JP2002533299A - 環状ペプチドの合成 - Google Patents

環状ペプチドの合成

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、環状ペプチドおよびペプチド模倣化合物を溶液中および支持体に結合した状態で調製する方法、ならびに薬物スクリーニングプログラムでの使用のための環状ペプチドまたはペプチド模倣ライブラリに関する。特に、本発明は環状ペプチドまたはペプチド模倣物の合成のための一般的戦略に関し、これは穏和な条件下で多様な所望の化合物の効率的な合成を可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、環状ペプチドおよびペプチド模倣物(mimetics)を溶液中
でおよび固体支持体に結合した状態で調製する方法、ならびに薬物スクリーニン
グプログラムで使用される環状ペプチドまたはペプチド模倣ライブラリに関する
。特に、本発明は環状ペプチドまたはペプチド模倣物の合成のための一般的スト
ラテジーに関し、これは穏和な条件下で多様な所望の化合物の効率的な合成を可
能にする。
【0002】 (発明の背景) 組換えDNA技術および多様な生物学的活性を仲介するタンパク質の同定およ
び単離の開発は新規な薬物治療の開発を可能にしてきたが、タンパク質は一般に
消化酵素または他の酵素による分解を受けやすいという欠点がある。これは、こ
れらの薬剤が通常、注射によって投与されなければならないということを意味す
るのみならず、体内での半減期が短いことも意味する。
【0003】 タンパク質の生物学的活性はタンパク質分子の三次元構造に依存し、これは主
として種々の異なる非共有結合的相互作用の間のバランスに起因する。タンパク
質薬剤の安定性および受容性を向上させる試みにおいて、タンパク質の活性部位
を包含する比較的短いペプチド配列、ならびに、この活性部位に似た三次元構造
をとる合成分子の両方が広く研究されてきた。骨格がジスルフィド結合および非
共有結合的相互作用によって維持されている構造的に拘束されたペプチド、なら
びに環化によって構造的拘束が提供される環状ペプチドまたはペプチド模倣系は
、これらの分子の安定化に対する特に魅力的な2つのアプローチを提供する。
【0004】 環状ペプチドは多様な強力な生物学的活性を示す。これらは薬物開発プロセス
において、生物学的活性に対して必須の構造的、配座的および動力学的特性の評
価のために配座の拘束を導入する手段として広く探求されている。いくつかの環
状ペプチドはそれ自身が薬物として有用である。他のものは、複数の機能(少し
例を挙げれば、新規な生物学的特性、タンパク質模倣物の開発のためのプラット
フォーム、ナノテクノロジー、特異的金属配位部位、および触媒など)を提供す
べく設計されている。
【0005】 環化は2つの側鎖官能基間のジスルフィド結合形成、1つの側鎖官能基と骨格
α−アミノまたはカルボキシ官能性との間のアミドまたはエステル結合形成、2
つの側鎖官能基間のアミドまたはエステル結合形成、あるいは骨格α−アミノ官
能基およびカルボキシ官能基との間のアミド結合形成によって達成され得る。
【0006】 このクラスの化合物のいずれの適用における潜在的な有用性も、化合物の合成
の困難性によって妨害されている。直鎖状前駆体の合成は通常、高収率および高
純度で進行するが、最後の環化反応は困難であり得、低収率および/または不純
な生成物がもたらされ得る。これは特に、7アミノ酸残基よりも短い環状ペプチ
ドに当てはまり、環状テトラペプチドの合成はほとんど、あるいは全く、環状物
質をもたらさない。
【0007】 これらの環化反応は古典的には溶液中で高希釈で行われてきた。オルトゴナル
(orthogonal)保護ストラテジーおよび固相ペプチド合成のための新
規樹脂の出現で環化は達成されているが、ペプチドは樹脂に接続している。固体
支持体上での環状ペプチドの合成のための最も一般的な方法の1つは、アミノ酸
の側鎖を樹脂に接続させることによる。適切なオルトゴナル保護ストラテジーを
用いると、C末端およびN末端は選択的に脱保護され得、そして鎖が構築された
後、樹脂上で環化され得る。このストラテジーは広く用いられており、tert
−ブチルオキシカルボニル(Boc)または9−フルオレニルメトキシカルボニ
ル(Fmoc)プロトコルのいずれかと両立する。しかし、これは固体支持体に
接続するための適切な側鎖官能基を含むペプチドに限定される。従って、これは
環状ペプチドのアレイのコンビナトリアル合成にはなじまない。
【0008】 環状ペプチドの効率的な合成を達成するための試行において多くのアプローチ
が用いられている。
【0009】 (リンカー) (a)活性化リンカー) 環状ペプチドを合成するための1つの手順は環化と同時に樹脂から切断するこ
とに基づく。適切なペプチド配列が固相合成によって樹脂上で構築された後、あ
るいは直鎖状配列が樹脂に付加された後、スキーム1に模式的に示すように、脱
保護されたアミノ基はそのアンカー活性結合と穏和に反応して、保護された環状
ペプチドを生成し得る。
【0010】
【化22】
【0011】 環状ペプチドの合成のために用いられている、あるいはその合成に従う種々の
リンカーを表1に示す。
【0012】
【表1】
【0013】 これらの切断ごとの環化(cleavage−by−cyclisation
)ストラテジーは保護された環状ペプチドを生成するので、標的環状物質を合成
するためには最後の脱保護工程が必要とされる。環状反応は通常遅く、収率が低
い。なぜなら、直鎖状アナログの伸張した配座の優先度が、最終的な環化反応を
妨げるからである。
【0014】 (b)セーフティーキャッチリンカー) これらのコンセプトの伸展は、構築物の末端で選択的に修飾されてリンカーの
不安定性を増大させ得る支持体を包含する。これらのリンカーはペプチド合成の
間は安定であり、そして選択的に活性化されて、環化および樹脂からの切断へと
至る。一般に、最終脱保護工程が標的環状ペプチドを得るために必要とされる。
このアプローチに用いられ得るリンカーの例を表2に示す。
【0015】
【表2】
【0016】 これらのストラテジーもまた直鎖状前駆体の配座的優先性によって制限される
【0017】 (c)骨格リンカー) C−からN−への環化を達成するために側鎖を樹脂に接続させるコンセプトの
単純な伸展が骨格Nの樹脂への接続である。近年、Jensenら(1996)
は直鎖状ペプチド、ジケトピペラジン、ペプチドアルデヒドおよび環状ペプチド
の合成のために骨格リンカーを用いることを報告した(Jensenら、199
8)。このプロセスにはいくつかの制限があり、これらには第二級アミンをアシ
ル化して「連結した(linked)」アミド結合を形成することの難しさ、お
よび標準的FmocSPPSがジペプチド段階でほとんど完全なジケトピペラジ
ン形成へと至るという事実が含まれる。この問題を回避するためには特別な保護
ストラテジーを用いることが必要である。
【0018】
【化23】 (樹脂内鎖転移) 環状ペプチドを合成するための別のアプローチは、ペプチド接続点を2つ含む
(そのうちの1つは一時的にマスクされている)リンカーを樹脂に接続させるこ
とを伴う。標準的固相技術を用いて、直鎖状前駆体を樹脂上で構築する。次にX
およびY官能基(スキーム3)を選択的に脱マスクして、環化させる。リンカー
での切断によりフリーのC末端カルボン酸基が遊離し、他方、ペプチドはまだ樹
脂に接続している。次にCおよびN環化を標準的活性化条件によって達成し、環
状ペプチドを得る。
【0019】
【化24】 この方法は、適切な官能基Xをペプチド配列に取り込むこと、ならびに複雑な
脱保護ストラテジーが必要とされることによって、幾分、制限される。これもま
た、直鎖状前駆体が伸張する性質のため、環化収率は低い。
【0020】 (環化のために予備組織化された(preorganizing)ペプチド) (a)可逆的N−置換) ペプチド環の形成は、任意の他の環化反応と同様に、相互に反応性の鎖末端の
生成と、これらの末端が分子内プロセスに有利な条件下で反応することを必要と
する。環の形成の容易さは、環の配座的安定性、および環形成で生じる内部自由
度の損失に関連する。従って、ターンを誘導するアミノ酸、例えば、Gly、P
roまたはD−アミノ酸の存在は環の配座的安定性を増大させ、環化収率を向上
させる。ターン構造を安定化させるアミノ酸残基を含まない直鎖状ペプチドにつ
いては、環化反応は潜在的に起こりそうにないか、あるいは遅いプロセスである
ようであり、伸張配座に対する優先度に起因して環形成のときの歪みが大きい。
【0021】 このため、ペプチド主鎖に種々の可逆的化学修飾を行って、シスアミド結合配
座を増強し、それにより環化の際の環の歪みを低減させ、環化収率を向上させる
ことが利用できることになる。シクロ−[Phe Phe Phe Phe]の
合成において、各アミドNがBocで置換された(Cavelier−Fron
tinら、1993)。この例において、環化収率は1パーセント未満から27
%に向上した。同様に、N−(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンジル)(HM
B)基を可逆的N−置換基として使用すると、環状ペプチドの収率が同様に向上
した(Ehrlichら、1996;Ehrlichら、1996)が、これら
の効果を定量する系統的な研究は行われていない。ペプチドライブラリの構築の
観点からは、直鎖状前駆体の全てのアミドNを置換することは実施不可能である
【0022】 (b)環縮小) 環縮小化学は、最初により大きくフレキシブルな環を形成するために用いられ
得、ここで所望のC末端およびN末端が環縮小反応における「素早く閉じる(s
nap shut)」ように適した位置に配置されて、脱保護の後に標的環状ペ
プチドを得る。直鎖状未保護ペプチド前駆体からの分子内チアゾリジン形成によ
る環状ペプチドの合成のための環縮小(スキーム4)が、近年報告されている(
Bottiら、1996)。この手順はチアゾリジン環、および更なる立体中心
を全ての配列に取り入れるという欠点を有し、コンビナトリアルライブラリアプ
ローチに適した一般的手順ではない。
【0023】
【化25】 いくつかの他の研究グループもまた環縮小アプローチを環状ペプチドの合成の
ために利用している(CamameroおよびMuir,1997;Shaoら
、1998)。これらの手順はCysの存在を必要とするか、あるいは一方の末
端にGlyを含むペプチドの環化に限定されているかのいずれかであり、そのた
めライブラリ開発には適していない。
【0024】 従って、環状ペプチドの合成のための穏和で効率的、かつ用途の広い合成スト
ラテジーが当該分野で非常に必要とされている。本発明者らは今回、環化のため
にペプチドを予備組織化する置換基または他の部分を導入することによって、環
状ペプチドが穏和な条件下で、溶液中および樹脂上の両方で、効率的に合成され
得ることを見いだした。これらの部分(本発明者らはペプチド環化補助基と名付
けた)は、環状ペプチドの収率および純度の向上をもたらす。本発明者らは2つ
のアプローチを試験した: 1.可逆的N−アミド置換基を配列中に配置する。
【0025】 2.分子内センスで天然のライゲーション化学を適用する。 本発明者らは、これらを、小環状ペプチドの溶液および固相合成における向上に
ついて評価した。
【0026】 本発明者らは、環化前に予備組織化されたペプチドの効果を系統的に研究し、
そして環状ペプチド合成を補助する新規リンカーを開発した。本発明者らは、生
成物の収率および純度の両方において、従来技術の方法と比べて驚くべき向上を
見いだした。これらの技術の組み合わせは小環状ペプチドの溶液および固相合成
のための強力な一般的アプローチを提供する。
【0027】 本発明者らはまた、環状ペプチド合成を補助する、リンカーおよびペプチド環
化補助基を開発した。
【0028】 本発明の活性化、セーフティーキャッチ、および骨格リンカーストラテジーと
組み合わせて用いられる本発明の環縮小およびN−アミド置換技術は、環状ペプ
チドの固相合成のための改良された方法を提供する。
【0029】 (発明の要旨) 本発明の特徴は、可逆または不可逆N置換、またはシス−アミド結合代用物(
surrogate)によるシスアミド結合配座の強制による、ペプチド骨格に
おけるフレキシビリティの誘導と、新規環縮小化学とを組み合わせて、ペプチド
を予備組織化し、そして溶液中における環化反応を促進することである。本発明
の他の特徴は、これらの予備組織化技術の1つ以上と、ペプチドと樹脂との間の
接続を提供する新規リンカーとを組み合わせて、環状ペプチドまたは環状ペプチ
ドライブラリの穏和な効率的な合成のための固相ストラテジーを提供する、選択
肢である。
【0030】 最も好適な一般的局面において、本発明は構造:
【0031】
【化26】 の環状ペプチドの調製のための溶液および固相方法を提供する。ここで
【0032】
【化27】 は環状ペプチドまたはペプチド模倣物であり、ここでこの構造の表現は標準的慣
例に従い、C末端がPの右側である。これは1から15の間のモノマー、好まし
くは1から10モノマー、より好ましくは1から5モノマーを含む。これは単環
状、二環状または多環状環であり得、そして保護または未保護モノマーを含み得
る。
【0033】 本発明の他の一般的局面は、構造:
【0034】
【化28】 の環状ペプチドまたはペプチド模倣物の合成のための固相方法を提供する。ここ
でLはリンカー単位であり、環状ペプチドを固体支持体
【0035】
【化29】 に連結させる。リンカーLはペプチドの任意の原子に結合し得るが、好ましくは
骨格窒素、またはモノマーの側鎖中の原子に結合する。
【0036】 それゆえ、第1の局面において、本発明は環状ペプチドまたは環状ペプチド模
倣化合物の合成方法を提供し、この方法は以下の工程を包含する: a)ペプチドまたはペプチド模倣化合物におけるフレキシビリティを、可逆的
N置換によって、またはシス−アミド結合代用物を用いてシスアミド結合配座を
強制することによって誘導して、環化を促進する工程、および b)環状ペプチドまたはペプチド模倣化合物を環縮小反応に供する工程。この
環縮小反応は自発的に生じ得、そのため別個の反応は必ずしも必要とされない。
【0037】 この方法は溶液相および固相合成の両方に適用可能である。
【0038】 好適な実施態様において、本発明のこの局面は一般式Iの環状ペプチドの溶液
相合成のための方法を提供し、この方法は以下の工程を包含する: a)一般式IIIの直鎖状ペプチドを合成する工程
【0039】
【化30】 ここでPは10から15モノマー、好ましくは1から10モノマー、最も好ま
しくは1から5モノマーの直鎖状ペプチドである。
【0040】 A1は、ペプチド骨格上の1つ以上のN置換基であり(可逆または不可逆のい
ずれか)であり、あるいは骨格のシス配座を強制する化学的部分であり、そして A2は、原子の共有結合基であり、所望の置換環状ペプチドへと環縮小する前
の大きい初期環状ペプチドを形成するための反応性官能基を含む; b)C末端を活性化して、一般式IVの環状ペプチドを形成する工程:
【0041】
【化31】 c)一般式IVのペプチドを環縮小反応によって再配置させて(これは自発的
に生じ得る)、一般式Vの環状ペプチドを形成する工程;および必要に応じて
【0042】
【化32】 d)一般式Vの環状ペプチドを脱保護反応に供して、基A1およびA2を除去
し、一般式Iの所望の環状ペプチドを得る工程。
【0043】 必要に応じて、更なる化学的官能基で誘導体化されてライブラリの多様性を向
上させるため、または他の環状ペプチドまたは分子との二量体化またはオリゴマ
ー化のために、以下図示するように、A1またはA2基の1つ以上をペプチドに
接続したままにして、固体支持体に接続するために適した点を提供する。
【0044】
【化33】 R=固体支持体または他の化学的部分
【0045】
【化34】 あるいは環縮小はA2の自発的排除を導き得る。
【0046】 好ましくは、A1は可逆的N置換基、例えば、2−ヒドロキシ−4−メトキシ
ベンジル、2−ヒドロキシベンジルまたは2−ヒドロキシ−6−ニトロベンジル
置換基である。
【0047】 好ましくは、A2は求核基(例えば、チオールまたはヒドロキシル)を含み、
これはC末端と迅速に反応して、大きい初期環を形成し、これが次に自発的に、
あるいは加熱または更なる化学的処理(例えば、金属イオンの付加)によって、
縮小する。A2は不可逆的置換基であり得、環縮小の後に除去され得、あるいは
環縮小の際に自発的に排除され得る。A2はまた置換のための更なる部位へのア
クセスを提供し、ライブラリの多様性を増大させる。A2はまた、1998年9
月25日出願(本出願と同日)のオーストラリア仮特許出願番号PP6165に
対応する本発明者らの同時係属中のPCT出願(表題「アミド結合形成のための
補助基」)に記載の一般式Iの任意の化合物であり得る。これらの補助基の特定
の例は本明細書中に例示される。
【0048】 第2の局面において、本発明は環状ペプチドの固相合成の方法を提供し、この
方法は以下の工程を包含する: a)リンカーLを介して固体支持体に結合した一般式VIの直鎖状ペプチドを
合成する工程、
【0049】
【化35】 ここでA1およびPは上記定義の通りであり、Lはペプチドの任意の原子と固
体支持体との間のリンカーであり、および (b) (i)このペプチド(保護または非保護モノマーのいずれかを含む)を環化お
よび付随する固体支持体からの切断に供して、一般式VIIの環状ペプチドを得
【0050】
【化36】 次いで、A1を上記のようにして選択的に除去または誘導体化し、必要であれ
ば次にペプチドの側鎖を脱保護し、そしてA1を除去して、一般式Iの所望の環
状ペプチドを得る工程;または (ii)このペプチドを環化して、一般式VIIIの第2の固体支持体結合環
状ペプチドを得る工程、
【0051】
【化37】 のいずれかの工程。
【0052】 当業者はペプチドの側鎖脱保護、A1の除去および固体支持体からの切断は別
々または同時に行われ得ることを理解する。ペプチド保護基、A1の除去および
固体支持体からの切断により、一般式Iの所望の環状ペプチドを得る。
【0053】 あるいは、上記のようなリンカー単位およびA2の両方が使用される。
【0054】 それゆえ、他の好適な実施態様において、本発明は環状ペプチドの固相合成の
方法を提供し、この方法は以下の工程を包含する: a)一般式IXの直鎖状固体支持体結合ペプチドを調製する工程:
【0055】
【化38】 ここで、A2、PおよびLは上記の通りである; b)一般式IXのペプチドを環化および付随する固体支持体からの切断に供し
て、一般式Xの環状ペプチドを得る工程;
【0056】
【化39】 c)環状ペプチドXを環縮小(これは自発的に生じ得る)させて、一般式XI
の第2の環状ペプチドを得る工程、および
【0057】
【化40】 d)基A2を誘導体化するか、あるいはA2を除去して、式Iの所望の環状ペ
プチドを得る工程。
【0058】 他の代替において、一般式IXの直鎖状固体支持体結合ペプチドを固体支持体
上で初期の環化および環縮小に供して、一般式XIIの固体支持体結合環状ペプ
チドを得ることができ、
【0059】
【化41】 そして、 (i)固体支持体から切断してA2置換環状ペプチドを得るか、あるいか (ii)脱保護し、そして固体支持体から切断して、一般式Iの環状ペプチド
を得る。
【0060】 あるいは、基A2は固相または溶液中のいずれかで誘導体化され得る。
【0061】 またも、ペプチド脱保護、A2の除去および固体支持体からの切断は、別々ま
たは同時に行われ得ることが理解される。
【0062】 最も好ましくは、本発明の方法は以下の3つ全てを利用する: (i)N置換基、 (ii)後で縮小される大きい初期環を形成する原子の共有結合基、および (iii)固体支持体上での合成。
【0063】 従って、第3の局面において、本発明は環状ペプチドの固相合成の方法を提供
し、この方法は以下の工程を包含する: a)一般式XIIIの直鎖状固体支持体結合ペプチドの合成、
【0064】
【化42】 ここでA1、A2、PおよびLは上記定義の通りである; b)一般式XIIIのペプチドを環化および付随する固体支持体からの切断に
供して、一般式XIVの環状ペプチドを得る工程、
【0065】
【化43】 c)一般式XIVの環状ペプチドを環縮小(これは自発的であり得る)に供す
る工程、および d)基A1およびA2を切断させて、一般式Iの所望の環状ペプチドを得る工
程。
【0066】 あるいは、本発明のこの局面は環状ペプチドの固相合成の方法を提供し、この
方法は; a)一般式XIIIの直鎖状固体支持体結合ペプチドの合成工程、 b)直鎖状ペプチドを固体支持体上で環化に供して、一般式XVの環状ペプチ
ドを得る工程、
【0067】
【化44】 c)環状ペプチドを環縮小(これは自発的に生じ得る)に供して、一般式XV
Iの環状ペプチドを得る工程、
【0068】
【化45】 および d)基A1およびA2を切断する工程であって、他方、ペプチドは固体支持体
に結合しており、一般式IIの固体支持体結合環状ペプチドを得る工程、あるい
【0069】
【化46】 e)環状ペプチドを脱保護および付随する固体支持体からの切断に供して、一
般式Iの所望の環状ペプチドを得る工程のいずれか。
【0070】 またも、ペプチドの脱保護、A2の除去および固体支持体からの切断は別々ま
たは同時に行われ得ることが理解される。
【0071】 本明細書の目的に対して、用語「モノマー」は、アミノおよびカルボキシ末端
が1,2、1,3、1,4またはそれより大きい置換パターンで離されている化
合物を包含する。これは、20の天然に生じるαアミノ酸(LまたはD配置のい
ずれも)、タンパク質中には通常見られない生合成で入手可能なアミノ酸、例え
ば、4−ヒドロキシ−プロリン、5−ヒドロキシリジン、シトルリン、およびオ
ルニチン;合成的に誘導されたαアミノ酸、例えば、α−メチルアラニン、ノル
ロイシン、ノルバリン、Cα−およびN−アルキル化アミノ酸、ホモシステイン
、およびホモセリン;および当該分野で公知の他の多くのものを含む。これはま
た、アミノおよびカルボキシ官能化基が1,3またはそれより大きい置換パター
ンで離されている化合物、例えば、β−アラニン、γ−アミノ酪酸、Freid
ingerラクタム(Freidingerら、1982)、二環状ジペプチド
(BTD)(Freidingerら、1982;NagaiおよびSato、
1985)、アミノ−メチル安息香酸(Smytheおよびvon Itzst
ein、1994)、および当該分野で周知の他のものを含む。スタチン(st
atine)様アイソスター(isostere)、ヒドロキシエチレンアイソ
スター、還元アミド結合アイソスター、チオアミドアイソスター、ウレアアイソ
スター、カルバメートアイソスター、チオエーテルアイソスター、ビニルアイソ
スターおよび当該分野で公知の他のアミド結合アイソスターもまた本発明の目的
のために有用である。従って、用語「ペプチド」は本明細書で使用される場合、
ペプチド模倣化合物を包含する。任意に、ペプチドは当該分野で使用されるタイ
プの1つ以上の保護基で保護され得る(例えば、Bodanszky,M.(1
984)、”Principles of Peptide Synthesi
s”、Springer−Verlag,Heidelberg参照)。
【0072】 ペプチドは1個と15個との間のモノマー、好ましくは1個と10個との間の
モノマー、より好ましくは1個と5個との間のモノマーから構成される。
【0073】 固体支持体は、ペプチド、ペプチド模倣物、オリゴヌクレオチド、オリゴサッ
カリド、または有機分子の固相合成に用いられる任意のタイプであり得る。固体
支持体はビーズ、ピン、または固相合成での使用に適した表面のそのような他の
形態であり得る。多様な適切な支持体材料が当該分野で公知である。例えば、M
eldal,M.,Methods in Enzymology,1997
289 83−104参照。市販のポリスチレン支持体(アミノメチルポリスチ
レン、ベンズヒドリルアミノポリスチレン、ポリエチレングリコール−ポリスチ
レンを含む)が特に適している。
【0074】 「リンカー」は、原子または分子フラグメントを共有結合を介して他のものに
接続する原子の任意の共有結合基を意味する。例えば、Songster,M.
F.、Barany.G.,Methods in Enzymology、1
997 289 126−175参照。典型的には、リンカーは、官能基(例え
ば、エーテル、エステル、アミド、スルホアミド、スルフィド、またはスルホキ
シド官能基)をリンカー内に含む、必要に応じて置換されるアリル、アリール、
アルキレン基を含む。このような官能基は通常2つの基の間の接続を創出するた
め、あるいは基を分離するために、用いられる。
【0075】 「シスアミド結合代用物」はテトラゾールのような化学基(Marshall
ら、1981)であり、これはシス配座を強制する。
【0076】
【化47】 本明細書の目的に関して、用語「含んでいる(comprising)」は「
包含するがそれに限定されない」を意味し、用語「含む(comprises)
」は対応の意味を有することが、明白に理解される。
【0077】 ペプチド結合を形成するためのカップリング方法は当該分野で周知である。例
えば、ALbericioおよびCarpino,1997参照。環状ペプチド
を溶液中、あるいは側鎖または骨格の付加で合成する場合、活性化の選択が環状
物質の収率および純度に影響を与え得る。遅い環化に対して、中間体の活性化直
鎖状ペプチドの寿命が延びると、C末端残基でのエピマー化が増大する機会が提
供される。エピマー化の程度は、アジド法(Izumiyaら、1981)また
はDPPAを用いたその改変法(Bradyら、1983)の適用によって低減
され得る。しかし、これらの方法は非常に遅く、通常長時間から数日をさえ必要
とする(Izumiyaら、1981;SchmidtおよびNeubert,
1991;Heavnerら、1991)。DPPAと比べて、TBTU(Kn
orrら、1989)およびBOP(Castroら、1975)は速い環化を
提供するが、C末端でのエピマー化を導き得る。HOAtカップリング試薬が、
ペンタ−およびヘキサ−ペプチドの頭−尾(head−to−tail)環化を
顕著に改良し、エピマー化率を低減することが、近年、報告されている(Ehr
lichら、1996)。
【0078】 (発明の詳細な説明) 本発明を、ここで、以下の非限定的な例、および図面のみを参照して、詳細に
記載する。
【0079】 本明細書で用いられる略語は以下の通りである: DIEA ジイソプロピルエチルアミン DMF ジメチルホルムアミド DMSO ジメチルスルホキシド DPPA ジフェニルホスホリルアジド BOP ベンゾトリアゾ(benzotrizo)−1−イルオキシ−トリ
ス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート HOAt 7−アザ−1−ヒドロキシベンゾトリアゾール HBTU O−ベンゾトリアゾール−N,N,N’,N’−テトラメチルウロ
ニウムヘキサフルオロホスフェート HMB 2−ヒドロキシ−4−メトキシベンジル HPLC 高性能液体クロマトグラフィー ISMS イオンスプレー質量分析 LC−MS 液体クロマトグラフィー−質量分析 NMR 核磁気共鳴 ROESY 回転フレームオーバーハウザーエンハンスメント分光法 r.t. 室温 TOCSY 総相関(total correlated)分光法。
【0080】 (実施例) (一般的方法) 融点はGallenkamp m.p.装置で決定され、補正していない。溶
媒の蒸発はBuchiロータリーエバポレータを用いて行った。脱イオン水が全
体を通じて用いられ、そしてこれはMilli−Q水精製システム(Milli
pore−Waters)によって調製された。焼結ガラスフィルターフリット
を備えたねじ蓋式ガラスペプチド合成反応容器(20mL)はEmbell S
cientific Glassware(Queensland,Austr
alia)から入手した。all−Kel−Fの装置(Peptide Ins
titute)をHF切断のために用いた。アルゴン、ヘリウムおよび窒素(全
て超純粋グレード)はBOCガス(Queensland,Australia
)から入手した。
【0081】 1H NMRスペクトルをVarian Gemini 300スペクトロメ
ーターで300MHzで記録し、そして化学シフトをテトラメチルシランから低
磁場側にδppmで報告した。カップリング定数(J)はビシナルプロトン−プ
ロトンカップリングを示す。13C NMRスペクトルもまたVarian Ge
miniスペクトロメーターで75.5MHzで記録された。TOCSYおよび
ROESYスペクトルはBuchi ARX 500スペクトロメーターで行わ
れた。
【0082】 質量スペクトルはイオンスプレー大気圧イオン化源を備えたPE−Sciex
API−III三重(triple)四重極子質量分光計で得た。試料(10
mL)を、溶融シリカキャピラリインターフェース(内径50mm×長さ50c
m)を通じてイオン化源に直接接続する移動溶媒(30mL/分;50/50C
3CN/0.05%TFA)に注入した。試料の液滴を5kVの正電圧でイオ
ン化し、そしてアナライザにインターフェースプレートを通じて入れ、そして次
に電圧80Vでオリフィス(直径100−120mm)を通した。フルスキャン
質量スペクトルを質量範囲200から1000ダルトンにわたって、0.1Da
のサイズのスキャンステップで得た。分子質量は、観察されたm/z値からMa
cSpec3.3およびBiomultiview 1.2ソフトウエアパッケ
ージ(PE−Sciex Toronto,Canada)を用いて誘導された
【0083】 薄層クロマトグラフィー(Tlc)はシリカゲル60F254プレート(Mer
ck Art 5735)上で行われた。クロマトグラムは紫外光下で観察され
、および/またはヨウ素蒸気で発色させた。分取カラムクロマトグラフィーは加
圧下で順相用Merck Kieselgel 60(Merck Art 7
734)を用いて行われた。分析用逆相HPLCはC−18Vydacカラム(
218TP52022)を用いて行われ、他方、半−分取逆相HPLCはC−1
8Vydacカラム(218TP52022)を用いて行われた。両方のカラム
ともHolochrome紫外検出器を装備したWaters HPLC装置に
取り付けた。測定はλ=214nMまたは254nMで行った。クロマトグラフ
ィー分離は、A中のバッファーBの線形グラジエント(A=0.1%水性TFA
;B=90%CH3CN、10%H2O、0.09%TFA)を用いて、流速0
.25mL/分(マイクロボア(microbore))、1mL/分(分析)
および8mL/分(分取)で達成した。
【0084】 (材料) Boc−L−アミノ酸、Fmoc−L−アミノ酸、Boc−Val−ポリアミ
ノメチルスチレン樹脂、Merrifield樹脂、Boc−Gly−PAM樹
脂、合成グレードのジメチルホルムアミド(DMF)、トリフルオロ酢酸(TF
A)およびジイソプロピルエチルアミン(DIEA)はAuspep(Park
ville,Australia)またはNovabiochem(Alexa
ndria,Australia)から購入した。クロロトリチル樹脂はPep
chem(Tubingen、Germany)から購入した。HBTUおよび
BOPはRichelieu Biotechnologies(Montre
al、Canada)から購入した。トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィ
ン塩酸塩(TCEP)はStrem Chemicals Inc.Newbu
ryport MAから購入した。ARグレードのEtOAc、MeOH、CH 2 Cl2、CHCl3、ヘキサン、アセトンおよびHPLCグレードのCH3CNは
全てLaboratory Supply(Australia)から入手し、
HFはCIG(Australia)から購入した。他の全ての試薬はARグレ
ードまたはそれ以上であり、AldrichまたはFlukaから入手した。
【0085】 (実施例1 ペプチド環化補助基) (骨格置換) N置換はシス−トランス平衡をよりシス配座に有利に変化させて、環化収率を
増強する可能性がある:
【0086】
【化48】 本発明者らはNメチル化の数および位置のテトラグリシンの環化収率に対する
影響を検査した。8つの直鎖状テトラペプチドを合成し、これは3つのC末端残
基でグリシンおよびサルコシン(N−メチルグリシン)の全ての置換(perm
utation)を含んでいた。これらを表3にまとめる。
【0087】
【表3】 *対応するN−HMB置換直鎖状テトラグリシンについての環化収率。すなわち
、サルコシンが[−N(HMB)−CH2−CO−]で置換された場合。
【0088】 各環化についての収率は単離された生成物の重量から計算された。この実験の
結果は、テトラペプチドのN−1またはN−2位でのN置換が環化収率を有意に
向上させ、他方、第3残基でのN置換はあまり影響しないことを示唆する。2つ
以上のN部位での複数置換の効果は多少、付加的であるように見える。最も優れ
た環化の結果はN−1およびN−2置換前駆体Gly−Gly−Sar−Sar
で得られた。しかし、合成の観点からは、N−1位での置換はあまり望ましくな
い。なぜならこれは直鎖状前駆体の構築の際のジペプチド段階でジケトピペラジ
ンの形成を促進するからである。本発明者らは、骨格置換の位置の変更が二量体
またそれより高次のオリゴマーに対する単環の比率に有意に影響し得ることを見
いだした。
【0089】 本発明者らはこのN置換アプローチを可逆的N置換を含むように広げた。3つ
の直鎖状前駆体、すなわち骨格が未保護のペプチドXおよび骨格HMB置換アナ
ログのYおよびZ、を調製した。
【0090】
【化49】 これらの3つのペプチドを標準的環化プロトコルに供し、そして粗反応混合物
をHPLCおよびISMSで分析した。生成物(モノマーおよび二量体)をさら
にC末端ロイシンでのエピマー化について検査した。表4は見いだされた生成物
および単離された物質の対応する収率を示す(重量%)。
【0091】
【表4】 期待されるように、未置換テトラペプチドXは二量体を生成し、ISMSで評
価して検出可能量の単環は存在しなかった。2つの二量体はHPLCで評価して
1/10の割合で見いだされた。一番目に溶離する二量体はL−ロイシンおよび
D−ロイシンを1/1の比率で含んでいた。二番目に溶離する二量体は全てLの
オクタペプチドの環化から形成される。ペプチドXの環化について考えると、0
.5%のD−Leuが観察され、そして全収率18%が達成された。これはC末
端での全エピマー化が約3%(0.5/18×100)であることに相等しい。
【0092】 他方、骨格置換テトラペプチドYおよびZの両方が有意量の環状テトラペプチ
ド(単環)を生成し、これは上記のN−Meの研究に対応する。ペプチドXにつ
いての場合のように、ペプチドYを環化すると2つの二量体が形成される[L−
Leu/D−LeuおよびL−Leu/L−Leu]。テトラペプチドYについ
て全部で80%の分離した単環がL−Leuを含むが、驚くべきことにテトラペ
プチドZについては全部で70%の分離した単環がD−Leuを含む。ペプチド
Yについては、約5%のD−ロイシンが分離した生成物全体から見いだされ、そ
してペプチドZについては43%のD−Leuが見いだされる。テトラペプチド
Zについては、これはほぼ100%のラセミ化(50%D−Leu:50%L−
Leu)に等しい。C末端でのエピマー化を最小限にする試みにおいて、テトラ
ペプチドZの環化をBOPの代わりにHATUで行った。これらの条件下で、総
%D−ロイシンは半分になった。
【0093】 一旦エピマー化したら、テトラペプチドZはより効率的に環化する(16%D
−Leu単環、D−Leu/D−Leu二量体は検出されない)。テトラペプチ
ドYはそれより反応性が低く、有意量の直鎖状ペプチドが3時間の活性化の後に
もまだ存在していた。これはN末端での立体障害の増加によって説明され得る。
【0094】 本発明者らは、HMB基をテトラペプチドXの中間のアミド窒素上に導入する
(すなわちテトラペプチドZ)と環化が補助されるが、C末端のエピマー化が有
意に促進されると結論する。第3のアミド窒素での置換(テトラペプチドY)は
エピマー化を増加させることなく環化を補助するが、ペプチドの反応性を低下さ
せる。以下の実施例3において、本発明者らは環縮小化学を記載する。これはエ
ピマー化の問題を軽減することを補助し得、他方N置換を通じて環化を増強する
【0095】 (実施例1についての実験) このセクションはN置換による環化の前のペプチドの予備組織化の実験的詳細
を記載する。
【0096】 (表3の日付(date)) Boc−Sar−Merrifield樹脂を以下のように調製した:Boc
−Sar−OH(380mg、2mmol)をCs2CO3(326mg、1mm
ol)を含む2mLのH2Oに溶解した。混合物を凍結乾燥し、そして残渣をD
MF(5mL)中に取った。溶液をMerrifield樹脂(2.7グラム、
0.7mmol/グラム)に加え、そして50℃で終夜加熱した。樹脂を濾過し
、洗浄し、そして乾燥した(3.05グラム、0.65mmol/グラム)。テ
トラペプチドをインサイチュ中和プロトコルを用いて構築した。構築の後、ペプ
チドをHF/p−クレゾール(9/1)を用いて0℃で1時間切断した。次にH
Fを蒸発させ、生成物を冷エーテル(10mL)で沈殿させた。エーテル洗浄(
3×10mL)の後、粗ペプチドを水中に溶解し、そしてHPLCで100%水
(0.1%TFA)を用いて精製した。
【0097】 (環化(表3)) 精製されたペプチド(0.1mmol)を100mLのDMFに溶解した。B
OP(133mg、0.3mmol)を加え、DIEA(0.5mmol、87
μL)を加えた。終夜攪拌した後、DMFを減圧除去し、そして残渣をTFA(
0.1g)を含むアセトニトリル/水(1/1)に溶解し、そして逆相HPLC
カラムに付した。HPLCラン(100%Aで10分間、次いで1%から50%
Bへのグラジエント)で単離された生成物をISMSおよび分析HPLCで分析
し、乾燥および秤量した。収率は単離された生成物の重量から計算した。
【0098】 (エピマー化の研究(表4)) N置換直鎖状ペプチドをクロロトリチル樹脂上で合成した。HMB−保護基を
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンズアルデヒドによるN末端の固相還元的アル
キル化によって導入した(Edeら、Tetrahedron Lett.,1
996 37 9097)。第二級アミンのアシル化は以下のFmoc保護残基
をHOAT(2当量)およびDIC(1当量)を用いてDMF中で30分間予備
活性化し、そして50℃で12時間反応を行うことによって行った。ペプチド構
築は先に記載のように完了し、そして直鎖状ペプチドが樹脂から切断する(DC
M中1%TFA)。全ての3つのペプチド(全てL−残基)が、環化の前に逆相
HPLCで精製された。
【0099】 (環化) 精製されたペプチド(0.1mmol)をDMF(100mL)中に溶解した
。BOP(133mg、0.3mmol)を加え、次いでDIEA(0.5mm
ol、87μL)を加えた。3時間攪拌後、DMFを減圧除去し、残渣をTFA
(0.1%)を含むアセトニトリル/水(1/1)に溶解し、そして溶液を逆相
HPLCカラムに付した。HPLCラン(80%Aで5分間、次に2%から10
0%Bまでのグラジエント)で単離された生成物をISMS、分析HPLCで分
析し、そしてロイシンのエピマー化はアミノ酸分析で決定した。収率は単離され
た生成物の重量およびAA分析からのL/D比から計算された。
【0100】 (実施例2 環縮小) 小環状ペプチドの溶液および固相合成における問題を克服するための他のアプ
ローチは新規な環縮小化学を利用することである。先に述べたように、優先され
る伸張配座およびアミド結合の剛性が小ペプチド環化における問題である。最初
に大きい、よりフレキシブルな環をフレキシブルな「リンカー単位」を含めるこ
とによって形成することで、端−尾環化の可能性がC末端およびN末端の有効濃
度の増加によって増強される。次に所望のCおよびN末端を、環縮小反応におけ
る「スナップシャット(snap shut)」に適した位置に配置する。これ
はスキーム5に模式的に示される。
【0101】
【化50】 下記に図示する環縮小補助基はこの目的について評価される。
【0102】
【化51】 更なる補助基は以下を包含する:
【0103】
【化52】 環縮小アプローチの実現可能性を検査するために、本発明者らは、N末端にエ
タンチオール基を有する多くの直鎖状ペンタペプチドを合成した。直鎖状前駆体
の合成をスキーム6に示すように達成した。ブロモ酢酸を樹脂結合テトラペプチ
ドのN末端に対称的無水物アプローチを用いてカップリングした。ブロモペプチ
ドをDMSO中のシスタミンの2M溶液で処理し、そして得られたペプチドを樹
脂から切断した。ジスルフィド部分をさらにTCEPを用いて0.1M炭酸アン
モニウム溶液中で還元し、そして遊離スルフィドをHPLCで精製した。次にス
ルフィドを標準的環化条件(DMF中10-3M、3当量BOP、5当量DIEA
)に供した。おそらく、最初に形成されるチオエステルは自発的に再配置されて
エタンチオール置換環状ペプチドとなる。得られる生成物をNMR試験によって
、ならびにフスルフィドが容易にDMF中で二量体化するという事実によって確
認した。二量体は単離され、ISMSおよびNMRによって特徴付けられた。二
量体のTCEPでの還元は、遊離スルフィド−ペプチドを定量的収率で再構築し
た。
【0104】
【化53】 このプロセスはいくつかの独特の利点を有する。アミンに比べてチオールの求
核性が高いことから、おそらく、チオエステルの迅速な形成がもたらされ、それ
によりエピマー化の可能性が有意に低減される。次にCおよびN末端は環縮小反
応におけるスナップシャットのために適切に配置される。
【0105】 この例において、エタンチオール基は不可逆的に環状標的に連結している。本
発明者らは先に概略した補助基−ペプチド結合の切断を可能とする他の補助基を
設計および試験した。上記全ての例において、環縮小は5員または6員の縮合環
遷移状態を経て進行する。
【0106】 (困難な環状ペプチド[シクロ[Ala−Phe−Leu−Pro−Ala]
の合成:) H−Ala−Phe−Leu−Pro−Ala−OHは近年報告された環化が
困難な配列の例である(SchmidtおよびLanger,1997)。環化
条件に供した場合、二量体およびそれより高次のオリゴマーが生成された場合、
目的とするシクロペンタペプチドは形成されなかった。以下の一連の実験(スキ
ーム7にまとめる)において、本発明者らは環縮小ストラテジーを用いて単環が
入手可能であったことを示す。
【0107】 (非置換Ala−Phe−Leu−Pro−Alaの環化) 対照実験として、本発明者らは非置換直鎖状ペプチド(Ala−Phe−Le
u−Pro−Ala)の環化を標準的な環化条件(DMF中1mM、3当量BO
P、5当量DIEA、3時間、室温)を用いて試みた。以前に報告された結果(
SchmidtおよびLanger,1997)から予期されるように、環化二
量体およびいくつかの三量体が得られたのみであり、目的の単環状生成物は単離
されなかった。
【0108】 (5−ニトロ−2−ヒドロキシベンジル補助基を用いた環化) この実験および他の実験で用いられた5−ニトロ−2−ヒドロキシベンジル補
助基は、本発明者らの同時係属中のPCT出願(オーストラリア仮出願番号PP
6165、1999年9月25日出願に対応)に記載の通りとした。5−ニトロ
−2−ヒドロキシベンジル置換基を含むペプチド1aを合成し、標準的条件下で
環化すると、2つの単環状生成物ならびに有意量の副生成物3a(Mr、812
Da)が得られた。これはフェノール官能基と反応混合物中の過剰のBOPとの
反応によって引き起こされる(スキーム7、A)。活性化試薬と塩基の量を調節
することによって、この副生成物の形成は完全に回避された。初期環化時間の後
の温度および塩基の量を変更し、そして単環状生成物の形成をLC/MS分析に
よってモニターすることによって、反応条件をさらに最適化した。最も良好な結
果は3時間の反応(DMF中1mM、1当量BOP、2当量DIEA、室温)の
後、過剰のDIEA(10当量)を加え、そして混合物を24時間放置するか、
あるいは65℃で1時間加熱した場合に得られた。
【0109】
【化54】 スキーム7:ペプチド1,2(A)を含む補助基の環化および目的環状ペプチド
7,8(B)の形成;i)3当量BOP/5当量DIEA、3時間、室温;ii
)1当量BOP/2当量DIEA、3時間、室温;10当量DIEA、12時間
室温または1時間、65℃;iii)hν(366nm)。
【0110】 粗生成物のHPLCプロファイルを図3Bに示す。主生成物(50%単離収率
)はNMR、ES−MSおよびキラルアミノ酸分析によって明白に、全てLの目
的の単環状生成物7aであると特徴づけられた。11.5ppmの1H NMR
吸収により生成物が遊離ヒドロキシ置換基を含むことが確認され、従って、エス
テル構造を有さず、目的の環状アミド構造構造を有することが確認された。さら
に、少量のC末端ラセミ化生成物7b(図3B参照)もまた単離された。生成物
のキラルアミノ酸分析により、D−Ala残基の存在が確認された。
【0111】 (6−ニトロ−2−ヒドロキシベンジル補助基を用いた環化) 5−ニトロ−2−ヒドロキシベンジル補助基は環化の後、容易に除去されない
ので、本発明者らは6−ニトロ−2−ヒドロキシベンジル補助基ペプチド2aを
用いた環化を試験した。オルト−ニトロ置換基は環状中間体6aの環縮小に対し
て(5aと比べて)同様の活性化効果を維持するが、感光性の補助基となるとい
う更なる利点を有する。直鎖状ペプチド2aを合成し、先に5−ニトロ−2−ヒ
ドロキシ誘導体について記載したのと同様に処理した。従って、環化(DMF中
1mM、1当量BOP/2当量DIEA)を室温で3時間行い、次いで過剰のD
IEA(10当量)を加えて、65℃で1時間加熱した。主生成物は収率39%
で単離され、そしてNMRおよびキラルアミノ酸分析で全てLのシクロペンタペ
プチド8aと特徴づけられた。少量のC末端ラセミ化環状生成物(D−Alaを
含む)8bもまた単離された。
【0112】 同様にN−(6−ニトロ−2−ヒドロキシベンジル)Phe−Leu−Pro
−Ala−Ala 2cを構築し、そして上記のように環化した。全てLのシク
ロペンタペプチド8cが収率45%で単離された。
【0113】 (補助基の除去) 次に、キラルペプチド8aを、標準的なUVランプを用いて366nmで、種
々の溶媒条件下で光分解に供した。ほとんどの溶媒(MeOH、MeOH/Ac
OH、THF/AcOH、ジオキサン)において、骨格窒素上のニトロベンジル
置換基は容易に除去されて、標的環状ペプチド9a(スキーム5、B)が生じる
。図4は、完全かつ効率的な転化(8aから9a)を示す。
【0114】 環状生成物をキラルアミノ酸分析および1H NMRで特徴づけた。スペクト
ルデータは報告されたデータと良く一致した。さらに、Schmidtら(19
97)に従ってPhe−Leu−Pro−Ala−Alaの環化によって調製さ
れた環状ペプチドの独立した試料を光分解から得られた生成物と共に溶離した。
【0115】 同じ生成物9aが位置(regio)アナログ8cの光分解から得られた。ラ
セミ化環状生成物8bを光分解し、そして同様に非置換D−Ala含有生成物9
bを生成し、これを独立して合成した試料と共に溶離した。
【0116】 (実施例2の実験) このセクションは、環縮小コンセプトを小環状ペプチドの合成のために用いる
実験的詳細を記載する。
【0117】 (環縮小) (環縮小補助基の合成) (N−(2−ブロモエトキシ)フタルイミド)
【0118】
【化55】 N−(2−ブロモエトキシ)フタルイミドを、BauerおよびSuresh
の手順(Bauerら、1963)の変法によって合成した。N−ヒドロキシフ
タルイミド(80g、0.49mol)、トリエチルアミン(150mL、1.
08mol)、および1,2−ジブロモエタン(175mL、2.30mol)
をDMF(575mL)中で合わせ、室温で終夜攪拌した。固体を濾過し、DM
Fで洗浄し、そして濾液を水(4.0L)で希釈し、得られた沈殿を濾過し、E
tOAc(500mL)に溶解し、そして1NのHCl(2×100mL)、水
(1×100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥した。揮発性物質を減圧除去し
、得られた固体を95%EtOHから再結晶して(9)を白色固体として得た。
(87.1g、70%):mp.94−96℃;文献mp.94−96℃。1
NMR(CDCl3):δ7.82(m,4H)、4.49(t,2H,J=
6.9Hz)、3.65(t,2H,J=6.9Hz)。
【0119】 (N−[2−[S−(4−メチルベンジル)チオ]エトキシ]フタルイミド)
【0120】
【化56】 N−[2−[S−(4−メチルベンジル)チオ]エトキシ]フタルイミドを、
Canneらの手順(Flanigan、1971)の変法によって合成した。
ブロミド(55.15g、217mmol)、4−メチルベンジルメルカプタン
(30g、217mmol)およびDIPEA(38.55mL、217mmo
l)をアセトニトリル(200mL)中で合わせ、室温で72時間攪拌した。揮
発性物質を減圧除去し、EtOAc(500mL)を加え、濾過した。固体をE
tOAcで洗浄し、有機相を合わせ、そして1NのHCl(2×200mL)、
ブライン(1×200mL)および水(1×200mL)で洗浄し、MgSO4
で乾燥した。揮発性物質を減圧除去し、得られた固体をEtOAc:ヘキサン(
1:1)から再結晶して、(10)を白色固体として得た。(50.14g、7
1%):mp.82−84℃;1H NMR(CDCl3):δ7.80(m,4
H)、7.18(d,2H,J=8.0Hz)、7.04(d,2H,J=8.
0Hz)、4.22(t,2H,J=7.4Hz)、3.75(s,2H)、2
.79(t,2H,J=7.4Hz)、2.27(s,3H)。
【0121】 (s−(4−メチルベンジル)−2−(アミノオキシ)エタンジオール)
【0122】
【化57】 s−(4−メチルベンジル)−2−(アミノオキシ)エタンジオールをOsb
yら(1993)の手順の変法で合成した。N−置換フタルイミド(20.0g
、61.1mmol)を2−プロパノール(550mL)および水(85mL)
の溶液中に懸濁し、10℃より下に冷却した。NaBH4(18.9g、252
mmol)を滴下し、温度がこの温度を越えないようにした。混合物を室温まで
加温し、終夜攪拌した。酢酸(135mL)をバブリングが止むまでゆっくりと
加え、そしてフラスコに栓をし、50℃で3時間加熱した。揮発性物質を減圧除
去し、得られた油溶液を1NのNaOHで希釈し、そしてEtOAc(4×20
0mL)で抽出した。次にヒドロキシルアミンををHCl(2N、500mL)
の溶液中に抽出し、そしてEtOAc(2×250mL)で洗浄した。次にNa
CO3を水相にバブリングが止むまで加え、そしてヒドロキシルアミンをEtO
Ac(3×250mL)中に抽出した。合わせた有機層をH2O(2×250m
L)で洗浄し、MgSO4で乾燥した。揮発性物質を減圧除去し、得られた油状
物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc、3:1)で精製し
て、透明な無色油状物を得た。(10.04g、84%):1H NMR(CD
Cl3):δ7.21(d,2H,J=8.0Hz)、7.12(d,2H,J
=8.0Hz)、5.40(br s,2H)、3.77(t,2H,J=6.
5Hz)、2.71(s,2H)、2.64(t,2H,J=6.5Hz),2
.33(s,3H)。
【0123】 (環縮小補助基(スキーム6)NH2CH2CH2SSCH2CH2Gly−A
rg−Pro−Phe−Gly−OHの適用)
【0124】
【化58】 ペプチドNH2CH2CH2SSCH2CH2Gly−Arg−Pro−Phe
−Gly−OHを、Boc−Gly−Pam樹脂(0.5g、0.5mmol/
g)から、確立された方法で、Boc化学に対するインサイチュ中和/HBtU
活性化プロトコルを用いて段階的な方法で合成した。Pmc保護基をArg残基
に対して用いた。カップリング反応を定量的ニンヒドリンアッセイでモニターし
、典型的には>99.9%であった。鎖構築が完了し、Nα−Boc基をニート
なTFA(2×1分処理)で除去し、そしてDMF中10%DIEA(2×1分
処理)で中和した後、ペプチドをRobey(Robey,F.A.、Fiel
ds,R.L.、Anal.Biochem.、1998 177 373−3
77)の方法でブロモアセチル化した。ブロモ酢酸(277.9mg、2.0m
mol)をCH2Cl2(2mL)に溶解し、これにDIC(126.2mg、1
mmol)を加えた。10−15分間活性化して対称無水物を形成した後、混合
物をDMF(2mL)で希釈し、ペプチド樹脂に加え、そして30分間カップリ
ングした。樹脂をDMSOで洗浄し、そしてシスタミン(DMF中2M、4mL
)をブロモアセチル化ペプチド樹脂と16時間反応させた。直鎖状ペプチドを樹
脂から、チオクレゾール:クレゾール、1:1(1mL)の添加、次いでHF(
10mL)で1時間、−5℃で処理することによって切断させた。HFを減圧下
除去した後、粗ペプチドを無水Et2O中で沈殿させ、そして濾過してスカベン
ジャーを除去した。ペプチドをHOAc:H2O、1:19に溶解し、濾過し、
そして濾液を凍結乾燥した。NH2CH2CH2SSCH2CH2Gly−Arg
−Pro−Phe−Gly−OHを半−分取HPLC(20−80%B、60分
)で精製して、所望の物質(79.6mg、47%)を得た。MS[M+H]+
=668.1(予想668.3)。
【0125】 (HSCH2CH2−Gly−Arg−Phe−Gly−OH)
【0126】
【化59】 ジスルフィド(66.8mg、0.10mmol)をNH4 +OAc-(20m
L)の0.03M溶液に溶解した。トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン
塩酸塩(TCEP)(35.6mg、0.15mmol)を、室温で溶液を攪拌
しながら滴下した。さらに室温で3時間の後、得られた混合物を凍結乾燥して、
白色粉末を得た。ペプチドHSCH2CH2Gly−Arg−Phe−Gly−
OHを半−分取HPLC(20−80%B、60分)で精製して、白色粉末を得
た(40.1mg、68%);MS[M+H]+=593.1(予想593.3
)。
【0127】 (シクロ−(SCH2CH2Gly−Arg−Pro−Phe−Gly))
【0128】
【化60】 直鎖状ペプチドHSCH2CH2Gly−Arg−Pro−Phe−Gly−
OH(40.0mg、0.068mmol)およびBOP(88.4mg、0.
2mmol)をDMF(68mL、1×10-3M)中で−10℃で攪拌した。D
IPEA(121μL、0.68mmol)を溶液に滴下した。反応をさらに2
時間、この温度で攪拌して放置し、その後全ての揮発性物質を減圧除去した。ペ
プチドシクロ−(SCH2CH2Gly−Arg−Pro−Phe−Gly)を
半−分取HPLC(20−80%B、60分)で精製して、白色粉末を得た(1
2.2mg、31%);MS[M+H]+=743.2(予想743.4092
)。
【0129】 (ビス−[シクロ−Gly(CH2CH2S)−Arg−Pro−Phe−Gl
y])
【0130】
【化61】 ペプチド、シクロ−(SCH2CH2Gly−Arg−Pro−Phe−Gl
y)(12mg、0.016mmol)をNa2HPO4(0.03M)の溶液に
溶解し、室温で終夜攪拌した。得られた溶液を凍結乾燥して白色粉末を得た。ペ
プチド、ビス−[シクロ−Gly(CH2CH2S)−Arg−Pro−Phe−
Gly]を逆相HPLC(20−80%B、60分間)で精製し、白色粉末を得
た。(7.4mg、81%);MS[M+2H]+=574.22(予想574
.27)。
【0131】 (シクロ−(Gly(CH2CH2SH)−Arg−Pro−Phe−Gly)
【0132】
【化62】 ジスルフィド(7.4mg、6.50μmol)をNH4 +OAc-(20mL
)の0.03M溶液に溶解した。TCEP(4.75mg、20.0μmol)
を室温で攪拌した溶液に滴下した。この温度でさらに3時間後、得られた混合物
を凍結乾燥して、白色粉末を得た。ペプチド、シクロ−(Gly(CH2CH2
H)−Arg−Pro−Phe−Gly)を半−分取HPLC(20−80%B
、60分間)で精製して、白色粉末を得た。(5.5mg、74%);MS[M
+H]+=575.24(予想575.28)。
【0133】 (シクロ[Ala Phe Leu Pro Ala]の合成のための実験) (環化実験) 補助基含有ペプチド1および2の環化:DMF中の1当量のBOPおよび2当
量のDIEAをDMF中の直鎖状ペプチドの1mM溶液に加え、そして3時間、
室温で攪拌した。10当量のDIEAを次に加え、そして溶液を65℃で1時間
加熱した。DMFを減圧除去し、そして粗生成物をアセトニトリル/水(1:1
)に溶解し、そしてRP−HPLCで精製した。
【0134】 他の直鎖状ペプチドの環化:環化をDMF中の直鎖状ペプチドの1mM溶液を
用いて行った。3当量のBOPおよび5当量のDIEAを加え、そして溶液を室
温で3時間攪拌した。ワークアップを上記のように行った。
【0135】 (シクロ−[N−(5−ニトロ−2−ヒドロキシベンジル)−Ala−Phe
−Leu−Pro−Ala](7a)) N−(5−ニトロ−2−ヒドロキシベンジル)−Ala−Phe−Leu−P
ro−Ala 1a(TFA塩30mg、0.038mmol)の環化により7
a(12.5mg、0.019mmol)を収率51%で生成した:ES−MS
Mr 650.2、C334268の計算値、650.3(モノ同位体)。
【0136】
【数1】 (シクロ−[N−(6−ニトロ−2−ヒドロキシベンジル)−Ala−Phe
−Leu−Pro−Ala](8a)) N−(6−ニトロ−2−ヒドロキシベンジル)−Ala−Phe−Leu−P
ro−Ala 2a(TFA塩20mg、0.025mmol)の環化から、8
a(6.5mg、0.010mmol)を収率39%で得た:
【0137】
【数2】 (シクロ−[N−(6−ニトロ−2−ヒドロキシベンジル)−Phe−Leu
−Pro−Ala−Ala](8c)) N−(6−ニトロ−2−ヒドロキシベンジル)−Phe−Leu−Pro−A
la−Ala(TFA塩20mg、0.025mmol)の環化から、8a(7
.3mg、0.011mmol)を収率44%で得た:ES−MS Mr 65
0.2、計算値C334268、650.3(モノ同位体)。
【0138】
【数3】 (シクロ−[Ala−Phe−Leu−Pro−Ala](9a)) a)シクロ−[N−(6−ニトロ−2−ヒドロキシベンジル)−Ala−Ph
e−Leu−Pro−Ala](1mM MeOH)を窒素で30分間パージし
、そして次に標準的な実験室用UVランプ(366nm、0.25A)で3時間
、光分解した。MeOHを蒸発させ、そして残渣を50%バッファーBに溶解し
、そして溶液をHPLC精製のためにVydac C18カラム(分取)に直接
充填した。シクロ−[Ala−Phe−Leu−Pro−Ala]が収率52%
で単離された。生成物を独立して合成された試料と共に溶離した。ES−MS
Mr 499.4、計算値C263755、499.3(モノ同位体)。b)精
製されたシクロ−[N−(6−ニトロ−2−ヒドロキシベンジル)−Phe−L
eu−Pro−Ala−Ala]を上記のように光分解した。シクロ−[Phe
−Leu−Pro−Ala−Ala]を収率28%で単離した。生成物を独立し
て合成した試料で共に溶離した。ES−MS Mr 499.1、C26375
5の計算値、499.3(モノ同位体)。
【0139】 (実施例3 溶液中での骨格置換および環縮小) この実施例において、本発明者らは、環縮小による環化が、骨格置換ペプチド
に対しての方がその骨格非置換アナログに対してよりもかなり容易であることを
実証する。本発明者らは6−ニトロベンジル−2−ヒドロキシ補助基を骨格置換
基および環縮小補助基の両方として使用した。当業者はHnb−基が容易に、上
記のように他の多くの補助基で置き換えられ得ることを理解する。一般反応スキ
ームは以下の通りである:二置換直鎖状ペプチド1の環化により二置換頭−尾環
状ペプチド2が生成される。骨格上の両置換基を次に光分解によって除去して、
目的の環状ペプチド3を形成する。
【0140】
【化63】 スキーム8:組み合わせたアプローチ:骨格置換および環縮小 環縮小の役割ならびに環状テトラペプチドの形成における骨格置換基の位置を
評価するために、本発明者らは以下の直鎖状ペプチドの組を合成した: 1a.[Hnb]Tyr−Arg−Phe−Gly 1b.Tyr−[Hnb]Arg−Phe−Gly 1c.Tyr−Arg−[Hnb]Phe−Gly 1d.[Hnb]Tyr−[Hnb]Arg−Phe−Gly 1e.[Hnb]Tyr−Arg−[Hnb]Phe−Gly。
【0141】 全てのペプチドを並行して同じ条件下(室温または65℃のいずれか)で、1
mgペプチドスケールで、環化した。DMF中のペプチド(1a−e)の1mM
溶液を1当量のBOPおよび2当量のDIEAで処理した。室温で3時間後、1
0当量のDIEAを加え、そして攪拌を室温で6時間または65℃で1時間続け
た。次に溶媒を除去し、そして残渣をアセトニトリル/水で溶解し、そしてHP
LCおよびMSで分析した。
【0142】 ペプチド1aは容易に初期閉環されたが、環縮小して目的の生成物となるのは
遅く、更なる加熱時間を必要とした(65℃/2時間)。1aの環化を室温(6
時間)で行った場合、環化ペプチドは粗生成物中に検出されなかった。対照ペプ
チド1cは主として環化二量体(MW:計算値C66761616=1348.6
、実験値=1348.2)および直鎖状二量体(MW:計算値C66781617 =1366.5(モノ同位体)、実験値=1366.7)を生じ、目的の単環の
形成はほんの少量であった。対照ペプチド1bは環化条件下で生成物の複雑な混
合物を生じた。
【0143】 対照的に、ペプチド1dおよび1eは両方とも骨格置換基および環縮小補助基
を含み、閉環および環縮小は同じ穏和な反応条件下(6時間、室温)でほぼ完了
した。図5はペプチド1a、1dおよび1eの室温で6時間後の環化プロファイ
ルを示す。これらの穏和な条件下で、ペプチド1aは有意な環縮小を全く受けず
、そして粗生成物は大量の直鎖状ペプチド(L)を含んでいた。他方、ペプチド
1dおよび1eは、目的の環状ペプチドであるシクロ−[[Hnb]Tyr−[
Hnb]Arg−Phe−Gly]2dおよびシクロ−[[Hnb]Tyr−A
rg−[Hnb]Phe−Gly]2eを各々(MW:計算値C4043911
=825.5(モノ同位体)、実験値(シクロペプチド2d)=825.1、実
験値(シクロペプチド2e)=825.1)、優れた純度および収率で生成した
。環状生成物は同じ分子量を有するが置換パターンは異なることに留意のこと。
【0144】 これらの結果は明らかに、N−骨格置換基がテトラペプチドのような高度に拘
束された環系に対する環縮小の促進に重大な役割を果たしていることを示す。ま
た、このことから、本発明者らの組合せストラテジーによって、種々の環状テト
ラペプチドおよびペプチド模倣物を入手することが可能となることが明らかであ
る。ペプチド1d(10mg)の大規模での環化は環状(二置換)生成物2dを
、HPLC単離の後、収率61%で生成した。この生成物の光分解(3時間/D
MF)は目的のシクロ−[Tyr−Arg−Phe−Gly]3を生成した。環
化、精製、光分解およびHPLC単離の後の全体での収率は28%(重量)であ
った。
【0145】 (ラセミ化の評価) 環化の際のラセミ化の程度を試験するために、本発明者らは以下のペプチドの
組の合成および環化を選択した: 1f.[Hnb]Gly−[Hnb]Tyr−Arg−Phe 1g.[Hnb]Gly−Tyr−[Hnb]Arg−Phe 1h.[Hnb]Gly−Tyr−Arg−[Hnb]Phe。
【0146】 これらのペプチドの環化は、異なる構造であるが同じMWの環化生成物を生じ
ることに留意のこと。環化は最初は小規模(1mg)で行った。ペプチド1fお
よび1gは本発明者らの「標準」環化条件下で正しい分子量の2つの単環状生成
物を生じた。出発物質または他の生成物は検出されなかった。ペプチド1fにつ
いてのHPLCプロファイルを図6に示す。
【0147】 他方、ペプチド1hの環化はいくらか遅く、そして主としてD−Phe環状生
成物を生じた。この生成物は60%の直鎖状ペプチドを含む。
【0148】 ラセミ化をさらに研究するために、以下の試薬および溶媒の組合せを評価した
: 溶媒: ジオキサンまたはDMF 活性化試薬:BOPまたはHATU 塩基: DIEAまたは対称コリジン 時間/温度:室温で20時間または70℃で1時間。
【0149】 全部で16の反応条件を並行して適用し、これは、上記溶媒、試薬、塩基およ
び条件の全ての組合せを含んでいた(1当量の活性化試薬、2当量の塩基、溶媒
中1mMのペプチド1f)。反応生成物を、Genevac中で溶媒を除去し、
そして残渣をアセトニトリル/水中に再懸濁し、次にHPLC分析することによ
って分析した。ジオキサンは環化のための貧溶媒であることが証明された。試験
したほとんどの場合において、出発物質のみが検出され得た。これはおそらく直
鎖状ペプチドがジオキサンにほとんど溶解しないという事実によるものである。
DMFの実験について、HATU活性化はL−環状ペプチドをより多く生成した
が、その影響は小さかった(図4参照)。コリジンをDIEAに替えても生成物
プロファイルには影響はなく、同量のラセミ化が観察された。
【0150】 大規模環化をペプチド1fで行い、そして2つの環状生成物がHPLCによっ
て混合物として収率68%(重量)で単離された。2つの生成物はHPLCで分
離され、そして光分解されて、1つの非置換環状ペプチドを各々生成し得た(M
W=523グラム/mol)(同時溶離なし)。生成物の1つはペプチド1d由
来の生成物と同時に溶離し、従って、全てLのシクロ−[Gly−Tyr−Ar
g−Phe]と帰属された。2つ目に溶離した生成物はシクロ−[Gly−Ty
r−Arg−(D)Phe]と帰属された。混合物の光分解は2つの環状非置換
ペプチドの混合物を収率34%(総収率23%)で生じた。第1の生成物はペプ
チド1dの環化とその後の光分解によって得られる生成物と共に溶離した。
【0151】 (シクロ−[Tyr−Arg−Phe−Ala]の合成のための環縮小および
骨格置換とTyrからAla部位での環化との組合せ) 本明細書の背景のセクションで述べたように、GlyおよびProのような回
転誘導要素は環化に有利であり得る。ここで、本発明者らは、本発明者らの組合
せ技術を回転誘導アミノ酸を含まないペプチドの合成に適用する。この実施例に
おいて、本発明者らは組合せ方法(骨格置換および環縮小補助基)を、非常に困
難な標的、すなわち全てがLの環状テトラペプチドシクロ−[Tyr−Arg−
Phe−Ala]の合成ために利用した。
【0152】 (4[Hnb]Tyr−Arg−[Hnb]Phe−Ala) 小規模(1mgペプチド)環化を以下の条件を用いて研究した: i.DMF中1mMのペプチド溶液、1当量BOP、2当量DIEA、室温で
3時間。
【0153】 ii.10当量のDIEAの添加 iii.室温で20時間;または70℃で1時間;または70℃で20時間。
【0154】 これらの環化条件下のペプチド4は、正確な分子量の環状生成物を提供した。
【0155】 ペプチド4の環化が改良され得たかどうかを立証するために、最適化を行った
。ここで溶媒および温度条件は上記の標準プロトコル内で変更した。 溶媒: (iii)中の温度条件 DMF 20時間 室温 DMSO 1時間 70℃ ジオキサン 20時間 70℃ トルエン ジオキサンまたはトルエンとして用いた場合、使用したいずれの温度でも非常
に低い収率で環状生成物が得られた。一般に,DMSOはDMFと比べて、図7
に示すように、有意にきれいな反応プロファイルを生じた。
【0156】 DMSO実験の結果を以下のようにまとめることができる: 20時間/室温:2つの主要な環状生成物が形成される(AおよびB);両方と
もES−MSで正しい分子量を示した(MH+ 840m/z)。 1時間/70℃:同様の結果、ただし2つの単環状生成物のうちの1つ(A)は
強度が減少する。 20時間/70℃:1つの単環状生成物のみが形成される(B)。単環状生成物
(A)は存在しない。
【0157】 大規模環化(直鎖状ペプチド60mg)をDMSO中、室温(20時間)で行
い、2つの単環状生成物がHPLCによって単離された(合わせた収率:46%
、比率は約1/1である)。
【0158】 2つの環状生成物を加熱および光分解に供した: 生成物A:熱に対して不安定;生成物は、DMSO中、70℃で20時間加熱す
ると、完全に分解した。加水分解に対して安定(水性緩衝液、pH9)。この化
合物のDMSO中での光分解は適度に進行した;両方のHnb基が除去され、そ
してシクロ−[Tyr−Arg−Phe−(D)Ala]がHPLCで収率42
%で単離された。D−Alaの存在はキラルアミノ酸分析で確認された。 生成物B:熱におよび加水分解条件(水性緩衝液、pH9)に対して安定。光分
解は容易には進行しなかった。キラルアミノ酸分析によりL−Alaの存在が確
認された。この生成物は全てLのシクロ−[(Hnb)Tyr−Arg−(Hn
b)Phe−Ala]である。
【0159】 組合せアプローチの用途の広さをさらに評価するために、本発明者らはペプチ
ド5の環化を「通常」条件下で試験した: (i)1当量BOP、2当量DIEA、1mM DMF(3時間、室温); (ii)10当量DIEA(12時間、室温)。
【0160】 (5.[Hnb]Ala−Tyr−[Hnb]Arg−Phe) AlaからPhe部位での環化を大規模(30mg)で行った。1つの環状生
成物(これは予想した分子量および同位体分布パターンをES−MSで示した)
が分取HPLCによって収率53%で単離された。
【0161】 驚くべき結果がこの実施例で報告され、これは環状ペプチドおよびペプチド模
倣物の合成のための組合せアプローチの力を示す。当業者はまた、この組合せを
固体支持体上での環状ペプチドの合成に適用する可能性を理解するであろう。
【0162】 (実施例3のための実験:) ペプチド合成:直鎖状ペプチド1a−eをクロロトリチル樹脂(0.91mm
ol/g)上で合成した。Fmoc−Gly−OHを樹脂に、供給者(Pepc
hem)によって推奨される様式で負荷した。次にペプチドをFmoc−SPP
Sプロトコルを用いて構築した。Fmoc基の除去は、Fmoc−ペプチド樹脂
をDMF中の50%ピペリジン(2×2分)で処理することによって行った。続
くアミノ酸のカップリングを以下のように行った:4当量のFmocアミノ酸を
4当量のHBTUを含むDMF(HBTUの0.5M溶液)中に溶解した。1分
後、この溶液をアミノペプチド樹脂に加え、樹脂を10分間振盪した。ニンヒド
リンテストを行って、完全なアシル化を保証した。アシル化が完了していなかっ
た場合、ニンヒドリンテストがネガティブ(>99%カップリング)となるまで
、反応混合物をさらに放置した。2−ヒドロキシ−6−ニトロベンジル補助基を
実施例2で記載するように、還元的アミノ化によって付加した。Hnb基の導入
後、次の残基を同じHBTU活性化プロトコルを用いてカップリングしたが、カ
ップリング反応は室温で20時間放置した。次にペプチドを樹脂から、95%T
FA/5%水(45分間、室温)で処理することによって切断した。TFAをエ
バポレートし、そしてペプチドをエーテルで沈殿させた。沈殿物をアセトニトリ
ル/水に溶解し、そして分取HPLCカラムに付し、そして2%/分勾配(10
0%Aから20%A)を用いて、生成物を溶離した。次に目的生成物を含む画分
を合わせて、HPLC(純度)およびES−MSで分析した。 ペプチド1aは収率50%(樹脂の理論的置換値より)で単離された。 ES−MS:計算値C334089=692.3(モノ同位体)、実験値=69
2.4。 ペプチド1bは収率54%(樹脂の理論的置換値より)で単離された。ES−M
S:計算値C334089=692.3(モノ同位体)、実験値=692.2。 ペプチド1cは収率25%(樹脂の理論的置換値より)で単離された。 ES−MS:計算値C334089=692.3(モノ同位体)、実験値=69
2.2。 ペプチド1dは収率28%(樹脂の理論的置換値より)で単離された。 ES−MS:計算値C4045912=843.3(モノ同位体)、実験値=8
43.2。 ペプチド1eは収率22%(樹脂の理論的置換値より)で単離された。 ES−MS:計算値C4045912=843.3(モノ同位体)、実験値=8
43.2。
【0163】 ペプチド1dの大規模環化:0.011mmolの直鎖状ペプチド1d(TF
A塩10mg)を0.012mmolのBOP(5.2mg)を含むDMF(5
mL)中に溶解した。0.025mmolのDIEA(4.3μL)を含むDM
F(5mL)を加え、混合物を3時間(室温)で攪拌した。0.25mmolの
DIEA(40μL)を加え、反応をさらに20時間攪拌した。溶媒を高真空下
でエバポレートし、残渣をアセトニトリル/水に溶解し、分取HPLCに付した
。1.5%勾配を用いて生成物を溶離した(100%緩衝液Aから20%緩衝液
A)。シクロ−[(Hnb)Tyr−(Hnb)Arg−Phe−Gly]2d
(5.3mg、0.0064mmol、61%)を単離した:ES−MS:計算
値C4043911=825.3(モノ同位体)、実験値=825.1。
【0164】 生成物2d(5mg、6×10-3mmol)を、次に、DMF(10mL)に
溶解し、その溶液をビーカーに入れ、そしてUVランプ(350−365nm、
20W、ブラック/ホワイト/ブルー)を用いて3時間、光分解した。DMFを
減圧下で除去し、残渣をアセトニトリル/水に溶解し、溶液を濾過し、そして分
取HPLCカラムに付した。100%Aから20%Aへの1.5%勾配を用いて
生成物を溶離した。シクロ−[Tyr−Arg−Phe−Gly]を収率47%
(1.5mg、2.8 10-3mmol)で単離した:ES−MS:計算値C263375=523.2(モノ同位体)、実験値=523.3。
【0165】 (ラセミ化の評価) ペプチド合成:ペプチド1fおよび1gを上記のように合成した。ペプチド1
fは収率39%(樹脂の理論的置換値より)で単離された。ES−MS:計算値
4045912=843.3(モノ同位体)、実験値=842.9。ペプチド
1gは収率28%(樹脂の理論的置換値より)で単離された。ES−MS:計算
値C4045912=843.3(モノ同位体)、実験値=843.3。ペプチ
ド1hはBoc−Phe−PAM樹脂上で上記のようにBoc SPPSプロト
コルを用いて合成され、そして収率28%(樹脂の理論的置換値より)で単離さ
れた。ES−MS:計算値C4045912=843.3(モノ同位体)、実験
値=843.2。
【0166】 (標準的環化条件:) i.直鎖状ペプチド、DMF中1mM、1当量BOP、2当量DIEA、3時間
、室温。 ii.10当量のDIEAの付加、および室温で20時間または70℃で1時間
【0167】 この後、溶媒を減圧下で除去し、残渣をアセトニトリル/水に溶解し、そして
粗生成物溶液をES−MSおよびHPLCで分析した。
【0168】 ペプチド1fの大規模環化:ペプチド1f(TFA塩30mg、0.0355
mmol)をDMF(30mL)中に溶解し、そして6当量のDIEA(18.
3μL)を加えた。1当量のBOP(17.1mg)を加えた後、この反応系を
20時間攪拌した。次に溶媒を除去し(高真空)、残基をアセトニトリル/水に
溶解し、そして溶液を直接、分取HPLCカラムに付した。100%Aから20
%Aまでの1.5%勾配を用いて、生成物を溶離した。環状生成物を含む画分を
採取し、合わせて、凍結乾燥した。17.5mgの2つの生成物の混合物が得ら
れた(収率68%):ES−MS:計算値C4043911=825.3(モノ
同位体)、実験値=825.1。2つの生成物の混合物(17mg)をDMF(
20mL)に溶解し、そして3時間光分解した。溶媒を除去し、残渣をアセトニ
トリル/水に溶解し、そして溶液を分取HPLCカラムに付した。100%Aか
ら20%Aまでの1.5%勾配を用いて生成物を溶離した。目的の環状生成物シ
クロ−[Gly−Tyr−Arg−(L)Phe]およびシクロ−[Gly−T
yr−Arg−(D)Phe]を混合物として単離した(3.8mg、収率35
%):ES−MS:計算値C263375=523.2(モノ同位体)、実験値
=523.3。L−Phe/D−Pheの比はキラルアミノ酸分析で2/3と決
定された。2つの環状生成物の混合物のうち、第1に溶離するものは、上記のよ
うに合成した全てLのシクロ−[Tyr−Arg−Phe−Gly]1dと共に
溶離した。
【0169】 (シクロ−[Tyr−Arg−Phe−Ala]の合成、TyrからAla部
位での環化に対する環縮小と骨格置換との組合せ) ペプチド合成:ペプチド合成および切断をFmoc−Ala−Wang樹脂(
0.45mmol/グラム)上で上記のようにして行った。ペプチド4bは収率
77%(樹脂の理論的置換値より)で単離された。ES−MS:計算値C4147912=857.9(モノ同位体)、実験値=857.4。ペプチド5は収率
28%で単離された。ES−MS:計算値C4147912=857.9(モノ
同位体)、実験値=857.4。
【0170】 ペプチド4の大規模環化:ペプチド4(TFA塩60mg、0.062mmo
l)をDMSO(60mL)に溶解し、1当量のBOP(31.2mg)を加え
た。2当量のDIEA(24μL)を加え、そして反応系を室温で3時間攪拌し
た。10当量のDIEA(20μL)を加え、攪拌をさらに20時間続けた。溶
媒を除去し(高真空)、残渣をアセトニトリル/水に溶解し、そして溶液を分取
HPLCカラムに直接付した。95%Aから10%Aまでの2%勾配を用いて、
生成物を溶離した。2つの環状生成物を分離した: 生成物A(9mg、18%)ES−MS:計算値C4145911=839.3
(モノ同位体)、実験値=839.5。生成物のキラルアミノ酸分析はL−Ty
r、L−Arg、L−PheおよびD−Alaの存在を示した。生成物A=シク
ロ−[(Hnb)Tyr−Arg−(Hnb)Phe−(D)Ala]。 生成物B(7mg、13%)ES−MS:計算値C4145911=839.3
(モノ同位体)、実験値=839.5。キラルアミノ酸分析はL−Tyr、L−
Arg。L−PheおよびL−Alaの存在を示した。生成物B=シクロ−[(
Hnb)Tyr−Arg−(Hnb)Phe−Ala]。さらに8mgの生成物
AおよびB(15%)の混合物が単離され、全体の環化収率は46%であった。
【0171】 シクロ−[(Hnb)Tyr−Arg−(Hnb)Phe−(D)Ala]の
光分解:生成物A(9mg)をDMF(100mL)に溶解し、そして光分解を
3時間行った。溶媒を除去し、残渣をアセトニトリル/水に溶解し、そして溶液
を分取HPLCカラムに付した。95%Aから10%Aまでの1.5%勾配を用
いて生成物を溶離した。環状生成物シクロ−[Tyr−Arg−Phe−(D)
Ala]を単離した(2.4mg、収率42%):ES−MS:計算値C273575=537.61(モノ同位体)、実験値=537.2。この生成物のキラ
ルアミノ酸分析はL−Tyr、L−Arg、L−PheおよびD−Alaの存在
を示した。
【0172】 ペプチド4の大規模環化:ペプチド4(TFA塩30mg、0.031mmo
l)をDMF(35mL)に溶解し、1当量のBOP(15.5mg)を加えた
。3当量のDIEA(18.2μL)を加え、そして反応系を室温で3時間攪拌
した。10当量のDIEA(61μL)を加え、攪拌をさらに20時間続けた。
溶媒を除去し(高真空)、残渣をアセトニトリル/水に溶解し、そして溶液を分
取HPLCカラムに直接付した。95%Aから10%Aまでの2%勾配を用いて
、生成物を溶離した。1つの環状生成物が分離された: シクロ−[(Hnb)Tyr−Arg−(Hnb)Phe−Ala]:(15.
6mg、60%)ES−MS:計算値C4145911=839.3(モノ同位
体)、実験値=839.2。
【0173】 (実施例4 活性化リンカー) 一般式:
【0174】
【化64】 の活性化リンカーを、鎖構築中でのそれらの安定性、ならびに最終環化反応にお
けるそれらの不安定性について評価した。n=0リンカーに対して、本発明者ら
は一連の拘束環状ペプチドを下記表5に示すようにして合成した。
【0175】 用いられる手順の一般的な概略をスキーム9に示す。ヒドロキシ安息香酸(1
)をBoc−Gly−OHでアシル化した。得られたエステル結合は、化合物(
2)をTFAで処理し、次に生成物(3)を1H NMR分析することによって
確認されるように、TFA処理に対して安定であることが見いだされた。
【0176】
【化65】 化合物(2)を、DMF中のHBTUを用いてアミノ−メチル化樹脂(ポリス
チレン)(置換値(sv)=0.21mmol/g)に付加した(スキーム9)
。ペプチド構築を定量的ニンヒドリンテストでモニターし、直鎖状配列の構築の
成功が示された。これを樹脂重量の増加で確認した。側鎖保護基の脱保護をHF
/アニソール(9/1)で−5℃で1時間処理することによって達成した。HF
のエバポレートの後、樹脂をエーテルで洗浄した。
【0177】 環化および付随する切断を、DMF中の10当量のDIEAで3日間処理する
ことによって達成した。反応混合物を濾過によってワークアップし、そして濾液
を水で希釈し、凍結乾燥した。粗凍結乾燥生成物をアセトニトリル/水(1/1
)に再溶解し、そしてさらに分析および分取HPLCで分析した。
【0178】 粗生成物のHPLCプロファイルを図1に示す。主成分は目的のペプチドであ
り、これは溶液相で合成した物質とのHPLC比較ならびに同時溶離実験によっ
て証明される。この結果は、特に粗物質の驚くべき純度を考慮すると、このスト
ラテジーの、拘束環状ペプチドの合成における潜在的な能力を示す。環状物質の
収率を表5に示す。
【0179】 (表5) 活性化リンカーを使用する環状ペプチドの収率
【0180】
【表5】 (実施例4のための実験) このセクションは活性化リンカーおよびモデルペプチドの合成についての実験
的詳細を記載する。
【0181】 (活性化リンカーシクロ[DGActRG]を用いるモデル化合物の合成(表
5)) (リンカー樹脂) アミノメチル化樹脂(2.38グラム、0.5mmol)を最初にDMF中の
10%DIEAで洗浄し(5分間)、そして次にDMF(3×5mL)で洗浄し
た。ヒドロキシ安息香酸(276mg、2mmol)を4mLのDMF中の0.
5M HBUTUに溶解し、そしてDIEA(400μL、2.3mmol)を
加えた。次に活性化溶液を、中和した樹脂に加えた。10分後、樹脂を排出し、
そしてDMF(3×5mL)で洗浄した。DMF(4mL)中の水性水酸化ナト
リウム(1M、2mL)の溶液を樹脂に加え、10分間混合した。水酸化ナトリ
ウム処理を繰り返し、そして樹脂をDMF/水(1/1)(3×5mL)で洗浄
し、そして次にDMF(3×5mL)で洗浄した。
【0182】 (ペプチドの構築) Boc−グリシンを以下のように、最初にリンカーにカップリングした。Bo
cグリシン(350mg、2mmol)を2mLのDCMに溶解し、そしてDI
C(156μL、1mmol)を加えた。15分後、溶液を2mLのDMFで希
釈し、そして樹脂にDIEA(400μL、2.3mmol)と共に加えた。3
0分後、樹脂を排出し、そしてDMF(3×5mL)で洗浄した。次いでBoc
基をニートなTFA(2×1分間)を用いて除去した。次の残基を以下のインサ
イチュ中和プロトコルに従ってカップリングした:2mmolのBoc−保護ア
ミノ酸を4mLのDMF中の0.5M HBTU溶液に溶解し、そしてDIEA
(460μL、2.6mmol)の添加によって活性化した。活性化された溶液
を次に樹脂に加え、そして10分間混合した。樹脂を排出し、そしてDMFで洗
浄した。ニートなTFA(2×1分間)を再び用いて、N末端を脱保護した。以
下の残基を系統的にカップリングした:Boc−Arg(Mts)OH、Boc
−Gly−Cat−OH、Boc−Asp(OcHx)−OH。
【0183】 (側鎖の脱保護) 構築の後、N末端Boc基を上記のようにTFAで除去し、そして樹脂を乾燥
した。側鎖を以下のようにHF処理を用いて除去した:1グラムの樹脂を1mL
のチオアニソールと混合し、そして9mLのHFを加えた。混合物を−5℃で1
時間攪拌し、そしてHFを減圧下除去した。樹脂をジエチルエーテル(3×20
mL)で洗浄し、乾燥した。
【0184】 (環化) 樹脂をDIEA(100μL)を含むDMF(10mL)中で12時間攪拌し
た。樹脂を濾別し、そしてDMFを減圧除去した。残渣を最少量のアセトニトリ
ル/水(1/1)中に溶解し、そして生成物のHPLC分離のために分取逆相カ
ラムに直接付した。シクロ−[DGCatRG](27mg、出発樹脂からの収
率11%)を得た。
【0185】 同じプロトコルに従って、以下のペプチドを構築、脱保護、および環化した:
シクロ−[DGAmbRG]:7.6%収率(3%二量体);シクロ−[DAm
bGRG]:5%収率(5%二量体)。
【0186】 (実施例5 セーフティーキャッチリンカー) 本発明者らはまた、一般クラス:
【0187】
【化66】 のセーフティーキャッチリンカーを評価した。
【0188】 このリンカーの活性化はベンジル基の除去によって達成される。セーフティー
キャッチリンカー(n=2)はスキーム10に示すようにして合成された。
【0189】 本発明者らは、nが1または2の場合により良好な結果が得られることを見い
だし、それゆえ、このタイプのセーフティーリンカーが好適である。
【0190】
【化67】 このセーフティーキャッチリンカーをアミノメチル化ポリスチレンにDMF中
のHBTU/DIPEAを用いて付加し、次にペプチド構築を標準的Bocプロ
トコルを用いて達成した。樹脂を無水HFで捕捉剤としてのアニソールの存在下
、−5℃で処理すると、脱保護されたアミノ酸側鎖がもたらされ、リンカーのベ
ンジル基の除去が付随する。HFをエバポレートさせ、そして樹脂をジエチルエ
ーテルで洗浄して捕捉剤を除去した。樹脂をDMF中のDIPEAで48時間処
理すると、粗環状生成物が得られた。この粗環状物質のLC−MSプロファイル
を図2に示す。主生成物は所望の環であり、感知し得る量のシクロ二量体もまた
存在している。分取スケールHPLCは単量体および二量体の混合物を与え、全
体の収率は約50%である。
【0191】 (実施例5の実験) このセクションは1つのタイプのセーフティーキャッチリンカーおよびモデル
ペプチドの合成を記載する。
【0192】 (セーフティーキャッチリンカーを用いたモデル化合物の合成) (ベンジル4−ベンジルオキシ−3−ヒドロキシベンゾエート)
【0193】
【化68】 臭化ベンジル(1.50cm3、2.16g、12.6mmol)を3,4−
ジヒドロキシ安息香酸(1.00g、6.49mmo)、炭酸カリウム(1.9
7g、14.3mmol)および触媒量のヨウ化テトラブチルアンモニウムをN
,N−ジメチルホルムアミド(50cm3)中に含む、攪拌した懸濁液に加えた
。懸濁液を窒素下で終夜攪拌し、次に水(500cm3)および5%塩酸(50
cm3)を加え、そして混合物をジエチルエーテル(3×100cm3)で抽出し
た。合わせた抽出物を水(3×100cm3)およびブライン(100cm3)で
抽出し、次に乾燥し(Na2SO4)、そしてエバポレートさせて燈色の油状物を
得た。フラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離液:10−20%酢酸エチル
、軽質石油中)は最初にベンジル3,4−ジベンジルオキシベンゾエート(16
8mg、6%)を与え、これは上記で調製したものと同一であった。さらに溶離
すると次にベンジル4−ベンジルオキシ−3−ヒドロキシベンゾエート(1.3
12g、60%)が淡黄色油状物として得られた。ベンジルオキシ基の位置は、
5位のプロトンと4位のベンジルオキシ基のメチレンプロトンとの間に認められ
るn.O.e.から推論された。
【0194】
【数4】 (4−ベンジルオキシ−3−ヒドロキシ安息香酸)
【0195】
【化69】 水酸化リチウム水和物(300mg、7.15mmol)の水(15cm3
溶液を、攪拌したベンジル4−ベンジルオキシ−3−ヒドロキシベンゾエート(
1.177g、3.52mmol)のテトラヒドロフラン(35cm3)溶液に
滴下した。得られた乳濁液を終夜攪拌し、この時点で、透明な淡黄色の溶液が形
成された。さらに水酸化リチウム水和物(300mg、7.15mmol)水(
25cm3)およびテトラヒドロフラン(25cm3)を加え、そして攪拌を24
時間続けた。テトラヒドロフランを減圧除去した。水(100cm3)を残渣混
合物に加え、これをジエチルエーテル(2×50cm3)で洗浄し、5%HCl
でpH1に酸性化し、そしてジクロロメタン(3×100cm3)で抽出した。
合わせた抽出物をブライン(50cm3)で洗浄し、乾燥(NaSO4)し、そし
てエバポレートさせて、4−ベンジルオキシ−3−ヒドロキシ安息香酸を白色固
体(638mg、74%)として得た。ジエチルエーテル洗浄液を1M水酸化カ
リウム(2×25cm3)で抽出した。合わせた抽出物を5%HClでpH1に
酸性化し、そしてジクロロメタン(3×100cm3)で抽出した。合わせた抽
出物をMgSO4で乾燥し、そしてエバポレートさせて、さらに119mgの生
成物を得た(総収量757mg、88%)、m.p.163−165℃。
【0196】
【数5】 (3,4−ジヒドロキシ安息香酸のアルキル化:プロペン−2−イル3,4−
ビス(プロペン−2−イルオキシ)ベンゾエート、プロペン−2−イル3−ヒド
ロキシ−4−(プロペン−2−イルオキシ)ベンゾエートおよびプロペン−2−
イル3,4−ジヒドロキシベンゾエートの調製)
【0197】
【化70】 アリルブロミド(1.18cm3、1.65g、13.6mmol)を、3,
4−ジヒドロキシ安息香酸(1.00g、6.49mmol)および炭酸カリウ
ム(1.97g、14.3mmol)を乾燥N,N−ジメチルホルムアミド(5
0cm3)中に含む攪拌した懸濁液に加えた。終夜窒素雰囲気下で攪拌した後、
混合物を水(500cm3)に注ぎ入れ、5%塩酸で酸性化し、そして酢酸エチ
ル(3×100cm3)で抽出した。合わせた抽出物を水(3×100cm3)お
よびブライン(50cm3)で洗浄し、次にMgSO4で乾燥し、そしてエバポレ
ートさせて、褐色の油状物を得、これをフラッシュカラムクロマトグラフィー(
溶離液:10−50%酢酸エチル、軽質石油中)で精製した。最初に溶離する化
合物は淡黄色油状物としてのプロペン−2−イル3,4−ビス(プロペン−2−
イルオキシ)ベンゾエートであった(460mg、26%)。
【0198】
【数6】 次に溶離したのは、淡紅色油状物としてのプロペン−2−イル3−ヒドロキシ
−4−(プロペン−2−イルオキシ)ベンゾエート(782mg、51%)であ
った。
【0199】
【数7】 最後に溶離したのは、淡黄色半固体としてのプロペン−2−イル3,4−ジヒ
ドロキシベンゾエート(80.2mg、6%)であった。
【0200】
【数8】 (プロペン−2−イル3−ベンジルオキシ−4−(プロペン−2−イルオキシ
)ベンゾエート)
【0201】
【化71】 臭化ベンジル(0.440cm3、634mg、3.70mmol)をプロペ
ニル−2−イル3−ヒドロキシ−4−(プロペン−2−イルオキシ)ベンゾエー
ト(782mg、3.34mmol)および炭酸カリウム(553mg、4.0
0mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(30cm3)中に含む攪拌した
混合物中に加えた。混合物を窒素下で終夜攪拌し、次に水(300cm3)に注
ぎ入れ、そして酢酸エチル(3×100cm3)で抽出した。合わせた抽出物を
水(3×50cm3)およびブライン(50cm3)で洗浄し、次にMgSO4
乾燥し、そしてエバポレートさせて無色油状物とした。これをジクロロメタンに
溶解し、シリカのプラグを通して濾過した。濾液をエバポレートさせて、プロペ
ン−2−イル3−ベンジルオキシ−4−(プロペン−2−イルオキシ)ベンゾエ
ートを無色油状物として得た(1.096mg、100%)。
【0202】
【数9】 (3−ベンジルオキシ−4−ヒドロキシ安息香酸)
【0203】
【化72】 プロペン−2−イル3−ベンジルオキシ−4−(プロペン−2−イルオキシ)
ベンゾエート(1.0356g、3.19mmol)、トリス(トリフェニルホ
スフィン)ロジウムクロリド1(204mg、0.22mmol)および1,4
−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(74mg、0.66mmol)をエ
タノール(18cm3)および水(2cm3)中に入れた混合物を還流下、窒素雰
囲気下で16時間加熱した。冷却した混合物を1M塩酸(100cm3)に注ぎ
、60分間攪拌し、次にジクロロメタン(3×100cm3)で抽出した。合わ
せた抽出物をMgSO4で乾燥し、エバポレートさせて燈色の固体を得、これを
フラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離液:1:1EtOAc:軽質石油)
で精製して、3−ベンジルオキシ−4−ヒドロキシ安息香酸を燈色固体(650
mg、83%)、m.p.167.2−171.3℃として得た。
【0204】
【数10】 1.Corey,E.J.およびSuggs,J.W.,J.Org.Chem
.,1973 38 3224。
【0205】 (ベンジル3−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−4−ベンジルオ
キシベンゾエート)
【0206】
【化73】 tert−ブチルジメチルシリルクロリド(579mg、3.84mmol)
のジクロロメタン(10cm3)溶液を、ベンジル4−ベンジルオキシ−3−ヒ
ドロキシベンゾエート(642.3mg、1.92mmol)およびイミダゾー
ル(327mg、4.80mmol)をジクロロメタン(15cm3)中に含む
攪拌した溶液に加えた。濃い沈殿が即時形成された。1時間後、混合物を水(5
0cm3)に注ぎ入れた。層を振盪および分離し、そして次に水相をさらにジク
ロロメタン(2×50cm3)で抽出した。合わせた抽出物をブライン(50c
3)で洗浄し、次に乾燥し(Mg2SO4)、そしてエバポレートさせて淡黄色
油状物を得た。これを石油エーテル中の20%酢酸エチルに溶解し、そしてシリ
カのプラグを通して濾過した。濾液をエバポレートさせて、表題化合物を淡黄色
油状物(936mg)として得、これをすぐに次の工程で用いた。
【0207】
【数11】 (3−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−4−ヒドロキシ安息香酸
【0208】
【化74】 10%炭素担持パラジウム(80mg)を含む粗シリルエーテル(936mg
、2,09mmol)のエタノール(50cm3)溶液を水素雰囲気下、25p
.s.i.で48時間振盪した。混合物をセライトを通して濾過し、エバポレー
トさせ、次に残渣を酢酸エチルに溶解し、そして濾液をシリカのプラグを通して
濾過して、表題化合物を淡緑色油状物として得た(424mg、76%)。
【0209】
【数12】 (ベンジル4−ベンジルオキシ−3−(tert−ブチルジフェニルシリルオ
キシ)ベンゾエート)
【0210】
【化75】 tert−ブチルジフェニルシリルクロリド(850mg、3.09mmol
)のジクロロメタン(10cm3+5cm3すすぎ)溶液をベンジル4−ベンジル
オキシ−3−ヒドロキシベンゾエート(827mg、2.47mmol)および
イミダゾール(421mg、6.18mmol)をジクロロメタン(15cm3
)中に含む、攪拌した溶液に加えた。数分後、沈殿を形成した。混合物を終夜窒
素雰囲気下で攪拌し、次に水(50cm3)に注ぎ入れた。層を振盪および分離
し、次に水相をさらにジクロロメタン(2×50cm3)で抽出した。合わせた
抽出物をブライン(50cm3)で洗浄し、そしてエバポレートさせて、淡黄色
油状物を得た。これを短いシリカカラムを通して濾過し、そして石油エーテル中
の20%酢酸エチルで溶離した。濾液をエバポレートさせて、ベンジル3−(t
ert−ブチルジフェニルシリルオキシ)−4−ベンジルオキシベンゾエート(
1,646g)をいくらかtert−ブチルジフェニルシラノールを含む非常に
淡い黄色の油状物として得、これを次の工程に直接用いた。
【0211】
【数13】 (セーフティーキャッチリンカーを用いたモデル化合物の合成) (メチル3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロピオネート)
【0212】
【化76】 3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロピオン酸(1.00g、5.49
mmol)および濃縮H2SO4(10滴)をメタノール(25cm3)中に含む
溶液を還流下、終夜加熱した。溶媒をエバポレートさせ、残渣を水(50cm3
)と共に振盪し、そしてCHCl3(3×50cm3)中に抽出した。合わせた抽
出物を乾燥(Na2SO4)し、そしてエバポレートさせてメチルエステルを淡黄
色油状物として得、これを静置して結晶化した(1.12g、100%)、m.
p.71.9−74.1℃(文献1m.p.74−76℃)。
【0213】
【数14】 FreudenbergおよびHeel,(1953) (メチル3−(3−ベンジルオキシ−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
トおよびメチル3−(4−ベンジルオキシ−3−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート)
【0214】
【化77】 臭化ベンジル(0.606cm3、872mg、5.20mmol)をメチル
3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロピオネート(1.000g、5.1
0mmol)、K2CO3(845mg、6.12mmol)および触媒量のヨウ
化テトラブチルアンモニウムをDMF(25cm3)中に含む、攪拌した懸濁液
に加えた。懸濁液を終夜、窒素雰囲気下で攪拌した。水(500cm3)および
5%HCl(50cm3)を加え、そして混合物をジエチルエーテル(3×10
0cm3)で抽出した。合わせた抽出物を水(3×100cm3)およびブライン
(100cm3)で洗浄し、次に乾燥(Na2SO4)し、そしてエバポレートさ
せて、褐色油状物を得、これをフラッシュクロマトグラフィー(5−20%Et
OAc、ガソリン中)で精製して、モノベンジルエーテルの1:1混合物を無色
油状物(1.150g、79%)として得た。
【0215】
【数15】 (3−(3−ベンジルオキシ−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸および
3−(4−ベンジルオキシ−3−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸) 水酸化リチウム一水和物(5.25g、125mmol)の水(150cm3
)溶液を、メチルエステル混合物(11.95g、41.7mmol)をTHF
(150cm3)中に含む、攪拌した溶液に加えた。得られた混合物を窒素雰囲
気下で攪拌した。翌朝、透明な淡黄色溶液が形成された。THFをエバポレート
させ、残渣を水(150cm3)で希釈し、そして5%HClでpH3に酸性化
した。混合物をCHCl3(3×350cm3)で抽出し、合わせた抽出物を乾燥
し(Na2SO4)、そしてエバポレートさせて、褐色油状物とし、これを放置し
て固化した。これをEtOAc中に溶解し、そして短いシリカラムを通過させた
。溶出物をエバポレートさせて、生成物を黄褐色固体として得た(11.12g
、98%)。
【0216】
【数16】 (3−(3−ベンジルオキシ−4−(N−tert−ブトキシカルボニル)グ
リシルオキシ)フェニル−プロピオン酸および3−(4−ベンジルオキシ−3−
(N−tert−ブトキシカルボニル)グリシルオキシ)フェニル−プロピオン
酸)
【0217】
【化78】 トリエチルアミン(1.40cm3、1.01g、10.0mmol)および
エチルクロロホルメート(0.960cm3、1.085g、10.0mmol
)を、ジクロロメタン(20cm3)中のBoc−Gly−OH(1.75g、
10.0mmol)の撹拌冷却(−20℃)溶液に添加した。この溶液を、−1
0〜−15℃で20分間撹拌した。この時間の間、沈殿物が形成した。ジクロロ
メタン(20cm3+5cm3リンス)中のベンジルオキシ酸(2.86g、10
.0mmol)の位置異性体混合物およびトリエチルアミン(1.40cm3
1.01g、10.0mmol)の溶液を、次いで滴下した。得られた溶液を、
−5〜0℃で2時間、撹拌し、次いで、10%クエン酸(2×10cm3)およ
びブライン(10cm3)で洗浄し、次いで、乾燥し(Na2SO4)、そしてシ
ロップになるまでエバポレートした。これを、少量の1:1酢酸エチル/石油エ
ーテルに溶解し、そしてショートシリカカラムに通した。この溶出液をエバポレ
ートすることによって、表題のカルボン酸の混合物を無色のシロップとして得た
(3.986g、93%)。
【0218】
【数17】 (シクロ−[D−G−Amb−R−G]の固相合成)
【0219】
【化79】 アミノメチル樹脂(Peptide Institute、0.83mmol
/グラム、602mg、0.50mmol)を、DMF中の10%DIPEAと
ともに30の間(for 30)振盪し、次いで、ドレインし、そしてDMFで
よく洗浄した。
【0220】 ベンジルオキシリンカー(429mg、1.0mmol、2当量)を、標準H
BTU/DIPEAプロトコルを使用して一晩、カップリングした。残りの残基
を、標準HBTU/DIPEAプロトコルを使用して各々、10分間、カップリ
ングした。この乾燥樹脂の最終収率は、906mgであった。この725mg(
約0.4mmol)を、捕捉剤としてアニソールを使用して無水HFで切断した
。この樹脂を、ジエチルエーテルでよく洗浄し、吸引乾燥し、次いで、0.5c
3のDIPEAを含有する5.0cm3のDMF中で48時間、穏やかに撹拌し
た。樹脂を、濾過して取り除き、そしてDMFでよく洗浄した。濾液のエバポレ
ーション、続いて分取用HPLCによって、シクロ−[D−G−Amb−R−G
]をけば状の白色固体として得た(103mg、49%)。生成物のLC−MS
による分析は、シクロダイマーである、シクロ−[D−G−Amb−R−G−D
−G−Amb−R−G]の存在を示した。モノマーのダイマーに対する比は、約
3:2であった。
【0221】 (実施例6) (骨格置換および活性化またはセイフティーキャッチリンカー) この実施例は、セイフティーキャッチリンカーの骨格置換との使用が環状ペプ
チドの合成のための有用な組み合わせであることを示す。
【0222】 配列Ala−Phe−Leu−Pro−Alaは、BOP/DIEAを使用す
る溶液条件(SchmidtおよびLagner、1997)下、またはセイフ
ティーキャッチリンカーを使用する樹脂上(on−resin)条件下で環化し
ない。しかし、骨格置換方法は、セイフティーキャッチリンカーとの組み合わせ
で適用される場合、相当量の環状生成物が得られる。例えば、Ala−(Me)
Phe−Leu−Pro−Alaの合成および環化により、ES−MSによって
特徴付けられる環状生成物が生成される。この例において、骨格置換はメチル基
であったが、当業者は、多数の他の置換基(HMBおよびHnBのような可逆的
な置換基を含む)もまた使用され得ることを理解する。
【0223】 (実施例6に対する実験) ペプチドの構築を、上記のように(実施例5を参照のこと)セイフティーキャ
ッチリンカーで誘導体化されたアミノメチル化ポリスチレン樹脂(sv=0.2
6meq/g)において、標準インサイチュ中和Boc−SPPSプロトコルを
使用して行った。Boc−(Me)Phe−OHのカップリングおよびBoc基
の除去の後、ペプチドを、DCM中Boc−Ala(10当量)およびDIC(
5当量)から調製される、Boc−Alaの対称無水物の溶液を使用してアシル
化した。次いで、この樹脂を、TFMSA/TFAp−クレゾール(1:10:
1)で2時間処理し、リンカー活性化のためにベンジル基を除去した。次いで、
この樹脂をTFA(3×10mL)、DCM(3×10mL)およびDMF(3
×10mL)で洗浄した。次いで、この樹脂を、DMF中の2%DIEAで一晩
処理した。溶媒を、Genevacで除去し、そしてこの残渣を、アセトニトリ
ル/水中に再懸濁し、そしてES−MSおよび逆相HPLCによって分析した。
ES−MSスペクトルは、シクロ−[Ala−(Me)Phe−Leu−Pro
−Ala]について予想されるm/z値に主要ピークを示した(C273955 の計算値=513.3(1同位体)、実測値=513.3)。
【0224】 (実施例7) (環縮小および活性化またはセイフティーキャッチリンカー) 実施例2において、環縮小補助(HnB)を、異なる環状ペンタペプチドを合
成するために使用した。この実施例において、本発明者らは、これら補助の活性
化またはセイフティーキャッチリンカーとの組み合わせを考察した。
【0225】 以下に列挙された化合物のアレイは、活性化またはセイフティーキャッチリン
カーおよび環縮小補助を使用して合成する。生成物の収率および純度に対するこ
の組み合わせの効果が評価される。
【0226】
【化80】 (実施例8) (環縮小、骨格置換、および活性化またはセイフティーキャッチリンカー) すべての3つのアプローチの組み合わせは、活性化およびセイフティーキャッ
チリンカー環化ならびに同時切断の利点とともに、骨格置換および環縮小の前組
織化利点を提供する。
【0227】
【化81】 この実施例において、環縮小および骨格置換の組み合わせはまた、樹脂上環化
ストラテジーに適用され得ることが示される。選択された配列[Hnb]Gly
−[Hnb]Tyr−Arg−Pheは、実施例3に示されるように、溶液中で
容易に環化する。本発明者らは、標的環状ペプチドを樹脂から直接生成するため
に、本発明のセイフティーキャッチリンカー(実施例5)を適用してきた。
【0228】 (実施例8に対する実験) ペプチドの構築を、Boc−Phe−リンカー−樹脂で行い、この樹脂は、標
準様式(実施例6を参照のこと;樹脂はアミノメチル化樹脂(sv=0.26m
eq/gr)であった)で合成した。次いで、このペプチドを、上記のように、
インサイチュ中和プロトコルおよびBoc−SPPSを使用して構築した。Hn
b基を、標準還元的アミン化アプローチを使用して導入した。特定のケアを行っ
て、NaBH4への曝露の時間を最小化した(1当量のNaBH4を1分間)。な
ぜならば、このことは、樹脂からのペプチドの切断の早発を引き起こし得るから
である。第1のHnb基の導入後、Boc−Glyを、そのHBTU活性化エス
テルを介して接続した(一晩)。樹脂をさらに、1%ピペリジンで(5分間)処
理し、フェノール(Hnb)においてO−アシル化を除去した。上記のような第
2のHnb基の導入の後、この樹脂を、HF/p−クレゾール(9/1;0℃で
1時間)で処理し、側鎖保護基およびベンジル基をリンカー活性化のために除去
した。次いで、この樹脂を、エーテル(3×10mL)、DMF(3×10mL
)、DCM/MeOH(10mL)を用いて洗浄し、そして高真空下で2時間乾
燥した。次いで、この樹脂を、DMF中の1%DIEAで一晩処理した。この溶
媒の除去の後、残渣を、アセトニトリル/水中に再懸濁し、そしてES−MSお
よび逆相HPLCによって分析した。ES−MSスペクトルは、シクロ−[[H
nb]Gly−[Hnb]Tyr−Arg−Phe]について予想されるm/z
値に主要ピークを示した(C4043911の計算値=825.3(1同位体)
、実測M=825.4gr/mol)。
【0229】 (骨格リンカー) 環状ペプチドを合成するための通常アプローチは、C−末端保護されたアミノ
酸の樹脂へのその側鎖を介しての接続である。
【0230】
【化82】 樹脂におけるペプチド環化のための方法論。
【0231】 方法A−側鎖接続 方法B−骨格接続。
【0232】 この手順を広く適用した。なぜならば、環化を行う利点を有し、一方、ペプチ
ドはなお樹脂に接続するからであり、従って、プソイド希釈環境を提供する。次
いで、環化ペプチドを、脱保護し、そして切断し、非保護環状ペプチドを生成す
る。しかし、ライブラリの観点から、このストラテジーは不適切である。なぜな
らば、特定のアミノ酸の樹脂への接続に制限されるからである。これらの問題を
克服する試みにおいて、本発明者らは、2つの骨格リンカーを開発し、これは、
C−末端において第1のN−アミドを介してペプチドを樹脂に連結する。
【0233】 骨格連結アプローチの主な利点は、これが直鎖状前駆体(すなわち、環化の位
置)を選択する際の柔軟性を可能にすることである。このことは重要である。な
ぜならば、環化の収率が、直鎖状前駆体の選択に依存していることが知られてい
るからである。本発明者らは、2つの骨格リンカーを設計し、そして開発してき
た。リンカー(7)は、Boc化学(すなわち、ニートなTFAに対して安定で
あるが、HFを用いて切断される)を可能にするが、一方、リンカー(8)は、
Fmoc化学(すなわち、TFAによる切断(95%))を可能にする。
【0234】
【化83】 研究された骨格リンカー。
【0235】 (実施例9) (リンカー(7)) 例として、本発明者らは、スチロスタチン(stylostatin)の合成
を研究した。この環状ヘプタペプチドは、本来、Stylotella aur
antiumから単離され、そして非常に細胞傷害性であることが見出された。
【0236】
【化84】 スチロスタチンの構造、ならびにスチロスタチンの合成のために使用される2
つのリンカーaおよびb。
【0237】 2つのリンカー−ジペプチドユニット(上記)を、スキーム9において概説さ
れるように溶液中で調製し、そしてアミノメチル化樹脂に連結し;aおよびbは
、スチロスタチン骨格上の連結位置をいう(この上で樹脂接着がなされる)。
【0238】
【化85】 次いで、直鎖状前駆体配列を、インサイチュ中和プロトコルを使用して樹脂上
に構築した。C−末端アリル保護基の除去を、Pd(Ph3P)4を使用して達成
した。樹脂が結合した直鎖状ペプチドをさらに、BOP/DIEA活性化を使用
して環化した。脱保護および切断(HF)後、生成物を、分離し、分析し、そし
て重量測定した。反応生成物は、主に環状モノマーおよび環状ダイマーから構成
された。結果を表6に示す。ここで、アミノ酸配列は、単一文字コードによって
与えられる。
【0239】
【表6】 これらの結果は、いくつかの興味深いポイントを強調する。第1に、骨格連結
ストラテジーは、環状ペプチドを生成する方向への可能な経路である。単離され
た物質の収率は、開始樹脂の置換値に基づいて、溶液相環化から得られる全収率
によく匹敵する。第2に、環化収率は、モノマー対ダイマーの点で、2つの前駆
体に関して有意に異なる。これは、先行の樹脂上環化アプローチよりも勝る骨格
連結アプローチの利点(すなわち、同じ環状ペプチドに対していくつかの前駆体
を選択し得ること)を示す。環化に関する最適な前駆体を予測することは一般に
不可能である。この固相ストラテジーは、いくつかの前駆体を同時に構築し、そ
して迅速かつ効率的な手段でそれらの環化プロフィールを比較することを可能に
する。
【0240】 (実施例10に対する実験) この節は、Boc化学を使用する骨格リンカーおよびモデルペプチドの合成の
詳細を記載する。
【0241】 (骨格リンカーの合成(スキーム12)およびBoc化学を使用するモデル化
合物(表6)) (4−[5−オキシ−(トリメチルシリルエチルバレレート)]ベンズアルデ
ヒド(benzaldhyde))
【0242】
【化86】 4−ヒドロキシベンズアルデヒド(12.2g、0.10mmol)、5−ブ
ロモ(トリメチルシリルエチル)バレレート(13.82g、0.20mol)
およびK2CO3(40.0g、0.29mol)を、アセトン(250mL)中
、16時間、還流した。固体を、濾過し、アセトンで洗浄し、そして揮発性物質
を真空下で除去した。生成物を、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtO
Ac、8:1)によって精製し、無色オイル(28.2g、87%)を得た。
【0243】
【数18】 (N−[4−(5−オキシ−(トリメチルシリルエチルバレレート))ベンジ
ル]−L−フェニルアラニンアリルエステル)
【0244】
【化87】 アルデヒド(16.2g、50.2mmol)、フェニルアラニンアリルエス
テル(20.5、100mmol)および過剰のMgSO4(約40g)を、C
2Cl2(75mL)中で室温、16時間、撹拌した。固体を、濾過し、そして
揮発性物質を、真空下で除去し、粗製イミンを黄色のオイルとして得た。MeO
H(200mL)およびHOAc(3mL)を、添加し、そして反応混合物を1
0℃まで冷却した。NaCNBH3(6.1g、100mmol)を、撹拌溶液
に少しずつ添加した。この反応混合物を、室温まで加温し、その後、さらに2時
間、撹拌した。揮発性物質を、真空下で除去し、そして得られた残渣をH2O(
100mL)で希釈し、そしてEtOAc(3×100mL)で抽出した。合わ
せたEtOAc抽出物を、飽和ブライン(1×200mL)および水(1×20
0mL)で洗浄し、その後、MgSO4で乾燥した。揮発性物質を、真空下で除
去し、そして得られたオイルをフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン Et
OAc、1:1)によって精製し、無色透明のオイルを得た(20.2g、79
%)。
【0245】
【数19】 (Boc−L−Pro−[N−(4−(5−オキシ−(トリメチルシリルエチ
ルバレレート))ベンジル)]−L−フェニルアラニンアリルエステル)
【0246】
【化88】 Boc−Pro−OH(8.61g、40.0mmol)を、EtOAc(3
0mL)に溶解し、これに、DCCI(4.12g、20.0mmol)を添加
した。対称無水物を形成するために10〜15分間の活性化した後、この混合物
を、濾過し、そして濾液をアミン(6)(5.11g、10.0mmol)およ
びDIEA(2.67mL、15mmol)の溶液に添加した。この反応系を、
室温で16時間、撹拌した。EtOAc(100mL)を、添加し、そしてこの
反応混合物を、10%K2CO3溶液(2×250mL)、ブライン(1×250
mL)およびH2O(1×250mL)で洗浄し、その後、MgSO4で乾燥した
。揮発性物質を、真空下で除去し、そして得られたオイルをフラッシュクロマト
グラフィー(ヘキサン:Et2O、5:1)によって精製し、無色透明のオイル
を得た(3.55g、60%)。
【0247】
【数20】 (Boc−L−Pro−[N−(4−(5−オキシ吉草酸)ベンジル)]−L
−フェニルアラニンアリルエステル)
【0248】
【化89】 エステル(2.0g、2.82mmol)を、THF溶液(20mL)中、室
温で撹拌した。TBAF(3mL、1M)を滴下し、そしてけん化を3時間、進
めた。H2O(100mL)およびHOAc(3mL)を、反応混合物に添加し
た。酸を、EtOAc(3×100mL)中に抽出し、そしてH2O(1×25
0mL)で洗浄し、その後、MgSO4で乾燥した。揮発性物質を、真空下で除
去し、そして得られたオイルをフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:Et 2 O、5:1)によって精製し、無色透明のオイルを得た。3級アミド(生成物
)を、カラムクロマトグラフィー(CH2Cl2:MeOH、19:1)によって
精製し、白色固体を得た(2.54g、90%;融点28〜30℃):
【0249】
【数21】 (N−[4−(5−オキシ−(トリメチルシリルエチルバレレート))ベンジ
ル]−L−イソロイシンアリルエステル) アルデヒド(16.2g、50.2mmol)、イソロイシンアリルエステル
(20.5、100mmol)および過剰のMgSO4(約40g)を、CH2
2(75mL)中で室温、3時間、撹拌した。固体を、濾過し、そして揮発性
物質を、真空下で除去し、粗製イミンを黄色のオイルとして得た。MeOH(2
00mL)およびHOAc(3mL)を、添加し、そして反応混合物を10℃ま
で冷却した。NaCNBH3(6.1g、100mmol)を、撹拌溶液に少し
ずつ添加した。この反応混合物を、室温まで加温し、その後、さらに2時間、撹
拌した。揮発性物質を、真空下で除去し、そして得られた残渣をH2O(100
mL)で希釈し、そしてEtOAc(3×100mL)で抽出した。合わせたE
tOAc抽出物を、飽和ブライン(1×200mL)および水(1×200mL
)で洗浄し、その後、MgSO4で乾燥した。揮発性物質を、真空下で除去し、
そして得られたオイルをフラッシュクロマトグラフィー(1:1 ヘキサン E
tOAc)によって精製し、無色透明のオイルを得た(20.2g、79%)。
【0250】
【数22】 (Boc−L−Ala−[N−(4−(5−オキシ−(トリメチルシリルエチ
ルバレレート))−ベンジル)]−L−イソロイシンアリルエステル)
【0251】
【化90】 Boc−Ala−OH(2.89g、15.0mmol)をCH2Cl2(30
mL)に溶解し、これにDAST(4.12g、20.0mmol)を添加した
。10〜15分間活性化して、酸フッ化物を形成した後、この混合物を冷H2
で洗浄し、MgSO4で乾燥し、そして揮発物を真空下で除去した。次いで、す
ぐに、酸フッ化物を、THF(20mL)中のアミン(4.78g、10.0m
mol)およびDIEA(2.67mL、15mmol)の溶液に添加した。こ
の反応系を室温で16時間撹拌した。EtOAc(100mL)を添加し、そし
てこの反応混合物を、10% K2CO3溶液(2×250ml)、ブライン(1
×250mL)およびH2O(1×250mL)で洗浄し、その後MgSO4で乾
燥した。揮発物を真空下で除去し、そして得られたオイルを、フラッシュクロマ
トグラフィー(ヘキサン:ジエチルエーテル、1:5)で精製して、透明な無色
のオイルを得た(2.86g、44%)。
【0252】
【数23】 (Boc−L−Ala−[N−(4−(5−オキシ吉草酸)ベンジル)]−L
−イソロイシンアリルエステル)
【0253】
【化91】 エステル(2.0g、2.82mmol)を、室温で、THF(20mL)の
溶液中で撹拌した。TBAF(3ml、1M)を滴下し、そして3時間鹸化を進
めた。H2O(100mL)およびHOAc(3mL)を、この反応混合物に添
加した。酸をEtOAc(3×100mL)に抽出した。合わせたEtOAc抽
出物を、飽和ブライン(1×100mL)および水(1×100mL)で洗浄し
、その後、MgSO4で乾燥した。揮発物を真空下で除去し、得られたオイルを
、半分取用HPLC(60分にわたって0〜60%のB)により精製して、第3
級アミドを無色のオイルとして得た(2.54g、44%)。
【0254】
【数24】 (H−Asn−Ser−Leu−Ala−Ile−Pro−Phe−OH)
【0255】
【化92】 このペプチドを、Boc化学.13についてのインサイチュの中和/HBtU
活性化プロトコルを使用する確立した方法によって、段階的な様式で合成した。
キサンチル保護基を、Asn残基のために使用して、ベンジルエーテルをSer
残基のために使用した。カップリング反応を、定量的ニンヒドリンアッセイによ
ってモニターし、この反応は典型的に、99.9%より上であった。鎖の構築が
完了した後、CHCl3:HOAc:NMMの溶液中の樹脂にテトラキス(トリ
フェニルホスフィン)パラジウム[Pd(PPh34](580mg、0.5m
mol、3モル当量)を添加することによって、アリル保護基の除去を行った。
激しい振盪を開始し、14時間続けた。溶媒を除去し、残渣を、ジエチルジチオ
カルバミン酸のナトリウム塩酸三水和物[(C25)N2CS2Na・3H2O]
の、10%DMF溶液(2×10mL)、DMF(2×10mL)、MeOH:
CH2Cl2、1:1(2×10mL)、およびCH2Cl2(2×10mL)で洗
浄した。
【0256】
【化93】 をニートなTFA(2×1分の処理)で除去し、ペプチドを、HF:p−クレゾ
ール(11mL、10:1)を使用して、1時間、−5℃で、樹脂(200mg
、0.166mmol/g)から切断した。減圧下でHFを除去した後、粗ペプ
チドを無水エーテル中で沈殿させ、その後HPLC緩衝液に溶解し、そして凍結
乾燥した。ペプチド、H−Asn−Ser−Leu−Ala−Ile−Pro−
Phe−OH(20)を、半分取用HPLC(60分にわたって30〜90%の
B)で精製して、白色粉末を得た(25mg、78%);MS[M+H]+=7
61.21(計算値 761.42)。
【0257】 (H−Pro−Phe−Asn−Ser−Leu−Ala−Ile−OH)
【0258】
【化94】 このペプチドを、前記の実験と同様の手順を使用し、前駆体Boc−Ala−
[骨格付属物]−Ile−O−アリル(200mg、0.180mmol/g)
を使用して合成した。ペプチド、H−Pro−Phe−Asn−Ser−Leu
−Ala−Ileを、半分取用HPLC(60分にわたって30〜90%のB)
で精製して、白色粉末を得た(10.5mg、39%);MS[M+H]+=7
61.2(計算値 761.4)。
【0259】 (溶液環化) (方法1:シクロ−(Pro−Phe−Asn−Ser−Leu−Ala−I
le))
【0260】
【化95】 直鎖状ペプチド、H−Asn−Ser−Leu−Ala−Ile−Pro−P
he−OH(15.0mg、0.020mmol)およびBOP(26.1mg
、0.060mmol)を、DMF(19.7mL、1×10-3M)中、−10
℃で撹拌した。この溶液に、DIPEA(35μL、0.197mmol)を滴
下した。この反応系を、この温度でさらに2時間撹拌した後、全ての揮発物を真
空下で除去した。ペプチド、シクロ−(Pro−Phe−Asn−Ser−Le
u−Ala−Ile)を、半分取用HPLC(60分にわたって30〜90%の
B)で精製して、白色粉末を得た(7.0mg、48%)。1H NMR(DM
SO):δ MS[M+H]+=743.2(計算値 743.4092)。二
量体、シクロ−(Asn−Ser−Leu−Ala−Ile−Pro−Phe−
Asn−Ser−Leu−Ala−Ile−Pro−Phe)(3mg、21%
);MS[M+H]+=1486.2(計算値 1486.8)、および三量体
、シクロ−(Asn−Ser−Leu−Ala−Ile−Pro−Phe−As
n−Ser−Leu−Ala−Ile−Pro−Phe−Asn−Ser−Le
u−Ala−Ile−Pro−Phe)(0.7mg、5%);MS[M+H] 2+ =1115.1(計算値 1115.1)もまた単離した。
【0261】 (方法2:シクロ−(Pro−Phe−Asn−Ser−Leu−Ala−I
le)
【0262】
【化96】 このペプチドを、H−Pro−Phe−Asn−Ser−Leu−Ala−I
le−OH(100mg、0.131mmol)、BOP(174mg、0.3
93mmol)、およびDIPEA(228μL、1.31mmol)を使用し
、上記方法1と同様の手順を使用して、合成した。ペプチド、シクロ−(Pro
−Phe−Asn−Ser−Leu−Ala−Ile)を、半分取用HPLC(
60分にわたって10〜70%のB)で精製して、白色粉末を得た(10.5m
g、67%);MS[M+H]+=743.2(計算値 743.4092)。
全ての他の物理的特性(1H NMR、m.p.、HPLC保持時間、およびア
ミノ酸分析)もまた、方法1について報告された結果と一致した。
【0263】 (樹脂上環化) (方法1:シクロ−(Pro−Phe−Asn−Ser−Leu−Ala−I
le))
【0264】
【化97】 直鎖状ペプチドの鎖構築を完了した(リンカーがBoc−Pro−Phe−O
−アリルの間に結合されている固体支持体から合成した)。アリル保護基および
【0265】
【化98】 を、[Pd(PPh34](580mg、0.5mmol)およびTFA(2×
1分の処理)を用いて除去し、次いで、この反応混合物を−10℃まで冷却し、
そしてBOP(221mg、0.5mmol)を添加した。次いで、2,6ルチ
ジン(194μL、1.66mmol)を滴下し、ニンヒドリンアッセイに0.
1%未満のアミンの存在が見られるまで、この反応を続けた。有機物を樹脂(2
50mg、0.167mmol/g)から濾過し、そして、HF:p−クレゾー
ル(11mL、10:1)を使用して、−5℃で1時間、環状ペプチドをこの樹
脂から切断した。減圧下でHFを除去した後、粗ペプチドを無水エーテル中で沈
殿させ、その後、HPLC緩衝液に溶解し、そして凍結乾燥した。ペプチド、シ
クロ−(Pro−Phe−Asn−Ser−Leu−Ala−Ile)を、半分
取用HPLC(60分にわたって30〜90%のB)で精製して、白色粉末を得
た(3.1mg、10%):1HNMR(DMSO)δ MS[M+H]+=74
3.2(計算値 743.4092)。二量体、シクロ−(Asn−Ser−L
eu−Ala−Ile−Pro−Phe−Asn−Ser−Leu−Ala−I
le−Pro−Phe)(7.6mg、24.5%);MS[M+H]+=14
86.2(計算値 1486.8)、および三量体、シクロ−(Asn−Ser
−Leu−Ala−Ile−Pro−Phe−Asn−Ser−Leu−Ala
−Ile−Pro−Phe−Asn−Ser−Leu−Ala−Ile−Pro
−Phe)(0.4mg、1%);MS[M+H]2+=1115.2(計算値
1115.1)もまた単離した。全ての他の物理的特性(1H NMR、m.p
.、HPLC保持時間、およびアミノ酸分析)もまた、上記で報告されたものと
一致した。
【0266】 (方法2:シクロ−(Pro−Phe−Asn−Ser−Leu−Ala−I
le))
【0267】
【化99】 このペプチドを、リンカーがBoc−Ala−Ile−O−アリル間で連結さ
れた前駆体(200mg、0.203mmol/g)、[Pd(PPh34](
290mg、0.250mmol)、BOP(60mg、0.136mmol)
、および2,6−ルチジン(lutidene)(237μL、2.03mmo
l)を使用し、方法1と同様の手順を使用して合成した。ペプチド、シクロ−(
Pro−Phe−Asn−Ser−Leu−Ala−Ile)(3)を、半分取
用HPLC(60分にわたって30〜90%のB)で精製して、白色粉末を得た
(8.2mg、25%);MS[M+H]+=743.2(計算値 743.4
)。全ての他の物理的特性(1H NMR、m.p.、HPLC保持時間、およ
びアミノ酸分析)もまた、上記で報告されたものと一致した。
【0268】 (実施例10) (リンカー8を使用するFmocベースの合成) リンカー(7)と同様に、本発明者らは、一連の環状ペンタペプチドのFmo
cベースの合成のために、リンカー(8)を用いた。このリンカーの合成は、ス
キーム13に示され、このリンカーを使用して得られる環状生成物は、表7に列
挙される。
【0269】
【化100】 (表7) Fmoc骨格リンカーを使用する環化収率
【0270】
【表7】 (実施例11に対する実験) このセクションは、Fmoc化学を使用する、骨格リンカーおよびモデルペプ
チドの合成についての、合成の詳細を記載する。
【0271】 (Fmoc化学を使用する骨格リンカーおよびモデル化合物の合成) (一般方法) HBTU(4mol当量)およびDIEA(5mol当量)を添加することに
よって、フルオレニル保護アミノ酸を、それらの遊離酸(4mol当量)として
、樹脂に結合した。このカップリングは、DMF中で、20分間行った。各々の
連続カップリングの後、この樹脂を、DMF、MeOHおよびDCMで連続的に
リンスし、その後、Kaisserニンヒドリンアッセイで成功をモニタリング
した。DMF中20%のピペリジンで処理(10分)することにより、Fmoc
基の除去を行った。CHCl3:HOAc:NMMの溶液(37:2:1、5m
L)中の樹脂に、窒素雰囲気下で、Pd(PPh34(3mol当量)を添加す
ることによって、アリル保護基の除去を行った。振盪を開始し、そして3時間続
けた。樹脂を、DMF中10%のジチオ二炭酸ナトリウム三水和物の溶液(2回
)、DMF、MeOHおよびDCMで連続的にリンスし、そして真空下で乾燥し
た。
【0272】 直鎖状ペプチドを、5時間、TFA(100%)により除去し、そしてHPL
Cによって純度を調べた。HPLCを、Waters装置を用い、λ=254n
mで、分析用Vydacカラム(これは、70%緩衝液A(H2O、0.1%T
FA)を5分間、続いて、80%緩衝液B(90% CH3CN、10% H2
、0.1% TFA)までの2.5%直線勾配を用いる無勾配溶離を、2mL/
分の流速で使用する)で行った。Fmoc基の最終的な除去の後、樹脂をDMF
でリンスし、その後、DMF(2mL)の溶液中の樹脂に、HATU(5mol
当量)を滴下した。DIEA(10mol当量)を滴下し、振盪を開始し、6時
間続け、その後さらに、5mol当量のHATUおよび10mol当量のDIE
Aを添加した。この樹脂が陰性のニンヒドリン試験を示すまで、振盪を再び続け
た。この樹脂を、DMF、MeOHおよびDCMでもう一度リンスし、そして真
空下で乾燥した。
【0273】 環状ペプチドを、5時間、TFA(100%)で除去し、そしてHPLCで精
製した。HPLCを、Waters装置を用い、λ=214nmで、半分取用V
ydacカラム(これは、100%緩衝液A(H2O、0.1%TFA)を10
分間、続いて、50%緩衝液B(90% CH3CN、10% H2O、0.1%
TFA)までの1%直線勾配を用いる無勾配溶離を、10mL/分の流速で使
用する)で行った。
【0274】 (3−メトキシ−4−ホルミルフェノール(3))
【0275】
【化101】 滴下漏斗、温度計および乾燥管を備えた1Lの3つ口フラスコ中に、3−メト
キシフェノール5(70g、0.64mol)および新たに蒸留した塩化ホスホ
リル(100mL、1.08mol)を入れた。DMF(75mL、0.97m
ol)を45分間かけて滴下しながら、この溶液を0℃で撹拌した。この溶液を
、さらに24時間撹拌し、その後、淡いオイルをクラッシュアイス(1L)に注
ぎ入れ、そして10分後、濁った溶液をエーテル(2×300mL)で洗浄した
。水相をもう一度0℃まで冷却し、NaOH(39g、0.98mol)、次い
で、NaOAc(380g、4.63mol)を慎重に添加することによって、
pHを5.5〜6に調整した。水(150mL)および酢酸エチル(EtOAc
)(500mL)を添加し、水層を、EtOAc(250mL)でさらに洗浄し
た。合わせた有機抽出物を、ブライン(250mL)および水(250mL)で
洗浄し、MgSO4で乾燥し、そしてエバポレートした。残渣を、沸騰した石油
エーテルで粉末化し、結晶化固体を回収して、表題化合物を得た(25.2g、
27.2%)。
【0276】
【数25】 (メチル3−メトキシ−4−ホルミルフェノキシエチルエステル)
【0277】
【化102】 500mLのフラスコに、フェノール(24g、0.166mol)、メチル
ブロモアセテート(75g、0.49mol)、およびアセトン(100mL)
中のK2CO3(67.0g、0.49mol)を添加した。この反応混合物を1
6時間還流下で撹拌し、室温まで冷却し、濾過し、そして減圧下でエバポレート
した。油状の残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン(
1:3))で精製して、メチルエステルを得た(31.63g、85%)。
【0278】
【数26】 (3−メトキシ−4−ホルミルフェノキシ酢酸)
【0279】
【化103】 2O:THF(3:2、100mL)中のメチルエステル(7.5g、33
.45mmol)の撹拌溶液に、0℃で、LiOH(0.5M、75mL)を滴
下した。この反応混合物を、室温まで加温し、さらに16時間撹拌した。EtO
Ac(250mL)およびクエン酸溶液(20%、500mL)を添加し、水層
をEtOAc(250mL)で洗浄した。次いで、合わせた有機抽出物を、ブラ
イン(250mL)および水(250mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、そ
して乾固するまで減圧下でエバポレートして、表題化合物を得た(6.75g、
96%)。
【0280】
【数27】 (アリル3−アミノ−[メチル−(2’−メトキシ−4’−フェノキシ酢酸)
]プロパン酸エステル)
【0281】
【化104】 アルデヒド(1.87g、8.92mmol)およびアミン(2.58g、2
0mmol)を、乾燥MgSO4(15g)の存在下、THF(40mL)中、
室温で72時間撹拌した。この反応混合物を濾過し、乾固するまで減圧下でエバ
ポレートして、固体残渣を得た。次いで、この固体をメタノール(MeOH)(
50mL)に溶解し、NaCNBH3を10分間かけて滴下した。この反応混合
物を、さらに3時間撹拌し、その後、エーテル(100mL)を添加した。アミ
ノ酸を、H2O(3×250mL)に抽出した。次いで、このH2O層に、過剰の
NaClを添加し、アミノ酸をEtOAc(3×100mL)に抽出し戻した。
合わせた有機層をMgSO4で乾燥し、乾固するまで減圧下でエバポレートして
、表題化合物を未精製オイルとして得た(2.59g、90%)。
【0282】
【数28】 (アリル3−アミノ−[カルボキシメチル−N−(9’−フルオレニルメトキ
シカルボニル)−アミノ]−[メチル−(2’−メトキシ−4’−フェノキシ酢
酸)]プロパン酸エステル)
【0283】
【化105】 DMF(5mL)中のFm−Gly−OH(594mg、2mmol)、BO
P(884mg、2mmol)、およびDIEA(1mL)の撹拌溶液に、室温
で、アミノ酸(518mg、1.6mmol)を滴下した。この反応混合物をさ
らに24時間撹拌し、その後、乾固するまで減圧下でエバポレートした。EtO
Ac(50mL)およびクエン酸(10%、50mL)を添加し、そして水層を
EtOAc(50mL)でさらに洗浄した。合わせた有機抽出物を、ブライン(
50mL)および水(50mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、そして乾固す
るまで減圧下でエバポレートした。表題化合物を、HPLC(C−18逆相)で
精製した。HPLCを、Vydacカラム(これは、70%緩衝液A(H2O、
0.1%TFA)から80%緩衝液B(90% CH3CN、10% H2O、0
.1% TFA)までの1.0%直線勾配を、20ml/分の流速で使用する)
、λ=254nmで行った(522mg、53%)。
【0284】 (酸に不安的なリンカーからのFmoc−Gly−β−Ala−O−アリルの
切断)
【0285】
【化106】 切断を、5mgの三級アミドを使用しTFA(2mL)中で5時間攪拌して実
施した。混合物をエバポレートして乾燥した。HPLCを、無勾配溶出70%緩
衝液A(H2O、0.1%TFA)で5分間、続いて、直線勾配2.5%〜80
%の緩衝液B(90%CH3CN、10%H2O、0.1%TFA)を10ml/
分の流速で使用する分析Vydacカラムにおいてλ=254nMで実施した。
ジペプチドを公知のサンプルと共に共溶出し、そして正確な分子イオンを得た。
【0286】 (酸に不安定なリンカーを固体支持体に結合させるための手順) DIEA(0.49mL、2.75mmol)をBoc−Gly−OH(43
.75mg、0.25mmol)、およびHBTU(95mg、0.25mmo
l)のDMF(4mL)溶液に添加した。この混合物を次いで、アミノメチルポ
リスチレン樹脂(0.83mmol/g、1.0g)に添加した。振盪を開始し
、そして20分間続け、その後、DMFでリンスした。次いで、ピリジン:DM
F:無水酢酸(Ac2O)(1:1:8、5mL)を添加し、そして振盪をさら
に20分間再び続け、その後、過剰量のDMFでリンスした。Boc基の除去を
TFAで処理(2×1分)することによって達成した。第二のBoc−Gly−
OH(175mg、1.0mmol)を同様の方法によって結合させた[DMF
(4mL)中、DIEA(0.49mL,2.75mmol)、HBTU(37
9mg,1.0mmol)]。もう一回、Boc基の除去をTFAでの処理(2
×1分)によって達成した。アリル3−アミノ−[カルボキシメチル−N−(9
’−フルオレニルメトキシカルボニル)−アミノ]−[メチル−(2’−メトキ
シ−4’−フェノキシ酢酸)]プロパン酸エステル8の樹脂への結合を、DMF
(4mL)中の酸(301mg、0.5mmol)、DIEA(0.27mL、
1.5mmol)、HBTU(180mg、0.5mmol)を添加することよ
って達成した。振盪を開始し、そして20分間続け、その後、DMF、MeOH
およびジクロロメタン(DCM)でリンスし、そして真空で乾燥した。樹脂への
各カップリング後、カップリングの成功をKaisserニンヒドリンアッセイ
によってモニターした。
【0287】 (固体支持体からのFmoc−Gly−β−Ala−O−アリルの切断)
【0288】
【化107】 切断を、10mgの樹脂を使用し、TFA(2mL)中で5時間攪拌して実施
した。混合物を減圧下でエバポレートして乾燥し、その後、H2O:CH3CN(
1:1、5mL)の溶液中に溶解し、濾過し、次いで、凍結乾燥した。HPLC
を、無勾配溶出90%緩衝液A(H2O、0.1%TFA)で10分間、続いて
、直線勾配1.0%〜70%の緩衝液B(90%CH3CN、10%H2O、0.
1%TFA)を10ml/分の流速で使用する、半分取(semi−prepa
rative)Vydacカラムにおいてλ=254nMで実施した。
【0289】 (シクロ−[Leu−Asp−Val−Gly−β−Ala])
【0290】
【化108】 シクロ−[Leu−Asp−Val−Gly−β−Ala]を凍結乾燥し、白
色粉末を得た(12.3mg、18%):MS[M+H]+=456.3(45
6.3);アミノ酸分析:Gly=1.06、β−Ala=1.01、Asp=
1.03、Val=1.03、Leu=0.88。
【0291】 (シクロ−[Phe−Trp−Lys−Gly−β−Ala])
【0292】
【化109】 シクロ−[Phe−Trp−Lys−Gly−β−Ala]を凍結乾燥し、白
色粉末を得た(8.1mg、9%):MS[M+H]+=590.1(理論値5
90.3);アミノ酸分析:Gly=0.99、β−Ala=1.01、Lys
=1.04、Phe=1.02、Trp=0.95。
【0293】 (シクロ−[Arg−Gly−Asp−Gly−β−Ala])
【0294】
【化110】 シクロ−[Arg−Gly−Asp−Gly−β−Ala]を凍結乾燥し、、
白色粉末を得た(8.2mg、15%):MS[M+H]+=457.1(45
7.3);アミノ酸分析:Gly=1.95、β−Ala=1.01、Asp=
0.96、Arg=1.09。
【0295】 (実施例11 骨格リンカー+環収縮(contraction)) (シクロ−[Ala Pro Leu Phe Ala]合成への適用) 以下に強調するように、本発明者らは、シクロ[Ala Pro Leu P
he Ala]の合成における、骨格リンカーと環収縮の組み合せアプローチを
評価した。この場合、ペプチドを骨格リンカーにおいて構築し、そして環収縮補
助基(auxiliary)は還元的アミノ化よってN末端に結合させた。最初
の環化および環収縮を樹脂上で進行させた。得られた環状生成物を次いで、無水
HFを使用して樹脂から切断した。
【0296】
【化111】 スキーム14 試薬および条件:i、
【0297】
【化112】 HBTU、DIEA、DMF、室温;ii、Ala−Oアリル、NaBH3
N、5%HOAc/MeOH、室温、3時間;iii、(Boc−Pro)2
O、DCM、室温、16時間;iv、SPPS;v、2−ヒドロキシ−4−ニト
ロ−ベンズアルデヒド、NaBH4、DMF、2時間、vi、Pd(Ph34
CH3Cl:HOAc:NMM、37:2:1、室温、3時間;vii、DIC
、DIEA、70℃、2時間;viii、HF:p−クレゾール、10:1、−
5℃、1時間。
【0298】 (環状テトラペプチド、シクロ[[Hnb]Tyr Arg Phe Gly
]合成への適用) リンカーのアミノメチルポリスチレン樹脂11(sv=0.21mmol/g
)への結合のから出発し、NaCNBH3を使用する保護されたアミノ酸H−G
ly−Oアリルの還元的アミノ化、続くアシル化を定量的に進行させて、12を
得た。標準的な固相ペプチドプロトコルを使用したBoc−Arg(Tos)−
OHの付加によって、直鎖状ペプチド13を得た(スキーム15)。
【0299】
【化113】 a試薬:(i)H−Gly−Oアリル、NaCNBH3、MeOH、室温、3時
間;(ii)Boc−Phe2−O、DCM、室温、6時間;(iii)Boc
−Arg(Tos)−OH、HBTU、DIEA、DMF。
【0300】 スキーム15
【0301】
【化114】 a試薬:i、TFA:DCM(40:60)、2×5分;ii、Fmoc−T
yr−(Boc)−OH、HBTU、DIEA、DMF、1時間;iii、ピペ
リジン:DMF、1:1、2×5分;iv、HnB 2、NaBH4、DMF、
室温、1時間;v、3当量のPd(Ph34、CH3Cl、:HOAc:NMM
、37:2:1、室温、3時間:vi、HF:p−クレゾール、1:1。
【0302】 スキーム16 インサイチュでの中和プロトコルおよびHBTU活性化を使用するFmoc−
Tyr(Boc)−OHの13への付加によって、直鎖状ペプチド14を得た(
スキーム16)。Pd(PPh34を使用する14のアリル脱保護、続く最終T
FA処理によって、所望の樹脂上直鎖状ペプチド15を得、一方、Fmoc保護
基の除去およびHnBおよびNaBH4を使用した還元的アミノ化、続いて、再
度アリル除去によって所望の直鎖状ペプチド16を得た。
【0303】 純度および合成の容易さを示すために、これらのペプチドを次いで、切断(H
F:p−クレゾール、9:1)し、直鎖状ペプチド17および18を得た。この
直鎖状ペプチドのHPLCプロフィールを図8に示す。
【0304】 直鎖状ペプチド15および16の環化をDMF中のBOP、DIEAを使用し
て3日間実施した。直鎖状ペプチド15([HnB]補助基は存在しない)に関
して、環化、続くHF切断は、所望の生成物を生成しなかった。一連のオリゴマ
ー副生成物をHPLCおよびLC/MSの両方によって検出した。直鎖状ペプチ
ド16([HnB]補助基を含む)の環化により、所望の環状生成物を得た。こ
れらの反応をスキーム17に要約し、そして環状ペプチドのHPLCプロフィー
ルを図9に示す。
【0305】
【化115】 a試薬:i、BOP、DIEA、DMF、室温、3時間;ii、HF:p−ク
レゾール、1:1。
【0306】 スキーム17 (実施例11に関する実験) (シクロ[Ala Pro Leu Phe Ala]の合成) (樹脂に結合された4−(5−オキシ吉草酸)ベンジルアルデヒド 2)
【0307】
【化116】 4−(5−オキシ吉草酸)ベンジルアルデヒド1(0.89g、4.0mmo
l)およびHBTU(1.52g、4.0mmol)をDMF(10mL)中に
溶解した。DIEA(1mL)をこの溶液に添加し、そしてこの反応混合物を次
いで、予めカップリングさせたH−Gly−Leu−Leu−アミノメチルポリ
スチレン樹脂に添加した。アミノメチルポリスチレン樹脂の置換値(subst
itution value)(4.8g、sv=0.21mmol/g)。振
盪を30分間続け、溶離液を濾別し、そして樹脂をDMF(2×10mL)、C
2Cl2:MeOH(1:1、2×10mL)およびCH2Cl2(2×10mL
)で洗浄し、その後、乾燥した。
【0308】 (樹脂に結合したN−[4−(5−オキシ吉草酸)ベンジル]−L−アラニン
アリルエステル 3)
【0309】
【化117】 アルデヒド2およびアラニンアリルエステル(1.29g、10mmol)を
5% HOAc/MeOH(10mL)に溶解した。反応混合物を室温で5分間
攪拌し、その後、NaBH3CN(0.61g、10mmol)をこの溶液に滴
下した。反応混合物をさらに2時間攪拌し、その後、溶離液を濾別した。樹脂を
5%HOAc/MeOH(2×10mL)、5%DIEA/MeOH(3×10
mL)、CH2Cl2:MeOH(1:1、2×10mL)およびCH2Cl2(2
×10mL)で洗浄し、その後、乾燥した。
【0310】 (樹脂に結合したBoc−Pro[N−(4−(5−オキシ吉草酸)ベンジル
)]−L−アラニンアリルエステル 4)
【0311】
【化118】 Boc−Pro−OH(4.31g、20.0mmol)をCH2Cl2(10
mL)に溶解し、これにジイソプロピルカルボジイミド DIC(1.26g、
10.0mmol)を添加した。対称無水物を形成するために10〜15分の活
性化後、この混合物を濾過し、そして濾液を樹脂3に添加した。反応系を室温で
16時間振盪し、その後、溶離液を濾別した。樹脂をCH2Cl2(5×10mL
)で洗浄し、その後乾燥した。
【0312】 (樹脂に結合したH−Ala−Phe−Leu−Pro−[N−(4−(5−
オキシ吉草酸)ベンジル)]−L−アラニンアリルエステル 5)
【0313】
【化119】 ペプチド5を、インサイチュ中和/Boc化学に関するHBTU活性化プロト
コルを使用した確立された方法によって段階様式で合成した。カップリング反応
を定量的ニンヒドリンアッセイによってモニターし、これは、典型的に、>99
.9%であった。
【0314】 (樹脂に結合したN−(2−ヒドロキシ−4−ニトロベンジル)−Ala−P
he−Leu−Pro−[N−(4−(5−オキシ吉草酸)ベンジル)]−L−
アラニンアリルエステル 6)
【0315】
【化120】 2−ヒドロキシ4−ニトロ−ベンズアルデヒド(1.67g、10mmol)
および樹脂上のペプチド5をDMF(4mL)中、室温で5分間攪拌した。Na
BH4(0.34g、10mmol)をこの溶液に滴下し、そしてこの反応混合
物をさらに1時間攪拌し、その後、溶離液を濾別した。次いで、DMF(10m
L)中、ベンズアルデヒドおよびNaBH4の添加を一回繰り返した。樹脂をD
MF(3×10mL)、CH2Cl2:MeOH(1:1、2×10mL)および
CH2Cl2(2×10mL)で洗浄し、その後乾燥した。
【0316】 アリル保護基を、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム[Pd(
PPh34](1.74g、0.5mmol)を樹脂(CHCl3:HOAc:
NMM(37:2:1)の溶液中)へと添加し、そして14時間攪拌を続けて達
成した。溶媒を除去し、そして残渣を10%のジエチルジチオカルバミン酸(ナ
トリウム塩三水和物[(C25)N2CS2Na.3H2O])のDMF溶液(2
×10mL)、次いで、DMF(2×10mL)、MeOH:CH2Cl2 1:
1(2×10mL)で洗浄し、そして最後にCH2Cl2(2×10mL)で洗浄
した。
【0317】 少量のペプチド7を樹脂(100mg、0.166mmol/g)から、HF
:p−クレゾール、5.5mL、10:1を使用して1時間、15℃で切断した
。減圧下でのHFの除去後、粗ペプチドを無水エーテル中で沈殿させ、濾過し、
HPLC緩衝液に溶解し、そして凍結乾燥した。分析用HPLC(20〜70%
B、20分間)は1つのピークのみを示した;ES−MS Mr 668.4
(計算値669.3)。
【0318】 (シクロ−[N−(2−ヒドロキシ−4−ニトロベンジル)−Ala−Phe
−Leu−Pro−Ala] 10)
【0319】
【化121】 DIC(6.7mg、0.04mmol)を、DMSO(4mL)中、樹脂上
のペプチド7(200mg、sv=0.176mmol/g)の溶液に添加した
。DIEA(?mL)をこの溶液に滴下し、そして反応混合物を室温で1時間攪
拌したまま放置し、その後、70℃まで2時間加熱した。溶離液を濾別し、そし
てDMF(3×10mL)、CH2Cl2:MeOH(1:1、2×10mL)お
よびCH2Cl2(2×10mL)で洗浄し、その後乾燥した。環状ペプチド10
を樹脂から、HF:p−クレゾール、5.5mL、10:1を使用し、1時間、
0℃で切断した。減圧下でHFの除去後、粗ペプチドを無水エーテル中に沈殿さ
せ、その後、HPLC緩衝液に溶解し、そして凍結乾燥した。分析用HPLC(
20〜70% B、20分)は2つのピークを示した;a)直鎖状ペプチド E
S−MS Mr 668.4(計算値669.3)、および環状物質ES−MS
r 650.4(計算値650.3)。
【0320】 (環状テトラペプチド シクロ[[HnB]Try Arg Phe Gly
]の合成に関する実験) (ペプチド合成) Schnolzer(1992)によって以前に記載されたように、Fmocま
たはBoc保護基のいずれか、およびインサイチュでのHBTU活性化プロトコ
ルを使用して全ての直鎖状ペプチドを、化学的に、段階合成した。カップリング
効率を定量的なニンヒドリン試験によって決定し、そして必要であれば再びカッ
プリングし、>99.5%を得た。Kates(1993)によって以前に報告
されたように、アリルの脱保護を3当量のPd(Ph34、CH3Cl:HOA
c:NMM、37:2:1を使用し、室温、3時間、実施した。
【0321】 (還元的アミノ化) 選択された補助基−アルデヒド(0.1M)をMeOH/MDF(1:1)また
はDMF/AcOH(100:1)中に溶解し、そして樹脂結合Boc−脱保護
ペプチド(樹脂結合アミンに対して2当量)に添加した。5分後、樹脂を濾過し
、そしてアルデヒドの第二の部分を添加した。さらに5分後、この樹脂を濾過し
、そしてMeOH/DMF(1:1)、またはDMFで洗浄した。MeOH/D
MF(1:3)中のNaBH4(10当量)を添加し、そして反応混合物を5分
間そのまま静置した。樹脂を再度濾過し、そしてMeOH/DMF(1:3)、
DMF、MeOH/DCM(1:1)で洗浄し、そして空気乾燥し、その後切断
した。
【0322】 (切断) ペプチドを以下のように切断した:250mgの樹脂を1mLのp−クレゾール
および0℃で添加された10mLのHFと混合し、そしてこの混合物を0℃で1
時間攪拌した。HFのエバポレーション後、粗生成物を沈殿させ、そしてエーテ
ル(2×10mL)で洗浄した。沈殿を次いで、HPLC精製(上記)のために
、水(0.095%TFA)中の50%CH3CNに溶解した。
【0323】 (H−Tyr−Arg−Phe−Gly−OH 17) 直鎖状ペプチドを単離した(%収率):ES−MS Mr 542.2、C263 676の計算値、542.3(単一の異性体)。
【0324】 (H−[HnB]Tyr−Arg−Phe−Gly−OH 18) 直鎖状ペプチドを単離した(%収率):ES−MS Mr 693.1、C334 189の計算値、693.3(単一の異性体)。
【0325】 (シクロ[[HnB]Tyr−Arg−Phe−Gly] 22) 骨格リンカー18におけるH−[HnB]Tyr−Arg−Phe−Gly−O
H]の環化はシクロ[[HnB]Tyr−Arg−Phe−Gly]を生成した
(%収率)。ES−MS Mr 675.3、C333478の計算値、675
.3(単一の異性体)。
【0326】 (実施例12 環収縮、骨格置換および骨格リンカー) 本発明者らの現在の骨格リンカーは、ペプチド骨格の任意の原子に結合され得
る。表3のデータが教示するように、1つより多くのNα−置換基は、研究した
実施例における環状テトラペプチドの最高収率を生じる。環収縮との組み合せに
おいて、これは、環化ペプチド合成のための強力なアプローチを提供する。
【0327】 以下に概説されるペプチドは、この組み合わされたアプローチを使用して合成
される。このペプチドは、2個のNα−置換基(一方はリンカーLである)およ
び環収縮補助基を含む。このペプチドは環化され、そして生成物の純度および収
率を試験する。メチル化の置き換えにおける可逆Nα−置換基がまた研究される
【0328】
【化122】 (実施例13 シクロ[Tyr−Arg−Phe−Gly]およびシクロ[T
yr−Arg−D−Phe−Gly]の生物学的活性) オピオイドレセプター結合活性を有する薬物は、疼痛緩和ならびにアヘン常習
者の解毒に対して治療学的に有用であり、そしてモルフィンおよびナロキソンは
それぞれ、鎮痛薬および解毒薬として広く使用される。モルフィンは望ましくな
い副作用(例えば、薬物依存および呼吸低下)を有し、その結果として、深刻な
副作用がほとんどないか、または少ないより有効な薬物のための明確な医薬の必
要性が存在する。
【0329】 デモルフィンは、南アフリカカエル(South African frog
)の皮膚から単離されたオピオイドヘプタペプチドであり、これは、以下の配列
を有する;(H−Tyr−D−Ala−Phe−Gly−Tyr−Pro−Se
r−NH2)。テトラペプチドアナログ(H−Tyr−D−Ala−Phe−G
ly−Phe−NH−Y)は、脳室内注射によって投与される場合、強力な鎮痛
薬である。実施例3において、本発明者らは、本発明者らの組み合せ戦略を使用
して、環状テトラペプチドであるシクロ[Tyr−Arg−Phe−Gly]お
よび嗜癖シクロ[Tyr−Arg−D−Phe−Gly](WP152と命名)
を合成した。実施例10および11は、これらの化合物の、Lavidis(1
995)によって記載されるように測定された、視覚化交感神経性静脈瘤様腫脹
からの接合部電流に対して誘起された興奮性(evoked excitary
for junction currents)(EJC)の局所的細胞外記
録に対する影響を示す。これらの結果は、こらの化合物の混合物が伝達物質の放
出を大幅に減少させることを示す。この効果は、ナロキソンの添加によって逆転
され、1方または両方の化合物が強力なμ−オピエートアゴニストであることを
強く教示する。
【0330】 本発明は明瞭さおよび理解を目的としてかなり詳細に記載されているが、本明
細書中に記載される実施態様および方法に対する種々の改変および変更が、本明
細書中に開示される本発明の概念の範囲から逸脱することなく実施され得ること
が当業者に明らかである。
【0331】 本明細書中に引用される文献を以下の頁に列挙する。これらは本明細中に参考
として援用される。
【0332】
【化123】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、環化および付随する樹脂からの切断の後のシクロ−D−G−(Cat
)−R−Gの固相合成の粗生成物のHPLC溶離プロファイル(プロファイルA
)および溶液相中で合成されたHPLC精製されたシクロ−D−G−(Cat)
−R−G(プロファイルB)を示す。
【図2】 図2は、n=2のセーフティーキャッチリンカーを用いて合成された環状ペプ
チドのHF切断および塩基環化の後に得られた粗濾液のLC−MSプロファイル
を示す。
【図3】 図3は、過剰のDIEAの存在下、A)室温で3時間後、およびB)65℃で
1時間加熱後の直鎖状ペプチド1aの環化のHPLC分析の結果を示す。溶液は
高真空下で乾燥され、50%水性アセトニトリルに溶解され、そしてVydac
逆相C−18(5μm、300Å、0.46×25cm)HPLCカラムに直接
付された。生成物は線形0−80%バッファーBグラジエントを用いて40分間
、流速1ml/分で分離された。
【図4】 図4は、一定時間間隔での環状ペプチド8aの光分解のHPLC分析結果を示
す。ペプチド8aのMeOH/1%AcOH中での0.15mM溶液を標準UV
ランプを用いて光分解し、そして異なる時間間隔で、少量のアリコートをZor
bax逆相C−18(3μm、300Å、0.21×5cm)HPLCカラムに
注入した。生成物を線形0−18%バッファーBグラジエントを用いて10分間
、流速200μL/分で分離した(214nmで検出)。
【図5】 図5は、ペプチド1a、1dおよび1eの環化由来の反応生成物のHPLCプ
ロファイルを示す。(i)1当量BOP、2当量DIEA、DMF中1mM;(
ii)10当量DIEA、6時間、室温。L=直鎖状ペプチド、Cycl=頭−
尾環状生成物。
【図6】 図6は、HATUまたはBOPを環化試薬として用いたペプチド1fの粗環状
生成物のHPLC比較を示す。クロマトグラム中の2つの主ピークは分子量82
5g/molを有し、標的環状生成物シクロ−[(Hnb)Gly−(Hnb)
Tyr−Arg−Phe]に対応する。第1の溶離生成物は全てLの異性体であ
り、第2の生成物はD−Pheを含む。
【図7】 図7は、ある範囲の反応条件下でペプチド4の環化から得られた反応プロファ
イルを示す。
【図8】 図8は、骨格連結を用いた直鎖状ペプチド17および18の粗HPLCの結果
を示す。A=H−Tyr−Arg−Phe−Gly−OH 17;B=[HnB
]Tyr−Arg−Phe−Gly−OH 18;切断はHF:p−クレゾール
、9:1を用いて、−5℃、1時間で行われた。
【図9】 図9は、骨格連結を用いた直鎖状ペプチド16の環化についての粗HPLCの
結果を示す。A=[HnB]Tyr−Arg−Phe−Gly−OH 18;B
=シクロ−[[HnB]Tyr−Arg−Phe−Gly]21。環化は、BO
P、DIEAを用いて3日間で行われ、切断はHF:p−クレゾール、9:1を
用いて、−5℃で1時間行われた。
【図10】 図10は、マウスの精管の交感神経性静脈瘤様腫脹からの誘発された興奮性接
合部電流(伝達物質の放出の測定値)に対する化合物(1μM)の影響を示す。
各黒丸は100分間の間に記録されたEJCを表す。EJCの記録の失敗はy軸
のゼロ上の黒丸で示される。低い水平線は環状テトラペプチドの混合物(1μM
)を組織浸漬溶液(tissue bathing solution)に適用
した場合を示し、そして上の水平線はナロキソン(1μM)を組織浸漬溶液に加
えた場合を示す。テトラペプチドの混合物(1μM)はEJCの振幅および周波
数を極度に減少させること、そしてオピエート拮抗薬(ナロキソン)がこの効果
を阻害することに留意のこと。
【図11】 図11は、環状テトラペプチドの混合物(1μM)の、マウス精管の交感神経
性静脈瘤様腫脹から記録された平均興奮性接合部電流(EJC)に対する影響を
示す。各棒は少なくとも60回の記録の平均であり、垂直線は平均の標準偏差を
示す。調製物を環状テトラペプチドに20分間曝露した後にEJCの振幅および
周波数が、高度に有意に減少し、この効果がナロキソンで逆転したことに留意の
こと。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07K 1/08 C07K 7/00 7/00 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD ,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL, PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,S L,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US ,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ミューターマンズ, ウィム デニス フ ランズ オーストラリア国 クイーンズランド 4006, ハーストン, フレミング ロー ド 16 (72)発明者 ボーン, グレゴリー トーマス オーストラリア国 クイーンズランド 4105, モールーカ, ラボール ストリ ート 3 (72)発明者 マックジアリー, ロス ピーター オーストラリア国 クイーンズランド 4067, セント ルシア, ハイランド テラス 130 Fターム(参考) 4C084 AA02 AA03 AA06 AA07 BA01 BA16 BA24 CA59 NA14 ZA082 4H045 AA10 AA20 AA30 BA11 BA12 BA13 BA14 BA15 BA16 BA17 BA30 BA31 BA35 BA50 BA60 CA53 EA20 EA50 FA30 FA33 FA51

Claims (41)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式I 【化1】 または一般式II 【化2】 の環状ペプチドまたはペプチド模倣化合物の合成方法であって、 ここでLはリンカー単位であり、該環状ペプチドを固体支持体 【化3】 に連結し、ここで該環は単環、二環または多環であり、1から15個のモノマー
    を含み、該方法は: a)該ペプチドまたはペプチド模倣化合物のフレキシビリティを可逆的N置換
    によって、またはシス−アミド結合代用物を用いてシスアミド結合配座を強制す
    ることによって誘導して、環化を促進する工程、および必要ならば b)該環状ペプチドまたはペプチド模倣化合物を環縮小反応に供する工程を包
    含する、方法。
  2. 【請求項2】前記環が1から10個のモノマーを含む、請求項1に記載の方
    法。
  3. 【請求項3】前記環が1から5個のモノマーを含む、請求項2に記載の方法
  4. 【請求項4】前記環が単環である、請求項1から3のいずれか一項に記載の
    方法。
  5. 【請求項5】前記環が二環である、請求項1から3のいずれか一項に記載の
    方法。
  6. 【請求項6】前記環が2つより多い環を含む、請求項1から3のいずれか一
    項に記載の方法。
  7. 【請求項7】前記化合物が一般式IIの化合物であり、そして前記リンカー
    Lが骨格窒素に、あるいは前記モノマーの側鎖中の原子に接続してる、請求項1
    から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 【請求項8】溶液中で行われる請求項1から6のいずれか一項に記載の方法
    であって、以下: a)一般式III 【化4】 の直鎖状ペプチドを調製する工程であって、 ここでPは1から15モノマーの直鎖状ペプチドであり; A1は可逆または不可逆のいずれかの、ペプチド骨格上の1つ以上のN置換基
    であり、あるいは骨格のシス配座を強制する化学的部分であり、 A2は原子の共有結合基であり、環縮小して所望の置換環状ペプチドとなる前
    に大きい初期環状ペプチドを形成するための反応性官能基を含む、工程; b)C末端を活性化して一般式IV: 【化5】 の環状ペプチドを形成する工程; c)一般式IVのペプチドを環縮小反応(これは自発的に生じ得る)によって
    再配置して、一般式V: 【化6】 の環状ペプチドを形成する工程;および必要に応じて d)一般式Vの環状ペプチドを脱保護反応に供して基A1およびA2を除去し
    、一般式Iの所望の環状ペプチドを得る工程 を包含する、方法。
  9. 【請求項9】Pが1から10モノマーの直鎖状ペプチドである、請求項8に記
    載の方法。
  10. 【請求項10】Pが1から5モノマーの直鎖状ペプチドである、請求項9に記
    載の方法。
  11. 【請求項11】A1および/またはA2がペプチドに接続したまま残る、請求
    項8または10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 【請求項12】A1および/またはA2が次に固体支持体に連結し、誘導体化
    されるか、あるいは他の環状ペプチドまたはペプチド模倣化合物と連結する、請
    求項11に記載の方法。
  13. 【請求項13】A1が可逆的N置換基である、請求項8から12のいずれか一
    項に記載の方法。
  14. 【請求項14】A1が2−ヒドロキシ−4−メトキシベンジル、2−ヒドロキ
    シベンジルまたは2−ヒドロキシ−6−ニトロベンジル置換基である、請求項1
    3に記載の方法。
  15. 【請求項15】A2が自発的環縮小によって除去される、請求項8から10の
    いずれか一項に記載の方法。
  16. 【請求項16】A2が求核基を含み、該求核基がC末端と迅速に反応して大き
    い初期環を形成し、これが次に自発的に、あるいは加熱またはさらなる化学的処
    理のいずれかによって、縮小する、請求項8から15のいずれか一項に記載の方
    法。
  17. 【請求項17】A2がチオールまたはヒドロキシルである、請求項16に記載
    の方法。
  18. 【請求項18】A2が不可逆的置換基であり、環縮小の後に除去されるか、あ
    るいいは環縮小の際に自発的に除去される、請求項8から15のいずれか一項に
    記載の方法。
  19. 【請求項19】A2が一般式(a): 【化7】 の化合物であり、ここで該環は (a)必要に応じて、窒素、酸素、および硫黄からなる群から選択される1つ
    以上のヘテロ原子を含み; (b)5から7原子であり; (c)各々XH、Z、およびYで置換される3つの炭素原子を含み;そして (d)さらに、基R3およびR4で置換されており、ここで該化合物は5員環で
    あるか、あるいは基R3、R4、およびR5で置換されており、ここで該化合物は
    6員環であるか、あるいはさらに基R3、R4、R5およびR6で置換されており、
    ここで該化合物は7員環であり、 ここで Xは、酸素、硫黄、CH2O−、またはCH2S−であり; Yは、電子吸引性基であり; Zは炭素−窒素共有結合の形成を可能とする任意の基であり;そして R3、R4およびR5は各々独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリー
    ル、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール
    、置換ヘテロアリール、アルコキシ、アリールオキシ、XHまたはYであるか、
    あるいは固体支持体に対する共有結合であり、そして ここで、R3およびR4またはR4およびR5は必要に応じて該環と共に5員、6員
    、または7員の環を形成し得る、請求項8から15のいずれか一項に記載の方法
  20. 【請求項20】以下の構造: 【化8】 の環状ペプチドまたはペプチド模倣化合物の固相合成方法であって、 ここでLはリンカー単位であり、該環状ペプチドを固体支持体 【化9】 に連結し、ここで該方法は: a)リンカーLを介して固体支持体に結合した一般式VI: 【化10】 の直鎖状ペプチドの合成であって、ここで Pは1から15モノマーの直鎖状ペプチドであり、そして A1は可逆または不可逆のいずれかの、ペプチド骨格上の1つ以上のN置換基
    であるか、あるいは骨格のシス配座を強制する化学的部分であり、そして Lは該ペプチドの任意の原子と該固体支持体との間のリンカーである、工程;
    および b)以下のいずれか (i)該ペプチドを環化および付随する固体支持体からの切断に供して、一般
    式VII、 【化11】 の環状ペプチドを得、次いで、A1を選択的に除去または誘導体化して、必要で
    あれば次に、該ペプチドの側鎖を脱保護し、そしてA1を除去して、一般式Iの
    所望の環状ペプチドを得る工程;あるいは (ii)該ペプチドを環化して、一般式VIII 【化12】 の第2固体支持体結合環状ペプチドを得、そして一般式VIIIの該化合物をA
    1の除去および任意のペプチド側鎖保護基の除去、および固体支持体からの切断
    に供して、一般式Iの所望の環状ペプチドを得る工程 を包含する、方法。
  21. 【請求項21】前記リンカーLが骨格窒素または前記モノマーの側鎖中の原子
    に接続する、請求項20に記載の方法。
  22. 【請求項22】前記環が単環である、請求項20または21に記載の方法。
  23. 【請求項23】前記環が二環である、請求項20または21に記載の方法。
  24. 【請求項24】前記環が2つより多い環を含む、請求項20または21に記載
    の方法。
  25. 【請求項25】ペプチドの側鎖の脱保護、A1の除去および固体支持体からの
    切断が別々に行われる、請求項20から24のいずれか一項に記載の方法。
  26. 【請求項26】ペプチドの側鎖の脱保護、A1の除去および樹脂からの切断が
    同時に行われる、請求項20から24のいずれか一項に記載の方法。
  27. 【請求項27】環状ペプチドの固相合成の方法であって: a)一般式IX: 【化13】 の直鎖状樹脂結合ペプチドを調製する工程であって、 ここでPは1から15モノマーの直鎖状ペプチドであり; A2は原子の共有結合基であり、環縮小して所望の置換環状ペプチドとなる前
    に大きい初期環状ペプチドを形成するための反応性官能基を含み; Lは該ペプチドの任意の原子と該固体支持体との間のリンカーである、工程;
    および b)一般式IXの該ペプチドを環化および付随する樹脂からの切断に供して、
    一般式I: 【化14】 の環状ペプチドを得る工程; c)該環状ペプチドXを環縮小(これは自発的に生じ得る)させて、一般式X
    I: 【化15】 の第2の環状ペプチドを得る工程、および d)基A2を誘導体化するか、あるいはA2を除去して、一般式Iの所望の環
    状ペプチドを得る工程、を包含する方法。
  28. 【請求項28】一般式IXの直鎖状樹脂結合ペプチドが初期環化および環縮小
    に固体支持体上で供されて、一般式XII 【化16】 の固体支持体結合環状ペプチドを得、そして (i)固体支持体から切断してA2−置換環状ペプチドを得るか、あるいは (ii)脱保護および固体支持体からの切断により、一般式Iの環状ペプチド
    を得る、請求項27に記載の方法。
  29. 【請求項29】A2が固相または溶液中で誘導体化される、請求項28に記載
    の方法。
  30. 【請求項30】ペプチドの側鎖脱保護、A1の除去および樹脂からの切断が別
    々に行われる、請求項28または29に記載の方法。
  31. 【請求項31】ペプチドの側鎖脱保護、A1の除去および固体支持体からの切
    断が同時に行われる、請求項28または29に記載の方法。
  32. 【請求項32】環状ペプチドの固相合成の方法であって: a)一般式XIII 【化17】 の直鎖状固体支持体結合ペプチドの合成工程であって、 ここでPは1から15モノマーの直鎖状ペプチドであり; A1は可逆または不可逆のいずれかの、ペプチド骨格上の1つ以上のN置換基
    であるか、あるいは骨格のシス配座を強制する化学的部分であり、そして A2は原子の共有結合基であり、環縮小して所望の置換環状ペプチドとなる前
    に大きい初期環状ペプチドを形成するための反応性官能基を含み; Lは該ペプチドの任意の原子と該固体支持体との間のリンカーである、工程、
    および b)一般式XIIIのペプチドを環化および付随する固体支持体からの切断に
    供して、一般式XIV 【化18】 の環状ペプチドを得る工程、 c)一般式XIVの環状ペプチドを環縮小(これは自発的であり得る)に供す
    る工程、 d)基A1およびA2を切断させて、一般式Iの所望の環状ペプチドを得る工
    程、を包含する方法。
  33. 【請求項33】環状ペプチドの固相合成の方法であって: a)一般式XIIIの直鎖状固体支持体結合ペプチドの合成工程; b)直鎖状ペプチドを固体支持体上で環化に供して、一般式XV 【化19】 の環状ペプチドを得る工程、 c)該環状ペプチドを環縮小(これは自発的に生じ得る)に供して、一般式X
    VI 【化20】 の環状ペプチドを得る工程、および以下のいずれか d)基A1およびA2を切断する工程であって、他方、該ペプチドは固体支持
    体に結合しており、一般式II 【化21】 の樹脂結合環状ペプチドを得る工程、あるいは e)該環状ペプチドを脱保護および付随する固体支持体からの切断に供して、
    一般式Iの所望の環状ペプチドを得る工程を包含する、方法。
  34. 【請求項34】前記ペプチドの側鎖脱保護、A1の除去および固体支持体から
    の切断が別々に行われる、請求項33に記載の方法。
  35. 【請求項35】前記ペプチドの側鎖脱保護、A1の除去および固体支持体から
    の切断が同時に行われる、請求項33に記載の方法。
  36. 【請求項36】1つ以上のモノマーが側鎖保護基を有する、請求項1から35
    のいずれか一項に記載の方法。
  37. 【請求項37】シクロ[Tyr−Arg−D−Phe Gly]。
  38. 【請求項38】シクロ[Tyr−Arg−Phe−Gly]。
  39. 【請求項39】シクロ[Tyr−Arg−D−Phe Gly]および/また
    はシクロ[Tyr−Arg−Phe−Gly]を、薬学的に受容可能なキャリア
    と共に含む、組成物。
  40. 【請求項40】請求項37または請求項38の化合物の医薬中での使用。
  41. 【請求項41】疼痛の処置のための医薬の製造における請求項37または請求
    項38の化合物の使用。
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