JP2002527666A - 内燃機関の排気ガス中の気体および/または固体の汚染物質のプラズマ化学的削減のための方法および装置 - Google Patents
内燃機関の排気ガス中の気体および/または固体の汚染物質のプラズマ化学的削減のための方法および装置Info
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Abstract
Description
体および/または固体の汚染物質のプラズマ化学的削減と、この目的のために意
図された装置とに関する。
の範囲において、従来の方法、特に触媒法の改良に加えて、新たな技術も提案さ
れてきた。
はかなり前から既知であるが、この点において非常に有望である。プラズマは、
2つの電極間に交流電圧またはパルス化電圧を印加することにより生成される。
しかしながら、誘電体が電極の間に配置されれば、定常状態の放電を形成するこ
とは不可能であり、短時間の後に再び消滅してしまう放電、いわゆる無音過渡放
電しか形成することができない。
するニューメキシコ会議“New Mexico Conference on the Environment”」のル
イス・A・ロソチャ(Louis A. Rosocha)らの「地下水および空気から有毒化合
物を取除くための新技術“Innovative Technologies for Removing Toxic Compo
unds from Groundwater and Air”」から、空気または質量比80:20のアル
ゴン/酸素混合物から炭化水素が除去され得ることは公知である。トリクロロエ
テン、トリクロロエタン、CCl3CF3、CCl4および脂肪族炭化水素の濃度
の減少が例として記載されている。アルゴン/酸素混合物(アルゴン/酸素の質
量比=80:20)中の飽和水含有量では、(数十J/lに対応する)流量10
l/mで数ワットの電力しか用いなくても、たとえば、トリクロロエテンを65
0ppmから1ppmよりも低い値に除去し、1kJ/lの電力を用いると1p
pbよりも下に除去することが可能であった。数十kWh/kgの電力入力を用
いると、パーセントレンジの初期濃度のトリクロロエタンはppmレンジに減じ
ることができ、1000ppmから3000ppmの初期濃度の脂肪族炭化水素
および200ppmの初期濃度のCCl3CF3は、80%から90%を減じるこ
とができた。
よびI.サルジャ(I. Sardja)の「SO2、NOxの処理のための誘電体バリア
放電“Dielectric-barrier Discharge for Processing of SO2, NOx”」は、従
来の無機汚染物質、特に窒素酸化物および二酸化硫黄の処理の研究を記載してい
る。この論文によれば、一酸化窒素を完全に酸化することができかつ、用いられ
る条件に依存して、二酸化硫黄を40%から70%除去することができた。
準において規定されるもの、すなわち主に炭化水素、窒素酸化物および二酸化硫
黄を意味すると意図される。固体汚染物質の例は、特にディーゼルエンジンから
の排出においては、煤である。
配置を用いる、汚染物質のプラズマ化学分解および/または除去のための装置お
よび方法が説明され、プラズマ化学反応のすべての動作パラメータ、たとえば温
度、不純物の性質および質量流量、電力ならびに誘電体の誘電率を、汚染物質の
所望の分解が最大化されるように制御することが意図される。しかしながら、前
記参考文献は、DBDによる排気ガスの後処理にしか関していない。
けでなく、第一に汚染物質の形成を防ぐことによって削減されるという意図で、
DBDによる汚染物質のさらなる削減を確実にすることである。また、内燃機関
の中の燃焼プロセスの均衡化および燃料消費の削減を確実にする方法および装置
を提供することも目的である。
体および/または固体の汚染物質のプラズマ化学的削減のための方法に基づいて
いる。
の中で実行されることを特徴とする。
っている。
きい値電界強度を超えると、それらは重粒子(原子、分子)を励起しかつ電離す
ることができる。一次電子は、自然放射能および宇宙放射による、気体の自然バ
ックグラウンド電子密度から生じる。
breakdown)とともに、電子密度のアバランシェ型増加が発生する。続いて起こ
る重なり合うアバランシェにより高導電性放電チャネル(ストリーマ)ができ、
これはスパークまたはアークの形成につながる。放電がこのように形成されると
、金属電極が存在すれば、気体は電流の流れが続くに従って強く加熱され、局所
的な熱平衡の中にプラズマが発生する。
BD)が気体空間に存在すれば、誘電体の表面上の電荷の局所的な蓄積により、
内部電界は、放電が続くに従い、放電が再び消滅するような程度にまで減じられ
、すなわちそれは高温のスパークおよびアークを伴う熱緩和プラズマに変化しな
い。パルス化電圧を印加することにより、汚染ガスへのエネルギ入力は、電圧振
幅、周波数、圧力などにより外部から統制できる。
れ得る過渡グロー放電である。この場合、電極は好適な誘電体によって充填ガス
から分離され、多数の異なる反応チャンバ構造(プレート、管、同軸方向のおよ
びマルチチャンバの構造)が容易に実現されて、取付位置という点においてより
大きな柔軟性を許す。
重要である、すなわち排気ガスプラズマへのエネルギ入力は有効電流パルスの期
間(<1μs)の間に発生する。
るものの、たとえば圧力、リアクタの構造、電圧および周波数に依存して、重粒
子温度は、低いイオン移動度および短いパルス時間のために実質的により低い値
に達する。
ある。なぜなら(好適な冷却により)室温よりもごく僅かに上での処理が可能な
ためである。
ら10eV)との衝突によって分離される。この方法の有効性は、この場合にも
たらされ得る高い電子密度(1018cm-3)に拠る。さらに、放電の間に放出さ
れる(真空UVおよびUV範囲の)高エネルギ光子は、副次的なプロセスによる
分離または励起にさらに寄与する。
電子が電離または励起に寄与する。これは、励起された粒子のそれらの基底状態
への遷移による光子の放出と関連して、電子密度のアバランシェ型増加と気体の
絶縁破壊につながる。したがって、(第1に)電子と(第2に)光子の両者がD
BDを用いた排気ガス処理に寄与する。この文脈では、光子の場合よりも、電子
との衝突の間により高いエネルギが原則的に転送され得ることおよび超励起中性
粒子または荷電粒子などの新種が発生され得ることに留意しなければならない。
未知である。しかしながら、放電が反応性ラジカル(たとえばOHラジカル)の
発生を引き起こして、それらの高い酸化力のためにそれらが有機化合物に影響を
与えたと仮定しても差し支えないであろう。その程度までは、DBD法は大気中
における自然な光化学絶縁破壊プロセスを再現する。しかしながら、最適化され
た理想的な場合ですら、汚染物質の100%の絶縁破壊および完全な排除は見込
めない。なぜなら絶縁破壊反応を伝播するのは非特定的反応性ラジカルだからで
ある。規定されたメカニズムに従ってラジカル反応が起こるとしても、結果とし
て生じる産物を予測することは困難である。さらに、副産物の問題は、OHラジ
カルを考慮しなければならないことだけでなく、条件が好適ならば窒素−酸素ラ
ジカルも発生し得るという事実により、さらに複雑である。後者は、仮定として
は、対応する有機分子と反応して、それらをたとえば窒素−芳香族構造に変換し
得る。
カルの形成および他の汚染物質の分離すら引き起こすことのできる、170nm
よりも小さな波長を有する光子の発生をもたらす。
離された、燃焼空間の2つの金属素子の間に印加されるパルス化電圧によっても
たらされるのが有利である。この発明による方法によれば、燃焼空間の既存の金
属素子を高い費用対効果でかつ経済的に用いてもよい。好適な例には、特に、ス
パークプラグもしくはその一部、ピストンボトムまたは燃焼チャンバの壁もしく
はその一部が含まれる。誘電体は2つの電極を電気的に絶縁しなければならない
。どの誘電体材料も基本的にこれに好適であり、誘電体の形状およびその配置の
され方に関する制限は存在しない。この目的のためにセラミック素子を用いるこ
とが特に好ましい。
好ましくは1−30kHzである。
たは燃焼サイクルの後の時間にコントロールによって引き起こされ、コントロー
ルは、負荷および汚染物質の関数として電圧および/または周波数を用いて行な
われる。そのようなコントロールを点火コントロールと同等の態様で用いると、
DBDを最適な混合気点火時間に引き起こすことができ、したがってより低い量
の汚染物質しか伴なわない、より均一な燃焼をもたらすことができる。燃焼プロ
セスにおける汚染物質の主な発生はこれにより減じられる。この場合、非常に希
薄な混合気を用いてすら、電子アバランシェのインパルスのような絶縁破壊およ
び真空UV光子の雷のような発生により、燃焼空間にわたって実質的に同時にか
つ均一に燃焼が発生する。したがって燃焼プロセスの伝播が、比較的緩慢な火炎
面によって制限されることはもはやない。より均一な燃焼およびしたがってより
少ない量の汚染物質しか伴わない燃焼が、これらのエンジンの場合に同様に達成
される。
いると、発生した汚染物質を、それらが未だ燃焼空間に存在する間に削減するこ
とが可能である。
て、従来の触媒が働き始めた後にそれらが下がっていくようにDBDを制御する
ことが特に有利である。標準化されたテストサイクルでは一般的には動作の初め
の200秒のコールドスタート段階で、累積炭化水素排出の90%よりも多くが
引き起こされることが知られている。連続動作における汚染物質、特にNOxの
削減には、負荷依存制御が有利である。これは電気エネルギの消費を最小化し、
したがって経済性を向上させる。
的な発生によりさらに増加される。したがって、誘電体バリア放電が点火される
ときに、燃焼ガス中の汚染物質と特に意図されたように相互作用する特定の波長
のUV光線を発する充填ガスは、特に合成石英からなる、UV光線を透過するチ
ャンバの中に、誘電体と近くの電極との間に導かれる。好適な充填ガスは、特に
エキシマガス、たとえば希ガスハロゲン化物を含む。この場合、ある充填ガスま
たは充填ガス混合物は、たとえばXeCl:308nm、KrBr:207nm
、KrCl:222nmなどの特別なUV放射波長をもたらす。
のされ方およびオプションとして触媒活性を備えるそれらの材料、電極の表面の
状態、圧力および温度、周波数ならびに動作電圧などの多数のパラメータが用い
られて、反応の効率および反応速度に顕著な影響を与えることができる。
空間の2つの金属素子は、誘電体、特に少なくとも1つのセラミック素子によっ
て分離され、1から500kV、好ましくは10から300kVのパルス化電圧
および、方形波パルスを好ましくは備える500Hzから50kHz、好ましく
は1から30kHzの周波数が、電極の機能を有する2つの金属素子に与えられ
る。この発明に従うと、燃焼空間の金属素子はしたがってそれ自体電極として働
く。この目的のためにピストンボトムもしくはその一部および/またはスパーク
プラグもしくはその一部を用いるのが好ましい。
の一部であり、誘電体はピストンボトムの空間的な近傍、特にピストンボトム上
に直接配置される。
スパークプラグの空間的な近傍、特にスパークプラグ上に直接配置される。
特にエキシマガスを収容するチャンバが、電極と近くの誘電体との間の空間にさ
らに設けられてもよい。希ガスハロゲン化物、特に、たとえばXeCl、KrB
r、KrClまたはその混合物がこの目的のために用いられてもよい。
しい。排気ガス削減におけるさらなる改良は、この領域の高い排気ガス温度によ
り達成される。
2および燃焼空間4を有する内燃機関の燃焼空間の縦方向の断面が示される。高
周波電圧7が点火素子5に印加されて、誘電体6の後ろに配置された電極(図示
せず)を介した放電により対向するピストンボトム3にプラズマ8がもたらされ
る。誘電体バリア放電は点火素子5のすぐ近傍に誘電体6を配置することにより
生じる。
もよく、この場合、たとえば合成石英などのUV透過材料からなりかつ充填ガス
を収容するチャンバ(図示せず)は点火素子5と誘電体6との間の領域に配置さ
れてもよい。
4を有する、この発明に従う装置の別の好ましい代替的な実施例の縦方向の断面
を示す。プラズマ8は、高周波電圧7を印加することにより、誘電体6の後ろに
配置された電極(図示せず)と燃焼空間4の対向する壁との間にもたらされ、誘
電体バリア放電は、ピストンボトム3のすぐ近傍に誘電体6を配置することによ
り生じる。
を空けて配置されてもよく、UV光線を透過しかつ充填ガスを収容する任意の構
造のチャンバ(図示せず)は、ピストンボトム3と誘電体6との間の領域に配置
されてもよい。
ルを測定するための実験的な設定の概略的な表示を示す。可燃ガスとしてのエチ
レン(C2H4)および合成空気、すなわち体積比80%の窒素対20%の酸素の
窒素/酸素混合物は、調節されてバルブVを通ってガス線に送られる。エチレン
/空気混合物は混合チャンバ9に入り、混合チャンバ9を通る気体の流量は第1
のバラトロンPにより制御された。混合チャンバ9と点火セル10との間のガス
線にさらに沿って、気体の量を制御するためのさらなる機器が設けられた。それ
らはすなわちスロットルバルブDV、バルブVおよび別のバラトロンPである。
点火セルは円柱状のチャンバとして設計され、その寸法は内燃ピストンエンジン
の燃焼空間の寸法とほぼ対応した。
抽出まで、実験システムを排気するのに用いられた。
金からなりかつ燃料/空気混合物のための入口開口13を有する固体金属下部構
造12の上に、スペーサとしての絶縁PTFEリング14、透明石英ガラス誘電
体6、穴あきシート状の鉄の電極16および石英ガラスブロック17が連続した
層に配され、かつともにプレスされて円盤形の燃焼チャンバ4を形成した。燃焼
チャンバ4は燃焼ガス用の出口(図示せず)に接続された。燃焼空間4に突出す
るスパークプラグを収容可能にする、ねじ山(図示せず)は、金属下部構造12
にドリルで作られた。最後に、燃焼チャンバ4は時間の関数として圧力プロファ
イルを記録するのに用いられた圧力ピックアップのためのコネクタ(図示せず)
を有した。
を有し、個別の構成要素は以下の高さである。すなわち、 −金属下部構造(参照番号12)−60mm −絶縁リング(参照番号14)−3mm −誘電体(参照番号6)−4mm −穴あきシート状金属電極(参照番号16)−1mm −石英ガラス圧力体(参照番号17)−35mmである。
および1−10kHzの周波数で動作されるプラズマ発生器に接続された。
を示す。公知のように、ラムダ値は燃焼反応の空気/燃料比を示し、λ=1が化
学量論比に対応する。barで表わされる圧力pが縦座標に示され、秒で表わさ
れる時間tが横座標に示される。曲線Iは、誘電体バリア放電による、この発明
に従う方法を用いた点火の場合の圧力プロファイルを示し、曲線IIは、スパー
クプラグによる、従来の点火の場合の圧力プロファイルを示す。図4の表示は、
この発明に従う方法(曲線I)の場合の圧力の増加は従来の方法(曲線II)よ
りも著しく急勾配にかつより大きな高さに生じることを示す。同一の測定条件下
で、従来の方法の場合における4.5bar未満と比較して、この発明に従う方
法の場合、ほぼ5.0barへの圧力の増加が得られた。したがって燃焼プロセ
スは、この発明に従う方法を用いると、より速くかつより完全である。
汚染物質の主な発生が特に減じられる。
しかつ特に均衡させるのに特に好適である。これにより、希薄混合気燃焼エンジ
ンとディーゼルエンジンの両者の場合にも、特に、燃料消費の削減が達成される
。
である。
この方法およびこの装置は、標準化されたテストサイクルにおいて累積炭化水素
排出の70%を通常は引き起こす、一般的には最初の200秒の、特に重要な動
作開始時のコールドスタート段階にすら特に好適である。
によって燃焼プロセス自体が改良され、それにより燃料消費率が減少して、発生
した、減量された汚染物質が燃焼空間内ですぐに破壊される。
。
略図である。
点火の、時間の関数としての圧力プロファイルを示す図である。
Claims (10)
- 【請求項1】 誘電体バリア放電を用いることによる内燃機関の排気ガス中
の気体および/または固体の汚染物質のプラズマ化学的削減のための方法であっ
て、誘電体バリア放電は内燃機関の燃焼空間(4)の中で行なわれることを特徴
とする、プラズマ化学的削減のための方法。 - 【請求項2】 誘電体バリア放電はパルス化電圧(7)によって発生し、パ
ルス化電圧は燃焼空間(4)の2つの金属素子の間に印加され、金属素子は、誘
電体(6)特に少なくとも1つのセラミック素子によって互いから分離されるこ
とを特徴とする、請求項1に記載の方法。 - 【請求項3】 パルス化電圧(7)の周波数は、500Hzから50kHz
、好ましくは1から30kHzであることを特徴とする、請求項2に記載の方法
。 - 【請求項4】 方形波パルスを有する電圧(7)を特徴とする、請求項2ま
たは3に記載の方法。 - 【請求項5】 印加される電圧(7)は1から500kV、好ましくは10
から300kVであることを特徴とする、請求項2から4のいずれかに記載の方
法。 - 【請求項6】 誘電体バリア放電は混合気点火時間および/または燃焼サイ
クルの後の時間にコントロールによって引き起こされ、コントロールは負荷およ
び汚染物質の関数として電圧および/または周波数により行なわれることを特徴
とする、請求項1から5のいずれかに記載の方法。 - 【請求項7】 誘電体バリア放電が点火されるときに、燃焼ガス中の汚染物
質と特に意図的に相互作用する特定の波長のUV光線を発する充填ガスが、UV
光線を透過するチャンバの中に、誘電体(6)と近くの電極との間に導かれるこ
とを特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載の方法。 - 【請求項8】 内燃機関の燃焼空間(4)の2つの金属素子は、誘電体(6
)、特に少なくとも1つのセラミック素子によって分離され、1から500kV
、好ましくは10から300kVのパルス化電圧および、好ましくは方形波パル
スを備える、500Hzから50kHz、好ましくは1から30kHzの周波数
が電極の機能を有する2つの金属素子に与えられることを特徴とする、請求項1
から7のいずれかに記載の方法を実行するための装置。 - 【請求項9】 1つの電極はピストンボトム(3)またはピストンボトムの
一部であり、誘電体(6)は、ピストンボトム(3)の空間の近傍、特にピスト
ンボトム(3)上に直接配置されることを特徴とする、請求項8に記載の装置。 - 【請求項10】 1つの電極はスパークプラグ(5)であり、誘電体(6)
は、スパークプラグ(5)の空間の近傍、特にスパークプラグ(5)上に直接配
置されることを特徴とする、請求項8または9に記載の装置。
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