JP2002526100A - アルファ−2/デルタ遺伝子 - Google Patents

アルファ−2/デルタ遺伝子

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、多くのカルシウムチャンネルにサブユニットとして存在する、α2δ−Cおよび/またはα2δ−Dタンパク質をコードする3つの新規遺伝子およびこれに由来するポリペプチドに関する。本発明はまた、遺伝子の遺伝子欠損、ポリペプチドの細胞内における局在の検出、化学データベースを伴っての結合アッセイ、遺伝子治療における、新規遺伝子およびポリペプチドの使用方法を記載する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電位感受性のカルシウムチャンネルのサブユニットであるアルファ
−2−デルタ(α2δ)タンパク質に関連するポリペプチドをコードする新規遺
伝子、およびこれから誘導され且つ特定されるポリペプチドに関する。特に、α
2δタンパク質に関連する3つのヒトポリペプチドをコードする3つのヒト新規
遺伝子およびこれから誘導され且つ特定されるポリペプチドを開示する。本発明
はまた、新規遺伝子を構築するベクターと宿主細胞を記載する。本発明はまた、
遺伝子の遺伝的変異、ポリペプチドの細胞内局在の検出、遺伝子治療用途、α2
δ発現の変化に関連する症候群、例えば神経学的疾病や障害、糖尿病、癌および
α2δ発現が関与する他の病気の診断、並びに化学データベースを伴うバインデ
ィングアッセイ、特にα2δタンパク質活性を変更する分子のための独特なスク
リーニング方法の開発における、新規遺伝子、ポリペプチドおよび当該ポリペプ
チドを特異的に標的とする抗体の使用方法を記載するものである。
【0002】
【従来の技術】
脊椎動物の電位活性化カルシウムチャンネル(“VSCC")は、筋肉の収縮
、膵臓から放出するインスリン、神経系から遊離する神経伝達物質を含む、多様
な異なった生理学的な過程に関連することが示されてきた(Greenberg D. Annal
s of Neurology. 1997; 42: 275-82; Catterall W.A., Trends in Neuroscience
s. 1993; 16:500-506; Catterall W, Epstein P.N, Diabetologia.35(Suppl 2:S
23-33) 1992; Birnbaumer L., et al.. Neuron., 1994: 13; Rorsman P., et al
., Diabete. Metab., 1994; 20:1 38-145)。
【0003】 VSCCsは、脳、骨格筋、そして心臓を含む興奮性の組織で最も高く発現さ
れる。それらは、ベータ、ガンマ、および/またはα2δサブユニットに不定に
付随しているセントラルα1ポア−フォーミングサブユニットを構成している多
タンパク質複合体である。生物物理学や薬理学的研究を基盤として、VSCCs
の9つの異なった機能上の分類が記述されてきた。これらの機能上の分類は、主
にα1サブユニットの構造によって決定されている。ベータ、ガンマやα2δサ
ブニットは活性化や不活性化のキネティクス、電位依存性、ピークの振幅、およ
び、リガンドのバインディングに影響して、チャンネル機能を調節している(Wa
lker N., De Waard M.. Trends in Neurosciences, 1998;21(4): 148-154)。
【0004】 ヒトを含め動物において様々な病気を治療するのに有用な化合物の多くは、電
位依存性カルシウムチャンネルの機能を調節することによって、その有益な効果
を発揮すると考えられている。これらの化合物の多くはカルシウムチャンネルに
結合し、脱分極するシグナルに応答して、細胞内のカルシウムの流束を変化させ
る。しかしながら、チャンネルのサブユニット構造やそれらをコードする遺伝子
の理解の欠如は、科学者が、カルシウムチャンネルと相互作用する化合物の薬理
学を認識することと、求められた治療上の効果を持つカルシウムチャンネルと相
互作用する化合物を合理的にデザインする可能性両方を妨害してきた。その理解
の欠如は、一部には分子レベルでそのサブユニットの性質やお互いの相互作用、
チャンネルがカルシウムイオンを通すことができる細胞膜との相互作用、カルシ
ウムと他のイオンとの相互作用、および、チャンネル機能に影響を及ぼす低分子
化合物との相互作用を理解するのに要求される多量で高い純度に精製されたチャ
ンネルサブユニットを得ることが可能ではなかったという事実のためである。
【0005】 さらには、カルシウムチャンネルサブユニットをコードする遺伝子における情
報の欠如は成熟したカルシウムチャンネルサブユニットとその前駆体タンパク質
の分子的特性(すなわち、アミノ末端に付くシグナルペプチドをもつ成熟したサ
ブユニット)とカルシウムチャンネルサブユニットの発現の調節の理解を妨げて
きた。これらの特性および、カルシウムチャンネルサブユニット遺伝子の発現が
どのように制御されているかについて理解することは、カルシウムチャンネル機
能は、あるいは濃度に影響を及ぼすことを通して有益な効果を持つ治療薬をデザ
インする基礎を提供するであろう。さらには、カルシウムチャンネルサブユニッ
トをコードする遺伝子の配列を利用することにより、このようなサブユニットを
コードしている遺伝子における欠損症、これは数多くの病気の基盤となっている
と思われるが、その診断が可能となる。
【0006】 Xenopusの卵母細胞における発現実験は、十分に機能的なカルシウムチャンネ
ルをつくるためにα1とα2δサブユニットは両方とも発現されなければならな
いことを示してきた。α2δサブユニットがないことでイオンが流出するα1サ
ブユニットは十分に発現しているにもかかわらず、結果として機能しないチャン
ネルとなる。実際、これらのチャンネルを通るイオンの流出だけでなく、α1の
薬理学的性質もまた、α2δサブユニットがない場合とは異なっている。これゆ
え、α2δサブユニットは、VSCCsの重要な構成成分であり、もしも、より
VSCC機能を十分に特徴づけるためならば研究されなければならないものであ
る。
【0007】 VSCCsのはたらきの詳細な理解は、異常なVSCC機能に関連する病気の
進行をくい止めるためのいくつかのメカニズムを明らかにしつつある。1997年4
月8日発行の米国特許第5,618,720号はα1とα2δサブユニットとそのサブユ
ニットをコードするポリヌクレオチドの配列について参考として引用している。
その出版物はさらなるα2δサブユニットについては少しも開示していないけれ
ども、α2δサブユニットの重要性を考慮に入れて、新しいα2δサブユニット
やそれらのサブユニットをコードする遺伝子の同定と特徴づけがVSCCsの構
造と機能の間の関係を理解する分子遺伝学的、薬理学的研究を進めることは理解
されうる。
【0008】 また、このサブユニットに隠れている生化学的メカニズムや哺乳類におけるそ
の効果のさらなる理解は、通常ではない(高いかあるいは低い)VSCCsの働
きに関連する病気の処置や診断のための新しい機会を導くに違いない。他の言い
方をすれば、VSCCの働きの分子のメカニズムのより深い理解によって、通常
でないVSCC発現、特に、通常でないα2δ発現に関連する病気を処置する治
療薬のデザインの改良が可能となる。
【0009】 α2δタンパク質に対するcDNA、オリゴヌクレオチド、ペプチド、抗体、そし
てそれは、この発明の課題であるのだが、これらは、様々な細胞や組織における
VSCCの働きを研究するための、および診断のため、およびさまざまな変化し
たα2δ発現に結びつけられる障害または病気に介入できる可能性を持った阻害
剤または薬を選択するための手段の大部分を提供する。少なくても一つのα2δ
遺伝子が重要な腫瘍抑制遺伝子が存在すると考えられているゲノムのある部位に
位置するゆえに(Kok K., et al., Adv Cancer Res 1997;71:27-92)、このよう
に発症する病気の症状は、てんかんと他の発作に関連する症候群、偏頭痛、失調
症と他の前庭の欠損症(概説として、Terwindt, GM et. al., Eur J Hum Genet
1998 Jul-Aug; 6(4):297-307)、慢性痛(Backonja M, JAMA 1998 Dec 2;280(21)
:1831-6)、感情障害、睡眠干渉(Rowbotham M, JAMA 1998 Dec2;280(21):1837
-42)、不安(Singh et al., Psychopharmocology 1996 Sep. 127(1): 1-9)、A
LS(Mazzini L et. al., J Neurol Sci 1998 Oct, 160 Suppl 1:S57-63)、多発
性硬化症(Metz L, Semin Neurol 1998;18(3):389-95)、躁病(Erfurth A, et
al., J Psychiatr Res 1998 Sep-0ct;32(5):261-4)、ふるえ(Evidente VG, et
al., Mov Disord 1998 Sep;13(5):829-31)、パーキンソン症(Olson WL, et a
l.. Am J Med 1997 Jan; 102(1): 60-6)、物質の乱用/中毒症候群(Watson, WP
et al., Neuropharmacology 1997 Oct;36(10): 1369-75)、鬱病、および癌を
含んでいる。
【0010】 α2δ遺伝子はまた、癌のほかに、炎症のような増殖性の病気にも役割を果た
すと考えられている。α2δに結合する化合物での処理はあるタンパク質のシグ
ナル伝達機構において変化を引き起こす。これはMAPキナーゼを活性化するM
EK(すなわち、MEK1とMEK2)の変化したレベルを含んでいる。MEK
の阻害剤は、α2δへのガバペンチンの結合に連動した鎮痛性の活性によく似て
いるように見える。分裂促進因子によるMAPキナーゼの活性化は、増殖に必須
であることは明らかであり、そして、このキナーゼの恒常的な活性は細胞の形質
転換を誘導するのに十分である。
【0011】
【発明の概要】
α1サブユニットは、9つの遺伝子によってコードされ、ベータサブユニット
は4つの遺伝子によってコードされ、ガンマサブユニットは2つの遺伝子によっ
てコードされることは知られているが、以前は2つのヒトのα2δ遺伝子だけが
知られていた。α2δ−A(cDNA Accession No. M76559.1 )および (タン
パク質 Accession No. P54289.1)とα2δ−B(cDNA SEQ ID NO:1および
タンパク質 SEQ ID NO:2)である。α2δ−A遺伝子は、組織特異性の発現を
示す少なくとも5つの異なったスプライス変異体をコードしている(Angelotti
T., Hoffman F., FEBS. 1996;397:331-337)。α2δ−A遺伝子の翻訳は翻訳後
にα2サブユニットとδサブユニットに切断されるポリペプチドをつくる。α2
とδはそれからジスルフィド結合によってつながる(De Jongh K., JBC. 1990;2
65(25): 14738-14741; Jay S., JBC. 1991; 266(5): 3287-3293)。δは5つの
細胞内のアミノ酸とそのアミノ酸C末端で単一の膜貫通のドメインを形成してい
る可能性があるが、α2は完全に細胞外にあると考えられ、多量にグリコシル化
されている(Brickley K., FEBS. 1995; 364: 129-133)。この膜貫通のドメイ
ンがタンパク質を膜に固定している。α2δ−Bは、α2δ−Aと同類で、公の
データベースであるGENBANKから入手可能である。
【0012】 しかしながら、本発明者はこのあと、“α2δ−C”および“α2δ−D”遺
伝子(遺伝子名、CACNA2C および CACNA2D)として引用される、2つの新しいヒ
トα2δ遺伝子の存在を発見した。従って、本発明は様々な細胞や組織で発現さ
れる新しいα2δに関連するタンパク質(特に、α2δ−Cとα2δ−Dタンパ
ク質)を同定し、コードしているポリヌクレオチド配列の単離、および、完全長
遺伝子のポリヌクレオチド配列といくつかのスプライス変異体両方、並びにそれ
らのコードされるタンパク質に関するものである。そのポリヌクレオチドの配列
はSEQ ID NO. 3-4で同定され、3つの新しい遺伝子によってコードされるα2δ
タンパク質のアミノ酸配列は SEQ ID NO.5−6にて示される。
【0013】 本発明は、また、精製または単離された少なくとも SEQ ID NO.3−4のヌク
レオチド配列の20の連続したヌクレオチドを構成している核酸、あるいはこれに
対して相補的なヌクレオチドの配列についても関わっている。 SEQ ID NO.5のα2δタンパク質は、タンパク質のレベルでα2δ−Aタンパ
ク質と28%同一で、48%類似している。α2δ−Cタンパク質はα2δ−B
と28%同一で、47%類似している。SEQ ID NO.3のα2δ−C遺伝子はヒト
染色体3p21.1に位置づけられているそのヌクレオチド配列の中にマップマーカー
(STSとして知られている)を含んでいる。ヒトゲノムのこの部分は重要な腫
瘍抑制遺伝子を持っていると考えられる。これゆえ、α2δ−C遺伝子は腫瘍抑
制遺伝子の候補である(Kersemaekers AM, et al., Br J Cancer 1998;77(2); 1
92-200)。
【0014】 SEQ ID NO.6のα2δ−Dタンパク質はタンパク質レベルでα2δ−Aタンパ
ク質と28%同一で、47%類似している。α2δ−Dタンパク質は、α2δ−
Bタンパク質と28%同一で46%類似している。SEQ ID NO.4のα2δ−D遺
伝子は以前に発表された、ヒト染色体12p13.3上のコスミドコンティグに位置す
る。
【0015】 本発明の独特な完全長ポリヌクレオチドは、最初はα2δとの類似性を持った
配列を既知のヌクレオチド配列および、当該技術分野で知られるコンピュージェ
ンシステム社で供給されている道具類を含む、様々な方法を使って、GENBANKの
データベースにて検索することによって発見された。Sequence Analysis Primer
by Michael Gribskkov, John Devereux, Oxford University Press, 1994を参
照。発現配列タグ(ESTs)とα2δ−Aと関係のある完全長の配列の同定後
、クローニング法はα2δ−Cとα2δ−Dに対する完全長の配列を得るために
用いられた。実施例1、2および3を参照せよ。要するに、オリジーンから得ら
れた分析されるヒト腎臓cDNAライブラリーはデータベースの配列から由来す
るオリゴヌクレオチドプライマーを用いて、PCRによってスクリーニングされ
る。ライブラリースクリーニングから同定されたクローンは、検証のための標準
的な方法によってシークエンスされる。シークエンスの報告の概要は実施例3に
ある。
【0016】 α2δ−B、α2δ−C、並びにα2δ−Dのクローン化された配列の解析は
保存されているドメイン、および数多くのスプライス変異体の同定を導いた。保
存されているドメインは、フォンウィルブランド因子A3ドメインとして知られ
ている(Huizinga, EG, et. al, Structure 1997, Sept 15;5(9):1147-56)。こ
のドメインは非常に多くのタンパク質で述べられていて、細胞接着を媒介すると
考えられている。興味深いα2δ−Cとα2δ−Dのスプライス変異体もまた、
同定された。これらの変異体はそれぞれのタンパク質の配列のc末端切断を結果
として生む。c末端の切断は過去に述べられていたα2δ以上に新しい機能を持
つ可溶性で分泌性のα2δ−Cあるいはα2δ−Dタンパク質の生産を導く。
【0017】 α2δタンパク質は多くの病気の容態に重要な役割を果たすので、興味深い。
ひとつの例として、α2δ−Aは、抗痙攣薬であるガバペンチン(ニューロンテ
ィン)の高い親和性をもつバインディングターゲットとなることが示されている
(Gee N., JBC 1996; 271: 5768-5776)。α2δ−Aタンパク質のこの特性は絶
大な生理学的な効果がある可能性を持っている。これゆえ、α2δ−Cおよび/
または、α2δ−Dタンパク質のレベル、あるいは活性を制御すること、または
、これらの機能を調節することによって、所望の生理学的効果が得られるかも知
れない。このような効果はα2δの異常な発現、あるいはVSCCs(すなわち
、てんかん、慢性痛、不安、糖尿病、ALS、躁病、癌、ふるえ、パーキンソン
症、偏頭痛、失調症、感情障害、睡眠干渉、鬱病、多発性硬化症、炎症を含む病
気の症状、しかし、これらに限らない)の異常な発現を含む様々な病気を治療す
ることに用いられる可能性がある。
【0018】 これらの病気に対する治療を計画または、発見するためのα2δ−Cおよび/
または、α2δ−Dタンパク質の治療上の利用の原理は、ガバペンチンがてんか
ん、慢性痛、およびALSを治療するためにうまく使われてきたことおよび、躁病
、ふるえ、パーキンソン症、偏頭痛、失調症、感情障害、炎症、睡眠干渉および
/または、多発性硬化症の治療上の利用のために意味を有するという事実が基盤
となっている。ガバペンチンは、高い親和性でα2δ−Aに結合することが知ら
れている。そしてこの結合はガバペンチンの作用のメカニズムを表すものと考え
られている。これゆえ、α2δ−Cおよび/またはα2δ−Dタンパク質に結合
するガバペンチンおよび/または他の化合物はガバペンチンで見られる効果と同
一、あるいは類似の治療上の効果を持っている可能性がある。さらに、カルシウ
ムチャンネルにおいて治療上の効果を持つことが知られている化合物もまた、α
2δの存在によってその親和性が調節されている。これゆえ、この不足を軽減す
るための薬理学的あるいは遺伝学的アプローチは上述した病気において大きな影
響を持つ。
【0019】 本発明の一つの態様は精製されたα2δ−Cおよび/またはα2δ−Dタンパ
ク質を提供することである。精製されたタンパク質は、組み換えられた細胞かあ
るいは自然に存在する細胞のどちらから得ることができる。この発明で精製され
たα2δ−Cおよび/またはα2δ−Dタンパク質は、起源は哺乳類にある。ヒ
ト由来α2δ−Cおよび/またはα2δ−Dタンパク質を含む霊長類は、特異的
に供与されるさまざまなタンパク質の例となる。本発明はまた、アレル変異体、
および天然に生じるα2δ−Cおよび/またはα2δ−Dタンパク質の生物学的
に活性のある誘導体を提供する。
【0020】 本発明のもう一つの態様は、本発明のα2δ−Cおよび/またはα2δ−Dタ
ンパク質をコードするポリヌクレオチドを提供すること、および、ポリヌクレオ
チドのコード鎖と相補的なポリヌクレオチドを提供することである。本発明のポ
リヌクレオチドは、α2δ−Cおよび/またはα2δ−Dタンパク質の組み換え
体の発現のために供与されることに用いられる。本発明のポリヌクレオチドはま
た、1)α2δ−Cおよび/またはα2δ−D遺伝子の変異または、α2δ−C
および/またはα2δ−Dに関連する細胞の経路の変異から結果的に生じる病気
の治療、2)α2δ−Cおよび/またはα2δ−Dの変異あるいは欠失のための
病気の存在、または病気の罹患率に対する検査、3)α2δ−Cおよび/または
α2δ−Dポリペプチドの細胞内局在性の解析あるいは変化、4)α2δ−Cお
よび/またはα2δ−D遺伝子と類似の別の種類のRNAのクローニングと単離、
5)α2δ−Cおよび/またはα2δ−D遺伝子のレベルを変えるための別の種
類のRNAを発現する、というような、遺伝子治療の目的にも使われる。
【0021】 本発明はまた、プローブまたは、プライマーとして有用なオリゴヌクレオチド
分子とも関係がある。この中の前記オリゴヌクレオチド分子はα2δ−Cおよび
/またはα2δ−D遺伝子を構成しているか、あるいは関連しているあらゆるヌ
クレオチド配列と、特にSEQ ID NO.3−4の配列と、特異的にハイブリダイズす
る。これらのヌクレオチドはDNA増幅およびマイクロシークエンスのような様々
な過程で利用するためのプライマーとして、または、ハイブリダイゼーション解
析におけるDNA認識のために用いられるプローブとしてのどちらかに有用であ
る。
【0022】 本発明による、核酸のプローブあるいはプライマーは、SEQ ID NO.3−4のポ
リヌクレオチドの少なくとも8の連続したヌクレオチドから成る。好ましくは8
から200の連続したヌクレオチド、より特異的には、10、15、20または
30から100の連続したヌクレオチド、もっと好ましくは、10から90のヌ
クレオチド、最も好ましくは、20から80の連続したヌクレオチドから成る。
本発明で好ましいプローブあるいはプライマーは、以下に述べられる例に示され
るオリゴヌクレオチド構成のグループから選択されたオリゴヌクレオチドから成
る。
【0023】 本発明はまた、α2δ−Cおよび/またはα2δ−D遺伝子の一部分を増幅す
るための方法についても関わっている。その方法は以下の段階を踏む。望まれる
α2δ−Cおよび/またはα2δ−D配列あるいはそのなかの一部分を含むと思
われる検査試料を増幅反応試薬と接触させる。上述したもののような一対の増幅
プライマーを構成する。そのプライマーは、増幅されるためのα2δ−Cおよび
/またはα2δ−Dヌクレオチド部分のどちらかの側に位置している。その方法
は増幅産物を検出する段階をさらに含む。たとえば、増幅産物は、増幅された配
列のなかの部分とハイブリダイズすることができる検出プローブを用いて検出さ
れるであろう。その代わりに、増幅産物は増幅反応それ自身で用いられたプライ
マーのどれも随意にラベルされた形で検出するだろう。
【0024】 本発見はまた、検査試料においてα2δ−Cおよび/またはα2δ−D DN
Aの少なくとも一つのコピーの存在を検出するための診断上のキットについても
関わっている。前記キットは本発明の一対のプライマーあるいはプローブである
プライマーを含んでいる。
【0025】 第1の態様としては、キットは上述されたもののようなプライマー、好ましく
はα2δ−Cおよび/またはα2δ−D遺伝子あるいはその断片を増幅するのに
用いた正方向および逆向きのプライマーからなる。 2番目の態様は、そのキットはハイブリダイゼーションDNAプローブを構成
し、もしくは、最終的には固相に固定化される。そして、それは、α2δ−Cお
よび/またはα2δ−D遺伝子かそのなかの断片とハイブリダイズする能力を持
っている。固相におけるヌクレオチドプライマーあるいはプローブを固定化する
技術は当業者に周知である。
【0026】 本発明のキットは、このキットがプライマー、ハイブリダイゼーション反応に
有用な試薬、並びにラベルされたハイブリダイゼーションプローブとα2δ−C
および/またはα2δ−D遺伝子の間のハイブリダイゼーション反応の存在を明
らかにするために有用な試薬から構成される場合に、DNAポリメラーゼのような
適切な増幅試薬を含む選択可能な成分を含むこともできる。
【0027】 本発明のもう一つの態様は、本発明のα2δ−Cおよび/またはα2δ−Dタ
ンパク質に結合可能な抗体を提供することである。抗体はポリクローナルかまた
はモノクローナルとなるであろう。本発明はインビトロあるいはインビボどちら
かでα2δ−Cおよび/またはα2δ−Dタンパク質の発現を検出および測定す
るための対象となる抗体を用いる方法、α2δ−Cおよび/またはα2δ−Dタ
ンパク質、あるいはなんらかのα2δ−Cおよび/またはα2δ−Dタンパク質
の活性を調節している分子と相互に作用するタンパク質を検出するための方法を
も提供する。
【0028】 本発明のもう一つの態様は、遺伝的アプローチを使って、α2δ−Cあるいは
α2δ−Dと相互に作用するタンパク質の検出のためのアッセイを提供する。好
ましい態様は、このスクリーニングのための酵母二重ハイブリッド法の使用を含
む (Bartel and Fields, The Yeast Two-Hybrid System, Oxford University Pr
ess, 1997)。 本発明のもう一つの態様は、α2δ−Cおよび/またはα2δ−Dタンパク質
とα2δ−Cおよび/またはα2δ−Dタンパク質と結合するリガンドとの間の
相互作用を妨害する、あるいは何らかのやり方で模倣する治療上の化合物の検出
あるいはスクリーニングのためのアッセイを提供することである。
【0029】 最初の態様として、このような候補となる物質のスクリーニングの方法は、以
下の工程から成る: (a) SEQ ID NO.5および/またはNO.6のアミノ酸配列からなるポリペプチ
ドまたは、ペプチド断片もしくはその変異体を供給し、 (b) 候補の物質を得て、 (c) 前記ポリペプチドを前記候補の物質と接触させ、 (d) 前記ポリペプチドと前記候補の物質とで形成された複合体を検出する。
【0030】 既に定義したスクリーニング法の一つの態様として、ポリペプチドと候補とな
る物質との間で形成された複合体はさらに本発明のα2δ−Cおよび/またはα
2δ−Dタンパク質または、ペプチド断片もしくはその変異体と特異的に結合す
るポリクローナルあるいはモノクローナル抗体の存在下でインキュベートされる
。 α2δ−Cおよび/またはα2δ−Dポリペプチドと相互に作用してアッセイ
される候補となる物質あるいは分子は、天然か合成の有機化合物であるとか、ポ
リペプチドのように生物学的起源をもつ分子であるといったことに限らず、多様
な性質を持っている。
【0031】 本発明のスクリーニング法のもう一つの態様としては、前述の方法の段階c)
を行う際に、候補となる物質あるいは分子の添加と同時、あるいは添加の前に、
考えられる候補となる物質とα2δ−Cおよび/またはα2δ−Dタンパク質と
の結合をめぐる競争で濃度が上昇している物質を添加させる。この手法によって
、α2δ−Cおよび/またはα2δ−Dタンパク質または、そのペプチド断片、
もしくはそれの変異体の間に形成された複合体の検出および随意の定量化および
スクリーニングされる候補の物質または分子は、当業者が前述のα2δ−Cおよ
び/またはα2δ−Dタンパク質または、そのペプチド断片、もしくはそれの変
異体に対する前述の物質あるいは分子のアフィニティー値を決定できるようにし
ている。
【0032】 本発明はまた、上に述べてきたスクリーニング方法を行うに当たって有用であ
るキットにも関する。好ましくは、このキットはSEQ ID NO.5および/またはNO
.6のアミノ酸配列をもつα2δ−Cおよび/またはα2δ−Dタンパク質、ま
たはペプチド断片もしくはその変異体から成り、そして、α2δ−Cおよび/ま
たはα2δ−Dタンパク質またはそのペプチド断片もしくはその変異体の間で形
成された複合体および候補の物質を検出するのに有用な選択可能な方法を含んで
いる。好ましい態様として、検出法は、α2δ−Cおよび/またはα2δ−Dタ
ンパク質またはペプチド断片もしくはその変異体に対して作られたモノクローナ
ルまたはポリクローナル抗体から成っている。
【0033】 これゆえ、本発明のアッセイはα2δ−Cおよび/またはα2δ−Dタンパク
質とα2δ−Cおよび/またはα2δ−Dタンパク質に結合するリガンドとの間
の結合において興味のある化合物の効果を測定する段階から構成されている。結
合はラベルされたα2δ−Cおよび/またはα2δ−Dタンパク質または、ラベ
ルされたリガンドの使用を含め、様々な方法で測定されうる。これらのリガンド
は中性のα-アミノ酸、これは、α2δ−Aとの結合が示されてきたものである
が、または、ガバペンチンあるいは同類のアナログといった治療上の化合物に制
限されるものではないが、これを含んでいる。
【0034】 本発明のもう一つの態様は、α2δ−Cおよび/またはα2δ−Dタンパク質
と直接あるいは間接的に相互に作用するタンパク質の発見のためのアッセイを提
供することである。本発明のアッセイはこのような細胞内、もしくは生化学的ア
ッセイのなかの相互作用を検出するための方法で成り立っている。このような相
互作用はα2δ−Cおよび/またはα2δ−Dタンパク質をコードしているcD
NAまたは、α2δ−Cおよび/またはα2δ−Dタンパク質それ自身もしくは
その断片あるいはその修飾の使用を含む、多様な方法で検出される。そのアッセ
イはまた、α2δサブユニットとα1サブユニットのようなカルシウムチャンネ
ルの他のサブユニット間の相互作用を検出するための方法をも含む。これらのア
ッセイはタンパク質間の相互作用を直接的に測定すること、あるいは十分に構築
されたカルシウムチャンネルの活性をアッセイすることを含む。
【0035】 本発明の配列、ポリペプチド、作成ならびに使用のための方法が述べられるに
あたって、本発明はある特別な配列、ポリペプチドおよび述べられた方法だけに
限定されるものではないと理解される。その配列、ポリペプチドおよび、方法論
は多様であり、本明細書で用いられた用語は特定の態様を記載するためのもので
ある。上述のものは保護される範囲は最終的には特許請求の範囲次第であり、ど
ちらにしても本発明を限定するものとして意図してはいないし、解釈すべきでは
ない。もしも別の定義がなければ、ここに用いたすべての技術および科学用語は
本発明に属する技術分野の当業者により一般的に理解されるものと同じ意味を有
する。すべての米国特許およびここに挙げられた刊行物は引用することにより組
み入れる。
【0036】
【発明の詳述】
本明細書中で、もしも別な方法で述べられていなければ、利用された技術はい
くつかのよく知られた、Molecular Cloning: A Laboratory Manual (Sambrook,
et al., 1989, Cold Spring Harbor Laboratory Press), Gene Expression Tech
nology (Methods in Enzymology, Vol. 185, edited by D. Goeddel, 1991. Aca
demic Press, San Diego, CA), “Guide to Protein Purification" in Methods
in Enzymology (M.P Deutshcer, ed., (1990) Academic Press, Inc.); PCR Pr
otocols: A Guide to Methods and Applications (Innis, et al. 1990. Academ
ic Press, San Diego, CA), Culture of Animal Cells: A Manual of Basic Tec
hnique, 2nd Ed. (R.I. Freshney 1987. Liss, Inc. New York, NY), および、
Gene Transfer and Expression Protocols, pp. 109-128, ed. E.J. Murray, Th
e Humana Press Inc., Clifton, N.J.) Sequence Analysis Primer (Gribskov,
et al., 1994, Oxford University Press)といった参考文献のうち、いずれにも
見つけられる。
【0037】 一つの態様として、本発明はこの中で後に、アルファ−2−デルタ−Cとアル
ファ−2−デルタ−D(“α2δ−C”、“α2δ−D”)遺伝子として引用さ
れ、α2δ−Cおよびα2δ−Dタンパク質をコードしている、新しい単離、精
製されたポリヌクレオチドを供与している。そして、この中で、そのポリヌクレ
オチド配列は、実質的にSEQ ID NO.3−4で示されているものと同じであり、お
よび、そのポリペプチド配列はSEQ ID NO.5-6で示されたものと実質的に同じで
ある。“α2δ−C”および“α2δ−D”という用語はこの中で広く使われる
。もしも別に注釈がなければ、“α2δ−C”および“α2δ−D”という用語
は、α2δ−Cおよび、α2δ−Dの天然の哺乳類由来の形態どれでも、または
、その他同種類のものを含む。α2δ−Cおよびα2δ−Dという用語は霊長類
やヒトに限定されず、すべての哺乳類を含むことのほうが選ばれている。
【0038】 供与されたポリヌクレオチドは完全なα2δ−Cおよび/またはα2δ−Dタ
ンパク質あるいはその一部分をコードしている。本発明のポリヌクレオチドは、
よく知られている固相法を使ったインビトロでの化学的合成を含む多様な方法、
および、クローニングや、その組み合わせによって産出される。本発明のポリヌ
クレオチドはcDNAあるいはゲノムライブラリーから由来するものである。当
業者は、遺伝暗号の縮重度に精通しており、天然に生じる、α2δ−Cおよび/
またはα2δ−Dタンパク質をコードしているポリヌクレオチド配列と相補性を
もつポリヌクレオチド配列の一部かポリヌクレオチド配列どちらかを持っている
α2δ−Cおよび/またはα2δ−Dタンパク質をコードしているポリヌクレオ
チドをすぐにデザインできる。本発明のポリヌクレオチドは、一本鎖あるいは二
本鎖となる。α2δ−Cおよび/またはα2δ−Dタンパク質をコードしている
ポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチドもまた供与される。
【0039】 α2δ−Cあるいはα2δ−Dタンパク質をコードしているポリヌクレオチド
は、α2δ−Cおよび/またはα2δ−Dタンパク質あるいはmRNAを持っており
、検出できるレベルで発現すると信じられている組織から調製されたcDNAラ
イブラリーから得られる。たとえば、cDNAライブラリーは、α2δ−Cおよ
び/またはα2δ−Dタンパク質を発現することが知られている細胞系からポリ
アデニル化したmRNAを得て、二本鎖cDNAを合成するための鋳型としてm
RNAを使うことによって構築され得る。
【0040】 cDNAかゲノムどちらかのライブラリーは、目的の遺伝子、あるいはその遺
伝子によってコードされるタンパク質を同定するためにデザインされたプローブ
を用いてスクリーニングされる。cDNA発現ライブラリーのためには、適した
プローブは、α2δ−Cおよび/またはα2δ−Dタンパク質を認識し、特異的
に結合するモノクローナルおよびポリクローナル抗体を含んでいる。cDNAラ
イブラリーのためには、適したプローブは、同じ、あるいは異なった種からのα
2δ−Cあるいはα2δ−Dタンパク質の知られている、または考えられている
部分をコードしている注意深く選択されたオリゴヌクレオチドプローブ(通常、
約20−80塩基対の長さ)および/または、同じか同様の遺伝子をコードして
いる相補的あるいは相同のcDNAまたはその断片、および/または、相同のゲノム
DNAまたはその断片を含んでいる。選択されたプローブを用いたcDNAまたはゲノ
ムライブラリーのスクリーニングは、Sambrook et al., Molecular Cloning: A
Laboratory Manual. New York, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989)
の10−12章に述べてあるような標準的な手順を使って行われる。
【0041】 本発明を実践するのに好ましい方法は、多様な組織からcDNAライブラリーをス
クリーニングするために注意深く選択されたオリゴヌクレオチド配列を使うこと
である。プローブとして選択されたオリゴヌクレオチド配列は、長さが十分にあ
り、偽陽性は最小化されるように十分明白でなくてはならない。実際のヌクレオ
チド配列は通常、コドンの重複が最小のα2δタンパク質の領域を基盤としてデ
ザインされている。オリゴヌクレオチドは、一カ所かあるいはもっと多くの箇所
で変性している可能性がある。変性したオリゴヌクレオチドの使用は、ライブラ
リーが優先的なコドンの使用が知られていない種からスクリーニングされたとい
う、特別な重要性がある。
【0042】 オリゴヌクレオチドは、スクリーニングされたライブラリーのなかの、DNAと
のハイブリダイゼーションで検出されるためにラベルされなければならない。ラ
ベルするための好まれる方法は、オリゴヌクレオチドの5’末端を放射能ラベル
するためにATP(すなわち、T32P)とポリヌクレオチドキナーゼを使うも
のである。しかしながら、他の方法は、ビオチン標識または酵素標識に限らない
が、これらを含む、オリゴヌクレオチドをラベルするものが使用される。
【0043】 α2δタンパク質をコードするcDNAもまた、米国特許第4,683,195号、Sam
brookらのセクション14., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, second e
dition. Cold Spring Harbor Laboratory Press, New York, 1989, または Chap
ter 15 of Current Protocols in Molecular Biology. Ausubel et al. eds.. G
reen Publishing Associates and Wiley-Interscience 1991において述べられて
いるような直接発現させるクローニング、あるいは、ポリメラーゼ連鎖反応(P
CR)法を用いることによる他のよく知られる組み換えDNA技術によって、同定
され、単離される。この方法はα2δ−Cおよび/またはα2δ−Dタンパク質
をコードするDNAとハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブの使用が
必要とされる。
【0044】 この中で定義されるように、「実質的に同様」ということは、DNAもしくは
RNAまたはタンパク質配列に対する欠損、置換、あるいは付加はもちろん、同
一の配列を含んでいることである。そしてその同一の配列は、そのタンパク質生
成物のその何らかの生物学的活性のある部分を維持しており、保存されたモチー
フのいずれかを保持している。これは存在が認められているα2δ−Cおよび/
またはα2δ−Dのスプライス変異体に限定はされないが、これを含む。むしろ
、本発明によるDNA配列は本質的にはSEQ ID NO.3−4のDNA配列から成る
。これらの新しい精製され単離されたDNA配列は、α2δ−Cおよび/またはα
2δ−Dタンパク質の直接の発現および、α2δ−Cおよび/またはα2δ−D
タンパク質機能の変異の解析のために用いられうる。
【0045】 本発明によれば、突然変異した配列は、当業者によってここで示された手法お
よび、当該技術分野でよく知られている技術を使って、日常的な方法で同定され
うる。 好ましい態様として、本発明はSEQ ID NO.3−4に示されるヌクレオチド配列
と高いストリンジェンシーのハイブリダイゼーションの条件下で、ハイブリダイ
ズするヌクレオチド配列から成る。この中で使われる、「高いストリンジェンシ
ーのハイブリダイゼーションの条件」という用語は、関心のあるプローブが2×
108cpm/μgの割合になるように低い塩濃度のハイブリダイゼーションバッフ
ァー中、65℃で約8時間から24時間、フィルターサポート上でハイブリダイ
ゼーションし、次に1%SDS、20mMリン酸バッファーおよび1mM EDTA
中で65℃で約30分から4時間の間で洗浄することを指す。好ましい態様とし
て、低い塩濃度のハイブリダイゼーションバッファーは、0.5−10%SDS
と0.05Mおよび0.5Mのリン酸ナトリウムから成る。最も好ましい態様とし
ては、低い塩濃度のハイブリダイゼーションバッファーは、7%SDSと0.1
25Mのリン酸ナトリウムから成る。
【0046】 当該技術分野で知られるように、数多くの等しい条件が、低いあるいは高いス
トリンジェンシー条件のどちらかを構成することに使用されてきた。配列の長さ
や性質(DNA、RNA、塩基組成)および、ターゲット(DNA、RNA、塩
基組成、溶液中の存在あるいは固定化、等)の性質並びに、塩や他の成分の濃度
(例えば、ホルムアミド、デキストラン硫酸、および/またはポリエチレングリ
コールの有無)が考慮され、ハイブリダイゼーション溶液は、上に挙げた条件と
同等であるが、異なっている低いか高いかのストリンジェンシーの条件を作るた
めに多様化される。
【0047】 ここで用いられている「ストリンジェントな条件」という用語は、約Tm−5
℃(プローブの溶融温度(Tm)より5℃下)からTmより約20℃から25℃下の範
囲内で生じる「ストリンジェンシー」である。当業者によって理解されるように
、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーは、同一あるいは関連するポリ
ヌクレオチド配列を同定あるいは検出するために変わる可能性がある。
【0048】 本発明のポリヌクレオチドは多様な用途があり、そのなかのいくつかはこれま
で示されて来ているか、あるいは、以下に、もっと詳しく取り組まれることとな
る。与えられたポリヌクレオチドの特定の用途は、一部分、関心のある特異的な
ポリヌクレオチドの態様に依存している。本発明のポリヌクレオチドは、ゲノム
ライブラリーからα2δ−Cおよび/またはα2δ−Dタンパク質を回収するた
めのハイブリダイゼーションプローブとして用いられている。本発明のポリヌク
レオチドはまた、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法や、他の同様の増幅法を通
してα2δ−Cおよび/またはα2δ−Dタンパク質をコードするポリヌクレオ
チドあるいはその一部の増幅のためのプライマーとしても用いられる。本発明の
ポリヌクレオチドはまた、病気に関連がある、特に、α2δ−Aタンパク質の変
化した機能に関連する病気に関連するα2δ−Cおよび/またはα2δ−Dタン
パク質をコードする遺伝子の変異を検出するためのプローブ並びに増幅プライマ
ーとしても用いられる。上述した病気に限らないが、これらを含む。
【0049】 本発明はまた、α2δ−Cおよび/またはα2δ−D、あるいは、染色体外の
ベクターにサブクローニングされたものと実質的に同様の配列を構成する、多様
なポリヌクレオチド発現ベクターを提供する。本発明のこの態様は、α2δ−C
および/またはα2δ−D遺伝子のインビトロでの発現を可能とし、これゆえ、
α2δ−Cおよび/またはα2δ−D遺伝子の制御並びにα2δ−Cおよび/ま
たはα2δ−Dタンパク質の構造と機能の解析が可能となる。ここで使われてい
る「染色体外のベクター」という用語は、プラスミド、バクテリオファージ、コ
スミド、レトロウィルスならびに人工的な染色体に限らないが、これらを含む。
好ましい態様として、染色体外ベクターは、組み換えDNA分子が宿主細胞に挿
入される時に、α2δ−Cおよび/またはα2δ−Dタンパク質の生産ができる
発現ベクターから成っている。このようなベクターは当該技術分野で周知であり
、T3あるいはT7ポリメラーゼプロモーター、SV40プロモーター、CMV
プロモーターあるいは、遺伝子発現を支配できるかあるいは遺伝子発現支配の可
能性を確かめたいと望まれている何らかのプロモーターを伴うベクターに限られ
はしないが、これらを含む。
【0050】 好ましい態様として、対象となる発現ベクターはα2δ−Cおよび/またはα
2δ−Dタンパク質の発現を与えるような一つ、またはそれ以上のプロモーター
配列と機能的に併用して、α2δ−Cおよび/またはα2δ−Dタンパク質をコ
ードしているポリヌクレオチド配列(あるいは、内在性の遺伝子の発現の抑制に
適している配列のアンチセンスコピー)から成っている。そのベクターは、遺伝
子発現、調節、あるいはベクターの簡便な操作に必要な付加的なポリヌクレオチ
ド配列を構成している。そして、その付加的な配列というものは、ターミネータ
ー、レポーター、エンハンサー、選択マーカー、パッケージサイトなどを含む。
詳しいポリヌクレオチドの発現ベクターや、その使用についてはとりわけ以下の
もので見ることができる。 Gene Expression Technology: Methods in Enzymolo
gy Volume 185 Goeddel ed. Academic Press Inc., San Diego, CA (1991), Pro
tein Expression in Animal Cells Roth ea.. Academic Press,San Diego, CA
(1994)。
【0051】 本発明のポリヌクレオチドの発現ベクターには多様な用途がある。このような
用途は、α2δ−Cおよび/またはα2δ−Dタンパク質を発現する宿主細胞の
遺伝子工学を含む。さらなる態様として、本発明は、染色体外ベクターへサブク
ローニングされたα2δ−Cおよび/またはα2δ−Dを構成する組み換えDNA
分子を安定に形質移入する組み換え宿主細胞を提供する。本発明の宿主細胞は細
菌、酵母、哺乳類の細胞、アフリカツメガエルの卵母細胞に限らないが、これら
を含む、なんらかの形である。組み換えDNA分子の宿主細胞への形質移入は当該
技術分野でよく知られており(Sambrook et al.. Molecular Cloning, A Labora
tory Manual, 2nd ed.. Cold Spring Harbor Press, 1989)、および、ここで使
われているように、リン酸カルシウム形質移入、デキストラン硫酸トランスフェ
クション、エレクトロポレーション、リポフェクション、および、ウイルス感染
に限らないが、これらを含む。発明のこの態様はα2δ−Cおよび/またはα2
δ−Dのインビトロおよびインビボでの発現とその遺伝子産物について考慮に入
れており、これゆえ、α2δ−Cおよび/またはα2δ−Dタンパク質の高いレ
ベルの発現が可能となる。本発明のさらなる態様として、α2δ−Cおよび/ま
たはα2δ−Dを含んでいるRNA分子は、他のカルシウムチャンネルサブユニッ
トクローンと一緒にアフリカツメガエルの卵母細胞へインジェクションされ、卵
母細胞の細胞膜を横切るカルシウムの流束は、標準的な電気生理学的技術を使っ
て測定される。
【0052】 本発明のもう一つの態様は、遺伝子組み換え動物が、適切な発現ベクターでク
ローン化されたα2δ−Cまたはα2δ−Dのヌクレオチド配列が生殖細胞へイ
ンジェクションされることによって、構築されうることである。
【0053】 後に詳しく考察されるが、ポリヌクレオチドの発現ベクターの他の用途は、病
気や状態に対する遺伝的治療としての利用である。そこでは、自然界で起こるα
2δ−Cおよび/またはα2δ−Dタンパク質の発現レベルよりも高いレベルで
α2δ−Cおよび/またはα2δ−Dタンパク質が発現することが望ましい利用
である。代わりになるものとして、α2δ−Cおよび/またはα2δ−Dタンパ
ク質の自然に生じるレベルを減少させるアンチセンスの発現のための対象となる
ベクターを使うことが望ましい。
【0054】 α2δ−Cとα2δ−Dは、α2δ−Aとアミノ酸の相同性を分担している。
これゆえ、α2δ−Cとα2δ−Dは、α2δ−Aの持っているなんらかの構造
的および機能的特徴を分担していることは大いに考えられる。α2δ−Aは、α
1とベータのような電位感受性カルシウムチャンネルのほかのサブユニットと相
互に作用することが知られている。カルシウムチャンネルは、卵母細胞で発現さ
れるとき、α2δサブユニットが存在しているときだけ、機能的なチャンネルが
生じる。これゆえ、α2δは、カルシウムチャンネル機能に必要である。加えて
、α2δ−Aは、てんかん、慢性痛、ALS、および、潜在的なほかの神経学的な
病気の治療に使われる薬である、ガバペンチンと結合することが示されてきてい
る。ガバペンチンの作用のメカニズムは、α2δとの相互作用を通してであると
考えられている。α2δタンパク質間の相同性を考えると、α2δ−Cとα2δ
−Dもまた、これらの機能を分担しているようである。
【0055】 SEQ ID NO.3−4のポリヌクレオチド配列はプローブを作るためのライブラリ
ーソース(実施例2−3参照)からのcDNAのヌクレオチド配列を用いてヒト
染色体に遺伝子座が決定された。配列は、よく知られる技術を用いて、特定の染
色体に、あるいは染色体のある特異的な部分に位置づけられた。これは、染色体
のひろがりに対する in situ ハイブリダイゼーションと標準的な照射雑種細胞
系から増幅したDNAによるPCRを基にしたマッピングを含む(Verma et al (1988)
Human Chromosomes: A Manual of Basic Techniques, Pergamon Press, NYC.)
。SEQ ID NO.3のα2δ−Cは、ヒト染色体3p21.1に位置する。SEQ ID NO.4の
α2δ−Dは、以前発表された、ヒト染色体12p13.3上のコスミドコンティグに
位置する。
【0056】 他の態様として、本発明は、SEQ ID NO.5−6で示されたα2δ−Cおよび/
またはα2δ−Dポリペプチドと実質的に同一のポリペプチドから成る実質的に
精製された組み換えタンパク質を提供する。さらに、本発明のこの態様は、以下
に述べられるいくつかのインビトロアッセイでα2δタンパク質の利用を可能に
している。ここで用いられる「実質的に同一」という用語は、なんらかのインビ
トロでの手法、あるいはインビボで自然に見られる遺伝子変異で生じるSEQ ID N
O.5−6の配列の欠損、置換、付加を含む。ここで用いられる「実質的に精製さ
れた」という用語は、精製するタンパク質は明らかに混入しているタンパク質を
取り除かなければならないが、α2δ−Cおよび/またはα2δ−Dタンパク質
は、相互に作用しているタンパク質と一緒に精製されているか、あるいはオリゴ
マーとして精製されているかもしれないということを意味している。最も好まし
い態様は、本発明に従ったタンパク質配列は、SEQ ID NO.5−6のアミノ酸配列
から成ることである。本発明による変異された配列はここで与えられる技術と当
該技術分野で周知の技術を使って当業者によって日常的な手法で同定されうる。
本発明のこの態様は、インビトロアッセイのため、および医薬品の組成成分とし
て用いられることが可能な新しい精製されたタンパク質を供与している。
【0057】 α2δ−Cおよび/またはα2δ−Dタンパク質は、その活性を妨げる分子を
発見するためにも使うことができる。例として、中性のα−アミノ酸(たとえば
、(L)−ロイシン)のようなリガンド、あるいは電位感受性カルシウムチャン
ネルのほかのサブユニットのようなほかの分子とα2δ−Cおよび/またはα2
δ−Dとの結合を妨げる分子がある。加えて、α2δ−Cおよび/またはα2δ
−Dタンパク質は、直接、相互作用する、および潜在的にVSCC輸送の付加的
な重要な制御因子をしめす他のタンパク質を見つけることに用いられる。
【0058】 本発明のα2δ−Cおよび/またはα2δ−Dタンパク質は、細胞内、および
細胞外のカルシウムの貯蔵を潜在的に含む、カルシウムの細胞での流束を調節す
るという推定上の生物学的活性を持っている。発明のα2δ−Cおよび/または
α2δ−Dタンパク質は、多様な哺乳動物種から単離されている。単離に好まし
い哺乳類の種は、霊長類およびヒトである。本発明はまた、α2δ−Cおよび/
またはα2δ−Dタンパク質のアレルの変異体についても考えに入れている。α
2δ−Cおよび/またはα2δ−Dタンパク質は、多様な哺乳類の組織から調製
されている。好ましくは、α2δ−Cおよび/またはα2δ−Dタンパク質が有
意な量で発現するように遺伝学的に操作された組み換え宿主細胞からα2δ−C
および/またはα2δ−Dタンパク質が得られることである。α2δ−Cおよび
/またはα2δ−Dタンパク質は、当業者によく知られるさまざまな方法で組み
換えされていない、あるいは組み換え型細胞から単離される。
【0059】 ここで使われている「α2δ−Cタンパク質」および「α2δ−Dタンパク質
」という用語は、天然で生じるα2δ−Cおよび/またはα2δ−Dタンパク質
のアミノ酸残基の配列を持っているタンパク質であるのみならず、天然で生じる
α2δ−Cおよび/またはα2δ−Dタンパク質の機能的誘導体および変異体に
もあてはまる。天然のポリペプチドのなかで「機能的な誘導体」は、天然のα2
δ−Cおよび/またはα2δ−Dタンパク質と同じような定性的な生物学的活性
を持つ化合物である。これゆえ、天然のα2δ−Cおよび/またはα2δ−Dタ
ンパク質の機能的誘導体は、天然のα2δ−Cおよび/またはα2δ−Dタンパ
ク質と同じような定性的(質的)生物学的活性を持つ化合物である。そしてそれ
は、他のカルシウムチャンネルサブユニットと結合し、細胞内のカルシウムの流
束を調節すること、あるいは、中性のα-アミノ酸およびほかの類縁のリガンド
と結合することである。「機能性誘導体」とは、限定はされないが、それぞれの
天然ポリペプチドに共通の生物学的活性を有するということが規定されたヒトを
含むあらゆる動物由来の天然のポリペプチド断片およびヒトとヒト以外の天然ポ
リペプチドの誘導体およびその断片を含む。「断片」とは、成熟した天然ポリペ
プチドの配列内の領域を意味する。“誘導体”という用語は、通常、天然ポリペ
プチドのアミノ酸配列とグリコシル化による変異体、および、共有結合による修
飾と定義されるのに対して、“変異体”という用語は、この定義のなかのアミノ
酸配列とグリコシル化による変異形に適用される。好ましくは、その機能性誘導
体とは、対応する天然ポリペプチドと少なくとも約70%のアミノ酸配列の類似
性を、より好ましくは約80%アミノ酸配列の類似性を、いっそうより好ましく
は少なくとも90%のアミノ酸配列の類似性を、最も好ましくは少なくとも約9
9%のアミノ酸配列の類似性を有するポリペプチドである。最も好ましくは、そ
の天然のα2δ−Cおよび/またはα2δ−Dタンパク質の機能性誘導体は、リ
ガンドの結合に直接的に関与する天然のポリペプチド配列内の特定の領域あるい
は複数の領域を保持、あるいは、模倣する。「機能性誘導体」という熟語は、天
然のα2δ−Cおよび/またはα2δ−Dタンパク質に共通する定性的な生物学
的活性を持つペプチドおよび低分子の有機化合物を特異的に含んでいる。
【0060】 ある天然ポリペプチドおよびその機能性誘導体に関する「同一性」あるいは「
相同性」は、対応する天然ポリペプチドと候補となる配列をアライン(整列化)
し、そして最高パーセントの相同性に達するために必要に応じてギャップ(間隙
)を入れた後のこれらの配列内での類似するアミノ酸残基のパーセンテージとこ
こでは定義される。NあるいはC末端の延長、挿入、オルタナティブスプライシン
グによる変異体のいずれも、同一性あるいは相同性を減少するものと解釈すべき
ではない。アラインメントのための方法およびコンピュータープログラムは、当
該技術分野においてよく知られている。
【0061】 天然のα2δ−Cおよび/またはα2δ−Dタンパク質、および、天然のα2
δ−Cおよび/またはα2δ−Dタンパク質断片のアミノ酸配列変異体は、天然
、あるいは変異体のα2δ−Cおよび/またはα2δ−Dタンパク質をコードす
るDNAに適切なヌクレオチド変換を導入することによって、あるいは、所望の
ポリペプチドのインビトロ合成によって、当該技術分野において既知の方法で調
整される。アミノ酸配列変異体の構築には、変異箇所の位置と変異の性質という
二つの主要な変数がある。α2δ−Cおよび/またはα2δ−Dタンパク質をコ
ードするDNA配列の操作を必要としない、自然に生じるアレルという例外と共
に、α2δ−Cおよび/またはα2δ−Dタンパク質のアミノ酸配列変異体は、
自然に生じることのないアレルかアミノ酸配列変異体のいずれかができるように
DNAを変異させることによって選択的に構築される。
【0062】 その代わりにあるいは加えて、多様な種由来のα2δ−Cおよび/またはα2
δ−Dタンパク質において異なっている位置あるいは高度に保存された領域にお
いて、到達する目的に応じてアミノ酸変換が作成可能である。 そのような部位の位置は一般的に連続的に、すなわち(1)達成される結果に
応じて、初めに控えめな選択で、その後にはより過激な選択での置換によって、
(2)一つのあるいは複数の標的残基の削除によって、(3)設定された位置に
隣接して同じかあるいは異なる種類の残基を挿入することによって、あるいは1
−3の選択肢の組み合わせによって改変される。
【0063】 一つの役に立つ技術は「アラニンスキャンニング」(Cunningham and Wells, Science 244 , 1081-1085 (1989))と呼ばれる。この方法では、一つの残基ある
いは一群の標的残基が確認され、アラニンあるいはポリアラニンによって置換さ
れる。さらに、そのアラニン置換に機能的な感受性を示すこれらのドメインは、
さらなる、あるいは他の置換をアラニン置換の位置に、あるいは、アラニン置換
のために導入することにあって精製される。 目的とする変異を確認した後、α2δ−Cおよび/またはα2δ−Dタンパク
質変異体をコードするDNAは、たとえば、化学合成によって得られる。
【0064】 より好ましくは、α2δ−Cおよび/またはα2δ−Dタンパク質アミノ酸配
列変異体をコードするDNAは、α2δ−Cおよび/またはα2δ−Dタンパク質
の初めに調製された変異体あるいは非変異体のバージョンをコードするDNAの
位置指定変異誘発法(site-directed mutagenesis)によって調製される。位置
指定(位置特異的)変異誘発法は、交差している欠失の結合部位両端での安定な
二重鎖を形成するための十分なサイズと配列の複雑さを持つプライマー配列を提
供するために十分な数の隣接するヌクレオチドはもちろん、目的とする変異のDN
A配列をコードする特異的なオリゴヌクレオチド配列の利用によって、α2δ−
Cおよび/またはα2δ−Dタンパク質変異体を生成させる。一般的には改変さ
れる配列の結合部の両端のおよそ5〜10残基を含むおよそ20から25ヌクレオチド
の長さのプライマーが好まれる。概して、位置特異的変異誘導法は、Edelmanら
(DNA 2: 183 (1983))のような誌上発表によって例示されているように当該技
術分野においてよく知られている。高い評価を得るために、位置特異的変異誘導
法(site-specific mutagenesis)は、一般的に一本鎖および二本鎖型として存
在するファージベクターを採用する。位置指定変異誘導法において有用な典型的
ベクターは、M13ファージのようなベクターを含んでいる。これと他のファー
ジベクターは市販されており、その利用は当業者においてよく知られている。M
13由来のベクターを用いたDNA断片のオリゴデオキシヌクレオチドによって
指定される位置特異的変異の構築のための融通がきき、効果的な手法は、Zoller
, M.J.とSmith, M, (Nucleic Acids Res. 10, 6487-6500[1982])によって誌上
発表されている。さらに、一本鎖ファージ複製開始点を含むプラスミドベクター
(Veiraら、Meth.Enzymol. 153:3 (1987))は、一本鎖DNAを得るために用いられ
る。他にはヌクレオチド置換はインビトロでの適切なDNA断片の合成および当業
者に既知であるPCR法による増幅によって導入される。
【0065】 一般的に、位置指定変異誘導法は、関連したタンパク質をコードするDNAをそ
の配列中に含む二本鎖か一本鎖のベクターのいずれかを得ることによって達成さ
れる。目的とする変異配列を持つオリゴヌクレオチドプライマーは、一般にたと
えばCreaら(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 75, 5765 (1978))の方法によって合
成的に調製される。それから、このプライマーは、変異を含む鎖を合成するため
に、一本鎖のタンパク質配列を含むベクターとアニールし、大腸菌のポリメラー
ゼI Klenow断片のようなDNA重合酵素に供される。これゆえ、一方の鎖には
オリジナルの無変異配列がコードされ、もう一方には目的の変異が含まれるヘテ
ロ二本鎖が形成される。次にこのヘテロ二本鎖ベクターは、HB101細胞のような
適切な宿主細胞の形質転換に用いられ、変異配列の構成を持つ組み換えベクター
を含むクローンが選抜される。その後、変異領域は取り除かれ、タンパク質生産
のための適切な発現ベクターに据えられる。
【0066】 α2δ−Cおよび/またはα2δ−Dタンパク質のアミノ酸配列変異体を創生
するためにPCR技術も用いられる。PCRにおける初発材料として少量の鋳型D
NAが用いられる場合、鋳型DNA中の対応する領域由来の配列と若干異なるプ
ライマーは、プライマーが鋳型と異なる場所でのみ鋳型配列と異なる比較的大量
の特異的DNA断片を生成するために用いることができる。プラスミドDNAに
変異を導入するために、プライマーの一方は変異箇所をオーバーラップし、変異
を含むようにデザインされる。すなわち、もう一方のプライマーの配列はプラス
ミドの反対鎖の一連の配列と同一であるはずであるが、しかし、この配列はプラ
スミドDNAのどこに位置していてもよい。しかしながら、その二番目のプライ
マーは、プライマーが境界になっているDNAの全増幅領域が容易にシークエン
スできるように、一番目のプライマーから500〜5000ヌクレオチド以内に
位置していた方が好ましい。鋳型をコピーするときのように、プライマーによっ
て特定される変異位置とおそらく他の位置で異なるDNA断片のポピュレーショ
ンを生じる前述したような一組のプライマーを用いたPCR増幅は、多少エラーを
起こしやすい。
【0067】 前述したおよび同様の突然変異誘発の技術のさらなる詳細は、一般的なテキス
トブックでも見つけられる。たとえば、Sambrook et aL, Molecular Cloning: H
Laboratory Manual 2nd edition. Cold Spring Harbor Press, Cold Spring Ha
rbor (1989), and Current Protocols in Molecular Biology. Ausubel et al.
eds., John Wiley and Sons (1995)がその例である。
【0068】 天然に生じるアミノ酸は共通の側鎖の特性を基盤としてグループに分けられる
。 (1) 疎水性:ノルロイシン(norleucine)、メチオニン(met)、アラニン
(ala)、バリン(val)、ロイシン(leu)、イソロイシン(ile) (2) 中性の疎水性:システイン(cys)、セリン(ser)、スレオニン(thr
) (3) 酸性:アスパラギン酸(asp)、グルタミン酸(glu) (4) 塩基性:アスパラギン(asn)、グルタミン(gln)、ヒスチジン(his
)、 リジン(lys)、アルギニン(arg) (5) 鎖の配向に影響する残基:グリシン(gly)、プロリン(pro) (6) 芳香族:トリプトファン(trp)、チロシン(tyr)、フェニルアラニン
(phe)
【0069】 保存された置換は一つのグループ内の仲間が同じグループ内の他の仲間と交換
することを伴うが、これに対して、保存されない置換は、これらの分類の一つの
グループの仲間が他のグループと交換することを意味する。保存されない置換に
よって得られた変異体は、その得られた変異体の生物学的特性/機能において明
らかな変化が結果として得られることが予想される。そしてその変異体は、α2
δ−Cおよび/またはα2δ−Dタンパク質のカルシウムの流束を調節する、あ
るいは、中性のα-アミノ酸に結合するという、生物学的活性をブロックするα
2δ−Cおよび/またはα2δ−Dタンパク質変異体に結果としてなるだろう。
さまざまな種間で保存されているアミノ酸の位置はもしもその目的が生物学的機
能を保持することであれば、比較的保存された方法で一般的には置換される。
【0070】 アミノ酸配列の欠損は、一般的に約1から30残基の範囲である。より好まし
くは、約1から10残基であり、典型的には近接している。欠損はリガンドの結
合に直接的には関係なく、領域に導入される。
【0071】 アミノ酸の挿入は、単一、あるいは複数のアミノ酸残基の配列内での挿入はも
ちろん、長さが1残基から100、あるいはもっと多数の残基を含むポリペプチ
ドの範囲で、アミノ末端および/またはカルボキシル末端の融合を含んでいる。
配列内の挿入(すなわち、α2δ−Cおよび/またはα2δ−Dタンパク質のア
ミノ酸配列内での挿入のこと)は、一般的におよそ1から10残基、好ましくは
1から5、より好ましくは1から3残基の範囲である。末端挿入の例として、N
末端のメチオニン残基を持つα2δ−Cおよび/またはα2δ−Dタンパク質、
天然で生じるN末端のシグナル配列、バクテリアの組み換え細胞培養における直
接的発現による人工産物、および、組み換え宿主細胞から成熟したα2δ−Cお
よび/またはα2δ−Dタンパク質の分泌を促進するためのヘテロなN末端シグ
ナル配列とα2δ−Cおよび/またはα2δ−Dタンパク質のN末端との融合体
を含む。このようなシグナル配列は、一般に導入予定の宿主細胞由来であり、し
たがって相同性である。適切な配列は、大腸菌のためのSTIIやIpp、酵母のため
のα因子、哺乳類細胞のためのヘルペスgDのようなウイルスのシグナルが含ま
れる。公開されたPCT特許出願 WO 89/02922に詳述されているように、天然
のα2δ−Cおよび/またはα2δ−Dタンパク質分子の他の挿入変異体は、α
2δ−Cおよび/またはα2δ−Dタンパク質のN末端、あるいはC末端と、た
とえば、βラクタマーゼや大腸菌trp遺伝子座がコードする酵素などの細菌性
ポリペプチド、あるいは酵母タンパク質のような免疫原性のポリペプチドとの融
合体、およびイムノグロブリン領域(好ましくはイムノグロブリン安定領域)、
アルブミン、あるいはフェリチンのように半減期の長いタンパク質とのC末端融
合体を含む。
【0072】 多くの場合、変異体のα2δ−Cおよび/またはα2δ−Dタンパク質の性質
を前もって予測する事は困難であるので、最適な変異体を選抜するためのスクリ
ーニングが必要とされることが認識される。この目的においては、ここで以下に
記載したような生化学的スクリーニングアッセイは、直ちに利用できる。
【0073】 さらに進んだ態様では、本発明は抗体とSEQ ID NO.5−6のアミノ酸配列と実
質的に同様のアミノ酸配列を持つポリペプチドと選択的に結合する抗体を検出す
る方法を供与している。以下にさらに詳しく考察するように、本発明の抗体は標
準的な技術(Harlow and Lane (1988), eds. Antibody: A Laboratory Manual,
Cold Spring Harbor Press)に従って宿主動物内での免疫応答を誘発するために
、SEQ ID NO.5−6の配列全部あるいは一部、あるいはその修飾された部分を使
うことによって調製されたポリクローナルあるいは、モノクローナル抗体と成り
うる。望ましい具体例として、SEQ ID N O.5−6のポリペプチド配列全体が宿
主の動物内でポリクローナル抗体の生産を誘発することに用いられる。
【0074】 α2δ−Cおよび/またはα2δ−D抗体を検出する方法は、α2δ−Cおよ
び/またはα2δ−Dタンパク質を認識する抗体と細胞との接触、そして、その
細胞のα2δ−Cおよび/またはα2δ−Dタンパク質-抗体複合体の検出に必
要ないくらかの培養から成る。抗原を検出する抗体の標準的な条件は、本発明の
この態様を成し遂げることに用いられ得る(Harlow and Lane, 1988)。本発明
のこの態様は、α2δ−Cおよび/またはα2δ−Dタンパク質インビトロおよ
びインビボ両方で検出することを可能にした。
【0075】 本発明は、α2δ−Cおよび/またはα2δ−Dの望まれない異常な細胞内の
レベルによって特徴づけられる多様な病気の治療のための方法を供与している。
病気はインビボあるいはインビトロの遺伝学的治療、どちらかを通じて処置され
る。ウイルスのベクターを使った遺伝学的治療のプロトコールは他の業界でも見
られる(Viral Vector Gene Therapy and Neuroscience Applications, Kaplit
and Lowry, Academic Press, San Diego (1995))。遺伝子治療の適用は、標的
となる宿主細胞あるいは治療を必要としている組織の同定、および、同定された
細胞内で求められている遺伝子産物を発現できる能力のあるベクター構築物のデ
ザイン、並びに、構築物の標的細胞の有効な形質導入が結果として得られる方法
で細胞への搬送を含む。遺伝子治療によって標的とされた細胞あるいは組織は、
典型的にベクター構築物が治療のためにデザインされている病気によって冒され
たものである。たとえば、癌の場合、標的となる組織は悪性腫瘍である。
【0076】 本発明の遺伝子治療法はα2δ−Cおよび/またはα2δ−Dタンパク質(ま
たは阻害性アンチセンスRNA)を発現するためのベクターを患者細胞に導入す
る工程を含む。患者細胞は患者内にある、即ちインビボ遺伝子治療であるか、ま
たは患者外にあり、次いで患者に再導入される、即ちインビトロ遺伝子治療のい
ずれかである。本発明の遺伝子治療法により治療される疾患は、てんかん、慢性
痛、ALS、躁病、癌、不安、糖尿病、ふるえ、パーキンソン氏病、偏頭痛、運
動失調、感情障害、睡眠干渉、多発性硬化症、炎症を含むが、これらに限られる
ものではない。
【0077】 本発明の好ましい態様において、DNA配列の発現を促進するDNA配列に作
動的に連結されたSEQ ID NO:3またはSEQ ID NO:4に示されるDNA配列に実質
的に類似するDNA配列を含む発現ベクターを哺乳類細胞に導入すること、哺乳
類細胞内でSEQ ID NO:3またはSEQ ID NO:4のDNA配列が高レベルで発現する
条件下にて細胞をインキュベートすることからなる、細胞中における異常なレベ
ルのα2δ−Cおよび/またはα2δ−Dから哺乳類細胞を保護するための方法
が提供される。適切な発現ベクターは前述したものである。好ましい態様におい
て、ヒトα2δ−Cおよび/またはα2δ−D遺伝子のコード領域がサイトメガ
ロウイルス(CMV)プロモーターの転写調節下においてα2δ−Cおよび/ま
たはα2δ−D遺伝子を構成的に発現させる発現ベクターにサブクローニングさ
れている。
【0078】 本発明の他の好ましい態様において、アンチセンスDNA配列の発現を促進す
るDNA配列に作動的に連結されたSEQ ID NO:3またはSEQ ID NO:4に示される
DNA配列に実質上類似する配列に対してアンチセンスであるDNAを含む発現
ベクターを哺乳類腫瘍細胞に導入することを含む、VSCCs内の異常なレベル
のα2δ−Cおよび/またはα2δ−Dを治療または予防するための方法が提供
される。細胞はその後SEQ ID NO:3またはSEQ ID NO:4のアンチセンスDNA配
列が哺乳類細胞内で高発現するであろう条件下で生育する。
【0079】 最も好ましい態様において、DNA配列は本質的にSEQ ID NO:3またはSEQ ID
NO:4からなる。さらに好ましい態様において、発現ベクターは、宿主細胞中に
てα2δ−Cおよび/またはα2δ−DアンチセンスcDNAが構成的に発現す
るように、α2δ−Cおよび/またはα2δ−DのcDNAがサイトメガロウイ
ルス(CMV)プロモータにアンチセンスの向きで作動的に連結されているアデ
ノウイルスベクターを含む。好ましい態様において、α2δ−Cおよび/または
α2δ−Dのアデノウイルス発現ベクターは、哺乳類に注射することにより細胞
に導入される。
【0080】 本発明の別の態様は、対象化合物がα2δ−Cおよび/またはα2δ−Dタン
パク質と結合できるかどうかを決定するのに有用なアッセイを提供する。この結
合は、リガンドとVSCCsとの結合を干渉するかまたはこれを模倣する、ある
いはこの結合はカルシウム流出の調節におけるα2δ−Cおよび/またはα2δ
−Dの機能に作用しうる。アッセイは、対象化合物とα2δ−Cおよび/または
α2δ−Dタンパク質との結合を測定する工程を含む。α2δ−Cおよび/また
はα2δ−Dタンパク質、あるいはアッセイすべき対象化合物のいずれかは、検
出可能な標識、例えば放射線標識または蛍光標識で標識して、対象化合物とα2
δ−Cおよび/またはα2δ−Dタンパク質との間の複合体形成を検出すること
ができる。本アッセイの別の態様において、アッセイは、α2δ−Cおよび/ま
たはα2δ−Dタンパク質とすでにα2δ−Aタンパク質と結合することが知ら
れているリガンドとの間の結合の相互作用に対する、対象化合物の干渉、即ち拮
抗的結合を測定することを含む。例えば、放射性標識されたリガンドとα2δ−
Cおよび/またはα2δ−Dタンパク質の間の複合体形成において対象化合物の
増加量が与える効果は、ラベルされたリガンド−α2δ−Cおよび/またはα2
δ−Dタンパク質複合体の形成を定量することによって測定することができる。
本アッセイにおける他の態様において、アッセイはα2δ−Cおよび/またはα
2δ−Dタンパク質(α2δの異なる領域に結合し、α2δの活性を阻害するが
、ガバペンチンなどリガンドの結合は妨げない)の活性により、対象化合物の変
化(すなわち、非拮抗阻害)を測定することを含む。
【0081】 α2δ−Cおよび/またはα2δ−Dタンパク質に対するポリクローナル抗体
は、一般的にα2δタンパク質とアジュバントを多数回皮下または腹腔内へ注入
することにより、動物内で産生される。α2δ−Cおよび/またはα2δ−Dタ
ンパク質または標的とするアミノ酸配列を含む断片を、二種間で機能するかある
いは誘導性のある物質、例えばマレイミドベンゾイルスルホスクシンイミドエス
テル(システイン残基を介してコンジュゲート)、N−ヒドロキシスクシンイミ
ド(リジン残基を介してコンジュゲート)、グルタルアルデヒド、無水コハク酸
、SOCl2、またはR1〜N=C=NR[式中、RおよびR1は異なるアルキル
基を表す]を利用して、免役される種に免疫原性のあるタンパク質、例えばキー
ホールリンペットヘモシアニン、血清アルブミン、牛チログロブリン、またはダ
イズトリプシンインヒビターとコンジュゲートさせるのが有用である。
【0082】 動物は、免疫原性のコンジュゲートまたはその誘導体に対して、1mgもしくは
1figのコンジュゲート(それぞれウサギまたはマウスに対して)を、3倍量の
完全フロイントアジュバントと組み合わせて、皮下の多部位にその溶液を注入す
ることにより免疫される。一ヶ月後、動物は、完全フロイントアジュバント中の
コンジュゲートの元の量の5分の1〜10分の1の量を皮下注入により多部位に
追加免疫する。7〜14日後、動物を採血し、抗α2δ−Cおよび/またはα2
δ−Dタンパク質抗体の抗体価をアッセイする。動物は抗体価がプラトーに達す
るまで追加免疫する。好ましくは、動物は、同じα2δ−Cおよび/またはα2
δ−Dタンパク質のコンジュゲートを用いてブーストするが、異なるタンパク質
に対しておよび/または異なる架橋試薬を介してコンジュゲートさせることがで
きる。コンジュゲートはまた、融合タンパク質として組換え細胞の培養液で作ら
せることも可能である。また、ミョウバンなどの沈殿試薬は免疫反応を強めるた
めに使われる。
【0083】 モノクローナル抗体は実質的に同種の抗体の集団から得られるもの、即ち集団
に含まれる各抗体は少量存在しうる自然発生的に起こりうる変異を除いて同一で
ある。このように、改変“モノクローナル”は関連のない抗体の混合物として存
在しないという抗体の特徴を示す。例えば、本発明の抗α2δ−Cおよび/また
はα2δ−Dタンパク質モノクローナル抗体はKohler & Milstein, Nature256:
495 (1975) により最初に記述されたハイブリドーマ法、または、組み換えDN
A法[Cabilly等, 米国特許第4,816,567号]によって作製することができる。
【0084】 抗体はファージディスプレーを使って作製することもできる。この手法におい
て、このランダム配列のペプチドのライブラリーは、ファージにクローン化され
た抗体遺伝子中に作成される。これらのファージライブラリーは、固定されたタ
ンパク質に対するスクリーニングにより抗体についてスクリーニングされる (Ho
ogenboom-HR, Trends-Biotechnol. 1997 Feb;15(2): 62-70)。
【0085】 ハイブリドーマ法において、マウスまたはハムスターなどの他の適当な宿主動
物は、免疫に使われたタンパク質に特異的に結合するであろう抗体を生産するか
または生産する能力のあるリンパ球を誘導するために、上述したように免疫され
る。また、リンパ球はインビトロで免疫させてもよい。その後リンパ球は、ポリ
エチレングリコールなどの適切な融合試薬を使って、ハイブリドーマ細胞を形成
するためにミエローマ細胞と融合させる[Coding, Monoclonal Antibodies: Pri
nciples and Practice, pp.59-103 (academic Press, 1986)]。
【0086】 本発明の抗α2δ−Cおよび/またはα2δ−Dタンパク質特異的抗体はいく
つかの使用法がある。抗体を用いて、α2δ−Cおよび/またはα2δ−Dタン
パク質を組み換えまたは非組み換え細胞から精製することができる。本抗体を用
いて、例えば血液、皮膚、その他同種の組織試料中のα2δ−Cおよび/または
α2δ−Dタンパク質の存在を検出および/または定量することができる。α2
δ−Cおよび/またはα2δ−Dタンパク質の定量は、α2δ−Cおよび/また
はα2δ−Dタンパク質の特定の発現レベルと相関する病気、生理学的または遺
伝的な状態の診断に用いることができる。
【0087】 別の態様において、本発明は、細胞から全ゲノムDNAを単離し、SEQ ID NO:
3またはSEQ ID NO:4のDNA配列由来のプライマーを使用してゲノムDNAを
PCR増幅に供することからなる、α2δ−Cおよび/またはα2δ−Dの欠失
を包含する細胞を検出する診断アッセイを提供する。
【0088】 本発明のこの態様は、いずれのタイプの細胞内中のα2δ−Cおよび/または
α2δ−Dの欠失の検出も可能にし、遺伝学的な試験または研究の道具として用
いることができる。PCRプライマーは、ゲル電気泳動で検出されるのに十分な
大きさのα2δ−Cおよび/またはα2δ−D遺伝子断片が増幅されるいずれの
方法においても選択することができる。検出方法はアガロースまたはポリアクリ
ルアミドゲルの臭化エチジウム染色、放射線で標識されたα2δ−Cおよび/ま
たはα2δ−D遺伝子断片のオートラジオグラフ検出、サザンブロットハイブリ
ダイゼーション、DNA配列解析を含むいずれの方法でも検出することができる
が、これに限定されるものではない。好ましい態様において、検出はポリアクリ
ルアミドゲル電気泳動後、欠失の同一性を確かめるためにDNA配列解析を行う
ことにより達成される。PCRの条件は、当該分野でよく知られた技術に従って
選択されたプライマーの長さおよび塩基含量に基づいて慣例的に決定される(Sa
mbrook et al. ,1989)。
【0089】 本発明の別の態様は、全細胞RNAを単離し、SEQ ID NO:3またはSEQ ID NO:
4のDNA配列に由来のプライマーを使用する逆転写PCR増幅にRNAを供す
ることからなる、α2δ−Cおよび/またはα2δ−Dの欠失を包含する細胞を
検出する診断アッセイを提供する。本発明のこの態様は、いずれのタイプの細胞
内のα2δ−Cおよび/またはα2δ−D欠失の検出も可能にし、また遺伝学的
な試験または研究の道具として使われることを可能にする。
【0090】 逆転写は慣例的に標準技術(Ausubel et al.,in Current Protocols in Molec
ular Biology, ed. John Wiley and Sons, Inc., 1994)によって行われ、PC
Rは上述のように行われる。
【0091】 本発明は、添付の実施例を参照することにより、より理解することができるが
、これは本発明を説明するためのものであり、添付した特許請求の範囲にて定義
した本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0092】
【実施例】
実施例1 ヒトα2δ−Aの配列(c−DNA Accession No. M76559.1)を用いて、Gen
bankの非重複タンパク質データベースに対する標準BLASTPサーチおよび発現した
配列タグデータベース(dbEST)対するTBLASTNサーチを実施した。α2δ−Aに
対して相同性が高い4つの全長RNA配列を特定した(c−DNA Accession N
o. AF040709.1, AF042792.1, AF042793.1, およびAB011130.1)。α2δ−Bの
DNA配列はSEQ ID NO:1により規定され、α2δ−Bのアミノ酸配列はSEQ ID
NO:2により規定される。標準アライメントツールを使用すると、これら4つの
配列が同じ遺伝子の4つの異なる変異体を表すことが見出された。この遺伝子を
α2δ−Bと名付けた。配列データベースの別のサーチおよびCompugenソフトウ
ェアを用いて作成される専用クラスター配列の分析は、α2δ−Bに関連する別
の配列の特定を導いた。これはヒトEST(Accession No. T80372.1, AA360556
.1, AI563965.1, N53512.1)、マウスEST(Accession No. AA000341.1)およびC
. elegansの配列(Accession No. CAA90091.1)に包含される。このため、最初
に特定されたα2δ−B、別の関連する配列がGenbankデータベースに寄託され
た。これらは次のAccession No.に対応する(ヒト:AI027237.1, AI026646.1, A
A994701.1, AA887514.1, AI275868.1, AI675521.1, AA906993.1, AA301068.1, A
I884536.1, AI862563.1, AI191453.1, AI241832.1, AA534927.1, AA329137.1, A
I586961.1, AA394008.1, AW007700.1, R38827.1, AA255807.1, H11152.1, R6073
6.1, T16903.1, AA435601.1,AI094263.1; マウス: AA008996.1;ラット:AI1050
56.1, AI502878.1)。
【0093】 α2δ−Bは、アミノ酸レベルでα2δ−Aと53%一致および69%で類似
している。α2δ−BのmRNAは5482bpの長さで、1145アミノ酸のタ
ンパク質をコードしている。特定されているα2δ−Bの3つのスプライシング
変異体は5′非翻訳領域においてのみ相違し、アミノ酸配列は変化していない。
α2δ−Bは既に公開されているヒト染色体3p21.3におけるコスミドコンティグ
からのゲノム配列とアラインさせる。このDNAコンティグは、600kb以上の
配列をカバーする。これらゲノムの配列のAccession No.は、Z84493.1、Z84494
.1、Z75743.1、Z75742.1、およびZ84492.1である。α2δ−Bの側にあるDNA
配列の分析は、ヒトとマウスの両方においてマッピングされているヒト染色体3p
213におけるα2δ−Bの側にある遺伝子の特定をもたらす。これらフランキン
グ遺伝子には、CIS、HyaL1、GNAI-2 および GNAT-1 が包含される。マウスに
おいて、全てのフランキング遺伝子はマウス染色体9, 60cMに局在する。Jackson
Laboratoryによるマウス・ゲノム・データベースに蓄積されているマッピング
データの分析は、同じマウス染色体9, 60cM領域に遺伝的にマッピングされてい
た3つのマウスの神経の表現型の特定をもたらした。これらの表現型は、癲癇1
[epilepsy 1]、ダッキー[ducky]およびチッピー[tippy]が包含される。癲
癇1とダッキーは共に、癲癇を構成するスパイク波活性を有している。これは試
験的にα2δ−Bをマウスにおいて染色体9, 60cM領域にマップ化し、α2δ−
Bをマウスのダッキー、チッピーおよびEl1の変異体の遺伝子の候補として特定
する(マッピングデータの概略について図1を参照)。
【0094】 ヒトα2δ−BのRNA発現レベルのノーザンおよびRT−PCR分析を実施
して、α2δ−Bの発現パターンを分析した。ノーザン分析のために、複数の組
織ノーザンブロットおよび脳ブロットをClontechから得た。α2δ−Bに対する
非アイソトープDNAプローブは、鋳型としてSEQ ID NO:7−8およびSEQ ID N
O:1を用いるPCRにより作成した。ハイブリダイゼーションおよび洗浄条件は
製品説明書に従った(Boehringer Mannheim)。α2δ−Bは、肺においてもっと
も高い発現を有することが見出され、そして脳、心臓、骨格筋において検出され
、試験したすべての組織において低レベルで検出された(図2)。ヒトの脳の異
なる領域を調査するノーザンブロットにおいては、α2δ−Bは大脳皮質におい
て最も高レベルで発現しているが、ヒトの脳のすべての領域において検出された
(図2)。α2δ−BのRT−PCR発現分析もまた実施した。RT−PCR分
析は、PCRに基づく遺伝子増幅(サイクル:1×94℃ 1′;35×94℃
0.5′,55℃ 1′,72℃ 2′;1×72℃ 10′)においてClontechか
ら得たcDNA組織パネルおよびSEQ ID NO:7−8を使用したが、ノーザンブロ
ット分析の結果と一致するα2δ−Bの発現パターンを得た。全体的には、α2
δ−Bの発現パターンは、癲癇におけるα2δ−Bの提案された役割と一致して
いる。
【0095】 α2δ−Bがα2δ−Aと類似する機能特性を有してるかを決定するために、
α2δ−Bのアミノ酸およびガバペンチンへの結合能を測定した。この分析にお
いて、COS−7細胞をリポフェタミン媒介トランスフェクション法により、そ
れぞれベクター pcDNA3(Invitrogen)(α2δ−B用には pcDNA3.1)中におけ
るブタのα2δ−Aの全長とヒトα2δ−B遺伝子で一時的にトランスフェクショ
ンした。細胞をトランスフェクションし、下記の概略の一般的方法により膜を収
集した。α2δ−Bへの[3H]ガバペンチンの結合に対するKDをα2δ−A
と比較し、これを表1に示す。別の結合試験をそれら下記の概略と類似する技術
を使用して実施した。別法のプロトコルを副題「[3H]ガバペンチン結合を測
定するための別法」において下に列記した。これら結合の研究のデータを図3に
示す。全体的に、結合およびウェスタンのデータは、COS−7系にて一時的に
発現したブタα2δ−Aとヒトα2δ−Bの全長遺伝子の産物は高い親和性にて[ 3 H]ガバペンチンと結合することを示した。
【0096】
【表1】
【0097】 一過性トランスフェクション法(150mmプレート) 1:3.9×106個のCOS−7細胞/150mmプレートを150mmプレート
における42ml DMEM+10%FBS+5u/mlペニシリン/5μg/mlスト
レプトマイシンに播種した。増殖O/N。
【0098】 2:セットアップ 試験管A − 300μl TE中の30μg DNA+1.8ml Optimem (5u/
mlペニシリン/5μg/mlストレプトマイシン) 試験管B − 150μl Lipofectamine+1.95ml Optimem (5u/mlペニシ
リン/5μg/mlストレプトマイシン)
【0099】 3:時間=0にて試験管AおよびBを混合し、RTにて45分間静置した。 4:細胞を30mlのOptimem(5u/mlペニシリン/5μg/mlストレプトマイ
シン)で2回洗浄し、16.8mlのOptimem(5u/mlペニシリン/5μg/mlスト
レプトマイシン)をプレートに添加。t=45分にて、A/B混合物をプレート
に添加。 5:t=6時間にて、21mlのOptimem(5u/mlペニシリン/5μg/mlスト
レプトマイシン)を添加。 6:t=24時間にて、培地を42mlのOptimem(5u/mlペニシリン/5μg
/mlストレプトマイシン)と置換。 7:t=48時間にて、細胞を20mlのPBSですすぎ、次いで収集。
【0100】 膜の調製(4℃にて実施) 1.セルスクレーパを用いて細胞を2mlのエッペンドルフ中の1.5mlの1mM
EDTA/1mM EGTA/0.1mM PMSF(使用する直前に1000倍スト
ックから添加する)/20%グリセロール/10mM HEPES pH7.4@4
℃に収集する。 2.細胞を4℃で30分間混合し、次いで20,000×gにて5分間遠心分
離する。 3.ペレットを1.5mlの1mM EDTA/1mM EGTA/20%グリセロー
ル/10mM HEPES pH7.4@4℃に再懸濁し、直ぐに再度20,000
×gにて5分間遠心分離する。 4.〜1mg/ml(Bradford タンパク質アッセイにより測定したタンパク質濃
度)になるようにペレットを1mM EDTA/1mM EGTA/20%グリセロー
ル/10mM HEPES pH7.4@4℃中に再懸濁する。
【0101】 全[H3]結合について、細胞を30〜40秒間超音波処理し、750−1O
OO×gにて10分間遠心分離し、上清を50,OOO×gにて30分間遠心分
離した。得られたペレットを5mM中に再懸濁した。
【0102】 [3H]ガバペンチン飽和結合アッセイ法およびデータ分析 アッセイを96ウェル−ディープウェルプレート中に250μlの最終容量に
て21℃で実施した。二重のウェルを“全”結合および“非特異的”結合のため
にセットアップした。特異的結合は、“全”結合の値から“非特異的”結合の値
を差し引いた残りとして特定した。アッセイ成分は、次の順で添加した(全ての
試薬は10mM HEPES(pH7.4 21℃)中に希釈した)。
【0103】 全結合 200μl 10mM HEPES pH7.4 非特異的結合 175μl 10mM HEPES pH7.4および100μM (S+)−3−イソブチルGABA 25μl 適当なCOS膜試料 25μl [3H]ガバペンチン
【0104】 反応は21℃にて45分間インキュベートし、50mM Tris−Cl pH7.4@
4℃にて湿らせたGF/Bフィルターで濾過し、フィルターを洗浄緩衝液で3回
洗浄した。 次いでフィルターをシンチレーションカウンターで計測した。 飽和実験は、12の二重データポイントおよび〜1から400nMの範囲の[3
H]ガバペンチン濃度を用いて実施(“全”結合および“非特異的”結合を試験
した[3H]ガバペンチンの各濃度について2重にて測定)した。データはWindo
ws用のKEL-RADLIGを用いて分析した。
【0105】 [3H]ガバペンチン結合を測定するための別法 下記の点をのぞいて上述の方法に従った。 1) COS7トランスフェクション:20μgのα2δ−Aまたはα2δ−Bプ
ラスミドDNAを30μlのリポフェクタミンと共にインキュベートした。混合
物を1.5mlの血清不含培地中の細胞上に塗布し、5時間インキュベートした。
次いで、FBSを最終濃度が10%になるようにディッシュに添加した。翌朝、
培地を交換した。トランスフェクション後48時間、膜の調製のために細胞を収
集した。
【0106】 2) 膜の調製:細胞を冷PBSにて2回洗浄し、次いで冷やしたPMSF(0.
1mM)、ロイペプチン(0.02mM)およびペプスタチン(0.02mM)を含有す
る5mM Tris/5mM EDTA(pH7.4)中に組織培養プレートを削り落と
した。細胞を氷上で30分間インキュベートし、次いで30〜40秒間超音波処
理した。ホモゲネートを750〜1000×gにて10分間遠心分離し、次いで
上清を50,000×gにて30分間遠心分離した。生じたペレットを上述した
同じ緩衝液中に再懸濁した。
【0107】 3) 結合アッセイ:ラジオリガンド結合アッセイは、20nMの[3H]ガバペン
チンの存在下にてインキュベートした0.05mgの膜タンパク質を用いて行った
。膜は、10mM HEPES(pH7.4)中で室温にて40〜50分間インキュベ
ートし、次いで予め湿らせたGF/C膜でろ過し、直ぐに3mlの氷冷50mM T
ris緩衝液 pH7.4で5回洗浄した。フィルターを乾燥し、液体シンチレーシ
ョンカウンターで計測した。結合のバックグラウンドを測定するため、10μM
のイソブチルGABAを用いて、得られたカウント数を各試料の全カウント数か
ら差し引いた。
【0108】 抗α2ポリクローナル抗体を用いたα2δ−Aおよびα2δ−B発現の検出 精製した抗α2ポリクローナル抗体(ブタα2δ−A由来の抗原,詳細なpAb
の生成についてBrown and Gee (1998) JBC 273 p.25458-25465を参照)との親和
性を用いて、ブタα2δ−Aタンパク質およびヒトα2δ−Bタンパク質の発現
(コントロールのレベル−元のpcDNA3ベクターでトランスフェクションしたC
OS細胞-を越えるか)を確かめた。pAbのα2δ−BとのN.B.交叉反応はアミ
ノ酸配列の〜50%の一致が与えられると予期させる。さらに、実施例2を参照
すると、α2δ−Cの発現は、この抗体を用いても検出されなかった(α2δ−A
との配列一致性 〜30%)。
【0109】 実施例2 ヒトα2δ−Aの配列(Accession No. M76559.1)を用いて、Genbankの非重複
タンパク質データベースに対する標準BLASTPサーチおよび発現した配列タグデー
タベース(dbEST)対するTBLASTNサーチを実施した。EST配列が特定され(Ac
cession No. AA815447.1, AA190607.1, AI223142.1, AA188635.1, R43629.1, R2
0288.1, AA459684.1, AA662058.1, Z44942.1, Z40693.1, AI051759.1)、これを
α2δ−Aに類似する新規遺伝子に相当するα2δ−Cと名付けた。配列データベ
ースの別のサーチは、α2δ−Cに関連する他の配列の同定をもたらした。これ
にはマウスEST(Accession No. AU022914.1, AI843362.1)およびヒト染色体3p2
1.1に位置するSTS(Accession No. G36524.1)が包含される。α2δ−Bの最初
の特定のため、追加の関連する配列はGenbankデータベースに寄託した。これら
は次のアクセス番号に相当する(ヒトEST:AA459804.1, AI696320.1, AI051759.
1, AI696214.1;ヒトゲノム配列:AC010180.1;マウスEST:AA445859.1;マウス
RNA:AJ010949.1)。
【0110】 α2δ−Cの全長をクローニングするために、Accession No. AA190607.1のE
STクローン由来の配列に基づき、273bpの断片が増幅されるように設計した
プライマー(SEQ ID NO:9−10)を使用するOrigeneにより、PCRベースcD
NAライブラリーのスクリーニングを実施した。陽性クローンが腎臓ライブラリ
ーにて特定された。配列決定後、このクローンは新規な3′スプライス変異体(
SEQ ID NO:43)として特定された。この新規なスプライス変異体の SEQ ID NO:4
3由来のタンパク質の配列はトランケートされたα2δ−Cの潜在的に分泌可溶
性型である。プライマー(SEQ ID NO:9および11)および鋳型としてLTIからの
ヒト成人の脳のライブラリーを使用してPCRを実施し、248bpの得られた断
片をpBS中にクローン化して、配列を確かめた。腎臓クローンからのSacI-Nco
I断片、PCRセンタークローンからのNcoI−KpnI断片およびIMAGE協会から
得たクローン(Accession No. R43629.1に相当)からのKpnI−NotI断片は、当
該技術分野における標準的方法を使用して互いに連結して、全長のクローンを作
成した。各クローンおよび全長のクローン(SEQ ID NO:3)は配列の確認をした
。また、IMAGE協会から他のESTクローンを多数得て配列決定した。これらのクロ
ーンの1つ(Accession No. AI051759.1に相当)は、トランケートされたα2δ
−Cの潜在的に分泌可溶性型(SEQ ID NO:44)である、2つの新規なスプライス
変異体を包含していた。
【0111】 全長のα2δ−Cは、アミノ酸レベルでα2δ−Aと28%と一致、そして48
%が類似している。α2δ−CのmRNA配列(SEQ ID NO:3)は3770bpの
長さであり、1085アミノ酸(SEQ ID NO:5)のタンパク質をコードする。ま
た、α2δ−Cの3つのスプライス変異体が同定されている。変異体のうち2つ
は、内部エクソンの欠失を包含している。3つ目の変異体は、新規な3′末端を
含有する。これらのスプライス変異体のうち2つは、膜結合デルタサブユニット
を欠失したトランケートされたタンパク質を生成する。これらの変異体は、電圧
感受性カルシウムチャンネルの制御の域を超えた付加的な機能を有し得る、分泌
されるα2タンパク質を示している。
【0112】 他の種由来のα2δ−Cの配列を特定するため、ヒトおよびマウスに特異的な
プライマー(それぞれ、SEQ ID NO:9−10およびSEQ ID NO:12−13)を用いて、
α2δ−CのRT−PCR産物を増幅した。ヒトの脳由来のRNAは、Invitroge
n, Carlsbad, CA (catalog #D6030-15)から購入した。ラットおよびマウスの脳
由来のRNAは、標準的な社内プロトコルを用いて単離した。第1ストランドの
cDNA合成は、Superscript 選択システム(LTI, Bethesda, MD, catalog #1
8090-019)を用いて達成した。エタノール沈殿したcDNAは、1×PCR緩衝
液(0.2mM dNTP,10pmol/ウェル フォワードプライマー,10pmol/
ウェル リバースプライマーおよび0.5単位 プラチナ TAQ High Fidelity (LTI
, Bethesda, MD))を含有するPCR混合物に添加した。。生成物は、95℃で
5分間、次いで95℃で1分間、58℃で1分間、68℃で2分間を35サイク
ル繰り返し、最後に72℃で10分間伸長させて増幅した。PCR産物は、1%
アガロースゲル(TAE)ゲルにおいて100ボルトで45分間にてアッセイし
た。ゲルはUV下で可視化し、写真を撮影した。生成物は、DNA配列分析の前
にMillipore Ultrafree-MC PCR精製フィルターユニット(catalog #UFC3LT
KOO)を用いて精製した。この手法を使用したのは、3セットのプライマー(SEQ
ID NO:36, 37; SEQ ID NO:12, 13; SEQ ID NO:38, 39)で、これらはラットα
2δ−CのPCR増幅に用いたものである。α2δ−Cにおける3つの部分的な
ラットの配列は一致していた(SEQ ID NO:40, SEQ ID NO:14, SEQ ID NO:41)。
【0113】 RNA発現レベルのRT−PCR分析を実施して、α2δ−Cの発現パターン
を分析した。cDNA発現パネルは、OriGene Technologies, Inc.(Rockville,
Maryland)から購入した。24組織由来のヒトcDNA(catalog # HSC-101
)およびマウスcDNA(catalog # MSCB-101)を96ウェルPCRフォーマ
ットに予め配列させた。1×PCR緩衝液(0.2mM dNTP,10pmol/ウェ
ル フォワードプライマー,10pmol/ウェル リバースプライマーおよび0.5
単位 プラチナ TAQ(LTI, Bethesda, MD))を含有するPCR混合物を、各ウ
ェルに添加した。生成物は、95℃で5分間、次いで95℃で1分間、58℃で
1分間、68℃で2分間を35サイクル繰り返し、最後に72℃で10分間伸長
させて増幅した。PCR産物は、1%アガロースゲル(TAE)ゲルにおいて1
00ボルトで45分間にてアッセイした。ゲルはUV下で可視化し、写真を撮影
した。ヒト鋳型からのこの増幅に用いたプライマーはSEQ ID NO:9−10に相当し
、マウス鋳型からのものはSEQ ID NO:12−13に相当する。RT−PCRにより、
α2δ−Cは広範囲の組織において発現することが見出された(表2)。α2δ
−Cの最も高いレベルは、ヒトの脳において、そしてヒトの精巣および腎臓にお
いて検出された。RT−PCRに加えて、この遺伝子のcDNA配列は、ヒトの
成人の脳のライブラリーにおいて検出され、また幼児の脳、hNT神経細胞系、
精巣、全胎児、胞巣状横紋筋肉腫、腺癌およびプールされた生殖細胞系のライブ
ラリーにおいても検出された。
【0114】 ノーザンブロット分析はプローブとしてα2δ−Cを用いて実施した。ヒト全
RNAは Invitrogen (Carlsbad, CA) (脳の全RNA(Cat #D6030-01),腎臓の
全RNA(Cat #D6070-01),精巣の全RNA(Cat #D6121-01),肝臓の全RNA
(Cat # D6080-015))または Ambion Inc(Austin, TX)(胎盤の全RNA(Cat #7
950),心臓の全RNA(Cat #7966),肺の全RNA(Cat #7968))から得た。R
NAは、ホルムアルデヒドゲルにて電気泳動し、次いで荷電したナイロン膜(Am
bion Inc. (Austin TX) Cat #10104.)にトランスファーした。ESTクローン
(SEQ ID NO:47)はBamHIで消化して、RNA合成反応において鋳型として用い
32P標識したプローブを得た。RNAを含有するナイロン膜は、Express Hyb
ハイブリダイゼーション溶液(Clontech Inc. (Palo Alto, CA)(Cat #8015-1)
)中にて2時間予備ハイブリダイズさせた。予備ハイブリダイゼーション後、32 P標識した4×106cpmのRNAプローブを溶液に添加し、同じ溶液中にて2時
間ハイブリダイゼーションを実施した。ハイブリダイゼーション後、ナイロンフ
ィルターを1時間、室温で2×SSC、0.5%SDSを4回交換して洗浄した
。ナイロンフィルターを68℃の0.2×SSC、0.5%SDSの溶液に移し、
溶液を4回交換して洗浄した。次いで、ナイロンフィルターをphosphoroimager
screens Molecular Dynamics(Sunnyvale, CA)に露呈し、Storm phosphorimage
r Molecular Dynamics(Sunnyvale, CA)において読んだ。ノーザン分析の結果
(図4)は、α2δ−Cがヒトの脳、腎臓および精巣において最も高いレベルで
発現していることを示している。
【0115】 α2δ−Cがα2δ−Aに対して配列ホモロジーを有しており、そしてα2δ−
AはVSCCsのサブユニットとして機能するため、実験を行ってα2δ−Cがα
2δ−Aと置換して、機能的なVSCCsを生成するかを決定した。標準的技術
を用いてXenopus 卵母細胞を単離し、電荷ゲートCa2+チャンネルのα1B、β1C およびα2δ−CサブユニットcRNAを注入した。cRNA注入の4日〜1週
間後、Ca2+チャンネルの電流を、電荷キャリアとして5mM Ba2+を用いる2
電極電圧クランプを使用して測定した。−80mVの保持膜の電位から+10mVま
での試験パルスを適用して、Ca2+チャンネルの電流を誘発した。試験パルスの
間に誘発されたピーク内向き電流を測定した。内向き電流の振幅は、電圧ゲート
Ca2+チャンネルの発現レベルと比例している。
【0116】 α2δサブユニットを持たないα1B、β1Cの発現は、105±13nA(n=2
0)の平均振幅を有する電流を生成した。α1Bおよびβ1Cとα2δCサブユニッ
トの同時注射は、213±12nA(n=20,p<0.01 α2δサブユニット
がない場合との比較)までの電流の振幅において顕著な増加を生成した。これら
のデータは、α2δCがCa2+チャンネルにおいてα2δAと同様な作用を有して
おり、チャンネルの発現レベルを促進することを示唆している。しかし、α2δC は、α2δA程のチャンネルの発現における大きな作用を及ぼさず、α2δAの同時
注射にて観察された20倍の増加と比較して、2倍の電流の増加しか引き起こさ
ない。全体としては、これら初期の機能の研究は、α2δ−CがXenopus卵母細胞
へのα1およびβサブユニットとの同時注射後において電圧感受性カルシウムチ
ャンネル中のα2δ−Aと置換しうることを示している。
【0117】
【表2】
【0118】 実施例3 ヒトα2δ−Aの配列(Accession No. M76559.1)を用いて、Genbankの非重
複タンパク質データベースに対するBLASTPサーチおよび発現した配列タグデータ
ベース(dbEST)対するTBLASTNサーチを実施した。EST配列が特定され(Accessi
on No. T70594.1, T96901.1, AA766033.1, AI160471.1, AA719773.1, AI003601.
1, AA442451.1, AA521470.1, AA770076.1, AA001411.1, AA001473.1, W22650.1,
H86016.1)、これをα2δ−Aに類似する新規遺伝子に相当するα2δ−Dと
名付けた。配列データベースの別のサーチは、α2δ−Dに関連する他の配列の
同定をもたらした。これにはヒト染色体12p13.3に由来するゲノム配列(Accessi
on No. AC005342.1, AC005343.1)が包含される。α2δ−Dの最初の特定のた
め、追加の関連する配列はGenbankデータベースに寄託した。これらk配列は次の
Accession No.に相当する(ヒトESTs: T96900.1, AI457823.1, A1377638.1 お
よび AI433691.1)。
【0119】 α2δ−Dクローンの全長を単離するために、Accession No.AA001473.1 の
ESTクローン由来の配列に基づき、372bpの断片が増幅されるように設計し
たプライマー(SEQ ID NO:18-19)を使用するOrigeneにより、PCRベースcD
NAライブラリーのスクリーニングを実施した。陽性クローンが胎盤のライブラ
リーにて特定された。ネスト化した内部プライマー(SEQ ID NO:20)を用いて確
かめた。このクローンを完全にシーケンスした。配列はEST配列から得られた
配列の5′末端から350bp伸張していたが、これには5′末端は含まれていな
かった。
【0120】 5′末端を得るために、2つの手法を行った。1つの手法では5′RACE(
cDNA末端の迅速増幅)を利用した。5′RACEでは、Clontechからの胎盤
ポリA+RNAを用いて、Clontechから購入したMarathon cDNA増幅キット
を使用してRACE用cDNAライブラリーを構築した。α2δ−Dの5′末端
の配列は、プライマーの第1セット:Marathon cDNAアダプタープライマー
1(SEQ ID NO:45)および遺伝子特異的プライマーI(SEQ ID NO:21)を使用
した5′RACE PCRにより得た。PCR産物は、ネスト化したプライマー
のセット:アダプタープライマー2(SEQ ID NO:46)および遺伝子特異的プライ
マーII(SEQ ID NO:22)を使用して再度増幅させた。得られた1kbのPCR産物
は、TAベクター(Invitrogen)中にクローン化して配列を決定した。配列分析
は、これがα2δ−Dの5′配列を含んでいることを明らかにした。
【0121】 α2δ−Dの5′末端を特定するために行った2つ目の手法は、α2δ−Dに
ついて知られている最も5′の配列を使用した、Edgeにより実施したPCRベー
スライブラリースクリーニングである。9個のクローンが上述の方法によりPC
R増幅され、SEQ ID NO:48 および SEQ ID NO:49のプライマーを用いて確かめた
。これら9個の陽性クローンは次いで標準的方法により配列を決定して確かめた
。9個の全てのクローンが互いに同じであったが、5′末端の手前約500bpま
でであった。しかし、これらのクローンは、新規なヌクレオチド配列(SEQ ID N
O:16)が挿入されたα2δ−Dの新規なスプライス変異体を含有していた。
【0122】 全長のα2δ−Dは、アミノ酸レベルでα2δ−Aと28%と一致、そして4
7%が類似している。α2δ−CのmRNA配列(SEQ ID NO:4)は5,073b
pの長さであり、1120アミノ酸(SEQ ID NO:6)をコードする。また、α2
δ−Dの2つのスプライス変異体が同定されている。変異体のうち1つは、内部
エクソンの72bp(SEQ ID NO:15)の欠失を包含している。この変異体のアミノ
酸配列は、SEQ ID NO:17 に見出すことができる。2つ目の変異体は、新規な2
つの挿入物を含み、1つは338bpであり、1つは305bp(SEQ ID NO:16)で
ある。これらの挿入物は、実施例2にてα2δ−Cについて特定された、トラン
ケートされたタンパク質配列に相当するトランケートされたタンパク質(SEQ ID
NO:42)であると考えられる。
【0123】 ヒトα2δ−DのRNAの発現レベルのRT−PCR分析を実施して、α2δ
−Dの組織分布を分析した。cDNA発現パネルは、OriGene Technologies, In
c. (Rockville, Maryland)から購入した。24組織由来のヒトcDNA(catalo
g #HSC-101)およびマウスcDNA(catalog #MSCB-101)を予め96ウェル
PCRフォーマットに配列させた。1×PCR緩衝液(0.2mM dNTP,10
pmol/ウェル フォワードプライマー,10pmol/ウェル リバースプライマーお
よび0.5単位 プラチナ TAQ (LTI, Bethesda, MD))を含有するPCR混合
物を、各ウェルに添加した。生成物は、95℃で5分間、次いで95℃で1分間
、58℃で1分間、68℃で2分間を35サイクル繰り返し、最後に72℃で1
0分間伸長させて増幅した。PCR産物は、1%アガロースゲル(TAE)ゲル
において100ボルトで45分間にてアッセイした。ゲルはUV下で可視化し、
写真を撮影した。α2δ−Dの場合、ヒトのパネルには2つの別のプライマーの
セットを使用して、スプライス変異体と野生型種を区別した(それぞれ、SEQ ID
NO:18 および 20, SEQ ID NO: 23 および 19)。
【0124】 α2δ−DのRT−PCR分析の結果(表3を参照)は、α2δ−Dが広範囲の
組織において発現し、胎盤、副腎および膵臓で最も高いレベルで発現しているだ
けでなく、結腸以外のすべての組織で検出されたことを示している。注目すべき
は、α2δ−Dはヒトの脳にて検出され、これは神経の疾患における潜在的な役
割と矛盾しないことである。また、EST配列の組織分布に基づいて、α2δ−
DのcDNA配列は成人の脳、網膜、胎児の肝臓/脾臓、胎児の心臓、松果体お
よび精巣由来のヒトのライブラリーにおいて検出された。
【0125】
【表3】
【0126】 実施例4 α2δ−Bのノックアウト α2δ−Bのノックアウトマウスを作成するために、ゲノムシステム(catalo
g: BAC 4922 Mouse ES 129Svj PCR ベースライブラリースクリーニング)はプラ
イマーSEQ ID NO:25−26を使用してマウスBACライブラリーのPCRベースス
クリーニングを実施したが、650bpのcDNAまたはゲノム断片が増幅される
と予想された。このスクリーニングから1つのBAC陽性クローン(ゲノムシス
テムDNAコントロール番号: BAC-22401)を得た。同じプライマーを使用して
、ヒトDNAプローブを作成した。このプローブをサザンブロットに使用して、
BACから〜10kbのマウスゲノムのHind III断片を特定し、プラスミドベクタ
ーpRS416(Stratagene)のHind II部位にサブクローニングした。2つの別のサ
ブクローンを、T3およびT7プライマー並びに SEQ ID NO:25−32を使用して
標準技術によりシーケンスした。10kbのゲノム断片の5′および3′末端由来
の配列の2つの500bp領域(それぞれSEQ ID NO:33 およびSEQ ID NO:34)と
1.8kbの配列コンティグ(SEQ ID NO:35)を特定した。このゲノム配列を使用
して、マウスα2δ−B遺伝子の部分のイントロン/エクソン構造を特定するこ
とができるが、α2δ−B遺伝子の発現に重要な制御エレメントを含みうる。
【0127】 実施例5 α2δ遺伝子によりコードされるアミノ酸の同定 α2δ−Cおよびα2δ−Dのアミノ酸配列はSEQ ID NO:5と SEQ ID NO:6
に示すが、これらはSEQ ID NO:3と SEQ ID NO:4に記載のヌクレオチド配列の
翻訳により決定され、α2δ−A、α2δ−B、α2δ−Cおよびα2δ−Dの
アミノ酸配列をアラインさせた。各アミノ酸配列について正確なオープンリーデ
ィングフレームを、他のα2δ−Aのホモログに対するアミノ酸配列のホモロジ
ーに基づいて決定した。アミノ酸レベルにおいて、α2δ−Cは、α2δ−Aと
は28%が一致し、48%が類似しており、α2δ−Bとは28%が一致し、4
7%が類似していた。また、α2δ−Dは、α2δ−Aとは28%が一致し、4
7%が類似しており、α2δ−Bとは28%が一致し、46%が類似していた。
α2δ−Cおよびα2δ−Dはα2δ−Aに関連するものであるが、これらは明
らかに新規で、異なる遺伝子である。
【0128】 実施例6 α2δ−Cおよびα2δ−Dの抗体を使用する、α2δ−Cおよびα2δ−Dタ
ンパク質を検出する方法 抗体は、α2δ−Cおよびα2δ−Dに特有のエピトープを特異的に検出する
抗体、または全てのα2δタンパク質を検出する抗体を開発することができた。
これらの抗体は、α2δ−Cおよび/またはα2δ−Dと一致するペプチドを合
成することにより、あるいはα2δ−Cまたはα2δ−Dのいずれかを含有する
融合タンパク質を細菌によって発現させ、次いでこれらのペプチドを実験動物に
注射して免疫原応答を刺激することにより開発することができた。そのような方
法で作成した抗体を使用して、細胞中のα2δ−Cおよび/またはα2δ−Dタ
ンパク質のレベルを検出することができた。これは、免疫細胞化学により行うこ
とができ、細胞をまるごと固定して、次いで抗体を用いて細胞全体においてα2
δ−Cまたはα2δ−Dの発現を検出し、そしてα2δ−Cまたはα2δ−Dの
サブ細胞局在を検出する。あるいは、細胞を溶解して、タンパク質抽出物を作成
し、α2δ−Cおよび/またはα2δ−Dの発現について分析することができる
【0129】 実施例7 cDNAライブラリー用のRNAの単離 細胞からα2δ−Cまたはα2δ−Dを単離するために、当業者に知られた標
準的技術を用いて目的の任意の組織から細胞を溶解させることによりRNAを単
離することができた。単離した後、RNAは逆転写酵素およびポリ(T)プライ
マーまたはランダムプライマーミックスを使用してcDNAに逆転写する。特定
な時期においてはじめの細胞集団において発現している非常に多くの遺伝子を表
すcDNAの混合物が作成される。一度、cDNAプールが作成されれば、当該
分野で標準的な方法を使用して制限酵素で消化して、次いでクローニングベクタ
ー中に連結することができる。この結果がcDNAライブラリーとなる。
【0130】 実施例8 cDNAクローニング法 α2δ−Cまたはα2δ−Dは、上述のように作成したcDNAライブラリー
から、鋳型としてcDNAを用いるポリメラーゼ連鎖反応においてα2δ−Cま
たはα2δ−Dヌクレオチド配列に対する特異的なプライマーを使用することに
よりクローニングすることができた。また、α2δ−Cまたはα2δ−Dの配列
をプローブとして用いて、ハイブリダイゼーションによりcDNAライブラリー
をスクリーニングすることができた。いずれかの技術を使用して、単一のコロニ
ーをライブラリーから最終的に単離して、標準的技術を用いてシーケンスする。
ライブラリーからの多数のコロニーをシーケンスすることにより、α2δ−Cま
たはα2δ−Dの選択的スプライシング変異体の存在、単一ヌクレオチドの多型
性、またはα2δ−Cもしくはα2δ−Dにおける突然変異/選択の存在を探す
ことができた。
【0131】 実施例9 抗体を用いたcDNAライブラリーのスクリーニング α2δ−Cまたはα2δ−Dに対する抗体を用いて、cDNAライブラリーも
スクリーニングした。cDNAライブラリーを、クローニングされた挿入物のタ
ンパク質発現を誘導しうるベクターにクローニングした。完全なcDNAライブ
ラリーを誘導して、クローニングされた挿入物を表すタンパク質を発現させ、こ
れらがα2δ−Cまたはα2δ−Dに対して作成された抗体とハイブリダイズす
る場合には、α2δ−Cまたはα2δ−Dをコードする挿入物を含む単一コロニ
ーが特定される。陽性クローンを単離し、次いで標準的方法を用いてシーケンス
した。
【0132】 本発明は、詳細な操作、あるいは示し且つ記載した化合物、組成物、方法、手
法または態様に厳密に限定されるものではないと理解されるべきであり、当業者
によれば本発明の改良および同等なものもまた本発明であることは明らかである
。故に本発明は、添付した特許請求の範囲の全ての範囲にのみ限定されるもので
ある。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 ネズミ染色体9におけるα2δ−Bの微細な地図を表す。
【図2】 ヒトα2δ−Bの組織における分布を表す。
【図3】 COS7に一過的にトランスフェクションしたヒトα2δ−Bによる[3H]
ガバペンチンの結合活性を表す。
【図4】 ヒトα2δ−Cの組織における分布を表す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 25/08 A61P 25/20 4C084 25/16 25/22 4C086 25/20 25/28 4H045 25/22 25/30 25/28 29/00 25/30 35/00 29/00 C07K 14/47 35/00 16/18 C07K 14/47 C12N 1/15 16/18 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 C12P 21/02 C 1/21 C12Q 1/02 5/10 1/68 A C12P 21/02 G01N 33/15 Z C12Q 1/02 33/50 Z 1/68 C12N 15/00 ZNAA G01N 33/15 5/00 A 33/50 A61K 37/02 (31)優先権主張番号 60/114,088 (32)優先日 平成10年12月29日(1998.12.29) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AU,BA,BB,BG, BR,CA,CN,CR,CU,CZ,DM,EE,G D,GE,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP ,KP,KR,LC,LK,LR,LT,LV,MG, MK,MN,MX,NO,NZ,PL,RO,SG,S I,SK,SL,TR,TT,TZ,UA,US,UZ ,VN,YU,ZA (72)発明者 ジェイムズ・デイヴィッド・オフォード アメリカ合衆国ミシガン州48105.アンア ーバー.アランマークドライブ3388 Fターム(参考) 2G045 AA25 CB01 CB26 DA12 DA13 DA14 DA36 FB02 FB03 4B024 AA01 AA11 BA61 BA80 CA02 CA04 CA09 DA03 HA03 HA17 4B063 QA18 QA19 QQ08 QQ12 QQ43 QQ52 QR55 QR59 QR62 QS25 QS34 4B064 AG01 CA10 CA19 CC24 DA03 DA13 4B065 AA90 AA93 AB04 BA02 CA23 CA24 CA44 4C084 AA01 AA02 AA06 AA07 AA13 BA44 CA17 CA18 CA53 DC50 NA14 ZA05 ZA06 ZA08 ZA12 ZA15 ZA18 ZB26 ZC42 4C086 AA01 AA02 AA03 AA04 EA16 MA01 MA04 NA14 ZA05 ZA06 ZA08 ZA12 ZA15 ZA18 ZA42 ZB26 4H045 AA10 AA20 AA30 CA40 EA34 EA50 FA74

Claims (34)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 SEQ ID NO:3またはSEQ ID NO:4に示されるDNA配列と実
    質的に類似する、単離・精製したDNA配列。
  2. 【請求項2】 SEQ ID NO:3またはSEQ ID NO:4に示されるDNA配列と高
    ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズする、単離
    ・精製したDNA配列。
  3. 【請求項3】 本質的にSEQ ID NO:3またはSEQ ID NO:4に示されるDNA
    配列からなる、単離・精製したDNA配列。
  4. 【請求項4】 SEQ ID NO:5またはSEQ ID NO:6により発現されるポリペプ
    チドをコードするポリヌクレオチドと少なくとも70%の同一性を有する、単離
    ・精製したDNA配列。
  5. 【請求項5】 SEQ ID NO:3またはSEQ ID NO:4に示されるDNA配列に完
    全に相補的である、単離・精製したDNA配列。
  6. 【請求項6】 染色体外ベクター中にサブクローン化した請求項3または4
    に記載の単離・精製したDNA配列からなる組換えDNA分子。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の組換えDNA分子を用いて形質転換した宿
    主細胞からなる組換え宿主細胞。
  8. 【請求項8】 実質的に精製した組換えポリペプチドのアミノ酸配列がSEQ
    ID NO:5またはSEQ ID NO:6に示されるアミノ酸配列と実質的に類似する、実質
    的に精製した組換えポリペプチド。
  9. 【請求項9】 ポリペプチドがSEQ ID NO:5またはSEQ ID NO:6に示される
    アミノ酸配列と類似する少なくとも約70%のアミノ酸配列を有する、請求項8
    に記載の実質的に精製した組換えポリペプチド。
  10. 【請求項10】 実質的に精製した組換えポリペプチドのアミノ酸配列が本
    質的にSEQ ID NO:5またはSEQ ID NO:6に示されるアミノ酸配列からなる、実質
    的に精製した組換えポリペプチド。
  11. 【請求項11】 請求項8に記載のアミノ酸配列と実質的に類似するアミノ
    酸配列を有するポリペプチドと選択的に結合する抗体。
  12. 【請求項12】 細胞を請求項11に記載の抗体と接触させ、α2δ−Cま
    たはα2δ−Dタンパク質−抗体複合体の検出を可能にするような様式で細胞を
    インキュベートすることからなる、細胞中のα2δ−Cまたはα2δ−Dタンパ
    ク質を検出する方法。
  13. 【請求項13】 細胞から全ゲノムDNAを単離し、請求項1、2または3
    に記載の単離・精製したDNA配列から誘導されるプライマーを用いるPCR増
    幅に供するかまたはゲノムDNAをハイブリダイゼーション法により直接分析し
    、得られたPCR産物が突然変異を含むかを決定することからなる、α2δ−C
    またはα2δ−D変異体を含む細胞を検出する診断アッセイ。
  14. 【請求項14】 全細胞RNAを単離し、請求項1、2または3に記載の単
    離・精製したDNA配列から誘導されるプライマーを用いる逆転写−PCR増幅
    にRNAを供して、そして得られたPCR産物が突然変異を含むかを決定するこ
    とからなる、α2δ−Cまたはα2δ−D変異体を含む細胞を検出する診断アッ
    セイ。
  15. 【請求項15】 請求項1、2または3に記載のDNA配列の領域を増幅す
    る方法であって、請求項1、2または3に記載の所望の配列またはその部分を含
    有すると推測される試験試料を増幅反応試薬と接触させる工程を含む方法。
  16. 【請求項16】 試験試料中の請求項1、2または3に記載のDNA配列の
    少なくとも1コピーの存在を検出するための診断キットであって、前記キットが
    プライマー、プライマーのペアまたはプローブおよび任意的に増幅試薬を含有す
    るキット。
  17. 【請求項17】 請求項8、9または10に記載のポリペプチドおよび請求
    項8、9または10に記載のポリペプチドに結合するリガンドとの間の相互作用
    に干渉するか、またはこれを模倣する治療用化合物の検出またはスクリーニング
    するためのアッセイ。
  18. 【請求項18】 アッセイが次の工程 (a) 請求項8、9または10に記載のポリペプチドを供給し、 (b) 候補の物質を得て、 (c) 前記ポリペプチドを前記候補の物質と接触させ、 (d) 前記ポリペプチドと前記候補の物質とで形成された複合体を検出する ことからなる請求項17に記載のアッセイ。
  19. 【請求項19】 請求項1、2または3に記載の単離・精製したDNA配列
    を含む発現ベクターを哺乳類細胞中に導入することからなる、異常カルシウム変
    動から哺乳類細胞を保護する方法であって、前記DNA配列が哺乳類細胞におい
    て単離・精製したDNA配列の高レベルの発現を促進するDNA配列に作動的に
    連結されている方法。
  20. 【請求項20】 請求項1、2または3に記載の単離・精製したDNA配列
    を含む発現ベクターを哺乳類に導入することからなる、癲癇を治療または予防す
    る方法であって、前記DNA配列が哺乳類細胞において単離・精製したDNA配
    列のアンチセンスストランドの高レベルの発現を促進するDNA配列に作動的に
    連結されている方法。
  21. 【請求項21】 (a) 宿主細胞中において目的の遺伝子を発現させうるプ
    ロモーターに作動的に連結された請求項1、2または3に記載の単離・精製した
    DNA配列を含むベクターで宿主細胞をトランスフェクションし、 (b) 細胞中において単離・精製したDNA配列の発現を誘導し、 (c) 細胞を溶解させ、 (d) 細胞からα2δ−Cまたはα2δ−Dタンパク質を単離し、そして (e) 単離物からα2δ−Cまたはα2δ−Dタンパク質を精製する ことからなる、細胞からα2δ−Cまたはα2δ−Dタンパク質を精製する方法
  22. 【請求項22】 SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:14−16、SEQ ID NO:21−24、SE
    Q ID NO:31−35、SEQ ID NO:40−41、SEQ ID NO:43−44、SEQ ID NO:47−48また
    はSEQ ID NO:49に示されるDNA配列に実質的に類似する、単離・精製したDN
    A配列。
  23. 【請求項23】 SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:14−16、SEQ ID NO:21−24、SE
    Q ID NO:31−35、SEQ ID NO:40−41、SEQ ID NO:43−44、SEQ ID NO:47−48また
    はSEQ ID NO:49に示されるDNA配列と高ストリンジェントなハイブリダイゼー
    ション条件下でハイブリダイズする、単離・精製したDNA配列。
  24. 【請求項24】 本質的にSEQ ID NO:11、SEQ ID NO:14−16、SEQ ID NO:21
    −24、SEQ ID NO:31−35、SEQ ID NO:40−41、SEQ ID NO:43−44、SEQ ID NO:47
    −48またはSEQ ID NO:49に示されるDNA配列からなる、単離・精製したDNA
    配列。
  25. 【請求項25】 SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:14−16、SEQ ID NO:21−24、SE
    Q ID NO:31−35、SEQ ID NO:40−41、SEQ ID NO:43−44、SEQ ID NO:47−48また
    はSEQ ID NO:49に示されるDNA配列により発現されるポリペプチドをコードす
    るポリヌクレオチドと少なくとも70%の同一性を有する、単離・精製したDN
    A配列。
  26. 【請求項26】 SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:14−16、SEQ ID NO:21−24、SE
    Q ID NO:31−35、SEQ ID NO:40−41、SEQ ID NO:43−44、SEQ ID NO:47−48また
    はSEQ ID NO:49に示されるDNA配列と完全に相補的な単離・精製したDNA配
    列。
  27. 【請求項27】 実質的に精製された組換えポリペプチドがSEQ ID NO:17ま
    たはSEQ ID NO:42に示されるアミノ酸配列と実質的に類似する、実質的に精製さ
    れた組換えポリペプチド。
  28. 【請求項28】 ポリペプチドがSEQ ID NO:17またはSEQ ID NO:42に示され
    るアミノ酸配列と少なくとも約70%のアミノ酸配列の類似性を有する、請求項
    26に記載の実質的に精製された組換えポリペプチド。
  29. 【請求項29】 実質的に精製された組換えポリペプチドのアミノ酸配列が
    本質的にSEQ ID NO:17またはSEQ ID NO:42に示されるアミノ酸配列からなる、実
    質的に精製された組換えポリペプチド。
  30. 【請求項30】 請求項26に記載のアミノ酸配列と実質的に類似するアミ
    ノ酸配列を有するポリペプチドと選択的に結合する抗体。
  31. 【請求項31】 ポリヌクレオチド配列が本質的に M76559.1、AF040709.1
    、AF042792.1、AF042793.1、AB011130.1、T80372.1、AA360556.1、AI563965.1、
    N53512.1、AA000341.1、CAA90091.1、AI027237.1、AI026646.1、AA994701.1、AA
    887514.1、AI275868.1、AI675521.1、AA906993.1、AA301068.1、AI884536.1、AI
    862563.1、AI191453.1、AI241832.1、AA534927.1、AA329137.1、AI586961.1、AA
    394008.1、AW007700.1、R38827.1、AA255807.1、H11152.1、R60736.1、T16903.1
    、AA435601.1、AI094263.1、AA008996.1、AI105056.1、AI502878.1、Z84493.1、
    Z84494.1、Z75743.1、Z75742.1、Z84492.1、AA815447.1、AA190607.1、AI223142
    .1、AA188635.1、R43629.1、R20288.1、AA459684.1、AA662058.1、Z44942.1、Z4
    0693.1、AI051759.1、AU022914.1、AI843362.1、G36524.1、AA459804.1、AI6963
    20.1、AI051759.1、AI696214.1、AC010180.1、AA445859.1、AJ010949.1、AA1906
    07.1、AI051759.1、T70594.1,T96901.1、AA766033.1、AI160471.1、AA719773.1
    、AI003601.1、AA442451.1、AA521470.1、AA770076.1、AA001411.1、AA001473.1
    、W22650.1、H86016.1、AC005342.1、AC005343.1、T96900.1、AI457823.1、AI37
    7638.1 および AI433691.1、AA001473.1 並びに SEQ ID NO:1−16、SEQ ID NO:
    18−41またはSEQ ID NO:43−49のいずれかのポリヌクレオチド配列からなる群か
    ら選択される、α2δ−Cおよび/またはα2δ−D遺伝子の変化、またはα2
    δ−Cおよび/またはα2δ−Dを包含する細胞の経路の変化に起因しうる疾病
    を治療するためのポリヌクレオチド配列の使用方法。
  32. 【請求項32】 疾病が、本質的に痙攣に関連する症候群、偏頭痛、運動失
    調、前庭欠損、慢性の痛み、感情障害、睡眠干渉、不安、ALS、多発性硬化症
    、躁病、震え、パーキンソン症候群、物質乱用/依存症候群、感情障害、うつ病
    および癌からなる群から選択される、請求項31に記載の方法。
  33. 【請求項33】 ポリヌクレオチド配列が本質的に M76559.1、AF040709.1
    、AF042792.1、AF042793.1、AB011130.1、T80372.1、AA360556.1、AI563965.1、
    N53512.1、AA000341.1、CAA90091.1、AI027237.1、AI026646.1、AA994701.1、AA
    887514.1、AI275868.1、AI675521.1、AA906993.1、AA301068.1、AI884536.1、AI
    862563.1、AI191453.1、AI241832.1、AA534927.1、AA329137.1、AI586961.1、AA
    394008.1、AW007700.1、R38827.1、AA255807.1、H1ll52.1、R60736.1、T16903.1
    、AA435601.1、AI094263.1、AA008996.1、AIl05056.1、AI502878.1、Z84493.1、
    Z84494.1、Z75743.1、Z75742.1、Z84492.1、AA815447.1、AA190607.1、AI223142
    .1、AA188635.1.R43629.1、R20288.1、AA459684.1、AA662058.1、Z44942.1、Z40
    693.1、AI051759.1、AU022914.1、AI843362.1、G36524.1、AA459804.1、AI69632
    0.1、AI051759.1、AI696214.1、AC010180.1、AA445859.1、AJ010949.1、AA19060
    7.1、AI051759.1、T70594.1、T96901.1、AA766033.1、AI160471.1、AA719773.1
    、AI003601.1、AA442451.1、AA521470.1、AA770076.1、AA001411.1、AA001473.1
    、W22650.1、H86016.1、AC005342.1、AC005343.1、T96900.1、AI457823.1、AI37
    7638.1、および AI433691.1、AA001473.1 並びに SEQ ID NO:1−16、SEQ ID NO
    :18−41または SEQ ID NO:43−49 のいずれかのポリヌクレオチド配列からなる
    群から選択される、α2δ−Cおよび/またはα2δ−Dの変化または欠損に起
    因する疾病の存在または疾病への感受性を試験するためのポリヌクレオチド配列
    の使用方法。
  34. 【請求項34】 ポリヌクレオチド配列が本質的に M76559.1、AF040709.1
    、AF042792.1、AF042793.1、AB011130.1、T80372.1、AA360556.1、AI563965.1、
    N53512.1、AA000341.1、CAA90091.1、AI027237.1、AI026646.1、AA994701.1、AA
    887514.1、AI275868.1、AI675521.1、AA906993.1、AA301068.1、AI884536.1、AI
    862563.1、AI191453.1、AI241832.1、AA534927.1、AA329137.1、AI586961.1、AA
    394008.1、AW007700.1、R38827.1、AA255807.1、H11152.1、R60736.1、T16903.1
    、AA435601.1、AI094263.1、AA008996.1、AI105056.1、AI502878.1、Z84493.1、
    Z84494.1、Z75743.1、Z75742.1、Z84492.1、AA815447.1、AA190607.1、AI223142
    .1、AA188635.1、R43629.1、R20288.1、AA459684.1、AA662058.1、Z44942.1、Z4
    0693.1、AI051759.1、AU022914.1、AI843362.1、G36524.1、AA459804.1、AI6963
    20.1、AI051759.1、AI696214.1、AC010180.1、AA445859.1、AJ010949.1、AA1906
    07.1、AI051759.1、T70594.1、T96901.1、AA766033.1、AI160471.1、AA719773.1
    、AI003601.1、AA442451.1、AA521470.1、AA770076.1、AA001411.1、AA001473.1
    、W22650.1、H86016.1、AC005342.1、AC005343.1、T96900.1、AI457823.1、AI37
    7638.1、および AI433691.1、AA001473.1 並びに SEQ ID NO:1−16、SEQ ID NO
    :18−41 または SEQ ID NO:43−49のいずれかのポリヌクレオチド配列からなる
    群から選択される、ガバペンチンに対するポリヌクレオチド配列の結合可能性を
    特定するためのポリヌクレオチド配列の使用方法。
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