−1 0.203 HBS−3 0.003 HBS−5 0.010 ゼラチン 0.570。 【0292】 第9層(低感度緑感乳剤層) Em−H 銀 0.23 Em−G 銀 0.15 Em−I 銀 0.26 ExM−2 0.388 ExM−3 0.040 ExY−1 0.003 ExY−3 0.002 ExC−7 0.009 HBS−1 0.337 HBS−3 0.018 HBS−4 0.260 HBS−5 0.110 Cpd−5 0.010 ゼラチン 1.470。 【0293】 第10層(中感度緑感乳剤層) Em−F 銀 0.30 Em−G 銀 0.12 ExM−2 0.084 ExM−3 0.012 ExM−4 0.005 ExY−3 0.002 ExC−6 0.003 ExC−7 0.007 ExC−8 0.008 HBS−1 0.096 HBS−3 0.002 HBS−5 0.002 Cpd−5 0.004 ゼラチン 0.382。 【0294】 第11層(高感度緑感乳剤層) Em−17 銀 0.95 ExC−6 0.002 ExC−8 0.010 ExM−1 0.014 ExM−2 0.023 ExM−3 0.023 ExM−4 0.005 ExM−5 0.040 ExY−3 0.003 Cpd−3 0.004 Cpd−4 0.007 Cpd−5 0.010 HBS−1 0.259 HBS−5 0.020 ポリエチルアクリレートラテックス 0.099 ゼラチン 0.781。 【0295】 第12層(イエローフィルター層) Cpd−1 0.088 固体分散染料ExF−2 0.051 固体分散染料ExF−8 0.010 HBS−1 0.049 ゼラチン 0.593。 【0296】 第13層(低感度青感乳剤層) Em−C 銀 0.12 Em−D 銀 0.09 Em−B 銀 0.50 ExC−1 0.024 ExC−7 0.011 ExY−1 0.002 ExY−2 0.956 ExY−4 0.091 Cpd−2 0.037 Cpd−3 0.004 HBS−1 0.372 HBS−5 0.047 ゼラチン 2.201。 【0297】 第14層(高感度青感乳剤層) Em−25 銀 1.22 ExY−2 0.235 ExY−4 0.018 Cpd−2 0.075 Cpd−3 0.001 HBS−1 0.087 ゼラチン 1.156。 【0298】 第15層(第1保護層) 0.07μmのヨウ臭化銀乳剤 銀 0.28 UV−1 0.358 UV−2 0.179 UV−3 0.254 UV−4 0.025 F−11 0.0081 S−1 0.078 ExF−5 0.0024 ExF−6 0.0012 ExF−7 0.0010 HBS−1 0.175 HBS−4 0.050 ゼラチン 2.231。 【0299】 第16層(第2保護層) H−1 0.400 B−1(直径1.7μm) 0.050 B−2(直径1.7μm) 0.150 B−3 0.050 S−1 0.200 ゼラチン 0.711。 【0300】更に、各層に適宜、保存性、処理性、圧力
耐性、防黴・防菌性、帯電防止性及び塗布性をよくする
ために、W−1ないしW−6、B−4ないしB−6、F
−1ないしF−17及び、鉛塩、白金塩、イリジウム
塩、ロジウム塩が含有されている。 【0301】有機固体分散染料の分散物の調製 第12層のExF−2を次の方法で分散した。 ExF−2のウエットケーキ(17.6質量%の水を含む)2.800kg オクチルフェニルジエトキシメタンスルホン酸ナトリウム (31質量%水溶液) 0.376kg F−15(7%水溶液) 0.011kg 水 4.020kg 計 7.210kg (NaOHでpH=7.2に調整)。 【0302】上記組成のスラリーをディゾルバーで攪拌
して粗分散した後、アジテータミルLMK−4を用い、
周速10m/s、吐出量0.6kg/min、0.3m
m径のジルコニアビーズ充填率80%で分散液の吸光度
比が0.29になるまで分散し、固体微粒子分散物を得
た。染料微粒子の平均粒径は0.29μmであった。同
様にして、ExF−4、ExF−8の固体分散物を得
た。染料微粒子の平均粒径はそれぞれ、0.28μm、
0.49μmであった。以下、各層に用いた化合物を示
す。 【0303】 【化21】【0304】 【化22】【0305】 【化23】【0306】 【化24】【0307】 【化25】【0308】 【化26】【0309】 【化27】【0310】 【化28】【0311】 【化29】【0312】 【化30】【0313】 【化31】【0314】試料の評価法は以下の通り行った。富士フ
イルム(株)製ゼラチンフィルターSC−39(カット
オフ波長が390nmである長波長光透過フィルター)
と連続ウェッジを通して1/100秒間露光した。現像は、
実施例−1に記載の現像方法と同様の処理を行った。試
料301〜302に対して前記処理を施した。処理済の
試料を各青感性、緑感性、赤感性層の濃度測定すること
により写真性能の評価と、実施例−1に記載の方法で圧
力性の試験を行った。得られた結果を表7に示す。 【0315】 【表7】 【0316】表7より、本発明の乳剤を用いた試料は比
較試料に対して、多層カラー感光材料の各感色性層のい
ずれにおいても高感度でありながら圧力耐性に優れてい
ることが明らかである。
フロントページの続き (72)発明者 井浜 三樹男 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 (72)発明者 細谷 陽一 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2H023 BA02 BA03 BA04

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 全投影面積の70%以上が下記(i)か
    ら(iv)を満たすハロゲン化銀粒子で占められているこ
    とを特徴とするハロゲン化銀写真乳剤。 (i)(111)面を主表面とする沃塩臭化銀平板粒子 (ii)円相当径3.0μm以上 (iii)少なくとも一つのコーナー部にエピタキシャル
    接合を有する (iv)エピタキシャル部に少なくとも1本の転位線を有
    する
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