JP2002526506A - シクロペンタジエニル鉄(ii)アレーン錯体を製造するための方法 - Google Patents

シクロペンタジエニル鉄(ii)アレーン錯体を製造するための方法

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JP2002526506A JP2000574123A JP2000574123A JP2002526506A JP 2002526506 A JP2002526506 A JP 2002526506A JP 2000574123 A JP2000574123 A JP 2000574123A JP 2000574123 A JP2000574123 A JP 2000574123A JP 2002526506 A JP2002526506 A JP 2002526506A
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エー. メイダー,ロジャー
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ミネソタ マイニング アンド マニュファクチャリング カンパニー
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F17/00Metallocenes
    • C07F17/02Metallocenes of metals of Groups 8, 9 or 10 of the Periodic Table

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Abstract

(57)【要約】 シクロペンタジエニル鉄(II)アレーン錯体を含む有機金属錯体を製造する方法が記載されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 技術分野 本発明は有機金属錯体、詳細にはシクロペンタジエニル鉄(II)アレーン錯
体を製造する方法に関する。
【0002】 背景技術 シクロペンタジエニル鉄(II)アレーン錯体を製造するための方法は、ルイ
ス酸の存在下においてeta−5ジシクロペンタジエニル鉄(II)(通常フェ
ロセンと呼ばれる)とアレーンのリガンド交換反応を使用する。この反応は、
【化9】 (式中、Cpはシクロペンタジエニル陰イオンであり、Arはアレーンまたはア
レーン陰イオンであり、Lはルイス酸である)のように表すことができる。
【0003】 この反応は、報告によると、記載されているようにルイス酸によるフェロセン
からの1つのシクロペンタジエニル陰イオンの脱離を含み、それらの構造はth
e Journal of Organometallic Chemistr
y Library 1977,3,311およびTetrahedron 1
983,39,4037に示されている。この反応は配位的に不飽和なシクロペ
ンタジエニル鉄(II)陽イオンとシクロペンタジエニル陰イオン−ルイス酸錯
体(陰イオン−酸錯体)を生成すると理論付けられている。シクロペンタジエニ
ル鉄(II)陽イオンはアレーンと配位結合してシクロペンタジエニル鉄(II
)アレーン錯体生成物を生成する。シクロペンタジエニル陰イオン−ルイス酸錯
体はさらに化学反応を受け、その性質は使用する特定のルイス酸に依存する。こ
れらの反応に通常使用されるルイス酸は塩化アルミニウム(AlCl3)である
。他には、臭化アルミニウム、塩化ガリウム、四塩化ジルコニウム、四塩化ハフ
ニウム、三フッ化ホウ素および四塩化スズが挙げられる。四塩化ジルコニウムま
たはハフニウムと塩化アルミニウムおよび四塩化チタンとの混合物も記載されて
いる(欧州特許出願番号第314,618号および米国特許第4,868,28
8号を参照)。
【0004】 シクロペンタジエニル鉄(II)アレーン錯体を製造する1つの従来技術では
、フェロセンをアレーン、ルイス酸および第一鉄(Fe+2)イオン塩と混合し、
シクロペンタジエニル鉄(II)アレーン陽イオン錯体を生成する。(米国特許
第5,059,701号を参照のこと)。反応機序は以下のようであると言われ
ている:ルイス酸はフェロセン分子から1つのシクロペンタジエニルリガンドを
脱離して、シクロペンタジエニル陰イオン−ルイス酸錯体(陰イオン−酸錯体)
およびシクロペンタジエニル鉄(II)陽イオンを生じ、シクロペンタジエニル
鉄(II)陽イオン錯体とアレーンにより生成物シクロペンタジエニル鉄(II
)アレーン陽イオン錯体を形成し、シクロペンタジエニル陰イオン−ルイス酸錯
体がシクロペンタジエニル陰イオンを別の第一鉄イオンに転移して別のシクロペ
ンタジエニル鉄(II)陽イオンを生成し、これは別のアレーン分子との錯化を
受けて別のシクロペンタジエニル鉄(II)アレーン陽イオン錯体を生成するこ
とができる。
【0005】 米国特許第5,059,701号は、任意の他の酸化状態の鉄とは異なって、
2価(第一鉄)鉄(Fe++)イオンの用途を詳細且つ明白に教示している。第一
鉄イオンはフェロセンと直接反応すると言われている。第一鉄イオンを提供する
記載されている方法は、別個の予備的な処理ステップにおいて第二鉄イオンを第
一鉄イオンに還元することによる。次いで、別個のステップにおいて事前に生成
した第一鉄イオンを第一鉄酸化状態で他の反応物(ルイス酸、フェロセン)に添
加して、成分のシクロペンタジエニル鉄(II)アレーン錯体への反応を可能に
する。
【0006】 シクロペンタジエニル鉄(II)アレーン錯体化合物を製造する際には、第一
鉄イオン源を反応混合物に添加するのではなく、第二鉄イオン源を添加すること
が望ましいと思われる。こうすることにより、1つには、他の反応物との反応の
前に第二鉄イオンを第一鉄イオンに還元する第5,059,701号に記載され
ている別個の事前のステップを排除することができると思われる。しかし、少な
くとも1つの以前の教示において、第二鉄イオン(第一鉄イオンと比較したとき
)は、フェロセンの存在下において、フェロセンと反応してフェリシニウムテト
ラクロロ鉄(III)、[Cp2Fe]+[FeCl4]を生成することが記載さ
れている。ボイエンス(Boeyens)ら、「2−ブタノンエタノール中での
塩化鉄(III)によるフェロセン酸化の再調査(The reinvesti
gation of the ferrocene oxidation by
iron(III)chloride in 2−butanone−eth
anol)」(S. Afr.J.Chem.(1984)37(1),32−
4)参照)。この教示は、フェロセンを含む反応物に第二鉄イオンを直接加える
ことにより、フェリシニウムテトラクロロ鉄(III)が生成され、シクロペン
タジエニル鉄(II)アレーン陽イオン錯体などの任意の他の望ましい反応生成
物の生成と競合すると思われることを示している。
【0007】 発明の開示 本発明は、有機金属錯体塩、詳細には、シクロペンタジエニル鉄(II)アレ
ーン陽イオン錯体塩のクラスを製造するための方法に関係する。本発明によると
、第二鉄イオンを、フェロセン、ルイス酸およびアレーンを含む反応物に直接添
加して、シクロペンタジエニル鉄(II)アレーン陽イオン錯体を製造すること
ができる。第二鉄イオンはフェロセンの存在下でその場で第一鉄イオンに変換さ
れ、その後第一鉄イオンはシクロペンタジエニル陰イオン−ルイス酸錯体と反応
してシクロペンタジエニル陰イオンを第一鉄イオンに転移し、シクロペンタジエ
ニル鉄(II)陽イオンを生成することができる。シクロペンタジエニル鉄(I
I)陽イオンはアレーンに配位して望ましいシクロペンタジエニル鉄(II)ア
レーン錯体を生成することができる。フェロセンと第二鉄イオンの間の競合反応
は望ましくないフェリシニウムテトラクロロ鉄(III)反応生成物が許容され
ないほどには生成されず、これらの反応物の組み合わせは有用な量のシクロペン
タジエニル鉄(II)アレーン陽イオン錯体を生成する。
【0008】 簡単に説明すると、本発明は、フェロセン、アレーン、第二鉄イオンおよびル
イス酸を組み合わせることによってシクロペンタジエニル鉄(II)アレーン陽
イオン錯体を製造するための方法を提供する。本発明の方法は、以前の教示に記
載されているように、第一鉄イオン源の代わりに第二鉄イオン源を反応溶液に添
加する。第二鉄イオンは、アレーン、フェロセンおよびルイス酸の存在下でその
場で第一鉄イオンに還元され、それによって従来技術に記載されている、第二鉄
イオンから第一鉄イオンを形成し、次いで第一鉄イオンを他の反応物に添加する
別個の、予備的なステップが必要なくなる。その後第一鉄イオンが反応して、シ
クロペンタジエニル鉄(II)アレーン陽イオン錯体を生成する。
【0009】 反応順の好ましい実施態様は以下のように特徴づけることができる:1)第二
鉄イオンの第一鉄イオンへのその場での還元;および2)フェロセン、第二鉄イ
オン、アレーンおよびルイス酸が反応して望ましいシクロペンタジエニル鉄(I
I)アレーン錯体を生成する;等:
【化10】
【化11】 上記の式1および2において、Rは還元剤であり、Arはアレーンであり、Xは
ハロゲンであり、Lはルイス酸である。
【0010】 本発明の一態様はシクロペンタジエニル鉄(II)アレーン陽イオン錯体を製
造するための方法に関する。本発明の方法は、フェロセン、アレーン、ルイス酸
および第二鉄イオンを含む混合物を提供するステップを含む。本発明によって製
造されるシクロペンタジエニル鉄(II)アレーン陽イオン錯体は式、
【化12】 (式中、Cpはeta5錯化シクロペンタジエニル陰イオンリガンドまたはet
5錯化インデニル陰イオンリガンドで、そのどちらかは置換または非置換であ
ってもよく、Arは、置換または非置換であってもよいeta6錯化アレーン陰
イオンリガンドであり、Aはb−価の陰イオンで、bは1、2または3であって
もよい)によって(対イオンAとの塩の形態で)表すことができる。
【0011】 詳細な説明 反応は、フェロセン、アレーン、ルイス酸および第二鉄イオンを含む成分を1
つの容器中で反応させることによるシクロペンタジエニル鉄(II)アレーン陽
イオン錯体の製造を提供する;これらの成分は本明細書において集合的であるが
、非排他的に「反応物」と呼ばれ、(反応の前または後に)合わせたとき、「反
応混合物」と呼ばれる。反応物は有機溶媒などの他の有用な成分をさらに含んで
もよいが、第一鉄イオン源を直接添加する必要はない。
【0012】 本発明を説明する目的のために、フェロセンは一般式、
【化13】 (式中、各Cpは、独立に、置換もしくは非置換eta5錯化シクロペンタジエ
ニル陰イオンまたは置換もしくは非置換インデニル陰イオンである)を有する錯
体をいう。シクロペンタジエニル陰イオンまたはインデニル陰イオンの置換は1
つ以上であってもよく、同じまたは異なってもよく、例えば、炭素原子数約1〜
約10の直鎖または分岐鎖アルキルまたはフルオロアルキル基、アリール、炭素
原子数1〜10のカルボン酸エステル、アルカノイル、ベンゾイル、クロロまた
はシアノなどの1価基であってもよい。具体的なCp陰イオンリガンドの例には
、メチルシクロペンタジエン、エチルシクロペンタジエン、n−プロピルシクロ
ペンタジエン、n−ブチルシクロペンタジエン、イソブチルシクロペンタジエン
、1,2−ジメチルシクロペンタジエン、1,3−ジメチルシクロペンタジエン
、トリフルオロメイルシクロペンタジエン、フェニルシクロペンタジエン、シク
ロペンタジエンカルボン酸メチルおよびエチルエステル、アセチルシクロペンタ
ジエン、ベンゾイルシクロペンタジエン、クロロシクロペンタジエン並びにシア
ノシクロペンタジエンの陰イオンが挙げられる。
【0013】 アレーン反応物は、例えば、炭素原子数約6〜約100の芳香族化合物または
炭素原子数約3〜約100およびヘテロ原子1〜10のヘテロ芳香族化合物、詳
細には非過酸化物酸素、窒素または硫黄ヘテロ原子を単独または組み合わせて含
有するヘテロ芳香族化合物であってもよい。アレーンは単核、縮合多核または非
縮合多核であってもよく、非置換、一置換または直鎖もしくは分岐鎖アルキル、
フェニルもしくは他のアリール、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、
アリールチオなどの同一もしくは異なる1価基置換体による多置換であってもよ
い。好適な置換体の具体的な例には、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソ
プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソブチル、n−
ペンチル、n−ヘキシル、2−エチルヘキシル、n−オクチル、メトキシ、エト
キシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、フェノキシ、n−プロ
ピルチオ、イソプロピルチオおよびn−ブチルチオが挙げられる。アレーンは1
つのアレーンまたは2つ以上のアレーンの混合物を含んでもよい。
【0014】 好適なアレーンには、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p
−キシレン、混合イソマーキシレン、メシチレン、ズレン、エチルベンゼン、ジ
エチルベンゼン、プロピルベンゼン、ヘキサメチルベンゼン、クメン、ジイソプ
ロピルベンゼン、イソブチルベンゼン、アニソール、エトキシベンゼン、p−ジ
メトキシベンゼン、ナフタレン、メチルナフタレン、メトキシナフタレン、1,
2−ジヒドロナフタレン、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン、ビフェニ
ル、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、ジフェニルエーテル、スチルベン
、ビフェニレン、パラシクロファン、アントラセン、フェナントレン、9,10
−ジヒドロアントラセン、フルオレン、トリフェニレン、ピレン、ペリレン、ク
リセン、クロメン、コロネン、ナフタセン、キサンテン、チオキサンテン、ピロ
ール、フラン、ベンゾフラン、ジベンゾフラン、ベンゾピラン、カルバゾール、
トリオフェン、ベンゾチオフェン、インドール、インデン、アクリジン、ベンゾ
キサジンが挙げられる。好適な他の例は多数の化学ハンドブックのいずれかを参
照することによって見出すことができる。
【0015】 ルイス酸は有機金属化合物の分野では周知である。例えば、米国特許第5,0
59,701号を参照のこと。本発明の方法では、ルイス酸はCp陰イオンと錯
体を形成することができる、すなわちCp陰イオンの第一鉄陰イオンへの転移を
可能にして本明細書に記載する反応を実施してシクロペンタジエニル鉄(II)
アレーン陽イオンを生成するのに十分に反応性である任意のルイス酸であっても
よい。好ましいルイス酸の例には、塩化アルミニウムおよび臭化アルミニウムな
どのハロゲン化アルミニウム、三フッ化ホウ素並びにハロゲン化ガリウムが挙げ
られ、昇華塩化アルミニウムが最も好ましい。
【0016】 ルイス酸は1つのルイス酸または2つ以上のルイス酸の混合物を含んでもよい
。上記の好ましいルイス酸の第1の群以外に、例えば、有機金属錯体反応生成物
の収率を改善するために有機金属化学分野において周知のように、第2の群の好
ましいルイス酸の1つ以上を反応混合物に加えてもよい。第2のルイス酸の例に
は、スズ、チタン、ジルコニウムおよびハフニウムの四塩化物が挙げられる。こ
れらのルイス酸は相対的に反応性で、速度増加性添加剤として使用することがで
きる。それらは、比較的強い反応性のために、一般に、反応混合物中の唯一ルイ
ス酸として使用するのに好適ではない。従って、この第2の好ましい群のルイス
酸は、一般に、上記に識別した第1の好ましい群のルイス酸などの1つ以上の他
のルイス酸と併用して使用することができる。
【0017】 第二鉄イオン(Fe+3)は、シクロペンタジエニル鉄(II)アレーン錯体を
生成する望ましい反応全体を実質的に妨害する他の化学種を反応混合物に導入し
ない任意の第二鉄イオン源からおよび任意の形態で提供されうる。第二鉄イオン
源は、第一鉄イオンへの有用な還元反応および望ましいシクロペンタジエニル鉄
(II)アレーン陽イオン錯体への反応を受けるのに十分な量の第二鉄イオンを
提供するのに十分に反応混合物に可溶性且つ十分に反応性である第二鉄イオンを
含むべきである。有用な第二鉄イオン源の例は第二鉄塩であってもよい。第二鉄
塩として導入される第二鉄イオンは、第二鉄塩の陰イオン成分がシクロペンタジ
エニル鉄(II)アレーン陽イオン錯体の生成を実質的に妨害しないことが望ま
しいことがある。第二鉄塩は、好ましくは、無水またはほぼ無水形態であっても
よく、好ましくは、シクロペンタジエニル鉄(II)をかなりプロトン付加する
のに十分酸性である任意の官能基を含有しない。
【0018】 好ましい第二鉄イオン源はハロゲン化第二鉄などの第二鉄塩であり、好ましく
は塩化第二鉄である。他の有用な第二鉄イオン源の例は第二鉄イオンのカルボン
酸塩、硫酸塩および硝酸塩であってもよい。
【0019】 本発明によると、第二鉄イオンは、フェロセンを含む他の反応物の存在下で反
応混合物中でその場で第一鉄イオンに還元されうる。第二鉄イオンの第一鉄イオ
ンへの還元反応は、シクロペンタジエニル鉄(II)アレーン陽イオン錯体への
望ましい反応全体を実質的に妨害しない任意の方法によって、例えば、還元剤が
第二鉄イオンの第一鉄イオンへの還元反応を生ずるが、同時に望ましい反応全体
を実質的に妨害しない方法によって生ずることができる。好ましい還元剤には、
アレーンなどの不飽和で、一般的に芳香族である化合物が挙げられる。
【0020】 本発明の好ましい実施態様では、第二鉄イオンは反応溶液中にハロゲン化第二
鉄を溶解することによって提供することができ、酸化的ハロゲン化において第二
鉄イオンにアレーンを反応させることによって第二鉄イオンを第一鉄イオンに還
元することができる。アレーンはハロゲン化され、反応の安定な副産物となる(
ArX)。このような酸化的ハロゲン化反応は一般に以下のように例示すること
ができる:
【化14】 (式中、Arはアレーンであり、Xはハロゲンである)。最も好ましくは、還元
剤として機能するアレーンは、反応混合物に反応物として添加されて、シクロペ
ンタジエニル鉄(II)陽イオンに配位し、望ましいシクロペンタジエニル鉄(
II)アレーン錯体反応生成物を生成する同一のアレーンであってもよい。従っ
て、アレーン反応物および還元剤は同一のアレーン化合物であってもよい。
【0021】 等式5の酸化的ハロゲン化の特に好ましい例は、塩化第一鉄および2,4−ジ
−メチルクロロベンゼンを生成するメタキシレンと塩化第二鉄イオンの反応であ
る:
【化15】
【0022】 反応混合物に加えられる各反応物の量は有用な収率のシクロペンタジエニル鉄
(II)アレーン陽イオン錯体を生成するのに有効な任意の量であってもよい。
一般に、上記の等式1および2により化学量論的に適当な量の各反応物を使用す
ることが好ましい。
【0023】 好ましくは、反応混合物は、フェロセン1モルあたり少なくとも1モルの第二
鉄イオン、例えば、約0.8〜1.2モルの第二鉄イオンを含有する。
【0024】 反応混合物は、好ましくは、少なくとも化学量論量の還元剤Rを含むことがで
き、例えば、上記の等式1によると、1モルのフェロセンあたり少なくとも約1
モルの還元剤を含むことができる。
【0025】 反応混合物も、好ましくは、少なくとも化学量論量のアレーンを含むことがで
き、例えば等式2によると、フェロセン1モルに対して少なくとも2モルのアレ
ーンを含むことができる。同一のアレーンが等式1の還元剤および等式2のアレ
ーン反応物として使用される場合には(例えば、下記等式6a.1および6b.
1に例示する)、さらなるモル数のアレーンが必要になり、合わせた反応ではフ
ェロセン1モルあたり合計3モルとなる。5〜10倍以下の過剰モルのアレーン
を含むことが有用または好ましいことがあり、アレーンは反応溶媒としても使用
することができる(下記に記載)。
【0026】 好ましくは、反応混合物は、1つの化合物としてまたは2つ以上のルイス酸化
合物の混合物としてフェロセン1モルあたり少なくとも約1モルのルイス酸を含
有し、さらに好ましくは、1.5から3モルを含有する。上記に識別した第1の
好ましい群のルイス酸の混合物を第2の好ましい群のルイス酸と共に使用する場
合には、一般に、より反応性の第2群のルイス酸を少量使用することが好ましい
場合がある。フェロセン1モルあたり、0〜0.2モルのより反応性の高いルイ
ス酸の量が好ましい場合があり、約0.1モル未満の量が最も好ましい。
【0027】 還元性金属を、必要に応じて、他の反応物の望ましくない酸化を防止する抗酸
化剤として反応混合物に反応物として加えることができる。還元性金属は、この
ような酸化を防止する作用をする任意の金属であってもよく、好ましくは、表面
積を大きくするために再分割されうる。一般に抗酸化剤、さらに詳細には還元性
金属は当化学分野において周知であり、アルミニウム、マグネシウムおよびスズ
などのような還元性金属を含む。本発明に使用するために好ましい還元性金属は
アルミニウムであり、最も好ましくはアルミニウム粉末の形態である。還元性金
属は、有機金属化学分野の当業者に明らかであるように、任意の有用な量で反応
物として含めることができ、好ましくは、フェロセン1モルあたり約0.1〜1
モルの量の還元性金属が存在してもよい。
【0028】 反応は、好ましくは、適当な種類および量の溶媒中で生ずることができる。有
用な溶媒には、ルイス酸反応物と錯体形成しない程度に非塩基性であり、鉄イオ
ンと錯体形成することに対してアレーンと競合しない有機化合物を挙げることが
できる。溶媒は、このような目的のための化学分野に周知の任意の適当な有機化
合物であってもよいが、実際の場合には、使用する有機溶媒は、好ましくは、上
記の等式1(還元用試薬Rはアレーンである)または等式2に記載の上記する反
応物として使用されるものと同一のアレーンであってもよい。例えば、比較的高
価なアレーンの場合のように、反応溶媒として同一の反応物アレーン化合物を使
用することが不可能である場合には、異なる有機溶媒を使用することができる。
有用な溶媒の具体的な例には、例えば、アルカン、アレーンおよびシクロアルカ
ンのような単品の化合物または混合物としての非極性、非反応性有機液体が挙げ
られる。有用な溶媒の具体的な例には、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン
、デカヒドロナフタレン、ヘプタン、オクタンが挙げられ、同様の直鎖および分
岐鎖アルカン、並びに市販のオクタン分画などのこれらまたは他の有機溶媒を含
有する混合物が挙げられる。
【0029】 反応混合物に存在する水分はできるだけ少量にするべきである。反応は、乾燥
窒素の不活性雰囲気下などの無水条件下で実施されることが好ましいが、これは
必要なく、通常の周囲大気圧雰囲気下で反応を実施することも可能である。
【0030】 反応の好ましい実施態様は、等式、
【化16】
【化17】 (式中、Ar、Cp、XおよびLは規定するとおりである)。 によって特徴づけることができる。
【0031】 本発明の好ましい具体的な例において、アレーンはメタキシレンを含み、第二
鉄イオン源は塩化第二鉄を含み、ルイス酸は塩化アルミニウムを含む:
【化18】
【化19】 当業者に明らかなように、他のアレーン、還元用試薬およびルイス酸を他の同様
なシクロペンタジエニル鉄(II)アレーン錯体を製造するための類似の反応ス
キームを提供する等式6a.1および6b.1に示すものと交換することができ
る。
【0032】 本発明の方法によると、フェロセン、アレーン、第二鉄イオンおよびルイス酸
を含む反応物は、反応混合物を形成する1つの反応容器中に提供することができ
る。反応容器は任意の好適な反応容器であってもよく、好ましくは反応混合物を
混合する手段、反応混合物に熱エネルギーを加えるまたは反応混合物から熱エネ
ルギーを除去するための手段、反応混合物の温度をモニターするための手段、反
応混合物に加わる圧力を制御するための手段および反応混合物に不活性雰囲気を
提供するための手段を含む。
【0033】 反応物は任意の順序で反応溶液に提供することができる。反応物が合わされた
ら、反応は、典型的には、例えば過熱用マントルのような外部熱源で反応混合物
を過熱することによって促進することができる。反応は、典型的には、発熱反応
であって、ある程度の量の熱エネルギーを反応に提供することができるが、典型
的には、望ましい反応をさらに促進し、望ましい錯体の収率を増加するために反
応混合物にさらに熱エネルギーを加えることが有用である。非常に急激に発熱す
る反応では、反応物をゆっくり合わせることが望ましく、有利である場合がある
。例えば、フェロセンを他の反応物にゆっくり加えることが望ましく、有利であ
る場合がある。
【0034】 反応は、シクロペンタジエニル鉄(II)アレーン錯体を生成するのに効果的
な任意の温度および圧力条件において実施することができる。例えば、有用な温
度は20〜250℃であってもよく、80℃〜140℃の温度が好ましい。圧力
は標準的な大気圧であってもよく、または例えば、反応物の1つが揮発性である
場合のように望ましい場合には高圧を使用してもよい。
【0035】 反応は、有用な収率の望ましいシクロペンタジエニル鉄(II)アレーン錯体
反応生成物を生成するのに十分な任意の時間にわたって進行させることが可能で
ある。例えば、反応は、0.1〜24時間の間進行させることが可能である。有
用な反応の終点は、反応生成物の収率をモニターすることによって決定すること
ができる。
【0036】 反応が終了したら、反応混合物を冷却し、急冷することができる。これは、ル
イス酸の水和によって実施することができ、反応混合物を冷却水、アルコールと
水の冷却した混合物または冷却した無水アルコール(例えば、メタノール、エタ
ノール、イソプロパノール等)と合わせ、次に水と合わせることを意味する。外
部冷却は、反応容器を同時に適用することができる。冷却し、急冷した反応混合
物を、例えばフェロセン1モルあたり約2リッターの氷と水のような氷と水との
混合物に加えることができる。これにより、1相は氷と水との相で、もう1相は
有機相である2相の混合物が生じる。有機相は有機溶解性物質を含有し、望まし
いシクロペンタジエニル鉄(II)アレーン錯体は水相に含有される。
【0037】 フェロセンを再度形成する可能性のあるフェリシニウムイオンを還元するため
に水相に軽度な還元剤を添加することが有利な場合もある。一般に、アスコルビ
ン酸が好ましいこのような軽度な還元剤となりうる。亜硫酸ナトリウムを使用す
ることもできる。
【0038】 シクロペンタジエニル鉄(II)アレーン錯体を含む反応混合物は、望ましい
シクロペンタジエニル鉄(II)アレーン錯体生成物を単離または精製するため
の有機化学分野に周知の技法によって処理することができる。異なる相の反応混
合物、水相(望ましい生成物を含有する)および有機相は既知の方法によって分
離することができる。水相は、不純物を有機溶媒または溶媒混合物で抽出するこ
とによって精製することができる。好ましい抽出溶媒には、フェロセンおよびア
レーンを溶解する非極性で、水不混和性溶媒が挙げられる。好ましい溶媒に例に
はシクロヘキサン、酢酸エチルおよびジクロロメタンが挙げられる。シクロペン
タジエニル鉄(II)アレーン錯体反応生成物は、一般に、例えば、AlCl4 - の塩等のようなルイス酸錯体塩として水相に存在する。
【0039】 水相をろ過して任意の残存する還元性金属粉末を除去することができる。
【0040】 異なる陰イオンを有し、特に望ましい用途に有用となると思われる錯体を提供
するためには、最初に形成された錯体のルイス酸陰イオンを置換陰イオン(A-
と命名)と交換することが望ましいことがある。例えば、光開始性重合触媒とし
て作用するために錯体と併用して相対的により効果的となりうる非求核陰イオン
を含む反応生成物錯体を製造することが望ましいことがある。塩素などの求核性
陰イオンは、鉄と競合し、モノマー錯化を妨害することによって光触媒の作用を
妨害することがある。PF6 -、SbF6 -、BF4 -などの非求核性陰イオンは比較
的高い触媒活性のために好ましいことがある。イオン交換は本明細書の以下に示
すように進行することができるが、イオン交換はイオン交換の化学分野に有用で
あると周知の任意の方法によって実施することができる。
【0041】 一般に、イオン交換は以下の反応によって特徴づけることができる:
【化20】 この反応の具体的な例として、テトラクロロアルミネート陰イオン(AlCl4
)は以下のようにヘキサフルオロアンチモネート陰イオンと交換することができ
る:
【化21】
【0042】 望ましい陰イオン−交換生成物は、望ましい陰イオンの水溶性塩または酸を添
加して水中に錯体のスラリーを形成することによって水相から沈殿することがで
きる。このような方法の例には、ヘキサフルオロリン酸アンモニウム、ナトリウ
ムもしくはカリウムまたはヘキサフルオロリン酸を添加することによるヘキサフ
ルオロリン酸塩(PF6 -)の沈殿、ヘキサフルオロアンチモネートナトリウムの
添加によるヘキサフルオロアンチモネート塩(SbF6 -)の沈殿、テトラフルオ
ロホウ酸の添加によるテトラフルオロホウ酸塩の沈殿が挙げられる。望ましい錯
体反応生成物は、ろ過またはジクロロメタンなどの好適な有機溶媒による抽出に
よるなどの、既知の方法によってスラリーから取り出すことができる。
【0043】 本発明の方法は、以下の式、
【化22】 (式中、Cpはeta5錯化シクロペンタジエニル陰イオンリガンドまたはet
5錯化インデニル陰イオンリガンドで、そのどちらかは置換または非置換であ
ってもよく、Arは、置換または非置換であってもよいeta6錯化アレーン陰
イオンリガンドであり、Aはb−価の陰イオンで、bは1、2または3であって
もよい)を有するシクロペンタジエニル鉄(II)アレーン陽イオン錯体を製造
するために使用することができる。対イオン(Ab-)は、例示的な例として、P
、As、Sb、Bi、B、Al、Ga、In、Sc、Ti、Zr、V、Cr、M
n、Fe、Co、Cu、Zn、SnおよびCeの塩素化、フッ素化、ヒドロキシ
ル化、アルキル化またはアリール化陰イオンであってもよい。アルキル基または
アリール基を含有する陰イオンの場合には、アルキル基またはアリール基は置換
または未置換であってもよい。他の好適な陰イオンの例示的な例には、(フェニ
ル)4-、(フェニル)3(アルキル)B-、(アルキル)4-(ここで、アルキ
ルはエチル、プロピル、ブチル、イソブチル、ヘキシル等であってもよい)、(
フェニル)3(ベンジル)B-,BF4 -,PF6 -,AsF6 -,SbF6 -,FeC1 4 - ,SnCl5 -、A1F4 -、GaC14 -、TiC14 -、SbF5OH-、ホウ酸ペ
ンタフルオロフェニルおよびテトラ−(ホウ酸3,5−bis−トリフルオロメ
チルフェニル)が挙げられる。好ましくは、陰イオンはBF4 -、PF6 -、SbF 6 - 、SbF5OH-、AsF6 -、SbC16 -またはC(SO2CF33 -であっても
よい。別の好適な陰イオン、Ab-には有機硫酸塩が挙げられる。好適な硫酸塩含
有陰イオンの例にはメタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、ベ
ンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、p−クロロベンゼンスルホン
酸塩、p−トリフルオロメチルベンゼンスルホン酸塩等が挙げられる。トリフル
オロメタンスルホン酸塩が特に好ましいことがある。別の好適な陰イオンには、
過塩素酸塩、硫酸塩および硝酸塩などの強酸の陰イオンが上げられる。
【0044】 本発明の方法により製造される有機金属錯体陽イオンは、ポリウレタンを提供
するためのポリオールとポリイソシアネート、エポキシ樹脂を提供するためのエ
ポキシド、ポリトリアジンを提供するためのシアネートおよびポリビニルエーテ
ルを提供するためのビニルエーテルの重合を含む種々の重合反応の光活性化型熱
触媒としてを含む用途に有用となりうる。米国特許第5,059,701号を参
照のこと。さらに、本発明の方法により製造することができる錯体陽イオンは2
段階重合(硬化)に有用となりうる。
【0045】 実施例 シクロペンタジエニル鉄(II)m−キシレンヘキサフルオロアンチモネートの
製造 500mlのフラスコに窒素を通気し、それに28.8グラムの塩化第二鉄、
53.6グラムの塩化アルミニウム、30.8グラムのフェロセンおよび150
グラムのm−キシレンを添加した。添加が終了すると、発熱反応が生じ、温度は
60℃まで上昇した。発熱が弱くなったら、反応物を100℃に加熱し、1時間
その温度で維持した。粉末アルミニウム(1.3グラム)を添加し、125℃に
おいて24時間加熱を継続した。反応混合物を22℃まで冷却し、次いで10℃
に冷却しておいた360mlの水を徐々に添加することによって急冷した。急冷
した混合物の温度は添加中26℃より低い温度で維持した。添加が終了したら、
混合物を22℃において1時間撹拌した。混合物は水相と有機相に分離した。水
相を有機相から分離し、ろ過し、70mlの酢酸エチルで2回および50mlの
ヘプタンで2回洗浄した。水相を撹拌し、それに111グラムのヘキサフルオロ
アンチモネートナトリウムを30分間かけて添加した。混合物をさらに15分間
撹拌し、その後生成物をろ過し、400mlの水および100mlのイソプロピ
ルアルコールで洗浄した。乾燥後、120グラム(理論量の80%)のシクロペ
ンタジエニル鉄(II)m−キシレンヘキサフルオロアンチモネートを得た。
【0046】 シクロペンタジエニル鉄(II)メシチレンヘキサフルオロアンチモネートの製
造 170グラムのメシチレンをm−キシレンと交換したことを除いて上記の手順
と同一の手順を使用して、96グラム(理論量の61%)のシクロペンタジエニ
ル鉄(II)メシチレンヘキサフルオロアンチモネートを得た。
【0047】 以下の実施例は、反応混合物にエタノールおよび水を逐次的に添加することに
よって反応を急冷した手順を例示する。
【0048】 シクロペンタジエニル鉄(II)o−キシレンヘキサフルオロアンチモネートの
製造 500mlのフラスコに窒素を通気し、それに28.6グラムの塩化第二鉄、
44.7グラムの塩化アルミニウム、30.8グラムのフェロセンおよび150
グラムのo−キシレンを添加した。混合物を100℃までの温度で3時間加熱し
た。この後、1.0gの粉末アルミニウムを添加し、140℃までの温度におい
て15時間加熱を継続した。フラスコを氷水で22℃まで冷却し、24℃より低
い温度に維持しながら、69グラムのエタノールおよび360mlの水をそれぞ
れ添加した。水相を分離し、酢酸エチルで洗浄した。これに62グラムのヘキサ
フルオロアンチモネートナトリウムを添加し、混合物を15分間撹拌した。生成
物をろ過し、乾燥して、98グラム(理論量の64%)のシクロペンタジエニル
鉄(II)o−キシレンヘキサフルオロアンチモネートを得た。
【0049】 本化学分野の当業者に考えられるように、異なるアレーンリガンドまたは異な
る対イオンを有することを除いて同じである他のシクロペンタジエニル鉄(II
)アレーン錯体を、反応物を化学的に適当な他の反応物を交換することによって
、上記した方法と同様の方法によって製造することができると思われる。例えば
、これらの例示した錯体と同様であるシクロペンタジエニル鉄(II)アレーン
錯体は、アレーン反応物を、例えば、キシレン混合物、イソプロピルベンゼン、
トルエン、別のアルキル置換ベンゼンと交換することによって製造することがで
きる。対イオンAは、別のイオンと同様に交換されて、置換対イオンとの類似の
錯体を製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM ,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE, KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,L T,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX ,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE, SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,U A,UG,UZ,VN,YU,ZW

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シクロペンタジエニル鉄(II)アレーン陽イオン錯体を製
    造するための方法であって、フェロセン、アレーン、ルイス酸および第二鉄イオ
    ンを含む反応物の混合物を、シクロペンタジエニル鉄(II)アレーン陽イオン
    錯体への前記反応物の反応を実施するのに十分な量および条件で提供するステッ
    プを含む方法。
  2. 【請求項2】 前記第二鉄イオンがフェロセンの存在下で第一鉄イオンに還
    元される請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記第二鉄イオンが第二鉄塩を前記反応混合物に溶解するこ
    とによって提供され、前記第二鉄イオンがフェロセン、前記ルイス酸および前記
    アレーンの存在下で第一鉄イオンに還元される請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記アレーンが、前記第二鉄イオンを第一鉄イオンに還元す
    るための還元剤として作用する請求項2に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記第二鉄イオンが、以下の反応、 【化1】 (式中、Arはアレーンを示し、Xはハロゲンを示す) によって特徴付けられるように還元される請求項2に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記アレーンがキシレンを含み、前記第二鉄塩が塩化第二鉄
    を含む請求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記フェロセンが、式、 【化2】 (式中、各Cpは、独立に、置換もしくは非置換eta5錯化シクロペンタジエ
    ニル陰イオンまたは置換もしくは非置換インデニル陰イオンを示す)によって表
    される化合物を含む請求項1に記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記Cp陰イオンリガンドが、独立に、非置換インデニル陰
    イオン、非置換シクロペンタジエニル陰イオン、メチルシクロペンタジエン、エ
    チルシクロペンタジエン、n−プロピルシクロペンタジエン、n−ブチルシクロ
    ペンタジエン、イソブチルシクロペンタジエン、1,2−ジメチルシクロペンタ
    ジエン、1,3−ジメチルシクロペンタジエン、トリフルオロメチルシクロペン
    タジエン、フェニルシクロペンタジエン、シクロペンタジエンカルボン酸メチル
    およびエチルエステル、アセチルシクロペンタジエン、ベンゾイルシクロペンタ
    ジエン、クロロシクロペンタジエン並びにシアノシクロペンタジエンの陰イオン
    並びにそれらの混合物からなる群から選択される請求項7に記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記アレーンが、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−
    キシレン、p−キシレン、混合イソマーキシレン、メシチレン、ズレン、エチル
    ベンゼン、ジエチルベンゼン、プロピルベンゼン、ヘキサメチルベンゼン、クメ
    ン、ジイソプロピルベンゼン、イソブチルベンゼン、アニソール、エトキシベン
    ゼン、p−ジメトキシベンゼン、ナフタレン、メチルナフタレン、メトキシナフ
    タレン、1,2−ジヒドロナフタレン、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレ
    ン、ビフェニル、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、ジフェニルエーテル
    、スチルベン、ビフェニレン、パラシクロファン、アントラセン、フェナントレ
    ン、9,10−ジヒドロアントラセン、フルオレン、トリフェニレン、ピレン、
    ペリレン、クリセン、クロメン、コロネン、ナフタセン、キサンテン、チオキサ
    ンテン、ピロール、フラン、ベンゾフラン、ジベンゾフラン、ベンゾピラン、カ
    ルバゾール、トリオフェン、ベンゾチオフェン、インドール、インデン、アクリ
    ジン、ベンゾキサジンおよびそれらの混合物からなる群から選択される請求項1
    に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記ルイス酸が、ハロゲン化アルミニウム、三フッ化ホウ
    素、ハロゲン化ガリウムおよびそれらの混合物からなる群から選択される請求項
    1に記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記ルイス酸が、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、
    塩化ホウ素、塩化ガリウムからなる第1の群並びに第1の群から選択されるルイ
    ス酸と四塩化チタン、四塩化ジルコニウム、四塩化ハフニウムおよび四塩化スズ
    からなる第2の群から選択されるルイス酸との組み合わせから選択される請求項
    1に記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記混合物が、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛および
    それらの混合物からなる群から選択される還元性金属をさらに含む請求項1に記
    載の方法。
  13. 【請求項13】 前記反応混合物が、フェロセン1モルに対して、 約2〜13モルのアレーンと、 約0.8〜1.2モルの第二鉄イオンと、 約1.5〜3モルのルイス酸と、 約0.1〜1モルの還元性金属と を含む請求項1に記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記混合物が、他の反応物と反応しない有機溶媒をさらに
    含む請求項1に記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記ルイス酸の水和による前記反応生成物を急冷するステ
    ップをさらに含む請求項1に記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記急冷するステップが、 a)前記反応混合物に、メタノール、エタノールまたはイソプロパノールを含
    む無水アルコールを加えるステップと、 b)任意に、外部冷却を提供するステップと、 c)前記反応混合物と、氷と水との混合物とを合わせるステップと を含む請求項15に記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記シクロペンタジエニル(II)アレーン錯体陽イオン
    の対イオンを別の陰イオンで交換するステップをさらに含む請求項1に記載の方
    法。
  18. 【請求項18】 前記イオン−交換反応を反応、 【化3】 によって特徴付けることができる請求項17に記載の方法。
  19. 【請求項19】 前記シクロペンタジエニル鉄(II)陽イオン錯体反応生
    成物が式 【化4】 (式中、 Cpはeta5錯化シクロペンタジエニル陰イオンまたはeta5錯化インデニル
    陰イオンであり、 Arはeta6錯化アレーン陰イオンであり、 Aは原子価bの陰イオンであり、 bは整数1、2または3である) の錯体を含む請求項1に記載の方法。
  20. 【請求項20】 前記対イオンA-が、PF6 -、SbF6 -、BF4 -、SbF5 OH-、AsF6 -、SbC16 -およびC(SO2CF33 -からなる群から選択さ
    れる請求項18に記載の方法。
  21. 【請求項21】 前記反応生成物が、シクロペンタジエニル鉄(II)m−
    キシレンヘキサフルオロアンチモン酸塩、シクロペンタジエニル鉄(II)メシ
    チレンヘキサフルオロアンチモン酸塩およびシクロペンタジエニル鉄(II)o
    −キシレンヘキサフルオロアンチモン酸塩、シクロペンタジエニル鉄(II)p
    −キシレンヘキサフルオロアンチモン酸塩並びにそれらの混合物からなる群から
    選択されるシクロペンタジエニル鉄(II)アレーン錯体を含む請求項1に記載
    の反応。
  22. 【請求項22】 式、 【化5】 【化6】 によって特徴付けられる反応であって、 第1の式の反応が第2の式の反応の存在下でその場で実施される反応。
  23. 【請求項23】 以下の式、 【化7】 【化8】 によって特徴付けられる請求項22に記載の反応。
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