JPH10146515A - コロナ放電汚染因子破壊装置における窒素酸化物還元方法 - Google Patents

コロナ放電汚染因子破壊装置における窒素酸化物還元方法

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JPH10146515A JP9222849A JP22284997A JPH10146515A JP H10146515 A JPH10146515 A JP H10146515A JP 9222849 A JP9222849 A JP 9222849A JP 22284997 A JP22284997 A JP 22284997A JP H10146515 A JPH10146515 A JP H10146515A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、緩和化学種を使用してNOX を還
元する方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 窒素酸化物の化合物(NOX )を含む排
気ガスに対して、緩和化学種として3原子窒素(N3
を供給し、コロナ放電装置中のNOX を還元する速度を
増加させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コロナ放電汚染因
子破壊装置中における窒素酸化物(NOX )の化合物の
破壊に関する。
【0002】
【従来の技術】汚染因子を帯びたガスをコロナ放電サイ
トに通すことは、ガスから汚染因子を除去する既知の方
法である。この技術の一般的な概観は、パチカレフ氏ら
による“表面放電による有毒ガス分解”、プラズマ科学
1994年国際会議の会報、1994年6月 6-8日、ニューメキ
シコ、サンタフェ、第1E6 号、ページ88に提供されてい
る。コロナによる汚染因子の破壊は、現在ヒューズ・エ
レクトニクスとして事業をしているヒューズ・エアクラ
フト・カンパニーに譲渡された、“コロナ放電を引き起
こすためのコロナ源とコロナ放電による流体廃棄物の処
理”と題する1994年8月25日に出願された米国特許出願
番号第08/295,959号に開示されているように、液体に対
しても提案されている。
【0003】シュプリンガー出版、ベルリン、ハイデル
ベルグ、1993年、ページ 87-89において、B.M.ペネトラ
ントとS.E.シュルゼイスにより編集された、汚染因子制
御に対する非熱プラズマ技術、NOTO ASIシリーズ第G34
巻、パートB、“充填層反応器とパルス化コロナプラズ
マ反応器による揮発性有機化合物の分解”と題する、ヤ
マモト氏らにより説明されているシステムでは、ガスが
流れる同軸コロナ反応器の中央導線に、約120-130 ナノ
秒の持続時間の短時間高電圧パルスが印加される。各パ
ルスは、中央配線から放射され、約5-10keVの高エネ
ルギ電子で反応器の内部容量をあふれさせるコロナ放電
を生成する。同様なシステムは米国特許第4,695,358 号
で説明されており、この特許では、正のDC電圧のパルス
をDCバイアス電圧に重畳し、ガス流からSOX とNOX
を除去するための流線コロナを発生させている。これら
のプロセスはエネルギ効率が比較的低い。選択された反
応器の幾何学的形状により、非常に短いパルスを発射し
て、電極間のアーク絶縁破壊と結果として生じる損傷を
避けることが必要である。パルス形成回路は、高電圧源
から入ってくる電力の約半分を充電抵抗で失い、付加的
なエネルギがダブルスパークギャップで消費される。さ
らに、同軸コロナ反応器の容量性負荷を充電しなければ
ならず、この充電エネルギは一般的にコロナ反応で実際
に使用されるエネルギよりもかなり多く、汚染因子の破
壊に寄与することなく各パルス後に単に消失して熱にな
るだけである。
【0004】同様な方法であるが異なる反応器の幾何学
的形状を持つものが、シュプリンガー出版、ベルリン、
ハイデルベルグ、1993年、ページ 79-80において、B.M.
ペネトラントとS.E.シュルゼイスにより編集された、汚
染因子制御に対する非熱プラズマ技術、NOTO ASIシリー
ズ第G34巻、パートB、ロソッチャ氏らによる“無音放
電プラズマを使用する有害な有機廃棄物の処理”に取り
入れられ、このシステムでは、コロナ放電が平行板の間
に確立される。このシステムはまた、非効率なパルス形
成と反応器充電エネルギを回収しないために比エネルギ
が低くなる。
【0005】一般的な単一段のコロナ放電汚染因子破壊
装置のブロック図を図1に示す。コロナ放電反応器2
は、吸気導管8 を通してエンジン6 から汚染因子を帯び
た排気ガス12を取り入れ、排気ガスを処理し、排気導管
10を通して処理した排気ガス14を排出する。エンジン6
からの排気ガス12中の主な汚染因子は、さまざまな形態
の窒素酸化物(NOX )、炭化水素(HC)、一酸化炭
素(CO)を含む。HCとCOは、高いエネルギレベル
の汚染因子と考えられ、酸化させて水(H2 O)と二酸
化炭素(CO2 )を生成することができる。NOX 化合
物は、低いエネルギレベルの汚染因子と考えられ、無害
の2原子の窒素(N2 )および酸素(O2)に還元する
ために、エネルギを吸収させる必要がある。電源4 がコ
ロナ放電反応器2 に高電圧パルスを供給すると、HCが
酸化されてH2 OとCO2 になる一方、COが酸化され
てCO2 になる。各電圧ピークにおいて、コロナ放電が
反応器2 内で放射され、HCを酸化してCO2 とH2
を発生させ、またCOを酸化してCO2 を発生させる遊
離基を生成する。一般的に、高電圧パルスはHCとCO
を破壊するのに非常に効率が良いが、NOX のN2 とO
2 への還元では効率的であることは示されなかった。高
電圧(12kVまで)を使用してコロナを発生させると、
何らかの付加的なNOX さえも生成することが実験で示
された。他方低い電圧パルスは、NOX を還元する際の
効率は高いが、HCを酸化する際の効率は低い。コロナ
放電プロセスは、酸素と水の存在下で、NOとNO2
含むNOX の破壊において限定された成功しか納めなか
った。コロナ放電での問題は、オゾン(O3 )とOやO
Hのような基を発生させることにより強い酸化環境を生
み出すことである。遊離基とO3 は高い反応性を持つ酸
化性物質であり、NOとN2 の両者と反応し、NO2
生成する。
【0006】炭化水素添加物またはアンモニア(N
3 )の噴射は、コロナ放電反応器においてNOX 化合
物を実質的に還元する既知の方法である。NH3 または
炭化水素添加物を噴射させることについての一般的な概
観は、“煙道ガスからNOX を除去するパルス化コロナ
放電”、汚染因子制御に対する非熱プラズマ技術、NOTO
ASIシリーズ第G34巻、パートB、1993年、ページ187
において、G.E.ホグトリン氏とB.M.ペネトラント氏によ
り提供されている。NH3 が噴射されると、反応器中に
おいて形成された酸と反応し、アンモニア塩が生成さ
れ、これは濾過システムまたは他の粒子状物質除去シス
テムにより集められる。この方法の欠点は、集積した固
形アンモニア塩を周期的に除去しなければならず、自動
車の適用に対して不便であることである。コロナ放電反
応器中でNH3 を付加してNOX を還元することは、固
定源の燃焼サイトにおいてのみ達成された。ハードウェ
アの製造および運転費用を理由に、自動車の内燃エンジ
ン排気の処理におけるNOX の還元にはNH3 は使用さ
れなかった。炭化水素添加物の噴射は、NOの酸化およ
び還元の間に水酸基(OH)をリサイクルすることによ
り効率的になることが示された。OH基リサイクルの効
率は、OH基と炭化水素添加物の反応速度に基づき、G.
E.ホグトリン氏らの文献に説明されている。
【0007】ディーゼルエンジンの排気を処理するため
にプラズマ反応器中にエンジンオイルを噴射すること
は、M.ヒガシ氏らによる“放電プラズマとオイル力の組
合わせによる、ディーゼルエンジンの排気における煤煙
除去およびNOX とSOX の還元”、プラズマ科学にお
けるIEEE会報、第20巻、第1号、1992年に説明されてい
る。この文献は、微量のエンジンオイルを噴射した反応
器中で放電プラズマを使用して、ディーゼルエンジンの
排気からNOX を除去することを報告している。一旦エ
ンジンオイルが室内に入ると、プラズマが、NOX とS
X 化合物とともに煤煙の還元を刺激する細かいオイル
ミストを発生させる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、緩和化学種
を使用してNOX を還元する方法を提供する。
【0009】
【課題を解決するための手段】緩和化学種は、付加的な
ガスとともにまたは付加的なガスなしで、燃焼排気ガス
混合物に対して、選択的な周波数の光子放電および/ま
たは選択的な電位のコロナ放電を加えることにより、コ
ロナ放電反応器中で生成することができる。
【0010】緩和化学種は、N,NO,NO* ,N
2 ,N2 O,NO3 ,N2 5 ,HNO2 ,HN
3 ,HO2 NO2 ,RONO,RONO2 を含む窒素
化学種内の反応性励起エネルギを除去することができ
る。アスタリスク(* )は励起状態を表している。これ
らの窒素化学種は、その中には励起状態のものがあり、
多くは短命であり、燃焼中やコロナ放電中に生成され
る。本発明により提供される緩和化学種の付加は、これ
らの窒素化学種を還元する好ましい反応経路を提供し、
窒素化学種の励起エネルギ状態を“緩和”することによ
り、NOX の代わりに2原子の窒素(N2 )を確実に形
成する。緩和化学種の緩和エネルギは、窒素化学種の励
起エネルギと一致することが好ましい。
【0011】好ましい実施形態では、緩和化学種として
3原子の窒素(N3 )を使用する。緩和において専らN
2 を形成する際の高い反応の速度は、緩和エネルギと励
起エネルギとの一致とともに、緩和化学種と励起された
窒素化学種との間の分子衝突の高い頻度により達成され
る。
【0012】本発明のこれらおよび他の特徴および利点
は、添付した図面を考慮に入れると、以下の詳細な説明
から当業者に明らかになるであろう。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明は、緩和化学種を使用する
ことによりNOX を還元する方法に関する。緩和化学種
は、別の供給源により提供することができる。汚染因子
の処理に望まれるコロナ放電は、通常約5-20kVの範囲
の高電圧レベルおよび約5-15MHzの範囲の周波数で生
じる。一般的に、NOX の効率的な還元に望まれる電圧
は、HCおよびCOの酸化に対して望まれるものよりも
低い。NOX 還元に対するコロナ放電電圧は、わずか10
kVであることが好ましい。
【0014】本発明は、図1に示されているようなコロ
ナ放電汚染因子破壊システムにおけるNOX の破壊に適
用することができる。このシステムは、それぞれが、H
CおよびCOのような高いエネルギレベルの汚染因子を
酸化するか、あるいはNOXのような低いエネルギレベ
ルの汚染因子を還元する専用の機能を実行する、複数の
コロナ放電反応器を備えることができる。本発明は、N
X の還元専用の反応器に緩和化学種を提供する。
【0015】内燃エンジンからの排気ガスは典型的に強
く酸化され、オゾン(O3 )のような高い反応性の酸化
性物質とともに、水酸基(OH)のような強く酸化する
遊離基と部分的に酸化された炭化水素基を含んでいる。
これらの酸化基は、エンジン中でO2 と燃料との燃焼に
より生成される。排気ガスがコロナ放電反応器を通る
と、H基とHO基とO3 も生成され、これにより排気ガ
ス中に強い酸化環境を生み出す。内燃エンジン中の燃焼
中や、コロナ放電反応器内の高電圧コロナ放電の間、ガ
ス分子に対して与えられたエネルギにより窒素化学種が
形成される。これらの窒素化学種には、N,NO,NO
* ,NO2 ,N2 O,NO3 ,N2 5 ,HNO2 ,H
NO3 ,HO2 NO2 ,RONO,RONO2 がある。
アスタリスク(* )は励起状態を表している。これらの
さまざまな化学種の中には、それぞれ励起された高いエ
ネルギ状態にあるものもあり、その多くは他の化学種と
素早く反応し、短命である。それぞれの窒素化学種の励
起エネルギは、アレニウスエネルギとも呼ばれる。O3
のような高い反応性の酸化性物質や、H,OHのような
基や、部分的に酸化された炭化水素基は、励起された窒
素化学種と強く反応し、他の化学種、特にNOおよびN
2 を含むNOX を生じる。
【0016】本発明は、窒素化学種の励起エネルギを低
減することによりNOX を除去する。本発明により提供
される緩和化学種はこれらの窒素化学種内の反応エネル
ギを低減し、任意のNOX が2原子の窒素(N2 )およ
び2原子の酸素(O2 )に確実に分解される好都合な反
応経路を提供する。N2 の形成後、N2 と酸化基が出会
ってもNOX は生成されない。緩和エネルギすなわちN
X を還元するために緩和化学種により提供されるエネ
ルギが、窒素化学種の励起エネルギと一致することが好
ましいので、酸化基と反応してNOX を生成するために
必要な励起エネルギはもはや存在しない。一般的に緩和
化学種は、窒素化学種の励起エネルギを吸収する吸込み
材として機能する。
【0017】好ましい実施形態では、緩和化学種として
3原子の窒素(N3 )を使用する。N3 は、独立してま
たはコロナ放電反応器中のコロナ放電により提供するこ
とができる。一般的に、内燃エンジンにより生成される
排気ガスには約80%の2原子窒素(N2 )が含まれ、こ
れは周囲の環境とほぼ同じ割合である。励起された窒素
化学種の緩和において専らN2 を形成する反応速度は、
緩和エネルギと励起エネルギとの一致とともに、緩和化
学種と励起された窒素化学種との間の分子衝突の頻度に
基づく。緩和エネルギが放出されると、N3 はN2 基と
N基に分解され、これはNOに分解され、N基とO基を
形成する。NOからのN基とN3 からのN基は結合して
2 を形成する一方、O基は結合してO2 を形成する。
2 とO2 の両者は、それらが形成された反応器中で出
会う温度において安定であり、コロナ放電反応器中で再
度互いに反応しない。
【0018】図2は、酸素の存在下で電子放電と組合わ
された緩和化学種を使用して、窒素化学種、特にこの場
合にはN基とNO基を2原子窒素(N2 )に変える化学
反応図である。N基は酸素(O2 )と反応してNO基に
なる。NOがNに変わる逆反応は、NOが電子放電を受
ける時に発生し、これは所要の電圧および周波数におけ
るコロナ放電により発生させることが好ましい。NO基
または緩和化学種を供給してN基と反応させるか、また
は、N基または緩和化学種を供給してNO基と反応させ
ると、N2 が形成される。N2 はN基やNO基と比べて
反応性はほとんどなく、内燃エンジンの燃焼温度より下
の温度では一般的に極めて安定である。N2 は、内燃エ
ンジンの燃焼室中で期待されるような高温の存在下での
み反応性となり、NOX を形成する。コロナ放電反応室
中の温度は、一般的にN2 を反応性にするほど高くはな
い。したがって一旦N2 分子が形成されると、再度分解
されて、他の化学種と反応してNOX を形成する基を形
成することはない。
【0019】本発明は、さらに厳しい空気品質基準を満
たすためにコロナ放電汚染因子破壊反応器を使用するこ
とが予測される将来の自動車電子触媒コンバータに良く
適合する。自動車において独立して緩和化学種を提供す
る必要がなく、化学種を蓄えたり化学種を運んだりする
ために余分なハードウェアを必要としないことから、自
動車の適用に対して、製造費および運転費を節約するこ
とができる。
【0020】本発明の1つの実例となる実施形態を示し
説明したが、当業者には多くの変形や他の実施形態も思
い浮かぶことであろう。このような変形や他の実施形態
も企図されており、特許請求の範囲に規定されているよ
うな本発明の技術的範囲を逸脱することなくなし得るも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、従来の自己共振コロナ放電汚染因子破
壊システムのブロック図である。
【図2】図2は、コロナ放電反応器で緩和化学種により
NOX を還元する反応図である。
フロントページの続き (72)発明者 ネルソー・ウイリアム・ソアボー アメリカ合衆国、カリフォルニア州 90277、レドンド・ビーチ、サウス・ジュ アニタ・アベニュー(番地なし)、アパー トメント 14 (72)発明者 ウェルドン・エス・ウイリアムソン アメリカ合衆国、カリフォルニア州 90265、マリブ、シースター・ドライブ 6424 (72)発明者 エドワード・ジェイ・パレン アメリカ合衆国、カリフォルニア州 90292、マリナ・デル・レイ、フィジー・ ウェイ 13902、アパートメント 218

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 関連した励起エネルギを持つ少なくとも
    1つの励起窒素化学種と少なくともいくつかの酸化基を
    含む少なくとも1つの酸化性物質とを含む排気ガス中の
    NOX を還元する方法において、 緩和エネルギにより特徴付けられる緩和化学種を供給
    し、 前記励起窒素化学種を前記緩和化学種と反応させて、N
    X 分子を分解させるのに十分なように前記励起窒素化
    学種の励起エネルギを減少させるステップを含む方法。
JP09222849A 1996-08-19 1997-08-19 コロナ放電汚染因子破壊装置における窒素酸化物還元方法 Expired - Lifetime JP3086433B2 (ja)

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