JP2003012861A - トレッドゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents

トレッドゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ

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JP2003012861A JP2001198496A JP2001198496A JP2003012861A JP 2003012861 A JP2003012861 A JP 2003012861A JP 2001198496 A JP2001198496 A JP 2001198496A JP 2001198496 A JP2001198496 A JP 2001198496A JP 2003012861 A JP2003012861 A JP 2003012861A
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isobutylene
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Taizo Aoyama
青山泰三
Shigeru Yaguchi
矢口茂
Katsuhiko Kimura
木村勝彦
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】転がり抵抗とウエットグリップ性といった相反
する特性のバランスに優れており、さらに耐摩耗性に優
れるトレッドゴム組成物を提供すること。 【解決手段】(a)イソブチレンを単量体とする重合体
ブロックと芳香族ビニル系化合物を単量体とする重合体
ブロックからなるブロック共重合体であって、末端にア
ルケニル基が導入されたブロック共重合体と(b)天然
ゴム、ジエン系重合体ゴム及びオレフィン系重合体ゴム
から選択される少なくとも1種のゴム成分とを含有する
ことを特徴とするトレッドゴム組成物で、更に、ブロッ
ク共重合体(a)を架橋できる架橋剤を含有してなるト
レッドゴム組成物により達成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、転がり抵抗とウエ
ットグリップ性のバランスに優れ、さらに耐摩耗性に優
れた空気入りタイヤに利用しうるイソブチレン系ブロッ
ク共重合体を含有するトレッド用ゴム組成物に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来から、自動車業界においては、自動
車の低燃費化の要請があり、転がり抵抗の低いタイヤを
提供可能なトレッド用ゴム組成物が求められており、か
つ安全面からは湿潤路面でのグリップ性、すなわちウエ
ットグリップ性の高いタイヤを提供可能なトレッド用ゴ
ム組成物が求められている。
【0003】これらのタイヤの転がり抵抗およびウエッ
トグリップ性は、トレッドゴムのヒステリシスロス(t
anδ)に関連しており、10Hzでは、30〜50℃
におけるtanδが小さい程、転がり抵抗が低く、−2
0〜0℃におけるtanδが大きいほどウエットグリッ
プ性が高いという関係にあり、両者を両立させることは
困難であった。
【0004】このような自動車分野における空気入りタ
イヤに用いられるトレッドゴム組成物として、特開平1
1−80433号公報では、ポリイソブチレン/p−メ
チルスチレン共重合体の臭素化物とゴム成分からなるト
レッド用ゴム組成物が開示されている。しかし、転がり
抵抗とウエットグリップ性のバランスに関して、より一
層の改良が望まれている。また、特開平11−3151
71号公報では、ゴム成分にスチレン−イソブチレン共
重合体を含有してなるゴム組成物が開示されているが、
これは、スチレン−イソブチレン系ランダム共重合体に
より、破壊特性を低下させることなく高ヒステリシスロ
ス性を向上させたもので、転がり抵抗とウエットグリッ
プ性のバランスを改良するものではなく、ブロック共重
合体についても何ら記載されていない。
【0005】一方、スチレン−イソブチレン系ブロック
共重合体とゴム成分からなるゴム組成物については、W
O98/14518号公報や特開平6−200098号
公報に記載されているが、いずれの公報においても、一
般的なゴム材料として使用できることを開示しているの
みであり、また、一方で、ブロック共重合体等の非架橋
系のゴム成分を、架橋系のトレッド用ゴム組成物に配合
すると、耐摩耗性が低下するとの指摘があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、転が
り抵抗とウエットグリップ性といった相反する特性のバ
ランスに優れており、さらに耐摩耗性に優れるトレッド
ゴム組成物を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、
(a)イソブチレンを単量体とする重合体ブロックと芳
香族ビニル系化合物を単量体とする重合体ブロックから
なるブロック共重合体であって、末端にアルケニル基を
有するブロック共重合体と(b)天然ゴム、ジエン系重
合体ゴム及びオレフィン系重合体ゴムから選択される少
なくとも1種のゴム成分とを含有することを特徴とする
トレッドゴム組成物であり、更に、ブロック共重合体
(a)を架橋できる架橋剤を含有するのが好ましい。
【0008】ゴム成分(b)としては、ジエン化合物の
単独重合体またはジエン化合物と芳香族ビニル系化合物
の共重合体であるのが好ましく、配合比としては、ゴム
成分(b)100重量部に対し、ブロック共重合体
(a)を1重量部から40重量部配合するのが好まし
い。前記ブロック共重合体(a)は、芳香族ビニル系化
合物を単量体とする重合体ブロック−イソブチレンを単
量体とする重合体ブロック−芳香族ビニル系化合物を単
量体とする重合体ブロックからなるトリブロック共重合
体であるのが好ましい。
【0009】また、ブロック共重合体(a)の数平均分
子量は100,000以下であるのが好ましい。一方、
本発明の空気入りタイヤは、上記したトレッドゴム組成
物を用いてなる空気入りタイヤである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のゴム組成物は、(a)イ
ソブチレンを単量体とする重合体ブロックと芳香族ビニ
ル系化合物を単量体とする重合体ブロックからなるブロ
ック共重合体であって、末端にアルケニル基を有するも
のと(b)天然ゴム、ジエン系重合体ゴム、及びオレフ
ィン系重合体ゴムから選択される少なくとも1種のゴム
成分を含有することを特徴とするゴム組成物である。
【0011】本発明で使用しうる末端にアルケニル基を
有するイソブチレン系ブロック共重合体(a)は、イソ
ブチレンを単量体とする重合体ブロックと芳香族ビニル
系化合物を単量体とする重合体ブロックからなるブロッ
ク共重合体という構造を有しているものであれば特に制
限はなく、例えば、直鎖状、分岐状、星状等の構造を有
するブロック共重合体、ジブロック共重合体、トリブロ
ック共重合体、マルチブロック共重合体等のいずれも選
択可能であり、機械特性と加工性の要求に見合うものを
選択すればよい。
【0012】本発明のイソブチレンを単量体とする重合
体ブロックは、イソブチレン以外の単量体成分を含有し
ていても良く、イソブチレン以外の単量体の含有量は3
0重量%以下であることが好ましく、10重量%以下で
あることがさらに好ましい。
【0013】本発明のイソブチレンを単量体とする重合
体ブロック中の、イソブチレン以外の単量体は、カチオ
ン重合可能な単量体成分であれば特に限定されないが、
芳香族ビニル類、脂肪族オレフィン類、ジエン類、ビニ
ルエーテル類、β−ピネン等の単量体が例示できる。こ
れらは単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用
いてもよい。
【0014】芳香族ビニル系単量体としては、スチレ
ン、o−、m−又はp−メチルスチレン、α−メチルス
チレン、β−メチルスチレン、2,6−ジメチルスチレ
ン、2,4−ジメチルスチレン、α−メチル−o−メチ
ルスチレン、α−メチル−m−メチルスチレン、α−メ
チル−p−メチルスチレン、β−メチル−o−メチルス
チレン、β−メチル−m−メチルスチレン、β−メチル
−p−メチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレ
ン、α−メチル−2,6−ジメチルスチレン、α−メチ
ル−2,4−ジメチルスチレン、β−メチル−2,6−
ジメチルスチレン、β−メチル−2,4−ジメチルスチ
レン、o−、m−又はp−クロロスチレン、2,6−ジ
クロロスチレン、2,4−ジクロロスチレン、α−クロ
ロ−o−クロロスチレン、α−クロロ−m−クロロスチ
レン、α−クロロ−p−クロロスチレン、β−クロロ−
o−クロロスチレン、β−クロロ−m−クロロスチレ
ン、β−クロロ−p−クロロスチレン、2,4,6−ト
リクロロスチレン、α−クロロ−2,6−ジクロロスチ
レン、α−クロロ−2,4−ジクロロスチレン、β−ク
ロロ−2,6−ジクロロスチレン、β−クロロ−2,4
−ジクロロスチレン、o−、m−又はp−t−ブチルス
チレン、o−、m−又はp−メトキシスチレン、o−、
m−又はp−クロロメチルスチレン、o−、m−又はp
−ブロモメチルスチレン、シリル基で置換されたスチレ
ン誘導体、インデン、ビニルナフタレン等が挙げられ
る。これらは単独で用いてもよいし、2種以上組み合わ
せて用いてもよい。
【0015】脂肪族オレフィン系単量体としては、エチ
レン、プロピレン、1−ブテン、2−メチル−1−ブテ
ン、3−メチル−1−ブテン、ペンテン、ヘキセン、シ
クロヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、ビニルシク
ロヘキサン、オクテン、ノルボルネン等が挙げられる。
これらは単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて
用いてもよい。
【0016】ジエン系単量体としては、ブタジエン、イ
ソプレン、ヘキサジエン、シクロペンタジエン、シクロ
ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、ジビニルベンゼ
ン、エチリデンノルボルネン等が挙げられる。これらは
単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いても
よい。
【0017】ビニルエーテル系単量体としては、メチル
ビニルエーテル、エチルビニルエーテル、(n−、イ
ソ)プロピルビニルエーテル、(n−、sec−、te
rt−、イソ)ブチルビニルエーテル、メチルプロペニ
ルエーテル、エチルプロペニルエーテル等が挙げられ
る。これらは単独で用いてもよいし、2種以上組み合わ
せて用いてもよい。
【0018】本発明の芳香族ビニル系化合物を単量体と
する重合体ブロックは、芳香族ビニル系化合物以外の単
量体を含んでいてもいなくても良く、芳香族ビニル系化
合物の含有量が60重量%以上、好ましくは80重量%
以上であることが望ましい。芳香族ビニル系単量体とし
ては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチ
レン、インデンからなる群から選ばれる少なくとも1種
の単量体を使用することが好ましく、コストの面からス
チレン、α−メチルスチレン、あるいはこれらの混合物
を用いることが特に好ましい。
【0019】また本発明の芳香族ビニル系化合物を単量
体とする重合体ブロックの、芳香族ビニル系化合物とし
てはカチオン重合可能な単量体であれば特に制限はない
が、例えば前記の単量体等が挙げられる。
【0020】イソブチレンを単量体とする重合体ブロッ
クと芳香族ビニル系化合物を単量体とする重合体ブロッ
クの割合に関しては、特に制限はないが、物性と加工性
のバランスから、イソブチレンを単量体とする重合体ブ
ロックが98から40重量%、芳香族ビニル系化合物を
単量体とする重合体ブロックが2から60重量%である
ことが好ましく、イソブチレンを単量体とする重合体ブ
ロックが95から60重量%、芳香族ビニル系化合物を
単量体とする重合体ブロックが5から40重量%である
ことが特に好ましい。
【0021】また本発明のイソブチレン系ブロック共重
合体の好ましい構造としては、得られる組成物の物性お
よび加工性の点から、芳香族ビニル系化合物を単量体と
する重合体ブロック−イソブチレンを単量体とする重合
体ブロック−芳香族ビニル系化合物を単量体とする重合
体ブロックから形成されるトリブロック共重合体、及
び、イソブチレンを単量体とする重合体ブロック−芳香
族ビニル系化合物を単量体とする重合体ブロックからな
るジブロック共重合体をアームとする星状ポリマーから
なる群より選択される少なくとも1種である。
【0022】イソブチレン系ブロック共重合体の数平均
分子量にも特に制限はないが、物性および加工性の面か
ら、3,000〜500,000であることが好ましく、
5,000〜100,000であることが特に好ましい。
イソブチレン系ブロック共重合体の数平均分子量が上記
範囲よりも低い場合には組成物の物性が十分に発現され
ず、一方上記範囲を超える場合には加工性の面で不利で
ある。
【0023】イソブチレン系ブロック共重合体の製造方
法としては、特に限定されず、公知の重合方法を用いる
ことができるが、構造の制御されたブロック共重合体を
得るためには、下記一般式(I)で表される化合物の存
在下に、イソブチレンを主成分とする単量体及び芳香族
ビニル系単量体等のイソブチレンを主成分としない単量
体成分を重合することが好ましい。 (CR12X)n3 (I) (式中、Xは、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキ
シル基及び炭素数1〜6のアシロキシル基からなる群か
ら選択される置換基を表す。R1及びR2は、それぞれ、
水素原子又は炭素数1〜6の1価の炭化水素基を表す。
1及びR2は、同一であっても異なっていても良い。ま
た、複数存在するR1及びR2は、それぞれ、同一であっ
ても異なっていても良い。R3は、n個の置換基を有す
ることができる多価の芳香族炭化水素基又は多価の脂肪
族炭化水素基を表す。nは、1〜6の自然数を表す。) 上記ハロゲン原子としては、塩素、フッ素、臭素、ヨウ
素等が挙げられる。上記炭素数1〜6のアルコキシル基
としては特に限定されず、例えば、メトキシ基、エトキ
シ基、n−又はイソプロポキシ基等が挙げられる。上記
炭素数1〜6のアシロキシル基としては特に限定され
ず、例えば、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基
等が挙げられる。上記炭素数1〜6の炭化水素基として
は特に限定されず、例えば、メチル基、エチル基、n−
又はイソプロピル基等が挙げられる。
【0024】上記一般式(I)で表わされる化合物は開
始剤となるものでルイス酸等の存在下炭素陽イオンを生
成し、カチオン重合の開始点になると考えられる。本発
明で用いられる一般式(I)で表される化合物の例とし
ては、次のような化合物等が挙げられる。 (1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン[C65
(CH32Cl] 1,4−ビス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼ
ン[1,4−Cl(CH32CC64C(CH32
l] 1,3−ビス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼ
ン[1,3−Cl(CH32CC64C(CH32
l] 1,3,5−トリス(1−クロル−1−メチルエチル)
ベンゼン[1,3,5−(ClC(CH323
63] 1,3−ビス(1−クロル−1−メチルエチル)−5−
(tert−ブチル)ベンゼン[1,3−(C(C
32Cl)2-5−(C(CH33)C63] これらの中でも特に好ましいのは1−クロル−1−メチ
ルエチルベンゼン[C 65C(CH32Cl]、ビス
(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン[C 6
4(C(CH32Cl)2]、トリス(1−クロル−1−
メチルエチル)ベンゼン[(ClC(CH3236
3]である。[なお1−クロル−1−メチルエチルベン
ゼンは、α−クロロイソプロピルベンゼン、2−クロロ
−2−プロピルベンゼンあるいはクミルクロライドとも
呼ばれ、ビス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼ
ンは、ビス(α−クロロイソプロピル)ベンゼン、ビス
(2−クロロ−2−プロピル)ベンゼンあるいはジクミ
ルクロライドとも呼ばれ、トリス(1−クロル−1−メ
チルエチル)ベンゼンは、トリス(α−クロロイソプロ
ピル)ベンゼン、トリス(2−クロロ−2−プロピル)
ベンゼンあるいはトリクミルクロライドとも呼ばれ
る]。上記重合反応においては、ルイス酸触媒を共存さ
せることができる。ルイス酸としてはカチオン重合に使
用できるものであれば良く、TiCl4、TiBr4、BC
3、BF3、BF3・OEt2、SnCl4、SbCl5、SbF
5、WCl6、TaCl5、VCl5、FeCl3、ZnBr2、A
lCl3、AlBr3等の金属ハロゲン化物;Et2AlC
l、EtAlCl2等の有機金属ハロゲン化物を好適に
使用することができる。なかでも触媒としての能力、工
業的な入手の容易さを考えた場合、TiCl4、BCl3
SnCl4が好ましい。
【0025】上記ルイス酸触媒の使用量としては特に限
定されず、使用する単量体の重合特性あるいは重合濃度
等を鑑みて設定することができる。上記重合反応におい
ては、さらに必要に応じて電子供与体成分を共存させる
こともできる。この電子供与体成分は、カチオン重合に
際して、成長炭素カチオンを安定化させる効果があるも
のと考えられており、電子供与体の添加によって分子量
分布の狭い構造が制御された重合体が生成する。使用可
能な電子供与体成分としては特に限定されないが、例え
ば、ピリジン類、アミン類、アミド類、スルホキシド
類、エステル類、または金属原子に結合した酸素原子を
有する金属化合物等を挙げることができる。
【0026】上記重合反応は必要に応じて有機溶媒中で
行うことができ、有機溶媒としてはカチオン重合を本質
的に阻害しなければ特に制約なく使用することができ
る。具体的には、塩化メチル、ジクロロメタン、クロロ
ホルム、塩化エチル、ジクロロエタン、n−プロピルク
ロライド、n−ブチルクロライド、クロロベンゼン等の
ハロゲン化炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、
エチルベンゼン、プロピルベンゼン、ブチルベンゼン等
のアルキルベンゼン類;エタン、プロパン、ブタン、ペ
ンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカ
ン等の直鎖式脂肪族炭化水素類;2−メチルプロパン、
2−メチルブタン、2,3,3−トリメチルペンタン、
2,2,5−トリメチルヘキサン等の分岐式脂肪族炭化
水素類;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチ
ルシクロヘキサン等の環式脂肪族炭化水素類;石油留分
を水添精製したパラフィン油等を挙げることができる。
これらの溶媒は、ブロック共重合体を構成する単量体の
重合特性及び生成する重合体の溶解性等のバランスを考
慮して単独又は2種以上を組み合わせて使用される。
【0027】上記溶媒の使用量は、得られる重合体溶液
の粘度や除熱の容易さを考慮して、重合体の濃度が1〜
50wt%、好ましくは3〜35wt%となるように決
定される。実際の重合を行うに当たっては、各成分を冷
却下例えば−100℃以上0℃未満の温度で混合する。
エネルギーコストと重合の安定性を釣り合わせるため
に、特に好ましい温度範囲は−30℃〜−80℃であ
る。
【0028】本発明のアルケニル基とは、本発明の目的
を達成するための(A)成分の架橋反応に対して活性の
ある炭素−炭素二重結合を含む基であれば特に制限され
るものではない。具体例としては、ビニル基、アリル
基、メチルビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペン
テニル基、ヘキセニル基等の脂肪族不飽和炭化水素基、
シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテ
ニル基、シクロヘキセニル基等の環式不飽和炭化水素基
を挙げることができる。
【0029】本発明のイソブチレン系ブロック共重合体
(A)の末端へのアルケニル基の導入方法としては特開
平3−152164号公報や特開平7−304909号
公報に開示されているような、水酸基などの官能基を有
する重合体に不飽和基を有する化合物を反応させて重合
体に不飽和基を導入する方法が挙げられる。またハロゲ
ン原子を有する重合体に不飽和基を導入するためにはア
ルケニルフェニルエーテルとのフリーデルクラフツ反応
を行う方法、ルイス酸存在下アリルトリメチルシラン等
との置換反応を行う方法、種々のフェノール類とのフリ
ーデルクラフツ反応を行い水酸基を導入した上でさらに
前記のアルケニル基導入反応を行う方法などが挙げられ
る。さらに米国特許第4316973号、特開昭63−
105005号公報、特開平4−288309号公報に
開示されているように単量体の重合時に不飽和基を導入
することも可能である。
【0030】末端にアルケニル基が導入されたイソブチ
レン系ブロック共重合体(a)は、単独で架橋するか、
ゴム成分(b)と共架橋されるか、あるいはその両方で
ある。
【0031】末端にアルケニル基が導入されたイソブチ
レン系ブロック共重合体(A)を架橋する手段として
は、公知な方法を用いることができ特に制限は無いが、
例えば、加熱による熱架橋、架橋剤による架橋を行うこ
とができる。
【0032】本発明の末端にアルケニル基が導入された
イソブチレン系ブロック共重合体(A)の架橋物を得る
ための架橋剤としてはヒドロシリル基含有化合物を用い
るのが好ましい。ヒドロシリル基含有化合物としては特
に制限はなく、各種のものを用いることができる。すな
わち、一般式(I)または(II)で表される鎖状ポリシ
ロキサン; R1 3SiO−[Si(R12O]a−[Si(H)(R2)O]A−[Si(R2) (R3)O]B−SiR1 3 (I) HR1 2SiO−[Si(R12O]a−[Si(H)(R2)O]A−[Si(R2 )(R3)O]B−SiR1 2H (II) (式中、R1およびR2は炭素数1〜6のアルキル基、ま
たは、フェニル基、R3は炭素数1〜10のアルキル基
またはアラルキル基を示す。aは0≦a≦100、Aは
2≦A≦100、Bは0≦B≦100を満たす整数を示
す。)一般式(III)で表される環状シロキサン;
【0033】
【化1】 (式中、R4およびR5は炭素数1〜6のアルキル基、ま
たは、フェニル基、R6は炭素数1〜10のアルキル基
またはアラルキル基を示す。Cは0≦C≦8、eは2≦
e≦10、fは0≦f≦8の整数を表し、かつ3≦C+
e+f≦10を満たす。)等の化合物を用いることがで
きる。さらに上記のヒドロシリル基(Si−H基)を有
する化合物のうち、(A)成分との相溶性が良いという
点から、特に下記の一般式(IV)で表されるものが好ま
しい。
【0034】
【化2】 (式中、g、hは整数であり2≦g+h≦50、2≦
g、0≦hである。R7は水素原子またはメチル基を表
し、R8は炭素数2〜20の炭化水素基で1つ以上の芳
香環を有していても良い。iは0≦i≦5の整数であ
る。
【0035】末端にアルケニル基が導入されたイソブチ
レン系ブロック共重合体(A)と架橋剤は任意の割合で
混合することができるが、硬化性の面から、アルケニル
基とヒドロシリル基のモル比が5〜0.2の範囲にある
ことが好ましく、さらに、2.5〜0.4であることが
特に好ましい。モル比が5以上になると硬化が不十分で
べとつきのある強度の小さい硬化物しか得られず、ま
た、0.2より小さいと、硬化後も硬化物中に活性なヒ
ドロシリル基が大量に残るので、クラック、ボイドが発
生し、均一で強度のある硬化物が得られない。
【0036】重合体(A)と架橋剤との架橋反応は、2
成分を混合して加熱することにより進行するが、反応を
より迅速に進めるために、ヒドロシリル化触媒を添加す
ることができる。このようなヒドロシリル化触媒として
は特に限定されず、例えば、有機過酸化物やアゾ化合物
等のラジカル開始剤、および遷移金属触媒が挙げられ
る。
【0037】ラジカル開始剤としては特に限定されず、
例えば、ジ−t−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチ
ル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、
2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキ
シ)−3−ヘキシン、ジクミルペルオキシド、t−ブチ
ルクミルペルオキシド、α,α’−ビス(t−ブチルペ
ルオキシ)イソプロピルベンゼンのようなジアルキルペ
ルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、p−クロロベン
ゾイルペルオキシド、m−クロロベンゾイルペルオキシ
ド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ラウロ
イルペルオキシドのようなジアシルペルオキシド、過安
息香酸−t−ブチルのような過酸エステル、過ジ炭酸ジ
イソプロピル、過ジ炭酸ジ−2−エチルヘキシルのよう
なペルオキシジカーボネート、1,1−ジ(t−ブチル
ペルオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチル
ペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン
のようなペルオキシケタール等を挙げることができる。
【0038】また、遷移金属触媒としても特に限定され
ず、例えば、白金単体、アルミナ、シリカ、カーボンブ
ラック等の担体に白金固体を分散させたもの、塩化白金
酸、塩化白金酸とアルコール、アルデヒド、ケトン等と
の錯体、白金−オレフィン錯体、白金(0)−ジアリル
テトラメチルジシロキサン錯体が挙げられる。白金化合
物以外の触媒の例としては、RhCl(PPh33,R
hCl3,RuCl3,IrCl3,FeCl3,AlCl
3,PdCl2・H2O,NiCl2,TiCl4等が挙げ
られる。これらの触媒は単独で用いてもよく、2種類以
上を併用してもかまわない。触媒量としては特に制限は
ないが、(A)成分のアルケニル基1molに対し、1
-1〜10-8molの範囲で用いるのが良く、好ましく
は10-3〜10-6molの範囲で用いるのがよい。10
-8molより少ないと硬化が十分に進行しない。またヒ
ドロシリル化触媒は高価であるので10-1mol以上用
いないのが好ましい。これらのうち、相溶性、架橋効
率、スコーチ安定性の点で、白金アリルシロキサンが最
も好ましい。
【0039】ゴム成分(b)としては、天然ゴム、ジエ
ン系重合体ゴム、オレフィン系重合体ゴムが例示され
る。ジエン系重合体ゴムとしては、イソプレンゴム、ブ
タジエンゴム、1,2−ポリブタジエン、スチレン−ブ
タジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴムが例示
される。オレフィン系ゴムとしては、ブチルゴム、塩素
化ブチルゴム、臭素化ブチルゴム、エチレン−プロピレ
ン−ジエンゴムが例示される。この中でジエン化合物の
単独重合体またはジエン化合物と芳香族ビニル系化合物
の共重合体であることが特に好ましい。本発明のゴム組
成物は、上記の他に、通常、ゴム業界で用いられてい
る、充填剤、可塑剤、加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤
等の配合剤をその目的、用途に合わせ、適宜配合するこ
とができる。充填剤としては、カーボン・ブラック、シ
リカ、フィラー、炭酸カルシウム、マイカ、フレークグ
ラファイト等が例示される。可塑剤としては、パラフィ
ン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香
族系プロセスオイルなどの石油系プロセスオイル、フタ
ル酸ジエチル、フタル酸ジオクチル、アジピン酸ジブチ
ルなどの二塩基酸ジアルキル、液状ポリブテン、液状ポ
リイソプレンなどの低分子量液状ポリマーが例示され、
なかでも、ゴム成分との相溶性から、液状ポリブテン、
液状ポリイソプレン、芳香族系プロセスオイルが好まし
い。加硫剤としては、硫黄、フェノール樹脂、金属酸化
物、過酸化物等が例示される。これらは、通常、ゴム成
分100重量部に対し、約0.5〜10部使用される。
加硫促進剤としては、2,2−ジチオビスベンゾチアゾ
ール、1,3−ジフェニルグアニジン、テトラメチルチ
ウラムジスルフィド、亜鉛ジメチルチオカルバメート、
メルカプトベンゾチアジルジスルフィドが例示される。
これらは、通常、ゴム成分100重量部に対し、約0.
2〜5部使用される。
【0040】これら、末端にアルケニル基が導入された
イソブチレン系ブロック共重合体(a)の架橋剤と、ゴ
ム成分(b)の加硫剤とを、適宜、選択し、組み合わせ
て使用することで、それぞれを単独で架橋させること
や、あるいは共架橋させることが可能である。
【0041】ウエットグリップ性は、タイヤの表面近傍
の変形に依存している考えられている。この表面近傍の
変形は、非常に高い周波数の振動であることがわかって
おり、温度周波数換算を用いると、 ウエットグリップ
性は、10Hzにおいて、−20℃〜0℃のtanδで
表される。一方、転がり抵抗は50℃付近で10〜10
0Hz前後の振動であるので、10Hzにおいて、30
℃〜50℃のtanδで表される。したがって、−20
℃〜0℃のtanδを大きくし、30℃〜50℃のta
nδを小さくする、すなわち、tanδの温度依存性を
大きくしてやれば、ウエット制動力と転がり抵抗を両立
できる。
【0042】本発明に使用される末端にアルケニル基が
導入されたイソブチレン系ブロック共重合体(a)は、
イソブチレン骨格からなるブロックが存在するため、1
0Hzにおいて−20℃〜0℃に大きなtanδピーク
があり、また、芳香族ビニル系化合物からなるブロック
が凝集相を形成しているため、30℃〜50℃において
は、ゴム状平坦領域と呼ばれるtanδの低い領域であ
るため、ウエットグリップ性および転がり抵抗に効果が
ある。
【0043】本発明に使用される末端にアルケニル基が
導入されたイソブチレン系ブロック共重合体(a)の配
合量は、特に限定されず、目的に応じて適宜選択するこ
とができるが、例えばトレッド用ゴム組成物に用いる場
合、ゴム成分に100重量部に対し、1〜40重量部配
合することが好ましい。1重量部よりも少ない場合、ウ
エットグリップ性と転がり抵抗の改善効果が得にくくな
り、40重量部を越えると転がり抵抗や耐摩耗性が悪化
し、タイヤとしてのバランスが損なわれる傾向にあるた
め好ましくない。
【0044】本発明のゴム組成物の調製方法は従来ゴム
業界で行われている方法を採用すればよく、例えば、先
ず、末端にアルケニル基が導入されたイソブチレン系ブ
ロック共重合体(a)および架橋剤、ゴム成分(b)お
よび加硫剤、加硫促進剤以外の各種配合剤を、タンブラ
ー、ヘンシェルミキサー、リボブレンダー等で混合した
後、押出機、バンパリー、ロール等で混練する。このと
き、混練温度は、末端にアルケニル基が導入されたイソ
ブチレン系ブロック共重合体(a)とゴム成分(b)の
配合比によって、室温〜200℃で適宜変更することが
望ましい。これは、末端にアルケニル基が導入されたイ
ソブチレン系ブロック共重合体の芳香族ビニル系化合物
を単量体とする重合体ブロックのガラス転移温度が通常
100℃以上であるため、配合物中の末端にアルケニル
基が導入されたイソブチレン系ブロック共重合体(a)
の割合が高い場合、各成分が十分に混り合わないからで
ある。したがって、(a)の配合量が高い場合ほど、高
い温度で混練することが好ましい。加硫ゴムを得ようと
する場合、混練後、架橋剤、加硫剤及び加硫促進剤を加
えてさらに上記の装置を用いて混練する。このとき、混
練温度は、加硫剤の反応を抑制する目的で80℃〜12
0℃で行うことが望ましい。さらに、必要に応じ、プレ
ス機や射出成型機等を用いて該ゴム組成物を成型および
架橋することができる。
【0045】本発明のゴム組成物を用いてなるタイヤの
構造、サイズは特に限定されず、必要に応じて選択する
ことができる。本発明の目的である転がり抵抗とウエッ
トグリップ性のバランスが最も要求されるのは、乗用車
用のタイヤであり、これに用いることが望ましい。ま
た、タイヤトレッドが多層構造を有する場合、少なくと
も、その最外層に本発明のゴム組成物を用いることが好
ましい。
【0046】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに具体的に説
明する。尚、本発明はこれらの実施例によって何ら限定
されるものではなく、その要旨を変更しない範囲におい
て適宜変更実施可能である。
【0047】(アクロン摩耗試験) JIS K 6264A−1に従い、摩耗容積(cm3
/1000回)を測定し、比較した。(1000回、回
転させた時の摩耗量) (製造例1)[スチレン−イソブチレン−スチレン−ト
リブロック共重合体の製造] 攪拌機付き2L反応容器に、メチルシクロヘキサン(モ
レキュラーシーブスで乾燥したもの)570mL、n−
ブチルクロライド(モレキュラーシーブスで乾燥したも
の)590mL、ジクミルクロライド0.400gを加
えた。反応容器を−70℃に冷却した後、α−ピコリン
(2−メチルピリジン)0.34mL、イソブチレン1
74mLを添加した。さらに四塩化チタン10.3mL
を加えて重合を開始し、−70℃で溶液を攪拌しながら
2.0時間反応させた。次いで反応溶液にスチレン58
mLを添加し、さらに60分間反応を続けた後、大量の
メタノールを添加して反応を停止させた。反応溶液から
溶剤等を除去した後に、重合体をトルエンに溶解して2
回水洗した。このトルエン溶液をメタノール混合物に加
えて重合体を沈殿させ、得られた重合体を60℃で24
時間真空乾燥することによりイソブチレン系ブロック共
重合体を得た(以下、SIBSと略す)。
【0048】得られたイソブチレン系ブロック共重合体
の数平均分子量は98,000、分子量分布は1.15
で、重合体中のスチレン含量は29重量%であった。数
平均分子量はWaters社製510型GPCシステム
(溶媒としてクロロホルムを使用し、流量は1mL/分
とした)により測定し、ポリスチレン換算の値を示し
た。重合体中のスチレン含量は1HNMRスペクトルの
積分比より算出した。
【0049】(製造例2)[末端にアルケニル基が導入
されたスチレン−イソブチレン−スチレン−トリブロッ
ク共重合体(ARSIBS)の製造) 2Lのセパラブルフラスコの重合容器内を窒素置換した
後、注射器を用いて、n−ヘキサン(モレキュラーシー
ブスで乾燥したもの)456.1mL及び塩化ブチル
(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)656.5m
Lを加え、重合容器を−70℃のドライアイス/メタノ
ールバス中につけて冷却した後、イソブチレンモノマー
201mL(2132mmol)が入っている三方コッ
ク付耐圧ガラス製液化採取管にテフロン(登録商標)製
の送液チューブを接続し、重合容器内にイソブチレンモ
ノマーを窒素圧により送液した。p− ジクミルクロラ
イド2.6g(11.2mmol)及びN,N−ジメチ
ルアセトアミド1.22g(14mmol)を加えた。
次にさらに四塩化チタン9.9mL(90.0mmo
l)を加えて重合を開始した。重合開始から1.5時間
同じ温度で撹拌を行った後、重合溶液からサンプリング
用として重合溶液約1mLを抜き取った。続いて、あら
かじめ−70℃に冷却しておいたスチレンモノマー52
g(499mmol)、n−ヘキサン23.9mLおよ
び塩化ブチル34.3mLの混合溶液を重合容器内に添
加した。該混合溶液を添加してから45分後に、アリル
トリメチルシラン12ml(10.0mmol)を加え
た。そのままの温度で60分攪拌した後、約40mLの
メタノールを加えて反応を終了させた。反応溶液から溶
剤等を留去した後、トルエンに溶解し2回水洗を行っ
た。さらにトルエン溶液を多量のメタノールに加えて重
合体を沈殿させ、得られた重合体を60℃で24時間真
空乾燥することにより目的のブロック共重合体を得た。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPB)法
により得られた重合体の分子量を測定した。スチレン添
加前のイソブチレン重合体のMnが10500、Mw/
Mnは1.40であり、スチレン重合後のブロック共重
合体のMnが15000、Mw/Mnが1.50である
ブロック共重合体が得られた。
【0050】(実施例1〜2)スチレン−ブタジエン共
重合体ゴム(JSR0120、JSR社製、以下SBR
と略す。製造例で製造したARSIBSおよびその他の
配合剤を、表1および表2に示した配合比で、170℃
に設定したラボプラストミル(東洋精機社製)で15分
間混練してゴム組成物を得た。該ゴム組成物を170℃
で圧縮成形し、シートを作製した。成形性は極めて良好
であった。該シートから縦6mm×横5mm×厚さ2m
mの試験片を切り出し、動的粘弾性測定装置DVA−2
00(アイティー計測制御社製)を用い、0℃、40℃
での損失正接tanδを測定した。測定周波数は10H
zとした。また、アクロン摩耗試験により耐摩耗性を測
定した。
【0051】(比較例1)比較例としてARSIBSを
一切加えず、SBRを150℃で圧縮成形し、シートを
作製した。実施例1〜2と同様にして、0℃および40
℃での損失正接tanδを測定した。また、アクロン摩
耗試験により耐摩耗性を測定した。
【0052】(比較例2)比較例としてARSIBSの
代わりにSEBSを加えて、150℃に設定したラボプ
ラストミル(東洋精機社製)で15分間混練した。該ゴ
ム組成物を150℃で圧縮成形し、シートを作製した。
実施例1〜2と同様にして、0℃および40℃での損失
正接tanδを測定した。また、アクロン摩耗試験によ
り耐摩耗性を測定した。
【0053】(耐摩耗性の評価基準) ○:耐摩耗性が変化しない。 △:耐摩耗性がやや低下する。 ×:耐摩耗性が著しく低下する。
【0054】(比較例3)比較例としてARSIBSの
代わりにSIBSを加えて、170℃に設定したラボプ
ラストミル(東洋精機社製)で15分間混練した。該ゴ
ム組成物を150℃で圧縮成形し、シートを作製した。
実施例1〜3と同様にして、0℃および40℃での損失
正接tanδを測定した。また、アクロン摩耗試験によ
り耐摩耗性を測定した。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】 実施例1〜2では、ARSIBSの添加により、SBR
単独(比較例1)よりも0℃でのtanδが高く、すな
わちウエットグリップ性が改善されており、また、同時
に耐摩耗性も優れた値を示すことがわかる。また、40
℃でのtanδは、SBR単独と比較し、ほぼ同じか、
若干、高くなる程度で、すなわち、SBR単体と同等の
転がり抵抗を有している。また、ARSIBSの代わり
にSEBS(G1650、シェル社製)を用いた場合
(比較例2)、 SBR単独(比較例1)と比較して、
0℃でのtanδが低下し、ウエットグリップ性が低下し
ている。また、40℃でのtanδが上昇し、すなわち
転がり抵抗が悪化している。また、ARSIBSのかわ
りに、SIBS、SEBSを用いた場合、耐摩耗性が劣
ることがわかる。
【0057】
【発明の効果】本発明のゴム組成物は、従来タイヤに用
いられてきたゴム成分にアルケニル末端を有するイソブ
チレン系トリブロック共重合体を配合することにより、
転がり抵抗とウエットグリップ性、さらには耐摩耗性と
いった特性のバランスに優れた空気入りタイヤとして使
用できる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)イソブチレンを単量体とする重合体
    ブロックと芳香族ビニル系化合物を単量体とする重合体
    ブロックからなるブロック共重合体であって、末端にア
    ルケニル基を有するブロック共重合体と(b)天然ゴ
    ム、ジエン系重合体ゴム及びオレフィン系重合体ゴムか
    ら選択される少なくとも1種のゴム成分とを含有するこ
    とを特徴とするトレッドゴム組成物。
  2. 【請求項2】更に、ブロック共重合体(a)を架橋でき
    る架橋剤を含有する請求項1記載のトレッドゴム組成
    物。
  3. 【請求項3】ゴム成分(b)がジエン化合物の単独重合
    体またはジエン化合物と芳香族ビニル系化合物の共重合
    体である請求項1記載のトレッドゴム組成物。
  4. 【請求項4】ゴム成分(b)100重量部に対し、ブロ
    ック共重合体(a)を1重量部から40重量部配合する
    ことを特徴とする請求項1または2記載のトレッドゴム
    組成物。
  5. 【請求項5】ブロック共重合体(a)が、芳香族ビニル
    系化合物を単量体とする重合体ブロック−イソブチレン
    を単量体とする重合体ブロック−芳香族ビニル系化合物
    を単量体とする重合体ブロックからなるトリブロック共
    重合体である請求項1〜3記載のトレッドゴム組成物。
  6. 【請求項6】ブロック共重合体(a)の数平均分子量が
    100,000以下である請求項1〜4記載のトレッド
    ゴム組成物。
  7. 【請求項7】請求項1〜6記載のトレッドゴム組成物を
    用いてなる空気入りタイヤ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014041167A1 (fr) * 2012-09-17 2014-03-20 Compagnie Generale Des Etablissements Michelin Pneumatique pourvu d'une bande de roulement comprenant un élastomère thermoplastique et du noir de carbone
US9849727B2 (en) 2011-05-12 2017-12-26 Compagnie Generale Des Etablissements Michelin Tire provided with a tread comprising a thermoplastic elastomer

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FR2995559A1 (fr) * 2012-09-17 2014-03-21 Michelin & Cie Pneumatique pourvu d'une bande de roulement comprenant un elastomere thermoplastique et du noir de carbone
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