JP2002534088A - インスリン合成遺伝子 - Google Patents

インスリン合成遺伝子

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JP2002534088A JP2000592418A JP2000592418A JP2002534088A JP 2002534088 A JP2002534088 A JP 2002534088A JP 2000592418 A JP2000592418 A JP 2000592418A JP 2000592418 A JP2000592418 A JP 2000592418A JP 2002534088 A JP2002534088 A JP 2002534088A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、新規なインスリン合成遺伝子並びにそれらの遺伝子によってコードされるポリペプチドを提供する。また、本発明は発現ベクター、宿主細胞、抗体、アゴニスト及びアンタゴニストを提供する。更に、本発明はインスリン合成に関連する疾患の診断、治療又は予防の方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は、既知のインスリン合成遺伝子との同時発現によって識別される13個
のインスリン合成遺伝子、対応するそれらの遺伝子産物に関する。また、本発明
は、糖尿病及びその合併症等のインスリン合成異常に関連する疾患の診断、予後
、予防、治療及び治療法の評価のためのこれらの生体分子の利用法に関する。
【0002】 (発明の背景) インスリンは、膵臓のランゲルハンス島のβ細胞において産生されるホルモン
である。糖尿病の患者は、インスリンの産生が不十分(I型糖尿病)であるか、
或いはインスリン抵抗性(II型糖尿病)であるため、血糖値が慢性的に正常値よ
りも高い。糖尿病の合併症には、口峡炎、高血圧症、心筋梗塞症、末梢血管疾患
、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性壊死、潰瘍形成及び糖尿病性神経障
害が含まれる(Davidson, M.B. (1998) Diabetes Mellitus, W.B. Saunders, Ph
iladelphia PA)。
【0003】 インスリン合成及びインスリン放出に関与する、即ちそれらを調節する幾つか
の遺伝子が知られる一方で、確認されるべき多くの遺伝子が残されている。現在
未知の遺伝子を同定することによって、診断及び治療の新たな標的が提供され得
る。
【0004】 本発明は、糖尿病及びその合併症等のインスリン合成に関連する疾患並びに膵
臓炎及び膵臓癌等の他の膵臓の疾患の診断、予後、治療、予防及び治療法の評価
に有用な新規な組成物を提供して当業者の要求を満たすものである。遺伝子発現
パターンの解析方法を実行し、既知のインスリン合成遺伝子との同時発現によっ
て新規な13個のインスリン合成関連遺伝子を同定した。
【0005】 (発明の概要) 第1の実施態様において、本発明は複数の生物学的サンプルにおける1又はそ
れ以上の既知のインスリン合成遺伝子と同時発現される遺伝子を含む実質的に精
製されたポリヌクレオチドを提供する。既知のインスリン合成遺伝子の各々は、
インスリン、グルカゴン、Reg1α、Reg1β及びReg関連を含めた再生遺伝子(rege
nerating genes)、リパーゼ、コリパーゼ及びヒトアミリン(islet amyloid poly
peptide)からなる群より選択されることが好ましい。好適実施例には、(a)SE
Q ID NO:1-13のポリヌクレオチド配列;(b)SEQ ID NO:14若しくは15のポリペ
プチド配列をコードするポリヌクレオチド配列;(c)(a)又は(b)のポリ
ヌクレオチド配列に対して少なくとも70%の同一性を有するポリヌクレオチド配
列;(d)(a)、(b)又は(c)のポリヌクレオチド配列と相補的なポリヌ
クレオチド配列;(e)(a)、(b)、(c)又は(d)のポリヌクレオチド
配列の少なくとも10個、好ましくは18個の連続的なヌクレオチドを含むポリヌク
レオチド配列;並びに(f)(a)、(b)、(c)、(d)又は(e)のポリ
ヌクレオチド配列とストリンジェントな条件の下でハイブリダイズするポリヌク
レオチド配列が含まれる。更に、本発明は、前述の任意のポリヌクレオチドを含
む発現ベクター、及びその発現ベクターを含む宿主細胞を提供する。また更に、
本発明は1又はそれ以上の既知のインスリン合成遺伝子と同時発現される遺伝子
の発現の変化に関連する疾患の治療又は予防の方法であって、その疾患を治療又
は予防するために、治療が必要な患者に対して前述のポリヌクレオチドを有効な
量だけ投与する過程を含む治療又は予防の方法を提供する。
【0006】 第2の実施態様において、本発明は複数の生物学的サンプルにおける1又はそ
れ以上の既知のインスリン合成遺伝子と同時発現される遺伝子の遺伝子産物を含
む実質的に精製されたポリペプチドを提供する。既知のインスリン合成遺伝子の
各々は、インスリン、グルカゴン、Reg1α、Reg1β及びReg関連を含めた再生遺
伝子、リパーゼ、コリパーゼ及びヒトアミリンからなる群より選択され得る。好
適な実施例として、(a)SEQ ID NO:14若しくは15のポリペプチド配列;(b)
(a)のポリペプチド配列に対して少なくとも85%の同一性を有するポリペプチ
ド配列;並びに(c)(a)又は(b)のポリペプチド配列の少なくとも6個の
連続的なアミノ酸を含むポリペプチド配列が挙げられる。更に、本発明は、前述
のポリペプチドに対して特異的に結合する抗体を提供し、また1又はそれ以上の既
知のインスリン合成遺伝子と同時発現される遺伝子の発現の変化に関連する疾患
の治療又は予防の方法であって、その疾患を治療又は予防するために、治療が必
要な患者に対してその抗体を有効な量だけ投与する過程を含む治療又は予防の方
法を提供する。
【0007】 別の実施態様において、本発明は、本発明のポリペプチド又はポリヌクレオチ
ドを適切な医薬用担体と共に含む医薬品組成物を提供し、更に1又はそれ以上の
既知のインスリン合成遺伝子と同時発現される遺伝子の発現の変化に関連する疾
患の治療又は予防の方法であって、その疾患を治療又は予防するために、治療が
必要な患者に対してその組成物を有効な量だけ投与する過程を含む治療又は予防
の方法を提供する。
【0008】 更に別の実施態様において、本発明は、1又はそれ以上の既知のインスリン合
成遺伝子と同時発現される遺伝子の発現の変化に関連する疾病若しくは症状の診
断方法を提供する。既知のインスリン合成遺伝子の各々は、インスリン、グルカ
ゴン、再生遺伝子、リパーゼ、コリパーゼ及びヒトアミリンからなる群より選択
される。その方法には、(a)1又はそれ以上の同時発現された遺伝子を含むサ
ンプルを準備する過程と;(b)1又はそれ以上のハイブリダイゼーション複合
体を形成するのに効果的な条件下で、ポリヌクレオチドを同時発現された遺伝子
とハイブリダイズさせる過程と;(c)そのハイブリダイゼーション複合体を検
出する過程と;(d)そのハイブリダイゼーション複合体のレベルを非病変サン
プルにおけるハイブリダイゼーション複合体のレベルと比較する過程であって、
非病変サンプルのハイブリダイゼーション複合体のレベルと比較した場合の病変
サンプルの1又はそれ以上のハイブリダイゼーション複合体のレベルの変化が、
疾病若しくは症状の存在を示すような比較過程とが含まれる。
【0009】 更に、本発明は、前述の任意のポリペプチドに対して特異性を示す抗体、抗体
の断片及びイムノコンジュゲートを提供し、またインスリン合成に関連する疾患
の治療又は予防の方法を提供する。
【0010】 (配列表の簡単な説明) 配列表は、ポリヌクレオチド配列SEQ ID NO:1-13並びにポリペプチド配列SEQ
ID NO:14及び15を含めた例示的なインスリン合成遺伝子の配列を示す。各配列は
、配列番号(SEQ ID NO)及びその配列が最初に同定されたインサイトクローン
番号によって識別される。
【0011】 (発明を実施するための形態) 本明細書において、単数形の「或る」及び「その(この)」の表記は、文脈か
らそうでないことが明らかである場合以外は、複数の意味も含むことに注意され
たい。従って、例えば「或る宿主細胞」の表記には、複数のそのような宿主細胞
が含まれ、「この抗体」の表記は、1またはそれ以上の抗体及び当業者に周知の
それらの等価物なども表している。
【0012】 定義 用語「NSEQ」は、通常はSEQ ID NO:1-13を含めた本発明のポリヌクレオチド配
列を指す。用語「PSEQ」は、通常はSEQ ID NO:14及び15を含めた本発明のポリペ
プチド配列を指す。
【0013】 用語「変異体」は、SEQ ID NO:1-13又はSEQ ID NO:14及び15から分岐した配列
をそれぞれ有するポリヌクレオチド又はポリペプチド何れかを指す。ポリヌクレ
オチド配列の分岐は、例えば1又はそれ以上のヌクレオチドの欠失、付加及び置
換のような変異性の変化に起因し、それはコドンの用法の相違によっても生じ得
る。この種の変化の各々は、単独又は他の変化と組み合わされて、所定の配列に
おいて1又はそれ以上の回数で生じ得る。ポリペプチド変異体には、SEQ ID NO:1
4及び15の少なくとも1つの構造的又は機能的特徴を有する配列が含まれる。
【0014】 用語「断片」は、好ましくは少なくとも20個の核酸の長さ、より好ましくは40
個の核酸の長さ、最も好ましくは60個の核酸の長さを有する核酸配列を指し、そ
れらには、例えばSEQ ID NO:1-13の核酸1-50、100-200、500-700からなる断片が
含まれ得る。また「断片」は、好ましくは少なくとも5個から約15個のアミノ酸
の長さ、最も好ましくは少なくとも10個のアミノ酸の長さを有するポリペプチド
配列であって、例えばSEQ ID NO:14及び15から選択される配列の幾つかの生物活
性又は免疫学的活性を保持するポリペプチド配列を指すこともある。
【0015】 用語「遺伝子」及び「遺伝子配列」は、遺伝子の部分的又は完全なコード配列を指
す。また、その用語は5'又は3'非翻訳領域をも指す。その遺伝子は、センス又は
アンチセンス(相補的な)な配向であり得る。
【0016】 用語「既知のインスリン合成遺伝子」は、インスリン合成に関連する疾患の診断
、治療、予後又は予防に有用であることが事前に確認されている遺伝子配列を指
す。通常これは、他の組織と比較した場合に、既知のインスリン合成転写物に富
む組織において既知の遺伝子がより高いレベルで発現されることを意味する。
【0017】 用語「インスリン合成遺伝子」は、インスリン合成に関連する疾患、特に糖尿病
及びその合併症の診断、治療、予後又は予防に有用な既知のインスリン合成遺伝
子と類似の発現パターンを有する遺伝子配列を指す。
【0018】 用語「実質的に精製」は、天然の環境から取出された核酸配列又はアミノ酸配
列であって、天然にはそれが結合して存在する他の構成成分から単離又は分離さ
れて、少なくとも60%以上、好ましくは75%以上、最も好ましくは90%以上の、そ
の構成要素が除去された核酸配列又はアミノ酸配列である。
【0019】 発明 本発明は、特定の疾患、調節経路、細胞内区画、細胞の種類、組織の種類又は
種属に関連する生体分子を識別する方法を包含する。詳細には、その方法は、イ
ンスリン合成に関連する疾患、特に糖尿病及びその合併症に関連する疾患の診断
、予後、治療、予防及び治療法の評価において有用な遺伝子配列を同定する。
【0020】 その方法は、複数のcDNAライブラリーにおいて発現されるポリヌクレオチドを
最初に同定する過程を含む。同定されたポリヌクレオチドには、既知の機能を有
する遺伝子、即ち、特定の疾病プロセス、細胞内区画、細胞の種類、組織の種類
又は種属において特異的に発現されることが知られている遺伝子が含まれ得る。
更に、ポリヌクレオチドには未知の機能を有する遺伝子が含まれる。そこで、既
知の遺伝子の発現パターンを、未知の遺伝子の発現パターンと比較し、特定の同
時発現確率のしきい値を満たすか否かを決定する。この比較によって、既知の遺
伝子に関して高い同時発現確率を有するポリヌクレオチドのサブセットが同定さ
れ得る。高度な同時発現確率は、0.001未満、より好ましくは0.00001未満の特定
の同時発現確率のしきい値と相関する。
【0021】 ポリヌクレオチドは、以下に限定するものではないが、ヒト、マウス、ラット
、イヌ、サル、植物及び酵母等の真核生物や、細菌及びウイルス等の原核生物の
ような種々の起源において得られたcDNAライブラリーに由来するものである。ま
た、これらのヌクレオチドとしては、以下に限定しないが、発現遺伝子配列断片
(EST)、組み立てポリヌクレオチド配列、及び完全長遺伝子コード領域、イン
トロン、調節配列、5’非翻訳領域及び3’非翻訳領域等の様々な配列から選択さ
れたものが可能である。統計的に有意な解析結果を得るために、そのポリヌクレ
オチドは少なくとも3つのcDNAライブラリーにおいて発現される必要がある。
【0022】 本発明の同時発現解析において用いられるcDNAライブラリーは、血管、心臓、
血球、培養された細胞、結合組織、上皮、ランゲルハンス島、ニューロン、貪食
細胞、胆管、食道、胃腸系、肝臓、膵臓、胎児、胎盤、クロム親和系、内分泌腺
、卵巣、子宮、陰茎、前立腺、精嚢、精巣、骨髄、免疫系、軟骨、筋肉、骨格、
中枢神経系、神経節、神経膠、神経内分泌系、末梢神経系、気管支、喉頭、肺、
鼻、胸膜、耳、目、口、咽頭、外分泌腺、膀胱、腎臓及び尿管等から得られたも
のであり得る。選択されたcDNAライブラリーの数は、ほんの3個程度から10,000
以上までの範囲であり得る。cDNAライブラリーの数は500種以上であることが好
ましい。
【0023】 好適な実施形態において、遺伝子配列は、単一の転写物に由来する組み立てら
れた配列断片のように、関連する配列を反映するために組み立てられる。そのポ
リヌクレオチド配列の組み立ては、以下に限定しないが、EST、伸長物又はショ
ットガン配列等の様々な種類の配列を用いて行われ得る。最も好適な実施態様で
は、そのポリヌクレオチド配列は、"Database and System for Storing, Compar
ing and Displaying Related Biomolecular Sequence Information"、Lincolnら
の米国特許出願第09/276,534号(1999年3月25日出願)に開示されているアルゴ
リズムを用いて組み立てられたヒトの配列に由来するものである(ここで言及す
ることにより本明細書の一部とする)。
【0024】 実験的には、ポリヌクレオチドの特異的発現は、以下に限定しないが、空間的
固定化又はゲル電気泳動法による差異の表示、ゲノムのミスマッチスキャン、表
現の差異(representational difference)の解析、並びに転写映像化(transcript
imaging)による差異の表示等を含めた方法によって評価され得る。更に、特異
的発現はマイクロアレイ技術によって評価することもできる。これらの方法は単
独または組合わせて利用できる。
【0025】 既知のインスリン合成遺伝子は、診断若しくは予後のマーカーとして、或いは
インスリン合成に関連する疾患の治療の標的としての遺伝子の使用に基づき選択
され得る。既知のインスリン合成遺伝子には、インスリン、グルカゴン、再生遺
伝子、リパーゼ、コリパーゼ及びヒトアミリン等が含まれることが好ましい。
【0026】 既知のインスリン合成遺伝子との統計的に有意な同時発現パターンを示す新規
な遺伝子を同定するための手順は以下の通りである。最初に、cDNAライブラリー
において、遺伝子配列が存在するか否かを確認する。その遺伝子に対応する少な
くとも1つのcDNA断片が、そのライブラリーからのcDNAサンプルにおいて検出さ
れた場合にはcDNAライブラリーにその遺伝子が存在し、対応するcDNA断片がその
サンプルにおいて検出されない場合にはその遺伝子は存在しない。
【0027】 第2に、同時発現の偶然の一致の確率を測定する確率論的方法を用いて遺伝子
の同時発現の有意性を評価する。この確率論的方法はフィッシャーの正確確率検
定(Fisher exact test)、χ2検定又はκ検定等であり得る。これらの検定及びそ
の応用例は当業者には周知であり、標準的な統計学のテキストに見ることができ
る(Agresti, A. (1990) Categorical Data Analysis, Johon Wiley & Sons, Ne
w York, NY; Rice (1988) Mathematical Statistics and Data Analysis, Duxbu
ry Press, Pacific Grove CA)。また、複数の他の遺伝子に対する単一の遺伝子
の統計的な結果を補正するために、Bonferroni補正(Rice, 前出, page 384)を
確率論的な方法の1つと組み合わせて利用することができる。好適実施例におい
ては、偶然の一致の確率がフィッシャーの正確確率検定によって測定され、偶然
の一致の確率のしきい値は、0.001未満、より好ましくは0.00001未満に設定され
る。
【0028】 2つの遺伝子A及びBが類似の同時発現パターンを有するか否かを決定するため
に、表1に示すような発生データのベクトルを作成することができる(ここで、
遺伝子が存在する場合を1で表し、存在しない場合を0で表す)。0は遺伝子がそ
のライブラリーにおいて生じなかったことを示し、1は少なくとも1回は遺伝子が
生じたことを示す。
【0029】
【表1】
【0030】 所定の一対の遺伝子について、表1における発生データは2×2の分割表にまと
めることができる。
【0031】
【表2】
【0032】 表2には、合計30のライブラリーにおける遺伝子A及び遺伝子Bについての同時
発生データを示す。そのライブラリーにおいて、遺伝子A及び遺伝子Bは各々10回
発生する。表2には以下の事項、即ち(1)ライブラリーに遺伝子A及び遺伝子B
の両方が存在する回数、(2)ライブラリーに遺伝子A及び遺伝子Bの両方が存在
しない回数、(3)遺伝子Aが存在して遺伝子Bが存在しない回数、(4)遺伝子
Bが存在して遺伝子Aが存在しない回数がまとめられている。左上の数字は、ライ
ブラリーにおいて2つの遺伝子が同時発生した回数であり、右中央の数字はライ
ブラリーにおいて何れの遺伝子も発生しなかった回数である。他方の対角線上の
数字は、一方の遺伝子が発生して他方の遺伝子が発生しなかった回数である。遺
伝子A及び遺伝子Bの両方が存在したのは8回、両方が存在しなかったのは18回、
遺伝子Aが存在して遺伝子Bが存在しなかったのは2回、遺伝子Bが存在して遺伝子
Aが存在しなかったのは2回である。フィッシャーの正確確率検定を用いて計算さ
れた、上述の相関が偶然の一致によって起こる確率(P値)は0.0003である。相
関は、通常P値が0.01未満の場合に有意であると考えられる(Agresti, 前出; Ri
ce, 前出)。
【0033】 2つの遺伝子の同時発現の確率を評価するこの方法は、幾つかの仮定に基づい
ている。この方法では、ライブラリー同士が独立で同様にサンプリングされるこ
とを仮定している。しかしながら、2つ以上のライブラリーが一人の患者又は1つ
の組織から得られた可能性があるので、実際には選択されたcDNAライブラリーは
完全に独立ではない。また、各ライブラリーからは異なる数(一般的にはライブ
ラリー当たり5,000個から10,000個)のcDNAが配列決定され得るので、それらは
全く同様にサンプリングされたものではない。更に、フィッシャーの正確確率検
定による同時発現確率が41,419の他の遺伝子に対する各遺伝子について計算され
るので、多数の統計的検定に対するBonferroniの補正が必要である。
【0034】 本発明の方法を用いて、インスリン合成に特異的な既知の遺伝子と強い関連性
を示す、或いは同時発現する13個の新規な遺伝子を同定した。これらの既知のイ
ンスリン合成遺伝子には、インスリン、グルカゴン、再生遺伝子、リパーゼ、コ
リパーゼ及びヒトアミリンが含まれる。表5に示す結果は、13個の新規な遺伝子
の発現が、既知のインスリン合成遺伝子の発現と直接的又は間接的に関連するこ
とを示している。従って、その新規な遺伝子は、インスリン合成に関連する疾患
の診断、治療、予後若しくは予防又はそれらの疾患の治療法の評価に利用できる
可能性がある。更に、その13個の新規な遺伝子の遺伝子産物は、インスリン合成
に関連するそれらの疾患の治療の標的及び治療用タンパク質であり得る。
【0035】 従って、一実施形態において、本発明はSEQ ID NO:1-13の配列を含むポリヌク
レオチド配列を包含する。これらの13個のポリヌクレオチドは、本発明の方法に
よって互いに、或いは既知のインスリン合成遺伝子と強い同時発現の関連性を有
することが示されている。また、本発明は、そのポリヌクレオチド配列の変異体
、相補配列、又は前述の配列における18個の連続するヌクレオチドを含む。一般
的に、変異体ポリヌクレオチド配列はNSEQに対して少なくとも約70%、より好ま
しくは少なくとも約85%、最も好ましくは少なくとも約95%のポリヌクレオチド配
列同一性を有する。
【0036】 変異体を特定するための1つの好適な方法では、NSEQ及び/又はPSEQ配列を用
いて、GenBankの霊長類(pri)、げっ歯類(rod)、哺乳類(mam)、脊椎動物(
vrtp)及び真核生物(eukp)データベースや、SwissProt、BLOCKS(Bairoch, A.
ら (1997) Nucleic Acids Res. 25:217-221)、PFAM並びに以前に同定された注
釈付きのモチーフ、配列及び遺伝子の機能が含まれている他のデータベースを検
索する。二次構造のギャップペナルティを伴う一次配列パターンを検索する方法
(Smith, T. et al. (1992) Protein Engneering 5:35-51)と共にBLAST(Basic
Local Alignment Search Tool; Altschul (1993) J. Mol. Evol 36:290-300;
及びAltschulら (1990) J. Mol. Biol. 215:403-410)、BLOCKS(Henikoff S.及
びHenikoff G.J. (1991) Nucleic Acids Research 19:6565-6572)、隠れマルコ
フモデル(HMM; Eddy (1996) Cur. Opin. Str. Biol. 6:361-365; 及びSonnhamm
er, E.L.L. et al. (1997) Proteins 28:405-420)等のアルゴリズムを用いてヌ
クレオチド及びアミノ酸配列を操作および解析することができる。これらのデー
タベース、アルゴリズム及び他の方法は当業者には周知のものであり、Ausubel,
F. M. ら(1997; Short Protocols in Molecular Biolocy, John Wiley & Sons
, New York , NY )及びMeyers, R.A.(1995; Molecular Biology and Biotechn ology , Wiley VCH, Inc, New York, NY, p.856-853)によって開示されている。
【0037】 また、本発明の範囲に含まれるものには、ストリンジェントな条件の下でSEQ
ID NO:1-13、及びそれらの断片とハイブリダイズ可能なポリヌクレオチド配列が
ある。ストリンジェントな条件は、塩濃度、温度及び他の化学物質ならびに当業
者に周知の条件によって規定され得る。詳細には、ストリンジェンシーは、塩濃
度を低下させるか、或いはハイブリダイゼーション温度を上昇させることによっ
て増大し得る。
【0038】 例えば、ストリンジェントな塩濃度は、通常約750mM未満のNaCl及び75mM未満
のクエン酸三ナトリウム、好ましくは約500mM未満のNaCl及び50mM未満のクエン
酸三ナトリウム、最も好ましくは約250mM未満のNaCl及び25mM未満のクエン酸三
ナトリウムである。ストリンジェントな温度条件は、通常は少なくとも約30℃、
より好ましくは少なくとも約37℃、最も好ましくは少なくとも約42℃の温度であ
る。例えばハイブリダイゼーション時間、界面活性剤又は溶媒の濃度並びにキャ
リアDNAの有無等の付加的なパラメータを変更することは当業者には周知である
。これらの条件についての更なる改変は、当業者には容易に明白であろう(Wahl
, G.M. and S.L. Berger (1987) Methods Enzymol. 152:399-407; Kimmel, A.R.
(1987) Methods Enzymol. 152:507-511; Ausubel, F.M. et al. (1997) Short Protocols in Molecular Biology , Jobn Wiley & Sons, New York NY; and
Sambrook, J. et al. (1989) Molecular Cloning. A Laboratory Manual, Cold
Spring Harbor Press, Plainview NY)。
【0039】 NSEQ或いはPSEQをコードするポリヌクレオチド配列を、部分的なヌクレオチド
配列を利用して当業者に周知の種々のPCRをベースにした方法を用いて伸長させ
、プロモーター及び調節エレメントのような上流の配列を検出することが可能で
ある(例えば、Dieffenbach, C.W. and G.S. Dveksler (1995) PCR Primer, a L aboratory Manual , Cold Spring Harbor Press, Plainview, NY; Sarkar, G. (1
993) PCR Methods Applic. 2:318-322; Triglia, T. et al. (1988) Nucleic Ac
ids Res. 16:8186); Lagerstrom, M. et al. (1991) PCR Methods Applic. 1:11
1-119; 及びParker, J.D. et al. (1991) Nucleic Acids Res. 19:3055-306を参
照)。更に、PCR法、入れ子プライマー(nested primers)及びPROMOTERFINDERラ
イブラリー(Clontech, Palo Alto CA)を用いてゲノムDNA内歩行を行うことが
できる。この方法ではライブラリーをスクリーニングする必要がなく、イントロ
ン/エクソン接合部を発見するのに有用である。全てのPCRをベースにした方法
に対して、OLIGO 4.06 Primer Analysis software(National Biosciences, Ply
mouth MN)のような市販のソフトウェアや他の適切なプログラムを用いて、約18
〜30個のヌクレオチドの長さで、GC含量が約50%以上で、且つ約68〜72℃の温度
で鋳型にアニールするようにプライマーを設計することができる。
【0040】 本発明の別の実施態様において、NSEQ或いはPSEQをコードするポリヌクレオチ
ド配列を組換えDNA分子にクローン化することにより、適切な宿主細胞内におけ
るPSEQ或いはNSEQによってコードされるポリペプチド、又はそれらの構造的若し
くは機能的断片の発現を誘発することができる。遺伝暗号固有の縮重のために、
実質的同一又は機能的に等価なアミノ酸配列をコードする他のDNA配列が生成さ
れる可能性があり、これらをPSEQ或いはNSEQによってコードされるポリペプチド
を発現させるために用いることができる。本発明のヌクレオチド配列は、種々の
目的でそのヌクレオチド配列を改変するために当業者に周知の方法を用いて組み
換えることができる。その目的には、以下に限定しないが、遺伝子産物の発現、
クローニング及びプロセシングの改変等が含まれる。無作為断片化によるDNAシ
ャッフリングや遺伝子の断片および合成オリゴヌクレオチドのPCR再構築を利用
してヌクレオチド配列を操作することができる。例えば、オリゴヌクレオチド媒
介の部位特異的突然変異誘発を利用して、新たな制限部位の生成、グリコシル化
パターンの変更、コドン選好の変更、スプライスバリアントの生成等を行う突然
変異を導入することができる。
【0041】 NSEQによってコードされる生物学的に活性なポリペプチドを発現させるために
、NSEQ或いはPSEQをコードするポリヌクレオチド配列又はそれらの誘導体を適切
なベクター(即ち、適切な宿主内の挿入されたコード配列の転写及び翻訳の調節
に必要な配列を含むベクター)に挿入することができる。これらの要素には、例
えば、ベクターにおける、またNSEQ或いはPSEQをコードするポリヌクレオチド配
列におけるエンハンサー、構成的及び誘導的プロモーター、並びに5’及び3’非
翻訳領域等の調節配列が含まれる。当業者に周知の方法を用いて、NSEQ或いはPS
EQをコードするポリヌクレオチド配列、及び適切な転写及び翻訳の調節領域を含
む発現ベクターを作製することができる。これらの方法には、in vitroでの組換
えDNA技術、合成技術、並びにin vivoでの遺伝子組換え等が含まれる(例えば、
Sambrook, 前出,及びAusuhel, 前出を参照)。
【0042】 種々の発現ベクター/宿主細胞系を利用してNSEQ或いはPSEQをコードするポリ
ヌクレオチド配列を導入して発現させることができる。これらには、以下に限定
しないが、組換えバクテリオファージ、プラスミド、又はコスミドDNA発現ベク
ターで形質転換された細菌のような微生物や、酵母発現ベクターで形質転換され
た酵母や、ウイルスの発現ベクター(バキュロウイルス)を感染させた昆虫細胞
系や、ウイルスの発現ベクター、カリフラワーモザイクウイルス(CaMV)若しく
はタバコモザイクウイルス(TMV)、又は細菌の発現ベクター(Ti又はpBR322プ
ラスミド)で形質転換した植物細胞系や、或いは動物細胞系等が含まれる。本発
明は、用いられる宿主細胞によって限定されるものではない。哺乳類系における
組換えタンパク質の長期間にわたる産生のためには、細胞株におけるNSEQによっ
てコードされるポリペプチドの安定した発現が望ましい。例えば、ウイルスの複
製開始点や内在性の発現エレメント及び選択マーカー遺伝子を同一又は別個のベ
クター上に含み得る発現ベクターを用いて、NSEQ或いはPSEQをコードする配列を
細胞株に形質転換することができる。
【0043】 一般に、NSEQを含んでPSEQを発現する宿主細胞は、当業者に周知の種々の方法
によって同定することができる。これらの方法には、以下に限定しないが、DNA
−DNA又はDNA−RNAハイブリダイゼーション、PCR増幅、並びに核酸もしくはタン
パク質配列の検出や定量を行うための、膜、溶液若しくはチップに基づく技術を
含むタンパク質バイオアッセイ又はイムノアッセイ技術等が含まれる。特異的ポ
リクローナル抗体又はモノクローナル抗体の何れかを用いてPSEQの発現を検出お
よび測定するための免疫学的方法は当業者には周知である。このような技術の例
としては、酵素結合免疫測定法(ELISA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)及び蛍
光表示式細胞分取器法(FACS)等が挙げられる。
【0044】 NSEQ或いはPSEQをコードするポリヌクレオチド配列で形質転換した宿主細胞を
、そのタンパク質を発現させて培地から回収するのに適した条件下で培養するこ
とができる。形質転換された細胞によって産生されるタンパク質は、使用される
配列やベクターに応じて分泌されるか或いは細胞内に保持され得る。当業者には
理解されるように、NSEQ或いはPSEQをコードするポリヌクレオチドを含む発現ベ
クターを、原核細胞もしくは真核細胞の細胞膜を通してPSEQ或いはNSEQによって
コードされるポリペプチドの分泌を誘導するシグナル配列を含むように設計する
ことができる。
【0045】 更に、発現されるタンパク質を望ましい型にプロセシングする能力や挿入され
た配列の発現を調節する能力を得るために宿主細胞株を選択することができる。
そのようなポリペプチドの修飾には、以下に限定しないが、アセチル化、カルボ
キシル化、グリコシル化、リン酸化、脂質化及びアシル化等が含まれる。タンパ
ク質の「プレプロ」部分を切り離す翻訳後プロセシングを利用して、タンパク質
のターゲティング、フォールディング及び/又は活性を特定することができる。
翻訳後の活性のための特定の細胞装置及び特徴的な機構を有する種々の宿主細胞
(例えばCHO、HeLa、MDCK、HEK293、及びWI38)は、American Type Culture Col
lection(ATCC, Bethesda, MD)から入手可能であり、外来タンパク質の正確な
修飾やプロセシングを確実にするように選択することができる。
【0046】 本発明の別の実施形態では、天然の、修飾した、或いは組み換え型のNSEQ或い
はPSEQをコードする核酸配列を異種の配列に連結し、前述の任意の宿主系におい
て異種のタンパク質部分を含む融合タンパク質の翻訳が行われるようにする。そ
のような異種のタンパク質の部分によって、市販のアフィニティマトリクスを用
いる融合タンパク質の精製が容易となる。そのような部分には、以下に限定しな
いが、グルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)、マルトース結合タンパク質(
MBP)、シオレドキシン(Trx)、カルモジュリン結合ペプチド(CBP)、6-His、
FLAG、c-myc、赤血球凝集素(HA)及びモノクローナル抗体のエピトープ等が含
まれる。
【0047】 別の実施例においては、NSEQ或いはPSEQをコードする配列の全体又は一部を当
業者に周知の化学的方法を用いて合成する(例えば、Caruthers, M.H. et al. (
1980) Nucl. Acids Symp. Ser. (7):215-223; Homら (1980) Nucl. Acids Symp.
Ser. (7):225-232;及びAusubel, 前出を参照)。別法では、PSEQ或いはNSEQに
よってコードされるポリペプチド配列自体、又はその断片を化学的方法を用いて
合成できる。例えば、ペプチドの合成は種々の固相技術を用いて実施することが
できる(Roberge, J.Y. et al. (1995) Science 269:202-204)。また、ABI 431
A Peptide Synthesizer (PE Biosystems, Foster City CA)を用いて合成を自
動化することができる。更に、PSEQ或いはNSEQによってコードされるアミノ酸配
列、又はそれらの任意の一部を、直接の合成の際に改変し、且つ/又は他のタン
パク質又はその任意の一部の配列と結合させて、ポリペプチド変異体を生成する
ことができる。
【0048】 別の実施例において、本発明は、SEQ ID NO:14及び15又はそれらの断片からな
る群から選択されたアミノ酸配列を含む実質的に精製されたポリペプチドを包含
する。
【0049】 診断及び治療 これらの遺伝子の配列は、インスリン合成に関連する疾患、特に糖尿病及びそ
の合併症の診断、予後、治療、予防及び治療法の評価において用いられ得る。
【0050】 一好適実施例において、NSEQのポリヌクレオチド配列或いはPSEQをコードする
ポリヌクレオチドを診断の目的で用いて、PSEQの存在の有無及び過剰発現を決定
する。このポリヌクレオチドは、少なくとも18個のヌクレオチドの長さであり、
相補的なRNA及びDNA分子、分岐した核酸、並びにペプチド核酸(PNA)であり得
る。別法では、そのポリヌクレオチドを用いて、PSEQ或いはNSEQによってコード
されるポリペプチドの発現が疾病と相関性を有するサンプルにおいて遺伝子発現
を検出および定量する。更に、NSEQ或いはPSEQをコードするポリヌクレオチドを
用いて、疾病に関連する遺伝子の多型を検出することができる。これらの多型は
、転写物cDNA又はゲノムレベルで検出され得る。
【0051】 そのプローブの特異性、つまりそのプローブが高度に特異的な領域(例えば、
5’調節領域)、或いは特異性の低い領域(例えば、保存されたモチーフ)の何
れから作られたかということ、並びにハイブリダイゼーション若しくは増幅の(
最大の、高度の、中程度の、或いは低い)厳密性によって、そのプローブが自然
発生のPSEQをコードする配列のみを識別するか、アレル変異体や関連する配列も
識別するものであるかが決定される。
【0052】 また、プローブは関連する配列の検出にも用いられ、NSEQ或いはPSEQコード配
列の何れかと少なくとも70%の配列同一性を有することが好ましい。
【0053】 PSEQをコードするDNAに対して特異的なハイブリダイゼーションプローブを作
製するための手段には、mRNAプローブを作製するためにNSEQ或いはPSEQをコード
するポリヌクレオチド配列をベクターにクローン化する方法が含まれる。そのよ
うなベクターは当業者には周知のものであって市販されており、また適切なRNA
ポリメラーゼ及び適切な標識されたヌクレオチドを付加することによってin vit ro でのRNAプローブの合成に用いることができる。ハイブリダイゼーションプロ
ーブは、種々のリポーター分子(例えば、32P又は35Sのような放射性核種)、又
はアビジン/ビオチン結合系によってプローブに結合するアルカリホスファター
ゼのような酵素標識、蛍光性の標識等によって標識され得る。PSEQをコードする
ポリヌクレオチド配列を、患者の組織や体液を用いるサザンブロット若しくはノ
ーザンブロット法、ドットブロット法、又は他の膜をベースにした技術や、PCR
技術や、マイクロアレイにおいて用いてPSEQの発現の変化を検出することができ
る。このような定性的または定量的方法は当業者には周知である。
【0054】 NSEQ或いはPSEQをコードするヌクレオチド配列を標準的な方法によって標識し
、ハイブリダイゼーション複合体の形成に適した条件下で、患者からの体液また
は組織サンプルに付加することができる。適当なインキュベーション時間の経過
後に、サンプルを洗浄し、シグナルを定量して標準値(通常は、非病変サンプル
から得られる)と比較する。患者のサンプルにおけるシグナルの量が標準値と比
較して有意差がある場合には、サンプルにおけるNSEQのヌクレオチド配列或いは
PSEQをコードするヌクレオチド配列の濃度変化が関連する疾病の存在を示す。ま
た、そのようなアッセイは、動物実験、臨床試験における特定の治療的処置の有
効性を評価するために、或いは個々の患者の治療のモニタリングのために用いる
こともできる。
【0055】 一旦疾病の存在が確認されて治療プロトコルが開始されると、ハイブリダイゼ
ーション又は増幅アッセイを規則的に繰返し、患者における発現レベルが健康な
被験者において観察されるレベルに近付き始めたか否かを判定することが可能で
ある。継続的なアッセイから得られる結果を用いて、数日間から数ヶ月にわたる
期間において治療の有効性が示される。
【0056】 そのポリヌクレオチドを、インスリン合成に関連する種々の疾患、特に膵炎及
び膵癌並びに糖尿病及びその合併症(限定はしないが、口峡炎、高血圧症、心筋
梗塞症、末梢血管疾患、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性壊死、潰瘍形
成及び糖尿病性神経障害を含む)等の膵臓の疾患の診断に用いることができる。
【0057】 また、そのポリヌクレオチドをマイクロアレイにおける標的として用いること
ができる。マイクロアレイを用いて、多くの遺伝子の発現レベルを同時にモニタ
リングし、且つスプライスバリアント、変異及び多型を同定することができる。
この情報は、遺伝子の機能の決定、疾病の遺伝的基礎の理解、疾病の診断、並び
に治療薬の開発及びその作用のモニタリングのために用いることができる。
【0058】 更に別の実施態様では、ポリヌクレオチドを用いて、自然発生のゲノムの配列
のマッピングに有用なハイブリダイゼーションプローブを作製することができる
。蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)は、他の物理的染色体マッピン
グ技術及び遺伝子地図データと相関し得る(例えば、Heinz-Ulrich,ら (1995) i
n Meyers, 前出, pp.965-968)。マイクロアレイを用いてゲノムレベルで遺伝子
多様性を検出することができる。
【0059】 別の実施例においては、PSEQに特異的に結合する抗体又は抗原結合部位を含む
抗体の断片を、PSEQ或いはNSEQによってコードされるポリペプチドの過剰または
過少の発現によって特徴付けられる疾病の診断に用いることができる。ELISA、R
IA及びFACSを含めたPSEQ或いはNSEQによってコードされるポリペプチドを測定す
るための種々プロトコルが当業者には周知であり、このプロトコルはPSEQ或いは
NSEQによってコードされるポリペプチドの発現レベルの変化若しくは異常を診断
するための基礎となる。PSEQの発現の標準値は、複合体形成に適した条件下で健
康な被験者(好ましくはヒト)から採取された体液又は細胞抽出物とPSEQ或いは
NSEQによってコードされるポリペプチドとを結合させることによって確定される
。複合体形成量は、種々の方法(好ましくは測光手段)によって定量化すること
ができる。例えば生検組織からの疾病標本において発現されるPSEQ或いはNSEQに
よってコードされるポリペプチドの量が標準値と比較される。標準値と患者の値
の偏差によって、疾病の診断又はモニタリングのためのパラメータが確立される
。或いは、PSEQ或いはNSEQによってコードされるポリペプチドに結合可能な中和
抗体がポリペプチドとの結合に対して試験化合物と競合する競合的薬物スクリー
ニングアッセイを用いることができる。抗体を用いてPSEQ或いはNSEQによってコ
ードされるポリペプチドと1又はそれ以上の抗原決定基を共有する任意のペプチ
ドの存在を検出することができる。
【0060】 別の実施態様では、本発明のポリヌクレオチド及びポリペプチドを、インスリ
ン合成に関連する疾患の治療又は治療のモニタリングに用いることが可能である
。NSEQのポリヌクレオチド或いはPSEQをコードするポリヌクレオチド、又はそれ
らの任意の断片若しくは相補的分子を治療の目的で用いることができる。一実施
態様において、NSEQのポリヌクレオチド或いはPSEQをコードするポリヌクレオチ
ドに相補的な分子を、mRNAの転写又は翻訳を阻止することが望ましい状況で用い
ることができる。
【0061】 レトロウイルス、アデノウイルス、又はヘルペス若しくはワクシニアウイルス
由来の発現ベクター、又は種々の細菌のプラスミド由来の発現ベクターを、標的
とする器官、組織又は細胞集団へのヌクレオチド配列の送達のために用いること
ができる。当業者に周知の方法を用いて、PSEQコードするポリヌクレオチドに相
補的な核酸配列を発現するベクターを作製することができる(例えば、Sambrook
, 前出; 及びAusubel, 前出を参照)。
【0062】 PSEQをコードするポリヌクレオチド又はその断片を高レベルで発現するベクタ
ーで細胞又は組織を形質転換することによって、NSEQ或いはPSEQをコードするポ
リヌクレオチド配列を有する遺伝子を作製することができる。そのような作製物
を用いて翻訳不可能なセンス又はアンチセンス配列を細胞に導入することができ
る。転写開始部位(例えば、開始部位の概ね−10〜+10の範囲にある領域)に由
来するオリゴヌクレオチドが好ましい。同様に、三重らせん塩基対形成法を用い
て阻害を実行することができる。三重らせん体が、ポリメラーゼ、転写制御因子
、又は調節分子の結合に十分なだけの二重らせんを開放する能力を阻害するため
、三重らせん対合は有用である。三重らせんDNAを用いる最近の治療の進歩が文
献に開示されている(例えば、Gee, J.E. et al. (1994) In: Huber, B.E. Carr
, Molecular and Immunolocic Anoroaches, Futura Publishing Co., Mt. Kisco
NY, pp. 163-177を参照)。
【0063】 また、酵素性RNA分子であるリボザイムを用いて、mRNAの切断を触媒し、本発
明のポリヌクレオチド配列に含まれるmRNAのような特定のmRNAのレベルを低下さ
せることができる(Rossi, 1994, Current Biology 4:469-471を参照)。リボザ
イムは、特定の切断部位でmRNAを切断する。或いは、リボザイムは、標的mRNAと
相補的な塩基対を形成するフランキング領域によって指定された位置でmRNAを切
断し得る。リボザイムの作製及び産生については周知であり、Meyers(前出)ら
によって開示されている。
【0064】 RNA分子を修飾して細胞内での安定性を高めたり半減期を増大させることがで
きる。可能な修飾には、以下に限定しないが、その分子の5’及び/又は3’末端
における隣接配列の付加や、分子のバックボーン内においてホスホジエステラー
ゼ結合ではなくホスホロチオネート若しくは2’O-メチルを使用することなどが
含まれる。或いは、内在性エンドヌクレアーゼにより容易に認識されないアデニ
ン、シチジン、グアニン、チミン及びウリジンのアセチル−、メチル−、チオ−
及び類似の修飾形態だけでなく、イノシン、クエオシン(queosine)及びワイブト
シン(wybutosine)等の新しい塩基が含まれ得る。
【0065】 或いは、本発明のポリヌクレオチドを、体細胞又は生殖細胞の遺伝子治療によ
って遺伝子に組込むことができる。細胞または組織内にベクターを導入するため
の多くの方法が利用可能であり、それらは同様にin vivoin vitro及びex vivo での使用にも適している。ex vivo治療の場合、ベクターを患者から採取した幹
細胞に導入して、同じ患者に戻す自家移植用にクローンとして増殖させる。また
、形質移入、リポソーム注入、又はポリカチオンアミノポリマーによる送達は、
当業者に周知の方法を用いて行うことができる(例えば、Goldman, C.K. et al.
(1997) Nature Biotechnology 15:462-466を参照)。
【0066】 更に、内因性のポリヌクレオチドの発現は、標的配列位置に不活性な遺伝子配
列を挿入する相同的組換え法を用いて不活性化され得る(Thomas and Capeochi
(1987) Cell 51: 503-512を参照)。
【0067】 更に、PSEQの発現若しくは活性の増大に関するインスリン合成に関連する疾患
の治療又は予防のために、抗体、又はPSEQ或いはNSEQによってコードされるポリ
ペプチドに特異的に結合する抗原結合部位を含む抗体或いはアンタゴニストの断
片を患者に投与することができる。そのポリペプチドに特異的に結合する抗体又
はその断片をアンタゴニストとして直接的に用いるか、或いはそのポリペプチド
を発現する細胞や組織に薬物を送達するためのターゲティング又は送達機構とし
て間接的に用いることができる。アンタゴニスト或いは抗体の抗原結合部位を有
するポリペプチドを含むイムノコンジュゲート(immunoconjugate)並びに治療薬
が、そのような疾患の治療若しくは予防が必要な患者に投与され得る。その治療
薬は、限定はしないが、アブリン、リシン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、
タキソール、臭化エチジウム、マイトマイシン、エトポシド、tenoposide、ビン
クリスチン、ビンブラスチン、コルヒチン、ジヒドロキシアントラシンジオン(d
ihydroxy anthracin dione)、アクチノマイシンD、ジフテリア毒素、シュードモ
ナス(Pseudomonas) エキソトキシンA及び40、放射性同位元素並びに糖質コルチ
コイドからなる群より選択される細胞毒性物質であり得る。
【0068】 PSEQに対する抗体も当業者に周知の方法を用いて産生することができる。この
ような抗体には、以下に限定しないが、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗
体、キメラ抗体、一本鎖抗体、Fabフラグメント、並びにFab発現ライブラリーに
より作られるフラグメントが含まれる。中和抗体(即ち、二量体形成を阻害する
もの)は治療の用途に特に好適である。PSEQに対するモノクローナル抗体は、培
地内の持続性の細胞系によって抗体分子を産生する任意の技術を用いて作製する
ことができる。このような技術には、以下に限定しないが、ハイブリドーマ技術
、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術及びEBV−ハイブリドーマ技術等が含まれる。更
に、キメラ抗体の産生のために開発された技術を用いることが可能である(例え
ば、Myers, 前出を参照)。或いは、一本鎖抗体の産生のために開発された技術
を用いることができる。PSEQ或いはNSEQによってコードされるポリペプチド配列
に対する特異的結合部位を含む抗体断片を生成することもできる。
【0069】 所望の特異性を有する抗体を同定するスクリーニングのために、種々のイムノ
アッセイを用いることができる。確立された特異性を有するポリクローナル抗体
またはモノクローナル抗体の何れかを用いる競合的結合アッセイ又は免疫放射線
アッセイのための多くのプロトコルが当業者には周知である。
【0070】 更に、前記ポリペプチドの発現若しくは活性の増大又は低下に関連する疾患の
治療又は予防のために、PSEQ或いはNSEQによってコードされるポリペプチドのア
ゴニストを患者に投与することができる。
【0071】 本発明の別の実施態様は、前述の全ての治療効果のために、医薬上許容される
担体と共に医薬品組成物又は滅菌組成物を投与することに関連する。このような
医薬品組成物は、PSEQ或いはNSEQによってコードされるポリペプチド、ポリペプ
チドに対する抗体、及び擬態物(mimetics)、アゴニスト、アンタゴニスト又はイ
ンヒビターからなるものであり得る。その組成物は、単独で投与するか、或いは
例えば任意の無菌の生体適合性の医薬用担体で投与され得る安定化剤のような少
なくとも1以上の他の薬剤と組み合わせて投与することができる。そのような医
薬用担体には、以下に限定しないが、生理食塩水、緩衝食塩水、ブドウ糖及び水
が含まれる。その組成物は、単独か、或いは他の薬剤、薬物若しくはホルモンと
組み合わせて患者に投与され得る。
【0072】 本発明で用いられる医薬品組成物は、以下に限定しないが、経口投与、静脈内
投与、筋内投与、動脈内投与、髄内投与、くも膜下内投与、心室内投与、経皮投
与、皮下投与、腹腔内投与、鼻腔内投与、経腸投与、局所投与、舌下投与又は直
腸内投与によって投与され得る。
【0073】 これらの医薬品組成物には、有効成分に加えて有効物質の薬剤的に使用可能な
製剤への加工を容易にする賦形剤及び添加物のような適切な薬剤的に許容される
担体が含まれ得る。調合および投与についての技術の詳細については、Remineto n's Pharmaceutical Sciences (Maack Publishing Co. Easson, PA)の最新版を
参照することができる。
【0074】 全ての組成物については、治療上有効な量を、最初に例えば腫瘍細胞、或いは
マウス、ラット、ウサギ、イヌ若しくはブタのような動物モデルの何れかの細胞
培養アッセイにおいて推定することができる。また、動物モデルを利用して適切
な濃度範囲や投与経路を決定することができる。次に、このような情報を利用し
て、人間に対する有効量や投与経路を決定することができる。
【0075】 治療上有効な量とは、症状や状態を改善する有効成分(例えば、PSEQ或いはNS
EQによってコードされるポリペプチド若しくはそれらの断片、そのポリペプチド
の抗体、並びにそのポリペプチドのアゴニスト、アンタゴニスト若しくはインヒ
ビター)の量を指す。治療上の有効性および毒性は、細胞培養における標準的な
制約方法または実験動物を用いることによって、例えばED50(母集団の50%にお
いて治療上有効な投与量)又はLD50(母集団の50%の致死投与量)の統計値を計
算することによって決定することができる。
【0076】 前述の治療方法の何れもが、例えばイヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ウサギ、サル、
及び最も好ましくはヒトのような哺乳動物を含めた、そのような治療を必要とす
る任意の対象に適用することができる。
【0077】
【実施例】
本発明は、本明細書に記載された特定の方法論、プロトコル及び試薬に限定さ
れず、それらは種々の変更が可能であることを理解されたい。また、本明細書で
使用される用語は、単に特定の実施例を説明することを目的とするものであり、
特許請求の範囲の記載のみによって限定される本発明の範囲を限定することを意
図したものではないことを理解されたい。以下に示す実施例は、本発明の例示で
あり、本発明を限定する目的のものではない。
【0078】 1 cDNAライブラリーの作製 インスリン合成に関連する遺伝子の同定に用いた配列が得られたcDNAライブラ
リーの作製を実証するための実例として、PANCNOT05 cDNAライブラリーを選択し
た。PANCNOT05 cDNAライブラリーは、脳無酸素症で死亡した2歳のヒスパニック
系の男児から採取された正常な膵臓から作製した。
【0079】 凍結組織をPolytron homogenizer(PT-3000; Brinkmann Instruments, Westbu
ry, NY)を用いて、グアニジニウムイソチオシアネート溶液中でホモジナイズ及
び溶解した。その溶解物を、BL8-70M超遠心分離機(Beckmann Instruments)でS
W28ロータを用いて、5.7MのCsClクッションにおいて、25,000 rpmの回転速度で
室温で18時間かけて遠心分離した。RNAを酸性フェノール(pH4.0)で抽出し、0.
3M酢酸ナトリウム及び2.5倍量のエタノールを用いて沈殿させた後に、RNAアーゼ
を含まない水に再懸濁させ、37℃においてDNアーゼで処理した。RNAの抽出及び
沈澱を前述のように繰返した。OLIGOTEX kit(QIAGEN, Chatsworth CA)を用い
てmRNAを単離し、それをcDNAライブラリーの作製に用いた。
【0080】 mRNAは、SUPERSCRIPT Plasmid System(Life Technologies, Gaithersburg MD
)の推奨プロトコルに従って処理した。cDNAをSEPHAROSE CL4Bカラム(Amersham
Pharmacia Biotech, Piscataway NJ)上で分画し、400bpを超える大きさのcDNA
をpSport Iプラスミド(Life Technologies)に結び付けた。そのプラスミドをD
H5αコンピテント細胞(Life Technologies)に形質転換した。
【0081】 2 cDNAクローンの単離及び配列決定 プラスミドDNAを細胞から遊離し、これをREAL PREP 96 plasmid キット(QIAG
EN)を用いて精製した。このキットにより、マルチチャネル試薬ディスペンサを
利用して96ウエルブロックで96個のサンプルの精製が同時に可能である。推奨プ
ロトコルを用いたが、以下の点を変更した。(1)25mg/lのカルベニシリン及び
0.4%のグリセロールを含む1mlの滅菌Terrific Broth (Life Technologies)に
おいて細菌を培養した。(2)接種後、培溶液を19時間かけてインキュベートし
、インキュベーションの最後で、この細胞を0.3mlの溶解バッファーに溶解した
。(3)イソプロパノール沈殿を行った後、プラスミドDNAのペレットを0.1mlの
蒸留水に再懸濁した。プロトコルの最終ステップの後、サンプルを96ウエルブロ
ックに移して4℃で保管した。
【0082】 cDNAは、DNA ENGINE thermal cyclers(PTC200; MJ Research, Watertown MA
)と組合せてMICROLAB 2200(Hamilton, Reno NV)を用いて準備し、ABI PRISM
377 DNA Sequencing Systems (PE Biosystems)を用いてSangerらの方法(1975
; J Mol Biol 94:441f)によって配列決定した。
【0083】 3 配列の選択、組み立て及び特徴づけ 同時発現解析に用いられる配列は、EST配列、5’及び3’ロングリード配列(lo
ngread sequences)、及び完全長コード配列から組み立てられた。選択された組
み立て配列は、少なくとも3種のcDNAライブラリーにおいて発現された。
【0084】 組み立てプロセスを以下で説明する。EST配列のクロマトグラムを処理および
検査した。PHREDを用いてQualityスコアを得た(Ewingら (1998) Genome Res. 8
:175-185; Ewing及びGreen (1998) Genome Res. 8:186-194)。編集された配列
を関係型データベース管理システム(RDBMS)にロードした。積スコア(product
score)50でBLASTを用いてビン(bins)の最初の組にEST配列をクラスター化した。
2又はそれ以上の配列の全てのクラスターをビンとして生成した。ビンにおいて
表される重複する配列は、転写された遺伝子の配列に対応する。
【0085】 DNA断片の組み立てのための一般的に入手可能なプログラムであるPhrapを改変
したものを用いて、各ビン内における構成要素配列の組み立てを実施した(Gree
n, University of Washington, Seattle, WA)。任意のコンセンサス配列の間で
局所的な対合形式のアライメントから82%の同一性を示したビンを併合した。
【0086】 ビンを、NCBIのGBPRI及びGENPEPTのような公的データベースに対して、各ビン
におけるコンセンサス配列をスクリーニングすることによって注釈付けした。注
釈付けプロセスは、GENBANKにおけるGBPRIデータベースに対するFASTnスクリー
ニングに関連するものであった。同一性パーセントが70%以上でアライメント長
さが100塩基対以上であるヒットを相同的ヒットとして記録した。残りの注釈付
けされていない配列は、GENPEPTに対してFASTxでスクリーニングされた。E値が1
0−8以下であるヒットが相同的ヒットとして記録される。
【0087】 次に、高速でタンパク質及び核酸配列の比較及びデータベース検索を行うプロ
グラムであるCross-Match及びBLASTn(Green, P.,University of Washington, S
eattle WA)を順次用いて配列の再クラスター化を行った。スコアが150を超える
配列およびコンセンサス配列の間の任意のBLASTアライメントは、交差マッチン
グ(cross-match)を用いて再度アライメントした。その配列を、少なくとも82%の
同一性を有する局所アライメントの中で最も高いSmith-Watermanスコアを与える
コンセンサス配列を有するビンに加えた。不一致の配列では新たなビンを生成し
た。組み立て及びコンセンサス配列生成プロセスを、新たなビンに対して実施し
た。
【0088】 4 既知のインスリン合成遺伝子の同時発現解析 インスリン合成に密接に関連する新規な遺伝子を同定するために、8個の既知
のインスリン合成遺伝子を選択した。それらの既知のインスリン合成遺伝子は、
インスリン、グルカゴン、再生遺伝子、リパーゼ、コリパーゼ及びヒトアミリン
であった。
【0089】 この解析において調査した既知のインスリン合成遺伝子及びそれらの機能の簡
単な説明を表4に示す。
【0090】
【表3】
【0091】 また、総数41,419個の組み立てられた遺伝子配列から既知のインスリン合成遺
伝子と強い関連性を示す13個の新規な遺伝子を同定した。その関連性の度合は確
率値によって評価され、0.00001未満のp値のカットオフ値を有する。同定の後に
、確率検定をパスした遺伝子が既知のインスリン合成遺伝子と強い関連性を有す
ることを保証するために、注釈付け及び文献検索を実施した。最初の41,419個の
遺伝子が、最終的に13個のインスリン合成遺伝子に限定されるようにこのプロセ
スを繰返した。13個の新規なインスリン合成遺伝子についての発現パターンの詳
細を表5に示す。
【0092】
【表4】
【0093】 8個の既知のインスリン合成遺伝子と同時発現する遺伝子を調査し、強度に同
時発現された13個の新規な遺伝子を同定した。13個の新規な遺伝子の各々は、10
E-05未満のp値で13個の既知の遺伝子の少なくとも1つと同時発現される。13個の
新規な遺伝子の既知の遺伝子との同時発現を表5に示す。表5の入力事項は、2
つの遺伝子の同時発現に対するp値の負の対数(−log p)である。同定された新
規な遺伝子は、実施例5に示すようなインサイトクローン番号で表示され、既知
の遺伝子は略称(遺伝子)で示されている。
【0094】 5 インスリン合成に関連する新規な遺伝子 同時発現解析を利用して、インスリン合成を調節、インスリン合成に関連、又
はインスリン合成に応答する既知の膵臓の遺伝子と強度な関連性を示す、或いは
同時発現する13個の新規な遺伝子を同定した。
【0095】 本発明のSEQ ID NO:1-13のコンセンサス配列を含む核酸は、インサイトクロー
ン223163、884692、888246、888309、951335、2091133、2383628, 2774542、277
7115、3664676、3833667、3835361及び3836037から最初に同定され、実施例3に
従って組み立てられた。実施例7に従って、BLAST及び他のモチーフ検索をSEQ I
D NO:1-13に対して実施した。SEQ ID NO:1-13の配列が翻訳され、既知の配列と
の配列同一性が調査された。本発明のSEQ ID NO:14及び15のコンセンサス配列を
含むアミノ酸は、SEQ ID NO:1及び8の核酸によってそれぞれコードされた。また
、SEQ ID NO:14及び15を、BLAST及び実施例7に示すような他のモチーフ検索ツ
ールを用いて解析した。解析についての詳細を以下に示す。
【0096】 SEQ ID NO:2は、924個の核酸の長さであり、約211番目から923番目までの核酸
において、ヒトの膵臓のチモーゲン顆粒膜タンパク質GP-2 mRNA (g1244511)と約
92%の同一性を有し、約923番目から594番目までの核酸において、ヒトのZnフィ
ンガータンパク質ZNF133 (g487782)と約96%同一性を有する。GP-2は、酵素メカ
ニズムによって成熟チモーゲン顆粒の膜から放出された75kDaの糖タンパク質で
ある。GP-2のC末端領域は、1つの上皮成長因子モチーフを含む26個の保存された
システイン残基を示す。ZNF133は、ヒトのZnフィンガーKruppelファミリーに属
するタンパク質であり、Kruppel関連ボックスセグメント(box segment)を含む。
ZNF133は、Alagille症候群における欠失した領域に近接する20p 11.2に位置する
【0097】 SEQ ID NO:3は、854個の核酸の長さであり、約560番目から840番目までの核酸
において、ヒトプロタミン1、プロタミン2及び転移タンパク質2(g642458)をコー
ドする完全なコード配列と約80%の同一性を示し、TXA2遺伝子(EP 490410)をコー
ドする遺伝子と約86%の同一性を示す。TXA2は、収縮筋及び血管及び呼吸器の平
滑筋並びに血小板凝集の強力な刺激物質として機能する不安定なアラキドン酸代
謝物である。
【0098】 SEQ ID NO:7は、646個の核酸の長さであり、約1番目から402番目までの核酸に
おいて、カルシウム(Ca2+)感受性の状態でシンタキシンと結合し、外分泌組織
における開口分泌の制御因子として機能する分泌顆粒タンパク質、syncollinを
コードするラットのmRNA(g2258437)と77%の同一性を示す。
【0099】 SEQ ID NO:12は、874個の核酸の長さであり、約363番目から873番目までの核
酸において、ヒトの膵臓のチモーゲン顆粒膜タンパク質GP-2 mRNA (g1244511)と
約98%の同一性を示す。また、SEQ ID NO:12は、約432番目から924番目までの核
酸において、SEQ ID NO:2と99%の同一性を示す。従って、SEQ ID NO:2及びSEQ I
D NO:12は、細胞機能に関連する潜在的スプライスバリアントである。
【0100】 SEQ ID NO:1は、1966個の核酸の長さであり、約1番目から1930番目までの核酸
において、ラットの子宮−卵巣特異性の膜貫通タンパク質をコードするmRNA(g24
60315)と77%の同一性を示す。この子宮−卵巣特異性のラットタンパク質は、エ
ストロゲンの誘発によって発現される。SEQ ID NO:1によってコードされるアミ
ノ酸配列であるSEQ ID NO:14は、585個のアミノ酸残基の長さであり、約22番目
から608番目までのアミノ酸残基において、ラットの子宮−卵巣特異性の膜貫通
タンパク質(g2460316)と74%の同一性を示す。
【0101】 また、SEQ ID NO:14は、576番目から593番目までのアミノ酸残基を含む膜貫通
ドメインを示す。モチーフ解析によって、SEQ ID NO:14は、残基N30、N58、N68
、N149、N272、N371、N395及びN420における8つの潜在的Nグリコシル化部位と、
残基T23、S109、S290、S349、S372、T380、T409、S464、S521、T557、T613及びT
632におけるカゼインキナーゼIIによる12の潜在的リン酸化部位と、残基G21、G2
9及びG39における3つのNミリストイル化部位と、残基T45、S70、S132、S255、S2
80、T308、T328、T442、T468、S521、S527、T589及びT643におけるプロテインキ
ナーゼCによる13の潜在的リン酸化部位と、残基Y180、Y415及びY528におけるチ
ロシンキナーゼによる3つの潜在的リン酸化部位とを有することが示されている
【0102】 SEQ ID NO:8は、1354個の核酸の長さであり、AQP8をコードするヒトmRNA(g234
6968)、主要な内因性タンパク質(MIP)ファミリーの保存された膜貫通ドメイン
を含むラットの精巣から同定された水チャネルタンパク質のメンバーと99%の配
列の同一性を有する。
【0103】 SEQ ID NO:8によってコードされるアミノ酸、SEQ ID NO:15は、255個のアミノ
酸の長さであり、AQP8と100%の配列の同一性を示す。BLIMPS解析によって、SEQ
ID NO:15は、MIPファミリータンパク質の保存された膜貫通ドメインと一致する6
つの保存されたアミノ酸セグメントを有することが示されている。これらのセグ
メントには、30番目から49番目まで、66番目から90 番目まで、103番目から122番目まで、154番目から172番目まで、185番目から207
番目まで、222番目から242番目までのアミノ酸残基が含まれる。
【0104】 6 インスリン合成遺伝子及びインスリン合成遺伝子でコードされるタンパク 質の相同性検索 ポリヌクレオチド配列SEQ ID NO:1-13、及びポリペプチド配列SEQ ID NO:14及
び15を、例えばGenBank、SwissProtのようなソースから得られたデータベースに
対して問合せた。既に同定された注釈付きの配列が含まれているこれらのデータ
ベースにおいて、Basic Local Alignment Search Tool (BLAST;Altschul (199
0, 前出))及びSmith-Waterman alignment(Smith, 前出)を用いて類似性を有
する領域を検索した。BLASTによって配列の一致を検索し、ヌクレオチド配列に
ついては10−25未満、ポリペプチド配列については10−8未満の確率しきい値を
満たすものだけが報告された。
【0105】 ポリペプチド配列は、MOTIFS、SPSCAN、BLIMPS及び隠れマルコフモデル(HMM
)に基づくプトロコルを利用して既知のモチーフのパターンについても解析した
。MOTIFS(Genetics Computer Group, Madison, WI)は、Prosite Dictionary o
f Protein Sites and Patterns(Bairoch, 前出)において定義されたものと一
致するパターンに対するポリペプチド配列を検索し、発見されたパターン及びそ
れらの対応する文献の要約を表示する。SPSCAN(Genetics Computer Group)は
、重み付けマトリクス法(Nielson, H.ら(1997) Prot. Eng. 10: 1-6)を用いて
潜在的なシグナルペプチド配列を検索する。5以上のスコアのヒットが考慮され
る。BLIMPSは、重み付けマトリクス解析アルゴリズムを用いて、ポリペプチド配
列と、BLOCKS(PROSITEデータベース(Henikoff及びHenikoff, 前出; Bairochら,
前出)からコンパイルされた、3〜60個のアミノ酸の長さの短いアミノ酸のセグ
メント若しくはブロックからなるデータベース)に含められた配列、及びPRINTS
(SwissProt、GenBank、PIR、及びNRL-3Dのようなソースから得られた非重複性
の配列に基づくタンパク質フィンガープリントデータベース;Attwood, T. K.ら
(1997) J. Chem. Inf. Comput. Sci. 37:417-424)に含められた配列との間の
配列類似性を検索する。本発明の目的のために、BLIMPS検索によって、カットオ
フスコアが1000以上で、カットオフ確率値が1.0×10−3以上の一致が報告され
る。HMMに基づくプロトコルは、確率的手法に基づいており、タンパク質配列に
おける遺伝子ファミリーの共通一次構造を検索する(Eddy, 前出; Sonnhammerら
, 前出)。カットオフスコアが10〜50ビットの範囲にある500以上の既知のタン
パク質ファミリーを、本発明において用いるために選択した。
【0106】 7 個々のハイブリダイゼーションプローブの標識及び使用 OLIGO 4.06ソフトウェア(National Bioscience)のような当業者に周知のソ
フトウェアを用いてオリゴヌクレオチドを設計し、50pmolの各オリゴマー、250
μCiの[γ‐32P]アデノシン三リン酸(Amersham, Pharmacia Biothech)、及びT
4ポリヌクレオチドキナーゼ(NEN Life Science Products, Boston MA)を組合
せることによって標識する。標識されたオリゴヌクレオチドを、SEPHADEX G-25
超微粒子樹脂カラム(Amersham Pharmacia Biotech)を用いて実質的に精製する
。毎分107カウントの標識されたプローブを含む一定分量を、エンドヌクレアー
ゼAseI,Bgl II,Eco RI,Pst I,Xba I又はPvu II(NEN Life Science Product
s)のうちの1つを用いて消化したヒトゲノムDNAの典型的な膜を用いるハイブリ
ダイゼーション解析において使用する。
【0107】 各消化物からのDNAを、0.7%アガロースゲル上で分画し、ナイロン膜(NYTRANP
LUS, Sebleicher & Schuell, Durham NH)に移す。ハイブリダイゼーションを40
℃で16時間かけて実施する。非特異的シグナルを除去するために、0.1 xクエン
酸ナトリウム水および0.5%ドデシル硫酸ナトリウムまでの徐々に厳密性が増す条
件下で室温にてブロットを順次洗浄する。XOMAT ARフィルム(Eastman Kodak, R
ochester NY)をブロットに対して数時間かけて露光した後にハイブリダイゼー
ションパターンを比較する。
【0108】 8 特異的抗体の産生 ポリアクリルアミドゲル電気泳動法(PAGE; see, e.g., Harrington, M.G. (1
990) Methods Euzymol. 182:488-495)又は他の精製技術を使用して実質的に精
製されたSEQ ID NO:14及び15又はそれらの断片を用いて、標準的なプロトコルに
従ってウサギを免疫化して抗体を生成する。
【0109】 或いは、そのアミノ酸配列をLASERGENE software(DNASTAR Madison WI)を用
いて解析して免疫原性の高い領域を判定し、対応するオリゴポリペプチドを合成
し、これを用いて当業者に知られた方法により抗体を産生させる。C-末端付近ま
たは親水性領域内のエピトープのような適切なエピトープの選択方法の詳細につ
いては当業者の文献に記載されている。通常、15残基の長さのオリゴペプチドを
、Fmocケミストリーを利用するABI 431A Peptide Synthesizer(Perkin-Elmer)
を用いて合成し、N-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキスクシンイミド(N-maleim
idoben-zoyl-N-hydroxysuccinimide ester; MBS)を用いた反応によりKLH(Sigma,
St. Louis, MO)に結合させて免疫抗原性を増強させる。ウサギをフロイント完
全アジュバントにおけるオリゴペプチド-KLH複合体で免疫化する。その結果生じ
る抗血清は、例えば、プラスチックにペプチドを結合させ、1%BSAでブロッキン
グし、ウサギ抗血清と反応させ、洗浄し、さらに放射性ヨウ素標識したヤギ抗ウ
サギIgGと反応させることにより、抗ペプチド活性に対して検査される。
【配列表】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 39/395 C07K 14/605 4C085 14/62 4H045 48/00 16/18 A61P 3/10 C12N 1/15 C07K 14/47 1/19 14/605 1/21 14/62 9/20 16/18 C12Q 1/02 C12N 1/15 1/68 A 1/19 G01N 33/53 M 1/21 33/566 5/10 C12N 15/00 ZNAA 9/20 5/00 A C12Q 1/02 A61K 37/26 1/68 37/28 G01N 33/53 37/54 33/566 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ,BA, BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU,C Z,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,GE ,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS, JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,L R,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN ,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU, SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,T R,TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 ボルクマス、ウェイン アメリカ合衆国カリフォルニア州91302・ カラバサス・アパートメント 613・ノー スラスバージェネスロード 5916 (72)発明者 クリングラー、トッド・エム アメリカ合衆国カリフォルニア州94070・ サンカルロス・ドーバーコート 28 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 BA02 BA11 BA61 CA04 DA02 EA04 HA14 HA17 4B050 CC03 DD07 LL01 LL03 4B063 QA05 QA19 QQ08 QQ44 QQ45 QR55 QS34 4B065 AB01 BA02 CA23 CA44 CA46 4C084 AA02 AA13 BA44 DA40 DB34 DB35 DC22 NA10 ZC352 4C085 AA13 AA14 BB11 DD63 DD88 4H045 AA10 AA11 AA30 CA40 DA37 DA89 EA50 FA74

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の生物学的サンプルにおける1以上の既知のインスリ
    ン合成遺伝子と同時発現される遺伝子を含む実質的に精製されたポリヌクレオチ
    ドであって、前記既知のインスリン合成遺伝子の各々は、インスリン、グルカゴ
    ン、再生遺伝子、リパーゼ、コリパーゼ及びヒトアミリンからなる群より選択さ
    れることを特徴とするポリヌクレオチド。
  2. 【請求項2】 (a)SEQ ID NO:1乃至13からなる群より選択されるポリ
    ヌクレオチド配列と、 (b)SEQ ID NO:14及び15からなる群より選択されるポリヌクレオチド配列と
    、 (c)前記(a)若しくは(b)のポリヌクレオチド配列に対して少なくとも
    70%の同一性を有するポリヌクレオチド配列と、 (d)前記(a)、(b)又は(c)のポリヌクレオチド配列と相補的なポリ
    ヌクレオチド配列と、 (e)前記(a)、(b)、(c)又は(d)のポリヌクレオチド配列の少な
    くとも18個の連続的なヌクレオチドを含むポリヌクレオチド配列と、 (f)前記(a)、(b)、(c)、(d)又は(e)のポリヌクレオチドと
    ストリンジェントな条件の下でハイブリダイズするポリヌクレオチド配列との中
    から選択されるポリヌクレオチド配列を含むことを特徴とする請求項1に記載の
    ポリヌクレオチド。
  3. 【請求項3】 複数の生物学的サンプルにおける1以上の既知のインスリ
    ン合成遺伝子と同時発現される遺伝子の遺伝子産物を含む実質的に精製されたポ
    リペプチドであって、前記既知のインスリン合成遺伝子の各々は、インスリン、
    グルカゴン、再生遺伝子、リパーゼ、コリパーゼ及びヒトアミリンからなる群よ
    り選択されることを特徴とするポリペプチド。
  4. 【請求項4】 (a)SEQ ID NO:14及び15からなる群より選択されるポリ
    ペプチド配列と、 (b)前記(a)のポリペプチド配列に対して少なくとも85%の同一性を有す
    るポリペプチド配列と、 (c)前記(a)又は(b)のポリペプチド配列の少なくとも6個の連続的な
    アミノ酸を含むポリペプチド配列との中から選択されるポリペプチド配列を含む
    ことを特徴とする請求項3に記載のポリペプチド。
  5. 【請求項5】 請求項2のポリヌクレオチドを含む発現ベクター。
  6. 【請求項6】 請求項5の発現ベクターを含む宿主細胞。
  7. 【請求項7】 請求項2のポリヌクレオチド若しくは請求項3のポリペプ
    チドを適切な医薬用担体と共に含む医薬品組成物。
  8. 【請求項8】 請求項4のポリペプチドに対して特異的に結合する抗原結
    合部位を含む抗体若しくは抗体の断片。
  9. 【請求項9】 治療薬と結合した請求項8の抗体若しくは抗体の断片の抗
    原結合部位を含むイムノコンジュゲート。
  10. 【請求項10】 1以上の既知のインスリン合成遺伝子と同時発現される
    遺伝子の発現の変化に関連する疾病若しくは症状の診断方法であって、前記既知
    のインスリン合成遺伝子の各々は、インスリン、グルカゴン、再生遺伝子、リパ
    ーゼ、コリパーゼ及びヒトアミリンからなる群より選択され、更に、 (a)1以上の前記同時発現される遺伝子を含むサンプルを準備する過程と、 (b)1以上のハイブリダイゼーション複合体を形成するのに効果的な条件の
    下で、請求項2のポリヌクレオチドを前記同時発現された遺伝子とハイブリダイ
    ズさせる過程と、 (c)前記ハイブリダイゼーション複合体を検出する過程と、 (d)前記ハイブリダイゼーション複合体のレベルを非病変サンプルにおける
    ハイブリダイゼーション複合体のレベルと比較する過程であって、前記非病変サ
    ンプルのハイブリダイゼーション複合体のレベルと比較した場合の前記ハイブリ
    ダイゼーション複合体のレベルの変化が、疾病若しくは症状の存在と相関性を有
    するような比較過程とを含むことを特徴とする診断方法。
  11. 【請求項11】 患者における1以上の既知のインスリン合成遺伝子と同
    時発現される遺伝子の発現の変化に関連する疾病の治療又は予防の方法であって
    、前記既知のインスリン合成遺伝子の各々は、インスリン、グルカゴン、再生遺
    伝子、リパーゼ、コリパーゼ及びヒトアミリンからなる群より選択され、前記疾
    病を治療又は予防するために、治療が必要な前記患者に対して有効な量の請求項
    7の医薬品組成物を投与する過程を含むことを特徴とする治療又は予防の方法。
  12. 【請求項12】 患者における1以上の既知のインスリン合成遺伝子と同
    時発現される遺伝子の発現の変化に関連する疾病の治療又は予防の方法であって
    、前記既知のインスリン合成遺伝子の各々は、インスリン、グルカゴン、再生遺
    伝子、リパーゼ、コリパーゼ及びヒトアミリンからなる群より選択され、前記疾
    病を治療又は予防するために、治療が必要な前記患者に対して有効な量の請求項
    8の抗体若しくは抗体の断片を投与する過程を含むことを特徴とする治療又は予
    防の方法。
  13. 【請求項13】 患者における1以上の既知のインスリン合成遺伝子と同
    時発現される遺伝子の発現の変化に関連する疾病の治療又は予防の方法であって
    、前記既知のインスリン合成遺伝子の各々は、インスリン、グルカゴン、再生遺
    伝子、リパーゼ、コリパーゼ及びヒトアミリンからなる群より選択され、前記疾
    病を治療又は予防するために、治療が必要な前記患者に対して有効な量の請求項
    9のイムノコンジュゲートを投与する過程を含むことを特徴とする治療又は予防
    の方法。
  14. 【請求項14】 患者における1以上の既知のインスリン合成遺伝子と同
    時発現される遺伝子の発現の変化に関連する疾病の治療又は予防の方法であって
    、前記既知のインスリン合成遺伝子の各々は、インスリン、グルカゴン、再生遺
    伝子、リパーゼ、コリパーゼ及びヒトアミリンからなる群より選択され、前記疾
    病を治療又は予防するために、治療が必要な前記患者に対して有効な量の請求項
    2のポリヌクレオチド配列を投与する過程を含むことを特徴とする治療又は予防
    の方法。
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