JP2003013217A - 誘電体膜の成膜方法及び成膜装置 - Google Patents

誘電体膜の成膜方法及び成膜装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】真空中で基板上に形成された金属膜を酸化処理
して誘電体膜を形成する場合に全面にわたって均一で良
質の誘電体膜を形成する技術を提供する。 【解決手段】本発明は、真空中において基板20上に形
成された金属膜を酸化処理する工程を有する誘電体膜の
成膜方法であって、金属膜を形成するためのスパッタカ
ソード7と酸化処理をするためのプラズマ源8の基板2
0に対する所定の相対的位置関係を保持した状態で、ス
パッタカソード7による成膜処理とプラズマ源8による
酸化処理を所定の周期で間欠的に行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板上に誘電体膜
を形成する成膜方法及び成膜装置に関し、さらに詳しく
は、基板上にTiO2、Ta25、SiO2等の酸化膜を
積層し光学素子を作製するための成膜方法及び成膜装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、誘電体膜をスパッタ方法を用いて
形成する場合、ターゲットには金属ターゲットではなく
誘電体ターゲットが用いられスパッタ方式としてはRF
マグネトロンスパッタ法が一般的に用いられている。
【0003】しかし、誘電体ターゲットは金属ターゲッ
トに比べてスパッタ収率が低いため一般的に成膜速度が
遅い。そのため高い成膜速度を得るためにはターゲット
に印加するスパッタパワーを高くする必要があったが誘
電体ターゲットは熱的に割れやすくまたプラズマの広が
りによって基板温度が上昇してしまうなどの欠点があっ
た。
【0004】また上記欠点を解消するために金属ターゲ
ットとDCまたはAC電源を用いて、ターゲット近傍に
はAr等の希ガスを流し基板近傍に酸素等の反応ガスを
流すことにより空間中または基板表面で酸化膜を形成す
る方法もある。
【0005】しかし、この方法では直接酸化した状態の
膜が基板上に付着するという問題がある。すなわち、酸
化した粒子は基板上でのマイグレーションの度合いが金
属粒子より低いため表面粗さが大きかったり膜密度が低
い誘電体膜になり例えば光学特性において透過率や反射
率を阻害してしまう。
【0006】そこで、上記欠点を解決するために真空槽
内のある領域で金属膜を形成しその後基板を移動させて
酸素雰囲気下で該金属膜を酸化する方法が考えられた。
【0007】例えば、特許第2695514号公報の
「平面及び非表面の支持体上に光学的な性能を有する薄
いフィルムを付着させる方法」や、特許第211632
2号公報の「薄膜形成方法及び装置」に示されている方
法である。
【0008】しかし、この方法では基板がスパッタ源と
イオン源間を移動するため装置が大型化するという問題
がある。
【0009】また、一般的には生産性を上げるため基板
ホルダーが高速回転するが基板上に形成された膜の膜厚
を測定する光学モニターにおいて光軸と1つの基板面が
刻々とその角度を変え一瞬しか正しい相対位置関係にな
らないので正確な膜厚を測定しかつ信号処理し装置にフ
ィードバックすることは現実的には不可能である。
【0010】さらに、スパッタ源とイオン源との使用ガ
ス圧力やガス種に差がある場合回転する基板ホルダーと
圧力差をとるための隔壁との位置精度が重要であり常に
その間隙が一定でないと圧力の脈動を起こしたり再現性
がないために膜特性の劣化を引き起こすなど種々の問題
を有する。
【0011】特に光学分野においては近年その分布や再
現性が0.1%以下の誤差を要求されるため以上のよう
な装置では優れた膜特性の光学膜を得ることが極めて困
難である。
【0012】また、従来技術としては、特許番号第16
94084号「化合物薄膜の形成方法」等がある。この
従来技術の場合も、基板がスパッタ源とイオン源間を移
動するため光学モニターにおける光軸と1つの基板面が
短時間しか重ならないので正確な膜厚を測定し、かつ信
号処理し装置にフィードバックすることは困難である。
【0013】さらに、仕切り板上の境界のところではス
パッタ源による金属膜の堆積と電子サイクロトロン共鳴
プラズマ源による酸化がまったく同時におこるため先に
述べたように基板上に直接酸化した状態のミキシング膜
が付着するので光学特性において透過率や反射率の劣っ
た膜ができてしまう等の問題がある。
【0014】本発明は、このような従来の技術の課題を
解決するためになされたもので、真空中で成膜対象物上
に形成された金属膜を酸化処理して誘電体膜を形成する
場合に全面にわたって均一で良質の誘電体膜を形成する
技術を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
になされた請求項1記載の発明は、真空中において成膜
対象物上に形成された金属膜を酸化処理する工程を有す
る誘電体膜の成膜方法であって、前記金属膜を形成する
ための成膜源と前記酸化処理をするための酸化源の前記
成膜対象物に対する所定の相対的位置関係を保持した状
態で、前記成膜源による成膜処理と前記酸化源による酸
化処理を所定の周期で間欠的に行うことを特徴とする。
【0016】請求項1記載の発明の場合、成膜対象物に
対して成膜源と酸化源の相対的位置関係を保持した状態
で成膜処理と酸化処理を所定の周期で間欠的に行うよう
にしたことから、成膜対象物と成膜源及び酸化源との位
置関係が常に変わらず、その結果、成膜処理及び酸化処
理の際における膜特性のばらつきを非常に低く抑えるこ
とが可能になる。
【0017】また、本発明によれば、成膜対象物、成膜
源、酸化源近傍のガス圧力及び分圧を常に一定にするこ
とができるため、膜厚方向や成膜対象物内の膜厚膜質分
布の非常に優れた誘電体膜を得ることが可能になる。
【0018】本発明の方法は、次のような成膜装置によ
って容易に効率良く実施することができる。すなわち、
請求項2記載の発明は、所定の成膜対象物が配置される
真空槽と、前記真空槽内において前記成膜対象物に対す
る所定の相対的位置関係を保持した状態で配設され、前
記成膜対象物上に所定の金属膜を形成するための成膜源
と、前記真空槽内において前記成膜対象物に対する所定
の相対的位置関係を保持した状態で配設され、前記成膜
対象物上の金属膜上に酸化膜を形成するための酸化源
と、前記成膜源による成膜処理と前記酸化源による酸化
処理をそれぞれ制御するための制御手段とを有すること
を特徴とする誘電体膜の成膜装置である。
【0019】請求項3記載の発明は、請求項2記載の発
明において、前記成膜対象物と前記成膜源及び酸化源と
の間にそれぞれ配設され、所定の周期で開閉可能なシャ
ッターを有することを特徴とする。
【0020】請求項3記載の発明によれば、成膜源及び
酸化源の電源を入れたり切ったりすることなくシャッタ
ーの動作のみによって成膜処理と酸化処理を制御するこ
とができるので、電源の立ち上がりや立ち下がりのばら
つきによる成膜時間のばらつきがなく、膜厚制御性や膜
厚再現性の点で有利である。
【0021】請求項4記載の発明は、請求項3記載の発
明において、前記シャッターは、移動可能に構成され、
その移動に伴って前記成膜源及び酸化源の近傍を通過可
能な開口部を有していることを特徴とする。
【0022】請求項4記載の発明によれば、非常に簡素
な構成で金属膜と酸化膜を効率良く交互に形成すること
ができる。
【0023】請求項5記載の発明は、請求項2乃至4の
いずれか1項記載の発明において、複数の成膜源と、各
酸化源による酸化処理を制御するための複数の制御手段
とを有することを特徴とする。
【0024】請求項5記載の発明によれば、複数の層か
ら構成される誘電体膜を効率良く形成することが可能に
なる。
【0025】請求項6記載の発明は、請求項2乃至5の
いずれか1項記載の発明において、前記成膜源は、所定
のターゲットに対して交流電力を印加可能なスパッタリ
ングカソードを有することを特徴とする。
【0026】請求項6記載の発明によれば、真空槽内に
ある程度の酸素ガスが存在する場合であっても、ターゲ
ットに交流電力を印加することによって、ターゲット表
面等に付着する金属膜が酸化してしまっても、プラズマ
の電荷がその電気抵抗の高い膜表面に蓄積されることに
よって生じるアーキングを防止できるので、ダストによ
る成膜対象物上の局所的な欠陥も防止でき、さらに良好
な分布を得ることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る誘電体膜の成
膜方法及び成膜装置の実施の形態を図面を参照して詳細
に説明する。
【0028】図1(a)は、本発明に係る成膜装置の実
施の形態の概略構成図、図1(b)は、本実施の形態の
要部を示す平面図である。図1(a)に示すように、本
実施の形態の成膜装置1は、図示しない真空排気系に接
続された真空槽2を有し、この真空槽2内の上部に設け
た回転可能な基板ホルダー3に、成膜対象物である基板
(例えば直径300mmのガラス基板)20を取り付け
られるようになっている。
【0029】また、基板ホルダー3の裏側には、例えば
反射式の光学センサからなる膜厚モニター4が設けられ
ている。
【0030】また、真空槽2は、ガス導入管5、6を介
して反応ガス源(図示せず)に接続され、所定量の反応
ガス(本実施の形態の場合は酸素ガス(O2)とアルゴン
ガス(Ar))を導入するように構成されている。
【0031】本実施の形態においては、真空槽2の下部
に、スパッタ源(成膜源)であるスパッタリングリング
カソード(以下、「スパッタカソード」という)7と、
酸化源である誘導結合型プラズマ源(以下、「プラズマ
源」という)8とが、基板20に対して対向するように
設けられている。
【0032】ここで、基板20を回転可能にしたのは周
方向の膜厚分布を均一にするためであり、本実施の形態
の場合、スパッタカソード7及びプラズマ源8と基板2
0との相対的な位置関係は保持されるように構成されて
いる。
【0033】スパッタカソード7は、複数(本実施の形
態の場合は二つ)のターゲット9が装着可能に構成さ
れ、各ターゲット9に対して所定の電力を印加するよう
になっている。
【0034】この場合、プラズマの電荷がその電気抵抗
の高い膜表面に蓄積されることによって生じるアーキン
グを防止する観点からは、各ターゲット9に対して交流
電力を印加するように構成することが好ましい。
【0035】スパッタカソード7及びプラズマ源8と基
板20との間には基板20と平行に円板状のシャッター
(制御手段)10が配設されている。このシャッター1
0は回転軸11を中心として回転するように構成されて
いる。
【0036】図1(b)に示すように、シャッター10
には、シャッター10の回転軸11と同心的に形成され
た扇形状の開口部12が設けられている。
【0037】この開口部12は、シャッター10の回転
に伴いスパッタカソード7及びプラズマ源8の上方を通
過する位置に設けられている。
【0038】このような成膜装置1を用いて成膜を行う
場合には、まず、所定の基板20を基板ホルダー3に取
り付け、真空槽2を所定の圧力(例えば5×10-5Pa
以下)になるまで真空排気した後、ガス導入管5、6を
介して所定の反応ガスを導入し、真空槽2内の圧力を所
定の値に調整する。
【0039】そして、シャッター10を所定の速度で回
転させ、スパッタカソード7に所定の電力を印加して基
板20上への成膜を開始する。
【0040】これにより、基板20への成膜処理と酸化
処理を所定の周期で間欠的に行われる。すなわち、シャ
ッター10の開口部12がスパッタカソード7の真上に
ある瞬間に開口部12を介してスパッタリングが行われ
基板20上に金属膜が形成される。一方、シャッター1
0の開口部12がプラズマ源8の真上に来た瞬間には、
開口部12を介して基板20上の金属膜が酸化される。
【0041】そして、この状態で所定時間連続的に成膜
を行った後、スパッタカソード7及びプラズマ源8への
電力投入を停止する。
【0042】以上述べたように本実施の形態によれば、
基板20に対してスパッタカソード7とプラズマカソー
ド8の相対的位置関係を保持した状態で成膜処理と酸化
処理を行うようにしたことから、基板20とスパッタカ
ソード7及びプラズマカソード8との位置関係が常に変
わらず、その結果、成膜処理及び酸化処理の際における
膜特性のばらつきを非常に低く抑えることが可能にな
る。
【0043】また、本実施の形態によれば、基板20、
スパッタカソード7、プラズマカソード8近傍のガス圧
力及び分圧を常に一定にすることができるため、膜厚方
向や基板20内の膜厚膜質分布の非常に優れた誘電体膜
を得ることが可能になる。
【0044】特に、本実施の形態においては、スパッタ
カソード7及びプラズマカソード8の電源を入れたり切
ったりすることなくシャッター10の動作のみによって
成膜処理と酸化処理を制御することができるので、電源
の立ち上がりや立ち下がりのばらつきによる成膜時間の
ばらつきがなく、膜厚制御性や膜厚再現性の点で有利で
ある。
【0045】さらに、本実施の形態の成膜装置1によれ
ば、非常に簡素な構成で金属膜と酸化膜を効率良く交互
に形成することができる。
【0046】図2(a)(b)は、本発明に係る成膜装
置の他の実施の形態の概略構成図を示すもので、以下、
上記実施の形態と対応する部分については共通の符号を
付しその詳細な説明を省略する。
【0047】図2(a)に示すように、本実施の形態の
成膜装置1Aの場合は、異なるターゲットを装着可能な
第1及び第2のスパッタカソード7a、7bと、各スパ
ッタカソード7a、7bと基板20との間において回転
可能な第1及び第2のシャッター10a、10bがそれ
ぞれ配設されている。
【0048】ここで、第1及び第2のシャッター10
a、10bにはそれぞれ円形の開口部12a、12bが
形成され、各シャッターの開口部12a、12bは、各
回転軸11a、11bの間において重なり合うように構
成されている。
【0049】そして、第1及び第2のシャッター10
a、10bの開口部12a、12bが重なり合う位置の
下方には、一つのプラズマ源8Aが配設されている。
【0050】なお、本実施の形態においても、第1及び
第2のスパッタカソード7a、7b及びプラズマ源8A
は、基板20に対して対向するように設けられている。
【0051】このような成膜装置1Aを用いて成膜を行
う場合には、上記実施の形態と同様に、所定の基板20
を基板ホルダー3に取り付け、真空槽2内が所定の圧力
(例えば5×10-5Pa以下)になるまで真空排気した
後、ガス導入管5、6を介して所定の反応ガスを導入
し、真空槽2内の圧力を所定の値に調整する。
【0052】そして、例えば第1の金属膜を形成する場
合には、第2のシャッター10bの開口部12bをプラ
ズマ源8Aの真上に配置し、第2のシャッター10bが
回転しないように固定する。さらに、第1のシャッター
10aを所定の速度で回転させ、第1のスパッタカソー
ド7aに所定の電力を印加して基板20上への成膜を開
始する。
【0053】これにより、第1のシャッター10aの開
口部12aが第1のスパッタカソード7aの真上にある
瞬間にスパッタリングが行われ基板20上に第1の金属
膜が形成され、他方、第1のシャッター10aの開口部
12aがプラズマ源8Aの真上に来た瞬間に上記第1の
金属膜が酸化される。
【0054】一方、第2の金属膜を形成する場合には、
第1のシャッター10aの開口部12aをプラズマ源8
Aの真上に配置し、第1のシャッター10aが回転しな
いように固定する。さらに、第2のシャッター10bを
所定の速度で回転させ、第2のスパッタカソード7bに
所定の電力を印加して基板20上への成膜を開始する。
【0055】これにより、第2のシャッター10bの開
口部12bが第2のスパッタカソード7bの真上にある
瞬間にスパッタリングが行われ基板20上に第2の金属
膜が形成され、他方、第2のシャッター10bの開口部
12bがプラズマ源8Aの真上に来た瞬間に上記第2の
金属膜が酸化される。
【0056】このような構成を有する本実施の形態によ
れば、上記実施の形態と同様、膜特性が均一で膜厚膜質
分布の非常に優れた誘電体膜を形成できることに加え、
複数の層から構成される誘電体膜を効率良く形成するこ
とが可能になる。その他の構成及び作用効果については
上述の実施の形態と同一であるのでその詳細な説明を省
略する。
【0057】なお、本発明は上述の実施の形態に限られ
ることなく、種々の変更を行うことができる。例えば、
上述の実施の形態においては、開口部を有する回転式の
シャッターを設けたが、本発明はこれに限られず、スパ
ッタリング及び酸化の機能をオン・オフできるものであ
れば、他の方式のシャッターを用いることも可能であ
る。ただし、簡素な構成で効率良く成膜を行うために
は、上記実施の形態のように構成することが好ましい。
【0058】また、シャッターの開口部の形状及び大き
さ等については、成膜材料やプロセスの条件等に応じて
適宜変更しうるものである。
【0059】さらに、本発明は、スパッタリングだけで
はなく例えば蒸着等の真空処理を行う場合にも適用しう
るものである。
【0060】
【実施例】以下、本発明に係る誘電体膜の成膜方法及び
成膜装置の実施例を詳細に説明する。 <実施例1>図1(a)(b)に示す成膜装置を用いて
成膜を行った。本実施例においては、直径300mmの
ガラス基板を基板ホルダーに取付け、真空槽内の圧力が
5×10-5Pa以下になるまで真空排気した。
【0061】そして、真空槽内に各々酸素ガスを20s
ccm、Arガスを50sccm導入し、真空槽内の圧
力が0.5Paとなるように調整した。
【0062】シャッターを速度120rpmで回転させ
た後、2インチ×8インチサイズのTiターゲットが2
式設置されその間に10kHzの交流が印加できるスパ
ッタカソードに1kwの電力を印加して基板への成膜を
開始した。一方、プラズマ源は、酸素ガスを付近に導入
し3kwのパワーを印加した。なお、基板は、500r
pmの速度で回転させた。
【0063】これにより、シャッターの開口部がスパッ
タカソードの真上にある瞬間には基板上にほぼ金属状態
のTi膜が0.5nm成膜され、シャッターの開口部が
プラズマ源の真上にある瞬間にはこのTi膜が酸化され
る。
【0064】この状態で100分間連続成膜した後、ス
パッタカソードの放電パワーを切り、その後酸化源の電
力も切った。
【0065】反射式の膜厚モニターを用いて裏面から基
板上の膜の厚さを測定したところ、1398nmであっ
たのであと約1分成膜を重ねて1400nmまで積層し
た。ここに1回あたりの金属状態の膜厚と積層回数の積
が上記の値と異なるのはほぼ金属状態のTi膜が酸化さ
れた後にその膜厚が厚めに変化したためである。
【0066】上述の方法で得た膜を分析したところ、組
成がTiO2の完全な化学量論組成のアモルファス膜で
あった。
【0067】また、波長1550nmにおける膜の透過
率を測定したところ、100%でその消衰係数は5×1
-5とすぐれた透明性を示した。
【0068】さらに、屈折率、消衰係数、光学膜厚(屈
折率と物理膜厚の積)の分布は基板内全面においてそれ
ぞれ2.30±0.01、(5.0±0.3)×1
-5、1400±0.1nmと非常に優れた分布が得ら
れたことを確認した。
【0069】<実施例2>図2(a)(b)に示す成膜
装置を用いて成膜を行った。本実施例においては、直径
200mmのガラス基板を基板ホルダーに取り付け真空
槽を1×10-5Pa以下になるまで真空排気した。
【0070】そして、真空槽内に各々酸素ガスを60s
ccm、Arガスを60sccm導入し、真空槽内の圧
力が1Paとなるように調整した。
【0071】本実施例では、まず、第2のシャッターの
開口部をプラズマ源の真上にくるようにして固定した。
【0072】次に、第1のシャッターを速度200rp
mで回転させた後、2インチ×6インチサイズの角型T
aターゲット2式が設置されその間に40kHzの交流
が印加できる第1のスパッタカソードに2kwの電力を
印加するとともに、プラズマ源に5kwの電力を印加し
た。なお、基板は、1000rpmの速度で回転させ
た。
【0073】これにより、第1のシャッターの開口部が
スパッタカソードの真上にある瞬間には基板上にほぼ金
属状態のTa膜が0.05nm成膜され、シャッターの
開口部がプラズマ源の真上にある瞬間にはこのTa膜が
酸化される。
【0074】この状態を連続して続け、時々成膜を中断
して膜厚モニターで基板裏面から膜厚を測定し、厚さが
183nmになるまで積層させた。
【0075】次に、第1のシャッターの開口部がプラズ
マ源の真上にくる位置で固定し、第1のシャッターを速
度190rpmで回転させた後、成膜源をSiターゲッ
ト2式に40kHzの交流が印加できる第2のスパッタ
カソードに切り替えて成膜を開始した。
【0076】そして、上記同様にSiO2膜の厚さが2
68nmになるまで積層させた。この場合、Ta25
183nm、SiO2 268nmの厚さを各々T、S
と表わすとし、基板上に(TS)5TS4T(ST)5
(TS)5TS4T(ST)5の積層を繰り返し総膜厚約
12μmの光学膜を作製した。
【0077】(ここで(TS)5はTSの積層を5回繰
り返すまたS4はSiO2膜268nm厚さを4回分すな
わち1072nm成膜することを表す)。
【0078】得られた膜の透過率を測定したところ、図
3に示すように、1567nmの波長近付のみを通過す
る優れた光学フィルター特性が得られた。
【0079】また、直径200mmのガラス基板上の1
567nm波長光における透過率分布は94±1%の範
囲内であり特性分布も非常に良好であった。
【0080】<実施例3>2インチ×8インチサイズの
Tiターゲット2式に10kHzの交流を印加する代わ
りに630wの直流電力を印加した以外は実施例1と同
じ方法で成膜を行った。
【0081】シャッター開口がスパッタカソード上を1
回通過した時の基板上でのほぼ金属状態のTi膜厚は、
実施例1と同様に0.5nmであった。
【0082】成膜途中異常放電が原因と考えられる直流
電源のカットオフが始まりその後も数回のカットオフが
生じたがそのまま所定の膜厚まで成膜した。
【0083】成膜後1550nm波長での膜の透過率を
測定したところ約100%でその消衰係数は10-4台で
ありほぼ透明な膜が得られた。また基板内の分布はほと
んどの箇所で100%であったが2〜3箇所において9
9%の透過率の部分があった。 成膜後、装置内部を観
察したところターゲット表面や防着板の内側部でアーキ
ング痕がいくつか認められた。
【0084】これは本装置及び成膜方法においてはスパ
ッタガス雰囲気としてArと酸素が混合した状態で安定
して存在しているのでターゲット最表面や防着板の内側
のTi膜がある程度酸化されているためプラズマの存在
する領域で電気抵抗の高い該Ti酸化膜上に電荷が蓄積
しそれがアーキングを引き起こしたと考えられる。
【0085】一方、基板上の膜を光学顕微鏡で観察した
ところ透過率が若干低下していた部分では粒状のダスト
が数個偏存していた。これはターゲット上でアーキング
が生じた際その酸化物がダストとなって基板へ高速入射
したものであると考えられる。
【0086】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、成膜
対象物の全面にわたって均一で良質の誘電体膜を形成す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a):本発明に係る成膜装置の実施の形態の
概略構成図 (b):同実施の形態の要部を示す平面図
【図2】(a):本発明に係る成膜装置の他の実施の形
態の概略構成図 (b):同実施の形態の要部を示す平面図
【図3】実施例2による膜の光学フィルター特性を示す
グラフ
【符号の説明】
1…成膜装置 2…真空槽 7…スパッタリングリング
カソード(成膜源) 8…誘導結合型プラズマ源(酸化
源) 9…ターゲット 10…シャッター(制御手段)
12…開口部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 寿弘 千葉県山武郡山武町横田523 日本真空技 術株式会社千葉超材料研究所内 (72)発明者 石橋 暁 千葉県山武郡山武町横田523 日本真空技 術株式会社千葉超材料研究所内 (72)発明者 川村 裕明 千葉県山武郡山武町横田523 日本真空技 術株式会社千葉超材料研究所内 (72)発明者 半沢 幸一 神奈川県茅ヶ崎市萩園2500番地 日本真空 技術株式会社内 (72)発明者 松元 孝文 神奈川県茅ヶ崎市萩園2500番地 日本真空 技術株式会社内 Fターム(参考) 2H048 GA04 GA12 GA32 GA60 4K029 AA09 BA43 BA46 BA48 BB02 BB10 BC07 BD09 CA05 GA00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】真空中において成膜対象物上に形成された
    金属膜を酸化処理する工程を有する誘電体膜の成膜方法
    であって、 前記金属膜を形成するための成膜源と前記酸化処理をす
    るための酸化源の前記成膜対象物に対する所定の相対的
    位置関係を保持した状態で、前記成膜源による成膜処理
    と前記酸化源による酸化処理を所定の周期で間欠的に行
    うことを特徴とする誘電体膜の成膜方法。
  2. 【請求項2】所定の成膜対象物が配置される真空槽と、 前記真空槽内において前記成膜対象物に対する所定の相
    対的位置関係を保持した状態で配設され、前記成膜対象
    物上に所定の金属膜を形成するための成膜源と、 前記真空槽内において前記成膜対象物に対する所定の相
    対的位置関係を保持した状態で配設され、前記成膜対象
    物上の金属膜を酸化処理するための酸化源と、 前記成膜源による成膜処理と前記酸化源による酸化処理
    をそれぞれ制御するための制御手段とを有することを特
    徴とする誘電体膜の成膜装置。
  3. 【請求項3】前記成膜対象物と前記成膜源及び酸化源と
    の間にそれぞれ配設され、所定の周期で開閉可能なシャ
    ッターを有することを特徴とする請求項2記載の誘電体
    膜の成膜装置。
  4. 【請求項4】前記シャッターは、移動可能に構成され、
    その移動に伴って前記成膜源及び酸化源の近傍を通過可
    能な開口部を有していることを特徴とする請求項3記載
    の誘電体膜の成膜装置。
  5. 【請求項5】複数の成膜源と、各酸化源による酸化処理
    を制御するための複数の制御手段とを有することを特徴
    とする請求項2乃至4のいずれか1項記載の誘電体膜の
    成膜装置。
  6. 【請求項6】前記成膜源は、所定のターゲットに対して
    交流電力を印加可能なスパッタリングカソードを有する
    ことを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項記載の
    誘電体膜の成膜装置。
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