JP2002535969A - Hpv−e6タンパク質阻害用ペプチド - Google Patents

Hpv−e6タンパク質阻害用ペプチド

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ブッツ,カーリン
ホッペ−セイラー,フェーリクス
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ドイチェス クレブスフォルシュンクスツェントルム スチフトゥング デス エッフェントリヒェン レヒツ
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、HPV−E6タンパク質を阻害するのに適するペプチド、それらをコードするDNAならびに特にHPV腫瘍細胞を排除するための両者の使用に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明はHPV−E6タンパク質を阻害するのに適したペプチド、それらのペ
プチドをコードするDNAおよびその両者の使用、特にHPV陽性細胞(例えば
HPV腫瘍細胞)を排除するための使用に関する。
【0002】 ヒトパピローマウイルス(HPV)は癌の発生に密接に関係している。子宮頸
癌の発生へのHPVの関与は詳細に特徴づけられており、この癌の病因にHPV
が原因的役割を果たすという事実は様々な知見によって示されている。分子レベ
ルでは子宮頸癌生検の約95%にHPV(特にHPV16および18)の配列を
検出することができる。これに関連して、HPV DNAは通常、腫瘍細胞のゲ
ノムに組み込まれた形で存在する。これはしばしば欠失および/または再編成を
含むが、このことは初期HPV遺伝子すなわちE6遺伝子とE7遺伝子には決し
て当てはまらない。これらの遺伝子はHPV癌の形成と発現の原因となるHPV
タンパク質E6およびE7をコードする。これに関連して、HPVタンパク質は
相乗効果を持つ。一方、これらのHPVタンパク質は相反する活性を示すという
趣旨の文献もある。例えば、E7タンパク質はアポトーシスを誘導するのに対し
、E6タンパク質はそれを阻害する。これはE6タンパク質がp53に直接的ま
たは間接的に(すなわちユビキチン−タンパク質リガーゼE6−APを介して)
結合しp53を阻害するので、p53はもはやそのアポトーシス誘導活性を示す
ことができなくなるという事実によるものである。E6タンパク質はまた、p5
3とは無関係な抗アポトーシス活性も持っている。E6タンパク質とE7タンパ
ク質の遺伝子は、転写が共通のプロモーターによって制御される多シストロン性
mRNAを介して発現される。そのプロモーターおよび/またはE6/E7 m
RNAを阻害する実験が知られている。これらの実験では、HPV腫瘍細胞の増
殖が並行して阻害されるという結果になった。しかしながら、最も望まれるこれ
らの細胞の排除はこの方法では達成できなかった。
【0003】 したがって、HPV腫瘍細胞を排除できる産物を提供することが本発明の目的
である。
【0004】 本発明によれば特許請求の範囲に規定されている主題によってこの目的が達成
される。
【0005】 出願人はHPV−E6タンパク質が短いペプチドに結合することを見出した。
出願人は、HPV−E6タンパク質をスクリーニング試料として使用する「ペプ
チドアプタマーシステム」を使って、ランダムに作製したペプチド配列を含むラ
ンダムオリゴペプチドライブラリーをスクリーニングした。出願人は、短いペプ
チド(特に表1に記載のペプチド)がHPV−E6タンパク質を結合することを
見出した。また出願人は、これらのペプチドがHPV−E6タンパク質の活性(
例えばその抗アポトーシス活性)を阻害するのに適していることを見出した。さ
らに出願人はこの阻害によってHPV陽性細胞(特にHPV腫瘍細胞)の排除を
達成できることを観察した。
【0006】 出願人はその洞察により、本発明に従って、表1に記載のペプチドから選択さ
れるペプチド(当該ペプチドは40%まで、特には20%まで、さらには10%
までの配列変更を含んでよい)を提供する。
【0007】
【表1】
【0008】 本発明のペプチドは、HPV−E6タンパク質を結合し、それらのタンパク質
をその活性に関して(例えばその抗アポトーシス活性に関して)阻害するのに適
している。
【0009】 「HPV−E6タンパク質」という表現は任意のHPVタイプの(特にHPV
1、5、6、11、16、18、31、33または35の)E6タンパク質を包
含する。E6タンパク質は野生型配列または1もしくは複数のアミノ酸が野生型
とは異なる配列を持ちうる。さらにE6タンパク質は短縮型として(すなわちp
53、ユビキチン−タンパク質リガーゼE6−APまたはE6タンパク質の他の
結合関与物への結合に必要な断片としてしか利用できない状態で)存在してもよ
い。この断片は1つのポリペプチド分子内に複数コピーで存在することもできる
。E6タンパク質またはその断片は融合タンパク質の形で存在することもできる
【0010】 本発明のペプチドは、ペプチドをHPV−E6タンパク質に対するその結合に
関して試験する一般的な方法によって得ることができる。そのような方法は、例
えば「ペプチドアプタマー」法や「バクテリオファージディスプレイ」法である
。上記の方法の変法である、実施例に記載の「ペプチドアプタマー」法を使用す
るのが好ましい。
【0011】 本発明のペプチドは単独でも存在できるし、他の物質〔例えば(ポリ)ペプチ
ド〕と結合した状態でも存在できる。この結合はリンカー(例えばジスルフィド
架橋)を介して本発明のペプチドを(ポリ)ペプチドと結合させるという形であ
りうる。また本発明のペプチドは、本発明のペプチドが融合(ポリ)ペプチドの
形で存在するように、(ポリ)ペプチドと融合することができる。たとえば、細
胞での本発明のペプチドの吸収を補助する「リーダー」ペプチド〔例えばショウ
ジョウバエ アンテナペディア(Drosophila Antennapedia)のペネトラチン(P
enetratin)やHSV1のVP22など〕は、融合(ポリ)ペプチド用の(ポリ
)ペプチドになる。一方、リンカーを介して本発明のペプチドと結合させるポリ
ペプチドは、例えば身体によって異物とみなされないトランスフェリンなどの担
体タンパク質であることができる。複数の本発明のペプチドを上記の物質と結合
した状態で同時に存在させることもできる。
【0012】 本発明のさらにもう一つの主題は核酸、特に本発明のペプチドをコードするD
NAに関する。このようなDNAはベクター(特に発現ベクター)中に存在させ
ることができる。発現ベクターの例は当業者にはよく知られている。大腸菌用発
現ベクターの場合は、例えばpGEMEX、pUC誘導体、pGEX−2T、p
ET3bおよびpQE−8などがある。酵母での発現には、例えばpY100と
Ycpad1などを挙げる必要があり、一方、動物細胞での発現には例えばpK
CR、pEFBOS、cDM8またはpCEV4などを示す必要がある。バキュ
ロウイルス発現ベクターpAcSGHisNT−Aは昆虫細胞での発現に特に適
している。また動物細胞での発現には例えばアデノウイルス、ワクシニアウイル
ス、アデノ随伴ウイルス(AAV)またはレトロウイルス(例えばMoMuLV
、HaMuSV、MuMTV、RSVまたはGaIV)などのウイルスを使用す
ることも可能である。
【0013】 発現ベクター中に存在する本発明のDNAを発現させるのに適した細胞は当業
者にはよく知られている。そのような細胞の例には大腸菌HB101、DH1、
x1776、JM101、JM109、BL21およびSG13009株、酵母
サッカロミセス・セレビシェ(Saccharomyces cerevisi
ae)株、動物細胞L、NIH 3T3、FM3A、CHO、COS、Vero
およびHeLaならびに昆虫細胞sf9などが含まれる。
【0014】 どの方法で本発明のDNAを発現ベクターに挿入する必要があるかは当業者に
は知られている。また、本発明のDNAを融合ポリペプチドの形で発現させるこ
とができるように、このDNAを別のペプチドまたはポリペプチドをコードする
DNAと結合して挿入できるという事実も、当業者にはよく知られている。
【0015】 さらに形質転換細胞またはトランスフェクト細胞の培養条件も当業者には知ら
れている。また、本発明のDNAによって発現されるペプチドまたは融合ポリペ
プチドの単離法および精製法も当業者にはよく知られている。
【0016】 本発明のさらにもう一つの主題は上記のペプチドまたは融合ポリペプチドに対
する抗体に関する。そのような抗体は一般的方法によって製造できる。この抗体
はポリクローナル抗体でもモノクローナル抗体でもよい。抗体を製造するには、
動物(ポリクローナル抗体の場合は特にウサギまたはニワトリ、モノクローナル
抗体の場合はマウス)を上記(融合)ポリペプチドまたはその断片で免疫するこ
とが好ましい。さらに、同じ(融合)ポリペプチドまたはその断片を使って、そ
の動物の「追加免疫」を行なうことができる。次いで、その動物の血清または卵
からポリクローナル抗体を得ることができる。モノクローナル抗体を製造するに
は動物の脾細胞を単離し骨髄腫細胞と融合させる。
【0017】 本発明のさらにもう一つの主題は1または複数の本発明のペプチドおよび/ま
たはそれらをコードするDNAならびに慣用の補助剤を含有する医薬組成物に関
する。使用される補助剤としては、例えば担体、結合剤、崩壊剤、潤滑剤、溶剤
、溶解助剤、放出促進剤、放出遅延剤、乳化剤、安定剤などを挙げることができ
る。そのような組成物は通常どおり例えば経口的または非経口的に使用できる。
適切な投与量は通常どおり個々の事例で決定される。
【0018】 本発明のさらにもう一つの主題は1または複数の本発明のペプチドを含有する
診断用組成物に関する。HPV−E6タンパク質はこのような組成物によって検
出できる。これはHPV感染症、HPV形成異常症またはHPV癌などのHPV
関連疾患を検出するために使用できる。そのような検出は、例えば(a)患者か
ら細胞試料を収集し、(b)その細胞試料を本発明のペプチドと、HPV−E6
タンパク質への当該ペプチドの特異的結合が可能な条件で接触させ、ならびに(
c)そのペプチドを検出することからなる。この検出は標準的方法で行なうこと
ができる。例えば本発明のペプチドは液相に存在させるか、固形担体に結合する
ことができ、様々な方法で標識できる。適切なマーカーと標識法は当業者にはよ
く知られている。これらのペプチドは本発明の抗体によって検出することもでき
る。後者は本発明のペプチドを使って処置されるHPV関連疾患の治療経過を制
御するのにも適している。
【0019】 本発明を利用することにより、HPV−E6タンパク質を結合し、それらの活
性(特にそれらの抗アポトーシス活性)を阻害することができる。これはHPV
陽性細胞(特にHPV腫瘍細胞)の排除を達成するのに役立つ。HPV陽性細胞
を診断することもできる。したがって本発明はHPV関連疾患、特にHPV感染
症、HPV形成異常症またはHPV癌に対して診断的処置および治療的処置をと
るのに適している。また、本発明のペプチドおよび/またはそれらをコードする
DNAは、上記の疾患に対する全く新しい活性物質の開発の基礎にもなる。
【0020】 以下の実施例で本発明を説明する。
【0021】 実施例1:HPV−E6タンパク質結合ペプチドのスクリーニング 既知の「ペプチドアプタマー」システムから導かれる方法を使用する。この方
法を図1に模式的に示す。
【0022】 HPV−E6タンパク質結合ペプチドのスクリーニングを行なうために、ラン
ダムな配列を持つ20アミノ酸長のペプチドについて、ランダムオリゴペプチド
発現ライブラリーを作成する(複雑度は約2×108 種類のペプチド)。コドン
は配列NNK(N=G、A、TまたはC;K=GまたはC)によって定義される
。これらのコドンは20種類のアミノ酸すべてをコードするが、これによって生
じる停止コドンは1つだけである。酵母発現ベクターpADTrxを発現ベクタ
ーとして使用する。このベクターはpTrx(Invitrogen社)由来の
大腸菌TrxA(チオレドキシンタンパク質)とGAL4ADならびにpAS2
および/またはpGAD424(Clontech社)由来のADHプロモータ
ーを含有する。ペプチドはTrxの活性ループ上に発現される。これには次のよ
うな利点がある: ・Trxループ上で外向きのペプチド提示が保証される、 ・立体配座(konformell)により制限されたペプチドは、細胞内環境において柔
軟なペプチドでは内向きに折りたたまれるかもしれないアミノ酸を外向きに露出
することができる、 ・立体配座により制限されたペプチドは、インビボでも効率のよいタンパク質阻
害物質として作用する可能性を持つ高親和性ペプチドでありうる。
【0023】 酵母KF−1株も使用する。これは酵母PJ69−4A株(Jamesら,G
enetics 144(1996)1425参照)から派生した株であり、こ
の株では3種類の選択マーカー:ADE2、HIS3およびURA3の解析が可
能である。これら3種類の選択マーカーはそれぞれ様々なプロモーター上のGA
L4結合部位の転写制御下にある。URA3選択マーカーは、負の調節要素を含
有し、強いタンパク質−タンパク質相互作用によって活性化されうる、酵母Ma
V103株由来のSPO13プロモーター(Vidalら,Proc. Nat
l. Acad. Sci. USA(93)10315〜10320参照)に
よって調節される。この酵母株は、さらなるマーカーとしてその活性を容易に定
量できる大腸菌β−ガラクトシダーゼ(−Gal)遺伝子も含有し、その活性に
よってE6タンパク質に対するペプチドのインビボ結合活性を評価することがで
きる。HIS3遺伝子の活性化は3’AT−(3−アミノ− −1,2,4−ト
リアゾール)を使った滴定によっても定量できる。
【0024】 HPV16−E6タンパク質を上記のシステムを使ったスクリーニングにかけ
る。そのために、同タンパク質をコードする発現ベクターの形でHPV16−E
6タンパク質を用意する。pPC97〔Vidalら(前掲)参照〕はHPV1
6−E6タンパク質のコード配列を挿入する基本ベクターとして役立つ。約2×
106 個の酵母クローンからADE2選択下で増殖を示す15個のクローンを単
離する。レプリカ平板法と上記3種類の選択マーカーの解析により、その15個
のクローン中14個がHIS3選択下でも増殖を示すことがわかる(図2)。ま
た、単離したクローンのうち6個はさらにURA3選択下でも増殖を示すことか
ら、対応するペプチドがここで使用した条件下にHPV−E6タンパク質に対し
てとりわけ高いインビボ親和性を持つことが示される。
【0025】 さらなる対照として、対応するペプチド発現プラスミドを上記の15個のクロ
ーンから単離し、新たな形質転換後に酵母での再スクリーニングにかける。この
再スクリーニングは上記レプリカ平板法で得られる結果と完全な一致を示す(図
2)。酵母の増殖はHPV16−E6タンパク質に対するペプチドの結合に依存
することがわかる。
【0026】 上記15個のクローンのペプチドをそれらのアミノ酸配列について決定する。
これを表1のE61−1.pep〜E61−17.pepに示す。これらのペプ
チドの一部は、E6結合タンパク質E6−AP、E6−BPおよびパキシリンの
相互に関連する結合ドメインと配列相同性を示す(「LhXΦLs−」様モチー
フ、ここに:h=Q、EまたはN;X=任意のアミノ酸;Φ=疎水性アミノ酸;
s=GやAなどの小さいアミノ酸、ならびに−=酸性アミノ酸である)。E6結
合ペプチドの他の部分は上記E6結合タンパク質に対して明らかな配列類似性は
持たない。しかしながら、これらの配列はこれまで知られていなかったE6相互
作用関与物に関する手がかりを与えることができる。
【0027】 別のスクリーニングアッセイで、さらに2つのクローンが得られる。それらの
アミノ酸配列を表1のE61−19.pepおよびE61−20.pepに示す
【0028】 実施例2:本発明のペプチドによるHPV−E6タンパク質の抗アポトーシス活
性の阻害 「VP22シャトルシステム」を使用する。これはHSV1−VP22タンパ
ク質が細胞によって吸収される、すなわち担体として使用できるという事実に基
づいている。VP22と表1に記載の本発明のペプチドから融合ポリペプチドを
作成する。この目的には、発現ベクターpCEP4(Invitrogen社)
を使用する。この発現ベクターに上記ペプチドのDNA配列を、VP22のDN
A配列と読み枠を合わせて挿入する。これに関連して、ペプチドは大腸菌Trx
Aタンパク質上に発現される。得られた発現プラスミドpCEP4/E61−1
.pepおよび/またはpCEP4/E61−2.pepをHPV16陽性Si
Haおよび/またはCaSKi子宮頸癌細胞にトランスフェクトする。その細胞
の形態と増殖を様々な時点で一般的な方法によって調べる。
【0029】 HPV−E6タンパク質の抗アポトーシス活性を本発明のペプチドによって阻
害できることがわかる。さらにまた、HPV−E7タンパク質によって誘導され
るアポトーシスが得られることが示される。このことは、細胞の強い増殖阻害を
示す「コロニー形成アッセイ」にも反映される。このように、本発明のペプチド
はHPV陽性細胞、特にHPV腫瘍細胞を排除するのに適している。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、S.セレビシェでの改変「ペプチドアプタマー」システムを示す模式
図である。このシステムは以下の3成分を含む:(1)異種DNA結合ドメイン
(GAL4BD)に融合された標的タンパク質(E6)、(2)ランダムなアミ
ノ酸配列を持つ、転写活性化ドメイン(GAL4AD)に融合されたペプチド、
(3)安定的に組み込まれた選択遺伝子(ADE2などの原栄養性選択マーカー
)であって、そのプロモーター中に上記DNA結合ドメインの認識配列を持つも
の。ペプチドと標的タンパク質の間の相互作用により合成転写因子が形成される
。これはトランス活性化ドメインによって上記選択遺伝子のプロモーター領域中
の認識配列に結合し、トランス活性化ドメインによって選択遺伝子の転写を刺激
する。選択条件下(例えばアデニン陰性培地)では標的タンパク質に対して親和
性を持つペプチドを発現させる酵母細胞だけがコロニーを形成する(TrxA=
大腸菌チオレドキシンA;TAG=インフルエンザウイルスHAタグ;NLS=
核局在化シグナル)。
【図2】 図2は、上記「ペプチドアプタマー」システムでのHPV16−E6結合ペプ
チドの解析を示す図である。約2×106 個の酵母細胞をスクリーニングするこ
とにより、15個の陽性クローンを単離する(表1のE61−1.pep〜E6
1.−17.pep参照)。酵母コロニー(マスタープレート(上):1〜15
=陽性クローン;K=ランダムに選択した対照クローン)のレプリカ平板培養を
、ADE2(GAL2プロモーター中のGAL4−BS)、HIS3(GAL1
プロモーター上のGAL4BS)およびURA3(SPO13プロモーター上の
GAL4−BS)についての選択下で行う。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 31/12 A61P 43/00 105 35/00 C07K 7/08 43/00 105 16/00 C07K 7/08 19/00 16/00 C12N 15/00 ZNAA 19/00 A61K 37/02 (72)発明者 ホッペ−セイラー,フェーリクス ドイツ連邦共和国 ハイデルベルク デー −69118 ヒルテナウエ 38 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA20 BA80 CA01 CA04 CA07 DA02 DA05 DA12 EA02 EA03 EA04 FA02 GA11 HA01 4C084 AA02 BA02 CA53 DC50 NA14 ZB212 ZB262 ZB332 4C085 AA13 AA14 BA75 CC04 CC05 CC08 DD22 4C087 AA01 AA02 BC83 CA12 NA14 ZB21 ZB26 ZB33 4H045 AA10 AA11 AA20 AA30 BA10 BA41 DA00 DA76 EA29 FA72 FA74

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 40%までの配列変更を含んでもよい、以下のペプチド より選ばれるペプチド。
  2. 【請求項2】 該ペプチドが融合ポリペプチドとして存在するものである請
    求項1記載のペプチド。
  3. 【請求項3】 該融合ポリペプチドがリーダー配列を含んでなるものである
    請求項2記載のペプチド。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3いずれかに記載のペプチドをコードするDNA
  5. 【請求項5】 請求項4に記載のDNAを含んでなる発現ベクター。
  6. 【請求項6】 請求項1〜3いずれかに記載のペプチドに対する抗体。
  7. 【請求項7】 1または複数の請求項1〜3いずれかに記載のペプチド、1
    または複数の請求項5に記載の発現ベクターおよび/または1または複数の請求
    項6に記載の抗体ならびに慣用の補助剤を含んでなる組成物。
  8. 【請求項8】 該ペプチドが融合ポリペプチドとして存在するものである請
    求項7記載の組成物。
  9. 【請求項9】 該融合ポリペプチドがリーダー配列を含んでなるものである
    請求項8記載の組成物。
  10. 【請求項10】 HPV−E6タンパク質を阻害するための、請求項1〜3
    いずれかに記載のペプチド、請求項5に記載の発現ベクターまたは請求項7〜9
    いずれかに記載の組成物の使用。
  11. 【請求項11】 該阻害がHPV陽性細胞の排除を含む請求項10記載の使
    用。
  12. 【請求項12】 該HPV陽性細胞がHPV関連疾患に由来するものである
    請求項11記載の使用。
  13. 【請求項13】 該HPV−E6タンパク質を阻害してHPV関連疾患を治
    療する請求項9〜11いずれか記載の使用。
  14. 【請求項14】 該HPV関連疾患がHPV感染症、HPV形成異常症およ
    びHPV癌を含むものである請求項12または13記載の使用。
  15. 【請求項15】 該HPVがHPV1、HPV5、HPV6、HPV11、
    HPV16、HPV18、HPV31、HPV33およびHPV35を含むもの
    である請求項10〜14いずれか記載の使用。
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