JP2002541328A - 冷却式溶鉱炉のための冷却板 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 冷却材によって作用可能な冷却管路を有する、耐火性の内張りを備えている溶鉱炉、特に高炉のための冷却板であって、その際、少なくとも炉内側に向けられた正面側が、耐火性の材料を収容するための溝部を備え付けられた、有利には銅または低溶融銅合金から製造された圧延ブロックから成っている。この冷却板は、僅かな材料費用および製造費用でもって製造され且つ簡単に組付けられ得るように形成するべきであり、およびこの冷却板によって、比較的に高い冷却性能が比較的に僅かな冷却材流過量のもとで提供され得、その際に自己加熱は、基本的に、比較的に長い耐用期間が達成され得るように制限されているように形成するべきである。上記の目的のために、２つの凹状の圧延成形体が、これら圧延成形体の凹部によって、それぞれ外側へ指向するように互いに溶接されていること、および、背面側の補足成形体に、管接続部片の端部を収容するための穿孔が形成されており、且つこれら管接続部片が溶接して固定されていること、および、これら圧延成形体の自由端部が、キャップによって閉鎖されていることが提案されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 本発明は、冷却材によって作用可能な冷却管路（２）を有する、耐火性の内張
りを備えている溶鉱炉、特に高炉のための冷却板（所謂ステーブ）に関し、その
際、少なくとも炉内側に向けられた正面側が、耐火性の材料を収容するための溝
部を備え付けられた、有利には銅または低溶融銅合金から製造された圧延ブロッ
クから成る。

【０００２】 放出されるべき熱に僅かな抵抗を与えるために、水冷装置を有するこの様式の
冷却板を備えること、および冷却板を銅または低溶融銅合金から形成することは
公知である。

【０００３】 公知のドイツ連邦共和国特許第２９ ０７ ５１１号明細書において、冷却管
路は、鍛造または圧延された粗ブロック内において、機械的な深孔穿孔によって
加工されている、垂直方向に延在する袋孔として設けられている。この様式の冷
却板は、比較的に大きな厚さを備えねばならず、従って、この冷却管路は、冷却
材の動作圧力を収容可能とするために、更に十分な壁厚を備えている。このため
に必要な厚さの銅板は、高い銅価格のために費用がかさむ。これら袋孔は、円形
の断面の場合に、ただできるだけ僅かな内側の表面だけを有する。これによって
、この冷却材による熱交換のために、ただ僅かな面が供せられるだけであり、た
だ中程度の熱伝導が達せられるだけである。このことは、冷却板の高い熱の応力
を引き起こし、且つこの冷却板の耐用期間に不利な影響を及ぼす。

【０００４】 従って、本発明の根底をなす課題は、冒頭に記載した様式の冷却板を、この冷
却板が、従来の公知の冷却板よりも、より僅かな材料費用および製造費用でもっ
て製造され且つより簡単に組付けられ得るように形成すること、およびこの冷却
板によって、比較的に高い冷却性能が比較的に僅かな冷却材流過量のもとで提供
され得、その際に自己加熱は、基本的に、比較的に長い耐用期間が達成され得る
ように制限されているように形成することである。

【０００５】 この課題を解決するために、冷却板の正面部材を、中間領域において凹状にア
ーチ形にされた比較的に僅かな厚さの圧延部材として形成すること、従って著し
い銅の節約が可能となり、且つこのアーチを、第２の同様に外側へアーチ形にさ
れた圧延部材によって、円形と異なる断面および従って比較的に高い冷却性能を
有する冷却管路として補足することが行われる。従って、僅かな銅の消費量の利
点に加えて、強度の冷却の利点が加わり、この冷却の利点は、耐用期間を希望ど
おりに延長する。

【０００６】 有利な且つ合目的な本発明の対象の他の構成は、下位の請求項において、特徴
付けられている。

【０００７】 次にこれら図示された図と関連した実施例の記載に基づいて、本発明を説明す
る。

【０００８】 図１において、冷却板の長さの中央での断面図が図示されており、この冷却板
は、炉内側に向けられたシールド１を示しており、このシールドが銅または銅合
金から成り、凹状に圧延されている。このシールドの場合、自由な表面に横方向
に指向する溝部４が同時に圧延されており、これら溝部が、組付けの終了の際に
、耐火性の突き固め内張り材（Stampfmassen）または吹付け内張り材（Spritzma
ssen）の塗布を容易にし、且つ後に装入物成分（Moellerbestandteilen）の付着
を促進する。性能の良い冷却管路２を形成するために、補足成形体３が継ぎ目溶
接１３を介してシールド１と結合している。同様に、この補足成形体は、凹状に
圧延されており、しかもこの補足成形体は、この補足成形体の基本的な部分にわ
たって、更にこの補足成形体の中央から垂直方向に延在している縁部５を備えて
おり、この縁部が一方では冷却板全体の安定性を高め、且つこの縁部が他方では
この冷却板の組付けを容易にする。

【０００９】 組付けのために、溶鉱炉の内壁９に保持体８が固定され、実施例において溶接
で接合され、穿孔６を備えている。その場合に組付けのために、縁部５をこの保
持体８内へと挿入すること、および側面から、保持体８内の穿孔６と一直線の穿
孔６′を縁部５内へと形成することは十分である。実際の結合は、穿孔６、６′
内への、ピン７の挿入および固定によって形成される。引続いて、この冷却板は
、充填材１０によって鋳込まれ、且つその場合に−図１において図示されていな
い−、この冷却板のシールド１の表面が、耐火性の突き固め材料またはスプレー
材料によって覆われる。

【００１０】 同様に図２は、冷却板の断面を、しかもこの冷却板の端部領域において、示し
ている。ここで再び、シールド１並びに補足成形体３が示されており、これらシ
ールド並びに補足成形体は、継ぎ目溶接１３によって互いに強固に且つ密に結合
されている。補足成形体３に設けられた穿孔内に、管接続部片１２の端部が挿入
されており、且つ補足成形体と強固におよび密に継ぎ目溶接１４によって結合さ
れている。特にキャップ１１および管接続部片１２を有する両方の端部を示す相
応する縦断面図は、図３において図示されている。

【００１１】 冷却板は、実際上は、単独に使用されることはなく、この冷却板が、比較的に
大きな冷却面へと組み立て可能であるモジュールとして考えられている。この場
合、この冷却部材の組付けは、冷却管路のわきで位置する冷却板の、この場合た
だ冷却面の部材だけが図示されている前部が、隣接する冷却板の相応する部分と
部分的に重なるという方法で行われる。このようにして、冷却板の幅方向の調整
を円錐形状に応じて適合される必要無しに、高炉装甲板の円錐形の部分、例えば
炉腹、シャフト、またはそのような物においても、異なる直径の補償、即ち装甲
板の周囲が実現される。

【００１２】 有利には、冷却板またはモジュール体の冷却部材とするための補足成形体３との
シールド１の溶接は、連続的に、相応する溶接自動装置で行い、従って均等な、
欠陥のない、および液密な継ぎ目溶接の構成が保証されている。熱伝導の理由か
ら、シールド１が銅または銅の多い合金から製造されているのに対して、補足成
形体３に関しては、場合によっては比較的に高い強度の利点を有する、比較的に
安価な材料が使用可能である。基本的に重要なことはただ、シールド１および補
足成形体３が、良好におよび容易に溶接され得ることだけである。

【図面の簡単な説明】

【図１】 冷却板の中央の断面図である。

【図２】 冷却板の、管接続部片の領域におけて断面図である。

【図３】 溶鉱炉壁に組付けられた冷却板の、２ケ所で切断された縦断面図である。

【図４】 冷却板の背面図である。

【符号の説明】

１ シールド ２ 冷却管路 ３ 補足成形体 ４ 溝部 ５ 縁部 ６ 穿孔 ７ ピン ８ 保持体 ９ 内壁 １０ 充填材 １１ キャップ １２ 管接続部片 １３ 継ぎ目溶接 １４ 継ぎ目溶接

【手続補正書】特許協力条約第３４条補正の翻訳文提出書

【提出日】平成１３年４月１１日（２００１．４．１１）

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】請求項１

【補正方法】変更

【補正の内容】

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ， ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，Ｋ Ｅ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＴＺ，ＵＧ，ＺＷ )，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ， ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＵ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ， ＣＡ，ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ，ＥＥ，ＧＤ，ＧＥ，ＨＲ，Ｈ Ｕ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＰ，ＫＲ，ＬＣ ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＴ，ＬＶ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＸ， ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＲＯ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，Ｔ Ｒ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＡ

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 冷却材によって作用可能な冷却管路を有する、耐火性の内張
   りを備えている溶鉱炉、特に高炉のための冷却板であって、 その際、少なくとも炉内側に向けられた正面側が、耐火性の材料を収容するため
   の溝部を備え付けられた、有利には銅または低溶融銅合金から製造された圧延ブ
   ロックから成る様式の上記冷却板において、 ２つの凹状の圧延成形体（１、３）が、これら圧延成形体の凹部によって、それ
   ぞれ外側へ指向するように互いに溶接されていること、および、 背面側の補足成形体（３）に、管接続部片（１２）の端部を収容するための穿孔
   が形成されており、且つこれら管接続部片が溶接して固定されていること、およ
   び、 これら圧延成形体（１、３）の自由端部が、キャップ（１１）によって閉鎖され
   ていることを特徴とする冷却板。
2. 【請求項２】 背面側の補足成形体（３）は、シールド（１）から離間する
   縁部（５）を備えられていることを特徴とする請求項１に記載の冷却板。
3. 【請求項３】 溶鉱炉の内壁（９）は、縁部（５）を囲繞する保持体（８）
   と結合されていること、およびこの保持体（８）およびこの縁部（５）が、互い
   に一直線の穿孔（６、６′）を有し、これら穿孔が、ピン（７）によって貫通さ
   れていることを特徴とする請求項２に記載の冷却板。
4. 【請求項４】 シールド（１）の正面は、水平方向の溝部（４）を有してい
   ることを特徴とする請求項１から３のいずれか一つに記載の冷却板。
5. 【請求項５】 凹部の領域において、シールド（１）の正面は、有利には圧
   延された立体構造を備えられていることを特徴とする請求項１から４のいずれか
   一つに記載の冷却板。