JP2002528976A - セルラーまたはコードレス移動体電気通信システムで、標的基地局との通信を設定するための方法および装置 - Google Patents

セルラーまたはコードレス移動体電気通信システムで、標的基地局との通信を設定するための方法および装置

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JP2002528976A
JP2002528976A JP2000577849A JP2000577849A JP2002528976A JP 2002528976 A JP2002528976 A JP 2002528976A JP 2000577849 A JP2000577849 A JP 2000577849A JP 2000577849 A JP2000577849 A JP 2000577849A JP 2002528976 A JP2002528976 A JP 2002528976A
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Abstract

(57)【要約】 移動体無線電気通信システムにおけるハンドオーバの速度を改良するための、方法、システムおよびネットワーク要素が説明される。1つの実施例では、移動局(114)が、標的基地局(106)への新しい無線リンクの設定に備えて、ネットワークノード(102、103、105、122、125)のアドレスのリストを、標的基地局(106)に伝送する。標的基地局(106)がアドレスのリストを用いて、古い通信経路と新しい通信経路との両方に共通するノード(122、125)を選択し、クロスオーバスイッチネットワーククエリを必要とすることなく、このノードを直接アドレスすることが可能である。こうして新しい経路(122、110、106)が設定されてすばやく標的基地局(106)へのハンドオーバに備える。さらなる実施例においては、ネットワークは移動局(114)に対する予め認証されたシグネチャを、通信を現在支持するネットワークのノード(102、103、105、122、125)に分配する。これにより、移動局(114)が新しい無線リンクを標的基地局(106)との間に設定しようと試みたとき、該移動局(114)のローカルでの確認が可能になる。さらなる実施例においては、標的基地局(106)は、ネットワークを通る新しい通信経路(125、110、106)が設定される前に、移動局(114)に高速パワー制御を開始する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、セルラーまたはコードレス移動体電気通信システムにおける、(
ときには「ハンドオフ」として知られる)フォワードハンドオーバの方法、また
はある特定のタイプの通話再確立のための方法に関する。この発明の実施例は、
アクセス方法、たとえばFDMA、TDMA、FDMA/TDMA、CDMA、
FDMA/TDMA/CDMA、TDD、CDMA/TDDまたは他の同様の方
法に関わらず、多くの形の移動体電気通信システムにおいて用いられるであろう
。この発明はまた、移動体電気通信ネットワークおよびその動作方法にも関する
【0002】
【技術的背景】
セルラー移動体電話システムは、異なったセルまたは無線カバレッジ領域内の
無線周波数の再利用に依拠する。移動局が、1つのセル内の基地局(元基地局)
との通信から、別のものへ移動すると、移動局を新しいセルの基地局(標的基地
局)に「ハンドオーバ」することが必要になる。ハンドオーバはパッシブでもア
クティブでもあり得るが、すなわちハンドオーバは、アクティブな通信が存在せ
ず移動局が現在のセルに「キャンプ」しており、かつ新しいセルに転送されなけ
ればならない場合(パッシブハンドオーバ)に、または、現在の基地局から標的
基地局に転送されるべきアクティブな通信が存在する場合(アクティブハンドオ
ーバ)に、ハンドオーバが必要となる。アクティブハンドオーバの間のデータの
損失を回避するために、ハンドオーバは素早いことが好ましい。ハンドオーバの
速度を向上させるために、「シームレス」と「ソフト」ハンドオーバとの両方が
提案されてきた。シームレスハンドオーバは、(古い接続が失われるときに標的
基地局との新しい接続が作られる)「ハード」ハンドオーバであって、標的基地
局までのネットワーク接続が留保され同期されるために、実際のハンドオーバが
起こったときに、旧基地局との通信の切断と、新基地局との接続の間には最小限
の中断しか起こらない。ソフトハンドオーバでは、移動局は旧基地局と標的基地
局との両方と同時に通信し、ある特定の通信品質または他の基準に基づいて、い
つ標的基地局を介して届く信号が受入れ可能であって、かつ元基地局とのリンク
を切断してもよいか、とネットワークが判断し得る。
【0003】 ハードハンドオーバ方法は、突然変動する信号強度によって悪影響を受けるお
それがある。元基地局との通信の信号品質の劣化は、現在の通信チャネル上のシ
ャドーイングおよび広く変動するフェーシングによって遮蔽され得るために、ハ
ンドオーバのきっかけとなる信号品質の降下が急激におよび破局的に起こり得る
(たとえば「コーナー効果」)。この状況では、元基地局との通信は突然失われ
、元基地局に送られるハンドオーバ要求に依拠するハンドオーバ手順ができなく
なるおそれがある。この状況に対処するための方策が提案されているが、たとえ
ば基地局との通信が失われたときに移動局はフォワードハンドオーバを試み、す
なわちこれは標的基地局との接触を試み、かつネットワークは標的基地局からの
ネットワークを介した新しいルートの設定を試みる。特にネットワークがこの緊
急オペレーションに対していかなる準備もしていない場合、新しいネットワーク
経路の設定にはいくらか時間がかかるために、この方法においてはいくらかのデ
ータを失わないことはほぼ不可能である。しばしば、通信のすべてが失われる。
【0004】 代替例は、同時に1つ以上の基地局との通信を可能にすることにより、1つの
基地局との通信が突然失われても現在の通信に何ら影響を与えないものである。
ハンドオーバプロセスの間に1つ以上の基地局を介して移動局に通信を提供する
方法およびシステムは、米国特許第5,625,876号に開示される。このシ
ステムを用いると、元基地局から標的基地局へのハンドオフは、移動局とエンド
ユーザとの間の通信を中断しない。このタイプのハンドオーバは、元基地局との
通信が終了する前に標的基地局との通信が確立されるという点において、「ソフ
ト」ハンドオーバと考えることができる。移動局が2つの基地局と通信している
場合、基地局の各々からの信号からエンドユーザに対する単一の信号が、セルラ
ーまたはパーソナル通信システムコントローラによって、生成されるであろう。
【0005】 たとえばCDMAシステムなどの、移動局がいくつかの基地局と同時に通信す
るシステムにおいては、移動局に支援されるハンドオフは、移動局によって測定
される、基地局の複数の組からのビーコン信号またはパイロット信号の信号強度
に基づいて動作し得る。アクティブ局セットとは、これを通してアクティブな通
信が確立される基地局の組である。隣接局セットとは、妥当な品質の通信を支持
するために十分なレベルのパイロット信号強度またはビーコン信号強度を有する
可能性が高い基地局を含んだ、アクティブ基地局を取囲む基地局の組である。候
補局セットとは、通信を確立するために十分なレベルのパイロット信号強度また
はビーコン信号強度を有する基地局の組である。
【0006】 初期に通信が確立されるとき、移動局は第1の基地局を介して通信し、アクテ
ィブ局セットは第1の基地局のみを含む。移動局は、取囲む基地局のパイロット
信号強度またはビーコン信号強度を監視するが、これらの各々はアクティブ局セ
ット、候補局セットまたは隣接局セットに割当てられている。隣接局セット内の
基地局のパイロット信号またはビーコン信号が、予め定められたしきい値レベル
を超えたとき、この基地局は候補局セットに加えられ、移動局の隣接局セットか
ら除去される。移動局は、新基地局を識別するメッセージを元基地局に通信する
。セルラーまたはパーソナル通信システムコントローラは、新基地局と移動局と
の間の通信を確立するべきか決定する。セルラーまたはパーソナル通信システム
コントローラがそうすることを決定した場合、セルラーまたはパーソナル通信シ
ステムコントローラは、移動局についての識別情報と、これとの通信を確立する
コマンドとを備えたメッセージを新基地局に送る。メッセージはまた、元基地局
を介して移動局にも伝送される。メッセージは、元基地局と新基地局とを含む新
しいアクティブ局セットを識別する。移動局は情報信号を伝送した新基地局を探
索し、元基地局を介した通信を終わらせることなく新基地局との通信が確立され
る。このプロセスは、付加的な基地局にも続けられる。
【0007】 移動局が多数の基地局を介して通信しているとき、これはアクティブ局セット
と、候補局セットと、隣接局セットとの基地局の信号強度を監視し続ける。もし
アクティブ局セットの基地局に対応する信号強度が予め定められた期間において
降下した場合、移動局はメッセージを生成し伝送して事象を報告する。セルラー
またはパーソナル通信システムコントローラは、移動局が通信している少なくと
も1つの基地局を介して、このメッセージを受取る。セルラーまたはパーソナル
通信システムコントローラは、弱いパイロット信号強度またはビーコン信号強度
を有する基地局を介した通信を終わらせることを決定し得る。
【0008】 セルラーまたはパーソナル通信システムコントローラは、基地局を介した通信
を終わらせると決定すると、基地局の新しいアクティブ局セットを識別するメッ
セージを生成する。これを介して通信が確立される基地局は、メッセージを移動
局に送る。セルラーまたはパーソナル通信システムコントローラはまた、関連の
基地局に情報を通信して移動局との通信を終わらせる。移動局通信はこうして、
新しいアクティブ局セット内で識別される基地局を介してのみ経路選択される。
セルラーまたはパーソナル通信電話システムにおいては、処理し得る同時電話通
話数の見地からシステムの能力を最大化することもまた、非常に重要である。も
し移動局が同時にいくつかの基地局と通信していれば、たとえば基地局がいくつ
かの異なったセルの境界に接近しているときには、さらなる無線およびネットワ
ーク資源が占有されて、システムの全体的な能力が減じられる。したがって、無
線能力を占有する、同じデータの同時通信の数を制限することは有利である。さ
らにセル境界に接近する高ビットレートの高優先性移動局は、少ない通信チャネ
ルのために高いパワーで動作し得る。この高パワー信号は、標的セル内のノイズ
レベルを顕著に増大させるおそれがある。一般的に、標的基地局からの移動局の
高速パワー制御は、ソフトハンドオーバの完了後にのみ有効である。この遅延の
間に、標的セル内のユーザは劣った通信品質を受信し、および/またはそれらの
通話が失われるかもしれない。
【0009】 移動体セルラー電話システムがより高性能になるにつれ、ハンドオーバ要件も
またより複雑化した。特に、移動体電気通信システムによって支持される通信の
種類は増加しており、これらの通信の要件は広く異なり得る。いずれの通信にお
いても重要なパラメータとは、その緊急性、すなわちどれほど素早くハンドオー
バが起こらなければならず、かつどれほどの遅延または中断が許容可能であるか
と、さらに、その帯域幅と、その最低限のまたは好ましい信号品質と、そのデー
タレートと、その優先性、すなわちその通信がより重要度の低いメッセージより
も優先される特別なサービスであるか、とであろう。従来、たとえば電話通話な
どのある種のデータは、通信の損失または遅延のほとんどない非常に速いハンド
オーバを必要とすると考えられてきている。しかしながら、インターネット電話
の使用の増加は、顕著な費用削減があるとすれば音声通信における遅延は許容可
能であり得ることを示す。さらに、ボイスメールの使用が増加している。電話ユ
ーザの中には、固定電話を発信のためにのみ使用し、すべての着信をボイスメー
ルに切換えて通信の開始を望むまで邪魔されないようにする者もいる。ボイスメ
ールに関しては、音声情報が正確に記録されることのみが必要であり、厳密にい
つそれが届いたのかはそれほど重要ではない。これらの音声通信における変化は
、移動体通信ネットワークオペレータによって異なったレベルのサービス、たと
えば高度な緊急性と優先性とを備えた高料金の音声通信および、デュプレクス通
信における遅延が起こるおそれがあるがこれを受入れられなければならない低料
金の通信、などを提供し得ることを意味する。他方で、ある種のデータ伝送は、
ハンドオーバの間に中断があった場合に大きな悪影響を受ける。また、異なった
種類の音声またはデータ伝送、たとえばビデオ、コンピュータファイルのダウン
ロード、音声またはファックス、に対する帯域幅は、広く変動し得る。したがっ
て、いずれの特定の伝送にも必要となり得る、いくつかの異なったサービス品質
(QoS)が存在する。ハンドオーバの間に現在の伝送に要求されるQoSはハ
ンドオーバ決定に影響を与えるパラメータのうちの1つ、すなわち新しい経路が
必要なQoSを支持できるか、であり得る。新しい経路に対するQoSのチェッ
クには、標的基地局からネットワークを介したエンドユーザまでの新しいルート
の特性についての知識が必要となり、それによりこれが最低限のQoSまたは現
在の伝送の現在のQoSを満たすかどうかを判断する。ハンドオーバ判断の精度
がこのように高まることは、複雑性と、うまく完了させるためにとられる時間と
を増大させる。たとえば、既存の伝送のQoS要件の1つがその優先性であれば
、すなわちそれが古いセルまたは新しいセルでの他の伝送よりも高い優先性を有
していれば、標的セル内のより優先性の低い通信を終わらせることが必要になる
か、または高い優先性の通信自体がハンドオーバできるようになる前に、これら
を別のセルにハンドオーバさせるように準備することが必要になり得る。
【0010】 以上を要約すると、優先性、緊急性、帯域幅、セルまたはパケット遅延などの
QoS要件に対処可能であり、かつ実現化が容易である非常に速いハンドオーバ
に対する必要性がある。
【0011】
【発明の概要】
この発明は、移動局がエアインターフェイスを介して基地局と通信可能であっ
て、通信ネットワークが設けられて基地局の各々を1つ以上のノードを介してネ
ットワーク内で他のポイントとリンクさせる、電気通信システムを動作させるた
めの方法を含み、他のユーザ端末への通信は、システムの複数の現在のノードを
介して1つ以上の現在の基地局と移動局との間の1つ以上の無線リンクによって
支持されており、方法は、通信を支持する通信ネットワークの現在のノードの少
なくともいくつかを明確に規定する情報を移動局に与えるステップと、移動局と
標的基地局との間へのさらなる無線リンクの設定に備えて、移動局が、通信を支
持する通信ネットワークの現在のノードの少なくともいくつかを明確に規定する
情報を標的基地局に伝送するステップとを含む。方法はまた、情報に明確に規定
されるノードの1つから標的基地局への新しい経路を設定し、こうして古い通信
経路の一部を再利用するステップをも含む。明確な情報は、たとえばノードのア
ドレスまたはアドレスのエイリアスを含み得る。
【0012】 この発明はまた、移動局が無線リンクをわたって基地局と通信する電気通信シ
ステムをも含み、該電気通信システムは、 基地局の各々を、1つ以上のノードを介してネットワーク内の他のポイントに
リンクさせるための通信ネットワークと、1つ以上の無線リンクを介して1つ以
上の現在の基地局に接続され、かつネットワークの複数の現在のノードを介する
、移動局と別のユーザ端末との間の通信とを含み、移動局と標的基地局との間へ
のさらなる無線リンクの設定に備えて、移動局は、通信を支持する通信ネットワ
ークの現在のノードの少なくともいくつかを明確に規定する情報を標的基地局に
伝送するよう適合される。明確な情報は、たとえばノードのアドレスまたはアド
レスのエイリアスを含み得る。
【0013】 この発明は、移動局がエアインターフェイスを介して基地局と通信可能であっ
て、通信ネットワークが設けられて基地局の各々を1つ以上のノードを介してネ
ットワーク内で他のポイントとリンクさせる、電気通信システムを動作させるた
めの方法を含み、別のユーザ端末への通信は、システムの複数の現在のノードを
介して1つ以上の現在の基地局と移動局との間の1つ以上の無線リンクによって
支持されており、方法は、移動局にその移動局に対する予め認証されたリファレ
ンスデータを与えるステップと、予め認証されたリファレンスデータを、通信を
支持する通信ネットワークの現在のノードの少なくともいくつかに、コピーする
ステップと、移動局と標的基地局との間へのさらなる無線リンクの設定に備えて
、移動基地局が、予め認証されたリファレンスデータの少なくとも一部を標的基
地局に伝送するステップとを含む。
【0014】 この発明はまた、移動局が無線リンクをわたって基地局と通信する電気通信シ
ステムをも含み、該電気通信システムは、 基地局の各々を、1つ以上のノードを介してネットワーク内の他のポイントに
リンクさせるための通信ネットワークと、1つ以上の無線リンクを介して1つ以
上の現在の基地局に接続され、かつネットワークの複数の現在のノードを介する
、移動局と別のユーザ端末との間の通信とを含み、システムは、移動局にその移
動局に対する予め認証されたリファレンスデータを与え、かつ通信を支持する通
信ネットワークの現在のノードの少なくともいくつかに予め認証されたリファレ
ンスデータをコピーするように適合され、移動局と標的基地局との間へのさらな
る無線リンクの設定に備えて、移動局は、標的基地局に予め認証されたリファレ
ンスデータの少なくとも一部を伝送するよう適合される。
【0015】 この発明は、移動局がエアインターフェイスを介して基地局と通信可能であっ
て、通信ネットワークが設けられて基地局の各々を1つ以上のノードを介してネ
ットワーク内で他のポイントとリンクさせる、電気通信システムを動作させるた
めの方法を含み、他のユーザ端末への通信は、システムの複数の現在のノードを
介して1つ以上の現在の基地局と移動局との間の1つ以上の無線リンクによって
支持されており、方法は、移動局と標的基地局との間へのさらなる無線リンクの
設定に備えて、さらなる無線リンクを支持するネットワークを通る経路が完成す
る前に、標的基地局が移動局の高速パワー制御を開始するステップを含む。
【0016】 この発明はまた、移動局が無線リンクをわたって基地局と通信する電気通信シ
ステムをも含み、該電気通信システムは、 基地局の各々を、1つ以上のノードを介してネットワーク内の他のポイントに
リンクさせるための通信ネットワークと、1つ以上の無線リンクを介して1つ以
上の現在の基地局に接続され、かつネットワークの複数の現在のノードを介する
、移動局と別のユーザ端末との間の通信とを含み、移動局と標的基地局との間へ
のさらなる無線リンクの設定に備えて、標的基地局は、さらなる無線リンクを支
持するネットワークを通る経路が完成する前に、移動局の高速パワー制御を開始
するよう適合される。
【0017】 この発明はまた、移動局が無線リンクをわたって基地局と通信する電気通信シ
ステムにおいて用いるための移動局も含み、移動局は、移動局と標的基地局との
間へのさらなる無線リンクの設定に備えて、標的基地局に既存の通信を支持する
通信ネットワークの現在のノードの少なくともいくつかを明確に規定する情報を
伝送するよう適合される。
【0018】 この発明はまた、移動局が無線リンクをわたって基地局と通信する電気通信シ
ステムにおいて用いるためのネットワーク要素をも含み、ネットワーク要素は、
既存の通信を支持する通信ネットワークの現在のノードの少なくともいくつかを
明確に規定する情報を受取り、かつ移動局と標的基地局との間へのさらなる無線
リンクの設定に備えて、明確な情報からさらなるネットワーク要素との通信経路
を設定するよう適合される。
【0019】 実施例間で関連する技術的なコンセプトは、ハンドオーバ時間を減じおよび/
または高速パワー制御をできるだけ早く開始することにより、1つのセルの境界
に近接する移動局の、隣接するセルに対して妨げとなるおそれのある影響を制限
することである。ハンドオーバ時間は、移動局から標的基地局へ既存の通信を支
持するノードを規定する明確な情報を伝送することにより、および/または標的
基地局へのハンドオーバ要求において予め認証されたシグネチャを使用してネッ
トワークローカルの一部においてシグネチャの確認を可能にすることにより、減
じることができる。この発明によるいずれのシステム、ネットワーク要素または
方法においても、既存の通信を支持するノードを規定する明確な情報は、階層的
電気通信ネットワークの少なくとも2つのレベルを規定する明確な情報を含むこ
とが好ましい。現在の通信のノードへの明確なリファレンスは、標的基地局への
部分的に新しい経路の即時の設定を可能にする一方、通信の既存の経路の好適な
使用を維持する。
【0020】 通話を支持する既存のノードに関連の情報は、たとえばハンドオーバ手順、通
話再確立手順などのいくつかの手順の一部として用いることができ、これにより
移動局の候補局セットのメンバーがアクティブ局セットに加えられるべきか、ま
たは移動局の隣接局セットのメンバーが候補局セットに加えられるべきかを判断
する。
【0021】 この発明を、以下の図面を参照して説明する。
【0022】
【例示的な実施例の説明】
この発明を、特定の実施例と図面とを参照して説明するが、この発明はこれに
限定されず、特許請求の範囲によってのみ限定される。特に、この発明を主にハ
ンドオーバ手順に関連して説明するが、この発明は、移動局とその現在の基地局
との間の通信チャネルの損失の後の通話再確立、またはどの標的基地局が移動局
のアクティブ局セット内に含まれるべきかを判断するためにも適用可能である。
さらに、この発明を主にセルラー移動体電気通信システムに関連して説明するが
、この発明はこれに限定されず、たとえばDECTなどのコードレス電気通信シ
ステムなどの、ネットワークを介して送受信基地局にメッセージを経路選択する
、いずれの移動体電気通信システムにも適用し得る。
【0023】 この発明の第1の実施例を、セルラー移動体電話システム10の概略的な図で
ある図1を参照して説明する。これは第1のネットワーク20を含んでもよく、
これは複数の基地局21〜23へ経路選択する通信を提供し、各々は無線カバレ
ッジ領域または「セル」を有する。ネットワーク20は、いずれの移動局33、
34といずれの移動局との間の通信を設定可能にするか、または既存の公衆また
は私的移動体電話ネットワーク、PSTN、商業的なデータネットワークなどの
、固定配線または移動体電話ネットワーク50、60内の他のいずれのユーザと
の通信を設定可能にするために必要な、制御および実行ユニットを含む。ネット
ワーク10の一部は、コアネットワークまたはバックボーンネットワーク40を
含み、通話をネットワーク20、50および60との間で経路選択する。
【0024】 既存の通話が、ネットワーク60に関連の固定局62と移動局33との間に設
定されていると仮定する。通信経路は、ネットワーク60、ネットワーク10お
よびネットワーク20を横切るが、それによりスイッチングノード31はネット
ワーク20へのゲートウェイスイッチである。スイッチ26、27および28と
、基地局22と、基地局22と移動局33との間の無線エアインターフェイスと
は通信を支持する。もし移動局33がここで基地局23の無線カバレッジ領域3
7に移動すると、通信を基地局22から基地局23へハンドオーバすることが必
要になる。ネットワーク20内で基地局23からゲートウェイスイッチ31への
新しい経路を設定する、さまざまな可能性があるために、これらのルートのいく
つかは設定するための時間が他のものよりもかかる(スイッチでのより多くの再
経路選択手順を含む)可能性があり、いくつかは限定された品質のサービス、た
とえば帯域幅、パケット遅延、しか提供しない。ハンドオーバ時間を最小限に減
じるために、ネットワーク20において最適化された新しいルートが好ましくは
決定され、かつ必要な場合にはハンドオーバの完了前に資源が割当てられ同期さ
れ、それにより古いルートの少なくとも一部は可能な場合にいつでも再利用され
る。この発明によると、一連のスイッチングノード31、26、27、28の少
なくとも一部は、基地局23からゲートウェイスイッチ31への新しいネットワ
ーク接続において好ましく再利用される。基地局22への現在の通信を支持する
現在のルートのうち再利用可能なものが多ければ、基地局23への新しいルート
に存在する新しいスイッチングノードを介する通信を設定するために必要な時間
は減じられるが、そのような新しいルートはより長いか、または別のルートより
も多くトラフィック問題を引起すおそれがある。よって、最適な新しいルートは
、異なった潜在的なコンフリクト要件の間での選択を含むであろう。新しいルー
トをネットワーク20内で選択して1つのセルから別へのハンドオーバを支持す
るための、さまざまな既知の方法が存在する。1つの技術は、ハンドオーバ要求
を移動局33から元基地局22に送り、ハンドオーバの標的基地局となるべき基
地局23の指標の付与に関わる。移動局33は、ネットワーク20に23のよう
な標的基地局からの移動局33によって受信された信号の信号強度または信号品
質の指標を付与することにより、どの基地局がハンドオーバに対して最も好適で
あるかを判断する支援ができる。これに代えて、移動局33はそれ自体の測定に
基づいて標的基地局を判断するために十分な情報を備えてもよい。移動局33か
ら元基地局22へのハンドオーバ要求送信に関わるいずれのハンドオーバ決定ア
ルゴリズムも、移動局33が旧基地局との通信を失う問題を有する。たとえば、
もし移動局33がハンドオーバが要求されるポイントに近接していれば、基地局
22の信号強度および伝送の品質は劣るであろう。広い大都市地域では、シャド
ーイング効果の結果、元基地局22との通信を瞬時に一時的に失うおそれがある
が、これは通信全体を失うリスクを伴う。他方では、移動局33が基地局23に
向かって移動して、基地局23からの信号強度および品質は向上し続けることが
予測される。この発明の一実施例によると、移動局33が元基地局22にハンド
オーバ要求を送るよりも、標的基地局23に送る方が好ましい。さらにこの発明
によるとハンドオーバを加速するために、移動局33はハンドオーバ要求内で基
地局23に情報を送るが、これは現在の通信の支持に関わるネットワーク20の
スイッチングノード26〜28および31の少なくともいくつかを明確に規定す
る。この情報はネットワーク20によって用いられて、スイッチングノード26
、27または28の1つから基地局23への必要な経路の最適な新しい部分を判
断する一方で、残りのネットワークを再利用することができる。さらにこの発明
の別の実施例によると、移動局はハンドオーバ要求とともに、予め確認され認証
されたシグネチャを送ってもよい。現在の通信を支持するネットワーク20のノ
ードに、移動局33によって使用可能であるシグネチャが通知されるので、移動
局の確認および認証のための時間が減じられる。
【0025】 再利用可能な、古い通信経路内の最後のスイッチであるスイッチは、「クロス
オーバスイッチ」と呼ばれる。この発明によると、現在の通信に関わるスイッチ
ングノードを特定するハンドオーバ要求内の情報は、既存の通信で使用されるバ
ーチャル接続またはリンクのみへのリファレンスであるよりも、潜在的なクロス
オーバスイッチであるこれらのノードへの明確なリファレンスであるべきである
。たとえば、この発明によるとスイッチングノード26、27、28および31
のネットワークアドレスまたはアドレスのエイリアスのリストは、移動局33か
ら標的基地局23へハンドオーバ要求とともに伝送されてもよい。アドレスを標
的基地局に送る目的は、ネットワークに、現在の通信に関わるスイッチングノー
ドを直ちに識別させ、かつノード26、27、28および31のいずれかが、ネ
ットワーク20を通る基地局23への潜在的な新しいルート上に存在するか否か
を確かめさせることである。特に、ネットワーク20は、既存の伝送経路内のノ
ード26−28、31が、これらの伝送されたアドレスのリストから、基地局2
3への経路の新しい部分の始まりであることが可能か、または始まりであるべき
かを判断できる。基地局23への経路の新しい部分は、クロスオーバスイッチか
ら設定されねばならないために、この発明のこの実施例によると、移動局33に
よって標的基地局23にアドレスが伝送されたノードは、ネットワーク20を通
ってそのような新しい経路を設定できるスイッチであることが好ましい。この発
明によると、移動局33は現在の通信に関わるすべてのスイッチングノードのア
ドレスを伝送する必要はない。たとえば、クロスオーバスイッチとしての役割を
果たし得るスイッチのアドレスのみが伝送され得るが、これはすべてのスイッチ
が伝送を再経路選択可能ではなく、よって潜在的なクロスオーバスイッチとして
好適ではないためである。
【0026】 この発明の第1の実施例の例として、ATM(非同期転送モード)ネットワー
ク20におけるシームレスのハードハンドオーバを説明するが、この発明はこれ
に限定されるものではない。通信伝送の正確な形は、インターネットプロトコル
(IP)、移動体IP、ATMまたは他のいずれのプロトコルであっても、この
発明の詳細な実現化例に大きく影響を与えるであろうが、この発明を限定するも
のではないことが予想される。
【0027】 ATMネットワークにおいては、通信は離散した「パケット」または「セル」
に分割され、それにより以下のワードパケットを用いてこれらの通信セルとジオ
グラフィカルセルとの間の混乱を避ける。パケットの各々は、ネットワーク20
を通って一度に1つずつ送られる。接続の各々を最適に使用するために、多くの
異なった通話者からのパケットはネットワーク内の同じ通信リンクを同時に共有
し、よって何らかの方法によってパケットの各々が互いから区別されることが必
要となる。ATMパケットは、情報の2つの組またはフィールドに分割される。
一方のセットは、ユーザが伝送しようと意図する情報であり、他方のセットは「
ヘッダ」と呼ばれる。より複雑なスイッチング技術が用いられる場合に付加的な
フィールドを加えてもよい。ヘッダは、バーチャルチャネル識別子(VCI)を
含む、経路選択情報を含む。VCIは、パケットに割当てられた表示であり、こ
れによりATMスイッチが、パケットを受取ったスイッチポートに基づいて、次
にパケットをどこへ送るべきかを知ることができる。従来のATMスイッチは、
いくつかの入力および出力ポートを有する。ATMスイッチは、入力ポートと、
入力ポートに対するVCIと、出力ポートと、出力ポートに対するVCIとの記
録を、たとえば「ルックアップテーブル」につける。考えられる入力ポートと入
来するVCIとの組合せごとに、ルックアップテーブルにプログラムされた対応
の出力ポートおよび退出VCI組合せが存在する。ATMスイッチが所与のポー
トでパケットを受取ると、ATMスイッチは受取ったパケットに対応する入来V
CIと入力ポートとを有する、ルックアップテーブル内の行を見つける。次いで
ATMスイッチは、パケットを同じ行に存在する出力ポートに切換えるかまたは
経路選択し、パケットヘッダ内の入来VCIを退出(outgoing)VCIと置換え
る。
【0028】 この発明によると、移動局21〜23間の通信のために用いられるATMパケ
ットのヘッダが、その移動局に対する識別子すなわち1つのシグネチャまたは複
数のシグネチャを含むことが好ましい。安全なシグネチャを生成するための方法
は、当業者には既知である。この発明によると、移動体電気通信システム内の好
適な認証ユニットから多数の安全なシグネチャが移動局に提供され、このシグネ
チャのリストは、移動局21〜23間の通信を支持するネットワーク20のすべ
てのノードに通信されてもよい。この発明によると、潜在的なクロスオーバスイ
ッチとして好適である、ネットワーク20内のATMスイッチは「スイッチ再ル
ータ」と呼ばれる。これらのスイッチ再ルータは、パケットを再経路選択する能
力、すなわちパケットに異なったVCIを付与しかつこれを同じ通信の先行のパ
ケットとは異なったポートへ送ることができる能力を有する。この発明の一実施
例によるスイッチ再ルータ27を図2に概略的に示す。スイッチ再ルータ27は
、ハンドオーバの間のバーチャルチャネル接続の再経路選択を行なう。これは入
力ポート55と出力ポート56とを有するのはATMスイッチである。スイッチ
再ルータ27の入力ポート55ごとに、スイッチのルックアップテーブル58へ
の読取/書込アクセスを有するモニタ/比較器57が存在する。テーブル58内
には、バーチャルチャネル接続を、入来および退出VCIと、接続の入来および
退出スイッチポートとに関連させる情報をストアするだけでなく、接続を用いる
移動局33の1つのシグネチャまたは複数のシグネチャをも任意でストアしても
よい。図4に、この発明によるATMスイッチ再ルータ内のルックアップテーブ
ルを含むこの実施例の実現化例の1例を示すが、この発明はこの実施例の実現の
方法としてルックアップテーブルのみに限定されるものではない。図2から図4
を参照すると、移動局ユーザ33が基地局22を介して通信している時に、ネッ
トワーク20を通って基地局22からゲートウェイスイッチ31にバーチャルチ
ャネル接続が確立される。通信が設定されると、移動局33のシグネチャまたは
シグネチャのリストは、通話を支持するネットワークのすべてのノード、たとえ
ば基地局22、スイッチ28などにネットワーク20によって通信され、シグネ
チャまたはシグネチャのリストは、そのようなノードごとのルックアップテーブ
ル内の、通信のバーチャルチャネル表示VCI(図4A)を含む行に書込まれる
。基地局22を離れた通信は、基地局22によってバーチャルチャネル識別子V
C1を割当てられる。パケットは、出力ポート70を介して、(通常のATMス
イッチである)スイッチ28の入力ポート66に伝送される。スイッチ28はパ
ケットの各々のヘッダからVC1を読取り、VC1と入力ポート66とを探索パ
ラメータとして用いてそのルックアップテーブル(図4A)を調べ、パケットの
各々にバーチャルチャネル識別子VC3を割当て、ATMスイッチ再ルータ27
にどこから通信が来ていて、パケットの最終目的地がどこであるかを通知する。
パケットはスイッチ28の出力ポート64を介してATMスイッチ再ルータ27
の入力ポート62に伝送される。ATMスイッチ再ルータ27のモニタ/比較器
57は、VC3を読取り、そのルックアップテーブル(図4B)を調べ、これが
アクティブな通信であることを意味する「可能化された」フラグが「1」に設定
されているかチェックする。次いでパケットはバーチャルチャネル識別子VC4
を割当てられて、次のスイッチ26にパケットの宛先を指示する。
【0029】 外部のネットワーク22から基地局22に運ばれるパケット通信は、バーチャ
ルチャネル識別子VC1とともにスイッチ26から入力ポート73でATMスイ
ッチ再ルータ27に到着する。入力ポート73でのモニタ/比較器57は、その
ルックアップテーブルを調べ、VC2のバーチャルチャネル識別子を割り当てて
スイッチ28にパケットの宛先は基地局22であることを示し、「可能化」フラ
グが「1」(図4B)に設定されているかチェックする。パケットは出力61を
通って離れ、スイッチ28の入力ポート63から入る。スイッチ28はVC2を
読取り、そのルックアップテーブル(図4A)を調べた後でパケットにバーチャ
ルチャネル識別子VC0を与え、これは出力ポート65に切換えられ、入力ポー
ト69を介して基地局22に伝送される。
【0030】 この発明のこの実施例に従うと、ゲートウェイスイッチ31とベースステーシ
ョン22との間で送られる特定のメッセージは、そのヘッダに符号を含み、これ
は各スイッチ再ルータ27内のモニタ/比較器57によって読取られ、これによ
りスイッチ再ルータ27の各々にそれら自身のネットワークアドレスまたはその
アドレスのエイリアスをメッセージに含ませ、かつこれを基地局22への確立さ
れた通信経路に沿って転送させる。よって、基地局22はこのメッセージを介し
て、現在の通信の通信経路に沿ったすべてのスイッチ再ルータのアドレスまたは
エイリアスのリストを受取る。基地局22は次いで、現在の経路上の現在のスイ
ッチ再ルータのアドレスのリストを、エアインターフェイスを介して移動局33
に伝送する。移動局33はこの情報をストアする。通常のATMスイッチであっ
てスイッチ再ルータではない、ルートに沿ったスイッチはモニタ比較器57を有
さず、したがってアドレス問合せ信号に反応せず、かつそれらのアドレスは移動
局33に送られるアドレスのリストには含まれないことに留意されたい。同様に
、アドレス問合せ信号は、基地局22からゲートウェイ31へ通話設定の一部と
して、伝送され、この経路に沿ったスイッチ再ルータのアドレスのリストはゲー
トウェイ31にストアされる。
【0031】 この発明の実施例においては、通話ハンドオーバは移動体ユーザ33によって
開始される。ハンドオーバ手順は、いくつかの手段のいずれによって開始されて
もよい。たとえば、移動局33はその近傍の基地局の各々からのパワーを監視し
て、元基地局から受取った信号強度がQoSのより低いしきい値に近づき、かつ
少なくとも1つの他の基地局から、受容可能なより高いパワーレベルが検出され
たときに、いつでもハンドオーバを開始することができる。移動局33は次いで
ハンドオーバ要求を選択された標的基地局23に伝送する。ハンドオーバ要求は
、移動局33の現在のシグネチャ、現在の通信を支持するスイッチ再ルータ26
、27のアドレスのリスト、任意で既存の通信の最低限のおよび/または現在の
QoS、たとえば帯域幅、緊急性、最大パケット遅延、優先性の、定義を含んで
いてもよい。基地局23は、ネットワークに関連する十分なトポロジー情報と、
処理パワーとを与えられ、リストに含まれる1つ以上のスイッチ再ルータ26、
27がこの基地局に対する通常の通信経路上に存在するか否かを判断する。任意
で、基地局23はまたネットワーク20のトポロジーに対する十分な情報を有し
てもよく、これにより基地局23と、伝送されたアドレスのリストに含まれる1
つ以上のスイッチ再ルータ26、27との間の、スイッチングノードの長さと数
とを求めることができるようにしてもよい。さらに、基地局23は移動局のシグ
ネチャがネットワークへアクセスできるかを確認することができる。好ましくは
、基地局23はこれを求めるために、認証センターのような集中ネットワーク要
素に対して問合せ要求を行なう必要がない。代わりに、時間節約の理由から、ネ
ットワークにキャンプしているかネットワークと通信している移動局のすべての
シグネチャの現在のリストが基地局の各々に伝送されることにより基地局23が
シグネチャが可能化されているか直ちに判断できるか、または好ましい方法とし
ては、基地局が関連のスイッチ再ルータに新しい経路を設定するよう要求したと
きに、移動局33のシグネチャが確認されることが好ましい。基地局23は、適
切なアルゴリズムに応じて、たとえば基地局23とクロスオーバスイッチとの間
の最小限の数のホップでのルート、または他のいずれの好適な方法によって、ハ
ンドオーバのためのクロスオーバスイッチとしてスイッチ再ルータ26、27の
1つを選択する。適切なクロスオーバスイッチ、たとえばスイッチ再ルータ27
を選択すると、基地局23は信号をスイッチ再ルータ27に送ってスイッチ27
と基地局23との間に経路を設定し、それにより必要な資源をこの新しい経路に
確保し、かつ移動局33から基地局23への伝送に備えて同期する。この基地局
23からの信号は、移動局33からの現在のシグネチャを含むが、これにより信
号がクロスオーバスイッチ27に到着したとき、スイッチ再ルータ27は、この
シグネチャが先立ってネットワークによってこのスイッチ再ルータ27に通信さ
れたために、既にルックアップテーブルにこれが存在しているか否か、そのルッ
クアップテーブルから判断する。もし存在していれば、スイッチ再ルータ27は
新しい経路を設定する。もし存在しなければ、スイッチ27は基地局23に「移
動体非認証」のメッセージを送り、基地局23は移動局33に「ハンドオーバ要
求拒絶」信号を送るか、または基地局23はネットワーク20からの認証を従来
の方法で要求する。スイッチ再ルータ27がそのルックアップテーブル内にシグ
ネチャを発見したと仮定すると、これはルックアップテーブルから、どのバーチ
ャル接続および入力および出力ポートが再経路選択されるべき通信に関わってい
るか、判断する。次いでスイッチ再ルータ27は、基地局22への通信と並行に
、基地局23への通信経路を設定する。たとえば、スイッチ再ルータ27はスイ
ッチ24への通信を設定し、それにより入力ポート73で受取られたパケットは
出力ポート60を介して伝送されるが、スイッチ24に対して通信が基地局23
へのものであることを示すVC7のVCIを与えられる。この通信はこの時アク
ティブではないために、「可能化」列は「0」に設定される。同様に、ポート5
9に到着する、VC5のVCIを備えスイッチ24を介する基地局23からの入
来パケットは、VC4のVCIを与えられて、スイッチ26に対してこれらのパ
ケットがゲートウェイ31に対するものであることを示す。これはまだアクティ
ブな通信ではないことから、再び可能化列はルックアップテーブル内で「0」に
設定される。この手順が完了すると、スイッチ26は基地局23に完了を通知し
、基地局23は移動局33にハンドオーバ要求の応答する。
【0032】 移動局33がハンドオーバ要求応答を受取ると、これはハンドオーバコマンド
を基地局23に送る。基地局23は、現在この接続に関連付けられているVCI
を用いて、ハンドオーバコマンドをクロスオーバスイッチ27に伝送する。クロ
スオーバスイッチ27がハンドオーバコマンドを受取ると、これは基地局23を
介して移動局33に対しコマンドの応答をし、かつ既存の通信を現在の出力ポー
トから新しい出力ポートに切換える。これは、可能化された接続を不能化し、可
能化されていない接続を可能化させるよう変化させることにより、これを行なう
。すなわち、ルックアップテーブル(図4B)のエントリは「1」から「0」へ
変更され、逆もまた同じである。同時に、移動局33は基地局23を介して通信
を開始し、ハンドオーバが完了したという制御メッセージを送る。ハンドオーバ
完了メッセージはスイッチ27に送られ、これは古い通信経路のスイッチ28に
通信を切断するよう命令する。ネットワーク20は、これで移動局33を含む新
しい通信経路のノードの各々の中の、移動局33に対するシグネチャまたはシグ
ネチャのリストを更新してもよく、それによりこの新しい通信を設定するために
用いられた古いシグネチャは削除され、ハンドオーバ要求とともに移動局33に
よって平文(in clear)で送られたシグネチャを受信した他人によって使用され
ないようにする。
【0033】 もし標的基地局23が移動局によって伝送される現在の経路上のスイッチ再ル
ータのアドレスのいずれをも認識しなければ、ハンドオーバ要求は次のより高い
スイッチに転送され得るが、これはスイッチがその通常の通信パターン内の伝送
リストで挙げられたスイッチ再ルータの1つに到達するまで続けられる。これに
代えて、もし標的基地局23が移動体によって伝送される現在の経路上のスイッ
チ再ルータのアドレスのいずれをも認識しなければ、完全に新しい経路の設立が
開始され得る。
【0034】 この実施例の変形によると、移動局33は任意で同時に少なくとも2つ以上の
基地局と通信してもよい。これはたとえば、それ自体の基地局の無線セル内には
存在しない移動局からのハンドオーバ要求を探索しかつ同期するように特定的に
割当てられた、基地局ごとの別々の受信機による、ヨーロッパのGSM移動体電
気通信ネットワークなどの、FDMA/TDMAシステムによって行なわれる。
これに代えて、米国特許第5,483,668号または米国特許第5,577,
047号に開示されるような技術を用いて、同時に2つの基地局と通信する機能
を移動局に与えてもよい。これに代えて、移動局が同時に1つ以上の基地局との
通信を支持し得る、CDMAまたはTDMA/CDMAシステムまたは同様のシ
ステムを用いてもよい。
【0035】 この発明の第2の実施例を、図5から図7を参照して説明する。第2の実施例
は、移動局114、119が1つ以上の基地局101−103、106−108
、111−113、116−118と無線エアインターフェイス上の無線リンク
を介して同時に通信し得る、移動体電気通信ネットワーク100を含む。例とし
て、通信システム100は、たとえばCDMA、FDMA/CDMA、TDMA
/CDMAまたはFDMA/TDMA/CDMAシステムなどの、スペクトル拡
散アクセス方法を移動局114、119に対して用いてもよく、特に直接スペク
トル拡散技術を用いるいかなるシステムを用いてもよい。典型的には、基地局1
01−103、106−108、111−113、116−118の基地局の各
々は、いずれの移動局によっても処理され得るビーコン信号またはパイロット信
号を伝送する。例示的なCDMAシステムにおいては、基地局の各々は他の基地
局のパイロット信号からは符号位相においてオフセットである、共通のPN拡散
符号を有するパイロット信号を伝送する。システム動作の間、移動体ユニットは
、これを通して通信が確立される基地局を取囲む隣接基地局に対応する符号位相
オフセットのリストを与えられる。移動体ユニットは、探索要素を装備し、これ
は隣接基地局を含む基地局の群からのパイロット信号の信号強度を移動体ユニッ
トが追跡することを可能にする。パイロット信号は典型的には、初期の同期化の
ために移動局によって用いられる。
【0036】 基地局の群101−103、106−108、111−113、116−11
8の各々は、サイトコントローラ105、110、115、120によって制御
され得る。基地局101−103、106−108、111−113、116−
118の3つ組の各々は、1つのサイトの3つのセクタに対し役割を果たし得る
。サイトコントローラ105、110、115、120は基地局コントローラ(
BSC)125と通信し、これは、ネットワーク内の他のスイッチおよび公衆電
話網(PSTN)などの他のネットワークに接続し得る。特に、ネットワーク1
00はBSC125の各々が直接隣接のBSCと通信できるように構成されても
よい。BSCと、サイトコントローラと、ネットワーク内の他のスイッチとの間
での通信のために用いられるプロトコルは、この発明を限定するものとは解され
ず、かつ、たとえばIP、およびIP/TCP、ATMプロトコルまたは他のい
かなる好適なプロトコルであってもよい。各々が1つ以上のサイトコントローラ
105、110、115、120に関連するよりソフトなハンドオーバコントロ
ーラ(SHC)122、124を与えて、いくつかの基地局からの信号を組合わ
せて、全体の受信を向上させてもよい。
【0037】 図6に示すように、移動局114はソフトハンドオーバ状況において、2つの
無線リンクを介して同時に基地局102、103と通信する。こうして、基地局
102、103は移動局114のアクティブ局セット内に存在する。隣接局セッ
ト内の106などの基地局のパイロットまたはビーコン信号が、予め定められた
しきい値レベルを超えたとき、たとえば基地局106は候補局セットに加えられ
て、移動局114の隣接局セットから除去され得る。移動局114は、新基地局
106を識別するメッセージを元基地局102、103に通信し、新基地局10
6と移動局114との間に通信を確立するか否の判断がなされるか、またはこの
発明の好ましい実施例においては、移動局114が基地局106とも通信を開始
するべきか否か判断する。もし通信システム100または移動局114がソフト
ハンドオーバが必要であると判断すれば、移動局114は、移動局114につい
ての識別情報と現在の通信を支持するネットワークのノードの各々を規定する明
確な情報とをハンドオーバ要求とともに、新基地局106に送る。ハンドオーバ
要求は、現在認証されているシグネチャ、標的基地局106との通信の確立の要
求、現在の通話に関わるネットワークのノードのアドレスのリスト、および任意
で、通信の適切なQoSの詳細を含んでいてもよい。このリストは、少なくとも
サイトコントローラ105と、BSC125と、および任意でSCH105およ
び基地局102、103との、またはネットワーク内のより高いノードとのアド
レスを含む。メッセージを受信すると、基地局106は現在の通話を支持するノ
ードのアドレスのリストと、移動局114のシグネチャとを調べる。第1の実施
例に関して説明したように、106などの標的基地局はネットワークに問合せる
必要なしに移動局114のシグネチャを確認可能であることが好ましい。したが
って、予め認証されたシグネチャまたはシグネチャのリストは先立ってネットワ
ークによって現在の通信経路を支持するすべてのノードに送られ、その各々にス
トアされる。標的基地局106は、BSC125がアドレスのリストと、ネット
ワークを通るそれ自体の通常の通信経路との両方に共通であるか、すなわちBS
C125はその通信ツリーの一部であるか否かを判断する。次いで基地局106
は、BSC125に基地局106と移動局114との間に新しい無線リンクを含
む新しい経路を設定するよう命令する。コマンドは移動局114のシグネチャを
含む。BSC125は、受取ったシグネチャをこれがネットワークから先立って
受取ったシグネチャまたはシグネチャのリストと比較する。BSC125がシグ
ネチャを発見したと仮定すると、すなわち既にこれが認証されていたとすると、
BSC125はSHC122に命令してポートを利用可能にさせ、これにより基
地局106との間の通信を行なわせ、かつ基地局106との間の新しい通信と、
基地局102、103との間の通信とをソフトに組合わせる。すべての通信がS
HC122を通過しないためにこれが不可能であれば、このソフトな組合せはB
SC125において行なわれてもよい。一旦新しい経路が設定されると、標的基
地局106は、移動局114に対してハンドオーバ要求の応答をする。応答メッ
セージは、元基地局102、103および新基地局106を含む、移動局114
に対する新しいアクティブ局セットを識別するであろう。移動局114は、新基
地局106から伝送される情報信号(パイロット)を探索し、元基地局102、
103を介した通信を終わらせることなく、通信が新基地局106との間に確立
される(図7)。
【0038】 もし標的基地局106が、標的基地局106の通信ツリー内にあることが既知
である、移動局114からのアドレスのリスト内のいずれのアドレスも認識しな
ければ、代替的な手順が必要になる。標的基地局は、BSC125にハンドオー
バ要求とアドレスのリストとを渡し、次いでこれはアドレスの1つがBSC12
5に関連するネットワークノードに関係しているか、たとえば隣接BSCである
か、判断する。そうであれば、BSC125は上述のBSC−BSC直接通信リ
ンクを用いて、隣接BSCと標的基地局106とに新しい経路を設定する。もし
BSC125がいずれのアドレスも認識しなければ、ハンドオーバ要求は、アド
レスがリストの中にあるノードの1つに接続可能であるノードが発見されるまで
、ネットワークの階層的レイヤを上って送られるであろう。これに代えて、もし
好適なスイッチが予め定められた時間内に発見されなければ、従来の技術を用い
て標的基地局106への新しいルートが確立され得る。
【0039】 移動局114が2つまたはそれ以上の基地局102、103、106を通して
通信しているとき、これはアクティブ局セット、候補局セット、および隣接局セ
ットの基地局からのパイロット信号の信号強度を監視し続ける。もしアクティブ
局セットの基地局102、103、106に対応の信号強度がある期間予め定め
られたしきい値以下に降下すると、またはQoS要件にもはや適合しなくなるほ
ど信号品質が劣化すると、通信システム100は、またはより好ましくは移動局
114は、この基地局102、106を介する通信を終わらせる決定をし得る。
【0040】 この実施例の変形によると、移動局からの通信は限られた数の基地局に、たと
えば2つに同時に規制され得る。これは、同じ通信に対する無線およびネットワ
ーク資源の同時の使用を減じる。しかしながら、同時に2つの基地局しか使用さ
れていないにもかかわらず、上述の手順は潜在的な標的基地局へ設定された新し
い通信経路のいずれもが、QoS要件を満たし、かつ古い通信経路の再利用をも
含むことを確実にする。
【0041】 上述のように、この発明に従った手順は、アクティブリストのメンバーを決定
するために用いられることが説明される。第2の実施例の代替例においては、同
じ手順を用いて候補リストの新しいメンバーを決定してもよい。この場合におい
ては、隣接局セット内の基地局のパイロットまたはビーコン信号が予め定められ
たしきい値レベルを超えるとすぐに、上述と同じ手順を用いてもよい。この標的
基地局は直ちには候補局リストには加えられずに、ネットワーク内で新しい経路
を設定するための手順が、上述のように行なわれる。基地局は、既存の通話を支
持するネットワークのノードのアドレスのリストを通信に対する要求とともに標
的基地局に送り、既存のルートを再利用した標的基地局への新しい経路が設定さ
れる。こうして、この発明による手順を行なった後で、各々が現在の伝送のQo
S要件を満たし得る、ネットワークを通る並行なルートが設定されるが、古い1
つのルートまたは複数のルートのみが現在の通信を支持する。候補局リストのメ
ンバーの基地局をアクティブ局リストに入れて、これとアクティブなデュプレク
ス通信を開始するための最終的な決定は、これより後に行なうことができる。こ
の実施例によると、ネットワーク資源は候補局リストのメンバーの各々に対して
設定されるが、無線資源はこれより後にのみコミットされる。これはネットワー
ク資源を恐らく不必要に拘束するが、ネットワーク資源は通常、無線資源と比較
して限界資源ではない。
【0042】 この発明の第3の実施例によると、ハンドオーバの間のルート延長と部分的な
経路置換との組合せが、任意でのハンドオーバ後の部分的な再経路選択とともに
用いられる。この発明の実施例によると、ハンドオーバの間にネットワークの1
つのノードが、アンカーノードとして指定されて、ハンドオーバの前と後との両
方で通信経路の1つのノードとして残留する。典型的には、1つの種類のノード
に、たとえば基地局コントローラ、または移動局スイッチングセンターにハンド
オーバに対するアンカーの任務を割当てる。この役割のためにどちらのネットワ
ーク要素が選択されたとしても、そのような要素はネットワーク内で互いの要素
と通信可能であることが好ましい。たとえば、図8に示すように、アンカーノー
ドはアンカーBSC125であってもよい。いずれのハンドオーバもこのBSC
125のみを通って経路選択されることができる限り、第2の実施例に対して説
明された手順を行なうことができる。しかしながら、その通信ツリー内にアンカ
ーBSC125をもはや有していない標的基地局201などの標的基地局に対し
てハンドオーバが必要であれば、異なった手順が行なわれる。移動局114が現
在基地局107、108と通信しており、基地局201への新しい無線リンクを
作ることを決定した(ソフトハンドオーバ)と仮定する。移動局114から標的
基地局201へのハンドオーバ要求は、好ましくは移動局114のシグネチャ、
現在の通信ツリーの現在のノード(107、108、110、122、125)
のアドレスのリストおよび新しいリンクに対するQoS要件の任意の定義を含む
。標的基地局201はアドレスのリストを調べ、それらのいずれをも認識せず、
アドレスのリストとハンドオーバ要求の他の項目とをBSC225に転送する。
次いでBSC225はリストを調べ、隣接BSC、すなわちアンカーBSC12
5に関係するリスト内のアドレスを識別し、移動局114のシグネチャを含めた
ハンドオーバ要求をBSC125に送る。アンカーBSCであるBSC125は
シグネチャを認証されたものとして認識し、それ自体とアンカーBSC225と
の間に、2つのBSC125、225を直接接続する通信経路に沿って、新しい
通信を設定する一方、基地局107、108への既存の通信を維持する。アンカ
ーBSC125への既存の通信経路を用いて、標的基地局201との新しいリン
クが設定され、次いでBSC225、SHC222、サイトコントローラ205
を介した標的基地局201への新しい経路が設定される。これら3つのリンクの
すべての信号組合わせは、BSC125内で行なわれ得る。
【0043】 アンカーBSC125からの通信ツリーに依存する基地局である基地局101
−108の1つを、いくらかの通信が通過する限り、このBSC125はアンカ
ーとしてとどまる。しかしながら、いくつかのハンドオーバの後に、もはや基地
局101−108の1つをいかなる通信も通過しないときが来る。そのようなと
きには、部分的な経路再経路選択と、最適化オペレーションとが行なわれて、通
信経路を簡略化するが、たとえばBSC125のアンカー特性を新しいBSC2
25に転送することにより通信経路内のアンカーBSC125をなくす。この発
明によると、これは好ましくはハンドオーバオペレーション以外で行なわれる。
これはまた、通話のQoSをアップグレードすることが要求されるいかなる経路
再経路選択に対しても好ましくは真である。
【0044】 この発明の第4の実施例は、第2および第3の実施例の変形として説明される
。第4の実施例は、たとえばCDMAシステムまたは直接拡散シーケンスのよう
な拡散スペクトル技術を用いる他のシステムなどの、高速パワー制御を用いる移
動体電気通信システムに関する。高速パワー制御は、たとえば米国特許第5,0
56,109号に記載される。高速パワー制御においては、移動局の伝送パワー
は基地局から制御される。セルの基地局受信機の各々は、移動局の各々から受取
った信号の強度を測定する。測定された信号強度は、セル内の移動局に対して所
望である信号強度レベルと比較される。パワー制御調整コマンドは、基地局送受
信機が通信している移動局の各々に送られる。パワー調整コマンドに応答して、
移動体ユニットの各々は予め定められた分、たとえば1dBその伝送パワーを増
減させるか、または変化を行なわない。パワー調整コマンドは、基地局送信機に
よって比較的高いレートで伝送されるが、典型的には1/ミリ秒のオーダである
【0045】 第4の実施例によると、高速パワー制御は、ネットワークを通る新しい経路が
標的基地局に設定される前に標的基地局によって開始される。こうして、標的基
地局と移動局との間のトラフィックに対する無線リンクが完全に設定される前で
あっても、標的基地局は移動局の高速パワー制御を開始する。よって、第4の実
施例は第2または第3の実施例のいずれかの変形であって(他の詳細は同様のま
ま)、高速パワー制御が標的基地局によって、ハンドオーバ要求を受信すると実
質的に直ちに、かつ移動局114からのハンドオーバコマンドの受信の前に、開
始される。第2および第3の実施例の詳細は、上述のままである。高速パワー制
御コマンドは、標的基地局から移動局へ好適なチャネルで送られてもよい。標的
基地局からの通信の前の、移動局の高速パワー制御は、標的基地局からの無線リ
ンクによって提供される移動局の空間ダイバーシティを拒絶するおそれがあるが
、この結果パワーが減じられ、既存の無線リンクの受信が失われるかまたは劣化
するおそれがある。しかしながら、1つの移動局がハンドオーバが完了するまで
の短い期間に弱い受信を受ける方が、標的セル内の多くの通信を危うくすること
よりも好ましい。
【0046】 好ましい実施例を参照して、この発明を示し説明してきたが、当業者において
はさまざまな変形および修正が形および詳細において、添付の特許請求の範囲に
定義されるこの発明の範囲および精神から逸脱することなく行なうことができる
ことが理解されるであろう。たとえば、この発明はハンドオーバ手順に限られる
ものではない。たとえば、もし現在の基地局との通信が失われると、移動局は最
良の信号品質を有するパイロットまたはビーコンを有する方の、先行の基地局ま
たは代替的な基地局との通話再確立を、上述の実施例に関して説明したフォワー
ドハンドオーバ要求に同様の要求を用いて、試みるであろう。移動局は、今や失
われた通話を支持するネットワークのノードのアドレスのリストを、通話再確立
要求とともに選択された標的基地局に送る。ネットワークが、新基地局を介して
、今や失われた通話を支持するネットワークのノードの正確な詳細を受信すると
、通話は最低限の時間内に再確立可能である。移動局からの要求内の明確なアド
レス情報によって、標的基地局は既存の通信経路内の好適なスイッチにすばやく
および直接アドレスできるために、通話がまだ選択されたスイッチに保持された
まま(pending)である可能性が増大する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の第1の実施例に従った、電気通信ネットワークの概略
図である。
【図2】 この発明に従った、スイッチ再ルータの概略図である。
【図3】 図1のネットワークの一部の概略図である。
【図4A】 この発明の実施例に従った、スイッチ再ルータを制御するため
に用いられるルックアップテーブルの概略図である。
【図4B】 この発明の実施例に従った、スイッチ再ルータを制御するため
に用いられるルックアップテーブルの概略図である。
【図5】 この発明の第2の実施例に従った、ネットワークの概略図である
【図6】 ソフトハンドオーバの間の、図5のネットワークの一部の概略図
である。
【図7】 図6のソフトハンドオーバが完了した後の、ネットワークの図で
ある。
【図8】 この発明の第3の実施例に従った、ソフトハンドオーバを支持す
るネットワークの概略図である。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年12月1日(2000.12.1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── 【要約の続き】 とき、該移動局(114)のローカルでの確認が可能に なる。さらなる実施例においては、標的基地局(10 6)は、ネットワークを通る新しい通信経路(125、 110、106)が設定される前に、移動局(114) に高速パワー制御を開始する。

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動局がエアインターフェイスを介して基地局と通信可能で
    あって、通信ネットワークが設けられて基地局の各々を1つ以上のノードを介し
    てネットワーク内で他のポイントとリンクさせる、電気通信システムを動作させ
    るための方法であって、別のユーザ端末への通信は、システムの複数の現在のノ
    ードを介して1つ以上の現在の基地局と移動局との間の第1の無線リンクによっ
    て支持されており、方法は、 通信を支持する通信ネットワークの現在のノードの少なくともいくつかを明確
    に規定する情報を移動局に与えるステップと、現在の1つ以上の第1の無線リン
    クがまだ通信を支持する一方で、または1つ以上の第1の無線リンクが失われた
    直後に、移動局と標的基地局との間へのさらなる無線リンクの設定に備えて、移
    動局が、通信を支持する通信ネットワークの現在のノードの少なくともいくつか
    を明確に規定する情報を、標的基地局に伝送するステップとを含む、方法。
  2. 【請求項2】 情報は、関連のネットワークノードのアドレスのリストであ
    る、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 さらなる無線リンクを含む新しい通信経路のために、1つ以
    上の第1の無線リンクを支持する古い通信経路の少なくとも一部を再利用するス
    テップをさらに含み、それにより古い通信経路の再利用された部分は情報に規定
    されたノードの1つの上で終わる、請求項1または請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 方法は、ハンドオーバ手順、または通話再確立、または標的
    基地局の隣接局セットから候補局セットへの割当て、または標的基地局の候補局
    セットからアクティブ局セットへの割当ての、一部である、請求項1から請求項
    3のいずれかに記載の方法。
  5. 【請求項5】 方法は、ハンドオーバ手順の一部であって、1つ以上の第1
    の無線リンクが終わる前にさらなる無線リンクが設定される、請求項4に記載の
    方法。
  6. 【請求項6】 移動局に、その移動局に対する予め認証されたリファレンス
    データを与えるステップと、予め認証されたリファレンスデータを通信を支持す
    る通信ネットワークの現在のノードの少なくともいくつかにコピーするステップ
    と、移動局と標的基地局との間へのさらなる無線リンクの設定に備えて、移動局
    が予め認証されたリファレンスデータの少なくとも一部を標的基地局に伝送する
    ステップとを含む、請求項1から請求項5のいずれかに記載の方法。
  7. 【請求項7】 移動局と標的基地局との間へのさらなる無線リンクの設定に
    備えて、さらなる無線リンクを支持するネットワークを通る経路が完了する前に
    、標的基地局が移動局に高速パワー制御を開始するステップをさらに含む、請求
    項1から請求項6のいずれかに記載の方法。
  8. 【請求項8】 移動局が無線リンクをわたって基地局と通信する、電気通信
    システムであって、 基地局の各々を1つ以上のノードを介してネットワーク内の他のポイントにリ
    ンクさせるための通信ネットワークと、ネットワークの複数の現在のノードを介
    し、かつ1つ以上の第1の無線リンクを介して1つ以上の現在の基地局に接続さ
    れる、移動局と別のユーザ端末との間の通信とを含み、現在の1つ以上の第1の
    無線リンクがまだ通信を支持する一方で、または1つ以上の第1の無線リンクが
    失われた直後に、移動局と標的基地局との間へのさらなる無線リンクの設定に備
    えて、移動局は、標的基地局に通信を支持する通信ネットワークの現在のノード
    の少なくともいくつかを明確に規定する情報を伝送するよう適合される、システ
    ム。
  9. 【請求項9】 情報は、関連のネットワークノードのアドレスのリストであ
    る、請求項8に記載のシステム。
  10. 【請求項10】 さらなる無線リンクを含む通信経路は、1つ以上の第1の
    無線リンクを含む通信経路を部分的に再利用し、再利用された部分は情報の中に
    規定されたノードの1つの上で終わる、請求項8または請求項9に記載のシステ
    ム。
  11. 【請求項11】 移動局に、その移動局に対する予め認証されたリファレン
    スデータを与え、かつ通信を支持する通信ネットワークの現在のノードの少なく
    ともいくつかに予め認証されたリファレンスデータをコピーするように適合され
    、移動局と標的基地局との間へのさらなる無線リンクの設定に備えて、移動局は
    標的基地局に予め認証されたリファレンスデータの少なくとも一部を伝送するよ
    う適合される、請求項8から請求項10のいずれかに記載のシステム。
  12. 【請求項12】 標的基地局は、さらなる無線リンクを支持するネットワー
    クを通る経路が完了する前に、移動局に高速パワー制御を開始するよう適合され
    る、請求項8から請求項11のいずれかに記載のシステム。
  13. 【請求項13】 移動局がエアインターフェイスを介して基地局と通信可能
    であって、通信ネットワークが設けられて基地局の各々を1つ以上のノードを介
    してネットワーク内で他のポイントとリンクさせる、電気通信システムを動作さ
    せるための方法であって、別のユーザ端末への通信は、システムの複数の現在の
    ノードを介して1つ以上の現在の基地局と移動局との間の第1の無線リンクによ
    って支持されており、方法は、移動局にその移動局に対する予め認証されたリフ
    ァレンスデータを与えるステップと、通信を支持する通信ネットワークの現在の
    ノードの少なくともいくつかに、予め認証されたリファレンスデータをコピーす
    るステップと、現在の1つ以上の第1の無線リンクがまだ通信を支持する一方で
    、または1つ以上の第1の無線リンクが失われた直後に、移動局と標的基地局と
    の間へのさらなる無線リンクの設定に備えて、移動基地局が予め認証されたリフ
    ァレンスデータの少なくとも一部を標的基地局に伝送するステップとを含む、シ
    ステム。
  14. 【請求項14】 移動局が無線リンクをわたって基地局と通信する、電気通
    信システムであって、 基地局の各々を1つ以上のノードを介してネットワーク内の他のポイントにリ
    ンクさせるための通信ネットワークと、ネットワークの複数の現在のノードを介
    し、かつ1つ以上の第1の無線リンクを介して1つ以上の現在の基地局に接続さ
    れる、移動局と別のユーザ端末との間の通信とを含み、システムは、移動局にそ
    の移動局に対する予め認証されたリファレンスデータを与え、かつ通信を支持す
    る通信ネットワークの現在のノードの少なくともいくつかに予め認証されたリフ
    ァレンスデータをコピーするように適合され、現在の1つ以上の第1の無線リン
    クがまだ通信を支持する一方で、または1つ以上の第1の無線リンクが失われた
    直後に、移動局と標的基地局との間へのさらなる無線リンクの設定に備えて、移
    動局は標的基地局に予め認証されたリファレンスデータの少なくとも一部を伝送
    するよう適合される、システム。
  15. 【請求項15】 移動局がエアインターフェイスを介して基地局と通信可能
    であって、通信ネットワークが設けられて基地局の各々を1つ以上のノードを介
    してネットワーク内で他のポイントとリンクさせる、電気通信システムを動作さ
    せるための方法であって、別のユーザ端末への通信は、システムの複数の現在の
    ノードを介して1つ以上の現在の基地局と移動局との間の第1の無線リンクによ
    って支持されており、方法は、 現在の1つ以上の第1の無線リンクがまだ通信を支持する一方で、または1つ
    以上の第1の無線リンクが失われた直後に、移動局と標的基地局との間へのさら
    なる無線リンクの設定に備えて、 標的基地局が、さらなる無線リンクを支持するネットワークを通る経路が完成
    する前に移動局の高速パワー制御を開始するステップを含む、方法。
  16. 【請求項16】 移動局が無線リンクをわたって基地局と通信する、電気通
    信システムであって、 基地局の各々を1つ以上のノードを介してネットワーク内の他のポイントにリ
    ンクさせるための通信ネットワークと、ネットワークの複数の現在のノードを介
    し、かつ1つ以上の第1の無線リンクを介して1つ以上の現在の基地局に接続さ
    れる、移動局と別のユーザ端末との間の通信とを含み、現在の1つ以上の第1の
    無線リンクがまだ通信を支持する一方で、または1つ以上の第1の無線リンクが
    失われた直後に、移動局と標的基地局との間へのさらなる無線リンクの設定に備
    えて、標的基地局は、さらなる無線リンクを支持するネットワークを通る経路が
    完成する前に移動局の高速パワー制御を開始するよう適合される、システム。
  17. 【請求項17】 移動局が1つ以上の無線リンクを介して無線インターフェ
    イスを介して基地局と通信する電気通信システムで用いるための移動局であって
    、移動局は、1つ以上の現在の無線リンクが支持される一方で、または失われた
    直後に、移動局と標的基地局との間へのさらなる無線リンクの設定に備えて、1
    つ以上の現在の無線リンクをわたる移動局と1つ以上の現在の基地局との間の既
    存の通信を支持する通信ネットワークの現在のスイッチングノードの少なくとも
    いくつかを明確に規定する情報を、標的基地局に伝送するよう適合される、移動
    局。
  18. 【請求項18】 情報は、関連する通信ネットワークノードのアドレスのリ
    ストである、請求項17に記載の移動局。
  19. 【請求項19】 移動局が無線リンクをわたって基地局と通信する電気通信
    システムにおいて用いるためのネットワーク要素であって、ネットワーク要素は
    、1つ以上の現在の無線リンクをわたる、移動局と1つ以上の現在の基地局との
    間の既存の通信を支持する通信ネットワークの現在のノードの少なくともいくつ
    かを明確に規定する情報を受取るよう適合され、現在の無線リンクがまだ支持さ
    れている一方で、または失われた直後に、移動局と標的基地局との間にさらなる
    無線リンクの設定に備えて、明確な情報を用いてさらなるネットワーク要素との
    通信経路を設定するよう適合される、ネットワーク要素。
  20. 【請求項20】 既存の通信を支持するノードを規定する明確な情報は、階
    層的な電気通信ネットワークの少なくとも2つのレベルを規定する明確な情報を
    含む、請求項1から請求項19のいずれかに記載のシステムまたは方法。
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