JP2003004841A - レーダ装置及びコヒーレント積分方法 - Google Patents

レーダ装置及びコヒーレント積分方法

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JP2003004841A
JP2003004841A JP2001194420A JP2001194420A JP2003004841A JP 2003004841 A JP2003004841 A JP 2003004841A JP 2001194420 A JP2001194420 A JP 2001194420A JP 2001194420 A JP2001194420 A JP 2001194420A JP 2003004841 A JP2003004841 A JP 2003004841A
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gate
signal
half data
complex
fourier
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JP2001194420A
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Shunpei Kameyama
俊平 亀山
Kimio Asaka
公雄 浅香
Yoshihito Hirano
嘉仁 平野
Shuzo Wadaka
修三 和高
Takahiko Fujisaka
貴彦 藤坂
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来、フィルタがなかったので、A/D変換
した段階でのSNRが低いという課題があった。 【解決手段】 送受信機1により受信された信号中から
計測不要な周波数帯域の信号を除去するフィルタ2と、
前記フィルタの出力をサンプリング周期によりA/D変
換するA/D変換手段3と、前記A/D変換手段の出力
に時間軸上でゲートをかけ、ゲート内の受信信号を抽出
するゲート手段4と、前記受信信号をフーリエ変換する
フーリエ変換手段6a、6bと、前記フーリエ変換され
た前半のデータと後半のデータの同期をとる遅延手段7
と、前記フーリエ変換されたゲート内の後半のデータの
複素共役を求める複素共役手段8と、前記遅延手段の出
力と前記複素共役手段の出力の複素乗算を行う複素乗算
手段9と、前記複素乗算手段の出力信号を加算する複素
加算手段10とを備えた。 【効果】 システムノイズを抑圧して受信信号における
SNRを向上することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、光波、電磁波、
あるいは音波といった波動からなるパルスを送受信し、
受信信号の周波数スペクトルから、計測対象の性状、例
えば計測対象の形状や移動速度といったものを検出する
レーダ装置及びコヒーレント積分方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種のレーダ装置は、光波、電
磁波あるいは音波等をパルス変調して送信し、計測の対
象となる距離に相当する遅延時間をおいて計測対象から
の反射信号を受信する。送信したパルスの時間幅に等し
い時間の受信信号をフーリエ変換して周波数ごとに信号
を積分することにより、計測対象の性状、例えば移動速
度を計測するものであった。
【0003】このような装置では、信号対雑音電力比
(以下においてはSNRと称する)を向上させるための
積分時間はパルス幅で制限されていた。SNRを向上さ
せるには、パルス幅を拡大すること、もしくパルスを複
数回送信することが考えられるが、計測対象からの反射
信号がコヒーレンス時間(文献[1]、日置 隆一編、
光用語辞典、オーム社、昭和56年11月30日発行、
84頁)を持つことにより位相揺らぎが生じ、コヒーレ
ント積分による十分なSNRの向上効果が得られなかっ
た。
【0004】この問題を解決するレーダ装置の一つは、
特願平11−312876号(平成11年11月2日提
出)に示されている。
【0005】従来のレーダ装置について図面を参照しな
がら説明する。図4は、例えば特願平11−31287
6号に示された従来のレーダ装置の構成を示す図であ
る。
【0006】図4において、1は送受信機、3はA/D
変換手段、4はゲート手段、11はデータ分割手段、6
a及び6bはフーリエ変換手段、8は複素共役手段、9
は複素乗算手段、10は複素加算手段である。
【0007】つぎに、従来のレーダ装置の動作について
図面を参照しながら説明する。
【0008】送受信機1からのパルス変調された送信信
号は、計測対象により反射されて送受信機1により受信
される。この受信信号は、A/D変換手段3でA/D変
換された後、ゲート手段4により受信信号中から、計測
対象からの反射信号が含まれている時間ゲートを抽出す
る。
【0009】ゲート内の受信信号は、データ分割手段1
1により偶奇もしくは前後半の2組のデータに分割され
る。この分割された各々のデータは、フーリエ変換手段
6a及び6bによりフーリエ変換される。
【0010】フーリエ変換された2つの結果の内の1つ
について、複素共役手段8により複素共役が求められ、
もう一つのフーリエ変換の結果との複素乗算を複素数乗
算手段9で求める。送信信号を複数回送信して同じ計測
を繰り返し、上記複素乗算の結果を複素加算手段10で
積分する。これにより、送信信号を送信した毎に得られ
るデータの位相揺らぎを補償し、コヒーレント積分によ
る十分なSNRの向上を図ることができた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述したような従来の
レーダ装置では、A/D変換の前段に計測に必要な周波
数帯域以外の周波数成分を除去するためのフィルタがな
かったので、A/D変換した段階でのSNRが低いとい
う問題点があった。
【0012】装置内で発生するシステムノイズは、白色
ランダムノイズであるが、A/D変換の前段にフィルタ
を有することにより、フィルタの通過帯域幅の逆数に相
当するコヒーレンス時間を有する。しかし、上記従来の
レーダ装置においては、このようなシステムノイズがコ
ヒーレンス時間を持つケースについて、上記ゲートの時
間幅、上記データ分割、所望の信号に関するコヒーレン
ス時間、及びフィルタの通過周波数範囲等関する考慮が
なされていなかった。したがって、上記従来のレーダ装
置に対し、単にフィルタを備えるだけでは、十分なSN
Rの向上効果が得られるものではなかった。
【0013】この発明は、前述した問題点を解決するた
めになされたもので、フィルタを備えることによりシス
テムノイズがコヒーレンス時間を持つ場合においても所
望の信号のみを同相でコヒーレント積分し、システムノ
イズを抑圧して受信信号におけるSNRを向上すること
ができるレーダ装置及びコヒーレント積分方法を得るこ
とを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係
るレーダ装置は、波動からなるパルスを送信するととも
に、計測対象からの反射信号を受信する送受信機と、送
受信機により受信された信号中から計測不要な周波数帯
域の信号を除去するフィルタと、前記フィルタの出力を
予め決められたサンプリング周期によりA/D変換する
A/D変換手段と、前記A/D変換手段の出力に時間軸
上でゲートをかけ、ゲート内の受信信号を抽出するゲー
ト手段と、前記ゲート内の受信信号をフーリエ変換する
フーリエ変換手段と、前記フーリエ変換されたゲート内
の前半のデータと後半のデータの同期をとる遅延手段
と、前記フーリエ変換されたゲート内の後半のデータの
複素共役を求める複素共役手段と、前記遅延手段の出力
信号と前記複素共役手段の出力信号の複素乗算を行う複
素乗算手段と、前記複素乗算手段の出力信号を加算する
複素加算手段とを備えたものである。
【0015】この発明の請求項2に係るレーダ装置は、
前記ゲート手段により抽出された受信信号を前半のデー
タと後半のデータに分割する切り替えスイッチをさらに
備え、前記フーリエ変換手段は、前記分割された前半の
データをフーリエ変換する第1のフーリエ変換手段と、
前記分割された後半のデータをフーリエ変換する第2の
フーリエ変換手段とを有するものである。
【0016】この発明の請求項3に係るレーダ装置は、
計測における必要周波数の下限値をfs、上限値をfe
とし、前記A/D変換手段におけるサンプリング周期を
2fe以上とし、前記フィルタの通過周波数範囲の下限
値をfbs、上限値をfbeとし、前記計測対象の性質
により決まる反射信号のコヒーレンス時間をτcとした
場合、1/(fbe−fbs)<τc/2、fbe<f
s、fe<fbsの関係を満足し、前記送信パルスの時
間幅、及びゲート時間幅τは、1/(fbe−fbs)
<τ/2、τ<τcの関係を満足するものである。
【0017】この発明の請求項4に係るコヒーレント積
分方法は、受信された信号中からフィルタにより計測不
要な周波数帯域の信号を除去するステップと、前記フィ
ルタの出力に時間軸上でゲートをかけ、ゲート内の受信
信号を抽出するステップと、前記抽出されたゲート内の
受信信号を前半のデータ及び後半のデータの2つに分割
してそれぞれをフーリエ変換するステップと、前記フー
リエ変換された前半のデータ又は後半のデータの一方の
複素共役を求めるステップと、前記フーリエ変換された
前半のデータ又は後半のデータの他方と前記求められた
複素共役のデータの複素乗算を行うステップと、前記複
素乗算の結果を加算するステップとを含むものである。
【0018】この発明の請求項5に係るコヒーレント積
分方法は、計測における必要周波数の下限値をfs、上
限値をfeとし、前記フィルタの通過周波数範囲の下限
値をfbs、上限値をfbeとし、計測対象の性質によ
り決まる反射信号のコヒーレンス時間をτcとした場
合、1/(fbe−fbs)<τc/2、fbe<f
s、fe<fbsの関係を満足し、ゲート時間幅τは、
1/(fbe−fbs)<τ/2、τ<τcの関係を満
足するものである。
【0019】
【発明の実施の形態】実施の形態1.この発明の実施の
形態1に係るレーダ装置について図面を参照しながら説
明する。図1は、この発明の実施の形態1に係るレーダ
装置の構成を示す図である。なお、各図中、同一符号は
同一又は相当部分を示す。
【0020】図1において、1は光波、電磁波、あるい
は音波といった波動を送受信するための送受信機、2は
受信信号中から計測に不要な周波数帯域の信号を除去す
るためのフィルタ、3はA/D変換を行うA/D変換手
段、4は受信信号に時間軸上でゲートをかけ、ゲート内
の受信信号を抽出するゲート手段、5はゲート手段4に
より抽出された受信信号を前半のデータと後半のデータ
に分割するための切り替えスイッチである。
【0021】また、同図において、6a及び6bは同一
ゲート内の受信信号をフーリエ変換するフーリエ変換手
段、7は各ゲート中の前半のデータをフーリエ変換する
フーリエ変換手段6aの出力と、後半のデータをフーリ
エ変換するフーリエ変換手段6bの出力の同期をとるた
めに、前半のデータのフーリエ変換手段6aの後段に設
けられた遅延手段、8はフーリエ変換手段6bの出力信
号の複素共役を求める複素共役手段、9は遅延手段7の
出力信号と複素共役手段8の出力信号の複素乗算を行う
複素乗算手段、10は複素乗算手段9の出力信号を加算
する複素加算手段である。なお、複素乗算手段9は、同
一の周波数毎に複素乗算を行う。
【0022】つぎに、この実施の形態1に係るレーダ装
置の動作について図面を参照しながら説明する。
【0023】図2は、この発明の実施の形態1に係るレ
ーダ装置の送受信動作を示すタイミングチャートであ
る。
【0024】図2において、(a)は送信タイミング、
(b)は受信タイミングをそれぞれ示す。また、τは送
信パルスの時間幅、τPRIは送信パルスの時間間隔、
τdは計測対象までの距離に相当する遅延時間、n(=
0、1、2、3、…)は送信及び受信回数である。
【0025】この実施の形態1に係るレーダ装置は、光
波、電磁波、あるいは音波といった波動を送受信し、受
信信号の周波数スペクトルから、計測対象の性状、例え
ば計測対象の形状や移動速度といったものを検出する装
置に適用可能である。
【0026】ここでは、その具体的例として、光波を大
気中に送信し、大気中のエアロゾルから反射された反射
信号をヘテロダイン検波してドップラースペクトルを求
め、このドップラースペクトルから大気の風速を測定す
るケースについて説明する。
【0027】送受信機1からの受信信号には、所望の信
号であるドップラー信号と、不要信号であるレーダ装置
内部のシステムノイズとが含まれている。
【0028】ドップラー信号は、大気の性質により決ま
るコヒーレンス時間を持つ信号である。本明細書におけ
るコヒーレンス時間とは、信号の位相揺らぎが起こらな
い範囲の時間であり、信号の周波数スペクトル幅の逆数
により与えられる。その定義は、上記の文献[1]に示
されている。この文献[1]では、光波の場合について
記述されているが、使用する波動が電磁波や、音波の場
合においても同様の記述が可能であることは明らかであ
る。
【0029】レーダ装置内部におけるシステムノイズ
は、白色ランダムノイズであり、コヒーレンス時間を持
たない信号である。
【0030】図1において、計測における必要周波数の
下限値をfs、上限値をfeとし、A/D変換における
サンプリング周期を2fe以上とする。フィルタ2の通
過周波数範囲は、通過周波数範囲の下限値をfbs、通
過周波数範囲の上限値をfbeとし、計測対象(大気)
の性質により決まる反射信号(ドップラー信号)のコヒ
ーレンス時間をτcとし、次の式(1)、及び式(2)
を満足するように設定する。
【0031】 1/(fbe−fbs)<τc/2 (1)
【0032】 fbe<fs、fe<fbs (2)
【0033】まず、図2(a)に示すように、送受信機
1により、時間幅τの送信パルスを、送信パルス間隔τ
PRIで繰り返し送信する。この送信パルスは、大気中
のエアロゾルにより反射され、この反射信号は送受信機
1により受信される。送受信機1においては、この反射
信号はヘテロダイン検波され(以下、ヘテロダイン検波
された反射信号をドップラー信号と称する。)、風速と
光波の伝播速度とで決まるドップラースペクトルを持つ
信号となる。なお、このドップラー信号は、フィルタ2
の通過周波数帯域内の成分のみ持つ信号である。
【0034】送受信機1からのドップラー信号、及びシ
ステムノイズは、フィルタ2を通過する。これにより計
測不要な周波数帯域の成分が除去される。所望のドップ
ラー信号は、フィルタ2の通過帯域内の成分のみ持つた
め、信号のレベル及びコヒーレンス時間に変化はない。
それに対し、システムノイズは、白色ランダムノイズな
ので、フィルタ2を通過することにより通過帯域以外の
成分が除去されてノイズレベルが低減される。このよう
に、フィルタ2を備えることで、受信信号におけるSN
Rが向上するという効果が生じる。
【0035】また、システムノイズがフィルタ2を通過
することにより、白色ランダムノイズから有色ノイズに
変化し、フィルタの通過周波数帯域幅の逆数に相当する
コヒーレンス時間を有するようになる。したがって、こ
のシステムノイズのコヒーレンス時間は、1/(fbe
−fbs)となる。
【0036】フィルタ2を通過したドップラー信号、及
びシステムノイズは、A/D変換手段3によってデジタ
ル信号に変換される。
【0037】次に、計測対象の距離に応じた遅延時間τ
dをおいて送信パルスの時間幅と同じ時間幅τを持つ信
号をゲート手段4により抽出する。これにより、計測対
象からのドップラー信号が含まれているゲート信号が抽
出される。このとき、送信パルスの時間幅、及びゲート
時間幅τは、大気の性質により決まるドップラー信号の
コヒーレンス時間をτcとし、次の式(3)を満たすよ
うに設定する。
【0038】 1/(fbe−fbs)<τ/2、τ<τc (3)
【0039】ゲートの時間幅τは、システムノイズのコ
ヒーレンス時間1/(fbe−fbs)より大きく、ド
ップラー信号のコヒーレンス時間τcより小さいので、
ゲート内におけるドップラー信号の位相揺らぎはなく、
システムノイズは位相揺らぎのある信号となっている。
【0040】次に、切り替えスイッチ5によって、ゲー
ト手段4から出力される時間幅τの信号を時間軸上で前
半と後半の2組のデータに分割する。分割された受信信
号データは、Nを送信パルスの繰り返し送信数(以下、
計測回数)、Mを分割されたデータにおけるサンプル数
として、次の式(4)、及び式(5)により与えられ
る。
【0041】
【数1】
【0042】このとき、フィルタ2の通過周波数範囲が
式(1)により設定されているので、前半のデータと後
半のデータの時間差τ/2は、システムノイズのコヒー
レント時間1/(fbe−fbs)よりも大きく、ドッ
プラー信号のコヒーレンス時間τcよりも小さくなって
いる。
【0043】分割された2つのデータの内、前半のデー
タSformer τ d(n,k)は、フーリエ変換手段6a
で、後半のデータSlatter τ d(n,k)は、フーリエ
変換手段6bでそれぞれフーリエ変換され、次の式
(6)、及び式(7)で表される値となる。
【0044】
【数2】
【0045】これらの式(6)、及び式(7)は、前半
のデータ、及び後半のデータをドップラー周波数毎に分
解し、同一のドップラー周波数成分についてコヒーレン
ト積分する演算に相当する。
【0046】なお、本明細書におけるフーリエ変換と
は、時間領域のデジタル信号のフーリエ変換という意味
であり、DFT(Discrete Fourier
Transform)、FFT(Fast Fouri
er Transform)のどちらでもよい。前者の
DFTを用いれば、ドップラー信号のコヒーレント時間
τcに合わせてゲート時間を細かく設定できるという効
果があり、また、後者のFFTを用いれば計算時間が速
くなるという効果が生じる。
【0047】このフーリエ変換手段6a、及び6bによ
り求められるドップラースペクトルは、ゲート内におい
て分割された2つの受信信号をドップラー周波数毎に分
解し、同一のドップラー周波数成分についてコヒーレン
ト積分されたものである。このとき、ゲート内における
ドップラー信号の位相揺らぎはなく、システムノイズは
位相揺らぎのある信号となっている。したがって、フー
リエ変換手段6a、及び6bにより、ドップラー信号の
みを同相でコヒーレント積分し、システムノイズをキャ
ンセルすることができるので、SNRが向上する効果が
生じる。
【0048】前半のデータのフーリエ変換結果Sformer
τ d(n,l)は、遅延手段7によって後半のデータの
フーリエ変換結果Slattar τ d(n,l)の出力との同
期がとられる。
【0049】次に、複素共役手段8は、フーリエ変換手
段6bの出力(後半のデータのフーリエ変換結果)の複
素共役を求める。複素乗算手段9では、複素共役手段8
の出力とフーリエ変換手段6aの出力の複素乗算を同一
のドップラー周波数成分毎に行う。つまり、複素共役手
段8及び複素乗算手段9においては、次の式(8)に相
当する演算が行われる。
【0050】
【数3】
【0051】ここで、A(n,l)は、複素乗算された
結果の振幅項、φ(n,l)は複素乗算された結果の位
相であり、ゲート内における前半のデータと後半のデー
タの間の信号の位相差である。
【0052】次に、送信パルスを時間間隔τPRIで繰
り返し送信して同じ計測をN回繰り返す。時間間隔τP
RIがドップラー信号のコヒーレンス時間τcよりも大
きい場合、計測回数N間における抽出したゲート内のド
ップラー信号の位相は揺らいでいる。しかし、計測回数
N間において、抽出したゲート内における前半のデータ
と後半のデータの時間差は、ドップラー信号のコヒーレ
ンス時間τcより小さいので、ドップラー信号に関する
前半データと後半データの位相差は、計測回数N間で一
定である。それに対し、前半のデータと後半のデータの
時間差は、システムノイズのコヒーレンス時間1/(f
be−fbs)よりも大きいので、シテムノイズに関す
る前半データと後半データの位相差は計測回数N間でラ
ンダムな値をとる。
【0053】次に、式(8)によるドップラースペクト
ルの複素共役、及び複素乗算によって得られた結果S
(n,l)について、次の式(9)に示す複素加算処理
を行う。これにより、送信パルス間隔τPRIがドップ
ラー信号のコヒーレンス時間τcよりも大きく、計測回
数N間のドップラー信号の位相が揺らぐ場合であって
も、ドップラー信号のみ同相でコヒーレント積分するこ
とができ、システムノイズについてはランダムな位相で
積分することになるので、受信信号におけるSNRを向
上させることが可能になる。
【0054】
【数4】
【0055】この実施の形態1に係るレーダ装置では、
受信信号を2組のデータに分割し、それぞれのドップラ
ースペクトルを求め、一方のドップラースペクトルの複
素共役結果ともう一方のドップラースペクトルの複素乗
算を行うように装置を構成し、ドップラー信号のコヒー
レンス時間より大きい時間間隔にわたって計測および処
理を複数繰り返し、得られた結果を繰り返し回数分複素
加算することでドップラー信号を抽出したゲート内及び
計測回数N間の両方について同相でコヒーレント積分で
き、十分なSNRの向上が得られるという効果がある。
【0056】また、この実施の形態1に係るレーダ装置
では、A/D変換の前段階にフィルタ2を備えているの
で、不要周波数成分を除去し、従来装置よりもシステム
ノイズレベルを低減することができる。
【0057】さらに、計測対象の性質により決まるコヒ
ーレンス時間をτcとし、計測における必要周波数の下
限値をfs、上限値をfeとし、フィルタ2の通過周波
数範囲の下限値をfbs、上限値をfbeとし、式
(1)、及び式(2)を満足するように設定し、また、
ゲートの時間幅τを式(3)の範囲に設定し、受信信号
を2組のデータに分割しているので、分割した2組のデ
ータの時間間隔を、システムノイズのコヒーレンス時間
より大きく、所望の信号のコヒーレンス時間より小さく
することができる。これにより、フィルタ2を備えるこ
とによりシステムノイズがコヒーレンス時間を持つ場合
においても所望の信号のみを同相でコヒーレント積分
し、システムノイズを抑圧して受信信号におけるSNR
を向上する効果が生じる。
【0058】実施の形態2.この発明の実施の形態2に
係るレーダ装置について図面を参照しながら説明する。
図3は、この発明の実施の形態2に係るレーダ装置の構
成を示す図である。
【0059】上記実施の形態1に係るレーダ装置では、
ゲート手段4により抽出する時間幅τの受信信号を2組
のデータに分割する。したがって、これらの分割された
2組のデータを高速フーリエ変換するために、2つのフ
ーリエ変換手段6a、及び6bを備えていた。
【0060】この実施の形態2に係るレーダ装置では、
受信信号データの分割が時間軸上の前半と後半とで実施
されることに着目し、ゲート手段4内の2M個のデータ
の前半のM個と、後半のM個について逐次的にフーリエ
変換することで、フーリエ変換手段を1つに減らすこと
ができる。さらに、ゲート手段4と2つのフーリエ変換
手段6a、及び6bとの接続を切り替えていた切り替え
スイッチ5も削除できる。
【0061】以上述べたように、この実施の形態2に係
るレーダ装置では、上記実施の形態1における2つのフ
ーリエ変換手段6a、及び6bの内の1つと、切り替え
スイッチ5を削減することができるので、装置を廉価に
するという効果が生じる。
【0062】
【発明の効果】この発明の請求項1に係るレーダ装置
は、以上説明したとおり、波動からなるパルスを送信す
るとともに、計測対象からの反射信号を受信する送受信
機と、送受信機により受信された信号中から計測不要な
周波数帯域の信号を除去するフィルタと、前記フィルタ
の出力を予め決められたサンプリング周期によりA/D
変換するA/D変換手段と、前記A/D変換手段の出力
に時間軸上でゲートをかけ、ゲート内の受信信号を抽出
するゲート手段と、前記ゲート内の受信信号をフーリエ
変換するフーリエ変換手段と、前記フーリエ変換された
ゲート内の前半のデータと後半のデータの同期をとる遅
延手段と、前記フーリエ変換されたゲート内の後半のデ
ータの複素共役を求める複素共役手段と、前記遅延手段
の出力信号と前記複素共役手段の出力信号の複素乗算を
行う複素乗算手段と、前記複素乗算手段の出力信号を加
算する複素加算手段とを備えたので、システムノイズを
抑圧して受信信号におけるSNRを向上することができ
るという効果を奏する。
【0063】この発明の請求項2に係るレーダ装置は、
以上説明したとおり、前記ゲート手段により抽出された
受信信号を前半のデータと後半のデータに分割する切り
替えスイッチをさらに備え、前記フーリエ変換手段は、
前記分割された前半のデータをフーリエ変換する第1の
フーリエ変換手段と、前記分割された後半のデータをフ
ーリエ変換する第2のフーリエ変換手段とを有するの
で、システムノイズを抑圧して受信信号におけるSNR
を向上することができるという効果を奏する。
【0064】この発明の請求項3に係るレーダ装置は、
以上説明したとおり、計測における必要周波数の下限値
をfs、上限値をfeとし、前記A/D変換手段におけ
るサンプリング周期を2fe以上とし、前記フィルタの
通過周波数範囲の下限値をfbs、上限値をfbeと
し、前記計測対象の性質により決まる反射信号のコヒー
レンス時間をτcとした場合、1/(fbe−fbs)
<τc/2、fbe<fs、fe<fbsの関係を満足
し、前記送信パルスの時間幅、及びゲート時間幅τは、
1/(fbe−fbs)<τ/2、τ<τcの関係を満
足するので、システムノイズを抑圧して受信信号におけ
るSNRを向上することができるという効果を奏する。
【0065】この発明の請求項4に係るコヒーレント積
分方法は、以上説明したとおり、受信された信号中から
フィルタにより計測不要な周波数帯域の信号を除去する
ステップと、前記フィルタの出力に時間軸上でゲートを
かけ、ゲート内の受信信号を抽出するステップと、前記
抽出されたゲート内の受信信号を前半のデータ及び後半
のデータの2つに分割してそれぞれをフーリエ変換する
ステップと、前記フーリエ変換された前半のデータ又は
後半のデータの一方の複素共役を求めるステップと、前
記フーリエ変換された前半のデータ又は後半のデータの
他方と前記求められた複素共役のデータの複素乗算を行
うステップと、前記複素乗算の結果を加算するステップ
とを含むので、システムノイズを抑圧して受信信号にお
けるSNRを向上することができるという効果を奏す
る。
【0066】この発明の請求項5に係るコヒーレント積
分方法は、以上説明したとおり、計測における必要周波
数の下限値をfs、上限値をfeとし、前記フィルタの
通過周波数範囲の下限値をfbs、上限値をfbeと
し、計測対象の性質により決まる反射信号のコヒーレン
ス時間をτcとした場合、1/(fbe−fbs)<τ
c/2、fbe<fs、fe<fbsの関係を満足し、
ゲート時間幅τは、1/(fbe−fbs)<τ/2、
τ<τcの関係を満足するので、システムノイズを抑圧
して受信信号におけるSNRを向上することができると
いう効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係るレーダ装置の
構成を示す図である。
【図2】 この発明の実施の形態1に係るレーダ装置の
動作を示すタイミングチャートである。
【図3】 この発明の実施の形態2に係るレーダ装置の
構成を示す図である。
【図4】 従来のレーダ装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 送受信機、2 フィルタ、3 A/D変換手段、4
ゲート手段、5 切り替えスイッチ、6a、6b、6
フーリエ変換手段、7 遅延手段、8 複素共役手
段、9 複素乗算手段、10 複素加算手段。
フロントページの続き (72)発明者 平野 嘉仁 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 和高 修三 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 藤坂 貴彦 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 5J070 AB07 AC02 AC06 AH02 AH35 AH39 AK22 AK28 BA01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 波動からなるパルスを送信するととも
    に、計測対象からの反射信号を受信する送受信機と、 送受信機により受信された信号中から計測不要な周波数
    帯域の信号を除去するフィルタと、 前記フィルタの出力を予め決められたサンプリング周期
    によりA/D変換するA/D変換手段と、 前記A/D変換手段の出力に時間軸上でゲートをかけ、
    ゲート内の受信信号を抽出するゲート手段と、 前記ゲート内の受信信号をフーリエ変換するフーリエ変
    換手段と、 前記フーリエ変換されたゲート内の前半のデータと後半
    のデータの同期をとる遅延手段と、 前記フーリエ変換されたゲート内の後半のデータの複素
    共役を求める複素共役手段と、 前記遅延手段の出力信号と前記複素共役手段の出力信号
    の複素乗算を行う複素乗算手段と、 前記複素乗算手段の出力信号を加算する複素加算手段と
    を備えたことを特徴とするレーダ装置。
  2. 【請求項2】 前記ゲート手段により抽出された受信信
    号を前半のデータと後半のデータに分割する切り替えス
    イッチをさらに備え、 前記フーリエ変換手段は、前記分割された前半のデータ
    をフーリエ変換する第1のフーリエ変換手段と、前記分
    割された後半のデータをフーリエ変換する第2のフーリ
    エ変換手段とを有することを特徴とする請求項1記載の
    レーダ装置。
  3. 【請求項3】 計測における必要周波数の下限値をf
    s、上限値をfeとし、前記A/D変換手段におけるサ
    ンプリング周期を2fe以上とし、前記フィルタの通過
    周波数範囲の下限値をfbs、上限値をfbeとし、前
    記計測対象の性質により決まる反射信号のコヒーレンス
    時間をτcとした場合、 1/(fbe−fbs)<τc/2、 fbe<fs、fe<fbs の関係を満足し、 前記送信パルスの時間幅、及びゲート時間幅τは、 1/(fbe−fbs)<τ/2、τ<τc の関係を満足することを特徴とする請求項1又は2記載
    のレーダ装置。
  4. 【請求項4】 受信された信号中からフィルタにより計
    測不要な周波数帯域の信号を除去するステップと、 前記フィルタの出力に時間軸上でゲートをかけ、ゲート
    内の受信信号を抽出するステップと、 前記抽出されたゲート内の受信信号を前半のデータ及び
    後半のデータの2つに分割してそれぞれをフーリエ変換
    するステップと、 前記フーリエ変換された前半のデータ又は後半のデータ
    の一方の複素共役を求めるステップと、 前記フーリエ変換された前半のデータ又は後半のデータ
    の他方と前記求められた複素共役のデータの複素乗算を
    行うステップと、 前記複素乗算の結果を加算するステップとを含むことを
    特徴とするコヒーレント積分方法。
  5. 【請求項5】 計測における必要周波数の下限値をf
    s、上限値をfeとし、前記フィルタの通過周波数範囲
    の下限値をfbs、上限値をfbeとし、計測対象の性
    質により決まる反射信号のコヒーレンス時間をτcとし
    た場合、 1/(fbe−fbs)<τc/2、 fbe<fs、fe<fbs の関係を満足し、 ゲート時間幅τは、 1/(fbe−fbs)<τ/2、τ<τc の関係を満足することを特徴とする請求項4記載のコヒ
    ーレント積分方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013083467A (ja) * 2011-10-06 2013-05-09 Japan Aerospace Exploration Agency 光学式遠隔気流計測装置の有色ノイズ低減方法とその装置
CN107894586A (zh) * 2017-10-17 2018-04-10 南京航空航天大学 一种基于同步压缩变换的激光雷达回波信号去噪方法
JPWO2018220825A1 (ja) * 2017-06-02 2019-11-07 三菱電機株式会社 レーダ装置

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