JP2003014543A - フーリエ変換赤外分光光度計 - Google Patents

フーリエ変換赤外分光光度計

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JP2003014543A JP2001202935A JP2001202935A JP2003014543A JP 2003014543 A JP2003014543 A JP 2003014543A JP 2001202935 A JP2001202935 A JP 2001202935A JP 2001202935 A JP2001202935 A JP 2001202935A JP 2003014543 A JP2003014543 A JP 2003014543A
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    • G01JMEASUREMENT OF INTENSITY, VELOCITY, SPECTRAL CONTENT, POLARISATION, PHASE OR PULSE CHARACTERISTICS OF INFRARED, VISIBLE OR ULTRAVIOLET LIGHT; COLORIMETRY; RADIATION PYROMETRY
    • G01J3/00Spectrometry; Spectrophotometry; Monochromators; Measuring colours
    • G01J3/28Investigating the spectrum
    • G01J3/45Interferometric spectrometry
    • G01J3/453Interferometric spectrometry by correlation of the amplitudes

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  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Spectrometry And Color Measurement (AREA)
  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ノイズの混入や光源、検出器の不安定要因に
より干渉波形が歪んでも吸収スペクトルへの影響をなく
す。 【解決手段】 時間的に連続する二回の測定の干渉波形
データを一旦メモリに保持し(S12)、端部のデータか
らノイズ量を、中央部のデータから相似度を算出し(S
14,S15)、それらから干渉波形の良否を判定するため
の指標値Eを求める(S16)。その指標値Eが予め測定
により定めた閾値Et以下であれば、干渉波形が良好で
あると判断してその波形を積算する(S17,S18)。外
乱などによるノイズの混入や光源、検出器が定常状態に
至るまでの不安定状態にあるときなどには、指標値Eが
増加するため不良波形であると判断されて積算から除か
れる。したがって、積算波形が歪むことを防止でき、こ
れからフーリエ演算により求まる吸収スペクトルも精度
が増す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフーリエ変換赤外分
光光度計に関する。
【0002】
【従来の技術】フーリエ変換赤外分光光度計(以下「F
TIR」と略す)では、固定鏡及び移動鏡を含むマイケ
ルソン型干渉計により時間的に振幅が変動する干渉波を
生成し、これを試料に照射してその透過光又は反射光を
インターフェログラムとして検出する。そして、これを
フーリエ変換することにより、横軸に波数、縦軸に強度
(吸光度又は透過率など)をとった吸収スペクトルを得
る。
【0003】FTIRでは一回(一周期)の移動鏡の往
復動によって所定の波長範囲全てに亘る吸収スペクトル
を取得することができるが、これではS/N比が低いた
め、インターフェログラムの段階で多数回の移動鏡の往
復動に対するデータの積算を行い、積算されたデータに
対してフーリエ変換を実行してS/N比の高い吸収スペ
クトルを算出するのが一般的である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、FTIRに
おいては次のような場合にインターフェログラムに歪み
が生じる可能性がある。 (1) 装置の電源を投入した後、光源の温度が変化し、そ
の発光輝度が未だ充分に安定状態に達していないとき (2) 分析対象の試料を試料室にセットした直後で、測定
を開始してから検出器(焦電検出器など)の出力が未だ
充分に安定状態に達していないとき (3) 装置に一時的に強い衝撃が加わり、干渉計の動作に
乱れが生じたとき (4) 回路系に電気的ノイズが一時的に加わり、インター
フェログラムにノイズが重畳したとき
【0005】このような様々な要因によって良好でない
インターフェログラムが生じても、従来のFTIRでは
そのままデータの積算が行われるため、最終的な積算波
形データに不良要素が加わることになる。そのため、吸
収スペクトルにノイズが重畳したり、ベースラインが変
動したり、或いはピークが微分形状に変形したりするこ
とがある。このような場合、再測定を行うか、或いは装
置が安定状態になるまで待機する必要がある。特にFT
IRの場合には、フーリエ変換演算に時間を要するため
一回の分析を行うための所要時間が比較的長く、再測定
を行うことになると分析効率を大きく損ねる。また、試
料の種類等に依っては再測定が不可能な場合もあり得
る。
【0006】本発明は上記問題を解決するために成され
たものであり、その主たる目的とするところは、上記各
種要因によるインターフェログラムの歪みやノイズの重
畳の影響を排除し、ひいては信頼性の高い吸収スペクト
ルを取得することができるフーリエ変換赤外分光光度計
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に成された本発明は、干渉波形を繰り返し測定し、それ
を積算することによって積算波形データを求め、該積算
波形データをフーリエ変換して吸収スペクトルを取得す
るフーリエ変換赤外分光光度計において、a)或る1回の
測定により得られた第1の干渉波形と、それに時間的に
隣接する又は近接する測定により得られた1乃至複数の
第2の干渉波形との形状を比較することにより、前記第
1の干渉波形の信頼性を判定する干渉波形判定手段と、
b)該干渉波形判定手段により信頼性が高いと判断された
干渉波形を、繰り返し測定に伴って順次積算する波形積
算手段と、c)該波形積算手段によって積算された波形デ
ータに基づいて吸収スペクトルを算出するスペクトル算
出手段と、を備えることを特徴としている。
【0008】すなわち、この発明に係るフーリエ変換赤
外分光光度計は、繰り返し測定によって得られた干渉波
形を無条件に全て積算するのではなく、その干渉波形の
形状判定を行いそれが良好であると判定されたもののみ
を選択して積算し、不良であると判定された干渉波形は
積算に用いることなく廃棄する。前記干渉波形判定手段
の一態様としては、着目した干渉波形と1乃至複数の参
照する干渉波形との形状を比較する際に、干渉波形上の
ノイズ量、又は相似度の少なくとも1つを利用する構成
とすることができる。もちろん、判定の信頼性を高める
ためには上記2つ又はそれ以上のパラメータを併用する
ことが望ましく、その場合には、例えば、それら複数の
パラメータに関する比較指標値を統合して1つの指標値
を求め、この指標値を予め定めた閾値と比較することに
よって着目した干渉波形の良否を判定する構成とするこ
とができる。
【0009】また、本発明の一態様として、前記干渉波
形判定手段は、時間的に連続して測定された2つの干渉
波形の形状を比較する構成とすることができる。この構
成によれば、時間的に直近の干渉波形との形状の比較が
行われるので、特に光源の輝度変動や検出器の出力変動
など、時間経過に伴って安定状態に向かって徐々に変動
する要因に対して、より安定状態に近い(つまり過去の
干渉波形は安定状態から遠い)干渉波形を利用した良否
判定が行える。したがって、干渉波形の良否判定をより
適切に行うことができる。
【0010】
【発明の効果】本発明に係るフーリエ変換赤外分光光度
計によれば、干渉波形を積算する以前に信頼性の乏しい
干渉波形を排除しているので、積算波形データの信頼性
が非常に高まり、正確な吸収スペクトルを取得すること
ができる。したがって、測定途中で一時的に機械的外乱
や電気的ノイズが加わった場合でも、測定をやり直すこ
となく信頼性の高い結果を得ることができる。そのた
め、再測定の手間が不要になるとともに、一度しか測定
できないような試料でも安心して測定が行える。
【0011】更にまた、本発明に係るフーリエ変換赤外
分光光度計によれば、次のような測定が可能となる。す
なわち、吸収スペクトルが時間的に変動する不安定な試
料を測定する場合、干渉波形が良好でないと判定され続
けている間はその干渉波形は積算されないことになるか
ら、試料の状態が安定して初めて積算が開始されること
になる。したがって、吸収スペクトルが変動している期
間の不安定な状態を除外した結果を得ることができる。
また同様に、試料を設置する試料室内部の水蒸気量や二
酸化炭素量などの測定環境が不安定である場合には、そ
の変動が解消されて初めて測定が開始されるため、例え
ば試料室から水蒸気や二酸化炭素のパージを行っている
ような場合には、水蒸気や二酸化炭素が適宜除去される
と同時に自動的に測定を開始させることが可能である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例によるF
TIRについて図面を参照して説明する。図1は本FT
IRの要部の構成図、図2は図1中のデータ処理部30
の要部の機能ブロック図である。
【0013】図1において、主干渉計は、赤外光源1
1、集光鏡12、コリメータ鏡13、ビームスプリッタ
14、固定鏡15、移動鏡16等から構成され、スペク
トル測定を行うための干渉赤外光を発生させる。すなわ
ち、赤外光源11から出射された赤外光は、集光鏡1
2、コリメータ鏡13を介してビームスプリッタ14に
照射され、ここで固定鏡15及び移動鏡16の二方向に
分割される。固定鏡15及び移動鏡16にてそれぞれ反
射した光はビームスプリッタ14によって再び合一さ
れ、放物面鏡21へ向かう光路に送られる。このとき、
移動鏡16は前後(図1中の矢印Mの方向)に往復動し
ているため、合一された光は時間的に振幅が変動する干
渉光(インターフェログラム)となる。放物面鏡21に
て集光された光は試料室22内に照射され、試料室22
に配置された試料23を通過した光は楕円面鏡24によ
り赤外光検出器25へ集光される。
【0014】一方、コントロール干渉計は、レーザ光源
17、レーザ用ミラー18、ビームスプリッタ14、固
定鏡15、移動鏡16等から構成され、干渉縞信号を得
るためのレーザ干渉光を発生させる。すなわち、レーザ
光源17から出射された光はレーザ用ミラー18を介し
てビームスプリッタ14に照射され、上記赤外光と同様
に干渉光となって放物面鏡21の方向へ送られる。この
レーザ干渉光は非常に小さな径の光束となって進行する
ため、光路中に挿入されたレーザ用ミラー19により反
射されてレーザ検出器20に導入される。
【0015】なお、上記主干渉計を中心とする光学部品
は気密室10内に配置されており、気密室10内は湿度
がコントロールされている。これは、主として、潮解性
を有するKBrを基板とするビームスプリッタ14を保
護するためである。
【0016】レーザ検出器20の受光信号、つまりレー
ザ光干渉縞信号は信号生成部29に入力され、ここで赤
外干渉光に対する受光信号をサンプリングするためのパ
ルス信号が生成される。なお、このレーザ光干渉縞信号
は安定した移動鏡の摺動制御を行うためにも利用され
る。赤外光検出器25で得られた受光信号はアンプ26
で増幅され、サンプルホールド回路(S/H)27にて
上記パルス信号によるタイミングでサンプリングされた
後にA/D変換器(A/D)28によりデジタルデータに
変換される。データ処理部30では、このデータに対し
て後述のような処理を実行した後にフーリエ変換演算を
行って吸収スペクトルを作成する。
【0017】データ処理部30は専用のデータ処理装置
の構成とすることもできるが、一般的には、その実体は
専用の処理ソフトウエアをインストールしたパーソナル
コンピュータであって、各種の入力操作を行うためのキ
ーボードやポインティングデバイス(マウスなど)によ
る入力部40や測定結果等を表示するためのモニタ41
が接続されている。
【0018】このデータ処理部30にあっては、図2に
示すように、図1中のA/D変換器28の出力に接続さ
れるデータバス31に、第1メモリ32、第2メモリ3
3、積算用メモリ34、積算処理部35、指標値算出部
36が接続されており、指標値算出部36の出力である
指標値は指標値判定部37へ与えられ、指標値判定部3
7は閾値メモリ38に格納されている閾値と指標値との
大小関係を判定してその結果を積算制御部39へと出力
する。積算制御部39は干渉波形データの積算に関し
て、データバス31を介するデータの読み出し・書き込
みや、そのほかの動作を制御している。
【0019】第1メモリ32、第2メモリ33及び積算
用メモリ34はそれぞれ、移動鏡16の1往復動に対応
する1回の測定で得られる数のサンプルから成る干渉波
形データを格納する記憶容量を有する。例えば、1回の
測定では干渉波形を1000〜10000点のサンプルで構成す
るものとすることができる。なお、各メモリ32,3
3,34,38はそれぞれ独立でなく、同一メモリ内の
異なる記憶領域を利用したものであってもよいことは言
うまでもない。
【0020】このFTIRでは、閾値メモリ38に格納
する判定閾値を予め求めておく必要がある。本実施例の
FTIRでは、閾値測定モードの実行指示のボタンを機
能的に有しており、このボタン操作に応じて自動的に必
要な測定を行って判定閾値の新規登録又は更新を行うよ
うにしている。
【0021】まず、図4のフローチャートに従って閾値
測定モードの動作を説明する。オペレータは、赤外光源
11の点灯開始から所定時間が経過して光源輝度が充分
に安定し、且つ赤外光検出器25の出力も充分に安定し
たと想定できる状態において、試料を試料室22内に設
置せずに(つまりブランク測定)、入力部40より閾値
測定モードの実行指示のボタンを操作する(ステップS
1)。図示しない制御部はこの操作を受けて閾値測定モ
ード処理を開始し、連続的に5回の測定を実行して5本
の干渉波形を構成するデータを取得する。ここで、5本
の干渉波形をIFG1〜IFG5と呼ぶ(ステップS2)。赤外
光検出器25により検出される1本の干渉波形は例えば
図3(a)に示すような形状となり、これを所定時間間
隔でサンプリングすると図3(b)に示すようになる。
【0022】次に、この5本の干渉波形データIFG1〜IF
G5を利用して平均的なノイズ量Ntを算出する(ステッ
プS3)。ノイズ量Nは干渉波形に重畳しているノイズ
量を評価する指標値であって、常時同じ領域での計算を
行うために、ここでは最低分解が16cm-1である干渉波
形の一方の端部16点のデータ(図3(b)参照)を用
いる。すなわち、各干渉波形IFG1〜IFG5の一方の端部の
16点のデータを取り出してその全体の平均値を算出
し、その平均値から先の各点のデータを減じてこれをノ
イズと看做し、更に5本の干渉波形のノイズの2乗平均
の平方根つまりrms値の平均値を計算して、これをノイ
ズ量Ntとする。
【0023】次に、上記5本の干渉波形データIFG1〜IF
G5を利用して時間的に隣接する干渉波形の平均的な相似
度Stを算出する(ステップS4)。相似度Sは干渉波
形の形状変化を評価する指標値であって、2つの干渉波
形の形状変化が小さいほど相似度Sは小さくなる。そこ
で、吸収スペクトルの概略的な形状を大きく左右する中
央部(センターバースト)付近の16点のデータ(図3
(b)参照)を用いることとする。すなわち、各干渉波
形IFG1〜IFG5の中央(センターバースト)16点のデー
タについて時間的に隣接する干渉波形の同位置のデータ
との差分を計算し、隣接する2本の干渉波形間毎に(全
部で4種類)2乗平均の平方根つまりrms値を算出し、
その平均値を計算してこれを相似度Stとする。
【0024】このようにしてNt及びStを求めたなら
ば、次の計算式に基づき判定閾値Etを求める(ステッ
プS5)。Et=√(Nt2+St2 )ノイズ量N及び相似度
Sのいずれも小さいほど好ましいから、この判定閾値E
tはその値が小さいほど干渉波形の形状が良好であるこ
とを示すものである。この判定閾値Etは閾値メモリ3
8に格納される(ステップS6)。
【0025】なお、この判定閾値Etは後述のような試
料測定時に干渉波形の形状の良否を判定するために重要
な基準値である。干渉波形のノイズ量Nや相似度Sはそ
の装置固有の状態の影響を受けるとともに、長期間に亘
る経時変化等の影響も受ける。したがって、判定閾値は
オペレータが必要と認めるときにいつでも再測定により
更新することができる。
【0026】次に、通常の測定モードでの本装置の動作
を図5のフローチャートに従って説明する。測定の実行
に先立ち、オペレータは干渉波形の積算処理において不
良波形の除外処理を実行するか否かを入力部40により
選択指示する。ここで不良波形の除外処理を実行しない
旨の選択を行った場合には、従来と同様に、不良波形を
含め時間経過に伴って順次測定された全ての干渉波形を
積算して積算波形データを求めることになる。
【0027】測定の開始が指示されると移動鏡16を所
定周期で往復動させ、移動鏡16が1往復動する期間に
干渉波形が発生する(ステップS11)。積算制御部3
9の制御の下に、最初の測定で得られた干渉波形データ
はデータバス31を介して第1メモリ32に格納され
る。また、それに引き続く2回目の測定で得られた干渉
波形データは第2メモリ33に格納される(ステップS
12)。
【0028】不良波形除外処理の実行が設定されている
場合には(ステップS13で「Y」)、第2メモリ33
に干渉波形データが格納された後、次のようにして第1
メモリ32に格納された干渉波形の良否判定が行われ
る。すなわち、第1メモリ32、第2メモリ33からそ
れぞれデータが読み出されて指標値算出部36へと送ら
れる。指標値算出部36ではまず両メモリ32,33か
ら読み込まれた2つの干渉波形データの端部16点のデ
ータに基づいてその全体の平均値を算出し、その平均値
から各点のデータを減じてこれをノイズと看做し、それ
らのrms値の平均値を計算することによりノイズ量Nを
求める(ステップS14)。次いで、上記2つの干渉波
形データについてセンターバーストの16点のデータの
それぞれの差分を計算し、それらのrms値を算出してそ
の平均値を計算することにより相似度Sを求める(ステ
ップS15)。
【0029】このようにしてN及びSを求めたならば、
次の計算式に基づき指標値Eを求める(ステップS1
6)。上述したように、指標値Eはその値が小さいほど
干渉波形の形状が良好であることを示している。E=√
(N2+S2 )算出された指標値Eは指標値判定部37へ
と送られ、指標値判定部37ではこの指標値Eを閾値メ
モリ38に格納されている判定閾値Etと比較し(ステ
ップS17)、判定閾値Et以下である場合には干渉波
形が良好であると判断する。積算制御部39は干渉波形
が良好である旨の判定結果を受けると、積算用メモリ3
4から読み出した積算波形データと第1メモリ32に格
納されている干渉波形データとを積算処理部35へ送
り、対応する各時点毎にそれぞれ加算されたデータを再
度積算用メモリ34に書き込む(ステップS18)。更
に、第2メモリ33に格納されている干渉波形データを
第1メモリ32へと移し、第2メモリ33へ次の測定に
よる干渉波形データを書き込むための準備を整える(ス
テップS19)。
【0030】一方、指標値判定部37は、指標値Eが判
定閾値Etを越えている場合には干渉波形が不良であっ
て、積算するには不適当であると判断する。このときに
は、上記ステップS18の積算処理は実行せずに、上記
ステップS19における第2メモリ33から第1メモリ
32への干渉波形データの移し替えのみを行う。そし
て、所定回数の測定が実行された等、予め決められた条
件での測定が終了したか否かを判定し(ステップS2
0)、終了していなければ測定を継続して第2メモリ3
3への干渉波形データの取り込みを行い(ステップS2
1)、ステップS13へと戻る。所定の処理が終了した
ならばデータの取り込みを終了し、引き続いて積算用メ
モリ34に記憶している積算データを用いてフーリエ変
換演算を実行する。なお、不良波形除外処理の実行が設
定されていない場合には、ステップS13からS18へ
と飛び、無条件に積算処理を行えばよい。
【0031】ここで、各種の誤差要因による上記指標値
Eの状態変化について述べる。 (1) 赤外光源11の温度変化によりその輝度が未だ充分
に安定していない状態では、特に干渉波形のセンターバ
ースト付近での時間的変化が顕著になるため、相似度S
が大きくなる(つまり相似しない)。これにより、指標
値Eは大きくなり干渉波形が不良であると判定される可
能性が高い。 (2) 測定開始直後で赤外光検出器25の出力が未だ充分
に安定していない状態では、同じく干渉波形のセンター
バースト付近での時間的変化が顕著になるため、相似度
Sが大きくなる。これにより、指標値Eは大きくなり干
渉波形が不良であると判定される可能性が高い。
【0032】(3) 一時的衝撃などにより干渉計の動作に
乱れが生じた場合には、干渉波形にノイズが重畳しノイ
ズ量Nが増加する。また、場合によっては相似度Sも大
きくなる。これにより、指標値Eは大きくなり干渉波形
が不良であると判定される可能性が高い。 (4) 電気的なノイズが一時的に加わった場合には、同様
に干渉波形にノイズが重畳しノイズ量Nが増加する。ま
た、場合によっては相似度Sも大きくなる。これによ
り、指標値Eは大きくなり干渉波形が不良であると判定
される可能性が高い。
【0033】すなわち、上記2つのパラメータを利用す
ることによって、各種の変動要因に対して不良の干渉波
形を確実に見つけ出して積算干渉波形から除外すること
ができる。したがって、フーリエ変換演算後の吸収スペ
クトルの精度が高まる。
【0034】なお、上記実施形態は本発明の一例であっ
て、本発明の趣旨の範囲で適宜に修正や変更を行えるこ
とは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態であるFTIRの要部の
構成図。
【図2】 図1中のデータ処理部における要部の機能ブ
ロック図。
【図3】 本実施形態によるFTIRの動作を説明する
ための波形図。
【図4】 本実施形態によるFTIRにおける閾値測定
モードの動作を示すフローチャート。
【図5】 本実施形態によるFTIRにおける通常測定
時の干渉波形データ積算処理の動作を示すフローチャー
ト。
【符号の説明】
10…気密室 11…赤外光源 12…集光鏡 13…コリメータ鏡 14…ビームスプリッタ 15…固定鏡 16…移動鏡 17…レーザ光源 18,19…レーザ用ミラー 20…レーザ検出器 21…放物面鏡 22…試料室 23…試料 24…楕円面鏡 25…赤外光検出器 26…アンプ 27…サンプルホールド回路 28…A/D変換器 29…信号生成部 30…データ処理部 31…データバス 32…第1メモリ 33…第2メモリ 34…積算用メモリ 35…積算処理部 36…指標値算出部 37…指標値判定部 38…閾値メモリ 39…積算制御部 40…入力部 41…モニタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G020 AA03 CA02 CB42 CC23 CC47 CD13 CD26 CD32 CD35 CD36 2G059 EE01 EE12 HH01 JJ01 JJ14 JJ22 KK09 MM01 MM03 MM09 MM10 MM15 NN01 NN05 NN08 PP01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 干渉波形を繰り返し測定し、それを積算
    することによって積算波形データを求め、該積算波形デ
    ータをフーリエ変換して吸収スペクトルを取得するフー
    リエ変換赤外分光光度計において、 a)或る1回の測定により得られた第1の干渉波形と、そ
    れに時間的に隣接する又は近接する測定により得られた
    1乃至複数の第2の干渉波形との形状を比較することに
    より、前記第1の干渉波形の信頼性を判定する干渉波形
    判定手段と、 b)該干渉波形判定手段により信頼性が高いと判断された
    干渉波形を、繰り返し測定に伴って順次積算する波形積
    算手段と、 c)該波形積算手段によって積算された波形データに基づ
    いて吸収スペクトルを算出するスペクトル算出手段と、 を備えることを特徴とするフーリエ変換赤外分光光度
    計。
  2. 【請求項2】 前記干渉波形判定手段は、着目した干渉
    波形と1乃至複数の参照する干渉波形との形状を比較す
    る際に、干渉波形上のノイズ量、又は相似度の少なくと
    もいずれか1つを利用することを特徴とする請求項1に
    記載のフーリエ変換赤外分光光度計。
JP2001202935A 2001-07-04 2001-07-04 フーリエ変換赤外分光光度計 Expired - Lifetime JP3695360B2 (ja)

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