JP2002535991A - 哺乳類細胞系の一次エネルギー代謝を改良する方法 - Google Patents

哺乳類細胞系の一次エネルギー代謝を改良する方法

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ワグナー,ローランド
イラニ,ノーシン
ビルト,マンフレッド
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Abstract

(57)【要約】 本発明は哺乳類細胞系の一次エネルギー代謝を改善する方法に関し、その際哺乳類細胞の中に遺伝子工学的に細胞質の酵母−ピルビン酸カルボキシラーゼ用の構造遺伝子を移入し発現させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、哺乳類細胞系の一次エネルギー代謝を改良する方法、本方法に使用
するための発現ベクターおよび本方法により得られる改良された一次エネルギー
代謝を備えた組換え体哺乳類細胞に関する。
【0002】 主エネルギー源の一つであるグルコースはこれを極めて僅かの部分しか完全に
は二酸化炭素まで酸化することができない。その大部分は乳酸塩およびアラニン
として遊離される。この好気性糖分解の際には僅かのエネルギーしか得られない
ので、エネルギー需要はグルタミン分解によって賄われる。その場合有害な副産
物としてアンモニアが発生する。
【0003】 種々の研究の結果、糖分解の産物であるピルビン酸塩をクエン酸回路(TCA)
に導入する重要な酵素の活性は細胞系においては僅かであることが判明した(フ
ィッツパトリックら、1993;ペッチとバトラー、1994;ニーマンとワグナー、19
96)(引用した文献のリストは本明細書の最後に記載)。糖分解とクエン酸回路
との間に1種の連絡があれば、エネルギー代謝に対するグルコースの関与が増加
し、グルタミンの需要が減少する筈である。
【0004】哺乳動物細胞系でのエネルギー代謝についての概要 哺乳動物の継代細胞系の培養において、グルコースとグルタミンとは比較的複
雑な栄養培地の多くの重要な成分の中で特殊な地位を有する。すなわち細菌また
は酵母とは異なり、この両方の基質はエネルギー供給源として必要で、その際グ
ルタミンは主要な細胞のエネルギー源(ATP)として働く。それによって、グル
タミンからの細胞のエネルギー供給の割合は、個々の細胞系並びにグルコースの
存在とその濃度とに左右される。
【0005】 従って、哺乳動物細胞の一次エネルギー代謝は、グルコースの酸化とグルタミ
ンの酸化とからなり、糖分解、グルタミン分解およびクエン酸回路の代謝経路を
含んでなる。この一次代謝の経路とその分岐および重要な酵素機能との概要を図
1に示す。
【0006】グルコース代謝 哺乳類細胞系において、グルコースの80〜97%が糖分解を経て分解する。しか
し昆虫細胞や一次細胞とは異なり、哺乳類の形質転換細胞系では糖分解で分解し
たグルコースのほとんど全てが乳酸塩に変わり、グルコース炭素または解糖中間
体の極めて僅かの部分(約0.2〜5%)のみがエネルギーを供給するクエン酸回路
に達する。
【0007】 ほとんど全ての哺乳類細胞系におけるこのグルコースから乳酸塩へのほとんど
一貫した反応、または解糖中間体からクエン酸回路への移行の阻止の理由につい
てはいまだ解明されていない。
【0008】 仲介する酵素であるピルビン酸デヒドロゲナーゼの活性が、不可逆的リン酸化
反応による低い発現率または永続的阻害により非常に僅かであることが先ず想定
される。この誤制御の結果として栄養培地に多量の乳酸塩が加えられ、そのため
培養の酸性化が制御できなくなる。この状態は、栄養素の利用の際の低効率、グ
ルコースの高消費および低エネルギー収率を意味する。
【0009】グルタミン代謝 グルタミン分解は糖分解のような個々の一貫した代謝経路を示さず、その代わ
り8個までの、部分的には互いに連絡した、代りの代謝経路の回路網を形成し、
そこでグルタミンは異なる程度に酸化されて、種々のエネルギー収率および生産
物の組合せが得られる。
【0010】 グルタミンの大部分は脱アミノ化されて、中間体α−ケトグルタル酸塩を介し
てクエン酸回路に入ることができ、そこで完全に二酸化炭素まで酸化され得る。
更にグルタミンは一部、アミノ酸のアスパラギン酸塩、アラニンまたは乳酸塩に
までも変化することができる。これらの生成物は培養基に分泌されるかまたはア
スパラギン酸塩の場合にはオキサロ酢酸塩を介してクエン酸回路に入り込む。
【0011】 グルタミンの完全な酸化または部分的酸化への通路の選定が、細胞のエネルギ
ー収支に対するグルタミンの寄与を決定する。種々の哺乳類細胞系の研究の結果
、グルタミンはグルコースが存在すれば細胞のエネルギー需要の30〜65%、場合
によっては98%までも賄えることが判明した。一般に哺乳類細胞のエネルギー収
支に対するグルタミンの寄与は、培地のグルコースの濃度が低いほどそれだけ増
大する。
【0012】 グルタミン分解の重要な副産物はアンモニアである。グルタミン分解の代謝分
岐経路に依存して、グルタミンのモル当たり1または2モルのアンモニアが生成
し、これは細胞に対して成長阻害ないし有毒に作用する。一方では細胞内pH値
の低下と、他方では多量のアンモニアがヌクレオチドプールおよび糖ヌクレオチ
ドプールの変化とを招来し(ライルら、1994;バレーら、1999)、これが糖タン
パク質の、N−グリコシドと連結した炭水化物側鎖の発現に大きく影響し、従っ
て治療薬の製品の品質を変化する(ゴーリチェクら、1998;グラマチコスら、19
98)。
【0013】哺乳動物細胞系における代謝エンジニアリング 細胞システムの成長と生産性とを著しく改良しようとする研究には、おそらく
エネルギー代謝の特定の基質の流れを根本的に変える必要がある。それには代謝
の主要点に関する非常に詳細な知識を必要とする。
【0014】 しかし代謝の中での不可逆的干渉は、この敏感な哺乳動物細胞の場合に直ちに
かなりの問題になるので、哺乳類細胞の場合には細菌や酵母と比較して、一つの
合理的な代謝計画に対して最初は非常に僅かの試験が行なわれる。
【0015】 実際現在の知識の状態は、哺乳類細胞のいわゆる一次代謝での一つの代謝エン ジニアリング の最初の6種の実験を実施して成功したところである。
【0016】 哺乳類細胞系の最初の端緒はペンゼとベイリー(1994)により公表された。細
胞内の高いATPレベルまたはエネルギーレベルが生産性を向上するとの前提のも
とに、細菌性ビトレオシラVitreoscilla)ヘモグロビン(Vhb)用の遺伝子を
、tPAを産生するCHOの細胞系にクローン化した。その結果得られたVhbを発現し
た細胞系は、トランスフェクションしなかった対照の細胞系に比べて成長は減少
したが、特異的tPA産生は約40〜100%増加した。明らかに細胞のエネルギー状態
が高ければ成長および生産性の両方に影響することができる。
【0017】 レナーら(1995)はbFGF(塩基性繊維芽細胞成長因子)のような成長因子の研
究により細胞周期、成長およびサイクリンE発現の間の関連を突き止めた。高い
サイクリンE発現では、特定のCHO細胞において比較的長いG期と短いS期とを
有する一つの細胞周期が存在し、細胞の成長率は比較的高い。続いて著者等はCH
O細胞にサイクリンE発現ベクターをクローン化した。トランスフェクションし
た細胞系はサイクリンEの量が増えたため、トランスフェクションしなかった対
照細胞よりも増殖率が高く、特にタンパク質無しの基本培地ではその増加が大き
かった。更に細胞の形態と細胞周期の分布とはbFGFで刺激したCHO細胞に類似し
ていた。この細胞周期の代謝的設計により細胞の成長と細胞の形態に影響を与え
ることができる。
【0018】 ベルら(1995)はグルタミンシンテターゼ遺伝子を有する1種のベクターを1
種のハイブリドーマ細胞系にクローン化した。トランスフェクションしたハイブ
リドーマ細胞系はそのグルタミンシンテターゼの活性により、トランスフェクシ
ョンしなかった対照細胞系と異なりグルタミンを含まない栄養培地の中で成長で
きた。
【0019】 このトランスフェクションはグルタミン代謝への、従って哺乳類細胞の一次代
謝とエネルギー代謝への一つの決定的な干渉である。同時にグルタミンから生成
するアンモニアの毒性の問題が、グルタミンを含まない培養の可能性により大幅
に低減された。
【0020】 リースとヘイ(1995)は細菌性トレオニン代謝経路の全体を1種の哺乳類細胞
系にクローン化して、この細胞系を、トレオニンを含まない栄養培地で成長でき
るようにした。この細胞系は2種のベクターによりトランスフェクションされ、
それからアスパルトキナーゼ、アスパラギン酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ
、ホモセリンデヒドロゲナーゼ、ホモセリンキナーゼおよびトレオニンシンテタ
ーゼ用の遺伝子が構成的に発現された。こうしてアスパラギン酸塩からのトレオ
ニン用の細菌性生合成の全体の経路を1種の哺乳類細胞系の中にクローン化して
、その培養に比較的高価なアミノ酸であるトレオニンを使用しないで済むように
した。このトランスフェクションした細胞系は、トレオニンを含まない培地中の
高濃度のアスパラギン酸塩で、トレオニンを含む培地中のトランフェクションし
ていない対照細胞系と同様な成長性を示した。
【0021】 この代謝エンジニアリングの端緒により栄養培地を、成長と生産性とを損なう
ことなく非常に簡単に経済的に形成することができた。
【0022】 もう一つの代謝エンジニアリングの端緒は直接の一次代謝を対象にはしておら
ず、その対象はグリコシル化とそれによる糖タンパク質、例えばEPOの機能性と
品質である。
【0023】 シュレンケら(1997)は1種のBHK細胞系を、2,6−シアリルトランスフェ
ラーゼ用の情報とEPOとの両方を共通に備えたベクターと同時にトランスフェク
ションした。EPO-cDNAのみをトランスフェクションしたBHK細胞系に比べて、こ
の同時にトランスフェクションした細胞培養から産生されたEPOは、その炭水化
物の側鎖の端部に大幅に増加した量のN−アセチルノイラミン酸を有し、これは
同時クローン化した2,6−シアリルトランスフェラーゼによるものである。
【0024】 BHK細胞系中に存在する天然の2,3−シアリルトランスフェラーゼとは異な
り、2,6−シアリルトランスフェラーゼはN−アセチルノイラミン酸を炭水化
物の側鎖のN−アセチルガラクトサミン残基に結合することができる。この変化
によってのみ、EPOはヒトと同一の性質を備え、これは治療に適用した際に重要
になるであろう。
【0025】 本発明者らが哺乳類細胞系の中のグルコースの物質の流れについて実施した分
析により、酵素のヘキソキナーゼが触媒として働く糖分解の開始反応に一つの隘
路が見出された。
【0026】 代謝エンジニアリングへの一つの端緒により、本発明者らはマウスの脳からの
1種の組換え体ヘキソキナーゼ遺伝子をBHK細胞にクローン化して、追加のヘキ
ソキナーゼ活性により糖分解の速度決定反応を拡大し、また物質の流れ並びにAT
Pの形での細胞のエネルギー量を高めようとした。
【0027】 この組換え体細胞ではヘキソキナーゼの活性が従来の3倍までとなり、グルコ
ース消費量が増え、糖分解における物質の流れが増加し、細胞内のATP濃度も同
様に増加した。またグルタミン代謝が活性化された。しかし高いヘキソキナーゼ
活性と高いATP率とを有する細胞系においては細胞の成長率が低下した。それに
対して組換え体タンパク質生産物用の細胞の生産率は増加した。高いATP含有量
は細胞の成長率を促進しないが、条件によっては生産性を高めるようである。
【0028】 上述の結果から糖分解の物質の流れと細胞の成長との間に非常に明瞭な関連が
得られた:糖分解の相対的または絶対的の流れを高めれば、おそらくペントース
リン酸回路の流れが減少し、UDP−N−アセチルヘキソサミンのような成長を抑
える代謝物の形成が高められるので、細胞の成長の低下または細胞濃度の減少と
いう結果となる。
【0029】 しかしATPの高含有量は生産性の向上には重要であるように思われる。それは
タンパク質の生合成の種々の段階が直接ATPまたはGTPに関連し得るからである。
ジャクソン(1991)は、特定の組換え体タンパク質の翻訳速度はATPの利用可能
性に正比例の関係があると示した。
【0030】 このような背景の下で、本発明者らが発見した、ATP含有量の増加と共に向上
する細胞の中の生産物生成速度も明らかになる。
【0031】 即ち全体として、細胞のATP含有量または産生されたATPの量と組換え体タンパ
ク質の生産速度または生産量との間に直接の関連があることを示唆している。一
つの細胞の生産性もまた直接細胞のATP含有量と細胞のエネルギー代謝とに依存
し得る。
【0032】 従って本発明の課題は哺乳類細胞系の一次エネルギー代謝を改良するための方
法を提供することにある。
【0033】 この課題は請求項1に記載の哺乳類細胞系の一次エネルギー代謝を改良するた
めの方法によって解決される。
【0034】 更に本発明は、前記方法に使用するための発現ベクター、並びに前記方法によ
り得られる、野生型に比べて改良された一次エネルギー代謝を備えた組換え体哺
乳類細胞に関する。
【0035】 本発明の方法により得られた組換え体細胞系は、増加した完全なグルコースの
酸化、減少した乳酸塩の産生、減少したグルタミン消費量、増加したATP含有量
並びに増加した酸素消費量を示す。
【0036】 更に本組換え体細胞系は回分培養において野生型の細胞系よりも明らかに長く
成長し、存在する栄養素資源により長く生き延びる。
【0037】 この組換え体細胞系は、存在する栄養素により明らかに長く産生するので、生
産物の総収量が増加し、従来の細胞系に比べてプロセスの費用が減少する。
【0038】 本発明の方法により達成し得るその他の利点は、以下の詳細な説明の中で明ら
かにされる。
【0039】 本発明の有利な好ましい実施態様は本発明の下位請求項に記載してある。
【0040】 次に本発明を図面に従って詳細に説明する。
【0041】 高い糖分解の物質の流れの好ましくない効果を避け、但しATP産生を考慮した
グルコースの利用を改善するためには、従来の技術とは異なる経路をとる必要が
あった。
【0042】 これは、糖分解をクエン酸回路と結び付ける全ての酵素、例えばピルビン酸デ
ヒドロゲナーゼ、ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼおよびピルビン酸
カルボキシラーゼ(PC)のような酵素の活性が細胞系においては一次細胞と比べ
て僅かしかまたは全く存在しないと言う事実によるものである(図2a)。
【0043】 特にピルビン酸カルボキシラーゼの欠如は、患者がひどいアシドーシスに苦し
み遂には死に至る遺伝性疾患として既に良く知られている。グルコース炭素およ
びピルビン酸炭素の細胞系中のクエン酸回路への移入を確保するために、本発明
により1種の細胞質として発現されたピルビン酸カルボキシラーゼ(PC)の導入
により一つの追加の代謝の側部経路を導入した。
【0044】 天然のPCはミトコンドリアの中で発現され、これは充分の量のアセチルCoA
の存在に厳しく左右される。しかしピルビン酸を介してのこの代謝物による補給
がないために細胞系の中のアセチルCoAの量がきわどい状態にあったので、ヘ
キソキナーゼの場合のような遺伝子量の増加による経路はこの場合とることはで
きなかった。
【0045】 しかし酵母サッカロミセス・セレビシアエSaccharomyces cerevisiae)の中
では、ピルビン酸カルボキシラーゼはアセチルCoAが存在しなくとも活性であ
る(コロウィックとカプラン)。
【0046】 哺乳類細胞系における発現の際に問題になるおそれのある、酵母特異性の配列
のPYC2に対する遺伝子を除去した後で、1種の発現プラスミドをBHK細胞の中に
トランスフェクションし、細胞質中で発現させた。
【0047】 サッカロミセス・セレビシアエからの1種の細胞質ピルビン酸カルボキシラー
ゼ(PYC2)の発現により、1種の酵母を哺乳類細胞系の中に始めて発現すること
ができた。
【0048】 この新しい手段により、糖分解からのピルビン酸塩を先ず細胞質の中でオキサ
ロ酢酸塩に、次に既に存在している細胞質リンゴ酸デヒドロゲナーゼと一緒にリ
ンゴ酸塩に転移し、これをリンゴ酸−アスパラギン酸シャトルを介してミトコン
ドリアの中に更に酸化するために移入することができる(図2b)。
【0049】 図2aは哺乳類細胞系における従来のグルコース酸化の図を表示する。一次細
胞のミトコンドリアの中で普通はピルビン酸塩がピルビン酸デヒドロゲナーゼ複
合体(PDHC)によりアセチルCoAまで脱炭酸され、クエン酸回路に移入される
。哺乳類細胞系にはPDHC活性は僅かしかまたは全く認められない。同様にピルビ
ン酸カルボキシラーゼ(PC)及びホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ
(PEPCK)の活性は極めて低い。
【0050】 図2bは、酵母から細胞質ゾルとして発現された1種のピルビン酸カルボキシ
ラーゼ遺伝子(PYC2)を細胞に移入する一つの代謝エンジニアリングの方法を示
す。この場合ピルビン酸塩はオキサロ酢酸塩に転換され、リンゴ酸−アスパラギ
ン酸シャトルを介してリンゴ酸塩としてミトコンドリアの中に移入される。PYC2
は乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)と細胞質ピルビン酸塩プールのために競合して
、乳酸塩の形成に利用し得る基質を少なくする。更にNAD+が細胞質リンゴ酸デヒ
ドロゲナーゼ(MDHcyt)により再転換される。更にリンゴ酸酵素(ME)について
の復帰反応が重要なNADPHの形成のために有用なもう一つの回路を提供する。1
=MDHcyt、2=ME
【0051】 この手段によって新規の組換え体細胞の中に次の三つの重要な利点が得られた
: 1.さらに多くのグルコース炭素がクエン酸回路の中で完全に酸化される。 2.組換え体細胞質ピルビン酸カルボキシラーゼがピルビン酸塩の基質のために
乳酸デヒドロゲナーゼと競合し、乳酸塩形成用のこの基質の量を取り去る。 3.リンゴ酸デヒドロゲナーゼ反応がNADHからNAD+を再生し、これをグリセロー
ルアルデヒド−3−リン酸−デヒドロゲナーゼの段階で糖分解において再び自由
に使えるようになる。この手段によりNAD+を再生するための乳酸デヒドロゲナー
ゼ反応の重要性が低下する。シャトル機構によるリンゴ酸塩のミトコンドリアへ
の移入率に依存して、更にNADPHの生成の下で、リンゴ酸酵素の存在により過剰
のリンゴ酸塩を脱炭酸して、ピルビン酸塩を再生することができる。NADPHは多
くの生成プロセスおよび合成に用いられる。
【0052】 組換え体BHK細胞の中では従来のBHK細胞に比べて、グルコースの消費をファク
ター4だけ、またグルタミンの消費を約半分に減少することができた。更に比較
し得るよい成長の場合に、従来の1.4倍のATP含有量が確認できた(表1)。
【0053】 グルコース炭素が実際にクエン酸回路に入ったことを、放射性14CO2を放出さ
せる放射能標識のグルコース及びピルビン酸塩を利用して確認し、従来よりも高
いグルコースの酸化を裏付けた。
【0054】 酸化性代謝の指標となる細胞特異的酸素消費量は、組換え体のPYC2発現の細胞
系において元の細胞系に比べてファクター3まで増加した。基質消費量の減少に
より、消費した基質当たりの生産物の量は増大し、従ってこの組換え体細胞系を
用いれば薬用タンパク質を既存の培地で長期間産生することができ、最終的には
全体の生産コストの削減に寄与する。
【0055】
【表1】
【0056】 更に酵母からのPYC2遺伝子を有し、それをBHK細胞にトランスフェクションし
たプラスミドを公知の方法で産生した。BHK細胞の代りに他の細胞も使用できる
ことは専門家には明らかである。その成果は細胞特異的代謝データにより立証さ
れた。TCAにおけるグルコースの流れは幾らか速くなった。酸化性リン酸化度の
指標である酸素消費量も同様に増加した。
【0057】 更に明らかなように、代謝的に変化したPYC含有組換え体細胞はグルコース及
びグルタミンの消費が僅かであり、同時に乳酸の生産量が低下する。その結果回
分培養でのPYC細胞の成長サイクルは無変化の細胞に比べて長くなる。これは回
分培養の場合、改善された基質の利用とそのため長くなった生産相とを意味する
【0058】 連続培養の場合には発明者によれば、組換え体細胞の少ない基質消費に基づい
て、改良された基質利用により恒成分培養槽の流れの平衡において高い細胞濃度
が得られる。
【0059】 今後EPOをモデルタンパク質として使用して、細胞特異的生産性または培養槽
の空間−時間−収率の向上が可能かどうか検討する予定である。
【0060】遺伝子構造体の産生 サッカロミセス・セレビシアエからのピルビン酸カルボキシラーゼ(PYC2、イ
ソ酵素2)のcDNAがR.スタッカ(スタッカら、1991)により培養された。コー
ド化された部位に接する酵母ベクター断片の相互作用の可能性を避けるため、cD
NAをエンドヌクレアーゼ制限と連結とにより現在の技術の良く知られた方法によ
り小さいPCR断片を用いて本質的なコード化配列にまで切り揃えた(図3)。
【0061】 変化したcDNAについてCMVプロモーターの転写調節を行った。その結果得られ
たPCMVPYC2プラスミドは更に1種のアンピシリン耐性遺伝子を含む。その他のプ
ロモーターおよび耐性遺伝子あるいは一般に選択マーカーもまた使用できること
は明らかである。
【0062】 図3は直接隣接した酵母特異的配列のPYC2遺伝子の5'-および3'-部位の除去を
示す。
【0063】 先ず制限酵素Pvu IIにより5'-末端の一つの678塩基対の断片を切り取り、特定
プライマーに就いてのPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)により欠失した381塩基対
を連結し、コード化した配列の前に一つの制限酵素Hind III部位を設けた。
【0064】 3'-末端に対してはCla I部位に相当して469塩基対の除去と176塩基対の長さ
の断片との連結を実施した。この断片は3'-末端にHind III及びSma I部位を備
えた。
【0065】組換え体BHK細胞の産生 プラスミドPCMVSHE-PYC2を1種のネオマイシン耐性プラスミド(pAG60)とと
もにリン酸カルシウム共沈法(メートランドとマクドーガル、1977)を用いてBH
K-21A細胞の中にクリーグラー(クリーグラー、1990)により変更されたプロト
コルに準拠してトランスフェクションした(図4)。共沈殿物を除去してから、
グリシンの添加による浸透ショック法は使用しなかった。しかし、最後の処置は
実際の状況が必要とするならば実施することができる。また現在の技術から公知
のトランスフェクションの方法も使用可能である。
【0066】 図4は標準発現ベクターPCMVSHEに基づいた発現ベクターPCMVSHE-PYC2の図で
ある。略号の説明:CMV:サイトメガロウイルス即時初期エンハンサー・プロモ
ーター;SVpA:後期ポリデニレーション信号、スプライス部位、SV40 初期後期
スプライス部位
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【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、哺乳類細胞系での一次代謝の概要である。
【図2a】 図2aは、哺乳類細胞系における従来のグルコース酸化の図である。
【図2b】 図2bは、本発明の好ましい実施態様の、酵母から細胞質ゾルとして発現され
たピルビン酸カルボキシラーゼ遺伝子(PYC2)の細胞に移入する代謝エンジニア リング のための本発明の方法を具体的に説明する。
【図3】 図3は、直接隣接した酵母特異的配列のPYC2遺伝子の5'-および3'-部位の除去
を示す。
【図4】 図4は、発現ベクターPCMVSHE-PYC2と選択ベクターpAG60の説明図である。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成13年3月8日(2001.3.8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ビルト,マンフレッド ドイツ連邦共和国 D−38300 ウォルフ ェンビュッテル ハルツトーバル 12 (72)発明者 ヴァン デン ホイベル,ジョープ ドイツ連邦共和国 D−38304 ウォルフ ェンビュッテル アム グラード 3 Fターム(参考) 4B024 AA01 BA07 CA02 DA02 FA02 FA10 HA17 4B065 AA80Y AA87X AB01 CA27 CA44 【要約の続き】

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 哺乳類細胞系の一次エネルギー代謝を改良する方法であって
    、その際、 a)1種または数種の i)1種の細胞質の酵母−ピルビン酸カルボキシラーゼ用の1種の構造遺伝子
    と、 ii)転写調節のための1種の適当なプロモーターと iii)1種または数種の選択マーカーとを含む 発現ベクターにより適当な哺乳類細胞を形質転換またはトランスフェクションし
    、 b)その細胞を発現と選択とに適した条件の下で培養し、 c)生き残った細胞クローンを分離しおよび/または発酵/培養する前記方法。
  2. 【請求項2】 前記哺乳類細胞がBHK細胞である、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記酵母がサッカロミセス・セレビシアエである、請求項1
    または2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記プロモーターがCMVプロモーターである、前記請求項の
    いずれか1項に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記選択マーカーが1種のアンピシリン耐性遺伝子である、
    前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記選択マーカーが1種のジェネティシン耐性遺伝子である
    、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法に使用するための
    発現ベクターであって、1種の細胞質の酵母−ピルビン酸カルボキシラーゼ用の
    1種の構造遺伝子を含む発現ベクター。
  8. 【請求項8】 前記酵母がサッカロミセス・セレビシアエである、請求項7
    記載の発現ベクター。
  9. 【請求項9】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法により得られる、
    改良された一次エネルギー代謝を備えた組換え体哺乳類細胞。
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