JP2002526950A - 画素を有するデジタル化された画像の処理のための方法及び装置 - Google Patents

画素を有するデジタル化された画像の処理のための方法及び装置

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Abstract

(57)【要約】 画像の画素を画像ブロックにグループ化する。画像は少なくとも1つの第1の画像オブジェクト及び第2の画像オブジェクトに分割され、第1の画像オブジェクトのエッジの少なくとも1つの部分に少なくとも1つの画像ブロックを割り当てる。この少なくとも1つの画像ブロックに画像オブジェクトに関する情報を割り当てる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、画素を有するデジタル化された画像を処理するための方法ならびに
装置に関する。
【0002】 このような装置及びこのような方法は、[1]から公知である。
【0003】 [1]から公知の装置乃至は[1]から公知の方法においては、処理すべきデ
ジタル化された画像は画素を有し、これらの画素にはそれぞれ符号化情報が割り
当てられている。
【0004】 符号化情報とは以下においては各画素に割り当てられたルミナンス情報(輝度
値)及び/又はクロミナンス情報(色値)と解釈する。
【0005】 画素は画像ブロックにグループ化され、各画像ブロックは通常は8*8又は1
6*16個の画素を有する。
【0006】 さらに、画像ブロックはマクロブロックにグループ化され、各マクロブロック
は輝度情報の形式で符号化情報を含む4つの画像ブロック(ルミナンス画像ブロ
ック)ならびにクロミナンス情報を含む2つの画像ブロック(クロミナンス画像
ブロック)を有する。
【0007】 H.263/V.2標準により構成されている画像符号化のための[1]から公
知の方法では、デジタル化された画像の符号化のためにいわゆる差画像符号化を
使用するように構成されている。
【0008】 丁度このような差画像符号化を使用する場合には、シーンを撮影するカメラが
移動している場合には又は変化を被っているシーンが撮影される場合には、撮影
された背景が固定していないという問題が発生する。
【0009】 この問題は、移動通信機器の枠内で画像符号化のためのこのような方法を利用
する場合に、例えばビデオモバイルフォンの枠内で利用する場合に特別な意味を
持つ。
【0010】 ビデオモバイルフォンとは、画像シーケンスを撮影するためのカメラ及び電話
が1つの装置に統合されている装置であると解釈する。ただしこの電話は無線電
話である。
【0011】 通常の差画像符号化の場合、このような大きく変化する背景のケースにおいて
は、通信のために使用できるデータレートの大きな成分がこの大きく変化する背
景に対する符号化に必要となる。この結果、画像の前景に見えかつこの背景にく
らべてほんの僅かに変化する関心オブジェクト(object of interest)に対して
は使用できるデータレートの比較的僅かな成分が残り、これに相応してそれぞれ
符号化される画像の品質があまりにも貧弱である。
【0012】 しかし、前景に存在するオブジェクトが良好な品質を有し、他方で背景に対し
ては低い分解能による画像符号化の際の比較的貧弱な品質が受容可能であること
がしばしば望ましい。
【0013】 [1]には、オプショナルな符号化モード(スライス・ストラクチャード・モ
ード(slice structured mode))においてデジタル化された画像が矩形に、い
わゆるスライスに分割され、各矩形にそれぞれ別個に符号化パラメータが割り当
てられることが記述されている。
【0014】 これらの符号化パラメータによって、とりわけ、どのような量子化によりそれ
ぞれの矩形に含まれるオブジェクトが符号化されるべきかが示される。
【0015】 [1]から公知のこのやり方における欠点は、画像全体が個々の矩形に分解さ
れなければならないことである。これは、デジタル化された画像の符号化の枠内
における大幅な非柔軟性をもたらす。[1]から公知のこのやり方における他の
欠点は、1つの均一な局所分解能だけが全スライスに対して使用されることであ
る。
【0016】 [2]からは、MPEG-4画像符号化方法と呼ばれるオブジェクトベースの
画像符号化方法が公知である。この方法では、デジタル化された画像内部の様々
なオブジェクトが互いに別個に符号化される。個々の画像オブジェクトの符号化
から生じるビデオデータストリームはマルチプレクサの使用によって統合される
。MPEG-4標準によるこの方法は例えば次のような欠点を有する。すなわち
、個々のビデオデータストリームの符号化の非常に面倒なやり方に基づいて、多
数の符号化すべき画像オブジェクトにおいて、リアルタイムで符号化するために
及びビデオデータストリームの符号化された集合から結果的に得られるシーン記
述の自動的な発生のために著しい計算パワーが必要とされる。このシーン記述に
よってデジタル化された画像内部の個々の画像オブジェクトの相互作用が記述さ
れている。これに必要な計算パワーは、とりわけ移動通信機器、例えばビデオモ
バイルフォンの場合には今日では自由に使用できない。
【0017】 [3]からは、画像の画像オブジェクトへの分割のための方法が公知である。
この方法は動オブジェクトセグメンテーションと呼ばれる。
【0018】 [4]からは、ブロックベース画像符号化の枠内で生じるブロックアーチファ
クトをブロックエッジフィルタ(block edge filter)を使用して低減すること
が公知である。
【0019】 従って、本発明の課題は、画像の符号化に関して高められた柔軟性を有しなら
びに公知の方法に比べて低減された計算パワーを必要とする、画素を有するデジ
タル化された画像の処理のための方法ならびに装置を提供することである。
【0020】 上記課題は、独立請求項記載の構成を有する方法ならびに装置によって解決さ
れる。
【0021】 画素を有するデジタル化された画像の処理のための方法は次のステップを有す
る、すなわち、 a)画素を画像ブロックにグループ化し、 b)画像を少なくとも1つの第1の画像オブジェクト及び第2の画像オブジェク
トに分割し、第1の画像オブジェクトのエッジの少なくとも1つの部分に少なく
とも1つの画像ブロックを割り当て、 c)この少なくとも1つの画像ブロックに画像オブジェクトに関する情報を割り
当てる。
【0022】 画素を有するデジタル化された画像の処理のための装置はプロセッサを有し、
このプロセッサは次のように構成されている、すなわち、 a)画素が画像ブロックにグループ化され、 b)画像が少なくとも1つの第1の画像オブジェクト及び第2の画像オブジェク
トに分割され、第1の画像オブジェクトのエッジの少なくとも1つの部分に少な
くとも1つの画像ブロックが割り当てられ、 c)この少なくとも1つの画像ブロックに画像オブジェクトに関する情報が割り
当てられる。
【0023】 本発明によって画像オブジェクトの比較的簡単なタイプの符号化が実現される
。この符号化によって、異なる画像オブジェクトの符号化のために使用できるデ
ータレートの柔軟な分割が可能となる。
【0024】 本発明の有利な実施形態は従属請求項から得られる。
【0025】 有利には、それぞれ複数の画像ブロックが1つのマクロブロックにグループ化
される。少なくともエッジの部分にはマクロブロックが割り当てられる。
【0026】 別の実施形態では、少なくとも第1の画像オブジェクトのエッジの部分にマク
ロブロックの少なくとも1つのルミナンスブロックが割り当てられる。
【0027】 さらに、有利には、第1の画像オブジェクトのエッジ全体に少なくとも1つの
画像ブロックが割り当てられる。
【0028】 さらに、他の実施形態では、第1の画像オブジェクトのエッジが含まれている
マクロブロック全てにそれぞれ画像オブジェクトに関する情報が割り当てられる
【0029】 さらに別の実施形態では、それぞれマクロブロックに割り当てられているマク
ロブロックアドレスを使用することによって第1の画像オブジェクトがアドレス
指定される。
【0030】 さらに別の実施形態では、それぞれマクロブロックに割り当てられているマク
ロブロックアドレスを使用することによって第2の画像オブジェクトがアドレス
指定される。
【0031】 有利には、画像オブジェクトが異なる品質によって符号化され、この場合、有
利にはどの品質で画像オブジェクトが符号化されるかを示す品質情報を少なくと
も1つのマクロブロックに割り当て、この少なくとも1つのマクロブロックは相
応の画像オブジェクトに含まれている。
【0032】 本発明の方法及び装置は、デジタル化された画像の符号化又はデジタル化され
た画像の復号化のために使用される。
【0033】 本発明の方法及び装置は移動通信機器、例えばビデオモバイルフォンにおける
使用に適している。
【0034】 本発明の実施例を次に図面に示し、詳しく説明する。
【0035】 図1は実施例により処理される画像の概略図であり、 図2は2つのコンピュータ、カメラ及びディスプレイの装置を示し、これらの
2つのコンピュータ、カメラ及びディスプレイによって画像データの符号化、伝
送ならびに復号化及び表示が行われ、 図3はデジタル化された画像のブロックベース符号化のための装置の概略図で
あり、 図4はデジタル化された画像の符号化、伝送及び復号化のための方法ステップ
を示すフローチャートを示す。
【0036】 図2には2つのカメラ202、208及びカメラ201を含む装置が図示され
ており、画像データの画像符号化、伝送及び画像復号化が示されている。
【0037】 カメラ201は第1のコンピュータ202に線路219を介して接続されてい
る。このカメラ201は撮影された画像204を第1のコンピュータ202に伝
送する。この第1のコンピュータ202は第1のプロセッサ203を使用でき、
この第1のプロセッサ203はバス218を介して画像メモリ205に接続され
ている。この第1のコンピュータ202の第1のプロセッサ203によって画像
符号化のための方法が実施される。このようにして符号化された画像データ20
6は通信コネクション207を介して、有利には線路又は無線区間を介して第2
のコンピュータ208に伝送される。この第2のコンピュータ208は第2のプ
ロセッサ209を含み、この第2のプロセッサ209はバス210を介して画像
メモリ211に接続されている。この第2のプロセッサ209によって画像復号
化のための方法が実施される。
【0038】 第1のコンピュータ202も第2のコンピュータ208もそれぞれディスプレ
イ212乃至は213を使用でき、このディスプレイ212乃至は213におい
て画像データ204が視覚化される。第1のコンピュータ202のディスプレイ
212における視覚化は通常はモニタリング目的のためだけに行われる。第1の
コンピュータ202及び第2のコンピュータ208の操作のためにそれぞれ入力
ユニットが、有利にはキーボード214乃至は215ならびにコンピュータマウ
ス216乃至は217が設けられている。
【0039】 カメラ201から線路219を介して第1のコンピュータ202に伝送される
画像データ204は時間領域のデータであり、他方で第1のコンピュータ202
から第2のコンピュータ208に通信コネクション207を介して伝送されるデ
ータ206はスペクトル領域の画像データである。
【0040】 ディスプレイ213には復号化された画像データが表示される。
【0041】 図3はH.263標準によるブロックベース画像符号化方法を実施するための
装置の概略図を示す([1]を参照)。
【0042】 時間的に連続するデジタル化された画像を有する符号化すべきビデオデータス
トリームは画像符号化ユニット301に供給される。これらのデジタル化された
画像はマクロブロック302に分割され、各マクロブロックは16x16個の画
素を含む。マクロブロック302は4つの画像ブロック303、304、305
及び306を含み、各画像ブロックは8x8個の画素を含む。これらの8x8個
の画素にはルミナンス値(輝度値)が割り当てられている。さらに各マクロブロ
ック302は画素に割り当てられたクロミナンス値(色差値)を有する2つのク
ロミナンスブロック307及び308を含む。
【0043】 これらの画像ブロックは変換符号化ユニット309に供給される。差画像符号
化において、時間的に前の画像の画像ブロックの符号化すべき値は瞬時に符号化
すべき画像ブロックから差し引かれ、差画像情報310だけが変換符号化ユニッ
ト(離散コサイン変換、DCT)309に供給される。このために、線路334
を介して瞬時のマクロブロック302が動き推定ユニット329に伝達される。
変換符号化ユニット309では、符号化すべき画像ブロック乃至は差画像ブロッ
クに対してスペクトル係数311が形成され、量子化ユニット312に供給され
る。
【0044】 量子化されたスペクトル係数313はスキャンユニット314及び逆方向パス
の逆量子化ユニット315に供給される。スキャン方法、例えば「ジグザグ」ス
キャン方法の後で、スキャンされたスペクトル係数332にエントロピー符号化
がこのために設けられたエントロピー符号化ユニット316において実施される
。エントロピー符号化されたスペクトル係数は符号化された画像データ317と
してチャネルを介して、有利には線路又は無線区間を介して復号器に伝送される
【0045】 逆量子化ユニット315では、量子化されたスペクトル係数313の逆量子化
が行われる。この結果得られたスペクトル係数318は逆変換符号化ユニット3
19(逆離散コサイン変換、IDCT)に供給される。再構成された符号化値(
差符号化値)320は差画像モードで加算器321に供給される。さらに、この
加算器321は、時間的に前の画像から既に実施された動き補償の後で得られる
画像ブロックの符号化値を受け取る。加算器321によって再構成された画像ブ
ロック322が形成され、画像メモリ323に格納される。
【0046】 再構成された画像ブロック322のクロミナンス値324は画像メモリ323
から動き補償ユニット325に供給される。輝度値326に対して、内挿がこの
ために設けられた内挿ユニット327において行われる。この内挿に基づいてそ
れぞれの画像ブロックに含まれた輝度値の個数が有利には4倍化される。全輝度
値328は動き補償ユニット325にも動き推定ユニット329にも供給される
。さらに、この動き推定ユニット329はそれぞれ符号化すべきマクロブロック
(16x16画素)の画像ブロックを線路334を介して受け取る。動き推定ユ
ニット329では、内挿された輝度値を考慮することによって動き推定が行われ
る(半画素ベースの動き推定)。
【0047】 動き推定の結果は動きベクトル330であり、この動きベクトル330によっ
て時間的に前の画像から選択されたマクロブロックの符号化すべきマクロブロッ
ク302への局所的なシフトが表される。
【0048】 動き推定ユニット329により算出されたマクロブロックに関する輝度情報も
クロミナンス情報も動きベクトル330だけシフトされ、マクロブロック302
の符号化値から減算される(データパス331を参照)。
【0049】 従って、動き推定の結果として2つの動きベクトル成分を有する動きベクトル
330が生じる。この第1の動きベクトル成分は第1の方向xに沿ったBVxで
あり、第2の動きベクトル成分は第2の方向yに沿ったBVyである:
【0050】
【数1】
【0051】 動きベクトル330は画像ブロックに割り当てられる。
【0052】 従って、図3の画像符号化ユニットは全ての画像ブロック乃至はマクロ画像ブ
ロックに対して動きベクトル330を供給する。
【0053】 図1はカメラ201により撮影された画像100を示し、この画像100は画
素を有する。これらの画素は画像ブロック101にグループ化されている。それ
ぞれ8x8画素が1つの画像ブロック101にグループ化されている。
【0054】 これらの画素にはルミナンス情報が割り当てられている。4個のルミナンス画
像ブロック101が1つのマクロブロック102にグループ化される。
【0055】 図1は人物を記述している第1の画像オブジェクト104を示す。テーブル表
面を記述している第2の画像オブジェクト105ならびに画像背景を記述してい
る第3の画像オブジェクト103を示す。
【0056】 第1の画像オブジェクト104及び第2の画像オブジェクト105は共に画像
前景を形成している。
【0057】 この画像は、第1のステップ(ステップ401、図4参照)において複数の画
像オブジェクトに分割される。画像の分割は[3]に記述されている方法に従っ
て行われる。この[3]に記述されている方法は、動オブジェクトセグメンテー
ションと呼ばれる。この分割は、第1の画像オブジェクト104乃至は第2の画
像オブジェクト105のエッジ106、107がそれぞれマクロブロックのブロ
ック境界線又は少なくともマクロブロックのルミナンス画像ブロックのブロック
境界線と一致するように行われる。
【0058】 第2のステップ(ステップ402)では、各画像オブジェクト103、104
、105にそれぞれ符号化パラメータのセットが割り当てられる。
【0059】 符号化パラメータによって、とりわけ各画像オブジェクトの符号化のために使
用すべき局所分解能、動きベクトル、符号化タイプ(フレーム内符号化乃至はフ
レーム間符号化)、量子化などが提示される。
【0060】 さらに、各画像オブジェクト103、104、105に対して次のステップ(
ステップ403)において品質情報が選択され、各画像オブジェクト103、1
04、105に符号化パラメータとして割り当てられる。この品質情報によって
、どのような品質によってこの画像オブジェクトがそれぞれ符号化されるべきか
、が示される。
【0061】 この品質情報はこの例では選択すべき量子化の情報によって与えられる。
【0062】 これらの符号化パラメータは各画像オブジェクト103、104、105に割
り当てられた画像オブジェクトヘッダフィールド(オブジェクトヘッダ)に格納
され、符号化され、残りの符号化すべき画像情報、画像ブロック乃至は差画像情
報と共に伝送される。
【0063】 上記の及び図3に図示された方法によって、次のステップ(ステップ404)
において、各画像オブジェクト103、104、105は符号化パラメータに従
って、それぞれの品質情報において予め設定された品質で符号化される。
【0064】 この場合、前景オブジェクト、すなわち第1の画像オブジェクト104又は第
2の画像オブジェクト105は比較的良好な画像品質で符号化される。すなわち
第1の画像オブジェクト104及び第2の画像オブジェクト105の符号化に対
しては、背景画像、すなわち第3の画像オブジェクト103の符号化の場合より
も大きいデータレートが使用できる。
【0065】 注意すべきことは、個々の画像オブジェクトは互いに共通の部分をもたない必
要はないことである。しかし、第1の画像オブジェクト104、第2の画像オブ
ジェクト105ならびに第3の画像オブジェクト103の全画素の合併集合は画
像100の全画素を含んでいる。
【0066】 画像100の符号化のために、それぞれ画像全体に対して画像ヘッダフィール
ドが設けられており、この画像ヘッダフィールドには画像全体の符号化に対して
同一である様々な符号化パラメータが示されている。
【0067】 こうして、この画像ヘッダフィールドにおいてセグメンテーション情報が示さ
れる。このセグメンテーション情報によって、どのようなやり方で画像100の
画像オブジェクト103、104、105への分割が行われるかが記述されてい
る。
【0068】 セグメンテーション情報の符号化のためにこの画像ヘッダフィールドには2ビ
ットが設けられている。セグメンテーションの4つの異なるタイプが区別される
: ・第1のセグメンテーションタイプ(符号00): 上述の方法は画像100の符号化のために使用されない。
【0069】 ・第2のセグメンテーションタイプ(符号01): 背景画像オブジェクトを含めて全画像オブジェクトは、互いに共通部分をもた
ず、画像100の予め設定された画像フォーマットを精確に充填する。
【0070】 ・第3のセグメンテーションタイプ(符号10): 画像オブジェクトは互いにオーバーラップしてもよく、通常の画像フレームの
外に出てもよい。しかし、これは、この通常の画像フレームよりも大きい予め設
定されたフレーム内に存在し、この通常の画像フレームよりも大きい予め設定さ
れたフレームを超えてはならない。
【0071】 ・第4のセグメンテーションタイプ(符号11): 背景画像オブジェクトを除いて、全ての画像オブジェクトが互いに共通部分を
もたない。この第4のセグメンテーションタイプは背景情報の効率的な符号化の
ために使用される。なぜなら、すでに符号化された背景が、メモリ、すなわち背
景メモリに格納されうるからである。動画像オブジェクトによって再び露出され
る画像の背景は、再び新たに符号化される必要がない。この画像100を撮影す
るカメラ201の運動の場合にすでに符号化された情報を使用することができる
ように、この背景は画像100の予め設定された画像フレームを超えてもよい。
この場合も画像100の通常の画像フレームよりも大きい予め設定されるフレー
ムが決定される。この予め設定されるフレームを超えてはならない。
【0072】 画像の符号化された情報は次のステップ(ステップ405)において符号化さ
れた画像として第1のコンピュータ202から第2のコンピュータ208に伝送
される。
【0073】 第2のコンピュータ208によって次のステップ(ステップ406)において
符号化された画像が受信される。
【0074】 最後のステップ(ステップ407)においてこの受信された符号化された画像
情報が復号化され、デジタル化された画像が共に伝送された符号化パラメータ及
び品質情報を使用することによって再構成される。
【0075】 画像オブジェクトの異なるタイプが発生しうる。この場合、それぞれ画像オブ
ジェクトのタイプはそれぞれの画像オブジェクトのヘッダフィールドにおける符
号によって符号化されている。
【0076】 画像オブジェクトの第1のタイプは幅w及び高さhを有する矩形画像オブジェ
クトである。このオブジェクト境界線(この画像オブジェクトのエッジ)と各マ
クロブロックの縁との一致に基づいて、この矩形オブジェクトのアドレス指定は
この矩形画像オブジェクトにおける左側上部のマクロブロックの絶対マクロブロ
ックアドレスによって行われる。
【0077】 マクロブロックアドレスは各マクロブロックに割り当てられたアドレスであり
、このアドレスによって画像符号化の枠内において各マクロブロックが一意的に
指示される。
【0078】 この矩形画像オブジェクトの幅wは可変長符号化を使用することによって符号
化される。
【0079】 マクロブロックのアドレス指定は、画像100において行毎に左から右へとそ
れぞれマクロブロックアドレスを示す値がマクロブロックからマクロブロックへ
とインクリメントされるように行われる。それぞれ画像オブジェクトの符号化の
ために、画像オブジェクトスタートコードが設けられる。この画像オブジェクト
スタートコードによって、後続のデータが画像オブジェクトの符号化に関係する
ことが示される。従って、それぞれ画像オブジェクトの最後のマクロブロックの
符号化の後には新しい画像オブジェクトスタートコード又は新しい画像スタート
コードが続く。この新しい画像オブジェクトスタートコード又は新しい画像スタ
ートコードによって、次に新しい画像のデータが符号化されることが示される。
【0080】 矩形画像オブジェクトの境界線がマクロブロックラスタとは一致しないが、ル
ミナンス画像ブロックのブロック境界線とは一致する場合には、マクロブロック
境界線に対する各ルミナンス画像ブロックの相対的な位置は画像オブジェクトヘ
ッダフィールドにおける付加的なビットによって符号化される。
【0081】 矩形状構造を持たない画像オブジェクトは次のように分割される。すなわち、
各画像オブジェクトのエッジがマクロブロックのブロック境界線と一致するか又
は少なくともルミナンス画像ブロックのブロック境界線と一致するように分割さ
れる。
【0082】 この場合、画像オブジェクトの第1のマクロブロックのアドレス指定は、上記
のアドレス指定方式に従って絶対マクロブロックアドレスによって行われる。
【0083】 各画像オブジェクトに所属する後続のマクロブロックのアドレス指定は、H.
261標準による方法から周知のように、ランレングス符号化を使用することに
よって行われる。
【0084】 この画像オブジェクトの最後のマクロブロックの符号化の後には同様に新しい
画像オブジェクトスタートコードか又は新しい画像スタートコードが続く。
【0085】 画像オブジェクトの第3のタイプは背景画像オブジェクトである。この実施例
のケースでは、第3の画像オブジェクト103が背景画像オブジェクトである。
背景画像オブジェクトによって背景が記述され、この背景において示されている
情報は、前景画像オブジェクトにおいて記述されている情報に比べて観察者にと
ってより低い意味を有する。
【0086】 [1]から周知のスライス・ストラクチャード・モードとは対照的に、この背
景画像オブジェクトは、矩形状画像オブジェクト、矩形オブジェクトの場合であ
っても必ずしも矩形状ではない。
【0087】 背景画像オブジェクトの符号化のために、画像オブジェクトスタートコードに
よりこの符号化が開始される。この背景画像オブジェクトのマクロブロックのア
ドレス指定は、選択された上述のセグメンテーションタイプに依存する。
【0088】 第2のセグメンテーションタイプ(符号01)の場合には、全ての背景マクロ
ブロック、すなわちこの背景画像オブジェクトに含まれている全てのマクロブロ
ックの位置は最後の画像オブジェクトの符号化の後で一意的に決定され、これら
の全ての背景マクロブロックは次々と上記のやり方でマクロブロックのアドレス
指定に従ってアドレス指定される。画像背景に所属していないマクロブロックは
ランレングス符号化によってスキップされる必要はない。
【0089】 第2のセグメンテーションタイプならびに第3のセグメンテーションタイプ(
符号10及び符号11)の場合には、アドレス指定は、矩形状ではない構造を有
する画像オブジェクトの場合のように行われる。
【0090】 以下においては上記の実施例の幾つかの代替例を示す。
【0091】 可変長符号化の代わりに、固定長符号化を矩形画像オブジェクトの幅wの符号
化のために使用することができる。
【0092】 画像100の先行画像における矩形画像オブジェクトのサイズ及び位置からの
差分符号化も、本発明の方法の枠内で使用できる。
【0093】 矩形状構造を持たない画像オブジェクトのマクロブロックの符号化の際のラン
レングス符号化の代わりは、[2]に記述されているように、いわゆるシェイプ
符号化(shape coding)である。先行画像の画像オブジェクトの位置からの差分
符号化もこれらのマクロブロックの符号化に使用できる。
【0094】 この上述の方法の枠内で、さらに、矩形状の画像オブジェクトだけを使用する
こともできる。これは符号化における簡略化をもたらす。なぜなら、この場合に
は矩形画像オブジェクトに所属するマクロブロックのスキップの際にw個のマク
ロブロック分のマクロブロックアドレスのインクリメントしか必要ないからであ
る。こうして、符号化の枠内で必要な計算処理の低減が達成される。
【0095】 画像100の観察者にとってとりわけ関心の高い画像オブジェクトは、この画
像100の観察者にとってより関心の低い画像オブジェクト、とりわけ背景画像
オブジェクトよりも高い品質で符号化される。
【0096】 ブロックベース画像符号化方法の使用に基づいて、比較的低い品質で符号化さ
れる画像領域にいわゆるブロックアーチファクトが、すなわち、目に見えるブロ
ックエッジが強められて発生する。
【0097】 このブロックアーチファクトは、代替的な実施形態では、ブロックエッジフィ
ルタの使用によって低減される。このようなブロックエッジフィルタリングは[
4]から周知である。このブロックエッジフィルタリングは、復号化の枠内にお
いても図3に図示されているように符号器のフィードバックループにおいても、
いわゆる「フィルタ・イン・ザ・ループ(filter in the loop)」として使用さ
れる。
【0098】 ブロックエッジフィルタリングは、有利には、粗い量子化によって、すなわち
低い品質によって符号化される画像オブジェクトにおいてのみ適用される。
【0099】 しかし、画像シーケンス内の激しい運動の場合には、高い品質で符号化された
画像オブジェクトにおいても次のことが生じる。すなわち、制限されたデータレ
ートのために比較的粗い量子化が短時間使用されなければならないことが生じる
。この場合には、ブロックエッジフィルタリングが一時的に激しい運動のこの時
間の間に使用される。この激しい運動は選択的に画像オブジェクトに対して算出
された動きベクトルの評価によってもとめられる。
【0100】 ブロックエッジフィルタリングに使用されるフィルタのフィルタパラメータは
、[4]から周知の方法に従って符号化すべき各画像にダイナミックに適合可能
である。
【0101】 さらに、符号化された画像の伝送のために伝送エラープロテクションが設けら
れる。これは例えばCRC符号(巡回冗長検査)又はいわゆるパンクチャード符
号である。この場合、有利には、高い品質で符号化される画像オブジェクトが伝
送エラーに対するエラープロテクションメカニズムによって保護される。このエ
ラープロテクションメカニズムはより低い品質で符号化された画像オブジェクト
に対して使用されるエラープロテクションメカニズムよりも「より強力」である
【0102】 この「より強力な」という概念は、より多くの伝送エラーがエラープロテクシ
ョンのそれぞれの方法で識別される乃至は訂正されるというふうに理解してほし
い。
【0103】 品質情報は、様々な変形実施形態において、選択すべき局所分解能の情報によ
っても与えられる。この場合には、前景オブジェクト、すなわち第1の画像オブ
ジェクト104又は第2の画像オブジェクト105は、背景画像オブジェクト、
すなわち第3の画像オブジェクト103よりも良好な画像品質で、すなわちより
高い局所分解能で符号化される。
【0104】 この明細書では次の刊行物が引用された:
【0105】
【外1】
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例により処理される画像の概略図である。
【図2】 2つのコンピュータ、カメラ及びディスプレイの装置を示し、これらの2つの
コンピュータ、カメラ及びディスプレイによって画像データの符号化、伝送なら
びに復号化及び表示が行われる。
【図3】 デジタル化された画像のブロックベース符号化のための装置の概略図である。
【図4】 デジタル化された画像の符号化、伝送及び復号化のための方法ステップを示す
フローチャートを示す。
【符号の説明】
100 画像 101 画像ブロック 102 マクロブロック 103 第3のオブジェクト 104 第1の画像オブジェクト 105 第2の画像オブジェクト 201 カメラ 202 第1のコンピュータ 203 第1のプロセッサ 204 撮影された画像 205 画像メモリ 206 符号化された画像データ 207 通信コネクション 208 第2のコンピュータ 209 第2のプロセッサ 210 バス 211 画像メモリ 212 ディスプレイ 213 ディスプレイ 214 入力ユニット 215 入力ユニット 216 コンピュータマウス 217 コンピュータマウス 218 バス 219 線路 301 画像符号化ユニット 302 マクロブロック 303、304、305、306 画像ブロック 307、308 クロミナンスブロック 309 変換符号化ユニット 310 差画像情報 311 スペクトル係数 312 量子化ユニット 313 量子化されたスペクトル係数 314 スキャンユニット 315 逆量子化ユニット 316 エントロピー符号化ユニット 317 符号化された画像データ 318 スペクトル係数 319 逆変換符号化ユニット 320 再構成された符号化値 321 加算器 322 再構成された画像ブロック 323 画像メモリ 324 クロミナンス値 325 動き補償ユニット 326 輝度値 327 内挿ユニット 328 輝度値 329 動き推定ユニット 330 動きベクトル 331 データパス 332 スキャンされたスペクトル係数 334 線路
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年12月5日(2000.12.5)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】 [4]からは、ブロックベース画像符号化の枠内で生じるブロックアーチファ
クトをブロックエッジフィルタ(block edge filter)を使用して低減すること
が公知である。 [5]からは、画素を有するデジタル化された画像の処理のための方法が公知
であり、この方法では、画素が画像ブロックにグループ化され、画像が少なくと
も1つの第1の画像オブジェクト及び第2の画像オブジェクトに分割され、第1
の画像オブジェクトのエッジの少なくとも1つの部分が少なくとも1つの画像ブ
ロックに割り当てられ、少なくとも1つの画像ブロックに画像オブジェクトに関
する情報が割り当てられる。 [5]はこの方法が移動通信機器に使用されるとは開示していない。しかし、
この構成は[6]から公知であり、この[6]には移動電話間で画像を伝送する
ための方法が記述されている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0105
【補正方法】変更
【補正内容】
【0105】
【外1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ノルベルト エルテル ドイツ連邦共和国 ミュンヘン クライト マイルシュトラーセ 30 Fターム(参考) 5C059 MA23 MC11 MC38 ME01 ME05 NN15 PP04 PP16 PP28 SS07 TA46 TB07 TC01 TC12 TC24 TC34 TD08 UA02 UA05

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画素を有するデジタル化された画像の処理のための方法にお
    いて、 a)前記画素を画像ブロックにグループ化し、 b)前記画像を少なくとも1つの第1の画像オブジェクト及び第2の画像オブジ
    ェクトに分割し、前記第1の画像オブジェクトのエッジの少なくとも1つの部分
    に少なくとも1つの画像ブロックを割り当て、 c)該少なくとも1つの画像ブロックに画像オブジェクトに関する情報を割り当
    てる、画素を有するデジタル化された画像の処理のための方法。
  2. 【請求項2】 a)それぞれ複数の画像ブロックを1つのマクロブロックに
    グループ化し、 b)少なくとも前記エッジの部分にマクロブロックを割り当てる、請求項1記
    載の方法。
  3. 【請求項3】 少なくとも第1の画像オブジェクトのエッジの部分にマクロ
    ブロックの少なくとも1つのルミナンスブロックを割り当てる、請求項2記載の
    方法。
  4. 【請求項4】 第1の画像オブジェクトのエッジ全体に少なくとも1つの画
    像ブロックを割り当てる、請求項1〜3のうちの1項記載の方法。
  5. 【請求項5】 エッジが含まれているマクロブロック全てにそれぞれ画像オ
    ブジェクトに関する情報を割り当てる、請求項2〜4のうちの1項記載の方法。
  6. 【請求項6】 それぞれマクロブロックに割り当てられているマクロブロッ
    クアドレスを使用することによって第1の画像オブジェクトをアドレス指定する
    、請求項2〜5のうちの1項記載の方法。
  7. 【請求項7】 それぞれマクロブロックに割り当てられているマクロブロッ
    クアドレスを使用することによって第2の画像オブジェクトをアドレス指定する
    、請求項2〜6のうちの1項記載の方法。
  8. 【請求項8】 画像オブジェクトを異なる品質によって符号化することを特
    徴とする、請求項1〜7のうちの1項記載の方法。
  9. 【請求項9】 どのような品質で画像オブジェクトが符号化されるかを示す
    品質情報を少なくとも1つのマクロブロックに割り当て、該少なくとも1つのマ
    クロブロックは相応の画像オブジェクトに含まれている、請求項8記載の方法。
  10. 【請求項10】 品質は量子化パラメータによって決定される、請求項1〜
    9のうちの1項記載の方法。
  11. 【請求項11】 品質は局所分解能によって決定される、請求項1〜10の
    うちの1項記載の方法。
  12. 【請求項12】 デジタル化された画像の符号化のために使用される、請求
    項1〜11のうちの1項記載の方法。
  13. 【請求項13】 デジタル化された画像の復号化のために使用される、請求
    項1〜11のうちの1項記載の方法。
  14. 【請求項14】 移動通信機器において使用される、請求項1〜13のうち
    の1項記載の方法。
  15. 【請求項15】 画素を有するデジタル化された画像の処理のための装置に
    おいて、 該装置はプロセッサを有し、該プロセッサは次のように構成されている、すな
    わち、 a)前記画素が画像ブロックにグループ化され、 b)前記画像が少なくとも1つの第1の画像オブジェクト及び第2の画像オブジ
    ェクトに分割され、前記第1の画像オブジェクトのエッジの少なくとも1つの部
    分に少なくとも1つの画像ブロックが割り当てられ、 c)該少なくとも1つの画像ブロックに画像オブジェクトに関する情報が割り当
    てられる、画素を有するデジタル化された画像の処理のための装置。
  16. 【請求項16】 前記プロセッサは次のように構成されている、すなわち、 a)それぞれ複数の画像ブロックが1つのマクロブロックにグループ化され、 b)少なくとも前記エッジの部分にマクロブロックが割り当てられる、請求項1
    5記載の装置。
  17. 【請求項17】 デジタル化された画像の符号化のために使用される、請求
    項15又は16記載の装置。
  18. 【請求項18】 デジタル化された画像の復号化のために使用される、請求
    項15又は16記載の装置。
  19. 【請求項19】 移動通信機器において使用される、請求項15〜18のう
    ちの1項記載の装置。
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