JP2002536082A - 反応液を体孔に移す使い捨て装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 反応液を体孔（２）に移す使い捨て装置（１）であり、押すことによって装置を前記体孔に挿入することができる、充分な内因性粘ちょう度を有し、前記装置が、反応液の少なくとも一部の供給源に位置した中心要素（３）と、固体状態の中心要素の周りに配置され且つ、膨張して、体孔（２）の粘膜に対して密封するように押すことによって、体孔の中に分配された反応液を集めて、吸収するように設計されたパッド（５）から成る周囲要素とを備える。中心要素（３）が、体孔の外で周囲温度により相対的に固体になり、この体孔の内部で体温により相対的に液体に変わる基質から成り、前記中心要素がこの孔の中で、少なくとも部分的に液化して、反応液の液相の少なくとも一部を生じさせる

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 （技術分野） 本発明は、人体または動物の体孔、特に前記孔の粘膜に接触する体孔に、反応
液を移すか或いは、そこで循環（circulation）させることに関連する。

【０００２】 （背景技術） 用語“体孔”は、いかなる身体の孔、特に長い孔を意味し、種々の目的、特に
医療、治療、予防または診察を目的に、または美容及び身体的な衛生を目的に外
部から接触できる。そのような孔の一例として、外陰部から子宮の頸部まで延び
る女性の膣を意味し、その中に反応液が入るか、または反応液が循環するかして
、前記孔の粘膜または組織に接触する。

【０００３】 必然的に用語“反応液”は、いかなる液体または、局所的なルートを介して局
部的に、または全身的な、治療用の液体を意味し、それは一般的に液相または流
体相のものから成ると理解されるであろう。処理剤は、溶液または懸濁液として
分配される。この処理剤は、湿潤剤、特に体孔内にある体の流体あるいは体液に
、溶解及び流体化する薬剤または、治療、予防及び診察の薬剤、美容または身体
の衛生剤、防腐剤、殺菌剤、殺真菌剤及び、（例えば女性の膣孔の場合）殺精子
剤から構成されるグループから選択される。

【０００４】 本発明の目的は、特に処理剤が治療剤である時、体孔の壁の粘膜に接触する一
つ以上の活性要素の有効性を、更に良好にする使い捨て装置である。

【０００５】 本発明の別の目的は、前記装置が、その構造によって簡単に体孔に配置するか
保持される間に、反応液及び／または体液或いは問題となる体孔に存在する何ら
かの液体が、外部に流れるのを、ほぼ全体的になくすことを確実に行える装置で
ある。

【０００６】 （発明の開示） 最終的に本発明によると、使い捨て装置充分な粘ちゅう度を有し、装置を押し
込むことによって、体孔に挿入することができ、その使い捨て装置は、 反応液の少なくとも一部の供給源に位置した中心要素を備え、その中心要素は周
囲温度と体孔の外で相対的に固体になり、この同じ体孔の内部と体温で相対的に
液体または流体になる基質から成り、この体孔の中で中心要素が少なくとも部分
的に液化して、反応液の液相の少なくとも一部を生じさせ（原文のまま）、 また固体状態の中心要素の周りに配置され且つ、膨張して、体孔の粘膜に対して
密封方法により押すことによって、体孔の中で循環する反応液を集めて、吸収す
るように設計されたパッドから成る周囲要素も備える。

【０００７】 （発明を実施するための最良の形態） 本発明を添付図面を参照し、それに制限されない一例として、説明する。 図１は本発明による使い捨て装置を示しており、体孔に配置した状態で、装置が
押すことによって体孔に挿入された直後であり、この装置は本発明の第一実施例
によるもので、図１は本発明による装置を介した軸線方向の断面図であり、装置
は軸線について回転対称である。 図２〜図４は、個々に本発明による別の三つの実施例を示しており、同じく軸線
方向の断面図である。

【０００８】 図１を参照して、本発明による使い捨て装置は、参照符号１によって示され
ている。一般的に、使い捨て装置は、前記で定義したような反応液を、符号２に
よって示された体孔に、分配させるかまたは、放出させる。この装置は、相対的
に固体であるが、柔軟で、押すことによって装置を孔に挿入するのに、充分に硬
いか強固な内因性及び全体的な粘膜を有し、押す際に前記装置の構造を変えるこ
となく、特にその様々な構成要素を分離することなく及び／または、（図４によ
る実施例に匹敵する）前記装置の内部に収納され得る、どの液体収容カプセルも
破裂させることもない。

【０００９】 本発明による装置は、実質的に固定して相互に組み合わされた二つの構成要素
、すなわち、 前記で定義した反応液の少なくとも一部の供給源に位置した中心要素３と、 中心要素３の周りに配置され、反応液を吸収するために設計されたパッド５を備
えた周囲要素４とから成り、 反応液が循環するかまたは、（図１に点線で示された形状に匹敵するように）膨
張して、相対的に密封するように体孔の粘膜に対して押すことによって、体孔に
分配される。

【００１０】 中心要素３が、例えばゼラチンを基にした基質から成り、また基質が体孔の外
で周囲温度により相対的に固体になり、体温で（原文のまま)、体孔の内部にお
いて、体温により相対的に液体になり、この孔の中で中心要素が、反応液の液相
の少なくとも一部を、少なくとも部分的に液化するようになっている。

【００１１】 ゼラチンは、同じ特性を有する何らかの別の基質、例えば脂質と取り替えても
よい。

【００１２】 必然的に本発明による実質的な一特性は、従って体孔の中、すなわち人体また
は動物の体の中で、液化することによって、反応液の液相の全てまたは一部を得
ることを可能にする、中心要素の基質である。

【００１３】 好ましくは、前記のような体孔を治療する薬剤は、中心要素の固体基質に別個
に分配され、それは基質の外部における前記処理剤の特性または物理的な形、例
えば脂性、固形あるいは液状の物理的な形であることは関係なく、またはそれが
特性により疎水性、または親水性であっても関係ない。この処理剤の個々の分配
は、本発明による使い捨て装置を製造される時、その薬剤を前記で定義した液相
の基質に混合することによって、達成され得る。

【００１４】 図１を見ると明らかなように、中心要素３が一種の成形部分であり、例えばゼ
ラチンのような液体基質の凝固によって成形される。パッド５が、またそれが膨
張して液体または流体を吸収することが可能な材料から成形、或いは形成された
スリーブである。この材料は、例えば生物学適合性のあるプラスチック材料の発
泡体、または他に中心要素３の周りで開く（例えば曲げられる）、繊維材料（例
えばセルロース型）である。ゆえに中心要素３及び周囲要素４が、それらが中心
要素を単に軸線方向へ、周囲要素に向かって、またはそれと逆に押すことによっ
て、互いに合わさるように作られている。

【００１５】 周囲要素４は、開口４ａまたはボアを有しており、特にそれは図１に示されて
いるように盲穴であり、その形状及び寸法は、中心要素３の本体３ａを受容する
のに対応して、作られている。中心要素３のヘッド３ｂは、外形が凸形で、例え
ば周囲にカラー６を有し、周囲要素４がネック７を有し、その形及び寸法は、中
心要素３及び周囲要素４を共に軸線方向へ押すことによって、カラー６を確実に
保持するように作られている。図１に示されているようにネック７が、内向きに
カラー６を収める下切取り部分を有しており、外形が凸形例えば球状である。中
心要素３の脚部３ｃは、膨らんだ形状をしており、周囲要素４が、対応する朝顔
形部分４ｄを有しており、その形状及び寸法は、中心要素３の脚部３Ｃを保持す
るように作られている。

【００１６】 パッド５の吸収材料は、膨張することができ、且つ／またはスポンジであり、例
えばフィラメント、毛状繊維、または天然の繊維（例えばセルロースまたはビス
コース）などから成る。前記の様に、中心要素３の基質の液化または溶解は、体
孔２の中で反応液の液相の少なくとも一部を発生させ、そしてを前記液体をパッ
ド５に集めることで、パッド５を膨張させる。これは体孔２の内部で体温による
場合である。

【００１７】 体孔２に接触した反応液を再利用するため、パッド５には穴があけられ、例え
ば交差する形で四つの放射状流路１１を具備し、その流路は開口４ａの下に配置
され、パッド５の外面で開口し且つ、開口４ａの底部に連通している。

【００１８】 図２によると、カラー６が中心要素３の脚部３ｃに向かって延び、スカート６
ａの形となり、ネック７から離れた周囲要素４の一部分４ｂにかぶさる。

【００１９】 更に図２によると、周囲要素４に取り付けられたストリング１２が、装置が体
孔の治療をした後、すなわち中心要素３の基質が液化した後、使い捨て装置１を
体孔２から取り出す。

【００２０】 図３によると、それらの要素が組立てられると、前記の様に、閉じた一時保護
ケーシング１０が中心要素３及び周囲要素４を覆う。このケーシングは例えば上
記のような性質を有した基質、例えばゼラチンを基に構成される。この手段は、
ケーシングが体孔の外で周囲温度により相対的に固体である材料から作られてお
り、体孔の中で体温により、この材料が解けて、前記に定義した反応液の液相の
別の部分を成す。しかし、このケーシング１０は、ガレン医療法（galenic）の
形式で、糖衣をかけたピルを得るために使用される、硬く固体の佐薬、例えばス
クロースからなり、溶解するか或いは壊れることができて、体孔２におけるどの
体液とも接触する。

【００２１】 図４によると、中心要素３はカプセルであり、その壁８は前記で定義した基質
から成り、その内部が別の液体１５を収容し、液体は反応液または他の液体であ
り、前記壁８は、体孔の外では周囲温度により、前記液体に関して閉じられて密
封される。従ってカプセル内に収容された液体は、反応液の液相の量を増加させ
ることができる。この液体１５は何らかの適切な形、例えば脂性であり、前記で
定義したように、前記液体において溶けるかまたは懸濁する、処理剤を全てまた
は一部を収容し得る。

【００２２】 本発明による別の実施例に関して示していないように、図４に示されたケーシ
ング１０は、取り除かれて得て、壁８がパッド５と逆の端部で、裂くことができ
る付属器を形成しており、ユーザーに装置を体孔に挿入する直前で、カプセルを
開けさせ、有利にはそれを少量の液体１５により、前記孔に挿入する時に前記装
置の外部を湿らす。

【００２３】 図１〜図４に関して、本発明による装置は、近位部分１ａと遠位部分１ｂとを
備え、体孔２に挿入する前は、近位部分の最大横直径が、遠位部分の１ｂの最大
横直径よりも小さく、体孔２を介して装置が挿入される。これによって、反応液
が行き渡って、パッド５を膨張させる前に、装置を一時的に孔に保持することが
できる。

【００２４】 また、この形態は、パッド５が装置１の挿入時に乾燥状態である時、体孔２の
粘膜と吸収材料との間で、いかなる接触も制限するまたは無くすことができる。
その様な接触は、僅かではない相当量の磨耗を生じさせるだけでなく、ユーザー
にとって不快または痛みの源となり得る。他方で採用された形態によって、近位
部分１ａのみが、装置が挿入されると摺動して、体孔の粘膜に接触する、比較的
滑りやすいカラー７によって覆われる。

【００２５】 前記のような使い捨て装置は、以下の本質的な利点を提供する。それは、 体孔の粘膜による一つ以上の処理剤の吸収作用は、より完全且つ迅速であること
、 処理剤を中心要素の基質に混合することで、基質によっても保護される正確且つ
一定量の処理剤を得ることができ、これによって例えば、いかなる酸化または加
水分解もさせないこと、 体孔の粘膜と反応液を、お互い充分に接触させること、 である。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明による使い捨て装置の軸方向断面図

【図２】 本発明による使い捨て装置の別の実施例を示した軸方向断面図

【図３】 本発明による使い捨て装置の別の実施例を示した軸方向断面図

【図４】 本発明による使い捨て装置の別の実施例を示した軸方向断面図

【手続補正書】特許協力条約第３４条補正の翻訳文提出書

【提出日】平成１３年２月２０日（２００１．２．２０）

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】特許請求の範囲

【補正方法】変更

【補正の内容】

【特許請求の範囲】

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ， ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，Ｋ Ｅ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＴＺ，ＵＧ，ＺＷ )，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ， ＴＪ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ， ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，Ｃ Ｒ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＤＭ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ ，ＧＢ，ＧＤ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ， ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，Ｋ Ｚ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＡ ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ， ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，Ｓ Ｋ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＴＺ，ＵＡ，ＵＧ ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＡ，ＺＷ

Claims (11)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 反応液を体孔（２）に移す使い捨て装置（１）であり、押す
   ことによって装置を前記体孔に挿入することができる、充分な内因性粘ちょう度
   を有し、前記装置が、 反応液の少なくとも一部の供給源に位置した中心要素（３）と、 固体状態の中心要素の周りに配置され且つ、膨張して、体孔（２）の粘膜に対し
   て密封するように押すことにより、体孔の中に分配された反応液を集めて、吸収
   するように設計されたパッド（５）から成る周囲要素とを備え、 中心要素（３）が、体孔の外で周囲温度により相対的に固体になり、この体孔の
   内部で体温により相対的に液体になる基質から成り、この孔の中で前記中心要素
   が、少なくとも部分的に液化して、反応液の液相の少なくとも一部を生じさせる
   ことを特徴とする装置。
2. 【請求項２】 体孔（２）を処理する薬剤が、中心要素（３）の固体基質に
   分配されることを特徴とする請求項１に記載の装置。
3. 【請求項３】 処理剤が、湿潤剤、特に体孔（２）内にある体の流体あるい
   は体液に、溶解及び流体化する薬剤または、治療、予防及び診察の薬剤、美容ま
   たは身体の衛生剤、防腐剤、殺菌剤、殺真菌剤及び、殺精子剤から構成される群
   から選択されることを特徴とする請求項２に記載の装置。
4. 【請求項４】 周囲要素（４）が、特に盲穴である開口（４ａ）を有し、開
   口の形状及び寸法は、中心要素（３）の本体（３ａ）を受容するように作られる
   ことを特徴とする請求項１に記載の装置。
5. 【請求項５】 中心要素（３）のヘッド（３ｂ）は、カラー（６）を有し、
   周囲要素（４）がネック（７）を有し、その形状及び寸法は、中心要素（３）及
   び周囲要素（４）を共に軸線方向へ押すことによって、カラー（６）を確実に保
   持するように作られることを特徴とする請求項１に記載の装置。
6. 【請求項６】 中心要素（３）の脚部（３ｃ）は、膨らんだ形状をしており
   、周囲要素（４）が、対応する朝顔形部分（４ｄ）を有しており、その形状及び
   寸法は、中心要素（３）の脚部（３ｃ）を保持するように作られることを特徴と
   する請求項１に記載の装置。
7. 【請求項７】 カラー（６）が、中心要素（３）の脚部（３ｃ）に向かって
   延びて、スカート（６ａ）の形となり、ネック(７)から離れた周囲要素（４）の
   一部分（４ｂ）にかぶさることを特徴とする請求項５に記載の装置。
8. 【請求項８】 中心要素（３）はカプセルであり、その壁（８）は前記で定
   義した基質から成り、その内部が別の液体１５、すなわち反応液または他の液体
   を収容し、前記壁（８）は、体孔（２）の外では周囲温度により、前記液体に関
   して閉じられて密封されることを特徴とする請求項１に記載の装置。
9. 【請求項９】 前記要素が組立てられると、一時保護ケーシング（１０）が
   中心要素（３）及び周囲要素（４）を覆うことを特徴とする請求項１に記載の装
   置。
10. 【請求項１０】 前記基質が、ゼラチンを含むことを特徴とする請求項１に
    記載の装置。
11. 【請求項１１】 パッド（５）には穴があけられ、例えば交差する形で四つ
    の放射状流路（１１）を具備し、その流路は開口（４ａ）の下に配置され、パッ
    ド５の外面で開口し且つ、開口（４ａ）の底部に連通することを特徴とする請求
    項１に記載の装置。