JP2002529034A - 変形可能な複数材料からなる補聴器のハウジング - Google Patents

変形可能な複数材料からなる補聴器のハウジング

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Abstract

(57)【要約】 柔順な補聴器（１０，６０）は、変形可能な材料の外側周囲の層（５４ａ，６４ａ）で形成されたハウジング（５２、６２）を有する。変形可能な層内に配置された電子部品は少なくともその一部を、第２の変形可能な材料（５４ｂ，６４ｂ）で封入することができる。第２の材料はまた、変形可能な周囲の層の内側の空間を充填する。第２の材料は変形可能な層内で硬化することができる。代替的には、第２の材料は変形可能な層とは別に硬化することができる。次に、その層を第２の材料に取り付けることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】 （発明の分野） 本発明は変形可能な補聴器に関する。より具体的には、発明は、使用者の耳道
の形態の動的変化に対応して、形態を変化させるような補聴器に関する。
【０００２】 本明細書により、仮出願番号６０−１１８，２６１号の１９９９年２月２日及
び、仮出願番号６０−１０５，６９１号の１９９８年１０月２６日の出願日付の
権利が請求される。
【０００３】 （発明の背景） ある環境においては、補聴器が聴力欠陥を有する個人の生活の質を著しく改善
することができることが認識された。現代の補聴器はしばしば、使用者の耳道中
に完全に装着できるほど十分に小さい。それらの小さいサイズは、それらを、よ
り古い、より目立つ補聴器よりもずっと受け入れ易くさせる。
【０００４】 改良点にもかかわらず、未だに既知の補聴器に伴う問題が継続している。これ
らの問題の二つは、快適さと性能である。現代の耳道内補聴器は通常、使用者の
耳及び耳道の形態に従って成形された外側ハウジングを有する。これらのハウジ
ングはしばしば、アクリルのような硬いプラスチックから形成される。
【０００５】 しばしば、硬さが、装着時に、快適さの劣る装着性をもたらし、挿入及び取り
外し過程中に不快感を生じる可能性がある。極端な場合には、通常、耳の手術に
より、使用者の耳又は耳道の形態が、通常の補聴器を挿入できないように変形さ
れてきた。
【０００６】 今日まで、意図された厚さをもつ耳の凹凸（ｉｍｐｒｅｓｓｉｏｎ）の外側の
特徴を正確に再現したソフトシェルを作成する、経済的に適当な方法は存在しな
かった。所望の厚さにスラッシされるアクリルの硬いシェルと異なり、柔かなエ
ラストマー材料は、強度をもつ正確なシェルを容易にはもたらさない。それらが
有効な場合に使用することができるであろう方法は回転成形、浸漬成形、及び射
出成形を含む。これらの方法はまた、柔かな補聴器の大量製造を妨げるように、
扱いにくい。
【０００７】 性能は、耳道の形態が会話又は食事中に変動する点で、硬いシェルに伴う問題
である。この形態の変動は、シェルと耳道との間に形成される密閉で妥協して処
理することができる。この密閉の完全性はシェル周辺の外部からのフィードバッ
クを最少にするのに重要である。これが順次、使用者の使用可能な利益を制約し
、補聴器の全体としての性能を減少させる。この密閉の完全性を維持することは
、補聴器をより高い補聴レベルで操作させ、使用者の聴力の欠陥をよりよく代償
して、使用者のより高い満足を提供する。
【０００８】 従って、今日まで使用可能であったものよりも挿入及び装着が、より快適な補
聴器の必要性が未だ継続して存在する。更に、性能を落とす外部からのフィード
バックを伴わないが、改良された性能及び、適切な場合にはより高い補聴性の必
要性が継続している。
【０００９】 （発明の要約） 発明は、耳の型押し、そして次いで、意図された形態及びサイズのシェルを正
確に製造した金型の作成から出発する、柔順な補聴器の製造工程に関する。当該
工程は、柔かな、エルゴノミックな、柔順な、快適な補聴器を作成する、構成部
品の付いた面板に取り付け可能なシェルを正確に製造する。
【００１０】 補聴器の多数材料のハウジングが、使用者の耳道の一部の凹凸の再生物である
柔順な領域を提供する。挿入される時、そのハウジングは、快適な挿入を可能に
するように、耳道の形態に従って変形する。一旦挿入されると、ハウジングの再
生された領域は、密閉をもたらし、フィードバックを妨げるように、耳道の各部
分に密着する。更に、ハウジングは、使用者が自身の顎を動かす時に、耳道の変
形に対応して変形する。
【００１１】 ハウジングの変形性は、ハウジングがその通常の状態にある時には構成部品の
挿入を許すには小さすぎる開口部をもつ、その中に内部構成部品受け入れキャビ
ティを成形することを可能にする。しかし、各構成部品に適用された変形力に対
応して、ハウジングは変形し、それにより各構成部品を抑制領域を越え、前以て
成形された構成部品受け入れキャビティ中に滑らせることができる。例えば受信
器を、シェルの音声出力末端部又はシェルの外側開放末端部のどちらかで変形可
能なシェル中に挿入することができるであろう。
【００１２】 ハウジングは第１の変形可能な材料の層により区画された外側周囲を有する。
第１の変形可能な材料の層は、少なくとも一部分は、内側表面で内部領域を区画
している。
【００１３】 外側層は別に成形されて、次に、柔順な充填材で少なくとも一部分を充填する
ことができる。代替的には、外側の層の内側表面に合致する、内側の雄の金型を
形成することができる。外側の層は順次、あたかもソックスをそれぞれの着用者
の足上に滑りこませることができるように、雄の金型上に滑らせることができる
。 それぞれの補聴器が使用されている時に、内部のフィードバックの可能性を
最少にするために、ハウジング内にシート部材を取り入れることができる。この
部材を、液体の内部充填材のあらゆる流入を妨げるためにバッテリーのドアに隣
接して配置することができる。
【００１４】 外側の周囲の層及び内側の充填材はシリコーン、ラテックス、ポリウレタン、
ポリビニル又は、あらゆる他の種類の、時間、熱又はＵ．Ｖ．硬化性エラストマ
ーにすることができる。選択されたエラストマーの好ましい硬度は９０ショアＡ
より低い範囲内に入る。
【００１５】 ハウジングの第１の製法においては、使用者の耳道の形態に対応する硬いプラ
スチックのシェルを通常の方法で形成する。次に、シェルを、キー締めされた、
硬い土台板に取り付け、成形ジグに据え付ける。
【００１６】 シリコーン又はウレタンのような材料を金型中に注入する。この材料は柔順な
ハウジングの外面を区画する雌金型を形成するであろう。
【００１７】 金型及び硬いシェルを、キー締めされた土台から外し、金型ジグ中に据え付け
て、ソフトシェルの内側表面を形成する雄金型を作成することができる。エラス
トマー材料を外殻中に注入して、雄金型又は形態を作成する。シェル、又は型板
を外すと、内側と外側の金型の間に空間を作成する。この空間が、形成されるソ
フトシェル又は外側層のサイズ及び形態を規定する。
【００１８】 シリコーン、ポリウレタン、ポリビニル又はラテックスのようなエラストマー
を、金型の空間中に注入又は射出することができる。一旦硬化させると、シェル
を金型から取り外すことができる。この工程の利点は、外側の雌、及び内側の雄
の相対する金型を形成するために、同一の硬いシェルが使用される点である。硬
いシェルを取り外すと、シェルの正確な複写物である空間を形成する。次に、そ
の空間を液体の、成形可能なエラストマーで充填する。
【００１９】 しばしば、出力トランスジューサー、受信器のような構成部品は、変形せずに
は、変形可能なシェル又は層中に挿入されるには大き過ぎる。しかし、シェルの
変形可能性を与えられると、それぞれの１個又は複数の構成部品に対する挿入力
を適用すると、シェルに一時的に形状の変化又は膨張をもたらし、それにより、
それぞれの構成部品に、シェルの内部キャビティ内に適切に配置されるように、
制約された経路を通って滑らせることができる。シェル中の残りの空間を、好ま
しくは外側の変形可能なシェルの周囲に、硬いプラスチックの外側のシェルを提
供後に、埋め戻し材料を充填することができる。例えば、ＵＶ硬化性プラスチッ
クを、変形可能なシェルに適用して、硬化させることができ、そこで硬い保護層
が、シェルの外側の周囲に形成される。次に、それを、充填材料がシェルの所望
の形態を変形させるであろうかとの心配なしに、同一又は異なる材料である充填
材料で埋め戻しすることができる。
【００２０】 更にもう一つの処理形態においては、使用者の耳道の一部の鋳型を表す硬いシ
ェルを使用して、前記のような変形可能な外側のシェルを作成する。次に、この
シェルを使用して、構成部品を収納する内部のプラグの金型を作成する。
【００２１】 充填及び硬化後に、プラグの外側面はソフトシェルの内側の面に合致する。次
に、そのソフトシェルをプラグ上に滑らせることができる。次に、外側のソフト
シェルをのり等により、１箇所以上の領域でプラグに取り付けることができる。
外側の変形可能なソフトシェルと内側のプラグの両方を作成するために同一の硬
いシェルが使用されたので、２個の部品は正確に合致する。
【００２２】 代替的態様においては、外側のソフトシェル又はソックスを内側のプラグに選
択的に接着させることができ、それにより、シェルの表面に皮膚の感じをもたら
すことができる。この場合は、シェルの表面は内部のプラグに対して僅かに移動
可能である。
【００２３】 もう一つのアスペクトにおいては、ソフトシェルの変形性を、製造中に好都合
に使用することができる。構成部品を据え付ける時に、それらを一時的に変形さ
せることにより、シェル中の小さいチャンネルを通って構成部品を押し込むこと
ができる。挿入後、シェルはその通常の形態に復帰する。次に、この内部を、少
なくとも一部を、硬化性の変形可能な材料で充填することができる。シェルの材
料及び内部の材料は所望される特徴により、同一でも異なってもよい。
【００２４】 本発明の数々のその他の利点及び特徴は、発明及びその態様の次の詳細な説明
から、請求項からそして添付の図面から、容易に明白になるであろう。
【００２５】 （好ましい態様の詳細な説明） 本発明は数々の異なる形態の態様の余地があるが、本明細書は、発明の原理の
例示として考えられ、その発明を、具体的に示された特定の態様に制約すること
を意図されない点を理解して、図面で示され、本明細書中にそれらの特定の態様
を詳細に説明されるであろう。
【００２６】 本発明は柔順な補聴器の製造工程に関する。本明細書に開示された工程の一般
的な段階は、聴覚欠陥を有する使用者の耳のキャビティを形成することを含む。
これは補聴器産業において周知の段階である。次の一般的な段階は、使用者の耳
道の凹凸の外側表面を複製する硬い、薄壁のシェルを形成することを含む。
【００２７】 使用者の耳の凹凸を複製する、しばしばアクリルの硬いシェルの形成もまた、
補聴器産業で周知である。これらのシェルもまた、多数段階の工程を使用してア
クリルのプラスチックから形成され、そこでは、最初に雌の金型が使用者の耳の
凹凸から形成される。流体形態のアクリルのプラスチックが金型中に注入され、
熱、放射性エネルギー又は時間のどれかにより、金型の縁で硬化される。金型の
中心の流体プラスチックを湿らせ、その工程を数回繰り返す。
【００２８】 最終的には、使用者の耳道の凹凸の外側周囲の表面を正確に複写する、硬い薄
壁シェル又は型板が作成される。
【００２９】 図１Ａ、１Ｂの図面において、一旦硬い型板又は硬いシェルが作成された後に
、次の工程段階を使用して、その外側周囲の表面が使用者の耳道の凹凸を複写し
ている、正確に成形された柔順なシェルを作成することができる。 １． キー締めされた板に硬いシェルを取り付け、成形ジグ中に据え付ける。 ２． 金型中にエラストマー材料（シリコーン、ウレタン、等）を注入し、硬化
させる。これはソフトシェルの外側表面の雌の金型を形成する。 ３． 雌の金型及び硬いシェルをキー締めされた土台から外し、それらを金型ジ
グ中に据え付けて雄の金型を作成する。これはソフトシェルの内側表面を形成す
る。 ４． エラストマー材料を注入して雄金型を形成する。
【００３０】 キー締め特徴物は内部の成形物を外側の形態に整合させる。内側及び外側の金
型がより正確に整合させられるほど、穴又は薄い部分を伴わずに、より薄いソフ
トシェルを製造することができる。内部の空間が少ない、小さいシェルを製造す
るためには金型の適切な整合が重大である。 ５． 硬いシェルの型板を外して、内側と外側の金型の間の空間を作成する。こ
の空間が成形されるソフトシェルのサイズ及び形態を規定する。 ６． エラストマー（シリコーン、ウレタン、等）を金型の空間に注入又は射出
し、硬化させてシェルを形成することができる。 ７． 硬化後、変形可能なシェルをシェル金型から外す。
【００３１】 前記のアクリルのシェル形成工程の代替物として、ＵＶ−感受性プラスチック
を使用して、次のように硬いシェルを作成することができる。 １． 成形ジグに、型採りした耳の凹凸を取り付け、ＵＶ透過性のエラストマー
を注入し、硬化させて、雌の金型を形成する。 ２． ＵＶ硬化性液体を金型の上部から注入し、所望の厚さの硬いシェルを形成
する。過剰なＵＶ材料を溢れ出させ、硬いシェルの硬化を終結する。 ３． 工程の残りの段階は、段階４から出発して、前記の工程と同様である。
【００３２】 ソフトシェルを形成するための金型は、シェルを表す金型中にキャビティを形
成する硬いシェルから作成する。柔かなエラストマー材料をキャビティ中に射出
するか又は雌の金型中に注入し、そしてあらゆる過剰なソフトシェル材料を除去
後に、雄の金型を据え付けることができる。
【００３３】 硬いシェルと異なり、ソフトシェルは追加の構造物なしでは、デリケートな構
成部品を適切に保護することができない。図１Ａに説明され、そして図１Ｂに図
示されるように、構成部品はソフトシェル中に入れられて面板に密閉される。ワ
イヤのゆるみの存在並びに、ワイヤが食い切られたり引っ張られて破損を引き起
こさないことを保障するための増幅器と受信器の間のワイヤを保護するために、
チューブを使用することができる。
【００３４】 チューブの末端はＲＴＶのような接着剤を使用して末端点に密閉される。シェ
ルは更なるエラストマー材料で充填される。材料は外側のシェルを形成するため
に使用されたものと同一でも異なってもよい。この工程は、消費者の要望に対し
て硬度及び感じを調整可能にさせる。内側の充填物及び外側のシェルが独特な特
性を与えるマトリックスを作成する。
【００３５】 例、外側のシェルは耐久性で柔軟で、適切な摩擦特性を伴う平滑で均質な表面
をもつ必要がある。適切な快適さ、耐久性及び音響学的性能を提供することがで
きる単一材料を発見することは困難である。他のエラストマーにより支援された
、シェル材料の交換及び組み合わせが、単一部品の構造物に比して大きな利点を
提供する。
【００３６】 埋め戻し工程は、バッテリー室が、埋め戻し材として使用される材料がそれら
の領域に侵入しないように密閉されることを必要とする。現在の面板は密封され
ていないので、面板に囲い又はシート部材を取り付けて、重要な領域を密閉する
。囲いはできるだけ小さくなるようにデザインされるので、より小さい補聴器を
可能にする。密封チューブにより、ワイヤは囲いを通って配線される。囲いはま
た、受信器からの音声の内部フィードバック経路を除去する作用をもつ。
【００３７】 埋め戻しは、構成部品間にエラストマー材料を充填することにより内部の構成
部品を封入することにより、補聴器が充填される工程である。埋め戻しは一旦硬
化されると、構成部品に更なる保護及び、耳内への補聴器の挿入に要求される硬
度をもたらす。
【００３８】 ＵＶ硬化性材料で金型の外側を被覆することにより製造された硬い覆いシェル
の使用により、真のシェルサイズが維持される。この材料は硬化されると、シェ
ルの形態又はサイズを変化させずに、埋め戻しの射出圧力を含むのに十分な強度
を有する。
【００３９】 真のサイズを維持するための工程はシェルを製造後に、実施することができる
。幾つかの場合には、曲がった耳道に受信器を装着するために、シェルを伸長す
ることができる利点がある。その場合サイズは凍結することができる。好ましい
方法は、ソフトシェルを製造後に、面板へのその取り付け前に、サイズを凍結す
ることであろう。
【００４０】 シェルを一時的に伸長させる性能を利用する集成方法を使用して、構成部品を
きつい、通常はアクセスできないキャビティを通過させ、従って有効な空間を、
より効率よく利用することができる。シェルが伸長して、構成部品を、そうでな
い場合にはアクセス不可能なキャビティ中に通過させることができる事実は、補
聴器を更に、より小さく製造させ、従って小さい耳道をもつ多数の人々を確実に
援助することができる。
【００４１】 図２Ａ，２Ｂに示されたソックス工程は、硬いシェル又は型板の製造と同様な
方法を使用しているが、シェルが２種類の目的に使用されている。 １． 硬いシェルは前記の工程におけるように、ソフトシェル（ソックス）を作
成するために使用される金型を作成するために使用される。 ２． 次に、硬いシェルは構成部品を収容するプラグのための金型を作成するた
めに使用される。充填され、硬化されると、プラグの外側はソフトシェル（ソッ
クス）の内側の面と整合される。ソフトシェルは後に、接着工程で取り付けられ
る。ソフトシェル（ソックス）の金型及びプラグの金型を形成するために同一の
シェルが使用されるので、それは、正確に整合する。
【００４２】 この工程においては、内部の構成部品は、最初の耳の凹凸に比較して、補聴器
の真のサイズを変えないような形態で、保持される。埋め戻し処理中にソフトシ
ェルの外側を補強することによりシェルの形態を保持する試みの代わりに、型板
のシェルが完全な整合を保証する。金型をより高い圧力で充填し、従ってよりよ
い、充填を確保することができる。更に、ソックスとプラグとの間の接着は選択
的であり、シェルの表面に皮膚様の感じを作成することができる。
【００４３】 図３Ａは、その中に配置された前記の型の補聴器５０を付けた使用者の左耳の
部分的上面図を示す。使用者の耳は、外耳Ｏ、補聴器５０が配置されている耳道
及び、耳道の内側の末端に位置する鼓膜、中耳、を含む。
【００４４】 補聴器５０は耳道の部分を充填し、その接触する面に密着する柔かな柔順なハ
ウジング５２から形成されている。ハウジング５２は柔かで変形可能であるので
、それは耳道中に快適に挿入でき、そこから取り出すことができる。耳道及びハ
ウジング５２を軟骨Ｃが取り囲んでいる。使用者の顎の、骨Ｂ及び下顎骨の一部
Ｍが役立つ。
【００４５】 下顎骨Ｍは、使用者が話したり、食べたり又は、どんな理由であれ、彼らの顎
を動かす時に、軟骨Ｃと骨Ｂに対して動く。これは順次、耳道の形態を変化させ
る。図３Ａは、顎が休止している時の、静止状態の耳道及びハウジングを示して
いる。この状態においては、耳道の形態は、使用者が静かに座して、その顎を動
かしていない時に得られるであろうような耳道の耳の凹凸の形態に対応する。前
記のように、ハウジング５２は耳道の壁に容易に密着する。
【００４６】 図３Ｂは、使用者がその顎を動かす時の下顎骨Ｍの動きを表す。下顎骨Ｍは骨
Ｂ及びハウジング５２に対して動き、それにより耳道の形態を変動する。この形
態の変動は快適さ及び性能の両方に関する結果を有する。下顎骨が動く時に、柔
かで、柔順なハウジング５２が容易に変形し、それにより、それが動的に形態を
変化させるに従って、耳道中に快適に適合し続ける。更に、ハウジング５２は耳
道の変化している形態に適合し続けるので、それはそれらとの密着性を維持し、
それにより、耳垢ガード５２ａに隣接した音声出力口とマイクロホン５２ｂのた
めの音声入力口との間の外部のフィードバックを最小にする。
【００４７】 図４Ａ及び４Ｂは耳道中の補聴器５０を断面図で表す。ハウジング５２は、前
記のように形成された外側シェル５４ａをもち、それは、恐らく出力トランスジ
ューサ−５６ａ、及びバッテリー、電子機器パッケージ５６ｂを除いて、前記の
硬化エラストマーで充填されている、内側の、柔順な内部領域５４ｂを囲んでい
る。 図４Ａは静止状態の耳及びハウジング５２を表す。図４Ｂは、下顎骨Ｍの
運動に対応する、ハウジング５２の変形及び、受信器５６ａに対する外側のシェ
ル５４ａの関係の変化を表す。従って、本発明に従う補聴器により、快適さ及び
性能の両方を高めることができる。
【００４８】 図５Ａ及び５Ｂは、耳道における解剖学的問題に対処するために補聴器６０の
使用者の必要性を処理する際の、本発明の利点を表す。本方法を使用することに
より、特に柔かな領域が必要な具体的な使用者の耳に、快適な装着及び密閉を提
供するために、柔かな領域をハウジング６２中に成形することができる。
【００４９】 ハウジング６２は外側の柔順なシェル６４ａ、及び、前記のような内側の、エ
ラストマーで充填された領域６４ｂを含む。しかし、その上に、容易に変形する
特別に変形可能な領域をもたらすために、選択された部位のハウジング６２中に
、発泡体６４ｃが成形された。発泡体６４ａは例としてのみ示されていることが
理解されよう。本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、空気のようなその
他の型の流体、又は異なるエラストマーを使用することができるであろう。更に
、多数の領域を１個のハウジング中に取り入れることができるであろう。
【００５０】 図６Ａは、面板５６ｂ−１及びバッテリーのドア５６ｂ−２をもつ補聴器５０
を表す。面板は例えば、音声出力トランスジューサーのような、結合されたマイ
クロホンを伴う電子機器パッケージ５６ｂを担持することができるであろう。面
板５６ｂ−１は柔順なハウジング５２に取り付けられている。前記のように、ハ
ウジング５２は挿入される時に、使用者の耳道に適合するように変形する。面板
５６ｂ−１は挿入後、使用者の外耳に接する。
【００５１】 図６Ｂは、本発明に従う補聴器のハウジングのもう一つの利点を表す。時々、
特に完全に耳道に入る補聴器に関連して、ハウジングの部分が、受信器のような
構成部品をハウジング内の前以て確立された領域中へ容易に通過させることがで
きるには小さすぎる可能性がある。
【００５２】 前記のように外側のシェル５４ａは柔順で、変形可能である。図６Ｂに示され
るように、受信器５６ａを、一時的にシェル５４ａを変形させることにより、シ
ェル５４ａ中に受信器を挿入することにより、構成部品受け入れ領域５４ａ−１
中に挿入することができる。受信器が領域５４ａ−１に配置される時には、シェ
ル５４ａはその通常の、歪んでいない形態に復帰する。シェル５４ａの内側は前
記のような柔順な充填材料で充填することができる。
【００５３】 図７Ａ，７Ｂは、マンデルが受信器５６ａを受け入れるためのキャビティ５６
ａ’を形成した、柔順なシェル５４ａをもつハウジング５２を断面で示している
。もう一つのマンデルは電子機器パッケージ及び／又はバッテリーのためのキャ
ビティ５２−１を形成した。
【００５４】 受信器５６ａは間隔を置かれた部位５７−１，−２，−３，−４でのみ支持さ
れている。この支持システムは内部フィードバックが入力トランスジューサー又
はマイクロホンに行くことを最小にする。更に、受信器５６ａ及びマイクロホン
５２ｂは更にフィードバックを減少するために９０°のオーダーで位相角をずら
して配置することができる。領域５７ａ，５７ｂは空気又は発泡体又は、その他
の選択されたフィードバック最小化材料のような流体を充填することができる。
【００５５】 エラストマーのシェルを製造するための現在入手可能な材料は品質が劣るので
、内側及び外側の金型を製造することによりシェルを作成する工程が現在必要と
されることを理解しなければならない。現代の柔軟なＵＶ又はスラッシ可能な材
料は、劣った特性又は望ましくない工程の問題を有する。当業者は、一旦、必要
な特性をもつＵＶエラストマー材料が入手可能になれば、外側の柔軟なシェルの
製造工程は簡略化されるが、その工程の残りの段階は未だに有効であることを理
解するであろう。
【００５６】 以上のことから、発明の精神及び範囲から逸脱せずに、数々の変更及び修飾を
実施できることが認識されよう。本明細書に示された具体的な装置に対してどん
な制約も意図されず、ほのめかすべきではないことを理解しなければならない。
もちろん、付記の請求項により、請求項の範囲内に入るすべての修飾物を網羅す
ることが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【図１Ａ】 一処理法に従う段階のフロー図である。
【図１Ｂ】 図１Ａの段階の幾つかの絵画による図である。
【図２Ａ】 もう一つの処理法に従う段階のフロー図である。
【図２Ｂ】 図２Ａの段階の幾つかの絵画による図である。
【図３Ａ】 静止状態における使用者の耳の拡大、部分的上面図である。
【図３Ｂ】 変化する耳道を表す、図３Ａの耳の拡大、部分的上面図である。
【図４Ａ】 断面で表された補聴器のハウジングを伴う図３Ａにおけるような図である。
【図４Ｂ】 断面で表された補聴器のハウジングを伴う図３Ｂにおけるような図である。
【図５Ａ，Ｂ】 一緒に、本発明に従う補聴器の一部を拡大、断面図で表す。
【図６Ａ】 本発明に従う補聴器の拡大遠近図である。
【図６Ｂ】 構成部品をその中に挿入するために本発明に従って形成されたシェルの変形を
表す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 ０９／３５６，２２３ (32)優先日 平成11年７月16日(1999．7．16) (33)優先権主張国 米国（ＵＳ） (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＣＡ，ＪＰ

Claims (42)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 補聴器のための、複数材料のハウジングであって、 第１の変形可能な材料の層により区画された外側周囲をもち、第１の変形可能
    な材料の層は、少なくとも一部分は、内側表面により内部領域を区画しているハ
    ウジング、 少なくとも一部分は内部領域を充填し、少なくとも一部分は隣接領域内の内側
    表面と接する第２の材料であって、隣接領域内の第２の材料は、内側表面の形態
    に対応する雄の形態を示し、そこで、第２の材料の、対応する雄の形態と、層の
    内側表面の実質的な同一性が、隣接している材料による層のゆがみを防止する第
    ２の材料、 を含んでなるハウジング。
  2. 【請求項２】 第１及び第２の材料が同一である、請求項１記載のハウジン
    グ。
  3. 【請求項３】 層が、選択された部位においてのみ第２の材料に接着されて
    おり、それにより、層の、少なくとも選択された領域が第２の材料に対して移動
    可能である、請求項１に記載のハウジング。
  4. 【請求項４】 第３の材料が表面の一部に隣接して配置されている、請求項
    １記載のハウジング。
  5. 【請求項５】 第３の材料が流体を含んでなる、請求項１記載のハウジング
    。
  6. 【請求項６】 流体が気体からなる、請求項５記載のハウジング。
  7. 【請求項７】 第３の材料が、選択された、変形可能な固体を含んでなる、
    請求項４記載のハウジング。
  8. 【請求項８】 素子と、少なくとも第２の材料との間に遮蔽物をもつ、回転
    可能な素子を含む、請求項１記載のハウジング。
  9. 【請求項９】 素子が回転可能なバッテリーのドアを含んでなる、請求項８
    記載のハウジング。
  10. 【請求項１０】 少なくとも一部は第２の材料の領域に隣接する、フィード
    バック減少用シート部材を含む、請求項１記載のハウジング。
  11. 【請求項１１】 第１及び第２の材料がエラストマーを含んでなる、請求項
    １記載のハウジング。
  12. 【請求項１２】 第１及び第２の材料が、シリコーン、ラテックス、ポリウ
    レタン、ポリビニルを含むクラスから選択される、請求項１記載のハウジング。
  13. 【請求項１３】 第１及び第２の材料が９０ショアＡより下の範囲の硬度パ
    ラメーターを示す、請求項１２記載のハウジング。
  14. 【請求項１４】 素子と、少なくとも第２の材料との間に遮蔽物をもつ、回
    転可能な素子を含む、請求項１２記載のハウジング。
  15. 【請求項１５】 素子が、第２の材料の少なくとも一部に接着されている面
    板上に担持されている、請求項１４記載のハウジング。
  16. 【請求項１６】 その中に前以て形成された構成部品受け入れ用キャビティ
    を含み、そこでキャビティ内に挿入された構成部品が、少なくとも、適用された
    変形力に対応して一時的に変形する層が存在しない場合には、キャビティ中への
    挿入を妨げるであろうようなサイズ又は形状をもつ、請求項１記載のハウジング
    。
  17. 【請求項１７】 構成部品が出力トランスジューサーである、請求項１６記
    載のハウジング。
  18. 【請求項１８】 その上で、動的に変動する耳道に対応してハウジングが密
    閉を維持するように形態を変化させる、挿入時に使用者の耳道の一部と密閉する
    ようにはまり込む領域をもつ、請求項１６記載のハウジング。
  19. 【請求項１９】 密閉領域から移動された面板により閉鎖される、請求項１
    ８記載のハウジング。
  20. 【請求項２０】 面板が回転可能なバッテーリーのドアを担持する、請求項
    １９記載のハウジング。
  21. 【請求項２１】 バッテーリーのドアに隣接してハウジング内に担持された
    密閉用シート部材を含む請求項２０記載のハウジング。
  22. 【請求項２２】 面板に隣接してハウジング内に担持された、内部フィード
    バック減少用シート部材を含む、請求項１９記載のハウジング。
  23. 【請求項２３】 入射音波が耳道内に配置された補聴器により処理される、
    使用者の耳内のフィードバックを最少にする方法で、 ハウジングが耳道の一部に少なくとも部分的に対応する形態をもつ、耳道の形
    態及びサイズの変化に対して動的に調整するのに十分に柔順な、変形可能なハウ
    ジングをもつ補聴器を提供すること、 そこでハウジングが挿入時に変形し、挿入後に耳道が静止した非変動状態にあ
    る時に、耳道の隣接領域に対して密閉することにより、外部のフィードバックを
    遮蔽する器具を耳道中に挿入すること、並びに 動的に変化する耳道によりフィードバックを最小化する密閉を維持するように
    、耳道のサイズ及び形態を変化させることに対応して、柔順なハウジングの形態
    を動的に変化させること、 を含んでなる方法。
  24. 【請求項２４】 選択された面板領域を除いて、ハウジングの外側周囲を含
    んでなる第１の材料の柔順な層を提供することを含み、当該外側周囲が、少なく
    とも一部は柔順な第２の材料により形成された内部をもつ、耳道の隣接領域に接
    する区分を有する、請求項２３記載の方法。
  25. 【請求項２５】 その中に出力トランスジューサーを挿入する時に、ハウジ
    ングの少なくとも一部を一時的に変形させることを含む、請求項２３記載の方法
    。
  26. 【請求項２６】 選択された面板領域を除いて、ハウジングの外側周囲を含
    んでなる第１の材料の柔順な層を提供することを含み、当該外側周囲が、少なく
    とも一部は柔順な第２の材料により形成された内部をもつ、耳道の隣接領域に接
    する区分を有する、請求項２５記載の方法。
  27. 【請求項２７】 その中に選択された構成部品を挿入するか又は構成部品を
    取り出す間に、少なくとも柔順な層を一時的に変形させることを含む、請求項２
    ４記載の方法。
  28. 【請求項２８】 耳道内への挿入の前に、ハウジング中にフィードバック最
    少化用シート部材を挿入することを含む、請求項２３記載の方法。
  29. 【請求項２９】 シート部材の使用によりハウジングの一部を密閉すること
    を含む、請求項２８記載の方法。
  30. 【請求項３０】 使用者の補聴器のための、薄壁の変形可能なシェルの成形
    方法で、 使用者の耳道を複製する、外側周囲の表面をもつ部分を含む、耳の凹凸を形成
    すること、 中空の内部領域及び、凹凸の少なくとも一部を複製する外側周囲の表面、をも
    つ実質的に硬いシェルを形成すること、 シェルの外側周囲の表面の周囲に雌の金型を注型すること、 中空の内部領域の雄の金型を注型すること、 硬いシェルを外すこと、 硬いシェルを表す、それらの間の空間を形成するために、雌の金型中に雄の金
    型を配置すること、 硬化性エラストマーでその空間を充填して、それにより中空のエラストマーの
    シェルを形成すること、並びに エラストマーのシェルを硬化すること、 を含んでなる方法。
  31. 【請求項３１】 金型からエラストマーのシェルを外すこと、及び 少なくとも１個の部品を配置するために、必要ならシェルを一時的に変形させ
    ることを含む、シェル中に、少なくとも１個の、選択された構成部品及びマンド
    レルを挿入すること、 を含む、請求項３０記載の方法。
  32. 【請求項３２】 それらの変形を防止するためにエラストマーのシェルの外
    側周囲に硬い外側の被膜を形成すること、及び シェルの内部を、選択された、硬化性内部エラストマーで充填すること、 を含む、請求項３１記載の方法。
  33. 【請求項３３】 充填段階の前に、エラストマーのシェルに隣接した内部領
    域に、選択された変形可能な材料を配置することを含む、請求項３２記載の方法
    。
  34. 【請求項３４】 変形可能な材料がシェルのエラストマーと同一種類の材料
    である、請求項３３記載の方法。
  35. 【請求項３５】 内部のエラストマーを硬化させること、及び次に、シェル
    の外側から硬い外側被膜を外すことを含む請求項３２記載の方法。
  36. 【請求項３６】 金型からエラストマーのシェルを外すこと、及び 硬いシェルの内部の、別のエラストマーの雄型を形成すること、 を含む、請求項３０記載の方法。
  37. 【請求項３７】 雄型に構成部品受け入れポケットを形成することを含む、
    請求項３６記載の方法。
  38. 【請求項３８】 ポケットを区画するマンドレルを使用することを含む、請
    求項３７記載の方法。
  39. 【請求項３９】 雄型を形成する前に、その中に注型される、選択された電
    子部品を配置することを含む、請求項３６記載の方法。
  40. 【請求項４０】 雄型をエラストマーのシェルに結合することを含む、請求
    項３６記載の方法。
  41. 【請求項４１】 少なくとも選択された１カ所において、雄型にシェルを取
    り付けることを含む、請求項４０記載の方法。
  42. 【請求項４２】 取り付け段階に接着剤を使用することを含む、請求項４１
    記載の方法。
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