JP2002544323A - 流動接触熱分解方法 - Google Patents

流動接触熱分解方法

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JP2002544323A JP2000616308A JP2000616308A JP2002544323A JP 2002544323 A JP2002544323 A JP 2002544323A JP 2000616308 A JP2000616308 A JP 2000616308A JP 2000616308 A JP2000616308 A JP 2000616308A JP 2002544323 A JP2002544323 A JP 2002544323A
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    • C10G11/00Catalytic cracking, in the absence of hydrogen, of hydrocarbon oils
    • C10G11/14Catalytic cracking, in the absence of hydrogen, of hydrocarbon oils with preheated moving solid catalysts
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Abstract

(57)【要約】 (a)1種又はそれ以上のガス−固体分離段階の手段により、炭化水素供給物を使用済み触媒から分離する;(b)ストリッピング帯域の下部にストリッピング媒体を導入することにより、濃厚相流動ストリッピング帯域中で、使用済み触媒をストリッピングする;(c)段階(b)で得られた使用済み触媒の一部を再生帯域中に導入し、燃焼手段により触媒からコークスを除去する;(d)段階(b)において得られた使用済み触媒の残りの部分及び段階(c)において得られる高温の再生触媒の一部を、細長い希薄相ストリッピング帯域中に導入する;(e)ストリッピング媒体の流体を希薄相ストリッピング帯域の下部内に導入し、得られた使用済み触媒及び再生触媒の混合物とその中で接触させる;(f)高温の再生触媒及びストリッピング媒体と混合した使用済み触媒の流体を、希薄相ストリッピング帯域中で通過させる;(g)実質的に全ての使用済み触媒と再生触媒とを、段階(f)の分離された触媒を段階(b)の濃厚相ストリッピング帯域内に導入する;(h)段階(c)で得られた高温の再生触媒の残りの部分を反応帯域に通過させる、を含む流動接触熱分解方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は流動接触熱分解方法であり、炭化水素製造物が製造されかつコークス
が触媒上に蓄積され使用済み触媒(spent catalyst)となる反応
帯域において、炭化水素供給物を流動粒子触媒と反応帯域において接触させる該
方法に関する。コークスは再生器中で燃焼手段により除去され、そして再生触媒
は反応帯域にて再使用される。
【0002】 流動接触熱分解(FCC)方法が長く存在するにもかかわらず、製造物量及び
組成物の両方に関する製造物回収、すなわち収率及び選択性を改良するための技
術は絶えず探究されてきた。注目を受けてきたFCC方法の一面は、使用済みF
CC触媒から、ストリッピングの手段により吸着された生成物を回収することで
ある。使用済み触媒から炭化水素を直接的に回収することの改良は、収率を改良
する。炭化水素回収の増加とは別に、再生帯域中へ炭化水素を持ち越すことを減
少させることは、FCC装置全体の熱バランスを改良する。再生帯域に入る炭化
水素は、それが酸素雰囲気中で燃える時に付加的な高温の熱を放出する。再生器
中で放出する任意の熱は、再生帯域中で甚だしく温度を上昇させることにより又
は好適な温度を維持するために冷却手段を必要とすることにより、再生器の運転
に影響を及ぼし得る。
【0003】 ますます重質化する供給物を処理やコークス生成を高めるこのような供給物の
性状は、再生器温度の制御を困難にする。使用済み触媒上のコークスの増加は、
循環される触媒1トンあたりの再生器中で燃焼されるより多くのコークス量を生
じることとなる。熱は、流動ガス中でそして主に高温の再生触媒流中で、慣用の
FCC装置内の再生器から除去される。使用済み触媒上のコークスレベルの増加
は、反応器と再生器との間の温度差、及び再生された触媒の温度を増加させる。
それゆえ、等しい反応器温度を維持するために、循環される触媒量の減少が必要
である。しかし、反応器と再生器との間のより高い温度差に必要なより低い触媒
循環比は、炭化水素変換率を下げることとなる。 ストリッピング方法の効率を改良することにより、固定されたコークスに加え
、より少ない吸着炭化水素が、再生器に供給される触媒上に存在することとなり
、反応器と再生器との間の温度差の減少を生じる。ストリッピング方法の効率を
改良する種々の可能な方法が発展してきた。例えば欧州特許明細書EP−A−7
02077は、より効率的なストリッピング方法を記載する。この方法において
、触媒は慣用の濃厚相(dense phase)ストリッピング帯域中で最初
にストリップされ、続いて希薄相(dilute phase)ストリッピング
帯域中でストリップされる。そうしてストリップされた触媒は、ストリッピング
媒体から分離された後、再生器に送られる。希薄相ストリッピング帯域において
、使用済み触媒は少量の高温の再生触媒と混合され、ストリッピング温度が増加
しそしてそれゆえストリッピング効率の増加を生じる。
【0004】 欧州特許明細書EP−A−322276は、EP−A−702077に記載さ
れたような比較方法を記載する。更なる特徴としては、希薄相ストリッピング帯
域のリフトガス(lift gas)中に酸素が存在する。 US−A−3856659はFCC方法を記載し、ここで使用済み触媒の一部
は再生触媒の一部と混合される。この混合物は濃厚流動床内で水蒸気と接触され
る。触媒混合物は続いてライザー反応器に供給され、反応器中で触媒混合物は、
炭素の蓄積物を燃焼させることにより少なくとも部分的な再生を受ける。 US−A−3894934はFCC方法を記載し、該方法は第一及び第二の細
長いライザー反応器、濃厚相流動ストリッピング帯域及び触媒再生器を含む。本
方法は、第一のライザー反応器により得られるのと同じ炭化水素製造物からの分
離後に直接得られる触媒の一部が、第二のライザー反応器に供給される段階を含
む。この第二のライザー反応器に対して、炭化水素供給物及び再生触媒の一部も
供給される。
【0005】 以下の本発明の方法は、使用済み触媒をストリッピングするより効率的な方法
までも提供する:炭化水素供給物を流動粒子触媒と、炭化水素製造物が製造され
並びにコークスが触媒上に蓄積され使用済み触媒となる反応帯域において接触さ
せることを含む流動接触熱分解方法であり、そして以下のプロセス: (a)1種又はそれ以上のガス−固体分離段階の手段により、炭化水素供給物を
使用済み触媒から分離する; (b)ストリッピング帯域の下部にストリッピング媒体を導入することにより、
濃厚相流動ストリッピング帯域中で、使用済み触媒をストリッピングする; (c)段階(b)で得られた使用済み触媒の一部を再生帯域中に導入し、そこで
燃焼の手段により触媒からコークスを除去する; (d)段階(b)において得られた使用済み触媒の残りの部分及び段階(c)に
おいて得られる高温の再生触媒の一部を、細長い希薄相ストリッピング帯域中に
導入する; (e)ストリッピング媒体の流体を希薄相ストリッピング帯域の下部内に導入し
、得られた使用済み触媒及び再生触媒の混合物とその中で接触させる; (f)高温の再生触媒及びストリッピング媒体と混合した使用済み触媒の流体を
、希薄相ストリッピング帯域中、希薄相ストリッピング条件下で、それらの上部
に対し、上向きに通過させる; (g)実質的に全ての使用済み触媒と再生触媒とを、段階(f)の流出物から分
離し、そして分離された触媒を段階(b)の濃厚相ストリッピング帯域内に導入
する; (h)段階(c)で得られた高温の再生触媒の残りの部分を反応帯域に通過させ
、炭化水素供給物と接触させる、 ことを含む該方法。
【0006】 濃厚相ストリッピング帯域におけるより高い温度が達成されるので、本発明の
方法を使用して、より効率的なストリッピング方法が得られることが見出された
。これは、反応帯域を出る触媒よりも高い温度を有する希薄相ストリッピング帯
域を出る触媒が、濃厚相ストリッピング帯域にも供給されるからである。より効
率的なストリッピング方法が達成されるので、より少ない吸着炭化水素が再生帯
域に入り、先行技術を使用した可能性よりも低い温度を有する再生触媒を生じる
。これはFCC方法の運転者に、反応帯域中で使用する再生触媒の量を増加する
可能性を与え、そうして得られる生成物の質を維持しつつより高い変換率を生じ
る。本発明の更なる利点は、本発明の以下の詳細な説明により明らかになるであ
ろう。 炭化水素供給物は、慣用のFCC供給物及びより高い沸点又は残留供給物を含
む。慣用のFCC供給物で最も共通なものは、350〜530℃の沸点を有する
典型的な炭化水素物質である減圧ガス油である。減圧ガス油は大気残渣フラクシ
ョンの減圧蒸留により得られる蒸留フラクションであり、それは原油供給物の大
気圧における蒸留から得られる。本発明の方法は、例えば大気残渣フラクション
のような減圧ガスよりも重質炭化水素供給物の処理に特に直接的に好適である。
【0007】 本発明は図1を使用して説明される。本発明の方法を行うことができるFCC
装置の概略図を表す。実線は触媒を含む流れを、そして破線はガス流や液体炭化
水素流のような多量の触媒を含まない流れを表す。図1において、炭化水素供給
物を供給する手段(14)、再生帯域(A)からの再生触媒を受け取る導管手段
(2)、及び随意にリフトガス(lift gas)を受け取る手段(1)を有
する反応器ライザー(riser)(C)を含む流動接触熱分解装置が示される
。反応器流出物は導管手段(3)を経由して分離手段(E)に送られる。分離手
段(E)において炭化水素製造物から分離された触媒は手段(4)を経由して濃
厚相流動ストリッピング帯域(D)に送られる。分離手段(E)において炭化水
素供給物から分離された炭化水素製造物は手段(5)を経由して下流装置操作に
送られる。濃厚相ストリッピング帯域(D)に対して、ストリッピング媒体が供
給手段(6)を経由して送られる。(15)中に存在する任意の触媒粒子を分離
するために、手段(15)を経由して濃厚相ストリッピング帯域(D)のガス流
出物が、好ましくは分離手段(E)に送られる。導管手段(7)を経由して、使
用済み触媒が濃厚相ストリッピング帯域(D)から希薄相ストリッピング帯域(
B)に送られる。導管手段(8)を経由して、残留の使用済み触媒が濃厚相スト
リッピング帯域(D)から再生帯域(A)に送られる。導管手段(9)を経由し
て、再生された触媒の一部が希薄相ストリッピング帯域(B)に送られる。供給
手段(10)を経由して、ストリッピング媒体が希薄相ストリッピング帯域(B
)に供給される。導管手段(11)を経由して、希薄相ストリッピング帯域(B
)の流出物が分離手段(E)に送られる。供給手段(12)を経由して、酸素含
有ガスが再生帯域(A)に送られる。導管手段(13)を経由して、燃焼ガスが
再生器を出る。
【0008】 以下、本発明の方法をより詳しく説明する。図1のFCC装置内に記載された
流体、供給物又は製造物の位置を示すために図1の参照番号を使用する。 本発明の流動接触熱分解方法の反応帯域(C)は、好適には高温の触媒(2)
と炭化水素供給物(14)とがともに流れて接触する反応器のような細長い管で
ある。随意にリフトガス(1)、例えば水蒸気が使用される。管状反応器は通常
は鉛直な反応器であり、反応体と触媒は上向きに流れる。このような反応器はラ
イザー(riser)反応器とも呼ばれる。反応体と触媒は下方向に流れる具体
例も、上向きと下向き流との組合せと同様に可能である。ライザー反応器内の条
件は、従来適用されていたもの及びより厳しい条件との間で変化することができ
る。例えば、従来の炭化水素供給物に対する触媒の比(触媒/油比とも呼ばれる
)は好適には4〜11重量/重量であるが、より厳しい条件下では触媒/油比は
200程度、及びより好適には100程度である。ライザーにおける慣用の温度
は、好適には480〜550℃、及び好ましくは500〜540℃あるが、より
厳しい条件下での温度は550℃より高く、そしてまさに600℃までの範囲で
あることができる。温度は、段階(h)で反応帯域(C)にリサイクルされる再
生触媒(2)の温度に依存する。ライザー中の滞留時間は0.1〜5秒であるこ
とができる。本発明において使用される触媒は、例えば「Fluid cata
lytic cracking:Science and Technolog
y」,Ed.Magee J.S.,Mitchell M.M.Jr.,19
93.Elsevier Science Publishers B.V.,
1〜6頁に記載されたものと同じ慣用のFCC触媒であることができる。
【0009】 段階(a)における使用済み触媒(3)からの炭化水素製造物の分離は、1種
又はそれ以上のガス−固体分離段階(E)の手段により行われる。段階(a)は
、炭化水素製造物からFCC触媒を分離することが公知である慣用の分離方法に
より行われることができる。最も好適で広く使用されるガス−固体分離手段は、
サイクロン分離器である。好ましくは、ガスは使用済み触媒から、1種又はそれ
以上の第一サイクロン分離器中で分離され、そして得られた部分的に清浄化され
たガスが、1種又はそれ以上の第二サイクロン分離器中でさらに清浄化される。
分離された使用済み触媒(4)は、段階(b)に送られる。段階(a)における
分離手段は、濃厚相ストリッピング帯域(D)を有する統合部分を形成すること
ができる。好適な配置は、第一サイクロン及び随意に第二サイクロンもが、同じ
容器中の濃厚相ストリッピング帯域(D)の上方に配置されることである。濃厚
相ストリッピング帯域(D)を含む容器の外側に、第二サイクロン及び随意に第
一サイクロン分離器をも有する配置も可能である。
【0010】 段階(b)において、濃厚相ストリッピング帯域(D)中における使用済み触
媒のストリッピングは、ストリッピング帯域(D)の下部においてストリッピン
グ媒体(6)を導入することより行われる。ストリッピング媒体(6)は、好適
には水蒸気である。この段階(b)において、使用済み触媒粒子中に存在するほ
とんどの吸着された炭化水素は触媒から除去される。このように回収された水蒸
気と炭化水素(15)は、好適には炭化水素製造物流(5)と結合する。これら
の流体の結合は、段階(a)の前、段階(a)の間に、例えば水蒸気/炭化水素
混合物と第一サイクロン分離器から出るガスとを結合させることにより、又は段
階(a)後に達成されることができる。水蒸気/炭化水素混合物(15)内に存
在する任意の触媒粒子を分離するために、水蒸気/炭化水素混合物(15)は、
好ましくは炭化水素製造物と段階(a)前又は段階(a)間にて結合される。ス
トリッピング帯域(D)は濃厚相流動床として操作される。好適な表面ガス速度
は、0.1〜1m/s及び好ましくは0.2〜0.4m/sである。ストリッピ
ング帯域(D)はステージングを増進し、そしてガスと触媒間を接触させるため
の内部(internal)が装備されることができる。ストリッピング床(D
)における温度は、ストリッピング帯域技術に述べられるよりも高くすることが
できる。先行技術方法のストリッピング帯域の温度は、反応器を出る使用済み触
媒の温度とほぼ等しい。本方法においても、段階(f)から並びに段階(g)及
び(a)を経由して再生された触媒は、(11を経由し)濃厚相ストリッピング
帯域に供給される。段階(f)からの(11内に存在する)触媒は(3内に存在
する)使用済み触媒よりも高い温度を有するので、濃厚相ストリッピング帯域(
D)においてより高い温度が達成できる。これは非常に有利である、なぜならよ
り高い温度は上述のような濃厚相ストリッピング帯域(D)におけるストリッパ
効率を増進するからである。濃厚相ストリッピング帯域(D)において好適かつ
実際に達成できる温度は、480〜700℃、及び好ましくは500〜600℃
である。
【0011】 段階(c)において、段階(b)で得られる使用済み触媒の一部は、再生帯域
(A)に((8)を経由して)導入され、ここでコークスは触媒から燃焼手段に
より除去される。再生は慣用のプロセス条件下で及び通常使用されるプロセス装
置内で行うことができる。コークスは使用済み触媒から燃焼の手段により除去さ
れる。燃焼を達成するために、酸素含有ガス(12)が再生器(A)に供給され
る。再生器(A)内の滞留時間は、コークスを完全に又は部分的に燃焼させ、及
び触媒を完全に再生させるに十分、すなわち好適には0.4重量%未満までコー
クスを除去する時間が提供される。再生触媒(2)の温度は、好適には640〜
800℃である。段階(h)において、段階(d)に通過していない高温の再生
触媒(2)の一部は、反応帯域(C)へ通過し、炭化水素供給物(14)と接触
される。段階(h)は公知の方法により行われることができる。 段階(d)において、段階(b)で得られる使用済み触媒(7)の残留部分及
び段階(c)において得られる高温の再生触媒(9)の一部は、細長い希薄相ス
トリッピング帯域(B)の下部内に導入される。段階(b)において得られ再生
器(段階(c))に送られる使用済み触媒(8)と段階(b)において得られ希
薄相ストリッピング帯域(B)に送られる使用済み触媒(7)との重量比は、好
適には1:10〜10:1である。希薄相ストリッピング帯域(B)において接
触される使用済み触媒(7)と再生触媒(9)との重量比は、好適には1:10
〜10:1である。
【0012】 段階(e)において、ストリッピング媒体(10)の流体は希薄相ストリッピ
ング帯域(B)の下部内に導入される。好適なストリッピング媒体は水蒸気であ
る。水蒸気は随意に少量の酸素又は空気のような酸素含有ガスと混合される。酸
素は使用済み触媒中のコークス及び吸着された炭化水素と反応し、それにより余
分な熱及びそれゆえ希薄相ストリッピング帯域(B)中のより高いストリッピン
グ温度が発生する。これらの希薄相ストリッピング帯域(B)中のより高い温度
の結果として、濃厚相ストリッピング帯域(D)におけるより高い温度が達成さ
れる。前に説明したように、これらのストリッピング帯域におけるより高い温度
は、ストリッピング効率のために好ましい。安全の理由のため、酸素の量は適切
に決められた制限未満に維持されなければならない。希薄相ストリッピング帯域
(B)においては、ほとんど完全な酸素の消費が起こらなくてはならない。 段階(f)において、高温の再生触媒(9)及びストリッピング媒体(10)
と混合された使用済み触媒(7)の流体は、希薄相ストリッピング帯域(B)内
で、希薄相ストリッピング条件下でその上部まで、上向きに通過する。希薄相ス
トリッピング条件は、ストリッピング帯域(B)におけるストリッピング媒体(
10)の速度が固体を上向きに運び、触媒粒子の空気輸送を生じるに十分である
場合に達成される。表面ガス速度は、好ましくは1m/sより高く、より好まし
くは2〜30m/sである。希薄相ストリッピング帯域(B)は好ましくは、1
0〜300、より好ましくは15〜100の長さ対径の比(L/D)を有する鉛
直ライザー反応器である。
【0013】 段階(g)において、実質的に全ての使用済み触媒は炭化水素及びストリッピ
ング媒体とを含む段階(f)の流出物(11)から分離される。分離はサイクロ
ン分離器の様な公知の手段により行われる。好ましくは、分離は段階(a)のガ
ス−固体分離段階、手段(E)により行われる。これは分離された触媒が、その
後反応帯域(C)を出る炭化水素製造物(3)から分離された触媒とともに、(
(4)を経由し)濃厚相ストリッピング帯域(D)に導入されるので、有利であ
る。 本発明のさらなる利点は、存在するFCC装置が容易に改変され、本発明の方
法を行うことができる装置を得られることである。いわゆる外部ライザー反応器
を装備した存在するFCC装置は、好適には本方法に従い改変される。このよう
な装置の例としては、炭化水素プロセス、1998年11月において記載される
。ABB Lummusデザイン78頁、The Kellogg Brown
デザイン80頁及びShell External Reactorデザイン8
1頁に例証される。希薄相ストリッピング帯域(B)及び必要な導管(7、9、
10、11)を単に加え,並びに外部ライザー(C)を有するFCC装置の存在
する濃厚相ストリッピング帯域(D)の容量を増加させることにより、本発明を
行うことができるFCC装置が得られる。外部ライザーを有する改装装置の利点
は、希薄相ストリッピング帯域の下流端に接続する導管が現存の段階(a)の分
離手段に容易に接続できることである。
【0014】 好ましくは、希薄相ストリッピング帯域(B)には、炭化水素供給物を供給す
る供給手段(16)も備える。帯域(B)の細長いライザーは、操作の異なるモ
ードにおいて、単に第二反応帯域として使用することもできる。これは、より少
ない重質の供給物が処理され、そしてより効率的なストリッピングの必要が明確
でない場合に有利であることができる。2種の反応帯域は、2種の異なる供給物
を使用することによる通常のFCC製造物の他に、さらなる量の低級オレフィン
の製造に使用できるという利点もある。第二反応帯域で処理される供給物は、好
ましくは水蒸気と軽質炭化水素との混合物、例えばFCC方法自体で得られるナ
フサフラクションのような300℃未満で沸騰する軽質供給物であるが、ある供
給物は減圧ガス油のような慣用のFCC供給物であることができる。この操作の
モードでFCC装置を使用した場合、さらなる反応帯域に使用済み触媒(7)は
供給されないか又はほとんど供給されない。希薄相ストリッピング帯域(B)と
して使用されるライザーが、さらなる反応帯域として代替のモードにおいて使用
される場合、好ましくは、このライーザーは例えばUS−A−5851380に
記載されるような内部を装備する。 可能な反応帯域、濃厚相流動ストリッピング帯域及び再生帯域の配置は、例え
ば上記特許明細書及び「Fluid catalytic cracking:
Science and Technology」、Ed.Magee J.S
.,Mitchell M.M.Jr.,1993,Elsevier Sci
ence Publishers B.V.,385〜393頁に記載される。 本発明を以下の非制限的な例により例証する。図1内に使用される参照番号を
使用する。
【0015】実施例 10.000t/日の減圧ガス油及び残渣の混合物を、ライザー(C)中で接
触する52t/分の再生触媒と混合した。ライザー中の温度を520℃の値に一
定に保った、そしてそれはガソリン生成物の所望のオクタン価に関連がある。第
一及び第二サイクロンを使用して、触媒を炭化水素生成物から分離した。52t
/分の速度にて分離された触媒を希薄相ストリッパー(B)において得られる4
8t/分の触媒と組合せた、ここで触媒は580℃の温度を有した。濃厚相スト
リッパーにおいて生じた温度は、549℃であった。濃厚相ストリッパー(D)
を出る100t/分の使用済み触媒のうち、38t/分を希薄相ストリッパー(
B)に送り、そして68t/分を再生器(A)に送った。希薄相ストリッパー(
B)に対して、680℃の温度を有する12t/分の再生触媒を送った。水蒸気
を希薄及び濃厚相ストリッパーの両方に使用した。
【0016】比較実験 EP−A−702077のように希薄相ストリッパー(B)の流出物を再生器
(A)に送った以外は、実施例1を繰り返した。反応器(C)への触媒再循環比
を、520℃の所望の温度をライザー(C)内で達成し、製造されたガソリンに
ついて、実施例1におけるものと同じオクタン価を生じるように調節した。表1
に、本発明の例と、この実験との比較を示す。
【0017】
【表1】 表1 ┌───────────────┬──────┬──────┐ │ │ 比較実験 │ 実施例 │ ├───────────────┼──────┼──────┤ │濃厚相ストリッピング温度(℃)│ 520 │ 549 │ ├───────────────┼──────┼──────┤ │再生器温度(℃) │ 707 │ 701 │ ├───────────────┼──────┼──────┤ │触媒循環比(t/分) │ 50 │ 52 │ │流体(2) │ │ │ ├───────────────┼──────┼──────┤ │変換率(*)(wt%) │ 70 │ 70.4 │ └───────────────┴──────┴──────┘ (*)変換率は、221℃未満で沸騰する製造物へと変換する供給物 の重量割合と、コークスの重量割合との和として定義する。
【0018】 表1の結果から表されるように、低い再生温度は、本発明のより効率的なスト
リッピング方法を生じる。結果として、本発明の実施例において、より高い触媒
循環比(反応帯域(C)に送られる触媒のトン)が可能であり、そしてそれはそ
の次に高い変換率を生じる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の方法を行うことができるFCC装置の概略図。
【符号の説明】
A 再生帯域 B 希薄相ストリッピング帯域 C 反応器ライザー D 濃厚相ストリッピング帯域 E 分離手段
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Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭化水素供給物を、流動粒子触媒と、炭化水素製造物が製造
    され並びにコークスが触媒上に蓄積され使用済み触媒となる反応帯域において接
    触させることを含む流動接触熱分解方法であり、そして以下のプロセス: (a)1種又はそれ以上のガス−固体分離段階の手段により、炭化水素供給物を
    使用済み触媒から分離する; (b)ストリッピング帯域の下部にストリッピング媒体を導入することにより、
    濃厚相流動ストリッピング帯域中で、使用済み触媒をストリッピングする; (c)段階(b)で得られた使用済み触媒の一部を再生帯域中に導入し、そこで
    燃焼手段により触媒からコークスを除去する; (d)段階(b)において得られた使用済み触媒の残りの部分及び段階(c)に
    おいて得られる高温の再生触媒の一部を、細長い希薄相ストリッピング帯域中に
    導入する; (e)ストリッピング媒体の流体を希薄相ストリッピング帯域の下部内に導入し
    、得られた使用済み触媒及び再生触媒の混合物とその中で接触させる; (f)高温の再生触媒及びストリッピング媒体と混合した使用済み触媒の流体を
    、希薄相ストリッピング帯域中、希薄相ストリッピング条件下で、その上部に対
    し、上向きに通過させる; (g)実質的に全ての使用済み触媒と再生触媒とを、段階(f)の流出物から分
    離し、そして分離された触媒を段階(b)の濃厚相ストリッピング帯域内に導入
    する; (h)段階(c)で得られた高温の再生触媒の残りの部分を反応帯域に通過させ
    、炭化水素供給物と接触させる、 ことを含む該方法。
  2. 【請求項2】 濃厚相ストリッピング帯域における温度が500〜600℃
    である請求項1の方法。
  3. 【請求項3】 段階(b)において得られて段階(c)に送られる使用済み
    触媒及び段階(b)において得られて段階(d)で使用される使用済み触媒の重
    量比が、1:10〜10:1である請求項1又は2の方法。
  4. 【請求項4】 段階(d)における使用済み触媒及び再生触媒の重量比が、
    1:10〜10:1である請求項1〜3のいずれか1項の方法。
  5. 【請求項5】 段階(g)の分離が、段階(a)のガス−固体分離段階にお
    いて行われる請求項1〜4のいずれか1項の方法。
  6. 【請求項6】 炭化水素供給物(14)及び再生触媒(2)並びに随意にリ
    フトガス(1)を受け入れるための手段を有する反応器ライザー(C)、分離手
    段(E)へ反応器流出物を送るための導管手段(3)、分離手段(E)から濃厚
    相ストリッピング帯域(D)へ触媒を送る手段(4)、分離手段(E)において
    反応器流出物から分離された炭化水素供給物を下流装置操作へ送るための手段(
    5)、濃厚相ストリッピング帯域(D)にストリッピング媒体を供給するための
    供給手段(6)、濃厚相ストリッピング帯域(D)の気体流出物中に存在する任
    意の触媒粒子を分離するために、濃厚相ストリッピング帯域(D)の気体流出物
    を分離手段(E)に供給するための手段(15)、濃厚相ストリッピング帯域(
    D)から使用済み触媒を細長い希薄相ストリッピング帯域(B)へと送るための
    導管手段(7)、濃厚相ストリッピング帯域(D)から使用済み触媒を再生帯域
    (A)へ送るための導管手段(8)、再生触媒を希薄相ストリッピング帯域(B
    )へ送るための導管手段(9)、ストリッピング媒体を希薄相ストリッピング帯
    域(B)へと供給するための供給手段(10)、希薄相ストリッピング帯域(B
    )の流出物を分離手段(E)へ送るための導管手段(11)、酸素含有ガスを再
    生帯域(A)へ供給するための供給手段(12)及び燃焼ガスが再生器を出るた
    めの導管手段(13)を含む流動接触熱分解装置。
  7. 【請求項7】 炭化水素供給物を誘導するためのさらなる供給手段(16)
    が、細長い希薄相ストリッピング帯域(B)の下部に存在する請求項6の装置。
  8. 【請求項8】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法のための請求項6
    〜7のいずれか1項の装置の使用。
  9. 【請求項9】 希薄相ストリッピング帯域(B)がさらなる反応帯域として
    使用する方法のための装置の代替として、請求項1〜5のいずれか1項に記載の
    方法のための請求項7に記載の装置の使用であり、前記さらなる反応帯域におい
    て、1つの反応帯域に対して水蒸気と300℃未満で沸騰する炭化水素供給物と
    の混合物が供給される該使用。
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