JP2002530116A - スクロースをグルコースへと処理する方法 - Google Patents

スクロースをグルコースへと処理する方法

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fructan
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スティーヴン・ジェイ・カタニ
スティーヴン・エー・ロス
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ジュアン・エル・ナヴィア
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ネオス テクノロジーズ インコーポレイテッド
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、スクロースから工業的な量のグルコースを調製する方法、スクロースから工業的な量のグルコースと分枝状フルクタンを調製する方法、かかる方法を実施するための反応器に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スクロースから工業的な量のグルコースを調製する方法、およびこ
の方法を実施するための反応器に関する。特に、本発明は、スクロースと、β-
2,1-フルクトシルトランスフェラーゼおよびβ-2,6-フルクトシルトラン
スフェラーゼとを接触させて、次いで、グルコースおよび分枝状フルクタンを単
離することによって、スクロースからグルコースを調製する方法に関し、それに
よって、生産効率を高めることに関する。
【0002】
【従来の技術】
グルコースは、単糖類または多糖類に取り込まれたいずれかとして、自然界に
見出される糖類である。グルコースは、臨床的に、液体および栄養補給として、
微生物の培養における炭素源として利用され、また、食品添加剤として広く利用
される。
【0003】 グルコースは、デンプン(Dean, Gottfried, Advan. Carbohyd. Chem.5,127(1
950))から、およびスクロースの酸加水分解によって、工業的に調製されている
。グルコースを調製するための出発物質の入手容易性にも関わらず、この物質の
コストは、出発物質のコストと比べて高いままである。従って、グルコースの工
業的合成は改善することができる。
【0004】 フルクタンは、自然界に見出される(Science and Technology of Fructans,
1993 ed. M.Suzuki and N.J.Chatterton, CRC Press,Inc.)。植物では、1)イ
ヌリン、主にキクイモおよびチコリーの根のような双子葉植物に見られる2,1
-結合フルクタン;2)レバンまたはフレイン(phlein)、オオアワガエリのよう
な一部の単子葉植物に見られる2,6-結合フルクタン;3)大麦、ブルーアガ
ーベ(blue agave)、および小麦のような単子葉植物に見られる2,1-および2
,6-分枝状フルクタン;並びに4)新たなフルクタン、グルコースに2,1-お
よび2,6-結合したフルクトースの、4つのフルクタンが存在する。グルコー
スは、末端ではなく、これらの分枝の内部に存在する。フルクトース残基は、両
端のフルクトースに対して2,1-および2,6-結合し、複雑な構造を形成して
いる(アスパラガス)。多くの植物が、これらのフルクタンの一つ以上を産生す
る。
【0005】 酵母および真菌では、2,1-結合フルクタンが報告されている。 細菌では、1)Streptococcus mutans由来のイヌリン2,1-フルクタン、お
よび2)Bacillus subtilis、Zymomonas mobilis等由来のレバン2,6-結合フ
ルクタンという、二つのフルクタンが記載されている。
【0006】 イヌリンは、α D-グルコシドに結合したβ-2,1-結合フルクトース鎖から
なり、直鎖構造を有し、かつ通常、多くのβ-O-フルクトフラノースユニットを
含む。平均鎖長および分子量分布は、植物種、成長段階および調製方法に依存す
る。10から25の平均鎖長が共通しており、この場合、各ユニットは約9ない
し24のフルクトースユニットを有する。
【0007】 分枝状β-2,6フルクトースユニットを有する、α D-グルコシドに結合し
た、直鎖のβ-2,1-結合フルクトース鎖を含む分枝状イヌリンが報告されてい
る。かかる分枝状イヌリン物質は、ブルーアガーベ植物の樹液(G.O Aspinall a
nd P.C. Das Gupta, Proceeding of the Chemical Society 1959 718-722 and M
.N.Satyanarayana, Indian J. of Biochem and Biophys. (1976) 13: 408-412)
および大麦の葉(Simmenら, Plant Physiol.(1993) 101:459-468)から単離され
たことが報告されている。
【0008】 イヌリンの特性は、鎖長および分枝の程度に依存して変化しうる。約3ないし
7のフルクトースユニットの重合度を有する直鎖状の短鎖イヌリンを含む組成物
は、低カロリー糖代替物として用いられている(独国特許第4003140号)
。より長い鎖のイヌリンは、脂肪模倣物として用いられ、分枝状フルクタンはこ
れらの両方として用いることができる。
【0009】 Coussementらの米国特許第5659028号は、主にフルクトースユニットか
らなる一つ以上の側鎖が固定された、主にフルクトースユニットを含みかつ、2
ないし15ユニットの好ましい鎖長を有する鎖からなる分枝状フルクト多糖を開
示する。
【0010】 グルコース産生の領域では、Nagleらの米国特許第4637835号は、塩化
カルシウム触媒と水素イオンとを用いて、α-セルロースからグルコースおよび
その他の糖類の調製について報告している。
【0011】 Miyawakiらの米国特許第5524075号は、酵素を用いて液化デンプンを糖
化することによって高純度のグルコースを産生することを報告している。
【0012】 Venkatasubramanianらの米国特許第4299677号は、イオン交換膜により
グルコースとフルクトースの混合物からフルクトースとグルコースを直接分離す
ることについて報告している。
【0013】 Haradaらの米国特許第5169679号は、例えば、低カロリー食品を製造す
るための、充填剤または脂肪代替物のような食品添加剤として、2000ないし
20000000の分子量を有する、主にβ-2,1結合からなるフルクタンの
使用について報告している。
【0014】 Kurzらの米国特許第5478732号は、粗なイヌリン懸濁物を加水分解酵素
を用いて処理することにより、中間鎖イヌリン(例えば、10−12の重合度)
を得る方法を報告している。酵素処理中、短鎖成分は、単糖類および二糖類に分
解されるが、長鎖イヌリンは分離され、乾燥形態に変換される。
【0015】 Adachiらは、米国特許第4681771号において、スクロース(G−F)が
フルクトース転移活性を有する酵素(以下、フルクトシルトランスフェラーゼと
称する)と接触した際に、グルコース、スクロース、三糖類(GF2)、四糖類
(GF3)、並びに少量のフルクトース、五糖類(GF4)および六糖類(GF5
)を含む、低カロリー、低う食原性甘味料組成物が得られることを記載している
。高度の直鎖状イヌリンの量は、劇的に低減し、主なフラクションはイヌリンG
2-3である。
【0016】 Konoらの米国特許第5314810号は、スクロースとの反応において用いら
れる固定されたフルクトシルトランスフェラーゼの半減期が、キトサン誘導体ま
たはアニオン交換樹脂のような顆粒状キャリアーに支持されることによって改善
されうることを報告している。このような支持された酵素は、低う食原性甘味料
組成物の工業的産生を可能にすることが報告されている。
【0017】 Headyの米国特許第4317880号は、フルクトシルトランスフェラーゼと
グルコースイソメラーゼ調製物の組み合わせられた作用により、スクロースから
新規のフルクトースポリマーと高度のフルクトースシロップを産生することを報
告している。
【0018】 スクロースからグルコースおよび/またはフルクトースを産生する方法は、1
998年2月6日に出願された米国の継続中のシリアル番号第09/01970
9号において、Cataniらによって報告されている。 しかしながら、スクロースからグルコースを調製するこの方法は、効率が低く
、工業的な量のグルコースの調製は、改善することができる。
【0019】 さらに、直鎖および分枝状イヌリンのような工業的な量の多糖類を調製する方
法が必要とされたままである。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、スクロースから工業的な量のグルコースを調製する方法を提
供することである。 別の目的は、スクロースから工業的な量のグルコースと分枝状フルクタンを調
製する方法を提供することである。 上記目的は、スクロースと、β-2,1-フルクトシルトランスフェラーゼおよ
びβ-2,6-フルクトシルトランスフェラーゼとを反応器中で接触させて、グル
コースと分枝状フルクタンとを含む反応生成物を生成させ、グルコースと分枝状
フルクタンを単離することによって、グルコースを調製する方法を用いて達成す
ることができる。
【0021】 別の実施態様では、グルコースを調製する方法は、スクロースを、反応器中で
、連続して、最初に鎖延長(伸長)β-2,1-フルクトシルトランスフェラーゼ
と、そして次に分枝β-2,6-フルクトシルトランスフェラーゼと接触させて、
スクロースがほぼ減損した、グルコースと分枝状フルクタンとを含む反応生成物
を産生することによって達成することができる。 本発明は、スクロース(GF)からより高い効率でグルコースを調製するため
にフルクトシルトランスフェラーゼの組合せが使用できることを見出した点に、
部分的に基づくものである。さらに、スクロースと二つのフルクトシルトランス
フェラーゼとの反応によるグルコースの形成中に産生された分枝状フルクタンは
、工業的な量で単離することができ、本方法の経済価値をさらに高める。
【0022】
【課題を解決するための手段および発明の実施の形態】
グルコースは、商業上の重要産物であり、薬品および食品における使用のため
に市販されている。分枝状イヌリンフルクタンは、官能検査において良好な特性
を有し、かつ、非分枝状イヌリンと同様であるが、消費の際に過剰なガスを誘導
することなく、食品に使用されるスクロースに類似した充填特性を備える。また
、分枝状レバンフルクタンは、食品における使用のための良好な充填特性を有す
る。
【0023】 ここで用いられているように、用語“β-2,1-フルクトシルトランスフェラ
ーゼ”は、ドナーであるスクロースからアクセプターであるスクロースまたは別
の糖(例えば、フルクタン)にフルクトース分子を転移させることができる酵素
を指し、β-2,1結合を形成する。フルクトースユニットは、好ましくはフラ
ノース形態で転移される。さらに、β-2,1-フルクトシルトランスフェラーゼ
は、アクセプターとしてフラノース形態でフルクトースに選択的であることが好
ましい。植物では、これらの酵素活性は、スクロース:スクロース 1-フルクト
シルトランスフェラーゼ(1-SST)およびフルクタン:フルクタン 1-フル
クトシルトランスフェラーゼ(1-FFT)によって特に提供される(Pollockら
, Annu Rev. Plant Physiol. Plant Mol.Bio.42, 77-101(1991)参照)。S.mutan
sから単離されたβ-2,1-フルクトシルトランスフェラーゼは、スクロースと
フルクタンの両方にフルクトースを転移する能力を示す。スクロースのフルクト
ース分子を転移した結果は、グルコースユニットの産生である。β-2,1-フル
クトシルトランスフェラーゼは、末端フルクトースのC1部位にフルクトースを
転移することができ(例えば、直鎖延長の形成)、あるいは、直鎖フルクタン(
例えば、β2,6-結合レバン)のC1部位にフルクトースを転移して、分枝部位
を形成することができる。一部のフルクトシルトランスフェラーゼは、両方の活
性を有するが(例えば、鎖延長および分枝)、一部のフルクトシルトランスフェ
ラーゼは一つの活性のみを有する。適切な鎖延長および/または分枝フルクトシ
ルトランスフェラーゼの選択は、当該技術分野における技術常識の範囲内である
【0024】 適切なβ-2,1-フルクトシルトランスフェラーゼの非限定的な例は、A. ory
zae ATCC 20498;A.sp.ATCC 20524;A.awamori、A.sydowiおよびA.niger ATCC 2
0611のようなアスペルギルス属の微生物;P.jancezewskii ATCC 10115および265
46;P.nigricansのようなペニシリウム属から、F.lini IAM 5011のようなフザリ
ウム属から;並びに、A.pullulans ACTT 9348;Streptococcus mutans ATCC 251
75;およびA.pullulans var.melanigenum A-8 ATCC 20612のようなAureobasidium
属から得ることができる。また、適切な酵素は、日本国出願公開第56−154
967号公報および公告第59−53834公報に記載されているように、酵母
およびその他の微生物、例えば、S.cerevisiaeのようなサッカロミセス属;R.lu
tinisのようなRhodotorula属;P.misoのようなPichia属;H.misoのようなHansen
ula属;C.tropicaliのようなカンジダ属;およびアスパラガス、ダリア塊茎、チ
コリーの根、およびキクイモのような高等植物から得ることもできる。
【0025】 特に好ましい酵素は、Streptococcus mutansから単離された遺伝子から得られ
る細菌性β-2,1-フルクトシルトランスフェラーゼである。特に、S.mutans A
TCC 25175は、フルクトシルトランスフェラーゼ遺伝子の源とすることができる
。フルクトシルトランスフェラーゼは、異種タンパク配列を有する融合構成物と
して得ることができる。適切な融合タンパクは、例えば、グルタチオン-S-トラ
ンスフェラーゼのC末端に融合したStreptococcus mutansから単離されたフルク
トシルトランスフェラーゼである。
【0026】 推定されるシグナル配列を欠いたStreptococcus mutansフルクトシルトランス
フェラーゼのコード配列は、PCRによってStreptococcus mutans株 ATCC 2517
5から単離されてもよく、これは、フルクトシルトランスフェラーゼ融合タンパ
クを発現するトランスフォーマントを形成するために用いられてもよい。Strept
ococcus mutans株GS-5由来の別の適切なフルクトシルトランスフェラーゼ遺
伝子配列は、Shiroza, T. and Kuramitsu.H.K. J.Bacteriol.,170, 810-816(198
8)により報告されている。
【0027】 ここで用いているように、用語“β-2,6-フルクトシルトランスフェラーゼ
”(レバン合成酵素としても知られる)は、ドナーであるスクロースからアクセ
プターであるスクロースまたは別の糖(例えば、フルクタン)にフルクトース分
子を転移させることができる酵素を指し、β-2,6結合を形成する。フルクト
ースユニットは、好ましくはフラノース形態で転移される。さらに、β-2,1-
フルクトシルトランスフェラーゼは、アクセプターとしてフラノース形態でフル
クトースに選択的であることが好ましい。これは特に、スクロース:フルクタン
6-フルクトシルトランスフェラーゼ(6-SFT)(Sprengerら.Proc.Natl Ac
ad.Sci.USA,92,11652-11656(1995)を参照)およびフルクタン:フルクタン 6G
-フルクトシルトランスフェラーゼ(6G-FFT)(Vijnら The Plant Journal
(1997)11(3) 387-398を参照)を記載する。β-2,6フルクトシルトランスフェ
ラーゼの作用の下でスクロースのフルクトース分子を転移した結果は、グルコー
スユニットの産生である。β-2,6-フルクトシルトランスフェラーゼは、末端
フルクトースのC6位にフルクトースを転移することができ(例えば、直鎖延長
の形成)、あるいは、直鎖フルクタン(例えば、β2,1-結合イヌリン)のC6 位にフルクトースを転移して、分枝部位を形成することができる。一部のフルク
トシルトランスフェラーゼは、両方の活性を有するが(例えば、鎖延長および分
枝)、一部のフルクトシルトランスフェラーゼは一つの活性のみを有する。適切
な鎖延長および/または分枝フルクトシルトランスフェラーゼの選択は、当該技
術分野における技術常識の範囲内である。
【0028】 適切なβ-2,6-フルクトシルトランスフェラーゼは、大麦の葉および草のよ
うな植物源から得ることができる。かかるβ-2,6-フルクトシルトランスフェ
ラーゼは、大麦の葉から、Simmenら, Plant Physiol.(193) 101:459-468; Ducha
teauら, Plant Physiol. (1995) 107:1249-1255により得られる。また、β-2,
6-フルクトシルトランスフェラーゼ活性を有するレバンスクラーゼは、Bacillu
s subtilis (ATCC 6051)およびZymomonas mobilisから入手可能である。大麦ス
クロース:フルクタン 6-フルクトシルトランスフェラーゼの精製、クローニン
グおよび発現は、Sprengerら Proc.Natl.Acad.Sci.USA Vol.92, pp.11652-11656
(1995)およびFEBS Lett 1997 Jan 6:400(3):355-8に記載されている。
【0029】 本発明の方法は、β-2,1-フルクトシルトランスフェラーゼとβ-2,6-フ
ルクトシルトランスフェラーゼの両方とスクロースとの反応を提供するが、β-
2,1-フルクトシルトランスフェラーゼまたはβ-2,6-フルクトシルトラン
スフェラーゼの反応と抵触しない、別のフルクトシルトランスフェラーゼを含む
付加的なグリコシルトランスフェラーゼを用いることは本発明の範囲内である。
【0030】 フルクトシルトランスフェラーゼに関する以下の記載は、β-2,1-フルクト
シルトランスフェラーゼとβ-2,6-フルクトシルトランスフェラーゼの両方に
独立に適用される。
【0031】 フルクトシルトランスフェラーゼは、米国特許第5314810号に記載され
ているように第一級から第四級アミンを有するキャリアーに固定されてもよい。
【0032】 好ましい実施態様では、フルクトシルトランスフェラーゼは、少なくとも部分
的に精製される。ここで用いられているように、用語“精製された”は、酵素が
自然に産生される宿主生物から少なくとも部分的に酵素が精製されたことを意味
する。精製は、好ましくは、フルクタンを分解するイヌリナーゼおよびフルクト
シルトランスフェラーゼを分解しうるプロテアーゼのような分解酵素の少なくと
も部分的な除去をもたらす。好ましくは、この酵素は、分解酵素が無くなる程度
に精製される。酵素の源が、形質転換されたE.coli微生物である場合には、形質
転換されたE.coliが天然分解酵素を持たない場合に、粗な細胞溶解物を用いるこ
とができる。
【0033】 好ましい実施態様では、精製された各フルクトシルトランスフェラーゼは、≧
1000対1、好ましくは≧1500対1、さらに好ましくは≧2000対1の
合成活性対分解活性の比を有する(例えば、フルクタン結合の全ての切断に対し
、好ましくは形成されたフルクトースの少なくとも1000の結合がある)。1
ユニットが、1分間にアクセプターに転移された1μモルの単糖に等しいとき、
粗なA.niger増殖上清は、〜90ユニット/mgタンパクを含み、かつDEAE
精製A.niger調製物は〜2000ユニット/mgタンパクを有する。10μgの
DEAE精製調製物は、1リットルの50%スクロースを、1日で、50℃で、
グルコースおよび直鎖フルクタンに完全に変換するのに十分な活性を有する。あ
るいは、この酵素調製物は、スクロースは連続して添加されるが、連続的に、し
かも効率を下げることなく、少なくとも2週間、50℃において、取り扱うこと
ができる。
【0034】 各フルクトシルトランスフェラーゼは、90ないし3000U/mg、好まし
くは100ないし2000U/mgの活性まで精製されてもよい。好ましい実施
態様では、各フルクトシルトランスフェラーゼは、≧100U/mg、好ましく
は≧150U/mg、さらに好ましくは≧200U/mgの活性を有する。
【0035】 第三のフルクトシルトランスフェラーゼは、フルクトースをグルコースのC6
ヒドロキシル基に転移させる2,6-G-フルクトシルトランスフェラーゼである
。かかる2,6-G-フルクトシルトランスフェラーゼは、好ましくはフルクトー
スドナーとしてスクロースを用いる。適切な2,6-G-フルクトシルトランスフ
ェラーゼは、当業者に周知の方法によって天然源から単離することができる。適
切な源の非限定的な例は、タマネギ、アスパラガスおよび全てのユリ科植物を含
む。
【0036】 直鎖β-2,1鎖延長フルクトシルトランスフェラーゼおよびβ-2,6鎖延長
フルクトシルトランスフェラーゼと組み合わせて用いた場合、直鎖β-2,1と
β-2,6-鎖を含むスターフルクタンが形成されうる。かかる化合物は、多価支
持体、食品用充填剤、および架橋結合剤またはポリマーのコアとして使用するこ
とができる。
【0037】 本発明の方法の出発物質は、スクロースまたはスクロース含有組成物である。
スクロースは、精製されたまたは粗な、溶液または乾燥形態の、ショ糖またはて
ん菜糖等のスクロースの原料源に由来する二糖を指す。好ましくは、スクロース
原料中に含まれるスクロースの量は、≧10重量%、好ましくは≧20重量%、
さらに好ましくは≧50重量%、最も好ましくは≧70重量%である。供給原料
は、スクロースからグルコースへの変換を著しく妨げない限り、別の物質を含ん
でもよい(例えば、1-ケストース(G1-2F1-2F))。
【0038】 スクロースは、上記形態のいずれかで導入することができる。全体にわたるイ
オン強度および反応媒体の濃度を維持するために、スクロースは、乾燥または溶
液形態で連続的または断続的に導入される。反応混合物に対するスクロース添加
の速度および頻度は、オリゴ糖の高速産生を維持するものであり、フルクトシル
トランスフェラーゼの性質および比活性、反応温度およびグルコースおよびフル
クタンの除去速度に依存する。スクロース添加の最適な速度および頻度の決定は
、機械的な試験によって行うことができ、当業者の技術水準の範囲内である。
【0039】 本発明の方法は、好ましくは水溶液中で実施される。 反応媒体中のスクロースの濃度は、特に制限されてなく、50mMから飽和ま
でとすることができる。重量パーセントでは、反応溶液中のスクロースの量は、
反応混合物の全重量に基づいて、1ないし80重量%とすることができ、通常4
0ないし80% w/w、好ましくは50ないし70% w/w、さらに好ましく
は約60% w/wとすることができる。
【0040】 分枝状フルクタン構造は、選択された反応条件に依存して変化することができ
る。本発明の内容では、二つの基本的な結合、1)フルクトース:フルクトース
結合β-2,1-;および2)フルクトース:フルクトース結合β-2,6を有す
る分枝状フルクタンが形成され得る。提供された特異的分枝状フルクタン構造は
、1)β-2,6-分枝を備えた直鎖状β-2,1-イヌリン;2)β-2,1-分枝
を備えた直鎖状β-2,6-レバン;3)β-2,1-分枝を含むβ-2,6-分枝を
備えた直鎖状β-2,1-イヌリン;および4)β-2,6-分枝を含むβ-2,1-
分枝を備えた直鎖状β-2,6-レバンを含む。それ自身分枝点である、あらゆる
直鎖に対する分枝点の付加が続けられてもよい。スクロースへのフルクトースの
最初の転移の結果である、フルクタンがグルコースユニットを含み得ることは、
当業者に高く評価されるだろう。
【0041】 ある実施態様では、β-2,1-結合を含む直鎖イヌリンフルクタンが、鎖延長
β-2,1-フルクトシルトランスフェラーゼの作用の下に形成され、その後、分
枝β-2,6-フルクトシルトランスフェラーゼの作用の下にフルクトースユニッ
トを用いて分枝化される。スクロースは、両方のフルクトシルトランスフェラー
ゼのフルクトースドナーである。スクロースおよびフルクタンの末端フルクトー
スは、β-2,1-フルクトシルトランスフェラーゼのアクセプターであり、一方
、直鎖フルクタン鎖はβ-2,6-フルクトシルトランスフェラーゼのアクセプタ
ーである。β-2,1-結合を含む直鎖状イヌリンフルクタンは、1以上の段階、
すなわち、より多くの低いDPのイヌリン鎖の形成を助ける一段階のプロセスの
使用、より少ないがより長いイヌリン鎖(例えば、より高いDP)の産生を助け
る一段階以上を含むプロセスの使用で形成することができる。より長いイヌリン
鎖を形成するために、フルクタン形成は、変換される一部のスクロースを用いて
誘導され、次いで残りのスクロースが添加される。かかる延長された直鎖フルク
タン(例えばより高いDP)を形成する方法は、Cataniらの、1998年2月6
日に出願された継続中の米国シリアル番号第09/019709号に記載されて
おり、その内容の全てを参照としてここに含める。
【0042】 別の実施態様では、β-2,6-結合を含む直鎖レバンフルクタンが、β-2,
6-フルクトシルトランスフェラーゼの作用の下に形成され、その後、β-2,1
-フルクトシルトランスフェラーゼの作用の下にフルクトースユニットを用いて
分枝化される。スクロースは、両方のフルクトシルトランスフェラーゼのフルク
トースドナーである。スクロースおよびフルクタンの末端フルクトースは、β-
2,6-フルクトシルトランスフェラーゼのアクセプターであり、一方、直鎖フ
ルクタン鎖はβ-2,1-フルクトシルトランスフェラーゼのアクセプターである
。β-2,6-結合を含む直鎖状レバンフルクタンは、1以上の段階、すなわち、
より多くの低いDPのレバン鎖の形成を助ける一段階のプロセスの使用、より少
ないがより長いレバン鎖(例えば、より高いDP)の産生を助ける一段階以上を
含むプロセスの使用で形成することができる。より長いレバン鎖を形成するため
に、フルクタン形成は、変換される一部のスクロースを用いて誘導され、次いで
残りのスクロースが添加される。かかる延長された直鎖レバンフルクタンを形成
する方法は、延長された直鎖イヌリンフルクタンの調製について記載されたもの
と同様である。
【0043】 分枝フルクトースユニット結合β-2,1-を含むβ-2,6結合を含む直鎖レ
バンフルクタンは、食品の充填剤および食品甘味料として用いられる。かかるフ
ルクタンは、通常、グルコースにβ-2,6結合した2ないし15フルクトース
ユニット、好ましくは3ないし10、さらに好ましくは4ないし7を含む直鎖レ
バンフルクタンバックボーンを有する。これに、分枝点を形成する、β-2,1-
結合した一つ以上のフルクトースユニットが追加される。この分枝点は、直鎖レ
バンフルクタンバックボーンに不規則に生じてもよい。かかるフルクタンの分子
量は、約700ないし3600gms/molの範囲とすることができる。各分
枝点は、それ自身、鎖延長されてもよい。
【0044】 別の実施態様では、スクロースに対する、β-2,1-フルクトシルトランスフ
ェラーゼおよびβ-2,6-フルクトシルトランスフェラーゼの両方の同時作用が
、β-2,1およびβ-2,6結合、分枝と直鎖の両方を含むフルクタンに生じう
る。各フルクトシルトランスフェラーゼは、フルクトースドナーとしてスクロー
スを用い、かつ、アクセプターとしてスクロースおよび/またはフルクタンを用
いることができる。さらに、各フルクトシルトランスフェラーゼは、直鎖または
分枝結合のいずれかを形成することができる。
【0045】 別の実施態様では、直鎖イヌリンまたは直鎖レバンフルクタンが、β-2,1-
フルクトシルトランスフェラーゼおよびβ-2,6-フルクトシルトランスフェラ
ーゼの両方の作用の下で分枝化される。各フルクトシルトランスフェラーゼは、
フルクトースドナーとしてスクロースを用い、かつ、アクセプターとしてフルク
タンを用いる。さらに、各フルクトシルトランスフェラーゼは、直鎖または分枝
結合のいずれかを形成することができる。
【0046】 上記各フルクタンは、フルクタンをアクセプターとして用い、かつ好ましくは
グルコースドナーとしてスクロースを用いるグルコシルトランスフェラーゼの作
用によって、一つ以上のグルコースユニットを含むようにさらに合成されてもよ
い。
【0047】 分枝状フルクタン形成の一つの利点は、スクロースから形成された各分枝基が
1ユニットのグルコースを生じることから、グルコースの形成効率が、単なる直
鎖フルクタンの形成と比較して増強されることである。直鎖フルクタンがスクロ
ースから形成される場合、スクロースに対するフルクトースの第一のカップリン
グ、すなわち二つのユニットのスクロースを消費する反応がわずかに1ユニット
のグルコースを生じる。スクロースからの分枝状フルクタンの合成は、グルコー
スを合成する高度に効率的な方法を提供する。
【0048】 スクロースとフルクトシルトランスフェラーゼとの反応は、広い温度範囲にわ
たって行うことができる。この反応温度は室温、すなわち18ないし25℃であ
ってもよく、フルクトシルトランスフェラーゼの急速な不活性化が起こる温度以
下までとすることができる。好ましい温度範囲は25ないし60℃である。さら
に好ましくは、この反応は、35ないし55℃の温度で行われる。最も好ましく
は、温度が30ないし50℃である。
【0049】 水性反応溶液は、クエン酸塩、リン酸塩およびTRISバッファーのような周
知のバッファー成分を用いて適切なpHに緩衝剤処理されるか、あるいは緩衝処
理されなくてもよい。バッファーの使用は、反応が二週間程度の長期間にわたっ
て行われる場合に好ましい。
【0050】 フルクトシルトランスフェラーゼとスクロースの反応は、工業的な量のグルコ
ースを産生するのに十分な時間で行われる。反応時間は、バッチのサイズに依存
して2ないし48日とすることができる。連続的に行われる場合には、10mL
の量が、2ないし4週間で、活性を有意味に減損することなく、2.5g/時の
速度で反応することができる。
【0051】 フルクトシルトランスフェラーゼとスクロースとの反応のpHは、特に制限さ
れず、この反応の最適pHは、使用された特定の酵素に依存して変化することが
できる。通常、pHは、4.0ないし8.0、好ましくは5.0ないし7.5、
さらに好ましくは約6.0である。
【0052】 本発明の方法は、段階的または連続的に実施することができる。連続的な反応
は、限外濾過装置を介して反応混合物を循環させることによって実施することが
できる。産生物が限外濾過からの浸透物として連続的に除去され、転移酵素が限
外濾過器からの濃縮水に維持される。新鮮な基質および新鮮な酵素を、不活性化
したものと置換するために、必要に応じて添加してもよく、反応混合物への添加
は、限外濾過器から浸透物が除かれるのと同じ速さである。
【0053】 β-2,1-フルクトシルトランスフェラーゼおよびβ-2,6-フルクトシルト
ランスフェラーゼとスクロースとの反応は、管状反応器中で行うことができる。 管状反応器は、通常、ある長さの管、管を通る反応流を移動させるポンプ、反
応物の注入口、および反応産物の取り出し口を有する。 管状反応器は、当業者に周知の通常の反応器材料からなる。例えば、管状反応
器は、ステンレス鋼、ガラスラインドステンレス鋼、または、高密度ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニルまたはポリエステルのようなポリマーから
なるものとすることができる。好ましい実施態様では、管状反応器はポリ塩化ビ
ニルからなる。
【0054】 管状反応器は、通常、筒状形態をとり、その長さおよび直径は、実施される特
定の反応に依存して変化することができる。一般的に、25.4〜609.6m
m(1〜24インチ)、好ましくは101.6〜508mm(4〜20インチ)
、さらに好ましくは152.4〜254mm(6〜10インチ)の内径を有する
【0055】 ポンプは、反応器の長さ方向に沿って管状反応器の中身を移動させるために設
けられている。当業者に周知の通常のポンプを用いることができる。 通常、ポンプは、0.1ないし2ft/秒、好ましくは0.2ないし1ft/
秒、さらに好ましくは0.3ないし0.7ft/秒の流速を与えるのに十分な力
を提供する。好ましくは、ポンプは、一様のプラグのように挙動する流れを生じ
る。
【0056】 管状反応器の注入口は特に制限されず、最初の添加または反応器の操作中連続
的に、反応物を導入する開口を単に含んでもよい。反応物は、反応器に、重力ま
たはポンプにより計量しながら供給されてもよい。反応物は、粉末のような固体
形態または適切な溶媒中の溶液として導入されてもよい。
【0057】 また反応器は、反応器の長さ方向に沿って、最初の注入口の下流に、上記のよ
うに付加的注入口を具備してもよい。これらの注入口は、反応の流れに沿って種
々の箇所で付加的な反応物を添加するために使用することができる。
【0058】 生成物用の取り出し口は、特に限定されず、反応の流れから全ての反応器内容
物を直接取り出す形態をとるか、あるいは、反応生成物の選択的除去を可能にす
る。生成物の選択的除去は、サイズ排除フィルターによって行うことができる。
【0059】 反応器の長さは、特異的反応および反応器を通る流速および温度のような反応
条件に依存して変わる。 反応器は、ヒーターやクーラーのような温度コントロールシステムを備えるこ
ともできる。温度を調節する能力は、好ましくは反応器の長さを通して変わり、
反応器の長さにわたって異なる温度領域を許容する。
【0060】 一部の実施態様において、スクロースは、管状反応器の第一部位でβ-2,1-
フルクトシルトランスフェラーゼと反応し、次いで、下流の部位でβ-2,6-フ
ルクトシルトランスフェラーゼと反応する。β-2,6-フルクトシルトランスフ
ェラーゼと反応する前に、β-2,1-フルクトシルトランスフェラーゼは、十分
な時間と温度、通常約65から95℃、好ましくは約75から90℃、さらに好
ましくは約85℃で、約1分間加熱することにより不活性化されてもよい。ある
いは、不活性化領域は、サイズ排除膜等を介して管状反応器の流れから生体触媒
を除去することを含んでもよい。また、不活性化は、生体触媒活性を不活性化す
る生体触媒用の自殺基質の導入によって行うこともできる。好ましくは、フルク
トシルトランスフェラーゼは、熱不活性化によって不活性化される。
【0061】 Bacillus subtilis (ATCC 6051)からの発現によって入手可能である、アクセ
プターとしてフルクタンを用いるβ-2,6-フルクトシルトランスフェラーゼ活
性を有するレバンスクラーゼは、特別に用いることができる。これは、イヌリン
鎖に対するフルクトースのβ-2,6-結合の形成においてスクロースの効率的使
用を提供する。かかるフルクトシルトランスフェラーゼは、当業者に周知の方法
で得ることができる。スクロースが効率的に反応する場合、残りのスクロースか
らグルコースを分離する問題が簡素化される。
【0062】 好ましい実施態様では、β-2,6-フルクトシルトランスフェラーゼの作用の
後のスクロース濃度は、例えあるにしても、≦20重量%、好ましくは≦10重
量%、さらに好ましくは≦5重量%、そしてさらに好ましくは≦1重量%である
【0063】 この反応は、一つの反応器または一連の反応器で行うことができ、これらは適
切な反応物注入口と産物の取り出し口を有することができる。取り出し口は、特
定産物の除去に選択的であってもよい。選択性は、生成物の除去および別の物質
を反応器に戻すことを可能にする適切な分離器を具備することによって得ること
ができる。分離器は、膜またはクロマトグラフィーカラムの形態であってもよい
。ある場合には、分離器は、所望の産物の選択的除去を可能にする複数の膜およ
び/またはクロマトグラフィーカラムを含むことができる。
【0064】 グルコースを産生する反応の後、フルクトシルトランスフェラーゼは、10か
ら15分間、約100℃まで反応混合物を加熱することによって不活性化されて
もよい。所望であれば、この酵素は、適切なサイズのフィルターを介した限外濾
過によって熱不活性化の前または後に、反応混合物から除去されてもよい。
【0065】 通常、フルクタンは、β-O-フルクトフラノースにおけるフルクトースユニッ
トの直鎖バックボーンを有し、β-2,1-結合を形成する。β-O-フルクトフラ
ノースユニットの総数は、通常、4ないし20、好ましくは4ないし15、さら
に好ましくは4ないし8である。直鎖フルクタンバックボーンにグラフトされる
のは、バックボーンにβ-2,6-結合した一つ以上のβ-O-フルクトフラノース
ユニットである。バックボーンにグラフトしたフルクトースユニットの総数およ
び密度は様々であるが、通常、平均で、5つのβ-2,1-直鎖結合フルクトース
ユニット毎に少なくとも1つのグラフト化フルクトース、好ましくは4つ毎に少
なくとも1つ、さらに好ましくは3つ毎に少なくとも1つ、さらに好ましくは2
つ毎に少なくとも1つである。これらの比率は、直鎖バックボーンに見られる分
枝点の総数のみを指す。
【0066】 別の実施態様では、分枝状フルクタンは、分枝フルクトースにおいて、その分
枝フルクトースユニットにβ-2,1-結合したβ-O-フルクトフラノースユニッ
トを用いて鎖延長されて、櫛様構造を有する分枝状フルクタン構造を与えてもよ
い。分枝フルクトースにβ-2,1-結合したβ-O-フルクトフラノースユニット
の総数は、反応条件に応じて変化し、通常は、2ないし20、好ましくは2ない
し10、さらに好ましくは2ないし8のフルクトースユニットが個々の分枝フル
クトースユニットに付加される。各分枝フルクトースユニットが同数の鎖延長フ
ルクトースユニットを有する必要はない。櫛ポリマー(comb polymer)という用語
は、ポリマー化学の分野で周知であり、ここに記載された分枝状フルクタンの構
造は当業者には明らかである。
【0067】 また、それ自身は直鎖β-2,1-結合フルクタンにグラフトされた、個々の櫛
鎖上に、分枝および鎖延長された分枝を形成することは、本発明の範囲内である
。個々の櫛鎖にグラフトされたフルクトースユニットの総数および密度は様々で
あるが、通常、平均で、5つのβ-2,1-直鎖結合フルクトースユニット毎に少
なくとも1つのグラフト化フルクトース、好ましくは4つ毎に少なくとも1つ、
さらに好ましくは3つ毎に少なくとも1つ、さらに好ましくは2つ毎に少なくと
も1つである。これらの比率は、直鎖櫛鎖に見られる分枝点の総数のみを指す。
櫛鎖上の分枝フルクトースにβ-2,1-結合したβ-O-フルクトフラノースユニ
ットの総数は、反応条件に応じて変化し、通常は、2ないし20、好ましくは2
ないし10、さらに好ましくは2ないし8のフルクトースユニットが個々の分枝
フルクトースユニットに付加される。各分枝フルクトースユニットが同数の鎖延
長フルクトースユニットを有する必要はない。
【0068】 詳細を説明するために、少なくともβ-2,1-フルクトシルトランスフェラー
ゼおよびβ-2,6-フルクトシルトランスフェラーゼを用いて、スクロースから
グルコースを調製することを提供する。
【0069】 スクロースと、β-2,1-フルクトシルトランスフェラーゼとを、反応器内で
反応させる。反応器は、スクロース用の注入口とグルコース用の取り出し口を有
することができる。重合度が増大するにつれ、グルコース濃度も増大し、グルコ
ース形成反応の速度が低減する可能性がある。従って、好ましい実施態様では、
グルコースが、反応の間、反応媒体から除かれる。グルコースは、膜濾過または
クロマトグラフィーのような、当業者に周知の方法で除くことができる。本発明
の内容の範囲内では、クロマトグラフィーは、当業者に周知のイオン交換および
ゲルろ過技術を含む。ポンプは、膜またはクロマトグラフィーカラムに対する圧
力を増大するために用いられてもよい。好ましい実施態様では、グルコースの取
り出し口は、スクロース、フルクタンまたはフルクトシルトランスフェラーゼを
通過させることなく、反応媒体からのグルコースの流出を可能にする膜を含む。
【0070】 次いで、スクロースとの反応により、直鎖を分枝化する、β-2,6-フルクト
シルトランスフェラーゼが加えられる。 グルコースは連続的、段階的または半段階的に除去することができるが、好ま
しい実施態様では、グルコースは、反応媒体から連続的に除かれる。 グルコースは、後に結晶化を伴ってもよい濾過等の、当業者に周知の方法によ
って単離および精製することができる。
【0071】 好ましい実施態様では、フルクタンも反応混合物から除かれ、好ましくは、フ
ルクタンは、反応混合物から連続的に除かれる。フルクタンは、イオン交換また
はゲルろ過のような膜濾過またはクロマトグラフィー等の当業者に周知の方法に
よって除去することができる。好ましい実施態様では、フルクタン用の取り出し
口は、スクロース、グルコースまたはフルクトシルトランスフェラーゼを通過さ
せることなく、反応媒体からのフルクタンの流出を可能にする膜を含む。あるい
は、スクロースとグルコースを反応混合物に戻して、フルクタンを反応混合物か
ら分離してもよい。
【0072】 好ましい実施態様では、産生されたフルクタンの量は、スクロースの出発重量
に基づいて、≧10重量%、好ましくは≧20重量%、さらに好ましくは≧30
重量%、さらに好ましくは≧40重量%および最も好ましくは≧50重量%であ
る。
【0073】 好ましい実施態様では、産生されたグルコースの収量は、スクロースの反応重
量に基づいて、25ないし50重量%、好ましくは≧25重量%、好ましくは≧
33重量%、さらに好ましくは≧37重量%、さらに好ましくは≧40重量%お
よび最も好ましくは≧50重量%である。
【0074】 本発明の内容の範囲内で、工業的な量は、103から105kg/日のグルコー
スの産生速度として定義され、好ましくは≧1000kg/日、好ましくは≧2
000kg/日、さらに好ましくは≧5000kg/日の量である。さらに、工
業的な量の産生速度は、スクロース出発物質の量に関連する。それゆえ、上記産
生速度は、6000kgのスクロースを処理するユニットに基づく。従って、用
語“工業的な量”は、絶対量を指すものではなく、むしろ工業的に許容できる産
生速度を指す。
【0075】 グルコース産生の効率を増強するために、段階的鎖延長の好ましい実施態様に
おいては、各バッチが、先の反応の生成物の20ないし25重量%を含む。従っ
て、鎖延長の最初のバッチが完了した後、75から80重量%の反応物が除かれ
、鎖延長の第二のバッチ用の反応物として残りの20−25重量%が残存する。
故に、20−25重量%の第一反応生成物が、スクロースおよびβ-2,1-フル
クトシルトランスフェラーゼと共に反応器に添加される。この方式では、β-2
,1-フルクトシルトランスフェラーゼを用いたスクロースからのフルクトース
の転移が、より高濃度の高級フルクタンの存在下であり、それゆえ、三糖類(F
-F-G)よりも、付加的な高級フルクタンの形成を助ける。高級フルクタンの産
生がグルコースをより効率的に産生するので、これは、グルコース形成のより効
率的な方法を提供する。
【0076】 さらに好ましい実施態様では、この方法の効率は、鎖延長(β-2,1-フルク
トシルトランスフェラーゼ)または分枝(β-2,6-フルクトシルトランスフェ
ラーゼ)の産生物から、未反応スクロースを回収することによってさらに増強さ
れうる。通常、フルクトシルトランスフェラーゼのスクロースとの作用は、グル
コース、未反応スクロース、フルクタンおよびフルクトースを含む反応混合物を
生じる。未反応スクロースの除去およびフルクトシルトランスフェラーゼ用の供
給原料としての再利用は、グルコース産生の効率を大きく増強する。
【0077】 例えば、スクロースは、当業者に周知のクロマトグラフィー技術によって除去
することができる。特別な例として、擬似移動床式技術を、グルコース、高級フ
ルクタン(DP5以上)およびスクロースを分離するために用いることができる
。スクロース画分は、通常、低級フルクタンDP3およびDP4並びにグルコース
をさらに含み、これらの全てがフルクトシルトランスフェラーゼ反応に戻り、グ
ルコース産生の効率を増大する。
【0078】 通常、擬似移動床式技術は、支持体として、4から6%の架橋度を有するスチ
レンジビニルベンゼンスルホン酸樹脂のナトリウム塩のような、アニオン性交換
樹脂の塩を用いる。樹脂の架橋度が6%以上である場合には、分離効率が低下す
る。樹脂の架橋度が4%以下である場合には、樹脂の機械的完全性が望ましくな
い。適切な樹脂は、DOWEX(登録商標)イオン交換樹脂としてDow chemical社か
ら入手できる。
【0079】 また、グルコースの分離は、当業者に周知の中空型の膜を用いたゲル濾過によ
って行うことができる。商業的に入手できるゲル濾過膜G10およびG5の連続的
組合せは、グルコースおよび、反応器にリサイクルされるスクロースと低級フル
クタンを含む画分の効果的な単離を供給する。
【0080】 図1を参照すると、1は反応器を図示し、2はスクロースの注入口を図示し、
3はグルコースの取り出し口を図示し、4はフルクタンの取り出し口を図示し、
かつ5はグルコースを通すが、スクロース、フルクトシルトランスフェラーゼま
たはフルクタンを通さない分離器を図示する。スクロースは、β-2,1-フルク
トシルトランスフェラーゼおよびβ-2,6-フルクトシルトランスフェラーゼを
含む反応器1の一部に、注入口2を介して反応器に導入される。かかる形態では
、フルクタンが分離器の一方で濃縮されるように、仕切りが設けられている。こ
の反応器は、分離器5のグルコース側に位置するグルコース取り出し口3が設け
られている。フルクタン4の取り出し口は、フルクタンの通過を許すが、スクロ
ース、グルコースまたはフルクトシルトランスフェラーゼの通過を許さない分離
器(図示せず)を備えることができる。フルクタンを単離するための膜システム
が使用されるのであれば、通常、その膜は、グルコースとスクロースの通過を許
すが、分枝状フルクタンの通過を許さないものである。それゆえ、フルクタンが
、有効に分離された。
【0081】 図1aを参照すると、1は反応器を図示し、1aは分離反応器部を図示し、2
はスクロースの注入口を図示し、3はグルコースの取り出し口を図示し、4はフ
ルクタンの取り出し口を図示し、かつ5はグルコース用の分離器を図示する。ス
クロースは、β-2,1-フルクトシルトランスフェラーゼおよびβ-2,6-フル
クトシルトランスフェラーゼを含む反応器1の反応器部1aに、注入口2を介し
て反応器に導入される。かかる形態では、分離器5によってグルコースが反応媒
体から分離され、その後にグルコース取り出し口3を介して除去される。グルコ
ース分離中に、残りの物質が反応器部1aにリサイクルされてもよい。フルクタ
ン4の取り出し口は、フルクタンの通過を許すが、スクロース、グルコースまた
はフルクトシルトランスフェラーゼの通過を許さない分離器(図示せず)を備え
ることができる。
【0082】 その他の実施態様では、スクロース用の注入口を含む反応器は、スクロースか
らグルコースとフルクタンの両方を分離する外部分離器を具備する。未反応スク
ロースは、反応器に戻されてもよい。
【0083】 図2を参照すると、1は第一反応器を図示し、2および11はスクロースの注
入口を図示し、3および8はグルコースの取り出し口を図示し、4は直鎖状フル
クタンの取り出し口を図示し、5および10はグルコースを通すが、スクロース
、フルクトシルトランスフェラーゼまたは高級フルクタンを通さない分離器を図
示し、6は第二反応器を図示し、7は直鎖状フルクタンの注入口を図示し、かつ
9は分枝状フルクタンの取り出し口を図示する。グルコースを通すが、スクロー
ス、フルクトシルトランスフェラーゼまたは直鎖状または分枝状フルクタンを通
さない分離器5および10で仕切られた二つの反応器が用いられる。第一の反応
器1では、スクロースの濃度は、直鎖状β-2,1-イヌリンフルクタンの合成を
与えるものであり、その生成物は直鎖状フルクタン用の注入口を介して第二反応
器6に移される。好ましい実施態様では、直鎖状フルクタン用の取り出し口4ま
たは直鎖状フルクタン用の注入口7のいずれかは、活性フルクトシルトランスフ
ェラーゼを通過させない。これは、フルクトシルトランスフェラーゼの通過を許
さない膜を有する取り出し口4または注入口7を具備することによって実施でき
る。あるいは、取り出し口4または注入口7のいずれかが、例えば、十分な時間
と温度、通常約65から95℃、好ましくは約70から90℃、さらに好ましく
は約85℃で、約1分間加熱することにより、フルクトシルトランスフェラーゼ
から不活性化領域を具備してもよい。第二反応器6では、β-2,6-フルクトシ
ルトランスフェラーゼが第二反応器6の一部に含まれ、直鎖状フルクタンがスク
ロースと反応される。グルコースは、分離器10を通過させられ、グルコース取
り出し口8を介して除去される。グルコース分離中、残りの物質が反応器部6に
リサイクルされてもよい。分枝状フルクタンは、分枝状フルクタン取り出し口9
を介して除去されてもよい。分枝状フルクタン用の取り出し口9は、分枝状フル
クタンの通過を許すが、スクロース、グルコースまたはフルクトシルトランスフ
ェラーゼの通過を許さない分離器(図示せず)を備えることができる。
【0084】 図2aを参照すると、1は第一反応器を図示し、1aは分離反応器部を図示し
、2および11はスクロースの注入口を図示し、3および8はグルコースの取り
出し口を図示し、4は直鎖状フルクタンの取り出し口を図示し、5および10は
グルコースを通すが、スクロース、フルクトシルトランスフェラーゼまたは直鎖
または分枝状フルクタンを通さない外部分離器を図示し、6は第二反応器を図示
し、6aは分離反応器部を図示し、7は直鎖状フルクタンの注入口を図示し、か
つ9は分枝状フルクタンの取り出し口を図示する。グルコースを通すが、スクロ
ース、フルクトシルトランスフェラーゼまたは直鎖状または分枝状フルクタンを
通さない外部分離器5および10を具備する二つの反応器が用いられる。第一の
反応器部1aでは、スクロースの濃度は、β-2,1-結合した直鎖状フルクタン
の合成を与えるものであり、その生成物は直鎖状フルクタン用の注入口7を介し
て第二分離反応器部6aに移される。好ましい実施態様では、直鎖状フルクタン
用の取り出し口4または直鎖状フルクタン用の注入口7のいずれかは、活性フル
クトシルトランスフェラーゼの通過を許容しない。これは、フルクトシルトラン
スフェラーゼの通過を許さない膜を有する取り出し口4または注入口7を具備す
ることによって実施できる。あるいは、取り出し口4または注入口7のいずれか
が、例えば、十分な時間と温度、通常約65から95℃、好ましくは約70から
90℃、さらに好ましくは約85℃で、約1分間加熱することにより、フルクト
シルトランスフェラーゼから不活性化領域を具備してもよい。第二反応器6では
、β-2,6-フルクトシルトランスフェラーゼが、分離反応器部6aに含まれ、
直鎖状フルクタンがスクロースと反応される。グルコースは、分離器10を通過
させられ、グルコース取り出し口8を介して除去される。分枝状フルクタンは、
分枝状フルクタン取り出し口9を介して除去されてもよい。分枝状フルクタン用
の取り出し口9は、分枝状フルクタンの通過を許すが、スクロース、グルコース
またはβ-2,6-フルクトシルトランスフェラーゼの通過を許さない分離器(図
示せず)を備えることができる。分離器5および10の両方は、必要であれば、
スクロースおよび低級フルクタンのようなグルコース以外の物質を戻すリサイク
ルラインを用いて描かれる。
【0085】 本発明の方法は、好ましくは、工業的な量の分枝状フルクタンを調製するのに
適した反応器の中で行われる。好ましくは、この反応器は、スクロースおよび/
またはフルクトシルトランスフェラーゼを導入するための一つ以上の注入口と、
この反応器から工業的な量の分枝状フルクタンを単離するための手段とを含む。
この反応器は、反応器システムとして機能する、図2および2aに図示したよう
な、複数の容器を含むことができる。
【0086】 通常の化学的修飾または付加的な酵素的修飾によって、酵素的に産生された分
枝状フルクタンの付加的な修飾を実施することも、本発明の範囲内である。化学
的修飾の非限定的な例は、アルキル化、エステル化、脱水、環化および部分的加
水分解を含む。酵素的修飾の非限定的な例は、糖化を含んでもよい。 分枝状フルクタンは、それ自身が甘味を有する食品用充填剤および食用甘味料
として用いることもできる。
【0087】 本発明に関して一般的に記載したので、特に記載しないかぎり、例示すること
のみを目的として記載され、かつ、限定することを意図しない以下の特定の例を
参照することによってさらなる理解が得られる。
【0088】
【実施例】
クローニングおよび発現方法: 予測されるシグナル配列を欠いたStreptococcus mutansフルクトシルトランス
フェラーゼのコード配列を、Streptococcus mutans株ATCC 25175からPCRによ
って単離することができる。二つのプライマーを設計および合成した。第一の、
5'-TCTGCGGGATCCCAGGCAGATGAAGCCAATTCAA
C-3'は、BamHI制限部位と、それに続けて、Streptococcus mutansフルクトシ
ルトランスフェラーゼコード配列の予測されるシグナル配列の末端直後の配列と
同じ配列を含む。第二の、5'-TCTGCGAAGCTTTTATTTAAAA
CCAATGCTTACACA-3'は、HindIII制限部位と、それに続けて、Str
eptococcus mutansフルクトシルトランスフェラーゼコード配列のC末端に対応
する逆向きの、相補配列を含む。両方のプライマーは、Streptococcus mutans株
ATCC 25175から単離されたゲノムDNAと混合され、PCRに用いられた。得ら
れたDNAフラグメントを、BamHIおよびHindIIIで切断し、BamHI−HindIII切断
プラスミド、pGEX-KT-extにリゲートした。このリゲーションは、グル
タチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)のコード配列が、フレームにおいて
、すぐ下流に位置した、上記Streptococcus mutansフルクトシルトランスフェラ
ーゼコード配列を生じた。このpGEX-KT-ext-Streptococcus mutansフ
ルクトシルトランスフェラーゼプラスミドをE.coli BL21細胞にトランスフォー
ムした。得られたトランスフォーマントからのタンパク発現は、GST-ext
Streptococcus mutans-フルクトシルトランスフェラーゼ融合タンパクの細胞内
蓄積をもたらした。
【0089】 明らかに、本発明の多くの修正および変更が、上記教示に照らして可能である
。それゆえ、特許請求の範囲内で、ここに特別に記載された以外の方法で本発明
が実施されてもよいことが分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、スクロースがグルコースと分枝状フルクタンに変換される流れ図を図
示したものである。 図1aは、グルコースの外部分離器を備えた反応容器中で、スクロースがグル
コースと分枝状フルクタンに変換される流れ図を図示したものである。
【図2】 図2は、二つの反応容器中で、スクロースがグルコースと分枝状フルクタンに
変換される流れ図を図示したものである。 図2aは、グルコースの外部分離器をそれぞれ備えた二つの反応容器中で、ス
クロースがグルコースと分枝状フルクタンに変換される流れ図を図示したもので
ある。
【符号の説明】
1 反応器 2 スクロース注入口 3 グルコース取り出し口 4 フルクタン取り出し口 5 分離器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM ,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE, KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,L T,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX ,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE, SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,U A,UG,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 エドワード・ジェイ・マクグァイア アメリカ合衆国・ペンシルヴァニア・ 18925・ファーロング・クローヴァリー・ ドライヴ・3065 (72)発明者 ジュアン・エル・ナヴィア アメリカ合衆国・ジョージア・30606・ア センス・レノックス・プレイス・169 Fターム(参考) 4B024 AA03 AA05 BA77 CA09 4B029 AA02 BB16 CC01 DA03 DG06 4B064 AF02 CA21 CB30 CC24 DA10

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 i)スクロースと、β-2,1-フルクトシルトランスフェラ
    ーゼおよびβ-2,6-フルクトシルトランスフェラーゼとを接触させて、グルコ
    ースを生成させ、かつ、 ii)当該生成物からグルコースを単離することを含む、スクロースからグルコー
    スを調製する方法。
  2. 【請求項2】 β-2,1-フルクトシルトランスフェラーゼが、Aureobasid
    ium pullulans、Aspergillus oryzae、Aspergillus awamori、Aspergillus sydo
    wi、Aureobasidium sp.、Aspergillus niger、Penicillium roquefortii、Strep
    tococcus mutans、Penicillium jancezewskiiおよび高等植物からなる群から選
    択された生物から得られる、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 少なくとも一つの前記β-2,1-フルクトシルトランスフェ
    ラーゼまたはβ-2,6-フルクトシルトランスフェラーゼが、宿主における、当
    該宿主が本来有するものでないフルクトシルトランスフェラーゼ遺伝子の発現に
    よって得られる、請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記グルコースが、連続的または半段階的に単離される、請
    求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記反応生成物が、分枝状フルクタンをさらに含み、かつ、
    前記方法が当該分枝状フルクタンを単離することをさらに含む、請求項1記載の
    方法。
  6. 【請求項6】 前記分枝状フルクタンが連続的に単離される、請求項5記載
    の方法。
  7. 【請求項7】 前記グルコースが、膜濾過またはクロマトグラフィーによっ
    て単離される、請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記分枝状フルクタンが、膜濾過またはクロマトグラフィー
    によって単離される、請求項5記載の方法。
  9. 【請求項9】 β-2,1-フルクトシルトランスフェラーゼが鎖延長フルク
    トシルトランスフェラーゼである、請求項1記載の方法。
  10. 【請求項10】 β-2,6-フルクトシルトランスフェラーゼが分枝フルク
    トシルトランスフェラーゼである、請求項1記載の方法。
  11. 【請求項11】 β-2,1-フルクトシルトランスフェラーゼが分枝フルク
    トシルトランスフェラーゼである、請求項1記載の方法。
  12. 【請求項12】 β-2,6-フルクトシルトランスフェラーゼが鎖延長フル
    クトシルトランスフェラーゼである、請求項1記載の方法。
  13. 【請求項13】 (a)反応容器; (b)スクロース注入口; (c)グルコース取り出し口;および (d)β-2,1-フルクトシルトランスフェラーゼおよびβ-2,6-フルクトシ
    ルトランスフェラーゼ; を含む工業的な量のグルコースを調製する反応器。
  14. 【請求項14】 分枝状フルクタンの取り出し口をさらに備える、請求項1
    3記載の反応器。
  15. 【請求項15】 スクロース注入口が連続的な注入口である、請求項13記
    載の反応器。
  16. 【請求項16】 分枝状フルクタンの取り出し口が連続的な取り出し口であ
    る、請求項13記載の反応器。
  17. 【請求項17】 グルコースの取り出し口が、連続的な取り出し口である、
    請求項13記載の反応器。
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