JP2002534679A - 分離チャネルにおいて種を分離するための感熱性媒体 - Google Patents

分離チャネルにおいて種を分離するための感熱性媒体

Info

Publication number
JP2002534679A
JP2002534679A JP2000592627A JP2000592627A JP2002534679A JP 2002534679 A JP2002534679 A JP 2002534679A JP 2000592627 A JP2000592627 A JP 2000592627A JP 2000592627 A JP2000592627 A JP 2000592627A JP 2002534679 A JP2002534679 A JP 2002534679A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
medium
copolymer
temperature
separation
lcst
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000592627A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002534679A5 (ja
Inventor
ビオビィ,ジャン−ルイ
ウルデ,ドミニク
スュドー,ジャン
Original Assignee
アンスティテュ キュリィ
サントル ナシオナル ドゥ ラ ルシェルシェサイアンティフィク(セエヌエールエス)
ユニベルシテ ピエール エ マリー キュリー(パリ シズエム)
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by アンスティテュ キュリィ, サントル ナシオナル ドゥ ラ ルシェルシェサイアンティフィク(セエヌエールエス), ユニベルシテ ピエール エ マリー キュリー(パリ シズエム) filed Critical アンスティテュ キュリィ
Publication of JP2002534679A publication Critical patent/JP2002534679A/ja
Publication of JP2002534679A5 publication Critical patent/JP2002534679A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N27/00Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
    • G01N27/26Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating electrochemical variables; by using electrolysis or electrophoresis
    • G01N27/416Systems
    • G01N27/447Systems using electrophoresis
    • G01N27/44704Details; Accessories
    • G01N27/44747Composition of gel or of carrier mixture

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Dispersion Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Electrostatic Separation (AREA)
  • Graft Or Block Polymers (AREA)
  • Cell Separators (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Other Resins Obtained By Reactions Not Involving Carbon-To-Carbon Unsaturated Bonds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 本発明は、少なくとも1つのアセンブリーのブロックコポリマーが溶解している電解質中を含む媒体に関し、ここで、該ブロックコポリマーは、温度T1で得られる粘性状態V1から、温度T2で得られる、V1より少なくとも100%高い粘性状態V2へ、可逆的に移行する性質を該媒体に提供する濃度レベルで該電解質中に存在し、その構造中に、少なくとも:該電解質中で低い臨界溶解温度(LCST)を示し、かつその骨格に沿って50より大きい平均原子数を有する2つの非隣接ポリマーセグメントと、温度T1とT2で電解質に可溶性である1つのポリマーセグメントとを含むことを特徴とする。本発明はまた、分析物を分析するための該媒体の使用に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、チャネル、例えば、マイクロ流体系またはさらに詳しくは毛細管電
気泳動において、粒子、分子または巨大分子、さらに詳しくは、核酸を分離、同
定および/または分析する分野に関する。
【0002】 ゲル電気泳動には、荷電粒子、分子および巨大分子、特に核酸(DNA、RN
A、オリゴヌクレオチド)、タンパク質、ポリペプチド、グリコペプチドおよび
多糖類のような生物学的巨大分子の分離のための多くの応用がある。特に重要な
応用は、配列決定、すなわち、DNAの遺伝子コードの読み取りである。これは
、ほとんどアガロースまたはポリアクリルアミドからなる平坦な巨視的ゲル(1
〜数mm程度の厚さを有する)で行われる。さらに最近になって、アクリルアミド
から誘導される他のゲルおよび全系列のアクリルまたはメタクリルゲルが、ゲル
の種々の性質を改善するために提案されている。詳細には、米国特許第5,16
4,057号では、電気泳動において使用される不変かつ不可逆的に架橋されて
いるゲルの親水性/疎水性を制御するための低い臨界溶解温度(lower critical solution temperature)(本出願では以後LCSTと略する)を有するポリマ
ーの使用が提案されている。
【0003】 これらの改善にもかかわらず、二次元ゲル電気泳動は、多くの欠点を有する。
【0004】 これは、ゲルの調製のため(1回しか使用できない)、および以後の泳動距離
の視覚化のために、相対的に相当量の手作業を要する。ゲルの性質は、正確な調
製条件に依存するため、ゲル毎に実験の再現性を得ることは難しい。電流に関連
して熱が発生するため、かなり低い低電圧を印加する必要があり、このため分離
時間が長くなる。最終的に、二次元電気泳動は、自動化および定量化するのが難
しい。これらの種々の理由から、巨視的ゲル電気泳動は、試料の構成成分の分離
またはより一般的に分析が、円筒毛細管のような高い表面積/容量比を有するチ
ャネル、または素材中で調製される二次元サブミリセクションを有するチャネル
(「チップ」、マイクロチャネルまたはマイクロ流体系と呼ばれる)で行われる
方法に取って代わられつつある。このような分離の例は、例えば、「分析的バイ
オテクノロジーにおける毛細管電気泳動(Capillary electrophoresis in analy
tical biotechnology)」, Righetti編, CRC Press, 1996年、またはCheng, J.
ら, (1996), Molecular Diagnosis, 1, 183-200に記載されている。
【0005】 以下の本文では、1つのチャネルまたはいくつかのチャネルにおいて、その少
なくとも1つの寸法がサブミリの大きさである電気泳動分離を有する全ての方法
が、「毛細管電気泳動(capillary electrophoresis)」(CE)という名称で
呼ばれる。「マイクロ流体系」とは、より一般的には、種の分析が、少なくとも
1つの寸法がサブミリであるチャネルまたはチャネルのセット内で、該種および
/または流体の輸送により行われる任意の系を表す。
【0006】 CEおよびマイクロ流体系は、ゲルよりも迅速かつ高い分離能の分離が可能で
あり、抗対流性媒体を必要とせず、そしてその性質は、液体媒体中のイオンの分
離を行うために広く使用されている。
【0007】 しかし、電気泳動による分離が望まれる分析物のかなりの部分、特に生物学で
遭遇するものは、均質な粘性媒体中で、これらの大きさに依存しない移動度を持
ち、そして障害物のある媒体中でのみ満足に分離することができる。従来の電気
泳動に使用されるゲルは特に、相互に連結しているため、分析物が横断できない
巨大分子鎖または繊維部分からなる。後者は、ゲルの巨大分子セグメントの間に
存在する細孔に沿って通路を創る必要があり、これによって所望の分離が可能に
なる。DNAおよびタンパク質へのCEの最初の応用では、しばしば毛細管の内
側で架橋している永久的ゲルが使用された。これは、多くの欠点を有する:毛細
管の内側に気泡を含まない真に均質なゲルの調製は難しい。ゲルは、加水分解に
より比較的急速に分解され、試料中に存在する不純物が「混入」し、このため、
結局分離の性能特性を損なうか、あるいは限られた回数の分離後に毛細管を塞い
でしまうこともある。製造コストおよび/またはゲルを充填した毛細管の製造の
困難さを考慮すると、この欠点がこのアプローチのコストをひどく高いものにす
る。
【0008】 現在、CEで行われる生物学的巨大分子の分離の大多数は、必要に応じて取り
替え可能であるという利点を有する絡み合った線形水溶性ポリマーの溶液を利用
している。絡み合い閾値を有意に超えるかなりの高濃度では、溶液中の種々のポ
リマーは、絡み合い、分析物が横断できない位相的な障害物の連続した一過性の
ネットワークを構成して、溶液に電気泳動分離性を与える。
【0009】 これらの水溶性ポリマー溶液は、いくつかの応用において満足すべきものであ
るが、多くの限界も有する。
【0010】 これらの限界の第1は、電気浸透、すなわち毛細管またはチャネルの壁上の電
荷の存在による分離媒体の同時移動である。この移動はしばしば経時的に変化し
、不均一であるため、測定および分離の再現性を妨げる。これに対抗するため、
多くの方法が提案されており、例えば、実際の分離の前に分離チャネルの壁に本
質的に中性の種を吸着(Wiktorowiczら, Electrophoresis, 11, 769, 1990, Tsu
jiら, J. Chromatogr. 594, 317 (1992))させるか、または酸性溶液で毛細管を
処理(Fungら, Anal. Chem. 67, 1913, (1995))して、毛細管の表面を処理する
。これらの方法は、毛細管を再生するために、安価であり数回繰り返すことがで
きるという利点を有するが、しばしば電気浸透を部分的に減少させるだけである
。例えば、US4,680,201に記載されるように、壁への本質的に中性の
ポリマー層の不可逆的グラフト重合のための方法も提案されている。こうしてす
ぐに使用できる処理済毛細管が市販されている。これらの不可逆的に処理された
毛細管は、数回の分離について電気浸透の良好な減少をもたらすが、その寿命は
限界があり、そのコストが高い。
【0011】 ポリマー溶液中の動電学的分離の別の大きな欠点は、比較的濃縮された巨大分
子量の溶液で、分離および大きさの分離可能範囲が良好なことである(Mitnikら
, J. Chrom. A, 710, 309 (1995);Goetzingerら, Electrophoresis, 19, 242,
(1998))。これは、分離マトリックスの変形のせいであり、これが、大きなサイ
ズの分析物の分離を制限し、そしてマトリックスの分子量が低くかつその濃度が
低いほど、これが大きい。一方、ポリマー溶液の粘性は、分子量および濃度が上
昇すると非常に急速に上昇する。従って絡み合った水溶性ポリマー溶液の応用は
、この非常に大きな問題により限定され、最後の手段として、小さなサイズの毛
細管(典型的には100マイクロメートル未満)中に非常に高粘性の溶液を導入
することになる。最後に、毛細管電気泳動を利用しやすい分離範囲は、パルスフ
ィールドの使用により最大のサイズまで拡大されることに注目すべきである。こ
の場合にはDNA凝集の現象に遭遇するが、これは、改善の範囲を限定し、そし
てこれもまた、媒体の粘性が低いほど大きい。
【0012】 分離媒体をチャネル中に注入するための低い粘性の探索、および分離のための
抵抗性の位相的障害物(これは実際高い粘性をもたらす)の探索により提起され
るジレンマを解決するために、一部の研究者らは、温度の上昇中は粘性が大きく
低下するポリマー媒体の使用を提案している。この型の媒体は、高温では低粘性
状態で、毛細管への該媒体の注入を可能にし、そして、ゲル電気泳動(特にアガ
ロースによる電気泳動)において普通に行われるように、低温では、良好な分離
性能特性を示す高粘性状態での分離を可能にするという利点を有する。
【0013】 出願WO94/10561号およびWO95/30782号では、特に温度を
上げると注入がより容易になる媒体が提案されている。これらの特許出願におい
て本質的に、高温で容量が低下する(こうして、低粘性の不連続の粒子の希薄溶
液になる)、および分離チャネルを完全に占める程度まで低温で膨潤する(こう
して、媒体にゲル化特性および良好な分離性を与える)ことが可能なマイクロゲ
ルが記載されている。
【0014】 しかし、これらの分離媒体の粘度は、温度と共にやや急速に低下する:従って
分離が起きる温度よりも高温でこれらを毛細管に導入することが必要であるが、
これは種々の欠点がある。一方、毛細管電気泳動装置では、毛細管全体をサーモ
スタット調温するのは非常に難しく、従って、室温よりも顕著に高い温度でのみ
注入可能なポリマーを自動化様式で使用することは難しい。室温であまり粘性で
なく、低温では高粘性と良好な分離性を持つ溶液を企図することは可能であろう
が、これは、分離を低温で行うことを伴い、全ての分析物について可能ではない
。詳細には、DNA配列決定について、「圧縮物(compressions)」の最適な分
離は、比較的高温(50〜60℃程度)で得られることが知られているが、これ
は、前記原理とは相容れない。
【0015】 出願WO98/10274号は、第1の温度では溶解状態であり、第2の温度
ではゲル型状態である、少なくとも1つの型のブロックコポリマーを含んでなる
分子分離媒体を提案している。この媒体はさらに、その役割が、第1の温度でブ
ロックコポリマーを溶解し、かつ該第2の温度で、分離プロセスを遮ることなく
かつ該第1の温度に戻る間可溶性状態に戻るのを妨げることなく、ゲル状態に移
行させることである緩衝液を含む。さらに具体的には、記載されるポリマーは、
低分子量(典型的には20,000未満)の、ポリオキシエチレン−ポリオキシ
プロピレン−ポリオキシエチレン(POE−POP−POE)ファミリーのトリ
ブロックポリマー、そしてさらに具体的には(POE99−POP69−POE99
ここで、下付文字は、各ブロックのモノマーの数を表す)(商品名「プルロニッ
ク(Pluronic)F127」)である。低温では、トリブロック系の末端の2つの
POEセグメントは、水溶性であり、そしてコポリマーの低分子量を考慮すれば
、溶液は高濃度までほんのわずかに粘性であるのみである。15〜25℃付近ま
で温度を上げることにより、中央のPOP中央セグメントがより疎水性になり、
これらのポリマーは媒体の内部で結合して、予め決められた構造を有する組織化
された三次元ネットワークを構成し、媒体にゲルの外観と粘稠度を与える。残念
ながら、この機序は、電気泳動にとってはいくつかの欠点を示す。一方これは、
高ポリマー濃度(15g/100mlより大きい、または20g/100mlさえ超える
)で良好な電気泳動分離性を有するゲル状態が生じるだけであり、これは強い摩
擦と長い泳動時間を引き起こす。さらに、その性質が温度変化の速度の関数とし
て依存することは、結果の再現性を予測不能にする。最後に、WO98/102
74号において提案された生成物は、室温未満か室温より大きいかのいずれかで
低い粘性を示し、室温(25℃)の領域では電気泳動分離に有利なゲル状態を示
すが、このことは、毛細管を便利に充填することにとっても、またはDNA配列
決定のような応用にとっても有利ではない。
【0016】 異なる分子量で、同じ構造を有するトリブロックコポリマーは、F127と同
等な物性、およびF127と同等かそれ以下の分離に関する性能特性が生じる。
またWO98/10274号には、POB12−POE260−POB12型ポリマー
(ここで、POBは、ポリオキシブチレンを意味する)が開示されている。前記
ポリマーとは異なり、これらのポリマーは、室温より高い温度であまり粘性でな
い状態になり、室温の領域まで温度を低下させることによりゲル化を起こす。
【0017】 水の中で熱粘性促進性または熱濃縮性を示し得る他のポリマーが存在すること
に注意されたい。熱粘性促進性ポリマーは、特許出願EP583814号に記載
されており、これは、一方で、有用な温度範囲でLCSTを示さないプレポリマ
ーまたは巨大モノマー鎖型の親水性部分と、他方で、該有用な温度範囲でLCS
Tを示すプレポリマーまたは巨大モノマー鎖型の親水性部分とを含有する。しか
しこの型のポリマーは、いくつかの理由により、電気泳動の分離媒体としてその
良好な性能特性で使用することができない。まず、これらは、溶液中に比較的多
量の塩(0.4M〜数Mのオーダー)が存在する場合だけ、その熱粘性促進性を
示す。塩濃度の高い溶液を使用すると、溶液が加熱し強い電界を使用することが
できないため、この性質は電気泳動にとって極めて不都合である。従って、塩濃
度の高い媒体中での分離は、遅く、分離能が低くなる。さらに、これらは荷電し
た骨格を示す。すなわち、これらを電気泳動分離媒体として使用したいなら、マ
トリックスを構成するポリマーを動かしているという危険を冒すことになり、こ
れは電子浸透を発生させて、分析物と固定障害物との相互作用により得ようとし
ている分離を破壊してしまう。第3に、これらの媒体は、すなわちLCSTを有
する該親水性部分のLCSTをカバーするユニークで比較的広い温度範囲で、熱
粘性化の発生、ほぼ一定の粘度を維持することを目的とする。しかし、電気泳動
では、2つの明確な有用な温度範囲(1つは、毛細管に分離媒体を注入するため
の温度、もう1つは、実際の電気泳動分離のための温度)を持ち、媒体がほぼ一
定の温度に維持されている間に分離を行うことが特に好ましい。
【0018】 実際、熱粘性化作用を発生することができるとして今日まで提唱されている多
くの合成媒体は、荷電した骨格を有する(L'Alloretら、Colloid. Polym. Sci.,
273, 1163-1173 (1995)、Hourdet, Polymer preprints, 34, 972-973 (1993)、
Hourdetら, Polymer, 38 2535-2547 (1997))。実際、ポリマーに熱粘性化性を
付与するふつうの方法は、任意の温度で親水性であり、分子を溶液中に維持する
のを助ける親水性である鎖部分と、温度の上昇により鎖間で魅力的な相互作用を
引き起こし粘性化に関与する、LCSTを有する鎖部分とを、有する分子を作製
することである。良好な粘性化を得るためには、LCSTを有する鎖の割合とそ
の相互作用の力を上げることことが好ましいが、かかる上昇はまた、巨視的な相
分離を誘導し、これは粘度を低下させる傾向がある。骨格上に電荷が存在すると
、対イオンのエントロピーと静電的反発の作用により巨視的相分離の防止を助け
、従って巨視的相分離を避けながら、粘性化を与えるのに充分なLCSTを有す
る部分の量の、ポリマー組成への侵入を引き起こすことを可能にする。従って、
中性の親水性骨格を有するポリマーに基づく熱粘性化媒体を作成することは、特
に困難であることがわかる。かかる媒体のいくつかの例は、Vosら, Polymer, 35
, 2644 (1994) に記載されているが、これらは、高塩レベルと80℃を超える温
度でのみ熱粘性化を引き起こし、これはまた、分離マトリックスとして応用、特
に電気泳動への応用が企図されるほとんどの場合に使用不可能とする。
【0019】 従って、感熱性であるものや感熱性でないものなど多くの型の媒体が、チャネ
ル中の種の動電的分離用のマトリックスとして提唱されており、無数の感熱性媒
体が他の用途に提唱されているが、現在のところ、該分離に最適な性質を示す媒
体はまだない。
【0020】 本発明の目的は、特定のコポリマーの選択により、分離すべき分析物のサイズ
の関数としてその性質を最適化することが可能であることがわかっている、新し
い型の分離媒体を正確に提供することである。
【0021】 本発明の目的において、分離という表現は、混合物中に含有される種のすべて
または一部(該種は、一般に「分析物」と呼ばれる)を分離、同定または分析す
ることを目的とする任意の方法をカバーする。
【0022】 従ってこの分離は、マイクロ流体系のチャネル、または電気泳動に関連して実
施される。
【0023】 本発明は、動電的分離の場合に特に有利である。
【0024】 動電的分離という表現は、この分離は、例えば電気クロマトグラフィー中のよ
うに媒体自身の運動により、またはミセル電気クロマトグラフィー中のようにミ
セルのような付随的種の運動により、または直接的もしくは間接的作用の任意の
組合せによるような、電界がその移動作用を及ぼすのが直接的または間接的方法
であっても、分析物に対して移動作用を及ぼす電界の作用下で、媒体中でこれら
の移動を引き起こすことにより、混合物中に含有される種のすべてまたは一部(
該種は、一般に「分析物」と呼ばれる)を分離することを目的とする、任意の方
法をカバーする。電界の該作用を非電界起源の別の移動作用と組合せる任意の分
離法も、本発明の動電的分離法と見なされる。
【0025】 さらに詳しくは、本発明の主題は、分離チャネルにおける種の分離のための感
熱性媒体であって、該媒体は、少なくとも1つのセットのブロックコポリマーが
溶解している電解質を含み、該ブロックコポリマーは、
【0026】 ・該電解質中で、温度T1で得られる粘性状態V1から、T1よりも少なくと
も20℃高い温度T2で得られる、V1より少なくとも100%高い粘性状態V
2へ可逆的に移行する能力を該媒体に付与するのに十分な濃度で、与えられ、そ
して
【0027】 ・その構造中に、少なくとも
【0028】 ・該電解質中でLCSTを示し、かつその骨格に沿って50より大きい平均
原子数を有する、2つの非隣接ポリマーセグメントと、
【0029】 ・温度T1とT2で電解質に可溶性である1つのポリマーセグメント とを含むことを特徴とする、上記媒体である。
【0030】 本発明の目的において、特に明記しない場合は、鎖のセットまたはポリマーセ
グメントのセットについてのすべての平均値、例えば、平均分子量、または骨格
に沿った平均原子数、または櫛型ポリマーの場合は平均グラフト数は、ポリマー
物理学の通常の意味の範囲内で、質量による平均値を意味するものと理解される
【0031】 従って、特許請求される分離媒体は、温度T1で得られる該チャネルへの導入
を可能にするかなり低い粘性の流動状態と、温度T1より少なくとも20℃高い
温度T2で得られる、顕著に高い粘性(少なくとも2倍は高い)の状態との間を
、可逆的に移行する能力を有する。温度T2において、該分離媒体は、あらかじ
め決められた範囲の化学組成とサイズの種について、大きな分離性を付与される
【0032】 「温度T1」という表現は、本発明の文脈において、分離プロセスに関連する
特定の操作、特に本発明の分離マトリックスを分離チャネルに導入する操作を実
施するのに有用な、正確な温度、または比較的狭い範囲の温度(通常、10℃の
オーダーである)を意味する。本発明の好適な実施態様において、温度T1は約
15〜30℃である。同様に「温度T2」という表現は、本発明の文脈において
、分離プロセスに関連する特定の操作、特にチャネル中の分析物を分離する工程
に関連する操作を実施するのに有用な、正確な温度、または比較的狭い範囲の温
度(通常、10℃のオーダーである)を意味する。DNAの配列決定に有用な本
発明の好適な実施態様において、この温度または温度範囲T2は、約40〜80
℃である。
【0033】 本発明の好適な実施態様において、LCSTを示すかなりの割合の該セグメン
トのLCSTは、T1とT2の間の温度、好ましくは約20〜50℃である。
【0034】 本発明の目的において電解質という表現は、イオンを伝導することができる凝
縮した媒体を意味する。最も一般的な場合、この媒体は、緩衝化水性媒体、例え
ばリン酸塩、トリス(ヒドロキシルメチル)アミノメタン(TRIS)、ホウ酸
塩、N−トリス(ヒドロキシルメチル)メチル−3−アミノプロパンスルホン酸
(TAPS)、ヒスチジン、リジンなどに基づく緩衝液である。電気泳動で使用
可能な無数の緩衝液の例が当業者に公知であり、その多くが例えばSambrookら、
"Molecular Cloning: a laboratory manual", Cold Spring Harbor Lab, New Yo
rk, 1989 に記載されている。しかし本発明では任意の型の電解質が使用でき、
特に水性−有機溶媒(例えば、水−アセトニトリル、水−ホルムアミド、または
水−尿素混合液)、極性有機溶媒(例えば、N−メチルホルムアミド)がある。
本発明において特に好適な電解質は、実質的な割合の尿素および/またはホルム
アミドを補足したアルカリ性pHの水性緩衝液からなる「配列決定緩衝液」と呼
ぶ電解質である。
【0035】 本発明の目的において「種」という用語は、一般的に分析物を意味する。これ
らの分析物は、粒子、細胞小器官、分子もしくは巨大分子種を意味し、特に、該
分離媒体内で動電的移動中に完全または部分的に分離されることが好ましい、核
酸(DNA、RNA、オリゴヌクレオチド)、化学合成もしくは修飾により得ら
れる核酸類似体、タンパク質、ポリペプチド、グリコペプチドおよび多糖類のよ
うな生物学的巨大分子でもよい。
【0036】 本発明の目的において「ポリマーセグメント」または「セグメント」という表
現は、互いに共有結合しており、かつ特定の物性(特に、溶媒和に関して)を有
するモノマーのセットを意味する。本発明の目的においてポリマーセグメントの
1つの例は、すべて同一であるモノマーの鎖(ホモポリマーセグメント)、また
は数モノマー以上の長さで組成に有意な相関を示さないコポリマー(ランダムコ
ポリマー型のセグメント)である。
【0037】 本発明の目的においてブロックコポリマーという表現は、互いに共有結合した
、大きく異なる組成を有するポリマーセグメントからなるコポリマーを意味する
。ブロックコポリマーは、各セグメントが、電解質中で物理化学的、特に、同じ
組成と同じサイズを有するホモポリマーに匹敵する溶媒和性を示すように、充分
な数のモノマーを含有するという事実により規定される。これは、種々の型のモ
ノマーが互いに、基本的にランダムにつながり、問題の種のそれぞれのホモポリ
マーとは異なる鎖上の全体的性質を局所的に付与する、ランダムポリマーとは区
別することができる。このブロック性を得るのに必要なホモポリマーセグメント
のサイズは、モノマーと電解質の型により変化するが、典型的には該セグメント
の骨格に沿った数十個の原子である。本発明の意味においてブロックコポリマー
を構成することが可能であり、ここで、セグメント毎に物理化学(特に、溶媒和
)的性質に有意な変化を生み出すのに充分な、サイズと化学組成の差を有するゾ
ーンまたはセグメントを区別することができる限り、セグメント自身の一部また
はすべてはランダム型のコポリマーからなる。最後に、ブロックポリマーにおい
て「非隣接ポリマーセグメント」という表現は、異なる性質のポリマーセグメン
トにより互いに結合した2つのセグメントを意味する。
【0038】 本発明に適したブロックコポリマーは、その構造内に少なくとも2つの型のセ
グメントを組合せているという特徴を有する。
【0039】 最初の型のセグメントは、特許請求される媒体を使用するための2つの温度T
1とT2で分離に使用される電解質に可溶性であり、好ましくは、該電解質中で
LCSTを示さない。本発明において可溶性という用語は、温度T1とT2での
電解質中の溶解性を意味する。
【0040】 一方、第2の型のセグメントは、分離に使用される電解質中でLCSTを付与
される。さらに詳しくは、この型のセグメントは、該電解質中に、低温の範囲で
基本的に可溶性であり、高温の範囲で該電解質に基本的に不溶性である。これら
の2つの温度範囲の限界は、「最小脱混合温度(minimum demixing temperature
)」またはより一般的には「LCST」と呼ぶ。
【0041】 この構造レベルでLCSTを有するこれらのセグメントが存在するために、本
発明で使用されるコポリマーは、低温では、その中では種々のポリマー分子間の
相互作用は基本的に反発性である巨視的に均質な絡み合った溶液を構成し、そし
て温度の上昇により、その部分の間で引力が発生して、鎖間のもつれをほどく引
力を強化する性質を有する。
【0042】 本発明の好適な実施態様において、LCSTを有するセグメントのコポリマー
当たりの平均数は、2より大きく、好ましくは5より大きく、さらに好ましくは
8〜40である。引きつける形で相互作用することができるこの大きな数のセグ
メントのために、あるコポリマーは、無数の他のコポリマーと相互作用し、これ
は、分析物の通過中に媒体に強い耐性を付与する。
【0043】 従って本発明の媒体で使用されるコポリマー中に存在するLCSTを有するセ
グメントの長さと数ならびにその化学的性質は、本発明において大きく変動し、
従って、実施例でさらに正確に示されるように、該媒体の粘弾性は、所望の応用
に応じて大きく変動することになる。
【0044】 従って本発明の媒体は、熱増粘性を生成するのに適している。本発明の目的に
おいて「熱増粘性」とは、熱粘性化または熱ゲル化を有する媒体を意味する。
【0045】 通常の使用法に従って熱粘性化という用語は、使用される温度範囲で、巨視的
容器中で容易な取り扱いに適合する時間(約30秒未満)流動することができる
状態にとどまる媒体を意味する。これに対して、「ゲル型状態」という表現は、
同じ条件下で有意に流動することができない媒体を意味する。
【0046】 同様に熱粘性化という用語は、使用される温度範囲で、温度の変化速度(毛細
管電気泳動で通常かつ便利に使用される温度の変化速度、すなわち1℃/分〜約
10℃/分のオーダー)の関数として、その性質のヒステリシスまたはその性質
の大きな依存性を示さない媒体を意味する。一方、「熱ゲル化媒体」という表現
、または同様に「ゲル型の状態を生成する媒体」という表現は、これらの条件下
で、20,000cpより大きい粘性を有するその性質のヒステリシスを示す媒体
を意味する。
【0047】 2つの連続的分離の間の時間を最小にするために好ましい自動化法に特に適し
た好適な実施態様において、本発明の媒体は熱粘性化型である。
【0048】 これに対して、別の好適な実施態様において、分離間の長い待ち時間が許容さ
れ、かつ分析物の通過に対するマトリックスの最大の耐性が所望の場合は、温度
T2でゲル型状態を生成する本発明の媒体が好ましい。
【0049】 本発明の好適な実施態様において、LCSTを有するセグメントのすべてまた
は一部またはかなりの部分は、その骨格に沿って、75より大きい平均原子数、
または2,500より大きい分子量、好ましくは4,500より大きい分子量を
有する。
【0050】 本発明の目的において「かなりの部分」またはその略した型「すべてまたは一
部」という表現は、温度の上昇により、少なくとも100%高い粘性の上昇、ま
たは同様の方法で2倍粘度の上昇を引き起こす割合を意味する。
【0051】 本発明を実施するための最適化されたコポリマーは、LCSTを有するセグメ
ントのセットが、該コポリマーの全平均モル質量の2〜25%、好ましくは5〜
15%、さらに好ましくは8〜15%、またはモノマーのモル数としてコポリマ
ーの総組成の3〜20%、好ましくは5〜10%であるものである。
【0052】 特許請求される分離媒体は、同一のまたは異なる化学的性質を有し、温度T1
とT2で電解質中に基本的に可溶性であるかまたは溶媒和する共通の性質を示す
1つまたは複数のセグメントからなる骨格を含み、ここに、同一のまたは異なる
化学的性質を有し、温度T1で電解質中に基本的に可溶性であるかまたは溶媒和
し、温度T2で電解質中で基本的に不溶性であるかまたはあまり溶媒和しない共
通の性質を示す複数のセグメントが共有結合している、ブロックコポリマーのセ
ットを含むことが有利である。
【0053】 直接連結されてなく、分離条件下で可逆的な熱増粘性を発生する複数のセグメ
ントを有するなら、この型のコポリマーのすべての種類の構造を、本発明の実施
に使用することができる。
【0054】 本発明のコポリマーが取る種々の構造の例として、最も好ましくは、該コポリ
マーのすべてまたは一部が:
【0055】 ・線形ブロックポリマーの形で、
【0056】 ・そのセグメントが、温度T1とT2などで電解質中で可溶性の1つ以上のセ
グメントからなる櫛型コポリマーの形で、
【0057】 ・分岐した形で、 存在するものがある。
【0058】 線形ブロックポリマー構造において、LCSTを有するセグメントは2より大
きい数で存在し、基本的に線形の骨格に沿って、LCSTを持たないポリマーセ
グメントにより互いに分離されている。後者のセグメントの長さは、本発明にお
いて、比較的均一であるかまたは反対に不定であり、後者が好ましい。
【0059】 実際、温度T1とT2で電解質中に基本的に可溶性である骨格で、温度T1で
電解質中に基本的に可溶性であり、温度T2で電解質中に不溶性である、複数の
側枝メンバーを有する骨格を有する、櫛型ポリマーの型のブロックポリマーを選
択することが特に有利である。好適な実施態様において、LCSTを有する該側
枝メンバーは、骨格に沿ってランダムすなわち不規則に並べられる。
【0060】 この第2の型のポリマーがLCSTより上では収縮し、従って本発明を実施す
るのに必要な位相的な障害物の連続したネットワークを作り出すことができない
限り、この実施態様は一般に、親水性グラフトを有するLCSTを有するセグメ
ントからなる主鎖からなるポリマーを含む反対の構造より好ましい。
【0061】 電解質中で可溶性のセグメントとLCSTの無い親水性セグメントとからなる
ブロックポリマーは、熱流動化を形成しないため、そのようなポリマーでは本発
明を実施することはできないことに注意されたい。
【0062】 本発明において特に好適なものは、以下の条件の少なくとも1つを満足する分
離媒体である:
【0063】 ・コポリマーの全部または一部が、可溶性セグメントとLCSTを有するセグ
メントとの2個の連続する結合点の間の、可溶性セグメントのセクションに沿っ
て、210より大きい平均原子数を有する;
【0064】 ・コポリマーの全部または一部が、30,000より大きい分子量、または主
骨格に沿って2,000より大きい原子数を有する、および
【0065】 ・コポリマーの全部または一部が、50,000〜3,000,000の分子
量、または主骨格に沿って2,500〜100,000の原子数を有する、およ
び/または
【0066】 ・LCSTを有するセグメントの鎖あたりの平均数が、4より大きいかまたは
等しい、そして好ましくは5〜100である。
【0067】 温度T1およびT2で可溶性のポリマーセグメントが、ポリエーテル、ポリエ
ステル(例えば、ポリグリコール酸)、ポリオキシアルキレンの可溶性ランダム
コポリマーおよびホモポリマー(例えば、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブ
チレン、ポリオキシエチレン)、多糖類、ポリビニルアルコール、ポリビニルピ
ロリドン、ポリウレタン、ポリアミド、ポリスルホンアミド、ポリスルホキシド
、ポリスチレンスルホネート、該電解質に可溶性である置換または非置換ポリア
クリルアミドまたはポリメタクリルアミドから選択される、少なくとも1つのポ
リマーからなる、コポリマーを使用することが、本発明の実施に特に好ましい。
【0068】 ポリアクリルアミドまたはポリメタクリルアミドの例として、ポリアクリルア
ミド、ポリアクリル酸、ポリ(N,N−ジメチルアクリルアミド)およびポリア
クリロイルアミドプロパノールがある。
【0069】 もちろん電解質に可溶性の他のポリマーは、可溶性セグメントとして本発明に
従って、特定の応用および所望の構造を有するブロックポリマーへこれらの導入
のしやすさに従って、使用される。
【0070】 可溶性セグメントが、2つの温度T1とT2で電解質中で高溶媒和を有するこ
とがより好ましい。
【0071】 企図される電解質、実施のためのT1とT2の好適な温度、および分離すべき
分析物に従って、本発明で使用できるブロックコポリマー内に、LCSTを有す
る非隣接性セグメントを構成する無数の型のポリマーが選択される。LCSTを
有する無数のポリマーは当業者に公知であり、特に水性媒体中のものがある。"P
olymer Handbook" Brandrupt & Immergut, Johy Wiley, New York を参照された
い。
【0072】 本発明の好適な実施態様において、LCSTを有するポリマーセグメントのす
べてまたは一部は、下記から選択される1つまたはそれ以上のポリマーから誘導
される:
【0073】 ・ポリビニルアルキルエーテル、例えばポリビニルメチルエーテル、
【0074】 ・ヒドロキシアルキルセルロース、例えばヒドロキシエチルセルロースおよび
メチルセルロース、
【0075】 ・ポリオキシアルキレンのような酸化エーテルのホモポリマー、例えばポリオ
キシプロピレンおよびポリオキシブチレン、
【0076】 ・酸化エーテルのランダムおよびブロックコポリマー、例えばポリオキシエチ
レン/ポリオキシポリプロピレンおよびポリオキシエチレン/ポリオキシブチレ
ンのような、LCSTを有するポリオキシアルキレン型のコポリマー、
【0077】 ・アルキレンホモ−およびコポリマー、例えばブチレン−プロピレン、エチレ
ン−プロピレンおよびエチレン−ブチレン、および
【0078】 ・アクリル酸およびメタクリル酸、アルキルアクリレートおよびメタクリレー
ト(例えば、ヒドロキシプロピルおよびヒドロキシエチルアクリル酸)、N−ア
ルキル−アクリルアミドまたは−メタクリルアミド(例えば、N−エチルアクリ
ルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N’,N−ジアルキル−アクリル
アミドまたは−メタクリルアミド)、アリール−アクリルアミドまたは−メタク
リルアミド、およびアルキルアリール−アクリルアミドまたは−メタクリルアミ
ドから選択されるモノマーのホモ重合または共重合から得られるポリアクリル酸
誘導体。
【0079】 さらに好ましくは、本発明で使用されるコポリマーは、アクリル酸およびメタ
クリル酸、N−アルキル−アクリルアミドまたは−メタクリルアミド(例えば、
N−エチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド)、アリール−ア
クリルアミドまたは−メタクリルアミド、およびアルキルアリール−アクリルア
ミドまたは−メタクリルアミドから選択されるモノマーのホモ重合または共重合
から得られる、LCST性を有する少なくとも2つの非隣接性セグメントを含ん
でなる。
【0080】 すなわち、例えばLCSTを有するセグメントとして、特に限定されないが、
N−イソプロピルアクリルアミド(NIPAM)、N−イソプロピルメタクリル
アミド、N,N’−ジエチルアクリルアミド、またはこれらのモノマーと互いの
、または他とのランダムコポリマーを使用することが可能である。
【0081】 以下のコポリマーが本発明に特に適している:
【0082】 ・骨格が、アクリルアミド、アクリル酸、アクリロイルアミノエタノールまた
はジメタクリルアミドを含む型のものであり、その上に、ポリ(N−アルキルま
たはN,N−ジアルキル)アクリルアミド型、好ましくはポリ(N−イソプロピ
ルアクリルアミド)型の側枝セグメント、またはランダムもしくはブロックのポ
リオキシエチレン/オキシプロピレンコポリマーもしくはポリオキシプロピレン
型の側枝セグメント、またはより一般的にはポリエーテル型の側枝セグメント(
これは、ポリオキシエチレンより疎水性であることが顕著である)がグラフトさ
れている、櫛形コポリマー型のコポリマー、
【0083】 ・骨格に沿って、交互のポリオキシエチレン型のセグメントとポリオキシプロ
ピレン型のセグメント、または交互のポリオキシエチレン型のセグメントとポリ
オキシブチレン型のセグメント、またはより一般的には交互のポリエチレンのセ
グメントとポリオキシエチレンよりも疎水性の大きなポリエーテル型のセグメン
トを示す、ブロックコポリマー型のコポリマー
【0084】 例えば、特許請求される分離媒体において、コポリマーとして、ポリアクリル
アミド/ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)(PAM−NIPAM);ポ
リビニルアルコール/ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)(PVA−NI
PAM)、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレン、ポリアクリルアミド/
オキシエチレン−オキシプロピレンコポリマー、ポリアクリルアミド/ポリオキ
シプロピレン、ポリアクリル酸/ポリオキシプロピレン、ポリアクリル酸/オキ
シエチレン−オキシプロピレンコポリマー、ポリアクリル酸/ポリ(N−イソプ
ロピルアクリルアミド)およびポリジメチルアクリルアミド/ポリ(N−イソプ
ロピルアクリルアミド)(PDMAM−NIPAM)から選択されるコポリマー
を使用することができる。
【0085】 ポリアクリルアミド骨格に沿って、基本的にポリ−NIPAMからなるLCS
Tを有するセグメントを有する櫛型コポリマーと、その骨格に沿って、35〜6
00の炭素原子数と25%を超えない総質量画分とを、含んでなる媒体を有利に
使用することができる。
【0086】 大多数の応用において、特に荷電分析物の分離のための応用においては、基本
的に中性である本発明のポリマーを使用することが好ましいことにも注意された
い。しかしある応用では、特に弱く荷電しているかまたは非荷電の分析物もしく
はポリマーと結合しやすい分析物の分離のための応用においては、意図的に荷電
している本発明のポリマーを選択することが有用である。例えば、重合したアク
リルアミドの実質的な部分を、温度T1とT2で電解質に可溶性のセグメント中
に存在させることにより、この型のポリマーを便利に調製することができる。こ
の型のコポリマーは、後述の実施例10により詳細に記載される。
【0087】 特に媒体中のコポリマー濃度について、これは一般的に20g/100重量ml
未満である。DNA配列決定応用については、これは好ましくは約1〜8g/1
00重量mlである。
【0088】 本発明の具体的な実施態様において、該媒体中で使用されるコポリマーは、5
g/100重量mlのオーダーの濃度、好ましくは2g/100重量mlのオーダー
から、該媒体を、温度T1で得られる粘性状態V1から、T1より少なくとも2
0℃高い温度T2で得られる、V1より少なくとも100%大きい粘性状態V2
に、可逆的に移行することができることが好ましい。
【0089】 また本発明の好適な実施態様において、粘性V2は、粘性V1より少なくとも
5倍大きい。
【0090】 本発明において使用されるコポリマーの調製において、これは従来法の重合ま
たは重縮合法により行われる。調製法の選択は、一般的にコポリマーについて所
望の構造(すなわち櫛型、線形、または分岐構造)とそれを構成する種々のブロ
ックの化学的性質を考慮しながら行われる。
【0091】 これらの調製態様の例示のために、特に、該コポリマーが得られる方法は以下
の通りである:
【0092】 ・同一または異なるモノマーの、同一または異なる巨大モノマーの、または同
一または異なるモノマーと巨大分子モノマーの、イオン性またはフリーラジカル
ポリ縮合、重合または共重合、あるいは
【0093】 ・基本的に可溶性型の直鎖または分岐鎖ポリマー骨格に、LCSTを有するい
くつかのポリマーセグメントのグラフト、または基本的に可溶性型の直鎖もしく
は分岐鎖ポリマー骨格から、LCSTを有するポリマー側枝セグメントの重合。
【0094】 好ましくは本発明で使用されるコポリマーのすべてまたは一部は、以下により
得られる:
【0095】 a)その末端の少なくとも1つに反応性官能基を含んでなる、基本的に可溶性
型であるモノマー、および基本的にLCSTを有する型である巨大モノマーの共
重合、または
【0096】 b)その末端の少なくとも1つに反応性官能基を含んでなる、基本的にLCS
Tを有する型である巨大モノマー、およびその構造中に少なくとも1つに反応性
官能基を含んでなる、基本的に可溶性型である巨大モノマーの共重合。
【0097】 本発明の目的において反応性官能基という表現は、この基を有する分子が、共
重合反応中に、該共重合を妨害することなく、巨大分子中に組み込まれることを
可能にする基を意味する。
【0098】 上記の好適な方法および規則を使用して、当業者は、本発明に従って、該ポリ
マーの構造、性質および調製法を、種々の応用に所望の分離性に適合させること
により、コポリマーを調製することができる。
【0099】 特許請求される分離媒体の非限定例として、特に以下の媒体が言及される:
【0100】 ・15〜30℃の温度T1での50〜1,000mPa.m-1.s-1の粘性V1から
、40℃のオーダーまたはこれより高い温度T2でのV1よりも2〜50倍大き
い粘性V2まで移行する媒体で、かつ
【0101】 ・30,000〜2,000,000の平均分子量、または主骨格に沿った1
,000〜60,000の原子数、
【0102】 ・2%〜20%の、LCSTを有するセグメントの重量比、および
【0103】 ・2,000〜20,000の、LCSTを有するセグメントの平均分子量、
または35〜350の、LCSTを有するセグメントに沿った平均原子数 を有する5g/100ml〜20g/100mlのコポリマーを含む媒体;
【0104】 ・15〜30℃の温度T1での100〜1,000mPa.m-1.s-1の粘性V1か
ら、40℃より高い温度T2でのV1よりも2〜100倍大きい粘性V2まで移
行する媒体で、かつ
【0105】 ・500,000〜5,000,000の平均分子量、または主骨格に沿った
7,000〜90,000の原子数、
【0106】 ・2.5%〜15%の、LCSTを有するセグメントの重量比、および
【0107】 ・4,000〜30,000の、LCSTを有するセグメントの平均分子量、
または60〜600の、LCSTを有するセグメントに沿った平均原子数 を有する1g/100ml〜80g/100mlのコポリマーを含む媒体;および
【0108】 ・15〜30℃の温度T1での100〜10,000mPa.m-1.s-1の粘性V1
から、40℃より高い温度T2でのV1よりも2〜100倍大きい粘性V2まで
移行する媒体で、かつ
【0109】 ・500,000より大きい平均分子量、または主骨格に沿った7,000よ
り大きい原子数、
【0110】 ・2%〜15%の、LCSTを有するセグメントの重量比、および
【0111】 ・4,000より大きい、LCSTを有するセグメントの平均分子量、または
90より大きい、LCSTを有するセグメントに沿った平均原子数 を有する0.1g/100ml〜5g/100mlのコポリマーを含む媒体;
【0112】 本発明の説明において、粘性は10s-1の剪断速度で得られるものである。
【0113】 また本発明において、熱増粘性を有するコポリマー以外に、これらの性質を示
さない他の種、例えば特に水溶性ポリマー、非熱増粘性結合性ポリマー、または
他の中性もしくはイオン性界面活性剤を、分離媒体中に含めることができるが、
ただし、これらの補助剤は、分離媒体中で脱混合を起こしたり、または可逆的熱
増粘性を喪失させたりしないものである。かかる補助剤は、該媒体の性質および
/または分離能力を調節するのに有利である。ある界面活性剤の添加は、ポリマ
ー間の結合を強化し、従って熱増粘性を強化することがあることが特に知られて
いる。また、本発明とは異なる文脈で公知のように、全体の粘性に悪影響を与え
ることなく、混合物中に含有される最も小さい分析物の分離を増強するために、
低分子量の結合性または非結合性ポリマーを媒体に加えることも有効である。
【0114】 本発明の主題はまた、分子種または巨大分子種、および特に核酸(DNA、R
NA、オリゴヌクレオチド)、化学合成もしくは修飾により得られる核酸類似体
、タンパク質、ポリペプチド、グリコペプチドおよび多糖類のような生物学的巨
大分子、有機分子、合成巨大分子、または鉱物粒子、ラテックス、細胞もしくは
細胞小器官のような粒子からの種の分離または分析のための、上記で定義した分
離媒体の使用である。
【0115】 これは、DNAの配列決定に特に有用であり、高粘性、高温(ここでは、圧縮
の分離が良好であり、分離は迅速である)に関連する最適分離条件を得ることを
可能にし、一方、室温で、DNAの容易な注入を可能にする適度な粘性を維持す
る。
【0116】 しかし、温度を変化させて媒体の粘性を大きく変化させる本発明による可能性
は、他の応用にも有利である。
【0117】 これは、毛細管またはマイクロチャネルに含有される媒体の剛性または粘性の
増加が好ましい場合にいつも有利である。例えば高粘性は、パルスフィールド中
の大きなDNAの不充分な分離の原因である電磁流体力学的作用を低下させるこ
とができ、より一般的には、毛細管またはマイクロチャネル中の電磁流体力学的
流れを低下させる。
【0118】 また、本発明の媒体は一般に、温度の変化によりその有効作用を最大限に発揮
するが、これらはまた、一定温度での使用にも適している。すなわちこれらは、
同じ温度で分析物の分離チャネルへの導入および連続的分離に適している。これ
は、特に分離チャネルに高粘性の媒体を導入することができ、および/またはチ
ャネルへの該媒体の導入と分析物の分離との間の温度を容易に変更することが不
可能な装置が入手できるなら、特に有利である。
【0119】 本発明の媒体により可能となる高粘性の別の利点は、これらが、当業者に公知
の電気浸透を抑制するための他の方法(例えば、毛細管の壁に対して親和性を有
するポリマーの使用、またはその表面への中性の親水性ポリマーのグラルト)を
使用する必要がなく、電気浸透(例えば、Belloら, Electrophorresis 15, 623,
1994を参照)を低下させることである。もし本発明の媒体により与えられる電
気浸透の抑制または分析物と壁との相互作用の抑制が、特定の応用において充分
ではないなら、本発明を、当業者に公知の方法の1つと組合せて、こうして、単
独で使用されるこれらの方法で得られるものより優れた性質を得ることができる
【0120】 本発明のコポリマーおよびその熱増粘性作用が、異なるサイズの種の分離によ
り詳細に最適化されているコポリマーの選択により、特許請求される媒体の分離
性を調節することが可能である。
【0121】 本発明により利用できるこの型の適合の例として、特に、以下が可能である:
【0122】 ・50,000未満の分子量を有する分子、または100個未満のヌクレオチ
ドを含むオリゴヌクレオチド、または未変性もしくは変性タンパク質を、15〜
30℃の温度T1での50〜1,000mPa.m-1.s-1の粘性V1から、40℃の
オーダーまたはこれより高い温度T2でのV1よりも2〜50倍大きい粘性V2
まで移行する媒体で、かつ
【0123】 ・30,000〜2,000,000の平均分子量、または主骨格に沿った1
,000〜60,000の原子数、
【0124】 ・2%〜20%の、LCSTを有するセグメントの重量比、および
【0125】 ・2,000〜20,000の、LCSTを有するセグメントの平均分子量、
または35〜350の、LCSTを有するセグメントに沿った平均原子数 を有する5g/100ml〜20g/100mlのコポリマーを含む媒体で、分離するこ
と;
【0126】 ・DNA配列の反応の産物、1,000塩基対未満のDNA2本鎖、変性タン
パク質または20,000〜10,000,000の分子量を有する合成もしく
は天然ポリマーを、15〜30℃の温度T1での100〜1,000mPa.m-1.s- 1 の粘性V1から、40℃より高い温度T2でのV1よりも2〜100倍大きい
粘性V2まで移行する媒体で、かつ
【0127】 ・500,000〜5,000,000の平均分子量、または主骨格に沿った
7,000〜60,000の原子数、
【0128】 ・2.5%〜15%の、LCSTを有するセグメントの重量比、および
【0129】 ・4,000〜30,000の、LCSTを有するセグメントの平均分子量、
または60〜600の、LCSTを有するセグメントに沿った平均原子数 を有する1g/100ml〜80g/100mlのコポリマーを含む媒体で、分離するこ
と;および
【0130】 ・500塩基〜数百万の塩基対の大きさを有するDNA2本鎖、またはラテッ
クス、細胞全体、染色体全体もしくは細胞小器官のような粒子を、15〜30℃
の温度T1での100〜10,000mPa.m-1.s-1の粘性V1から、40℃より
高い温度T2でのV1よりも2〜100倍大きい粘性V2まで移行する媒体で、
かつ
【0131】 ・500,000より大きい平均分子量、または主骨格に沿った7,000よ
り大きい原子数、
【0132】 ・2%〜15%の、LCSTを有するセグメントの重量比、および
【0133】 ・4,000より大きい、LCSTを有するセグメントの平均分子量、または
90より大きい、LCSTを有するセグメントに沿った平均原子数 を有する0.1g/100ml〜5g/100mlのコポリマーを含む媒体で、分離する
こと。
【0134】 さらに好ましくは、これらの媒体は、以下から選択されるコポリマーのセット
を含んでなる:
【0135】 ・骨格が、アクリルアミド、アクリロイルアミノエタノールまたはジメタクリ
ルアミド型のものであり、その上に、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)
型の側枝セグメントがグラフトされている、櫛形コポリマー型のコポリマー、お
よび
【0136】 ・骨格に沿って、交互のポリオキシエチレン型のブロックとポリオキシプロピ
レン型のブロック、または交互のポリオキシエチレン型のブロックとポリオキシ
ブチレン型のブロック、または交互の可溶性ポリオキシアルキレン型のブロック
とLCSTを有するポリオキシアルキレンブロックを示す、ブロックコポリマー
型のコポリマー。
【0137】 特許請求される分離媒体を使用する方法の例として、特に以下を含んでなるも
のが提唱される:
【0138】 ・分離すべき種の性状に従って本発明の分離媒体を選択する工程;
【0139】 ・この媒体を電気泳動装置の分離チャネルに、その分離媒体を構成するのに十
分な量で導入する工程;
【0140】 ・試料の導入の前または後のいずれかに、かなりの割合のチャネルを温度T2
にする工程;
【0141】 ・ある量の試料を分離チャネルの入口に導入する工程;
【0142】 ・チャネルのサーモスタット調温部においてT2のオーダーの温度で分離を行
う工程;そして
【0143】 ・当初試料中に含まれる分析物の泳動を検出する工程
【0144】 この検出は、当業者の能力内の従来法を使用するため、本明細書では詳述しな
い。
【0145】 特許請求される媒体の使用はまた、分離工程中に温度が変更される変更態様も
含み(該温度の変更態様は、媒体の熱増粘が前述のように行われる温度T2また
は温度T2の範囲を含むため)、また上記サイクルが(好ましくは自動化されて
)任意の回数繰り返される変更態様もカバーすることを注意されたい。
【0146】 実際、自動動電的分離は、分離チャネルの自動充填を容易かつ迅速にするため
、本発明は自動動電的分離の場合に特に有利である。さらに試料の導入は、本発
明において、分離チャネルのかなりの部分を温度T2に加熱する前、その最中、
またはその後に、行っても良い。
【0147】 本発明の主題はまた、分離媒体として本発明の媒体を使用する、チップに基づ
く毛細管電気泳動装置である。これは、「チップベース」またはエッチングされ
たマイクロチャネルベースと呼ぶ電気泳動装置の場合に特に有用であり、これは
、一般に、これらの装置が、円筒形毛細管より、分離媒体を導入するための高圧
弁の適用を許容することが困難なためである。
【0148】 本発明の媒体およびこれらの媒体を使用する分離法は、診断、遺伝子タイピン
グ、高処理量スクリーニング、および品質管理用途、または生成物中の遺伝子修
飾した生物の存在を検出するのに、特に有効である。
【0149】 以下の図と実施例は、本発明の非限定例として提示される。
【0150】 実施例1: 本発明による熱ゲル化コポリマーの調製のための、官能基化されていない10,
000の領域の分子量を有する、pNIPAMのLCSTを有する巨大モノマー
の調製。
【0151】 1)NIPAMの重合 NIPAMのラジカル重合は、純水中で室温よりわずかに高いがポリマーのL
CSTより低い温度で行われる。開始剤は、酸化剤が、過硫酸カリウム、K228(KPS)であり、そして還元剤が、アミノエタンチオール、AET.HC
lである、レドックス対である。プライミング反応は、以下である:
【0152】 K228 + 2Cl-,NH3 +−CH2CH2−SH → 2KHSO4
2Cl-,HN3 +−CH2−CH2−S.
【0153】 AET.HClはまた、鎖の長さを制御可能にする転移剤の役割を演じる。
【0154】 方法 20gのNIPAM(0.18mol)および200mlの水を、冷却器を載せ、
かつ窒素を入れるための装置を取り付けた500ml三つ口フラスコ中に導入する
。次に混合物を撹拌して、水浴で29℃まで加熱する。窒素のバブリングを開始
する。45分後、前もって20mlの水に溶解した0.42gのAET.HCl(
0.0037mol)を加え、続いて最少量の水に溶解した0.0018molの過硫
酸カリウム(KPS)を加える。混合物を3時間撹拌し続ける。次に溶液を濃縮
し、次いで凍結乾燥する。
【0155】 ポリマーを単離するために、以下の方法により沈殿を行う:
【0156】 得られる固体を100mlのメタノールに再溶解し、0.0037molのKOH
(これは、0.208gを約25mlのメタノールに溶解した)を滴下して加え、
存在する塩酸塩を中和する。生成した塩のKClが沈殿し、これをろ過して抽出
する。こうして回収されるろ液を濃縮し、次に4リットルのエーテル中に滴下し
て注ぎ入れる。ポリマーが沈殿し、これを4番焼結ガラスでろ過して回収する。
次に固体を、スライド翼回転真空ポンプで作られる真空下で乾燥する。質量収率
は、50%のオーダーである。
【0157】 上記プロトコールによりアミノ化ポリマーの「PNIPAM−A−10」が得
られ、そしてこのプロトコールは、開始剤−モノマー比Ro=0.02およびA
o=0.01に相当し、ここで、
【0158】 Ro=[R−SH]/[NIPAM]、そしてAo=[KPS]/[NIPAM
]。
【0159】 他の種々のアミノ化ポリマーは、0.01の比Aoを維持しながら、重合温度
および比Roを変化させることにより、同じプロトコールによって調製した。こ
れらのポリマーは、表1に記載され定義される。
【0160】 2)温度T1およびT2で可溶性の1つまたはそれ以上のセグメントとの共重合
のための、アミノ化PNIPAMの修飾
【0161】 合成されるPNIPAM高分子は、鎖の末端にアミン官能基を持つが、これは
、開始剤のアミノエタンチオールAET.HClから誘導される。
【0162】 アミン官能基をアクリル酸と反応させることにより、ビニル二重結合は、以下
の反応スキームにより鎖の末端に結合する:
【0163】
【化1】
【0164】 方法 50mlの塩化メチレン、1.5gのアクリル酸(0.021mol)、9gのP
NIPAMおよび4.3gのジシクロヘキシルカルボジイミド(DCCP)(0
.21mol)を100mlのビーカーに入れる。
【0165】 反応媒体を1時間撹拌する。アクリル酸は、PNIPAMに比較して大過剰で
あるため(アクリル酸の量は、PNIPAMの約20倍である)、全てのアミノ
官能基が修飾されていると仮定することができ、これは、実施例2に記載される
共重合により確認される。次に、DCCIの変換から生じる副産物であるジシク
ロヘキシル尿素沈殿物を除去するために、混合物を4番焼結ガラスでろ過する。
【0166】 次に混合物を15mlまで濃縮し、次いでポリマーを沈殿させるために、200
mlのエーテル中に滴下して注ぎ入れる。混合物を4番焼結ガラスでろ過して、固
体を100mlのエーテルで3回洗浄し、次にこれをスライド翼回転真空ポンプに
より作られる真空下で一晩乾燥する。
【0167】 こうして鎖末端にアリル官能基を有するポリ−(NIPAM)巨大モノマーが
、70%のオーダーの質量収率で得られる。
【0168】 こうして調製される巨大モノマーのモル質量は、SEC(立体排除クロマトグ
ラフィー(steric exclusion chromatography))により以下の条件下で測定し
た:
【0169】 a:20℃の0.5M LiNO3水溶液、直列の25cmの4個のショーデック
スパック(Shodex Pack)B803〜B806カラムを屈折率測定による検出お
よびPOE標準と比較した分子量の較正と共に使用する
【0170】 b:40℃でTHF中で、ウルトラスチラゲル(ultrastyragel)カラムにより
、二重屈折率測定による検出およびポリスチレン試料と比較した万能較正。一方
では万能較正が、試験すべきポリマーの鎖と標準との間の可撓性の違いを無いも
のとするため、そして他方ではTHFが、水よりもPNIPAMにとって良好な
溶媒であるため、この第2様式の測定が、より正確である。
【0171】
【表1】
【0172】 これらの結果は、重合温度、および開始剤/ポリマー比Roを変化させること
により、巨大モノマーの平均分子量を変化させることが可能であることを示して
いる(比Roが最も大きいと、分子量が最も小さくなる)。結果はまた、巨大モ
ノマーの多分散性値が高いこと、一般には2より大きいことを示している。
【0173】 実施例2: 櫛形構造を持ちLCSTを有するセグメントとして実施例1で調製されるPNI
PAMを含んでなる種々のコポリマーの調製。
【0174】 本実施例の目的は、実施例1で得られる巨大モノマーPNIPAMと水溶性型
モノマーとの共重合による、本発明のコポリマーの調製である。
【0175】 a)合成 この共重合は、水中で室温で行われる。使用される開始剤は、レドックス対の
過硫酸アンモニウム((NH4228)[20g/l]−メタ重亜硫酸ナトリウ
ム(Na225)である。こうして調製される全てのコポリマーは、アセトン
から沈殿させて精製するが、ただし、可溶性セグメントがジメチルアクリルアミ
ドDMAMからなるコポリマーT7は、限外ろ過および凍結乾燥により精製する
【0176】 合成される種々の重合体は、以下の表2に示されるが、そこで使用される試薬
の量が示す(カッコ内に示される)。
【0177】 表中: ・粘性は、水中5g/100mlの溶液中のポリマーについて、一定のブルック
フィールド(Brookfield)LDVIII剪断速度のコーン−プレート粘度計を使用
して、10s-1の剪断速度で、センチポアズ[SIで表現すべき(TO BE EXPRES
SED IN SI)]で表現される;
【0178】 ・これらは、屈折率測定による検出を有する、直列の25cmの4個のショーデ
ックスOHパック(Shodex OH Pack)B803〜B806カラムを使用して、2
0℃の0.5M LiNO3水溶液中で測定した。カッコ内の値は、屈折率測定
による検出で、「POE同等」な値(ポリオキシエチレン標準と比較することに
より得られる)である。
【0179】 コポリマーT10、およびここに記載していない同じファミリーの他のコポリ
マーも、多角形レーザー光散乱検出(「ミニドーン・ワイアット(MiniDawn Wya
tt)」)(絶対分子量を得ることを可能にする)を使用して、分子量に関して分
析した。「POE同等」として、同じポリマーの質量と比較することにより、表
2に示される全てのポリマーは絶対分子量が、POE同等の2倍のオーダーの質
量であると評価された:この推定値は、表中に太字で示される。
【0180】 コポリマーの平均分子量、LCSTを有するセグメントまたは巨大モノマーの
分子量、およびコポリマーに組み込まれるLCSTを有するセグメントの質量比
率、表2中Nsで表されるポリマーあたりのLCSTを有するセグメントの平均
数(質量平均値)を知るには、下記式により容易に導き出される:
【0181】 Ns=f Mw(コポリマー)/Mw(巨大モノマー)。
【0182】 ・太字の値は、最終コポリマー中のLCSTを有するセグメントの比率f(質
量比率)を表す。
【0183】 表2に記載される全てのコポリマーは、熱増粘性を示す。
【0184】
【表2】
【0185】 以下に示す方法は、コポリマーT7の調製のために与えられる。他のコポリマ
ーのための方法は、試薬の性質と濃度、および場合により表2の反応温度を調節
することにより、ここから演繹できる。
【0186】 PNIPAM−10およびモノマーさらに30mlの蒸留水を、100ml丸底フ
ラスコに導入する。この混合物を溶存二原子酸素を除去するために、窒素をバブ
リングしながら室温で2時間撹拌する。
【0187】 次に混合物を、サーモスタット調温浴を使用して、重合のために選択した温度
まで加熱して、次いで開始剤を、20g/lの(NH42SO8の溶液および5g/l
のNa225の溶液の形態(すなわちそれぞれ導入されるモノマーの量の0.
1mol%および0.03mol%である)で加える。撹拌およびバブリングは4時間
維持する。
【0188】 開始剤を導入する前、次に重合中1時間毎に、立体排除クロマトグラフィーに
より反応の変化をモニターするために、反応媒体の試料を回収(0.1mlを5ml
のメタノールに希釈)する。
【0189】 一般に、反応媒体の粘性の上昇の目視により、事実上全収率で、反応が良好に
進行したことを確認することができる。
【0190】 b)精製 ポリマーの精製は、骨格の性質に応じて様々に行われる。 骨格がDMAMからなるポリマーでは、以下の方法により限外ろ過を使用した
: 反応媒体を1リットルの水に希釈し、次にカットオフが100,000ダルト
ンである膜で限外ろ過する。次にポリマーの溶液を濃縮し、次いで凍結乾燥する
。 収率は、かなり変動するが、一般に約60%である。
【0191】 アクリルアミド骨格の高分子は、以下の方法によりアセトンから沈殿させる: 反応媒体を、1リットルのアセトンからゆっくり沈殿させ、次に4番焼結ガラ
スでろ過して、100mlのアセトンで3回洗浄する。固体を回収し、次にスライ
ド翼回転真空ポンプを使用して一晩乾燥する。 質量収率は、限外ろ過−凍結乾燥よりもはるかに高く、90%に近い。
【0192】 巨大分子の取り込みのレベルは、重水中に2g/100mlで希釈したポリマーで
プロトンNMRによりチェックした(ブルーカー(Bruker)装置、250および
400MHz)。取り込みレベルが、実験の変動を除くと、PNIPAMの当初質
量と親水性モノマーの当初質量の間の比にのみ依存することがわかる。これはそ
れぞれ、2.8gのアクリルアミドあたり0.4gのPNIPAMの当初濃度で
は、6.5±0.3mol%、そして2.8gのアクリルアミドあたり0.8gの
PNIPAMの当初濃度では、12±1mol%である。
【0193】 実施例3: 実施例2で調製されるDMAM/PNIPAMおよびAM/PNIPAMコポリ
マーの温度の関数としての流動学的挙動の評価
【0194】 本実施例では、それぞれのコポリマーを5g/100mlの量で精製水(ミリQ(
MilliQ))中に導入した。それぞれの対応する溶液の粘性は、レオカルク(Rheo
calc)ソフトウェア(ソデキシム(Sodexim)、マイゾン(Muizon)、F))に
より制御されるブルックフィールド(Brookfield)DV3コーン−プレートレオ
メーターで測定した。選択される剪断速度は、1℃/分の温度勾配に対して10
(1/s)である。得られる結果は、図1に表す。
【0195】 合成される種々のコポリマーが、実際に、本発明に使用することができる流動
学的性質を示すこと、そして特に、これらが温度T2で、T2よりも少なくとも
20°低い温度T1で得られる粘性V1よりも、2倍を超えて(100%)、し
ばしば10倍のオーダー、そして60倍までのこともある有意に高い粘性V2を
示すことを観察することができる。
【0196】 本実施例に記載されるポリマーでは、温度T1は、20と40℃の間であるか
、またはそれより低いこともあり、そして温度T2は、45℃より高く、好まし
くは60℃のオーダーである。
【0197】 また、PNIPAM巨大モノマーがない他は同じプロトコールにより対照とし
て調製され、従ってその構造中に本発明のコポリマーを特徴づけるLCSTを有
する多数のブロックを持ち得ないポリマーT10AAは、温度の関数として弱く
連続的に低下する粘性を示し、従って本発明の有益な効果を発揮できない。
【0198】 さらに、全てのコポリマーについて、および1分あたり1℃の温度変化の速度
で、有意なヒステリシスは観察されず、粘性曲線は、温度が上昇または下降する
ときと本質的に同一である。
【0199】 図1と表2を比較することにより、低温の粘性はコポリマーの分子量と高度に
相関することが注目される。また、熱増粘性挙動および温度に伴う粘性の上昇が
、鎖あたりのLCSTを有するセグメントの平均数Nsと高度に相関することも
観察され、このパラメーターの最高値は、最高の熱増粘性効果に対応する。
【0200】 図2aは、例えば炭酸カリウムのようなイオン性電解質、あるいは配列測定に
使用されるようなトリス−TAPS 50mM/尿素7M型の緩衝液中の、コポリ
マーT10の流動学的挙動を例示する。
【0201】 図2bでは、コポリマーPAM−NIPAM T10に基づく溶液の挙動を表
し、一方は3g/100mlの濃度のコポリマーであり、もう一方は2g/100mlの
濃度のコポリマーである。熱増粘性は、2g/100mlから感受性であるが、3g/
100mlで強化され、そしてさらに5g/100ml(図1)でいっそう強化される
が、濃度はまた、本発明の媒体を特定の応用に適合させるために、有用な様式で
変化するパラメーターである。
【0202】 詳細には、表2に示されるポリマーの多くは、5g/100ml以下の濃度では、
熱増粘性を示す、すなわちこれらは、温度が上昇および下降するとき有意なヒス
テリシスは示さず、そして容器を倒すと30s未満で流れ出ることが可能である
。 これに反してポリマーT16は、8g/100ml以上の濃度で60℃でゲル型状
態になる。
【0203】 実施例4: コポリマーとして実施例2で調製されるコポリマーの1つを含む、毛細管電気泳
動のための分離媒体の分離の性質。
【0204】 本実施例および以下の実施例に与えられる電気泳動実験は、Lindbergら, Elec
trophoresis, 18, 1973 (1997)に記載されるのと類似した実験室で組立てた装置
を使用して行った。分離されるDNAは、488nmでアルゴンレーザーにより励
起し、530±30nmで発光する蛍光により検出される。注入は、動電学型のも
のである。ポリイミド(ポリマイクロ)により被覆される溶融シリカから作られ
、100μm未満の直径を有する毛細管は、最初の2センチメートルと最後の2
センチメートルを除いて、注入の点と検出の点の間、密閉エンベロープ中のシリ
コーン油の循環により、サーモスタット調温されている(特に明記しない場合は
、この型の毛細管は、以下に与えられる電気泳動実験において使用される)。
【0205】 試験4−1 コポリマーとしてコポリマーPAM−NIPAM(T15)を2g/100mlの濃
度で含む媒体の分離性。
【0206】 媒体をトリス−TAPS緩衝液(50mM)およびDNAマーカー(SYBRグ
リーンI(SYBR GREEN I)10-4として)と混合する。
【0207】 この特定のケースでは、毛細管の充填は25℃で行い、注入は1センチメート
ルあたり25ボルトで10秒間かけて行い、そして分離すべき試料は、前記試験
のものと同じ性質のものである。
【0208】 該媒体の分離性は、2つの温度、25℃と60℃で評価し、そして図3aと3
bは、これらの性質を示す。分離が、高い分離能を有しており、かつ60℃では
さらに迅速であることが観察される。
【0209】 試験4−2 コポリマーPAM−NIPAM(T12)に基づく分離媒体の分離性。
【0210】 媒体は、毛細管に25℃で8g/100mlの濃度で導入し、トリス−TAPS緩
衝液(50mM)、および供給業者が売っている原液に対して10-4の比率で希釈
されたDNAマーカーのSYBRグリーンI(分子プローブ)と混合する。分離
のために選択される温度が60℃であるとき、分離能と分離時間の改善という類
似した挙動が示されている。
【0211】 また、大きな2本鎖DNA断片の分離は、高レベルの転移剤により調製され低
い分子量を示すコポリマーT12よりも、低レベルの転移剤により調製され従っ
て高い分子量を示すコポリマーT15で良好なことが観察される。
【0212】 試験4−3 コポリマーとしてコポリマーPDMAM−NIPAM(T7)を2g/100mlの
濃度で含む媒体の分離性。
【0213】 この媒体は、トリス−酢酸緩衝液(50mM)およびDNAマーカーのSYBR
グリーンI 10-4と混合する。
【0214】 この特定のケースでは、試料はマーカー「ファイ−X174−RF(Phi-X 17
4-RF)DNA、HaeIII消化物」(ファルマシアバイオテク(Pharmacia Biote
ch))であり、その断片は、72〜1358bpの大きさであり、注入は1センチ
メートルあたり20ボルトで5秒間かけて行い、そして分離すべき試料は、前記
試験と同じ性質のものである。
【0215】 該媒体の分離性は、2つの温度、25℃と60℃で評価し、そして図4aと4
bは、これらの性質を示す。前記試験と同様に、分離が、高い分離能を有してお
りかつ高温ではさらに迅速であることが観察される。
【0216】 試験4−4 コポリマーとして巨大モノマーPNIPAM−20から調製されるコポリマーP
AM−NIPAM T21を2g/100mlの濃度で含む媒体の分離性。
【0217】 媒体は、トリス−酢酸緩衝液(50mM)と混合する。この分離媒体では、高温
での粘性が比較的低く、電気浸透を完全に抑制することはできない。したがって
、毛細管は、その使用の前に、1,000,000の分子量を有する1g/100
mlのポリビニルピロリドン(ポリサイエンシーズ(Polysciences)、エッペルハ
イム(Eppelheim)、D))を含む1M塩酸溶液で洗浄した。
【0218】 この特定のケースでは、試料はマーカー「100bpフルオレセインラダー」(
バイオラッド(Bio-Rad))であり、その断片は、100〜1000bpの大きさ
であり、注入は1センチメートルあたり25ボルトで10秒間かけて行う。
【0219】 毛細管に25℃で導入される該媒体の分離性は、2つの温度、25℃と50℃
で評価し、そして図5aと5bは、これらの性質を示す。
【0220】 前記試験と同様に、分離が、高温ではさらに迅速であるが、分離の利得は、例
えばT15やT7(これらは、より顕著な熱増粘性を示す)よりも低いことが観
察される。このことは、温度の関数として粘性曲線に出現するような熱増粘性が
、本発明の媒体の特徴的な利点であること、および該粘性曲線が、分離性を最適
化するためのガイドとして使用しうることを確認している。
【0221】 試験4−5 コポリマーPAM−NIPAM(T10)を含む分離媒体を使用する配列産物の
分離。
【0222】 コポリマーは、7M尿素を含有するトリス−TAPS緩衝液(50mM)中の2
つの異なる濃度、それぞれ3g/100mlおよび5g/100mlで使用する。媒体の
pHは、8.2のオーダーである。対照として、市販の配列決定媒体(POP6 パーキンエルマー(Perkin-Elmer))を受領したまま使用して試験を行う。
【0223】 使用される毛細管は、40cmの長さで、有効長が30cmであり、内径100μ
mである。シリカ上の吸着という特異的性質を示さないT10ポリマーに基づく
分離媒体では、毛細管を、その使用の前に、1,000,000の分子量を有す
る1g/100mlのポリビニルピロリドンを含む1M塩酸溶液で洗浄する。分離媒
体は、25℃で毛細管に導入する。
【0224】 試験される試料は、アマーシャム(Amersham)が販売しているフルオレセイン
−プライマーキットを、製造業者の説明書に従って環状配列決定を行って調製さ
れるDNAの配列ssM13mp18(「T」で終わる断片)の反応の産物であ
る。
【0225】 電場は1センチメートルあたり200ボルトであり、注入は1センチメートル
あたり200ボルトで8秒間かけて行う。それぞれの媒体の分離能力は、60℃
の温度で評価する。図6と7は、市販の配列決定媒体(対照、図a)、およびコ
ポリマーT10に基づく本発明の媒体の3g/100ml(図b)と5g/100ml(
図c)の濃度での分離能力を示す(ピークの上の数字は、48塩基を引いたDN
A断片の長さを表す)。
【0226】 試験4−6 本発明の種々の分離媒体を使用する配列の断片に関しての分離性。
【0227】 試験される媒体は、それぞれ8g/100mlの濃度のコポリマーPAM−NIP
AM(T12)、5g/100mlの濃度のコポリマーPAM−NIPAM(T13
)または5g/100mlの濃度のコポリマーDMAM−NIPAM(T7)に基づ
いている。
【0228】 それぞれの媒体は、当然トリス−TAPS緩衝液(50mM)および7M尿素を
補足する。これらは、pHが8.2であり、試料の性質および分離条件は、前記
試験で選択されるものと同じである。
【0229】 これらの異なる試験によって、1000mPa.m-1.s-1のオーダーの室温での比
較的穏やかな粘性であるかまたは顕著に低い粘性を有する本発明のいくつかの媒
体は、DNA配列断片が市販の媒体の性能と同等かまたはそれ以上の性能で分離
することを可能にすることが、確認されている。特に5g/100mlのT10で得
られる分離は、わずかに短い時間で、POP6で得られるものよりも顕著に大き
いことが観察されよう。
【0230】 試験4−7 コポリマーとしてコポリマーPAM−NIPAM(T10)を含む媒体のDNA
断片を使用する分離。
【0231】 2g/100mlの濃度で使用されるコポリマーを、トリス−TAPS緩衝液(5
0mM)、2mM EDTAおよびDNAマーカーSYBRグリーンI 10-4と混
合する。毛細管の長さは、15cmであり、そのうち10cmは検出器に至り、そし
て毛細管は、この媒体と共に発生する残留電気浸透を排除するために、100マ
イクロメートルの内径を有する「DB17」型(JWサイエンティフィック(JW scientific))のものである。
【0232】 この特定のケースでは、試料は、マーカーの高分子量標準(ライフテクノロジ
ーズ(Life Technologies))であり、8,271〜48,502塩基対の断片
を有する。注入は1センチメートルあたり100ボルトで5秒間かけて行う。分
離は、+パルスと−パルスの間の非対称が20%であり30Hzの周波数の、±2
00Vの矩形パルスのパルスフィールドで行う。断片の分離は、普通の絡み合っ
たポリマー溶液中での数時間に対して、20分未満で行われる(図8)(Heller
ら, Electrophoresis, 16, 1423-1428 (1995))。
【0233】 試験4−8 本発明の分離媒体の40℃での分離と分離性。
【0234】 試験される媒体は、7M尿素を含有するトリス−TAPS緩衝液(50mM)中
に3g/100mlで溶解された異なる長さ(それぞれT22、T26、T24およ
びT25)のNIPAM巨大モノマーに基づくポリマーを含有する。媒体のpH
は、8.2のオーダーである。使用される試料は、「50BL ラダー(LADDER
)−フルオレセイン」、ファルマシア(Pharmacia)である。
【0235】 ピーク幅に関する結果は、図12に示す。
【0236】 ここから、最も良好な分離(ピーク幅が狭い)は、ポリマーT24により得ら
れるシリーズ(15,000の平均分子量を有する巨大モノマーから調製される
)であり、T25とT26に基づく媒体も、良好な品質の配列決定を行うのに十
分な非常に満足すべき結果を与えることが明らかである。
【0237】 試験4−9 一定温度で本発明の分離媒体を使用する配列の反応産物の分離。
【0238】 試験される媒体は、2mM EDTAと7M尿素を含有する50mM Na TA
PS緩衝液中5g/100mlのT16型のものであり、該媒体は、50℃で毛細管
に導入され、分離も50℃で行われる。ABI310装置を使用する。
【0239】 読み取りが、500塩基を超えるまで非常に良好に行うことができること、お
よびまさにこのケースでは、低温での導入が、本発明の媒体の利用に本質的では
ないことが注目される。この有利な性質は、媒体が熱増粘化型のものであり、従
って分離が行われる温度で、毛細管へのその導入を妨げるであろうゲル型状態を
示さないという事実に由来する。
【0240】 実施例5: PVA−NIPAM(ポリビニルアルコール/ポリ−N−イソプロピルアクリル
アミド)コポリマーの調製。
【0241】 コポリマーの水溶性骨格を構成するポリビニルアルコールは、事前にポリ酢酸
ビニルを加水分解することにより得られる。試験に使用されるポリマーは、12
.4mol%のアセテートレベルおよび145,000g/molの重量平均モル質量を
有する。水中のその固有の粘性は30℃で92ml/gであり、C*鎖をカバーする
ための限界濃度は、約1.25g/100mlである。
【0242】 使用する合成経路は、「グラフティングフロム(grafting from)」型である
。これはNonakaらにより均質媒体として(Y. Nonaka, Y. Ogata, S. Kurihara,
Journal of Applied Polymer Science, vol. 52, 951-957 (1994))、またはIka
daらによりポリ(メタクリル酸メチル)骨格(Y. Ikada, Y. Nischizaki, I. Sa
kwada, J. Polym. Sci., Vol. 12, 1829-1839 (1974))のケースとして報告され
ている。
【0243】 合成は、PVA骨格上にラジカルを生成させるために、ジメチルスルホキシド
(DMSO)中で、過硫酸カリウム(KPS)の存在下で60℃で20時間行わ
れる。次にこれらのラジカルは、媒体中に存在するモノマーの重合を誘導し、最
終生成物へ導く。
【0244】 ケトエノール互変異性の二次反応によるカルボニル基の形成によって、合成の
間有効に観察される黄色が出現する。
【0245】 下記の表3は、本プロトコールで得られるPVA−NIPAMの性状を示す。
【0246】
【表3】
【0247】 b ウルトラスチラゲル(ultrastyragel)カラム(ウォーターズ(Waters)1
50CV+ クロマトグラフ)、屈折率測定による検出およびポリスチレン標準
に対する単一較正を用いて、40℃でTHF中でSECにより測定。 c NMRにより測定。
【0248】 実施例6: 線形トリブロックコポリマーPOP−POE−POPの調製
【0249】 このコポリマーは、J.P. KaczmarskiとJ.E. Glass, Langmuir, 1994, 10, 303
5-3042が報告したプロトコールから得られるプロトコールにより調製する。
【0250】 35,000の分子量を有する約10gのポリエチレングリコール(メルク(
Merck)、ホーヘンブルン(Hohenbrunn)、D)(PEG)および100mlの無
水トルエンをアルゴン雰囲気下で混合する(低分子量ポリオキシエチレン類は一
般に「ポリエチレングリコール」と呼ばれる)。一旦PEGがトルエンに溶解し
たら、混合物をアルゴン下で加熱還流して、約10〜15mlの無水トルエンを留
去する。溶液を室温まで冷却して、120mg(0.2重量%)のジラウリン酸ジ
ブチルスズを溶液に加える。化学量論量のジイソシアン酸イソホロン(128mg
)を5mlの無水トルエンに溶解して、混合物に加える。反応は、赤外吸収スペク
トル分析を用いて視覚化(2260cm-1のイソシアネートバンドの減少を強化す
ることにより)してモニターする。90分経過後、2.4gのポリプロピレング
リコールモノブチルエーテル(Mn400)(PPG)(アルドリッチ(Aldric
h)、ミルウォーキー、米国)を20mlの無水トルエンに溶解して、混合物に滴
下して加える(低分子量ポリオキシプロピレン類は、一般に「ポリプロピレング
リコール」と呼ばれる)。反応を5℃で一晩(約15時間)続ける(イソシアネ
ートバンドは、反応の開始時から低下し、次いで安定化する)。溶液の粘性を低
下させるために、80mlのトルエンを混合物に加え、550mlの石油エーテルを
使用して沈殿させ、4番焼結ガラスでろ過し、過剰の石油エーテルで洗浄して、
真空下で乾燥する。
【0251】 実施例7: PVA−NIPAMコポリマーと線形トリブロックコポリマーPOP−POE−
POPの熱増粘性挙動の測定。
【0252】 使用されるレオメーターは、上記実施例3で使用されるものと同一である。使
用されるPVA−NIPAMは、表3中のものに対応し、線形トリブロックコポ
リマーPOP−POE−POPは、実施例6で調製されるものである。
【0253】 図9では、以下を有する媒体の流動学的挙動を示す:
【0254】 ・50mMトリス−TAPS電解質液に溶解されるそれぞれ4.5重量%のPV
A−NIPAMまたは4.75重量%のPVA(図9a)(PVA−NIPAM
コポリマーは、35℃を超える温度から熱増粘性を示し、これはPVA単独では
示さない)、および
【0255】 ・20℃の温度から急速に濃厚化する、線形トリブロックコポリマーPOP−
POE−POPの熱架橋性(図9b)(また、このグラフには同じ濃度のポリエ
チレングリコールポリマーの流動学的挙動が示される。このケースでは、温度の
関数としての粘性の上昇は観察されない)。
【0256】 実施例8: 実施例5のPVA−NIPAMコポリマーを含む電気泳動分離媒体の分離性。
【0257】 蛍光検出は、実施例4に記載されるものと同じ条件下で行われる。毛細管チャ
ネルに関しては、40cmの全長および30cmの有効長、100μmの内径を持ち
、電気浸透を排除するために、HJERTEN J. Chromatogr., 1985, 347, 191に記載
されるプロセスによりアクリルアミド誘導体で被覆されている。
【0258】 電解質は、4.75g/100mlのPVA−PNIPAMコポリマーと50nMの
トリス−TAPS緩衝液を含んでなる。
【0259】 電場は、1センチメートルあたり200ボルトである。注入は1センチメート
ルあたり200ボルトで10秒間かけて行われる。試料は、ミリQ(MILI Q)水
(ミリポート(Miliport))で1/500希釈されたサイザー50−500、フ
ァルマシアバイオテク(Pharmacia Biotech)である。
【0260】 分離性は、2つの温度、20℃(図10a)および44℃(図10b)で評価
する。分離時間は改善されるが、分離は顕著に上昇せず、このことは疑いもなく
この媒体の44℃で到達する過剰に低い粘性のためである。
【0261】 実施例9: 実施例8のトリブロックコポリマーPOP−POE−POPをコポリマーとして
含む分離媒体の分離性。
【0262】 媒体は、上記実施例7に記載される媒体の推奨条件下で試験した。 得られる結果は、図11に示す。
【0263】 図11aは、対照媒体、すなわち20℃の未修飾ポリエチレングリコールに単
純に基づく媒体の分離性を示す。図11bは、対照媒体と同様に、20℃のコポ
リマーPOP−POE−POPを含む媒体の分離性を示し、そして図11cは、
該コポリマーに基づく媒体ではあるが50℃の分離性を説明する。これは、疑い
もなくその高分子量のため、コポリマーが、室温から、POE単独により得られ
る分離よりも大きな分離を示すことを示しており、しかし50℃に達するとその
性質は再度大きく改善されることを示しており、そして少なくとも2つのLCS
Tを有するブロックを有するブロック型のポリマーも、動電学的分離を行うため
に本発明の状況において有利に使用できることを示している。
【0264】 実施例10: 荷電コポリマーPAAgNIPAM(ポリアクリル酸/ポリ−N−イソプロピル
アクリルアミド)の調製。
【0265】 使用されるポリアクリル酸は、水中12.5g/100mlで溶解している。PA
A500と称されるポリマーは、500,000g/molの重量平均モル質量を有
する(フルカ(Fluka))。
【0266】 PAA500骨格は、pHに感受性である;イオン性カルボキシル官能基は、
4.25pH単位の領域のpK0を有する。
【0267】 1)PAAgNIPAMコポリマーの合成 a)方法 使用する合成経路は、NIPAMの短鎖をポリアクリル酸骨格の小画分のカル
ボン酸官能基上にグラフトすることからなる。これは2つの段階に分類すること
ができる:
【0268】 メタノール中の転移剤AET.HCl(2−アミノエタンチオール塩酸塩)と
開始剤のAIBN(2,2’−アゾビスブチロンニトリル)の存在下で、60℃
で20時間のNIPAMモノマーのラジカル重合による、アミン官能基で終わる
PNIPAMの短鎖(Mw≒2,000g/mol)であるオリゴNIPAMの合成
(この様式の合成は、実施例1のPNIPAM−Aポリマーを調製するために、
水溶液中で使用される方法の代替法である)。
【0269】 既知の長さのオリゴNIPAMは次に、PAA500骨格上にグラフトされる
。ポジイミド開始剤の存在下で酸とアミン官能基を:
【0270】 ・水中60℃で1時間(開始剤 EDC 1,2−ジクロロエタン)、または ・N−メチルピロリドン(NMP)中60℃で24時間(開始剤DCCI ジ
シクロカルボジイミド)のいずれかで 反応。
【0271】 表4は、このプロトコールによる得られるPAAgNIPAMコポリマーの組
成を示す。
【0272】
【表4】
【0273】 実施例11: PAAgNIPAM Iコポリマーの流動学的挙動。
【0274】 温度の関数としての粘性の変化は、上記実施例6と同じ条件下でプロットした
が、剪断勾配100s-1と1分あたり2℃の温度上昇速度を使用した。熱増粘効
果は、PAAgNIPAM Iについて33℃で出現して、65℃まで延長し、
1つの増殖相とこの温度範囲にわたるプラトーの開始を示すのみである。このこ
とは、上記実施例と説明を使用することにより、荷電した親水性骨格と、熱架橋
性を与えるLCSTを有する多数のブロックとを、有するコポリマーを調製でき
ること、およびこれは本発明において使用できることを示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1:5g/100mlの水中の種々のコポリマーPAM−NIPAMとPDM
A−NIPAM、および従来のポリアクリルアミドについての、温度の関数とし
ての粘性の変化。
【図2】 図2:本発明のコポリマーの温度の関数としての粘性の変化。 ・水中のコポリマーPAM−NIPAM T10、0.2M K2CO3緩衝液
と50mM Tris−Taps緩衝液、7M尿素中(DNAの配列決定に使用す
ることができる。)(図2a)、および ・2つの異なる濃度(2および3g/100ml)でのコポリマーPAM−NI
PAM(図2b)。
【図3】 図3:25℃(図3a)と60℃(図3b)での25℃のTRIS−TAPS
緩衝液中2g/100ml溶液中のポリマーPAM−NIPAMに基づく、本発明
の分離媒体中の100〜12,000塩基対のサイズ範囲(「kbラダー」、Li
fe Technologies, Paisley, UK)の2本鎖DNA断片の分離例。
【図4】 図4:20℃(図4a)と50℃(図4b)のポリマーT7に基づいて得られ
た本発明の媒体中の、制限遺伝子断片「PhiX−174−RF DNA Ha
eIIIダイジェスト」の分離を示す電気泳動図。
【図5】 図5:2つの温度(20℃(図5a)と60℃(図5b))でのT21に基づ
く本発明の分離媒体中の、2本鎖DNA断片(100bpフルオレセインルーラー
、バイオラッド(Bio-Rad))の分離例。
【図6】 図6:60℃のTRIS−TAPS緩衝液、7M尿素中の5g/100mlのコ
ポリマーPAM−NIPAM(T10)(図6c)、3g/100mlのPAM−
NIPAM(T10)(図6b)に基づく本発明の媒体、および市販の配列決定
媒体(POP6 Perkin-Elmer)(図6a)で得られた配列の反応生成物の分離
を示す電気泳動図の一部。
【図7】 図7:60℃のTRIS−TAPS緩衝液、7M尿素中の5g/100mlのコ
ポリマーPAM−NIPAM(T10)(図7c)、3g/100mlのPAM−
NIPAM(T10)(図7b)に基づく本発明の媒体、および市販の配列決定
媒体(POP6 Perkin-Elmer)(図7a)で得られた、配列の反応生成物の分
離を示す電気泳動図の一部。
【図8】 図8:60℃でポリマーT10に基づいて得られた本発明の媒体中のパルス電
気泳動による、大きい2本鎖DNA"high Mw markers" (Life Technologies, Pa
isley, GB)の分離を示す電気泳動図。
【図9】 図9:以下についての温度の関数としての粘性の変化: ・コポリマーPVA−NIPAM、ポリマーPVAと比較、および ・5g/100mlの濃度でポリマーPOEと比較したコポリマーPOP−PO
E−POP。
【図10】 図10:2つの温度(20℃(図10a)と40℃(図10b))のPVA−
NIPAMに基づく本発明の分離媒体中の、50〜500bpのサイズ範囲(サイ
ザー50〜500bp、Pharmacia biotech)中の2本鎖DNA断片の分離例。
【図11】 図11:POE(図11a)に基づき、25℃でのPOP−POE−POP(
図11b)に基づき、および45℃でのPOP−POE−POP(図11c)に
基づく、サイザー50〜500bp(Pharmacia biotech)の分離を示す電気泳動
図。
【図12】 図12:LCSTを有するセグメントの平均数と平均長さにより区別すること
ができる、変性媒体(フルオレセイン50bpラダー、Pharmacia Biotech)、本
発明の媒体中の1本鎖DNA断片の一連の分離のバンド幅:小さいバンド幅は、
分離が良好なことに対応する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 27/26 331F C12N 15/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US ,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ビオビィ,ジャン−ルイ フランス国,エフ−75013 パリ,リュ ドゥ レスペランス,26 (72)発明者 ウルデ,ドミニク フランス国,エフ−94360 ブリィ シュ ール マルヌ,リュ デ トゥルナンフ ィ,25 (72)発明者 スュドー,ジャン フランス国,エフ−75013 パリ,アブニ ュ デ ゴベラン,39 Fターム(参考) 4B024 AA20 HA19 4D054 FA10 FB09 FB11

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分離チャネルにおける種の分離のための感熱性媒体であって
    、該媒体は、少なくとも1つのセットのブロックコポリマーが溶解している電解
    質を含み、該ブロックコポリマーは、 ・該電解質中で、温度T1で得られる粘性状態V1から、T1よりも少なくと
    も20℃高い温度T2で得られる、V1より少なくとも100%高い粘性状態V
    2へ可逆的に移行する能力を該媒体に付与するのに十分な濃度で与えられ、そし
    て ・その構造中に、少なくとも ・該電解質中でLCSTを示し、かつその骨格に沿って50より大きい平均
    原子数を有する、2つの非隣接ポリマーセグメントと、 ・温度T1とT2で電解質に可溶性である1つのポリマーセグメント とを含むことを特徴とする、上記媒体。
  2. 【請求項2】 温度T1が、15℃〜30℃であることを特徴とする、請求
    項1に記載の媒体。
  3. 【請求項3】 温度T2が、40℃〜80℃であることを特徴とする、請求
    項1または2に記載の媒体。
  4. 【請求項4】 粘性V2が粘性V1よりも、粘性V1の少なくとも5倍大き
    いことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の媒体。
  5. 【請求項5】 LCSTを有する該セグメントのかなりの部分のLCSTが
    、T1〜T2であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の媒
    体。
  6. 【請求項6】 LCSTを有するすべてのセグメントが、コポリマーの全平
    均モル質量の2%〜25%、好ましくは5〜15%を占めることを特徴とする、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の媒体。
  7. 【請求項7】 LCSTを有するブロックの全部または一部が、その骨格に
    沿って75より大きい平均原子数、または2,500より大きい平均分子量を有
    することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の媒体。
  8. 【請求項8】 該ポリマーの全部または一部が、線形ブロックポリマーの形
    で存在することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の媒体。
  9. 【請求項9】 該ポリマーの全部または一部が、骨格が、温度T1とT2で
    電解質に可溶性である1つまたはそれ以上のセグメントからなる、櫛形コポリマ
    ーの形で存在することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の媒体
  10. 【請求項10】 コポリマーの全部または一部が、2より大きい好ましくは
    5より大きい、LCSTを有するセグメントの鎖あたりの平均数を有することを
    特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の媒体。
  11. 【請求項11】 コポリマーの全部または一部が、30,000より大きい
    分子量、または主骨格に沿って2,000より大きい原子数を有することを特徴
    とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の媒体。
  12. 【請求項12】 コポリマーの全部または一部が、50,000〜3,00
    0,000の分子量、または主骨格に沿って2,500〜100,000の原子
    数を有することを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載の媒体。
  13. 【請求項13】 コポリマーの全部または一部が、可溶性セグメントとLC
    STを有するセグメントとの2個の連続する結合点の間に、可溶性セグメントの
    セクションに沿って、210より大きい平均原子数を有することを特徴とする、
    請求項1〜12のいずれか1項に記載の媒体。
  14. 【請求項14】 請求項1〜13のいずれか1項に記載の媒体であって、該
    LCSTを有するポリマーセグメントの全部または一部が、 ・ポリビニルアルキルエーテル、 ・ヒドロキシアルキルセルロース、 ・エーテルオキシドのホモポリマー、 ・エーテルオキシドのランダムおよびブロックコポリマー、 ・アルキレンホモ−およびコポリマー、並びに ・アクリル酸およびメタクリル酸、アルキルアクリレートおよびメタクリレー
    ト、N−アルキル−アクリルアミドまたは−メタクリルアミド、N’,N−ジア
    ルキル−アクリルアミドまたは−メタクリルアミド、アリール−アクリルアミド
    または−メタクリルアミド、およびアルキルアリール−アクリルアミドまたは−
    メタクリルアミドから選択されるモノマーのホモ重合または共重合から得られる
    ポリアクリル酸誘導体 から選択される1つまたはそれ以上のコポリマーから誘導されることを特徴とす
    る、上記媒体。
  15. 【請求項15】 請求項1〜14のいずれか1項に記載の媒体であって、温
    度T1およびT2で可溶性のポリマーセグメントが、ポリエーテル、ポリエステ
    ル、ポリオキシアルキレンの可溶性ランダムコポリマーおよびホモポリマー、多
    糖類、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリウレタン、ポリアミ
    ド、ポリスルホンアミド、ポリスルホキシド、ポリスチレンスルホネート、該電
    解質に可溶性である置換または非置換ポリアクリルアミドまたはポリメタクリル
    アミドから選択される、少なくとも1つのポリマーからなることを特徴とする、
    上記媒体。
  16. 【請求項16】 請求項1〜15のいずれか1項に記載の媒体であって、コ
    ポリマーが、 ・骨格が、アクリルアミド、アクリル酸、アクリロイルアミノエタノールまた
    はジメタクリルアミドを含む型のものであり、その上に、ポリ(N−アルキルま
    たはN,N−ジアルキル)アクリルアミド型の側枝セグメント、またはランダム
    もしくはブロックのポリオキシエチレン/オキシプロピレンコポリマーもしくは
    ポリオキシプロピレン型の側枝セグメント、またはポリエーテル型の側枝セグメ
    ントがグラフトされている、櫛形コポリマー型のコポリマー、 ・骨格に沿って、交互のポリオキシエチレン型のセグメントとポリオキシプロ
    ピレン型のセグメント、または交互のポリオキシエチレン型のセグメントとポリ
    オキシブチレン型のセグメント、または交互のポリエチレンのセグメントとポリ
    オキシエチレンよりも疎水性の大きなポリエーテル型のセグメントを示す、ブロ
    ックコポリマー型のコポリマー から選択されることを特徴とする、上記媒体。
  17. 【請求項17】 請求項1〜16のいずれか1項に記載の媒体であって、コ
    ポリマーが、 ポリアクリルアミド/ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)(PAM−NI
    PAM);ポリビニルアルコール/ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)(
    PVA−NIPAM)、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレン、ポリアク
    リルアミド/オキシエチレン−オキシプロピレンコポリマー、ポリアクリルアミ
    ド/ポリオキシプロピレン、ポリアクリル酸/ポリオキシプロピレン、ポリアク
    リル酸/オキシエチレン−オキシプロピレンコポリマー、ポリアクリル酸/ポリ
    (N−イソプロピルアクリルアミド)およびポリジメチルアクリルアミド/ポリ
    (N−イソプロピルアクリルアミド)(PDMAM−NIPAM) から選択されることを特徴とする、上記媒体。
  18. 【請求項18】 請求項1〜17のいずれか1項に記載の媒体であって、媒
    体は、15〜30℃の温度T1での50〜1,000mPa.m-1.s-1(SI単位系
    )の粘性V1から、40℃のオーダーまたはこれより高い温度T2でのV1より
    も2〜50倍大きい粘性V2まで移行すること、並びに ・30,000〜2,000,000の平均分子量、または主骨格に沿った1
    ,000〜60,000の原子数、 ・2%〜20%の、LCSTを有するセグメントの重量比、および ・2,000〜20,000の、LCSTを有するセグメントの平均分子量、
    または35〜350の、LCSTを有するセグメントに沿った平均原子数 を有する5g/100ml〜20g/100mlのコポリマーを含むことを特徴とする、
    上記媒体。
  19. 【請求項19】 請求項1〜17のいずれか1項に記載の媒体であって、媒
    体は、15〜30℃の温度T1での100〜10,000mPa.m-1.s-1の粘性V
    1から、40℃のオーダーまたはこれより高い温度T2でのV1よりも2〜10
    0倍大きい粘性V2まで移行すること、並びに ・500,000〜3,000,000の平均分子量、または主骨格に沿った
    7,000〜90,000の原子数、 ・2.5%〜15%の、LCSTを有するセグメントの重量比、および ・4,000〜30,000の、LCSTを有するセグメントの平均分子量、
    または60〜600の、LCSTを有するセグメントに沿った平均原子数 を有する1g/100ml〜8g/100mlのコポリマーを含むことを特徴とする、上
    記媒体。
  20. 【請求項20】 請求項1〜17のいずれか1項に記載の媒体であって、1
    5〜30℃の温度T1での100〜10,000mPa.m-1.s-1(SI単位系)の
    粘性V1から、40℃のオーダーまたはこれより高い温度T2でのV1よりも2
    〜100倍大きい粘性V2まで移行すること、並びに ・500,000より大きい平均分子量、または主骨格に沿った7,000よ
    り大きい原子数、 ・2%〜15%の、LCSTを有するセグメントの重量比、および ・4,000より大きい、LCSTを有するセグメントの平均分子量またはセ
    グメントに沿った90より大きい、LCSTを有する平均原子数 を有する0.1g/100ml〜5g/100mlのコポリマーを含むことを特徴とする
    、上記媒体。
  21. 【請求項21】 該コポリマーが該媒体中に存在し、かつコポリマー濃度が
    20g/100ml未満、好ましくは0.1g/100ml〜8g/100mlであることを
    特徴とする、請求項1〜20のいずれか1項に記載の媒体。
  22. 【請求項22】 中性またはイオン性である、粒子、水溶性ポリマー、非熱
    増粘結合ポリマー、または界面活性剤を含む型のアジュバントをさらに含むこと
    を特徴とする、請求項1〜21のいずれか1項に記載の媒体。
  23. 【請求項23】 分子種または巨大分子種、および特に核酸(DNA、RN
    A、オリゴヌクレオチド)、化学合成もしくは修飾により得られる核酸類似体、
    タンパク質、ポリペプチド、グリコペプチドおよび多糖類のような生物学的巨大
    分子、有機分子、合成巨大分子、または鉱物粒子、ラテックス、細胞もしくは細
    胞小器官のような粒子、から選択される種の分離または分析のための、請求項1
    〜22のいずれか1項に記載の媒体の使用。
  24. 【請求項24】 DNAの配列決定のための、請求項1〜22のいずれか1
    項に記載の媒体の使用。
  25. 【請求項25】 50,000未満の分子量を有する分子、または100個
    未満のヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド、または未変性もしくは変性タン
    パク質を分離するために、請求項18に記載の媒体が使用されることを特徴とす
    る、請求項24に記載の使用。
  26. 【請求項26】 DNA配列の反応の産物、1,000塩基対未満のDNA
    2本鎖、変性タンパク質または20,000〜1,000,000の分子量を有
    する合成もしくは天然ポリマーを分離するために、請求項19に記載の媒体が使
    用されることを特徴とする、請求項24または25に記載の使用。
  27. 【請求項27】 500塩基〜数百万の塩基対の大きさを有するDNA2本
    鎖、またはラテックス、細胞全体、染色体全体もしくは細胞小器官のような粒子
    を分離するために、請求項20に記載の媒体が使用されることを特徴とする、請
    求項24に記載の使用。
  28. 【請求項28】 請求項24〜27のいずれか1項に記載の使用であって、
    以下の: ・分離すべき種の性状に従って該分離媒体を選択する工程; ・この媒体を電気泳動装置の分離チャネルに、その分離媒体を構成するのに十
    分な量で導入する工程(該分離チャネルは、温度T1の範囲の温度で維持される
    ); ・試料の導入の前または後のいずれかに、かなりの割合のチャネルを温度T2
    にする工程; ・ある量の試料を分離チャネルの入口に導入する工程; ・チャネルのサーモスタット調温部においてT2のオーダーの温度で分離を行
    う工程;そして ・当初試料中に含まれる分析物の泳動を検出する工程 を含むことを特徴とする、上記使用。
  29. 【請求項29】 自動化電気泳動装置における、請求項1〜23のいずれか
    1項に記載の媒体の使用。
  30. 【請求項30】 マイクロ流体系における、請求項1〜23のいずれか1項
    に記載の媒体の使用。
  31. 【請求項31】 分離媒体として、請求項1〜23のいずれか1項に記載の
    媒体を含むことを特徴とする、毛細管電気泳動装置。
JP2000592627A 1998-12-30 1999-12-28 分離チャネルにおいて種を分離するための感熱性媒体 Pending JP2002534679A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
FR98/16676 1998-12-30
FR9816676A FR2788008B1 (fr) 1998-12-30 1998-12-30 Milieu thermosensible pour la separation electrocinetique d'especes au sein d'un canal de separation
PCT/FR1999/003304 WO2000040958A1 (fr) 1998-12-30 1999-12-28 Milieu thermosensible pour la separation d'especes au sein d'un canal de separation

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002534679A true JP2002534679A (ja) 2002-10-15
JP2002534679A5 JP2002534679A5 (ja) 2007-03-22

Family

ID=9534715

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000592627A Pending JP2002534679A (ja) 1998-12-30 1999-12-28 分離チャネルにおいて種を分離するための感熱性媒体

Country Status (7)

Country Link
US (1) US6830670B1 (ja)
EP (1) EP1141693A1 (ja)
JP (1) JP2002534679A (ja)
AU (1) AU3048800A (ja)
CA (1) CA2358092C (ja)
FR (1) FR2788008B1 (ja)
WO (1) WO2000040958A1 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004501994A (ja) * 2000-06-30 2004-01-22 アンスティテュ キュリィ 吸着及び/又は電気浸透現象を最小限化する表面処理溶液
JP2006170646A (ja) * 2004-12-13 2006-06-29 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 微細管電気泳動による微生物分離用分離促進剤及び分析装置
JP2016503085A (ja) * 2012-12-21 2016-02-01 ソシエテ・デクスプロワタシオン・デ・プロデュイ・プール・レ・アンデュストリー・シミック・セピックSociete D’Exploitation De Produits Pour Les Industries Chimiques Seppic 感温特徴を有する新規な両性ポリマー

Families Citing this family (31)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8975328B2 (en) 2000-06-30 2015-03-10 Institute Curie Non-thermosensitive medium for analyzing species in a channel and for minimizing adsorption and/or electroosomosic phenomena
FR2811083B1 (fr) 2000-06-30 2002-11-22 Inst Curie Milieu liquide non-thermosensible pour l'analyse d'especes au sein d'un canal
FR2826660B1 (fr) * 2001-06-27 2003-08-15 Seppic Sa Nouveaux polymeres, le procede pour leur preparation, microlatex inverses et latex inverses les contenant et leur utilisation comme thermoepaississant
FR2886301B1 (fr) * 2005-05-25 2010-08-20 Inst Curie Nouveau procede de preparation de copolymeres en peigne hydrosolubles
US7932339B2 (en) 2005-05-25 2011-04-26 Centre National De La Recherche Scientifique Method for producing water-soluble comb-shaped copolymers
NO20053226D0 (no) * 2005-06-30 2005-06-30 Uni I Oslo Fremgangsmate for elektrokinetisk migrasjon.
JP4896135B2 (ja) * 2005-08-26 2012-03-14 ジンテス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 髄核用ヒドロゲルバルーンプロテーゼ
FR2902799B1 (fr) 2006-06-27 2012-10-26 Millipore Corp Procede et unite de preparation d'un echantillon pour l'analyse microbiologique d'un liquide
US8362217B2 (en) 2006-12-21 2013-01-29 Emd Millipore Corporation Purification of proteins
US8163886B2 (en) * 2006-12-21 2012-04-24 Emd Millipore Corporation Purification of proteins
US8569464B2 (en) 2006-12-21 2013-10-29 Emd Millipore Corporation Purification of proteins
EP3543357A1 (en) 2007-05-08 2019-09-25 Trustees of Boston University Chemical functionalization of solid-state nanopores and nanopore arrays and applications thereof
FR2932070B1 (fr) 2008-06-10 2012-08-17 Oreal Ensemble de maquillage et/ou de soin des cils
WO2009151514A1 (en) 2008-06-11 2009-12-17 Millipore Corporation Stirred tank bioreactor
US20100190963A1 (en) * 2008-12-16 2010-07-29 Millipore Corporation Stirred Tank Reactor And Method
FR2940761B1 (fr) 2009-01-07 2012-12-28 Polymerexpert Sa Composition anti-ronflement contenant un polymere thermogelifiant
CA2808576A1 (en) 2009-09-30 2011-04-07 Quantapore, Inc. Ultrafast sequencing of biological polymers using a labeled nanopore
WO2011146394A1 (en) 2010-05-17 2011-11-24 Millipore Corporation Stimulus responsive polymers for the purification of biomolecules
FR2991987B1 (fr) 2012-06-15 2015-07-03 Seppic Sa Nouveau copolymere en peigne et procede pour sa preparation
US10413496B2 (en) 2012-10-15 2019-09-17 L'oreal Aqueous wax dispersions
US10626294B2 (en) 2012-10-15 2020-04-21 L'oreal Aqueous wax dispersions containing volatile solvents
US9408785B2 (en) 2012-10-15 2016-08-09 L'oreal Hair styling compositions containing aqueous wax dispersions
US9651539B2 (en) 2012-10-28 2017-05-16 Quantapore, Inc. Reducing background fluorescence in MEMS materials by low energy ion beam treatment
FR3000077B1 (fr) 2012-12-21 2015-01-09 Seppic Sa Nouveau procede de preparation de polymeres thermo-epaississants et nouveaux copolymeres en peigne
JP6399610B2 (ja) 2013-05-24 2018-10-10 クアンタポール, インコーポレイテッド 混合fret検出を用いたナノポアに基づく核酸の分析
US10561596B2 (en) 2014-04-11 2020-02-18 L'oreal Compositions and dispersions containing particles comprising a polymer
CA2963604C (en) 2014-10-10 2023-02-14 Quantapore, Inc. Nanopore-based polymer analysis with mutually-quenching fluorescent labels
EP3209800B1 (en) 2014-10-24 2022-02-16 Quantapore, Inc. Efficient optical analysis of polymers using arrays of nanostructures
EP3482196B1 (en) 2016-07-05 2022-02-23 Quantapore, Inc. Optically based nanopore sequencing
CN109225175B (zh) * 2018-08-21 2021-07-20 江苏大学 一种磁性复合微球及其制备方法和应用
FR3091996B1 (fr) 2019-01-24 2021-01-29 Les Laboratoires Brothier Composition cicatrisante

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03296657A (ja) * 1990-04-13 1991-12-27 W R Grace & Co 電気泳動用支持体およびそれを用いた電気泳動法
JPH04278452A (ja) * 1991-02-27 1992-10-05 W R Grace & Co 分離回収用電気泳動ゲルおよびそれを用いた分離回収法
JPH04278451A (ja) * 1991-02-27 1992-10-05 W R Grace & Co 分離回収用電気泳動ゲルおよびそれを用いた分離回収法
JPH05133937A (ja) * 1991-10-08 1993-05-28 W R Grace & Co 電気泳動用支持体およびそれを用いた電気泳動法
JPH06273382A (ja) * 1993-03-17 1994-09-30 Mitsuhiro Shimizu 分離回収用電気泳動ゲルおよびそれを用いた分離回収法
WO1997009400A1 (fr) * 1995-09-08 1997-03-13 Rhone-Poulenc Chimie Utilisation en tant qu'agents thermoepaississants de copolymeres multiblocs
WO1998010274A1 (en) * 1996-09-04 1998-03-12 The Research Foundation Of State University Of New York New separation medium and surface treatment for electrophoresis apparatus

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5196099A (en) * 1990-04-13 1993-03-23 W. R. Grace & Co.-Conn. Electrophoretic matrix and electrophoresis using same
US5238545A (en) * 1991-02-27 1993-08-24 W. R. Grace & Co.-Conn. Electrophoretic gel for separation and recovery of substances and its use
FR2694939B1 (fr) * 1992-08-20 1994-12-23 Schlumberger Cie Dowell Polymères thermoviscosifiants, leur synthèse et leurs applications notamment dans l'industrie pétrolière.
US5885432A (en) * 1992-11-05 1999-03-23 Soane Biosciences Un-crosslinked polymeric media for electrophoresis
US5569364A (en) * 1992-11-05 1996-10-29 Soane Biosciences, Inc. Separation media for electrophoresis
US5883211A (en) * 1996-01-19 1999-03-16 Aclara Biosciences, Inc. Thermoreversible hydrogels comprising linear copolymers and their use in electrophoresis

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03296657A (ja) * 1990-04-13 1991-12-27 W R Grace & Co 電気泳動用支持体およびそれを用いた電気泳動法
JPH04278452A (ja) * 1991-02-27 1992-10-05 W R Grace & Co 分離回収用電気泳動ゲルおよびそれを用いた分離回収法
JPH04278451A (ja) * 1991-02-27 1992-10-05 W R Grace & Co 分離回収用電気泳動ゲルおよびそれを用いた分離回収法
JPH05133937A (ja) * 1991-10-08 1993-05-28 W R Grace & Co 電気泳動用支持体およびそれを用いた電気泳動法
JPH06273382A (ja) * 1993-03-17 1994-09-30 Mitsuhiro Shimizu 分離回収用電気泳動ゲルおよびそれを用いた分離回収法
WO1997009400A1 (fr) * 1995-09-08 1997-03-13 Rhone-Poulenc Chimie Utilisation en tant qu'agents thermoepaississants de copolymeres multiblocs
WO1998010274A1 (en) * 1996-09-04 1998-03-12 The Research Foundation Of State University Of New York New separation medium and surface treatment for electrophoresis apparatus

Non-Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN6010000045, Hirokazu Sawada, and Kiyokatsu Jinno, "Capillary Electrophoresis with Linear Polymers Containing Hydrophobic Groups for the Separation of S", The Analyst, 199807, Vol.123, No.7, P.1471−1476 *
JPN6010000048, Lahcen Nabzar, David Duracher, Abdelhamid Elaissari, Guy Chauveteau, and Christian Pichot, "Electrokinetic Properties and Colloidal Stability of Cationic Amino−Containing N−Isopropylacrylamide", Langmuir, 19980901, Vol.14, No.18, P.5062−5069 *
JPN6010000050, Hiroshi Yoshioka, Yuichi Mori, and Eishun Tsuchida, "Crosslinked Poly(N−isopropylacrylamide) Gel for Electrophoretic Separation and Recovery of Substance", Polymers for Advanced Technologies, 199404, Vol.5, No.4, P.221−224 *

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004501994A (ja) * 2000-06-30 2004-01-22 アンスティテュ キュリィ 吸着及び/又は電気浸透現象を最小限化する表面処理溶液
JP2006170646A (ja) * 2004-12-13 2006-06-29 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 微細管電気泳動による微生物分離用分離促進剤及び分析装置
JP4677524B2 (ja) * 2004-12-13 2011-04-27 独立行政法人産業技術総合研究所 微細管電気泳動による微生物分離用分離促進剤及び分析装置
JP2016503085A (ja) * 2012-12-21 2016-02-01 ソシエテ・デクスプロワタシオン・デ・プロデュイ・プール・レ・アンデュストリー・シミック・セピックSociete D’Exploitation De Produits Pour Les Industries Chimiques Seppic 感温特徴を有する新規な両性ポリマー

Also Published As

Publication number Publication date
US6830670B1 (en) 2004-12-14
EP1141693A1 (fr) 2001-10-10
AU3048800A (en) 2000-07-24
CA2358092C (fr) 2007-09-11
WO2000040958A1 (fr) 2000-07-13
FR2788008B1 (fr) 2001-03-23
CA2358092A1 (fr) 2000-07-13
FR2788008A1 (fr) 2000-07-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2002534679A (ja) 分離チャネルにおいて種を分離するための感熱性媒体
US7531073B2 (en) Sparsely cross-linked nanogels: a novel polymer structure for microchannel DNA sequencing
US5290418A (en) Viscous electrophoresis polymer medium and method
Sudor et al. New block‐copolymer thermoassociating matrices for DNA sequencing: Effect of molecular structure on rheology and resolution
US5759369A (en) Viscous electrophoresis polymer medium and method
US9658189B2 (en) Non-thermosensitive medium for analyzing species in a channel and for minimizing adsorption and/or electroosomosic phenomena
US8784627B2 (en) Graft copolymers, their preparation and use in capillary electrophoresis
JP2002534679A5 (ja)
Heller Finding a universal low viscosity polymer for DNA separation (II)
Doherty et al. Sparsely cross‐linked “nanogels” for microchannel DNA sequencing
JP4036392B2 (ja) 選択性の向上した電気泳動ゲル
US9347915B2 (en) Non-thermosensitive medium for analyzing species in a channel and for minimizing absorption and/or electroosomosic phenomena
JP2004501994A (ja) 吸着及び/又は電気浸透現象を最小限化する表面処理溶液
US7037978B2 (en) Quasi-interpenetrating networks used as separation media
CA2538505A1 (en) Quasi-interpenetrating networks used as separation media

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061226

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070130

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100112

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20100409

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20100416

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20101005