JP2003004719A - 油ちょう食品食感評価方法、油ちょう食品食感評価装置、及び油ちょう食品食感評価方法をコンピュータに実行させるプログラム - Google Patents

油ちょう食品食感評価方法、油ちょう食品食感評価装置、及び油ちょう食品食感評価方法をコンピュータに実行させるプログラム

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JP2003004719A
JP2003004719A JP2001187210A JP2001187210A JP2003004719A JP 2003004719 A JP2003004719 A JP 2003004719A JP 2001187210 A JP2001187210 A JP 2001187210A JP 2001187210 A JP2001187210 A JP 2001187210A JP 2003004719 A JP2003004719 A JP 2003004719A
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batter
food
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fried food
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JP2001187210A
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Takashi Toyoshima
尊 豊島
Kinya Tsuchiya
欣也 土屋
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Nisshin Oillio Group Ltd
Original Assignee
Nisshin Oillio Group Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 衣を有する油ちょう食品の食感を実験的に評
価するための官能試験を行わなくても、油ちょう食品の
食感を実験的に評価するための評価方法を提供するこ
と。 【解決手段】 本発明の油ちょう食品食感評価方法は、
衣を有する油ちょう食品の前記衣中に含まれる水分含有
量及び油分含有量を用いて、油ちょう食品の食感を評価
することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油ちょう食品食感
評価方法、油ちょう食品食感評価装置、及び油ちょう食
品食感評価方法をコンピュータに実行させるプログラム
に関する。
【0002】
【従来の技術】食用油脂は、一般的に炒め物、天ぷら、
フライ、ドレッシング及びマヨネーズ等を作る際に使用
されている。このような食用油脂としては、一般家庭用
のみならず、外食産業や冷凍食材メーカー等の多くが業
務用油脂として使用している。近年においては、特に電
子レンジによる再加熱によりフライ食品が調理可能な冷
凍食品の需要は年々増加傾向にあり、食感の維持や油っ
こさを低減することが重要となっている。しかし、上記
フライ食品は、保存時に油っこさが増加することが官能
試験により知られている。また、再加熱時に油が容器等
に付着することにより、より油っこく感じられることも
知られている。
【0003】しかし、一方でフライ食品の官能試験を行
うパネラーの選定や育成は困難であり、また、複数のパ
ネラーにより官能試験を行っていることからスケジュー
ル調整に手間を要する等の非効率な側面を持っている。
【0004】従来、フライ食品の油っこさによる風味の
低下を防止することを目的とした技術が特開平06−1
53794号公報に開示されているが、冷凍保存時の油
っこさの低減を目的としたものではなく、且つ油っこさ
の評価方法についての言及はない。これまで言われてき
た油っこさの評価は官能試験により判断されており、厳
密な評価方法は無いというのが現状である。
【0005】また、油滲みについても特開昭52−62
313号公報及び特開平8−38057号公報等に開示
があるが、上記公報における開示は電子レンジ加熱時の
食材表面及び容器等への油滲みについて言及したもので
はない。従って、従来は衣を有する油ちょう食品、特に
フライ食品等の食感、特に油っこさを実験的に評価する
方法がなく、官能試験に頼っていたのであるが、官能試
験は上述したような問題があるため、フライ食品の食
感、特に油っこさを実験的に評価する評価方法及び評価
システムが望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、衣を有する油ちょう食品の食感を実験的に評価する
ための官能試験を行わなくても、油ちょう食品の食感を
実験的に評価するための評価方法及び評価装置を提供す
ることにある。
【0007】
【発明が解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を達成するため、様々な油脂による研究を進めた結果、
衣を有する油ちょう食品の衣中の水分含有量及び衣中に
含まれる油分含有量を求め、求められた水分含有量及び
油分含有量と、官能試験により求めた官能試験値とが相
関を示すことを見出し、本発明を完成した。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。なお、本願明細書において「油ちょう食品の食
感」とは、いわゆる油っこさのことをいい、人が油ちょ
う食品を口に含んだときに感ずる主観的な感覚や電子レ
ンジを用いて加熱した後に食品の表面及び食品を載せた
食器に滲み出る油量が多いといった客観的なもの、見た
目の油っこさのことをいうが、主としてフライ食品を電
子レンジ等で再加熱したときの上記のような油っこさを
いう。
【0009】本発明の油ちょう食品食感評価方法、油ち
ょう食品食感評価装置等における対象食品としては衣を
有する油ちょう食品である。衣を有する油ちょう食品と
は、油脂を使用して調理、製造した食品のうち、多孔性
食品のことである。多孔性食品とは材料中の蒸発成分の
拡散、あるいは材料に注入したガスの微細気泡の膨化に
より生じた多孔性組織を有するものであり、具体的に
は、クラッカー、コーンパフ、ポテトチップ等のスナッ
ク菓子、せんべい、あられ等の米菓、コロッケ、トンカ
ツ、春巻き、天ぷらの衣、かき揚げ及び揚げパン等のフ
ライ食品が挙げられる。
【0010】食品の食感は、硬さ、弾力性、脆さ、咀嚼
性、粘り、パリパリ感等があるが、特に油ちょう食品に
おいては油っこさが食品のおいしさに与える重要な要因
となり、冷凍食品等の再加熱時の食材内部からの油の滲
みだしは視覚的且つ触感的に油っこさを感じさせ、食感
を低下させ、すなわち、おいしさを低下させる。
【0011】以下、先ず本発明の油ちょう食品食感評価
方法について説明する。本発明の油ちょう食品食感評価
方法は、衣を有する油ちょう食品の衣中に含まれる水分
含有量及び油分含有量を用いて、油ちょう食品の食感を
評価するものである。具体的には、〔衣中に含まれる水
分含有量/衣中に含まれる油分含有量〕比から算出した
値を用いることにより食感を評価するものである。な
お、衣中に含まれる水分含有量及び油分含有量とは、衣
の質量に対する、衣中に含まれる水分及び油分の質量の
ことである。
【0012】衣中に含まれる水分含有量及び油分含有量
の算出方法について説明する。 (1)衣中の水分含有量算出方法 油ちょう食品の衣を110℃の温度で3時間乾燥させ、
乾燥前後の質量から衣中に含まれる水分含有量を算出す
る(基準油脂分析試験法1.4.1)。衣中の水分含有
量算出式を以下に示す。 衣中の水分含有量(%)=(乾燥前の衣の質量−乾燥後
の衣の質量)/(乾燥前の衣の質量)×100 なお、ここでいう「衣」とは、食材の外部と内部とが均
一の場合は食材全体のことを意味するものとし、食材の
外部と内部とが均一のものでない場合には、内部を除去
したものを意味する。例えば、コロッケ等は外部と内部
とが不均一であるため、内部の具材を除去した、残りの
部分を衣とする。
【0013】(2)衣中の油分含有量算出方法 衣中の油分含有量は、ソックスレー抽出器にて測定する
(基準油脂分析試験法1.5)(ソックスレー抽出によ
り測定した油脂量をAとする)。油脂を抽出した後の油
ちょう食品の衣を除去し、脱溶剤することにより油脂抽
出後の衣質量を得る(B)。なお、ソックスレー抽出に
用いる溶剤(ジエチルエーテル)の量は、油ちょう食品
1g〜100gに対して50〜300ml程度である。
衣中の油分含有量算出式を以下に示す。 衣中の油分含有量(%) =(A)/(A+B) =(衣中の油分含有量)/(衣中の油分含有量+衣の質量)×100
【0014】本発明の油ちょう食品食感評価方法におい
ては、衣を有する油ちょう食品の衣中に含まれる水分含
有量及び油分含有量と、衣を有する油ちょう食品の官能
試験により求めた官能評価値とを相関分析する。官能試
験により求めた官能評価値について簡単に説明すると、
15名のパネラーに油ちょう食品を食してもらい、それ
ぞれのパネラーに油ちょう食品の油っこさを評価させ、
15名の平均値を官能評価値とする。パネラーは、0〜
4点の間で油っこさを評価するが、官能評価に用いられ
る評価用の用紙の一例を図1に示す。図1に示すよう
に、油っこさの度合いは、全く油っこくない場合は0点
であり、ひどく油っこい場合は4点として評価を行う。
【0015】このような官能評価により求めた官能評価
値と、〔油ちょう食品の衣中に含まれる水分含有量/油
ちょう食品の衣中に含まれる油分含有量〕比から算出し
た値とを相関分析すると、両者に直線の相関関係がある
ことを、本発明者らは見出した。すなわち、上記官能評
価により求めた官能評価値と、〔油ちょう食品の衣中に
含まれる水分含有量/油ちょう食品の衣中に含まれる油
分含有量〕比から算出した値とを相関分析することによ
り基準データ(以下、本明細書において「油っこさ値」
ともいう)を求め、かかる基準データと、〔油ちょう食
品の衣中に含まれる水分含有量/油ちょう食品の衣中に
含まれる油分含有量〕比から算出した値とを対比するこ
とにより、油ちょう食品の食感(油っこさ)を評価でき
ることがわかった。
【0016】この点については、後述する実施例におい
て詳しく説明するが、上記官能評価により求めた官能評
価値と、〔油ちょう食品の衣中に含まれる水分含有量/
油ちょう食品の衣中に含まれる油分含有量〕比から算出
した値とを相関分析することにより基準データを求め
る。すなわち、例えば官能評価試験において油っこいと
判断される場合の〔油ちょう食品の衣中に含まれる水分
含有量/油ちょう食品の衣中に含まれる油分含有量〕比
から算出した値を計算により求めておく。油っこさを評
価したい油ちょう食品の衣中に含まれる水分含有量及び
油分含有量を求め、上記式にそれぞれの値をあてはめ、
その値により、その油ちょう食品が油っこさの度合いが
わかる。
【0017】また、上述の官能評価により求めた官能評
価値と、〔油ちょう食品の衣中に含まれる水分含有量/
油ちょう食品の衣中に含まれる油分含有量〕比から算出
した値から相関式を求め、かかる相関式と油ちょう食品
の衣中に含まれる水分含有量/油ちょう食品の衣中に含
まれる油分含有量とを対比することにより、油ちょう食
品の食感(油っこさ)を評価できることがわかった。
【0018】この場合も、上記相関式が求められるの
で、油っこさを評価したい油ちょう食品の衣中に含まれ
る水分含有量及び油分含有量を求め、その値を上記相関
式に当てはめて計算することにより、官能評価試験にお
ける食感(油っこさ)に対応する油っこさの度合いがわ
かる。
【0019】次に、本発明の油ちょう食品食感方法をコ
ンピュータに実行させるプログラムについて説明する。
本発明の油ちょう食品食感方法をコンピュータに実行さ
せるプログラムとは、コンピュータの動作を制御し、以
上に説明した本発明の油ちょう食品の食感評価方法を実
施するためのプログラムであり、官能試験により求めた
官能評価値と、〔油ちょう食品の衣中に含まれる水分含
有量/油ちょう食品の衣中に含まれる油分含有量〕比か
ら算出した値とから求めた基準データ、相関式を記憶し
ており、油ちょう食品の衣中に含まれる水分含有量及び
油分含有量のデータを入力することにより、食感の評価
を算出するためのプログラムである。かかるプログラム
により、油ちょう食品の衣中に含まれる水分含有量及び
油分含有量を求めることにより、かかる値を入力し、自
動的に食感(油っこさ)を評価することが可能となる。
【0020】次に、本発明の油ちょう食品食感評価装置
について説明する。本発明の油ちょう食品食感評価装置
は、衣を有する油ちょう食品の衣中に含まれる水分含有
量及び油分含有量から油ちょう食品の食感を評価する評
価手段を有することを特徴とする。前記評価手段は、
〔前記衣中に含まれる水分含有量/前記衣中に含まれる
油分含有量〕比から算出した値を用いることにより食感
を評価する。衣を有する油ちょう食品の衣中に含まれる
水分含有量及び油分含有量の算出方法については、上述
した油ちょう食品食感評価方法において説明した通りで
ある。
【0021】本発明の油ちょう食品食感評価装置は、油
ちょう食品の衣中に含まれる水分含有量及び水分含有量
を入力することにより、油ちょう食品の食感(油っこ
さ)を評価できる、評価手段を有している。
【0022】また、上記官能評価により求めた官能評価
値と、〔油ちょう食品の衣中に含まれる水分含有量/油
ちょう食品の衣中に含まれる油分含有量〕比から算出し
た値とを相関分析すると、両者に直線の相関関係がある
ことは上述した。すなわち、上記評価手段においては、
上記官能評価により求めた官能評価値と、〔油ちょう食
品の衣中に含まれる水分含有量/油ちょう食品の衣中に
含まれる油分含有量〕比から算出した値とを相関分析す
ることにより基準データを求め、かかる基準データと、
〔油ちょう食品の衣中に含まれる水分含有量/油ちょう
食品の衣中に含まれる油分含有量〕比から算出した値と
を対比することにより、油ちょう食品の食感(油っこ
さ)を評価する。
【0023】また、上記官能評価値と、〔油ちょう食品
の衣中に含まれる水分含有量/油ちょう食品の衣中に含
まれる油分含有量〕比から算出した値から相関式を求
め、かかる相関式と油ちょう食品の衣中に含まれる水分
含有量/油ちょう食品の衣中に含まれる油分含有量とを
対比することにより、油ちょう食品の食感(油っこさ)
を評価できることは上述した通りである。本発明の油ち
ょう食品食感評価装置の評価手段においては、上記相関
式を求め、油っこさを評価したい油ちょう食品の衣中に
含まれる水分含有量及び油分含有量を求め、その値を上
記相関式に当てはめて計算することにより、官能評価試
験における食感(油っこさ)に対応する油っこさの度合
いを求め、食感を評価する。
【0024】実施例1 以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。な
お、本発明の範囲は、かかる実施例に限定されないこと
はいうまでもない。また、以下の記載において、特に断
らない限り部は質量部を、%は質量%を表わす。
【0025】1Lフライヤーに菜種油を0.8kg入
れ、菜種油を160℃の温度に加熱した。一方、マッシ
ュポテトをパテ(20g)として、バッター及び衣をつ
け、160℃に加熱した菜種油中で5分間調理を行い、
コロッケを製造した。製造したコロッケを8分間放冷し
た後、−35℃の急速冷凍庫にて1時間保管し、冷凍食
品としての冷凍コロッケを得た。得られた冷凍コロッケ
を密閉式ビニール袋に入れた後、−10℃の冷凍庫中に
て保存した。
【0026】−10℃の冷凍庫中に保存した冷凍コロッ
ケを4日、7日、10日及び14日経過した後に取り出
し電子レンジを用いて解凍した後、官能試験を行った。
官能試験は、15名のパネラーにより行い、食感(油っ
こさ)を評価した。各サンプルについて15名のパネラ
ーにより食してもらい、それぞれのパネラーに油ちょう
食品の油っこさの評価をさせ、15名の平均値を官能評
価値とした。パネラーは0〜4点の間で油っこさの評価
を行うが、官能評価には、図1に示す評価用用紙が用い
られる。また、求められた食感(油っこさ)に対する評
価の度合いを表1に示す。なお、上記官能評価は、−1
0℃の冷凍庫に保存する前の冷凍コロッケについても行
った。保存前の冷凍コロッケをサンプル1とし、4日、
7日、10日及び14日保存したものをサンプル2〜5
とした。
【0027】
【表1】
【0028】また、電子レンジを用いて解凍した冷凍コ
ロッケについて、衣中の水分含有量及び油分含有量を求
め、以下の式により、食感評価のために用いる油っこさ
値を算出した。なお、水分含有量及び油分含有量の測定
は、−10℃の冷凍庫に保存する前の冷凍コロッケにつ
いても行った。衣中の水分含有量及び油分含有量の測定
は以下のように行った。 (1)衣中の水分含有量算出方法 衣25gを110℃の温度で3時間乾燥させ、乾燥前後
の質量から衣中に含まれる水分含有量を算出する(基準
油脂分析試験法1.4.1)。衣中の水分含有量算出式
を以下に示す。 衣中の水分含有量(%)=(乾燥前の衣の質量−乾燥後
の衣の質量)/(乾燥前の衣の質量)×100
【0029】(2)衣中の油分含有量算出方法 衣25gを用いて、ソックスレー抽出器にて測定する
(基準油脂分析試験法1.5)(ソックスレー抽出によ
り測定した油脂量をBとする)。油脂を抽出した後の油
ちょう食品の衣を除去し、脱溶剤することにより油脂抽
出後の衣質量を得る(C)。なお、用いた溶剤(ジエチ
ルエーテル)量は100mlである。衣中の油分含有量
算出式を以下に示す。衣中の油分含有量(%) (A)/(A+B)=(衣中の油分含有量)/(衣中の
油分含有量+衣の質量)×100
【0030】油っこさ値=(1.5×(衣中の水分含有
量)/(衣中の油分含有量))×100+1.2×(衣
中の油分含有量) 衣中の水分含有量、油分含有量、油っこさ値及び官能試
験の評価結果を表2に示す。
【0031】
【表2】
【0032】次に、上記のようにして求められた油っこ
さ値と、官能試験により得られた評価との相関係数及び
相関式を求めた。官能試験により得られた評価値と上記
油っこさ値との関係を下記表3に示す。なお、油っこさ
値をXとし、官能試験により得られた評価値をYとす
る。また、油っこさ値と官能評価との相関を図2に示
す。
【0033】
【表3】
【0034】表3及び図2から明らかなように、油っこ
さ値と官能評価値とは高い相関を示すことがわかった。
従って、表3に示す相関式と、表1に示す官能評価値よ
り、油ちょう食品の食感(油っこさ)の度合いを判断す
ることが可能となる。表4に、油っこさ値と油っこさ度
合いとの関係を示す。
【0035】
【表4】
【0036】実施例2 実施例1と同様に操作を行い、冷凍コロッケを製造し、
−10℃の冷凍庫に保存した。保存前の冷凍コロッケを
サンプル6とし、冷凍庫に4日間、10日間経過した後
取り出した冷凍コロッケを、それぞれサンプル7及び8
とした。サンプル6、7及び8について、実施例1と同
様に電子レンジを用いて解凍した後官能試験を行い、官
能試験評価を行った。また、サンプル6、7及び8につ
いて、実施例1と同様に、衣中の水分含有量及び油分含
有量を測定し、油っこさ値を求めた。衣中の水分含有
量、油分含有量、油っこさ値、表4から求めた油っこさ
度合いを表5に示す。また、官能試験試験の評価結果を
表6に示す。
【0037】
【表5】
【0038】
【表6】
【0039】表5及び表6の結果から明らかなように、
油っこさ値より求めた冷凍コロッケの食感(油っこさ度
合い)が、官能評価値より求めた冷凍コロッケの油っこ
さ度合いと一致することがわかる。従って、本発明の方
法によれば、実際に官能評価を行わなくても、衣を有す
る油ちょう食品の食感の評価を実験により行うことが可
能であることがわかる。
【0040】1Lフライヤーに菜種油を0.8Kg入
れ、菜種油を160℃の温度に加熱した。一方、マッシ
ュポテトをパテ(20g)として、バッター及び衣をつ
け、160℃に加熱した菜種油中で、それぞれ3、4及
び5分間調理を行い、コロッケを製造した(それぞれ、
サンプル9、10及び11とした)。製造したコロッケ
を8分間放冷した後、各コロッケの衣中の水分含有量、
油分含有量を求め、油っこさ値を求めた。結果を表7に
示す。また、同時に官能試験による油っこさの評価も行
い、その結果を表8に示す。
【0041】
【表7】
【0042】*表7中の衣中の水分含有量及び油分含有
量は、衣の質量に対する含有量を表わす。また、衣中の
油脂重量にほとんど変化はないが、水分重量が多い場
合、衣中の油分含有量(%)は低くなる。
【0043】
【表8】
【0044】表7及び表8の結果より、油っこさ値より
求めたコロッケの油っこさ度合いが、官能評価値より求
めたコロッケの油っこさ度合いと一致することがわか
る。従って、本発明の方法によれば、実際に官能評価を
行わなくても、衣を有する油ちょう食品の食感の評価を
実験により行うことが可能であることがわかる。また、
油ちょう食品の衣中の油分含有量が一定の場合は、油ち
ょう食品の食感(油っこさ)は衣中に含有される水分量
に依存する傾向があることがわかった。
【0045】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の油ちょう食
品食感評価方法によれば、実際に官能試験による評価を
行わなくても、衣を有する油ちょう食品の食感(油っこ
さ)の評価を実験により行うことが可能である。
【0046】また、本発明の油ちょう食品食感評価方法
をコンピュータに実行させるプログラムによれば、本発
明の油ちょう食品食感評価方法をコンピュータに実行さ
せることができ、衣中の水分含有量及び油分含有量を入
力するだけで、油ちょう食品の食感(油っこさ)を評価
することのできる方法を実施することが可能である。
【0047】また、本発明の油ちょう食品食感評価装置
は、衣中の水分含有量及び油分含有量を入力するだけ
で、油ちょう食品の食感(油っこさ)を評価することの
できる装置である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 官能評価に用いられる評価用の用紙の一例を
示す図である。
【図2】 油っこさ値と官能評価との相関を示す図であ
る。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 衣を有する油ちょう食品の前記衣中に含
    まれる水分含有量及び油分含有量を用いて、油ちょう食
    品の食感を評価することを特徴とする、油ちょう食品食
    感評価方法。
  2. 【請求項2】 衣を有する油ちょう食品の食感評価方法
    であって、〔前記衣中に含まれる水分含有量/前記衣中
    に含まれる油分含有量〕比から算出した値を用いること
    により食感を評価することを特徴とする、油ちょう食品
    食感評価方法。
  3. 【請求項3】 〔前記衣中に含まれる水分含有量/前記
    衣中に含まれる油分含有量〕比から算出した値と、前記
    衣を有する油ちょう食品の官能試験により得られた官能
    評価とを相関分析することにより得られた基準データ
    と、前記衣を有する油ちょう食品の衣中に含まれる水分
    含有量及び油分含有量とを対比することを含む、請求項
    1又は2に記載の油ちょう食品食感評価方法。
  4. 【請求項4】 〔前記衣中に含まれる水分含有量/前記
    衣中に含まれる油分含有量〕比から算出した値と、前記
    衣を有する油ちょう食品の官能試験により求めた官能評
    価値との相関分析から求めた相関式と、衣を有する油ち
    ょう食品の衣中に含まれる水分含有量及び油分含有量と
    を対比することを含む、請求項1又は2に記載の油ちょ
    う食品食感評価方法。
  5. 【請求項5】 前記衣中の水分含有量が、前記衣を乾燥
    させ、乾燥前後の質量変化の値から求めたものである、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の油ちょう食品食感
    評価方法。
  6. 【請求項6】 前記衣中の油分含有量が、ソックスレー
    抽出器を用いて求めたものである、請求項1〜5のいず
    れか1項に記載の油ちょう食品食感評価方法。
  7. 【請求項7】 前記油ちょう食品が、フライ食品又は天
    ぷらである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の油ち
    ょう食品食感評価方法。
  8. 【請求項8】 衣を有する油ちょう食品の前記衣中に含
    まれる水分含有量及び油分含有量を用いて、油ちょう食
    品の食感を評価することを特徴とする油ちょう食品食感
    評価方法をコンピュータに実行させるプログラム。
  9. 【請求項9】 衣を有する油ちょう食品の食感評価方法
    であって、〔前記衣中に含まれる水分含有量/前記衣中
    に含まれる油分含有量〕比から算出した値を用いること
    により食感を評価することを特徴とする油ちょう食品食
    感評価方法をコンピュータに実行させるプログラム。
  10. 【請求項10】 衣を有する油ちょう食品の衣中に含ま
    れる水分含有量及び油分含有量と、前記衣を有する油ち
    ょう食品の官能試験により求めた官能評価値とを相関分
    析することにより得られた基準データと、衣を有する油
    ちょう食品の衣中に含まれる水分含有量及び油分含有量
    とを対比することを含む、請求項8又は9に記載の油ち
    ょう食品食感評価方法をコンピュータに実行させるプロ
    グラム。
  11. 【請求項11】 衣を有する油ちょう食品の衣中に含ま
    れる水分含有量及び油分含有量と、前記衣を有する油ち
    ょう食品の官能試験により求めた官能評価値との相関分
    析から求めた相関式と、衣を有する油ちょう食品の衣中
    に含まれる水分含有量及び油分含有量とを対比すること
    を含む、請求項9又は10に記載の油ちょう食品食感評
    価方法をコンピュータに実行させるプログラム。
  12. 【請求項12】 衣を有する油ちょう食品の衣中に含ま
    れる水分含有量及び油分含有量から油ちょう食品の食感
    を評価する評価手段を有することを特徴とする、油ちょ
    う食品食感評価装置。
  13. 【請求項13】 前記評価手段が、〔前記衣中に含まれ
    る水分含有量/前記衣中に含まれる油分含有量〕比から
    算出した値を用いることにより食感を評価するものであ
    る、請求項12に記載の油ちょう食品食感評価装置。
  14. 【請求項14】 前記評価手段が、前記水分含有量及び
    油分含有量と、前記衣を有する油ちょう食品の官能試験
    により求めた官能評価値とを相関分析することにより得
    られた基準データと、衣を有する油ちょう食品の衣中に
    含まれる水分含有量及び油分含有量とを対比するもので
    ある、請求項12に記載の油ちょう食品食感評価装置。
  15. 【請求項15】 前記評価手段が、前記水分含有量及び
    油分含有量と、前記衣を有する油ちょう食品の官能試験
    により求めた官能評価値との相関分析から求めた相関式
    と、衣を有する油ちょう食品の衣中に含まれる水分含有
    量及び油分含有量とを対比するものである、請求項12
    に記載の油ちょう食品食感評価装置。
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JPH11332495A (ja) * 1998-05-22 1999-12-07 Ajinomoto Co Inc 油ちょう済みフライ食品用バッター

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