JP2002536424A - 広域スペクトルのパルス光を使用して病原体を不活性化する方法 - Google Patents

広域スペクトルのパルス光を使用して病原体を不活性化する方法

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Abstract

(57)【要約】 広域スペクトルのインコヒーレント多色光の少なくとも1つの高強度短時間パルスで組成物を照射することによって、生物学的誘導組成物の病原体含有率を低下させる方法。その結果生じる処理された組成物において、対象の生体分子は依然として生物学的に活性がある。インシュリン、トランスフェリン、ヘパリン、コラーゲン、第VIII因子(Factor VIII)および/または第IX因子(Factor IX)を含めた、血清、血漿または他の血液製剤などの、生物学的誘導組成物中に存在する、ウイルス、細菌、発熱物質、真菌、および/またはプリオンなどの病原体の含有率、またはモノクローナル抗体、遺伝子工学的に処理された細胞株などからのタンパク質を含む組成物の含有率が、広域スペクトルのパルス光の照射によって低下させられる。生物学的誘導組成物中のHIV−1、SV40、イヌパルボウイルス、またはウシウイルス性下痢ウイルスの含有率が、広域スペクトル光の1つのパルスによって大幅に低下させられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の背景) 科学的研究および製薬用/治療用物質の製造においては、生物学的誘導組成物
の使用が偏在する。さまざまな病気や傷害の治療用のタンパク質剤の源として、
ヒトの血液はごく普通に使用される。たとえば、第VIII因子、第IX因子、
アンチトロンビン、トランスフェリン、アルブミン、免疫グロブリンおよび血小
板、および他の治療剤を提供するために血漿は分別される。多数の製薬/治療剤
および遺伝子工学的に処理された細胞株からの組み換えDNAおよび/または組
み換えタンパク質、ウイルス性ベクター、アミノ酸、ペプトン、インシュリンお
よびモノクローナル抗体などの関連組成物の生成においては、組織培養法が一般
に使用される。同様に、ウシ血清アルブミン(BSA)およびヒツジの血液成分
などの動物由来の試薬は、研究および製造においてごく普通に使用される。
【0002】 これらの組成物はヒト、動物および植物を含めた生体から誘導されるので、1
つまたは複数種のウイルス、細菌、または他の病原体によって汚染される可能性
がある。ヒトまたは他の動物がこのような汚染生成物と接触するならば、個体の
感染、病気、および死さえも引き起こす可能性がある。個体が長期間にわたって
ある組成物で日常的に処理されなければならない場合、たとえば何人かの血友病
患者がその生涯にわたって血液誘導の組成物で定期的に治療される場合、この感
染の危険は特に問題となる。同様に、免疫系が非常に傷つけられた人間、後天性
免疫不全症候群(AIDS)などの人間は、生物学的誘導組成物中の汚染病原体
への曝露からの感染に特に危険である。家畜用の薬で治療される動物も同様に、
汚染組成物からの感染に危険である。生物学的誘導組成物を受け取る個体への感
染の危険を呈することに加えて、ウイルス性、細菌性、および他の病原性汚染物
の存在によって、組成物自体の効果が損なわれる可能性がある。
【0003】 生物学的誘導組成物は、製薬用/治療用物質の生成においてのみ使用されるわ
けではなく、このような生成物は生物学的研究用の試薬として(または試薬を生
成するために)使用されることも多い。生物学的に誘導された試薬がウイルス、
細菌、または他の病原体で汚染されるとき、行われる研究プロジェクトは無用の
、要領を得ない、またはさらに悪いことには誤解を招くものになる可能性がある
。製造および研究において頻繁に使用される血液製剤には、BSAおよびヒト血
漿タンパク質がある。
【0004】 組み換えDNAおよびタンパク質、モノクローナル抗体、ウイルス性ベクター
および関連組成物もまた、研究および製造プロセスの両方で使用されるに生物学
的誘導組成物の例である。このような生成物はウイルス、細菌、および/または
他の病原体によって汚染される可能性は低いが、それにもかかわらずこうした汚
染は考えられる。さらに、このような組成物が研究において道具として使用され
るとき、組成物が汚染されるならば、それらはこのような研究に対して相当な危
険を呈し、ここで汚染が問題となる。
【0005】 したがって、生物学的誘導組成物、たとえば細胞株、血液および/または血漿
を含めた、特にヒトまたは動物を起源とする組成物は、販売される前に厳正なウ
イルス安全性評価を必要とする。このような安全性保証を提供するための現代の
手法には、原材料および個々の製造ステップにおけるウイルス、細菌、および/
または他の病原体の生成物の試験、感染アッセイまたは他の診断性試験の使用が
ある。試験材料の効果は、利用可能な試験方法体系、アッセイ感度、および検出
不能で知られていないかまたは突然変異した病原体、特にウイルスが存在する可
能性によって制限される。したがって製造プロセスを進める際には、このような
生物学的誘導組成物からのウイルスおよび/または他の病原体を取り除くかまた
は不活性化させるために指定されているプロセスステップが含まれる。必要とさ
れる安全性レベルまたは最も適切なレベルまでウイルスを取り除くかまたは不活
性化させる能力について、このようなプロセスは試験される。各プロセスステッ
プの対数の減少の合計によって、ウイルス除去の全体的効果が決定される。たと
えば、ウイルス含有の少なくとも1logの減少が各プロセスステップで必要と
される。
【0006】 現在、生物学的誘導組成物を浄化または滅菌する多数の方法が利用可能である
。一般に、このような処理方法には物理的方法、化学的方法、熱的方法、照射に
よる方法、および好ましくはこれらのいずれかの組み合わせがある。生物学的誘
導組成物を長時間加熱すること、このような組成物を加熱および組成物の照射と
併せて1つまたは複数種の化学薬品で処理すること、およびウイルス不活性化の
溶媒洗浄方法を使用することが、最も一般的に使用されている生物学的誘導組成
物の浄化方法のうちの3つである。しかしながら、生物学的誘導組成物中の病原
体、特にウイルスを不活性化するどの方法を単独で用いても、その後の病原体の
広域抗菌スペクトルに対してただの1つも首尾よくいかなかったことが判明した
。さらにこれらの方法の大部分は、ウイルス、細菌、および/または他の病原体
を不活性化する際に使用される化学薬品を取り除くために、生物学的組成物のさ
らなる加工を必要とする。しばしばこれらの追加的な加工ステップは、1つまた
は複数の抽出ステップおよび/またはクロマトグラフィのステップを含み、この
ことによって最終製品を製造するコストが大幅に上昇し、したがって顧客への製
品の小売価格が上昇する。
【0007】 ウイルスおよび/または他の汚染物を取り除くまたは不活性化するために利用
可能な例示的な物理的方法には、非常に特殊な濾過方法、親和性クロマトグラフ
ィ、イオン交換クロマトグラフィおよびポリエチレングリコール分別がある。し
かしながら、多くの組成物をこのように濾過することができないときは特に、こ
れらの物理的方法には多くの制限がある。したがって濾過の程度によって、クロ
マトグラフィおよび他の物理的方法が使用され、しばしばそれらは一連の浄化手
順における濾過である。たとえば、比較的純度の高い第VIII因子の溶液を生
成するために、第IX因子または免疫グロブリン、血漿を最初に溶媒洗浄処理に
かけ、次いでクロマトグラフィによって処理し、さらに最後に濾過して所望の最
終製品を生み出すことができる。限外濾過法を使用して血液または血液製剤から
パルボウイルスを除去することができるが、この方法は部分的にのみ効果的であ
る。たとえば、この方法は第IX因子の濃縮液には適用することができるが、第
VIII因子には適用できない。
【0008】 生物学的誘導組成物を汚染するウイルス、細菌、および/または他の病原体を
除去または不活性化する他の周知の方法は、たとえば米国特許第4,540,5
73号(Neurath他)、米国特許第4,946,648号(Dichte
lmuller他)、米国特許第5,418,130号(Platz他)、米国
特許第5,527,704号(Wolf、Jr.他)、米国特許第5,663,
043号(Zepp他)、および米国特許第5,866,316号(Kempf
他)に記載されている。これらの特許は、ウイルスおよび/または細菌の汚染物
を不活性化するために、生物学的誘導組成物、特に血漿、血漿分留または血液の
細胞の物質(赤血球、血小板、またはタンパク質分留)などのホ乳類の血液製剤
の組み合わせ処理を記載している。さらにこれらの記載された方法すべてが少な
くとも1つの化学薬品の使用を含み、汚染している生物体を直接劣化させるか、
他の化学薬品または熱または放射によって生物体を劣化に敏感にする。
【0009】 このような組み合わせ処理方法の使用は、ある種のウイルスに関しては、1つ
の化学薬品による処理よりもより効果的でより信頼できる。たとえばβ−プロピ
オラクトン単独による冷却処理では血漿中のHIVおよびSV40の不活性化度
はわずかに0〜3logであり(Scheidler他、1998)、紫外線放
射単独による血漿の処理では、わずかに約40%の宿主への、肝炎感染からの保
護が提供されたことが実験によって示されてきた。一方で、β−プロピオラクト
ンおよび紫外線放射の両方で処理された血漿の使用から、0という感染率が生じ
た。(Lo Grippo他の「Human Plasma Treated
With Ultraviolet and Propiolactone−S
ix year Clinical Evaluation」JAMA1987
:722−726(1964))。したがって当然ながら、1つの化学薬品を単
独で使用して生物学的誘導組成物中のウイルス性汚染物質を不活性化することは
、好ましくなくなっている。
【0010】 Miripol他の米国特許第4,726,949号、4,866,282号
および4,952,812号(以後は集合的にMiripolの特許とする)は
、免疫処置された患者中での免疫反応を誘発する能力を白血球細胞にほぼ失わせ
るために、白血球細胞の薄層を主に280nmから320nmの波長の紫外線で
たとえば約0.25から15分間照射することを記載している。Miripol
の特許は、記載されている方法を実施する際には、254nmの波長で相当なエ
ネルギーを放射する紫外線バルブは避けるべきであると教示している。なぜなら
、このような波長の光は血液の細胞にダメージを与えるからである。同様に、U
V−A領域(約365nm)は、リンパ球の同種免疫効果を十分減少させないた
め、望ましくないことが確認されている。Miripolの特許は、紫外線によ
る血液製剤(すなわち白血球)の照射法を記載しているが、このような方法が、
ウィルス、細菌および/または他の病原体を不活化することにより生物学的誘導
組成物の汚染除去に有用であろうという表示がなく、また254nmおよび36
5nm双方の領域の光源を必然的に含む広域スペクトルのパルス光が、紫外線照
射単独と比較して汚染除去を改善させるであろうという表示もない。
【0011】 生物学的誘導組成物の種々の汚染除去法が知られて使用されているが、大抵の
病原微生物に対して信頼すべき効果があり、治療用タンパク質製剤および/また
は他の生体分子製剤を含む生物学的誘導組成物に対し安全に使用できるような方
法は開発されていなかった。一般に、熱処理はかなりの時間を必要とし、回収が
求められるタンパク質製剤または他の製剤に対して有害となり得る。例えば、血
漿タンパク質分留およびヒトアルブミンは、ウィルスを不活化するために60℃
で10時間から11時間の加熱を要する。パルボウィルス(Parvoviru
s)、A型肝炎および他の非脂質エンベロープ型(enveloped)ウィル
ス類は溶媒/界面活性剤処理に抵抗性があることが判っており、パルボウィルス
は加熱不活化に対してもまた抵抗性があることが証明されている。
【0012】 生物学的誘導組成物に化学薬剤を添加することによる汚染除去法が普及し、こ
のような汚染除去処理後にこれらの組成物を除去するか、または不活化する多く
の方法が開発された。例えば、米国特許第4,540,573号(Neurat
hら)、米国特許第4,789,545号(Woodsら)および米国特許第5
,817,765号(Isakssonら)には、病原汚染物の不活化処理の結
果、生物由来の最終製剤中に存在する化学汚染物から生物学的に誘導された最終
製剤を分離する方法を記載している。生物学的誘導組成物から添加化学薬剤を前
もって除去するために、追加の処理段階を実施する必要性が望ましくないことは
明らかである。
【0013】 細菌および他の病原汚染物は、生物学的誘導組成物の製造および利用における
関心事ではあるが、ウィルスは最も大きな関心事となることが多い。ウィルスは
それらのゲノム、すなわちDNAまたはRNAウィルスに基づき、および/また
はエンベロープ型か非エンベロープ型かの物理的特性により分類されることが多
い。さらに個々のウィルスは一般に、ある一定の進化特性を共有するウィルスの
科に分類される。したがって、例えばヘルペスウィルス科(Herpesvir
idae)のウィルスはエンベロープ型DNAウィルスであり、アデノウィルス
科(Adenoviridae)のウィルスは非エンベロープ型DNAウィルス
である。エンベロープ型および非エンベロープ型RNAウィルス科の例としては
、それぞれフラビウィルス科(Flaviviridae)(黄熱病ウイルス、
C型肝炎ウィルスおよび牛下痢症ウィルスを含む)およびピコルナウィルス科(
Picornaviridae)(ポリオウィルス、ライノウィルスおよびA型
肝炎ウィルスを含む)が挙げられる。当然、ヒトに対し最も悪性であり、および
/または生物学的誘導組成物中に最も広く存在しているこれらのウィルスは、汚
染除去法を開発し実施する上で最も大きな関心事である。このようなウィルスと
しては、例えばパルボウィルス、サル空胞ウイルス(SV40)、ヒト免疫不全
ウィルス(HIV)、肝炎ウィルス類および牛ウィルス下痢症ウィルス(BVD
V)が挙げられる。
【0014】 パルボウィルスは非エンベロープ型DNAウィルスである。ヒト−B19パル
ボウィルスに感染すると流産になるか、またはHIVに感染したものでは持続性
貧血症になる恐れがある。パルボウィルスは、血液または血液製剤により伝染す
る恐れがあり、加熱処理および溶媒/または界面活性剤処理の双方に抵抗性があ
る。このウィルスは、2つの不活化法の組み合わせにより処理された組成物によ
っても伝染した。イヌのパルボウィルス(CPV)は環境に広く分布しており、
ワクチンが必要とされる重大な獣医学的病原体である。HIVを不活化できるこ
とを証明した光不活化法は、CPVに対して有意な効果を示さなかった(Hir
ayamaら、1997年)。
【0015】 サル空胞ウイルス(SV40)は非エンベロープ型DNAウィルスである。S
V40に対する偶発的なヒトへの曝露は、SV40を含有するアカゲザル細胞中
で調製したポリオおよびアデノウィルスワクチンが使用された1950年代後半
から1960年代前半に生じた、Shah,K.ら、Am.J.Epidemi
ology,103:1−12(1976年)。疫学的調査では、SV40に対
する曝露とガン発症との間に識別できる関係が見られなかったが(特に、SV4
0に汚染されたポリオワクチンに対する曝露と脳および卵巣のガン発生率との間
に関連性は見られなかった)、最近、SV40に関連するDNA配列が種々のヒ
ト組織中に検出された。例えば、SV40に関連したDNAは脈絡叢ガン、上衣
腫、中皮腫および骨肉腫において見られた。例えば、Bersagelら、NF
J Med.,326:988−93(1992年)、Carboneら、On
cogene 9:1781−90(1994年)、Cristandoら、J
.Environ.Pathol Toxicol Oncol.,14:29
−34(1995年)、およびMartiniら、Cancer Res.,5
6:4820−25(1996年)を参照のこと。さらに伝染性のSV40が、
脈絡叢ガンから単離された、Ledneckyら、Virology,212:
710−717(1995年)。生物学的誘導組成物中のSV40汚染物が、ど
んな環境下でどの程度までその製剤の受容者に感染し得るかは不明瞭である。し
たがって、投与前に生物学的誘導組成物中に存在するSV40の除去および/ま
たは不活化に努めることが有利である。あいにくとSV40は、比較的加熱に抵
抗性があることが判り、β−プロピオラクトン処理による不活化に一貫性がない
ことが判っている。Lelieら、J.Med.Virol.,23(3):2
97301(1987年11月)およびSheilderら、Biologic
als,26(2):135−144(1998年6月)を参照のこと。
【0016】 ヒト免疫不全ウィルス(HIV)は、ヒトに病気および死を招くよく知られた
非エンベロープRNAウィルスである。適当な環境下で、HIVはガンマ線照射
により不活化でき(Salaiら、Ann.Transplant,2(1):
55−56,1997年)、および幾つかの化学薬品により不活化できる(De
wildeら、Biol.Chem.,379(1):1377−79,199
8年、Arthurら、AIDS Res.Human Retrovirus
es,14(Suppl.13):5311−19(1998年10月))。し
かしながら、HIV−2はベータ−プロピオラクトン(beta−propio
lactone)による限定された不活化のみを示す(Scheidlerら、
Biologicals,26(2):135−144(1998年6月)。同
様に、HIVの加熱処理は、幾つかの組成物においてのみ効果的であることが示
された(Azariら、Artif.Cells Blood Substit
.Immobil Biotech,26(5−6):577−82(1998
年11月))。一方HIV−1およびHIV−2の両者は、適当な溶媒/界面活
性剤により2、3分以内に不活化できる(Biesertら、Vox Sang
74(Suppl.1):207−212(1998年))。HIVは可視光
と染料のメチレンブルーとの組み合わせ処理により不活化できることも報告され
ている(Muller−BreitkreutzおよびMohr,1998年)
【0017】 牛ウィルス下痢症ウィルス(BVDV)は、蓄牛に重篤な病気を引き起こすフ
ラビウィルス科からのエンベロープ型RNAウィルスである。このウィルスは胎
盤を通って牛の胎仔に感染する能力があることから、牛胎仔血清商品の10%か
ら75%がBVDVで汚染されていると推定される。どんな環境下で、またどの
程度までBVDVがヒトに感染し得るかは不明瞭であるが、その存在はヒトにお
ける乳児胃腸炎および小頭症に関連していた(Harasawa,1997年)
。その他の懸念の中ではBVDVの非細胞変性株は、宿主細胞のRNAをそれら
のゲノムに取り込むことができ、それによりこのウィルスで汚染された連続細胞
系内に腫瘍原性の問題を引き起こすという事実がある。BVDVの限定された不
活化は、β−プロピオラクトンなどの化学薬品類を用いて達成された(Scei
dlerら、Biologicals,26(2):135−144(1998
年6月))。さらに74℃で90分間の加熱処理は、BVDVの7対数の減少を
果たせることが示された(Azariら、Artif.Cells Blood
Substit.Immobil.Biotech,26(5−6):577
−82(1998年11月))。しかしながら、このような過酷で長い時間の加
熱処理は多くの汚染組成物にとり適切ではないことは明らかである。
【0018】 広域スペクトルのパルス光(BPL)は、広域スペクトルにおけるインコヒー
レントで多色光の高強度、短時間パルスを用いて微生物の不活化法を提供する。
BPLは、多くの方法における連続非パルスUV光とは異なる。BPLスペクト
ルは、UV光を含むが、しかしまた、より広い光スペクトル、特に約180nm
と約2600nmとの間を含む。BPLスペクトルは海洋レベルの太陽光に類似
しているが、それにより90,000倍強烈であり、通常地球大気によりろ過さ
れる200nmと300nmとの間のUV波長を含む。BPLは、非パルスUV
光がより長い曝露時間およびより低い出力で適用されるのと比較して、比較的高
出力の短い持続パルスにおいて適用する。例えば、米国特許第5,034,23
5号(Dunnら)、米国特許第5,489,442号(Dunnら)、米国特
許第5,768,853号(Bushnellら)および米国特許第5,786
,598号(Clarkら)を参照のこと。
【0019】 BPLは、食品、包装物、水および他の流動体、半流動体および固形物などの
種々の標的物の汚染除去および/または殺菌するのに使用された。これは主に、
標的物をBPL殺菌室に入れるか、または標的物をBPL殺菌室に通過させて、
対象物をエネルギーレベルで適切なBPLの適切なフラッシュ数に曝露すること
により達成される。例えば、上記4公報の特許および米国特許第5,900,2
11号(Dunnら)を参照のこと。しかしながら重要なことに、生物学的誘導
組成物の汚染を除去するためのBPLの利用は、今まで記載または考慮されてい
なかった。BPLは、固形物の表面上および/またはある一定の比較的透明な流
動体内の種々の微生物の不活化に有用であると証明されたが、BPLがタンパク
質および/または他の対象の生体分子を含有する生物学的誘導組成物の汚染除去
に有用となるような示唆はなかった。生物由来の治療組成物および製薬組成物は
静脈投与することが多く、どの場合でも濃縮された形で投与されるので汚染微生
物の完全除去は安全保証にとって重要である。同様に汚染除去工程は、最終製品
の有効性に悪影響を及ぼすことなく、生物学的誘導組成物を効果的かつ信頼でき
る汚染除去のために選択しなければならない。
【0020】 BPLは非パルスUV光とは異なる生物学的効果を提供する。例えば、黒色ア
スペルギルスなどの着色細菌は、UV照射に対してバチルス芽胞よりもより抵抗
性があることが知られている。しかしながら、BPLを用いた研究では、乾燥表
面上の黒色アスペルギルスは3種の異なるバチルス芽胞、すなわちバチルスステ
アロテルモフィルス、枯草菌およびバチルスプミルスよりもBPLに対しより鋭
敏である。さらに従来のUV処理は、「暗酵素修復」または「明酵素修復」の何
れかに分類されるある一定の実験条件下で逆行する可能性のある機構によってD
NAを損傷する(Block,S.,Disinfection,Steril
izaion and Preservation,4th ed.,Willi
ams and Wilkins,U.S.A.(1991年))。BPLが同
一微生物(枯草菌、バチルスプミルス、黒色アスペルギルス、スポロゲネス菌、
カンジダアルビカンス、黄色ブドウ球菌、大腸菌、豚コレラ菌および緑膿菌など
)を処理するのに用いられる場合、暗酵素または明酵素の何れかによるこの光再
活性化は生じない。(Furukawaら、「Brand New Pulse
d Light Sterilization Technology Can
Sterilize Both Injectable Solution
and its 2 mL Polyethylene Container」
、PDA国際会議にて発表、日本(1999年2月))。さらに可視領域の波長
の存在は、2つの異なる光を生じる手段となりUV光からBPLを区別する。U
V光は通常、安全性に多少の危険をもたらす水銀ランプを用いて発生させるが、
BPLは不活性ガス、すなわちキセノンを用いるランプにより発生させる。
【0021】 このように、必要とされるものは、種々の病原体、特に種々のウィルスに対し
て効果的であり、また最終製品の有効性を不必要に低下させることなく、種々の
組成物に使用され得る生物学的誘導組成物に含まれるウィルス、細菌および/ま
たは他の病原体を不活化する新しい方法である。
【0022】 (発明の概要) 本発明は、広域スペクトルにおけるインコヒーレントで多色光の高強度短時間
パルスを用いて生物学的誘導組成物を不活化する方法および装置を提供すること
により上記および他の必要なことを扱うものである。特に、生物学的誘導組成物
に存在するウィルス、細菌、毒素、発熱性物質、真菌類および/またはプリオン
(prion)などの活性病原体の含有量を少なくとも1log分、減少する方
法をここに記載しており、この方法は少なくとも1つの病原体を含む生物学的誘
導組成物を提供し、活性病原体の含有量を少なくとも10のファクタ(fact
or)(すなわち、1log)分減少するように、広域スペクトルにおいて少な
くとも1つのインコヒーレントで多色光の高強度短時間パルスを用いて、生物学
的誘導組成物を照射することを含む。ここで記載されている方法は、モノクロー
ナル抗体、遺伝子工学的に処理されたホ乳類の細胞株からのタンパク質、遺伝子
治療製剤(ウィルスベクトルなど)、ヒトおよび/または動物の血液誘導製剤、
生物学的製剤(ヘパリンおよび/またはコラーゲンなど)、ウシ血清、ヒツジ血
液、ペプトン/アミノ酸および/またはウシインスリン/トランスフェリンなど
の生物学的誘導組成物に対して、組成物の治療的製剤、抗原性、栄養学的または
他の望ましい特性を破壊することなく、有利に適用し得る。特に生物学的誘導組
成物中に存在するタンパク質類、多糖類、核酸脂質、抗体および他の対象の生体
分子は、それらの意図された使用にとって必須の性質を失うことがない。すなわ
ち対象の生体分子は、例えばこのような広域スペクトルのパルス光に曝露される
ことにより、それらの望ましい生物活性を示さなくなるというような不可逆的な
変化を受けない。このように有利なことに、生物学的誘導組成物は、このような
広域スペクトルのパルス光処理の結果、必要とする追加の処理段階はもしあった
としてもわずかである。
【0023】 したがって1つの態様において、製剤をBPLの少なくとも1つの高強度短時
間パルス、すなわち広域スペクトルにおけるインコヒーレント多色光に曝露する
ことにより、血液血漿などの生物由来の製剤に存在する、例えばHIV−1また
はHIV−2、A型、B型またはC型肝炎、HTLV−IまたはHTLV−II
またはサイトメガロウイルスなどのウィルス類を不活化する迅速かつ効率的で信
頼できる方法をここに提供する。さらなる態様において、組成物をBPLに曝露
することにより、動物の血液誘導組成物に存在する、例えばSV40および/ま
たは関連する血液が有するウィルス類などの、ウィルス類を同様に不活化する迅
速かつ効率的で信頼できる方法をここに提供する。
【0024】 他の態様において、生物学的誘導組成物に存在する病原体の含有量を減少させ
る方法を本明細書は提供しており、この方法は、最初に生物学的誘導組成物を希
釈すること、引き続き広域スペクトルにけるインコヒーレント多色光の少なくと
も1つの高強度短時間パルスを用いて、希釈された生物学的誘導組成物を照射す
ること、最後に生物学的誘導組成物を所望の濃度に濃縮することを含む。この態
様において、本発明は、広域スペクトル光に対し、幾らか非透過性である生物学
的誘導組成物の汚染除去に有用であるため、最初に希釈しないと十分に汚染除去
されない可能性がある。さらに生物学的誘導組成物のタンパク含有量が特に高く
、例えば約10%よりも大きい場合、タンパク質に及ぼすBPLの作用をより良
く制御するために、また組成物に存在する病原体の不活化をより良く制御するた
めに、組成物にBPLを照射する前にこの組成物を先ず希釈することが望ましい
と思われる。
【0025】 さらに、生物学的誘導組成物に存在する複数の汚染微生物の不活化法を、本明
細書は提供しており、ここでの微生物は、ウィルス類、細菌類、真菌類およびプ
リオン類から成る群から選ばれる少なくとも2つを含む。また組成物中のタンパ
ク質類、ペプチド類および/または対象の他の生体分子は不可逆的に変えられな
いので、それらの意図された目的のための効果を保つ。この方法は生物学的誘導
組成物を広域スペクトル光の少なくとも1つのパルスに曝露することを含む。
【0026】 またさらなる態様において、高強度(すなわち、エネルギー密度が標的物の表
面で測定して0.01J/cm2から50J/cm2、例えば0.05J/cm2
から1.0J/cm2)で短時間(すなわち、10nsから100ms、例えば
0.3ms)の、広域スペクトルにおけるインコヒーレント多色光パルス(すな
わち、170nmから2600nm、1.8×1015Hzから1.2×1014
z)に、組成物を曝露することにより、生物学的誘導組成物に存在する少なくと
も1つの微生物を不活化する方法を本明細書は提供している。
【0027】 1つの独特な態様において、本発明は、生物学的誘導組成物に存在する活性病
原体の含有量を減少する方法を提供しており、この方法は、少なくとも1つの病
原体を含む生物学的誘導組成物を供給するステップと、活性病原体の含有量が少
なくとも10のファクタ分で減少するように、生物学的誘導組成物を広域スペク
トルにおけるインコヒーレント多色光の少なくとも1つの高強度短時間パルスを
用いて照射するステップとを含む。
【0028】 他の独特な態様において、本発明は、対象の生体分子を含む生物学的誘導組成
物に存在するウィルスの不活化法を提供し、この方法は、対象の生体分子および
ウィルスを含む生物学的誘導組成物を供給するステップと、ウィルスを不活化す
るように、広域スペクトルパルス光の少なくとも1つのパルスを用いて生物学的
誘導組成物を照射するステップとを含む。
【0029】 さらに独特の態様において、本発明は、ウィルスを不活化する一方、前記生体
分子の生物学的活性を維持するように、生物学的誘導組成物を広域スペクトルパ
ルス光の少なくとも1つのパルスを用いて照射することによる処理結果として、
組成物が活性ウィルス含有量を最初の含有量から少なくとも10のファクタ分減
少する、対象の生体分子を含有する生物学的誘導組成物を提供する。
【0030】 さらに他の独特な態様において、本発明は、生物学的誘導組成物に存在する活
性病原体成分を減少する方法を提供し、この方法は、少なくとも1つの病原体お
よび少なくとも1つの対象の生体分子を含む生物学的誘導組成物を供給するステ
ップと、活性病原体の含有量を減少し、対象の生体分子を破壊しないように、生
物学的誘導組成物を広域スペクトルにおけるインコヒーレント多色光の少なくと
も1つの高強度短時間パルスを用いて照射するステップとを含む。
【0031】 (好ましい実施形態の詳細な説明) 本発明は、生物学的誘導組成物中に存在する病原体を素早く確実にそして効率
的に不活性化する方法を提供する。広域スペクトルにおけるインコヒーレント多
色光の高強度短時間パルスが、組成物中の、例えば、タンパク質、多糖類、抗体
、核酸脂質、アミノ酸および/またはペプトンなどの対象の生体分子の所望する
生物学的性質を破壊せずに、例えば、血液誘導組成物、遺伝子組み換え細胞株よ
り誘導される組成物、組織培養法より誘導される組成物、および関連する生産物
などの、生物学的誘導組成物中に存在する、ウィルス、バクテリアおよび他の病
原体(これは、本出願の目的として、ピロゲン、毒素、菌類およびプリオンを含
むと理解すべきである)を、不活性化するために用いられることができることが
見出されている。
【0032】 特に、生物学的誘導組成物は、広域スペクトルパルス光処理装置に配置されお
よび/または貫流される。広域スペクトル(例えば、170nmから2600n
mであり、すなわち、1.8×1015Hzから1.2×1014Hz)中、高強度
(例えば、0.01J/cm2から50J/cm2、例えば0.05J/cm2
ら1.0J/cm2であり、組成物の表面で測定)のインコヒーレント多色光の
短時間(例えば、約100ミリ秒未満、好ましくは約0.3ミリ秒)パルスで、
少なくとも1回、好ましくは2回および最も好ましくは3回、装置の処理ゾーン
内で組成物を照射する。全体として、商用的方法は1〜5回の短パルスを使用す
ることが予期されている。この種の照射の結果として、生物学的誘導組成物内の
活性病原体含有率は、少なくとも1log(すなわち、10のファクタ)分減少
し、かつ好ましくは2log(すなわち、100のファクタ)分より大きく減少
する。最も有利なことに、生物学的誘導組成物を処理する間に本処理方法を多く
の点で容易かつ素早く施すことができ、その結果、組成物中の病原体を完全にま
たはほぼ完全に不活性化することが更に保証される。
【0033】 これらの病原体減少方法を行うために各種の装置を使用することができる。広
域スペクトルにおける、高強度短時間のパルスインコヒーレント多色光を供給す
るために設計された装置は、例えば、第`235号特許、第`442号特許、第`
853号特許、第`442号特許、第`853号特許、第`598号特許および特
許番号第5,900,211号に記載されている。広域スペクトルパルス光処理
を提供するために用いられる装置に共通することは、処置チャンバが光タイト(
tight)であること、フラッシュランプからの発光が最適に目標物に向けら
れるように、装置内にフラッシュランプを配置すること、目標物に対して向けら
れているパルス光をさらに最大限にするために、好ましくは反射物質を使用する
こと、およびフラッシュランプと目標物(チャンバ内の目標物用の保持装置など
)との間で必要とするところに、透過性物質(すなわち、石英、サファイアまた
は同様の物質)を使用することであり、そのようにしてBPLとの障害が最小化
される。
【0034】 特に、BPL処置のための装置を設計または選択するために重要なことは、装
置の処理ゾーン、すなわち、目標物がパルス光で照射されるべき装置内の領域の
配置である。パルス光は目標物の全表面を照射しなければならないので、処理ゾ
ーンは一般的に目標物に向けられるパルス光が最大となるよう設計される。例え
ば、目標物を汚染除去するために1つまたはそれ以上のフラッシュランプが同時
に使用される場合、目標物はそれぞれのフラッシュランプからほぼ等距離にあり
、そして好ましくは目標物を取り囲むようにフラッシュランプが配置するように
、処理ゾーンを設計することが好ましい。パルス光が全目標物を照射することを
確実にするために、処理ゾーン内の目標物を支持するために使用される構造物は
、BPLに対して、少なくとも約1%、好ましくは少なくとも約10%、より好
ましくは少なくとも約50%および最も好ましくは少なくとも約85%の透過率
である物質から形成されることが好ましい。本発明による、生物学的誘導組成物
の殺菌または汚染除去に使用される典型的な装置を以下に記載する。
【0035】 図1は、生物学的誘導組成物をBPLで処理するために使用される好適な典型
的装置の処理ゾーンの概略図を示す。この好適な装置において、2個の薄い(す
なわち、約5mm未満であり、例えば、約2mmの)透過性プレート110、1
12は、通常互いに平行となるよう配置され、そして互いに極めて近傍にあり(
すなわち、約5mm未満の間隔であり、例えば、約1mm)、処理されるべき組
成物が通過する通路または導管100が具備されている。プレート110、11
2の一方の端に2つのフラッシュランプシステム102、104があり、それぞ
れは部分的にフラッシュランプ108を取り囲む反射材106を含む。このよう
なフラッシュランプシステムは、例えば、ピュアブライト(PUREBRIGH
T)モデルPBS−1型として、カリフォルニア州サンディエゴのピュアパルス
テクノロジーズ社(PurePulse Technologies)より市販
されている。
【0036】 フラッシュランプ108を伸長することが好ましく、生物学的誘導組成物の流
動は(図1に矢印114で例示するように)伸長されたフラッシュランプに平行
であることが好ましい。フラッシュランプに平行な2つの対向端に沿ってプレー
ト110、112をそれぞれ固定することが好ましく、これによりこの間を貫通
する組成物がここに含まれる。例えばアガロースなどの適切な透過性ゲルを使用
することができる。平行プレートの代わりに、一般的に長方形の透過性導管(例
えば、石英またはサファイア)を、例示した処理ゾーンを通って組成物を輸送す
るために使用することができる。2つのフラッシュランプシステム102、10
4のみ例示しているけれども、例えば、導管100がパルス光源により取り囲ま
れるなどの更なるシステムが使用できる。いずれにしても、フラッシュランプシ
ステム116から発光される光は、導管100を貫通するように(またはその中
に存在するように)生物学的誘導組成物に対して配向しており、それゆえにここ
に含まれるウィルスおよび/または他の微生物を不活性化する。有利なことに、
導管100のプレート110、112を互いに接近させることにより、処理され
る組成物は薄層に広げられ、このために組成物が相対的に非透過性および/また
は非希釈性である場合でさえ、全組成物がパルス光に露光されやすくなる。
【0037】 図2は、組成物中のウィルスおよび/または他の汚染している微生物を不活性
化するために使用することができる他の典型的な装置50の概略図を示す。装置
50は、組成物がパルス光源204を取り囲んで流動するように処理チャンバ2
02を画成する反射性円筒型空洞を含む。パルス光源は、フラッシュランプ操作
用の従来の方法に従う適切な電源(不図示)を具備する高出力キセノンフラッシ
ュランプである。
【0038】 液循環装置208は、パルス光源204のパルス反復速度に関連して処理チャ
ンバ202を通る組成物の流速を制御し、このため、処理チャンバ202内に組
成物が存在する時間の間に、ここを通過するその全生成物が、広域スペクトル中
のインコヒーレント多色光の、所定回数の高強度短時間パルスを受けるようにな
る。極めて一般的には、処理される組成物は、約1〜4リットル/分の流速でチ
ャンバを通過するように送液される。処理チャンバ202に存在する組成物はそ
れゆえ殺菌されかつ概ね消毒される。
【0039】 生成物処理チャンバ202は、この中の組成物が光源204と接触しないよう
に、パルス光源204から隔離されるように配置されてもよい。石英ジャケット
(jacket)外側を処理される組成物が通過するように、例えば光源204
のまわりに石英ジャケット(または石英シリンダ)を用いることにより、行うこ
とができる。冷却水を光源204と石英ジャケットの間に循環させてもよい。
【0040】 処理チャンバの直径は、処理されるべき組成物の特定の吸光特性、光源204
すなわちフラッシュランプの物理特性および作動特性、およびパルス光すなわち
フラッシュ光間での生成物混合の程度を含むがこれに限定されない多くの要因に
よって変化する。処理チャンバ202は、組成物流路の方へ戻るように、組成物
を横切って照射を反射させるために、その外壁としてのまたは外部反射材として
の反射材アセンブリを含む。外部反射材を用いる場合、反射材アセンブリは、組
成物を循環させるように内部に、および外部反射材が配置される外側に、石英(
または他の透過性物質)のシリンダ(またはチューブ)を含んでもよい。
【0041】 生物学的誘導流体は、天然であれ希釈を伴うものであれ、UVスペクトルの主
要な部分を含む光に対して比較的透過であることに注意されたい。したがって、
このような組成物では吸収による減衰が比較的少なく、光束密度は、その大部分
が単に、光源からの距離の関数として減少する。しかしながら、大きな吸収を有
する他の組成物に関しては、光束密度はフラッシュランプからの距離およびその
ような組成物の吸収の両方の関数として減少する。いずれの場合にも、例えば0
.4または0.5J/cm2などの(または不活性化されるべき特定の微生物に
依存して0.1または0.2J/cm2の低さでさえ)所望の最小光束密度は、
処理ゾーン全体で維持されるべきである。その代わりにまたはそれに加えて、処
理される全流体が適当な光束密度とパルス回数に曝露されることを保証するため
に混合を行う必要があり、これによって所望の不活性化の程度またはレベル、す
なわち殺菌または滅菌が達成できる。
【0042】 図2の装置50において、フラッシュランプ204は処理チャンバ202内部
に配置されているが、図3は、1つまたはそれ以上のフラッシュランプ256が
、処理チャンバ252外部に、代わりに(または加えて)配置できることを示し
ている。処理される組成物が、透過性処理導管(例えば、石英チューブ)252
を用いる処理チャンバ252通って導入される好適な設計を示す。処理チャンバ
252は、楕円反射材254の一方の焦点に沿って配置される。フラッシュラン
プ256は楕円反射材254の他方の焦点に沿って配置される。フラッシュラン
プ256は、この中を水冷却するために石英チューブで最適に被覆されてもよい
。光パルスは、楕円反射材254により処理チャンバ252の中心に向かって焦
点を結ぶため、処理される組成物の光吸収に対する補償がなされ、全組成物が均
一な光処理を受けるようになる。示された実施形態の変形(不図示)において、
望むらくは、一方の焦点にフラッシュランプをそして他方の焦点に処理チャンバ
252をそれぞれ有する多重楕円反射材を使用してもよい。
【0043】 本発明の方法を行うのに有用な多くの装置が記載されているが、上述した装置
の組み合わせを含む多くの他の装置が、代わりにこれらの目的に用いることがで
きしたがって、本明細書において同等に意図されることは、当業者にとって理解
されるであろう。例えば、生物学的誘導組成物を含む静脈注射用溶液を処理する
ために、小パルス光滅菌器を使用することができ、これは例えば、入口で静脈チ
ューブを受け、溶液を、パルス光チャンバを通して出口から出し、残りの静脈チ
ューブを通して患者に送ることができる。
【0044】 この種の処理装置において、生物学的誘導組成物を照射し処理するためにBP
Lが用いられる。これは、例えばウィルスおよび/またはバクテリアなどの病原
体含有率を、少なくとも10のファクタ分減少させる。好ましくは、処理方法は
、少なくとも約0.01J/cm2、好ましくは約0.02J/cm2から約50
J/cm2、および最も好ましくは約0.05J/cm2から1.0J/cm2
強度を有するパルス光で生物学的誘導組成物を照射することを含む。ここでエネ
ルギー強度は照射される組成物の表面で測定されたものである。光パルスは、好
ましくは極めて短時間である。約100ミリ秒より短いパルス時間が好ましく、
約10ナノ秒と100ミリ秒との間、例えば約0.3ミリ秒の時間が最も好まし
い。パルス光は、高強度かつ短時間であることに加えて、広域スペクトルのイン
コヒーレント多色光として特徴づけられる。好ましくは、光は、約170nmか
ら約2600nmの波長を含む(すなわち、約1.8×1015Hzから約1.2
×1014Hzの周波数)。パルス間の時間は、例えば約100ミリ秒未満と極め
て短いので、単一の多重パルス不活性化処理はそれぞれの処理において1分未満
で完結することができる。処理が、ポンピングされ、またはさもなければ(バッ
チ処理とは対照的に)循環される生成物を流動させることである場合、さらに速
い流速を可能とするように、流路に沿って配置される多数のフラッシュランプを
用意することが望まれる。このような処理は、完了するのに数時間を必要とする
、生物学的誘導組成物中の病原体含有率を減少するこれまでに知られている方法
と極めて対照的である。
【0045】 本明細書の方法にしたがい生物学的誘導組成物を最も効率的かつ確実に処理す
るために、広域スペクトルパルス光で可能な限り完全に組成物を照射しなければ
ならない。それゆえ、処理すべき組成物は、不活性化が確実に行われるような広
域スペクトルパルス光に充分透過性がある物質、例えば少なくとも1%の透過性
がある物質に、少なくとも処理する間、含まれることが重要である。適切な物質
の例としては、例えば、ポリエチレンおよびポリプロピレンなどのポリオレフィ
ン、ナイロン、石英およびサファイアを含み、第`598号特許には、パルス光
処理装置に使用するのに適切な多くのポリマーが記載されている。
【0046】 使用に際してパルス光処理装置の特定の構成に依存して、含む物質を形成する
ために、異なる物質が好まれる。例えば、生物学的誘導組成物が通過する近接し
た薄いプレートを処理装置が使用する場合、このようなプレートは石英またはサ
ファイアなどの比較的堅く透過性のある物質から形成されることが好ましい。対
照的に、処理ゾーンが静脈チューブである場合、柔軟なポリマー物質が好ましい
【0047】 いずれのパルス光処理装置を使用すべきか、および処理すべき生物学的誘導組
成物をいずれの物質内に含むべきかを考察するに加えて、組成物自身の特性を考
慮すべきである。例えば、生物学的誘導組成物の透過性は、広域スペクトルパル
ス光でこれを完全に照射するのを保証するために重要である。生物学的誘導組成
物の多くの成分は、広域スペクトルパルス光に対する組成物の透過性を減少させ
ている。例えば、全細胞、高濃度タンパク質および/または多量の脂質または他
の高分子の存在は、生物学的誘導組成物を通しておよび/または内で、広域スペ
クトルパルス光の透過性を全て妨害しうる。
【0048】 幸運にも、生物学的誘導組成物の透過性は、通常、この種の組成物を加工する
際にしばしば普通に行われる単純な希釈により、組成物に対し永久的な損傷なく
調整でき、これは周知の適切な技術である。血漿の透過性を向上させることが、
本明細書に記載する方法に従いその処理を最適化するために、例えばBPLに対
して望まれている場合、まず血漿を例えば適切な生理食塩水で希釈し、そしてB
PLで処理した後、続いて再濃縮またはさらに加工して、最終的に所望の生成物
が得られる。生物学的誘導組成物中に存在する全細胞は、本明細書に記載する方
法に従ってパルス光で処理することにより回復できない損傷を受けるので、全細
胞を含まないかまたは無傷の全細胞の回復を必要としない、生物学的誘導組成物
を処理し、続いてBPLでこれを処理する方法が最も適切である。
【0049】 前述のように、これらの方法は、組成物中の対象の生体分子の治療学的、薬学
的、栄養学的および/または他の所望する特性を通常破壊することなく、生物学
的誘導組成物中に存在する病原体を不活性化するために有利に使用できる。対象
のいくつかの生体分子の有効性は、広域スペクトルパルス光での処理の結果とし
て僅かに減少するが、この種の多くの例において、残りの活性はまだ許容できる
。さらにその上、対象のいくつかの生体分子の有効性は、多くの例においてBP
Lで処理することにより高められ、これは結果として改良されたまたは新規な治
療となりうる。
【0050】 図4は本発明の方法の種々の実施形態のいくつかを例示するフローチャートで
ある。処理すべき生物学的誘導組成物の非希釈試料300は、希釈して希釈組成
物302とし、または希釈せずに処理される。パルス光処理装置の処理ゾーンに
生物学的誘導組成物を導入する3つの好ましい典型的な方法、管状フロー法30
4、バッチ処理法306およびプレートフロー処理308が示されている。管状
フロー法304の特定の実施形態を図2および3に関して記載した。この最初の
選択によれば、チューブまたは同様の伸長された装置により、処理チャンバの処
理ゾーンに組成物を導入する。これは、例えば、楕円の処理装置での処理、静脈
チューブを通る処理および関連する方法を含む。好ましくは、チューブは、少な
くとも組成物がパルス光で照射されるポイントで、全組成物が照射されるに充分
小さい径を有する。
【0051】 生物学的誘導組成物を処理チャンバの処理ゾーンに導入する第2の選択肢は、
バッチ形306中で組成物を処理することである。この選択肢において、例えば
組成物を比較的少量に分別し、1つまたはそれ以上の適切な透過性容器内に置き
、そしてパルス光で照射する。バッチ方法を用いて少量において極めて素早くお
よび効率的に処理することができるウシ胎仔血清などの、媒体成分のパルス光処
理に対して、処理のバッチ法は特に有用である。図4に示す第3の選択肢はプレ
ートフロー308装置である。上記に詳述したように、プレートフロー308装
置は、処理すべき組成物が流れを引き起こされる、2つの近接した薄いプレート
を含む。有利なことに、この特有な選択肢は、薄く広い層に組成物を分配するこ
とにより一度に大量の組成物を処理できる。パルス光処理チャンバの処理ゾーン
に生物学的誘導組成物を導入する他の代わりうる手段は、当業者に明白であろう
【0052】 以下は、本明細書に記載した方法を使用する、特定の病原体を不活性化するい
くつかの例である。特に、生物学的誘導組成物中に存在するHIV−1およびB
VDVの不活性化が例示されている。これらの実施例の結果は、試験した4種の
ウィルスそれぞれの含有率が、広域スペクトル中のインコヒーレント多色光のた
った3つの高強度短時間パルスで処理した後に、極めて減少したことを示してい
る。特に、広域スペクトル光の単一パルスだけを照射後、HIV−1およびCP
Vの両方において、3log分より多くウィルス含有率が減少したことが示され
た。以下の5つの例は、ウシ胎仔血清中に存在する大腸菌などのバクテリアの不
活性化を例示している。
【0053】 (実施例1:SV40の不活性化) アフリカサバンナモンキー腎臓(AGMK)細胞にシミアンウイルス40(S
V40、ATCC VR−305)を接種する。細胞の75%から100%が細
胞変性効果(CPE)を示す時にウィルスを集菌する。ウィルスのストックを、
10%から15%のウシ胎仔血清(FBS)を含む媒体中に−60℃で冷凍保存
する。
【0054】 SV40を含む試料の滴定にAGMK細胞を用いる。AGMK細胞を成長させ
維持するために使用する媒体は、5%〜10%の熱不活性化FBS、10mg/
mLのゲンタマイシン、100ユニット/mLのペニシリン、および2.5mg
/mLの菌帯を有するイーグルス最小必須培養液(E−MEM)である。
【0055】 細胞培養を、5〜7%CO2の加湿雰囲気下36〜38℃で、インキュベート
(incubate)する。
【0056】 10%の熱不活性化FBSを有するE−MEM中のSV40の容量0.2mL
を、殺菌したポリエチレン試料容器に添加する。12個の複製試料を作成する。
試料のうち9個をBPLで処理する。これらのうち、3個の試料を単一光パルス
で処理し、3個の試料を2つのパルスで処理し、そして3個の試料を3つのパル
スで処理する。3個の未処理試料は、対照標準(contorol)として役立
つ。
【0057】 露光後、AGMKで接種した96ウェル(96−well)ミクロ培養プレー
ト中、それぞれのウィルス試料から10倍の希釈液を調製することにより、滴定
を行う。SV40を1〜2時間吸収させた後にウェルから除去し、そして新鮮な
培養液で置換する。(フェノールレッドなしでの)RPMIの滴定を対照標準と
して行う。全ての滴定を4つの組でプレート(plate)し、CPEおよび/
または細胞毒性の存在について10日間内モニターする。結果を表1に示す。
【0058】
【表1】
【0059】 ウイルス感染価がBPLへの露光により減少したかどうかを判定するために、
露光後滴定を露光前滴定と比較する。実施例1はSV40の2〜3log分の減
少を示す。最も高い使用可能滴定濃度がこの実施例で用いられている。より高い
開始滴定濃度を用いるか、より多くのパルスを適用するか、または媒体をより低
濃度のタンパク質となるよう希釈すると、より大きなウィルスの減少が期待され
る。
【0060】 (実施例2:HIV−1の不活性化) CCRF−CEM細胞をHIV型I種HTLVIIIB(ファンデルビルド大
学、ナッシュビル、テネシー州)で接種する。免疫蛍光アッセイ(IFA)によ
り判定されるように感染価が80%という最低限に達した時にHIV−1を集菌
する。ウィルスのストックを、10%から15%のFBSを含む媒体中に−60
℃で冷凍保存する。
【0061】 HIV−1を含む試料の滴定にMT−2細胞(NIH AIDS Resea
rch and Reference Reagent Program、カタ
log番号237)を用いる。MT−2細胞の成長および維持に用いる媒体は、
2mMのL−グルタミン、25mMのヘペス、2g/LのNaHCO3、15%
の熱不活性化FBSおよび50mg/mlのゲンタマイシンで補充したRPMI
1640(フェノールレッド含)である。細胞培養を5〜7%CO2の加湿雰囲
気下36〜38℃でインキュベートする。
【0062】 15%の熱不活性化FBSを有するRPMI中のHIVの容量0.2mLを、
殺菌したポリエチレン試料容器に添加する。12個の複製試料を作成する。試料
のうち9個をBPLで処理する。これらのうち、3個の試料を単一光パルスで処
理し、3個の試料を2つのパルスで処理し、そして3個の試料を3つのパルスで
処理する。3個の未処理試料は、対照標準として役立つ。
【0063】 露光後、MT−2細胞で接種した96ウェルミクロ培養プレート中、それぞれ
のウィルス試料から10倍の希釈液を調製することにより、滴定を行う。滴定期
間内を通してウェル中にHIV−1希釈液を維持する。(フェノールレッドなし
での)RPMIの滴定を対照標準として行う。全ての滴定を4つの組でプレート
し、CPEおよび/または細胞毒性の存在について10日間内モニターする。結
果を表2に示す。
【0064】
【表2】
【0065】 ウイルス感染価がBPLへの露光により減少したかどうかを判定するために、
露光後滴定を露光前滴定と比較する。実施例2は、BPLを用いてHIV−1の
5から6log分の減少が起きたことを示す。
【0066】 最も高い使用可能滴定濃度がこの実施例で用いられている。より高い開始滴定
濃度を用いるか、より多くのパルスを適用するか、または媒体をより低濃度のタ
ンパク質となるよう希釈すると、より大きなウィルスの減少が期待される。
【0067】 (実施例3:CPVの不活性化) A−72細胞(ATCC CRL 1542)をCPV(ATCCVR−20
17)で接種する。細胞の75%から100%が細胞変性効果(CPE)を示す
時にウィルスを集菌する。ウィルスのストックを、10%から15%のFBSを
含む媒体中に−60℃で冷凍保存する。
【0068】 CPVを含む試料の滴定にA−72細胞を用いる。A−72細胞を成長させ維
持するために使用する媒体は、5%〜10%の熱不活性化FBS、10mg/m
Lのゲンタマイシン、100ユニット/mLのペニシリン、および2.5mg/
mLの菌帯を補充したE−MEMである。細胞培養を、5〜7%CO2の加湿雰
囲気下36〜38℃でインキュベートする。
【0069】 5%の熱不活性化FBSを有するE−MEM中のCPVの容量0.2mLを、
殺菌したポリエチレン試料容器に添加する。12個の複製試料を作成する。試料
のうち9個をBPLで処理する。これらのうち、3個の試料を単一光パルスで処
理し、3個の試料を2つのパルスで処理し、そして3個の試料を3つのパルスで
処理する。3個の未処理試料は、対照標準として役立つ。
【0070】 露光後、A−72で接種した96ウェルミクロ培養プレート中、それぞれのウ
ィルス試料から10倍の希釈液を調製することにより滴定を行う。CPVを1〜
2時間吸収させた後にウェルから除去し、そして新鮮な培養液で置換する。赤血
球凝集(HA)により試験するために、上澄み試料をCPV滴定プレートから新
鮮なプレートに移す。(フェノールレッドなしでの)RPMIの滴定を対照標準
として行う。全ての滴定を4つの組でプレートし、CPEおよび/または細胞毒
性の存在について10日間内モニターする。結果を表3に示す。
【0071】
【表3】
【0072】 ウイルス感染価がBPLへの露光により減少したかどうかを判定するために、
露光後滴定を露光前滴定と比較する。実施例3は、BPLを用いてCPVの3か
ら4log分の減少が起きたことを示す。
【0073】 最も高い使用可能滴定濃度が、この実施例で用いられている。より高い開始滴
定濃度を用いるか、より多くのパルスを適用するか、または媒体をより低濃度の
タンパク質となるよう希釈すると、より大きなウィルスの減少が期待される。
【0074】 (実施例4:BVDVの不活性化) ウシ鼻甲介(BT)細胞(ATCC CRL 1390)をBVDV(ATC
C VR−534)で接種する。細胞の75%から100%が細胞変性効果(C
PE)を示す時にウィルスを集菌する。ウィルスのストックを、10%から15
%のFBSを含む媒体中に−60℃で冷凍保存する。
【0075】 BVDVを含む試料の滴定にBT細胞を用いる。BT細胞を成長させ維持する
ために使用する媒体は、15%のウマ血清を補充したE−MEMである。
【0076】 細胞培養を、5〜7%CO2の加湿雰囲気下36〜38℃でインキュベートす
る。
【0077】 5%の熱不活性化FBSを有するE−MEM中のBVDVの容量0.2mLを
、殺菌したポリエチレン試料容器に添加する。12個の複製試料を作成する。試
料のうち9個をBPLで処理する。これらのうち、3個の試料を単一光パルスで
処理し、3個の試料を2つのパルスで処理し、そして3個の試料を3つのパルス
で処理する。3個の未処理試料は、対照標準として役立つ。
【0078】 露光後、A−72で接種した96ウェルミクロ培養プレート中、それぞれのウ
ィルス試料から10倍の希釈液を調製することにより滴定を行う。BVDVを1
〜2時間吸収させた後にウェルから除去し、そして新鮮な培養液で置換する。(
フェノールレッドなしでの)RPMIの滴定を対照標準として行う。全ての滴定
を4つの組でプレートし、CPEおよび/または細胞毒性の存在について10日
間内モニターする。結果を表4に示す。
【0079】
【表4】
【0080】 ウイルス感染価がBPLへの露光により減少したかどうかを判定するために、
露光後滴定を露光前滴定と比較する。実施例4は、zBPLを用いてBVDVの
4log分の減少が起きたことを示す。
【0081】 最も高い使用可能滴定濃度がこの実施例で用いられている。より高い開始滴定
濃度を用いるか、より多くのパルスを適用するか、または媒体をより低濃度のタ
ンパク質となるよう希釈すると、より大きなウィルスの減少が期待される。
【0082】 (実施例5:大腸菌の不活性化) 15%のFBS試料を大腸菌(ATCC26)で接種し、32℃で終夜成長さ
せて、最終濃度を8.8×104CFU/mL(4.9 log CFU/mL
)とした。そして汚染血清(17,600CFU、すなわち4.25 log
CFUを含む)200μLを、本明細書に記載した方法に従い、広域スペクトル
光(1.0J/cm2/フラッシュ)の3つの短時間パルスで照射した。試料を
(0.05Mのリン酸緩衝液を用いて)連続希釈(10倍)して、標準の寒天プ
レート上にプレートした。プレートを32℃でインキュベートし、24および4
8時間で計数した。
【0083】 インキュベート48時間後、どのプレートにも大腸菌は観察されなかった。感
度レベルが20CFU(すなわち、1.3 log CFU)であるので、大腸
菌を接種したFBSで処理すると、広域スペクトル光のたった3パルスで、バク
テリア含有量が約3log分減少することが本試験で示されたことになる(4.
25 log CFU − 1.3 log CFU = 2.95 log
CFU)。
【0084】 本明細書で開示した本発明は特定の実施形態とその応用によって説明したが、
請求項に記載されている本発明の範囲から逸脱することなく、当業者によって多
くの変更及び変化を行うことが可能である。全ての参考文献および米国特許の開
示は、特別に参照として本明細書に組み入れられている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 組成物が処理されるように中に存在する、薄く、近接して間隔を置いたプレー
トを使用する装置であって、本発明に従って、生物学的誘導組成物を汚染除去す
るために使用し得る、典型的なパルス光処理装置の処理ゾーンの概略図である。
【図2】 広域スペクトルの多色光の高強度短時間パルスを供給する、長いインコヒーレ
ントパルス光源を囲むジャケットを通して、縦に流れる生物学的誘導組成物を処
理する、有用な他の典型的なパルス光処理装置の概略図である。
【図3】 生物学的誘導組成物が、楕円形の反射板内で1つまたは複数の長いインコヒー
レント光源に平行方向に流れ、広域スペクトルの多色光の高強度短時間パルスを
用いて処理される、さらに他の典型的なパルス光処理装置の概略図である。
【図4】 パルス光による汚染処理用の生物学的誘導組成物を調製し、このような組成物
をパルス光に曝露し、その後汚染除去された組成物の処理に用いられる種々の段
階の幾つかを例示するフローチャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 38/17 C12N 7/04 38/28 A61K 37/02 38/43 37/14 39/395 37/12 A61L 2/08 37/26 C12N 7/04 37/465 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ジェフリー エム.ボーガー アメリカ合衆国 92065 カリフォルニア 州 ラモーナ イースト ストリート 1241 (72)発明者 キャトリオナ ジェイ.マクドナルド アメリカ合衆国 92122 カリフォルニア 州 サンディエゴ カミノ カルマ 3965 (72)発明者 ショーン マロイ アメリカ合衆国 92131 カリフォルニア 州 サンディエゴ ルー チャンテマー 10065 (72)発明者 アンドリュー ヒュー ブッシュネル アメリカ合衆国 92131 カリフォルニア 州 サンディエゴ セミヨン ブールバー ド 11874 (72)発明者 ジェームズ ランドール クーパー アメリカ合衆国 92103 カリフォルニア 州 サンディエゴ バエ ビスタ 43345 Fターム(参考) 4B065 AA90X AA95X AC09 BC48 BD13 CA44 4C058 AA22 BB06 EE26 KK01 KK21 KK32 4C084 AA03 BA44 CA53 DA37 DA39 DA40 DB34 DC15 DC16 DC25 DC35 NA01 NA07 4C085 AA14 AA33 DD07 EE01 4C087 AA01 AA03 BB34 BB35 BC83 CA03 CA08 CA12 DA03 DA06 DA08 DA14 DA15 DA23 DA25 DA26 NA01 NA07

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生物学的誘導組成物中に存在する病原体の含有率を低下させ
    る方法であって、 少なくとも1つの病原体を含む生物学的誘導組成物を供給するステップと、 活性病原体の含有率が少なくとも10のファクタ分減少するように、広域スペ
    クトルのインコヒーレント多色光の少なくとも1つの高強度短時間パルスで生物
    学的誘導組成物を照射するステップと を備えたことを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 前記供給ステップは、ウイルス、細菌、発熱物質、毒素、真
    菌、およびプリオンからなる群から選択される少なくとも1つの病原体を含む生
    物学的誘導組成物を供給することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記供給ステップは、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)−1
    、HIV−2、A型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、HT
    LV−I、HTLV−II、サイトメガロウイルス、サル空腔ウイルス40、ウ
    シウイルス性下痢ウイルス、およびイヌパルボウイルスからなる群から選択され
    る少なくとも1つのウイルスを含む生物学的誘導組成物を供給することを特徴と
    する請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記供給ステップは、血漿組成物、第VIII因子組成物、
    第IX因子組成物、アンチトロンビン組成物、トランスフェリン組成物、アルブ
    ミン組成物、免疫グロブリン組成物、モノクローナル抗体組成物、ウイルス性ベ
    クター組成物、ヘパリン組成物、コラーゲン組成物、インシュリン組成物、およ
    び血清アルブミン組成物からなる群から選択される生物学的誘導組成物を供給す
    ることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記照射ステップは、広域スペクトルのインコヒーレント多
    色光の少なくとも1つの高強度短時間パルスで生物学的誘導組成物を照射するこ
    とを含み、前記光の強さは少なくとも0.01J/cm2であり、前記パルス時
    間は100msより少なく、前記光の波長は170nmと2600nmの間であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記照射ステップは、広域スペクトルのインコヒーレント多
    色光の少なくとも2つの高強度短時間パルスで前記生物学的誘導組成物を照射す
    ることを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記供給ステップは、少なくとも1つの病原体を含み対象の
    生体分子を含む生物学的誘導組成物を供給し、対象の生体分子が破壊されないよ
    うに、前記照射ステップは、広域スペクトルのインコヒーレント多色光の少なく
    とも1つの高強度短時間パルスで生物学的誘導組成物を照射することを含むこと
    を特徴とする請求項1に記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記照射ステップの前に生物学的誘導組成物を希釈すること
    と、 前記照射ステップの後に生物学的誘導組成物を濃縮することと をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  9. 【請求項9】 少なくとも1つのフラッシュランプと2枚の対向する透過プ
    レートとを含む処理ゾーンを含んだ広域スペクトルのパルス光装置を有すること
    と、 生物学的誘導組成物を2枚の対向する透過プレートの間を流れさせることと をさらに備え、 生物学的誘導組成物の前記照射は、組成物が対向する透過プレートの間に位置
    している間に行われることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  10. 【請求項10】 対象の生体分子を含む生物学的誘導組成物中に存在するウ
    イルスを不活性化する方法であって、 対象の生体分子およびウイルスを含む生物学的誘導組成物を供給するステップ
    と、 ウイルスが不活性化されるように、広域スペクトルのパルス光の少なくとも1
    つのパルスで生物学的誘導組成物を照射するステップと を備えたことを特徴とする方法。
  11. 【請求項11】 対象の生体分子を含む生物学的誘導組成物であって、前記
    生体分子が生物学的に活性がある間に、請求項10に記載の処理の結果として、
    組成物が元の含有率の少なくとも10のファクタ分減少させられた活性ウイルス
    含有率を有することを特徴とする生物学的誘導組成物。
  12. 【請求項12】 前記供給ステップは、ウシ血清、ヒツジの血液、ウシのイ
    ンシュリン、ウシのトランスフェリン、ウシのヘパリン、コラーゲン、アミノ酸
    、ペプトン、ペプチド、モノクローナル抗体、および遺伝子工学的に処理された
    ホ乳類の細胞株からのタンパク質からなる群から選択される生物学的誘導組成物
    を供給することを特徴とする請求項10に記載の方法。
  13. 【請求項13】 ウイルスの不活性化によって活性ウイルスの含有率が少な
    くとも1log分減少する結果となるように、前記照射ステップは、広域スペク
    トルのパルス光の少なくとも1つのパルスで生物学的誘導組成物を照射すること
    を備えたことを特徴とする請求項10に記載の方法。
  14. 【請求項14】 ウイルスの不活性化によって活性ウイルスの含有率が少な
    くとも2log分減少する結果となるように、前記照射ステップは、広域スペク
    トルのパルス光の少なくとも1つのパルスで生物学的誘導組成物を照射すること
    を備えたことを特徴とする請求項10に記載の方法。
  15. 【請求項15】 生物学的誘導組成物中に存在する病原体の含有率を低下さ
    せる方法であって、 少なくとも1つの病原体および少なくとも1つの対象の生体分子を含む生物学
    的誘導組成物を供給するステップと、 活性病原体の含有率が低下させられ対象の生体分子が破壊されないように、広
    域スペクトルのインコヒーレント多色光の少なくとも1つの高強度短時間パルス
    で前記生物学的誘導組成物を照射するステップと を備えたことを特徴とする方法。
  16. 【請求項16】 前記照射ステップは、内部の活性病原体の含有率が少なく
    とも1log分減少するように、生物学的誘導組成物を照射することを備えたこ
    とを特徴とする請求項15に記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記供給ステップは、ウイルス、細菌、発熱物質、毒素、
    真菌、およびプリオンからなる群から選択される少なくとも1つの病原体を含む
    生物学的誘導組成物を供給することを特徴とする請求項15に記載の方法。
  18. 【請求項18】 供給ステップは、HIV−1、HIV−2、A型肝炎ウイ
    ルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、HTLV−I、HTLV−II、
    サイトメガロウイルス、SV40、ウシウイルス性下痢ウイルス、およびイヌパ
    ルボウイルスからなる群から選択される少なくとも1つのウイルスを含む生物学
    的誘導組成物を供給することを特徴とする請求項16に記載の方法。
  19. 【請求項19】 供給ステップは、ウシ血清、ヒツジの血液、ウシのインシ
    ュリン、ウシのトランスフェリン、ウシのヘパリン、コラーゲン、アミノ酸、ペ
    プトン、ペプチド、モノクローナル抗体、および遺伝子工学的に処理されたホ乳
    類の細胞株からのタンパク質からなる群から選択される生物学的誘導組成物を供
    給することを特徴とする請求項15に記載の方法。
  20. 【請求項20】 前記照射ステップは、広域スペクトルのインコヒーレント
    多色光の少なくとも2つの高強度短時間パルスで生物学的誘導組成物を照射する
    ことを備えたことを特徴とする請求項15に記載の方法。
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