JP2002532135A - 埋込型筋肉内インプラントのシステム及び方法 - Google Patents

埋込型筋肉内インプラントのシステム及び方法

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JP2002532135A JP2000587698A JP2000587698A JP2002532135A JP 2002532135 A JP2002532135 A JP 2002532135A JP 2000587698 A JP2000587698 A JP 2000587698A JP 2000587698 A JP2000587698 A JP 2000587698A JP 2002532135 A JP2002532135 A JP 2002532135A
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リチャード・エイ・ガンベール
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シー・アール・バード・インク
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、筋肉組織の中に生体親和性のある装置を配置することによって筋肉内血管新生を刺激するためのシステム及び方法を含む。生体親和性のある装置は筋肉組織の中に装着するのに適した寸法である。筋肉の中での生体親和性装置の配置は当業者に公知の技術を用いて本発明の方法により行なうことができる。心筋内へ装置を配置するために例示する技術は本発明の方法の具体例の1つを構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明は筋肉虚血を治療するためのシステム及び方法に関する。
【0002】 背景技術 筋肉組織は正常に機能するためには充分な血液循環潅流を必要とする。筋肉の
運動量が増加すると、血流に対する要求量が増大する。末梢血管性疾患により動
脈からの血液流入に障害が起こるとこの要求を満たせなくなる。その結果起こる
筋肉の虚血は跛行と呼ばれる筋肉の疼痛症候に至る。下肢は末梢血管の疾患にも
っとも一般的に犯され易く跛行が伴うことが多い。症状は充分な休息を採ること
で軽くなるが、更なる負荷によって再発することもある。跛行は衰弱をもたらす
ことがある。進行中の筋肉虚血が充分に存在する場合には、疼痛症状は運動負荷
の中止でも消退せず、患者は安静時に四肢の疼痛を経験する。血管性疾患が進行
して動脈血流入量が更に減少すると、組織の代謝を維持するための循環が休息時
でも不十分になる。この時点で、組織の明らかな死滅が起こり、これには筋肉の
壊死も含まれる。薬学的治療ではこの不可逆的進行に最小限の軽減しかもたらさ
ない。下肢の切断を回避すべきであれば組織の死滅が始まる前に動脈再生のよう
な外科手術(intervention)が必要となる。
【0003】 急性血管障害の場合も組織壊死に至る。塞栓症又は外傷性障害は大動脈を塞栓
することもあり、これにより急性の虚血が起こる。塞栓部位より遠位での壊滅的
な組織の喪失を避けるためには緊急の外科手術が必要とされる。急性の血管虚血
も非血管性外傷に続いて起こる。この種の虚血発作でもっとも一般的な事例は四
肢の仕切り症候群に見られる。仕切り症候群は、障害された組織が膨張するとき
に何らかの局所的な圧迫又は周囲からの圧迫によって膨張が制限されている場合
に見られる。圧迫は例えば円筒状のギブス、又はきつく締め付ける衣類など外部
から加えられることもあり、又は圧迫が四肢の仕切り部内の筋肉を覆う筋膜によ
って内部から加えられることもある。仕切り症候群の結果は筋肉へのある程度の
虚血性障害であり、この虚血状態が充分に長時間持続した場合には明らかな組織
壊死に至る。仕切り症候群の治療には外部から加えられる取り囲むような圧迫を
開放したり、解剖学的圧迫を手術で開放する必要がある。閉塞性の解剖学的構造
の開放は皮膚と筋膜両方の長手方向への切開を必要とすることもある。仕切りが
充分開放された後でも、仕切り圧力や血管内潅流圧が生理的平衡に一層近付くの
で局部的虚血やこれによる後遺症は時間の経過とともに解決されねばならない。
この間に、組織の損傷が更に発生することがあり、その結果、機能面に影響が出
る。効果的な循環の復元の後に筋肉組織に起こる虚血性障害の程度を減少させる
ような特定の治療的介入は存在しない。広範囲な筋肉壊死の発症の一例はフォル
クマン虚血拘縮で、これは前腕での仕切り症候群に続く前腕屈筋の壊死により起
こる症状で、フォルクマン虚血拘縮になった患者は損傷した筋肉の拘縮のため手
首や指が永久に屈曲した位置でとまり、患者は手首又は指を曲げたり延ばしたり
する機能を失う。
【0004】 筋肉虚血は、これが心筋の筋肉内に発生した場合、同様に筋肉の疼痛及び局所
的な筋肉の死滅と機能停止の症状に至る。心筋虚血は狭心症や心筋梗塞などに至
ることが良く知られており、これらの疾患は衰弱や生命の危険をもたらすことが
ある。米国心臓学会の推定では、これらの疾患で600万人以上が苦しんでおり
(米国心臓学会、心臓及び心発作白書、1994年統計補追(ダラス:米国心臓
学会、1994年))。これらの条件はその全てが冠動脈血液流入量と心筋酸素
要求量の間の不一致につながる。この式の要求サイドを変更して心臓前負荷、後
負荷、心拍、収縮率を減少させるような医学的治療方法が開発されている。更に
、血栓溶解療法が急性心筋梗塞の発症時には、遮断された局所的血流を復元させ
るために利用可能である。しかし、虚血性心疾患の結果を治療又は軽減するよう
に開発された医学的介入にもかかわらず、死亡率や致命率は依然として大きい。
【0005】 生命に危険のある虚血症の場合、又は内科的治療方法では治癒しない場合には
、もっと侵襲的な介入が必要とされる。利用可能な治療法としては外科手術と経
皮経管的冠動脈形成術(PTCA)があり、どちらも流入量/要求量の式の供給
サイドを改善するようになっている。主流となっている外科手術は、1967年
にFavaloroが導入して以来(R.Favaloro、「重症部分冠動脈
閉塞における伏在静脈自己移植:術式」Ann. Thor. Surg. 5
:334、1968年)、冠動脈バイパス移植術(CABG)である。冠動脈バ
イパス移植は、患者自身の静脈又は動脈を用いるもので、冠血管系の塞栓部位よ
り近位側の血管から冠動脈遠位側へと血液を運ぶ導管である。この術式は時間が
かかり技術的に複雑で、回復の遷延や非常に多岐にわたる潜在的合併症がみられ
る(S. Mehta and W. Pae, 「心臓手術の合併症」、36
9〜402頁、Cardiac Surgery in the Adult,
LE Edmunds編(ニューヨーク、マグローヒル、1997年)。一般
に手術は心肺バイパスを必要とし、これ自体が危険性をもっている。外科的アク
セスは開胸術によるか、又はもっと一般的には、正中胸骨切開術による。どちら
のアクセス方法も術後に疼痛、アテレクターゼ(無気肺)、創傷発熱などの問題
を伴う。
【0006】 今日では、毎年数十万回のCABG手術が実施されている。リスクの大きい疾
患を有する患者が生き残れる利点が記載されており、内科的治療方法では不充分
であることが明らかになった患者の80〜90%で症状の消失が見られる(Yu
sef et al., 「冠動脈バイパス移植術による生存効果:冠動脈バイ
パス移植術トライアル・コラボレーションによる無作意トライアルによる10年
間の成果のまとめ」Lancet 344:1449, 1994年)。しかし
、これらの効果は永続的なものではない。CABG術後の狭心症再発率は3〜2
0%の患者で見られ、31%の患者では12病年までに反復手術又は侵襲的心血
管再建術を必要とする(Weintraub et al.,「伏在静脈移植片
を用いた冠動脈バイパス術の施術後における冠動脈バイパス術又は冠動脈血管再
建術の反復率」Am. J. Cardiol. 73:103, 1994年
)。
【0007】 CABG術が受け入れられるようになる前は、様々な他の方法を試みて動脈流
入量を改善しようとしていた。筋肉や大網の有茎移植片はBeckとO’Sha
ughnessyが1930年代に使用した(C.Beck,「手術による心臓
への新規血液供給の開発」Ann. Surg., 102:801, 193
5; L. O’Shaughnessy,「心臓への側副循環を提供する実験
的手法」Br. J. Surrg. 23:665, 1935)。1940
年代初頭、Vinebergは心筋内に直接作成したトンネルへ側枝が結紮され
ておらず遠位側が結紮された内胸動脈を移植する術式を開発し(A. Vine
berg, 「内胸動脈移植による冠動脈吻合術」Can. Med. Ass
oc. J. 78:871, 1958)、1950年にはその臨床応用が始
まった。Murray et al.,は、内胸動脈を有茎バイパスとして19
54年に実験的に使用した(Murray et al., 「冠動脈への左心
静脈接合術」Can. Med. Assoc. J. 71:594, 19
54)。1960年代にまでには、大動脈冠動脈間のバイパスと部分的冠動脈バ
イパスとして今日成熟している技術についての実験が行なわれていた(Jonh
son et al., 「重篤な冠動脈疾患の長期に亘る治療」Ann. S
urg. 170:460,1969)。
【0008】 経皮経管的血管再建技術はGruentzigによって1970年代初頭に導
入された技術であって、当初の対象は末梢血管だった。1978年までには、こ
の技術を冠動脈にも応用している(A.Gruentzig,「冠動脈狭窄症の
経管的拡張術」Lancet 1:263,1978)。この術式は冠動脈手術
の欠点を回避するものであるが、突然に起こる血管閉塞、手術時の不完全な血管
再生、再狭窄と言ったそれ自体の危険性によって制限される。再狭窄率30%と
いうのが文献に報告されている平均値である(M. Bevans and E
. Mclimore, 「冠動脈内ステント:冠動脈拡張術の新しい方法」
J. Cardiovascular Nursing 7:34, 1992
)。研究によれば、バルーン血管形成術、アテローム切除術、ステント装着又は
レーザー・バルーン血管形成術など、手術を受ける全ての動脈が6か月で同様の
再狭窄率を示すとされる(Kuntzet et al., 「3種類の新型冠
動脈装置使用後の再狭窄分析についての新規アプローチ」 J. Am. Co
ll. Cardiol 19:1493, 1992)。特性の異なる各種ス
テント、低速ローテータ、経管引抜きカテーテル、レーザー血管形成術、補助療
法などを含むその他の新技術が冠動脈疾患治療について評価中である。また、急
性合併症や再狭窄の問題は依然として未解決である。
【0009】 外科的又心臓病学的手術に付きまとう技術的困難に加えて解剖学的な制約もあ
る:これらの技術はその全てが太い冠動脈のうちのマクロな病変に限定される。
このような手術は成功すれば近心側の動脈血流量を増加させるが、遠位側の血管
又は小血管に広範囲な病変が認められる場合には心筋組織にとって有用ではない
。更に、これらの技術のどれも組織レベルでの虚血の問題に対処できていないが
、このような問題は是正されていない多血管性微小病変からや、是正されていな
い小血管病変からや、または血管再生が成功した後の疾病の進展から発生し得る
ものである。
【0010】 このような解剖学上の制約を回避するため、心室から直接心筋へ経壁的に血液
を送り込めるようにする技術が記載されている。初期の技術は心室壁から心筋へ
の導管の装着に焦点が置かれていた(Goldman et al., 「左心
室から直接心臓に対する側副循環を作成する実験的方法」 J. Thor.
Surg.31:364, 1956;Massimo et al., 「左
心室から冠状循環へ直接血液を送る新しい方法による心筋の血管再生」 J.
Thor. Surg. 34:257, 1957)。最近では、心筋へのチ
ャンネル(流路)を作成し血管以外のところを経由して血液供給を提供するよう
な技術が提案されている(Mirhoseini et al., 「レーザー
による心臓の血管再生」 J. Microsurg. 2:253, 198
1)。これらの技術はどれも局所的な血管系と直接接続するものではなく,むし
ろ心筋腔内への壁内拡散に依存することにより組織の要求を満たそうとするもの
である.よって,これらの技術はどれも心筋内部において小血管又は微小動脈の
血管再生のための方法を提供するものではない。
【0011】 発明の要約 よって、本発明の1つの目的は虚血筋肉組織への血管流入量を改善することで
ある。微小循環レベルでの血管再生は動脈流入量を増加させるための既存のマク
ロ血管系技術(例えば末梢血管バイパス、CABG、PTCAなど)を補完又は
補助する。
【0012】 本発明の更なる目的の1つは筋肉組織内の血管新生を刺激することである。
【0013】 本発明の別の目的の1つは、筋肉内の局部的血管新生を刺激することで小血管
循環及び微小循環を改善して筋肉組織酸素供給量と酸素要求量との間のバランス
を改善することである。
【0014】 本発明の他の目的は、一部には後述され、又一部には以下の詳細な説明から当
業者には明らかになろう。
【0015】 本発明は、例えば、筋肉虚血を治療するための方法を含む。1つの実施態様に
おいては、本明細書に記載の発明は筋肉組織内の血管新生を刺激するための方法
であると理解できる。このような方法によれば、本発明の方法は供給システムで
もって筋肉にアクセスし、筋肉に貫入し、及び供給システムを使用して、生体親
和性材料から構成され筋肉内に封入するような寸法に構成された少なくとも1つ
の装置(device)を筋肉内に封入することを含む。供給システムは筋肉に
アクセスできるように構成されたシステムであればどのようなものも含むことが
できる。この供給システムは、1つの実施態様においては、カテーテルを含むこ
とができる。筋肉へのアクセスは患者血管系を介してカテーテル供給システムを
誘導することにより行なうことができる。筋肉に到達したら、筋肉に貫入できる
。供給システムは、生体親和性材料から構成され、かつ、筋肉内に封入できるよ
うな寸法に構成された少なくとも1つの装置を筋肉内に封入するように作用する
【0016】 本発明の方法は指定された筋肉内部へ移植できるように適切な寸法形状を有す
る装置を筋肉内に封入することにより血管新生を刺激することを含むことができ
る。供給システムは筋肉内で装置を実質的にスケーリング(scaling)す
ることにより筋肉内に装置を封入するように作用することができる。1つの実施
態様においては、筋肉に貫入することは供給システムの遠位部分を筋肉内へ押し
込むことを含むことができる。筋肉に貫入することは筋肉内へ生体親和性装置を
押し込むことを含むことができる。供給システムは筋肉内に生体親和性装置を少
なくとも1つ封入できるように構成されている。これ以外にも供給システムは筋
肉組織に複数の装置を移植できるように構成することができる。1つの実施態様
においては、供給システムは血管新生を促進するエージェント(agent)を
筋肉内に供給できるように構成されている。血管新生を促進することができるエ
ージェントは生物学的作用として血管の成長発達を刺激することを含むあらゆる
物質を含むことができる。
【0017】 本明細書で用いられている血管新生という用語は、組織内に血管を形成又は発
達させる過程であると理解されている。血管新生は筋肉組織と前記装置の表面と
の接触により促進されると理解されている。従って、装置は筋肉組織と接触する
表面を備える三次元構造であればどんな構造であっても良い。本明細書に記載さ
れる装置は人体組織との親和性を有する材料から作成され、当該材料が有毒反応
を誘発しないことが望ましい。本明細書で用いられている生体親和性という用語
は、有毒反応を誘発しない材料の全てのものを表わす。1つの実施態様において
は、移植可能装置に使用される材料は血栓形成にプラスになるものである。この
実施態様においては、移植可能装置はその装置を包囲する筋肉組織内において空
間を開存したままにする作用を有して血液の貯留が装置の付近で起こり得るよう
にすることができる。しかし、血栓形成にプラスになる方法であればどんな方法
でも使用することができる。更に、血管新生を促進することができるエージェン
トはどんなものでも筋肉の中に供給できる。
【0018】 インプラントという用語は、これらの装置の幾つかの実施態様を表わすために
用いられるが、この用語によって以下の説明の範囲が制限されるものではない。
生体親和性材料は選択した組成によって生体安定性又は生分解性、生体活性又は
生体不活性にすることができる。生体親和性材料には、合成及び生物学的ポリマ
ーのハイブリッド体又は複合体として形成されこれによってある種の合成ポリマ
ーに関連する生体親和性の欠如を克服し天然ポリマーの機械的性質を向上させる
ような人工生体ポリマー材料が含まれることがある。生体親和性材料は、水で膨
脹したポリマーのネットワークを含む材料であるハイドロゲルを含むことができ
る。従来のハイドロゲルは温度、pH、イオン強度、電界、化学的エージェント
又は生物学的エージェント、機械的ストレスや放射線などの環境における変化に
よって膨張又は縮退し得る。ハイドロゲルは生体安定性又は生分解性となること
もある。ハイドロゲルは他の生体親和性材料と組み合わせてインプラントを作成
できる。装置の本体の代表的なタイプの更に詳しい説明が本明細書に提示されて
いる。製造のためのその他の実施態様及び材料は当業者には明らかであろう。
【0019】 これらの方法の1つの具体例は心筋内での血管新生を刺激することによるもの
だが、これらの方法はこれによって制限されるものではなくあらゆる筋肉組織に
適用できるものと理解すべきである。この具体例によれば、この方法は心筋にア
クセスするステップと、心臓の心筋壁に貫入するステップと、心筋壁内に血管新
生を刺激する装置を放出するステップを含むことができる。心筋へのアクセスは
経心外膜を経由したり、又は経心内膜を経由したりすることによることができる
。アクセスは外科手術的又は経静脈的に得られる。この方法の1つの具体例にお
いては、医師が経静脈的方法、経心内膜的方法を使用してアクセスして、蛍光顕
微鏡を使って見ながら装置を移植しようと意図した部位までカテーテルを操作す
る。本方法の1つの具体例においては、心筋の貫入は移植する装置によって行な
うことができる。別の方法においては、貫入はガイドワイヤとして機能するカテ
ーテルを中心とする機構により行なうことができるが、このガイドワイヤに沿っ
て当該装置が移植される。装置を心筋の中へ供給するための他の方法は当業者に
は明らかであろう。
【0020】 1つの方法によれば、筋肉組織内に移植される装置は挿入前に変形されてそれ
が移植された後に変形前の形状へ動的に復元しようとする。この変形は変形応力
を加えることにより行なうことができる。この変形応力は装置の形状を変化させ
るような力であって、一般に圧縮又は伸展による。装置の元の形状はこうした変
形応力が存在しない時の形状である。変更された寸法はサイズが変化したり又は
形状が変化したりすることができる。本明細書に記載したような移植可能な装置
は弾力性材料又は可撓性材料で作成される。可撓性装置はその変形し得る能力で
特徴付けることができる。挿入前に変形された装置は移植後に変形前の形状に復
元し得る。これ以外に、心臓の拍動で例示されるように筋肉の収縮弛緩の作用に
よるか、活性化エージェントの活用により装置本体の加熱に対する反応によるか
、又は他の何らかの適切な手段により、装置を移植後に変形させることができる
。代表的な材料には、金属及びプラスチックが含まれる。金属材料には、ステン
レス鋼、MP35N、ニチノール(TM)、エルジロイ(Elgiloy)、チ
タン等の可撓性本体を形成するときに使用できる弾性を充分有する材料が含まれ
る。プラスチック材料には、例えばシリコーンなどのポリマーが含まれる。
【0021】 別の方法によれば、心筋に移植された装置は熱応答性材料で作成される。熱に
応答して形状を変化させる材料は熱応答性材料と呼ばれる。1つの実施態様にお
いては、移植可能な装置の本体は筋肉内の熱に応答して形状を変化させる。筋肉
内の熱は筋肉固有の熱又は筋肉内部へ輸送された熱であって、筋肉外の供給源か
ら得られた熱を含むことがある。ある種の熱応答性材料は熱的条件の変化に応答
して選択前の形状に戻る。これらの材料は熱形状記憶材料と呼ばれるもので、ニ
チノール(TN)がその一例である。
【0022】 1つの実施態様においては、本システム及び方法は血管新生を刺激する目的で
生体反応を発生させる。本明細書に記載の方法は筋肉組織内に生体親和性のある
材料で形成された装置を移植し、筋肉組織内部で炎症反応を誘発することによる
血管新生を誘発する方法を含む。炎症は血管新生を刺激するように炎症カスケー
ド反応を開始するような物質の移植により誘発することができると理解されてい
る。炎症カスケード反応は創傷の治癒及び組織修復に関連した過程によって開始
することができる。ある種の実施態様において、本明細書に記載の方法は更に生
化学的刺激による血液凝固を起こし、更にこれによって血栓を形成し得るような
装置の移植を更に含む。生化学的刺激により血液凝固を発生するような装置の一
例はトロンビンなどの凝固カスケード反応を開始することのできる物質を含む。
このような生化学物質は装置の構造材に埋め込む、あるいはその表面に担持させ
る又は固定することができる。
【0023】 1つの実施態様においては、血管新生は筋肉組織における局所的治癒反応を誘
発することで刺激することができる。局所的治癒反応は炎症カスケード反応を開
始し血管新生を刺激すると理解される。炎症のための機械的刺激は通常の筋肉の
収縮と弛緩に抵抗を提供するものであって、筋肉組織内の剛性又は可撓性装置の
存在によって発生する。炎症のための機械的刺激も元の形状に戻ろうとする固有
の傾向を有する変形状態にあって筋肉内に導入された可撓性本体により発生する
。このような本体は、移植後に本来の形状に戻ろうとするため、周辺組織に力を
かけるので、これによって炎症を開始するための機械的刺激を提供するものと理
解される。
【0024】 本明細書に記載された本システムならびに方法の1つの実施態様においては血
管新生を促進するためのキットを含むことができる。1つの実施態様において、
キットは筋肉にアクセスするための供給システムと、筋肉の組織内に封入できる
ような形状に構成された移植可能な本体と、筋肉内にインプラントを挿入するた
めの移植用装置とを含む。
【0025】 1つの実施態様においては、本明細書に記載された本システムならびに方法は
血管新生を促進するための装置を含む。1つの実施態様においては、この装置は
局所的血管新生を促進することができる物質を担持する少なくとも1つの表面を
有する。1つの実施態様として、この装置はその表面のうちの少なくとも1つに
固定された薬剤を放出する化合物を有する生体親和性材料で形成されたインプラ
ントを含むことができる。局所的血管新生を促進することができる物質を担持す
る表面は前記物質で被覆するか又は前記物質を含む材料から作成することができ
る。局所的血管新生を促進することができる物質は薬剤を放出する化合物とする
こともできる。本明細書で用いられている薬剤を放出する化合物という用語は、
薬学的エージェント又は治療用エージェントを輸送する物質は全て含むものと理
解されよう。薬剤を放出する化合物は適当な担体と組み合わされた薬理学的エー
ジェントを含むことができ、又は別の方法では、薬剤を放出する化合物はその全
体が薬理学的エージェントからなることもある。薬剤を放出する化合物の一例は
凝固因子トロンビンである。1つの実施態様においては、本装置は装置に固着し
た少なくとも1つの薬剤を放出する化合物を時限放出性コーティングの下のとこ
ろに有することができる。別の方法では、薬剤を放出する化合物は時限放出エー
ジェントと混合することができる。別の実施態様において、移植可能な装置は全
体が薬剤放出化合物から作成される。
【0026】 更に別の実施態様においては、この装置は内部に貯溜部を含むように設計され
ており、この装置の壁を通して拡散することができるような薬剤放出化合物をそ
の内部に配置することができる。この貯溜部はこの装置の中の空洞として作成さ
れ薬剤を放出する化合物で充填されるように構成することができる。本実施態様
においては、装置はその内部に入っている薬剤放出化合物に対してだけ透過性の
ある材料で作成され、内蔵された薬剤が装置を透過して周辺組織と接触する。こ
れ以外に、薬剤放出化合物はスプリングが構成する内腔に含めることができ、心
臓の収縮につれてスプリングを構成するコイルの間から放出させたり、又は化合
物はスプリングのコイルの間に装着させて心筋の収縮で組織内に放出されるよう
なゲル又は樹脂として処方できる。
【0027】 別の実施態様においては、移植可能な装置は放射線源を含む。生体親和性材料
から作成された本体は放射線源を含めることにより周辺組織へ局所的な放射線量
を供給するように作成できる。放射線源は移植可能な装置の表面に固定できる。
これ以外に、放射線源は移植可能な装置の内部に担持させることができる。更に
別の実施態様において、放射線源は移植可能な装置を形成するために使用される
材料と一体化させることができる。移植可能な装置を作るときに、バイオセラミ
ック材料、例えばガラスなどを使用する場合には、その移植可能な装置の本体の
中に存在する放射能がガラスを劣化させて時間とともに溶解し、結果として生分
解性となる。
【0028】 理論に制限されることではなく、血液を局部領域に貯留させることにより血管
新生が促進されるものと理解されており、この血液が貯留することはそれに続く
血管新生の刺激により血栓形成となるものと理解される。従って、1つの実施態
様においては、本明細書に記載のシステムは移植可能な本体を提供し、これは血
液が貯留できるような表面を含む。この表面は装置の外側又は内側にある。1つ
の実施態様においては、装置の表面は少なくとも1つの凹部領域を提供し、ここ
に血液が溜まることができる。外面は突起を有し、これはそれ自体を筋肉組織に
埋め込み通常の筋肉収縮又は弛緩を防止する。筋肉が収縮したり弛緩したりする
サイクルにおける筋肉組織に及ぼすこの突起の作用により筋肉内の小窩が形成さ
れて、これが貯留した血液により充填されるようになる。
【0029】 1つの実施態様においては、本明細書に記載された装置は可撓性構造を含む。
可撓性材料は各種の形状に構成され、この形状にはスプリングやベローズが含ま
れる。このときのスプリングは金属又はプラスチック材料から成るフィラメント
を一定間隔で巻いて円筒状に構成されたものを含むことができる。他の実施態様
においては、このスプリングは別の形状に構成され、その各々が変形可能で弾力
性を有する本体を提供する。円筒状という用語は、少なくとも二つの開口とその
間に延在する空間とを含む1つの側壁で画成されるあらゆる形状を含むものと理
解されるもので、この場合の側壁はほぼ円柱状、四角形、三角形であったり又は
その他の何らかの好適な形状とすることができる。ベローズ装置は心筋によって
作用を受けると圧縮したり又拡張したりすることができる。ベローズは薬剤放出
化合物が内包された空洞を取り囲み、オプションとしてベローズを構成するスプ
リングの圧縮や伸展の際に空洞から化合物を放出するためのポート(孔)を含む
。血液の貯留はスプリングが画成する内腔の中に起こるので、これによって血管
新生を刺激できる。このスプリングは隣接したコイルが当接するようにピッチを
閉じて巻くか、又は隣接したコイルの間に間隙を有する開いたピッチのあるスプ
リングとしても良い。
【0030】 1つの実施態様においては、生体親和性のある本体は熱応答材料を含む。この
用語は熱形状記憶材料又は超弾性材料を含むと理解すべきである。別の実施態様
においては、生体親和性の本体は剛性材料を含む。本明細書に記載した移植可能
な装置はその移植可能な装置の変形を防止したり又は減少させたりするのに充分
な硬さのある剛性材料を含むことができる。剛性材料は筋肉の収縮によって発生
するような変形応力に抵抗できる。剛性材料は生吸収性とすることもできて、時
間とともに局部的分解及び局部的吸収を受けるようにすることができる。代表的
な材料としては金属及びプラスチックが挙げられる。金属材料はステンレス鋼、
MP35N、ニチノール(TM)、エルジロイ(Elgiloy)、チタンを含
む。プラスチック材料は、テフロン(登録商標)、ポリメチル・メタクリレート (PMMA)、及び生吸収性材料例えばポリグリコライド(PGA)やラクタイ ド・ポリラクタイド(LPLA)を含む。これらの限定的パラメータに適合する 生体親和性材料はバイオメディカル工学の技術分野では周知であり何らかの適切 な生体材料例えば、ポリマー、金属、セラミック、カーボン、加工コラーゲン、 化学処理した動物又はヒト由来組織又は生吸収性材料を用いても良い。
【0031】 1つの実施態様においては、装置は組織の内部成長を支持する足場を含むこと
ができる。この足場は内部間隙を取り巻く固体の支持要素から成る構造マトリク
スであり得る。この内部間隙は足場全体に亘って組織が内部成長できるような空
隙を提供し、この支持要素は足場内部の組織要素の形状を制御する。内部間隙に
配置された組織成長因子や支持要素に担持させるか又は固定した組織成長因子が
組織の内部成長及び血管新生を増大させる。組織成長因子は組織増殖の過程を開
始又は加速するように作用するエージェントである。組織成長因子の例としては
、線維芽細胞成長因子(FGF)タイプIとタイプII、血管内皮成長因子(V
EGF)が挙げられる。
【0032】 1つの実施態様においては、本発明の装置は実質的に固体状の足場を作り、こ
の固体材料内部に設けた比較的小さい通路が組織の内部成長を行なわせ組織化す
る。このような実施態様では組織が成長できる空間を包囲するように構成するこ
とができる。固体状の本体にある開口(aperture)は組織が内部の空隙
へ成長できるようにする開口部である。この空隙は全ての側で硬い壁によって完
全に閉じられ、この開口が組織の内部成長のための経路を提供するようにするこ
ともできる。これ以外に、この装置は少なくとも1つの側壁を除去した円筒状の
形状として内部の空隙このが装置の外部環境と連通するようにすることもできる
。別の実施態様においては、足場は生体親和性本体を貫通して延在する通路を含
み組織の内部成長を支援するようにできる。
【0033】 本発明のその他の態様及び実施態様は幾つかの図示した実施態様についての以
下の説明から明らかになろう。
【0034】 本発明は筋肉組織において血管新生を促進するためのシステム及び方法を提供
する。これらのシステムは急性又は慢性の循環不全、例えば動脈塞栓症又は仕切
り症候群などによって起因する虚血を治療するために使用できる。明確にするた
めに、本発明のシステム及び方法は心筋内の虚血を治療することを参照しつつ説
明する。しかし、本発明のシステム及び方法が心筋内部への適用に制限されるべ
きではなく、むしろ人体のあらゆる筋肉に適用可能であること、又本発明のシス
テム及び方法を筋肉組織に応用することは、以下に図示された実施態様の詳細な
説明から当業者には明らかになるであろう。
【0035】 図示した実施態様の詳細な説明 本発明はとくに局所的な血管新生を刺激することにより筋肉の虚血症状を治療
し、これによって酸素含有血液が組織レベルで行きわたることを増大させるため
の方法を含む。1つの実施態様においては、これらのシステム及び方法は虚血心
筋に適用できる。心筋における不十分な潅流は冠動脈系において動脈血流入量の
総量を増加させる血管再生の施術にもかかわらず組織レベルで継続し得る。血管
新生を刺激することにより、本明細書に記載のシステム及び方法は酸素含有血液
が心筋へ供給されることが改善される。このことは、その結果、狭心症、心筋梗
塞、疼痛を含む心筋虚血に付随する病理学的条件の改善に繋がり得るものである
【0036】 図1aは、筋肉組織内の血管新生を促進することができる移植可能な装置の1
つの実施態様を示し、ここでは心筋内に移植された状態で図示してある。具体的
には、図1aは心筋10、大動脈12、移植可能な本体14、大動脈弁16、供
給システム18を断面図で示す。図1aに図示してあるように、移植可能な本体
14は心筋10の中に配置することができ、この場合には、移植可能な本体14
は心内膜と心外膜との間にはまって心筋壁内に完全に内包されることとなる。
【0037】 図1aは、供給システム18が大動脈12と大動脈弁16を通過して左心室2
0の心室内へ入り、これによって心筋10にアクセスすることができることを示
している。供給システム18は、移植可能な本体14を心筋10へ供給できるよ
うに構成されたカテーテルである。供給システム18を大動脈12へ導入する技
術は当業者には周知である。心臓から離れた部位の動脈の動脈の経皮的穿刺によ
り動脈系へアクセスすることができる。大腿動脈又は上腕動脈が一般に選択され
る。動脈内を経由してアクセスすることが完了した後、大動脈12に到達するま
で心臓に向かって供給システム18を押し進める。大血管の中をカテーテルが前
進していく状況は蛍光顕微鏡を使ってモニターする。左心室20に到達したら、
供給システム18は移植可能な本体14が供給される心筋10の部分に向けられ
ている。供給システム18は当業界では周知の技術を用いて心筋10の内部に配
置される。心内膜の適当な部分を特定するときには、乳頭筋又は心室内小柱への
外傷を避けるように注意する。図1aに図示した実施態様は左心室20に供給シ
ステム18が到達するように図示してあるが、当業界の通常の知識を有する実施
者には明らかなように、配置は左心室20に限定されるものではない。臨床時の
症状が心筋構造内へ装置を移植することができるような状態であれば、静脈を経
由して供給システムを導入することにより右心室壁及び心室中隔へアクセスする
ことができる。移植可能な本体14を他の筋肉の中へ導入する方法は当業者には
明らかであろう。
【0038】 筋肉内での血管新生を促進するためのシステムの実施態様は図1aに図示され
ているが、これは、心筋10の壁の間にはさまるような適当な寸法を有する移植
可能な本体14を含む。心筋の寸法は解剖学上の異なる部位で異なり、収縮と弛
緩とを伴いながら動的に変化することがある。更に、心筋の厚みには生理的病理
的に見て変動する。心筋の厚みが大きくなる現象は、例えば高血圧患者などで心
筋の作業量が増大することにより発生する。心筋の厚みが薄くなる現象は、もっ
とも極端な場合は、心室動脈瘤形成で見られる虚血性外傷により発生する。本実
施態様において、移植可能な本体14の寸法はこれが移植される心筋領域内に適
合するように選択される。ルーティンワーク化したような条件下では標準寸法が
使用できるが、解剖学的観点からの特定の必要性に対応するように寸法を変える
ことは可能である。心筋の厚みを測定する技術は当業者に公知であり、このこと
により患者において測定された特定の寸法に従って移植自在な装置のカスタム化
ができる。移植可能な本体14は又あらゆる解剖学的部位での筋内装着に適する
寸法となるように選択できる。
【0039】 上述の本体14は生体親和性材料で作られる。本システム及び方法について理
解されるような生体親和性とは、例えば、このような装置を作成するときの材料
について何ら有毒反応が発生しない又はそれがあっても限られたものとなるよう
な材料の特性を言うものと理解されるが、この場合、このような材料には血栓形
成特性があり異物反応を起こすことができるものとする。異物反応とは、マクロ
ファージを主体として構成される侵潤層を伴う非免疫性炎症反応の一形態である
。移植可能な本体14は生体親和性材料で作成されているので、抗体形成によっ
て特徴付けられる免疫反応を起こさせた場合、このような反応は局所性病理作用
、末端部での病理作用又は全身性病理作用を起こさないものと理解される。この
ような特性を規定するパラメータに適合する生体親和性材料はバイオメディカル
工学の技術部分野では周知であり、ポリマー、金属、セラミック、カーボン、加
工コラーゲン、化学処理した動物組織又は人体組織又は生体吸収性材料等々の生
体材料であればあらゆる適当なもの使用できる。生体親和性材料は、選択した組
成によって、生体安定性又は生分解性、生体内での活性を有するようにしたり又
は不活性としたりすることができる。生体親和性材料は、ある種の合成ポリマー
に関連した生体親和性の欠如を克服しつつ天然ポリマーの機械的性質を増大すべ
く製造された合成ポリマーと生物学的ポリマーとのハイブリッド体又は複合体と
して形成された人工生体ポリマーを含む。
【0040】 生体親和性材料には水により膨脹したポリマーのネットワークを含む材料であ
るハイドロゲルが含まれることもある。従来のハイドロゲルは環境条件に従って
膨潤するときにもほとんど変化しないが、刺激応答型ハイドロゲルは温度、pH
、イオン強度、電界、化学的薬剤又は生物学的薬剤、機械的ストレスや放射線な
どの環境条件における変化によって膨張したり又は縮退したりすることがある。
ハイドロゲルは生体安定性又は生分解性である。ハイドロゲルは他の生体親和性
材料と組み合わせてインプラントを作成できる。生体親和性材料で作られた本体
は放射源を含めることにより周辺組織へ局所的に照射する放射線を供給するよう
に作成できる。ガラスなどのバイオセラミック材料を用いて埋め込み装置を形成
する場合には、埋め込み可能な本体の内部に存在する放射能がガラスを劣化させ
て時間とともに溶解させ、その結果、生分解性となる。生体親和性材料には多孔
性材料が含まれる。多孔性材料は液体又は粒子状物質が通過できるような通路又
はチャンネルを含む。多孔性材料は開放性の微孔構造と閉鎖性の微孔構造とを含
む。開放性微孔構造とは、材料の中で液体が片方の表面から対向する表面へ、相
互接続ネットワークされたチャンネルの曲りくねった通路を通って移動できるよ
うな材料である。閉鎖性微孔構造とは、通路又はチャンネルがブロックされてい
て、液体が材料の片方の表面から対向する表面へ移動できるような連続かつ相互
接続されたチャンネルのネットワークがない材料である。
【0041】 図1bは、筋肉26組織の内部での移植可能な本体14の位置を更に詳細に示
す。移植可能な本体14を取り巻くのは筋肉内の空隙36でこのなかに血液が溜
まる。血液が溜まると血栓形成が起こる。凝固タンパク、補体生成物、血小板、
その他の血液や組織液からの生成物が溜まった血液と生体親和性のある移植可能
な本体14との間の相互作用に関係するものと理解すべきである。図1cは筋肉
26の組織内部にある複数の移植可能な本体14を示す。
【0042】 図1dは、心筋10内部での移植可能な本体14の位置を詳細に示す。筋肉組
織は血管形成及び血管新生を起こしてこの本体14の移植に反応すると理解され
ている。更には、硬い組織の中へ移植された大半の生体材料については、コラー
ゲンや線維芽細胞からなる比較的細い繊維から成るカプセル化による包埋が起こ
ると理解されている。単球/マクロファージと異物巨細胞とから成る継続的な炎
症性侵潤も発生することがあり、これは永続的な組織刺激を示す。様々な度合の
異物反応が異なる生体親和性材料について発生すると理解されている。炎症を引
き起す代表的なポリマーには、ポリエチレン・テレフタレート、ポリグリコール
酸/ポリ乳酸、ポリカプロラクトンやポリハイドロキシブチレート吉草酸塩など
が含まれるが、他の材料も当業者には明らかであろう。これらの炎症反応に随伴
して、この本体14の外側表面22の近傍には血管24の局所的増殖が発生する
。移植可能な本体14は、組織への治療用エージェントの供給を行なうような、
又は血管新生を促進又は補助するような薬剤を含む化合物又は薬剤を放出する化
合物のコーティングを有したり、又は移植可能な本体が全体としてこのような薬
剤を放出する化合物で作成されることもある。このような装置のコーティングの
密度を調節して放射線不透過度を改善することもできる。図1eは、移植可能な
本体14と心筋10との間の相互作用の1つの形態を更に詳細に示す。移植可能
な本体14の外側突起28はインプラントの動きを妨げて、心筋10内に留めよ
うとする。心筋10のフィラメントが断裂したり変形したりすることによって移
植可能な本体14を包囲する心筋内の空隙30が形成される。心筋内の空隙30
によって形成された空間は最終的に血栓形成34となるような貯留血液32によ
って部分的に埋められる。凝固タンパク、補体生成物、血小板、及びその他の生
成物が貯留血液32と移植可能な本体14との間の相互作用に関係すると理解さ
れている。移植可能な本体14の外側表面22はこのような血栓形成34が起こ
るための核となる部位を提供することができる。血栓形成34は、心筋内の空隙
30の形成が起こらなくても発生することができ、この場合には、血液が溜まる
こと(以下、血液貯留)32は本発明の装置の外側表面22によって形成された
凹部空隙38で起こる。これ以外の方法としては、血液貯留32は移植可能な本
体14の内側表面40の上に発生することがある。血栓形成は、血小板粘着、活
性化及び凝集と関係し、このように形成された血小板から成るプラグに赤血球が
吸着される。
【0043】 図2は、本明細書に記載のシステム及び方法による筋肉内への移植ができるよ
うに構成された移植可能な本体であって、可撓性構造42として構成された本体
の1つの実施態様を示す。図2に図示した実施態様は二つのスプリング状のコン
ポーネントであるピッチの閉じたスプリング44とピッチの開いたスプリング4
8とを含む。本実施態様においては、二つのスプリング要素は圧延した平板状の
金属ストランド50から作成される。ピッチの開いたスプリング48のエッジ5
2は本実施態様では角度が付けてある。有効な寸法は、ステンレス鋼の場合は厚
み対幅の範囲が0.002インチから0.005インチ対0.008インチから
0.018インチを含むが、アスペクト比の選択はもっと大きくても良い。平た
いワイヤを圧延工程の間に丸い形状から圧延するのが代表的で、湾曲したエッジ
を備えた平たいストランドが作成される。可撓性構造42の作成中に、エッジの
最終仕上げを行ってエッジの鋭利さを改善する。供給装置のスペックに適合する
ように、様々な度合の軸方向の可撓性が得られる。異なる度合の可撓性が解剖学
上の異なる領域にある筋肉への装着に適することがある。例えば、心筋内の場合
には、心尖部心筋への移植には剛性の高い装置がより適しており、自由心室壁へ
の移植にはより可撓性のある装置より適している。
【0044】 可撓性構造42の好適実施態様は0.005インチ×0.015インチの31
6ステンレス鋼製のリボンを特別に準備したマンドレルに巻き取ることにより傾
斜螺旋スプリングとして製造される。このマンドレルは相互に約0.2インチ離
れた直径0.032インチのバレル(barrel)で切削される。これら二つ
の部分の間は根部直径が0.034インチのねじ状の螺旋となっている。ねじ山
の巻き上げ側は垂線に対して約40度である。好適実施態様における可撓性構造
42は、約2〜3ポンドの張力でマンドレルの軸に沿ってリボンを巻き取り、平
たい部分から初めてねじを切った螺旋部に進み対向する平たい部分で終わるよう
にすることによって調製される。巻き取られた装置は装置を注意深く回転させて
それをねじりながらマンドレルから取り外す。軸方向に伸縮させて適当な最終的
長さに装置を採寸することが必要となることもある。平たい部分のコイルが切り
取られて、約1.5から2回巻きとなる。最後のステップとして、遠位側の平た
い部分のコイルを600番水砥サンドペーパで仕上げてあまり鈍角でない前縁を
作成して装置を埋め込むときの挿入力を最小限にする。完成したときには、全長
は約0.28インチ、最大直径が0.06インチである。コイルを垂線に対して
40度の角度で約7回の巻き数にすることでアンカーと血液が空隙の中に浸入で
きるようにするとともに筋肉組織の部分的内部成長ができるような多孔質構成と
が提供される。
【0045】 例えば、本明細書に記載の装置は、例えばニチノール(TM)などの熱応答性
材料を含む別の材料で形成することができ、これにより例えば、装置又は装置の
一部が埋め込まれてから変形できるようにして、心筋内部へ本体を一層確実に保
持する。更に、本明細書に記載の装置は薬剤でコーティングしたり又は薬剤を担
持させたりすることができる。更に別の実施態様においては、装置は組織が内部
成長するのを助長するような網状材料で形成できる。更に別の変形タイプ、置換
タイプ、追加、変更は本発明の範囲から逸脱することなく成し得るものである。
【0046】 可撓性構造42の1つの利点は組織と接触する装置の表面積を最大にすること
で、これにより反応する組織の体積を最大にすることができるものと理解されて
いる。本図に図示してある可撓性構造42はこの表面積を最大にすることができ
る1つの実施態様を示している。この実施態様において、筋肉は可撓性構造42
のコイルの間にヘルニアのように食い込むものとされている。移植可能な本体の
表面積を最大にしてこれにより組織と装置との接触を最大にする他の実施態様は
本明細書に記載のシステム及び方法の範囲から逸脱することなく当業者によって
製造可能である。
【0047】 図3は、内腔58を形成する二重螺旋スプリング54として構成されたもので
、本明細書に記載のシステム及び方法による筋肉内移植ができるように構成され
た移植可能な本体の別の実施態様を図示している。この二重螺旋スプリング54
は、ピッチの開いたセクション60とピッチの狭いセクション62とを備えた内
側螺旋構造64を有する。この内側螺旋構造64を取り巻くようび外側螺旋68
がピッチの開いた形状で存在する。
【0048】 図4は、二つのピッチの開いたスプリング要素74によって接続された複数の
ピッチの狭いスプリング状部分72を有する可撓性構造70として構成されたも
ので、本明細書に記載のシステム及び方法による筋肉内移植ができるように構成
された移植可能な本体の別の実施態様を図示している。可撓性構造70は、平坦
に圧延した金属78の連続ストランド(continuous strand)
から成り、内腔80を形成している。内側のきつく巻かれたスプリング部分72
の傾斜エッジ82により外側表面88に一連の凹部空隙84ができて、これによ
り血液が溜まるためのポケットが提供できる。これ以外に、この可撓性構造70
の内面に表面を設けて血液を集め凝固させるための部分を提供することができる
。図4に図示したような装置は剛性材料又は可撓性材料から作成される。
【0049】 図5aは、ベローズ92を含むように構成されたもので、筋肉内への移植のた
めの装置の実施態様を示す。ベローズ92は長さ方向に圧縮伸展することで長軸
98に沿ってかかる応力に応答する固体物からなる可撓性の側壁94を備えた円
筒状構造であるのが一般的である。図示したように、図5aのベローズ92は伸
びた状態で図示してある。図5bは縮まった状態で長さが短くなった状態の同じ
ベローズ92を示す。ベローズ92は中心腔100を含み、ここに薬剤放出化合
物を含め各種材料を分散させることができる。ベローズ92が機械的に動くこと
で中心腔100から薬剤放出化合物の放出がおこる。図5aはベローズ92の実
施態様を示し、前方の中実の金属製栓塞子ヘッド102とこれに取り付けた可撓
性金属シリンダ104とを有する。可撓性金属シリンダ104は一連の円環状の
しわ108として構成してその長さ方向にわたって特定部位で装置の屈曲及び延
伸ができるようにする。円環状のしわ108はアコーディオン式に、軸方向に向
かう応力に応答して折り曲げたり延ばしたりできる。変形自在な金属箔110の
終端後部カフ(terminal posterior cuff)が可撓性金
属シリンダ104と円環状のしわ108に連続して存在する。
【0050】 図6aは、移植可能な本体の別の実施態様を示し、テーパー状の中心部空隙1
18を取り巻いて変形できない筐体114を含む剛性材料からなる円錐形の本体
112の長手方向断面図を提供する。この空隙は円錐形の本体112の遠位側先
端120より手前で終わり遠位側先端120が鋭角状になった挿入ポイント12
2となる注実の円錐形の構造となるようになっている。本体112の外側表面は
一連の外側トゲ124を有する。図6bはこの実施態様の断面図を示し、変形自
在ではない筐体114と、中心部空隙118と外側のトゲ124とを示す。この
外側のトゲ124は装置の周辺に配列し、一列毎に並んだ状態で、螺旋パターン
又は他の何らかのパターンで変形自在ではない筐体114の表面上に配置するこ
とができる。外側のトゲ124は、図6cに図示したように、医師によって配置
された位置で筋肉128に本体112を固定する。クイル状の構造はどのような
筋肉へでも挿入できるように構成することができるが、図7a、図7b、図7c
、図7d、図7eを参照して以下で説明する本発明の方法に好適である。
【0051】 図7a、図7b、図7cは本発明の1つの方法を実施するときのステップを示
す。図7aは大動脈弁16を越えて左心室20に配置された供給システム18を
示す。心筋10には供給システム18が到達している。この図では心筋10に到
達する場合の心内膜経由の経路が図示してあり、これによって供給システム18
が心内膜132を越えて進む。これ以外に、経胸腔的アプローチを選択した場合
には、心外膜134を通る到達経路が利用できる。経心外膜を経由してアクセス
することは心外膜134を直接目視できる外科手術時に行なうこともある。これ
以外に、胸腔鏡技術により経心外膜を経由したアクセスができる。心筋10に到
達したら、これに貫入して、図7bに図示したように、移植可能な本体14を組
織内に挿入する。心筋10への貫入には心内膜面132と供給システム18の遠
位端とをそろえ、次に図7cに更に詳細に図示してあるように、移植可能な本体
14を心筋10の組織の中へ前進させる。この後、供給システム18の取り出し
は図7dに図示してあるように標準的に行なう。本方法の1つの実施方法におい
ては、心筋10から取り出した後で左心室20内に供給システム18を再配置し
て別の移植可能な本体14を心筋10の中に設置することができる。意図した個
数の本体14が心筋10に配置された後で、供給システム18は図7dに図示し
たように取り出す。図7eは心筋10内に多数の本体14が配置できることを示
す。
【0052】 図8は、供給システム18の実施態様の断面図を示す。この実施態様において
は、供給装置140は配置カテーテル142の内腔138を通り移植可能な本体
14と心筋10を接触できるようにする。配置カテーテル142が左心室20を
通って心筋10の表面に達すると、移植可能な本体14を心外膜134経由で心
筋10に供給する。供給システム18は心筋10へ移植可能な本体14を配置す
るための機構を内部に内蔵することもある。これ以外に、移植可能な本体14そ
れ自体が供給システム18の遠位端に取り付けられて、図8に図示してあるよう
に、心筋へ貫入するための手段を提供するようにしても良い。1つの適切な供給
システム18は、近位端に配置されて治療を行なう医師により操作され装置(以
下、駆動装置)の制御下で操作されるように遠位端に取り付けた押出機構を含む
カテーテル・システムを含む。この駆動装置により供給装置140の遠位端を心
内膜132に貫入させることができ、移植可能な本体14をカテーテルから心筋
10の組織内へ押し込むことができる。1つの実施態様においては、供給システ
ム18は、図6a〜図6bに図示してあるような心筋インプラントを供給できる
ものがあるが、この供給システム18の駆動装置はチャンバ又はカテーテル内腔
からインプラントを出すことができ、インプラントの尖った端部が組織壁を穿孔
して移植可能な本体14が心筋10の中に入り込む。他の供給システムも本発明
の範囲を逸脱することなく使用可能である。
【0053】 図9aは、筋肉組織内において血管新生を促進するための別の方法を示し、こ
こでは心筋10に用いたような方法の図示によって示される。図9aにおいて、
供給システム18は大動脈弁16と左心室20とを越えて心内膜132を貫通す
ることで心筋10に到達するように図示してある。本図には供給システム18を
使用して心筋10に移植された移植可能な本体14が図示されている。図9bは
この構造体の変形した形状144を更に詳細に示し、図9cはこの構造体が心筋
10において元の形状148になっているところを示す。本方法による実施には
、移植可能な本体14を変形した形状144でを挿入しその本体に固有な物理的
特性に従ってほぼ元の形状148に復元させることが関与する。このようなプロ
セスは、移植可能な本体14に弾性メモリーがあるために起こり得る。これ以外
に、移植可能な本体14の形状の変化は移植可能な本体14が熱を加えることに
より元の形状に戻る材料(以下、熱形状記憶材料)からなるために起こり得る。
【0054】 本発明は好適実施態様を参照して説明したが、本発明の趣旨と範囲から逸脱す
ることなく形状、詳細、技術を変えることのできる当業者。従って、本発明のシ
ステム及び方法は上記説明のいずれかによって制限されるべきではなく、上記説
明は本発明の実施と使用ができるように提供されるものである。むしろ、本発明
のシステム及び方法は後述の請求項の文言から理解されるべきであり、その場合
には、法の下で最大限広く解釈すべきものである。
【0055】 本発明ならびにその目的、利点、及び能力を合わせてより良く理解するために
は添付の図面を参照する。図面においては、同様の参照番号は同様の部材を表わ
す。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1aは、心臓の解剖学的断面図でカテーテルが左心室内に配置され、かつ、
血管新生を刺激するために本体が心筋内に配置されているところを示す。 図1bは、筋肉組織内に配置されて血液の貯留を起こす本体の位置を更に詳細
に示す。 図1cは、血管新生を刺激するために筋肉の組織内に留置された複数の本体を
示す。 図1dは、血管新生を刺激するために筋肉の組織内に配置された本体の位置を
更に詳細に示す。 図1eは、心筋組織内に配置されて血液の貯留と血栓形成が起こる心筋内空隙
を形成する本体の相互作用を更に詳細に示す。
【図2】 図2は、可撓性の本体を有する装置を示す。
【図3】 図3は、二重螺旋スプリングの形状となった装置を示す。
【図4】 図4は、筋肉内移植ができるように構成された移植可能な本体の別の実施態様
を示す。
【図5】 図5aは、ベローズが本体に形成されている実施態様を示す。 図5bは、図5aのベローズが収縮下状態を示す。
【図6】 図6aは、筋肉に貫入できるように構成された剛性本体を含む実施態様を示す
。 図6bは、図6aに図示した実施態様の断面図を示す。 図6cは、筋肉の組織内に配置された図6aの実施態様を示す。
【図7】 図7aから図7eは、心筋内に本体を移植して血管新生を促進する1つの方法
を示す。
【図8】 図8は、心筋内部に移植可能な本体を配置するための供給システムの実施態様
の断面図を示す。
【図9】 図9aから図9cは、変形した状態で筋肉内に本体を移植する方法手技を示す
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成13年4月9日(2001.4.9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 スティーブン・ジェイ・フォルクッチ アメリカ合衆国 マサチューセッツ州 02174 アーリントン ハイバート スト リート 84 (72)発明者 シラグ・ビー・シャー アメリカ合衆国 ニューハンプシャー州 03060 ナシュア ナンバー11 ニュー キャッスル ドライヴ 28 Fターム(参考) 4C097 AA15 BB01 BB04 CC01 DD01 DD05 DD06 DD09 DD15

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筋肉内での血管新生を刺激するための方法であって、 前記筋肉へ到達するための供給システムを使用するステップと、 前記筋肉に貫入するステップと、 生体親和性材料で形成され、かつ、前記筋肉内に封入できるような寸法に構成
    された少なくとも1つの本体を前記筋肉内に封入するために前記供給システムを
    操作するステップと を含むことを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 前記供給システムを使用するステップはカテーテル供給シス
    テムを使用することを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記筋肉に到達するために前記供給システムを使用するステ
    ップは、 患者の血管系を介してカテーテル供給システムを誘導するステップ を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記筋肉に貫入するステップは、 心臓の心筋壁を含む筋肉に貫入することを含むことを特徴とする請求項1に記
    載の方法。
  5. 【請求項5】 前記筋肉に貫入するステップは前記筋肉へ前記供給システム
    の遠位端を押し込むことを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記筋肉に貫入するステップは前記筋肉に少なくとも1つの
    前記本体を押し込むことを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記供給システムを操作するステップは前記筋肉内に前記少
    なくとも1つの本体を実質的に封止する供給システムを操作することを含むこと
    を特徴とする請求項1に記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記供給システムを操作して前記筋肉内に少なくとも1つの
    本体を封入するステップは前記筋肉内に複数の本体を移植することを含むことを
    特徴とする請求項1に記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記供給システムを操作して前記筋肉内に少なくとも1つの
    本体を封入するステップは前記筋肉内において血液の貯留を促進するように構成
    された少なくとも1つの本体を配置することを含むことを特徴とする請求項1に
    記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記供給システムを操作するステップは血管新生を促進す
    るためのエージェントを前記筋肉の中に供給するために前記供給システムを操作
    することを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  11. 【請求項11】 筋肉の組織内において血管新生を刺激するための方法であ
    って、 供給システムで前記筋肉に到達するステップと、 前記筋肉に貫入するステップと、 生体親和性材料で作成され、かつ、前記筋肉内に封入されるような寸法に構成
    された、少なくとも1つの本体を前記筋肉内に放出するステップであって、 前記生体親和性材料は前記筋肉の組織内で炎症反応を誘発することができるこ
    とを特徴とするステップと、 を含むことを特徴とする方法。
  12. 【請求項12】 筋肉の組織内において血管新生を促進する方法であって、 供給システムで前記筋肉に到達するステップと、 前記筋肉に貫入するステップと、 前記筋肉内に移植できるような寸法に構成された少なくとも1つの可撓性本体
    を前記筋肉内に放出するステップであって、前記本体は前記筋肉内への放出前に
    変形応力が加えられ、かつ、前記本体は移植後に元の形状に動的にほぼ復元する
    ことを特徴とするステップと、 前記筋肉の近傍から前記供給システムを取り出すステップと、 を含むことを特徴とする方法。
  13. 【請求項13】 筋肉の組織内において血管新生を促進する方法であって、 供給システムで前記筋肉に到達するステップと、 前記筋肉に貫入するステップと、 前記筋肉内に熱応答性材料で作成された本体を放出するステップであって、前
    記本体は筋肉内の熱にさらされたときに寸法変化を起こすことを特徴とするステ
    ップと、 前記筋肉の近傍から前記供給システムを取り出すステップと、 を含むことを特徴とする方法。
  14. 【請求項14】 筋肉内において血管新生を促進するキットであって、 前記筋肉へ到達するための供給システムと、 前記筋肉の組織内に封入されるような寸法に構成された移植可能な本体と、 前記筋肉内に前記移植可能な本体を挿入できる移植装置とを含み、 前記移植可能な本体を前記筋肉の組織内に配置することにより血管新生が促進
    されることを特徴とするキット。
  15. 【請求項15】 血管新生を促進するための装置であって、 生体親和性材料で作成され、かつ、筋肉の組織内に移植できるような寸法に構
    成されており、前記本体は局所的な血管新生を促進することができる物質を担持
    する少なくとも1つの表面を有することを特徴とする装置。
  16. 【請求項16】 前記少なくとも1つの表面は薬剤を放出する化合物で被覆
    されることを特徴とする請求項15に記載の装置。
  17. 【請求項17】 前記少なくとも1つの表面は少なくとも1つの薬剤を放出
    する化合物を含む生体親和性材料から形成されることを特徴とする請求項15に
    記載の装置。
  18. 【請求項18】 前記本体は少なくとも1つの薬剤を放出する化合物を内包
    する貯溜部を取り囲み、前記本体は前記薬剤放出化合物に対して透過性を有する
    生体親和性材料から形成されていることを特徴とする請求項15に記載の装置。
  19. 【請求項19】 前記本体は少なくとも1つの表面に放射線源が付いている
    ことを特徴とする請求項15に記載の装置。
  20. 【請求項20】 前記本体は放射線源を含むことを特徴とする請求項15に
    記載の装置。
  21. 【請求項21】 前記生体親和性材料は少なくとも1つの放射線源を含むこ
    とを特徴とする請求項15に記載の装置。
  22. 【請求項22】 血管新生を促進するための装置であって、 生体親和性材料から形成され、かつ、筋肉の組織内に移植できるような寸法に
    構成された本体を含み、前記本体は前記本体の近傍に血液が貯留できてこれによ
    り血管新生を刺激するような少なくとも1つの表面を提供することを特徴とする
    装置。
  23. 【請求項23】 前記表面は血栓形成の核となる箇所を提供する凹部空隙を
    含むことを特徴とする請求項22に記載の装置。
  24. 【請求項24】 前記表面は筋肉の動きを妨げてこれにより血液が貯留でき
    る空隙が筋肉内に形成されるように構成された突起を含むことを特徴とする請求
    項22に記載の装置。
  25. 【請求項25】 前記本体は可撓性構造を有することを特徴とする請求項2
    2に記載の装置。
  26. 【請求項26】 前記可撓性構造はスプリングを含むことを特徴とする請求
    項25に記載の装置。
  27. 【請求項27】 前記可撓性構造は筋肉の弛緩と収縮に応答して伸展と収縮
    をするベローズの形状となるように構成されることを特徴とする請求項25に記
    載の装置。
  28. 【請求項28】 前記本体は熱形状記憶材料を含むことを特徴とする請求項
    22に記載の装置。
  29. 【請求項29】 前記本体は剛性材料を含むことを特徴とする請求項22に
    記載の装置。
  30. 【請求項30】 血管新生を促進するための装置であって、 生体親和性材料から形成され、かつ、筋肉の組織内に移植できるような寸法に
    構成された本体を含み、前記本体は組織の内部成長の支持を提供する足場となる
    ように構成され、これによって前記本体は組織の内部成長を促進しこれにより血
    管新生を刺激することを特徴とする装置。
  31. 【請求項31】 前記本体は少なくとも1つの組織成長因子を含むことを特
    徴とする請求項30に記載の装置。
  32. 【請求項32】 前記本体は組織の内部成長の支持を提供する足場を提供す
    るための延在したチャンネルをその内部に有することを特徴とする請求項30に
    記載の装置。
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