JP2003013800A - 内燃機関用ピストン - Google Patents

内燃機関用ピストン

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JP2003013800A
JP2003013800A JP2001196014A JP2001196014A JP2003013800A JP 2003013800 A JP2003013800 A JP 2003013800A JP 2001196014 A JP2001196014 A JP 2001196014A JP 2001196014 A JP2001196014 A JP 2001196014A JP 2003013800 A JP2003013800 A JP 2003013800A
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piston
pin
cooling channel
internal combustion
pin hole
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JP2001196014A
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Kazuhiko Ukita
和彦 浮田
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Toyota Industries Corp
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02FCYLINDERS, PISTONS OR CASINGS, FOR COMBUSTION ENGINES; ARRANGEMENTS OF SEALINGS IN COMBUSTION ENGINES
    • F02F3/00Pistons 
    • F02F3/16Pistons  having cooling means
    • F02F3/20Pistons  having cooling means the means being a fluid flowing through or along piston
    • F02F3/22Pistons  having cooling means the means being a fluid flowing through or along piston the fluid being liquid

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コニカル加工を付与することによって亀裂等
ピン孔内周端部の不具合を回避し、且つ、クーリングチ
ャネルを穿設することによって効率よいピストンの冷却
を実現しつつ、更に、構造的な強度低下を招くことがな
い内燃機関用ピストンを提供する。 【解決手段】 内燃機関のシリンダ内を往復運動するピ
ストンであって、コネティングロッドを揺動自在に軸支
するピン3と、ピン3を支持するピストンのピンボス6
に設けられるピン孔4と、ピストンを冷却する冷媒を循
環させるようにピストン内部に環状に穿設されるクーリ
ングチャネル7と、を備えた内燃機関用ピストンにおい
て、ピン孔4の内周面4aの一部には、コニカル加工1
3が施されており、更に、ピン3とピン孔4の境界面の
クーリングチャネル7に近接する部分に、相対的な隙間
14が、ピン3の外周またはピン孔4の内周の少なくと
も一方に形成されていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関用ピスト
ンに関し、特にピストン冷却用のクーリングチャネルを
有する内燃機関用ピストンに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ディーゼルエンジン等の内燃機
関においては、図5に示すように、シリンダ101に収
容されたピストン102が、ピン103を介しコネクテ
ィングロッド104と連結されており、ピン103は、
ピストン102のピンボス102aに設けられるピン孔
とコネクティングロッド104の小端部104aに設け
られる嵌合孔に対して嵌挿されることで、コネクティン
グロッド104が揺動自在に軸支されている。そして、
コネクティングロッド104の大端部104bがクラン
クピン105を介しクランクシャフト106と連結され
ており、シリンダ101内の爆発力によって生ずるピス
トン102の往復運動が、コネクティングロッド104
を介してクランクシャフト106の回転運動へと変換さ
れる。
【0003】そして、上記の内燃機関用ピストンにおい
ては、図示しないが、冷却のためにピストン102上側
の内部に冷媒となるオイルを循環させるように環状にク
ーリングチャネルを穿設することがよく行われる。これ
は、ピストン内部を通過するように設けられるオイルの
流路であり、ピストン102の下側から噴射したオイル
が前記流路へと誘導され熱交換した後、ピストン外部へ
と排出されるものである。
【0004】また、内燃機関用ピストンにおいては、ピ
ストン102のピンボス102aに設けられるピン孔の
内周端部に所定の傾斜角度をもった円錐面として形成す
るコニカル加工を付与することもよく行われる。これ
は、ピストン102上部に爆発力が加わったときに、コ
ネクティングロッド104からの反力によりピン103
が撓み、その両端支持部において瞬間的に強く衝接し、
ピン孔の内周端部に作用する応力が高くなって亀裂が発
生する等の不具合を防止するものである。このようなコ
ニカル加工を付与したピストンについては、例えば、実
開昭60−116462号公報や特開平11−3039
93号公報などに開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、コニカ
ル加工を多く付与するほど、ピストンのピン孔の内周端
部における応力上昇を低減できるが、逆に端部以外の内
周面沿いに高い応力が発生することになる。そして、前
述したクーリングチャネルを有するピストンにおいて
は、該クーリングチャネルは、ピストンの冷却を効率よ
く行うため、前記内周端部の近傍でなくピストン内部の
中心付近に配設されるように穿設されることが一般的だ
が、この場合、このクーリングチャネル近傍に高い応力
が発生することになる。すなわち、ピストン内部は、ク
ーリングチャネルを設けることによって材料厚みが減少
しているため、該クーリングチャネルの周囲近傍に応力
集中が発生してしまうことになる。そのため、高サイク
ルの繰り返し応力が発生するピストンにおいては、クー
リングチャネル近傍からピストンが損傷しやすくなって
しまう。つまり、コニカル加工を付与することによって
ピン孔内周端部の不具合を回避し、且つ、クーリングチ
ャネルを穿設することによって効率よいピストンの冷却
を実現するためには、構造的な強度低下を招くことが避
け難いという問題が生じることになる。
【0006】本発明は、上記実情に鑑みることにより、
コニカル加工を付与することによってピン孔内周端部の
不具合を回避し、且つ、クーリングチャネルを穿設する
ことによって効率よいピストンの冷却を実現しつつ、更
に、構造的な強度低下を招くことがない内燃機関用ピス
トンを提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する請求
項1に記載の内燃機関用ピストンは、内燃機関のシリン
ダ内を往復運動するピストンであって、コネティングロ
ッドを軸支するピンと、該ピンを支持する前記ピストン
のピンボスに設けられるピン孔と、前記ピストンを冷却
する冷媒を循環させるように前記ピストン内部に環状に
穿設されるクーリングチャネルと、を備えた内燃機関用
ピストンにおいて、前記ピン孔の内周面の一部には、コ
ニカル加工が施されており、更に、前記ピンとピン孔の
境界面の前記クーリングチャネルに近接する部分に、相
対的な隙間が、前記ピンの外周または前記ピン孔の内周
の少なくとも一方に形成されていることを特徴とする。
ここで、ピンとピン孔の境界面とは、隣接するピンの外
周とピン孔の内周までを含むものであり、クーリングチ
ャネルに近接するとは、ほぼクーリングチャネルの真
下、又は、最も接近する部分に形成されていることが望
ましいことを意図するものである。そして、相対的な隙
間とは、ピンとピン孔の境界面の軸方向に所定の幅を有
しており、且つ、円周方向にも所要の長さを有した例え
ば帯状であって、ピンの外周またはピン孔の内周の少な
くとも一方に形成されていることを指すものである。な
お、ここでいう隙間とは、ピンの外周とピン孔の内周が
接することなく完全に非接触状態になるのではなく、ピ
ンとピンボス間に外力が作用したときに、ピンの外周と
ピンの内周が接触可能な程度に形成されていることが望
ましい。
【0008】上述の構成によると、ピンとピン孔の境界
面のクーリングチャネルに近接する部分に相対的な隙間
が形成されていることにより、クーリングチャネル近傍
に発生する応力を低下させることができる。すなわち、
クーリングチャネル周囲への応力集中を緩和し、ピンボ
ス内部においてより構造的に安定しており高い強度を有
した部分に応力が加わるようにすることができ、クーリ
ングチャネルの近傍から損傷が生じることを防止でき
る。したがって、コニカル加工を付与することによって
ピン孔内周端部の不具合を回避し、且つ、クーリングチ
ャネルを穿設することによって効率よいピストンの冷却
を実現しつつ、更に、構造的な強度低下を招くことがな
い内燃機関用ピストンを得ることができる。
【0009】請求項2に記載の内燃機関用ピストンは、
請求項1において、前記相対的な隙間は、前記ピンまた
は前記ピン孔のほぼ端部に形成されていることを特徴と
する。
【0010】この構成によると、前記隙間が端部に位置
するため、加工を行うための器具等に大きな制約を受け
ることなく、容易に外部から隙間を形成することができ
る。すなわち、コニカル加工を付与することによってピ
ン孔内周端部の不具合を回避し、且つ、クーリングチャ
ネルを穿設することによって効率よいピストンの冷却を
実現しつつ、更に、構造的な強度低下を招くことがない
内燃機関用ピストンを簡易に得ることができる。
【0011】請求項3に記載の内燃機関用ピストンは、
請求項1または2において、前記相対的な隙間は、前記
ピンボスにおいて、前記クーリングチャネル近傍に発生
する応力を低下させる程度に設けられていることを特徴
とする。
【0012】この構成によると、コニカル加工を付与す
ることによってピン孔内周端部の不具合を回避し、且
つ、クーリングチャネルを穿設することによって効率よ
いピストンの冷却を実現しつつ、更に、構造的な強度低
下を招くことがない内燃機関用ピストンを得ることがで
きる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しつつ説明する。図1は、本実施形態例に係る内
燃機関用ピストン1におけるピストン本体2の部分的に
断面を示した斜視図である。そして、図2はピストン本
体2のピン孔4の軸方向断面を、図3はピストン本体2
およびピン3を合わせて示したピストン1の軸方向断面
である。
【0014】本実施形態例に係る内燃機関用ピストン1
は、とくに、ディーゼルエンジンのシリンダ内を往復す
るピストンとして用いられる場合について示すものであ
るが、本発明は、必ずしもディーゼルエンジン用に限定
されるものではなく、内燃機関全般に亘って適用可能な
ものである。ちなみに、ディーゼルエンジンの場合、ピ
ストンは、一般的なガソリンエンジンに比して圧縮比も
高く設定され高温高圧下にさらされやすく、そのため、
クーリングチャネルが必要とされることが多い。ピスト
ン1は、ピストン本体2とピン3とを有しており、図1
において、ピストン本体2は、上端側にピストンヘッド
2a、下端側に開口2cを備え、ピン孔4が設けられる
ピンボス6を備える側筒部2bからなる筒状に形成され
ている。そして、ピストン本体2には、その上側の内部
にピストン1を冷却する冷媒であるオイルを循環させる
ように環状にクーリングチャネル7が穿設されている。
【0015】以下、順にピストン本体2の各要部につい
て説明する。まず、ピストンヘッド2aは、平面に形成
されており、その中心部には、燃焼室5が前記平面に対
して窪むように形成されている。ディーゼルエンジンの
場合、この構成によって、高い圧縮比を実現しているも
のである。この燃焼室5は、内側において盛り上がり、
外周側において窪むように設けられている。開口2c
は、図1および図2によく示されるように、ピストン本
体2の内部に空洞を形成するように設けられており、更
に、図3に図示するように、2点鎖線で示すコネクティ
ングロッド104が挿入される空間を形成している。
【0016】図1、2において、側筒部2bは、図示し
ないシリンダの内壁と摺動する外周面を形成するもので
あり、上部側の外周面には複数の環状のリング溝12が
設けられている。このリング溝12は、図示しないピス
トンリングが装着されることで、燃焼室5における気密
性を保ちつつシリンダ内を摺動可能にするものである。
そして、この側筒部2bの下部側は、スカート状に下方
に延びており、ピン3を支持するためのピン孔4を有す
るピンボス6を構成している。このピン孔4は、ピン3
によって挿通されるように2箇所に直列に設けられてい
る。
【0017】このピン孔4の軸方向断面が、図2に示さ
れている。図2においては、中心線(1点鎖線)に対し
て線対称であるため、片側のみ示す。この円筒形状に設
けられるピン孔4の内周面4aの一部、内側端部の部分
には、微小の傾斜角度(図中にαで示す)をもった円錐
面として形成するコニカル加工が施されている(以下、
「コニカル加工部13」という)。これは、従来の技術
の記載においても述べたようにピン孔4の内側端部への
応力集中を防止し、亀裂が発生する等の不具合を防ぐた
めに設けられているものである。なおコニカル加工部1
3の形態としては、必ずしも図示のようにテーパ状でな
くてもよく、曲率を有するようにものや、2段階のテー
パ状になるものなど種々の形態からなるものであっても
よい。また、内側の端部のみでなく、外側の端部に設け
られるものであってもよい。
【0018】そして、ピン孔4の内周面4aにおいて、
後述するようにピストン本体2の内部に設けられるクー
リングチャネル7に近接する部分には、略帯状の相対的
な隙間14が形成されている。この隙間14は、内周面
4aにて、ほぼクーリングチャネル7の真下に位置する
ものであり、最も接近する部分に形成されている。そし
て、隙間14は、ピン孔4の軸方向に対して、ほぼクー
リングチャネル7の径に相応する幅を有しており、内周
面4aの円周方向に周回するように形成されている。こ
の隙間の深さとしては、5〜10μm程度の溝として設
けられることが望ましい。これにより、ピン3の外周と
ピン孔4の内周面4aが接することなく完全に非接触状
態になるのではなく、ピン3とピンボス6間に外力が作
用したときに、ピン3の外周とピン孔4の内周面4aが
接触可能な程度にすることができる。なお、この隙間1
4の深さについては、上記のような接触状態を実現する
ためには、必ずしも5〜10μmが常に適切な値である
わけではなく、ピストン1が適用される条件等に応じて
適切に設定する必要がある。ちなみに、コニカル加工部
13と隙間14に挟まれるように位置する部分の内周面
4aは、ピン3の外周と密に接する円周状態のままに保
たれている。また、隙間14の配設位置については、ピ
ン孔4の外側のほぼ端部に形成されるよう構成されるこ
とが望ましい。これにより、加工を行うための器具等に
大きな制約を受けることなく、容易に外部から隙間14
を形成することができる。
【0019】また、内周面4aには、隙間14の外側に
隣接するように円周溝15が設けられている。この円周
溝15には、ピン孔4に嵌挿されるピン3の端面に当接
し、ピン3の脱落を防止するスナップリング16が嵌め
込まれるものである。スナップリング16が円周溝15
に嵌め込まれ、ピン3の位置を固定している様子が、図
3に示されている。図3に示すスナップリング16は、
一部円周が欠落した略C字型のリングであり、一旦撓ま
せた後、円周溝15に嵌め込まれるものである。なお、
ピン3の位置固定が可能であれば、必ずしもスナップリ
ングでなく、例えばディスク形式のストッパ等であって
もよい。
【0020】次に、ピストン本体2の内部に設けられる
クーリングチャネル7について説明する。クーリングチ
ャネル7は、ピストン本体2の冷却を効率よく行うた
め、前記内側端部の近傍でなくピストン本体2の内部の
中心付近に配設されるように穿設される。図1に示すよ
うに、燃焼室5の周囲を取り囲むように環状に設けら
れ、ピンボス6の上側部分に位置している。そして、ク
ーリングチャネル7の断面は、長孔状に設けられている
(図1および図2参照)。この長孔状断面の環状部分
が、冷媒となるオイルの流路となる。このクーリングチ
ャネル7は、その円周方向の1箇所において、下向きに
開口させたオイル入口8と連通しており、このオイル入
口8に対し、シリンダ1の下部に装備したオイル噴射ノ
ズル9からオイル10を上向きに噴射し、このオイル1
0をクーリングチャネル7内に注入して行き亘らせ、ピ
ストン1の上下動による慣性力でシェーキングして効率
よく熱交換させ、この熱交換によりピストン本体2から
熱を奪って昇温したオイル10をクーリングチャネル7
の円周方向の1箇所において下向きに開口させたオイル
出口11より流下させて回収する。
【0021】最後に、ピン孔4に嵌挿され、コネクティ
ングロッドを揺動自在に軸支するピン3について説明す
る。図3に、ピン孔4に嵌挿された状態にあるピン3の
断面を示す。なお、図3においては、コネクティングロ
ッド104がピン3によって軸支される様子も表してい
る。ピン3は、コネクティングロッド104の端部に設
けられた嵌合孔(図示せず)を貫通し、両端をピンボス
6で支持されるようにピン孔4に嵌挿される。そして、
ピン3の両端部においては、ピン3を嵌挿後に円周溝1
5に嵌め込まれるスナップリング16によって位置決め
される。ピン3は、軽量化のため、中空円筒として形成
されている。
【0022】以上の構成の内燃機関用ピストン1におい
て、内燃機関作動時にピストンヘッド2aに爆発力が作
用すると、ピストン1は、図示しないシリンダ内を下方
に付勢され、この爆発力は、ピン3を介してコネクティ
ングロッド104に伝達され、クランクシャフトの回転
力へと変換される。ここで、上記のように内燃機関が作
動してピストンヘッド2aに爆発力が作用した場合にお
ける力の関係に注目し、図3をもとに説明する。図中矢
印で示す爆発力F1が作用すると、ピンボス6を介して
ピン3に爆発力F1が印加される。このとき、ピンボス
6は、爆発力F1の略半分の印加力F2にてそれぞれピ
ン3の両端部を上側から押圧する。また、ピン3の中央
部は、コネクティングロッド104からの反力F3が上
方向に向け作用する。
【0023】上記のように力が作用することにより、ピ
ン3は中心部にて上に凸となる方向に撓むよう変形する
ことになる。このため、ピン孔4の内側の端部に、それ
ぞれ印加力F2が集中して作用しやすくなり、つまり、
この内側端部の上側部分に応力集中が生じることにな
る。しかし、前述のコニカル加工部13が付与されてい
ると、この内側端部における印加力F2の集中が緩和さ
れ、内側端部以外の部分の内周面4aに印加力F2が集
中的に作用することになる。この場合、従来の技術にお
いては、コニカル加工を多く付与するほど、ピストンの
ピン孔の内側端部における応力上昇を低減できるが、逆
に端部以外の内周面4a沿いに高い応力が発生すること
になってしまい、クーリングチャネル7近傍にも高い応
力が生じることになる。そして、ピストン本体2の内部
は、クーリングチャネル7を設けることによって材料厚
みが減少しているため、特にクーリングチャネル7の周
囲近傍に応力集中が発生してしまうことになる。
【0024】しかし、本実施形態例においては、内周面
4aのクーリングチャネル7に近接する部分に略帯状の
隙間14が形成されている。この隙間14は、ピン3の
外周とピン孔4の内周面4aとを完全に非接触状態とす
るものではなく、外力作用下では接触可能に設けられて
いるものである。そうすると、内側端部以外の内周面4
aに作用する接触圧力分布が、隙間4aが形成されてい
ない場合とは異なり、クーリングチャネル7近傍に位置
する内周面4aすなわち隙間14における接触圧力が低
下し、コニカル加工部13と隙間14の間に位置する内
周面4aにおける接触圧力が上昇する。つまり、クーリ
ングチャネル7に近接する内周面4aへの印加力F2の
集中を避け、コニカル加工部13と隙間14の間に位置
する内周面4aに印加力F2が集中しやすくなるように
内周面4aにおける圧力分布状態を変化させることがで
きる。これによって、材料厚みが厚く構造的にも高い強
度を有するクーリングチャネル7近傍以外の部分に発生
する応力を増加させ、構造的に強度が低下しているクー
リングチャネル7近傍への応力集中を緩和することが可
能となる。したがって、高サイクルの繰り返し応力が発
生するピストン1においても、クーリングチャネル7の
近傍から損傷が生じることを防止できる。
【0025】以上説明したように、コニカル加工を付与
することによってピンとピンボスとの固着を回避し、且
つ、クーリングチャネルを穿設することによって効率よ
いピストンの冷却を実現しつつ、更に、構造的な強度低
下を招くことがない内燃機関用ピストンを得ることがで
きる。
【0026】以上が、本実施形態例についての説明であ
るが、実施の形態は上記に限定されるものではなく、例
えば、次のように変更してもよい。 (1)本実施形態例においては、ピン3とピン孔4の境
界面のうち、ピン孔4の内周面4aに略帯状の隙間14
が設けられている。しかし、必ずしもこの実施形態例の
とおりでなく、ピン3とピン孔4の境界面のクーリング
チャネルに近接する部分に、略帯状の相対的な隙間とし
て設けられ、ピン3の外周またはピン孔4の内周の少な
くとも一方に形成されているものであればよい。例え
ば、図4において、ピン3の軸方向断面図を示している
ように、ピン3の両端部にそれぞれ外周を削るようにし
て設けられる隙間17として形成されるものであって
も、本実施形態例と全く同様の効果を得ることができ
る。そして、ピン3の端部外周へ隙間17を形成する場
合、加工が容易に可能であるという利点を有している。
【0027】(2)本実施形態例においては、略帯状の
隙間の深さについて5〜10μm程度の溝として設けら
れることが望ましいが、ピストンが適用される条件等に
応じて適切に設定する必要がある旨言及している。これ
は、略帯状の隙間の形状についても同様であり、ピスト
ンが適用される条件等に応じて、実現したい応力状態と
なるように、隙間の形状を選択することが好ましい。す
なわち、均一な深さを有した平坦な形状の隙間に限定さ
れることなく、例えば、テーパを有するように形成され
ていたり、曲率を有するように形成されているものであ
ってもよい。また、段階的に複数の平坦部やテーパ部を
もつものであってもよい。
【0028】(3)本実施形態例においては、略帯状の
隙間14は、ピン孔4の内周面4aの全周に亘って形成
されている例を示している。しかし、必ずしも、全周に
亘って隙間14が付与されている必要はなく、例えば、
クーリングチャネル7に近接する部分である上側のみに
形成されているものであってもよい。なお、これは、図
4の実施形態例に示すようにピン3の外周に形成する隙
間17の場合であっても同様である。
【0029】
【発明の効果】請求項1〜3の発明によると、ピンとピ
ン孔の境界面のクーリングチャネルに近接する部分に相
対的な隙間が形成されていることにより、クーリングチ
ャネル近傍に発生する応力を低下させることができる。
すなわち、クーリングチャネル周囲への応力集中を緩和
し、ピンボス内部においてより構造的に安定しており高
い強度を有した部分に応力が加わるようにすることがで
き、クーリングチャネルの近傍から損傷が生じることを
防止できる。したがって、コニカル加工を付与すること
によってピン孔内周端部の亀裂等の不具合を回避し、且
つ、クーリングチャネルを穿設することによって効率よ
いピストンの冷却を実現しつつ、更に、構造的な強度低
下を招くことがない内燃機関用ピストンを得ることがで
きる。
【0030】また、請求項2によると、相対的な隙間が
端部に位置するため、加工を行うための器具等に大きな
制約を受けることなく、容易に外部から隙間を形成する
ことができる。すなわち、請求項1に記載の内燃機関用
ピストンを簡易に得ることができるという効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る内燃機関用ピストンにおけるピス
トン本体の部分的な断面を含む斜視図である。
【図2】本発明に係る内燃機関用ピストンにおけるピス
トン本体のピン孔の軸方向断面を示した図である。
【図3】ピストン本体およびピンを合わせて示した本発
明に係る内燃機関用ピストンの軸方向断面図である。
【図4】本発明に係る内燃機関用ピストンにおけるピン
の軸方向断面を示した図である。
【図5】内燃機関におけるピストンの作動を説明する図
である。
【符号の説明】
1 内燃機関用ピストン 2 ピストン本体 3 ピン 4 ピン孔 4a 内周面 6 ピンボス 7 クーリングチャネル 13 コニカル加工部 14 隙間

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関のシリンダ内を往復運動するピ
    ストンであって、コネティングロッドを軸支するピン
    と、該ピンを支持する前記ピストンのピンボスに設けら
    れるピン孔と、前記ピストンを冷却する冷媒を循環させ
    るように前記ピストン内部に環状に穿設されるクーリン
    グチャネルと、を備えた内燃機関用ピストンにおいて、 前記ピン孔の内周面の一部には、コニカル加工が施され
    ており、更に、前記ピンとピン孔の境界面の前記クーリ
    ングチャネルに近接する部分に、相対的な隙間が、前記
    ピンの外周または前記ピン孔の内周の少なくとも一方に
    形成されていることを特徴とする内燃機関用ピストン。
  2. 【請求項2】 前記相対的な隙間は、前記ピンまたは前
    記ピン孔のほぼ端部に形成されている請求項1に記載の
    内燃機関用ピストン。
  3. 【請求項3】 前記相対的な隙間は、前記ピンボスにお
    いて、前記クーリングチャネル近傍に発生する応力を低
    下させる程度に設けられている請求項1または2に記載
    の内燃機関用ピストン。
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