JP2003011299A - 熱成形用積層シート - Google Patents
熱成形用積層シートInfo
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Abstract
好な外観、優れた保存性を有した容器の製造に利用でき
る、熱成形用積層シートを提供することにある。 【解決手段】 ポリエチレンからなる外層、内層と複数
の中間層からなり、中間層に少なくとも、内層あるいは
外層に隣接するポリエチレン中間層と、ガスバリヤー性
樹脂層と、接着性樹脂層とを有し、外層および内層を、
密度が0.940〜0.960g/cm3 、MFRが
1.0〜10g/10分、分子量分布Mw/Mnが13
〜50であるポリエチレンで形成し、内層あるいは外層
に隣接するポリエチレン中間層を、密度が内、外層のポ
リエチレンの密度より少なくとも0.010g/cm
3 高く、かつ0.970g/cm3 未満、MFRが
0.1〜5g/10分、分子量分布Mw/Mnが3〜1
3であるポリエチレンで形成することにある。
Description
等の各種包装用容器類等に用いられる、ポリエチレンお
よびガスバリヤー性樹脂等からなる熱成形用の積層シー
トに関するものである。
て、成形性、透明性、剛性等の良さから、ポリスチレン
樹脂が多く使用されている。また、ポリオレフィン系樹
脂、特にポリプロピレン系樹脂も、強度、剛性、耐熱性
等に優れた特性を有しているため、そのシートを真空、
圧空に熱成形することにより食品包装、医薬品包装用容
器等に用いられている。
ラスチック容器等の成形品は、容器の高速加工性や内容
物食品の保存性能の向上等その要求される特性レベルが
年々高くなってきており、通常単一樹脂では満足するこ
とができず、したがってそれぞれの機能を分担した多層
構造品が用いられており、典型的な例としては強度物性
を受け持つポリオレフィン系樹脂の内、外層と、酸素バ
リヤー性を受け持つエチレンビニルアルコール共重合体
(以下EVOHと記す。)等からなる中間層を有する多
層成形品を挙げることができる。
チレン樹脂の熱成形性は優れているが、最近に至って、
スチレンモノマーが溶出し人体に悪影響を及ぼすとの疑
いがかかり、特に食品包装の分野で、化学的に安定で、
安全性の高い、ポリオレフィン系樹脂製の容器の開発が
要望されている。
プロピレン系樹脂製シートは熱成形する際の予熱時の加
熱によるドローダウンが大きく、良好な成形品が得られ
る成形時の最適な成形温度幅が非常に狭く、高度な温度
制御が要求されるので、工程管理がきわめて困難であ
る。
改良することには限界があるので、従来から、ポリプロ
ピレンにポリエチレンや無機フィラー、低分子量の石油
樹脂をブレンドさせて改質する試みが行われている。
度のポリエチレンおよび含水ケイ酸マグネシウムを添加
する方法(特公昭56−15744公報)、ポリプロピ
レンにポリエチレンおよびエチレン−プロピレン共重合
体を添加する方法(特公昭63−29704公報)、ポ
リプロピレンと分子量分布の狭いポリエチレンを使用す
る方法(特公昭63−53213号公報)、ポリプロピ
レンに石油樹脂を添加する方法(特公平6−8919
1)が挙げられるが、その効果は限定的であり、現実的
な成形性については、未だ満足するものが得られていな
いのが実情である。
て使用した場合には、低分子量成分等のブリード、溶出
が生じ、食品包装、医薬品包装に使用するには、安全性
の点から使用が困難である。
エチレン樹脂については、熱成形用シートの開発が試み
られているが、前記した、ポリプロピレン樹脂と同様そ
の熱成形の制御は困難で、特に深絞り性が悪く、従来そ
の製品化はほとんど行われていない。
OHのようなガスバリヤー性樹脂からなる積層シートを
熱成形することによリ、安価で、安全性に優れ、保存性
に優れた容器を提供できるわけであるが、上記のような
ポリオレフィンの有する熱成形性の問題点のため、いま
だ満足すべきものが提供できていないのが現状である。
点を解消すべく創案されたもので、その課題は、熱成形
に優れ、高い剛性と良好な外観、優れた保存性を有した
容器の製造に利用できる、熱成形用積層シートを提供す
ることにある。
るため、請求項1記載の手段は、ポリエチレンからなる
外層、内層と複数の中間層を有すること、中間層に少な
くとも、内層あるいは外層に隣接するポリエチレン中間
層と、ガスバリヤー性樹脂層と、接着性樹脂層とを有す
ること、外層および内層を、密度が0.940〜0.9
60g/cm3 、MFRが1.0〜10g/10分、
分子量分布Mw/Mnが13〜50であるポリエチレン
で形成し、内層あるいは外層に隣接するポリエチレン中
間層を、密度が内、外層のポリエチレンの密度より少な
くとも0.010g/cm3 高く、かつ970g/c
m3 未満、MFRが0.1〜5g/10分、分子量分
布Mw/Mnが3〜13であるポリエチレンで形成する
こと、にある。
レン層が、主として熱成形性の機能を、内層あるいは外
層に隣接するポリエチレン中間層が、主として強度、剛
性等の熱成形容器としの機能を発揮するべく構成されて
いる。
の作用を詳細に説明する。内,外層は、密度が0.94
0〜0.960g/cm3、MFRが1.0〜10g/
10分、および分子量分布Mw/Mnが13〜50であ
るポリエチレンで形成される。
融体の延伸性に関連しており、小さすぎると延伸性が不
良になるが、大きすぎると熱成形の予熱時のドローダウ
ンが発生し、またMw/Mnは、深絞り時における偏肉
性に関連しており、他の性質とのバランスも考慮して、
上記数値範囲のMFR、Mw/Mnのポリエチレンを
内,外層形成材料として使用することにより、積層シー
トの良好な熱成形性を確保できる。
合、熱成形容器の剛性が不足し、0.960g/cm3
以上では、結晶性が高いため、結晶融点近傍で粘度が急
激に変化するため、熱成形時の温度、時間等の制御が困
難になる。
トを成形する際における押し出し性に劣り、この結果、
シート表面に肌荒れが発生し、かつ熱成形の際には、粘
度が高いため延伸性が低く深絞り成形が困難であり、ま
た10g/10分以上では、熱成形の際の粘度が低くな
り、予熱中にドローダウンが発生、かつ熱成形容器の強
度が小さくなり、実用に供することが困難になる。
時に偏肉が発生、深絞り容器の成形ができなくなり、ま
た50以上では押し出しシートの表面の光沢が不良であ
り、かつ低分子量成分の溶出があり、食品分野等への使
用が困難になる。
ポリエチレンの密度より少なくとも0.010g/cm
3高く、かつ0.970g/cm3 未満、MFRが
0.1〜5g/10分、および分子量分布Mw/Mnが
3〜13であるポリエチレンで形成される。
性、強度を発揮するための層であり、剛性の観点から
は、密度を高く、強度の観点からは、MFRを低めに設
定する必要があるが、他の性質とのバランスを考慮し
て、上記数値の範囲が適している。
度を高くする必要があり、内,外層層のポリエチレンに
比べてポリエチレン中間層の密度は少なくとも0.01
0g/cm3 高くする必要がある、ただし0.970
g/cm3 以上にすると、容器の強度が低下する。
脂の流動性が悪く、シートの成形が困難であり、かつ熱
成形時の延伸性にも影響を及ぼして、深絞り成形が困難
になり、また5g/10分以上では、容器としての実用
的な強度を確保することが困難になる。
ャーが発生する等、シートの成形が困難であり、また1
3以上では、低分子量成分が増加するため、容器として
の実用的な強度の確保が困難になる。
はたとえば、EVOH、ナイロン系樹脂、ポリアクリロ
ニトリル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリエチレ
ンテレフタレート樹脂等、公知の任意のものを用いるこ
とができる。
エチレンとガスバリヤー性樹脂との接着性に優れた樹脂
を選択する必要があり、たとえばポリエチレン、エチレ
ン酢酸ビニル共重合体等をベースとして、不飽和カルボ
ン酸またはその無水物、エステルアミドなどの誘導体を
0.01〜1重量%グラフト重合した、ポリオレフィン
系接着性樹脂を使用するが、このなかでも無水マレイン
酸変成ポリオレフィン系樹脂が好適に用いられる。
れる性能によるが、厚さ比で、通常ガスバリヤー性樹脂
層が2〜20%、接着性樹脂層が1〜10%程度とし、
成形性の機能を担う内、外層、成形容器の剛性等の性能
を担う、内層あるいは外層に隣接するポリエチレン中間
層が大きな構成比を占めるようにすることが好ましい。
エチレン層に、主として延伸性、深絞り性等の熱成形性
の機能を、内層あるいは外層に隣接するポリエチレン中
間層に、主として熱成形容器の強度、剛性の機能を、さ
らにガスバリー性樹脂層に酸素バリヤー性等のガスバリ
ヤー性機能を、分担させ、また食品等内容物に触れる
内、外層は、他の樹脂、低分子量物、無機フィラー等を
添加することのない、ポリエチレン樹脂単独であるの
で、安全性の高い、保存性に優れた、外観の良好な、剛
性の高い、深絞りの熱成形容器を得ることが可能にな
る。
発明において、ガスバリヤー性樹脂層をEVOHで形成
したことにある。
脂であり、たとえば食品の酸化防止等、保存安定性に対
する要求が厳しい用途にも容器を提供することができ
る、またバリヤー性が高い分、それだけ層の厚さを薄く
することもでき、積層シート全体の熱成形性への悪影響
を小さくすることができる。
工性の面から通常エチレン含有量が20〜50モル%、
けん化度が95%以上のものを使用するのが好適であ
る。
発明において、ガスバリヤー性樹脂層をナイロン系樹脂
で形成したことにある。
えば、ナイロン6、ナイロン66、6−66ナイロン共
重合体、ナイロン12、キシリレン基含有ポリアミド等
を使用することができる。
ー性は高くないが、EVOHに比較して積層シートの成
形性、熱成形性、ポリエチレンとの接着性に優れ、また
成形容器においては突き刺し強度が優れる等の特長を有
している。
する。本発明に用いるポリエチレンに関わる測定方法
は、以下の通りである。 ・密度(g/cm3 ):JISK6760に準拠して
求めた。 ・MFR(g/10分):JISK6760に準拠して
求めた。 ・分子量分布(Mw/Mn):ゲルパーミエイションク
ロマトグラフィー(GP C)により重量平均分子量
(Mw)と数平均分子量(Mn)を求め、それらの比
(Mw/Mn)として求めた。
単独重合体またはエチレンと炭素数3〜20のあるα−
オレフィンからなる共重合体である。α−オレフィンと
しては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテ
ン、1−ヘキセン、4−メチルペンテン−1、1−オク
テン、等が挙げられる。
要に応じて各層に帯電防止剤、酸化防止剤、滑剤、抗ブ
ロッキング剤、紫外線防止剤、無機系顔料、耐候剤など
の公知の添加剤を添加することができる。
E1/PE2/Ad/GB/Ad/PE2/PE1(外
層))の熱成形用積層シートを成形した。 ・PE1;内層1a、外層1b 使用ポリエチレン; 密度;0.945g/cm3、M
FR;2.0g/10分、Mw/Mn;20 ・PE2;ポリエチレン中間層2 使用ポリエチレン; 密度;0.960g/cm3、M
FR;1.0g/10分、Mw/Mn;10 ・Ad;接着性樹脂層3 使用樹脂;無水マレイン酸変成ポリエチレン ・GB;ガスバリヤー性樹脂層4 使用樹脂;EVOH(エチレン含有量32モル%)
空圧空成形機を用いて、底面6が縦6cm、横8.5c
mの長方形であり、上端開口部9が縦7cm、横9.5
cmの長方形であり、高さが5.5cmである四角錐台
形状(絞り率0.78)であり、かつ上端開口部9の周
縁に外鍔状に連設した、幅5mmの平坦なフランジ部1
0を有する容器5を熱成形した。前記容器5を構成する
底壁7、側壁8、フランジ部10は、4種7層の構造を
有しており、その構成比(厚さ比)はPE1 14%、
PE2 80%、BG2%、Ad4%である。(図1参
照)
し、得られた容器は、形状の歪が小さく、肉厚の均一性
が高く、表面光沢の点からも良好な外観であり、十分な
触感的剛性および長期の食品保存性を有するものであっ
た。
えば(内層)PE1/PE2/Ad/GB/Ad/PE
1(外層)等の構成でも本目的発明の目的を達成でき、
また中間層に再生樹脂を使用する層を設けることも可能
である。
で、以下に示す効力を奏する。本発明の熱成形用積層シ
ートは、内、外層に熱成形性の機能を有したポリエチレ
ンを使用し、中間層に強度、剛性の機能を有するポリエ
チレンを使用し,さらにEVOH、ナイロン系樹脂等の
ガスバリヤー性の樹脂からなる中間層を設けたので、熱
成形の成形範囲が広く、良好な深絞り性を有する熱成形
性に優れたシートであり、このシートから熱成形によっ
て得られた容器は、良好な外観、十分な剛性、食品等に
対する優れた保存性を有し、さらに内容物が接触する
内、外層が、化学的に安定なポリエチレン製であり、特
に食品向け等、安全性が厳しく要求される分野に利用、
展開できるようになった。
容器の一例を示す、側壁の一部を破断拡大図示した、全
体斜視図。
るための、請求項1記載の手段は、ポリエチレンからな
る外層、内層と複数の中間層を有すること、中間層に少
なくとも、内層あるいは外層に隣接するポリエチレン中
間層と、ガスバリヤー性樹脂層と、接着性樹脂層とを有
すること、外層および内層を、密度が0.940〜0.
960g/cm3 、MFRが1.0〜10g/10
分、分子量分布Mw/Mnが13〜50であるポリエチ
レンで形成し、内層あるいは外層に隣接するポリエチレ
ン中間層を、密度が内、外層のポリエチレンの密度より
少なくとも0.010g/cm3 高く、かつ0.97
0g/cm3 未満、MFRが0.1〜5g/10分、
分子量分布Mw/Mnが3〜13であるポリエチレンで
形成すること、にある。
えば(内層)PE1/PE2/Ad/GB/Ad/PE
1(外層)等の構成でも本発明の目的を達成でき、また
中間層に再生樹脂を使用する層を設けることも可能であ
る。
Claims (3)
- 【請求項1】 ポリエチレンからなる内層(1a)、外層(1
b)と複数の中間層からなり、中間層に少なくとも、内層
(1a)あるいは外層(1b)に隣接するポリエチレン中間層
(2)と、ガスバリヤー性樹脂層(4)と、接着性樹脂層(3)
とを有し、内層(1a)および外層(1b)を、密度が0.94
0〜0.960g/cm3 、MFRが1.0〜10g
/10分、分子量分布Mw/Mnが13〜50であるポ
リエチレンで形成し、内層あるいは外層に隣接するポリ
エチレン中間層(2)を、密度が内、外層のポリエチレン
の密度より少なくとも0.010g/cm3 高く、か
つ970g/cm3 未満、MFRが0.1〜5g/1
0分、分子量分布Mw/Mnが3〜13であるポリエチ
レンで形成した熱成形用積層シート。 - 【請求項2】ガスバリヤー性樹脂層をエチレンビニルア
ルコール共重合体で形成した、請求項1記載の熱成形用
積層シート。 - 【請求項3】ガスバリヤー性樹脂層をナイロン系樹脂で
形成した請求項1記載の熱成形用積層シート。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001198212A JP4001359B2 (ja) | 2001-06-29 | 2001-06-29 | 熱成形用積層シート |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006281651A (ja) * | 2005-04-01 | 2006-10-19 | Kurihara Kazuyuki | 複合フィルム |
JP2012076305A (ja) * | 2010-09-30 | 2012-04-19 | Toppan Printing Co Ltd | 積層体およびその製造方法 |
WO2017217546A1 (ja) * | 2016-06-17 | 2017-12-21 | 凸版印刷株式会社 | 多層シートの製造方法、成形容器の製造方法、及び多層シート |
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2001
- 2001-06-29 JP JP2001198212A patent/JP4001359B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPWO2017217546A1 (ja) * | 2016-06-17 | 2019-04-11 | 凸版印刷株式会社 | 多層シートの製造方法、成形容器の製造方法、及び多層シート |
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