JP2002544159A - 眼障害の処置におけるプロテインチロシンキナーゼ経路インヒビターの使用 - Google Patents

眼障害の処置におけるプロテインチロシンキナーゼ経路インヒビターの使用

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、加齢黄斑変性を予防的におよび治療的に処置する方法、ならびに加齢黄斑変性の滲出性合併症および萎縮性合併症を予防的におよび治療的に処置する方法に関する。本方法は、プロテインチロシンキナーゼ経路インヒビターを、動物(例えば哺乳動物、特にヒト)に、当該動物の加齢黄斑変性またはその滲出性合併症もしくは萎縮性合併症をそれぞれ予防的にもしくは治療的に処置するのに十分な量で投与することを含む。本発明はさらに網膜の変性を予防的におよび治療的に処置する方法、脈絡膜の変性を予防的におよび治療的に処置する方法、およびブルッフ膜の肥厚を予防的におよび治療的に処置する方法を提供する。これらの方法は、プロテインチロシンキナーゼ経路インヒビターを、動物(例えば哺乳動物、特にヒト)に、黄斑、網膜、脈絡膜またはブルッフ膜をそれぞれ予防的にまたは治療的に処置するのに十分な量で投与することを含む。プロテインチロシンキナーゼ経路インヒビターは、好ましくはゲニステインまたはその類似体もしくはプロドラッグあるいは前記の任意のものの医薬的に許容し得る塩である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の技術分野) 本発明は加齢黄斑変性(age-related macular degeneration)を予防的におよび
治療的に処置する方法、ならびに網膜の変性、脈絡膜の変性およびブルッフ膜の
肥厚を予防的におよび治療的に処置する方法に関する。
【0002】 (発明の背景) ヒトの平均寿命が医療技術の発展により絶えず延長されるにつれて、老化に関
連する医療問題に取り組む必要性が増大している。老化過程は眼において物理的
変化および化学的変化をもたらし、それは視力の喪失、対比感度の減退、ついに
は完全な視力喪失に至る。失明はおそらく老年人口を苦しめている一番の衰弱疾
患である。加齢黄斑変性は65歳以上の患者の失明の一番の原因である。事実、
加齢黄斑変性による視力喪失はアメリカ合衆国65歳以上の人口のおよそ10%
で見られる(Gerster et al. Age Ageing 20: 60-69 (1991))。世界の老年人口が
増加するにつれて、加齢黄斑変性の罹病率は劇的に増加すると予測され、203
0年までにはアメリカ合衆国だけで750万例に到達すると予測されている(Hym
an et al. Am J Epidemiol 118: 213-227 (1983))。
【0003】 加齢黄斑変性は視力の喪失をもたらす眼の進行性、変性性疾患である。加齢黄
斑変性の症状としては、視力障害、特に薄明かりでの、読む能力の減退、暗順応
に伴う障害そして比較的まれなケースでは急性視力喪失が挙げられる。進行した
加齢黄斑変性に関連する合併症は2つのカテゴリー、萎縮性および滲出性に分け
られる。萎縮性合併症は網膜色素上皮(RPE)の萎縮症をもたらす網膜色素上皮細
胞喪失に関連する。加齢黄斑変性症例のおよそ10%で見られる滲出性合併症と
しては円板状瘢痕(disciform scars) (すなわち、繊維状要素(fibrous elements
)を含有する瘢痕)および血管新生が挙げられる。最終的には、加齢黄斑変性によ
る失明はRPEの変性およびそれに続く光受容体の死から生じる。
【0004】 加齢黄斑変性に関連する危険因子としては、加齢、遺伝、全身性疾患、環境因
子(例えば、喫煙および光曝露(例えば、Chesapeake Bay Waterman Study, Taylo
r et al., Arch. Ophthalmol. 110: 99-104 (1992)参照))ならびに栄養失調が挙
げられる。遠視および虹彩の色もまたこの疾患に関連している。加齢黄斑変性は
、明るい色の虹彩と相関性が見られ、これはおそらく暗い色の虹彩では正常に吸
収される損傷を与える光に慢性的に曝露されることによる。この疾患はまた、男
性より女性でより多く見られる。
【0005】 加齢黄斑変性の進行の最もよく証明されたメカニズムとしては、RPEにおける
分子の分解が挙げられる。異常分子(おそらく合成後に変化したもの)の不完全
な消化がRPE細胞中に廃棄物のポケットを形成し、最終的にこの細胞の正常な代
謝を妨害する。その結果、RPE細胞からの異常排泄物はブルッフ膜内で基底板沈
着物、ドルーゼンおよび組織片(debris)として凝集する。そのような沈着物は血
管新生および/またはRPE細胞の死を引き起こすと考えられている(Young, Surve y of Ophthalmology 31(5): 291-306 (1987))。
【0006】 現在、加齢黄斑変性(AMD)の公知の予防的処置または治療的処置はない。AMDの
治療ではないが、レーザー光凝固術は加齢黄斑変性に関連する脈絡膜の血管新生
を処置するために使用される。そのような処置は重度の視力喪失の危険を減らす
ことが証明されてきた。レーザー光凝固術はまた、ドルーゼンを処置するために
も使用されてきた。しかし、レーザー処置は、処置された領域に対応する永久的
な盲斑を引き起こし、視力の減退に至る可能性がある。レーザー処置はまた、持
続的出血または再発性出血を引き起こし、知覚性網膜剥離の危険性を増加させる
可能性がある。多くの患者は、結局は処置したにも関わらず重度の視力喪失を経
験する。同様に、一般に老化過程に関連する眼の物理的変化および化学的変化の
予防的処置または治療的処置に利用できる方法は現在ない。
【0007】 加齢黄斑変性の罹患率を考えると、加齢黄斑変性の有効な予防的処置および治
療的処置が依然として必要とされている。従って、加齢黄斑変性に関連する萎縮
性合併症および滲出性合併症の処置を含む、加齢黄斑変性を予防的におよび治療
的に処置する方法を提供することが本発明の主要な目的である。眼の悪化(例え
ば、網膜の変性、脈絡膜の変性およびブルッフ膜の肥厚)の有効な予防的処置お
よび治療的処置もまた当分野において必要とされている。本発明はそのような処
置方法を提供する。本発明のこれらのおよび他の目的ならびに本発明のさらなる
特徴は、本明細書に記載する詳細な説明から明らかとなるだろう。
【0008】 (発明の要旨) 本発明は、加齢黄斑変性に関連する萎縮性合併症および滲出性合併症の処置を
含む、加齢黄斑変性を予防的におよび治療的に処置する方法に関する。本発明は
また、動物の網膜の変性を予防的におよび治療的に処置する方法に関する。動物
の脈絡膜の変性を予防的にまたは治療的に処置する方法も提供され、動物のブル
ッフ膜の肥厚を予防的にまたは治療的に処置する方法も同様に提供される。これ
らの方法はプロテインチロシンキナーゼ経路インヒビターを投与することを含む
。好ましくは、当該プロテインチロシンキナーゼ経路インヒビターが式:
【0009】
【化9】
【0010】 (式中、V、WおよびXは水素、ヒドロキシル、アルコキシ、ハロ、エステル、エ
ーテル、カルボン酸基、カルボン酸基の医薬的に許容し得る塩および-SR(式中
、Rは水素またはアルキル基である)からなる群から選択され、Yは酸素、硫黄、
C(OH)およびC=Oからなる群から選択され、Zは水素およびC(O)OR1(式中、R1はア
ルキルである)からなる群から選択される)の化合物である。好ましくは、当該
アルコキシはC1-C6アルコキシである。好ましくは、当該ハロはフッ素、塩素ま
たは臭素である。好ましくは、当該エステルはC1-C6エステルである。好ましく
は、当該エーテルはC1-C6エーテルである。好ましいカルボン酸基の医薬的に許
容し得る塩としては、ナトリウム塩およびカリウム塩が挙げられる。好ましくは
、当該アルキル基はC1-C6アルキル基である。望ましくは、プロテインチロシン
キナーゼ経路インヒビターはゲニステインである。
【0011】 (発明の詳細な説明) 本発明は、プロテインチロシンキナーゼ経路インヒビター、特にゲニステイン
が、加齢黄斑変性に関連する滲出性合併症および萎縮性合併症を含む加齢黄斑変
性ならびに眼障害(例えば、網膜の変性、脈絡膜の変性およびブルッフ膜の肥厚
)の予防的処置および治療的処置に有効であるという知見を基礎とする。従って
、本発明は加齢黄斑変性を予防的におよび治療的に処置する方法を提供する。「
予防的」とは、加齢黄斑変性、特に脈絡膜の血管新生および網膜色素上皮萎縮症
に対する全体的または部分的な防護を意味する。「治療的」とは、加齢黄斑変性
それ自体の改善、およびさらなる加齢黄斑変性、特に脈絡膜の血管新生および網
膜色素上皮萎縮症に対する全体的または部分的な防護を意味する。好ましくは、
加齢黄斑変性は加齢、遠視、全身性疾患(例えば、心臓血管性疾患または高血圧
)、喫煙、光曝露または栄養失調に起因するものである。
【0012】 本方法は、加齢黄斑変性の黄斑を予防的にまたは治療的に処置するのに十分な
量のプロテインチロシンキナーゼ経路インヒビターを投与することを含む。プロ
テインチロシンキナーゼ(PTK)経路の任意のインヒビターは、それが安全でかつ
有効である限り、本発明の方法で使用し得る。
【0013】 本発明はさらに加齢黄斑変性に関連する萎縮性合併症と滲出性合併症の両方を
予防的におよび治療的に処置する方法を提供する。萎縮性合併症としては、網膜
色素上皮の色素障害(pigmentary disturbance)、硬性、軟性および/または融合
性ドルーゼン、基底板沈着物、ブルッフ膜の肥厚ならびにRPE萎縮症が挙げられ
る。ドルーゼンは、しばしば血管新生の前駆体である、RPEの基底膜とブルッフ
膜との間の黄色または白色の異常生成物である。滲出性合併症としては脈絡膜の
血管新生、RPE剥離、RPE断裂、円板状瘢痕、硝子体出血および網膜下出血が挙げ
られる。滲出性合併症の予防的処置および治療的処置は基底膜の完全な状態の破
壊の防止または阻害により達成される。
【0014】 本方法は、加齢黄斑変性の滲出性合併症または萎縮性合併症を予防的にまたは
治療的に処置するのに十分な量のPTK経路インヒビターを投与することを含む。
任意の安全かつ有効なPTKインヒビターを使用することができる。
【0015】 本発明はさらに、動物の網膜の変性、特に加齢による網膜の変性を予防的にお
よび治療的に処置する方法を提供する。本明細書中で使用されるように、網膜の
変性、特に加齢による網膜の変性は、例えば、色素上皮異常およびガングリオン
細胞喪失を含む。網膜の変性はまた、対比感度の減退および視力喪失をもたらす
光受容体細胞の喪失を含む。「予防的」とはさらなる網膜の変性に対する全体的
または部分的な防護を意味する。「治療的」とは網膜の変性それ自体の改善、お
よびさらなる網膜の変性に対する全体的または部分的な防護を意味する。
【0016】 本方法は、網膜の変性、特に加齢による網膜の変性を予防的にまたは治療的に
処置するのに十分な量のPTK経路インヒビターの投与を含む。前記したように、
安全かつ有効である限り、任意のPTK経路インヒビターを本方法において使用す
ることができる。
【0017】 さらに、本発明は動物の脈絡膜の変性、特に加齢による脈絡膜の変性を予防的
におよび治療的に処置する方法を提供する。脈絡膜の変性、特に加齢による脈絡
膜の変性としては、例えば、脈絡膜の平坦化が挙げられる。加齢による脈絡膜の
変性としては脈絡毛細管板の萎縮症も挙げられる。「予防的」とは脈絡膜の変性
に対する全体的または部分的な防護を意味する。「治療的」とは脈絡膜の変性そ
れ自体の改善、およびさらなる脈絡膜の変性に対する全体的または部分的な防護
を意味する。
【0018】 本方法は、脈絡膜の変性、特に加齢による脈絡膜の変性を予防的にまたは治療
的に処置するのに十分な量のPTK経路インヒビターを投与することを含む。任意
の安全かつ有効なPTK経路インヒビターを使用することができる。
【0019】 眼障害としては、さらに、網膜と脈絡膜の間に位置するブルッフ膜の肥厚、特
に加齢の結果としてのブルッフ膜の肥厚が挙げられる。ブルッフ膜の肥厚は、血
管の多い脈絡膜から光受容体細胞を分離し、網膜において異常を引き起こすこと
によって視覚を妨害し得る。従って、本発明は、動物のブルッフ膜の肥厚を予防
的におよび治療的に処置する方法を提供する。「予防的」とはブルッフ膜の肥厚
に対する全体的または部分的な防護を意味する。「治療的」とはブルッフ膜の肥
厚それ自体の改善、およびさらなるブルッフ膜の肥厚に対する全体的または部分
的な防護を意味する。
【0020】 本方法は、ブルッフ膜の肥厚を予防的にまたは治療的に処置するのに十分な量
のPTK経路インヒビターを投与することを含む。任意の安全かつ有効なPTK経路イ
ンヒビターを使用することができる。
【0021】 本明細書において、「PTKインヒビター」はそのような化合物を言及するため
に使用されるだろうし、化合物が阻害効果を発揮するのが経路のどの点であるか
に関わらず、PTK経路を阻害する任意のおよび全ての化合物を包含することを意
図している。PTKインヒビターは当分野で知られており、他のものは当分野で知
られているアッセイに従って識別することができる。当業者は、PTKインヒビタ
ーによるPTK経路の完全な阻害が好ましいが、PTK経路の部分的な阻害は本発明に
おける予防的効果または治療的効果を達成するのに十分であり得ることをよく理
解するだろう。
【0022】 好ましくは、PTKインヒビターはゲニステイン(5,7-ジヒドロキシ-3-(4-ヒドロ
キシフェニル)-4H-1-ベンゾピラン-4-オン)もしくはその医薬的に許容し得る、P
TK経路阻害類似体またはそのプロドラッグあるいは前記の任意のものの医薬的に
許容し得る塩である。従って、PTKインヒビターは下記式:
【0023】
【化10】
【0024】 (式中、V、WおよびXは水素、ヒドロキシル、アルコキシ、ハロ、エステル、エ
ーテル、カルボン酸基、カルボン酸基の医薬的に許容し得る塩および-SR(式中
、Rは水素またはアルキル基である)からなる群から選択され、Yは酸素、硫黄、
C(OH)およびC=Oからなる群から選択され、Zは水素およびC(O)OR1(式中、R1はア
ルキルである)からなる群から選択される)の化合物であり得る。好ましくは、
当該アルコキシはC1-C6アルコキシである。好ましくは、当該ハロはフッ素、塩
素または臭素である。好ましくは、当該エステルはC1-C6エステルである。好ま
しくは、当該エーテルはC1-C6エーテルである。好ましいカルボン酸基の医薬的
に許容し得る塩としては、ナトリウム塩およびカリウム塩が挙げられる。好まし
くは、当該アルキル基はC1-C6アルキル基である。望ましくは、PTK経路インヒビ
ターはゲニステインである。
【0025】 該プロドラッグはゲニステイン、ゲニステインのPTK経路阻害類似体、前記の
もののいずれかの医薬的に許容し得る塩の医薬的に許容し得る任意のプロドラッ
グであり得る。しかしながら、当業者は、使用されるプロドラッグは黄斑、網膜
、脈絡膜またはブルッフ膜の周辺で活性なPTKインヒビターに変換しうるもので
なければならないことを理解するだろう。好ましいプロドラッグはゲニステイン
、ゲニステインのPTK経路阻害類似体、前記のもののいずれかの医薬的に許容し
得る塩の脂溶性を増大させるプロドラッグである。好ましいプロドラッグはV、W
およびXのうちの1以上が独立してエステル(例えば、ピバル酸)に誘導された
ものである。
【0026】 上記式の化合物は商業的に広く入手可能である。例えば、ゲニステインはLC L
aboratories (Woburn, MA)から入手可能である。商業的に入手できない化合物は
当分野で公知の有機合成法を使用して容易に調製することができる。
【0027】 本発明に従う化合物の特定の類似体、プロドラッグまたは医薬的に許容し得る
塩が、黄斑変性、網膜の変性、脈絡膜の変性またはブルッフ膜の肥厚、それらの
うち加齢による任意のものを予防的にまたは治療的に処置することができるか否
かは実施例2および4〜6で使用されるマウスモデルにおけるその効果により決
定することができる。あるいは、PTK経路インヒビターの類似体、プロドラッグ
および医薬的に許容し得る塩は、例えば実施例1に記載した方法のようなインビ
トロのアッセイで試験することができる。
【0028】 さらに、カラードップラーイメージング(color Doppler imaging)は眼の病理
における薬物の作用を評価するために使用することができる(Valli et al., Oph thalmologica 209(13): 115-121 (1995))。カラードップラーイメージングは超
音波検査において近年、発展した技術であり、血流の構造の同時二次元イメージ
ング(simultaneous two-dimensional imaging) および評価を可能にする。従っ
て、萎縮性合併症(例えば、網膜色素上皮萎縮症)および滲出性合併症(例えば
、脈絡膜の血管新生)をそのような技術を使用して分析することができる。同様
に、網膜の変性に関連する合併症(例えば、光受容体喪失およびガングリオン細
胞喪失)ならびに脈絡膜の変性に関連する合併症(例えば、脈絡毛細管板萎縮症
および脈絡膜の平坦化)はカラードップラーイメージングを用いて分析すること
ができる。
【0029】 PTKインヒビターは、所望により、本発明の方法での使用のために適当なマト
リックス(例えば、ポリマー性マトリックス)に結合することができる。ポリマ
ー結合化合物がインビボで使用される場合に、該ポリマーが生物学的に許容し得
るものであれば(例えば、米国特許5,384,333号および5,164,188号参照)、広範囲
のポリマーのうちで任意のものを本発明において使用することができる。
【0030】 ゲニステインの利点は、ゲニステインが非常に安全かつ有効であることである
。例えば、ゲニステインをZucker diabetic fattyラットに経口投与した場合、
ゲニステインは、網膜電図記録によって測定すると、6カ月間の期間にわたる75
mg/kg/日〜300mg/kg/日の範囲の投薬において、網膜に対して非毒性であること
が分かった。さらに、ゲニステインの経口投与は、雄および雌のラットの食物摂
取および体重に影響しないことが分かった。また、経口投与したゲニステインは
雌ラットの卵巣および子宮の重量に対して影響がないことが分かった。
【0031】 PTKインヒビター(これは、好ましくはゲニステイン、ゲニステインのPTK経路
阻害類似体、ゲニステインのPTK経路阻害プロドラッグ、または前記の任意のも
のの医薬的に許容し得る塩である)は任意の適切な経路で本発明の方法に従って
投与され得る。投与の適切な経路としては、全身的(例えば、経口的または注入
によって)、局所的、眼内、眼周囲(例えば、テノン鞘下(subTenon's))、結膜
下、網膜下、脈絡膜上および眼球後方が挙げられる。PTKインヒビターを投与す
る様式は、加齢黄斑変性、網膜の変性、脈絡膜の変性またはブルッフ膜の肥厚の
処置が予防的であるか治療的であるのかどうかにある程度依存する。例えば、加
齢黄斑変性の治療的処置のためにPTKインヒビターを投与する様式は、疾患の原
因にある程度依存する。
【0032】 例えば、ドルーゼンおよびRPE過色素沈着症の出現がよくある加齢黄斑変性の
最初の兆候であると仮定すれば、ドルーゼンおよびRPE過色素沈着症を検出後す
ぐにPTKインヒビターを予防として投与することができる。加齢黄斑変性の予防
的処置のために、PTKインヒビターを好ましくは全身に(例えば、経口でまたは
注入によって)投与する。加齢黄斑変性の治療的処置(すなわち、萎縮性および
/または滲出性の合併症の処置)のために、例えば、全身に(例えば、経口でま
たは注入によって)、眼内に、局所的に、結膜下に、または眼周囲(例えば、テ
ノン鞘下)にPTKインヒビターを投与することができる。
【0033】 PTKインヒビターは好ましくは、動物(例えば、哺乳動物、具体的にはヒト)
が加齢黄斑変性の危険性にあるか(予防的処置)、または加齢黄斑変性を発症し始
めた(治療的処置)ことを決定後すぐに投与する。処置は、使用する特定のPTKイ
ンヒビター、投与するPTKインヒビターの量、投与経路、ならびに、もしわかる
ならば黄斑変性の原因および程度にある程度依存するだろう。同様に、PTKイン
ヒビターは好ましくは、動物(具体的にはヒト)が網膜もしくは脈絡膜の変性ま
たはブルッフ膜の肥厚の危険にあるか(予防的処置)、あるいは、網膜もしくは脈
絡膜の変性またはブルッフ膜の肥厚を発症し始めている(治療的処置)ことを決定
後すぐに投与する。
【0034】 当業者は、本発明の方法において有用なPTKインヒビターを投与する適切な方
法が利用可能であることを理解するだろう。特定のPTKインヒビターを投与する
ために1つ以上の経路を使用できるが、特定の経路は他の経路よりも迅速かつ有
効な反応を提供できる。従って、記載の投与経路は単なる例示であり、限定する
ものではない。
【0035】 本発明に従って、動物(特に、ヒト)に投与する用量は、適切な時間枠にわた
って動物における所望の応答を引き起こすのに十分な量にすべきである。当業者
は投薬が様々な因子(この因子としては、利用する特定のPTKインヒビターの強
さ、動物の年齢、種、状態もしくは疾患状況および体重、ならびに、変性によっ
て影響を受ける、もしくは実際に影響を受けた黄斑、網膜もしくは脈絡膜の量、
または肥厚によって影響を受ける、もしくは実際に影響を受けたブルッフ膜の量
が挙げられる)に依存することを認識している。また、用量のサイズは、投与の
経路、タイミングおよび頻度、ならびに、特定のPTKインヒビターの投与に伴う
であろう任意の有害な副作用と所望の生理学的効果の存在、種類および程度によ
って決定されるだろう。当業者は、様々な状態もしくは疾患状況(特に、慢性の
状態もしくは疾患状況)が多重投与を含む持続的な処置を必要とし得ることを理
解するだろう。
【0036】 適切な用量および投薬計画は当業者に公知の従来の範囲決定技術によって決定
され得る。概して、化合物の最適用量より少ない、より少量の投薬で処置を開始
する。その後、この状況下での最適効果が達成されるまで、投薬を小さな増分で
増加する。本発明の方法は、代表的には、全身投与の場合、約1 mg/kg/日〜約10
0 mg/kg/日、好ましくは約 15 mg/kg/日〜約 50 mg/kg/日の投与を含む。眼内投
与は、代表的には、全量で約 0.1 mgから全量で約 5 mgまで、好ましくは全量で
約 0.5 mgから全量で約 1 mgまでの投与を含む。好ましい局所投与の濃度は100
μMである。
【0037】 本発明の方法で使用する組成物は、好ましくは、医薬的に許容し得る担体と、
加齢黄斑変性および/またはその萎縮性もしくは滲出性の合併症を予防的にまた
は治療的に処置するのに十分な量のPTKインヒビターとを含有する。あるいは、
網膜の変性(例えば、加齢に起因するもの)、脈絡膜の変性(例えば、加齢に起
因するもの)またはブルッフ膜の肥厚(例えば、加齢に起因するもの)を処置す
る本発明の方法で使用するための組成物は、好ましくは、医薬的に許容し得る担
体と、網膜の変性、脈絡膜の変性またはブルッフ膜の肥厚をそれぞれ予防的にま
たは治療的に処置するに十分な量のPTKインヒビターとを含有する。担体は、任
意の従来から使用されているものであればよく、化学−物理学的な考察(例えば
、溶解度、および化合物との反応性のないこと)によって、および投与の経路に
よってのみ限定される。当業者は、以下に記載の医薬組成物に加えて、PTKイン
ヒビターがポリマー組成物、包接複合体(例えば、シクロデキストリン包接複合
体)、リポソーム、ミクロスフェア、マイクロカプセルなどとして処方され得る
ことを理解するだろう(例えば、米国特許第4,997,652号、同第5,185,152号およ
び同第5,718,922号参照)。
【0038】 PTKインヒビターは医薬的に許容し得る酸付加塩として処方され得る。当該医
薬組成物に使用する医薬的に許容し得る酸付加塩の例としては、無機酸(例えば
、塩酸、臭化水素酸、リン酸、メタリン酸、硝酸および硫酸)および有機酸(例
えば、酒石酸、酢酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、フマル酸、安息好酸、グリコ
ール酸、グルコン酸、コハク酸およびアリールスルホン酸(例えば、p-トルエン
スルホン酸)から誘導したものが挙げられる。
【0039】 本明細書中に記載の医薬的に許容し得る賦形剤(例えば、ビヒクル、アジュバ
ント、担体または希釈剤)は、当業者に周知のものであり、一般に容易に入手可
能である。医薬的に許容し得る担体が、PTKインヒビターに対して化学的に不活
性なもの、および使用状態での有害な副作用または毒性を有さないものであるこ
とが好ましい。
【0040】 賦形剤の選択は、特定のPTKインヒビターによって、および組成物を投与する
ために使用する特定の方法によって、ある程度決定されるだろう。従って、本発
明の医薬組成物の広範な適切な製剤が存在する。以下の製剤は単なる例示であり
、限定するものではない。
【0041】 注入可能な製剤が本発明の方法に従う好ましいものうちの一つである。注入可
能な組成物用の医薬的に有効な担体の要件は当業者に周知である(Pharmaceutics and Pharmacy Practice , J.B. Lippincott Co., Philadelphia, PA, Bankerお
よびChalmers編、238-250頁 (1982年)、ならびに ASHP Handbook on Injectable Drugs , Toissel、第4版、622-630頁 (1986年)参照)。このような注入可能な組
成物を筋肉内、静脈内または腹腔内に投与することが好ましい。
【0042】 局所製剤は当業者に周知である。このような製剤は、本発明に関して、皮膚へ
の適用に適している。パッチ、角膜シールド(例えば、米国特許第5,185,152号
参照)、ならびに眼科用液剤(例えば、米国特許第5,710,182号参照)および軟膏
(例えば、点眼剤)の使用もまた当該分野の技術内である。
【0043】 経口投与に適した製剤は以下の(a)、(b)、(c)、(d)および(e)
からなり得る:(a)液体溶液、例えば、希釈剤(例えば、水、生理食塩水または
オレンジジュース)中に溶解した有効量の化合物;(b)カプセル、サシェ剤(s
achet)、錠剤、ロゼンジおよびトローチであって、各々は、予め決定した量の
活性成分を固体もしくは顆粒として含む;(c)粉剤;(d)適切な液体中での懸
濁液;ならびに(e)適切な乳剤。液体製剤は、医薬的に許容し得る界面活性剤
、懸濁化剤または乳化剤の添加あり、または添加なしのいずれかで、希釈剤(例
えば、水およびアルコール類(例えば、エタノール、ベンジルアルコール、およ
びポリエチレンアルコール類)を含み得る。カプセル形態は、例えば、界面活性
剤、滑沢剤および不活性充填剤(例えば、ラクトース、スクロース、リン酸カル
シウムおよびトウモロコシデンプン)を含む、通常のハードシェルもしくはソフ
トシェルのゼラチン型の形態であってもよい。錠剤形態は、1つ以上のラクトー
ス、スクロース、マンニトール、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、
アルギン酸、微結晶性セルロース、アカシア、ゼラチン、グアルゴム、コロイド
状二酸化ケイ素、クロスカルメロースナトリウム、タルク、ステアリン酸マグネ
シウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸、ならびに
他の賦形剤、着色剤、希釈剤、緩衝剤、崩壊剤、湿潤剤、保存剤、着香剤および
薬理学的に併用可能な賦形剤を含み得る。ロゼンジ形態は、矯味矯臭薬中の活性
成分、(通常は、スクロースおよびアカシアまたはトラガカント)、ならびに不
活性基剤(例えば、ゼラチンおよびグリセリン、またはスクロースおよびアカシ
ア)中に活性成分を含む香錠、乳剤、ゲル、活性成分に加えて、当該分野で公知
の賦形剤などを含有するものなどを含み得る。
【0044】 非経口投与に適した製剤は、水性および非水性の等張性滅菌注入溶液と、水性
および非水性の滅菌懸濁液とを含み、この等張性滅菌注入溶液は、抗酸化剤、緩
衝剤、静菌薬、および投与対象者の血液と等張性の製剤を与える溶質を含むこと
ができ、該水性および非水性の滅菌懸濁液は、懸濁剤、可溶化剤、増粘剤、安定
剤および保存剤を含むことができる。インヒビターは、医薬的に許容し得る界面
活性剤(例えば、セッケンまたはデタージェント)、懸濁化剤(例えば、ペクチ
ン、カルボマー、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースまた
はカルボキシメチルセルロース)もしくは乳化剤および他の医薬的なアジュバン
トを添加して、または添加しないで、医薬的な担体中の生理学的に許容し得る希
釈剤(例えば、以下に挙げる滅菌液体または液体の混合物)中で投与され得る:
水、生理食塩水、デキストロースおよび関連の糖の水溶液、アルコール(例えば
、エタノール、イソプロパノールまたはヘキサデシルアルコール)、グリコール
(例えば、プロピレングリコールまたはポリエチレングリコール)、ジメチルス
ルホキシド、グリセロールケタール(例えば、2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-
4-メタノール)、エーテル(例えば、ポリ(エチレングリコール) 400)、オイル
、脂肪酸、脂肪酸エステルもしくはグリセリド、またはアセチル化した脂肪酸グ
リセリド。
【0045】 非経口製剤で使用できるオイルとしては、石油、動物性、植物性もしくは合成
オイルが挙げられる。オイルの具体的な例としては、落花生油、大豆油、ゴマ油
、綿実油、トウモロコシ油、オリーブ油、ワセリンおよび鉱油が挙げられる。
【0046】 非経口製剤での使用に適した脂肪酸としては、オレイン酸、ステアリン酸およ
びイソステアリン酸が挙げられる。オレイン酸エチルおよびミリスチン酸イソプ
ロピルが適切な脂肪酸エステルの例である。
【0047】 非経口製剤での使用に適したセッケンとしては脂肪族のアルカリ金属、アンモ
ニウムおよびトリエタノールアミンの塩が挙げられ、適切なデタージェントとし
ては以下の(a)、(b)、(c)、(d)および(e)が挙げられる:(a)
カチオン性デタージェント(例えば、ジメチルジアルキルアンモニウムハライド
およびアルキルピリジニウムハライドなど)、(b)アニオン性デタージェント
(例えば、アルキル、アリールおよびオレフィンのスルホネート、アルキル、オ
レフィン、エーテルおよびモノグリセリドのサルフェート、ならびにスルホスク
シネートなど)、(c)非イオン性デタージェント(例えば、脂肪族アミンオキ
シド、脂肪酸アルカノールアミドおよびポリオキシエチレンポリプロピレンコポ
リマーなど)、(d)両性のデタージェント(例えば、アルキル-p-アミノプロ
ピオネートおよび2-アルキル-イミダゾリン四級アンモニウム塩など)、および
(e)その混合物。
【0048】 非経口製剤は、代表的には、約 0.5〜約 25重量%の活性成分を溶液中に含む
。保存剤および緩衝剤を使用してもよい。注入の部位における刺激を最小限にす
るかまたは除去するために、このような組成物は、約 12〜約 17の親水性−親油
性バランス(HLB)を有する1つ以上の非イオン性界面活性剤を含んでもよい。
【0049】 このような製剤中の界面活性剤の量は、代表的には、約 5〜約 15重量%の範
囲である。適切な界面活性剤としては、ポリエチレンソルビタン脂肪酸エステル
(例えば、ソルビタンモノオレイン酸エステル)、およびプロピレングリコール
とプロピレンオキシドとの縮合によって形成される疎水性ベースにエチレンオキ
シドが付加した高分子量の付加体が挙げられる。非経口製剤は、単位用量もしく
は多回用量の密封容器(例えば、アンプルおよびバイアル)中に存在してもよく
、そして、使用する直前に、注入用の滅菌液体賦形剤(例えば、水)の添加のみ
を必要とする、フリーズドライ(凍結乾燥)条件下で保存することができる。即時
注入溶液および懸濁液は、上述した種類の滅菌粉剤、顆粒および錠剤から調製さ
れ得る。
【0050】 このような組成物は、眼内製剤、持続放出性製剤または装置として処方され得
る(例えば、米国特許第5,378,475号参照)。例えば、ゼラチン、コンドロイチン
硫酸、ポリホスホエステル(例えば、ビス-2-ヒドロキシエチル-テレフタレート
(BHET)、または(様々な割合の)ポリ乳酸-グリコール酸が持続放出性製剤を処方
するために使用され得る。インプラント(例えば、米国特許第5,443,505号、同第
4,853,224号および同第4,997,652号参照)、装置(例えば、米国特許第5,554,187
号、同第4,863,457号、同第5,098,443号および同第5,725,493号参照)、例えば、
インプラント可能な装置(例えば、メカニカルレザバ)、眼内導管(例えば、100
μ〜1 mm(直径))を備えた眼内装置または眼球外装置など、あるいは上述のポ
リマー組成物を包含したインプラントまたは装置が使用され得る。
【0051】 本発明の方法はまた、他の医薬的に活性な化合物の併用投与を含み得る。「併
用投与」とは、上述のようなPTKインヒビターの投与の前、それと同時(例えば
、同一の製剤もしくは別個の製剤中でPTKインヒビターと組み合わせて)、また
はその後に投与することを意味する。例えば、コルチコステロイド類(例えば、
プレドニゾン、メチルプレドニゾロン、デキサメタゾンまたはトリアムシノロン
アセトニド(triamcinalone acetinide))または非コルチコステロイド抗炎症
化合物(例えば、イブプロフェンまたはフルビプロベン(flubiproben))が併
用投与され得る。同様に、ビタミンおよびミネラル(例えば、亜鉛)、抗酸化剤
(例えば、カロチノイド類(例えば、ゼアキサチンまたはルテインなどのキサン
トフィルカロチノイド)および微量養分が併用投与され得る。さらに、プロテイ
ンチロシンキナーゼ経路の他のタイプのインヒビター(これには、天然のプロテ
インチロシンキナーゼインヒビター〔ケルセチン、ラベンダスチン(lavendusti
n) A、エルブスタチン(erbstatin)およびへルビマイシン(herbimycin) Aな
ど〕、ならびに合成のプロテインチロシンキナーゼインヒビター〔チルホスチン
(tyrphostin) (例えば、AG490、AG17、AG213 (RG50864)、AG18、AG82、AG494
、AG825、AG879、AG1112、AG1296、AG1478、AG126、RG13022、RG14620およびAG5
55)、ジヒドロキシおよびジメトキシベンジリデンマロノニトリル、ラベンダス
チン Aの類似体(例えば、AG814およびAG957)、キナゾリン(例えば、AG1478)、4,
5-ジアニリノフタリミドおよびチアゾリジンジオンなど〕が挙げられる)は、ゲ
ニステインまたはその類似体、プロドラッグもしくは医薬的に許容し得る塩と併
用投与され得る(Levitzki et al., Science 267: 1782-1788 (1995);ならびにCu
nningham et al., Anti-Cancer Drug Design 7: 365-384 (1992)参照)。この点
について、ゲニステインの潜在的に有用な誘導体として、Mazurekら、米国特許
第5,637,703号に記載のものが挙げられる。増殖因子に対する中和タンパク質(
例えば、VEGFなどの所定の増殖因子に特異的なモノクローナル抗体)(例えば、A
iello et al., PNAS USA 92: 10457-10461 (1995)参照)、あるいはホスホチロシ
ン(Dhar et al., Mol. Pharmacol. 37: 519-525 (1990))が共に投与され得る。
併用投与され得る他の様々な化合物としては以下のものが挙げられる:プロテイ
ンキナーゼCのインヒビター(例えば、米国特許第5,719,175号および同第5,710,
145号参照)、サイトカイン調節剤、内皮細胞に特異的な増殖のインヒビター(例
えば、トロンボスポンジン(thrombospondin))、内皮細胞に特異的な阻害増殖
因子(例えば、TNFα)、抗増殖ぺプチド(例えば、SPARCおよびポルフィリン様
ペプチド)、グルタミン酸レセプターアンタゴニスト、アミノグアニジン、アン
ジオテンシン変換酵素インヒビター(例えば、アンジオテンシン II)、カルシ
ウムチャンネルブロッカー、Ψ-テクトリゲニン(tectorigenin)、ST638、ソマ
トスタチン類似体(例えば、SMS 201-995)、モノシアロガングリオシド GM1、
チクロピジン、神経向性増殖因子、メチル-2,5-ジヒドロキシシンナメート、脈
管形成インヒビター(例えば、組換え EPO)、スルホニルウレア経口低血糖剤(
例えば、グリクラジド(非インスリン依存性糖尿病)、ST638)(Asahi et al., FE BS Letter 309: 10-14 (1992))、サリドマイド、ニカルジピン塩酸塩、アスピリ
ン、ピセアタノール(piceatannol)、スタウロスポリン(staurosporine)、ア
ドリアマイシン、エピデルスタチン(epiderstatin)、(+)-エアロプリシニン(
aeroplysinin)-1、フェナゾシン、ハロメチルケトン、抗脂肪血症剤(例えば、
エトフィブレート(etofibrate)、クロルプロマジンおよびスフィンゴシン(sp
inghosine))、アルドースリダクターゼインヒビター(例えば、トルレスタッ
ト(tolrestat)、SPR-210、ソルビニル(sorbinil)または酸素、ならびにレチ
ノイン酸およびその類似体)(Burke et al., Drugs of the Future 17(2): 119-
131 (1992);およびTomlinson et al., Pharmac. Ther. 54: 151-194 (1992))。
セレノインドール(2-チオインドール)および関連ジスルフィドセレニド(例えば
、Dobrusin et al., 米国特許第5,464,961号に記載のもの)は有用なPTKインヒ
ビターである。全身体液貯留(例えば、心臓血管または腎臓の疾患に起因するも
の)および重症の全身性高血圧を示す患者は、利尿薬、透析、強心薬および抗高
血圧剤でさらに処置され得る。
【0052】 (実施例) 以下の実施例は、本発明をさらに例示するが、当然、本発明の範囲を限定する
ものとして考慮すべきではない。
【0053】 (実施例1) この実施例は、基底膜の完全な状態の破壊、およびそれに続く網膜内皮細胞の
基底膜への浸潤を阻害する際にゲニステインが有効であることを実証する。
【0054】 bFGF (1-10 ng/ml)の存在下およびゲニステイン (0.2 mg/100 ml)の存在下ま
たは非存在下で網膜の毛細血管の内皮細胞をMatrigel (Collaborative Research
, Bedford, MA)上で培養した。Matrigelは、基底膜産生腫瘍組織に由来し、網膜
の基底膜と同様にIV型コラーゲンおよびラミニンからなり、成分の相対的な割
合のみが異なる。
【0055】 bFGF単独の存在下で培養した網膜毛細血管内皮細胞はMatrigelを浸潤した。ゲ
ニステインの存在はMatrigelへの網膜毛細血管内皮細胞の浸潤を.8 mm減少させ
た。すなわち、ゲニステインは浸潤を約32%阻害した。
【0056】 この実施例は、基底膜の完全な状態の破壊、およびそれに続く基底膜への網膜
毛細血管内皮細胞の浸潤を阻害するゲニステインの能力を実証する。
【0057】 (実施例2) この実施例は、加齢黄斑変性に関連した光受容体の損失および加齢に関連した
網膜の変性を阻害するゲニステインの能力を実証する。
【0058】 黄斑の光誘導損傷へのゲニステインの効果を決定するために、2系統のマウス
、老化促進マウス系 9 (senile accelerated mice strain 9) (SAM9)および耐性
マウス系 4 (R4) (両系は京都大学、日本からの寄贈品であり、現在、Johns Hop
kins Universityで維持されている)を光源に曝露した。SAM9 マウスは、皮膚と
眼における加速性の加齢変化の傾向を有する。R4 マウスは、R4 マウスが加速性
の老化に関連した身体的な変化に耐性であることを除いて、SAM9と同一である。
【0059】 全体で約 20-25 匹の各系のマウスを対照群および処置群に分けた。処置群は
、約 4 週間までに1日に1回の経口洗浄によってゲニステイン(150 mg/kg 食物
)を受容した。光に曝露した後、1、2および3週間でマウスを屠殺した。組織
学的研究のために眼を摘出し、連続的に切断した。詳細には、光受容体の核を計
数して、後部および末梢の網膜の特定領域にわたる光受容体の損失の程度を決定
した。
【0060】 1週間では、6つの層の光受容体の核の平均を両系のマウスの処置群および対
照群の両方で観察した。対照群と処置群との間で、光誘導損傷の量における有意
差は存在しなかった。2週間では、ゲニステインは両系の処置群の光誘導損傷の
量を有意に減少させた。2〜3層の光受容体の核の平均をゲニステインで処置し
たSAM9 マウスおよびR4 マウスで観察した。約0〜1層の光受容体の核を対照群
で観察した。3週間では、0-1層の光受容体の核の平均を両系の処置および未処
置の動物の両方で観察した。
【0061】 光誘導光受容体細胞の損失へのゲニステインの効果を決定するために、老化促
進マウスの追加の系(系 8 (SAM8))を耐性系 1 (R1)と共に光源に曝露した。2
4時間、暗順応の後に全ての被検体を一定の800ルクスの白色蛍光に曝露した
。マウスのそれぞれのSAM8およびR1 系を次の2つの群に分けた:洗浄法によって
経口的にゲニステイン (50 mg/kg 体重/日)を受容した処置群、および処置を受
けなかった対照群。光曝露の一週間後、外側の核の層(outer nuclear layer)(
ONL)の厚さおよび細胞数は、SAM8およびR1の両方のゲニステイン処置群において
対照群よりも大きかった。光曝露の二週間後、ONLの厚さは、ゲニステイン処置
したR1において、対応する対照群のものよりも大きかった。光曝露の三週間後、
ONLの厚さはゲニステイン処置したR1において、対応する対照群のものよりも大
きかった。光曝露の二週間および三週間後、SAM8 群において処置による差異は
なかった。
【0062】 この実施例は、光受容体損失(網膜の変性に関連するものなど、加齢および加
齢黄斑変性に起因するものなど)を阻害するゲニステインの能力を実証する。
【0063】 (実施例3) この実施例は、ブルッフ膜の破壊後に加齢黄斑変性の進行を阻害するゲニステ
インの能力を例証する。
【0064】 レーザービームを使用して3匹のカニクイザルのブルッフ膜を破壊し、続いて
、脈絡膜の新生血管形成を評価した。レーザーで誘発するブルッフ膜の破壊の前
に、100 mgの単回眼内注入によってゲニステインを二匹のサルに投与した。17
の損傷のうち13が新生血管形成を生じた。1匹のサルには、単回眼内注入(100
mg)に加えて、レーザー処置の2日前から始めて隔日に全体で3回、ゲニステイ
ンを経口で投与した(300 mg/kg 体重)。レーザー処置で生じた18の損傷のうち
、わずか2つの損傷のみが脈絡膜の新生血管形成を生じた。
【0065】 これらの結果は、ゲニステインが、ブルッフ膜の破壊の前に与えられると、第
二の新生血管形成の発生を阻害または予防することができ、それによって加齢黄
斑変性の進行を阻害することを示す。
【0066】 (実施例4) この実施例は、網膜の変性(例えば、加齢に起因するもの)を阻害または改善
するための、本明細書中に記載するようなPTK経路インヒビターの有用性を決定
する方法を記載する。
【0067】 2系統のマウス(老化促進傾向系 (SAMP)および耐性系 (SAMR))は、武田薬品
工業株式会社、大阪、日本から得られる。上述のように、SAMPマウスは、眼に加
速性加齢変化の傾向を有し、他方、SAMRマウスは、加速性の老化に関連した身体
的な変化に対して耐性である。
【0068】 各系の被検体を対照群と処置群とに分ける。温度および光が制御され(68-72 o F および 7:00 a.m.〜9:00 p.m.で照射する明/暗 サイクル)、随意に食物(PMI N
utrition International, Inc, 1401, St. Louis, MO) および自動ろ過システム
からの水を自由摂取できる、高効率の飼育装置を用いて、SPF(specific pathoge
n-free)条件下で全てのマウスを飼育する。処置群はゲニステイン(50 mg/kg/日)
を経口洗浄で一日一回受容するか、あるいはゲニステインは食物(150 mg/kg 食
物)中に含められる。
【0069】 分析に関しては、眼を摘出し、必要に応じて、組織学的研究のために連続的に
切断する。光学顕微鏡または電子顕微鏡の場合、アイカップ(eye cup)をリン酸
緩衝液中の2%四酸化オスミウムで2時間固定し、アルコール脱水し、エポキシ
樹脂中に包埋する。2ミクロン厚の切片をトルイジンブルーで染色し、光学顕微
鏡用に使用する。電子顕微鏡の場合、薄切片をクエン酸鉛および酢酸ウラニルで
染色し、JOEL JEM-100 CX2 電子顕微鏡(日立、東京、日本)で試験する。次いで
、対照および処置した被検体におけるガングリオン細胞の損失および網膜の色素
上皮の変化を試験する。詳細には、所望により、ガングリオン細胞の核を計数し
てガングリオン細胞の損失の程度を決定する。
【0070】 (実施例5) この実施例は、脈絡膜の変性(例えば、加齢に起因するもの)を阻害または改
善するために、本明細書中に記載するようなPTK経路インヒビターの有用性を決
定する方法を記載する。
【0071】 2系統のマウス(老化促進傾向系 (SAMP)および耐性系(SAMR))(武田薬品工
業株式会社、大阪、日本から入手)を利用して脈絡膜の変性へのゲニステインの
効果を分析する。動物を実施例4に記載のように維持する。脈絡毛細管板の萎縮
を含む、脈絡毛細管板における変化を実施例4に記載のように光学顕微鏡および
電子顕微鏡によって試験する。
【0072】 また、脈絡膜血管キャスト(choroidal vascular cast)は脈絡毛細管板の萎縮
の程度を分析する際に有用である。被検体をケタミンおよびキシラジンの筋内注
入(50 mg/kg 体重)によって麻酔する。左心室を50mlのヘパリン化乳酸加
リンガー液で灌流する。次いで、左心室を通してメルコックス(mercox)溶液(L
add Research Industries, Burlington, VT)を注入する前にマウスを屠殺する。
眼を摘出し、前区を微切開(micro-dissection)によって分離する。後区の腐食
キャスト(corrosion cast)を0.1 mol KOH中で作製する。組織の完全な漂白の
後、水中での慎重な微切開によって、網膜の血管を脈絡膜血管から分離する。走
査電子顕微鏡検査(JOEL JSM-84OA 走査電子顕微鏡、日立、東京、日本)の前に
、脈絡膜血管のキャストをアルミニウムタブ上に置き、金パラジウムでスパッタ
コートする。400Xの倍率で各眼球の後極のランダムな領域を記録することに
よって、脈絡膜血管床の定量分析を行う。脈絡毛細管板の領域をトレースするこ
とによって各400xの写真で脈絡膜血管床の領域を測定するために、Micropla
n II 画像解析プログラム(Laboratory Computer Systems Inc., MA)使用する。
得られる値をまとめ、対のスチューデントt検定によって分析する。典型的には
、0.05未満のP値を有意なものとみなす。
【0073】 (実施例6) この実施例は、加齢にしばしば関連するブルッフ膜の肥厚を阻害または改善す
るために、本明細書中に記載するようなPTK経路インヒビターの有用性を決定す
る方法を記載する。
【0074】 2系統のマウス(老化促進傾向系 (SAMP)および耐性系(SAMR))は、武田薬品
工業株式会社、大阪、日本から得られ、これを利用して、ブルッフ膜の肥厚に対
するゲニステインの効果を分析する。動物を実施例4に記載するように維持する
。ブルッフ膜の肥厚を含む、ブルッフ膜における変化を実施例4に記載するよう
に光学顕微鏡および電子顕微鏡によって試験する。
【0075】 本明細書中に記載の全ての文献(特許、特許出願、文献の刊行物などを含む)
は、その全体が言及により本明細書に組み込まれるものである。
【0076】 本発明を好ましい実施態様で強調して記載しているが、好ましい化合物および
方法のバリエーションが使用されてもよいこと、本発明が本明細書中に詳細に記
載した以外の方法で実施してもよいことを意図していることが当業者に明らかで
あろう。従って、本発明は、上記の特許請求の範囲に規定する本発明の趣旨およ
び範囲内に包含される全ての改変を含む。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成13年8月23日(2001.8.23)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【化1】 (式中、V、WおよびXは水素、アルコキシ、ヒドロキシル、ハロ、エステル、エ
ーテル、カルボン酸基、カルボン酸基の医薬的に許容し得る塩および-SR(式中
、Rは水素またはアルキル基である)からなる群から選択され、Yは酸素、硫黄、
C(OH)およびC=Oからなる群から選択され、Zは水素およびC(O)OR1(式中、R1はア
ルキルである)からなる群から選択される)の化合物、またはそのプロテインチ
ロシンキナーゼ阻害プロドラッグもしくはその医薬的に許容し得る塩である、請
求項1に記載の方法。
【化2】 (式中、VおよびWは水素、アルコキシ、ヒドロキシル、ハロ、エステル、エーテ
ル、カルボン酸基、カルボン酸基の医薬的に許容し得る塩および-SR(式中、Rは
水素またはアルキル基である)からなる群から選択され、Xは水素、アルコキシ
、ハロ、エステル、カルボン酸基、カルボン酸基の医薬的に許容し得る塩および
-SR(式中、Rは水素またはアルキル基である)からなる群から選択され、Yは酸
素、硫黄、C(OH)およびC=Oからなる群から選択され、Zは水素およびC(O)OR1(式
中、R1はアルキルである)からなる群から選択される)の化合物、またはそのプ
ロテインチロシンキナーゼ阻害プロドラッグもしくはその医薬的に許容し得る塩
であるプロテインチロシンキナーゼ経路インヒビターを、動物の加齢黄斑変性を
予防的にまたは治療的に処置するのに十分な量で当該動物に投与することを含む
、動物の加齢黄斑変性を予防的にまたは治療的に処置する方法。
【化3】 (式中、WおよびXは水素、アルコキシ、ヒドロキシル、ハロ、エステル、エーテ
ル、カルボン酸基、カルボン酸基の医薬的に許容し得る塩および-SR(式中、Rは
水素またはアルキル基である)からなる群から選択され、Vは水素、ハロ、エス
テル、エーテル、カルボン酸基、カルボン酸基の医薬的に許容し得る塩および-S
R(式中、Rは水素またはアルキル基である)からなる群から選択され、Yは酸素
、硫黄、C(OH)およびC=Oからなる群から選択され、Zは水素およびC(O)OR1(式中
、R1はアルキルである)からなる群から選択される)の化合物、またはそのプロ
テインチロシンキナーゼ阻害プロドラッグもしくはその医薬的に許容し得る塩で
あるプロテインチロシンキナーゼ経路インヒビターを、動物の加齢黄斑変性を予
防的にまたは治療的に処置するのに十分な量で当該動物に投与することを含む、
動物の加齢黄斑変性を予防的にまたは治療的に処置する方法。
【化4】 (式中、VおよびXは水素、アルコキシ、ヒドロキシル、ハロ、エステル、エーテ
ル、カルボン酸基、カルボン酸基の医薬的に許容し得る塩および-SR(式中、Rは
水素またはアルキル基である)からなる群から選択され、Wはアルコキシ、ハロ
、エステル、エーテル、カルボン酸基、カルボン酸基の医薬的に許容し得る塩お
よび-SR(式中、Rは水素またはアルキル基である)からなる群から選択され、Y
は酸素、硫黄、C(OH)およびC=Oからなる群から選択され、Zは水素およびC(O)OR1 (式中、R1はアルキルである)からなる群から選択される)のプロテインチロシ
ンキナーゼ経路インヒビター、またはそのプロテインチロシンキナーゼ阻害プロ
ドラッグもしくはその医薬的に許容し得る塩を、動物の加齢黄斑変性を予防的に
または治療的に処置するのに十分な量で当該動物に投与することを含む、動物の
加齢黄斑変性を予防的にまたは治療的に処置する方法。
【化5】 (式中、V、WおよびXは水素、アルコキシ、ヒドロキシル、ハロ、エステル、エー
テル、カルボン酸基、カルボン酸基の医薬的に許容し得る塩および-SR(式中、R
は水素またはアルキル基である)からなる群から選択され、Yは硫黄、C(OH)およ
びC=Oからなる群から選択され、Zは水素およびC(O)OR1(式中、R1はアルキルで
ある)からなる群から選択される)の化合物、またはそのプロテインチロシンキ
ナーゼ阻害プロドラッグもしくはその医薬的に許容し得る塩であるプロテインチ
ロシンキナーゼ経路インヒビターを、動物の加齢黄斑変性を予防的にまたは治療
的に処置するのに十分な量で当該動物に投与することを含む、動物の加齢黄斑変
性を予防的にまたは治療的に処置する方法。
【化6】 (式中、V、WおよびXは水素、アルコキシ、ヒドロキシル、ハロ、エステル、エー
テル、カルボン酸基、カルボン酸基の医薬的に許容し得る塩および-SR(式中、R
は水素またはアルキル基である)からなる群から選択され、Yは酸素、硫黄、C(O
H)およびC=Oからなる群から選択され、ZはC(O)OR1(式中、R1はアルキルである
)である)の化合物、またはそのプロテインチロシンキナーゼ阻害プロドラッグ
もしくはその医薬的に許容し得る塩であるプロテインチロシンキナーゼ経路イン
ヒビターを、動物の加齢黄斑変性を予防的にまたは治療的に処置するのに十分な
量で当該動物に投与することを含む、動物の加齢黄斑変性を予防的にまたは治療
的に処置する方法。
【化7】 (式中、V、WおよびXは水素、アルコキシ、ヒドロキシル、ハロ、エステル、エ
ーテル、カルボン酸基、カルボン酸基の医薬的に許容し得る塩および-SR(式中
、Rは水素またはアルキル基である)からなる群から選択され、Yは酸素、硫黄、
C(OH)およびC=Oからなる群から選択され、Zは水素およびC(O)OR1(式中、R1はア
ルキルである)からなる群から選択される)の化合物、またはそのプロテインチ
ロシンキナーゼ阻害プロドラッグもしくはその医薬的に許容し得る塩である、請
求項32または33に記載の方法。
【化8】 (式中、V、WおよびXは水素、アルコキシ、ヒドロキシル、ハロ、エステル、エ
ーテル、カルボン酸基、カルボン酸基の医薬的に許容し得る塩および-SR(式中
、Rは水素またはアルキル基である)からなる群から選択され、Yは酸素、硫黄、
C(OH)およびC=Oからなる群から選択され、Zは水素およびC(O)OR1(式中、R1はア
ルキルである)からなる群から選択される)の化合物、またはそのプロテインチ
ロシンキナーゼ阻害プロドラッグもしくはその医薬的に許容し得る塩である、請
求項55〜57のいずれかに記載の方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT,AU, AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EE ,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR, HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,K P,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU ,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX, NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,S G,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ ,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW

Claims (78)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロテインチロシンキナーゼ経路インヒビターを、局所に、
    結膜下に、眼球後方に、網膜下に、脈絡膜上に、眼内にまたは眼周囲に、動物の
    加齢黄斑変性を予防的にまたは治療的に処置するのに十分な量で当該動物に投与
    することを含む、動物の加齢黄斑変性を予防的にまたは治療的に処置する方法。
  2. 【請求項2】 上記プロテインチロシンキナーゼ経路インヒビターが、式: 【化1】 (式中、V、WおよびXは水素、アルコキシ、ヒドロキシル、ハロ、エステル、エ
    ーテル、カルボン酸基、カルボン酸基の医薬的に許容し得る塩および-SR(式中
    、Rは水素またはアルキル基である)からなる群から選択され、Yは酸素、硫黄、
    C(OH)およびC=Oからなる群から選択され、Zは水素およびC(O)OR1(式中、R1はア
    ルキルである)からなる群から選択される)の化合物、またはそのプロテインチ
    ロシンキナーゼ阻害プロドラッグもしくはその医薬的に許容し得る塩である、請
    求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 式: 【化2】 (式中、VおよびWは水素、アルコキシ、ヒドロキシル、ハロ、エステル、エーテ
    ル、カルボン酸基、カルボン酸基の医薬的に許容し得る塩および-SR(式中、Rは
    水素またはアルキル基である)からなる群から選択され、Xは水素、アルコキシ
    、ハロ、エステル、カルボン酸基、カルボン酸基の医薬的に許容し得る塩および
    -SR(式中、Rは水素またはアルキル基である)からなる群から選択され、Yは酸
    素、硫黄、C(OH)およびC=Oからなる群から選択され、Zは水素およびC(O)OR1(式
    中、R1はアルキルである)からなる群から選択される)の化合物、またはそのプ
    ロテインチロシンキナーゼ阻害プロドラッグもしくはその医薬的に許容し得る塩
    であるプロテインチロシンキナーゼ経路インヒビターを、動物の加齢黄斑変性を
    予防的にまたは治療的に処置するのに十分な量で当該動物に投与することを含む
    、動物の加齢黄斑変性を予防的にまたは治療的に処置する方法。
  4. 【請求項4】 式: 【化3】 (式中、WおよびXは水素、アルコキシ、ヒドロキシル、ハロ、エステル、エーテ
    ル、カルボン酸基、カルボン酸基の医薬的に許容し得る塩および-SR(式中、Rは
    水素またはアルキル基である)からなる群から選択され、Vは水素、ハロ、エス
    テル、エーテル、カルボン酸基、カルボン酸基の医薬的に許容し得る塩および-S
    R(式中、Rは水素またはアルキル基である)からなる群から選択され、Yは酸素
    、硫黄、C(OH)およびC=Oからなる群から選択され、Zは水素およびC(O)OR1(式中
    、R1はアルキルである)からなる群から選択される)の化合物、またはそのプロ
    テインチロシンキナーゼ阻害プロドラッグもしくはその医薬的に許容し得る塩で
    あるプロテインチロシンキナーゼ経路インヒビターを、動物の加齢黄斑変性を予
    防的にまたは治療的に処置するのに十分な量で当該動物に投与することを含む、
    動物の加齢黄斑変性を予防的にまたは治療的に処置する方法。
  5. 【請求項5】 式: 【化4】 (式中、VおよびXは水素、アルコキシ、ヒドロキシル、ハロ、エステル、エーテ
    ル、カルボン酸基、カルボン酸基の医薬的に許容し得る塩および-SR(式中、Rは
    水素またはアルキル基である)からなる群から選択され、Wはアルコキシ、ハロ
    、エステル、エーテル、カルボン酸基、カルボン酸基の医薬的に許容し得る塩お
    よび-SR(式中、Rは水素またはアルキル基である)からなる群から選択され、Y
    は酸素、硫黄、C(OH)およびC=Oからなる群から選択され、Zは水素およびC(O)OR1 (式中、R1はアルキルである)からなる群から選択される)のプロテインチロシ
    ンキナーゼ経路インヒビター、またはそのプロテインチロシンキナーゼ阻害プロ
    ドラッグもしくはその医薬的に許容し得る塩を、動物の加齢黄斑変性を予防的に
    または治療的に処置するのに十分な量で当該動物に投与することを含む、動物の
    加齢黄斑変性を予防的にまたは治療的に処置する方法。
  6. 【請求項6】 式: 【化5】 (式中、V、WおよびXは水素、アルコキシ、ヒドロキシル、ハロ、エステル、エー
    テル、カルボン酸基、カルボン酸基の医薬的に許容し得る塩および-SR(式中、R
    は水素またはアルキル基である)からなる群から選択され、Yは硫黄、C(OH)およ
    びC=Oからなる群から選択され、Zは水素およびC(O)OR1(式中、R1はアルキルで
    ある)からなる群から選択される)の化合物、またはそのプロテインチロシンキ
    ナーゼ阻害プロドラッグもしくはその医薬的に許容し得る塩であるプロテインチ
    ロシンキナーゼ経路インヒビターを、動物の加齢黄斑変性を予防的にまたは治療
    的に処置するのに十分な量で当該動物に投与することを含む、動物の加齢黄斑変
    性を予防的にまたは治療的に処置する方法。
  7. 【請求項7】 式: 【化6】 (式中、V、WおよびXは水素、アルコキシ、ヒドロキシル、ハロ、エステル、エー
    テル、カルボン酸基、カルボン酸基の医薬的に許容し得る塩および-SR(式中、R
    は水素またはアルキル基である)からなる群から選択され、Yは酸素、硫黄、C(O
    H)およびC=Oからなる群から選択され、ZはC(O)OR1(式中、R1はアルキルである
    )である)の化合物、またはそのプロテインチロシンキナーゼ阻害プロドラッグ
    もしくはその医薬的に許容し得る塩であるプロテインチロシンキナーゼ経路イン
    ヒビターを、動物の加齢黄斑変性を予防的にまたは治療的に処置するのに十分な
    量で当該動物に投与することを含む、動物の加齢黄斑変性を予防的にまたは治療
    的に処置する方法。
  8. 【請求項8】 上記ハロ基がフッ素、塩素および臭素からなる群から選択さ
    れる、請求項2〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 【請求項9】 上記エステルがC1-C6エステルである、請求項2〜7のいず
    れかに記載の方法。
  10. 【請求項10】 上記エーテルがC1-C6エーテルである、請求項2〜7のい
    ずれかに記載の方法。
  11. 【請求項11】 上記カルボン酸基の医薬的に許容し得る塩がナトリウム塩
    またはカリウム塩である、請求項2〜7のいずれかに記載の方法。
  12. 【請求項12】 上記アルキル基がC1-C6アルキル基であり、上記アルコキ
    シ基がC1-C6アルコキシ基である、請求項2〜7のいずれかに記載の方法。
  13. 【請求項13】 上記プロテインチロシンキナーゼ経路インヒビターがゲニ
    ステインである、請求項2に記載の方法。
  14. 【請求項14】 上記加齢黄斑変性が加齢、遠視、全身性疾患、喫煙、光曝
    露または栄養失調に起因する、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  15. 【請求項15】 上記全身性疾患が心臓血管性疾患または高血圧である、請
    求項14に記載の方法。
  16. 【請求項16】 上記加齢黄斑変性が滲出性合併症を伴っている、請求項1
    〜7のいずれかに記載の方法。
  17. 【請求項17】 上記滲出性合併症が脈絡膜の血管新生である、請求項16
    に記載の方法。
  18. 【請求項18】 上記滲出性合併症が網膜色素上皮剥離、網膜色素上皮断裂
    、円板状瘢痕、硝子体出血または網膜下出血である、請求項16に記載の方法。
  19. 【請求項19】 上記加齢黄斑変性が萎縮性合併症を伴っている、請求項1
    〜7のいずれかに記載の方法。
  20. 【請求項20】 上記萎縮性合併症がドルーゼン、基底板沈着物、ブルッフ
    膜の肥厚または網膜色素上皮萎縮症である、請求項19に記載の方法。
  21. 【請求項21】 上記プロテインチロシンキナーゼ経路インヒビターを全身
    的に投与する、請求項3〜7のいずれかに記載の方法。
  22. 【請求項22】 約1mg/kg/日から約100mg/kg/日までの量
    の上記プロテインチロシンキナーゼ経路インヒビターを投与する、請求項21に
    記載の方法。
  23. 【請求項23】 約15mg/kg/日から約50mg/kg/日までの量
    の上記プロテインチロシンキナーゼ経路インヒビターを投与する、請求項22に
    記載の方法。
  24. 【請求項24】 上記プロテインチロシンキナーゼ経路インヒビターを経口
    でまたは注入により投与する、請求項21〜23のいずれかに記載の方法。
  25. 【請求項25】 網膜色素上皮過色素沈着症および/またはドルーゼンが出
    現したときに上記プロテインチロシンキナーゼ経路インヒビターを投与する、請
    求項21〜23のいずれかに記載の方法。
  26. 【請求項26】 上記プロテインチロシンキナーゼ経路インヒビターを局所
    に、結膜下に、眼球後方に、眼周囲に、網膜下に、脈絡膜上にまたは眼内に投与
    する、請求項3〜7のいずれかに記載の方法。
  27. 【請求項27】 全量で約0.1mgから全量で約5mgまでの量の上記プ
    ロテインチロシンキナーゼ経路インヒビターを眼内に投与する、請求項1または
    26に記載の方法。
  28. 【請求項28】 全量で約0.5mgから全量で約1mgまでの量の上記プ
    ロテインチロシンキナーゼ経路インヒビターを眼内に投与する、請求項27に記
    載の方法。
  29. 【請求項29】 ゲニステインを、局所に、結膜下に、眼球後方に、眼周囲
    に、網膜下に、脈絡膜上にまたは眼内に投与する、請求項13に記載の方法。
  30. 【請求項30】 全量で約0.1mgから全量で約5mgまでの量のゲニス
    テインを眼内に投与する、請求項29に記載の方法。
  31. 【請求項31】 全量で約0.5mgから全量で約1mgまでの量のゲニス
    テインを眼内に投与する、請求項30に記載の方法。
  32. 【請求項32】 プロテインチロシンキナーゼ経路インヒビターを、動物の
    滲出性合併症を予防的にまたは治療的に処置するのに十分な量で当該動物に投与
    することを含む、動物の加齢黄斑変性の滲出性合併症を予防的にまたは治療的に
    処置する方法。
  33. 【請求項33】 上記滲出性合併症が網膜色素上皮剥離、網膜色素上皮断裂
    、円板状瘢痕、硝子体出血または網膜下出血である、請求項32に記載の方法。
  34. 【請求項34】 上記プロテインチロシンキナーゼ経路インヒビターが、式
    : 【化7】 (式中、V、WおよびXは水素、アルコキシ、ヒドロキシル、ハロ、エステル、エ
    ーテル、カルボン酸基、カルボン酸基の医薬的に許容し得る塩および-SR(式中
    、Rは水素またはアルキル基である)からなる群から選択され、Yは酸素、硫黄、
    C(OH)およびC=Oからなる群から選択され、Zは水素およびC(O)OR1(式中、R1はア
    ルキルである)からなる群から選択される)の化合物、またはそのプロテインチ
    ロシンキナーゼ阻害プロドラッグもしくはその医薬的に許容し得る塩である、請
    求項32または33に記載の方法。
  35. 【請求項35】 上記ハロ基がフッ素、塩素および臭素からなる群から選択
    される、請求項34に記載の方法。
  36. 【請求項36】 上記エステルがC1-C6エステルである、請求項34に記載
    の方法。
  37. 【請求項37】 上記エーテルがC1-C6エーテルである、請求項34に記載
    の方法。
  38. 【請求項38】 上記カルボン酸基の医薬的に許容し得る塩がナトリウム塩
    またはカリウム塩である、請求項34に記載の方法。
  39. 【請求項39】 上記アルキル基がC1-C6アルキル基であり、上記アルコキ
    シ基がC1-C6アルコキシ基である、請求項34に記載の方法。
  40. 【請求項40】 上記プロテインチロシンキナーゼ経路インヒビターがゲニ
    ステインである、請求項34に記載の方法。
  41. 【請求項41】 上記プロテインチロシンキナーゼ経路インヒビターを全身
    的に投与する、請求項32〜39のいずれかに記載の方法。
  42. 【請求項42】 約1mg/kg/日から約100mg/kg/日までの量
    の上記プロテインチロシンキナーゼ経路インヒビターを投与する、請求項41に
    記載の方法。
  43. 【請求項43】 約15mg/kg/日から約50mg/kg/日までの量
    の上記プロテインチロシンキナーゼ経路インヒビターを投与する、請求項42に
    記載の方法。
  44. 【請求項44】 上記プロテインチロシンキナーゼ経路インヒビターを経口
    でまたは注入により投与する、請求項41〜43のいずれかに記載の方法。
  45. 【請求項45】 上記プロテインチロシンキナーゼ経路インヒビターを局所
    に、結膜下に、眼球後方に、眼周囲に、網膜下に、脈絡膜上にまたは眼内に投与
    する、請求項32〜39のいずれかに記載の方法。
  46. 【請求項46】 全量で約0.1mgから全量で約5mgまでの量の上記プ
    ロテインチロシンキナーゼ経路インヒビターを眼内に投与する、請求項45に記
    載の方法。
  47. 【請求項47】 全量で約0.5mgから全量で約1mgまでの量の上記プ
    ロテインチロシンキナーゼ経路インヒビターを眼内に投与する、請求項46に記
    載の方法。
  48. 【請求項48】 ゲニステインを全身的に投与する、請求項40に記載の方
    法。
  49. 【請求項49】 約1mg/kg/日から約100mg/kg/日までの量
    のゲニステインを投与する、請求項48に記載の方法。
  50. 【請求項50】 約15mg/kg/日から約50mg/kg/日までの量
    のゲニステインを投与する、請求項49に記載の方法。
  51. 【請求項51】 ゲニステインを経口でまたは注入により投与する、請求項
    48〜50のいずれかに記載の方法。
  52. 【請求項52】 ゲニステインを、局所に、結膜下に、眼球後方に、眼周囲
    に、網膜下に、脈絡膜上にまたは眼内に投与する、請求項40に記載の方法。
  53. 【請求項53】 全量で約0.1mgから全量で約5mgまでの量のゲニス
    テインを眼内に投与する、請求項52に記載の方法。
  54. 【請求項54】 全量で約0.5mgから全量で約1mgまでの量のゲニス
    テインを眼内に投与する、請求項53に記載の方法。
  55. 【請求項55】 プロテインチロシンキナーゼ経路インヒビターを、動物の
    網膜の変性を予防的にまたは治療的に処置するのに十分な量で当該動物に投与す
    ることを含む、動物の網膜の変性を予防的にまたは治療的に処置する方法。
  56. 【請求項56】 プロテインチロシンキナーゼ経路インヒビターを、動物の
    脈絡膜の変性を予防的にまたは治療的に処置するのに十分な量で当該動物に投与
    することを含む、動物の脈絡膜の変性を予防的にまたは治療的に処置する方法。
  57. 【請求項57】 プロテインチロシンキナーゼ経路インヒビターを、動物の
    ブルッフ膜の肥厚を予防的にまたは治療的に処置するのに十分な量で当該動物に
    投与することを含む、動物のブルッフ膜の肥厚を予防的にまたは治療的に処置す
    る方法。
  58. 【請求項58】 上記プロテインチロシンキナーゼ経路インヒビターが、式
    : 【化8】 (式中、V、WおよびXは水素、アルコキシ、ヒドロキシル、ハロ、エステル、エ
    ーテル、カルボン酸基、カルボン酸基の医薬的に許容し得る塩および-SR(式中
    、Rは水素またはアルキル基である)からなる群から選択され、Yは酸素、硫黄、
    C(OH)およびC=Oからなる群から選択され、Zは水素およびC(O)OR1(式中、R1はア
    ルキルである)からなる群から選択される)の化合物、またはそのプロテインチ
    ロシンキナーゼ阻害プロドラッグもしくはその医薬的に許容し得る塩である、請
    求項55〜57のいずれかに記載の方法。
  59. 【請求項59】 上記ハロ基がフッ素、塩素および臭素からなる群から選択
    される、請求項58に記載の方法。
  60. 【請求項60】 上記エステルがC1-C6エステルである、請求項58に記載
    の方法。
  61. 【請求項61】 上記エーテルがC1-C6エーテルである、請求項58に記載
    の方法。
  62. 【請求項62】 上記カルボン酸基の医薬的に許容し得る塩がナトリウム塩
    またはカリウム塩である、請求項58に記載の方法。
  63. 【請求項63】 上記アルキル基がC1-C6アルキル基であり、アルコキシ基
    がC1-C6アルコキシ基である、請求項58に記載の方法。
  64. 【請求項64】 上記プロテインチロシンキナーゼ経路インヒビターがゲニ
    ステインである、請求項58に記載の方法。
  65. 【請求項65】 上記プロテインチロシンキナーゼ経路インヒビターを全身
    的に投与する、請求項55〜63のいずれかに記載の方法。
  66. 【請求項66】 約1mg/kg/日から約100mg/kg/日までの量
    の上記プロテインチロシンキナーゼ経路インヒビターを投与する、請求項65に
    記載の方法。
  67. 【請求項67】 約15mg/kg/日から約50mg/kg/日までの量
    の上記プロテインチロシンキナーゼ経路インヒビターを投与する、請求項66に
    記載の方法。
  68. 【請求項68】 上記プロテインチロシンキナーゼ経路インヒビターを経口
    でまたは注入により投与する、請求項65に記載の方法。
  69. 【請求項69】 ゲニステインを全身的に投与する、請求項64に記載の方
    法。
  70. 【請求項70】 約1mg/kg/日から約100mg/kg/日までの量
    のゲニステインを投与する、請求項69に記載の方法。
  71. 【請求項71】 約15mg/kg/日から約50mg/kg/日までの量
    のゲニステインを投与する、請求項70に記載の方法。
  72. 【請求項72】 上記プロテインチロシンキナーゼ経路インヒビターを経口
    でまたは注入により投与する、請求項69に記載の方法。
  73. 【請求項73】 上記プロテインチロシンキナーゼ経路インヒビターを、局
    所に、結膜下に、眼球後方に、眼周囲に、網膜下に、脈絡膜上にまたは眼内に投
    与する、請求項55〜63のいずれかに記載の方法。
  74. 【請求項74】 全量で約0.1mgから全量で約5mgまでの量の上記プ
    ロテインチロシンキナーゼ経路インヒビターを眼内に投与する、請求項73に記
    載の方法。
  75. 【請求項75】 全量で約0.5mgから全量で約1mgまでの量の上記プ
    ロテインチロシンキナーゼ経路インヒビターを眼内に投与する、請求項74に記
    載の方法。
  76. 【請求項76】 ゲニステインを、局所に、結膜下に、眼球後方に、眼周囲
    に、網膜下に、脈絡膜上にまたは眼内に投与する、請求項64に記載の方法。
  77. 【請求項77】 全量で約0.1mgから全量で約5mgまでの量のゲニス
    テインを眼内に投与する、請求項76に記載の方法。
  78. 【請求項78】 全量で約0.5mgから全量で約1mgまでの量のゲニス
    テインを眼内に投与する、請求項77に記載の方法。
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