JP2003014689A - ガスセンサ及びその製造方法 - Google Patents

ガスセンサ及びその製造方法

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JP2003014689A
JP2003014689A JP2001206643A JP2001206643A JP2003014689A JP 2003014689 A JP2003014689 A JP 2003014689A JP 2001206643 A JP2001206643 A JP 2001206643A JP 2001206643 A JP2001206643 A JP 2001206643A JP 2003014689 A JP2003014689 A JP 2003014689A
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atmosphere
gas sensor
sensor element
gas
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JP2001206643A
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English (en)
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Naoto Ozawa
直人 小澤
Koichi Yamada
弘一 山田
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガスセンサ中の大気側雰囲気−被測定ガス側
雰囲気が十分に分離されると共に製造容易でコストが安
価なガスセンサ及びその製造方法を提供すること。 【解決手段】 ハウジング10は,絶縁碍子21の外周
面に設けたテーパー部210を支承するよう構成された
受け面103を設けた内側面104を有するガスセンサ
1において,ハウジング10を製造するに当たり,金属
部材を準備し,該金属部材の内側面にボンデ剤及び油を
設けて冷鍛加工を施すことにより,内側面を所望の形状
に成形し,その後,アルカリと酸とを用いて内側面より
ボンデ剤及び油を除去し,金属部材における外側面を切
削加工により所望の形状に成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,内燃機関の排気系に設置して燃
焼制御に利用されるガスセンサ,ガスセンサの製造方法
に関する。
【0002】
【従来技術】センサ素子を絶縁碍子に挿通した後,該絶
縁碍子をハウジングに挿入固定し,ハウジングの先端側
に被測定ガス側カバーを,基端側に大気側カバーを設
け,絶縁碍子とハウジングとの間が気密封止された構成
を持つガスセンサが知られている。この気密封止によ
り,ガスセンサ内部を大気側雰囲気と被測定ガス側雰囲
気とに分離することができる。
【0003】ところでセンサ素子は被測定ガスに接する
被測定ガス側電極と基準ガスとなる大気と接する基準電
極とを有し,両者間に生じるイオン電流や電位差を基に
被測定ガス中のガス濃度を測定するよう構成されてい
る。そのため,大気側雰囲気と被測定ガス側雰囲気との
分離が不充分であると,正確なガス濃度の測定が難しく
なる。そのため,従来は絶縁碍子とハウジングとの間,
センサ素子とハウジングとの間にタルク等の粉体材料を
密度高く充填することで両雰囲気の気密的な分離を実現
していた。
【0004】
【解決しようとする課題】しかしながら,タルク等の粉
体材料の充填による気密性確保は,粉体の充填圧力,充
填量等の管理すべき内容が多く,コスト的にも不利であ
る。特表平8−511098号の従来技術には,低温度
で焼結させたセラミックリングを挿入して,気密封止す
ることが述べられている。しかしながら,組付け時に高
圧力を加えても上記セラミックリング内の残留多孔性が
維持されるため,大気側と被測定ガス側との気密的な分
離が不充分となるおそれがある。
【0005】同じく,特表平8−511098号の従来
技術には,多孔性を下げた金属シールリング(パッキ
ン)をセラミックリング(グラファイトも含む)と併用
して気密封止を実現する方法についても記載されてい
る。この場合,パッキンを2種類用いる方法であるた
め,製造工数の増大や製造コストの増大が生じるため,
あまり好ましくない。
【0006】そのため,絶縁碍子とハウジングとの間に
ついては,両者を直接当接させる,あるいは金属リング
等のシール材を介して両者を当接させることで,より簡
易に両雰囲気の気密的な分離を実現する方法が求められ
ていた。
【0007】本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてな
されたもので,ガスセンサ中の大気側雰囲気−被測定ガ
ス側雰囲気が十分に分離されると共に製造容易でコスト
が安価なガスセンサ及びその製造方法を提供しようとす
るものである。
【0008】
【課題の解決手段】請求項1に記載の発明は,センサ素
子と,該センサ素子が挿入配置された筒状のハウジング
とよりなり,上記ハウジングの基端側には内部に大気側
雰囲気が形成された大気側カバーが設けてあり,上記ハ
ウジングの先端側には内部に被測定ガス側雰囲気が形成
される被測定ガス側カバーが設けてあると共に,上記ハ
ウジングは,上記センサ素子を直接的または間接的に支
承するよう構成された受け面を設けた内側面を有するガ
スセンサにおいて,上記ハウジングを製造するに当た
り,金属部材を準備し,該金属部材の内側面にボンデ剤
及び油を設けて冷鍛加工を施すことにより,上記内側面
を所望の形状に成形し,その後,アルカリと酸とを用い
て上記内側面より上記ボンデ剤及び油を除去し,上記金
属部材における外側面を切削加工により所望の形状に成
形することを特徴とするガスセンサの製造方法にある。
【0009】本発明において最も注目すべきことは,冷
鍛加工の際に使用した油やボンデ剤を除去するに当り,
アルカリと酸とを用いたことである。
【0010】次に,本発明の作用につき説明する。冷鍛
加工の際に使用する金型等に焼きつくことを防止するた
め,ハウジング内側面の加工の際,予め材料となる金属
部材(例えば図2(a)に記載したような素材をハウジ
ングの加工材料として使用する。)等にはボンデ剤と油
とを塗布しておく。従来,冷鍛加工の終了後,これらを
ショットブラストによって除去していた。仮にボンデ剤
や油が残ると,ハウジングの耐久性が損なわれることが
ある。また,センサ素子への悪影響が発生(特性劣化)
することがある。
【0011】しかしながら,ガスセンサの気密性確保に
際して,ハウジングとセンサ素子との間を従来一般的に
使用されていたタルク等の粉末材料充填による密閉を利
用することなく,ハウジングに対しセンサ素子を直接当
接させる,または別部材を介して間接的に当接させる
(図1,図5参照)いずれの場合であってもショットブ
ラストは都合が悪い。つまり,ショットブラストではア
ルミナ粒(例えば#100程度)をぶつける衝撃を利用
するため,ボンデ剤や油の除去と共にハウジングの内側
面に微細な凹凸が形成され,ハウジング内側面から平滑
さが失われる。
【0012】このような内側面にセンサ素子等を当接さ
せた場合,表面の凹凸が微細な迷路構造を内側面とセン
サ素子等との間に形成し,この迷路構造を通じて大気側
と被測定ガス側との間に気密洩れが生じてしまう。この
問題は別部材として金属パッキン等のような柔軟性のあ
る材料を用いた場合でも,上記と同様の理由から解決で
きない。
【0013】本発明ではハウジング製造の際,ボンデ剤
と油とをアルカリと酸を用いて除去している。そのた
め,ハウジングの内側面に凹凸等生じせしめることなく
油とボンデ剤のみを除去することができる。
【0014】従って,ハウジング内側面は平滑な状態が
保たれ,この内側面に対しガスセンサ素子等が当接した
際,両者の間に隙間や迷路構造が生じることなく気密性
を保った状態で当接する。また,アルカリや酸を用いた
処理の実現は容易であり,また管理すべき項目が少ない
処理である。更に,処理コストも安価である。
【0015】以上,本発明によれば,ガスセンサ中の大
気側雰囲気−被測定ガス側雰囲気が十分に分離されると
共に製造容易でコストが安価なガスセンサの製造方法を
提供することができる。なお,上記別部材等についての
詳細は後述する。
【0016】本発明において使用できるアルカリは,例
えば水酸化ナトリウム,炭酸ナトリウム等の各種ナトリ
ウム塩等が挙げられる。また,各種のナトリウム塩を1
種類以上含ませたものを用いることもできる。また,使
用できる酸は,塩酸や硝酸等が挙げられる。また複数種
類の酸を混合したものを使用することもできる。アルカ
リについても酸についても,基本的にハウジングを侵食
しない薬品を用いる必要がある。また,アルカリについ
ても酸についても,使用する油やボンデ剤の種類に応じ
て選択する必要がある。
【0017】次に,請求項2に記載の発明のように,上
記ボンデ剤及び油を除去する際には,まずアルカリによ
る脱脂処理を行なった後,酸による処理を行なうことが
好ましい。冷鍛加工の際,加工の対象となる材料(本発
明では上述した金属部材)をボンデ剤及び油に漬け込ん
でボンデ材及び油とを付着させる。本発明では,アルカ
リで油を除去した後(アルカリ脱脂),ボンデ剤を酸で
除去することができ,確実に油とボンデ剤とを除去する
ことができる。
【0018】次に,請求項3に記載の発明のように,上
記酸による処理は,まず塩酸を用いて処理した後,水洗
にて塩酸を除去し,その後硝酸を用いて処理することが
好ましい。二度洗いするため確実にボンデ剤を除去でき
ると共に,塩酸,硝酸という異なる酸を使用するため,
まず塩酸で表面の被膜を落とし,強固に付着したボンデ
剤等は硝酸によるエッチング効果によって物理的に除去
することができる。
【0019】請求項4記載の発明は,センサ素子と,該
センサ素子が挿入配置された筒状のハウジングとよりな
り,上記ハウジングの基端側には内部に大気側雰囲気が
形成された大気側カバーが設けてあり,上記ハウジング
の先端側には内部に被測定ガス側雰囲気が形成される被
測定ガス側カバーが設けてあると共に,上記ハウジング
は,上記センサ素子を直接的または間接的に支承するよ
う構成された受け面を設けた内側面を有するガスセンサ
において,上記ハウジングを製造するに当たり,金属部
材を準備し,該金属部材の内側面にボンデ剤及び油を設
けて冷鍛加工を施すことにより,上記内側面を所望の形
状に成形し,その後,切削処理により上記内側面より上
記ボンデ剤及び油を除去し,上記金属部材における外側
面を切削加工により所望の形状に成形することを特徴と
するガスセンサの製造方法にある。
【0020】切削加工を施すことで,ハウジングの内側
面に凹凸を生じせしめることなく,油とボンデ剤とを共
に除去することができる。従って,ハウジング内側面は
平滑な状態が保たれ,この内側面に対しセンサ素子が直
接または別部材を介して間接的に当接した際,両者の間
に隙間や迷路構造が生じることなく気密性を保った状態
で当接する。また,切削処理は管理すべき項目も少な
く,コストが安価で容易に実現できる。
【0021】以上,本請求項によれば,ガスセンサ中の
大気側雰囲気−被測定ガス側雰囲気が十分に分離される
と共に製造容易でコストが安価なガスセンサの製造方法
を提供することができる。
【0022】請求項5記載の発明は,センサ素子と,該
センサ素子が挿入配置された筒状のハウジングとよりな
り,上記ハウジングの基端側には内部に大気側雰囲気が
形成された大気側カバーが設けてあり,上記ハウジング
の先端側には内部に被測定ガス側雰囲気が形成される被
測定ガス側カバーが設けてあると共に,上記ハウジング
は,上記センサ素子を直接的または間接的に支承するよ
う構成された受け面を設けた内側面を有するガスセンサ
において,上記ハウジングを製造するに当たり,金属部
材を準備し,該金属部材の内側面にボンデ剤及び油を設
けて冷鍛加工を施すことにより,上記内側面を所望の形
状に成形し,その後,研磨処理により上記内側面より上
記ボンデ剤及び油を除去し,上記金属部材における外側
面を切削加工により所望の形状に成形することを特徴と
するガスセンサの製造方法にある。
【0023】研磨処理を施すことで,ハウジングの内側
面に凹凸を生じせしめることなく,油とボンデ剤とを共
に除去することができる。従って,ハウジング内側面は
平滑な状態が保たれ,この内側面に対しセンサ素子が直
接または別部材を介して間接的に当接した際,両者の間
に隙間や迷路構造が生じることなく気密性を保った状態
で当接する。また,研磨処理は管理すべき項目も少な
く,コストが安価で容易に実現できる。
【0024】以上,本請求項によれば,ガスセンサ中の
大気側雰囲気−被測定ガス側雰囲気が十分に分離される
と共に製造容易でコストが安価なガスセンサの製造方法
を提供することができる。
【0025】請求項6記載の発明は,センサ素子と,該
センサ素子が挿入配置された筒状のハウジングとよりな
り,上記ハウジングの基端側には内部に大気側雰囲気が
形成された大気側カバーが設けてあり,上記ハウジング
の先端側には内部に被測定ガス側雰囲気が形成される被
測定ガス側カバーが設けてあると共に,上記ハウジング
は,上記センサ素子を直接的または間接的に支承するよ
う構成された受け面を設けた内側面を有するガスセンサ
において,上記ハウジングを製造するに当たり,金属部
材を準備し,該金属部材の内側面にボンデ剤及び油を設
けて冷鍛加工を施すことにより,上記内側面を所望の形
状に成形し,その後,ショットブラストにより上記内側
面より上記ボンデ剤及び油を除去し,次いで平滑化処理
を上記内側面に施し,上記金属部材における外側面を切
削加工により所望の形状に成形することを特徴とするガ
スセンサの製造方法にある。
【0026】ショットブラストにより油,ボンデ剤の除
去と共にハウジングの内側面に凹凸が生じるが,その後
平滑化処理を施すため,最終的に内側面の凹凸をなくす
ことができる。従って,ハウジング内側面は平滑な状態
が保たれ,この内側面に対しセンサ素子が直接または別
部材を介して間接的に当接した際,両者の間に隙間や迷
路構造が生じることなく気密性を保った状態で当接す
る。また,平滑化処理は管理すべき項目も少なく,コス
トが安価で容易に実現できる。なお,平滑化処理の具体
例については後述する。
【0027】以上,本請求項によれば,ガスセンサ中の
大気側雰囲気−被測定ガス側雰囲気が十分に分離される
と共に製造容易でコストが安価なガスセンサの製造方法
を提供することができる。
【0028】次に,請求項7記載の発明のように,上記
平滑化処理はメッキにより行なうことが好ましい。メッ
キ処理は容易に平滑な平面を得ることができ,管理すべ
き項目も少なく,コストが安価で容易に実現でできる。
また,請求項8記載の発明のように,上記平滑化処理は
研磨処理により行なうことが好ましい。研磨処理は容易
に平滑な平面を得ることができ,管理すべき項目も少な
く,コストが安価で容易に実現でできる。
【0029】次に,請求項9記載の発明のように,上記
ガスセンサ素子はパッキンを介して上記ハウジングの受
け面に支承されていることが好ましい(図9,図1
1)。これにより,高い気密性を得ることができる。上
記パッキンとしては,ステンレス鋼,ニッケル,ニッケ
ル合金,チタン等の柔らかい金属材料よりなるものが,
耐久性に優れているため好ましい(図5)。
【0030】次に,請求項10記載の発明のように,上
記ガスセンサ素子は筒状の絶縁碍子を介して上記ハウジ
ングの受け面に支承されており,上記筒状の絶縁碍子の
外周面には上記受け面と対面する位置にテーパー部が設
けてあり,該テーパー部において上記受け面に支承され
ていることが好ましい。これにより,高い気密性を得る
ことができる。
【0031】次に,請求項11記載の発明のように,上
記絶縁碍子はパッキンを介して上記受け面に支承されて
おり,上記絶縁碍子のテーパー部と上記受け面との間に
上記パッキンが配置されることが好ましい(図1)。こ
れにより,高い気密性を得ることができる。上記パッキ
ンとしては,ステンレス鋼,ニッケル,ニッケル合金,
チタン等の柔らかい金属材料よりなるものが,耐久性に
優れているため好ましい。
【0032】次に,請求項12記載の発明は,センサ素
子と,該センサ素子が挿入配置された筒状のハウジング
とよりなり,上記ハウジングの基端側には内部に大気側
雰囲気が形成された大気側カバーが設けてあり,上記ハ
ウジングの先端側には内部に被測定ガス側雰囲気が形成
される被測定ガス側カバーが設けてあると共に,上記ハ
ウジングは,上記センサ素子を直接的または間接的に支
承するよう構成された受け面を設けた内側面を有するガ
スセンサにおいて,上記受け面の表面粗度は10点平均
粗さで6.3μm以下であることを特徴とするガスセン
サにある。
【0033】表面粗度が上記範囲にある受け面は非常に
平滑である。従って,受け面に対しセンサ素子が直接ま
たは別部材を介して間接的に当接した際,両者の間に隙
間や迷路構造が生じることなく気密性を保った状態で当
接する。以上,本請求項にかかる発明によれば,ガスセ
ンサ中の大気側雰囲気−被測定ガス側雰囲気が十分に分
離されると共に製造容易でコストが安価なガスセンサを
提供することができる。
【0034】表面粗度が6.3μmより大である場合
は,大気側と被測定ガス側との間で気密性を保つことが
困難となるおそれがある。また,表面粗度は小さければ
小さいほど好ましい。なお,この表面粗度の具体的な測
定例は実施形態例2に記載した。
【0035】本発明にかかるガスセンサは後述する図1
に示すような板状の積層型ガスセンサ素子を内蔵したも
のの他,図9〜図11に示すような,コップ型のガスセ
ンサ素子を内蔵したガスセンサに適用することができ
る。また,本発明にかかるガスセンサは車両用内燃機関
搭載用の酸素センサ,空燃比センサの他,NOxセン
サ,CO,HCセンサ等に適用することができる。
【0036】
【発明の実施の形態】実施形態例1 本発明の実施形態例にかかるガスセンサ及びその製造方
法につき,図1〜図6を用いて説明する。本例のガスセ
ンサ1は,図1に示すごとく,筒状の絶縁碍子21と該
絶縁碍子21内に封止固定されたセンサ素子15と,上
記絶縁碍子21が挿入配置された筒状のハウジング10
とよりなり,上記ハウジング10の基端側には内部に大
気側雰囲気142が形成された大気側カバー12が設け
てあり,上記ハウジング10の先端側には内部に被測定
ガス側雰囲気141が形成される被測定ガス側カバー1
3が設けてあると共に,上記ハウジング10は,上記絶
縁碍子21の外周面に設けたテーパー部210を支承す
るよう構成された受け面103を設けた内側面104を
有する。
【0037】このガスセンサ1において,上記ハウジン
グ10を製造するに当たり,図2に示すごとく,金属部
材8を準備し,該金属部材8の内側面81にボンデ剤及
び油を設けて冷鍛加工を施すことにより,上記内側面8
1を所望の形状に成形し,その後,図3に示すごとく,
アルカリと酸とを用いて上記内側面81より上記ボンデ
剤及び油を除去し,上記金属部材8における外側面82
を切削加工により所望の形状に成形する。また,上記製
法にて得られたハウジング10の内側面104における
受け面103の表面粗度は十点平均粗さで6.3μm以
下である。
【0038】以下,詳細に説明する。本例にかかるガス
センサ1は自動車内燃機関の排気系に取付けて,内燃機
関の空燃比制御に利用されるものである。図1に示すご
とく,ガスセンサ1において,ハウジング10の先端側
には外側カバー131,内側カバー132よりなる二重
構造の被測定ガス側カバー13が設けてある。両カバー
131,132は被測定ガスが導入される被測定ガス導
入穴130が設けてあり,ここから被測定ガスが導入さ
れて,内側カバー132の内部に被測定ガス側雰囲気1
41が形成される。
【0039】また,ハウジング10の基端側には大気側
カバー12が設けてある。大気側カバー12の基端側の
外周面には撥水フィルタ122を介して外側カバー12
1が設けてある。また,大気側カバー12,外側カバー
121は共に撥水フィルタ122と対面する位置に大気
導入穴120が設けてある。また,大気側カバー12は
基端側がより小径に,先端側がより大径に構成され,径
の切り替わり部分に段部129が形成されている。そし
て,ガスセンサ1の大気側カバー12内には上記大気導
入穴120と連通し,大気が導入されて大気側雰囲気1
42が形成される。
【0040】図1,図2に示すごとく,上記ハウジング
10は略筒状で,内側面には径方向内側に向かう二ヶ所
の突出部101,102が設けてある。突出部101に
おける受け面103は絶縁碍子21の外側面に設けられ
たテーパー部210を支承するよう構成されている。上
記受け面103においては,環状の金属パッキン11を
介してテーパー部210が支承されている。そして,上
記金属パッキン11の配置された部分で,ガスセンサ1
内の大気側雰囲気142と被測定ガス側雰囲気141が
気密的に分離される。
【0041】上記絶縁碍子21の基端側の端面には大気
側絶縁碍子22が配置され,該大気側絶縁碍子22と大
気側カバー12の段部129との間には皿バネ220が
設けてある。大気側絶縁碍子22の内部には4本のリー
ド部16が配置され,センサ素子15と電気的導通が取
れるように両者は接触している。なお,センサ素子15
は積層型の酸素濃度測定用のヒータ内蔵素子で,センサ
出力取出し用の電極を2つ,内蔵されたヒータ通電用の
電極を2つ,合計4つの外部導出用の電極端子を有する
(図示略)。上記4本のリード部16はこれらの電極端
子とそれぞれ導通するよう接触している。
【0042】上記リード部16の基端側は大気側絶縁碍
子22の外部において,コネクタ部17を介してリード
線18と接続されている。リード線18は大気側カバー
12の基端側に設けた弾性絶縁部材23を通じてガスセ
ンサ1外部へ通じている。
【0043】また,本例のハウジングの詳細な制作方法
について説明すると,図2に示すごとく,まずハウジン
グ10の材料となる所定長さの金属部材8を準備する。
この金属部材8の外側面81に面取り等を施して,ハウ
ジング10の概略形状に据込する。次に,一旦金属部材
8の外側面81等に付着した余分な油分を除去するため
の脱脂処理を行ない,続いて金属部材8の内側面82に
ボンデ剤及び油を付着させる。
【0044】この付着処理について説明する。金属部材
8の内側面82にボンデ剤をつきやすくするためにショ
ットブラストを施す。用いた鋼球は0.8mmで,継続
時間は20分である。次いで,金属部材8を篭の中にい
れて,下記の薬品の入った槽に篭ごと浸してどぶ漬け処
理を行なう。薬品はセロナイズ100A,100B(貴
和化学)である。どぶ漬け処理の条件は90℃,20分
である。このどぶ漬けにより1m2あたり7〜15gの
蓚酸塩被膜が形成される。次いで,金属部材8を5分水
洗し,更に80℃の湯温で5分洗浄する。
【0045】次いで,固体潤滑剤(MoS2)を含む水
溶性油の溶液を満たした槽に金属部材8をどぶ漬けす
る。どぶ漬けは液温70℃で5分行った。固体潤滑剤
(MoS 2)がボンデ剤である。その後,熱風ヒータを
用いて乾燥させる。熱風は70〜80℃で10分間行っ
た。
【0046】次いで,縦型の単発冷鍛を利用して冷鍛加
工を行なった。上記冷鍛加工により,内側面82が所望
の形状となった金属部材8に対し,アルカリと酸を用い
て油とボンデ剤を除去する。この除去の際のプロセスを
図3に記載した。まずアルカリ脱脂301を行う。使用
したアルカリはギルデオンES3300(中央化学株式
会社製品)で,水酸化ナトリウム,オルソ珪酸ナトリウ
ム,重合燐酸ナトリウム,炭酸ナトリウム等を含有する
脱脂剤である。また,この脱脂剤は濃度3〜10%の溶
液として使用した。洗浄時間は5±3分,洗浄温度60
±10℃で上記脱脂剤の溶液に金属部材8を浸すことに
より脱脂する。次いで,水洗302を行なう。これによ
り金属部材81から脱脂剤を除去する。
【0047】次いで,塩酸浸漬303を行なう。金属部
材8を塩酸に浸漬する。浸漬時間は1±0.2分,液温
は40〜45℃で行う。また塩酸の濃度は400±50
cc/1リットルである。次いで,水洗304を行い,
金属部材8から塩酸を除去する。
【0048】次いで,硝酸浸漬305を行なう。金属部
材8を硝酸に浸漬する。浸漬時間は1±0.2分,液温
は40〜45℃で行う。また硝酸の濃度は100±20
cc/1リットルで,硝酸の他,弗化水素アンモンが5
±2g/1リットル含まれている。その後,水洗306
を行ない,金属部材8から硝酸を除去する。そして防錆
処理307を行って,防錆剤を金属部材8の全表面に塗
布する。次いで,乾燥308を行なう。最後に,金属部
材8の外側面81を切削加工して所望の形状に成形し,
ハウジング10を得た。
【0049】また,本例にかかるガスセンサ1の組み立
ては次のように行われる。予めリード線18とセンサ素
子15の電極端子に導通するよう接触したリード部16
を配置した大気側絶縁碍子22を皿バネ220と共に大
気側カバー12に挿入する。この時,大気側カバー12
の段部129を押圧しながら,ハウジング10の側面を
溶接により固定して組み立てられる。
【0050】組立時には上記金属パッキン11が絶縁碍
子21に押しつけられることにより,絶縁碍子21の形
状に合わせて金属パッキン110が変形して密着し,ま
た,ハウジングの受け面103の形状にあわせてパッキ
ン11が変形して密着し,気密性が確保されるのであ
る。
【0051】次に本例の作用効果について説明する。本
例ではハウジング製造の際,ボンデ剤と油とを図3に示
すごとく,アルカリと酸とを用いて除去している。その
ため,ハウジングの内側面に凹凸等生じせしめることな
く油とボンデ剤のみを除去することができる。
【0052】従って,ハウジング内側面は平滑な状態が
保たれ,表面粗度は3μmである。この内側面に対し絶
縁碍子等が当接した際,両者の間に隙間や迷路構造が生
じることなく気密性を保った状態で当接する。なお,本
例と同様の手順で,図3にかかるアルカリと酸とを用い
た工程の代わりに,ショットブラストで油とボンデ剤と
を除去したハウジングを製作したところ,その表面粗度
は50μm程度であった。また,アルカリや酸を用いた
処理の実現は容易であり,また管理すべき項目が少ない
処理である。更に,処理コストも安価である。
【0053】また,本例ではハウジングの内側面に蓚酸
の被膜とMoS2の被膜とが形成されている。アルカリ
の処理の後で塩酸を用いて処理するため,この処理で蓚
酸の被膜が落ち,その後硝酸で処理することで,強酸で
ある硝酸がハウジングの内側面をエッチングして,物理
的にMoS2の被膜を除去することができる。つまりM
oS2は難溶解性のため,ハウジングの内側面を溶解す
ることで物理的に剥離させる。
【0054】以上,本例によれば,ガスセンサ中の大気
側雰囲気−被測定ガス側雰囲気が十分に分離されると共
に製造容易でコストが安価なガスセンサの製造方法を提
供することができる。
【0055】また,本例で示したガスセンサは,受け面
103と絶縁碍子21のテーパー部210との間は金属
パッキン11が設けてあるが,図4に示すごとく,二つ
のパッキン材111,112よりなる金属パッキン11
0を設けることができる。また,図5に示すごとく,金
属パッキンを用いることなくテーパー部210と受け面
103とを直接当接させてもよい。
【0056】また,図6に示すごとく,従来知られたタ
ルク等の粉体充填による気密封止がなされたガスセンサ
1について本例を適用することもできる。図6に示すご
とく,このガスセンサ1はハウジング10内の受け面1
03に対し絶縁碍子221のテーパー部220が金属パ
ッキン11を介して配置され,絶縁碍子221の上方の
ガスセンサ素子15とハウジング10との間の空間に,
順次,タルクよりなる粉末シール材222,シール材2
23,絶縁材224が充填されている。以上の図4〜図
6にかかるガスセンサについても,本例と同様の作用効
果を得ることができる。
【0057】実施形態例2 本例は,アルカリと酸によるボンデ剤と油との除去とハ
ウジングの表面粗度,ガスセンサの気密性についての試
験について説明する。試料1〜5にかかるハウジングを
設けたガスセンサを準備した。ガスセンサの構造は実施
形態例1の図1と同様で,冷鍛加工後の油とボンデ剤の
処理について条件を適宜変化させた。試料1は冷鍛加工
後,そのまま外側面の切削加工を行い,内側面に油とボ
ンデ剤とが残った状態でガスセンサを組みあげた。
【0058】試料2〜試料5について,アルカリ脱脂は
すべて同一の条件で行った。この条件は実施形態例1と
同様である。アルカリによる脱脂,水洗,その後行われ
る塩酸処理は概略は実施形態例1と同様に行なう。試料
2は塩酸が400cc/1リットル含まれた水溶液を温
度45℃に保ち,ここにハウジングとなる金属部材を1
分浸漬した。試料3は塩酸が400cc/1リットル,
試料4は塩酸が500cc/1リットル,試料5は塩酸
が400cc/1リットルであった。
【0059】次いで,試料2は,塩酸処理の後に水洗し
て,更にその後に硝酸処理を行った。硝酸は100cc
/1リットルの水溶液で,弗化水素も5g/1リットル
含まれた混合溶液を用い,温度を45℃に保ち,ここに
ハウジングとなる金属部材を1分浸漬した。
【0060】試料3も試料2と同様の条件で硝酸処理を
行った。試料4は硝酸処理を行なわなかった。試料5の
硝酸処理は,硝酸は250cc/1リットルの水溶液
で,弗化水素も30g/1リットル含まれた混合溶液を
用い,温度を45℃に保って1分浸漬した。各試料につ
いて,硝酸処理を行った後,再び実施形態例1と同様に
水洗いして,防錆剤を塗布し,乾燥させた。その他の詳
細は実施形態例1に準じる。
【0061】各試料1〜5にかかるハウジングのボンデ
剤残査について,蛍光X線解析にてS,Moを測定し
た。この蛍光X線解析は島津XRF−1500,ビーム
径φ3を用いて測定した。測定にあたっては,冷鍛加工
前の金属部材中のSやMoを予め測定しておき,ボンデ
剤の残査測定時に補正をかける。ここでボンデ剤残査の
指標として,ボンデ剤の主成分であるS(硫黄)量が試
料表面成分中どの程度存在するかで示した。この結果を
図7に記載した。なお,ボンデ剤残査の測定は3回行な
った。
【0062】また,試料1〜5にかかるガスセンサを,
図8に示す装置に組み込んで,大気側と被測定ガス側と
の気密漏れについて測定した。この装置は,エア供給を
制御するバルブ71を設けた気密漏れ量測定器72とガ
スセンサ取付治具74とよりなり,両者を結ぶパイプに
設けたバルブ73とよりなる。
【0063】測定方法について説明すると,取付治具7
4にガスセンサ1を取付けて,大気側と被測定ガス側と
を気密的に分離する。この状態でバルブ71,73を開
けてエアを取付治具74内のエア溜まり740に供給す
る。なお,ガスセンサ1のハウジング10と取付治具7
4との間はゴムパッキン741でシールされている。
【0064】仮にハウジング10と絶縁碍子21との間
のシールが不充分であれば,両者間からエアが同図の矢
線に示すごとくリークするため,時間と共にエア溜まり
740に圧力降下が生じる。従って,この装置を用いて
エア溜まり740に所定量のエア(4気圧)を供給し,
10秒経過後にエア溜まり740の圧力を測定した。こ
の値から気密漏れ量(cc)が分かり,これを図7に記
載した。なお,この測定は5回行なった。なお,センサ
素子15と絶縁碍子21との間はガラス封止材で封止さ
れているため,こちら側からのリークは無視できる。
【0065】また,ハウジングの受け面の表面粗度を触
針式表面粗度測定器を用いて測定した。この時,基準長
さ0.8mmとしてJISB0601に基づいて測定
し,また測定針として先端角90℃×R2μmであるも
のを使用した。先端曲率R2μmの触針を測定対象とな
る受け面に沿って駆動させ,表面の凹凸による触針の上
下動を電気信号として検出し,断面曲線,メータの指
針,コンピュータによる演算処理から表面粗度を検出し
た。この時の測定点数は受け面からランダムな3箇所を
選定し,各位置で得られた値を平均した。この測定を3
回行なって,結果を図7に記載した。
【0066】以上の測定結果より,試料1〜5のいずれ
についても表面粗度が小さく,気密もれが生じ難いこと
が分かった。ただし,試料1や4は同図に示すように硫
黄量が多く,ハウジングの耐久性が損なわれたり,セン
サ素子への悪影響の発生(特性劣化)が生じることが予
測される。特に試料4のケースは,硝酸を使用していな
いため,ハウジングに形成された蓚酸被膜を除去できて
も,MoS2までは除去しきれていないと推測される。
【0067】このため,特に好ましいのは,試料2にか
かるアルカリの処理の後に,塩酸と硝酸とを用いて処理
することで,油とボンデ剤とを除去する方法であること
が分かった。
【0068】実施形態例3 本例はコップ型のセンサ素子を設けたガスセンサについ
て説明する。図9にかかるガスセンサ1は,ハウジング
10に対しコップ型のセンサ素子5が挿通されている。
センサ素子5は有底円筒型で内部に大気室501を有す
る固体電解質体50より構成され,その外側面及び内側
面にそれぞれ電極が設けてある(図示略)。上記大気室
501には棒状のヒータ51が挿入されている。
【0069】上記ハウジング10の内側面には径方向内
側に向かう突出部55が設けてある。突出部55におけ
る受け面550はセンサ素子5の外側面には径方向外側
に突出したテーパー部54を金属製のパッキン53を介
して支承するよう構成されている。そして,センサ素子
5の突出部55に対し図面上方の側からは粉末シール材
541,パッキン542,絶縁碍子543が配置され,
絶縁碍子543の基端側においてハウジング10の基端
側と大気側カバー12とが金属リング544を介してか
しめ固定された状態にある。
【0070】また,図10にかかるガスセンサ1は,コ
ップ型のセンサ素子5が絶縁碍子56を介して,ハウジ
ング10に挿通されている。ハウジング10の突出部5
5の受け面550に対し,金属製のパッキン53を介し
て絶縁碍子56の先端部が支承される。そして,絶縁碍
子56に対し図面上方の側からは粉末シール材561,
パッキン562,絶縁碍子563が配置され,絶縁碍子
563の基端側においてハウジング10の基端側と大気
側カバー12とが金属リング564を介してかしめ固定
された状態にある。
【0071】また,図11にかかるガスセンサ1は,コ
ップ型のセンサ素子5が直接ハウジング10に挿通され
ている。そして,ハウジング10の突出部55の受け面
550に対し,金属製のパッキン53を介してセンサ素
子5の径方向外側に突出したテーパー部54が支承され
ている。そして,センサ素子の突出部55に対し図面の
上方の側からは粉末シール材545,絶縁碍子546が
配置され,絶縁碍子546の基端側において金属リング
547を介してハウジング10の基端側によりかしめら
れている。
【0072】上記いずれのガスセンサ1についても,ハ
ウジング10の製造時に,アルカリと酸とを用いて内側
面よりボンデ剤及び油を除去することで,実施形態例1
と同様の作用効果を得ることができる。その他詳細は実
施形態例1と同様である。
【0073】実施形態例4 ハウジングを製造するに当たり,金属部材を準備し,該
金属部材の内側面にボンデ剤及び油を設けて冷鍛加工を
施すことにより,上記内側面を所望の形状に成形し,そ
の後,切削加工により上記内側面より上記ボンデ剤及び
油を除去し,上記金属部材における外側面を切削加工に
より所望の形状に成形する。
【0074】上記冷鍛加工により,内側面82が所望の
形状となった金属部材8において,油とボンデ剤を除去
するが(図2参照),この除去に際して切削加工を利用
する。この場合は,冷鍛加工する際に,内側面を実施形
態例1よりも0.05mm厚く成形する。この厚みは切
削加工代分で,切削加工を最終形状となるまで施して,
油及びボンデ剤を除去するのである。
【0075】実施形態例5 ハウジングを製造するに当たり,金属部材を準備し,該
金属部材の内側面にボンデ剤及び油を設けて冷鍛加工を
施すことにより,上記内側面を所望の形状に成形し,そ
の後,研磨加工により上記内側面より上記ボンデ剤及び
油を除去し,上記金属部材における外側面を切削加工に
より所望の形状に成形する。
【0076】冷鍛加工により,内側面82が所望の形状
となった金属部材8において,油とボンデ剤を除去する
が(図2参照),この除去に際して研磨加工を利用す
る。この場合は,冷鍛加工する際に,内側面を実施形態
例1よりも0.02mm厚く成形する。この厚みは研磨
加工代分で,研磨加工を最終形状となるまで施して,油
及びボンデ剤を除去するのである。
【0077】実施形態例6 ハウジングを製造するに当たり,金属部材を準備し,該
金属部材の内側面にボンデ剤及び油を設けて冷鍛加工を
施すことにより,上記内側面を所望の形状に成形する
が,その後,ショットブラストにより上記内側面より上
記ボンデ剤及び油を除去し,次いで平滑化処理を上記内
側面に施し,上記金属部材における外側面を切削加工に
より所望の形状となす。
【0078】つまり,冷鍛加工により,内側面82が所
望の形状となった金属部材8において,油とボンデ剤を
ショットブラストで除去した後,メッキ,研磨等の平滑
化処理を施して,表面粗度を6.3μm以下とする。
【0079】ショットブラスト処理は,投射する小球
(ショット)として,粒径90〜63μmのガラスビー
ズを用いて,これを4.5kg/cm2の圧縮空気によ
り投射させて,ショットブラスト処理時間は10分間と
した。平滑化処理は本例においてはメッキにより行う
が,このメッキは金属メッキ(ニッケル,銅,金メッキ
等)で,化学めっき,電解めっきで行う。さらに,これ
により形成したメッキ膜は厚さ20μmである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1における,ガスセンサの断面説明
図。
【図2】実施形態例1における,ハウジングの製造工程
を示す説明図。
【図3】実施形態例1における,アルカリと酸によるボ
ンデ剤と油の除去方法を示す説明図。
【図4】実施形態例1における,2枚のパッキン材より
なる金属パッキンを設けたガスセンサの断面説明図。
【図5】実施形態例1における,絶縁碍子とハウジング
とが直接当接したガスセンサの断面説明図。
【図6】実施形態例1における,金属パッキン,粉末シ
ール材等で大気側と被測定ガス側とを封止したガスセン
サの断面説明図。
【図7】実施形態例2における,試料1〜5にかかるボ
ンデ剤残査,気密もれ量,表面粗度の値を示す線図。
【図8】実施形態例2における,気密もれ量の測定機器
を示す説明図。
【図9】実施形態例3における,コップ型のセンサ素子
が金属パッキンを介してハウジングに支承されたガスセ
ンサの断面説明図。
【図10】実施形態例3における,コップ型のセンサ素
子が絶縁碍子と金属パッキンを介してハウジングに支承
されたガスセンサの断面説明図。
【図11】実施形態例3における,コップ型のセンサ素
子が金属パッキンを介してハウジングに支承された他の
ガスセンサの断面説明図。
【符号の説明】
1...ガスセンサ, 10...ハウジング, 103...受け面, 104...内側面, 12...大気側カバー, 13...被測定ガス側カバー, 141...被測定ガス側雰囲気, 142...大気側雰囲気, 15...センサ素子, 21...絶縁碍子,
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 27/46 371G 371Z 331 Fターム(参考) 2G004 BB01 BB04 BC02 BD04 BF27 BJ02 BM01 BM04 BM07 ZA04 ZA05

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 センサ素子と,該センサ素子が挿入配置
    された筒状のハウジングとよりなり,上記ハウジングの
    基端側には内部に大気側雰囲気が形成された大気側カバ
    ーが設けてあり,上記ハウジングの先端側には内部に被
    測定ガス側雰囲気が形成される被測定ガス側カバーが設
    けてあると共に,上記ハウジングは,上記センサ素子を
    直接的または間接的に支承するよう構成された受け面を
    設けた内側面を有するガスセンサにおいて,上記ハウジ
    ングを製造するに当たり,金属部材を準備し,該金属部
    材の内側面にボンデ剤及び油を設けて冷鍛加工を施すこ
    とにより,上記内側面を所望の形状に成形し,その後,
    アルカリと酸とを用いて上記内側面より上記ボンデ剤及
    び油を除去し,上記金属部材における外側面を切削加工
    により所望の形状に成形することを特徴とするガスセン
    サの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において,上記ボンデ剤及び油
    を除去する際には,まずアルカリによる脱脂処理を行な
    った後,酸による処理を行なうことを特徴とするガスセ
    ンサの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2において,上記酸による処理
    は,まず塩酸を用いて処理した後,水洗にて塩酸を除去
    し,その後硝酸を用いて処理することを特徴とするガス
    センサの製造方法。
  4. 【請求項4】 センサ素子と,該センサ素子が挿入配置
    された筒状のハウジングとよりなり,上記ハウジングの
    基端側には内部に大気側雰囲気が形成された大気側カバ
    ーが設けてあり,上記ハウジングの先端側には内部に被
    測定ガス側雰囲気が形成される被測定ガス側カバーが設
    けてあると共に,上記ハウジングは,上記センサ素子を
    直接的または間接的に支承するよう構成された受け面を
    設けた内側面を有するガスセンサにおいて,上記ハウジ
    ングを製造するに当たり,金属部材を準備し,該金属部
    材の内側面にボンデ剤及び油を設けて冷鍛加工を施すこ
    とにより,上記内側面を所望の形状に成形し,その後,
    切削処理により上記内側面より上記ボンデ剤及び油を除
    去し,上記金属部材における外側面を切削加工により所
    望の形状に成形することを特徴とするガスセンサの製造
    方法。
  5. 【請求項5】 センサ素子と,該センサ素子が挿入配置
    された筒状のハウジングとよりなり,上記ハウジングの
    基端側には内部に大気側雰囲気が形成された大気側カバ
    ーが設けてあり,上記ハウジングの先端側には内部に被
    測定ガス側雰囲気が形成される被測定ガス側カバーが設
    けてあると共に,上記ハウジングは,上記センサ素子を
    直接的または間接的に支承するよう構成された受け面を
    設けた内側面を有するガスセンサにおいて,上記ハウジ
    ングを製造するに当たり,金属部材を準備し,該金属部
    材の内側面にボンデ剤及び油を設けて冷鍛加工を施すこ
    とにより,上記内側面を所望の形状に成形し,その後,
    研磨処理により上記内側面より上記ボンデ剤及び油を除
    去し,上記金属部材における外側面を切削加工により所
    望の形状に成形することを特徴とするガスセンサの製造
    方法。
  6. 【請求項6】 センサ素子と,該センサ素子が挿入配置
    された筒状のハウジングとよりなり,上記ハウジングの
    基端側には内部に大気側雰囲気が形成された大気側カバ
    ーが設けてあり,上記ハウジングの先端側には内部に被
    測定ガス側雰囲気が形成される被測定ガス側カバーが設
    けてあると共に,上記ハウジングは,上記センサ素子を
    直接的または間接的に支承するよう構成された受け面を
    設けた内側面を有するガスセンサにおいて,上記ハウジ
    ングを製造するに当たり,金属部材を準備し,該金属部
    材の内側面にボンデ剤及び油を設けて冷鍛加工を施すこ
    とにより,上記内側面を所望の形状に成形し,その後,
    ショットブラストにより上記内側面より上記ボンデ剤及
    び油を除去し,次いで平滑化処理を上記内側面に施し,
    上記金属部材における外側面を切削加工により所望の形
    状に成形することを特徴とするガスセンサの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項6において,上記平滑化処理はメ
    ッキにより行なうことを特徴とするガスセンサの製造方
    法。
  8. 【請求項8】 請求項6において,上記平滑化処理は研
    磨処理により行なうことを特徴とするガスセンサの製造
    方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか一項において,
    上記ガスセンサ素子はパッキンを介して上記ハウジング
    の受け面に支承されていることを特徴とするガスセンサ
    の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれか一項におい
    て,上記ガスセンサ素子は筒状の絶縁碍子を介して上記
    ハウジングの受け面に支承されており,上記筒状の絶縁
    碍子の外周面には上記受け面と対面する位置にテーパー
    部が設けてあり,該テーパー部において上記受け面に支
    承されていることを特徴とするガスセンサの製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項10において,上記絶縁碍子は
    パッキンを介して上記受け面に支承されており,上記絶
    縁碍子のテーパー部と上記受け面との間に上記パッキン
    が配置されることを特徴とするガスセンサの製造方法。
  12. 【請求項12】 センサ素子と,該センサ素子が挿入配
    置された筒状のハウジングとよりなり,上記ハウジング
    の基端側には内部に大気側雰囲気が形成された大気側カ
    バーが設けてあり,上記ハウジングの先端側には内部に
    被測定ガス側雰囲気が形成される被測定ガス側カバーが
    設けてあると共に,上記ハウジングは,上記センサ素子
    を直接的または間接的に支承するよう構成された受け面
    を設けた内側面を有するガスセンサにおいて,上記受け
    面の表面粗度は10点平均粗さで6.3μm以下である
    ことを特徴とするガスセンサ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008089611A (ja) * 2007-12-26 2008-04-17 Hitachi Ltd 酸素センサ
JP2015178988A (ja) * 2014-03-19 2015-10-08 日本碍子株式会社 ガスセンサ
CN113466401A (zh) * 2020-03-31 2021-10-01 日本碍子株式会社 气体传感器、气体传感器的元件密封体、筒状体以及气体传感器的组装方法

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