JP2002537768A - 植物における開花期の変更 - Google Patents

植物における開花期の変更

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    • C12N15/8261Phenotypically and genetically modified plants via recombinant DNA technology with agronomic (input) traits, e.g. crop yield
    • C12N15/8262Phenotypically and genetically modified plants via recombinant DNA technology with agronomic (input) traits, e.g. crop yield involving plant development
    • C12N15/827Flower development or morphology, e.g. flowering promoting factor [FPF]

Abstract

(57)【要約】 本発明は、植物における開花の開始のタイミングを制御する役割を有する遺伝子である開花遺伝子座C(FLC)遺伝子ファミリーの遺伝子同定及びこれに関する有用な情報を提供する。この情報は、植物の開花が選択的に変更されたトランスジェニック植物の作成を可能にする。これらの遺伝子は天然で植物の開花期を遅延させるように作用するので、FLCタンパク質活性を増強することにより花芽形成のタイミングは遅延し、一方、FLC活性の阻害により開花の開始のタイミングは進行する。遺伝子ファミリーのサンプルの代表的な数が記載される。遺伝子ファミリーのメンバーは他の植物においても同様に機能することが実証される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】関連出願のクロスリファレンス 本特許出願は、仮特許出願第60/121,572号(1999年2月25日出願)及び仮特許出
願第60/123,455号(1999年3月9日)に基づく優先権を主張するものである。連邦委託研究又は開発に関する記載 未定発明の属する技術分野 本発明は、遺伝子工学による植物の開花期の制御に関する。詳細には、本発明
は、遺伝子の開花遺伝子座C(FLOWERING LOCUS C)(FLC)ファミリーの活性を
操作することによる開花期の制御に関する。背景技術 生長する小植物の栄養生長から開花への移行は、植物のライフサイクルにおけ
る主要な発達的切り替えである。花芽形成のタイミングは、野生植物の繁殖的成
功にとって重要であり、ほとんどの植物種は開花期を正確に制御するシステムを
発達させている。このシステムは、開花を制御するための環境の合図(environm
ental cue)及び植物の発達状態の両方をモニターしている。 一般にモニターされる2つの環境の合図は、光周期及び温度である。調査され
た光周期反応性植物において、日長は葉において感知され、開花シグナルは葉か
ら成長点へ転位するらしい(Zeevaart, Light and the Flowering Process, eds
., D. Vince-Prue, B. Thomas and K. E. Cockshull, 137-142, Academic Press
, orlando, 1984)。低温への曝露は、春化として知られる過程によって開花を
促進する。春化は、おそらくは成長点を開花シグナルを感知する構成成分にする
ことを引き起こすことにより成長点に直接影響する(Lang, Encyclopedia of Pl
ant Physiology, ed., W. Ruhland, 15(Part 1), 1371-1536, Springer-Verlag,
Berlin, 1965)。開花に影響するその他の環境の合図には光の質及び栄養状態
が含まれる。
【0002】 植物の発達状態も開花期に影響することができる。ほとんどの種は、開花が抑
制される若年期を経て、最終的には、植物が開花能を有する成体期への移行を受
ける(Poethig, Science, 250, 923-930, 1990)。この「期変化」は、植物が生
殖的開花に適切な大きさになることを許容する。 開花に関する文献において、発達性開花経路は、環境変数の感知を含まないこ
とを示す自律性のものとしてしばしば言及される。しかしながら、自律性経路と
環境性経路とは全く異なるものではありそうもない。例えば、タバコの中日性種
は、特定数の節を生成した後に開花し、それゆえ完全に自律経路を経た開花に分
類することができる。しかしながら、移植の研究は、中日性及び光周期反応性の
タバコ種が類似の転位性開花シグナルに反応すること示している(Langら, Proc
. Natl. Acad. Sci., USA, 74, 2412-2416, 1977; McDanielら, Plant J., 9, 5
5-61, 1996)。したがって、これらの経路についての生化学の根底にある性状は
保存されていると考えられる。 いくつかの種についての遺伝子分析で、開花のタイミングに影響する遺伝子が
同定された。開花期遺伝子についての最も大規模な遺伝分析は、アラビドプシス
・サリアナ(Arabidopsis thaliana)に対して行われている。アラビドプシスに
おいて、開花期遺伝子は2つのアプローチにより同定された。1つのアプローチで
は、早咲き変種において開花期に影響する変異を誘導した。そのような変異は、
遅咲き又は早咲きのいずれかを引き起こすことができる。遅咲き変異は、野性型
の役割が開花の促進である遺伝子を同定し、早咲き変異は、開花を阻害する遺伝
子を同定する。アラビドプシスにおける研究は、その変異が開花期に特異的に影
響する20をこえる遺伝子座、及び、開花期だけではなく発達のその他の側面にも
影響するいくつかの遺伝子座(例えば、det2、cop1、ga1及びphyB)を同定した
(Koornneefら, Ann. Rev. Plant Physiols., Plant Mol. Biol., 49, 345-370,
1998; Weigel, Ann. Rev. Genetics, 29, 19-39, 1995)。 開花期遺伝子を同定するもう1つのアプローチは、天然の開花期変種の遺伝学
的基礎を決定することである。研究所で最も一般的に使用されるアラビドプシス
の変種は早咲き型であるけれども、ほとんどの変種は遅咲き型である。遅咲き型
変種は、開花を抑制する2つの遺伝子座 FRIGIDA(FRI)及び開花遺伝子座C(FLC)
に優性対立遺伝子を含んでいる点で早咲き変種とは異なる(Sandaら, Plant Phy
siol., 111, 641-645, 1996; Leeら, Plant Journal, 6, 903-909, 1994; Clark
eら, Mol. Gen. Genet., 242, 81-89, 1994; Koornneefら, Plant Journal, 6,
911-919, 1994)。
【0003】 開花期変異体及び天然の開花期変種についての生理学的研究は、アラビドプシ
スでは、複数の経路により開花が制御されることを示している(Koornneefら, A
nn. Rev. Plant Physiol, Plant Mol. Biol., 49, 345-370, 1998)。一群の遅
咲き変異体(fca、fpa、fve、fy、ld)並びに遅咲きFLC及びFRI対立遺伝子を含
む植物は、誘導性(長日)条件下では開花が遅延し、更に短日ではより激しく遅
延する。これらの遅咲き系統の春化は、遅咲き表現型を抑制することができる。
遅咲き変異体の別のグループ(co、fd、fe、fha、ft、fwa、gi)は、短日下で生
長したとき、長日と比較して開花期における差異はわずかであるか又は差異は存
在しないことを示す。更に、このグループは春化に対してほとんど反応しないか
又は全く反応しない。グループ内の二重変異体は、いずれかの単一変異体親より
も有意に遅く開花しない。一方、各グループにおける変異を含む二重変異体は単
一変異体親よりも遅く開花する(Koornneefら, Genetics, 148,885-92,1998)。
したがって、環境及び発達の合図に対する開花反応を媒介するパラレルな開花経
路が存在すると考えられる。光周期経路経路は長日における開花を促進する。文
献において(光周期反応がこの経路の変異により影響されないので)自律的と言
及される経路は、年齢、より詳細には植物が開花能を有するようになる発達段階
を制御すると考えられる。この経路の発達的役割についての最近の支持は、自律
的経路変異体が、変化、例えば若年から成体への移行が遅延することを示す毛状
突起パターンの変化を示すことの実証である(Telferら, Development, 124,645
-654,1997)。
【0004】 fca、fpa、fve、fy及びld対立遺伝子の変異、又は、優性の遅咲きFLC及びFRI
対立遺伝子の存在による自律的経路の遮断は、春化によりバイパスすることがで
きる(Koomneefら, Ann. Rev. Plant Physiol., Plant Mol. Biol., 49,345-370
, 1998)。したがって、FLC及びFRIは、春化に対する要求を作成する遺伝子とみ
なすことができる。その他の種、特にブラシカ(Brassica)は、アラビドプシス
と同様の「経路網」を有すると考えられる。この類似性は、ブラシカにおける開
花の優性サプレッサーと春化との間の関係について最も徹底的に分析された。脂
肪種子であるブラシカ・ナパス(Brassica napus)及びブラシカ・ラパ(B. rap
a)の一年生及び二年生品種間の主要な差異は、春化反応性開花期を制御する遺
伝子により与えられる(Osbornら, Genetics Society of America, 146,1123-11
29,1997)。ブラシカ・ラパ及びブラシカ・ナパスの一年生×二年生変種の隔離
集団における定量的形質遺伝子座(QTL)を比較することにより、ブラシカ・ラ
パ及びブラシカ・ナパスにおける春化反応性遅咲きを与える2つの主要なQTLは同
一であるらしいことが示された(Osbornら, Genetics Society of America, 146
,1123-1129,1997)。ブラシカ・ラパにおいて、2つの開花期QTLは組換え近交系
集団において分離され、開花期に最も影響するQTLはVFR2(vernalization-respo
nsive flowering time in rapa 2)であった。更に、VFR2はアラビドプシス由来
のFLCに対応すると考えられる。VFR2は、遅咲き対立遺伝子の早咲き一年生変種
への遺伝子導入の後にアラビドプシスとブラシカとの比較を許容するハイブリダ
イゼーションプローブを使用して、高解像度でマッピングされ、FLCに対応する
プローブのみがVFR2との組換え事象を検出しなかった(<0.44cm)。このことはV
FR2がFLC相同体であることを示している。 開花のタイミングは農業及び園芸において重要である。園芸作物における生産
物は、しばしは花である。食物、飼料作物又は繊維作物、例えば穀物、イネ、コ
ムギ、トウモロコシ、オオムギ及びカラスムギ並びに双子葉植物、例えばダイズ
、アブラナ及びワタ、ヒマワリ、トマト、ブロッコリー及びその他の豆科植物メ
ンバーにおいて、産物は、しばしば花又は開花の結果物、すなわち果実、種子又
は莢である。開花期の制御の分子的機序を理解することは、開花のタイミングを
変更する遺伝子操作により花、果実及び種子の生産を最適化する戦略を導くだろ
う。例えば、特定の作物において開花の開始を促進することは、成長時期がさも
なくば短すぎる地域における当該作物の生長、及び、現在一毛作が可能な地域に
おける多毛作を許容するだろう。 植物の非開花部分が有用な部分である作物も存在する。そのような作物の開花
を阻止する又は実質的に遅延させることは、前記の有用部分の収量を増加させる
だろう。開花を遅延又は阻止することが望ましい植物の例には、飼料作物、例え
ばアルファルファ及びクローバ、野菜、例えばキャベツ及び関連するブラシカ、
ホウレンソウ及びレタスが含まれる。地下部分を使用する作物、例えばサトウダ
イコン又はジャガイモにおいて、開花の遅延又は阻止は収量を増加させるだろう
。更に、サトウダイコンにおける開花の阻止は、より多くのエネルギーを糖産生
に振り向かせることを許容するだろう。同様に、木材及びバイオマス作物の収量
も開花の遅延により増加するだろう。したがって、開花期の制御についての分子
的機序を理解することの必要性及び有意な利点が存在する。
【0005】発明の概要 本発明は、開花の抑制における有意な制御因子の1つである開花遺伝子座C(F
LC)遺伝子についての遺伝子ファミリーを含んでいる。本発明は、これらの遺伝
子のDNA配列並びにこれらの遺伝子に由来する発現したポリペプチド及びタンパ
ク質を含んでいる。 更に本発明は、トランスジェニック植物であって、当該トランスジェニック植
物におけるFLCタンパク質活性のレベル又はタイミングに影響する導入遺伝子の
存在により、同種の非トランスジェニック植物から変更された開花特性を有する
植物にも向けられる。 本発明の目的は、植物種における開花のタイミングを変更することができる新
規な植物変種の作成者にツールを提供することである。開花のタイミングは、植
物中のFLC遺伝子レベルを変化させることにより、品種改良者の所望に依存して
早く又は遅くすることができる。 このことは、植物を非常に有用な方法で修飾することを許容する。開花は、開
花植物にとって重要な生理学的段階であるので、ある植物種において開花期を操
作する能力は、栄養生長又は植物による花形成を、場合により望ましいいずれか
を増加させることができる。 本発明のその他の目的及び特徴は、以下の詳細な説明及び添付図面から明らか
になるだろう。
【0006】発明の詳細な説明 本出願における開示は、植物遺伝子の開花遺伝子座C(FLC)ファミリーの遺伝
子のヌクレオチド及びタンパク質配列に向けられる。後述するように、一般に植
物はそのゲノム中に1つ以上のFLC遺伝子を有していることが明らかになった。し
かしながら、FLC遺伝子は類似かつ相同である。本明細書では、これらの遺伝子
を使用して変更された開花特性を有するトランスジェニック植物を作成すること
ができることが開示される。本明細書に記載されるFLC遺伝子についての知識を
用いて、FLC活性を抑制することによりトランスジェニック植物の開花期を進め
ること、及び、植物中のFLC活性を増加させることにより遅延した開花期を遅延
させることが可能になる。したがって、本発明は、品種改良者及び創作者に、作
物植物の開花期特性を品種改良者の要求によりしたがうようにする唯一のツール
を提供する。 以下に示すのは、いくつかのFLC遺伝子についてのヌクレオチド及びアミノ酸
配列である。本発明を生みだした研究は、アラビドプシス・サリアナ由来の遺伝
子(本明細書ではFLC1と称する)の単離及び配列決定から開始した。その情報及
びその他の遺伝情報(それらの内のいくつかについては以下で検討する)を使用
して、いくつかのその他の遺伝子を発見した。アラビドプシス(全ての植物の中
で最も小さいゲノムの1つを有するため、植物遺伝子研究で最も広範に研究され
ている)は、少なくとも3つのFLC遺伝子(本明細書ではFLC1、FLC2及びFLC3と称
する)を有することが判明した。アラビドプシスにおいて見出された3つのFLC遺
伝子からの情報を使用して、今までに、ブラシカ由来の2つのFLC遺伝子を同定し
た。これらの遺伝子は、その他全ての植物FLC遺伝子により共有されるであろう
いくつかの特徴を有している。 FLC遺伝子はMADSボックス遺伝子と称する遺伝子のカテゴリーの一部分である
。MADSボックスは、進化的に関連する転写因子のグループにより共有される高度
に保存されたモチーフである。MADSの名称は、共通のMADSボックスドメインを共
有するものとして最初に同定されたオリジナルの遺伝子についての頭字語である
。これまでに同定された多数のMADSボックス遺伝子が存在し、これらの遺伝子を
サブグループへ更に組織化する研究が進行中である。植物において、MADSボック
ス遺伝子は、構造的発達を含む植物発達の多くの側面に影響することが知られて
いる。本発明で同定されたFLC遺伝子のうちの2つ(アラビドプシスFLC2及びFLC3
)は、アラビドプシスゲノム配列決定の努力の一部として既に同定されていた。
しかしながら、その機能は知られていなかった。
【0007】 Martin Yanofsky 及び Elena Alvarez-Buylla, UC San Diegoにより最初に蓄
積されたデータを使用する図1は、アラビドプシス及びトウモロコシから今まで
に同定されたMADSボックスタンパク質間における関係の関連の程度の系統樹図で
ある。同定された3つのFLC遺伝子は全て、その他全てのMADSボックス遺伝子との
関連よりもより密接に互いに関連していることに留意すべきである。 アラビドプシス・サリアナ由来のFLC1、FLC2及びFLC3並びにブラシカ・ラパ由
来のBrFLC1A及びBrFLC1BについてのcDNA配列及び演繹されたアミノ酸配列を、後
述の配列表において示す。更にいくつかの配列比較データも後述する。このデー
タは、アラビドプシス由来のFLC1及びFLC2遺伝子は、全長の60%が同一であり、
更にMADSボックス領域の外側の全領域が50%をこえて同一であることを示してい
る。後者の比較はより重要である。なぜなら、全てのMADSボックス遺伝子が、MA
DSボックス領域自体に比較的高度な保存性を有しているからである。この分析の
目的のために、MADSボックス領域を、タンパク質配列のアミノ末端の最初の60ア
ミノ酸であるとみなす。この程度の配列類似性はは種をこえて維持されているら
しい。ブラシカの遺伝子BrFLC1A及びBrFLC1Bは、FLC1がFLC2と同一である以上に
FLC1と実際に同一である。FLC2のブラシカ遺伝子に対する同一性は、MADSボック
スの外側で50%よりもわずかに小さく、FLC遺伝子ファミリーの変異体の中では、
アミノ酸レベルの同一性は通常40%よりも高いと考えられている。したがって、M
ADSボックス領域の外側での40%をこえるアミノ酸同一性は、FLC遺伝子ファミリ
ーのメンバーであることの1つの指標である。 再び図1の系統チャートに注目する。同定されたアラビドプシス由来の3つのFL
C遺伝子は、その他全てのアラビドプシスMADSボックス遺伝子に対してよりもよ
り密接に互いに関連していることは重要である。植物によって使用されるMADSボ
ックス遺伝子の完全スペクトルは既知であると考えられるので、(ほとんど完了
したゲノム配列決定の試みより、少なくともアラビドプシスにおいては)、一般
に入手可能な配列決定分析及びマッチングソフトウェアを用いて、図1に示され
る遺伝子のMADSボックスファミリーメンバーに対する新規に配列決定された遺伝
子の関連性の地図を作製することができる。FLC遺伝子ファミリーのメンバーは
、系統学的分析により、アラビドプシス由来のその他全てのMADSボックス遺伝子
よりもアラビドプシスFLC1、FLC2又はFLC3に近いとマッピングされる遺伝子であ
る。
【0008】 ある遺伝子がFLC遺伝子ファミリーのメンバーであることを確認する方法は、
植物の開花のタイミングへの影響についてその遺伝子を試験することである。後
述の実施例は、FLC遺伝子が実際にトランスジェニック植物において開花の遅延
に作用していることを実証する試験である。モデルとしてアラビドプシスを用い
ることにより、可能性のあるFLC遺伝子のトランスジェニック植物における類似
の効果を試験することにより、別の植物種由来の推定上のFLC遺伝子を確認する
ことができる。 このツールが可能にするものは、植物の開花期の変更であることは強調される
べきである。FLCの正常な機能は開花を遅延又は阻害することである。しかしな
がら、FLC遺伝子の遺伝子配列の有効性は、植物の開花期をいずれかの方向に変
更させることを可能にする。いくつかの技術が、内在性植物遺伝子発現の下方制
御又は上方制御に対して実用的であることが知られている。遺伝子発現を下方制
御するために、遺伝子のコード配列のアンチセンスバージョンを植物に導入する
ことができ、又は、人工遺伝子構築物の植物への挿入が時折、挿入遺伝子とこれ
に相同なその他の遺伝子との両方の抑制を引き起こすことによるほとんど理解さ
れていない現象である同時抑制により遺伝子発現レベルを低下させることができ
る。植物遺伝子を上方制御するために、過剰の遺伝子コピーを、好ましくは植物
ゲノムの生殖系列形質転換により、及び、選択した植物プロモーター強度及び特
徴を適切に選択することにより植物へ導入することができ、植物の細胞及び組織
において天然遺伝子により産生されるタンパク質の活性レベルを増加させること
ができる。 植物の遺伝子操作技術は、すべての遺伝子構築物をほぼ全ての有用な植物種中
へ置くために実用的であるという地点まで発達している。しかしながら、この方
法はいくつかの無作為の過程、その代表は外来DNAの植物ゲノムへの挿入が植物
ゲノムの無作為の部位で起こるとを依然として含むことである。結果として、植
物の形質転換過程から発生する植物の全てのグループにおいて、異なる遺伝子挿
入事象について達成される結果は、時折、劇的に変化するだろう。例えば、内在
性植物遺伝子の別コピーの単一遺伝子挿入について、生成する多数の植物の内在
性タンパク質活性レベルはわずかに高いが、その他のタンパク質は測定可能な変
化を有しないか又は測定可能な活性において減少し、一方、いくつかの植物は活
性レベルが実質的に増加するだろう。しかしながら、この変動は安定した結果を
達成することができないことを意味するものではない。なぜなら、この結果は、
各々の特定の遺伝子挿入に対する一貫したジェネレーション・トゥ・ジェネレー
ション(generation-to-generation)である傾向にあるからである。したがって
、高活性植物は、事実上、その子孫へのメンデル遺伝により伝達することができ
る高活性対立遺伝子を有する。
【0009】 当業者に知られているように、トランスジェニック植物を作成するためには、
植物中で外来性又は内在性の挿入タンパク質コード配列を発現することができる
遺伝子構築物を作成する必要がある。更に、前記遺伝子構築物を植物へ挿入する
方法も必要である。 植物中でタンパク質を発現する遺伝子構築物の作製するためのツール及び技術
は、現在広範に知られている。植物細胞中でのポリペプチド又はタンパク質の合
成を引き起こすことを意図する全ての遺伝子構築物は、得られる植物中で生産さ
れるポリペプチド又はタンパク質の配列を特定しているタンパク質コード配列と
して知られるDNA配列を含まなければならない。タンパク質コード配列を植物中
で発現させてポリペプチド又はタンパク質を生成するために、当該配列は植物の
発現可能なプロモーターの制御下に置かれ、かつ、ポリアデニル化配列としても
知られる植物の転写終結配列へと続かなければならない。植物の発現可能なプロ
モーターは、植物中で機能する、通常は植物起源又はウイルス(例えば、カリフ
ラワーモザイクウイルス)若しくは細菌(例えば、ノパリンシンターゼプロモー
ターの様なアグロバクテリウムのプロモーター)の様な植物病原体に由来するプ
ロモーターである。病原体由来の植物プロモーターは構成的プロモーターである
傾向にある。このことは、これらのプロモーターが全ての植物組織中でいつでも
タンパク質コード配列を実際に発現させることを意味する。その他の植物プロモ
ーターは組織特異的(例えば、果実又は花に特異的)又は発達的に特異的(例え
ば、新生(emergent)特異的又は老化特異的などの植物のライフステージに特異
的)であり、その他は誘導性(例えば、熱ショック又は金属イオン誘導性プロモ
ーター)である傾向にある。これら全てのタイプのプロモーターは、生成するト
ランスジェニック植物に対して意図する効果に依存して、本発明の実施に使用さ
れるだろう。 全ての遺伝子構築物が、トランスジェニック植物の細胞中でポリペプチド又は
タンパク質の生成を意図するものではない。操作の目的が植物中で標的蛋白質の
活性レベルを低下させることにある場合、遺伝子構築物は、植物中でタンパク質
を生成することなしにタンパク質活性の内在レベルを低下させることを意図した
ものであることができる。この目的を達成するための周知の方法は、アンチセン
ス技術の使用によるものである。アンチセンス技術では、標的遺伝子の発現の間
に作成されるmRNAのある部分に相補的なmRNA鎖を植物細胞中で合成する遺伝子構
築物を作成する。アンチセンスRNAは、標的mRNAの翻訳を妨害し、影響された植
物細胞中では少量のタンパク質が生成される。
【0010】 幾つかの方法が、遺伝子を植物へ挿入し、その植物をトランスジェニックにす
ることが証明されている。最も広範に使用され、広く定義されている方法は、ア
グロバクテリウム媒介形質転換又は加速粒子媒介形質転換である。アグロバクテ
リウム媒介植物形質転換の種々の技術は、DNAを細菌中のプラスミドから植物細
胞のゲノムへ移行させるアグロバクテリウム属の植物病原体の天然の能力を利用
している。粒子媒介植物形質転換技術は、しばしば遺伝子銃と呼ばれる装置から
植物細胞中へ加速されたDNAをコーティングした小さい担体粒子を利用する。い
ずれのアプローチの完全な実行は、形質転換細胞から完全に成熟した形態学的に
正常な植物を回復する技術を必要とする。それゆえ、これらの技術は、どの植物
細胞が形質転換したかを同定する選択又はスクリーニングプロトコル及び単一の
形質転換細胞から全植物を回復する再生プロトコルを含んでいる。前述の通り、
これらの技術は、多数の植物種及び多数(おそらくは全て)の経済的に重要な植
物種について成功している。その他の技術、例えばエレクトロポレーションなど
はトランスジェニック植物の作成に使用されてきている。しかしながら、本質的
に本明細書に開示される発明については、特定の植物形質転換技術は重要なこと
ではない。一度、植物が遺伝子的に操作されて、トランスジェニック植物が作成
されると、元の植物の形質転換方法は無関係になる。ある植物ゲノムに挿入され
た導入遺伝子は、古典的な植物育種の一般的な法則により、元の遺伝子操作植物
の子孫植物によって完全に遺伝可能である。本明細書で使用される導入遺伝子と
いう用語は、標的植物の細胞に保持される挿入遺伝子構築物に適用するために使
用される。したがって、本明細書で使用されるトランスジェニック植物という用
語は、前記の導入遺伝子を保持する植物を意味する。 植物遺伝子である、FLC遺伝子のセットについての情報が本明細書で開示され
る。これらの遺伝子は天然又は改変された状態で植物中に既に存在しているが、
本明細書の開示はこれらの遺伝子の単離された形態についての最初の開示である
と考えている。単離された形態とは、遺伝子が宿主植物から単離されていること
を意味する。現在、これらの遺伝子からの情報は、当該遺伝子及びそれらの構成
部分をインビトロで操作して幾つかの用途のための遺伝子構築物を作成するため
に利用可能になっている。1つの企図される用途はトランスジェニック植物の作
成である。別の企図される用途は、トランスジェニック植物及び非トランスジェ
ニック植物を診断及び分析して、所望の開花期特性を有する植物の育種又は作成
の援助としてFLC遺伝子活性のパターンを分析及び決定することである。
【0011】 例えば、後に詳述するように、FLCの変異の結果としてFLC活性を欠く植物は、
活性なFLC対立遺伝子を含む植物よりも非常に早く開花する。野性型のFLC活性を
有する植物は、FLC活性が低下した植物よりも約6倍多い数の葉を有する。更に、
正常レベルよりも高いFLCを発現するように遺伝子操作された植物は、実質的に
遅延した開花を示す。後に示す実施例では、遺伝子操作における単純性のためア
ラビドプシスで行ったが、同一の技術は他の植物種で機能するだろう。実際、FL
C遺伝子間での高い配列同一性は、1つの植物種に由来するFLC遺伝子ファミリー
のメンバーが一般的に他の植物種においても機能することを示している。 開花期制御FLC遺伝子は、植物における花芽形成のリプレッサーである。FLCの
花芽形成ポリヌクレオチド断片は、花芽形成の制御における中心的役割を果たし
ていると考えられる。なぜなら、開花を制御する他の遺伝子は、この遺伝子の活
性を制御することにより作用するからである。しかしながら、この遺伝子は、植
物における開花期を決定する唯一の因子ではない。例えば、FRIGIDA(FRI)と命名
される遺伝子座は、FLCと相乗的に作用する開花のコリプレッサーであることが
示されている(Leeら, Plant Journal, 6,903-909,1994.)。逆にいえば、開花
を促進するために作用する遺伝子LUMINIDEPENDENSは、FLCレベルを減少させるこ
とにより作用する。LUMINIDEPENDENS活性を欠き、開花が遅延した変異体では、F
LCレベルは実質的に増加する。したがって、花芽形成制御因子は、花芽形成の時
期を制御する信頼のおける手段である。 更にFRIがFLCレベルを上昇させるように作用することを発見した。実際、FLC
及びFRIの2つの遺伝子は、相互作用して遅咲きを引き起こす2つの優性対立遺伝
子である。慣習的な命名法を使用すると、小文字(例えば、fri、flc)は劣性又
は不活性の対立遺伝子を意味し、大文字(例えば、FRI、FLC)は活性な優性対立
遺伝子を意味する。両方の優性対立遺伝子が遅咲きを達成するために通常必要と
される。したがって、早咲きになる植物は、fri/fri 及び flc1/flc1; fri/fri
及び FLC1/flc1; fri/fri 及び FLC1/FLC1; FRI/fri 及び flc1/flc1; 並びに F
RI/FRI 及び flc1/flc1の遺伝子の組合せを含んでいる。遅咲きになる遺伝子の
組合せは、FRI/fri 及び FLC1/flc1; FRI/FRI 及び FLC1/flc1; FRI/fri 及び F
LC1FLC1; 並びに FIR/FRI 及び FLC1/FLC1であろう。したがって、FLC1の変異形
態についての非トランスジェニック系統の試験においては、未知の活性を有する
FLC1対立遺伝子を含む植物と、活性なFLC1対立遺伝子の存在を明らかにする(又
は明らかにしない)ためのFRI対立遺伝子を含む、好ましくはFRI対立遺伝子にホ
モ接合性な試験系統とを交雑することが好都合である。
【0012】 植物の生存期間は少なくとも2つの期、即ち栄養期及び生殖期に分割すること
ができる。商業的に重要な作物植物のほとんどにおいては、栄養期の間、植物は
、大きさ及び植物に存在する葉の数の増加を含む生長を続ける。生殖期は花芽形
成で開始する。その時、植物の更なる生長のほとんどは、花、果実及び種子の生
長(又は発達)である。商業的に重要な作物植物は、植物が収穫される準備にあ
る時期についての均一性を含む所望の特性について育種されてきた。これにより
、同一条件下で生長した植物集団において各植物に存在する葉数の高い均一性が
生じた。存在する葉数の均一性のために、花芽形成の時期の変更は、しばしば、
植物の葉数の関数として測定することができる。例えば、植物中で花芽形成が早
期に活性化される場合、その植物は、花芽形成を早期に活性化しない同一条件下
で生長した同一植物と比較して葉数が少なくなるだろう。更に、花芽形成を早期
に活性化する植物は、花芽形成を早期に活性化しない同一条件下で生長した同一
植物と比較して栄養期が短くなるということができる。花芽形成期の変更は時間
の関数としても測定することができる。同様に、植物が花芽形成を遅く受けるよ
うに花芽形成が抑制される場合、その植物は、花芽形成が遅くまで抑制されない
同一条件下で生長した同一植物と比較して多くの葉数を有するだろう。更に、花
芽形成を抑制する植物は、花芽形成を抑制しない同一条件下で生長した同一植物
と比較して長い栄養期を有するといわれるだろう。花芽形成時期の変更は、時間
の関数として測定することができる。 FLC遺伝子のコピーを導入する植物は、花芽形成を抑制するために作用する野
性型の(即ち、内在性の)開花期制御コード領域を更に含んでいてもよい。植物
ゲノムへ導入すると、FLC遺伝子は内在性開花期制御コード領域の活性を増大さ
せ、花芽形成の遅延を起こすことができる。例えば、開花期制御コード領域の第
二のコピーを植物に導入して、植物中に存在する開花期制御FLCタンパク質の量
を増加させることができる。開花期制御コード領域の一部によりコードされるFL
Cタンパク質の一部の発現は、植物の開花の活性化も誘導することができる。植
物の開花の活性化を誘導するポリペプチドの一部分は、ドミナントネガティブ変
異体とも呼ばれ、本明細書で更に記載される。
【0013】 更に本発明は、花芽形成の時期が変更された表現型形質を有するものとして特
徴付けられる、遺伝子的に修飾された植物も提供する。このことは、新規又は追
加のFLCタンパク質を植物中で発現するFLC遺伝子を組み込む、又は、植物中の内
在性FLC遺伝子の活性を阻害することにより修飾された本発明の修飾植物は、挿
入された導入遺伝子を有しない同一植物と比較して花芽形成の開始までの期間が
異なることを証明することを意味する。好ましくは、トランスジェニック植物に
おける(平均的)花芽形成は、導入遺伝子を有しない同一植物における花芽形成
後、少なくとも約3日後、好ましくは少なくとも約7日後、特に好ましくは少なく
とも約12日後に起こる。代替として、トランスジェニック植物における(平均的
)花芽形成は、導入遺伝子を有しない同一植物における花芽形成前、少なくとも
約3日前、好ましくは少なくとも約7日前、特に好ましくは少なくとも約12日前に
起こる。好ましくは、遺伝子的に修飾された植物及び導入遺伝子を有しない同一
植物は同一条件下で生長する。以下に示すアラビドプシス植物からの実際のデー
タは、3週間から3ヶ月又は逆の植物開花期の非常に劇的な変化が可能であること
を示している。 導入遺伝子を有しない同一植物と比較して植物の開花期の開始までの異なる長
さの期間は、遺伝子的に修飾された植物の花芽形成時における葉数及び導入遺伝
子を有しない同一植物の花芽形成時の葉数との間の差異を決定することにより測
定することもできる。好ましくは、トランスジェニック植物は、花芽形成時にお
いて導入遺伝子を有しない同一植物よりも少なくとも約10%よりも多く、好まし
くは少なくとも約50%よりも多く、特に好ましくは少なくとも約80%よりも多い葉
数を示す。代替として、トランスジェニック植物は、花芽形成時において導入遺
伝子を有しない同一植物よりも少なくとも約10%少ない、好ましくは少なくとも
約50%よりも少ない、特に好ましくは少なくとも約80%よりも少ない葉数を示す。
好ましくは、遺伝子的に修飾された植物及び導入遺伝子を有しない同一植物は同
一条件下で生長させる。
【0014】 本発明の1つの態様では、アラビドプシス・サリアナ由来の遺伝子である開花
遺伝子座C(FLC)のコード領域を表すヌクレオチド配列又はこの一部及びFLC遺
伝子の配列の突然変異体(allelic variant)及び他種由来のFLC遺伝子のコード
領域の相同体を有するポリヌクレオチドを含む核酸分子が提供される。相同性は
、核酸ハイブリダイゼーション技術、データベースのコンピュータ検索、アミノ
酸及び核酸配列のコンピュータ又はマニュアルでの比較並びにFLC特異的抗体を
使用したタンパク質検出(これらの技術に限定されるものではない)により決定
することができる関連性である。2つのヌクレオチド配列を整列化して、対応す
る残基の百分率が同一になる場合、これらの配列は「類似」である。好ましくは
、2つのヌクレオチド配列は約31%、好ましくは少なくとも約50%、更に好ましく
は少なくとも約70%、特に好ましくは少なくとも約80%より高い同一性を有してい
る。 したがって、本発明は、植物遺伝子のFLCファミリーのメンバーであり、かつ
以下に示すFLC1の配列と有意なレベルで一次構造を共有する遺伝子及びタンパク
質を含んでいる。2つのアミノ酸配列(即ち、FLC1及びその相同体のアミノ酸配
列)を整列化し、MADSドメインを構成する残基、即ちアミノ酸1〜60をその領域
で整列化し、次いで2つのアミノ酸配列の全長を当該配列の長さに沿って共通に
有するアミノ酸の数を最大にするように更に整列化する。両方又はいずれかの配
列におけるギャップは、MADSドメインの残基を見当の合った位置に置くため及び
共有アミノ酸の数を最大化するために整列化の作成時に許容される。ただし、そ
れにもかかわらず各配列のアミノ酸はその適切な順番を残していなければならな
い。アミノ酸の同一性の百分率は以下の2つの数:(a)2つのアミノ酸配列が整
列内で共通して有するアミノ酸の数をFLC1のアミノ酸の数で割り、これに100を
乗じた数、又は(b)2つのアミノ酸配列が整列内で共通して有するアミノ酸の
数を候補ポリペプチドのアミノ酸の数で割り、これに100を乗じた数の高さ(hig
her)である。好ましくは、開花期制御ポリペプチドは、FLC1タンパク質の全長
に対して40%よりも高い同一性、好ましくは少なくとも約50%の同一性、特に好ま
しくは少なくとも約70%の同一性を有している。
【0015】 配列の相同性又は同一性は、ヌクレオチドレベルではさほど重要ではない。当
業者によって十分に理解されるように、遺伝子コードの縮重は、同一のアミノ酸
配列をコードする多数のDNAタンパク質コード配列を許容する。更に、種々のク
ローニングについての便宜上の理由のため、又は、コドンの使用又は標的植物に
おける嗜好性の理由のため、得られるタンパク質のアミノ酸配列を変更すること
なしに、植物発現カセットの製作の一部として天然タンパク質コード配列を変更
することも可能でありかつ一般的である。 本発明の単離された核酸は、種々の方法により得ることができる。例えば、当
該技術分野において周知の手順を使用して単離することができる。これらの技術
には、(1)類似の核酸配列を検出するための、いずれか1つのFLC遺伝子の全体
又は一部を表す検出可能に標識されたプローブと、ゲノム又はcDNAライブラリー
とのハイブリダイゼーション、(2)類似の構造上の特徴を検出するための発現
ライブラリーの抗体スクリーニング、(3)ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によ
る合成及び(4)核酸分子の化学合成が含まれるが、これらに限定されるもので
はない。遺伝子の特定のコード領域に対する配列は、アメリカ国立衛生研究所の
コンピュータデータベースであるGenBankで見出すこともできる。次いでコード
領域を単離し、後述するベクターに連結することができる。 検出可能に標識されたプローブを用いた単離核酸分子の同定、又は、FLC1とハ
イブリダイズする相補物を有するポリヌクレオチド断片の同定のための、標準的
なストリンジェンシーハイブリダイズ条件は、Church ら(Proc. Natl. Acad. S
ci. USA, 81,1991 1984)により使用される条件を修正したものであり、0.5M リ
ン酸緩衝液、pH7.2、7%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、10mM EDTAを含む溶液
中、45℃で12時間インキュベートし、次いで2×SSC(1×SSC:150mM NaCl/15mM
クエン酸ナトリウム、pH7.0)及び0.1% SDSを含む溶液中、45℃で20分間の洗浄
を3回行う。好ましくは、ポリヌクレオチド(例えば、プローブ)は、標準的な
ストリンジェンシーハイブリダイズ条件下、配列番号1に示されるヌクレオチド
配列とハイブリダイズするだろう。一般的に、ポリヌクレオチド(例えば、プロ
ーブ)は、前記の条件下でハイブリダイゼーションが起こる限り、ポリヌクレオ
チド断片の全てのヌクレオチドと相補的である必要はない。代替として、例えば
ハイブリダイゼーション及び洗浄工程の温度を65℃、60℃、55℃又は50℃に上昇
させることにより高いストリンジェンシー条件を使用することができる。更に、
ハイブリダイゼーションに必要とされる時間の長さは、前記の12時間から変更す
ることができる。典型的には、低ストリンジェンシーハイブリダイズ条件は、関
連するが同一ではないFLC遺伝子のハイブリダイズを許容し、これにより他の種
のFLC遺伝子を同定することができる。好ましくは、ハイブリダイゼーション及
び洗浄の温度は、好ましい順番で68℃でハイブリダイゼーション及び65℃で洗浄
、60℃でハイブリダイゼーション及び洗浄、55℃でハイブリダイゼーション及び
洗浄、50℃でハイブリダイゼーション及び洗浄であり、特に好ましくは45℃でハ
イブリダイゼーション及び洗浄である。
【0016】 本発明に含まれる植物は、形質転換技術を受け入れることができる全ての顕花
植物であり、単子葉植物及び双子葉植物の両方が含まれる。単子葉植物の例とし
ては、アスパラガス、タマネギ及びニンニクなどの野菜、トウモロコシ、オオム
ギ、コムギ、イネ、モロコシ属植物、パールミレット、ライムギ及びカラスムギ
などの穀物、並びに飼料用牧草及び芝草などの草が含まれるが、これらに限定さ
れるものではない。双子葉植物の例には、トマト、マメ、ダイズ、コショウ、レ
タス、エンドウマメ、アルファルファ、クローバ、ブラシカ種(例えば、キャベ
ツ、ブロッコリー、カリフラワー、メキャベツ、アブラナ及びダイコン)、ニン
ジン、テンサイ、ナス、ホウレンソウ、キュウリ、カボチャ、メロン、カンタロ
ープ、ヒマワリなどの野菜、飼料及び油料作物、ワタなどの繊維作物並びに花及
び灌木などの種々の観賞植物が含まれるが、これらに限定されるものではない。 後述の実施例では、増加したFLC発現は開花を遅延又は妨害し、FLC機能の喪失
は開花の促進を引き起こすことを実証しているけれども、開花期を変更するため
にFLC発現を変更するその他の明らかな方法が存在する。例えば、開花期制御ポ
リペプチドのドミナントネガティブバージョンをコードする導入遺伝子は、植物
ゲノムへ導入することができるだろう。ドミナントネガティブ変異体は、正常な
内在性タンパク質の機能を活性的に妨害するタンパク質である。したがって、遺
伝子の作用を、構造遺伝子自体又はそのRNAを不活性化することなしにブロック
することができる。このストラテジーは、FLCと同一のMADSドメインファミリー
における転写因子に対して成功している(Gauthier-Rouviereら, Exp Cell Res,
209,208-215,1993; Mizukamiら, Plant Cell, 8,831-845,1996)。MADSボック
ス遺伝子を使用したドミナントネガティブを作成する実験において、最も効果的
な構築物は、ポリペプチドのC末端ドメインを欠くものであった。ほとんどのMA
DSボックス遺伝子と同様に、FLCは同一の基本的組織を共有するので、類似のC
末端切断はFLCについても有効であろう。この切断は、完全なFLC1タンパク質の
アミノ酸1〜150を含んでおり、これはFLC1遺伝子のヌクレオチド1〜450に対応す
る。 前記の開示は本発明を一般的に記述したものである。より完全な理解は、以下
の特定の実施例を参照することにより得ることができる。実施例は説明のみを目
的としたものであり、発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【0017】実施例 実施例1 FLC機能の喪失は早咲きを引き起こす アラビドプシスにおける天然の遅咲きは、主に2つの優性遺伝子FLC1(Leeら,
Plant Journal 6,903-909 1994; Koornneefら, Plant Journal 6,911-919 1994
)及びFRIGIDA(FRI)(Leeら, Mol Gen Genet 237,171-176 1993; Clarke 及び
Dean. Mol Gen Genet 242,81-89 1994)の相互作用により引き起こされる。本
発明者等は、FRIの遅咲き表現型は、アラビドプシスのLandsberg erecta(Ler)株
において、FLC1遺伝子の劣性対立遺伝子により抑制されることを実証した(Lee
ら, Plant Journal 6,903-909 1994; Koornneefら, Plant Journal 6,911-919 1
994)。同様に、遺伝子LUMINIDEPENDENS(LD)における変異により引き起こされる
遅咲きも、Lerバックグラウンドにおいて、FLC1のLer対立遺伝子により抑制され
る(Leeら, Plant Journal 6,903-909 1994; Koornneefら, Plant Journal 6, 9
11-919 1994)。FLC1のLer対立遺伝子のldにおけるFRI及び変異の遅咲き表現型
を抑制する能力が、FLC1の機能喪失変異により説明されるか否かを決定するため
に、アラビドプシスの変異誘発集団を作成し、flc1変異を含む植物についてスク
リーニングした。1回の変異誘発において、5000の遅咲きld変異植物(ld-3)を
エチルメタンスルホネートで変異誘発した。この集団からスクリーニングした50
000のM2植物から、相補性試験においてLerバックグラウンドで見出されるFLC1の
劣性対立遺伝子に対する対立遺伝子であることが証明された1つの早咲き植物を
単離した。Columbia (Col)バックグラウンドにおける遅咲きFRI対立遺伝子につ
いてホモ接合性である遅咲き系統を用いて、第二のスクリーニングを行った。90
000の種子を5〜6kradの高速中性子照射で処理した。300000のM2植物を早咲きに
ついてスクリーニングし、4つの新規なflc1対立遺伝子を単離した。 4つの誘導した対立遺伝子において損傷を決定した。3つの高速中性子Flc1対立
遺伝子の早咲き表現型についてのデータを表1及び2に示す。4つすべてのFlc1対
立遺伝子が、機能の全損失を引き起こすと予想される変異を含んでいた。要約す
ると、FLC1遺伝子の機能の喪失は、長日及び短日の両方においてFRIの遅咲き作
用を完全な抑制を引き起こす。FRIを含まない早咲きのバックグラウンドでは、F
LC1遺伝子機能の喪失のみが、短日条件下での開花期に影響する。したがって、
野性型又は活性なFLC1は、明らかに開花の阻害剤として作用している。
【0018】表1 FRIを含む遅咲きバックグラウンドにおけるflc1機能喪失変異の影響 *カッコ内の数は、一標準偏差(one standard deviation)を表している。開花
前に形成した葉数は開花期の尺度である。したがって、FRI含有バックグラウン
ドにおいて、Flc1変異植物は、一貫してFLC1含有野性型植物の1/6の時間で開花
する。表2 非FRI含有早咲きバックグラウンドにおけるflc1機能喪失変異の影響 *カッコ内の数は、一標準偏差を表している。開花前に形成した葉数は開花期の
尺度である。 本実施例に記載する系統は、Arabidopsis Biological Resource Center, Colu
mbus, OHより入手した。特に述べない限り、生長条件は一般的に知られているも
のであり、当業者により使用されているものであった。花芽形成に対する春化の
影響により、生長条件は低温(例えば0〜8℃)への長期間の曝露を含んでいなか
った。アラビドプシス・サリアナを遺伝子的に分析するために使用した技術は当
業者に知られている(例えば、Koornneefら, Genetic Analysis, In:"Arabidops
is Protocols,"Methods in Molecular Biology Series, vol. 8, Martinez-Zapa
terら, (eds.), Humana Press, Totowa, New Jersey, pp. 105-227,1998を参照
のこと)。
【0019】実施例2 位置クローニングによるFLCの単離 FLC1の高解像度マッピング及び位置クローニングに有用な隔離集団を生成する
ために、Ler(fri/fri;flc1/flc1)とCol(fri/fri;FLC1/FLC1)とを交雑して生成し
たF1植物を、LerのFRIを含む試験系統(FRI/FRI,flc1/flc1)と交雑した。この試
験系統はFRIの遅咲き対立遺伝子を含んでいるが、flc1-Ler対立遺伝子も含んで
おり、それゆえ早咲きである。遅咲きと早咲きが1:1で分離するF1とLerのFRIと
の交雑の子孫は、FLC1-Colが存在するとき(即ち、FRI/fri;FLC1/flc1)はFRIと
FLC1との間の相互作用のため遅咲きであったが、flc1-Lerの存在下(即ち、FRI/
fri;flc1/flc1)では早咲きであった。試験した交雑子孫(4500の植物)を、FLC
1に隣接することが既に示されている(Leeら, 1994b)マイクロサテライトマー
カーnga158及びnga151を用いてスクリーニングした(Bell 及び Ecker,1994)。
次いでnga158及び151との間の組替え事象を含む植物を、第三のマイクロサテラ
イトマーカーnga249を用いて試験し、FLC1がnga249及びnag151との間に存在して
いることが明らかになった。 nga249とnga151との間の領域は、4つの酵母人工染色体(YAC)クローンに含ま
れていた。追加のマーカーを生成するために、YACエンドクローンのDNA配列を決
定し、Ler及びColから対応の配列を増幅するためのプライマーを設計した。Ler
及びCol由来のDNAを配列決定し、単一のヌクレオチド変化を同定した。次いでこ
れらのDNAを使用して誘導切断増幅多型配列(derived cleaved amplified polym
orphic sequence)(dCAPS)マーカーを作成した(Michaels 及び Amasino, 199
8; Neffら, 1998)。YAC CIC1B8の左端及び右端に由来するマーカーは、FLC1の
いずれの側において組替え事象を検出した。このことは、FLC1がCIC1B8によりス
パンされる620kbのインターバルに存在していることを実証している。 13 BAC、TAC及びP1クローンのグループは、CIC1B8にわたるKazusa アラビドプ
シスゲノムプロジェクトにより同定された。これらのクローンは長さ約70〜100k
bの挿入部分を有しており、これを、高速中性子誘導flc1変異を含む植物由来のE
coRV消化DNAを用いたDNAブロットにおいてプローブとして使用した。K6M1及びMY
B9と命名した2つの重複するクローンは、flc1-2においていくつか削除されたバ
ンドを検出した。Sau3A1で部分消化して得たK6M1及びMYB9の10〜20kbのランダム
な断片を使用してバイナリーベクターpPZP211(Hajdukiewiczら, 1994)中でラ
イブラリーを作成し、このライブラリー由来の個々のクローンを使用してLer系
統のFRIを形質転換した。ライブラリーをColバックグラウンド由来のDNAを用い
て構築した。このライブラリーはFLC1の遅咲き対立遺伝子を含んでいる。したが
って、FLC1のCol対立遺伝子を含む構築物で形質転換したLer植物のFRIは遅咲き
であろう。このライブラリー由来のクローンの1つ、211-31は、非常に遅咲きのT 1 植物を生成した。3分の1をこえる植物が、成長8ヶ月後に開花することなしに老
化した。
【0020】 配列決定により211-31において3つの推定遺伝子が明らかになった。どの遺伝
子がFLC1を表すかを決定するために、3つの候補遺伝子を、2つの追加の高速中性
子flc1対立遺伝子、flc1-3及びflc1-4並びに1つのEMS生成対立遺伝子flc1-1から
試験した。両方の高速中性子線対立遺伝子は、MADSボックス転写因子から得られ
るバンドにおいて多型性を示した。flc1-1、flc1-3及びflc1-4のDNA配列決定は
、全てがMADSボックス転写因子の第一のエクソンに障害を含んでいることを明ら
かにした。flc1-3は、開始コドンを除去する104bpの欠失を含み、flc-4は最初の
20アミノ酸の後にフレームシフトを生じる7bpの欠失を含んでいる。flc1-1は、
保存されたGT供与部位をATに変化させ、おそらくはスプライシングを破壊する第
一のエクソン/イントロン接合点における単一塩基転移を含んでいる。FLC1のcD
NAはRT-PCRによりColバックグランドから単離した。配列は後述の配列表に示す
実施例3 遅咲きトランスジェニックアラビドプシスの生成 開花期の変更におけるFLC1の有用性を決定するために、2つの異なるFLC1構築
物を含むトランスジェニックアラビドプシスを作成した。第一の構築物211-31は
、FLC1及び天然のプロモーターを含むゲノムDNAから作成した。第二の構築物pSM
7は、カリフラワーモザイクウイルス由来の構成的35Sプロモーターの制御下にあ
るFLC1ゲノムコード領域を含んでいた(Odellら, Nature 313, 810-2 1985)。 アグロバクテリウム媒介形質転換により211-31でLerのFRIを形質転換した(Be
chtoldら, C. R. Acad. Sci. Paris, 316: 1194,1993)。非形質転換のLerのFRI
は、約14の一次根生葉を形成した後に開花する(Leeら, Plant Journal 6, 903-
909 1994)。211-31で形質転換したLer植物のFRIは、開花を遅延させるFRI及びF
LC1の相乗的相互作用により劇的な開花の遅延を示した(表3)。90%より多くの
形質転換体が開花前に50以上の葉を形成し、38%はたとえアラビドプシスの開花
を強力に促進する近赤外に富む条件下で成長しても全く開花しなかった。したが
って、FLC1の過剰発現は植物の生涯に対して開花を完全に妨害することができる
。211-31で形質転換した植物における発達の栄養期の期間の増加のため、バイオ
マスは10倍に増加した。このことは、FLC遺伝子の過剰発現は早咲き植物を遅咲
き植物へ転換することができることを示している。
【0021】 アグロバクテリウム媒介形質転換(Bechtoldら, C. R. Acad. Sci. Paris, 31
6: 1194,1993)によりpSM7で野生型Lerを形質転換し、正常な早咲き系統におけ
るFLC1の構成的発現の効果を決定した。結果を表5に要約する。得られたトラン
スジェニック植物のうち30%はLer親よりも有意に遅延ではなく、35%が中程度の
開花遅延を示し、35%は完全に遅咲きであった。トランスジェニック植物の開花
期の変動の一部は、ゲノムの異なる位置における挿入に由来する発現レベルの差
異によるものであろう。このことは、たとえFRI活性が存在しなくとも、FLC1発
現は実質的な開花遅延に十分であることを実証している。更に、構成的FLC1発現
により引き起こされる開花遅延は春化(春化は、FRI及びFLC1を含む天然の遅咲
き系統における開花の促進に有効である)に対して非感受性である。したがって
、天然のFLCプロモーターを構成的プロモーターで置換することにより、遅咲き
特性が環境の合図に非感受性である遅咲き植物を作成することが可能になる。更
に、開花の遅延は、バイオマスの実質的な増加と関連した。表3 FLC1で形質転換したFRI含有植物の開花期* *FLC1機能を欠くLerの非形質転換FRIは、12〜14の根生葉を形成した後に開花す
る。一方、1以上のFLC1コピーを導入した形質転換植物の92%は開花前の少なくと
も3倍の葉を形成する。開花前に形成した葉の数は開花期の尺度である。したが
って、FLC1遺伝子のこの系統へ導入は、開花までに少なくとも6倍長い時間を必
要とする修飾植物を一貫して生じさせる。いくつかの系統においては、開花が全
く起こらなかった。
【0022】表4 FLC1で形質転換した、FRIを含む植物のバイオマスの増加* *FLC1で形質転換したとき、植物の生体重は10倍に増加した。かっこ内の数は一
標準偏差を表す。表5 構成的に発現したFLC1で形質転換したLer植物の開花期* *野生型Lerは7〜8の葉を形成した後に開花する。主要な形質転換体の70%が開花
の遅延を示し、うち35%が開花前の葉数の2倍よりも多く葉を形成する。開花前に
形成する葉の数は開花期の尺度である。したがって、FLC1を構成的に発現する系
統における開花までの時間は、3倍以上まで遅延する。実施例4 ブラシカ由来のFLC1相同体についての試験 FLC活性はアラビドプシス以外の種における開花期を制御する。この可能性を
試験するために、アラビドプシスのFLC1配列に対して設計したプライマーを使用
してRT-PCRにより、ブラシカ・ラパのmRNAからFLC1相同体を単離した。ブラシカ
・ラパ相同体(BrFLC1A 及び BrFLC1B)のヌクレオチド配列を後述の配列表に示
す。FLC1 と BrFLC1A 及び BrFLC1Bとの間のアミノ酸同一性を表6に示す。過剰
発現構築物は、BrFLC1A 及び BrFLC1Bを構成的35Sプロモーターの制御下に置く
ことにより作成した。これらの構築物でアラビドプシスの早咲き株を形質転換し
、T1植物の開花期を決定した。ブラシカの過剰発現構築物を含む多数のアラビド
プシス植物は開花が遅延し、開花前に非形質転換対照の3倍をこえる葉を形成し
た。したがって、アラビドプシス由来のFLC1の過剰発現と同様に、ブラシカ・ラ
パから単離したFLC1相同体は、構成的に発現したときに、アラビドプシスの開花
を遅延させることができる。
【0023】表6 FLC1とブラシカ・ラパのFLC1相同体との間のアミノ酸の同一性 *この比較について、アミノ酸1〜60はMADSドメインであると考えられる。ファミ
リーメンバー間ではMADSドメイン内の保存性が高いので、MADSドメインの内外で
の類似性を示す。実施例5 アラビドプシスにおけるFLC1様遺伝子の同定 FLC1配列を使用したデータベース検索により、FLC1と有意な相同性を有する2
つの他のMADSドメイン遺伝子FLC2及びFLC3を同定した。これらの遺伝子は、アラ
ビドプシスゲノム配列決定の努力により既に同定されていたが、その機能は未知
であり、本明細書においてFLC2及びFLC3と命名される。FLC2及びFLC3についての
cDNAクローンを、RT-PCRにより得た。FLC2及びFLC3のヌクレオチド配列を後述の
配列表に示す。FLC1とFLC2及びFLC3との間のアミノ酸同一性を表7に示す。表7 FLC1とFLC2及びFLC3との間のアミノ酸同一性 *この比較について、アミノ酸1〜60はMADSドメインであると考えられる。ファミ
リーメンバー間ではMADSドメイン内の保存性が高いので、MADSドメインの内外で
の類似性を示す。
【0024】実施例6 FLC2はアラビドプシスにおいて開花の抑制に作用する FLC2における機能喪失対立遺伝子を、確立された技術を使用したT-DNA挿入変
異集団のPCRをベースとするスクリーニングにより同定した(Krysan, Young, S
ussman, T-DNA as an insertion mutagen in Arabidopsis. Plant Cell, v. 11,
p. 2283-2290, 1999)。2つの対立遺伝子flc2-1及びflc2-2を見いだした。flc
2-1対立遺伝子では、T-DNAをゲノム配列の4138部位に挿入し、対立遺伝子flc2-2
では部位442にT-DNAを挿入する。これらの機能喪失変異の開花期に対する影響を
、長日及び短日条件下で調査した。結果を表8に示す。FLC1と同様に、FLC2はア
ラビドプシスの開花を遅延させる役割を有する。長日及び短日下において、flc2
変異体は対応の野生型よりも早く開花する。したがって、野性型FLC2の役割は開
花を遅延することである。表8 flc2の機能喪失変異の開花期に対する影響 実施例7 FLC2の過剰発現はアラビドプシスの開花を遅延させる FLC2過剰発現の開花期に対する影響を評価するために、FLC2のゲノムコード領
域を構成的35Sプロモーターの制御下に置き、標準的な技術(Bechtoldら, C. R.
Acad. Sci. Paris, 316, 1194,1993)によりアラビドプシス・サリアナを形質
転換した。結果を表9に示す。FLC1と同様に、FLC2の過剰発現は開花の遅延に十
分である。多数の形質転換植物が開花前の2〜3倍の数の葉を形成した。
【0025】表9 FLC2の過剰発現の開花期に対する影響* *非形質転換野生型は8〜9の葉を有して開花する。 この実験データは、全体として、遺伝子のFLCファミリーは植物の開花期を遅
延させるように作用することを確立した。データは、多数の(ほとんどではない
が)植物に1以上の天然のFLC遺伝子が存在していることを実証した。FLC遺伝子
はFRI遺伝子のような他の開花期遺伝子と相互作用するが、FLC遺伝子は単独で使
用して植物の開花期を変更することができる。FLC遺伝子は、植物種内及び植物
種間で高い配列同一性を有するタンパク質をコードし、ある種に由来するFLC遺
伝子は他の種でも機能する。したがって、広範囲の植物種間で植物の開花のタイ
ミング制御を操作しかつ補助する有用なツールが提供される。 本明細書で引用された全ての特許、特許出願、刊行物並びに核酸及びタンパク
質データベースエントリー(例えば、GenBank受託番号及びEMBL受託番号を含む
)の完全な開示は、参照することにより、あたかも個別に組み込まれているかの
ように本明細書に組み込まれる。更に、当該技術分野の状態の制限を考慮すると
、提供されるデータの有用性に影響することなしに配列のエラー又は欠失が時折
生じてもよい。本発明の範囲及び精神から離れることなしに本発明の種々の修飾
及び変更が当業者に明らかであり、本発明が本明細書に示された例示的な態様に
不当に制限されることがないことが理解されるべきである。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、植物遺伝子のMADSボックスクラスメンバー間の関連性における関連の
程度の系統学的ダイアグラムである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ションバーグ フリッツ マイケル アメリカ合衆国 ウィスコンシン州 53711 マディソン ラムリー アパート メント #4−4250 (72)発明者 マイケルズ スコット ダニエル アメリカ合衆国 ウィスコンシン州 53705 マディソン イーグル ハイツ 914シー (72)発明者 スン シー ブン アメリカ合衆国 ウィスコンシン州 53705 マディソン イーグル ハイツ #ジー−502 (72)発明者 スコーテッシィ カティア アメリカ合衆国 ウィスコンシン州 53705 マディソン ユニヴァーシティ ハウシィズ アパートメント イー−34 Fターム(参考) 2B030 AA02 AB04 AD20 CA06 CA17 CA19 CB02 4B024 AA08 CA04 DA01 EA01 FA02 GA11 HA20

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トランスジェニック植物であって、該植物のゲノム中に、FL
    C遺伝子ファミリーのメンバーをコードする導入遺伝子を含み、同一種の非トラ
    ンスジェニック植物と比較して変更された開花期を有していることを特徴とする
    トランスジェニック植物。
  2. 【請求項2】 同一種の非トランスジェニック植物よりも早く開花する、請
    求項1に記載のトランスジェニック植物。
  3. 【請求項3】 同一種の非トランスジェニック植物よりも遅く開花する、請
    求項1に記載のトランスジェニック植物。
  4. 【請求項4】 FLC遺伝子ファミリーのメンバーが、アラビドプシス・サリ
    アナ由来のFLC1、FLC2及びFLC3並びにブラシカ・ラパ由来のBrFLC1A及びBrFLC1B
    からなる群より選ばれる、請求項1に記載のトランスジェニック植物。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載のトランスジェニック植物の種子。
  6. 【請求項6】 トランスジェニック植物用の種子であって、該種子のゲノム
    中に、植物の発現可能なプロモーター及び植物FLCタンパク質についてのタンパ
    ク質コード配列を含む導入遺伝子を含み、 該植物FLCタンパク質が、 (i)MADSボックスドメインを有し、 (ii)MADSボックスドメインの外側の、配列番号2又は4で示されるアラビドプ
    シス由来のFLC1又はFLC2とのアミノ酸配列において少なくとも40%同一であり、
    かつ、 (iii)トランスジェニック植物中で発現したときに、同一の遺伝的バックグ
    ラウンドを有する非トランスジェニック植物と比較して開花の開始を遅延させる
    、ことを特徴とする種子。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の種子から生長した植物。
  8. 【請求項8】 前記FLCタンパク質が、MADSボックスドメインの外側の、FLC
    1遺伝子のアミノ酸配列と少なくとも50%同一である、請求項6に記載の種子。
  9. 【請求項9】 トランスジェニック植物用の種子であって、該種子ゲノム中
    に、植物の発現可能なプロモーター及びタンパク質FLCファミリーのメンバーに
    ついてのタンパク質コード領域を含む導入遺伝子を含み、該タンパク質のFLCフ
    ァミリーのメンバーが、アラビドプシス・サリアナ由来のその他すべてのMADSボ
    ックスドメインタンパク質よりもアラビドプシス・サリアナ由来のFLC1又はFLC2
    タンパク質と系統学的に関連していることを特徴とする種子。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の種子から栽培したトランスジェニック植
    物。
  11. 【請求項11】 トランスジェニック植物用の種子であって、 該種子のゲノム中に導入遺伝子を含み、該導入遺伝子は該種子から生長した植
    物中で内在性FLCタンパク質活性レベルを低下させるのに十分な植物FLCタンパク
    質のタンパク質コード領域部分の相補物をコードする配列に動作可能に結合した
    植物の発現可能なプロモーターを含み、 該植物FLCタンパク質が、 (i)MADSボックスドメインを有し、 (ii)MADSボックスドメインの外側の、配列番号2又は4で示されるアラビド
    プシス由来のFLC1又はFLC2とアミノ酸配列において少なくとも40%同一であり、
    かつ、 (iii)トランスジェニック植物中で発現したときに、同一の遺伝的バック
    グラウンドを有する非トランスジェニック植物と比較して開花の開始を遅延させ
    る、ことを特徴とする種子。
  12. 【請求項12】 配列番号1で示されるアラビドプシス由来のFLC1遺伝子の
    コード配列を含む、単離されたヌクレオチド配列。
  13. 【請求項13】 配列番号2で示されるアラビドプシス由来のFLC1タンパク
    質をコードするDNA配列を含む、単離されたDNA配列。
  14. 【請求項14】 遺伝子構築物であって、 FLC遺伝子ファミリーのタンパク質のタンパク質コード配列に動作可能に結合
    した植物の発現可能なプロモーターを含み、 該植物FLCタンパク質が、 (i)MADSボックスドメインを有し、 (ii)アラビドプシス由来のFLC1(配列番号2)又はFLC2(配列番号4)タン
    パク質とアミノ酸配列において少なくとも40%同一であり、かつ、 (iii)トランスジェニック植物中で発現したときに、同一の遺伝的バック
    グラウンドを有する非トランスジェニック植物と比較して開花の開始を遅延させ
    る、ことを特徴とする遺伝子構築物。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載の遺伝子構築物をゲノム中に含む植物。
  16. 【請求項16】 前記FLCタンパク質が、アラビドプシス・サリアナ由来のF
    LC1、FLC2及びFLC3並びにブラシカ・ラパ由来のBrFLC1A及びBrFLC1Bからなる群
    れより選ばれる、請求項14に記載の遺伝子構築物。
  17. 【請求項17】 前記植物FLC遺伝子が、配列番号1に記載のアラビドプシス
    由来のFLC1タンパク質とアミノ酸配列において少なくとも50%同一である、請求
    項14に記載の遺伝子構築物。
  18. 【請求項18】 遺伝子構築物であって、 トランスジェニック植物中でFLCタンパク質活性を低下させるためのFLC遺伝子
    ファミリータンパク質のタンパク質コード領域部分に十分に相補的な配列に動作
    可能に結合した植物の発現可能なプロモーターを含み、 該植物FLCタンパク質が、 (i)MADSボックスドメインを有し、 (ii)配列番号1で示されるアラビドプシス由来のFLC1タンパク質とアミノ
    酸配列において少なくとも40%同一であり、かつ、 (iii)トランスジェニック植物中で発現したときに、同一の遺伝的バック
    グラウンドを有する非トランスジェニック植物と比較して開花の開始を遅延させ
    る、ことを特徴とする遺伝子構築物。
  19. 【請求項19】 FLC遺伝子ファミリーメンバーについての導入遺伝子を含
    むトランスジェニック植物であって、該遺伝子的に修飾された植物における花芽
    形成が、同一条件下で生長した該導入遺伝子を含まない同一の遺伝的バックグラ
    ウンドを有する非トランスジェニック植物における花芽形成よりも少なくとも約
    7日前又は後に起こることを特徴とするトランスジェニック植物。
  20. 【請求項20】 変更された開花特性を有するトランスジェニック植物を生
    産する方法であって、 植物細胞と、植物の発現可能なプロモーター及び植物のFLC遺伝子を含む導入
    遺伝子とを接触させる工程、 該挿入された導入遺伝子を有する植物細胞を同定する工程、及び、 該植物細胞からトランスジェニック植物を再生する工程であって、該トランス
    ジェニック植物が該導入遺伝子を有しない同一の遺伝的バックグラウンドを有す
    る非トランスジェニック植物よりも少なくとも約10%よりも少ない又は多い数の
    葉を示し、該葉の数はトランスジェニック植物及び非トランスジェニック植物を
    同一条件下で生長させたときに決定されることを特徴とする工程、 を含むことを特徴とする方法。
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