JP2002535664A - 高電圧電気機械スイッチングシステムにおける振動音響シグナチャ処理方法 - Google Patents

高電圧電気機械スイッチングシステムにおける振動音響シグナチャ処理方法

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JP2002535664A
JP2002535664A JP2000595354A JP2000595354A JP2002535664A JP 2002535664 A JP2002535664 A JP 2002535664A JP 2000595354 A JP2000595354 A JP 2000595354A JP 2000595354 A JP2000595354 A JP 2000595354A JP 2002535664 A JP2002535664 A JP 2002535664A
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フォアタ、マール
ラジューテ、クロード
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Abstract

(57)【要約】 高電圧スイッチングシステムにより放出された振動音響信号(1) を処理する本発明の方法および装置において、振動音響信号(1) はデジタル信号(3) に変換される。デジタル信号(3) は整流され、結果的に得られた整流された信号(5) はスペクトルウインドウ(6) を有する畳込みフィルタに供給され、平滑化された信号(7) を生成する。平滑化された信号(7) はデシメートされ、振動音響信号(1) の包絡線を表すデシメートされた信号(9) を生成する。デシメートされた信号(9)の時間再整列が基準シグナチャ(13A) に関して行われ、再整列された信号(11)が生成される。時間偏差値は、それらが限界しきい値を越えた場合に警告を発生する。再整列された信号(11)は基準シグナチャ(13A) および実際のシグナチャ(13B) のファクタとして加算される。基準および実際のシグナチャ(13A,13B)に関して再整列された信号(11)の分散(15A,15B)が計算される。ゆっくりとした特性変化または突然の欠陥を検出するために、再整列された信号(11)が分散(15A,15B)を考慮して基準および実際のシグナチャ(13A,13B)と比較される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は一般に、電気ネットワーク中の高電圧スイッチング装置の監視に関し
、とくに、高電圧スイッチングシステムによって発生された振動音響信号を処理
する方法および装置に関する。
【0002】 本発明により、常置システムの場合は連続的に、あるいは可搬型システムの
場合には周期的に監視を行うことができ、もしくはタップ切換器、回路遮断器ま
たは電力輸送断続器の診断を行うことができる。
【0003】
【従来の技術】
現在、電気ネットワーク上の装置の監視を行ういくつかの製品が存在する。
【0004】 ハイドロ・ケベック公共事業団の商品名“MONITEQ”を有するシステ
ム、およびドブル・エンジニアリング・カンパニー社の“INSITE(登録商
標)”と呼ばれているシステムは共に、とくに圧力および湿度測定のために種々
のセンサを使用している回路ブレーカ用監視システムである。回路ブレーカの動
作中に圧力測定がダイナミックな測定の一部分を行うが、しかしこの測定は加速
度で非常に異なっている。両ケースで使用された方式は振動音響タイプ(すなわ
ち、音響シグナチャ)ではない。圧力測定による方式は、タップ切換器または断
続器のような別のスイッチング装置には適用できない。
【0005】 Harley(商標)社の商品名“LTC−MAP”を有する製品、および
QualiTROL(登録商標)社の“SENTRY(登録商標)”と呼ばれる
製品は変圧器市場向けであり、タップ切換器を含んでいるが、回路ブレーカも断
続器も含んでいない。それらがタップ切換器の位置、その温度差およびそのモー
タの電流のようないくつかのパラメータを監視する場合、それらは振動音響方式
に依存せず、そのために非常にはっきりと感知できる診断情報源を得られない。
【0006】 Programma社もまた種々の回路ブレーカ監視およびテスト装置を提
案している。回路ブレーカに関して閉および開回数、主コンタクトの抵抗および
コンタクト動作の同期性、ならびにコンタクト移動行程および速度等のパラメー
タがよくテストされる。このために、測定された値は、製造業者によって指定さ
れた限界値、またはメインテナンス担当団体によって経験的に制定されている値
と比較される。多くの場合、回路ブレーカが新しい場合に行われる種々の測定か
ら構成されたシグナチャがコンパイルされる。したがって、このシグナチャは、
後続する測定のための基準として使用されることができる。明らかに、認識され
る任意の変化は回路ブレーカの状態の変化を示す。テストは電源を切って行われ
る。システムはそれだけでは監視システムではない。それは、テストのために一
時的にパワーオフ回路ブレーカの上部上に取付けられる加速度計を使用し、振動
音響方式に依存している。しかしながら、断続器を連続的に監視するために、加
速度計は接地電圧でその装置の下流に位置されなければならない。センサと振動
源との間の距離が信号処理結果を変更するため、長い通路によって増幅された位
相分散を補正するために位相フィルタが必要になる可能性が高い。Progra
mma社製のシステムは、基準シグナチャとの比較中にシグナチャ上の時間歪み
を抽出し、診断のためにこの情報を使用する。しかしながら、このシステムによ
って行われる処理は、スピーチ処理分野において知られているDTW(動的時間
ワーピング)アルゴリズムに基づいており、このアルゴリズムはシグナチャを全
体的にではなく局部的に調節するものである。このアルゴリズムを使用すると、
たとえば、パワーオン状態の下で存在し、またパワーオフ状態の下では当然なが
ら存在しない電気アークのランダム性に関してシステムの信頼性が低くなり、ま
た許容誤差が小さくなる。さらに、Programma社製のシステムは信号か
ら時間歪みを除去せずにそれを測定するため、平均が得られる可能性がない。平
均が得られない場合、シグナチャのばらつき(約30%)が示しているはシグナ
チャの平均のばらつきではなく、この方法の感度である。したがって、基準シグ
ナチャは、テストされている装置のタイプに対する優先的シグナチャまたは代表
的シグナチャである。Programma社製のシステムは包絡線ではなく未処
理の信号を比較するので、その周波数内容を変更せずに未処理信号の時間歪みを
補正することができない。
【0007】 ABBリサーチ社による国際特許出願第 WO 97/34161号明細書には、0.1
乃至100kHzにおいてサンプリングされた包絡線(振動信号ではなく)に対
する、定数N0 およびNt を含む統計的超過Ti の無次元計算に依存した包絡線
アナログ(デジタルではない)抽出方法が記載されている。このシステムは、0
乃至10kHz帯域における信号を観察するように設計されている。したがって
、時間再整列が10kHzより上でさらに正確になるにもかかわらず、10kH
zから生じる現象は無視されている。さらに、このシステムは1次の時間再整列
、すなわち、シグナチャの位置に関する全体的な整列しか実行しない。この方法
では補間は行われず、そのために再整列の分解能が0.1m秒の時間サンプリン
グレートに制限される。元の平均は固定される。長い期間(たとえば、25秒以
上の)であればタップ切換器および断続器においてさらに広い範囲の市場を見つ
けることができるのに、このシステムの獲得期間は0.25秒程度に過ぎない。
【0008】 既知のシステムまたは装置の中でタップ切換器および断続器に対して振動音
響シグナチャ処理プロセスを使用しているものはない。回路ブレーカに対して設
計されたプロセスは高価であり、侵入的である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
技術的な問題の1つは、比較アルゴリズムのパラメータ化を異なった装置から
のシグナチャの関数として最適化することである。
【0010】 本発明の目的は、シグナチャ比較と、異なった装置に対するこの比較のパラ
メータ化とを最適化することを可能にする高電圧スイッチングシステムによって
放出された振動音響信号を処理する方法を提供することである。
【0011】 本発明の別の目的は、従来技術の装置と競合する上で有利なコスト、効率、
迅速な収束性(robustness)および機能的な平易さを有するこの方法の動作に適
した装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明による方法は、 (a)振動音響信号をデジタル信号に変換し、 (b)デジタル信号を整流して、整流された信号を生成し、 (c)整流された信号に関してスペクトルウインドウを有する畳込みフィルタ
処理を適応し、平滑化された信号を生成し、 (d)予め定められたデシメーション係数にしたがって平滑化された信号をデ
シメートし、振動音響信号の包絡線を表すデシメートされた信号を生成し、 (e)基準シグナチャに関するデシメートされた信号の時間再整列を行い、再
整列された信号を生成し、 (f)基準シグナチャを生成するために平均のファクタとして再整列された信
号を加算し、この平均には予め定められた基準信号が初期ファクタとして含まれ
ており、 (g)実際のシグナチャを生成するために平均のファクタとして再整列された
信号を加算し、この平均にはステップ(e)によって生成された第1の再整列さ
れた信号が初期ファクタとして含まれ、 (h)基準シグナチャおよび実際のシグナチャに関して再整列された信号の分
散を計算し、 (i)ゆっくりとした特性変化または突然の欠陥を検出するために分散を考慮
して再整列された信号を実際のシグナチャおよび基準シグナチャと比較するステ
ップを含んでいる。
【0013】 本発明による装置は、 振動音響信号をデジタル信号に変換する変換手段と、 デジタル信号を整流して、整流された信号を生成する整流手段と、 この整流された信号に関してスペクトルウインドウを有する畳込みフィルタ処
理を適応し、平滑化された信号を生成するフィルタ処理手段と、 予め定められたデシメーションファクタにしたがって平滑化された信号をデシ
メートし、振動音響信号の包絡線を表すデシメートされた信号を生成するデシメ
ート手段と、 基準シグナチャに関するデシメートされた信号の時間再整列を行い、再整列さ
れた信号を生成する再整列手段と、 基準シグナチャを生成するために、予め定められた基準信号を初期ファクタと
して含んでいる平均のファクタとして再整列された信号を加算する第1の計算手
段と、 実際のシグナチャを生成するために、再整列手段によって生成された第1の再
整列された信号を初期ファクタとして含んでいる平均のファクタとして再整列さ
れた信号を加算する第2の計算手段と、 基準および実際のシグナチャに関する再整列された信号の分散を計算する第3
の計算手段と、 ゆっくりとした特性変化または突然の欠陥を検出するために分散を考慮に入れ
て再整列された信号を実際のシグナチャおよび基準シグナチャと比較する比較手
段とを具備している。
【0014】 本発明の利点は、それが非侵入的で、廉価であり、感度が非常に高いことで
ある。単一の外部センサが必要である。シンプトンは振動音響信号により伝送さ
れる情報中に存在している。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1を参照すると、本発明による高電圧スイッチングシステムによって放射さ
れた振動音響信号を処理する方法および装置の統合した概略図が示されている。
振動音響信号は、たとえば、監視されるべき装置上に設置された加速度計(図面
には示されていない)、あるいは監視下にある装置の振動音響特性を表す信号を
発生するその他任意の種類のセンサまたはトランスデューサによって生成される
ことができる。破線のブロックは随意または任意の素子を表し、あるいはそれは
さらに、本発明による装置の回路に組合せられることのできる外部発生源からの
素子を表している。
【0016】 簡単にいうと、この装置はその入力において、振動音響信号1 をデジタル信
号3 に変換する変換段2 を含んでいる。整流回路4 はデジタル信号3 を整流して
、整流された信号5 を生成する。フィルタ回路6 はこの整流された信号5 に関し
てスペクトルウインドウを有する畳込みフィルタ処理を適応し、平滑化された信
号7 を生成する。デシメーション回路8 は予め定められたデシメーション係数に
したがって平滑化された信号7 をデシメートし、デシメートされた信号9 を生成
し、この信号がシグナチャとも呼ばれる振動音響信号の包絡線を表す。再整列回
路10は基準シグナチャ13A に関するデシメートされた信号9 の時間再整列を行い
、再整列された信号11を生成する。計算回路12は基準シグナチャ13A を生成する
ために平均のファクタとして再整列された信号11を加算する第1の計算手段を提
供し、この平均には予め定められた基準信号が初期ファクタとして含まれている
。計算回路12はまた、実際のシグナチャ13B を生成するために平均のファクタと
して再整列された信号11を加算する第2の計算手段を提供し、この平均には再整
列回路10によって生成された第1の再整列された信号11が初期ファクタとして含
まれている。計算回路12はまた、基準および実際のシグナチャ13A および13B に
関する再整列された信号の分散15A ,15B を計算する第3の計算手段を提供する
。比較回路14は、ゆっくりとした特性変化または突然の欠陥を検出するために分
散15A ,15B を考慮して再整列された信号11を基準および実際のシグナチャ13A
,13B と比較し、警告信号17を発生する。
【0017】 上述した装置により実施される処理方法は、 (a)振動音響信号1 をデジタル信号3 に変換し、 (b)デジタル信号3 整流して、整流された信号5 を生成し、 (c)整流された信号5 に対してスペクトルウインドウを有する畳込みフィル
タ6 を適応し、平滑化された信号7 を生成し、 (d)予め定められたデシメーション係数にしたがって平滑化された信号7 を
デシメートし、振動音響信号の包絡線を表すデシメートされた信号9 を生成し、 (e)基準シグナチャ13A に関するデシメートされた信号9 の時間再整列を行
い、再整列された信号11を生成し、 (f)基準シグナチャ13A を生成するために平均のファクタとして再整列され
た信号11を加算し、この平均には予め定められた基準信号が初期ファクタとして
含まれ、 (g)実際のシグナチャ13B を生成するために平均のファクタとして再整列さ
れた信号11を加算し、この平均にはステップ(e)によって生成された第1の再
整列された信号11が初期ファクタとして含まれ、 (h)基準および実際のシグナチャ13A および13B に関して再整列された信号
11の分散15A ,15B を計算し、 (i)ゆっくりとした特性変化または突然の欠陥を検出するために分散15A ,
15B を考慮して再整列された信号11を基準および実際のシグナチャ13A ,13B と
比較するステップを含んでいる。
【0018】 振動音響シグナチャの包絡線の計算は、この方法の第1のステップにおいて
行われる。この関数は基本的なものであり、その実行の精度はこの方法の他のス
テップの実行の精度に影響を与え、これら他のステップは、包絡線計算の精度が
最終的な結果に対する影響を増倍する増幅器として作用する。信号の真の包絡線
を生成するのではなく、監視状況において最も適切な包絡線を生成する最良の包
絡線計算を見出すことが重要である。
【0019】 図2を参照すると、符号16で表わされる解析信号の包絡線A(t)e-jθ(t) はその振幅A(t)に数学的に対応している。この振幅は、時間軸20を中心と
して回転するベクトル18の振幅である。しかし、この定義は、実際の信号22が対
応した解析信号の投影に対応する場合、この信号22に対してさらに複雑になる。
さらに実際には、非常に低い周波数の信号は信号のドリフトと見なされ、包絡線
計算において考慮されない。たとえば、直流成分は実際には使用されないため、
廃棄されなければならない。
【0020】 いくつかの適用に関して、包絡線の品質の1つは、元の信号の種々の成分間
の位相関係から独立したものであるべきである。しかしながら別の適用に関して
は、その包絡線は観察されたピーク値、したがって異なった振幅のいくつかの波
の位相の一致から決定されなければならない。2つの重畳された波のパケットの
簡単な例が実例となるものである。1つの場合には、これらの波のパケットの包
絡線の和に等しい包絡線が所望され、一方は別の場合には、これらの波のパケッ
トの和の包絡線が所望される。簡単に述べると、所望されることが包絡線計算の
条件になる。
【0021】 信号をサンプリングする前でさえ、デジタル回路に対する処理負担を最小に
するために、いくつかの従来技術のシステムのように、包絡線がそれから類推に
よって抽出されることが可能である。図3は、このための従来技術のアナログ回
路の簡単化された図を示している。この回路はR−C回路26に並列に結合された
ダイオードブリッジ24を含み、この回路の入力30で受取った信号の包絡線をこの
回路の出力28で出力する。この回路はパルス値a0 δ(t−t0 )に応答して、
電圧:
【数1】 を供給する。実際の回路では、0.5Vより低くその非伝導の効果を制限するた
めに演算増幅器がダイオードに結合されている。等価なデジタル関数は、1次の
IIR(“無限インパルス応答”)フィルタが後に続く絶対値と必ずしも一致し
ないので、ダイオードをシミュレートするためにはフィルタの出力電圧を越えた
振幅の信号だけを考慮する比較装置が追加されなければならない。この選択肢に
は多くの欠点がある。第1の欠点は、サンプリング定理を考慮しないことである
。事実、出力された包絡線は元の信号に類似した帯域幅を有し、高い周波数の内
容がわずかに損傷を受けている。この信号は、スペクトルエイリアシングを導入
せずにサンプリングされる(それがアナログ信号である場合)ことも、デシメー
トされる(その信号がデジタルである場合)こともできない。第2に、デシメー
ションの限界に位置するトランジエントアタックは、デシメーション後に取出さ
れたサンプルの内容中に存在することもあるし、存在しないこともある。図4は
、信号34の最少の時間変位Δt32がトランジエント38付近のサンプル36の値に対
して大きい影響を及ぼすことを示しており、トランジエント38付近の2つのサン
プル値36間の差が矢印40によって表されている。第3に、図5を参照すると、R
・C42および0.3R・C44にそれぞれ等しい時定数に対する結果が示されてい
る。R−C回路26(図3に示されている)の時定数が長過ぎる場合、小さい振幅
の事象がこれらに先行する高い振幅のトランジエントの存在により隠蔽される。
反対に、時定数が短過ぎる場合、最後のサンプルが取り出されてから生じていた
トランジエントの振幅を実際より小さく評価する危険性が生じることとなる。こ
の時定数は、好ましくはピークに対する応答特性の振幅がサンプル間で何パーセ
ントかしか減少しないようなものでなければならない。最後に、短過ぎる時定数
はスペクトルエイリアシングを拡大する。
【0022】 時定数R−Cの選択は、測定された振動の平均減衰に関連している。それが
、関連した減少する指数関数がトランジエントピークに後続する振動振幅の減少
と一致するように時定数を設定する理由である。この時定数は、高い周波数が振
動を優占している場合は短くなり、逆に低い周波数モードが信号において認めら
れる場合には長くなるように調節される。低い周波数と高い周波数が同時に存在
する場合、平均自然減少は厳密には対数的ではなく、それはその始めにおけるネ
ーパー/秒において重要であり、その終りにおける低い周波数の優占度で減少す
る。実際に、R−C定数は各設置に対して観察された減衰の関数として調節され
る必要がある。これは、優占しているモードの周波数および減数が装置ごとに変
化するためである。代表的に、0−10kHzの帯域に対する検出に対して3m
秒乃至10m秒の間での選択がなされなければならない。
【0023】 図6を参照すると、デシメーションインターバル(デジタル処理)における
、あるいはサンプリング周期のインターバル(アナログ処理)におけるピーク値
の繰上げによる包絡線抽出が示されている。
【0024】 信号ピークからの包絡線計算は基本的に非対称的であり、将来に向かってト
ランジエントを規則的に拡張している。R−CまたはIIRフィルタ(26)が存在
していることにより、この非対照的な拡張が発生する。しかしながら、デジタル
方式において、フィルタは容易に除去されることができ、デシメーションインタ
ーバルにおいて観察されたピーク値だけが繰上げられることができる。この包絡
線抽出を行うことのできるアナログ回路もまた存在している。この回路はさらに
複雑であり、インターバルにおいて観察されたピーク値を保持するサンプルおよ
び保持装置を使用する。この方式は、さらに多くのディテールを含み、時定数に
関して妥協する必要性をなくすピーク包絡線を提供する。
【0025】 図7のAおよびBを参照すると、ピーク値から抽出された(RC=5m秒で
)包絡線の対数および実効電力(RMS)から抽出された包絡線の対数に対する
平均偏差のヒストグラムがそれぞれ示されている。統計学的な視点から、対数目
盛では、ピーク包絡線およびRMS包絡線は全てラプラス・ガウスの分布(正規
の法則)に近い分布を示す。たとえば、図7のAおよびBは、ピーク包絡線に対
する平均偏差を、ヒルバート変換(以下に説明する)によって得られたRMS包
絡線に対する平均偏差と比較できるようにしている。標準偏差はヒルバート変換
によって得られた包絡線に対してわずかに低い(図7のB)。対数目盛では、ピ
ーク値とRMS値との間の差は、目盛乗算ファクタではなく加算定数として現れ
、したがって上記の観察される標準偏差の減少は測定のタイプ、RMS、ピーク
値または最高最低値とは関係ないことを認識しなければならない。
【0026】 図8を参照すると、瞬時実効電力(RMS)から抽出された包絡線の平均46
と、観察されたピーク値(20のデシメーションに対する)から抽出された包絡線
の平均48と、図3に示されているような回路によって一般に供給されるピーク包
絡線の平均50とが示されている。ピーク包絡線の平均50は、少ないディテールを
示すと共に最高の振幅を有するものである。ピーク包絡線の平均50のディテール
の欠如は、線形目盛でさらに認められることができる。観察されたピーク包絡線
の平均48とRMS包絡線の平均46は、ピークファクタと呼ばれる乗算ファクタに
もかかわらず類似している。回転機の監視において、このファクタは欠陥識別指
標としてよく知られており、ピーク対RMS比として規定されている。正弦波で
は、ピークファクタとして1.414、すなわち、2の2乗根である。しかしな
がら、この振動音響シグナチャに対して、ピークファクタは1.6乃至2.0で
ある。分解能、与えられたディテールおよびダイナミック(トランジエントの最
小/最大)はまたこれらのタイプの包絡線間で類似している。しかしながら、図
9に示されているように各包絡線の相対標準偏差を比較した場合、明らかに相違
が認められる。図9には、観察されたピーク包絡線に関する相対標準偏差52、R
MS包絡線に関する相対標準偏差54、および図3に示されている回路から(RC
=5m秒により)得られたピーク包絡線に関する相対標準偏差56が示されている
。ピークから抽出された包絡線の分散は平均で1.8倍高く、一方他の2つのタ
イプの包絡線は同じ振幅の分散を示している。この例において、図3のアナログ
回路により得られたピーク包絡線は実際にRMS包絡線より少し低い分散を有し
、この低い分散の代償はそのシグナチャ上におけるディテールの損失である。時
定数RCの減少により、ピーク包絡線のディテールおよび分散が同時に増加する
。以下において、RMS包絡線は、包絡線を平滑化するためにその波の整流後に
使用される畳込み(コンボリュ−ション)フィルタ6 (図1に示されている)の
帯域幅の関数と同じ特性を示すことが認められるであろう。
【0027】 ピーク値から抽出された包絡線の改良された分散は、部分的に、振動音響波
のパケット間の位相に対する感度と雑音に対する感度から結果的に得られる。分
散に対するその他の影響は、図4に示されているトランジエントアタックの結果
生じ、さらに、ピークファクタはそのピークの直線部分で3.0を越えている。
以下に示すように、この影響は、本発明による時間再整列によりそのほとんど大
部分を減少させることができる。
【0028】 ピーク値から、すなわち、アナログタイプのピーク計算から抽出された包絡
線は、同レベルのディテールに対して著しく高い分散を有するだけでなく、さら
にマルチバンド方式ではこれを計画することはできない。事実、マルチバンドで
は信号は周波数の関数として導かれなければならない。ある波のパケットはある
帯域において見出される可能性があるが、別の波のパケットは別の帯域において
導かれる可能性がある。電力から抽出された包絡線では、マルチバンドに分離す
る前に、各周波数帯域の包絡線の2乗の和により、元の信号の包絡線の2乗が回
復する。しかしながら、各周波数帯域において観察されたピークから抽出された
包絡線の2乗の和では、元の信号の中のピークから抽出された包絡線の2乗は回
復しない。
【0029】 瞬時電力から生成された包絡線を評価するために3つの異なった計算が使用
されている。
【0030】 図10を参照すると、本発明の1実施形態による、瞬時電力からの包絡線を
計算するための回路が示されている。この回路は、順に、ハイパスフィルタ58、
整流器4 、ローパスフィルタ6 (スペクトルウインドウを備えた畳込みフィルタ
とも呼ばれている)およびデシメータ8 から構成されている。ハイパスフィルタ
58は信号ドリフト59、すなわち直流成分と、計測の低いドリフトを取消し、また
交流ネットワーク用における120Hzの振動高調波でさえ取消すために使用さ
れる。少なくとも絶対値、2乗累乗(square raising)動作およ
びヒルバート変換という3つのタイプの整流器4 が使用可能である。絶対値タイ
プでは、ピーク値とRMS値との間で“2の2乗根”比が得られないので、RM
S振幅のバイアスされた推定値が出される。正弦曲線に関して、ローパスフィル
タ6 によって平均された2乗累乗動作により、瞬時電力が適切に評価される。そ
れは、この累乗を2で乗算し、2乗根をとって対応したピーク包絡線を得るか、
あるいは単に2乗根をとってRMS振幅包絡線を得る(以下に示すように)とい
う簡単なことである。最後に、ヒルバート変換は、整流高調波を発生させずに瞬
時振幅ベクトルの大きさを回復することを可能にする。信号の瞬時電力からの処
理は、それがこれら全てのステップに関してデジタル的に行われた場合にさらに
正確である。
【0031】 図11を参照すると、図10に示されている整流器4 を形成するのに適した
回路の一例が概略図で示されている。この回路は、6に設定されたパラメータN Hilbert (実際には、このパラメータの値は通常10乃至20に設定される)と
して図12に示されているようなヒルバートフィルタ係数64により、畳込みヒル
バート変換62を使用する。これらの係数は、ゼロが間に挿入されたアンビギュイ
ティー関数(y=1/x)に対応する。回路はその組立てられた形態で、演算子
68を含む第1の回路ブランチを有し、この演算子68が回路の入力66で受取られた
振動音響信号の実数部分の2乗を生成する。第2の回路ブランチは、畳込みヒル
バートフィルタ62と、切取り演算子70と、および信号の虚数部分の2乗を生成す
る演算子72とから構成されている。加算器74は、演算子68および72によって生成
された両方の2乗を加算し、得られた和は2乗根演算子76に送られ、この演算子
76はその出力78から瞬時ピーク振幅を供給する。ヒルバート変換62により実数の
信号に対応した虚数成分を見出すことが可能となり、その後、2乗のベクトル加
算によって、ベクトルの大きさが瞬時振幅に対応した解析信号(図2参照)が生
成される。換言すると、a=[(a sin)2 +(a cos)2 1/2 なの
で、信号はそれがコサイン曲線である場合にはヒルバート変換によってサイン曲
線に変換され、それによって振幅を見出すことができるようになる。切取り70に
より、畳込み62の後に時間フレームを再調節することが可能となる。
【0032】 図13を参照すると、National Instruments社製のソ
フトウェアLabVIEW(商標)のグラフィックプログラミング環境において
ヒルバート変換により包絡線計算を行う機能(以降、“バーチャル計器”を“v
.i.”と呼ぶ)の一例がブロック図で示されている。図14は、図13および
以下説明する他のいくつかの図面で使用されるLabVIEW(商標)のシンボ
ルの概要凡例である。図13ではヒルバート係数に対するスペクトルウインドウ
の適応後、正規化は行われていないことを認識しなければならない。実際に、こ
の高い正確度の状況においてNHilbert >15は要求されていない。この機能は
その入力においてデシメーションファクタ202 、切取り長204 、処理されるべき
信号206 、適用されるべきフィルタタイプ208 (ローパス)およびNHilbert
ラメータ210 を受取る。この機能はその出力で、ローパスフィルタ適用前の瞬時
ピーク振幅214 およびローパスフィルタ適用後の瞬時ピーク振幅212 を供給する
【0033】 図10を参照すると、ローパスフィルタ6 は3つの機能を備えている。第1
の機能は、2乗整流器4 によって発生された高調波を平滑化することである。実
際に、このタイプの整流器4 では、60サイクルの地区において接続されている
電圧源ブロックで行われているように、その2乗動作のために不連続波が生じ、
この不連続波は平滑化されなければならない(これは、整流器4 がヒルバート畳
込みタイプである場合には必要ない)。第2の機能は、包絡線の値に対する位相
の影響を抑制することであり、ヒルバート変換により抽出された包絡線にも関連
している。最後に、第3の機能は、スペクトルエイリアシングを導入することな
くデシメーションを行えるようにすることである。したがって、フィルタはハー
フ・デシメーション周波数を越えた信号をカットオフしなければならない。
【0034】 いくつかのローパスフィルタに関する主な問題は負の包絡線値の出現である
。負の累乗のような負の包絡線値は常識や物理法則と相容れない。いくつかのス
ペクトルウインドウのような、全ての地点で正の係数からなるウインドウの畳込
みを使用するフィルタだけが全ての地点で正の包絡線を保証する。
【0035】 図15のAおよびBを参照すると、(3項)ブラックマン・ハリススペクト
ルウインドウおよびFIR(“有限インパルス応答”)フィルタに対する係数分
布がそれぞれ示されている。畳込み出力において、FIRフィルタの負の値は、
突然のトランジエントの存在時に負の包絡線値を発生する。
【0036】 ガウス形状は最小時間周波数オブジェクトに対応するものであり、ブラック
マン・ハリスウインドウはガウスと有限持続期間ウインドウとの中間のものであ
る。有限持続期間ウインドウは、ガウス形状に似ている3乃至7つのコサイン曲
線を加算した結果得られる。このスペクトルウインドウの畳込みと比較すると、
多くのFIRおよびIIRタイプのフィルタは、拒否レベル、帯域通過において
得られる均一性、および転移幅に関してはるかに優れた特性を備えている。
【0037】 図16を参照すると、FIRフィルタの係数による畳込みによってフィルタ
処理された平均包絡線80と、(3項)ブラックマン・ハリス型のスペクトルウイ
ンドウの係数による畳込みによってフィルタ処理された平均包絡線82とを比較グ
ラフが示されている。しかしながら、FIRフィルタから導出された包絡線80に
は、トランジエントアタック時の遅い上昇によるさらに詳細な起伏がある。ここ
において、負の包絡線値(負の値の対数を表示することは少し難しい)が生じな
いようにフィルタの出力に絶対値機能を配置したために、その実体は若干分かり
にくくなっている。分解能利得は、確かに興味深いものであるが、フィルタ処理
された包絡線の値がゼロに近付いたときは、重要な負のインパルスが対数スケー
ル表示で現れる。監視すべきいくつかの装置に対する各包絡線を比較するために
、まさにこのスケールが選択されるため、包絡線がゼロを見落とすことを許すF
IRまたはIIRフィルタを実施することはできない。したがって、残っている
のは、正規化されたスペクトルウインドウの畳込みを信号に関して行う低性能の
フィルタである。正規化とは、ウインドウが適用されても定常信号が不変のまま
であるようにウインドウの各係数を係数の和で単に除算することである。
【0038】 図17を参照すると、簡単な2乗動作によって得られてスペクトルウインド
ウによる畳込みによって平滑化された平均包絡線84と、畳込みヒルバート変換に
より得られた平均包絡線86の比較グラフが示されている。
【0039】 簡単な整流器、すなわち2乗動作と畳込みヒルバート変換との間の選択問題
に関して、図17は、畳込みヒルバート変換のシグナチャ上のディテールのほう
が少し多いことを示している。その振幅は2の因数の2乗根で識別でき、これは
RMS振幅がピーク振幅と比較されるためである。ここで、ヒルバート変換によ
り計算された瞬時振幅上の低いリップルのために、時間的にさらに制限されたロ
ーパスフィルタを使用できるようになるので、さらに広いスペクトル帯域幅、し
たがってもっと多くのディテールを得ることが可能になる。
【0040】 このディテールの増加にもかかわらず、図17に示されている平均包絡線84
,86の相対標準偏差の比較グラフが示されている図18において、2乗動作によ
り得られた包絡線84に対する標準偏差90と比較して、ヒルバート変換により得ら
れた包絡線86に対する標準偏差88が少し低いことが認められる。さらに、この比
較のために、ローパスフィルタの幅を等しくしておいていたならば、ヒルバート
変換のために包絡線86に対する標準偏差88の付加的な低下が生じるものの、分解
能はほぼ等しくなるであろう。
【0041】 これらの結果は、ヒルバート変換を使用するアルゴリズムが、この適用に対
して最良の広帯域包絡線検出器であることを示している。
【0042】 図19のA、BおよびCは、ヒルバート変換を使用する包絡線計算の種々の
段階における信号の変化を示している。図19のAは、整流器4 によりヒルバー
ト変換を使用せずにRMS包絡線計算においてローパスフィルタ6 により処理さ
れた信号の2乗(実際の電力を示す)を示している。図19のBは、信号の虚数
部分の2乗を加算することによって得られた利得(したがって、信号は瞬時電力
を示す)を明瞭に示しており、得られた波を整流することにより、ディテールを
増加させ、および、または雑音を減少させることのできるフィルタが利用できる
ようになる。図19のCは、ローパスフィルタ6 の出力において結果的に得られ
た包絡線を示している。
【0043】 図10を参照すると、デシメータ8 を構成する際に、2つのファクタ、すな
わちデシメーションファクタと時間分解能損失が考慮されなければならない。
【0044】 最初の問題は、タップ切換器を監視するために必要とされる時間分解能損失
に関連している。この問題に対して、費用以外は“可能な限り最良の解決策”で
対応することができる。しかしながら、この価格は計算時間の増加ではなく、雑
音の増加、または統計学的な項でのシグナチャ分散の増加である。分解能もまた
、包絡線に適用されるデシメーションファクタに対して、したがって監視システ
ムにより処理されるベクトルの大きさに対して重大な影響を及ぼし、メモリ寸法
と計算能力が要求される。
【0045】 タップ切換器の時間繰返し(パワーオフおよび非負荷時)は、連続的な変更
に対して1ミリ秒の何分の一(ほぼ0.2m秒または5kHz)程度である。し
たがって、良好なデフィニションを捜すことはあまり有用ではない。しかしなが
ら、以下に示すように、1kHzより低い包絡線をフィルタ処理することにより
、発生する分解能損失はグラフ上で目立ったものとなることが認められる。さら
に、短期間の出現で目立った欠陥は、おそらく、非常に低いカットオフ周波数を
有するフィルタによって平滑化される。したがって、100サンプル/秒乃至1
00kサンプル/秒、好ましくは1kサンプル/秒乃至10kサンプル/秒の範
囲内の最終的なサンプリングレートを提供するために、好ましくは包絡線がデシ
メートされなければならない。
【0046】 さらに、サンプリング周期に対する、あるいはさらに、デシメートされた包
絡線をサポートする周波数帯域に対するエルゴノミック値を有すると便利である
。2kサンプル/秒のサンプリングレートを要求する1kHzより少し低い周波
数の帯域によって、ディスプレイおよび別の環境へのデータ転送に対する妥協が
実用的なものになる。その結果、これらの値を設定することにより、ユーザイン
ターフェースのプログラミングおよびシステム構成が簡単になる。しかしながら
、タップ変更動作の期間のような状況に調節されたデシメーションは、メモリ空
間および時間分解能を最適化する。
【0047】 時間分解能および分散をデシメーションの関数として量子化するために、ロ
ーパスフィルタ6 のカットオフ周波数に関して指示された比較テストが行われ、
デシメーションがこのフィルタ6 のカットオフ周波数の2倍より少し高い周波数
で実施されることを知ることができる。この比較のために、スペクトルウインド
ウの畳込みが整流器4 の後にローパスフィルタ6 に対して使用されている。これ
らのテストでは、ヒルバート変換ではなく、2乗整流器が使用されている。カッ
トオフ周波数は、約2.5/(L・T)に対応し、ここでL・Tはサンプルの数
Lとサンプリング周期Tすなわちウインドウの持続期間の積である。これらのテ
ストにおいて、元のサンプリング周波数、すなわちデシメーション前のものは6
5,536サンプル/秒である。20のデシメーションファクタは、新しいサン
プリングレートを3.25kサンプル/秒に近い値に設定する。このサンプリン
グレートは理論上利用可能な1.6kHzの帯域幅に一致する。
【0048】 テストされるスペクトルウインドウの幅であるローパスフィルタ6 の種々の
長さに対する包絡線91,93,95,97および相対標準偏差99,101 ,103 ,105 の
比較グラフをそれぞれ示している図20および21において、512個のサンプ
ル(トレース91,99)、256個のサンプル(トレース93,101 )、128個の
サンプル(トレース95,103 )および64個のサンプル(トレース97,105 )は
それぞれ312,625,1250および2500Hzのローパスフィルタ6 に
対応している。64サンプルウインドウはあまり十分に信号をフィルタ処理せず
、それによってスペクトルエイリアシング、すなわち1.6kHzと2.5kH
zとの間に位置する周波数の折り返しを許す。分散レベル(標準偏差)のような
時間分解能は、図20および21におけるLの減少と共に漸次的に増加する。し
たがって、スペクトルエイリアシングの存在は、64サンプルウインドウに対す
る分解能の増加としていくぶん誤って認識される。
【0049】 図22は、スペクトルウインドウの長さLと図20におけるトレースで観察
された分散平均レベルとの関係を示している。図20および21に示されている
結果を与えるタップ切換器および検出器に対して、分散レベルはL-0.388の関数
であることが認められ、ここでLはBlackman−Harrisウインドウ
の長さである。この関係は、ウインドウの大きさを2倍にすると、分散が25%
減少することを意味する。
【0050】 デシメーションの増加によりメモリ空間を減少させ、同時にシグナチャ包絡
線の分散を減少させることが可能であることが認められる。しかしながら、図2
0は、高過ぎる平滑化(512サンプルフィルタ)がディテールを消し、信号の
ダイナミック振動レンジを減衰することを明瞭に示している。偶然であるが、こ
こでは0.5m秒のサンプリング周期を有するほぼ1kHzのローパスフィルタ
6 が適切であり、それはそのウインドウの幅に対して160より少し多いサンプ
ルを提供する。
【0051】 図1を参照すると、位相フィルタ51の付加により、処理された信号の位相分
散を補償することが可能になる。光ファイバ中の光と多少似ているのだが、放射
位置と受取り地点との間の距離が長い場合に振動波の分散が観察される。これは
、その波がそれら自身の周波数に依存した速度で伝搬するためである。位相分散
補償は、波のパケットがその放射時に行われる同じ整列状態で種々の波のパケッ
トの時間再整列を行うように設計されている。それによって、その放射源に“バ
ーチャルに”近付く方法が提供される。種々のタップ切換器上での振動音響測定
値のサンプリングから、監視するために位相分散を補正することは、明らかに適
切ではないと結論を下すことができた。しかしながら、動作中の回路ブレーカま
たは他の装置上における本発明による監視装置の最終的な適応において、この補
償が要求されることができる。実際に、振動音響波の放射地点と受取り地点との
間の距離のほうが周波数より2乃至5倍重要である。
【0052】 図23を参照すると、位相周波数のv.i.が示されており、位相補償を実
行する方法は、この補正を周波数ドメインで行うものである。したがって、それ
は信号のフーリエ変換92を行って、その位相を検索することである。この位相は
±nπにわたって連続していなければならないので、したがって−πから+πへ
の転移を抑制するために、それは“アンラップ(unwrap)”されなければならない
。2πτのスロープを有する位相ランプの加算96は、時間的に遅延τを生成する
ことに等しい。周波数の関数としてグループ遅延を修正するために、第2の度数
の位相ランプ98が加算される。このランプ98は、所望される補正の程度により決
定された振幅を有し、このランプの最大が最も高い周波数の角補正を行なう。第
2の度数の位相ランプ98の加算96の後、その結果に関して逆フーリエ変換100 が
行われる。
【0053】 上述した処理には、数学的に正当な理由がある。 単位がラジアン/秒の角周波数ωとそのソースまでの距離xとの関数として表
された信号:
【数2】 を仮定する。非分散的環境において、それは
【数3】 として表されることができる。ここでcはその環境における波の伝搬速度である
。分散的環境では、波の速度はその周波数の関数になるので、それはむしろ、
【数4】 として表される。速度関数を簡単にモデル化することにより、以下の式(4)が
得られる:
【数5】 これを式(3)中に挿入することにより、次式(5)が得られる:
【数6】 β・ω<<1.0なので、以下のように表すことができる:
【数7】 ここで、分散項はその周波数の第2の度数の関数であることが認められる。
【0054】 上述した位相補償アルゴリズムは、フーリエ変換92および位相補正後の逆フ
ーリエ変換100 によるデジタル処理の粗パワー(raw power)を使用す
る。コーディングおよび計算能力に関する限り、潜在的にもっと簡単で経済的な
手段が存在し、これは、その信号に関するチャープの畳込みを実行することであ
る。チャープは、位相補償を行うために畳込みフィルタの係数を設定するために
使用される。
【0055】 図24は、第2の度数の位相ランプに関する逆フーリエ変換によって得られ
るこのようなチャープを示している。このようなチャープは、0.0から0.5
ビン(1ビン=サンプリング周波数)に掃引(sweep)した周波数から形成
されている。チャープが時間的に広くなると、補正はそれだけ一層重要になる。
チャープに関して、周波数の空間的分散は明らかである。低い周波数はチャープ
の左側で相関され、一方高い周波数はその右側で相関されることが直観的に理解
されるであろう。
【0056】 要求される位相補正の振幅は、振動音響信号上に与えられた異なった位相補
償値に関して得られた結果を見ることによって時間−周波数平面において決定さ
れることができる。したがって、トランジエントのアタックが時間−周波数平面
において垂直に生じたとき、最大分解能が得られる。現在まで、異なったタップ
切換器に関して収集された振動音響シグナチャは全て、ゼロまたは小さい補償に
対して、包絡線に関する最大の時間デフィニションを示している。
【0057】 図1を参照すると、FIRまたはIIRタイプのアンチエイリアスフィルタ
はおそらく負の包絡線値を生成するために、それを利用することは危険であった
ことが上述した。2乗関数またはヒルバート変換4 によって整流された波に適応
される畳込みローパスフィルタ6 は、それが負の係数を獲得しないようにされな
ければならない。シグナチャは全て後に対数目盛で処理されるので、負の包絡線
値またはゼロに近い値は許容されることができない。しかしながら、対数計算11
2 の後では、負の値をもはや恐れる必要がないので、第2のフィルタ110 の利用
を妨げるものはない。
【0058】 デシメーション8 は、対数112 によって成形された包絡線に関して行われる
。この対数がデシメーションの前に導入された(示されているように)場合、デ
シメーションの前で負の値を有する信号が得られる。実際には、包絡線の値“x
”が1m/秒2 より下の振幅を有しているとき、log(x)はx<1に対して
負である。そのため、フィルタ110 のようなFIRまたはIIRタイプのアンチ
エイリアスフィルタは、デシメーションの前にこの信号に対して適応されること
ができる。
【0059】 図25は、対数112 および二重アンチエイリアスフィルタ成形による、包絡
線検出器の異なる地点における信号の概略的な形状を示しており、第1のフィル
タ6 は全ての正の地点でスペクトルウインドウの畳込みを行ない、第2のフィル
タ110 はFIRまたはIIRフィルタである。
【0060】 第2のローパスフィルタ110 は好ましくは、その信号の大部分ではなく、ス
ペクトルエイリアシングの一因となる可能性のある帯域端部に存在する低い振幅
部分だけをフィルタ処理しなければならない。第2のフィルタ110 により信号の
重要な部分を取除くことにより、その信号上にオーバースイングおよび奇妙な振
動のような収差が生成される。この処理の後で包絡線を線形スケールで再度表し
た場合、対数スケールではトランジエントの上部にかろうじて認められるオーバ
ースイングまたは減衰が増幅される。第2のフィルタ110 は、第1のフィルタの
スペクトルアポディゼーションとして認識されなければならない。
【0061】 時間ワーピングまたは再整列10は監視装置を特徴付けるツールの1つである
。包絡線計算の場合と同様に、プロセスのこの部分を最適化することが重要であ
る。それに関連したアルゴリズムのインプリメンテーション努力は、厳密な利得
で報われるはずである。
【0062】 この問題をさらに詳細に考慮する前に、時間ワーピングと時間再整列との違
いを指摘することが重要である。時間ワーピングにおいて、事象の到着順に、あ
るいは最悪の場合には時間流と逆行して修正が行われることができる[局部およ
び有限持続期間の時間オブジェクトf(t−t0 )が別のトレース上においてf
(t1 −t)として現れる]。時間ワーピングアルゴリズムが時間再整列を行う
ことが可能である場合でも、逆に、時間再整列アルゴリズムは時間ワーピングを
補正することができない。時間再整列アルゴリズムは逆戻りされることもできず
、また、それに従うトレースの時間流を中断することもできない。
【0063】 多くの監視用途において、種々の時間に測定された同一の機械的な作用の結果
得られた時間振動シグネチャを比較することが求められる。時間振動シグナチャ
によって、振動信号の包絡線、いくつかのスペクトル帯域上に分布された包絡線
または時間頻度分布が得られる;時間次元が存在していなければならない。他方
において、機械的な作用の再現は完全なものではなく、さらに動作条件(たとえ
ば、温度)および装置のエージングのために付加的な偏差が導入される。これら
の偏差は、機械的事象の新たな存在または欠如、ある事象の振幅の変更あるいは
事象の時間シーケンスの修正として現れることができる。しかし、時間フレーム
の変動は、新しい事象または振幅変更がその事象のシーケンスの単なる加速また
は減速により出現したという誤りを生じる;比較の前に、時間フレーム流の変動
から生じたシグナチャ変化をその他の変化から区別することが重要である。
【0064】 時間再整列により、不時の遅延の影響を受けることなく、各事象を別のシグ
ナチャ中の各事象のそれぞれと並置することが可能になる。再整列中に時間フレ
ームに対して繰上げられた修正の振幅もまた、十分に診断特徴を示す指標である
。時間再整列アルゴリズムは、スピーチ処理ドメイン中のひと区切り(deca
de)以上のあいだ存在し、いくつかのものは、変圧器ステーションにおける高
電力回路ブレーカを監視するためにそれらを使用する。しかしながら、これらの
アルゴリズムは、スピーチ信号を離れた適用を監視するには不十分である。マル
チスケール相関は、時間フレームに対する評価ツールとして使用されることがで
きる。スピーチ処理で使用されるアルゴリズムとは対照的に、マルチスケール相
関により、時間シーケンスは補正されることができるが、トレースの整列だけは
補正できない。
【0065】 しかしながら、マルチスケール相関は複雑であって、高い計算能力が要求さ
れる。観察されたシグナチャは事象の到着順で、あるいは時間の流れに逆行して
修正を示さないので、時間ワーピングは全くあてにされない。しかしながら、そ
れにもかかわらず、文献[“ Vibro-acoustic signature comparison and time
warping correction with multiscale correction ”of F.Leonard,printed out
from the third conference entitled “ Method de surveillance et techniq
ues de diagnostic acoustiques et vibratoires”,Societe Francaise des Mec
aniciens-Societe Francaise d'Acoustique-International Measurement Confer
ence,held at CETIM(Senlis)France on 13 to 15 October 1998 ]に記載されて
いるような加重ファクタPを適切に調節することにより、マルチスケール相関は
このタスクに対して使用されることができる。実際にこの状況では、時間フレー
ムの最初の2つのドリフト、すなわち遅延D0 および時間流速度D1 だけを調節
することが所望されているので、簡単な時間整列アルゴリズムのほうが適してい
る。これらのドリフトに基づいてシグナチャを調節することにより、タップ変更
の速度に対するオイル温度の観察された影響を補正し、それによってシグナチャ
平均の分散を減少させることが可能となり、この平均と新しいシグナチャとの間
の温度の影響を受けない比較が可能になる。
【0066】 図26を参照すると、本発明による時間整列を行うための反復ループの動作
を示すフローチャートが示されている。機能は簡単である:アルゴリズムは、た
とえばデシメートされた信号9 および基準包絡線13A により形成されるような、
通常は包絡線の平均である、評価を受けている包絡線に与えられる。その出力か
ら、第1の補間された包絡線11が与えられ、その時間フレームは基準包絡線13A
のものと対応する。そのアルゴリズムによって見出されたドリフト係数116 ,11
8 の値もまた診断のために使用されることができる。このアルゴリズムの動作は
、 時間ドリフトD0,0 53およびD1,0 55の初期値; 各時間ドリフトの開始範囲の幅; 反復により到達する分解能限界および反復の回数により決定される限界のよう
なパラメータによって制御される。
【0067】 包絡線と基準包絡線との間の最大相関サーチに基づいて、提案されたアルゴ
リズムは反復手順において試行錯誤で進行する。各反復において、2つの選択、
すなわち、ゼロ次D0 のドリフト(遅延)と1次D1 のドリフト(時間流速度)
がなされる。
【0068】 反復は2つのブロックで行われる。第1のブロックはゼロ次のドリフトに対
するものであり、第2のブロックは1次のドリフトに対するものである。これら
のブロックの一方を実行するために、値のセレクタ120,120'と、インターポレー
タ122,122'と、コリレータ124,124'と、最良のドリフト値を選択するためのセレ
クタおよびサーチ範囲減少装置126,126'が設けられていることが認められる。テ
ストされるべき値のセレクタ120,120'は、最後の桁上げ値Dx,i 、すなわち第1
の反復における最初の桁上げ値Dx,0 だけをとり、D0,i およびD1,i に対する
値Dx,i ±1/2のサーチ範囲を計算する。各ドリフトに対して、3つの値が各
反復においてテストされる。インターポレータ122 は、1次のドリフトに等しい
周期でゼロ次のドリフトによって設定された開始点にしたがって包絡線をサンプ
リングする。補間は、ブラックマン・ハリス」(Blackman−Harri
s)タイプのスペクトルウインドウがその幅を制限するために適用される再構成
関数“sic”[すなわち、sin(x)/x]によって行われる。それによっ
て、3つの包絡線が計算され、コリレータ124 に与えられる。最高の相関値、す
なわち最小の2乗偏差は、セレクタ126 により行われる最良のドリフト値の選択
を決定する。反復が2つのブロックにおいて行われると、ゼロ次のドリフトの最
良の値が、1次の最良のドリフトの選択に関連付けられたインターポレータ122'
に送られる。反復サイクル後に2つのドリフト値が供給されると、各ドリフトの
サーチ範囲は21/2 で除算される。これらの範囲が所望の分解能より低い次元を
有する場合には、反復は停止されるが、そうでなければ値のセレクタ120,120'に
戻って新しい反復が行われる。
【0069】 図27は、時間再整列を表すために構成されたアルゴリズムのLabVie
w(商標)図を示している。2つの反復シーケンス132,134 はそれぞれドリフト
次数(次数ゼロおよび1)に対応しており、それらは同じループ中に存在する。
図面の左上にはゼロ(null)値バッファ128 が示されており、その幅は補間フィル
タ122,122'の幅の半分であり、それはシグナチャベクトルの始めに付加されて9
になるように調節される:ここで、その時間フレームにおいて第1のトランジエ
ントがさらに発生し、その前に信号がゼロであると仮定する。さらに左側には、
0.0から始まり、サンプル数から補間フィルタ122,122'の長さを引いた値で終
わるランプ{x=i|i=0,I}140 の発生が認められる。このランプは、ド
リフト値としてD0 およびD1 を有する次式: xpos =(x+D0 )・D1 −(D1 −1.0)・I/2 (7) のような補間位置の計算のために使用される。式(D1 −1.0)・I/2はパ
ラメータD0 およびD1 を減結合する、すなわちそれらの相関をなくすことがで
きる。事実、反復プロセスにおいてスロープD1 を調節するとき同時に、ゼロD 0 の変化は生じない。上記の式の代わりに、式D0 +(x−I/2)・D1 +I
/2は反復の変換に影響を与えずに同様に使用されることができたはずである。
0 およびD1 の最初の値はそれぞれ0.0および1.0に設定されている。基
準: sn =s(t)|t=nT (8) に基づいて調節されるシグナチャsn を仮定する。ここでTはサンプリング周期
である。補間はシグナチャ:
【数8】 を生成することから構成されている。
【0070】 図28は、図29Aに示されている相関124,124'の前の補間122,122'のv.
i.を示している。図29Bは、図29Aの相関のv.i.において使用される
切取り146 のv.i.を示している。図28の左手の小さいループ144 は、補間
される点の数を決定する:既知のサンプルsn の範囲外での補間(すなわち、補
外)は行われてはならない。同じ次数のアイディアにおいて、図29Aに示され
ている2乗偏差の計算148 の前に行われる切取り146 により、2つのベクトル間
のゼロでない値を確実に比較することが可能になる。それは実際には、ここで行
われる相関ではなく、簡単な2乗誤差計算である。2乗誤差が最低のときに相関
が最大になるので、一方を最大にすることと、他方を最小にすることとは同じで
ある。以降、相関と2乗誤差(または標準偏差)との間の関連をさらに詳細に説
明する。
【0071】 図27を参照すると、1次元反復サーチ空間に対して、サーチ範囲は各反復
において2で除算される。K次元反復サーチ空間に対して、K次元上での各同時
反復において2によるK次元超曲面の演繹が所望された場合、この範囲は典型的
に2I/K で除算される。アルゴリズムにおいてK=2である。
【0072】 各反復において、6つの補間122,122'および相関124,124'が行われる。この
補間122,122'が最大の計算能力を必要とする。簡明にするために、コードは最適
化されていないとする。経験のあるプログラマーは、その反復および相関の数を
実質的に減少させることが可能であると確信するであろう。たとえば、それは次
の反復のために最後の最大相関、その値、および対応した補間された包絡線を繰
上げる問題である。さらに局所極小の不存在時には、最初にテストされた可能性
が中心値より優れた相関値を示した場合は最後の最大の左にある1および右にあ
る1の両者の可能性をテストすることは無駄である。ニュートン法のようなもっ
と迅速な収束を有する別のアルゴリズムがある。しかしながら、収束に対してお
そらく影響を及ぼす局所極小およびその他の不規則なものの存在が疑われる。こ
のような誤った解への収束は、非常に多数のテストと上述のアルゴリズムにより
実行される反復によって回避される。この余分な計算は、その高い能力の代価で
ある。
【0073】 ゼロ次D0 に対して活動的であり、1次D1 に対して非活動的である時間再
整列によりテストが行われている。包絡線の整列の顕著な改善が認められている
。実際に、包絡線の第1の粗整列は、時間再整列におけるパッセージ(pass
age)の前に行われる。その後、2つの包絡線の間の簡単な相関が行われ、そ
の相関の最大が粗再整列に帰することのできる遅延を整数のサンプル数で示す。
当然ながら、得られた分解能はサンプリング周期のほぼ半分である。すなわち、
時間再整列反復アルゴリズムによって、2つのサンプル間の補間が、サンプリン
グ周期の僅かな割合の期間で包絡線を整列させることによりそれらの間の相関を
顕著に改善する。
【0074】 もちろん、活動中の2つのドリフトとの時間再整列に対して、相関は依然と
して高い。
【0075】 図30は、100の包絡線150 の平均の一例と、これらの包絡線150 の±3
倍の特性標準偏差(±3シグマ)152,154 の曲線とを示している。時間再整列に
より、トランジエントアタックにおいて分散はもはや系統的に増幅されない。図
31は、図30の部分的な拡大図を示しており、この図には、時間再整列の不在
時に得られた±3シグマの曲線156,158が追加されている。時間再整列では、ト
ランジエントアタックを適切に整列させることによってこれらのアタックの直線
部分に関する分散がかなり減少されるようである。さらに、トランジエントアタ
ック以外の別の場所の分散のわずかな減少が観察される。その中程度の複雑さに
もかかわらず、時間再整列アルゴリズムは、監視システムにおいて非常の望まし
いものである。
【0076】 時間再整列は、シグナチャの時間フレームのエボリューションをもっと注意
深く検査するために使用されることができる。図32は、タップ切換器の100
回のタップ変更に対する、時間再整列の適用による、および時間再整列の適用な
しの、第1の包絡線に関する各2乗偏差159 および157 の減少の代表的な時間エ
ボリューションを示している。動作状態が類似しているために、はじめは少ない
ことが認められる。次第に動作状態が異なっていき、それによって初期時間フレ
ーム(変更番号1により設定された)に関する相違が増加する。
【0077】 開始シグナチャと現在のシグナチャとの間のこの距離の増加は、図33Aお
よびBにそれぞれ示されているようにゼロおよび1次のドリフトD0 ,D1 上に
も認められる。ゼロ次のドリフトは、1次のドリフトが高いときに、しばしば1
を越えることもまた認められる。さらに徹底した研究では、D0 およびD1 に対
するこれらの動作条件の影響を示すために温度と負荷が考慮される。最後に、D 0 およびD1 の開始偏差の最適値、ならびにこれらのドリフト値に関して最終的
に要求される分解能、すなわち再整列アルゴリズムにおける反復数を設定するた
めに別の統計が累積されることができる。信頼テスト中に、D0 に対して1.5
に設定された開始偏差は大き過ぎることが判明し、3/Nの偏差はD1 の開始偏
差としては小さ過ぎるか、あるいはその範囲のトリッピングリミットである。実
際に、シグナチャに関するN=469のサンプルにより、D1 に対する開始偏差
として3/N=3/469=0.0064が得られ、多数の反復により、
【数9】 が得られ、D1 に関する最大トリッピング範囲は1±(2.4・0.0064)
、したがって1±(0.0154)に制限される。すなわち、図33のAおよび
Bでは、この範囲の限界に2度到達している。この例においておよびこの装置に
対して、この範囲限界は増加されなければならない。経験によれば、開始範囲幅
は監視されるべき装置のタイプに依存したことが分かっている。
【0078】 上記のアルゴリズムにおいて、第1の記録されたシグナチャが、その基準の
時間フレームを決定する。連続する全てのシグナチャは、その時間フレームに対
応するように時間調節される。この第1のシグナチャがその他のシグナチャを表
すことが重要である。好ましくは、このシグナチャはとくに、パワーオフ時また
は極限の動作状態の時に採取されてはならない。解決策は、はじめに第1のシグ
ナチャを1次で時間調節し、その後1次および2次の時間再整列で処理すること
にある。
【0079】 シグナチャが重要なランダム部分を含んでいる状況において、平均の使用は
避けられない。それは、平均の使用が多くの従来技術の監視アルゴリズムにおい
て見出されるためである。
【0080】 ここでは、タップジェンジャの監視時に各タイプのタップ変更動作(1から
2,2から3、…、3から2、2から1)に対して2つのランニング平均が使用
されている。第1の平均は開始時のシグナチャに関連し、一方第2の平均は最後
に測定されたシグナチャのものである。オリジナルまたは基準平均と呼ばれる第
1のものは遠い過去に基づき、一方実際の平均と呼ばれる第2のものは最近の過
去と現在とに基づいている。図34のA、BおよびCは、基準シグナチャ160 (
オリジナル)および実際のシグナチャ162 の各加重のエボリューションの一例を
それぞれ示している。
【0081】 図1を参照すると、各タップ変化の測定において、突然現れる欠陥を検出す
るために、測定値9 が基準シグナチャ13A (または実際のシグナチャ13B )と比
較されることができる。この比較はコリレータ149 によって行われ、振動音響信
号の確認指標を示す確認信号151 を生成する。欠陥がない場合、計算回路12は、
新しい実際のシグナチャ13B および新しい基準シグナチャ13A を最後に整列され
た測定値11から計算する。その後、これらのシグナチャ13A および13B は、中期
間および長期間の現れた特性偏差を検出するために比較器14によって比較される
。したがって、ランニング平均の計算と、白色雑音に関するおよび周期的雑音(
年間温度および毎日の負荷)に関するこれらの平均の感度の問題を詳述すること
が重要である。さらに、計算された平均に関する分散減少は、センサの交換また
は低い計測ドリフトによりトリガーされる警告を発生させてはならない:たとえ
ば±3.9シグマ(10000中の1)等の選択された警告しきい値は、計測の
期待されるドリフトの2倍、すなわち5%の突然偏差より低くなってはならない
【0082】 技術的に提案されているアルゴリズムの1つは、オリジナルシグナチャと、
実際のシグナチャに対するランニング平均を発生するために均一加重固定平均を
使用する。固定平均とは、N個の第1の包絡線に関する簡単な和のことであり、
数Nは予め設定され(3乃至30)、当該タップ変更に対してこのシグナチャ数
に達したときに監視が開始される。さらに、上述のアルゴリズムはピーク包絡線
平均を計算し、一方本発明では、好ましくはヒルバート変換6 によって獲得され
て、時間再整列10により再構成された包絡線の平均が行われる。
【0083】 M個の包絡線の均一な平均は次式で表される:
【数10】 ここでSm はSm ={si,m ,s2,m ,s3,m ,…,sN,m }のような指標mの
包絡線を含むベクトルである。均一な平均に関して、平均の重複が1つも存在し
ないようにするために、2つのタイプの平均、すなわちオリジナル平均と実際の
平均に対して、数Mは有限でなければならない。実際に、図34のA乃至Cに示
されているものとは異なり、重複が生じている場合には加重が同じになるため、
平均の重複は2つの均一なタイプの平均の間では望ましくない。これらの平均に
対する同じ量の付加はこれらの平均間の差を全く修正しない。オリジナル平均を
出すための均一タイプの平均の連続的な計算は簡単であり、包絡線の和と合計さ
れた包絡線の数だけがあればよい。しかしながら、実際の平均に対しては、M+
1個の古いほうのもの(most former one)を包絡線の和から減
算するために全ての包絡線が記憶されなければならない。この場合、バッファ平
均のように(cm =1で)処理する必要がある。
【0084】 バッファ平均は、合計された包絡線加重の選択肢において最も多くの可能性
を提供するものである。加重係数としてのcm により、以下のように表される:
【数11】 加重係数は、固定平均または以下に示す異なった循環(recurring)平
均の1つを得るためだけに調節されなければならない。バッファ平均に関して問
題となるのはまさにそのバッファであり、これは合計される全ての包絡線の記憶
を必要とする。
【0085】 循環の平均の計算を一般化された形式で表す方法は2通り存在する。第1の
ものは:
【数12】 ここでf(m)は、mだけに依存する加重関数である。第2のものは:
【数13】 この第2のものは加重関数P(i)に依存し、ここにおいて、その和:
【数14】 はm+1個の累積された包絡線に関する累積母集団を表す。P(i)=1.0に
対して均一平均が得られることは注目に値する。
【0086】 循環平均では、最後の平均の値と数mとがわかればよい。非常に多数の平均
の場合には、その数mは、この無符号の整数の変数に割当てられる次元に対して
使用されるコンパイラにより許される最大値(通常、2バイトに対して32 7
68または4バイトに対して42億)を越えてはならないことを強調しなければ
ならない。第2の式、すなわち、式14に関して、加重の和はコンパイラの浮動
小数点限界値を越えないこともまた必要である。実際は、タップ切換器はその寿
命中に同じタップ対に関して500 000を越える動作を行うことができる。
驚くべきことに、タップ切換器の同じタップ対に関する動作は100億を越える
(5分毎に1つの動作を95年間)。したがって、整数および浮動小数点値は、
変数のオーバーフローを生じることなく4バイトで割当てられることができる。
【0087】 一例として、オリジナルシグナチャを平均:
【数15】 と考える。これは式13を次式16と共に使用することと同じである:
【数16】 α=1に対して、均一加重平均が見出される。α>1により、加重は前の測定値
に関する最近の測定値の重要性を減少させる。この後者の特性が、オリジナル平
均においてサーチされるべきものである。
【0088】 オリジナル平均として使用可能であることにより、以下のように表されるラ
ンニング平均もまた存在する:
【数17】 これは、式14を次式18と共に使用することと同じである: P(i)=1/(i+1) (18)
【0089】 さらに一例として、実際のシグナチャは次式のように表されることができる:
【数18】 η<<1およびη>0により、定数は新しい測定値の加重を表す。この平均に対
する式13中のf(m)=ηを減少させることは容易である。ここでは、オリジ
ナル平均とは異なり、最後の測定値の加重は、十分に高いmに対して、したがっ
てη>(1−η)m の場合に最も重要である。m=0の場合に課せられる最初の
条件、したがって
【数19】 は、しばらくの間実際のシグナチャを中断させる。それは、mと共に減少しなけ
ればならない相対加重に対する式13の使用に関連した問題である;第1から第
2の包絡線への加重のパッセージに対して(1−η)m 0 からη(1−η)m 1 への突然のパッセージが存在している。すなわち、他方のシグナチャに対し
て(1−η)ではなく(1−η)/ηの比が存在している。事実、トランジエン
ト応答特性は、合計された包絡線の数での持続期間を有し、この持続期間はηに
依存する。このトランジエント応答特性は、包絡線の和と共に減少する系統的な
雑音なので、見掛け上許容されることができる。
【0090】 上記の観点において、計算回路12により行われるオリジナル(基準)シグナ
チャおよび実際のシグナチャの計算に対してランニング平均の使用が選択されて
いる。ランニング平均のタイプの選択は、分散減少利得に基づくと同時に、その
平均のトランジエント応答特性に基づいて行われる。これら2つの基準は矛盾し
ているため、折り合いがつくようにこれらのトピックを十分に詳述することが重
要である。
【0091】 均一な加重平均が保持されないにもかかわらず、それは低い限界を構成して
いるため、この平均に関する分散を生じさせることが有用である。事実、均一な
加重は、合計された所定数の包絡線に対する平均に関する分散を最も減少させる
加重である。M個の包絡線に関する均一平均の分散は、ラプラス・ガウス分布の
法則に従う雑音に対して:
【数20】 によって表され、σは各包絡線に関する分散を表す標準偏差である。その他全て
のタイプの平均はガウス雑音に対して高い分散を有する。しかし、ラプラス・ガ
ウス分布の法則の定義に全く一致しない周期的雑音(毎日の負荷、季節的負荷…
)の存在を考慮しなければならない。均一加重平均は、周期的な現象に対する高
い感度を有しているため、適切な妥協を与える平均によって置換されなければな
らない。さらに、エラー包絡線の存在を考えると、この包絡線が加算された場合
、均一な平均により1/Mの加重が生じ、この包絡線が数Mによって固定された
幅の加算範囲内で発生した場合にはゼロ加重が生じる:それは全てかゼロかであ
る。
【0092】 一般に、ウインドウの幅は、周期的雑音が減衰されるように、この雑音の周
期の3倍以上の高いものでなければならない。したがって、使用されるべきフィ
ルタがこれらの仕様を満たすように、そのフィルタの全ての係数の前に、3年間
の観察ウインドウが必要とされる。この遅延は許容不可能である。実際に、1か
ら始まって、漸次的に減少する加重は、加算の始めでは、均一平均を実行したも
のに等しく、その平均に関する分散を迅速に最小化する。平均がさらに進んだ場
合、新しいサンプル(オリジナル平均に対する)の加重または以前のもの(実際
の平均に対する)の加重は、実質的に縮小され、周期的雑音に対する平均の振動
応答を安定させるために使用される。後者の平均は、いくつかの包絡線の加算の
後に使用可能となり、時間と共に無限に改善する(その平均に関する標準偏差は
連続的に減少する)。デジタルフィルタと比較すると、ガウス加重はFIRフィ
ルタであり、一方、漸次的な減少を伴う加重はむしろIIRタイプである。
【0093】 漸次的な減少を伴う加重は、式13および14で表されるような循環関数に
より効率的に実行される。合計された包絡線の数が無限大に向かっている場合、
これらの式の最終的な分散を比較するために有用である。式15で与えられた式
に関して、m→∞に対する雑音伝搬の計算によりゼロ分散が生じる。同様に、式
16に関して、m→∞に対して母集団は無限に向かう傾向であるため、これもま
たゼロ分散を生じさせる(すなわち、1/iの和はm→∞に対して無限大に向う
傾向がある)。どのような式が選択されても、フィルタのトランジエント応答特
性の関数として周期的雑音の減少を考えなければならない。オリジナル平均に対
して、この応答特性はその平均の安定時間を決定する。一年分のサイクルを減少
することが要求された場合、オリジナル平均の安定性には1年以上かかることが
直感的に理解されるであろう。安体化のために、式15は合計された包絡線の数
の関数として値αを調節することを可能にする。
【0094】
【数21】 であることを知ることにより、α=1+εとするならば、 ε・ln(m)>1 (22) のときに開始する安定性が得られる。たとえば、1年間で平均7→8の500個
のタップ切換器が存在していることが知られている場合、αは、 α=1+1/[ln(m=500)]=1.16 であるように設定される。
【0095】 ここで、加重は動作mの数の関数として設定されなければならないか、ある
いは、それを時間の関数として設定するほうが好ましいのかについて疑問が生じ
るはずである。この加重をmの関数として設定するほうが簡単に見えるが、しか
し時間に依存する最適な関連した周期的雑音が少なくなる。各タイプのタップ切
換器に対して同じαを適用すべきなのか、あるいはもっと低い頻度のタップ変更
のためにαを増加するほうが望ましいのであろうか。やはり簡単さの理由から、
αの特有の値を維持することが有効である。αの特有の値に対して、各タップ切
換器の特性の検査は必ず時間ではなくmの関数として詳述される。しかし、関連
した動作x→yに関連した多数のエージングファクタは、mx→y、すなわち、
時間ではなく動作数に依存している。要約すると、あるエージングプロセス、簡
単さおよび迅速な収束性(robustness)には、異なったタップ変更に対して同じ係
数αにより、mの関数としての加重が必要である。
【0096】 f(m)=ηによる実際のシグナチャの特定の場合に対して、式13におい
て規定されたフィルタの雑音応答特性の計算は、平均計算のインパルス応答特性
の検査によって得られる。単一のゼロでないシグナチャ:
【数22】 を仮定すると、結果的に得られるランニング平均は、信号のこの正確な場合に対
してmシグナチャ+1の関数として:
【数23】 のように表される。関数0<F(j)<1に対して、Sk の加重は新しい各シグ
ナチャの和と共に減少することが認識される。この加重は、ゼロでないシグナチ
ャSm の一般的な場合に関して適応されることができる。m+1個のシグナチャ
の加重の和を表すパラメータ:
【数24】 を母集団と呼ぶことにする。したがって、相対加重は、式24を式25で除算し
たものと等しくなる。さらに一般的には、式13の回帰的に表されるランニング
平均もまた、
【数25】 として表されることが可能なことが演繹される。エラー伝搬定理にしたがって、
各シグナチャに関する次のようなガウス白色雑音を仮定する:
【数26】
【0097】 上記の式27にf(m)=ηを導入することにより、次式が得られる:
【数27】 いくつかの操作、および整数による和の置換後、
【数28】 これによって最終的に、η<<1のときに:
【数29】 が得られる。この式は、実際のシグナチャに対応したシグナチャの平均に関する
標準偏差を予測することを可能にする。オリジナルシグナチャの計算に対して示
唆される平均とは異なり、この分散はm→∞によりゼロに向かって傾くのではな
く、むしろη上に依存していることが認識される。たとえば、標準偏差の10の
ファクタ減少には、η=0.02であることが要求される。もちろん、ηが最小
になると、安定した実際のシグナチャに到達する前に、合計されなければならな
いシグナチャの数が最大になる。この平均は、新しいシグナチャの加重が標準偏
差の大きさの次数のものとなったとき、すなわち:
【数30】 のときにその安定性に近くなる。したがって、式26が有効である(すなわち、
この式に対してmが無限であると考えられる)ために必要な平均の安定化のため
に、合計されたシグナチャの数は、
【数31】 より多くなる。
【0098】 平均の安定性に到達するために、標準偏差の減少と、要求されるシグナチャ
の数、すなわち間接的な時間との間で妥協がなされなければならないであろう。
一方において低い標準偏差平均が捜索され、他方において、特性変化が発生した
場合に、この変化に対して可能な限り最も迅速に順応する平均が所望される。換
言すると、平均アルゴリズムの応答特性の迅速さは、シグナチャに関する分散の
減少と反比例する。
【0099】 図35は、シグナチャ数の平均の標準偏差σmean/σsignature の減少153
とトランジエント応答特性155 を加重ηの関数として示したものであり、実際の
平均でのηの選択のために妥協するのに有用なチャートを示している。ここで、
η=0.1は、15の平均のトランジエント応答特性を有しながら標準偏差を4
分の1近くに減少する。
【0100】 実際の平均であるが、これに対する包絡線の合計数と共にゼロに向かう傾向
の標準偏差を有することがオリジナル平均にとって重要である場合、ゼロでない
分散は許容されることが可能である。事実、この第2の平均は、すでに重要な分
散を有している孤立シグナチャと比較される。その平均分散は、それが比較エラ
ーの5%にのみに対して貢献するように3分の1になるように低くなければなら
ない。この比較エラーは、エラーの2乗の和の2乗根に等しい。すなわち、後者
の例に対して1.054=[1+(1/3)2 1/2 である。さらに、上述のよ
うに、ユーザは、測定ラインの構成要素の1つを置換した場合にオリジナル平均
に関する実際の平均の5%の突然の偏差に耐えなければならない。したがって、
フルスケールの5%より低い実際のシグナチャに関する分散の減少を捜すことは
無駄である。しかも、アークの不存在時に、時間再整列10とヒルバート変換畳込
みアルゴリズム4 による包絡線計算とを使用したとき、孤立シグナチャの実際の
分散はその信号の振幅の20%より低くなる。したがって、この分散を5%より
かなり低く減少することは無駄である。η=0.1の設定は音響妥協を構成する
ものであり、それによってフルスケールの5%未満の分散が得られる。
【0101】 シグナチャに関する標準偏差は、そのシグナチャの平均に関する標準偏差と
混同してはならない。シグナチャに関する分散の計算において、測定された各包
絡線を、最後の包絡線を表す平均と比較することがとくに重要である。包絡線の
ドリフトが存在するとき、その平均がそれにより調節するほど十分に速くない場
合、この分散の計算においてバイアスが付加される。他方、平均の分散の計算に
おいて、その平均に関するシグナチャの分散の伝搬を正しく評価して、包絡線の
低いドリフトを考慮することが重要である。
【0102】 シグナチャ分散の計算に関して、バイアスされているが、簡単で効率的な平
均は、新しい各シグナチャがその平均に関して有する偏差の2乗の和をとり、こ
の和を合計された包絡線の数で除算することにより得られる。すなわち:
【数32】 もちろん、その平均のはじめにおいて、および
【数33】 が1つのシグナチャだけに基づいている場合には、2倍の分散(すなわち、2σ 2 )が統計的に得られる。したがって、分散は過剰に評価される。その後、この
バイアスは漸次的にゆっくりと減少する。しかしながら、この計算には、包絡線
をランニング平均の最後の値と比較する利点がある;したがって、ランニング平
均がドリフトに従う場合に、シグナチャドリフトの存在に対するこの計算の感度
は低い。別の計算は伝統的なものである。すなわち:
【数34】 ここでは、包絡線に含まれているエネルギと最後の平均のエネルギとの間の差が
計算される。しかし、M個のシグナチャ内における平均シグナチャに関して変動
が生じている場合には、この変動は分散の原因として解釈されることになる。こ
の分散の計算は分散のはじめに過剰評価をしないが、しかしながら、そのシグナ
チャの遅いドリフトの全てを系統的に含んでいる。
【0103】 式33で提案された計算は、最後に得られた包絡線と実際の平均との間の比
較にとって有用であることができる。事実、平均計算が安定化されていないあい
だにユーザが不必要に警告されないように、分散をそのはじめに過剰評価するこ
とは非常に有用である;この選択によって迅速な収束性(robustness)が得られる
。さらにシグナチャの低いドリフトに対する感度が低いことにより、この計算に
よって得られる分散値は実際の分散値に近いものになる。
【0104】 それとは対照的に、式34で提案された分散の計算は、オリジナル平均と実
際の平均との間の比較時にしきい値を定量化するものであり、これはさらに興味
深いものである。実際の平均は周期的雑音によって妨害されず、一方オリジナル
平均は測定値の累加により漸次徐々に除外されていく。
【0105】 式33および34は、平均によって与えられる加重を考慮しない。一定の標
準偏差の場合、この加重は適用される必要がない。しかし、この標準偏差が実際
に一定かどうかが知られていない場合には、この加重を考慮する標準偏差評価ア
ルゴリズムを展開する以外選択の余地はない。実際の平均に対して、シグナチャ
特性の関数として分散を調節することを可能にする以下の回帰計算が示唆されて
いる:
【数35】 実際の平均を加重する利点の1つは、非常に雑音の多いタップ変更または特有の
動作条件により異なったもの(たとえば、非負荷時またはパワーオフ時タップ変
更)によって生じた分散増加を漸次的に消去することにある。いくつかの雑音の
多いまたは異なったタップ変更は、監視システムの開始時およびタップ切換器の
メインテナンス中に発生する可能性が高い。η=0.1に対して、システムの感
度は、摂動に後続する多数のタップ変更に対して低くなる(図35上のη2 =0
.01に対応した値が捜索される)。したがって、獲得されたシグナチャは、正
常な動作状態に対応していなければならない。実際の分散計算の使用に伴う危険
性は、一定した重要な雑音の出現により監視の感度が低下することである。好ま
しくはシグナチャの分散の増加に関する警告またはフォローアップにより、実際
の分散計算が選択されなければならない。シグナチャの分散は、その測定ライン
にとって重要な診断情報である可能性が高い。監視システムの故障(故障チャン
ネル、計算アルゴリズムの中のバグ…)、および変圧器またはタップ切換器中の
常に高い分散平均ランダム振動、あるいは計測器からの重要な雑音供給がなけれ
ば、ゼロ分散はあり得ない。
【0106】 オリジナルシグナチャ平均に対して、式15において規定された平均が行わ
れた場合、以下の計算が示唆される:
【数36】 これによって、そのシグナチャの低い周期的ドリフトをそこに含みながら分散を
設定することが可能になる。α=1に対して、式34はその本来の目的に利用さ
れる。
【0107】 式35および36で得られた2つの分散値を比較することにより、時間的に
変化する実際の分散の診断が可能にならなければならない。
【0108】 多くの適用において、分散の計算に対して要求される正確さは通常、平均の
計算よりはるかに低い。しかしながら、分散値は、そのシグナチャを中心とした
越えられてはならない限界として使用されるため、分散はシグナチャの平均値と
同程度に正確でなければならない。それは平均の正確さにほぼ近い正確さである
【0109】 相関は簡単なツールであり、これによって、ガウス雑音の存在時に、異なっ
た最適化アルゴリズムにおいて最大尤度に到達することが可能になる。監視動作
において、相関の目的は: 測定された包絡線を実際のシグナチャとほぼ整列させ、 2つのシグナチャ間の一致を全体的に確認し、 2つのシグナチャ間の偏差の全体的な特徴指標を示すことである。
【0110】 ベクトル的に表される相関係数/ファクタ、すなわち:
【数37】 は、当該ベクトルの共分散に対応する。集中的な相関では、直接成分はベクトル
から除去される。すなわち、これによって得られるそれらの各平均値は:
【数38】 これら後者の式は、シグナチャが整列されている場合、すなわち時間再整列10
の後、適切である。とくに、対数スケールで行われた集中的な相関は、計測に関
する利得のドリフトを抑制することができる。実際に対数スケールでは、ドリフ
トは信号に対する定数の加算として現れ、その定数が集中的な相関により抑制さ
れる。
【0111】 シグナチャが整列されていない場合、相関値がシグナチャ間に与えられる遅
延の関数として求められる式が代わりに使用される。このために、2つの変数x
およびyの間の相関関数の解析式が最初に使用される。すなわち:
【数39】 ここでxおよびyは集中的な関数であってもよく、あるいはそうでない(すなわ
ち、ゼロ平均のものである)ことも可能である。2つのベクトルからの直接成分
の除去は、その目的が、相関の最大値の値を見出すことではなく、その場所をつ
き止めることである場合に有用である。N個のサンプルに制限された不連続の測
定値に対して表された場合、相関関数は次のようなものであり:
【数40】 これは、最大尤度までシグナチャを整列させる整数値kに対して最大となる。従
来技術のある計測のアルゴリズムは、サンプリング周期の半分の分解能を提供す
るような時間整列に制限される。本発明の監視アルゴリズムでは、値kの付近の
整数値より低いシグナチャを調節する時間再整列アルゴリズム10に制限される。
【0112】 2つのベクトル間のスカラー積:
【数41】 を仮定する。その相関は、 γ2 =cos(θ) (42) のようなベクトル間の角度に依存する。同様に、これらのベクトル間の差の2乗
、すなわち:
【数42】 を検査すると、それは、この適用では2つのシグナチャ間の2乗偏差になる。後
者の式は、2乗偏差と相関値との関係を適切に示している。相関係数γが最大の
ときに最小偏差が得られることは明らかである。
【0113】 平均2乗偏差および相関は共に、2つのシグナチャ間の距離および相対移動
クローザー(closer)をそれぞれ表す全体的な値である。実際的な観点に
おいて、平均2乗偏差は相関より具体的な尺度に基づいているので、警告しきい
値が越えられたかどうかを決定するために、平均2乗偏差が使用されることが好
ましい。しかしながら、シグナチャ間の一致を判断するために、相関により無次
元(adimensional)基準の使用が可能になる。
【0114】 シグナチャ認識によって2つの目的:予測されたタップ変更の存在の確認お
よび診断が達成される。獲得されたシグナチャが予測されたものと対応しない多
くの状況が存在し、たとえば: 獲得の偶然的なトリガー; タップ番号の測定エラー; 不完全なタップ変更(主な欠陥); 高い振幅の異常雑音の存在(たとえば、欠陥のあるファン、コンプレッサまた
はその付近の溶接)である。
【0115】 シグナチャの認識は、シグナチャの最初の確認を行い、監視システムに対す
る異常の存在、およびその重要性さえ警告しやすいものでなければならない。低
い相関平均は、シグナチャが認識されていないことを意味する。近隣の番号のタ
ップ変更シグナチャとの相関が卓越して見える場合、それはおそらくタップ番号
の測定に関するエラーを示している。偶然に、本発明によるテスト中に集められ
たデータにより、シグナチャの認識はタップ番号の情報の使用を止めてもよいほ
ど十分に正確であったことが立証されている。一般に、相関値は、同じ動作から
得られたシグナチャに対して1に近く(0.95以上)、一方同じ動作に対応し
ないシグナチャに対しては0.8未満になった。監視システムアルゴリズムの精
巧さにおいて、そのタスクの1つは、低い相関を生じさせた状況の検出を可能に
する相関範囲またはしきい値を規定することである。相関損失を特徴付ける異な
った診断症状を認識するために、種々の戦略が実施されなければならない。たと
えば、音の出ないタップ切換器により補足的な測定(スイッチングの前および後
)により、すでに存在していた、あるいは2つのタップ変更間に生じた異常雑音
の存在を確認することが可能になる。
【0116】 相関はまた、サーチする対象が正確に知られている場合に、目標とされた診
断のために使用されることができる。たとえば、あるタイプの欠陥が明確に定め
られた周波数および包絡線振動で現れた場合、信号の中に欠陥があるならば、そ
の欠陥の信号の相関により、このような欠陥の位置をつき止めることが可能にな
る。しかしながら、この相関の使用には、このような診断メカニズムの実施を可
能にする一般的な欠陥シグナチャを有している必要がある。
【0117】 図1を参照すると、本発明による監視装置は変換段2 と整流回路4 との間に
結合された帯域分離装置170 を備えていることができ、この分離装置170 はデジ
タル信号3 を異なった周波数帯域に分離し、その異なった周波数帯域はこの分離
装置170 の下流の回路(整流回路4 、畳込みフィルタ6 等)によって別々に処理
される。
【0118】 マルチバンド方法は、シグナチャの特有の包絡線と時間頻度分布との間の妥
協である。一方において、実際のメモリ費用のために、タップ切換器の各タイプ
の動作に対して時間頻度シグナチャを記憶することは許されない。他方、その分
野で得られた経験は時間頻度シグナチャのわかりやすい説明を許さない。最後に
、潜在的なユーザの知識のレベルおよび彼等の関心は、時間頻度シグナチャの概
念からはるかに離れたものである。
【0119】 マルチバンド解析において、情報を2以上の帯域に置くことによって複製す
ることは好ましくない。周波数帯域は、補足的で冗長でない情報を含んでいなけ
ればならない。したがって、この目的が達成された場合、周波数帯域の内容の和
によりオリジナル信号が得られなければならない。ありふれた減算:
【数43】 は、非冗長性を保証するための簡単な平均を構成する。2つの帯域間の分離に対
して、それは次式のように表される:
【数44】 これは、第1の帯域の信号を見出すために単一の畳込みフィルタを適用すること
を可能にし、第2の帯域の信号は簡単な減算によって計算される。注意:減算の
前に時間サンプルが適切に整列されるように信号の十分な切取りが必要である。
【0120】 加速度信号の積分により速度が求められる。さらに、その加速度がその衝撃
のピーク振幅を特徴付けている(F=m・a)場合、しかしながら、速度は振動
エネルギまたはそれに含まれ、吸収されるパワー(E=0.5m・V2 )を特徴
付ける。速度包絡線と高い周波数の加速度包絡線との組合せに対する診断上の関
心はおそらく強くなることができる。図1に示されているように、周波数帯域分
離装置170 が使用されるか否かに応じて、1つまたは多数の周波数帯域上で速度
信号を得るために、積分装置102 が整流回路4 の前に挿入されることができる。
この積分は低い周波数の振幅を増加させて高い周波数を損なう。積分は、帯域上
のあらゆる箇所に20db/一区切りのローパスフィルタを与えるか、あるいは
周波数によりスペクトル振幅を除算することになる。したがって、積分は、信号
の低い周波数成分を保存するためのローパスフィルタとして使用されることがで
きる。もちろん、ここにおいて、低い周波数帯域中の信号が積分されて、高い周
波数帯域信号が積分されず、これらの両帯域が互いに排他的である場合を除いて
、2つの帯域間には互いに排他的な分離は1つも存在しない。
【0121】 センサの局在性は、信号の積分の成功において大きい重要性を持つことを強
調することが大切である。事実、優勢な伝送モードが存在している場合、得られ
た包絡線は、速度または加速度のいずれが選ばれても、スケールファクタを除い
て類似することになる。理想的には、信号は均一なスペクトル分布を有していな
ければならない。
【0122】 たとえば、図36は、アーク欠陥が存在する場合のタップ変更に対する10
00Hz乃至26kHz帯域における加速度包絡線201 および速度包絡線203 を
示している。オリジナル信号の時間頻度分布は、19kHzで生じる低い周波数
モードおよび優勢モードの存在を示した。ハイパスフィルタ51が1000Hzよ
り低い周波数の信号を抑制し、これらの包絡線を分離するための情報は少ししか
残っていない:優勢モードにより伝送された信号の包絡線は、積分後もほぼ同じ
ままである。しかしながら、加速度の2つの異なった周波数帯域に分離されて、
一方205 が0乃至2.56kHzとなり、他方207 が10k乃至25kHzにな
るので、得られた包絡線は、図43に示されているように非常に異なったものに
なる。アークは10k乃至25kHzの包絡線207 上で1.44秒の時に生じる
【0123】 定数の積分により無限極値が得られる。同様に、非常に低い周波数は積分に
よって過度に増幅される。さらに、120Hzの振動およびその高調波は問題に
する必要がなくなる。これは、これらの振動を取除くために積分の前または後に
ハイパスフィルタが適用されなければならないためであり、その取除かれた部分
には、幸いにもタップ切換器の動作に関する関連した診断情報が含まれていない
。最後に、図38における包絡線201 ,203 の間の尤度は、低い周波数の帯域の
抑制により得られたものではなく、本来そうであるように、19kHzの振動モ
ードから提供された同じ情報の存在のために得られたものである。
【0124】 1つの周波数帯域に制限された信号から抽出された包絡線は、この帯域に等
価な帯域幅を有する。したがって、包絡線計算の前の、信号の帯域幅の2倍に等
しいサンプリングレートの獲得まで、得られた包絡線をデシメートすることが可
能である。さらにデシメートするために、はじめに説明したように包絡線計算の
後にローパスフィルタが適用される場合を除いて、スペクトルエイリアスが行わ
れる可能性もある。
【0125】 Xkサンプル/秒でサンプリングされ、N個の等しい周波数帯域に分離され
たオリジナル信号では、これら全ての帯域上において包絡線情報を伝送するため
のN・X/N kサンプル/秒、すなわちXkサンプル/秒が必要であることを
認識しなければならない;情報キャリアのボリュームは適切なデシメーションの
あいだ一定のままである。
【0126】 メモリスペースを最小にすると共に冗長な情報の処理を回避するために、シ
グナチャのデシメーションによる圧縮が要求されることが好ましい。ユーザに包
絡線をグラフで示すために、補間によるデコンプレッションが使用されることが
できる。圧縮された包絡線の2つのサンプル間で生じたピーク振幅を詳述するた
めに補間を使用することも可能である。16バイトの整数を得るためにスケール
化して丸めることによる圧縮およびデコンプレッションは本質的にメモリスペー
スを最小化することを目的とし、本発明による監視アルゴリズムを実施する担当
者に対してなされる提案である。
【0127】 時間分解能に関して1秒当りのサンプルの数を間違えないことが重要である
。時間分解能は、もちろんナイキスト・シャノンのサンプリング定理を考慮する
と、信号に割当てられた周波数帯域に直接的に依存する。この定理では、サンプ
リング周波数はその信号中、すなわち、ここでは帯域中に存在する最高の周波数
の2倍よりも高くなければならないと規定されている。したがって、1秒当りの
サンプルの数が獲得、補間、デシメーションまたはその他任意のデジタル処理の
いずれかの結果である場合、この数はこの定理を考慮しなければならない。した
がって、1秒当りのサンプルの数は、時間分解能を容易に越すことができる。メ
モリスペースを最小化するにはサンプルの数を減少する必要があるため、サンプ
ル数はその最高の周波数をわずかに越えるように設定される。あるデジタル処理
は、信号に割当てられた帯域の端部に影響を与えるため、“わずかに越える”と
呼ばれるこのリザーブが重要である。スペクトルに関して、信号のパスバンドの
振幅はこの帯域の端部で減少し、この転移がその帯域を占める割合は10%未満
でなければならない。獲得中、アンチエイリアスフィルタの転移は一般的に、市
販のスペクトル解析装置でスペクトル帯域の28%を占める(400のラインが
512のスペクトルラインのFFTに対して表示される)ことは記述に値する。
デジタル処理では、10%を越えないことが必要であり、それに応じたフィルタ
長(または次数)が要求される。
【0128】 “標準偏差ベクトルに関して圧縮またはデシメーションをもっと重視できな
いか”という質問をされることもできる。一方では、要求されるメモリスペース
は再び少しだけ減少されるが、しかしそれとは逆に、あるシグナチャ比較アルゴ
リズムの複雑さは増加する。事実、標準偏差ベクトルが2回デシメートされた場
合には、同じサンプルが2回使用されなければならないか、あるいは2つの標準
偏差サンプル間で補間を行って、シグナチャ平均のサンプルを全てカバーするこ
とが要求される。
【0129】 補間によるデコンプレッションは、時間再整列10の反復アルゴリズムにおい
て使用された補間に類似した技術により行われる。それは、理想的な再構成関数
であるsinc()関数を選んで、係数の和による正規化に注意しながらスペクト
ルウインドウによってそれを乗算することでその時間幅を制限し、最終的に、等
距離のゼロサンプルが間に挿入されているオリジナル包絡線により、それの畳込
みを行うことである。その畳込みは、ゼロサンプルを補間された値で埋めるロー
パスフィルタとして作用する;その振幅は、補間率に対応したスケールファクタ
で補正されなければならない(すなわち、さらに5倍のサンプルのために、その
振幅は5で乗算される)。重要な詳細を強調しなければならない:sinc()関
数は負の値を含んでいるため、スペクトルエイリアスが行われた場合には、均一
スケールで与えられたシグナチャの補間により負の値が得られる可能性がある。
しかし、前に述べたように、負の値には方向がなく、対数スケールで設定される
ことはできない。しかしながら、シグナチャの補間は、対数スケールに関する危
険なしに行われることができる。
【0130】 アークはタップ切換器において観察される最も代表的な故障の1つである。
それは、その性質を詳述せずに、超過の有無を観察し、故障を示すのに十分なも
のであることができる。しかしながら、監視システムがサービス中であるときに
アークがタップ切換器中で生じている場合、超過はオリジナルシグナチャ上に存
在するので、それは全く観察されない。アークが存在するタップ切換器中の場所
を認識する能力は診断の進行において重要であり、これは本発明によって実現さ
れることができる。
【0131】 特有のアークのスペクトル特性は、それがピンクノイズのように見えること
である。ピンクノイズとは、均一なスペクトルを1つも有しないランダム雑音の
ことである。この不均一性は、センサに及ぶアークのために生じた圧力信号の流
れによってさらに強められる。結果的に得られた伝達関数はアーク信号を良好な
ものに見せるので、別の高い周波数の機械雑音からそれを識別することは容易で
ない。
【0132】 機械的シグナチャ(パワーオフ時)と負荷時シグナチャとを比較することで
も、電気機械力およびアークの存在の良好な認識が可能である。図37のA乃至
図40のBには、4つのタイプのタップ変更のパワーオフ時の包絡線(各図のA
)および負荷時の包絡線(各図のB)によるこのような比較が示されている。セ
レクタは、1.75秒における負荷スイッチングまで付勢されている。負荷時設
定に関して、ある事象がこれら4つの包絡線上に0.6秒の時点で出現している
。このトランジエントは見掛け上は正常である。しかしながら、図38のBにお
いて1.44秒の時点でタップ変更の包絡線上に出現したトランジエントは異常
であり、その振幅は高い。低い周波数の信号の包絡線は、このタップ変更に対し
て1.44秒の時点では何も示していない(図38のA)。これに関して、図4
1に示されているように、高い周波数の包絡線が低い周波数の包絡線と比較され
た場合、アークは高い周波数帯域の包絡線176 上でのみ可視であることが認めら
れる。それによって、マルチバンド包絡線を実行する有用性がはっきりする。
【0133】 アーク検出器の構成は、特有であって他の機械的事象とは異なったスペクト
ルおよび時間パターンのアークが発生する可能性に依存する。監視アルゴリズム
に関する限り、機械的シグナチャと負荷時シグナチャとの比較により非常に有用
な補足的情報が得られるが、しかしシステムをサービス状態にすることはさらに
困難になる。特定のシグナチャを記憶する能力は監視システムの機能のなかで設
計されなければならない。もちろん、そのように記憶されたシグナチャの手動比
較は専門のユーザによってよく行われる。高い周波数帯域の包絡線上だけに過度
のものが存在しているとき、マルチバンドのみで過度のものの検出を行うことに
より、アークの可能性を示すことが可能になる。ここにおいて、それは、特有の
シグナチャの検査による絶対診断の可能性の問題か、あるいはこのタイプの装置
に対するあるシグナチャと共通の基準テンプレートとの間の比較の問題である。
事実、感度は低くなるが、新しい装置がサービス状態にされたとき、それは背景
の不存在時にミスアセンブリおよびその他の欠陥を検出することを可能にする。
【0134】 図1を参照すると、100のシグナチャに関して最大偏差を有するシグナチ
ャ平均を生成するために推薦された構成パラメータを有する本発明による監視シ
ステムのいくつかのツールに関するテストが行われている。処理されたシグナチ
ャは設置された測定システムにより累加された、予め定められたタップ変更に対
する一か月間のものである。その信号は0.1ビン、すなわち6.4kHzに設
定された遮断周波数により2つの互いに排他的な周波数帯域に分離される。それ
によって各シグナチャに対する2つの包絡線が抽出される。各包絡線は、上述し
たようなヒルバート変換4 を行う畳込みアルゴリズムにより計算される。サンプ
リング周波数を65000サンプル/秒からほぼ2000サンプル/秒に低下さ
せるために、デシメーションレート8 は32である。包絡線上のローパスフィル
タ100 は192のサンプルの長さ、したがってデシメーションレートの6倍の長
さを有しており、それによってスペクトルエイリアスが抑制される。
【0135】 この比較に関して、統計的分散およびダイナミックレンジを評価することが
目的であるため、各帯域に対する包絡線平均12の計算のために、均一平均の計算
アルゴリズムが選択されている。
【0136】 図42には±3.9シグマにおける偏差159 ,161 および極値163 ,165 を
有する、2kサンプル/秒のサンプリングによりサポートされた高い周波数の包
絡線157 (6.4kHz−32kHz)が示されており、一方図43には±3.
9シグマにおける偏差169 ,171 および極値173 ,175 を有する、2kサンプル
/秒のサンプリングによりサポートされた低い周波数の包絡線167 (0−6.4
kHz)が示されている。これらの包絡線157 ,167 の間には明らかな差が認め
られる。高い周波数の包絡線157 は40dBのダイナミックレンジを示し、他方
の包絡線167 は20dBのダイナミックレンジに達している。しかし、20dB
の差は10のダイナミック偏差を意味し、これは非常に大きいものである。実際
に、この影響が低い周波数の包絡線167 のダイナミックレンジを大きく制限する
ことを知った上で、振動信号の最初の12の高調波を維持するだけでなく、この
信号を120Hzに維持する必要があるかどうかを質問することができる。さら
に、タップ変更動作はこれらの信号の位相と同期しておらず、雑音成分が付加さ
れており、時間再整列アルゴリズム10を乱す。この例において120Hzの高調
波が濾波されていないとすれば、それはこれらの振幅が低かったからである。ハ
イパスフィルタ51は、これらの高調波を低い周波数の包絡線計算プロセスから取
除くように構成されることができる。図44は、均一スケールに基づいたこれら
の包絡線平均の比較を示している;低い周波数の包絡線177 は高い周波数の包絡
線179 と比較してその振幅および吸収率が低い。
【0137】 上述した図面において、各包絡線に対して観察される最大偏差163 ,165 等
が追加されている。これらの極値は、ガウス雑音に対して1:10 000の限
界である限界±3.9シグマ159 ,161 等をいくつかの箇所で越える。事実、少
数のシグナチャはこの統計上の限界を越える。監視アルゴリズムの確認訓練では
、これらの超過が反復的かどうか、およびそれらが同じ箇所に時間的に位置され
るかどうかが観察される。超過の数は、それが限界±3.9シグマに関連した1
:10000の比を考慮して40000のサンプル(100のシグナチャ×40
0のサンプル/シグナチャ)に関与するため、統計的に妥当なものである。高い
周波数および低い周波数の包絡線の標準偏差はほとんど同じである(6%に近い
):高い周波数の包絡線のダイナミックレンジが特性偏差に対する感度を高くす
る。
【0138】 時間フレームの再整列10は、これら2つの周波数帯域に対して独立的に行わ
れている。しかしながら、監視システムが高い周波数の包絡線に関する時間再整
列の結果を再生し、それを低い周波数の包絡線に適用することが推奨されており
、これは、高い周波数の包絡線のほうが広いダイナミックレンジを有しており、
それによってさらに正確な時間再整列を可能にするためである。
【0139】 最後に、2000サンプル/秒においてシグナチャ上に現れるディテールは
必要以上に豊富である。フィルタ幅を増加し、それによってスペクトルウインド
ウの幅を192サンプルから320サンプルにすることにより、さらにフィルタ
処理を行うことができる。その後、包絡線をさらにデシメートするために、ロー
パスフィルタ110 がその対数112 について適用される。1000サンプル/秒が
達成されるデシメーションが、このシグナチャによく適するものであることがで
きる。その他のタップ切換器のシグナチャに関しても、同様のことが可能である
【0140】 ABB Research社による国際特許出願WO 97/34161号
明細書の中で提案された包絡線は、類推によって抽出されたピーク包絡線である
。後続する比較において、5m秒に設定されたRC定数を有するアナログ回路は
、この回路の減少する指数関数がテストされたシグナチャに対する機械的減衰に
匹敵する(0−10kHzの帯域を有するこの信号に対して最適な選択)ように
シミュレートされている(図3参照)。抽出後、シグナチャ間の結果的な遅延を
補償するために、包絡線は基準シグナチャに関して±1サンプル時間的に調節さ
れる。
【0141】 さらに、本発明にしたがってここにおいて推奨されている包絡線は、その瞬
時電力検出器において、ヒルバート変換(4) に依存し、この電力はスペクトルウ
インドウ の畳込みによりフィルタ処理(6)され、フィルタ処理された包絡線がデ
シメートされる(8) 。このウインドウの幅は、RCフィルタ、すなわち5m秒の
時定数ではなく同じ平滑化レベルをシミュレートするための320サンプルのも
のである(320サンプル/65000サンプル/秒)。その後、基準シグナチ
ャに対して新しい包絡線を調節するために時間再整列アルゴリズム10が使用され
る。この調節は、2つのサンプル間よりも十分に狭い距離で行われ、また、これ
は遅延およびシグナチャ間の時間流のスロープの差に対して行われる。
【0142】 包絡線は、上述した従来技術の回路に関連した技術にしたがって、0−10
kHzの帯域に存在する信号から計算されている。もっとも、本発明に関連した
調査を考慮すると、5−25kHz、あるいは10−30kHzの帯域でさえ好
ましいものとなったであろう。
【0143】 図45および46には、100回のタップ変更に対して得られた統計的な結
果が示されている。推奨された計算による0−10kHzの包絡線181 (図45
)および従来技術の回路のシミュレーションによる包絡線183 (図46)がそれ
ぞれ示されており、これらの包絡線は2kサンプル/秒のサンプリングによって
それぞれサポートされており、±3.9シグマにおける偏差185 、187 、189 、
191 と極値193 、195 、197 、199 を有している。推奨された包絡線181 (図4
5)に関する統計的な分散は、従来技術の検出器の包絡線183 (図46)に関し
て少し減少されているように見える。ディテールのレベルは、図47に示されて
いるように、これら2つのタイプの包絡線計算から得られた包絡線平均に関して
類似している。図47には、従来技術の検出器のシミュレーションによる包絡線
平均209 と推奨された計算による包絡線平均211 が示されている。図48には従
来技術の検出器のシミュレーションによる0−10kHz包絡線の標準偏差213
と推奨された計算によるその標準偏差215 が示されており、この図から明らかで
あるように、分散がとくに異なっている。これらの標準偏差の間の平均の差は、
対数スケールで38%であり、均一スケールで42%である。
【0144】 未処理の信号のサンプリングを行って、デジタル処理により包絡線計算を行
うように提唱された方法によって、フレキシブルなマルチバンド監視を著しく低
い分散により行うことが可能になる。
【0145】 畳込みヒルバート変換4 による振動音響シグナチャの包絡線のデジタル計算
により、その利点を示すのに十分に重要な正確な利得と分散減少とが実現される
。比較すると、技術的に類推的に得られたピーク包絡線のほうが30%を越えて
高い分散を示す。
【0146】 位相分散を補正するように提唱された位相フィルタ51は、タップ変更の振動
音響シグナチャを補正することは従来は要求されてはいないようである。しかし
ながら、このツールは、回路ブレーカを監視する場合のような、振動源が測定地
点から離れている適用において不可欠のものであることができる。
【0147】 時間再整列プロセス10は、トランジエントの始めの直線部分における分散を
平均値に減少させる。上記の国際特許出願明細書に開示されているシステムのア
ルゴリズムの重大な制限は、とくにトランジエントの立上がりにおけるシグナチ
ャの分散の増加である。この制限のために、ユーザはアルゴリズムの感度を低下
させるフィルタを追加せざるをえない。
【0148】 2次の時間再整列アルゴリズムは実際に収集されたデータに適している(定
数+時間 スロープ)ので、3次のアルゴリズムを作る必要はない。しかしなが
ら、3次以上のアルゴリズムを使用することは可能である。
【0149】 シグナチャ包絡線に関する分散を評価するためのツールと共に、種々の異な
った平均計算アルゴリズムが示されてきた。これらのアルゴリズムにより、測定
ラインの安定性より下に分散を減少させることが可能になる;シグナチャ間の比
較の正確さがさらに高くなるであろう。シグナチャ分散の特性は、ラプラス・ガ
ウスの法則に従っているようであり、その結果3.9倍の標準偏差時に僅かのオ
ーバーフローしか残らず、したがって10000の事象に対して約1つの事象し
か残らない。監視アルゴリズムは、これらの避けがたい時々発生するオーバーフ
ローにうまく対処しなければならない。
【0150】 シグナチャを圧縮し、デコンプレスするために、種々のアルゴリズムおよび
方法が提唱されている。技術的に知られている、あるいは必要に応じて生成され
る他の方法を使用することができる。
【0151】 図1を参照して要約すると、本発明の動作において、加速度計のようなセン
サ(図示されていない)を使用することにより、監視されているスイッチングシ
ステムの動作中に放出された振動音響信号が記録される。タップ切換器の場合、
タップの位置の測定はスイッチングの前および後に行われる。全てのタイプの装
置に対して、1または多数の規則的な雑音測定が、その雑音を定量化するために
スイッチング動作間にセンサにより行われる。センサとして加速度計を使用する
利点は、十分に認識されている長期安定性と高い信頼性を示すことである(30
年以上の間、航空旅客機のジェットエンジン中で振動監視のために使用されてい
る)。それは廉価に製造され、マイクロホンのような、種々の情報へのアクセス
を遠近同時的におよび信号測定地点から提供する。
【0152】 本発明の好ましい実施形態によると、振動音響信号1 はアンチエイリアスフ
ィルタ164 によって処理され、サンプリングされ(166) 、5000乃至106
ンプル/秒の範囲で変化することが好ましいレートにより高速度でデジタル的に
変換される(168) 。
【0153】 デジタル化された振動音響信号3 の分散は、位相フィルタ51によって補正さ
れる。この補正は、振動源がセンサから離れている場合、および信号が放出地点
と測定地点との間の通路によって歪められた場合に適している。
【0154】 随意ではあるが、デジタル化された振動音響信号3 は周波数帯域分離装置170 によって1つまたはいくつかの周波数帯域に分離され、この分離はこれらの各
帯域に関する包絡線計算の前に行われることが好ましい。単一の周波数帯域が使
用される場合、ハイパスまたはバンドパスフィルタ51が使用されることが好まし
い。
【0155】 畳込みフィルタによってヒルバート変換を行うことにより各帯域に対する包
絡線を計算して瞬時振幅5 を決定し、その後、全ての点が正である適切なスペク
トルウインドウの畳込みによってこの瞬時振幅5 をフィルタ処理する。このフィ
ルタ処理は、100乃至100kサンプル/秒のサンプリングされた包絡線9 を
得るために最後にデシメータ8 によって包絡線7 をデシメートする前に行われる
。デシメートされていない包絡線7 の対数112 をとり、デシメーションの前にア
ンチエイリアスフィルタ100 をこの対数関数に適用することにより改良が行われ
る。
【0156】 その後、包絡線またはその対数9 に関して後処理が行われる。
【0157】 最後のスイッチング動作後に得られた包絡線9 は、コリレータ149 によって
行われるように基準平均13A によって行われる相関によって確認されことが好ま
しい。
【0158】 この得られた包絡線9 は、そこに見出されるトランジエントがその対応した
基準包絡線13A における同じトランジエントと整列されるように、デジタル補間
によって再度サンプリングされる。これは、N次の時間再整列回路10によって行
われ、ここでNは1とサンプル数マイナス1との間で妥協された値である。ゼロ
次の時間再整列は遅延の調節に対応し、一般的に使用されているものであること
を認識しなければならない。
【0159】 計算装置12により、包絡線11から2つのランニング平均が得られる。ある平
均の包絡線は、同じスイッチング動作に対応している。その装置がタップ切換器
(たとえば、タップ6からタップ7に切換える)である場合、各平均の更新は、
再度サンプリングされた最後の包絡線11を加算することによる回帰によって計算
される。第1のランニング平均は基準シグナチャ13A と呼ばれ、時間またはスイ
ッチング動作数と共に漸次的に減少する加重を有している。第2のランニング平
均は実際のシグナチャ13B と呼ばれ、時間またはスイッチング動作数と共に漸次
的に増加する加重を有している。
【0160】 各周波数帯域およびタップ切換器の各タイプのスイッチングに対して、包絡
線11に関する基準標準偏差15A と実際の標準偏差15B が計算される。
【0161】 漸次特性変化または突然の欠陥を検出するために、スイッチング前後の雑音
測定値および標準偏差値15A ,15B を考慮して、最後のスイッチング動作、基準
シグナチャ13A および実際のシグナチャ13B の各包絡線11間で比較を行う。D0 およびD1 に関して観察された偏差もまた、タイミング欠陥があるかどうかを検
出するために比較されることが好ましい。この比較は比較装置14により自動的に
行われることができ、あるいは、ユーザが情報を正しく解釈できるならば、回路
装置中の種々の地点で生じた種々のパラメータおよび関連信号を任意の適切な表
示装置104 上に表示することにより視覚的検査によって行われることができる。
監視されている装置におそらく損傷を与えると思われる欠陥は、適切な警告104
によって報告される。
【0162】 本発明による装置の種々の回路および構成要素のパラメータ化は適切なソフ
トウェアにより提供されるインターフェースによって行われ、それは信号の表示
を処理することが可能または不可能であり、デバッギング、解析、信号処理およ
び記憶等の機能のような種々の有用な機能をユーザに提供する。
【0163】 本発明の実施形態が添付図面を参照して例示され、上記において説明されて
いるが、当業者は、本発明の技術的範囲を逸脱することなく変更および修正を行
うことが可能であることを認識するであろう。このような修正または変形は全て
、添付されている請求の範囲によって限定されている本発明の技術的範囲内に含
まれると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の高電圧スイッチングシステムによって放射された振動音響信号を処理
する方法および装置の統合を示す概略図。
【図2】 解析信号の投射およびその対応した実際の信号の包絡線を示す概略図。
【図3】 信号の包絡線を提供する従来技術のアナログ回路の簡単化された回路図。
【図4】 サンプリング周期の分数に対する信号の時間変位の影響を示す概略図。
【図5】 トランジエントに対する2つの異なった時定数の影響を示す概略図。
【図6】 デシメーションインターバルにおけるピーク値の繰上げによる包絡線抽出を示
すグラフ。
【図7】 ピーク値および実効電力(RMS)からそれぞれ抽出された包絡線に対する平
均偏差のヒストグラム。
【図8】 実効電力(RMS)から抽出された包絡線の平均、観察されたピーク値から抽
出された包絡線の平均、およびピーク包絡線の平均の比較グラフ。
【図9】 実効電力から抽出された包絡線とピーク値から抽出された包絡線とピーク包絡
線との間の相対標準偏差の比較グラフ。
【図10】 本発明による瞬時電力から包絡線を抽出するための回路を示す概略図。
【図11】 本発明による図10の整流器を形成するのに適した回路を示す概略図。
【図12】 本発明による図11のヒルバート畳込みフィルタの代表的な係数のグラフ。
【図13】 本発明によるヒルバート変換包絡線計算を行う機能を示すブロック図。
【図14】 図13および以下に述べられる他のいくつかの図面において使用されるシンボ
ルの概要凡例。
【図15】 スペクトルウインドウおよびFIRフィルタの各係数分布を示すグラフ。
【図16】 スペクトルウインドウおよびFIRフィルタによる畳込みによってフィルタ処
理された平均包絡線を比較するグラフ。
【図17】 2乗動作によって獲得され、スペクトルウインドウによる畳込みによって平滑
化された平均包絡線と、ヒルバート変換により得られた平均包絡線とを比較する
グラフ。
【図18】 図17に示されている平均包絡線の相対標準偏差の比較グラフ。
【図19】 実際の電力、瞬時電力、およびヒルバート変換包絡線計算において結果的に得
られた孤立過渡信号の包絡線をそれぞれ示すグラフ。
【図20A】 ローパスフィルタの異なった範囲に対する包絡線の比較グラフ。
【図20B】 ローパスフィルタの異なった範囲に対する包絡線の比較グラフ。
【図20C】 ローパスフィルタの異なった範囲に対する包絡線の比較グラフ。
【図20D】 ローパスフィルタの異なった範囲に対する包絡線の比較グラフ。
【図21】 ローパスフィルタの異なった範囲に対する標準偏差の比較グラフ。
【図22】 分散の減少を図10に示されている整流器の出力において適用されるフィルタ
の範囲の関数として示すグラフ。
【図23】 本発明による位相補償を行う機能を示すブロック図。
【図24】 本発明による畳込みフィルタの係数を設定するために使用されることのできる
チャープを示すグラフ。
【図25】 本発明による二重アンチエイリアスフィルタにより信号の包絡線を検出する回
路を示す概略図。
【図26】 本発明による時間再整列を行うための反復ループの動作を示すフローチャート
【図27】 本発明による時間再整列機能を示すブロック図。
【図28】 図27の時間再整列機能において使用される補間機能を示すブロック図。
【図29A】 図27の時間再整列機能において使用される相関機能を示すブロック図。
【図29B】 図27の時間再整列機能において使用される切取り機能を示すブロック図。
【図30】 本発明による時間再整列を使用して得られた包絡線平均のグラフ。
【図31】 図30に示されているグラフの部分的拡大図。
【図32】 タップ切換器の100回のタップ変更に対するゼロおよび1次の時間ドリフト
のそれぞれのエボリューションを示す、タップ切換器の連続的なタップ変更前お
よび後の標準偏差のグラフ。
【図33】 タップ切換器の100回のタップ変更に対するゼロおよび1次の時間ドリフト
のエボリューションを示すグラフ。
【図34】 本発明によるランニング手段に関連した時間エボリューション加重を示すグラ
フ。
【図35】 本発明によるシグナチャ数の平均の標準偏差とトランジエント応答を加重の関
数として示すグラフ。
【図36】 本発明による変圧器の負荷時タップ変更に対する1乃至26kHz帯域での加
速度包絡線と速度包絡線との比較グラフ。
【図37】 本発明による非負荷時および負荷時のタップ変更包絡線の比較グラフ。
【図38】 本発明による非負荷時および負荷時のタップ変更の包絡線の比較グラフ。
【図39】 本発明による非負荷時および負荷時のタップ変更の包絡線の比較グラフ。
【図40】 本発明による非負荷時および負荷時のタップ変更の包絡線の比較グラフ。
【図41】 本発明による低い周波数帯域および高い周波数帯域からそれぞれ抽出された包
絡線のグラフ。
【図42】 ±3.9σの偏差および極値を有する2kサンプル/秒のサンプリングによっ
てサポートされた高い周波数の包絡線を示すグラフ。
【図43】 ±3.9σの偏差および極値を有する2kサンプル/秒のサンプリングによっ
てサポートされた低い周波数の包絡線を示すグラフ。
【図44】 本発明による高いおよび低い周波数の包絡線の比較グラフ。
【図45】 ±3.9σの偏差および極値を有する2kサンプル/秒のサンプリングによっ
てサポートされている、本発明による計算に基づく0乃至10kHz帯域におけ
る包絡線を示すグラフ。
【図46】 ±3.9σの偏差および極値を有する2kサンプル/秒のサンプリングによっ
てサポートされている、通常の検出器のシミュレーションに基づく0乃至10k
Hz帯域における包絡線を示すグラフ。
【図47】 通常の検出器のシミュレーションに基づく0乃至10kHz包絡線の平均偏差
と標準偏差との間の比較グラフ。
【図48】 本発明に基づく0乃至10kHz包絡線の平均偏差と標準偏差との間の比較グ
ラフ。
【手続補正書】
【提出日】平成13年9月7日(2001.9.7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 フォアタ、マール カナダ国、ジェイ3エックス・1ジェイ 6、ケベック州、バレンヌ、リュ・パリソ ー 221 (72)発明者 ラジューテ、クロード カナダ国、ジェイ4エイチ・2エル4、ケ ベック州、ロングール、ドゥ・シャトーギ ュー 710 Fターム(参考) 2G064 AA12 AB15 CC29 CC54 5G028 AA14 AA24 FC03 FD02 5G034 AA16 AA18 AC03 AC20

Claims (64)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)振動音響信号(1) をデジタル信号(3) に変換し、 (b)デジタル信号(3) を整流して、整流された信号(5) を生成し、 (c)整流された信号(5) に関してスペクトルウインドウ(6) を有する畳込み
    フィルタ処理を適用し、平滑化された信号(7) を生成し、 (d)予め定められたデシメーションファクタ(202) にしたがって平滑化され
    た信号(7) をデシメートし、振動音響信号(1) の包絡線を表すデシメートされた
    信号(9) を生成し、 (e)基準シグナチャ(13A) に関するデシメートされた信号(9) の時間再整列
    を行い、再整列された信号(11)を生成し、 (f)基準シグナチャ(13A) を生成するために平均のファクタとして再整列さ
    れた信号(11)を加算し、この平均には予め定められた基準信号が初期ファクタと
    して含まれ、 (g)実際のシグナチャ(13B) を生成するために平均のファクタとして再整列
    された信号(11)を加算し、この平均にはステップ(e)によって生成された第1
    の再整列された信号が初期ファクタとして含まれ、 (h)基準および実際のシグナチャ(13A, 13B)に関して再整列された信号(11)
    の分散(15a,15B) を計算し、 (i)ゆっくりとした特性の変化または突然の欠陥を検出するために分散(15a
    ,15B) を考慮して再整列された信号(11)を基準および実際のシグナチャ(13A,13B
    ) と比較するステップを含んでいる高電圧スイッチングシステムによって放射さ
    れた振動音響信号(1) の処理方法。
  2. 【請求項2】 ステップ(a)は、 振動音響信号(1) をサンプリングしてサンプリングされた信号を生成し、 サンプリングされた信号をデジタル値に変換してデジタル信号(3) を形成する
    ステップを含んでいる請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 ステップ(a)は、 サンプリングステップの前に、振動音響信号(1) にアンチエイリアスフィルタ
    (164) を通過させる付加的なステップを含んでいる請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 ステップ(a)において生成されたデジタル信号に位相フィ
    ルタ(51)を通過させる付加的なステップを含んでいる請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 位相フィルタ(51)はデジタル信号(3) のフーリエ変換(92)、
    位相アンラッピング(94)、位相ランプ(98)の加算(96)による角度補正、および逆
    フーリエ変換(100) を行って補償されたデジタル信号を供給する請求項4記載の
    方法。
  6. 【請求項6】 位相ランプ(98)は第2度のものである請求項5記載の方法。
  7. 【請求項7】 位相フィルタ(51)は、チャープを有するデジタル信号の畳込
    み(62)を行う請求項4記載の方法。
  8. 【請求項8】 ステップ(a)と(b)との間でデジタル信号(3) を積分す
    る付加的なステップを含んでいる請求項1記載の方法。
  9. 【請求項9】 ステップ(a)において生成されたデジタル信号(3) を別個
    の周波数帯域に分離し、別個の周波数帯域のそれぞれに関してステップ(b)乃
    至(i)が適用される付加的なステップを含んでいる請求項1記載の方法。
  10. 【請求項10】 別個の周波数帯域のそれぞれに関してステップ(a)と(
    b)との間でデジタル信号(3) を積分する付加的なステップを含んでいる請求項
    9記載の方法。
  11. 【請求項11】 ステップ(b)はヒルバート変換によって行われる請求項
    1記載の方法。
  12. 【請求項12】 ステップ(c)において生成された平滑化された信号(7)
    を対数(112) によって成形する付加的なステップを含んでいる請求項1記載の方
    法。
  13. 【請求項13】 ステップ(c)において生成された平滑化された信号(7)
    にアンチエイリアスフィルタ(110) を通過させる付加的なステップを含んでいる
    請求項1記載の方法。
  14. 【請求項14】 アンチエイリアスフィルタ(110) は、平滑化された信号(7
    ) の帯域端部における低い振幅部分のフィルタ処理を行う請求項13記載の方法
  15. 【請求項15】 アンチエイリアスフィルタ(110) は、10m秒乃至10μ
    秒のサンプリング周期を持つ50Hz乃至50kHzの遮断周波数を有している
    ローパスフィルタである請求項13記載の方法。
  16. 【請求項16】 ステップ(d)において生成されたデシメートされた信号
    (9) は、100サンプル/秒乃至100kサンプル/秒の最終サンプリングレー
    トを有している請求項1記載の方法。
  17. 【請求項17】 ステップ(e)の時間再整列は、 ゼロ次の時間ドリフト(D0 )の3つの値と1次の時間ドリフト(D1 )の3
    つの値とを選択し、各次数のドリフトに対して、最初の反復サイクル中に初期値
    (D0,0 ,D1,0 )とこの初期値±1/2のサーチ範囲に対応した値とを採り、
    次の反復サイクル中にその後、繰上げ値とこの繰上げ値±1/2のサーチ範囲に
    対応した値とを採り、 最初の反復サイクル中に1次のドリフトの初期値に等しい周期で、その後、次
    の反復サイクル中には1次のドリフトの繰上げ値に等しい周期で、ゼロ次のドリ
    フトの値によりそれぞれ設定された開始点にしたがってデシメートされた信号(9
    ) をサンプリングし、3つの第1のサンプリングされた信号を生成し、 ブラックマン・ハリスタイプのスペクトルウインドウが適用される再構成関数
    sin(x)/x(122) によって第1のサンプリングされた信号を補間して、3
    つの第1の補間された信号を生成し、xが第1のサンプリングされた信号からの
    サンプルの位置を表し、 第1の補間された信号を基準シグナチャ(13A) と相関させて、3つの第1の相
    関された信号を生成し、 第1の相関された信号のいずれがゼロ次のドリフトの最高の相関値を有するか
    を決定し、このゼロ次のドリフトの最高の相関値に対応したドリフトの値が、次
    の反復サイクルに対するゼロ次のドリフトの繰上げ値になり、 ゼロ次のドリフトの繰上げに等しい周期で1次のドリフトの値によりそれぞれ
    設定された開始点にしたがってデシメートされた信号(9) をサンプリングし、3
    つの第2のサンプリングされた信号を生成し、 ブラックマン・ハリスタイプのスペクトルウインドウが適用される再構成関数
    sin(x)/x(122')によって第2のサンプリングされた信号を補間して、3
    つの第2の補間された信号を生成し、xが第2のサンプリングされた信号からの
    サンプルの位置を表し、 第2の補間された信号を基準シグナチャ(13A) と相関させて、3つの第2の相
    関された信号を生成し、 第2の相関された信号のいずれが1次のドリフトの最高の相関値を有するかを
    決定し、この1次のドリフトの最高の相関値に対応したドリフトの値が、次の反
    復サイクルに対する1次のドリフトの繰上げ値になり、 各次数のドリフトのサーチ範囲を予め定められたファクタで除算し、 予め定められた停止基準に達した場合、再整列された信号(11)を生成するため
    にゼロおよび1次のドリフトの繰上げ値を使用してデシメートされた信号(9) を
    再サンプリングして補間するか、そうでなければ次の反復サイクルに後退するス
    テップを含んでいる反復サイクルを有する反復プロセスによって行われる請求項
    1記載の方法。
  18. 【請求項18】 停止基準は、反復されるべき最大反復サイクル数である請
    求項17記載の方法。
  19. 【請求項19】 停止基準は、所望の分解能に対応したサーチ範囲の大きさ
    である請求項17記載の方法。
  20. 【請求項20】 相関ステップは、単純な2乗偏差計算によって行われる請
    求項17記載の方法。
  21. 【請求項21】 ステップ(a)において生成されたデジタル信号(3) を別
    個の周波数帯域に分離し、別個の周波数帯域のそれぞれに関してステップ(b)
    、(c)、(d)、(f)、(g)、(h)および(i)が適用され、ステップ
    (e)の反復プロセスが別個の周波数帯域の1つにおいてデシメートされた信号
    (9) に関して適用され、前記別個の周波数帯域の1つに対して得られたゼロおよ
    び1次のドリフトの繰上げ値を使用して、再サンプリングおよび補間ステップが
    別個の周波数帯域のそれぞれにおいて行われる付加的なステップを含んでいる請
    求項17記載の方法。
  22. 【請求項22】 ステップ(e)の時間再整列は、マルチスケール相関また
    はDTWによって行われる請求項1記載の方法。
  23. 【請求項23】 ステップ(f)および(g)の平均は移動平均である請求
    項1記載の方法。
  24. 【請求項24】 移動平均は繰返しによって更新され、移動平均は、その平
    均において考慮される時間または再整列された信号(11)の数と共に漸次的に減少
    および増加する加重係数をそれぞれ有している基準および実際のシグナチャ(13A
    ,13B) を生成する請求項23記載の方法。
  25. 【請求項25】 ステップ(h)の分散は繰返しによって更新される請求項
    1記載の方法。
  26. 【請求項26】 ステップ(i)は、 分散(15A,15B) を互いに比較し、 分散(15A,15B) が予め定められた許容しきい値を越える偏差を有する場合に、
    警告を発生するステップを含んでいる請求項1記載の方法。
  27. 【請求項27】 再整列された信号(11)は、ステップ(i)において相関に
    より基準および実際のシグナチャ(13A,13B) と比較される請求項1記載の方法。
  28. 【請求項28】 再整列された信号(11)は、ステップ(i)において平均2
    乗偏差により基準および実際のシグナチャ(13A,13B) と比較される請求項1記載
    の方法。
  29. 【請求項29】 基準および実際のシグナチャ(13A,13B) の一方とデシメー
    トされた信号(9) を相関させて、振動音響信号(1) の確認指標を生成する付加的
    なステップを含んでいる請求項1記載の方法。
  30. 【請求項30】 ゼロ次および1次のドリフト(D0 ,D1 )の繰上げ値を
    それぞれの平均に加算し、 各平均に関するゼロ次および1次のドリフトの繰上げ値の標準偏差を計算し、 ゼロ次および1次のドリフトの繰上げ値を各平均と比較し、繰上げ値の一方ま
    たは標準偏差の一方が予め定められた許容しきい値を越えると直ぐに警告を発生
    する付加的なステップを含んでいる請求項17記載の方法。
  31. 【請求項31】 再整列された信号(11)を補間によってデコンプレスして、
    補間された信号を生成し、 視覚的な解析のために補間された信号を表示する付加的なステップを含んでい
    る請求項1記載の方法。
  32. 【請求項32】 最初に得られたデシメートされた信号(9) をスイッチング
    システムに特有の典型的なシグナチャと監視下において比較して、スイッチング
    システムがサービス状態にされたときに、セットアップおよびその他の欠陥を検
    出する付加的なステップを含んでいる請求項1記載の方法。
  33. 【請求項33】 振動音響信号(1) をデジタル信号(3) に変換する変換手段
    (2) と、 デジタル信号(3) を整流して、整流された信号(5) を生成する整流手段(4) と
    、 この整流された信号(5) に関してスペクトルウインドウを有する畳込みフィル
    タを適応し、平滑化された信号(7) を生成するフィルタ処理手段(6) と、 予め定められたデシメーション係数にしたがって平滑化された信号(7) をデシ
    メートし、振動音響信号(1) の包絡線を表すデシメートされた信号(9) を生成す
    るデシメート手段(8) と、 基準シグナチャに関するデシメートされた信号(9) の時間再整列を行い、再整
    列された信号(11)を生成する再整列手段と(10)、 基準シグナチャ(13A) を生成するために、予め定められた基準信号を初期ファ
    クタとして含んでいる平均のファクタとして再整列された信号(11)を加算する第
    1の計算手段(12)と、 実際のシグナチャ(13B) を生成するために、再整列手段(10)によって生成され
    た第1の再整列された信号(11)を初期ファクタとして含んでいる平均のファクタ
    として再整列された信号を加算する第2の計算手段(12)と、 基準および実際のシグナチャ(13A,13B) に関する再整列された信号(11)の分散
    (15A,15B) を計算する第3の計算手段(12)と、 ゆっくりとした特性変化または突然の欠陥を検出するために分散(15A,15B) を
    考慮して再整列された信号(11)を基準および実際のシグナチャ(13A,13B) と比較
    する比較手段(14)とを具備している、高電圧スイッチングシステムによって放射
    された振動音響信号を処理するための装置。
  34. 【請求項34】 変換手段(2) は、 振動音響信号(1) をサンプリングしてサンプリングされた信号を生成するサン
    プラ(166) と、 サンプリングされた信号をデジタル値に変換してデジタル信号(3) を形成する
    変換器(168) とを具備している請求項33記載の装置。
  35. 【請求項35】 サンプラ(166) の上流に結合されて振動音響信号(1)を通
    過させるアンチエイリアスフィルタ(164) を具備している請求項34記載の装置
  36. 【請求項36】 変換手段(2)と整流手段(4)との間に結合されてデジタル信
    号(3)を通過させる位相フィルタ(51)を具備している請求項33記載の装置。
  37. 【請求項37】 位相フィルタ(51)はデジタル信号(3) のフーリエ変換(92)
    、位相アンラッピング(94)、位相ランプ(98)の加算(96)による角度補正、および
    逆フーリエ変換(100) を行って補償されたデジタル信号を供給する請求項36記
    載の装置。
  38. 【請求項38】 位相ランプ(98)は第2度のものである請求項37記載の装
    置。
  39. 【請求項39】 位相フィルタ(51)は、チャープを有するデジタル信号の畳
    込みを行う請求項36記載の装置。
  40. 【請求項40】 変換手段(2)と整流手段(4)との間に結合されてデジタル信
    号(3) を積分する積分装置(102) を具備している請求項33記載の装置。
  41. 【請求項41】 変換手段(2)と整流手段(4)との間に結合されてデジタル信
    号(3) を別個の周波数帯域に分離する分離装置(170) を備えており、別個の周波
    数帯域のそれぞれが、整流、フィルタ処理、デシメート、再整列、計算および比
    較手段(4,6,8,10,12,14)によって別々に処理される請求項33記載の装置。
  42. 【請求項42】 分離装置(170)と整流手段(4)との間に結合されて別個の周
    波数帯域のそれぞれに関してデジタル信号(3) を積分する積分装置(102) を具備
    している請求項41記載の装置。
  43. 【請求項43】 整流手段(4) は、ヒルバート畳込みフィルタ(62)を含んで
    いる請求項33記載の装置。
  44. 【請求項44】 フィルタ手段(6)とデシメート手段(8)との間に結合されて
    フィルタ手段(6) により生成された平滑化された信号(7) を対数(112) によって
    成形する手段(112) を具備している請求項33記載の装置。
  45. 【請求項45】 フィルタ手段(6)とデシメート手段(8)との間に結合されて
    平滑化された信号(7) が通過させるアンチエイリアスフィルタ(110) を具備して
    いる請求項33記載の装置。
  46. 【請求項46】 アンチエイリアスフィルタ(110) は、平滑化された信号(7
    ) の帯域端部における低い振幅部分のフィルタ処理を行う請求項45記載の装置
  47. 【請求項47】 アンチエイリアスフィルタ(110) は、10m秒乃至10μ
    秒のサンプリング周期を持つ50Hz乃至50kHzの遮断周波数を有している
    ローパスフィルタである請求項45記載の装置。
  48. 【請求項48】 デシメート手段(8) によって生成されたデシメートされた
    信号(9) は、100サンプル/秒乃至100kサンプル/秒の最終サンプリング
    レートを有している請求項33記載の装置。
  49. 【請求項49】 再整列手段(10)は反復サイクルを有する反復プロセスを実
    行し、 ゼロ次の時間ドリフト(D0 )の3つの値と1次の時間ドリフト(D1 )の3
    つの値とをそれぞれ選択し、各次数のドリフトに対して、最初の反復サイクル中
    に初期値(130,136) とこの初期値(130,136) ±1/2のサーチ範囲に対応した値
    とを採用し、その後次の反復サイクル中に、繰上げ値とこの繰上げ値±1/2の
    サーチ範囲に対応した値とを採用する第1および第2の選択手段(120,120')と、 最初の反復サイクル中に1次のドリフトの初期値に等しい周期で、その後、次
    の反復サイクル中には1次のドリフトの繰上げ値に等しい周期で、ゼロ次のドリ
    フトの値によりそれぞれ設定された開始点にしたがってデシメートされた信号(9
    ) をサンプリングし、3つの第1のサンプリングされた信号を生成するサンプリ
    ング手段(122) と、 ブラックマン・ハリスタイプのスペクトルウインドウが適用され、xが第1の
    サンプリングされた信号からのサンプルの位置を表す再構成関数sin(x)/
    xにより、第1のサンプリングされた信号を補間して3つの第1の補間された信
    号を生成する補間手段(122) と、 第1の補間された信号を基準シグナチャ(13A) と相関させて、3つの第1の相
    関された信号を生成する相関手段(124) と、 ゼロ次のドリフトの最高の相関値に対応したドリフトの値が次の反復サイクル
    に対するゼロ次のドリフトの繰上げ値になり、第1の相関された信号のいずれが
    ゼロ次のドリフトの最高の相関値を有するかを決定する決定手段(126) と、 ゼロ次のドリフトの繰上げに等しい周期で1次のドリフトの値によりそれぞれ
    設定された開始点にしたがってデシメートされた信号(9) をサンプリングし、3
    つの第2のサンプリングされた信号を生成するサンプリング手段(122')と、 ブラックマン・ハリスタイプのスペクトルウインドウが適用され、xが第2の
    サンプリングされた信号からのサンプルの位置を表す再構成関数sin(x)/
    xによって第2のサンプリングされた信号を補間して3つの第2の補間された信
    号を生成する補間手段(122')と、 第2の補間された信号を基準シグナチャ(13A) と相関させて、3つの第2の相
    関された信号を生成する相関手段(124')と、 1次のドリフトの最高の相関値に対応したドリフトの値が次の反復サイクルに
    対する1次のドリフトの繰上げ値になり、第2の相関された信号のいずれが1次
    のドリフトの最高の相関値を有するかを決定する決定手段(126')と、 各次数のドリフトのサーチ範囲を予め定められたファクタで除算する除算手段
    (142) と、 停止基準に達した場合、反復プロセスを停止するか、そうでなければ選択手段
    (120,120')から次の反復に対して後退する反復手段(142) と、 反復プロセスが停止された場合、再整列された信号(11)を生成するためにゼロ
    および1次のドリフトの繰上げ値を使用してデシメートされた信号(9) を再サン
    プリングして補間する再サンプリングおよび補間手段(145) とを備えている請求
    項33記載の装置。
  50. 【請求項50】 停止基準は、反復されるべき最大反復サイクル数である請
    求項49記載の装置。
  51. 【請求項51】 停止基準は、所望の分解能に対応したサーチ範囲の大きさ
    である請求項49記載の装置。
  52. 【請求項52】 相関手段(124,124')は、単純な2乗偏差計算を行う請求項
    49記載の装置。
  53. 【請求項53】 変換手段(2)と整流手段(4)との間に結合されてデジタル信
    号(3) を別個の周波数帯域に分離する分離装置(170) を備えており、別個の周波
    数帯域のそれぞれが、整流、フィルタ処理、デシメート、計算および比較手段(4
    ,6,8,12,14) によって別々に処理され、再整列手段(10)によって行われる反復プ
    ロセスが別個の周波数帯域の1つにおいてデシメートされた信号(9) に関して適
    用され、再サンプリングおよび補間手段(145) が、前記別個の周波数帯域の1つ
    に対して得られたゼロおよび1次のドリフトの繰上げ値を使用して、別個の周波
    数帯域のそれぞれで動作する請求項49記載の装置。
  54. 【請求項54】 再整列手段(10)は、デシメートされた信号(9) をマルチス
    ケール相関またはDTWによって再整列させる請求項33記載の装置。
  55. 【請求項55】 平均は運動平均である請求項33記載の装置。
  56. 【請求項56】 第1および第2の計算手段(12)は繰返しによって運動平均
    を更新し、運動平均は、その平均において考慮される時間または再整列された信
    号(11)の数と共にゆるやかに減少および増加する加重係数をそれぞれ有している
    基準および実際のシグナチャ(13A,13B) を生成する請求項55記載の装置。
  57. 【請求項57】 第3の計算手段(12)は繰返しによって分散(15A,15B) を更
    新する請求項33記載の装置。
  58. 【請求項58】 比較手段(14)は分散(15A,15B) を互いに比較し、分散(15A
    ,15B) が予め定められた許容しきい値を越える偏差を有する場合に警告を発生す
    る請求項33記載の装置。
  59. 【請求項59】 比較手段(14)は再整列された信号(11)を基準および実際の
    シグナチャ(13A,13B) と比較する相関装置を含んでいる請求項33記載の装置。
  60. 【請求項60】 比較手段(14)は再整列された信号(11)を基準および実際の
    シグナチャ(13A,13B) と平均2乗偏差により比較する請求項33記載の装置。
  61. 【請求項61】 デシメート手段(8) と第1の計算手段(12)との間に結合さ
    れて基準および実際のシグナチャ(13A,13B) の一方とデシメートされた信号(9)
    を相関させて振動音響信号(1) の確認指標(151) を生成する相関装置(149) を含
    んでいる請求項33記載の装置。
  62. 【請求項62】 ゼロ次および1次のドリフトの繰上げ値をそれぞれの平均
    に加算する第4の計算手段(12)と、 各平均に関するゼロ次および1次のドリフトの繰上げ値の標準偏差を計算する
    第5の計算手段(12)と、 ゼロ次および1次のドリフトの繰上げ値を各平均と比較し、繰上げ値の一方ま
    たは標準偏差(15A,15B) の一方が予め定められた許容しきい値を越えると直ぐに
    警告(17)を発生する比較手段(14)とを具備している請求項49記載の装置。
  63. 【請求項63】 補間された信号を生成するために、再整列された信号(11)
    を補間によってデコンプレスする手段と、 視覚的な解析のために、補間された信号を表示する手段とを備えている請求項
    33記載の装置。
  64. 【請求項64】 最初に得られたデシメートされた信号(9) をスイッチング
    システムに特有の典型的なシグナチャと監視下において比較して、スイッチング
    システムがサービス状態にされたときに、セットアップおよびその他の欠陥を検
    出する手段を備えている請求項33記載の装置。
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