JP2003011355A - 超高濃度インク対応インクジェット記録方法及び装置 - Google Patents

超高濃度インク対応インクジェット記録方法及び装置

Info

Publication number
JP2003011355A
JP2003011355A JP2001195013A JP2001195013A JP2003011355A JP 2003011355 A JP2003011355 A JP 2003011355A JP 2001195013 A JP2001195013 A JP 2001195013A JP 2001195013 A JP2001195013 A JP 2001195013A JP 2003011355 A JP2003011355 A JP 2003011355A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
ejection port
control electrode
density
jet recording
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001195013A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Furukawa
弘司 古川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP2001195013A priority Critical patent/JP2003011355A/ja
Publication of JP2003011355A publication Critical patent/JP2003011355A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 滲みが少なく、階調再現性が良好であり吐出
方向が安定し、乾燥速度が速い、高画質・高生産性のイ
ンクジェット記録装置を提供する。 【解決手段】 吐出口2を有するインク室に設けられて
画像データ信号に基づき剪断モードで駆動する圧電素子
で構成した圧力発生手段3と、圧力発生手段3の作動に
よってインク室のインクを吐出口2から吐出する記録ヘ
ッドにおいて、吐出口2の近傍に一方のインク濃度制御
電極5aを、吐出口2の反対側壁面に他方のインク濃度
制御電極5bを設け、かつ、インク濃度制御電極への印
加電圧を制御する濃度制御用電圧制御部を備えて、超高
濃度のインクを使用するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、剪断モードで駆動
する圧電素子によってインクを吐出するインクジェット
記録装置に関し、さらに詳細には溶媒中に粒子を超高濃
度に分散したインクを使用できるインクジェット記録装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は現像工程等の
処理が必要なく、記録ヘッドのサイズが小さいため記録
装置の小型化を容易に行うことが可能であり、広く実用
化されている。従来のインクジェット記録方式として、
電気信号に応じて変形するピエゾ素子を用いたもの、電
気信号に応じて発熱する発熱抵抗体を用いたもの、電気
信号による静電力を用いたもの等がある。これらにはそ
れぞれ一長一短がある。例えば、電気信号による静電力
を用いたインクジェット方式においては、電子通信学会
論文誌’83/1、Vol.J66−C、No.1,p
51に、隣接チャンネル間の電界干渉のため、記録電極
間隔が狭いと記録画素位置の変位量が大きくなってしま
うという問題が記載されており、記録画素位置の記録電
極間隔を広くすることによって変位量が小さくなること
が記載されている。
【0003】さらに、前記すべてのインクジェット記録
方式について言えることは、これらどのインクジェット
記録方式も、インク吐出部からのインク溶媒の蒸発に起
因するインク粘度の上昇やインクの固化により、描画不
良が発生するという問題を抱えているということであ
る。このため、インクジェット記録装置には印刷を行わ
ない場合にはインク吐出口を封止するための手段と、必
要に応じて吐出口をクリーニングする手段を備えてい
る。このような問題に対し、特開平11−192732
号公報によれば、記録ヘッドに描画とは関係なく、イン
クの目詰まりを防止するため、一定周期ごとにインクを
吐出する方法が開示されており、特開2000−127
417号公報では、吐出口のクリーニング方法に関する
技術が開示されている。このようなインクジェット記録
方式に用いられるインクは上記問題のため、染料または
顔料を色剤として含む水系あるいは有機溶媒を多く含
み、インクの粘度が低く、粒子濃度が低いインクを使用
している。このため、このようなインクを使用したイン
クジェット記録方式では画像の滲みが発生し、高画質・
高解像度の画像を形成することが難しく、また、画像形
成部の乾燥に時間を要するため、生産性を向上すること
が難しかった。
【0004】一方、画像の滲みが少なく、乾燥速度が速
く、高画質・高生産性のインクジェット記録方式を達成
するため、溶媒中に粒子を分散させたインクが特許第3
000672号公報、特開2000−63723号公報
に開示されている。すなわち、前記インク画像の滲みが
少なく、乾燥性を速くするには、粒子濃度を高くするこ
とが有効であるが、しかし、従来のインクジェット記録
方式に、粒子濃度を高くしすぎたインクを適用すると吐
出部でインクの目詰まりが生じてしまい、良好な描画を
行うことができない。したがって、粒子濃度を高くする
にしても吐出部でインクの目詰まりが生じない程度の濃
度という上限があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点に着目してなされたものであり、その目的はインクを
吐出するインクジェット記録装置において、上記の上限
を超える高濃度のインクが使えてしかも目詰まりを起こ
さないインクジェット記録装置を提供することであり、
したがって、滲みが少なく、乾燥速度が速い、高画質・
高生産性のインクジェット記録が行えることとなる。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1記載の超高濃度インク対応インクジェッ
ト記録方法の発明は、画像データ信号に基づき剪断モー
ドで駆動する圧電素子に電気信号を印加することによっ
てインクを吐出口から受像シートに向けて吐出し、該受
像シート上に画像を形成するインクジェット記録方法に
おいて、前記インクとして、インクの吐出停止が長くな
ると吐出口でインクの目詰まりを起こすほどに超高濃度
の粒子を溶媒中に分散したインクを使用し、かつ、イン
クの吐出停止時に前記吐出口近傍における前記インクの
濃度を大幅に下げることを特徴とする。請求項2記載の
超高濃度インク対応インクジェット記録装置の発明は、
吐出口を有するインク室と、該インク室壁面の少なくと
も一部を、画像データ信号に基づき電気信号が印加され
る剪断モードで駆動する圧電素子で構成した圧力発生手
段と、を有し、前記圧力発生手段の作動によって前記イ
ンク室のインクを前記吐出口から吐出する記録ヘッドに
おいて、前記吐出口近傍にインク濃度制御電極を設け、
かつ、該インク濃度制御電極への印加電圧を制御する濃
度制御用電圧制御部を備えたことを特徴とする。請求項
3記載の発明は、請求項2記載のインクジェット記録装
置において、インクジェット記録時に、インクを吐出し
ない場合には、前記濃度制御用電圧制御部が、前記イン
ク濃度制御電極が前記粒子を前記吐出口から遠ざける方
向の電界を形成するように、該インク濃度制御電極への
印加電圧を制御することを特徴とする。請求項4記載の
発明は、請求項2記載のインクジェット記録装置におい
て、電源遮断後も前記濃度制御用電圧制御部が、前記濃
度制御用電極が前記粒子を前記吐出口から遠ざける方向
に電界を形成するように、該インク濃度制御電極への印
加電圧を制御することを特徴とする。請求項5記載の発
明は、請求項4記載のインクジェット記録装置におい
て、前記濃度制御用電圧制御部は電源遮断後に一定の電
圧を前記濃度制御用電極に与え続けるためのコンデンサ
を備えたことを特徴とする。その他の好ましい態様とし
ては、請求項2〜5のいずれか1項記載のインクジェッ
ト記録装置において、前記吐出口の出口近傍に第1の飛
翔電極と、吐出したインク液滴を受像する受像シートの
受像面の背面側に第2の飛翔電極とを備えるようにする
と良い。また、上記インクジェット記録装置において、
前記超高濃度インクの濃度が約10質量%以上である場
合に有効である。さらに、上記のインクジェット記録装
置において、前記記録ヘッドに記録ヘッドの温度を検出
する温度検出手段と、検出した温度に応じて前記インク
ジェット記録ヘッドを加熱もしくは冷却を行う温度調節
手段を備えるようにすると良い。このように、吐出口か
らインクを吐出しない場合には粒子が吐出口から遠ざか
る方向への電界をかけることによって、吐出口近傍の粒
子濃度が低下するため、高粒子濃度のインクを適用して
も、吐出口でのインクの目詰まりが生じることがなくな
り、滲みが少なく、乾燥速度が速い、高画質・高生産性
のインクジェット記録装置を提供することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。その前に、本発明が対象としている
従来のインクジェット記録装置の構成および動作原理に
ついて、まず図6を用いて説明する。このインクジェッ
ト記録装置は、インクを収容するインクタンク1から連
通する吐出部の一部に吐出口2が形成され、吐出部内の
吐出口2に対向する位置に吐出手段30が設けられてい
る。吐出手段30はここではピエゾ素子を用いている。
そして、図示しない制御手段により、画像データ信号に
基づいた電気信号が吐出手段30に印加されると、吐出
手段30の可動部が可動して、吐出口2からインク液滴
6が吐出される。吐出したインク液滴6は空間を飛翔し
て受像シート(普通紙等も含む)7に着弾する。画像形
成を行う際には受像シート7は、受像シートを固定し移
動させる手段(回転ドラム、平面プレート等)によって
移動し、移動している受像シートにインク液滴を吐出す
ることによって画像を形成する。使用するインクは、粒
子4を溶媒中に分散したインクを用いている。
【0008】図6のようなインクジェット記録装置を用
いた場合、粒子濃度が低い場合には吐出口2の目詰まり
もなく、良好に描画を行うことが可能であったが、粒子
濃度が高くなるに従い、吐出口2の目詰まりが発生しや
すくなった。例えば、10質量%以上の粒子濃度のイン
クを用いた場合、停止時間が長くなると目詰まりが生じ
てしまい、さらに20質量%以上の粒子濃度のインクを
用いた場合は停止時間が短くても吐出口2の目詰まりが
起き、描画を行うことが不可能であった。
【0009】次に図1〜図3を用いて本発明の第1の実
施の形態を説明する。図1に図示の本発明のインクジェ
ット記録装置は図6の従来のインクジェット記録装置に
比べ、吐出口近傍に粒子の濃度を制御する濃度制御電極
が設けられている点、可動素子が吐出口2近傍に剪断モ
ードで動作するように配置されている点が大きく異な
り、それ以外はほぼ同一である。図1において、1はイ
ンクタンク、2は吐出口、4は粒子、5(5a、5b)
は濃度制御電極、6はインク、61はインク液滴、7は
受像シート、普通紙等、8はコンデンサである。吐出口
2は図1において1個だけ見えるが、実は紙面に垂直な
方向に多数配置されて、マルチヘッドを構成している。
また、図1には現れていないがインク6を吐出口2から
吐出させるための吐出手段3が各吐出口2を挟んで紙面
に垂直な方向の前後に配設されている(図5参照)。こ
のようなインクジェット記録装置において、インク6を
収容するインクタンク1から連通する吐出部の一部に吐
出口2が形成され、吐出部内の吐出口2の近傍に、後述
する圧力発生手段3(図5)としての圧電素子が剪断モ
ードで駆動されるように配置されており、図示しない制
御手段により、画像データ信号に基づいた電気信号が圧
力発生手段3に印加されると、圧力発生手段3の可動部
が可動して、吐出口2からインク液滴6が吐出される。
さらに、吐出口2近傍には粒子4の濃度を制御する濃度
制御電極5が設けられている。濃度制御電極5は、吐出
口2側に吐出口2側を囲むように設けられた電極5a
と、吐出口2とは反対側の壁面設けられた電極5bとか
ら構成される平行平板電極となっている。この濃度制御
電極5には濃度制御手段(図示なし)によって電圧が印
加されるものである。画像形成時は濃度制御電極5には
電圧は印加されない。したがって、インク6の濃度は図
1のようにインクのどの場所でも均一の超高濃度となっ
ている。そして、画像形成をしない場合には、帯電した
粒子4が吐出口2から遠ざかる方向に電界を形成するよ
うに濃度制御電極5に電圧が印加される。すなわち、粒
子4がプラス荷電であるとすれば、吐出口2側の電極5
aをプラス側にし、電極5bをマイナス側に電圧印加す
ると、インク中の粒子4は吐出口2から離れ、その結
果、図2のように、吐出口2近傍には粒子4はなくな
り、溶媒だけが充満するため、濃度インクの濃度が約1
0質量%以上の粒子の超高濃度のインクを画像形成を行
なわずに長時間放置しておいても、吐出口2の目詰まり
は発生しなくなる。
【0010】次に、前述の圧力発生手段3の構成および
作動について図5を用いて説明する。図5は本発明の記
録ヘッドの一部断面による要部の俯瞰図であり、本来充
満されるべきインクを抜いた状態で示している。同図に
おいて、2は吐出口、21はインク供給部、22はイン
ク保持部、3は圧力発生手段、31はその壁面、32は
該壁面31の両面の少なくとも一部を覆うように設けら
れた駆動電極である。すなわち、インク保持部22の少
なくともインク6に接する圧力発生手段3の壁面31は
この壁面31に平行な方向に分極処理された圧電性材料
で構成されており、この圧電性材料をせん断モードで駆
動するためその分極方向に垂直な方向の電界が印加でき
るように隔壁31両面の少なくとも一部を覆うように駆
動電極32が設けられている。ここでは壁面31(図示
されない裏面も含め)の上半分を覆うように駆動電極3
2を設けている。インク6と接する該駆動電極32の表
面はインク6の腐食から保護されるようにコート層を有
しても良い。
【0011】以上のような装置において、描画に際して
は、吐出を行う吐出口2a(図5)に連通したインク保
持部22aを挟む2つの隔壁31a、31a’のそれぞ
れの両面に配置された駆動電極32a、32a’に、画
像信号に基づく電気信号を図示しない制御手段により加
えることによって、インク保持部22aを挟む2つの壁
面31a、31a’がそれぞれ矢印方向に変型し、それ
によって強い圧力が発生してインク保持部22aのイン
クを押圧する。押圧されたインク保持部22aのインク
は、吐出口2aよりインク液滴61(図1)となって吐
出し、受像シート7上に飛着する。画像形成を行う際に
は受像シート7は受像シートの位置を規定し移動させる
手段(図示なし)によって移動し、移動している受像シ
ート7にインク液滴を吐出することによって画像を形成
する。また、壁面31a、31a’に発生した圧力は吐
出口2aと反対方向にも伝搬するが、反対側壁面により
その大部分が到来した方向に反射されるので、インク供
給部21で互いに連通するインク保持部22の隣の隣接
インク保持部22へ移動することは少なく、したがって
互いのクロストークは抑えられる。
【0012】吐出口2は好ましくはノズルプレートに開
口部を設けることにより形成されるが、インク保持部2
2の開口部分を望ましい大きさにすればノズルプレート
は設けなくても良い。
【0013】ここで、本発明に用いられるインクについ
て詳しく説明する。本発明に供されるインクは、溶媒中
に少なくとも粒子を分散してなるものであり、分散され
る粒子は有機粒子であっても無機粒子であってもかまわ
ない。本発明のインクに用いる溶媒に関して特に制限は
ないが、固有電気抵抗104Ωcm〜1015Ωcm、比
誘電率2.0〜80のものが好ましい。これは極端に固
有抵抗値が低くなると、電源遮断後に形成した電界が消
失することによって粒子濃度勾配を維持でき難くなるた
めであり、また、極端に誘電率が高くなると溶媒の分極
により電界が緩和され、粒子濃度制御を行い難くなるた
めである。溶媒の粘度は5cP〜10cP、表面張力は
19〜74dyne/cm(kN/m)のものが好まし
い。上記溶媒中に分散される粒子は、着色粒子であって
も無着色粒子であってもかまわない。着色粒子を用いる
場合は、色材自身を分散粒子として溶媒中に分散ささせ
てもよいし、他の分散粒子、例えば、樹脂粒子中に含有
させてもよい。含有させる場合、顔料などは分散樹脂粒
子の樹脂材料で被覆して樹脂被覆粒子とする方法などが
一般的であり、染料などは分散樹脂粒子を着色して着色
粒子とする方法などが一般的であある。
【0014】色材としては、従来からインク組成物ある
いは印刷の技術分野で一般に用いられている顔料および
染料であればどれでも使用可能である。顔料としては、
無機顔料、有機顔料を問わず、印刷の技術分野で一般に
用いられているものを使用することができる。具体的に
は、例えば、カーボンブラック、カドミウムレッド、モ
リブデンレッド、クロムイエロー、カドミウムイエロ
ー、チタンイエロー、酸化クロム、ビリジアン、コバル
トグリーン、ウルトラマリンブルー、プルシアンブル
ー、コバルトブルー、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔
料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、ジ
オキサジン系顔料、スレン系顔料、ペリレン系顔料、ペ
リノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キノフタロン系顔
料、金属錯体顔料、等の従来公知の顔料を特に限定する
ことなく用いることができる。
【0015】染料としては、アゾ染料、金属錯塩染料、
ナフトール染料、アントラキノン染料、インジゴ染料、
カーボニウム染料、キノンイミン染料、キサンテン染
料、アニリン染料、キノリン染料、ニトロ染料、ニトロ
ソ染料、ベンゾキノン染料、ナフトキノン染料、フタロ
シアニン染料、金属フタロシアニン染料、等の染料を特
に限定することなく用いることができる。これらの顔料
および染料は、単独で用いてもよいし、適宜組み合わせ
て使用することも可能である。
【0016】本発明に供されるインク中には、前記の着
色粒子とともに、印刷後の画像の定着性を向上させるた
めの分散樹脂粒子を含有させて用いても良い。本発明の
溶媒中に、分散された着色粒子、更には樹脂粒子等を含
めて、これらの粒子の平均粒径は0.05μm〜5μm
が好ましい。より好ましくは、0.1μm〜1.5μm
であり、更に好ましくは0.1μm〜1.0μmの範囲
である。
【0017】本発明のインク中の粒子は、好ましくは正
荷電または負荷電の検電性粒子である。粒子に検電性を
付与するには、湿式静電写真用現像剤の技術を適宜利用
することで達成可能である。具体的には、「最近の電子
写真現像システムとトナー材料の開発・実用化」139
〜148頁、電子写真学会編「電子写真技術の基礎と応
用」497〜505頁(コロナ社、1988年刊)、原
崎勇次「電子写真」16(No.2)、44頁(197
7年)等に記載の検電材料および他の添加剤を用いるこ
とで行なわれる。好ましい検電材料としては、金属石鹸
類、有機リン酸又はその塩類、有機スルホン酸又はその
塩類、両性界面活性剤などが挙げられる。例えば、金属
石鹸類としては、炭素数6〜24の脂肪酸(例えば、2
−エチルヘキシン酸、2−エチルカプロン酸、ラウリル
酸、パラミチン酸、エライジン酸、リノレイン酸、リシ
ノール酸、オレイン酸、ステアリン酸、エナント酸、ナ
フテン酸、エチレンジアミン四酢酸、等)、樹脂酸、ジ
アルキルコハク酸、アルキルフタル酸、アルキルサリチ
ル酸等の金属塩(金属イオンの金属として、Na、K、
Li、B、Al、Ti、Ca、Pb、Mn、Co、Z
n、Mg、Ce、Ag、Cd、Zr、Cu、Fe、B
a、等)(例えば、米国特許3411936号、同39
00412号、特公昭49−27707号、特開昭51
−37651号、同52−38937号、同52−10
7837号、同53−123138号、等に記載)が挙
げられる。
【0018】有機リン酸又はその塩類としては、炭素数
3〜18のアルキル基からなるモノ、ジ、もしくはトリ
アルキルリン酸又はジアルキルジチオリン酸等(例え
ば、英国特許1411739号、同1276363号、
等に記載)が挙げられる。有機スルホン酸あるいはその
塩類としては、長鎖脂肪族スルホン酸、長鎖アルキルベ
ンゼンスルホン酸、ジアルキルスルホコハク酸等あるい
はその金属塩等(例えば、特公昭47−37128号、
特開昭53−123138号、同51−47437号、
同50−79640号、同53−30340号等に記
載)が挙げられる。
【0019】両性界面活性剤としては、レシチン、ケフ
ァリン等のリン脂質(例えば、特公昭51−47046
号、等に記載)、炭素数8以上のアルキル基含有のβ−
アラニン類(例えば、特開昭50−17642号、特公
昭51−47046号、特開昭49−17741号、等
に記載)、β−ジケトン類の金属錯体(例えば、特公昭
49−27707号、等に記載)、マレイン酸半アミド
成分を有する共重合体(例えば、特公平6−19596
号、同6−19595号、等に記載)が挙げられる。こ
れら検電材料は、単独もしくは2種以上を組み合わせて
用いることが出来る。
【0020】検電材料は、担体液体である分散溶媒10
00質量部に対して0.001〜1.0質量部程度用い
るのが好ましい。更に所望により各種添加物を加えても
良い。添加物の総量はインクの固有電気抵抗、粘度、あ
るいは表面張力によってその上限が規制される。即ち、
インクの固有電気抵抗が104 Ωcm〜1015Ωcm程
度、比誘電率が2.0〜80程度、粘度が5cP〜30
cP程度、表面張力が19〜74dyne/cm(kN
/m)程度となるように調節することが望ましい。
【0021】画像形成を行う際には受像シート7は、受
像シート7を固定し移動させる手段(回転ドラム、平面
プレート等)によって移動し、移動している受像シート
7にインク液滴6を吐出することによって画像を形成す
る。図1では、図6のインクジェット記録装置に比べて
粒子濃度が高いインクを用いているため、描画した画像
は滲みにくく、乾燥速度が速かった。
【0022】画像形成をしない場合には、前記粒子4が
吐出口2から遠ざかる方向に電界を形成するように濃度
制御電極5に電圧を印加した。すなわち、粒子4がプラ
ス荷電であれば、吐出口2側の電極5a、5aをプラス
側にし、電極5bをマイナス側にすると、粒子4は吐出
口2から反発力を受け、電極5b側から吸引力をうける
ので、粒子4は吐出口2から離れて集まる。この結果、
吐出口2近傍には粒子4は少なくなり、溶媒だけが充満
するため、濃度インクの濃度が約10質量%以上の粒子
の超高濃度のインクを用いて長時間画像形成を行なわな
くても、吐出口2の目詰まりは発生しなかった。さら
に、粒子濃度が20質量%以上の超高濃度インクを使用
しても良好に描画を行うことが可能であった。これは、
図2に示すように、濃度制御電極5によって形成された
電界により、吐出口2近傍の粒子濃度が低下しているた
めと考えられる。また、粒子4がマイナス荷電であれ
ば、以上の説明の逆の電圧を与えればよい。
【0023】さらに、電源遮断後も濃度制御電極5に粒
子4が記吐出口2から遠ざかる方向の電界を維持するた
め、濃度制御電極5には電界維持装置が接続されてい
る。電界維持装置には電源遮断後も一定の電圧を維持で
きるものとして最適であるコンデンサ8を用いた。
【0024】ここで考えられることは、本発明のような
超高濃度のインクは使用せずに、常態では吐出口2の目
詰まりが発生しない程度の濃度のインクを使用して、イ
ンクを吐出する場合に粒子を吐出口2へ近づける方向の
電界を形成して吐出口2近傍のインク濃度を超高濃度に
高めて、吐出させるようにすることである。特開平8−
142331号公報にはこのようなインクジェット記録
装置が開示されている。この方法でも、確かに本発明と
同じく、吐出口2でのインクの目詰まりが生じることが
なく、滲みが少なく、乾燥速度が速い、高画質・高生産
性のインクジェット記録が可能となる。
【0025】しかしながら、これが言えるのは使用開始
時のことである。長時間使用していくうちに吐出口2か
ら超高濃度の粒子がどんどん消失していき、逆に溶媒は
一定であるから、使用する度にインクの濃度が少しずつ
下がっていくこととなり、最終的には粒子濃度が低いイ
ンクを使用する場合の問題にいきつくこととなる。つま
り、最終的には、画像の滲みが発生し、高画質・高解像
度の画像を形成することが難しく、また、画像形成部の
乾燥に時間を要するため、生産性を向上することが難し
くなった。したがって、これを克服するためには、イン
クタンクに循環経路を備え、外部から常に消失した粒子
量を補給する必要が生じ、装置が大がかりとなり、コス
トアップとなった。これに対して、本発明のインクタン
クは循環経路を必要としない非循環式(閉止式)インク
タンクである。そして、インクタンクの中に図1のよう
な超高濃度インクを収納しているので、図3のようにイ
ンクを半分以上使用した場合であっても、インク濃度は
図1の状態とまったく変わらない。
【0026】次に図4を用いて本発明の第2の実施の形
態を説明する。本発明の第2の実施の形態は、吐出口2
の出口近傍(9a、9a)と、吐出したインク液滴6を
受像する受像シート7の受像面の背面側(9b)とに、
該吐出したインク液滴の加速をさせる加速電界形成用の
飛翔電極をそれぞれ設けたのが特徴である。それ以外は
第1の実施の形態とほぼ同一である。図1において、1
はインクタンク、2は吐出口、4は粒子、5(5a、5
b)は濃度制御電極、6はインク、61はインク液滴、
7は受像シート、普通紙等、8はコンデンサ、9a、9
bは加速電界形成用飛翔電極である。すなわち、インク
を収容するインクタンク1から連通する吐出部の一部に
吐出口2が形成され、吐出口2の近傍に吐出手段3が剪
断動作するように設けられており、図示しない制御手段
により、画像データ信号に基づいた電気信号が吐出手段
3に印加されると、図5で説明したように吐出手段3の
可動部が可動して、吐出口3からインク液滴61が吐出
される。さらに、吐出口2近傍には粒子4の濃度を制御
する濃度制御電極5が設けられている。画像形成時は濃
度制御電極5に電圧は印加されず、したがって、インク
6の濃度はどの場所でも図1のように超高濃度で均一と
なっている。そして画像形成をしない場合には、帯電し
た粒子4が吐出口2から遠ざかる方向に電界を形成する
ように濃度制御電極5に電圧が印加される。これによっ
て、吐出口2近傍には粒子4はなくなり、図2のように
溶媒だけが充満するため、濃度インクの濃度が約10質
量%以上の粒子の超高濃度のインクを用いて長時間画像
形成を行なわなくても、吐出口2の目詰まりは発生しな
くなる。さらに、この第2実施の形態により設けられた
飛翔電極9には、インク液滴6が加速する方向に飛翔制
御手段(図示なし)によって電圧が印加されている。粒
子4がプラス荷電であれば、吐出口2側の電極9a、9
aをプラス側にし、受像シート7側の電極9bをマイナ
ス側にすると、粒子4は吐出口2から反発力を受け、受
像シート7側から吸引力をうけるので、粒子4を含むイ
ンク液滴6は飛翔電極9a、9bによる電界によって加
速され、受像シート7に正確に着弾する。また、粒子4
がマイナス荷電であれば、飛翔制御手段は以上の説明の
逆の電圧を与えればよい。なお、画像形成を行う際には
受像シート7は、受像シート7を固定し移動させる手段
によって移動し、移動している受像シート7にインク液
滴6を吐出することによって画像を形成する。
【0027】このように、本発明の第2の実施の形態に
よれば、従来の図6のインクジェット記録装置に比べ、
飛翔電極9a、9bによって、吐出ヘッド2と受像シー
ト7間の距離を広くしても良好な着弾精度を得ることが
できた。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、インクを吐出しない場
合には、図2に示すように粒子4が吐出口2近傍から遠
ざかる方向の電界を形成することによって、高粒子濃度
のインクを適用しても、吐出口2でのインクの目詰まり
が生じることがなく、滲みが少なく、乾燥速度が速い、
高画質・高生産性のインクジェット記録装置を提供する
ことができる。また、圧電素子を吐出口近傍に置いて剪
断モードで駆動するため、大きな電気信号を印加しなく
ても大きい吐出力が得られることができ、しかも圧電素
子の長さ方向に壁面があるので、反射時のクロストーク
がほとんど生じない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を説明する図であ
る。
【図2】図2において、画像形成をしない場合の動作を
説明する図である。
【図3】図2の状態からインクを半分以上使用した状態
を説明する図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態を説明する図であ
る。
【図5】本発明の記録ヘッドの要部断面の俯瞰図であ
る。
【図6】従来のインクジェット記録装置の構成および動
作原理について説明する図である。
【符号の説明】
1 インクタンク 2 吐出口 3 吐出手段 4 粒子 5、5a、5b 濃度制御電極 6 インク液滴 7 受像シート、普通紙等 8 コンデンサ 9a、9b 加速電界形成用飛翔電極

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像データ信号に基づき剪断モードで駆
    動する圧電素子に電気信号を印加することによってイン
    クを吐出口から受像シートに向けて吐出し、該受像シー
    ト上に画像を形成するインクジェット記録方法におい
    て、 前記インクとして、インクの吐出停止が長くなると吐出
    口でインクの目詰まりを起こすほどに超高濃度の粒子を
    溶媒中に分散したインクを使用し、かつ、インクの吐出
    停止時に前記吐出口近傍における前記インクの濃度を大
    幅に下げることを特徴とする超高濃度インク対応インク
    ジェット記録方法。
  2. 【請求項2】 吐出口を有するインク室と、該インク室
    壁面の少なくとも一部を、画像データ信号に基づき電気
    信号が印加される剪断モードで駆動する圧電素子で構成
    した圧力発生手段と、を有し、前記圧力発生手段の作動
    によって前記インク室のインクを前記吐出口から吐出す
    る記録ヘッドにおいて、前記吐出口近傍にインク濃度制
    御電極を設け、かつ、該インク濃度制御電極への印加電
    圧を制御する濃度制御用電圧制御部を備えたことを特徴
    とする超高濃度インク対応インクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】 インクジェット記録時に、インクを吐出
    しない場合には、前記濃度制御用電圧制御部は、前記イ
    ンク濃度制御電極が前記粒子を前記吐出口から遠ざける
    方向の電界を形成するように、該インク濃度制御電極へ
    の印加電圧を制御することを特徴とする請求項2記載の
    インクジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 電源遮断後も前記濃度制御用電圧制御部
    は、前記濃度制御用電極が前記粒子を前記吐出口から遠
    ざける方向に電界を形成するように、該インク濃度制御
    電極への印加電圧を制御することを特徴とする請求項2
    記載のインクジェット記録装置。
  5. 【請求項5】 前記濃度制御用電圧制御部は電源遮断後
    に一定の電圧を前記濃度制御用電極に与え続けるための
    コンデンサを備えたことを特徴とする請求項4記載のイ
    ンクジェット記録装置。
JP2001195013A 2001-06-27 2001-06-27 超高濃度インク対応インクジェット記録方法及び装置 Pending JP2003011355A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001195013A JP2003011355A (ja) 2001-06-27 2001-06-27 超高濃度インク対応インクジェット記録方法及び装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001195013A JP2003011355A (ja) 2001-06-27 2001-06-27 超高濃度インク対応インクジェット記録方法及び装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003011355A true JP2003011355A (ja) 2003-01-15

Family

ID=19033057

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001195013A Pending JP2003011355A (ja) 2001-06-27 2001-06-27 超高濃度インク対応インクジェット記録方法及び装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003011355A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5646659A (en) Ink jet recording apparatus, and method with control of ink drops and ink mist
JP2009234219A (ja) 画像形成方法、画像形成装置
US20020171724A1 (en) Ink jet printing process and printing apparatus
US6705707B2 (en) Ink jet recording method and device having meniscus control
JPH09216354A (ja) インクジェットプリント装置、ヘッドユニットおよびインクジェットカートリッジ
US6533397B2 (en) Image forming apparatus
JP2003011355A (ja) 超高濃度インク対応インクジェット記録方法及び装置
JP2003053977A (ja) 画像形成装置
JP3135816B2 (ja) 画像形成装置および画像形成方法
JP2003094661A (ja) 高濃度インク対応インクジェット記録方法及び装置
JP2002248766A (ja) 画像形成装置
JP2005271333A (ja) インクジェット記録装置
JP2003011354A (ja) 画像形成装置
JP2002127388A (ja) 超高濃度インク対応インクジェット記録方法及び装置
JP2002273887A (ja) 画像形成方法およびその装置
US20220396069A1 (en) Ink jet printing method
JP2003103776A (ja) 画像形成装置
JP2834106B2 (ja) インクジェット記録装置
JP3681131B2 (ja) 湿式トナー型インクジェット方式における電圧印加方法
JPS63134249A (ja) 液体噴射記録ヘツド
JP2002283573A (ja) インクジェット記録方法及び装置
JP2834105B2 (ja) インクジェット記録装置
JP2001171103A (ja) インクジェット式印刷方法及び印刷装置
JP2001293900A (ja) 画像形成方法、装置および画像形成用インク
JPH04307253A (ja) 画像記録ヘッド