JP2003003930A - 燃料噴射弁 - Google Patents

燃料噴射弁

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JP2003003930A
JP2003003930A JP2001187256A JP2001187256A JP2003003930A JP 2003003930 A JP2003003930 A JP 2003003930A JP 2001187256 A JP2001187256 A JP 2001187256A JP 2001187256 A JP2001187256 A JP 2001187256A JP 2003003930 A JP2003003930 A JP 2003003930A
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fuel
negative pressure
injection
hole plate
injection hole
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JP2001187256A
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English (en)
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Eiji Mimura
栄二 三村
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Denso Corp
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Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 噴霧の微粒化をしつつ、燃料噴霧と吸気流に
よって燃料噴射弁先端に付着する燃料を低減または除去
できるとともに、組付け容易な燃料噴射弁を提供する。 【解決手段】 バルブボディ29の先端部に形成された
燃料通路の出口に複数の噴孔28aを有する噴孔プレー
ト28を配設して、噴孔28aから燃料を噴射すること
により燃料の計量と噴射方向の決定を行なう燃料噴射弁
において、噴孔28aから噴射される燃料により形成さ
れ、噴孔プレート28近傍下流側に生じる負圧形成部2
00と、噴孔28aから流出した燃料の一部が噴孔プレ
ート28に付着するとき、この付着燃料を負圧形成部2
00に誘導する回収部150とを備え、回収部150に
は、負圧形成部200に生じる負圧を径方向に導入する
負圧導入孔52が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料噴射弁に関
し、特に内燃機関の吸気管へ燃料噴射する燃料噴射弁の
先端に付着する燃料の低減または除去に係わる構造に関
する。
【0002】
【従来の技術】燃料噴射弁としては、例えば内燃機関の
吸気管に取付けられて燃料噴射する燃料噴射弁が知られ
ている(特開平8−27763号公報、特開平9−31
0651号公報等)。
【0003】この種の燃料噴射弁は、近年、内燃機関の
性能向上、排出ガス清浄化の要求から、特に燃料の気化
促進のため、噴射される燃料噴霧を微粒化させる必要が
ある。
【0004】この対策として、特開平8−27763号
公報によれば、バルブボディの内周壁と協動して噴孔プ
レート方向に向かう流路を形成する、ノズルニードルの
先端の外周部の延長線が、バルブボディの先端部に設け
られた複数の噴孔の入口側開口の外接円の外側となるよ
うにされ、バルブボディの先端部すなわち噴孔プレート
に燃料が当った後、噴孔プレート上面に沿った中心に向
かう流れを形成し、中心に至る途中に配置された噴孔か
ら燃料を噴射させる。
【0005】また、特開平9−310651号公報によ
れば、上記中心に向かう流れを形成しつつ、それぞれの
噴孔に向かうこの流れが噴孔プレート中心で干渉し合っ
てよどみを生じないように、噴孔を所定の偏角方向に配
置している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来構成では、燃料噴
射弁の先端側にある噴孔プレート上面に配置された噴孔
入口に、燃料流速を向上させて流れ込ませることで、噴
射する燃料の運動エネルギーを増加させるので、噴霧を
微粒化させることは可能である。しかしながら、いずれ
も、噴孔から噴射された燃料噴霧と混合され混合気を形
成する吸気管内の吸気流が噴霧に与える影響について
は、十分配慮がなされていない。
【0007】すなわち、噴孔プレートの噴孔から燃料が
噴射されても、内燃機関の運転状態に応じて生じる吸気
流速が高い場合には、その吸気流が、燃料噴射によって
形成される噴霧の広がりを部分的に阻害する場合があ
る。場合によっては、阻害された噴霧の一部が、燃料噴
射弁の先端部に付着、残留する可能性がある。
【0008】一方、燃料噴射弁の燃料噴射終了後におい
ては、ノズルニードルがバルブボディに着座して弁全閉
となったとき、ノズルニードルの下部および噴孔内の無
駄容積に占める燃料が残留する。この残留燃料は、吸気
負圧によっては噴孔プレート下面に漏れ出してしまう場
合がある。場合によっては、吸気負圧によって漏れ出た
燃料が噴孔プレートに付着、残留する可能性がある。
【0009】これら付着燃料は、内燃機関の運転状態の
応じた最適な燃料噴射時期以外の期間に燃焼室へ流入す
ると、燃料の不完全燃焼により排出ガス中の炭化水素
(HC)等の有害物質が増加し環境に悪影響を及ぼす可
能性がある。
【0010】また、近年、省資源の観点から部品点数の
低減等の社会的要請がある。
【0011】本発明は、このような事情を考慮してなさ
れたものであり、その目的は、噴霧の微粒化をしつつ、
燃料噴霧と吸気流によって燃料噴射弁先端に付着する燃
料を低減または除去できるとともに、組付け容易な燃料
噴射弁を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1による
と、バルブボディの先端部に形成された燃料通路の出口
に複数の噴孔を有する噴孔プレートを配設して、噴孔か
ら燃料を噴射することにより燃料の計量と噴射方向の決
定を行なう燃料噴射弁において、噴孔から噴射される燃
料により形成され、噴孔プレート近傍下流側に生じる負
圧形成部と、噴孔から流出した燃料の一部が噴孔プレー
トに付着するとき、この付着燃料を負圧形成部に誘導す
る回収部とを備え、回収部には、負圧形成部に生じる負
圧を径方向に導入する負圧導入孔が設けられている。
【0013】このため、燃料噴射弁が燃料噴射中若しく
は燃料噴射停止時に、噴孔から流出した燃料の一部が噴
孔プレートに付着したとしても、噴孔プレート近傍下流
側に生じる負圧形成部と、この付着燃料を負圧形成部に
誘導する回収部とを備えるので、負圧形成部は、回収部
に設けられ、負圧形成部に生じる負圧を径方向に導入す
る負圧導入孔によって、付着燃料を強制誘導することが
可能である。これにより、噴孔から噴射される燃料によ
り形成され、噴孔プレート近傍下流側に生じる負圧形成
部、つまり噴孔から噴出する主噴流近傍に向かって付着
燃料が戻されるので、燃料噴射弁の先端、すなわち噴孔
プレート等に付着する燃料の除去が可能である。
【0014】本発明の請求項2によると、負圧形成部
は、噴孔プレートの下面に噴孔を整列配置することで、
噴孔プレートを横断するように、噴孔プレート近傍下流
に生じる負圧が連続的に発生する。
【0015】これにより、噴孔から噴射される燃料噴流
によって形成され、噴孔プレート近傍下流側に生じる負
圧形成部は、噴孔プレートの下面に噴孔を整列配置する
ので、噴孔プレートを横断するように、噴孔プレート近
傍下流に生じる負圧を連続的に発生させることが可能で
ある。
【0016】上記噴孔を整列配置するとは、請求項3に
記載するように、噴孔が環状に配置され、噴孔の軸線
を、弁軸方向に対して下流側に向かって拡がるように、
噴孔プレート下面に線対称に配置することである。
【0017】これにより、環状に配置される噴孔の軸線
を、弁軸方向に対して下流側に向かって拡がるように、
噴孔プレート下面に線対称に整列配置するので、線対称
となる軸線に沿って、噴孔プレートを横断するように、
噴孔プレート近傍下流に生じる負圧を連続的に発生させ
ることができる。
【0018】本発明の請求項4によると、回収部は、噴
孔プレート下面から下流側へ延設され、複数の噴孔の出
口側開口の外接円の外側近傍に配置された環状壁部から
なる。
【0019】これにより、噴孔から噴射された燃料噴霧
の飛沫が、噴孔出口の外側近傍に配置され、噴孔プレー
ト下面から下流側に延設される環状壁部からなる回収部
に一旦付着後、この付着燃料は、負圧形成部までの離間
距離に応じて順次、負圧形成部を形成する噴孔出口に向
かって誘導される。
【0020】上記環状溝部の内周は、請求項5に記載す
るように、噴孔プレート上を負圧が横断する方向側に短
径が配置されるようにされた楕円形状を有する。
【0021】これにより、負圧が横断する方向側すなわ
ち負圧形成部に近接する側には、楕円の短径を、一方、
噴孔から噴射された燃料噴霧の飛沫が付着する側には、
楕円の長径を配置するので、回収部としての楕円形状の
環状壁は、長径側の内周によって飛沫等の付着燃料を低
減しつつ、付着してしまった燃料を、短径側の内周によ
って負圧形成部を形成する噴孔出口に向かって効果的に
誘導することが可能である。
【0022】本発明の請求項6によると、環状壁部は、
噴孔プレート下面から燃料噴射下流方向に向かって拡径
する。
【0023】このため、例えば内燃機関の吸気管に傾斜
搭載される燃料噴射弁において、噴孔プレートに付着し
た燃料が回収部を介して負圧形成部へ誘導されるとき、
噴孔プレート下面を環状壁部に向かって移動する距離と
環状壁部の内周面に沿って環状壁部の先端側へ移動する
距離との和に比べて、2辺を結ぶ1辺に相当する拡径さ
れた内周傾斜面が、付着燃料を誘導する最短距離とな
る。したがって、拡径された内周傾斜面を有する環状壁
部は、拡径していない環状壁部に比べて、負圧形成部へ
誘導する距離が短くできる。
【0024】本発明の請求項7によると、回収部は、噴
孔プレートとともに一体的にプレス成形されている。
【0025】これにより、負圧形成部を形成する噴孔出
口すなわち噴孔プレート下面に配置された噴孔の配列
と、回収部に設けられた負圧導入孔との位置関係が、確
実に確保できる。したがって、回収部と噴孔プレートを
一体成形することで部品点数を増やすことなく、燃料噴
射弁の先端、すなわち噴孔プレートに付着する燃料の除
去ができるとともに、組付け、特に噴孔プレートと、お
よび回収部すなわち負圧導入孔との位置合わせが容易に
できる。
【0026】本発明の請求項8によると、環状壁部に
は、負圧導入孔に向かって径方向外周側に折返し部が設
けられている。
【0027】このため、折返し部の内周側、特に吸気流
れの下流側には、吸気管内を流れる吸気の流れ状態に応
じて、吸気流れによる負圧の形成が可能である。
【0028】したがって、負圧形成部により生じる負圧
ととともに吸気流れによる負圧によって、回収部に付着
した付着燃料は、負圧導入孔を介して、噴孔から噴出す
る主噴流近傍に向かって戻されるので、燃料噴射弁の先
端に付着する燃料の除去が確実にできる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の燃料噴射弁および
その取付方法を具体化した実施形態を図面に従って説明
する。
【0030】(第1の実施形態)図1は、本発明の実施
形態の燃料噴射弁の概略構成を表す断面図である。図2
は、本発明の実施形態の要部を示す断面図であって、図
1中の弁部の構成を表す断面図である。図4は、図1中
の燃料噴射弁の先端、つまり弁部をIII方向からみた
平面図である。図5は、図4中の噴孔プレートの噴孔か
ら噴射される燃料噴霧と回収部としての環状壁の位置関
係を表す模式的斜視図、図6は、図4中の噴孔プレート
の下面に配置される噴孔から噴射される燃料噴流を表す
模式的断面図、図7は、図4中の噴孔プレートの下面に
配置される噴孔から噴射される燃料噴流によって生じ
る、燃料噴射弁の先端に付着する燃料噴流の飛沫つまり
付着燃料の移動方向と、付着燃料を噴孔の出口に向かう
流れを形成する負圧形成部とを表す模式図である。図8
は、図7中の燃料噴流の飛沫による付着燃料の移動方向
と、噴孔プレート近傍下流側に生じる負圧形成部と、回
収部、特に負圧導入通路としての導入孔とが協動して形
成される付着燃料の流れを表す模式的断面図であって、
図8(a)は、燃料噴射状態を表す模式図、図8(b)
は、燃料噴射停止状態を表す模式図である。図9は、図
8中の付着燃料の流れを表す図1中のIII方向からみ
た部分平面図である。
【0031】(内燃機関の燃料噴射弁に適用する本実施
形態の概略構成)図1および図2に示すように、燃料噴
射弁1は、内燃機関、特にガソリンエンジンに用いられ
るものであって、内燃機関の吸気管に取付けられて燃料
噴射することで内燃機関の燃焼室へ燃料を供給するもの
である。この燃料噴射弁1は、略円筒形状であり、弁部
としての弁ボディ29、および弁部材(以下、ノズルニ
ードルと呼ぶ)26と、電磁駆動部としてのスプール3
0に巻回されたコイル31、コイル31に通電して生じ
る電磁力による磁束が流れる磁気回路を形成する円筒部
材14、この磁束による吸引力によって軸方向に移動可
能なアーマチュア25、およびコイル31が通電されて
いないときにはノズルニードル26が弁ボディ29へ当
接して閉弁するようにアーマチャ25を弁ボディ側に付
勢する圧縮スプリング24とを含んで構成されている。
【0032】まず、弁部としての弁ボディ29、ノズル
ニードル26、弁ボディの先端に形成され燃料出口とし
て燃料噴射する噴孔プレート28等について以下説明す
る。
【0033】弁ボディ29は、円筒部材14の内壁に溶
接により固定されている。詳しくは、図2に示すよう
に、弁ボディ29は、円筒部材14の磁性筒部14cに
圧入、または挿入可能になっている。この磁性筒部材1
4cの内壁に挿入された弁ボディ29を、磁性筒部14
cの外周側から全周溶接する。
【0034】この弁ボディ29の内周側には、ノズルニ
ードル26が当接、離間する弁座29aが形成されてい
る。詳しくは、図2に示すように、弁ボディ29の内周
側には、内燃機関へ燃料噴射する燃料の燃料通路が形成
されており、内燃機関側の下流から燃料上流に向かっ
て、弁座としての円錐斜面29a、大径円筒壁面29
b、円錐斜面29c、ノズルニードル26を摺動自在に
支承する小径円筒壁面29d、円錐傾斜面29eが順に
形成されている。この円錐傾斜面すなわち弁座29a
は、燃料噴射方向に縮径し、後述するノズルニードル2
6の当接部26cが当接、離間することで当接部26c
と弁座29aとが着座可能に配置されている。これによ
り、燃料噴射する燃料の連通、遮断を行なう弁部として
のいわゆる開弁、閉弁が可能である。また、大径円筒壁
面29bは、燃料溜り孔、つまりノズルニードル26と
共に囲まれる燃料溜り室29fを形成しており、小径円
筒壁面29dは、ノズルニードル26を摺動自在に支承
するニードル支持孔を形成している。この小径円筒壁面
29dにより形成されるニードル支持孔は、大径円筒壁
面29bにより形成される燃料溜り孔より小径である。
なお、円錐斜面29eは燃料上流に向かって拡径してい
る。
【0035】弁部材としてのノズルニードル26は、ス
テンレスからなる有底筒状体であって、ノズルニードル
26の先端部には、弁座29aに当接、離間可能な当接
部26cが形成されている。詳しくは、図2に示すよう
に、ノズルニードル26は、先端部すなわち燃料噴射側
が燃料上流側に比べて小径の円柱状に形成される小径柱
体部26dと、弁ボディ29の内周(詳しくは、小径円
筒壁面29d)に摺動自在に支承される大径柱体部26
eから構成されており、この小径柱体部26dの燃料噴
射側の端面は、面取りされて円錐傾斜面を形成しており
当接部26cを構成している。これにより、当接部26
cの径の大きさすなわちシート径は、小径円筒壁面29
dのニードル支持孔の径より小さく形成され、よって、
当接部26cが当接、離間する弁座29aの精密加工容
易性と、弁座29aと当接部26cが当接する弁全閉時
の弁密性確保とが両立可能である。すなわち、シート径
は、弁ボディ29の小径円筒壁面29dにより形成され
るニードル支持孔の孔径より小さいため、例えば、弁ボ
ディ29の内周としての小径円筒壁面29d、円錐斜面
29c、および大径円筒壁面29bと弁座29aを切削
加工により形成した後、弁密性確保のために行なう、燃
料上流側から燃料溜り室29fに刃物を挿入して弁座2
9aのシート部分の精密加工が容易にできる。
【0036】一方、大径柱体部26eは、ノズルニード
ル26の燃料上流側に構成され、弁ボディ29の小径円
筒壁面29dに摺動可能に収容されるよう、小径円筒壁
面29dの内径よりやや小さい外径の円柱状に形成され
ている。これにより、大径柱体部26eの外周壁面と小
径円筒壁面29dとが摺接するようにこれら壁面の間に
所定の微小隙間が形成される。
【0037】また、大径柱体部26eの大部分は、薄肉
の円筒状に形成され、図2に示すように、その内周壁面
26aには、燃料噴射側下流に流れる燃料の内部通路2
6fが形成されている。この内部通路26fは、大径柱
体部26eの燃料上流側の端面を穿孔加工する等によっ
て形成されるものであって、その穿孔深さは、弁座29
aに着座するとき生じる衝撃にノズルニードル26の底
部が耐えられるような深さに設定される。
【0038】これにより、ノズルニードル26の軽量化
と、弁座29aに当接する際生じる衝撃に対する強度確
保とが両立できる。
【0039】なお、大径柱体部26eの内部通路には、
下流側の弁座29aへ、すなわち燃料溜り室29fに連
通するように、少なくとも1つの出口孔26bが設けら
れている。
【0040】噴孔プレート28は、燃料噴射弁1の先端
側に、薄板状に形成されており、中央部に複数の噴孔2
8が形成されている。この噴孔28aは、噴孔軸線およ
び噴孔配列等により噴射方向の決定と、噴孔の開口面積
および後述の電磁駆動部による弁部の開弁期間によって
噴孔から噴射する燃料噴射量の計量とができる。
【0041】なお、燃料噴射弁1の先端部としての弁
部、特に噴孔プレート周りの構造の詳細については、後
述する。
【0042】次に、電磁駆動部としてのコイル31、円
筒部材14、アーマチュア25、および圧縮スプリング
24等について以下説明する。なお、この電磁駆動部
は、通電、通電停止することで燃料噴射弁9の弁部を開
弁、閉弁させるものであればよい。
【0043】コイル31は、図1に示すように、樹脂製
のスプール30の外周に巻回されており、このコイル3
1の端部には電気的に接続するターミナル12が設けら
れている。なお、このスプール30は、後述の円筒部材
14の外周に装着されており、また、円筒部材14の外
周に形成された樹脂モールド13の外壁から突出るよう
に、コネクタ部16が設けられており、このターミナル
12がコネクタ部16に埋設されている。
【0044】円筒部材14は、磁性部と非磁性部からな
るパイプ材であり、例えば複合磁性材で形成されてい
る。円筒部材14の一部を加熱して非磁性化することに
より、図4に示す円筒部材14を、下方の燃料噴射側か
ら上流に向かって、磁性筒部14c、非磁性筒部14
b、および磁性筒部14aの順に形成している。なお、
円筒部材14の内周には、アーマチュア収容孔14eが
設けられており、非磁性筒部14bと磁性筒部14cと
の境界近傍に、後述のアーマチュア25が収容されてい
る。
【0045】また、コイル31に通電して生じる電磁力
による磁束が流れる磁気回路を形成する円筒部材14の
外周には、図1に示すように、磁性部材23、樹脂モー
ルド15、磁性部材18が設けられている。詳しくは、
磁性部材23がコイル13の外周を覆っており、磁性部
材18はコイル31の燃料上流側に、リブ17を避ける
よう、例えば扇状に設けられている。樹脂モールド15
は磁性部材18,23の外周に形成され、樹脂モールド
13と結合している。
【0046】これにより、コイル31に通電して生じる
電磁力による磁束が、磁性筒部14a、後述の吸引部材
22、後述のアーマチュア25、磁性筒部14c、磁性
部材23、および磁性部材18の順に流れる磁気回路を
構成している。
【0047】アーマチュア25は、磁性ステンレス等の
強磁性材料からなる段付きの筒状体であって、ノズルニ
ードル26に固定されている。これにより、コイル31
に通電すると、コイル31に発生した電磁力による磁束
が、吸引部材22を介してアーマチュア25に作用する
ことで、アーマチュア25と共にノズルニードル26
を、吸引部材22側の軸方向、つまり弁座29aから遠
ざかる方向へ移動可能である。アーマチュア25の内部
空間25eは、ノズルニードル26の内部通路26fと
お互いに連通する構成となっている。
【0048】吸引部材22は、磁性ステンレス等の強磁
性材料からなる円筒体であって、円筒部材14の内周に
圧入等により固定されている。
【0049】圧縮スプリング24は、吸引部材22の内
周に配置されたアジャスティングパイプ21の端面と、
アーマチュア25の内部空間25eを形成する段差部で
あるスプリング座25cとの間に挟まれることで、コイ
ル31が通電されていないときには、アーマチュア25
に固定されたノズルニードル26を弁ボディ29へ当接
(詳しくは、当接部26cを弁座29aへ当接)させ閉
弁させるように、アーマチャ25を弁ボディ29側へ所
定の付勢力にて付勢する。
【0050】なお、アジャスティングパイプ21は、吸
引部材22の内周に圧入固定され、このアジャスティン
グパイプ21の圧入量により圧縮スプリング24の付勢
力を所定の付勢力に調整できる。
【0051】なお、円筒部材14の燃料噴射側には、弁
ボディ29および噴孔プレート28が液密に収容されて
いる。この噴孔プレート28は、弁ボディ29に液密に
溶接され、この弁ボディ29が円筒部材14に液密に収
容される構成でもよい。一方、円筒部材14の上方に
は、図1に示すようなフィルタ11が取付けられてお
り、このフィルタ11によって、燃料噴射弁1の燃料上
流から流入する燃料中に含まれる異物の除去が可能であ
る。
【0052】ここで、上述の構成を有する燃料噴射弁1
の作動について以下説明する。
【0053】電磁駆動部のコイル31に通電すると、コ
イル31には電磁力を生じる。このとき、磁気回路を構
成するアーマチャ25と吸引部材22とにおいて、吸引
部25には、アーマチュア25を吸引する吸引力が発生
する。これにより、アーマチャ25に固定されたノズル
ニードル26が、弁ボディ29の弁座29aから離間す
る。よって、弁ボディ29とノズルニードル26が開弁
され、燃料噴射弁1の上流側から流入している燃料が、
噴孔28aを通して、内燃機関へ噴射される。一方、通
電を停止すると、コイル31に生じていた電磁力が消失
するので、アーマチャ25を吸引部材22側へ吸引して
いた吸引力もなくなる。このため、アーマチュア25に
付勢している圧縮スプリング24によって、ノズルニー
ドル26が、弁ボディ29の弁座29aに当接する方向
に押圧される。よって、弁ボディ29とノズルニードル
26が閉弁され、内燃機関へ噴射によって流出される燃
料が遮断される。このとき、弁部の閉弁状態(詳しく
は、ノズルニードル26の当接部26cと弁座29cと
が当接したときのシール状態)が弁密であるので、精度
よく燃料流出の遮断ができる。
【0054】これにより、燃料噴射弁1は、通電期間、
すなわち開弁期間を可変にすることにより、内燃機関へ
噴射される燃料噴射量の調整が可能である。
【0055】(本実施形態の要部およびその詳細説明)
上述の燃料噴射量の調整可能とは、噴孔28aから噴射
される燃料噴射量を噴孔28aを通して計量したにすぎ
なく、その計量された所定の燃料が、噴孔から噴出する
燃料噴霧として全て内燃機関へ供給されるものとみなす
ので、その計量した燃料をもって内燃機関へ調量された
燃料を供給できるとするものである。
【0056】しかしながら、内燃機関の燃焼室に供給さ
れるものとしては燃料と吸気とがあり、燃料と吸気とし
ての空気等とが混合された混合気として燃焼室へ供給さ
れるものであるから、内燃機関の吸気管に取付けられ吸
気管内に燃料噴射する燃料噴射弁1の先端側には、内燃
機関の運転状態に応じて生じる吸気負圧、つまり吸気の
流れ(吸気流の流速)が作用する。よって、内燃機関の
運転状態によっては吸気流速が高くなる場合、燃料噴射
によって形成される噴霧の広がりが部分的に阻害され、
その阻害された噴霧の一部が、燃料噴射弁1の先端部に
付着する可能性がある。
【0057】燃料噴射弁1の先端部に付着した付着燃料
が、先端部から落下した燃料液滴となって、内燃機関の
運転状態の応じた最適な燃料噴射時期以外の期間に燃焼
室へ流入すると、燃料の不完全燃焼により排出ガス中の
炭化水素(HC)等の有害物質が増加し環境に悪影響を
及ぼす可能性がある。なお、最適な燃料噴射時期であっ
ても、付着燃料が大きな液滴となって落下したものが燃
焼室へ流入すると、気化不足により不完全燃焼となる。
【0058】一方、燃料噴射弁1の先端部に付着燃料が
残留し続けた状態で内燃機関が停止されると、気化した
付着燃料が内燃機関の運転のために消費されず、吸気管
の上流側から放出されてしまう場合があるので、その放
出量によっては環境に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0059】また、燃料噴射弁1の先端部に残留する燃
料としては、上述のような燃料噴射中に燃料噴霧に吸気
流が干渉して、燃料噴流の飛沫として付着する場合以外
に、燃料噴射停止時すなわち燃料噴射終了後において
も、燃料噴射弁1の弁全閉となったとき、弁部のノズル
ニードル26の先端より下流側にある噴孔28a内の無
駄容積(いわゆるデッドボリューム)に占める燃料が残
留する。通常は、運転中、連続的噴射される次回の燃料
噴射時に、燃料噴流として内燃機関へ供給されるが、吸
気負圧によっては、この残留燃料が噴孔プレート28下
面つまり燃料噴射弁1の先端部に漏れ出てしまった結
果、付着燃料となる可能性がある。
【0060】そこで、本発明の実施形態では、以下の解
決原理により、燃料噴射弁1の先端に付着する燃料を低
減または除去することを目的とする。
【0061】すなわち、燃料噴射弁1の噴孔28aから
噴射される燃料噴流の飛沫、および燃料噴射停止時に噴
孔28a等の無駄容積に残留した燃料のうち噴孔28a
より噴孔プレート28へ漏れ出たものを、低減または除
去すべき付着燃料の対象とする。そして、その付着燃料
を、後述する回収部100を介して、原則、噴孔プレー
ト28下面に配設される噴孔28aの出口に誘導する流
れを形成させることで、運転中連続的に噴射されている
燃料噴流に戻す。その結果として、内燃機関の燃焼室へ
供給する燃料として付着燃料を消費する、つまり低減、
除去する。
【0062】なお、この付着燃料を噴孔28aの出口に
導く流れは、後述の噴孔28aから噴射される燃料噴流
によって、噴孔プレート28近傍下流側に生じる負圧を
負圧源とする負圧形成部200の吸引力により形成され
る。
【0063】本実施形態は、上記解決原理に基く一手段
の態様であって、その他の手段の態様詳細については、
第2の実施形態〜第4の実施形態にて後述する。
【0064】なお、本実施形態の説明において以下、燃
料噴射弁1の噴孔28aから噴射される燃料噴流の飛沫
によるもの、および燃料噴射停止時に噴孔28a等の無
駄容積に残留した燃料のうち噴孔プレート28へ漏れ出
たものを、付着燃料と呼ぶ。また、燃料噴射弁1の噴孔
28aから噴射される燃料噴流の飛沫によるものは、燃
料噴流による付着燃料と呼び、一方、燃料噴射停止時に
噴孔28a等の無駄容積に残留した燃料のうち噴孔プレ
ート28へ漏れ出たものは、燃料噴射停止時に噴孔28
aから漏れ出た付着燃料と呼ぶ。
【0065】本実施形態の燃料噴射弁1の先端部は、図
2に示すように、段付きの筒状部50からなる。この筒
状部50には、中央に、噴孔プレート28の噴孔28a
から所定の離間距離をおいて開口部50aが設けられ、
その筒状部50の上部側50bは、弁ボディ29と噴孔
プレート28を収容する円筒部材14の外周に装着され
ている。その開口部50aは、噴孔プレート28の下面
28Lから下流側に延びる環状壁部51により形成され
ている。この環状壁部51には、図2に示すように、燃
料噴射弁1の径方向に貫通する導入孔52が設けられて
いる。
【0066】ここで、環状壁部51および導入孔52
は、上記解決原理に記載する回収部100を構成してい
る。なお、上記噴孔28aから所定離間距離をおいて配
置される開口部50aについては、環状壁部51の詳細
構造で併せて後述する。
【0067】次に、この回収部100、および負圧形成
部200の構造上の特徴について、それぞれ、図4およ
び図5、図6および図7に従って説明する。
【0068】図4は、図1中の燃料噴射弁1の先端をI
II方向からみた平面図である。図5は、図4中の噴孔
プレート28の噴孔28aから噴射される燃料噴霧と回
収部100としての環状壁部51の位置関係を表す模式
的斜視図、図6は、図4中の噴孔28aから噴射される
燃料噴流を表す模式的断面図、および図7は、図4中の
噴孔プレート28の下面281に配置される噴孔28a
から噴射される燃料噴流によって生じる、燃料噴流によ
る付着燃料の移動方向と、付着燃料を噴孔28aの出口
281に向かう流れを形成する負圧形成部200とを表
す模式図である。
【0069】まず、負圧形成部200は、図7に示すよ
うに、噴孔プレート28の下面28上に、太線矢印方向
Pに流体を吸引する負圧を発生する領域であって、軸線
SY上に横断するように連続的に発生する。
【0070】この連続的に発生する負圧は、軸線SYに
沿って配列されている複数の噴孔28aから形成されて
おり、一つの噴孔28aから形成される負圧は、図6に
示すように、噴孔プレート28下面28Lに対して偏角
する噴孔28aの軸線28dの偏角方向に起因して発生
している。
【0071】すなわち、図6に示すように、軸線28d
が噴孔プレート28に対して偏角θ°だけ偏角してい
る。言換えると、燃料噴射弁1の軸線1jに対しては、
軸線28jが(90−θ)°偏角することで、下流側に
向かって拡がるように配置されている。よって、燃料噴
流SPは、下面28Lに対して偏角θ°する軸線28j
方向に沿って、一点鎖線の矢印方向fに噴孔28aの出
口282から噴出される。
【0072】このとき、図6に示すように、噴孔プレー
ト28において、出口281直後の鋭角部分28ac
は、空気中に放出された高速噴流SPと下面28Lが鈍
角の関係にあることに起因して、下面28L近傍下流側
に負圧P1が発生する。このため、燃料噴流SPのうち
鋭角部分28ac側の噴流部SP1には、下面28Lに
沿って太線矢印方向pに負圧P1の吸引力によって生じ
る噴孔28aの出口28Lに向かう流れが、噴射中は常
に発生する。逆に、鈍角部分28obは、高速噴流SP
と下面28Lが鋭角の関係にあることに起因して、噴孔
プレート28(詳しくは下面281)に燃料噴流SPの
飛沫が付着し易くなる。このため、鈍角部分28ac側
の噴流部SP2には、燃料噴流SPの噴流方向(矢印方
向f)に起因して飛沫によって生じる燃料噴流による付
着燃料が、下面28Lに沿って細線矢印方向hに移動す
る。
【0073】なお、本実施形態の以下の説明では、鋭角
部分28acを吸引側、鈍角部分28obを供給側と呼
ぶ。
【0074】ここで、図7に示す噴孔プレート28に配
設される複数の噴孔28aは、その軸線28jが軸線S
Yを基準とする線対称に配置される(詳しくは、燃料噴
射弁1の軸線1jに対して、軸線28jが下流に拡がる
偏角(90−θ)°にて噴孔28aを整列配置)。な
お、噴孔28aの整列配置の詳細については、後述す
る。
【0075】これにより、整列配置としての線対称配置
は、それぞれの噴孔28aの吸引側には、図7に示すよ
うに負圧吸引力による付着燃料を出口281に導く流れ
(矢印方向p)を発生させ、一方、供給側28obに
は、燃料噴流から分離した飛沫による付着燃料を噴孔プ
レート28の径方向外側(矢印方向h)へ移動させるこ
とができる。
【0076】このため、図7に示すように吸引側28a
cが対向する噴孔28a(詳しくは、軸線SYを挟んで
噴孔プレート28を横断するように配置された噴孔群)
には、噴孔プレート28を横断するように、負圧形成部
200の負圧源としての負圧力P1が発生する。その負
圧力すなわち回収部100に一旦付着させた付着燃料を
再び噴孔28aの出口281に向かう流れを形成する吸
引力は、太線矢印方向Pに作用する。
【0077】なお、このとき発生する負圧形成部200
の負圧P1については、−4kPa(−30mHg)程
度の負圧力が発生していることを確認した。
【0078】また、噴孔28aの整列配置とは、複数の
噴孔28aは、環状に配置されており、詳しくは、各噴
孔28aから噴出される噴流により形成される噴霧の微
粒化を促進させるため、図7に示すように二重環状に配
置された各噴孔28が、それぞれ燃料噴射弁1の軸線1
j方向下流側に向かって拡がるように配置される。
【0079】したがって、複数の噴孔28aを上記整列
配置とすることで、微粒化のための噴霧の広がりと、回
収部100に一旦付着させた付着燃料を噴孔28aによ
って誘導する負圧形成部の負圧源(詳しくは、流体の流
れを形成する吸引力P1)としての利用とが両立でき
る。
【0080】次に、本実施形態の回収部100は、付着
燃料を一旦付着させる環状壁部51と、環状壁部51と
共に、付着燃料を負圧形成部200に誘導する負圧導入
通路150としての負圧導入孔(以下、導入孔と呼ぶ)
52とからなる。
【0081】環状壁部51は、図4に示すように、噴孔
プレート28に配設された複数の噴孔28aの外接円
(図4に示す一点鎖線の円)28aの近傍外側に配置さ
れている。
【0082】この外接円28cの近傍外側とは、図5に
示す環状壁部51と複数の噴孔28aから噴射される燃
料噴流との関係を示す模式的斜視図において、上記整列
配置された噴孔28a群から噴射される噴流群301、
302に、環状壁部51の内周51aが干渉しない範囲
である。すなわち、図4において、筒状部50の開口部
50aとしての内周面51aは、外接円28cの直径が
D0とすると、噴流群301、302(図5参照)に干
渉しないとする直径D1以上の直径であればよい。
【0083】これにより、図7に示す負圧形成部200
に生じる負圧力(図7中の矢印方向P)によって、環状
壁部51の周方向、特に内周面51aに、および先端5
1cに沿って吸引される流体の流れ(矢印方向k1、矢
印方向k2)を形成させることが可能である。
【0084】負圧導入通路150としての導入孔52
は、図4に示すよように、軸線SYに沿って噴孔プレー
ト28を横断するように発生する負圧形成部200に対
向するように配置されている。
【0085】これにより、負圧形成部200に生じる負
圧力P1を径方向に導入する負圧導入通路150を設け
るので、負圧力によって、環状壁部51の外周面51b
に沿って吸引される流体の流れ(矢印方向k3)を形成
させることが可能である。しかも、導入孔52と負圧形
成部200が対向配置されるので、外周面51bに付着
する付着燃料を、この導入孔52を介して、噴孔28a
の出口281に向かう流れへ強制誘導させることができ
る。
【0086】したがって、この負圧導入通路150とし
ての導入孔52を環状壁部51に設けることによって、
一旦付着させた付着燃料を負圧形成部200へ誘導する
回収部100としての環状壁部51は、付着燃料の輸送
力向上が可能である。
【0087】上述の構成を有する燃料噴射弁1の先端部
50、特に、回収部100、負圧形成部200に係わる
付着燃料を低減、除去する動作について、図8および図
9に従って以下説明する。図8は、図7中の燃料噴流よ
る付着燃料の移動方向と、噴孔プレート28近傍下流側
に生じる負圧形成部200と、回収部100、特に負圧
導入通路150としての導入孔52とが協動して形成さ
れる付着燃料の流れを表す模式的断面図であって、図8
(a)は、燃料噴射状態を表す模式図、図8(b)は、
燃料噴射停止状態を表す模式図である。図9は、図8中
の付着燃料の流れを表す図1中のIII方向からみた燃
料噴射弁1の先端の部分平面図である。
【0088】前述の図6および図7を用いた説明にて、
負圧形成部200の負圧源が、燃料噴射弁1の軸線1j
方向に対して下流に向かって拡がるように軸線28jを
偏角させた噴孔28aを形成する噴孔プレート28の吸
引側(図6中の鋭角部分)28acの近傍下流側に発生
する負圧であること、そして、この吸引側28acに負
圧を発生する噴孔28aを噴孔プレート28に整列配置
することで、線対称配置され、その軸線SYを挟んで吸
引側28acが対向配置されるので、噴孔プレート28
を横断するように、負圧が連続的に発生することを示し
た。このため、負圧形成部200には、図7に示すよう
に、軸線SYに沿って噴孔28aの出口281へ向かう
流体の流れ(詳しくは、低減、除去対象の付着燃料)を
形成する負圧力(吸引力)P1が生じることを示した。
また、図4に示す回収部100を構成する環状壁部51
と導入孔52のうち、負圧導入通路150としての導入
孔52は、負圧形成部200にて生じる負圧力P1に対
し、径方向に対向配置することで、付着燃料(特に、吸
気管内の吸気流の影響によっては、環状壁部51の外周
面51bに付着する付着燃料)を負圧形成部200へ誘
導する回収部の付着燃料輸送力の向上ができることを示
した。
【0089】そこで、図8では、煩雑化を避けるため、
多噴孔28aの整列配置にかえて、一つの噴孔28aに
て模式的に表している。よって、図8(a)は、負圧導
入通路150としての導入孔52が、負圧力P1を生じ
る吸引側28aに径方向に対向配置されている模式的断
面図、一方、図8(b)は、導入孔を形成する環状壁部
51のうち、導入孔52がない環状壁部51での断面で
あって、供給側28ob側の付着燃料の移動方向hを示
す模式的断面図として説明する。
【0090】なお、実線の矢印方向で示す流体の流れ
は、その断面上での付着燃料の流れを示し、一点鎖線の
矢印方向で示す流体の流れは、その断面とは異なる周方
向位置での付着燃料の流れを示す。
【0091】燃料噴射弁1を吸気管等に傾斜搭載するよ
うに取付けた場合において、図8(a)に示す燃料噴射
中には、各噴孔28aの吸引側28acには、負圧が生
じ、整列配置された噴孔28aによって負圧形成部10
0(図8(a)では、吸引側28ac)の近傍の下流側
部分50c負圧力P1が発生する。ここで、噴孔28a
から離れ環状壁部51の内周側部分50dの圧力をP
2、環状壁部51の外周側部分50eの圧力をP3とす
ると、噴射直後では、P1<P2=P3となり、内周側
部分50dの圧力P2には負圧が生じない。噴射が継続
されている間に、噴孔プレート28の下面に付着燃料が
溜まってくると、P1<P2<P3となるので、内周側
部分50dの圧力P2にも負圧が生じる。なお、外周側
部分50eにおいて、負圧形成部200に生じた負圧力
P1が、導入孔52によって強制誘導されるので、導入
孔52の周辺の外周面51には、大気圧より低くなるP
1が生じる。このため、P3−P1の圧力差は、少なく
とも大気圧−前述の4kPa=−−4kPa(−30m
Hg)の負圧力を発生させることができる。
【0092】このとき、付着燃料は、図8(a)の断面
と異なる周方向位置にて、P1<P2<P3に応じて、
一点鎖線矢印方向へ向かう流れに沿って誘導される。さ
らに、噴孔プレート28に付着した付着燃料が環状壁部
51に一旦付着すると、前述の環状壁部51の周方向に
沿って異なる周方向位置にある負圧形成部200へ吸引
される流体の流れ(図4の矢印方向k1、k2)によっ
て、負圧形成部200に対向する図8(a)の導入孔5
2が形成されている断面へ導かれる。
【0093】このとき、環状壁部51の先端51cにあ
る付着燃料は、導入孔52の周辺の負圧力によって吸引
され、つまり外周面51bに沿って、導入孔52を介し
て負圧形成部200へ誘導される実践矢印方向へ向かう
流れを形成することができる。
【0094】また、図8(b)に示す燃料噴射停止時に
は、吸気管内の気流の影響によって噴孔28aから弁全
閉時の噴孔28a等の無駄容積に残留する燃料が漏れ出
て噴孔プレートに付着する場合があるが、この漏れ出た
付着燃料は、運転中連続的に燃料噴射される次回噴射時
には、、図8(a)にて説明した燃料噴流による付着燃
料を負圧形成部200へ誘導する流れと一緒に、噴孔2
8aの出口281へ向かう流れとなって、噴孔28aか
ら噴射される燃料噴流へ戻される。
【0095】これにより、燃料噴流による付着燃料およ
び燃料噴射停止時に噴孔28aから漏れ出た付着燃料の
いわゆる付着燃料は、噴孔プレート28近傍下流側に生
じる負圧形成部200と、回収部100、特に負圧導入
通路150としての導入孔とが協動して形成される付着
燃料を誘導する流れによって、噴孔28aの出口281
へ向かうように、誘導されることができる。
【0096】このため、噴孔28aの出口へ誘導された
付着燃料は、運転中連続的に噴射されている燃料噴流に
戻され、その結果として、内燃機関の燃焼室へ供給する
燃料として付着燃料を消費するので、低減、除去され
る。
【0097】なお、この付着燃料の流れを図4中に示す
燃料噴射弁1の先端の平面図に、この付着燃料の流れを
示すと、図9に示す矢印方向400の流れとなる。この
とき、流れの流速は、0.5〜2m/sの範囲に達する
ことを確認している。
【0098】(変形例1)変形例1としては、図10に
示すように、第1の実施形態で説明した環状壁部51の
開口直径をD1からD2へ拡大したものである。図10
は、変形例1の燃料噴射弁の先端を表す平面図である。
【0099】開口直径D1は、噴孔28a群から噴射さ
れる噴流群301、302に、環状壁部51の内周51
aが干渉しない範囲の、複数の噴孔28aの外接円28
cの外側近傍に配置した。これに対して、開口直径D2
(D2>D1)することで、吸気流の干渉によって生じ
る燃料噴流の飛沫が、回収部100としての環状壁部5
1がなければ、本来直接、環状壁部51(つまり燃料噴
射弁1)に付着せず、吸気管下流側へ流れたものを、燃
料噴流による付着燃料から除外することができ、結果と
して、第1の実施形態と同様な効果を得ることができ
る。
【0100】(第2の実施形態)そこで、負圧力P1を
形成する負圧形成部200の負圧源が噴孔28aの整列
配置により生じることと、内燃機関の吸気管、燃焼室等
から決まる噴孔仕様の制約とを勘案して、第2の実施形
態としては、開口部50aの開口形状を、第1の実施形
態で説明した円にかえて、図11に示すような楕円とす
る構成を有する。図11は、本実施形態の燃料噴射弁の
先端を表す平面図である。
【0101】すなわち、環状壁部51の内周51aは、
負圧形成部200によって生じる負圧が横断する方向
側、つまり軸線SY側に、図11に示す楕円の短径が配
置されるようにする。
【0102】これにより、負圧形成部200に近接する
側には、楕円の短径(詳しくは、短径直径D1)を、一
方、燃料噴流の飛沫による付着燃料が径方向外側へ移動
する側には、楕円の長径(詳しくは、長径直径D2(D
2>D1))を配置するので、負圧形成部200へ付着
燃料を誘導する回収部100としての楕円形状の環状壁
部51は、長径側の内周によって飛沫等の付着燃料を低
減するとともに、一旦付着してしまった燃料は、短径側
の内周によって負圧形成部200が形成する噴孔28a
の出口281に向かう流れに沿って効果的に誘導可能で
ある。しかも、負圧導入通路150としての導入孔52
を、短径に起因して負圧形成部200に近接させるの
で、付着燃料を負圧形成部200へ誘導する回収部10
0の付着燃料輸送力が向上できる。
【0103】例えば、噴孔仕様によっては小さい負圧力
P1になる場合であっても、回収部100の付着燃料の
低減および除去が可能な楕円形状を有する環状壁部51
を用いれば、付着燃料輸送が効率的に行なえるので、好
適である。
【0104】(変形例2)変形例2としては、図3に示
すように、第1の実施形態で説明した回収部150とし
ての環状壁部51および負圧導入孔52を、噴孔プレー
ト28とともに一体的にプレス成形される構成を有す
る。図3は、変形例の要部を示す断面図であって、弁部
の構成を表す断面図である。
【0105】これにより、負圧形成部200に生じる噴
孔出口281へ向かう流れ、言換えると負圧形成部20
0を形成する噴孔出口281すなわち噴孔プレート下面
28Lに配置された噴孔28aの配列と、回収部100
に設けられた負圧導入孔52との位置関係が、プレス加
工によって一体的に配置されることで確実に確保でき
る。
【0106】したがって、回収部100(詳しくは環状
壁部51)と噴孔プレート28をプレス加工によって一
体成形することで、部品点数を増やすことなく、燃料噴
射弁1の先端、すなわち噴孔プレート28に付着する燃
料の除去ができるとともに、組付け、特に噴孔プレート
28と、および回収部150すなわち負圧導入孔52と
の位置合わせが容易にできる。
【0107】また、この負圧導入孔52はプレスの打抜
き加工によって形成されるので、樹脂材等で形成される
回収部100の環状壁部51に比べて、負圧導入孔52
の孔位置、若しくは孔の個数変更が、製造加工上、容易
である。
【0108】(第3の実施形態)第3の実施形態を、図
12に従って以下説明する。図12は、本実施形態の要
部を示す模式的外観図であって、噴孔プレートの下面に
配置された複数の噴孔から噴射される燃料噴流の飛沫に
よる付着燃料の移動方向と、噴孔プレート近傍下流側に
生じる負圧形成部と、燃料噴射下流方向に拡径する楕円
形状の開口を備えた環状壁部の回収部とが協動して形成
される付着燃料の流れを示す模式的斜視図である。
【0109】本実施形態は、変形例2で説明した噴孔プ
レート28と回収部100(詳しくは環状壁部51およ
び負圧導入孔52)とがプレス成形によって一体的に形
成されるものであって、第2の実施形態で説明した楕円
形状の開口部50aを有する環状壁部51を備えた回収
部100であって、図12に示すように、その開口部5
0aが噴孔プレート28から下流方向に向かって拡径す
るように、傾斜した内周面51aを備えた構成を有す
る。
【0110】本実施形態は、図12に示すように、噴孔
プレート28に付着した燃料が回収部100としての環
状壁部51を介して負圧形成部200へ誘導されると
き、噴孔プレート下面28Lを環状壁部51に向かって
移動する距離L1と内周面51aに沿って先端51c側
へ移動する距離L2との和に対し、2辺を結ぶ1辺に相
当する拡径された内周傾斜面51a(詳しくは傾斜角
φ)に起因して、付着燃料を誘導する最短距離とするこ
とが可能である。
【0111】したがって、開口部50aの拡径された内
周傾斜面51aを有する環状壁部51は、拡径していな
い環状壁部に比べて、負圧形成部200へ誘導する誘導
距離が短縮できる。
【0112】なお、回収部100としては、下流方向に
向かって拡径する環状壁部51が、負圧形成部から遠ざ
かるほどより拡径するように、内周面51aの傾斜角φ
が小さくなる構造が望ましい。
【0113】これにより、付着燃料を噴孔出口281に
誘導する負圧形成部200に対向する環状壁部51の内
周に比べて、他の周、特に負圧形成部200から遠ざか
るほど内周面51aの傾斜角φが小さくなるので、他の
内周面は、付着する燃料の低減が可能である。
【0114】(第4の実施形態)第4の実施形態として
は、変形例2で説明した噴孔プレート28と回収部15
0(詳しくは環状壁部51および負圧導入孔52)とが
プレス成形によって一体的に形成されるものであって、
環状壁部51、特に先端51cには、図13に示すよう
に、負圧導入孔52に向かって径方向外周側に折返され
る折返し部51eが設けられている構成を有する。
【0115】このため、折返し部51eの内周側、特に
吸気流れの下流側には、吸気管内を流れる吸気の流れ状
態に応じて、吸気流れによる負圧の形成が可能である。
【0116】したがって、負圧形成部200により生じ
る負圧ととともに吸気流れによる負圧によって、回収部
150に付着した付着燃料は、負圧導入孔52を介し
て、噴孔28aから噴出する主噴流近傍に向かって戻さ
れるので、燃料噴射弁1の先端に付着する燃料の除去が
確実にできる。
【0117】(変形例3〜変形例6)変形例3〜変形例
6を、図14に従って以下説明する。図14は、本変形
例の燃料噴射弁、特に噴孔プレートの下面に配置された
噴孔の配置に係わる構造上の特徴を説明する平面図であ
って、図14(a)〜(d)は、複数の噴孔が整列配置
された変形例3〜変形例6を示す模式的平面図である。
【0118】負圧形成部200を形成する噴孔配列の一
実施例として第1の実施形態で、複数の噴孔28aが線
対称となる整列配置にて説明したが、第1の実施形態に
よる噴孔配列以外の変形例として、変形例3〜変形例6
の噴孔配列を以下説明する。
【0119】変形例3としては、図14(a)に示すよ
うに、第1の実施形態で説明した多重環状の噴孔28の
配置にかえて、一重環すなわち一列だけの環状配置であ
っても、線対称に噴孔28aが配置されていれば、負圧
形成部200を生じさせることが可能である。
【0120】変形例4としては、噴孔28aが整列配置
するとは噴孔軸28jそのものも整列配置させる必要は
なく、図14(b)に示すように、噴孔28a全体とし
て、各軸線28j(詳しくは、軸線28j1、28j
2、28ji等)が下流側へ向かって拡がる配列であれ
ばよい。
【0121】これによっても、噴霧の微粒化と、付着燃
料の低減、除去の両立が可能である。
【0122】変形例5としては、線対称配置するため、
必ずしも噴孔28の数量が偶数ある必要はなく、図14
(c)に示すように、対称軸線SYに対して一方の右側
噴孔群が、奇数で、他方の左側噴孔群が偶数に配置され
ていてもよい。
【0123】これにより、図14(c)に示すように、
軸線SYを挟んで噴孔28a、特に噴孔プレート28の
鋭角部分28acが対向するように配置されるので、噴
孔28aの出口に向かう付着燃料を吸引する流れが、軸
線SYに沿って噴孔プレート28を横断するように形成
することが可能である。
【0124】変形例6としては、複数の噴孔28aから
なる噴孔群が、異なる噴孔径から形成される噴孔配列で
あってもよい(図14(d)参照)。
【0125】すなわち、負圧形成部200の付圧力P1
の大小に影響する可能性はあるものの、負圧形成部20
0を安定形成することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の燃料噴射弁の概略構
成を表す断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の要部を示す断面図で
あって、図1中の弁部の構成を表す断面図である。
【図3】変形例2の要部を示す断面図であって、弁部の
構成を表す断面図である。
【図4】第1の実施形態の要部を示す外観図であって、
図1中の燃料噴射弁の先端、つまり弁部をIII方向か
らみた平面図である。
【図5】第1の実施形態の要部を示す模式的外観図であ
って、図4中の噴孔プレートの噴孔から噴射される燃料
噴霧と回収部としての環状壁部の位置関係を表す模式的
斜視図である。
【図6】図4中の噴孔プレートの下面に配置される噴孔
から噴射される燃料噴流を表す模式的断面図である。
【図7】図4中の噴孔プレートの下面に配置される噴孔
から噴射される燃料噴流によって生じる、燃料噴射弁の
先端に付着する燃料噴流の飛沫つまり付着燃料の移動方
向と、付着燃料を噴孔の出口に向かう流れを形成する負
圧形成部とを表す模式図である。
【図8】図7中の燃料噴流の飛沫による付着燃料の移動
方向と、噴孔プレート近傍下流側に生じる負圧形成部
と、回収部、特に負圧導入通路としての導入孔とが協動
して形成される付着燃料の流れを表す模式的断面図であ
って、図8(a)は、燃料噴射状態を表す模式図、図8
(b)は、燃料噴射停止状態を表す模式図である。
【図9】図8中の付着燃料の流れを表す図1中のIII
方向からみた部分平面図である。
【図10】変形例1の燃料噴射弁の先端を表す平面図で
ある。
【図11】第2の実施形態の燃料噴射弁の先端を表す平
面図である。
【図12】第3の実施形態の要部を示す模式的外観図で
あって、噴孔プレートの下面に配置された複数の噴孔か
ら噴射される燃料噴流の飛沫による付着燃料の移動方向
と、噴孔プレート近傍下流側に生じる負圧形成部と、燃
料噴射下流方向に拡径する楕円形状の開口を備えた環状
壁部の回収部とが協動して形成される付着燃料の流れを
示す模式的斜視図である。
【図13】第4の実施形態の要部を示す断面図であっ
て、弁部の構成を表す断面図である。
【図14】変形例の燃料噴射弁、特に噴孔プレートの下
面に配置された噴孔の配置に係わる構造上の特徴を説明
する平面図であって、図14(a)〜(d)は、複数の
噴孔が整列配置された変形例3〜変形例6を示す模式的
平面図である。
【符号の説明】
1 燃料噴射弁 1j 燃料噴射弁の軸 11 フィルタ 14 円筒部材 22 吸引部材 24 圧縮スプリング 25 アーマチュア 26 ノズルニードル(弁部材) 26c 当接部 26e 大径柱体部(薄肉の円筒状体) 28、(28L、28U) 噴孔プレート、(下面、上
面) 28a、(281、282) 噴孔、(出口、入口) 28c (複数の噴孔28aの)外接円 28ac、28ob (噴孔28aを形成する噴孔プレ
ート28の)鋭角部分、鈍角部分 28j 噴孔28aの軸線 29 弁ボディ 29a 弁座 29d 小径円筒壁面(ニードル支持孔) 31 コイル 50 (燃料噴射弁1の)先端部(筒状部) 51 環状壁部(回収部100) 51a、51b、51c (環状壁部51の)内周面、
外周面、先端 51e 折返し部 52 負圧導入孔(負圧導入通路150) 100 回収部 150 負圧導入通路 200 負圧形成部 400、401、402 付着燃料を負圧形成部200
へ誘導する流れ SY 対称軸線 SP、(301、302) 噴流(噴霧)、(噴流群) SP1、SP2 鋭角部分28ac側の噴流部分、鈍角
部分28ob側の噴流部分 P1 負圧形成部200の負圧力

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バルブボディの先端部に形成された燃料
    通路の出口に複数の噴孔を有する噴孔プレートを配設し
    て、該噴孔から燃料を噴射することにより燃料の計量と
    噴射方向の決定を行なう燃料噴射弁において、 前記噴孔から噴射される燃料により形成され、前記噴孔
    プレート近傍下流側に生じる負圧形成部と、 前記噴孔から流出した燃料の一部が前記噴孔プレートに
    付着するとき、該付着燃料を前記負圧形成部に誘導する
    回収部とを備え、 前記回収部には、前記負圧形成部に生じる負圧を径方向
    に導入する負圧導入孔が設けられていることを特徴とす
    る燃料噴射弁。
  2. 【請求項2】 前記負圧形成部は、前記噴孔プレートの
    下面に前記噴孔を整列配置することで、前記噴孔プレー
    トを横断するように、前記噴孔プレート近傍下流に生じ
    る負圧が連続的に発生することを特徴とする請求項1に
    記載の燃料噴射弁。
  3. 【請求項3】 前記噴孔を整列配列するとは、前記噴孔
    が環状に配置され、前記噴孔の軸線を、弁軸方向に対し
    て下流側に向かって拡がるように、前記噴孔プレート下
    面に線対称に配置することであることを特徴とする請求
    項2に記載の燃料噴射弁。
  4. 【請求項4】 前記回収部は、前記噴孔プレート下面か
    ら下流側へ延設され、前記複数の噴孔の出口側開口の外
    接円の外側近傍に配置された環状壁部からなることを特
    徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の
    燃料噴射弁。
  5. 【請求項5】 前記環状壁部の内周は、前記噴孔プレー
    ト上を前記負圧が横断する方向側に短径が配置されるよ
    うにされた楕円形状を有することを特徴とする請求項4
    に記載の燃料噴射弁。
  6. 【請求項6】 前記環状壁部は、前記噴孔プレート下面
    から燃料噴射下流方向に向かって拡径することを特徴と
    する請求項4または請求項5に記載の燃料噴射弁。
  7. 【請求項7】 前記回収部は、前記噴孔プレートととも
    に一体的にプレス成形されていることを特徴とする請求
    項1から請求項6のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
  8. 【請求項8】 前記環状壁部には、前記負圧導入孔に向
    かって径方向外周側に折返し部が設けられていることを
    特徴とする請求項4から請求項7のいずれか一項に記載
    の燃料噴射弁。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100383376C (zh) * 2006-03-14 2008-04-23 西南大学 用于喷油器的嵌镶喷油孔盘及其制造方法
CN100408843C (zh) * 2006-03-09 2008-08-06 西南大学 一种嵌镶组合式喷油器
JP2011085021A (ja) * 2009-10-13 2011-04-28 Mitsubishi Electric Corp 燃料噴射弁
EP2775133A1 (en) * 2013-03-06 2014-09-10 Delphi Automotive Systems Luxembourg SA Protection mean for the nozzle of an injector

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