JP2003011238A - 成形品製造方法、成形装置、及び樹脂成形品 - Google Patents

成形品製造方法、成形装置、及び樹脂成形品

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JP2003011238A
JP2003011238A JP2001203512A JP2001203512A JP2003011238A JP 2003011238 A JP2003011238 A JP 2003011238A JP 2001203512 A JP2001203512 A JP 2001203512A JP 2001203512 A JP2001203512 A JP 2001203512A JP 2003011238 A JP2003011238 A JP 2003011238A
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molding material
molding
vibration
resin material
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Yoshiyuki Matsushita
義幸 松下
Yoshinobu Hirano
好伸 平野
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Asmo Co Ltd
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Asmo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 寸法管理が容易で材質的な強度を均一にでき
る成形品製造方法、成形装置、及び寸法管理が容易で材
質的な強度が均一な樹脂成形品を得る。 【解決手段】 本成形装置10を用いた成形品製造方法
では、金型12にガラスフィラーが添加された合成樹脂
材24が投入されると、超音波振動子48、50が所定
の振動数で超音波振動し、これにより、タッピングが行
なわれて合成樹脂材24がかさ減りする。次いで、タッ
ピング時よりも高い振動数で超音波振動子48、50が
超音波振動し、これにより、合成樹脂材24の粒子が互
いに摩擦して、この摩擦熱で合成樹脂材24が溶融す
る。合成樹脂材24を溶融させた後に合成樹脂材24を
冷却こすることで樹脂成形品が形成されるが、投入時等
に合成樹脂材24に圧力をかけたり、金型12内で合成
樹脂材24を流動させないため、ガラスフィラーの繊維
方向があらゆる方向を向く。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粉末の樹脂材料等
の成形材料を用いて成形品を成形するための成形品製造
方法、成形装置、及び粉末の樹脂材料により形成した樹
脂成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】車両に搭載される数々のアクチュエータ
は、通常、ハウジングを備えている。このハウジングの
内部には、モータ等の駆動手段やモータの駆動力を減速
するためのギヤ等が収容されており、最終のギヤに一体
的且つ同軸的に設けられた出力軸をハウジングの外部に
突出させ、この出力軸を被駆動軸に連結している。
【0003】ところで、車両に搭載することを考慮する
と、このようなアクチュエータは可能な限り軽量である
ことが好ましいことは言うまでもなく、このため、ハウ
ジングに関しては金属材料よりも軽量な樹脂成形品を用
いることが多い。しかしながら、一般的には樹脂成形品
のハウジング等は強度面で金属のプレス成形品等に劣る
ため、高い強度を要求される場合には樹脂成形品を採用
することが難しかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような強度面での
樹脂成形品の欠点を解消する方法としては、一般的に合
成樹脂材料にガラスフィラー(ガラス繊維)等の添加材
を添加することが行なわれる。しかしながら、このよう
なガラスフィラー等を添加した場合には、成形品の寸法
管理が難しいという新たな問題が生ずる。
【0005】すなわち、一般的に樹脂成形は、溶融した
成形材料に圧力をかけてノズルから金型内に充填する。
このように圧力かけることによってノズルから金型内に
成形材料を充填する際に、ガラスフィラーの繊維方向
(長手方向)が揃ってしまう。しかも、上記の圧力によ
って金型内に注入された成形材料は金型内で特定の方向
へ流動しつつ充填されるため、図9に示されるように、
成形材料(合成樹脂材)72の内部でガラスフィラー7
4の大部分が特定の方向(図9の矢印A方向)へ揃った
まま硬化してしまう。
【0006】このように、ガラスフィラー74の繊維方
向が揃っていると、繊維方向に対する成形材料72の収
縮についてはガラスフィラー74が収縮を妨げるように
作用するが、繊維方向に対して直交する方向については
ガラスフィラー74による収縮抑制が作用しない。この
ように、成形材料72にガラスフィラー74を添加する
ことで成形材料72の収縮率が方向により異なってしま
うため、寸法精度の管理が極めて難しくなり、その結
果、コスト高となってしまう。
【0007】また、上記のようにガラスフィラー74の
繊維方向が揃ってしまった場合、繊維方向に対して直交
する方向への煎断や、この直交する方向を軸方向とした
曲げ強度は高くなるが、繊維方向に対して平行な方向へ
の煎断やこの平行な方向を軸方向とする曲げ強度は上記
の直交する方向に比べて高くならず、強度にばらつきが
生じてしまう。
【0008】したがって、全方向の強度を一定以上確保
する場合には、繊維方向に対して平行な方向への煎断や
この平行な方向を軸方向とする曲げ強度を確保するよう
に、材料の選定を行なったり、金型設計を行なわなけれ
ばならない。
【0009】本発明は、上記事実を考慮して、寸法管理
が容易で材質的な強度を均一にできる成形品製造方法、
成形装置、及び寸法管理が容易で材質的な強度が均一な
樹脂成形品を得ることが目的である。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
は、所定形状のキャビティを有する金型内に粉末の成形
材料を入り込ませて前記所定形状の成形品を形成するた
めの成形品製造方法であって、前記金型に所定周波数の
振動を付与して前記金型内の前記成形材料をかさべりさ
せるタッピング工程と、前記タッピング工程にて前記金
型に付与する振動の周波数と同じ周波数若しくは異なる
周波数の振動を前記金型に付与して前記成形材料を構成
する粉末同士で摩擦を生じさせ、当該摩擦による摩擦熱
で前記成形材料を発熱させる発熱工程と、を含めて成形
工程を構成したことを特徴としている。
【0011】上記構成の成形品製造方法では、先ず、金
型に形成された所定形状のキャビティに粉末の成形材料
が投入される。次いで、タッピング工程で金型に所定周
波数の振動が付与される。この振動はキャビティ内の成
形材料に伝わり、これにより、キャビティ内の成形材料
に所謂かさべりが生じ、かさ密度が向上する。
【0012】さらに、上記のように成形材料のかさ密度
を向上させた状態で、発熱工程ではタッピング工程にて
金型に付与する振動の周波数と同じ周波数若しくは異な
る周波数の振動が金型に付与される。この発熱工程で金
型に付与された振動は、キャビティ内の成形材料に伝わ
り、この振動により成形材料を構成する粉末同士の間で
摩擦が生じ、更に、この摩擦により生じた摩擦熱で成形
材料が硬化する。
【0013】このように、本成形品製造方法では、振動
による摩擦熱で成形材料を硬化させるため、金型内で成
形材料が一定の方向へ流動することがない。このため、
成形材料の配向性が特定の方向に偏ることはない。した
がって、特定の方向にのみ成形時収縮が生じたり特定方
向の強度と他方向の強度とが著しく乖離することはな
い。
【0014】なお、本発明において、タッピング工程や
発熱工程にて金型に付与する振動の周波数等に関しては
特に限定するものではなく、使用する成形材料の種類や
粉末の粒径、更には、金型の材質やキャビティ形状等に
より条件(周波数等)を設定すればよい。
【0015】請求項2記載の本発明は、請求項1記載の
成形品製造方法において、硬化前の状態で粉末状に形成
されて前記摩擦により生じる所定温度以上の熱で一体的
に硬化する熱硬化性樹脂材と、粉末状態での前記熱硬化
性樹脂材に添加され、硬化した前記熱硬化性樹脂材の内
部で微小の繊維状に介在する添加材と、を含めて構成し
た前記成形材料を用いることを特徴としている。
【0016】上記構成の成形品製造方法では、発熱工程
で振動を成形材料へ伝えて成形材料自体を振動させるこ
とにより、成形材料を構成する粉末同士の間で摩擦を生
じさせて、この摩擦熱で成形材料を構成する熱硬化性樹
脂材が一体的に硬化する。
【0017】また、成形材料には、上記の熱硬化性樹脂
材の他に添加材が添加されており、熱硬化性樹脂材が硬
化した状態では、この熱硬化性樹脂材の内部で微小繊維
状に介在する。
【0018】ここで、本成形品製造方法では、上述した
ように金型内で成形材料が一定の方向へ流動することが
ないため、添加材の微小繊維の向きが特定の方向に定ま
ることがない。したがって、例えば、強度を向上させる
ために添加材を用いるのであれば、上記のように添加材
の微小繊維の向きが特定の方向に定まらないため、全方
向の強度を略均一に向上させることができる。また、成
形収縮の観点からすれば、添加材の微小繊維の向きが特
定の方向に定まらないことで全方向の収縮率を略均一に
できる。これにより、全体的な強度を向上でき、しか
も、成形性も向上する。
【0019】請求項3記載の本発明は、所定形状のキャ
ビティを有する金型内に粉末の成形材料を入り込ませて
前記所定形状の成形品を形成する成形装置であって、前
記金型に所定周波数の振動を付与して前記金型内の前記
成形材料をかさべりさせるタッピング手段と、前記タッ
ピング手段が前記金型に付与する振動の周波数と同じ周
波数若しくは異なる周波数の振動を前記金型に付与して
前記成形材料を構成する粉末同士で摩擦を生じさせ、当
該摩擦による摩擦熱で前記成形材料を発熱させる発熱手
段と、を備えることを特徴としている。
【0020】上記構成の成形装置では、金型に形成され
た所定形状のキャビティに粉末の成形材料を投入した状
態で、タッピング手段によって金型に所定周波数の振動
を付与すると、この振動がキャビティ内の成形材料に伝
わり、成形材料が振動する。これにより、所謂かさべり
が生じ、成形材料のかさ密度が向上する。
【0021】さらに、上記のように成形材料のかさ密度
を向上させた状態で、発熱手段によってタッピング手段
が金型に付与する振動と同じ周波数若しくは異なる周波
数の振動を金型に付与すると、この振動がキャビティ内
の成形材料に伝わり、成形材料が振動する。成形材料は
発熱手段からの振動が付与されて振動することにより、
成形材料を構成する粉末同士の間で摩擦が生じ、このと
きの摩擦熱で成形材料が硬化されて一体となる。
【0022】このように、本成形装置では、振動による
摩擦熱で成形材料を硬化させるため、金型内で成形材料
が一定の方向へ流動することがない。このため、成形材
料の配向性が特定の方向に偏ることはない。したがっ
て、特定の方向にのみ成形時収縮が生じたり特定方向の
強度と他方向の強度とが著しく乖離することはない。
【0023】なお、本発明において、タッピング手段や
発熱手段が金型に付与する振動の周波数等に関しては特
に限定するものではなく、使用する成形材料の種類や粉
末の粒径、更には、金型の材質やキャビティ形状等によ
り条件(周波数等)を設定すればよい。
【0024】請求項4記載の樹脂成形品は、硬化前の状
態が粉末状で、所定温度の熱を付与することにより一体
的に硬化すると共に、硬化状態において各々の長手方向
の向き異なる微小繊維の添加材が添加された熱硬化性樹
脂材により形成されている。
【0025】上記構成の樹脂成形品は、粉末状の熱硬化
性樹脂材を加熱して一体的に硬化させることにより形成
される。ところで、本樹脂成形品では、その内部に微小
繊維状の添加材が添加される。ここで、本樹脂成形品で
は添加された添加材の繊維の向き(すなわち、繊維の長
手方向)がそれぞれ異なっている。このため、特定の方
向にのみ成形時収縮が生じたり特定方向の強度と他方向
の強度とが著しく乖離することがない。
【0026】
【発明の実施の形態】<本実施の形態の構成>図1に
は、本発明の一実施の形態に係る成形品製造方法を実施
しうる(すなわち、図4(E)に示される本発明の一実
施の形態に係る樹脂成形品34を成形しうる)成形装置
10の構成の概略が断面図及びブロック図の複合図によ
って示されている。
【0027】この図に示されるように、本成形装置10
は金型12を備えている。金型12は上型14と下型1
6とにより構成されている。上型14にはその一端(厚
さ方向一端)にて開口したキャビティ18が形成されて
いる。これに対して下型16には型締め(成形のために
上型14と下型16とを互いに重ね合わせた状態)で上
型14と対向する側へ向けて開口したキャビティ20が
形成されている。
【0028】成形時にはこれらのキャビティ18、20
内に添加材としての微小繊維状のガラスフィラー22が
所定の比率で添加された成形材料としてのフェノール等
の熱硬化性の合成樹脂材(熱硬化性樹脂材)24(図5
参照)が投入される。なお、図5において、全体的に粒
状とされているものが合成樹脂材24で、粒状の合成樹
脂材24に付着する筋状のものがガラスフィラー22で
ある。
【0029】また、図1に示されるように、上型14の
上底部26には投入口28が形成されている。投入口2
8は一端がキャビティ18(より詳細にはキャビティ1
8の底部)にて開口している。これに対して投入口28
の他端側では、例えば、漸次開口径が大きくなるテーパ
状に形成されており、更に、他端部は上底部26の外面
にて開口している。この投入口28は金型12の型締め
状態で略上下方向を向くように形成されており、他端側
に対して相対的に上方に位置する一端側から上述した合
成樹脂材24が供給される。
【0030】さらに、金型12は蓋30を備えている。
蓋30はその外径寸法が投入口28の内径寸法に略等し
く(厳密には極僅かに小さい)、また、その長手(軸方
向)寸法は投入口28の軸方向寸法(すなわち、一端か
ら他端までの長さ)以上とされ、投入口28の他端側の
開口端から供給ノズル32を嵌入することができるよう
になっている。
【0031】また、本成形装置10は供給ノズル32を
備えている。この供給ノズル32は全体的にパイプ状に
形成されており、金型12に対して移動できるようにな
っている。また、供給ノズル32はその基端側から上述
した合成樹脂材24を投入できるようになっているか、
或いは、別途設けられた図示しない樹脂材供給装置等に
接続されている。これに対して、供給ノズル32の先端
部は投入口28の他端側での開口に対応して例えば漸次
外径寸法が小さくなるテーパ状に形成されており、投入
口28の開口端側での開口径が漸次大きくなるテーパ状
である場合には、その内周部へ先端部が当接(密着)で
きるようになっている。
【0032】一方、図1に示されるように、本成形装置
10は制御装置40を備えている。この制御装置40は
コントロールパネル42を備えている。コントロールパ
ネル42は、キーボードやスイッチ、操作レバー等の操
作手段、モニタ、電流計、電圧計、温度計等の表示手段
等を有しており、外部から各種の成形条件を設定できる
ようになっている。このコントロールパネル42はドラ
イバ44へ電気的に接続されている。さらに、このドラ
イバ44は外部の電源46へ電気的に接続されていると
共に、タッピング手段及び発熱手段としての一対の超音
波振動子48、50へ電気的に接続されている。
【0033】超音波振動子48、50は圧電セラミック
等により形成されており、超音波振動子48は上型14
に取り付けられ、超音波振動子50は下型16に取り付
けられている。超音波振動子48、50は交流電圧が印
加されることで、この交流電圧の周波数に対応した周波
数で超音波振動して、更に、この超音波振動を対応する
上型14、下型16に伝達して振動させる。上述したよ
うに、超音波振動子48、50はドライバ44を介して
電源46に接続されており、コントロールパネル42か
らの制御信号で制御されたドライバ44により超音波振
動子48、50に印加される交流電圧の周波数が決ま
る。
【0034】<本実施の形態の作用、効果>次に、本発
明の一実施の形態に係る成形品製造方法及びその作用、
効果を成形装置10による樹脂成形品34の成形工程の
説明に基づいて説明する。
【0035】本成形装置10を用いて樹脂成形品34
(図4(E)参照)を成形する場合、先ず、上型14と
下型16とを重ね合わせて型締めして、供給ノズル32
の先端部を投入口28の他端部へ当接させて供給ノズル
32と投入口28とを連通させる。
【0036】次いで、図2(A)に示されるように、予
めガラスフィラー22が所定の比率で混合された合成樹
脂材24を供給ノズル32の基端部から供給ノズル32
内へ入り込ませると、供給ノズル32を通過した合成樹
脂材24が投入口28を通過し、金型12のキャビティ
18、20内へ充填される。
【0037】このとき、図2(B)に示されるように、
合成樹脂材24はキャビティ18、20内に充填され、
更に、投入口28内に所定量の合成樹脂材24が残るま
で合成樹脂材24が投入される(材料充填工程)。この
材料充填工程では、格別、圧力をかけたりせずに合成樹
脂材24を充填しているため、図5に示されるように、
合成樹脂材24のかさ密度が比較的小さい。
【0038】図2(B)に示されるように、キャビティ
18、20及び投入口28内に合成樹脂材24が一定量
充填された後、蓋30が投入口28に嵌入されると共に
コントロールパネル42が操作され、このときのコント
ロールパネル42からの制御信号に基づいてドライバ4
4が制御されると、電源46からドライバ44を介して
所定周波数の交流電圧が超音波振動子48、50に印加
される。
【0039】この交流電圧が印加された超音波振動子4
8、50は所定振動数で超音波振動し、このときの超音
波振動が超音波振動子48、50の各々に対応する上型
14、下型16に伝達され、これによって上型14、下
型16が超音波振動する(図2(B)及び図3(D)に
おいて金型12の側方に描かれている複数本の「なみ
線」は、金型12が超音波振動していることを模式的に
表すものである)。
【0040】このように上型14、下型16が超音波振
動することで所謂タッピングがなされ、これによりキャ
ビティ18、20内に投入された合成樹脂材24が振動
して合成樹脂材24の粒子間の隙間が埋められる(タッ
ピング工程)。このようにして、タッピングがなされる
ことで図3(C)に示されるように、所謂「かさ減り」
が生ずるが、上記のように、キャビティ18、20内に
充填されたうえに、投入口28の一部にまで合成樹脂材
24が残るように合成樹脂材24が充填される。
【0041】このため、キャビティ18、20内の合成
樹脂材24にかさ減りが生じると、キャビティ18、2
0内での合成樹脂材24のかさ減り分に応じて投入口2
8内に残る合成樹脂材24が蓋30に押圧されてキャビ
ティ18、20内に入り込む。これにより、上記のタッ
ピングによってキャビティ18、20内の合成樹脂材2
4にかさ減りが生じても、キャビティ18、20内には
確実に合成樹脂材24が充填されると共に図6に示され
るように、キャビティ18、20内の合成樹脂材24の
かさ密度が向上する。
【0042】次いで、所定時間のタッピングが行なわれ
た後、ドライバ44はコントロールパネル42からの制
御信号に基づいてタッピング工程で超音波振動子48、
50に印加した交流電圧とは周波数の異なる交流電圧を
超音波振動子48、50に印加し、タッピング工程より
も高い振動数で超音波振動子48、50を超音波振動さ
せる(図3(D)参照)。
【0043】この超音波振動は上型14、上底部26を
介してキャビティ18、20内の合成樹脂材24に伝わ
り、キャビティ18、20内の合成樹脂材24が超音波
振動する。合成樹脂材24が超音波振動することにより
合成樹脂材24を構成する各粒子間で摩擦が生じ、図7
に示されるように、合成樹脂材24が漸次溶融する(発
熱工程)。
【0044】さらに、図8に示されるように、合成樹脂
材24が完全に溶融した状態で超音波振動子48、50
に対する交流電圧の印加を停止して合成樹脂材24を冷
却させる。この状態で合成樹脂材24が冷却することに
より、合成樹脂材24が硬化し、図4(E)に示される
ように、キャビティ18、20の形状に対応した樹脂成
形品34が成形される。
【0045】ここで、本実施の形態では、格別に圧力を
かけて合成樹脂材24を金型12内に投入せず、また、
金型12内で合成樹脂材24が一定の方向へ流動するこ
ともないため、合成樹脂材24に添加された微小繊維状
のガラスフィラー22の繊維方向が一定方向を向くこと
がなく、様々な方向を向く。これにより、溶融した合成
樹脂材24が冷却、硬化する際に、一定の方向にのみ特
別に収縮が生じたりすることがなく、このため、成形性
が高く、樹脂成形品34の寸法精度が高まる。
【0046】しかも、上記のようにガラスフィラー22
が様々な方向を向いたまま状態で合成樹脂材24が硬化
するため、ガラスフィラー22を添加することによる樹
脂成形品34の強度が樹脂成形品34の全方向に対して
向上する(すなわち、特定方向の強度と他方向の強度と
が著しく乖離することがない)。
【0047】このように、本実施の形態では、全方向の
強度が高い樹脂成形品34を高い寸法精度で成形できる
ため、それまで、全方向に高い強度を必要とするために
金属材料等で形成していた部材(例えば、アクチュエー
タ等のハウジング)を合成樹脂材による樹脂成形品34
に置き換えることができ、これにより、部材の軽量化を
図ることができ、しかも、コストを安価にできる。
【0048】なお、本実施の形態では、ガラスフィラー
22を添加した合成樹脂材24を成形材料に用いたが、
ガラスフィラー22を添加しない合成樹脂材24を成形
材料に用いてもよく、この場合には、合成樹脂材24自
体の配向をランダムにでき、これによって、樹脂成形品
34(厳密にはガラスフィラー22を有しない樹脂成形
品34)の成形性や強度を向上できる。
【0049】また、本実施の形態では、成形材料を合成
樹脂材24としたが、請求項1乃至請求項3記載の本発
明の観点からすれば成形材料は合成樹脂材24に限定さ
れるものではなく、一定振動数(例えば、超音波振動)
を付与することで溶融する粉末状の成形材料であれば、
如何なる材質の成形材料を用いることもできる。
【0050】さらに、本実施の形態では、タッピング工
程において超音波振動を合成樹脂材24に付与したが、
タッピング工程は合成樹脂材24のかさ密度を向上させ
ることが目的であるため、この目的を達成できるのであ
れば、超音波振動に限定されることなく、如何なる振動
数の振動を付与してもよい。
【0051】また、本実施の形態では、タッピング工程
において合成樹脂材24に付与する超音波振動よりも振
動数が高い超音波振動を発熱工程で合成樹脂材24に付
与したが、上記のように、タッピング工程は合成樹脂材
24のかさ密度を向上させることが目的であり、これに
対して、発熱工程は合成樹脂材24の粒子同士で摩擦を
生じさせて、この摩擦で合成樹脂材24を溶融させるこ
とが目的ある。したがって、各々の目的を達成できるの
であれば、タッピング工程及び発熱工程で付与する超音
波振動の周波数は同じであってもよい。
【0052】さらに、本実施の形態では、金型12が上
型14及び下型16により構成されていたが、金型12
の構成はこれに限定されるものではなく、様々な形状の
型(アンダーカット部成形用のスライド型等)を用いて
もよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る成形装置の構成を
示す断面図とブロック図の複合図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る成形品製造方法の
工程を示す図で、(A)が成形材料を投入している状態
を示し、(B)が成形材料を投入した後にタッピングを
行なっている状態を示す。
【図3】本発明の一実施の形態に係る成形品製造方法の
工程を示す図で、(C)がタッピングにより成形材料が
かさ減りした状態を示し、(D)で溶融のための超音波
振動を成形材料に付与している状態を示す。
【図4】本発明の一実施の形態に係る成形品製造方法の
工程を示す図で、成形品を取り出した状態を示す。
【図5】かさ減りする前の状態での成形材料を示す拡大
図である。
【図6】かさ減りした状態での成形材料を示す拡大図で
ある。
【図7】超音波振動による摩擦で成形材料が溶融してい
る状態を示す拡大図である。
【図8】溶融した後に冷却、硬化した状態の成形材料を
示す拡大図である。
【図9】従来の成形材料が冷却、硬化した状態を示す拡
大図である。
【符号の説明】
10 成形装置 12 金型 18 キャビティ 20 キャビティ 24 合成樹脂材(熱硬化性樹脂材、成形材料) 26 ガラスフィラー(添加材、成形材料) 34 樹脂成形品 48 超音波振動子(タッピング手段、発熱手段) 50 超音波振動子(タッピング手段、発熱手段)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定形状のキャビティを有する金型内に
    粉末の成形材料を入り込ませて前記所定形状の成形品を
    形成するための成形品製造方法であって、 前記金型に所定周波数の振動を付与して前記金型内の前
    記成形材料をかさべりさせるタッピング工程と、 前記タッピング工程にて前記金型に付与する振動の周波
    数と同じ周波数若しくは異なる周波数の振動を前記金型
    に付与して前記成形材料を構成する粉末同士で摩擦を生
    じさせ、当該摩擦による摩擦熱で前記成形材料を発熱さ
    せる発熱工程と、 を含めて成形工程を構成したことを特徴とする成形品製
    造方法。
  2. 【請求項2】 硬化前の状態で粉末状に形成されて前記
    摩擦により生じる所定温度以上の熱で一体的に硬化する
    熱硬化性樹脂材と、 粉末状態での前記熱硬化性樹脂材に添加され、硬化した
    前記熱硬化性樹脂材の内部で微小の繊維状に介在する添
    加材と、 を含めて構成した前記成形材料を用いることを特徴とす
    る請求項1記載の成形品製造方法。
  3. 【請求項3】 所定形状のキャビティを有する金型内に
    粉末の成形材料を入り込ませて前記所定形状の成形品を
    形成する成形装置であって、 前記金型に所定周波数の振動を付与して前記金型内の前
    記成形材料をかさべりさせるタッピング手段と、 前記タッピング手段が前記金型に付与する振動の周波数
    と同じ周波数若しくは異なる周波数の振動を前記金型に
    付与して前記成形材料を構成する粉末同士で摩擦を生じ
    させ、当該摩擦による摩擦熱で前記成形材料を発熱させ
    る発熱手段と、 を備えることを特徴とする成形装置。
  4. 【請求項4】 硬化前の状態が粉末状で、所定温度の熱
    を付与することにより一体的に硬化すると共に、硬化状
    態において各々の長手方向の向き異なる微小繊維の添加
    材が添加された熱硬化性樹脂材により形成された樹脂成
    形品。
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