JP2002538659A - 通信受信器 - Google Patents

通信受信器

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JP2002538659A
JP2002538659A JP2000601761A JP2000601761A JP2002538659A JP 2002538659 A JP2002538659 A JP 2002538659A JP 2000601761 A JP2000601761 A JP 2000601761A JP 2000601761 A JP2000601761 A JP 2000601761A JP 2002538659 A JP2002538659 A JP 2002538659A
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マルクス スパンゲンベルク,サッシャ
ジョージ メルビル クルークシャンク,デイビッド
マクラフリン,スティーブン
エム. グラント,ピーター
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ザ ユニバーシティ コート オブ ザ ユニバーシティ オブ エジンバラ
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Abstract

(57)【要約】 直接シーケンス符号分割多重アクセス(DS−CDMA)受信器は、2において拡散符号を乗算されたデータをフィルタリングするための、適応アルゴリズム10によって制御される適応フィルタ8を含み、この適応フィルタは1符号内のチップ数に等しい長さを有し、マルチユーザ検出器14が適応フィルタの出力上で動作する。高速アポステリオリ誤差順次法(FAEST)アルゴリズムまたは安定化されたFAEST(SFAEST)アルゴリズムがアルゴリズム10として使用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の背景 本発明は、高速適応アルゴリズムの使用を可能にする新規な直接シーケンス符
号分割多重アクセス(DS−CDMA)アーキテクチャを採用した通信受信器に
関する。
【0002】 LMSおよびRLSアルゴリズム1,2,3という2つの適応アルゴリズムが一般
的に使用され、これらについては付録Iで説明する。
【0003】 最小平均2乗(LMS)アルゴリズム(および、これと密接に関係した正規化
平均2乗(NLMS)アルゴリズム)は、唯一のパラメータすなわちステップ幅
μを有する確率的勾配アルゴリズムである。LMSアルゴリズムは計算上単純で
あるが、その収束速度は遅く、かつ、入力信号の特性に、さらに明確に述べると
、自己相関行列の固有値比率(eigenvalue ratio)に著しく依
存している。例えば移動通信システムにおけるチャネルのように、入力信号の多
くの要素が未知である時には、μを選択することが困難である。このアルゴリズ
ムは数値的には安定しているが、μの不適切な選択が不安定性の原因となる可能
性がある。高雑音条件下では、自己相関行列の固有値比率は低く、このことが収
束を促進する。
【0004】 逐次最小2乗(RLS)アルゴリズムは計算上ではLMSアルゴリズよりも著
しく複雑であるが、これよりも著しく高速の収束性を有する。RLSアルゴリズ
ムは、2つのパラメータ、すなわち、忘却要素λと初期対角行列項δとを有する
。忘却要素は、入力信号の自己相関の変化速度に適合するように設定される。対
角行列項は、いったん収束したアルゴリズムに対してはほとんど影響を与えない
が、初期収束中にアルゴリズム内の内部変数のサイズに影響を与える。RLSア
ルゴリズムは、一般的に、フィルタ長の1乃至2倍の数の反復のうちに収束させ
られると考えられており、これは、一般的に、LMSアルゴリズムよりも著しく
高速である。RLSアルゴリズムは、入力信号の自己相関行列が特異な行列に近
い時には、数値的に不安定になる可能性がある。
【0005】 これらよりはずっと一般的ではない適応フィルタアルゴリズムが幾つかあり、
これらのアルゴリズムの使用が望ましいことがすでに発見されている。付録Iに
同様に説明してある高速アポステリオリ誤差順次法(fast a−poste
riori error sequential technique)(FA
EST)5,6アルゴリズムとその安定化されたバージョンであるSFAEST7
が、RLSアルゴリズムに近い収束速度を有し、かつ、LMSアルゴリズムに近
い複雑性を有する。しかし、これらはさらに別の制限をもたらす。すなわち、入
力信号がシフト不変性を持たなければならない。このシフト不変性とは、簡単に
言えば、入力信号が、1つの新たなサンプルを除き、1サンプル分だけシフトさ
れた前回の入力信号と同じでなければならないということを意味する。この性質
は、DS−CDMAシステム8のための最小平均2乗誤差(MMSE)に対する
従来のアーキテクチャによっては満足されない。FAESTアルゴリズムの数値
安定性はLMSおよびRLSほど十分には理解されていないが、実際には、SF
AESTアルゴリズムは、本明細書で提案する目的にとっては十分に長い期間に
わたって安定状態のままであるように思われる。高速ニュートンアルゴリズム(
付録Iを参照されたい)は、入力信号を、上述のフィルタの次数よりも低い次数
を有する自己回帰フィルタとしてモデル化し得る場合に、上述の全ての適応フィ
ルタアルゴリズムの計算を簡単化することが可能なアルゴリズムである。
【0006】 適応フィルタ受信器を有するDS−CDMAのアップリンクおよびダウンリン
クのための従来のアーキテクチャを、図1に示す。このアーキテクチャでは、長
さN+P−1(ここで、Nはデータ1ビット当たりのチップ数であり、Pは符号
中のチップの総数である)のチップについて、特定のユーザからのデータとフィ
ルタ1の出力からのデータのサンプリングされた推定値との間の差異であるとこ
ろのアルゴリズムが見い出した適応誤差を使用して、適応FIRフィルタ1のト
レーニングがビットレートで行われ、すなわち、このフィルタは実効的なトレー
ニングパスETPを有する。フィルタ1の内容は毎回完全に変化する。このこと
は、収束が遅く、シフト不変性が満たされないので、FAESTアルゴリズムま
たはSFAESTアルゴリズムを使用することができないということを意味する
。LMSアルゴリズムでは、収束が遅すぎ、ユーザがスイッチをオンオフする時
に再収束に要する時間が著しく遅すぎる。このアーキテクチャはRMSアルゴリ
ズムでは適度に機能するが、収束は依然としてあまり高速ではなく、計算上の複
雑性が非常に著しい。 発明の概要 本発明の目的の1つは、収束が高速である適応フィルタを使用するDS−CD
MA受信器を提供することにある。本発明の別の目的は、これまでは不可能だっ
たより一般的でない適応アルゴリズムの使用を可能にすることにある。
【0007】 本発明は、拡散符号が乗算されてチャネルフィルタによってフィルタリングさ
れたデータをフィルタリングするための、適応アルゴリズムによって制御され、
かつ、チャネルフィルタの逆フィルタをモデル化するのに適切な長さを有する適
応フィルタと、適応フィルタの出力上で動作するマルチユーザ検出器とを含む、
直接シーケンス符号分割多重アクセス(DS−CDMA)受信器を提供する。
【0008】 このアルゴリズムは、所望のユーザだけの拡散乗算信号(spread−mu
ltiplied signal)、または、2人以上の(例えば全ての)送信
ユーザの拡散乗算信号の合計である複合信号のいずれかを使用してトレーニング
されることが好ましい。このことは、この適応フィルタが符号のチップレートで
新たな情報によってトレーニングされるということを意味する。
【0009】 本発明の特定の実施態様では、固定されたマルチユーザ検出器は最小平均2乗
誤差(MMSE)タイプであるが、この代わりに、ゼロ強制(デコリレート)、
ボルテラ、ラジアル基底関数、キャンセレーション(cancellation
)、準最適(near optimum)、または、他の復号化のタイプであっ
てもよい。
【0010】 例えば、このアルゴリズムは、最小平均2乗(LMS)または逐次最小2乗(
RLS)アルゴリズムであり得る。しかし、本発明の適応フィルタはシフト不変
性を満たすので、アルゴリズムは、高速アポステリオリ誤差順次法(FAEST
)アルゴリズム、安定化FAEST(SFAEST)アルゴリズム、および、上
述のアルゴリズムであってもよく、または、高速ニュートンアルゴリズムとの組
み合わせの形で他のアルゴリズムが使用されてもよい。 好ましい実施形態の詳細な説明 図2は、各ユーザそれぞれについて動作する拡散手段2を含むDS−CDMA
送信器および受信器アーキテクチャを示し、この拡散手段2では、個々のユーザ
に固有に割り当てられている拡散符号セットのうちの1つの符号がユーザからの
データ信号に乗算される。データはビットレートで拡散手段に供給され、符号は
チップレートで入力され、各データビット毎にN個の符号チップが生成される。
【0011】 拡散乗算されたデータが4で合計され、長さPチップの有限インパルス応答(
FIR)チャネルフィルタ6でフィルタリングされ、この出力が、付随的なガウ
ス雑音と共に、同様に長さPチップである適応FIRフィルタ8に伝送される。
【0012】 適応アルゴリズム10は適応フィルタ8を制御してトレーニングする。アルゴ
リズム10は、基本的に、(a)所望ユーザだけからの拡散乗算データまたは複
合拡散乗算信号と(b)適応フィルタ8の出力との間の差である誤差信号を見い
出す。(a)におけるトレーニングデータの選択は事前設定されていても切換可
能であってもよい。アルゴリズムのこの演算を表す適応フィルタに関する実効的
なトレーニングパスETPを図2に示す。
【0013】 適応フィルタ8は従来の等価器と同様に(しかし、全く同じというわけではな
いが)機能する。上述したように、トレーニングは、所望のユーザの信号だけに
ついて、または、複合チップレート信号について行われる。フィルタ8は、従来
のアーキテクチャにおける適応フィルタ1よりも少ないタップ数を有し、チップ
レートでトレーニングされ、このことは著しく高速の収束を意味する。適応フィ
ルタ8は、さらに、FAESTおよびSFAESTアルゴリズムに必要とされる
シフト不変性を満たし、このことがRLSの収束速度を有するLMSの複雑性レ
ベルを実現する。固定マルチユーザ検出器14がシステム内のユーザの数とその
拡散符号とに関して得られる情報に基づいて事前計算されて受信器に記憶される
。この検出器14はMMSEタイプ9(ここでは比較のために使用される)であ
ることが可能であり、または、例えば、ゼロ強制すなわちデコリレート10、ボル
テラ11、ラジアル基底関数11、キャンセレーションベース13、14、または、ビタ
ビ復号化に基づいた準最適復号化15のような異なったタイプであることが可能で
ある。 マルチユーザ検出方法の概要 従来の単一ユーザ検出器または拡散符号整合フィルタは、データビット期間全
体にわたる受信信号と拡散符号(または、マルチパスチャネルにおけるチャネル
インパルス応答と共に畳み込まれた拡散符号)との間の相関を計算する。多重ア
クセス干渉(MAI)が、この受信器との所望の伝送を復元する能力に悪影響を
与え、これは、高電力干渉ユーザが存在する場合により顕著である。
【0014】 整合フィルタはAWGNにおける最適検出器であるが、多数の使用中ユーザが
いなければMAI相互相関項がガウス形ではない。この状況では、最適な検出器
は従来の整合フィルタではなく、マルチユーザ検出器である。
【0015】 最尤送信シーケンスを得る検出器は、それが送信された確率を最大化する。想
定可能な全ての送信シーケンスが互いに同等に有望である時には、これは最尤シ
ーケンス推定器(MLSE)である。ビタビアルゴリズムを使用して実現する時
には、複雑性がユーザの数に対して指数関数的である。さらに、MLSEは受信
された振幅と位相とを推定しなければならないが、移動ユーザ送信器の電力制御
精度要件を低減させる。従来の検出よりも性能と能力とが向上するにも係わらず
、このMLSEは実際的な解決策ではない。
【0016】 ここで、ゼロ強制すなわちデコリレータは、受信された信号の自己相関行列の
逆行列を(雑音を無視しながら)実現し、その結果として、出力から多重アクセ
ス干渉が除去される。デコリレータは最初に1970年代後半に提案され、従来
の検出器に比較して著しい性能/能力の向上を実現し、受信された信号の振幅を
事前に知る必要がなく、推定誤差による影響を受けない。デコリレータは、ML
SEに比べて著しく低い計算複雑性を有する。別の望ましい特徴は、ユーザのエ
ネルギーが未知である時にMLSEに対応するということである。この検出器の
欠点は、雑音の増加を引き起こすということ、すなわち、デコリレータの電力に
おける雑音項に関連した電力が、従来の検出器の出力における雑音項よりも常に
大きいか等しいということである。デコリレータのさらに重大な欠点は、逆行列
の計算に多大の計算量を必要とするということである。
【0017】 より優れた線形受信器の構造は、誤差電力を(その出力において)最小化する
適応フィルタを構成することにある。これは、背景雑音を増大させずにMAIの
低減のためにユーザを非干渉化するという要求をバランスさせるために、背景雑
音のレベルに応じて、自己相関行列の部分的なまたは変更された逆行列を実現す
る。同様に、この受信器構造は逆行列演算を実現し、この場合に再帰的適応フィ
ルタ技術を適用することが可能である。この検出器は、雑音の増加を最小にする
ために雑音項を計算に入れるという点で、デコリレータとは異なっている。した
がって、雑音が低い場合には、最小平均2乗誤差(MMSE)受信器はデコリレ
ータに近づき、最適性能に近い性能を実現する。一方、多重アクセス干渉が雑音
に比較して小さい場合には、整合フィルタ検出器による解決が行なわれる。これ
は、符号間干渉に対処するために使用されるMMSE線形等価器と全く同じであ
る。デコリレータとは違って、これは、受信された振幅の推定を必要とするが、
その複雑性は使用中ユーザの数とは無関係であり、CDMA拡散シーケンスの正
確な知識は適応的な実現のためには不要である。
【0018】 他の研究者が、ラジアル基底関数アプローチ(その完全なインプリメンテーシ
ョンではMLSEに類似しており、様々な簡単化がすでに示唆されている)とボ
ルテラ非線形アプローチ(受信信号が、例えばデコリレートまたはMMSEのよ
うな線形フィルタに送られる前にべき級数非線形展開を通過させられる)とを既
に研究している。MMSE誤差タイプ固定マルチユーザ検出器が使用される場合
には、その固定検出器が後に続く適応フィルタの全インパルス応答は、両システ
ムが完全に収束させられている時でさえ、従来のアーキテェクチャの場合と全く
同一であるわけではないということに留意されたい。このことは、2つの受信器
の適応フィルタの両方が完全に収束させられている時にさえ、異なったビット誤
り率(BER)の結果を与えるだろう。さらに、処理利得がこの段階では適用さ
れていないので、適応フィルタ8がその出力において極度に低い信号対雑音比を
有するということに留意されたい。このことは、幾つかの適応アルゴリズムの収
束性と安定性とを促進することが可能な低い固有値拡散をもたらすが、他の適応
アルゴリズムは極度に悪い雑音条件において不安定性を示す。
【0019】 想定可能なマルチユーザ検出器を付録IIで更に詳細に説明する。
【0020】 検出器14からの出力は、ユーザのデータ信号に関する所望の推定値を与える
ために、同期点においてビットレートにダウンサンプリングされる。 シミュレーション結果 後述する全てのシミュレーション結果は、16チップ拡散符号(すなわち、P
=16)と6タップ定常チャネルとの場合に関するものである。最初に、この新
たなアーキテクチャが従来のアーキテクチャよりも著しく高速な収束性を有する
ということを明らかにする。図3は、図1の従来のアーキテクチャと図2の新た
なアーキテクチャとの場合の収束曲線を示す。この新たなアーキテクチャは、主
として、ビットレートの代わりにチップレートでトレーニングされるだけでなく
、自己相関の固有値比率が高雑音において低減させられているので、従来のアー
キテクチャよりも著しく高速である。
【0021】 図3のグラフは、単一ユーザの場合の、チップ単位で測定した時間に対してプ
ロットした両アーキテクチャの適応フィルタの出力における集合平均2乗誤差を
示す。両方の曲線は、各々に対して個別に最適化されているμの値を有するLM
Sアルゴリズムを使用する。ビットレートトレーニングの代わりにチップレート
トレーニングを使用することは、収束性を16倍に増加させるが、実際には、高
い雑音が自己相関における固有値比率を低下させるので、収束性は16倍以上高
速である。この新たなアルゴリズムは従来のアーキテクチャよりも16倍速くM
MSEに収束するが、その損失は、固定マルチユーザ検出器によって大きく回復
される。
【0022】 図4は、図2のアーキテクチャを使用する幾つかの異なった適応フィルタアル
ゴリズムの相対収束速度を示す。従来のアーキテクチャはシフト不変性を満たさ
ないので、SFAESTアルゴリズムの使用はこの新たなアルゴリズムでしか可
能でない。
【0023】 比較して述べると、LMSアルゴリズムは非常に低速である。μの値を大きく
することによってLMSアルゴリズムをより高速にすることが可能であるが、こ
の値が過大に大きい時には、LMSアルゴリズムはMMSE誤差フロアに収束し
ない(誤調整誤差)。RLSは高速であるが、高い計算複雑性という代償を払う
こととなる。SFAESTアルゴリズムは、適切に初期化されれば、RLSアル
ゴリズムと同じように高速である。
【0024】 図5は、適応フィルタの収束のために160チップ(10データビットだけ)
を与えた後の、この新たなアーキテクチャに関するBER結果を示す。
【0025】 収束のために160データビットを与えただけの場合には、LMSアルゴリズ
ムはトレーニング期間の終了時には完全には収束してはおらず、このことが従来
のアーキテクチャで得られる性能よりもわずかに低い性能に結果する。RLSお
よびSFAESTは同様の結果をもたらす。
【0026】 本発明の受信器のアーキテクチャは、定常チャネルの場合にBER性能のわず
かな損失を伴うだけで、従来のアーキテクチャよりも収束とトラッキングが著し
く高速である。時変チャネルでは、この新たなアーキテクチャの場合に、トラッ
キング誤差が低減するので、平均BERはより良好だろう。高速適応アルゴリズ
ム(高速ニュートンと組み合わされることが好ましいFAEST、SFAEST
)は、この新たなアーキテクチャがRLSアルゴリズムほどの計算複雑性なしに
優れた収束を実現することを可能にする。
【0027】 本発明の受信器は、「ハードワイヤード(hardwired)」形に集積化
されることも、再構成可能または交換可能なファームウェアを使用することによ
って更新されることも可能である。 付録I 適応アルゴリズムの概要 最小平均2乗アルゴリズム 確率的勾配アプローチ[1]から、WidrowおよびHoff[2]によっ
て1960年に最初に導入された公知の最小平均2乗(LMS)アルゴリズムが
得られる。このアルゴリズムは複雑でなく、ほとんどの場合に許容可能な性能が
得られる。LMS法は、おそらく現在の通信システムで最も頻繁に使用される適
応アルゴリズムであるだろう。これは、最適なWienerフィルタを定義する
Wiener−Hopfの式に最急傾斜最小化法を適用することによって導出さ
れ、次の単純な再帰的概型が得られる[3]。
【0028】 {新たなタップ重み}={古いタップ重み}+ {学習速度}{新たな情報} (1) ここで、「新たな情報」は、フィルタ入力ベクトルと、誤差信号、すなわち、フ
ィルタの所望のフィルタ出力と実際の出力との間の差との積から成る。基本的に
は、LMSアルゴリズム(および、他の多くの適応アルゴリズム)を、次の3つ
の式によって表現することが可能である[1]。
【0029】 フィルタ出力 :y(t)=w(t)T x(t) (2) 適応誤差 :e(t)=d(t)−y(t) (3) タップ重み更新:w(t+1)=ω(t)+μx(t)e(t) (4) ここで、xはフィルタ入力ベクトルであり、wTはタップ重みベクトルの転置で
あり、dは所望のフィルタ出力を表し、μは学習速度(ステップ幅パラメータ)
である。
【0030】 LMSアルゴリズムを改善するために幾つかの変更がすでに加えられており、
その中の最も重要な変更が、入力ベクトルの累乗‖x‖2の瞬間推定値を使用し
て適応誤差eを正規化する正規化LMS(NLMS[4])をもたらした。そう
することは、このアルゴリズムの安定性を大きく改善し、より高速の収束を可能
にする。LMSアルゴリズムは計算的に単純であるが、その収束速度は低速であ
り、入力信号の特性に、さらに明確に述べると、自己相関行列の固有値比率に著
しく依存している。例えば移動通信システムにおけるチャネルのように、入力信
号の多くの要素が未知である時には、μを選択することは困難である。このアル
ゴリズムは数値的に安定しているが、μの不適切な選択が不安定性を生じさせる
可能性がある。高雑音条件では、自己相関行列の固有値比率が低く、このことが
収束を促進する。リーキィ(leaky)、符号付き、および、量子化LMS[
3]のようなLMSアルゴリズムの他のバージョンが開発されたが、NLMSだ
けが許容可能な性能において十分な安定性を実現したにすぎず、したがって、最
新のマルチユーザ検波における応用ための候補と考えられている。
【0031】 標準的なLMSに比較する形で正規化LMSの改善された性能を例示するため
に、LMSとNLMSの両方の性能を本書で後述する。 逐次最小2乗アルゴリズム 最も一般的な最小2乗(LS)法はおそらく逐次最小2乗(RLS)アルゴリ
ズムだろう。RLSアルゴリズムは計算においてはLMSアルゴリズムよりもは
るかに複雑であるが、これよりも著しく高速の収束性を示す。RLSアルゴリズ
ムは、2つのパラメータ、すなわち、忘却要素λと対角行列P(0)に関する初
期化要素δとを有する(後述の式を参照されたい)。忘却要素は、入力信号の自
己相関の変化速度に適合するように設定される。いったん収束してしまえば、対
角項はこのアルゴリズムにほとんど影響しないが、初期収束中は、このアルゴリ
ズムの内部変数のサイズに影響する。RLSアルゴリズムは、一般的に、フィル
タ長の2倍に等しい幾つかの反復の中で収束させられると考えられており、これ
は一般的にLMSアルゴリズムよりもはるかに高速である。RLSアルゴリズム
は、入力信号の自己相関行列が特異な行列に近い時には、数値的に不安定になる
可能性がある。
【0032】 標準的なRLSアルゴリズムを次のように要約することが可能である[1]。
【0033】
【数1】
【0034】 ベクトルg(t)はこのアルゴリズムの利得ベクトルとして知られており、P
(t)は自己相関行列
【0035】
【数2】
【0036】 の逆行列を表し、これは逆行列補助定理によって再帰的に計算することが可能で
ある。変数eはフィルタ推定のアプリオリな誤差を表し、この場合もフィルタ重
みがベクトルwで表現される。 高速アポステリオリ誤差順次法(FAEST) 高速アポステリオリ誤差順次法(FAEST)は、最小2乗(LS)フィルタ
リングに関連してCarayannis他[5]によって最初に報告された。標
準LSアルゴリズムと比較すると、FAESTは、高速カルマンアルゴリズム[
6]で使用されるようにアプリオリな誤差の定式化に基づくのではなく、アポス
テリオリ誤差の定式化に基づいてカルマン利得ベクトルを計算するための異なっ
たアプローチを使用する。入力信号のシフト不変性を仮定することと、カルマン
利得のわずかに変更されたバージョンを導入することとによって、FAESTア
ルゴリズムは、可能な限り行列やベクトルの乗算を行なうことなしにカルマン利
得の直接の更新を達成する。
【0037】 FAESTアルゴリズムによるカルマン利得更新の概要を次の表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】 FAESTアルゴリズムが深刻な、安定性の問題を有するということがよく知
られており、したがって、このアルゴリズムをさらに詳細に説明せずに、このア
ルゴリズムの安定化されたバージョンであるSFAESTに焦点を当てることに
する。FAESTに関する更に詳細な情報に関しては、[5]を参照されたい。
安定化FAEST FAESTアルゴリズムの安定化されたバージョンが[7]によって導き出さ
れており、これを表3に示す。安定化FAEST(SFAEST)アルゴリズム
を構成する式をより容易に理解するために、最初に、使用される全ての変数を列
挙し、これらの変数の意味を簡単に説明する(表2を参照されたい)。
【0040】
【表2】
【0041】 表3はSFAESTアルゴリズムの連続したステップを示し、さらに、必要と
される乗算と除算とに関する複雑性を評価する。
【0042】
【表3】
【0043】 SFAESTに関する初期化、安定化および最適化問題 忘却要素λの値は入力信号が変化する速度に主として依存しており、このアル
ゴリズムのメモリ長を定める。次式で与えられる重み付けられた入力共分散行列
【0044】
【数3】
【0045】 の固有値拡散は、λを決定する際に重要な役割を果たす。適した値は例えばλ=
0.98であり得るが、入力信号のタイプを考慮する必要があり、静的ユーザと
動的ユーザとの間の変化と静的チャネルと動的チャネルとの間の変化とでは、λ
に関する異なった値が必要とされる。
【0046】 変数ρの選択は簡単明瞭ではなく、適切な値を計算するための直接的な規則は
存在しない。[7]では、初期化が次のような推定値によって行われることが可
能であると述べられている。
【0047】
【数4】
【0048】 しかし、これは、この研究の過程で行われたシミュレーションによって確認で
きなかった。一般的に、ρ=1の値が選択されてきたが、このアルゴリズムの演
算中のρの適応推定が有利であることが明らかになるだろう。最も重要なパラメ
ータが前方/後方誤差の累乗であることが発見されている。初期化は次の規則に
よって行われている。
【0049】
【数5】
【0050】 これから理解できるように、双方の誤差の累乗は値μに依存しており、したがっ
てこのパラメータは慎重に初期化される必要がある。μに関する典型的な安定し
た範囲が10<μ<100であることがわかった。安定性の観点から見ると、変
数γN(t)の変化を監視することが有利である。このアルゴリズムの発散を防
止するために、この変数が0から1の値に制限されなければならない。収束を確
実なものにするための推奨される規則[7]は、条件
【0051】
【数6】
【0052】 が真となる時に、そのアルゴリズムを再初期化することであり、ここでνは小さ
い定数である。さらに、この予防措置は、利得がゼロに向かう場合、すなわち、
γN→0の場合にも対処するだろう。 高速ニュートントランスバーサルフィルタ 高速ニュートンアルゴリズムは、上述のフィルタが有する次数よりも低い次数
を有する自己回帰フィルタとして入力信号がモデル化されることが可能である場
合に、上述のあらゆる適応フィルタの計算を簡単化することが可能なアルゴリズ
ムである。高速ニュートントランスバーサルフィルタは、音声強調およびエコー
キャンセルの分野を起源とする。こうしたフィルタの主要な特徴は、多くのLS
適応アルゴリズムで必要とされるような利得ベクトルの高速計算である。
【0053】 安定化された高速ニュートントランスバーサルフィルタ(SFNTF)は、本
質的に、あらゆる最小2乗(LS)アルゴリズムのための計算アクセレータであ
る。SFNTFは、「高レベル」適応予測器(high−level adap
tive predictor)として機能するので、それ自体のアルゴリズム
内のサブルーチンとしてあらゆるLSアルゴリズムを使用することが可能である
。しかし、このLSフィルタの次数はSFNTFアルゴリズムの実際のフィルタ
次数よりも小さいように選択することが可能である。この場合に、洗練された予
測器部は、SFNTF長の定義にしたがって必要とされるフィルタ係数の完全な
一組を得るために、残りのフィルタ係数を外挿する。SFNTFを多くのアプリ
ケーションにとって潜在的に優れた適応アルゴリズムにするのはこの特徴であり
、先進的なMUD受信器のためのSFNTFアルゴリズムの有用性は将来におい
て検証されるだろう。しかし、この報告においては、このアルゴリズムだけを説
明することにする。
【0054】 SFNTFの詳細を説明するために、次に、変数の意味に関する簡単な説明を
伴う形で、このアルゴリズムに含まれる全ての変数を列挙する。次の表4はこれ
らの定義を示す。
【0055】
【表4】
【0056】 次に、SFNTFをその式の全てによって説明することが可能である。後述の
式をより容易に理解するために、最初に2つのベクトルs、uを定義する。
【0057】
【数7】
【0058】 これらの定義を式4と比較すると、更新部分μxeに関する類似性が明らかで
ある。λがμと同様の忘却要素を表すが、式14、15の第2の係数は正規化さ
れた誤差信号であり、ベクトルa、bを含む第3の係数は式4の入力ベクトルx
に類似している。しかし、これは、ベクトルs、uの性質を説明する基本的な試
みであるにすぎず、特に第3の係数に関しては、完全に正しい比較ではない。ベ
クトルa、bはそれぞれFNTFの前方および後方予測器係数を表し、次式に従
ってサンプル共分散行列Rpによって計算される。
【0059】
【数8】
【0060】 その次に、これらに対応する予測器誤差の累乗を次の通りに定義することが可
能である。
【0061】
【数9】
【0062】 上述の定義から理解できるように、SFNTFは2つの別個の予測器ブランチ
を操作し、これらのブランチをイネーブルまたはディスエーブルすることによっ
て、このアルゴリズムの3つの異なったバージョンを生成することが可能である
。 バージョン1:前方および後方予測器を使用する(推奨されない)
【0063】
【数10】
【0064】 バージョン2:前方予測器だけを使用する
【0065】
【数11】
【0066】 バージョン3:後方予測器だけを使用する
【0067】
【数12】
【0068】 予測器のバージョン1は、γの計算が有限和として実現されないという理由か
ら発散する可能性がより高いだろう。バージョン2とバージョン3は、γの計算
においてp+1値の有限和だけを含む。
【0069】 表5のアルゴリズムが極めて複雑であり概要を示すことが困難なので、さらに
、表5のそれぞれの式における変数の使われ方を示し、かつ、どの変数が他の変
数を更新するために必要であるかを説明する表6を含む。 注)γの定義はFAESTとFNTFとでは異なる。
【0070】
【表5】
【0071】
【表6】
【0072】 付録II CDMAのためのマルチユーザ検出器 MMSE受信器 図6に示す直接シーケンス拡散スペクトルシステムを考察する。
【0073】 このシステムでは、長さNチップ(n=1からN)のPN符号を伝送するM人
(m=1からM)のユーザが存在する。全ユーザについてデータビットおよびチ
ップが同期しており、データ変調Dmと符号Cmnとが値±1をとるものとする。
従って、チップnにおける受信器に対する入力における信号は次式の通りである
【0074】
【数13】
【0075】 W(n)がチップnにおける雑音サンプルである。Wienerフィルタ理論
[1]、[15]は、FIRフィルタに関する重みの最適セットhoptが次式で
与えられると述べている。
【0076】
【数14】
【0077】 であり、ここでE[x]はxの期待値を表す。データ遷移を含まない時、すなわ
ち、各ユーザから1つのデータビットだけの時のFIRフィルタに注目する。各
符号におけるデータ変調が互いに独立していると仮定すると、すなわち、E(D ab)=0、A≠Bであると仮定すると、式{1}を式{3}に直接代入するこ
とによって、または、空間レーダの事例[16]、[17]からの類推によって
、次のことが示される。
【0078】
【数15】
【0079】 ここで、x(n)は所望の応答である。FIRフィルタが1つのデータビットか
らのチップを含む時の、すなわち、n=0でありかつこのポイントにおいて所望
の応答が所望の符号に関するデータビットである時の応答だけを取りあげる。所
望の符号がm=1であると仮定すると、x(n)=D1である。これと式{1}
とを式{5}に代入し、データ記号が非相関であると仮定して、次式が得られる
【0080】
【数16】
【0081】 このフィルタに関する出力信号対雑音比を次のように定義することができる。
【0082】
【数17】
【0083】 チャネル帯域幅(Hz)が1秒間当たりのチップのチップレートに等しいと仮
定すると、このFIRフィルタに対する入力における信号対雑音比の処理利得と
は無関係な測度として、雑音電力スペクトル密度N0で除算された1ビット当た
りのエネルギーEbを使用することができる。この場合は、次の通りである。
【0084】
【数18】
【0085】 図7、図8、図9、図10は、7および31チップGold符号のセットに関
する上述の通りに計算されたWienerフィルタの理論的な性能とシミュレー
トされた性能とを示す。図7は、Wienerフィルタからの出力信号対雑音比
に関する7チップGold符号の理論的な性能とシミュレートされた性能とを示
す。図7は、4ユーザの場合の最適フィルタの性能が、MAIを伴わない整合フ
ィルタの性能と実際上等しいことを示す。10dBの出力信号対雑音比における
データを見ると、4ユーザの曲線と整合フィルタの曲線との間の差は約0.3d
Bである。図7から、7の処理利得を有するシステムにおける7人のユーザにつ
いて、MAIを伴わない整合フィルタと同一の性能を実現するためにはEb/N0 において約1.8dBの改善がなければならない。これらの図は、所望の出力信
号対雑音比として10dBを用いて再び測定される。
【0086】 図8は、Wienerフィルタからの出力信号対雑音比に関する31チップG
old符号の理論的な性能とシミュレートされた性能とを示す。16ユーザの場
合には、MAIを伴わない整合フィルタよりもEb/N0において約0.1dBの
改善が必要である。4/7が16/31よりも大きいという理由から、これは4
ユーザ、7チップの場合よりも優れている。31ユーザが31チップシステムに
存在する時には、MAIを伴わない整合フィルタに比較した場合に必要とされる
b/N0の増加は1dBである。おそらくは7チップの場合に比較した時に31
チップ符号の間により高い統計的直交性があるので、31チップシステムは、7
チップシステムよりも優れた幾つかの固有の利点を有すると考えられる。しかし
、所望のユーザの選択または符号セットの選択といった他のファクタを除外する
ことは不可能である。
【0087】 図9と図10は7チップ符号と31チップ符号とのシミュレートされたビット
誤り率(BER)性能を示す。これらのグラフは、より多くのユーザに対応する
ために必要とされるEb/N0の増加に関しては、図7と図8に類似した結果を示
す。中心極限定理によってWienerフィルタからの雑音出力がガウス形であ
ると仮定すると、図9と図10に対する適切な近似が図7と図8から導き出され
る。 適応フィルタ受信器 ほとんどの場合に、DS−CDMAチャネルは非定常的であり、上述のように
MAIは信号の発生/消滅と共に変動する。したがって、この受信器で使用され
るFIRフィルタは、適応アルゴリズムを使用して計算されたWienerフィ
ルタに対する時変近似でなければならない。ここでは、2つの最も一般的な適応
アルゴリズム、すなわち、最小平均2乗(LMS)アルゴリズムと逐次最小2乗
(RLS)アルゴリズム[1]との特性を考察する。31チップの場合には多大
な追加の計算が必要なので、7チップGold符号の事例を具体例として使用す
ることにする。図11は、適応パラメータμの2つの異なった値を有するLMS
アルゴリズムの収束特性を示す。これらのグラフは、100回の個別の試行にわ
たって合計されたフィードバック誤差の集合を示す。μ=0.007である場合
には、アルゴリズムが約20データビットの間にその初期値の20%に収束する
が、μ=0.0007である場合には収束に100データビットを要する。チャ
ネルが単一ユーザのデータレートに対して比較的高速で変化するDS−CDMA
セルラーシステムでは、この低速の収束は許容不可能だろう。図12は、図11
の場合と同じμの値を有する収束の後のLMSアルゴリズムのBER性能を示す
。この図は、より小さなμ値がWienerフィルタに対する適切な近似を生じ
させることを示すが、より大きなμ値を有するLMSアルゴリズムの性能は、1
-3のビット誤り率の場合に所要の信号対雑音比に関して約2dB低い。したが
って、7チップの場合でさえこのフィルタの性能に大きな残留誤差をもたらすこ
となしに十分高速な収束性を実現するμ値を発見することは困難である。符号が
長ければ長いほど収束時間が長くなるだろう。不完全な電力制御とマルチパスチ
ャネルとを有するDS−CDMAセルラーシステムの場合には、入力信号の固有
値拡散が増加するだろう。さらに、このことは、LMSアルゴリズムの収束時間
に対して悪影響を与えるだろう。このことのさらなる証拠が[18]に含まれて
いる。したがって、LMSアルゴリズムはこの用途には適していない。さらに、
図11には、λ=1でありかつ自己相関行列の対角成分が最初に0.001に設
定されているRLSアルゴリズムが示してある。これは、RLSアルゴリズムの
典型的な挙動、すなわち、2Nによる高速の収束性を示す。図12のRLS曲線
は、RLSアルゴリズムがWienerフィルタ解決策に有意な残留誤差を全く
加えないということを示す。したがって、RLSアルゴリズムは、潜在的にDS
−CDMAセルラーシステムにより適している。 論考 このセクションでは、これらのフィルタの派生物において仮定条件を考察し、
および、このタイプの受信器をセルラーシステムに応用することを考察する。
【0088】 全チャネルがデータビットおよびチップ同期であると仮定されている。チャネ
ルがチップ同期でない場合には、受信器が所望のチャネルに同期してサンプリン
グすれば、MAIが実効的に低減させられるので、あらゆる変化が有益である可
能性が高い。しかし、チャネルがデータビット同期でない場合には、その効果は
デスメンタル(dethmental)である。所望のチャネルデータビットの
中間で生じる干渉チャネルの遷移によって、各干渉チャネルは行列において2
つの固有ベクトルを必要とする。したがって、性能が低減させられ、ユーザ数が
データビット同期の場合のNの代わりに0.5Nを越える時に、システムがブレ
ークダウンする。興味深い事例は、例えばシステムの伝送遅延が許容する程度に
同期している場合のような、データビットがほとんど同期している場合である。
この場合には、所望のユーザのデータビットの先頭または末尾から(Nと比較し
て)少ない数のチップ、あらゆる遷移が生じることを確実にすることが可能だろ
う。この場合には有害な効果はそれほど大きくないだろうが、この仮説は立証さ
れないままである。さらに、我々は完全な電力制御を仮定している。このタイプ
の適応フィルタ構造が受信された符号の電力の変動に対して許容性があるという
証拠が幾つかある[19]。我々が行った最後の仮定は、データビットに相関が
ないということである。信号が個別に生成され、アイドル状態のチャネルが抑制
され、および、制御情報の内容とタイミングとに注意が払われるという条件の下
で、これは妥当な仮定であるはずである。
【0089】 この受信器構造をDS−CDMAシステムに適用する場合には、非定常のマル
チパスチャネルとユーザの発生/消滅とを計算に入れる必要がある。マルチパス
チャネルを計算に入れるために、拡散プロセスCmnのインパルス応答をBmnで置
き換える[20]の手法を使用し(ここでBmnは、チャネルのインパルス応答の
拡散プロセスのインパルス応答との畳込みである)、この分析を繰り返すことが
可能である。この論文は、すでに、システムの全ユーザに関して同時に評価され
たマルチパスを有する論理的な最適を説明する。チャネルの非定常要素を、中間
に挟まれた判断フィードバックを伴ったまたは伴わないトレーニングデータのブ
ロックによって計算に入れることが可能である。信号の発生/消滅の問題が、全
ユーザがスイッチをオンオフしてトレーニングブロックを即時的に進行させるだ
けであるように強制される場合に、大きく緩和されるだろう。適応アルゴリズム
の収束性およびトラッキング特性と、チャネルが変化する速度とが、トレーニン
グブロックの長さと周波数とを決定するだろう。しかし、RLSアルゴリズム(
または、トレーニングブロック上での最小2乗アルゴリズムの共分散形態[1]
)を使用することによって、「トレーニングデータ」対「情報搬送データ」比率
が妥当に保たれることが可能である。
【0090】 この受信器の幾つかの望ましい特性が、トレーニングデータが既知でありかつ
その適応的な性質が隣接セルからの強い干渉とローカル狭帯域干渉との影響を低
減させることを可能にするという条件において、所望の拡散符号または干渉者の
拡散符号を知ることを必要としないということである。 結論 FIRフィルタが、ガウス雑音性能のわずかな劣化しか伴わずにDS−CDM
AシステムにおけるMAIから所望の信号を分離するために使用可能であるとい
うことを示してきた。これらのフィルタはトレーニングされた適応フィルタによ
って近似することが可能である。これらの準最適なフィルタはDS−CDMAセ
ルラーシステムのための実際的な受信器を作ることができる。 デコリレート受信器
【0091】
【数19】
【0092】 ラジアル基底関数受信器 序文: 多くのDS−CDMA通信システムでは、信号が受信器に到着する時
に3つの歪み源があり、これらは、そのシステム内の他のユーザからの構造化多
重アクセス干渉(MAI)と、通例は未構造化干渉を含むように拡張されること
が可能なガウス雑音と、マルチパス伝搬による時間分散である。最も単純なDS
−CDMA受信器構造は、非分散チャネルのための整合フィルタとマルチパスチ
ャネルのためのRAKE受信器とに基づいている。整合フィルタ/RAKE受信
器のMAI性能は、受信器の複雑性の増加を代償としてキャンセレーションを適
用することによって増強されることが可能である[12]。提案されている多く
の受信器構造は線形等価器構造に基づいている。これらの例は、ゼロ強制等価器
(zero−forcing equaliser)に基づいたデコリレート受
信器と、MMSE等価器に基づいたデコリレート受信器とを含む[21]。上述
の受信器構造をRBF受信器と比較することにする。この非線形受信器は、デー
タビットに対する決定の際の誤りの確率を最小にする。RBF等価器が従来の最
小帯域シグナリングのためのマルチパスチャネルにおける線形等価器よりも優れ
た性能を有する[22]ことと、RBFフィルタが非分散CDMAシステムのM
MSEフィルタよりも高い性能を有する[23]こととがすでに明らかになって
いる。次では、RBFベースの受信器が、他の受信器構造と比較する場合に、D
S−CDMAシステムの能力を著しく増大させる能力を有することを示すことに
する。
【0093】 AWGNチャネルシステムモデル: まず最初に、上述の様々な受信器を比較
することを可能にするために、加法性白色ガウス雑音チャネルを考察する。我々
のシステムは、チップおよびビット同期であるDS−CDMA信号を各々が送信
するU人の個別のユーザから成り、全ユーザが1に正規化された等しい電力を送
信する。ビット時間k中にユーザuによって送信されるデータビットをDu(k
)と表し、ユーザのための拡散符号をCu,nで表すことにする。符号中のチップ
数を表すためにnを使用し、このnは0から(N−1)までの整数であり、ここ
でNは拡散シーケンス長さ(処理利得)である。全体において使用される拡散符
号は7チップ長であり、ランダムに生成される。一般性を失うことなしに、所望
のユーザがユーザ0であると仮定することが可能である。チャネルモデルは、G
(kN+i)で表される雑音時系列を有する単純な加法性白色ガウス雑音(AW
GN)である。したがって、Y(kN+i)で表される、受信器に到着するチッ
プレート信号は、データビットkチップiが受信される時点で、
【0094】
【数20】
【0095】 である。AWGNの場合には、範囲0≦i<Nの外側のiを考慮する必要がない
が、これは、この時間の外側では信号がデータビットkに関する有効な情報を含
まないからである。
【0096】 AWGNチャネル受信器構造: 3つの主な受信器構造、すなわち、整合フィ
ルタリング受信器と、MMSE受信器と、RBF受信器とを考察することにする
。これらの全ての場合に、符号と信号電力とが受信器において既知であると仮定
する。非分散的な場合に、整合フィルタ受信器が、係数Hiが所望の受信器のた
めの拡散符号であるNタップFIRフィルタによって与えられ、すなわち、
【0097】
【数21】
【0098】 である。
【0099】 MMSE受信器もNタップFIRフィルタであるが、このフィルタの係数は[
24]によって次のように(ベクトル形式で)与えられる。
【0100】
【数22】
【0101】 AWGNチャネルシミュレーション結果: 上述の受信器構造をモンテカルロ
シミュレーションを使用してシミュレーションした。グラフは、使用中ユーザの
数に対してプロットしたシステム内の全使用中ユーザにおいて平均したBERの
log10を示す。図13はEb/N0=9dBにおける結果を示す。これらの図は
、MAI(使用中ユーザの数)が増加するにつれて整合フィルタリングの性能が
低下することを示している。整合フィルタ受信器の場合に許容可能なBERを与
える使用中ユーザの数は、このフィルタが明らかに干渉制限されているので、キ
ャンセレーションの付加に応じて著しく増加する。MMSE受信器は整合フィル
タおよびキャンセレーションを伴う整合フィルタの両方よりも優れた性能を示す
。MMSE受信器はキャンセレーションの付加によっても性能が向上するが、こ
の向上は整合フィルタにキャンセレーションを付加する場合ほどには大きくない
。RBF受信器は、キャンセレーションの有無に係わらず、整合フィルタとMM
SE受信器の両方よりも著しく優れている。しかし、RBF受信器はキャンセレ
ーションの付加によっては改善されない。これは、このシナリオではRBFが最
尤受信器であり、したがってキャンセレーションがその性能を改善することが不
可能だからである。
【0102】 マルチパスチャネルシステムモデル: 次に定常マルチパスチャネルモードを
考察することにする。ここで考察するチャネルは次のインパルス応答を有する。
【0103】 M(z)=0.3482+0.8704z-1+0.3482z-2 移動無線システムのダウンリンクの場合のように、全信号が同じチャネルを通
過すると仮定する。時間データビットkかつチップiにおける受信信号が、直接
パスによって受信され、したがって、
【0104】
【数23】
【0105】 となる。i−xが負である場合には、Du(k)Cu,i-kがDu(k−1)Cu,N+i -k で置き換えられ、iまたはi−xがNより大きい場合には(受信器フィルタ長
さをNよりも大きくする場合には)、Du(k)Cu,i-kがDu(k+1)Cu,i-N -k で置き換えられる。これは、マルチパスチャネルによって引き起こされるIS
Iの直接的な例示である。
【0106】 マルチパスチャネル受信器構造: 我々の新たな受信器構造は全て、入力信号
サンプルy(kN+i)の新たなセットに基づいており、ここでiの範囲は、デ
ータビットkを起源とする信号エネルギー全てを捕捉するために0≦i<N+2
に拡大される。マルチパスチャネルと組み合わされたこれは、先行および後続の
データビットの両方からのISIに結果する。マルチパスチャネルのための整合
フィルタの等価物が、タップが次式によって与えられるN+2個のタップを有す
るFIRフィルタである。
【0107】
【数24】
【0108】 マルチパスチャネルシミュレーション結果: 前のセクションで説明した受信器
構造のBER性能に関するグラフを、Eb/N0=9dBに関して図14に示す。
これらのグラフは、非分散の場合と類似した傾向を示す。干渉するユーザがRA
KE受信器では全く計算に入れられておらず、したがって構造化されていない雑
音として取り扱われるので、RAKE受信器はMAI干渉が増加するにつれて急
速にブレークダウンする。MMSE受信器はRAKE受信器よりも著しく優れて
いる。RBF受信器はRAKE受信器とMMSE受信器のどちらよりも優れた性
能を発揮する。しかし、RBF受信器は計算複雑性の著しい増大をもたらす。6
人のユーザの計算には、送られる各データビット毎に218個の中心からのユーク
リッド距離を評価することが必要なので、RBF結果は5人のユーザで頭打ちな
る。 論考と結論: RBF受信器が、より従来的な整合フィルタおよびMMSEベー
ス受信器構造よりも著しく向上した性能を有することを明らかにした。この性能
の向上はAWGNチャネルとマルチパスチャネルの両方で明らかである。しかし
、現時点では、計算複雑性と非定常的な環境における可変パラメータの数とが、
RBF受信器を移動無線用途に関して非実際的なものにする。 準最適受信器 準最適受信器は、一般的には指数項を落とすこととユークリッド差表現を簡単
化することとによるラジアル基底関数に対する簡単化を伴った、ラジアル基底関
数受信器に類似した方法である。この受信器はチップレベルまたはビットレベル
(前処理後)で実現されることが可能であり、最適の中心(ビタビ算法における
パス)を探索するために、ビタビ前方プログラミングアルゴリズムを含むことが
多い。 キャンセレーションベースの受信器 直接シーケンス符号分割多重アクセス(DS−CDMA)システムのための最
適な受信器は、実際的には無限のメモリを有するRBF受信器である最尤シーケ
ンス推定器[25][14]である。しかし、この受信器の複雑性はユーザの数
に応じて指数関数的に増大し、したがって実際的ではない。複雑性という尺度の
他方の末端においては、整合フィルタが一般的にDS−CDMAシステムの受信
器として使用されている。整合フィルタは加法性白色ガウス雑音(AWGN)だ
けにおいて最適な受信器であり、システム内の他のユーザからの多重アクセス干
渉(MAI)のレベルが高い時には、非常に低い性能を有する。
【0109】 これらの両極端の間において、一定の範囲の準最適な受信器構造が提案されて
いる。これらの大部分は2つのタイプに分けることが可能である。キャンセレー
ション構造は、典型的には、整合フィルタリングを行うことと、その後で入力信
号の遅延バージョンから整合フィルタ出力を減算することとに基づいている[1
2][26][27]。等価器構造が、最小平均2乗誤差(MMSE)またはゼ
ロ強制のような変動基準にしたがって最適化された係数を有する線形または判断
フィードバックFIRフィルタを使用する[18][20][28]。この領域
の総合的な概観と参照リストとを[21]に見いだすことが可能である。
【0110】 このセクションでは、Wienerフィルタ受信器の性能を、単純な並列キャ
ンセラの性能と比較する。この2つの手法の組合せも検討する。 システムの説明 検討すべきシステムは、図15に示すようにデータビットとチップの両方を同
期送信するU人の個別の等電力のユーザから成る。ビット時間kにおいてユーザ
uによって送信されるデータビットをDu(k)で表し、ユーザuに関する拡散
符号をCu,nで表すことにする。nは符号中のチップを表し、このnは0から(
N−1)までの整数であり、ここでNは拡散シーケンス長さ(処理利得)である
。この論文全体で一例として使用される拡散符号は64チップ長であり、ランダ
ムに生成される。直交(Walsh)または半直交(Gold)符号がより優れ
た性能をもたらすだろうが、有意なBER結果を与えるためにはより長いシミュ
レーション時間を要するだろう。多くの通信システムでは、チャネルが直交符号
の直交性特性を何らかの形で破壊するだろう。この論文全体において、チップお
よびデータ値は±1に正規化されることになる。一般性を失うことなしに、所望
のユーザがユーザ0であると仮定できる。考察の対象であるチャネルは、分散σ 2 を有するG(kN+n)によって表される雑音を有する単純なAWGNチャネ
ルである。したがって、Y(kN+n)で表される、受信器に到着するチップレ
ート信号は、
【0111】
【数25】
【0112】 となる。 受信器構造と理論性能 図16に示した4つの受信器構造を考察することにする。受信器構造a)は単
純な整合フィルタの例である。この受信器は、係数hnが所望のユーザの符号の
スケーリングされたバージョンである、すなわち、
【0113】
【数26】
【0114】 であるNタップFIRフィルタから成る。整合フィルタはMAIを雑音として取
り扱い、したがって、各ユーザの信号電力が1でありかつ符号がランダムである
場合には、中心極限定理によって、次にように、この受信器に関するBERを近
似的に求めることが可能であり、
【0115】
【数27】
【0116】 ここでerfc()は相補誤差関数である。
【0117】 受信器構造b)は、各々の干渉信号を逆拡散し、適切に遅延させられた入力信
号から減算される複製を再構成して干渉の多くをキャンセルするために、整合フ
ィルタを使用する単純な並列キャンセラである。その次に、残りの信号が、所望
のユーザに対して整合フィルタを使用して逆拡散される。信号の再構成は、信号
の電力が正確に分かっているということを前提とする。したがって、正しい記号
と共に受信される干渉信号は正確にキャンセルされ、誤って受信された干渉信号
は2倍にされたその振幅(4倍にされた電力)を有する。この構造に関するBE
Rの下限は次式で与えられる。
【0118】
【数28】
【0119】 この式は2つの理由から下限であるにすぎない。第1に、キャンセレーション段
階における各整合フィルタに関する雑音サンプルが同一であり、一方、上述の式
は、これらの雑音サンプルが互いに独立のサンプルであると仮定している。第2
に、キャンセレーション後に、残りの信号の干渉と雑音分布との組合せが、ガウ
ス雑音と、ガウス分布の不十分な近似である限られた数の拡大された干渉信号と
から成るので、ガウス形の不十分な近似である。
【0120】 受信器構造c)は、Wiener、LevinsonまたはMMSE生成フィ
ルタである[15][1]。これは、さらに、Nタップフィルタでもあるが、こ
のフィルタの係数は次式[24]によって(ベクトル形式で)与えられ、
【0121】
【数29】
【0122】
【数30】
【0123】 である。平均BER性能を得るために、この式は、BERWienerを与えるように
システム内のユーザ全員において平均化されなければならない。
【0124】 受信器構造d)は、干渉者のデータビットの初期推定値のためにWiener
フィルタを使用する並列キャンセラである。式2からの類推によって、この構造
のBER性能における下限が次式によって与えられる。
【0125】
【数31】
【0126】 結果 このセクションにおける全てのシミュレート結果は、全ユーザに関するBER
平均を伴った、60,000データビットに関するものである。グラフが、ユー
ザの数に対してプロットされたシステム中の全ユーザに関する平均BERを示す
。シーケンス長は64である。信号対ガウス雑音比は次のように表現される。
【0127】
【数32】
【0128】 図17は、上述の導き出された理論結果とシミュレーション結果との間の比較
を示す。この結果は、式(1)と式(3)とが、整合フィルタとWienerフ
ィルタに関するシミュレーション結果の良好で不偏の推定値をそれぞれに与える
ことを示している。少数のユーザにおける式(1)からの整合フィルタに関する
シミュレーション結果の偏差は、ほぼガウス形であるにすぎない干渉分布と限定
された数のシミュレーションされたポイントとが原因である。しかし、式(2)
と式(4)は、2つのキャンセレーション受信器の実際の性能に対する近似を与
えるにすぎない。この推定値は、上述の理由から、より低いBERに向かって片
寄っている。
【0129】 図18は、一定の範囲内の信号対雑音比に関するシミュレーション結果を示す
。これらの結果は、ガウス雑音が干渉の主要な原因である時にだけ整合フィルタ
が適切な受信器構造であるにすぎないことを示す。これは、非常に少数の干渉ユ
ーザしかおらずかつ信号対雑音比が低い時にだけ当てはまるにすぎない。
【0130】 整合フィルタに基づく単一段階の並列キャンセレーションが、BERがいずれ
にしても大半の通信システムでは低すぎる、極度に高いレベルの干渉である場合
を除いて、整合フィルタよりも優れた性能を発揮する。この改善は非常に大きく
、Eb/N0=9dBであり、キャンセレーション受信器は、所要のBERが10 -2 である場合に、整合フィルタの場合よりも3倍多いユーザをサポートすること
が可能である。
【0131】 Wienerフィルタは常に整合フィルタよりも優れた性能を示す。これら2
つの受信器システムの性能が同一である唯一の場合は、MAI干渉が存在せず、
Wienerフィルタが整合フィルタのスケーリングされたバージョンになる時
である。Wienerフィルタは、さらに、整合フィルタに基づいたキャンセレ
ーション受信器よりも著しく優れた性能を示す。Eb/N0=9dBであり、かつ
、所要のBERが10-2である場合には、Wienerフィルタは、整合フィル
タの場合よりも約6倍多いユーザを許容し、整合フィルタに基づいたキャンセレ
ーション受信器の場合よりも2倍多いユーザを許容するだろう。Wienerフ
ィルタの計算複雑性は整合フィルタ受信器と同一であり、整合フィルタに基づい
たキャンセレーション受信器よりも著しく低い。これは、Wiener係数が事
前に計算されると仮定する。
【0132】 Wienerフィルタに基づいたキャンセレーション受信器が全ての中で最良
の性能を示す。Eb/N0=9dBであり、かつ、所要のBERが10-2である場
合には、この受信器は、整合フィルタ受信器に比較して約7倍の数のユーザを許
容するだろう。
【0133】 全ての場合にユーザ間において性能に大きなばらつきがあるということに留意
されたい。例えば、48人のユーザとEb/N0=9dBである場合にWiene
rフィルタ受信器を使用する時には、平均BERは0.00940であるが、最
善の拡散シーケンスを有するユーザは0.001167のBERを得て、最悪の
拡散シーケンスを有するユーザは0.038092のBERを得る。このばらつ
きは符号セットの相互相関特性を原因としており、マルチパスチャネルのせいで
その直交性を失っている直交符号セットにも当てはまるだろう。 論考と結論 この論文では、キャンセレーションとWienerフィルタリングの両方がM
AIに関して単純なDMFによりも著しく優れた性能を示すことを示してきた。
Wienerフィルタは、特に、収容可能なユーザ数の著しい増加を可能にする
。これら2つの着想は適切に組み合わされ、そのどちらか一方よりも優れた性能
を実現することが可能である。
【0134】 性能の改善のために支払うべき代償がある。キャンセレーション受信器はデー
タビット1つ分の遅延を生じさせ、計算またはハードウェアを著しく増大させる
。Wienerフィルタとキャンセレーション受信器は両方とも、受信器におけ
る干渉ユーザの数と拡散シーケンスとの情報を必要とし、Wienerフィルタ
は、さらに、信号対雑音比の事前情報を必要とする。信号対雑音比が非常に高い
場合には、Wienerフィルタのための自己相関行列の逆行列の計算は、この
行列が特異な行列に近づくにつれて困難になる可能性がある。コンピュータネッ
トワーク用途では、Wienerフィルタを予め計算することが可能であるが、
移動通信用途では信号対雑音比とユーザ数は時間の経過に共に急激に変化する。
しかし、Wienerフィルタに対する適切な近似を適応アルゴリズムを使用し
て得ることが可能な場合が多い。 導出A Wienerフィルタに関するBERを計算するためには、MMSEとフィル
タ出力における分散との間の関係
【0135】
【数33】
【0136】 を見い出すことが必要である。ここで、E[]は期待値を表し、xはフィルタ出
力を表す。D0(k)は値±1をとり、したがって、
【0137】
【数34】
【0138】 である。フィルタ出力の分散は次式によって与えられ、
【0139】
【数35】
【0140】
【数36】
【0141】 [A.2]から[A.1]を減算し、再び整理すると、
【0142】
【数37】
【0143】 が得られる。したがって、Wienerフィルタの出力がガウス形の分布を有す
ると仮定すると、BERは次式で与えられる。
【0144】
【数38】
【0145】 ボルテラ型受信器 ボルテラ型受信器は、ボルテラ展開信号vが当初の受信信号yの代わりに使用
されるMMSEのような線形フィルタが後に続く、受信信号のベキ級数展開によ
って形成されている。受信入力信号y(kN+n)を有するDS−CDMAの場
合には、3次ボルテラ展開の出力が次式で与えられ、
【0146】
【数39】
【0147】 ここで係数hは、ベキ級数展開行列の自己相関行列と相互相関行列で置き換えら
れた自己相関行列と相互相関行列とを有するMMSEのような線形手法を使用し
て推定される。 参考文献 [1] S. Haykin, Adaptive Filter Theor
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【図面の簡単な説明】
【図1】 上述の従来通りのDS−CDMAアーキテクチャを示す。
【図2】 本発明の一実施形態によるDS−CDMAアーキテクチャを示す。
【図3】 図1と図2のアーキテクチャの収束性の比較と、図2のアーキテクチャを使用
する別のアルゴリズムの相対的な収束速度と、図2のアーキテクチャに関するビ
ット誤り率(BER)結果とをそれぞれに示す。
【図4】 図1と図2のアーキテクチャの収束性の比較と、図2のアーキテクチャを使用
する別のアルゴリズムの相対的な収束速度と、図2のアーキテクチャに関するビ
ット誤り率(BER)結果とをそれぞれに示す。
【図5】 図1と図2のアーキテクチャの収束性の比較と、図2のアーキテクチャを使用
する別のアルゴリズムの相対的な収束速度と、図2のアーキテクチャに関するビ
ット誤り率(BER)結果とをそれぞれに示す。
【図6】 チャネルモデルの無いDS−CDMAシステムを概略的に示す。
【図7】 それぞれに7チップGold符号と31チップGold符号とに関して計算さ
れたWienerフィルタの信号対雑音性能を示すグラフである。
【図8】 それぞれに7チップGold符号と31チップGold符号とに関して計算さ
れたWienerフィルタの信号対雑音性能を示すグラフである。
【図9】 それぞれに7チップGold符号と31チップGold符号とに関して計算さ
れたWienerフィルタのビット誤り率(BER)性能を示すグラフである。
【図10】 それぞれに7チップGold符号と31チップGold符号とに関して計算さ
れたWienerフィルタのビット誤り率(BER)性能を示すグラフである。
【図11】 LMSおよびRLS適応フィルタの収束特性を示すグラフである。
【図12】 Wiener最適フィルタおよびMAIなしの整合フィルタと比較した、収束
を可能にするための1000回の反復の後のLMSおよびRLSアルゴリズムの
BER性能を示すグラフである。
【図13】 AWGNチャネルと定常マルチパスチャネルとの使用中ユーザの数に対してそ
れぞれにBERをプロットするグラフであり、このユーザはすべて等電力であり
、拡散符号長さが7である。
【図14】 AWGNチャネルと定常マルチパスチャネルとの使用中ユーザの数に対してそ
れぞれにBERをプロットするグラフであり、このユーザはすべて等電力であり
、拡散符号長さが7である。
【図15】 受信した信号Y(n)の構成を概略的に示す。
【図16a】 それぞれに、整合フィルタ、整合フィルタを使用する並列キャンセラ(par
allel canceller)、Wienerフィルタ、および、Wien
erフィルタを使用する並列キャンセラを概略的に示す。
【図16b】 それぞれに、整合フィルタ、整合フィルタを使用する並列キャンセラ(par
allel canceller)、Wienerフィルタ、および、Wien
erフィルタを使用する並列キャンセラを概略的に示す。
【図16c】 それぞれに、整合フィルタ、整合フィルタを使用する並列キャンセラ(par
allel canceller)、Wienerフィルタ、および、Wien
erフィルタを使用する並列キャンセラを概略的に示す。
【図16d】 それぞれに、整合フィルタ、整合フィルタを使用する並列キャンセラ(par
allel canceller)、Wienerフィルタ、および、Wien
erフィルタを使用する並列キャンセラを概略的に示す。
【図17】 図16a)から図16d)に示されているフィルタのBER性能を示すグラフ
である。
【図18a】 ユーザ1人当たり60,000データビットとシーケンス長さ64の場合の、
加法性ガウス形雑音比率に対する4つの異なった信号に関するユーザの数に対す
る、シミュレートされた全ユーザの平均BERをプロットするグラフである。
【図18b】 ユーザ1人当たり60,000データビットとシーケンス長さ64の場合の、
加法性ガウス形雑音比率に対する4つの異なった信号に関するユーザの数に対す
る、シミュレートされた全ユーザの平均BERをプロットするグラフである。
【図18c】 ユーザ1人当たり60,000データビットとシーケンス長さ64の場合の、
加法性ガウス形雑音比率に対する4つの異なった信号に関するユーザの数に対す
る、シミュレートされた全ユーザの平均BERをプロットするグラフである。
【図18d】 ユーザ1人当たり60,000データビットとシーケンス長さ64の場合の、
加法性ガウス形雑音比率に対する4つの異なった信号に関するユーザの数に対す
る、シミュレートされた全ユーザの平均BERをプロットするグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 クルークシャンク,デイビッド ジョージ メルビル イギリス国,エジンバラ イーエイチ9 1エイチエル,マーチモント クレセント 19 3エフ3 (72)発明者 マクラフリン,スティーブン イギリス国,エジンバラ イーエイチ15 2キューエス,ブランステーン ロード 61 (72)発明者 グラント,ピーター エム. イギリス国,エジンバラ イーエイチ9 1キューユー,グレインジ ロード 9 Fターム(参考) 5K022 EE01 EE31 5K046 BA06 EE43 EF05 EF16

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 拡散符号が乗算されチャネルフィルタによってフィルタリン
    グされたデータをフィルタリングするための、適応アルゴリズムによって制御さ
    れる適応フィルタを具備し、前記適応フィルタは前記チャネルフィルタの逆フィ
    ルタをモデル化するのに適した長さを有し、マルチユーザ検出器が前記適応フィ
    ルタの出力上で動作する直接シーケンス符号分割多重アクセス受信器。
  2. 【請求項2】 前記アルゴリズムは所望ユーザの信号を使用してトレーニン
    グされる請求項1に記載の受信器。
  3. 【請求項3】 前記アルゴリズムは2人以上のユーザからの複合信号を使用
    してトレーニングされる請求項1または2に記載の受信器。
  4. 【請求項4】 前記マルチユーザ検出器は最小平均2乗誤差タイプである請
    求項1、2または3に記載の受信器。
  5. 【請求項5】 前記マルチユーザ検出器はゼロ強制(デコリレート)タイプ
    である請求項1、2または3に記載の受信器。
  6. 【請求項6】 前記マルチユーザ検出器はボルテラタイプである請求項1、
    2または3に記載の受信器。
  7. 【請求項7】 前記マルチユーザ検出器はラジアル基底関数タイプである請
    求項1、2または3に記載の受信器。
  8. 【請求項8】 前記マルチユーザ検出器はキャンセレーションタイプである
    請求項1、2または3に記載の受信器。
  9. 【請求項9】 前記マルチユーザ検出器は準最適復号化タイプである請求項
    1、2または3に記載の受信器。
  10. 【請求項10】 前記アルゴリズムは最小平均2乗アルゴリズムを含む請求
    項1から9のいずれかに記載の受信器。
  11. 【請求項11】 前記アルゴリズムは逐次最小2乗アルゴリズムを含む請求
    項1から9のいずれか一項に記載の受信器。
  12. 【請求項12】 前記アルゴリズムは高速アポステリオリ誤差順次法アルゴ
    リズムを含む請求項1から9のいずれか一項に記載の受信器。
  13. 【請求項13】 前記アルゴリズムは、安定化された高速アボステリオリ誤
    差順次法アルゴリズムを含む請求項1から9のいずれか一項に記載の受信器。
  14. 【請求項14】 前記アルゴリズムは高速ニュートンアルゴリズムと組み合
    わせて使用される請求項12または13に記載の受信器。
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