JP2003013125A - 粒状金属鉄およびその製法 - Google Patents

粒状金属鉄およびその製法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気炉などを用いた製鉄・製鋼、あるいは各
種合金鋼の製造原料として、安定した品質の粒状金属鉄
を提供すると共に、その製法を確立すること。 【解決手段】 炭素質還元剤と酸化鉄含有物質を含む原
料を還元溶融して得られる粒状金属鉄であって、Fe含
有量が95%(以下、成分含有量の場合は全て質量%を
意味する)以上であり、表面がSiおよび/またはSi
化合物の偏析相によって被覆され、酸化劣化の抑制され
た粒状金属鉄とその製法を開示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄鉱石等の酸化鉄
とコークス等の炭素質還元剤を含む原料を還元溶融する
ことによって得られる、表面がSiおよび/またはSi
化合物の偏析相によって被覆されて優れた耐酸化性を有
すると共にFe純度の高い粒状金属鉄とその製法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】鉄鉱石等の酸化鉄源を炭材や還元性ガス
により直接還元して還元鉄を得る直接製鉄法は古くから
公知であり、具体的な還元法や連続還元設備についても
多くの研究が進められている。
【0003】その一例として特開平11−337264
号公報には、製鋼ダストや粉鉱等の酸化鉄源を炭素質還
元剤と混合し、これをバインダーで固めて成形した生ペ
レットを加熱・還元する際に、未乾燥状態の生ペレット
を急速に加熱した時に生じる爆裂を、予熱帯を設けこと
によって防止し、還元鉄を連続的に効率よく製造するこ
とのできる回転型炉床が開示されている。
【0004】しかしながら、酸化鉄源と還元剤を含む成
形体を加熱・還元して金属鉄を製造する技術では、例え
ば鉄源として鉄鉱石などを使用した時に混入してくるス
ラグ成分が金属鉄中に相当量混入してくる。特に、金属
鉄をスポンジ状で得る方法では、金属鉄中に混入してく
るスラグ成分の分離除去が困難であるので、これらの混
入によってFe純度はかなり低いものとなる。従ってこ
の金属鉄を鉄源として使用する際には、相当量混入して
いるスラグ成分を除去するため余分のエネルギーが必要
となる。また、従来の直接製鉄法で得られる金属鉄の殆
どはスポンジ状であるため破損し易く、しかも表面が活
性であるので再酸化を受け易い。そのため鉄源としての
取扱いが面倒であり、製鉄・製鋼用あるいは合金鋼製造
用原料等として実用化するには二次加工してブリケット
化するなどの工程を必要とし、付帯設備にも少なからぬ
経済的負担が強いられる。
【0005】また特開平9−256017号公報には、
酸化鉄と炭素質還元剤を含む成形物を加熱還元し、金属
鉄外皮を生成且つ成長させて内部に酸化鉄が実質的に存
在しなくなるまで還元を進めると共に、内部に生成スラ
グの凝集物を形成させ、その後さらに加熱を続け、内部
のスラグを金属鉄外皮の外側へ流出させてスラグを分離
し、更に加熱して金属鉄外皮を溶融させることにより、
金属化率の高い粒状の金属鉄を得る方法を開示してい
る。
【0006】ところが、これらの先行技術を含めてこれ
までに知られている粒状金属鉄の製法では、製鉄・製鋼
原料などとして用いられる粒状金属鉄の再酸化を防止し
たり耐候性を高めるといった方向での研究はなされてい
ない。
【0007】従って、還元溶融法によって製造される粒
状金属鉄の付加価値を高めるには、単に高純度化を進め
るといった希望的要求を超えて、原料としての生産可能
性や取扱い性などを総合的に考慮し、保管時の酸化劣化
を抑制し得る様な技術を確立することが望まれる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の様な状
況に着目してなされたものであって、その目的は、鉄源
としての生産可能性や取扱い性などを総合的に考慮して
保管時の酸化劣化を可及的に抑制し、安定した品質の粒
状金属鉄を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
のできた本発明の粒状金属鉄とは、炭素質還元剤と酸化
鉄含有物質を含む原料を還元溶融して得られる粒状金属
鉄であって、Fe含有量が95%(以下、成分含有量の
場合は全て質量%を意味する)以上であり、表面がSi
および/またはSi化合物の偏析相(以下、単にSi偏
析相という)によって被覆されることにより酸化劣化を
防止してなるところに要旨を有している。
【0010】本発明の上記粒状金属鉄においては、Si
偏析相による酸化防止作用をより効果的に発揮させるた
め、該Si偏析相中のSi含有率を30質量%以上と
し、またその厚さを3μm以上、10μm以下の範囲と
することが望ましい。
【0011】また本発明の粒状金属鉄は、鉄源としての
生産性や取扱い性などを総合的に考慮して粒径を1mm
以上、30mm以下の範囲とすることが望ましい。
【0012】なお本発明の粒状金属鉄とは、必ずしも真
球状であることを意味するものではなく、楕円状、卵形
状、あるいはそれらが若干偏平化したものを包含する粒
状物を総称するもので、上記直径1〜30mmの粒径と
は、長径と短径および最大厚さと最小厚さの総和を4で
除した値を意味する。
【0013】こうした本発明の粒状金属鉄は、前記原料
中の酸化鉄を固体状態で加熱還元してから溶融させ、副
生する非晶質のスラグを排斥しつつ粒状に凝集させるこ
とによって得ることができる。
【0014】この際、前記原料中に含まれるスラグ形成
成分の組成がSiO2:28.2〜100質量%、Al2
3:0〜71.8質量%、CaO:0〜20.2質量
%の範囲内となる様に調整し、より好ましくは、該スラ
グ形成成分の組成が、SiO 2−Al23−CaOの3
元系状態図で、SiO2:Al23:CaOが(10
0,0,0)、(43.2,36.7,20.1)、
(28.2,71.8,0)の3点を結ぶ領域の範囲内
となる様に制御すると共に、1200〜1350℃の温
度域で該原料中の酸化鉄の80質量%以上、より好まし
くは90質量%以上を還元し、次いで1350〜150
0℃の温度域で、金属鉄を溶融させると共に、副生する
溶融スラグと分離して凝集させる方法を採用すれば、F
e含有量が95%以上で、表面がSi偏析相によって被
覆された上記粒状金属鉄を効率よく製造できる。
【0015】
【発明の実施の形態】上記の様に本発明の粒状金属鉄
は、炭素質還元剤と酸化鉄含有物質を含む原料を還元溶
融して得られる粒状の金属鉄であり、Fe含有量が95
%以上(より好ましくは95%以上)で、その表面が、
好ましくはSi含有量が20質量%以上で且つ厚さが5
μm程度以上のSi偏析相によって被覆されているとこ
ろに特徴を有しており、またその粒径は1〜30mm
(より好ましくは3〜20mm)の範囲に収まるものが
好ましく、これらの数値範囲を定めた理由は下記の通り
である。
【0016】まず該粒状金属鉄のFe含有量は、その品
質を支配する重要な要素であり、Fe純度の高いもので
あること、裏を返せば不純物の含有量が極力少ないもの
であることが望ましいことは当然であるが、本発明では
その基準を95%以上、より好ましくは98%以上と定
めている。その理由は、製鉄・製鋼原料などとして使用
する際に、該金属鉄中の不純物量が5%を超えて過度に
多くなると、電気炉などで溶融する際にそれら不純物が
スラグなどとして湯面上に生成し、その除去作業が煩雑
になるからである。また、例えばS,Mn,Si,Pの
如き溶鋼中に溶解する元素は、該金属鉄を用いて得られ
る最終製品の物性に悪影響を及ぼすので、溶製段階で脱
硫、脱りん、脱珪などの処理が不可欠となり、それらの
予備処理に少なからぬ手数と時間を要することになる。
これらのことから、本発明の粒状金属鉄はFe含有量が
少なくとも95%以上、より好ましくは98%以上であ
ることを必須とする。
【0017】また本発明の粒状金属鉄は、その表面がS
i偏析相で被覆されているところに大きな特徴を有して
おり、それにより保管時の表面酸化による純度低下を抑
え、鉄源としての品質劣化を抑えるうえで極めて重要な
要件となる。そして本発明においては、該Si偏析相に
よる表面被覆で酸化防止を図ったもので、該Si偏析相
の構成自体は特に制限されないが、酸化防止の目的をよ
り確実に発揮させる上では、該Si偏析相としてSi含
有率を20質量%以上、より好ましくは30質量%以
上、厚さを3μm以上、より好ましくは5μm以上を確
保することが望ましい。
【0018】ちなみに、該偏析相のSi含有率が30質
量%未満、あるいは厚さが3μm未満では、酸化防止作
用が不足気味となり、保管条件や保管期間によっては酸
化防止作用が不十分になる傾向があるからである。Si
偏析相のSi含有率や厚さの上限は特に存在しないが、
それらが過度に多くなると、該粒状金属鉄を原料として
用いた鋼や合金鋼などの物性を劣化させる原因になり、
また過度に厚肉になると粒状金属鉄としてFe純度を下
げる原因になるので、好ましくはSi偏析相中のSi含
量を70質量%以下、より好ましくは50質量%以下、
偏析相の厚さは10μm以下、より好ましくは8μm以
下に抑えることが望ましい。なお、Si偏析相が形成さ
れた本発明に係る粒状金属鉄の、該Siによる上記物性
劣化を回避するには、粒状金属鉄全体としてのSi含量
を0.05%以上、0.50%以下に抑えることが望ま
しい。
【0019】なお、本発明においてSi偏析相を構成す
るSi以外のSi化合物としては、アイアンシリサイド
(Fe−Si)やシリコンカーバイド(Si−C)ある
いはファイアライト(2FeO・SiO2)などが挙げ
られる。
【0020】更に本発明の粒状金属鉄は、粒径が1〜3
0mmの範囲のものが好ましい。その理由は、1mm未
満の微粒物では、篩等を用いた通常の方法で分離するこ
とが困難であるばかりでなく、鉄源として製鋼炉などへ
装入する際に飛散ロスを起こし易くなるからである。
【0021】一方、粒径が30mmを超える大粒径の金
属鉄を得るには、原料として大きな成形体を使用しなけ
ればならず、後述する様な加熱還元と溶融を行なって粒
状金属鉄を製造する際に、特に加熱還元期において原料
成形体の内部にまで熱が伝達するのに時間がかかり、還
元の効率が低下するばかりでなく、溶融後における溶融
鉄の凝集による合体が均一に進行し難くなり、得られる
粒状金属鉄の形状が複雑且つ不特定となって粒径の揃っ
た均質な粒状金属鉄が得られ難くなる。
【0022】また粒状金属鉄の形状や大きさは、上記原
料成形体の大きさ以外にも、例えば配合原料(酸化鉄源
の種類やスラグ形成成分の組成など)、還元後の炉内雰
囲気温度(特に溶融・凝集が進行する区画の雰囲気温
度)、更には還元溶融炉への原料成形体の供給密度など
によっても変わってくる。このうち供給密度は、前記原
料成形体のサイズと共通する影響を及ぼし、供給密度を
高めるほど、加熱還元後の溶融によって生成する溶融金
属鉄同士が炉床上で互いに凝集、合体して大きなサイズ
のものになり易くなる。そして、原料成形体の供給密度
を徐々に高め、更には多層積層状態で炉床上に供給すれ
ば、溶融金属鉄が合体して大径化するチャンスは増大す
る。しかし供給密度を過度に高めると、炉内での伝熱速
度が低下して還元の進行が阻害される他、生成する還元
鉄の凝集・合体が均一に進行し難くなって粒状金属鉄の
形状が複雑且つ不定型となり、粒径の揃った均質な形状
の粒状金属鉄が得られ難くなる。
【0023】こうした原料成形体のサイズ等に由来する
問題は、製品として得られる粒状金属鉄として粒径が3
0mm以上のものを得ようとする場合に顕著に現われる
が、30mm以下の粒径のものであればその様な問題を
生じることなく粒径や外観形状の比較的揃った粒状物と
して得ることができる。この様な理由から、本発明では
粒径の好ましい上限を30mm以下と定めている。しか
し、より均質で粒径や外観形状の揃ったものとして得ら
れ易いのは、3〜15mmの粒径のものである。
【0024】そしてこうした要件を全て満たす本発明の
粒状金属鉄は、表面に形成されたSi偏析相の作用で優
れた耐酸化性を示し、長期保管あるいは船舶輸送などで
受ける高温雰囲気によっても純度低下が少なく、電気炉
などを始めとする各種の製鉄・製鋼設備や合金鋼製造設
備を用いた鉄・鋼や各種合金鋼を製造するための鉄源と
して極めて有効に活用できる。
【0025】次に上記要件を満たす粒状金属鉄の具体的
な製法について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0026】図1は本発明にかかる粒状金属鉄の製造に
用いられる還元溶融炉の一例を示す概略断面説明図であ
り、この炉は予備加熱ゾーンZ1、固体還元ゾーンZ2
溶融ゾーンZ3および冷却ゾーンZ4を長手方向に配設し
た構造を有しており、炉体1の下面側および上面側に任
意の加熱手段(伝熱加熱、バーナ加熱など)が設けられ
ている。
【0027】そして、原料成形体3(炭素質還元剤と酸
化鉄含有物質を含むペレット状、塊状、略球状など)を
パレット2に装填し、これをプッシャー4など任意の手
段で炉1の予備加熱ゾーンZ1へ送り込んで予熱し、引
き続いて任意の搬送手段(搬送ロールや搬送ベルトな
ど)で固体還元ゾーンZ2へ送って固体還元を進める。
そして、生成する還元鉄と副生するスラグを溶融ゾーン
3へ送って溶融させると共に、夫々の親和力で凝集さ
せることによって粒状の溶融金属鉄を得る。その後、冷
却ゾーンZ4で冷却することにより溶融金属鉄と副生ス
ラグを凝固させて粒状金属鉄を得る。
【0028】得られる粒状金属鉄は炉1から排出し、衝
撃を加えて脆弱な凝固スラグを粒状金属鉄から離脱させ
ると共に、磁選や篩分けなど任意の手段で凝固スラグを
分離し、最終的に鉄分純度が95%程度以上、より好ま
しくは98%程度以上でスラグ成分含量の極めて少ない
粒状金属鉄を得る。
【0029】尚この図では、予備加熱ゾーンZ1、固体
還元ゾーンZ2、溶融ゾーンZ3および冷却ゾーンZ4
長手方向に連続して設けた構造のものを示したが、この
他、無端ベルト回動式の移動炉床や、例えば特開平11
−337264号公報に開示されている様な回転炉床タ
イプの還元溶融炉などを用いて、原料成形体を連続的に
加熱還元・溶融・冷却する連続式還元溶融装置を使用す
ることも勿論可能である。
【0030】図2は、後記実施例に示した原料仕様で、
固体還元ゾーンZ2の温度を1340℃、溶融ゾーンZ3
の温度を1450℃に設定して還元溶融を行なった時の
反応状況を示すもので、この図には、予め原料成形体3
内へ装入した熱電対により連続的に測定される成形体3
の内部温度と、炉内雰囲気温度を示すと共に、還元過程
で生成する二酸化炭素と一酸化炭素の濃度変化を併せて
示している。
【0031】この図からも明らかな様に、加熱還元ゾー
ンZ2の温度は、原料成形体3およびパレット2への吸
熱によって一旦降温した後、設定温度まで昇温して行
く。この間、排ガスダクトDから排出されるガスを分析
することによって調べた生成ガス組成は図2に併記する
通りであり、炉内温度の上昇に伴ってCOおよびCO2
濃度は上昇し、還元反応が活発に進行していることを表
している。その後、COおよびCO2濃度は最高濃度を
経てから減少し、18分経過後には共に2%以下にまで
低下し、20分経過後には1%以下にまで低下し、還元
反応がほぼ完了したことを表している。これらCOおよ
びCO2の濃度から、原料成形体3中の酸化鉄の除去酸
素量を計算すると、還元率で98%まで進行しているこ
とが確認された。
【0032】その時点で試料を1450℃に保った溶融
ゾーンZ3へ送ると、僅かな温度降下の後すみやかに設
定温度まで昇温する。この例では、固体還元ゾーンZ2
で還元をほぼ完了してから溶融ゾーンZ3へ送ったの
で、排ガス中のCOおよびCO2ガス濃度の変化は殆ど
見られない。そして、溶融ゾーンZ3で加熱を行なう
と、5分以内に還元鉄と副生するスラグが溶融分離す
る。これを冷却ゾーンZ4へ送って冷却すると共に、脈
石成分由来の副生スラグを分離すると、粒状の金属鉄が
得られる。
【0033】上記方法を実施するに当たり、加熱還元を
進める固体還元ゾーンZ2の好ましい温度は1200〜
1400℃であり、より好ましくは、後述する様な理由
から1200〜1350℃の温度域で原料中に含まれる
酸化鉄の80質量%以上、好ましくは90質量%以上を
還元せしめ、引き続いて、生成した還元鉄の溶融と副生
スラグとの分離が進行する溶融ゾーンZ3の好ましい温
度は1350〜1500℃、より好ましくは1400〜
1500℃の範囲である。
【0034】また図2の横軸に示す時間は、原料成形体
3を構成する鉄鉱石や炭材の組成等によって若干の違い
はあるが、通常10分から13分程度で酸化鉄の固体還
元と生成した金属鉄の溶融および凝集・合体は完了す
る。これを冷却ゾーンZ4に移して冷却凝固させると、
粒状の金属鉄が得られる。
【0035】ところで、上記方法を実施する際に最も重
要なことは、原料成形体中の酸化鉄が固体還元→溶融→
凝集・合体→冷却凝固の各工程を経て粒状金属鉄となる
過程で、粒状金属鉄の表面に前述した様なSi偏析相が
形成される適正な条件設定を行なうことである。
【0036】そのための条件について種々検討を重ねた
結果、例えば、SiO2の如き原料成形体中の脈石成分
等に由来するスラグ形成成分によって決まるスラグの融
点や共晶反応による融液発生後の液相率の制御などによ
って実現できることが分かった。以下、本発明を実現す
る上で極めて重要となる該スラグ形成成分について詳述
する。
【0037】即ち本発明者らは、得られる粒状鉄表面に
おける上記Si偏析相の形成には、前記原料中の脈石成
分などに由来する副生スラグの成分組成が少なからぬ影
響を及ぼすという予備実験結果の下で、その具体的な影
響を明確にすべく実験を重ねた。
【0038】すなわち、前記原料中に含まれるスラグ形
成成分、即ち酸化物含有物質中の脈石成分や炭素質還元
剤中の灰分などに由来するスラグ形成成分のうち、主成
分となるSiO2、Al23およびCaOの3成分につ
いて、それらの組成が粒状金属鉄表面に形成されるSi
偏析相の形成に及ぼす影響を確認するため研究を行なっ
た。その結果、図11のSiO2−Al23−CaO3
元状態図に示す如く、生成スラグの成分組成がSi
2,Al23,CaOの含有率でSiO2:28.2〜
100質量%、Al23:0〜71.8質量%、Ca
O:0〜20.2質量%の範囲内、より好ましくは、S
iO2:Al23:CaOが(100,0,0)、(4
3.2,36.7,20.1)、(28.2,71.
8,0)の3点を結ぶ領域の範囲内となる様に制御すれ
ば、粒状金属鉄の表面にSi偏析相がうまく形成される
ことを知った。
【0039】上記好適スラグ組成範囲では、生成スラグ
は低融点組成で、且つムライト(Mullite)やアノーサ
イト(Anorthite)あるいはトゥリディマイト(Trydimi
te)等の共晶点近傍の組成となり、スラグの溶融温度が
低下するので操業温度を下げることができ、投入エネル
ギー面でも有利となる。そして、酸化鉄の還元途中で生
成するFeOと上記スラグ形成成分の反応によって低融
点のファイヤライト(2FeO・SiO2)が生成する
が、該ファイヤライトはメタル(即ち、還元鉄)−スラ
グ界面、すなわち粒状金属鉄の表面で還元を受けること
で「2FeO・SiO2+4C=2Fe+Si+4C
O」の反応が進行し、生成するSiが粒状金属鉄の表面
に取り込まれ、表面にSi偏析相が形成される。
【0040】なおFeOとSiO2とでは前者の方が還
元され易いため、還元用炭素の供給が不足したり遅れる
と粒状金属鉄の表面にガラス質のSiO2が残留するこ
ともあるが、これはガラス質の表面保護膜としてSi偏
析相を更に保護する機能を果たし、粒状金属鉄の耐候性
(耐酸化性)を一層高める上で有効に作用する。
【0041】上記副生スラグに起因するSi偏析相の形
成を効率よく進めるには、原料中の酸化鉄の還元率を1
200〜1350℃の温度領域で80質量%以上、より
好ましくは90%以上にまで高め、その後、1350〜
1500℃の温度域で生成する金属鉄と副生スラグの溶
融分離を進めることが有効となる。即ち、1200〜1
350℃の比較的低温域で還元を進める際に低融点のフ
ァイヤライト(2FeO・SiO2:融点1205℃)
を生成させ、これを1350〜1500℃に加熱してか
ら金属鉄と副生スラグの溶融分離を行なうと、このとき
同時に前記式「2FeO・SiO2+4C=2Fe+S
i+4CO」で示した反応による粒状鉄表面でのSi偏
析が進行し、表面にSi偏析相が効率よく形成されるの
である。
【0042】即ち本発明の製法によれば、原料中のスラ
グ形成成分の組成を低融点スラグ組成に近づけると共
に、還元途中の酸化鉄との反応でファイヤライトを生成
せしめ、その後温度を高めて金属鉄とスラグを溶融分離
することで、粒状金属鉄の表面にSi偏析層を形成する
ことができ、それにより粒状鉄の耐酸化性を飛躍的に高
めることができるのである。
【0043】なお、図示した様な連続法を採用して粒状
金属鉄の製造を行なうに当たっては、上記1200〜1
350℃の固体還元域を経た後、1350〜1500℃
に昇温して溶融スラグと溶融金属鉄の分離が進行するま
での所要時間は、前述の如く10〜15分程度であり、
適切なスラグ形成成分調整の下でかかる温度・時間条件
を経ることによって最終的に得られる粒状金属鉄の表面
には、前述した機構によってSi含量が30質量%程度
以上で且つ厚さで3〜6μm程度のSi偏析相が形成さ
れる。
【0044】このとき、固体還元時間を過度に短縮する
と、満足の行くSi純度と厚さのSi偏析相が形成され
難くなることがあるので、好ましくは固体還元が90%
程度まで進行するのに要する時間で5分以上、より確実
には7分以上をかけることが望ましい。但し、この間の
所要時間が長くなり過ぎると、Si偏析相が過度に厚く
なってFe純度低下が軽視し難くなるので、好ましくは
20分以下、より好ましくは15分程度以下で固体還元
が完了するように制御することが望ましい。
【0045】上記条件設定を採用することによって得ら
れる粒状金属鉄は、表層部に薄いSi偏析相が形成され
ているが、内部にはスラグ成分が殆ど含まれておらず、
Fe純度で95%以上、より好ましくは98%以上の高
純度の粒状物となる。
【0046】ちなみに、本発明者らが後記実施例の表1
に示した鉱石「O1」と表2に示した石炭「C1」を用
いて得た粒状金属鉄について、上記オージェ・X線スペ
クトル分析を行なって表面性状を調べたところ、図3〜
9に示す結果が得られた。これらの図において、横軸は
荷電圧、縦軸はX線スペクトル強度であり、分析対象元
素に対応するスペクトルが出現したときは当該元素の存
在を確認できる。
【0047】図3〜7は、測定温度を常温(25℃)、
850℃、920℃、1050℃、1120℃に変えた
ときのX線スペクトルを示している。これらの図からも
明らかな様に、常温でのSiのスペクトルは非常に強
く、Feのそれはごく僅かに過ぎない。そして測定温度
が高くなるにつれてFeのスペクトルは強く且つ明確に
なる一方、Siのスペクトルは低下し、測定温度が11
20℃(図7)になると、Siのスペクトルは見られな
くなる。
【0048】また図8,9は、温度を920℃に保って
スペクトルの変化を調べた結果を示したもので、図8は
920℃で15分、図9は920℃で30分維持した後
のスペクトルを示している。これらの図からも明らかな
様に、920℃での保持時間が長くなるにつれてSiの
スペクトルは弱くなり、Feのスペクトルが強くなって
いく傾向を確認できる。
【0049】これらの実験結果から、粒状金属鉄の表面
にはSi偏析相が形成され、該Si偏析相のSiは、高
温条件下で徐々に内部の金属鉄内へ拡散していくものと
考えられる。また、常温で粒状金属鉄の表面に形成され
たSi偏析相について、走査電子顕微鏡(SEM:Scan
ning Electron Microscopy)およびエネルギー分散型
X線解析装置(EDX:Energy Diffraction X-ray
Analyzer)を用いて詳細に調査したところ、該Si偏析
層の厚さは5μm程度以下と非常に薄いこと、また元素
の状態分析からすると、該S偏析相は珪素−鉄の金属間
化合物(シリサイド)の形態となっていることが予測さ
れ、該Si偏析相で表面被覆されていることにより、粒
状金属鉄の酸化劣化が防止されるものと判断される。
【0050】ところで上記粒状金属鉄は、前述の如く炭
材を分散状態で含む鉄鉱石粉の成形体を1400℃とい
う高炉法に比べて低い温度で還元・溶融し、脈石成分
(スラグ成分)と金属鉄を分離させることによって得た
ものであり、副生するスラグの融点は1520℃程度
で、融液を生成し始める温度は1200℃未満である。
従って副生スラグは、操作温度である1400℃の温度
条件下では固体と液体が共存する不均質な状態になると
考えられる。そしてこれを冷却した後の前記観察とX線
回折によれば、副生スラグとメタル(Fe)の界面のス
ラグはSiO2に富むガラス質(アモルファス)であ
り、界面から離れるにつれて、析出した結晶が分散して
いることが確認された。そして、該界面のSiO2に富
むガラス質スラグがメタル(Fe)との間でSi分配反
応を生じ、これも粒状金属鉄表面へのSi偏析相の形成
を助長しているものと思われる。
【0051】特に珪素−鉄の金属間化合物(シリサイ
ド)は、メタル−スラグ界面のアモルファス領域で低融
点化合物であるファイヤライト(2FeO・SiO2
融点1205℃)が還元されることによって生成した可
能性が高い。図10は、この状態を模式図として示した
ものである。上記アモルファス状のガラス質スラグが粒
状金属鉄(メタル)表面に残留して表面を被覆した状態
でも、粒状金属鉄の酸化は当然に抑制される。こうした
酸化防止被覆の生成反応機構は、下記式によって説明で
きる。 2Fe・SiO2+4C=2F+Si+4CO SiO+2C=Si+2CO
【0052】冶金反応の平衡計算によれば、[SiOガ
スの平衡分圧=2×10-4atm]であり、炭素含有量が
0.3質量%の溶鉄中においてもSi=1.5質量%ま
で移行できることを示しており、これらの平衡反応から
も、粒状金属鉄表面へのSi偏析相の形成が裏付けられ
る。
【0053】そして、上記Si偏析相の形成による粒状
金属鉄の酸化劣化抑制作用を有効に発揮させるには、該
Si偏析相中のSi含量を30%質量以上、より好まし
くは40%以上にすると共に、該Si偏析相の厚さを3
〜10μmの範囲に制御すること有効となるのである。
【0054】上記の様に本発明によれば、鉄鉱石と炭材
を含む原料成形体を固体還元してから溶融・凝集させて
金属鉄を製造する際に、原料成形体中の炭素質還元剤量
や固体還元時の温度条件、スラグ形成成分の成分組成、
更には溶融時の温度条件や雰囲気ガスの組成などを適正
に制御することによって、加熱還元、溶融および生成す
る金属鉄の粒状化を効率良く進めると共に、その表面に
Si偏析相を形成することができ、Fe純度の非常に高
い粒状金属鉄を得ることができる。
【0055】殊に、製造時の適切な条件設定、具体的に
はスラグ形成成分、ひいては副生スラグの成分調整と適
切な温度制御を行なうことにより、得られる粒状金属鉄
の表面をSi偏析相で被覆することができ、粒状鉄の耐
酸化性を飛躍的に高めることが可能となる。
【0056】なお、上記副生スラグの成分調整は、原料
として用いる酸化鉄含有原料や炭素質還元剤中に含まれ
る脈石成分の組成や量に応じて、適量のSiO2やAl2
3、CaOどを追加したり、脈石成分組成の異なる鉄
鉱石を適宜併用することで全体としてのスラグ形成成分
組成をコントロールする等の方法によって行なえばよ
い。
【0057】かくして得られる本発明の粒状金属鉄は、
Fe純度が高くて且つその表面がSi偏析相により被覆
されて優れた耐酸化防止性を有すると共に、粒度は製品
としての取扱いに優れた1〜30mmの粒度を有する粒
径および形状の揃ったものとなり、製鉄・製鋼あるいは
各種合金鋼などを製造するための鉄源として有効に利用
できる。
【0058】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明の構成および作
用効果を具体的に説明するが、本発明はもとより下記実
施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣
旨に適合し得る範囲で適当に変更して実施することも可
能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含ま
れる。
【0059】実施例1 鉄源として下記表1に示す4種の鉄鉱石と表2に示す4
種の炭材(石炭)を使用し、これらを少量のバインダー
(ベントナイト)と均一に混合して直径約19mmの原
料成形体を製造し、これを用いて金属鉄の製造実験を行
なった。このとき炭材の配合量は、使用した鉄鉱石中の
酸素量、Si,Mnの如き合金成分元素の還元に必要な
炭素量還元時に発生するCOとCO2の割合を踏まえ
て、鉄鉱石中の酸化鉄の還元に要する化学量論的に必要
な炭素量と、製品粒状鉄中の目標炭素濃度から必要な全
炭素量を求め、原料の還元に有効に作用する炭材中の固
定炭素量とバランスする様に設定した。尚この実験で
は、製品還元鉄の炭素濃度が1.0〜2.0%の範囲と
なる様に調整した。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】上記で得た各原料成形体を使用し、前記図
1に示した様な還元溶融装置(電気加熱式)を用いて、
前述した手順で原料成形体の予熱、加熱還元・溶融によ
る粒状金属鉄の生成と副生スラグとの分離生成、更には
冷却凝固による粒状金属鉄の製造と副生スラグの分離を
行なった。このとき、固体還元部(ゾーンZ2)の温度
は1340℃、加熱溶融部(ゾーンZ3)の温度は14
50℃に設定した。
【0063】この時の固体還元および溶融部の温度と、
COおよびCO2ガス濃度の経時変化を測定し、図2に
示す結果を得た。この図からも明らかな様に、固体還元
ゾーンZ2の温度は、原料成形体3およびパレット2へ
の吸熱によって一旦降温した後、設定温度まで昇温して
行く。この間、排ガスダクトから排出されるガスを分析
することによって調べた生成ガス組成は図2に併記する
通りであり、炉内温度の上昇に伴ってCOおよびCO2
濃度は上昇し、還元反応が活発に進行していることを確
認できる。その後、COおよびCO2濃度は最高濃度を
経てから減少し、18分経過後には共に2%以下にまで
低下し、20分経過後には1%にまで低下し、還元反応
がほぼ完了したことを確認できる。このCOおよびCO
2濃度から、原料成形体中の酸化鉄の除去酸素量を計算
すると、還元率で98%まで進行していることが確認さ
れた。
【0064】その時点で試料を1450℃に保った溶融
ゾーンZ3へ送ると、僅かな温度降下の後すみやかに設
定温度まで昇温した。この実施例では、固体還元ゾーン
2で還元をほぼ完了してから溶融ゾーンZ3へ送ったの
で、排ガス中のCOおよびCO2ガス濃度の変化は殆ど
見られない。そして、溶融ゾーンZ3で加熱を行なう
と、5分以内に還元鉄と副生するスラグが溶融分離す
る。これを冷却ゾーンZ4へ送って冷却すると共に、脈
石成分由来の副生スラブを分離すると、粒状の金属鉄が
得られた。
【0065】得られた粒状金属鉄の粒度構成は表3に、
また化学成分は表4に示す通りであり、何れの場合もF
e純度で96%以上が確保されると共に、工業的に取扱
いの簡便な1mm以上の粒径のものが94%以上の歩留
りで得られている。
【0066】
【表3】
【0067】
【表4】
【0068】また、上記4種の鉱石と炭材の組合わせで
得た各最終スラグ組成を、図11のSiO2-Al23-
CaOの三元状態図にプロットした。なお同図に斜線で
示した領域は、従来の高炉操業法で得られる通常のスラ
グ組成を示したものであるが、本実施例によって副生す
るスラグの組成は全く異なった領域にあることが分か
る。すなわち従来の高炉操業法では、塩基度で表される
CaO/SiO2比が約1.2で、Al23が15%付
近であるが、本発明で好ましく採用される条件下で副生
するスラグ組成はムライト領域にあり、SiO2濃度の
高い酸性側で且つアルミナ濃度も高い。
【0069】そして、この様なスラグ副生条件下で製造
される粒状金属鉄の表面に形成されるSi偏析層のSi
含有率と厚さを前述したSEMおよびEDXによって調
べたところ、前記表4に併記する如く各粒状金属鉄の表
面には約3〜12μmの範囲でSi含有率が29.0〜
70.1質量%のSi偏析相が形成されていることが確
認された。
【0070】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、F
e純度が高く且つ表面がSi偏析相により被覆されて優
れた耐酸化性を備え、長期保存によっても品質劣化を起
こすことがなく、あるいは更に、取扱いの簡便な粒度構
成を有し、鉄源としての取扱いが容易で品質の安定した
粒状金属鉄を提供し得ることになった。しかもこの粒状
金属鉄は、前述の如く製造条件を適切に制御することに
より、安定して再現性よくしかも効率よく製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる粒状金属鉄の製造に用いられる
還元溶融設備を例示する説明図である。
【図2】本発明に係る前記粒状金属鉄の製造を実施する
際の温度変化と、外処理工程で副生するCOおよびCO
2ガスの濃度変化を示すグラフである。
【図3】実験で得た粒状金属鉄のオージェ・X線スペク
トル分析結果(測定温度:25℃)を示す図である。
【図4】実験で得た粒状金属鉄のオージェ・X線スペク
トル分析結果(測定温度:920℃)を示す図である。
【図5】実験で得た粒状金属鉄のオージェ・X線スペク
トル分析結果(測定温度:1050℃)を示す図であ
る。
【図6】実験で得た粒状金属鉄のオージェ・X線スペク
トル分析結果(測定温度:1120℃)を示す図であ
る。
【図7】実験で得た粒状金属鉄を920℃で15分間維
持した後のオージェ・X線スペクトル分析結果を示す図
である。
【図8】実験で得た粒状金属鉄を920℃で30分間維
持した後のオージェ・X線スペクトル分析結果を示す図
である。
【図9】粒状金属鉄の表面にSi偏析相が形成される際
の状況を模式的に示す一部断面説明図である。
【図10】粒状金属鉄の表面に形成されるSi偏析相の
生成機構を説明するための概念図である。
【図11】実施例で得た各最終スラグ組成を、従来の高
炉操業法で得られる通常のスラグ組成と共に、SiO2-
Al23-CaOの三元状態図にプロットして示した図
である。
【符号の説明】
1 炉床 2 パレット 3 原料成形体 5 オフガス路 Z1 予備加熱ゾーン Z2 固体還元ゾーン Z3 加熱溶融ゾーン Z4 冷却ゾーン

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素質還元剤と酸化鉄含有物質を含む原
    料を還元溶融して得られる粒状金属鉄であって、Fe含
    有量が95%(以下、成分含有量の場合は全て質量%を
    意味する)以上であり、表面がSiおよび/またはSi
    化合物の偏析相によって被覆されていることを特徴とす
    る粒状金属鉄。
  2. 【請求項2】 Siおよび/またはSi化合物の偏析相
    中のSi含有率が30質量%以上である請求項1に記載
    の粒状金属鉄。
  3. 【請求項3】 Siおよび/またはSi化合物の偏析相
    の厚さが3〜10μmである請求項1または2に記載の
    粒状金属鉄。
  4. 【請求項4】 粒径が1〜30mmである請求項1〜4
    のいずれかに記載の粒状鉄。
  5. 【請求項5】 前記粒状金属鉄は、前記原料中の酸化鉄
    を固体状態で加熱還元してから溶融させ、副生するスラ
    グを排斥しつつ粒状に凝集させたものである請求項1〜
    4のいずれかに記載の粒状金属鉄。
  6. 【請求項6】 炭素質還元剤と酸化鉄含有物質を含む原
    料を還元溶融して前記請求項1〜5のいずれかに記載さ
    れた粒状金属鉄を製造する方法であって、前記原料中に
    含まれるスラグ形成成分の組成がSiO2:28.2〜
    100質量%、Al23:0〜71.8質量%、Ca
    O:0〜20.2質量%の範囲内となる様に調整すると
    共に、1200〜1350℃の温度域で該原料中の酸化
    鉄の90質量%以上を還元し、次いで1350〜150
    0℃の温度域で、金属鉄を溶融させると共に、副生する
    溶融スラグと分離して凝集させることを特徴とする粒状
    金属鉄の製法。
  7. 【請求項7】 前記スラグ形成成分の組成が、SiO2
    −Al23−CaOの三元状態図、SiO2:Al
    23:CaOが(100,0,0)、(43.2,3
    6.7,20.1)、(28.2,71.8,0)の3
    点を結ぶ領域の範囲内となる様に制御する請求項6に記
    載の製法。
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