JP2002525087A - イヌ科動物の母乳の代用品 - Google Patents

イヌ科動物の母乳の代用品

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レピン，アラン
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ジ・アイアムズ・カンパニー
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Abstract

(57)【要約】 乾燥状態基準で約35から45重量％のタンパク質、約25から35重量％の脂肪、および、約10から25重量％の炭水化物を含有する人工製造のイヌ科動物の母乳代用品組成物が提供される。本組成物中に含まれる脂肪とタンパク質の量は、天然の犬の母乳のものに近い必須アミノ酸プロファイルと脂肪酸プロファイルを提供する。最適な成長をさせるために、本組成物をほ乳子イヌに与えることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】 本発明は、子イヌの養育とイヌ科動物のクリティカルケアに際する栄養要求を
十分に供給するイヌ科動物の母乳の代用品、または、イヌの母乳の代替品に関す
る。
【０００２】 近年、成長途上の子イヌだけでなく成イヌの栄養要求についても研究されてき
た。しかし、イヌ科動物の母乳の組成とその組成がどのようにほ乳子イヌの栄養
要求を満たしているのかについての情報はほとんど得られていなかった。一般に
、授乳中の母イヌの母乳は授乳子イヌに最適な栄養を供給すると考えられている
。従って、一般に使用されている母乳代替品は、母イヌの母乳の栄養組成に合わ
せる意向で構成されてきた。しかし、市販用で知られている調合品のほとんどは
、授乳中の母イヌの母乳中の粗タンパク質、脂肪およびミネラルの濃度のみに関
して行われた研究に基づいたものである（Lonnerdalら“Developmental Changes
in the Composition of Beagle Dog Milk”（「ビーグル犬の母乳組成における
発育上の変化」）, Am. J. Vet. Res., Vol. 42:662-666 (1981)、および、Ofte
dal, “Lactation in the Dog: Milk Composition and Intake by Puppies”（
「イヌにおける授乳：母乳組成と子イヌによる摂取」）, J.Nutr., 114:803-812
(1984)参照）。イヌの母乳中の脂肪酸とアミノ酸のプロファイルや、イヌの種
類と授乳の段階を含むイヌの母乳中の栄養プロファイルに影響があると考えられ
ているその他の要素のような重要な情報に振り向けられた研究はほとんどなかっ
た。
【０００３】 従って、現在入手可能な市販のイヌの母乳の代替品は限られた研究データに基
づいて調合されたものであるため、ほ乳子イヌの適当な発育と成長を確実にする
のに適切な栄養を供給しているとは限らない。このことより、イヌの母乳中の必
須栄養素の実際の濃度にもっと厳密に基づいていて、ほ乳子イヌの栄養的必要性
を十分に満たしているイヌ科動物の母乳代替品は本技術分野においてまだ必要性
がある。
【０００４】 本発明はその必要性にこたえて、イヌの母乳中の構成要素、すなわちタンパク
質、脂肪、および炭水化物濃度によく適合した量のタンパク質、脂肪、および炭
水化物を含有するイヌ科動物の母乳代用品または母乳代替品を提供する。さらに
、本発明の母乳代替品は、現在入手可能なイヌの母乳代替品よりも改良された脂
肪酸とアミノ酸のプロファイルを提供しており、現在の市販品と比較してほ乳子
イヌの成長を高めることが見出されている。本母乳代替品はまた、クリティカル
ケアのイヌ科動物に対する高品質で消化のよい栄養源を提供する。
【０００５】 本発明の一局面に従って、乾燥状態基準（DMB）で約35から45重量％のタンパ
ク質、約25から35重量％の脂肪、および、約10から25重量％の炭水化物を含む人
工製造のイヌ科動物の母乳代用品組成物が提供される。本発明の好ましい態様に
おいて、その組成物は約38％のタンパク質、約28％の脂肪、および、約19％の炭
水化物を含有する。
【０００６】 タンパク質源は、好ましくは、カゼインと乳清を重量比約70：30で含む。脂肪
源は、好ましくは、コーン油、キャノーラ油、バターオイル、アラキドン酸、ド
コサヘキサエン酸、およびそれらの混合物からなる群から選ばれる。
【０００７】 本発明の組成物はまた、好ましくは、乾燥状態を基準とした総脂肪酸に対する
割合として、約15から19％のパルミチン酸、約5から9％のステアリン酸、約34か
ら38％のオレイン酸、約17から21％のリノール酸、約1から4％のα-リノレン酸
、約0.5から2％のアラキドン酸、約0.2から1.0％のドコサヘキサエン酸（DHA）
、約2から5％のオメガ3脂肪酸、約18から22％のオメガ6脂肪酸、および、約1か
ら4％のトランス脂肪酸を含む脂肪酸を含有する。本組成物は、好ましくは、乾
燥状態基準で27から37重量％の脂肪酸を含む。
【０００８】 本組成物はまた、乾燥状態を基準とした総必須アミノ酸に対する割合として、
約6から10％のアルギニン、4から8％のヒスチジン、8から12％のイソロイシン、
16から20％のロイシン、約13から17％のリジン、約2から7％のメチオニン、約6
から10％のフェニルアラニン、約8から12％のスレオニン、約1から4％のトリプ
トファン、約9から13％のバリン、約2から5％のシスチン、および、約2から6％
のチロシンを含む必須アミノ酸を含有する。本組成物は、好ましくは、乾燥状態
基準で約15から25重量％の必須アミノ酸を含有する。
【０００９】 本組成物はまた、好ましくは、乾燥状態基準で、約4から8重量％のラクトース
と約0.50重量％のフルクトオリゴ糖を含有する。本組成物はまた、ビタミン類と
ミネラルの混合物を含有してもよい。
【００１０】 本発明の組成物が、子イヌの栄養的必要性に見合った量と頻度で子イヌに与え
られると、子イヌは、他の現在入手可能なイヌ科動物の母乳代替品よりも優れて
いて、母イヌに育てられた子イヌと成長パターンが非常に似ているひときわ優れ
た成長をすることが見出された。
【００１１】 従って、本発明の特徴は、現在入手可能な製品よりももっと厳密にイヌ科動物
の母乳を複製していて、ほ乳子イヌとイヌ科動物のクリティカルケアに際して栄
養要求性を十分に充たしているイヌ科動物の母乳代用品を提供することである。
本発明のその他の特徴と利点は、以下の記述、添付の図面、および添付の請求の
範囲で明らかにされる。
【００１２】 本発明の母乳代用品組成物は、イヌの母乳の栄養プロファイルとよりよく適合
しているという点で、現在入手可能な母乳代用品を改良したものである。本発明
の組成物は、現在の市販の母乳代替品の含有量より、タンパク質は高く、脂肪は
低い。例えば、約29から34％しかタンパク質を含まない現在入手可能な母乳代替
品と比較して、本発明の組成物は、好ましくは、少なくとも38重量％のタンパク
質を含む。さらに、約33から42％の脂肪を含む現在入手可能な母乳代替品と比較
して、本発明の組成物は、28重量％しか脂肪を含まない。
【００１３】 本発明はまた、市販製品よりもイヌの母乳のものとより近いアミノ酸プロファ
イルと脂肪酸プロファイルを提供する。本発明の母乳代替品組成物が毎日子イヌ
に与えられると、市販の母乳代替製品よりも日々の体重増加が大きくなり、成長
度が改善することが見出された。
【００１４】 本組成物は、好ましくは粉末状で提供されるが、乾燥状態基準でのタンパク質
、脂肪、および炭水化物の好ましい濃度を含んでいれば、何れの適当な状態（例
えば、液体）で提供されてもよい。
【００１５】 本発明の母乳代替品は子イヌに与えることを主眼として記載されているが、本
母乳代替品をクリティカルケアのイヌ科動物に与えることも、正しく評価されて
しかるべきことである。「クリティカルケアのイヌ科動物」という記述により、
例えば、広範囲にわたる広範な外傷、全身性疾患、癌、化学療法、栄養不良、毒
の摂取、または術後外傷などによる過度のストレス状態にある動物が意味される
。このような状態により、クリティカルケアの動物は、健康な動物よりも多くの
エネルギーを必要とするようになる。イヌ科動物の母乳代用品は高品質で消化性
の高い栄養源を供給するので、クリティカルケアの食餌として用いるのに適して
いる。さらに、このイヌ科動物の母乳代用品はチューブでの摂食のために液体で
供給することができ、非常に味が良く自発的摂取を促進できる。
【００１６】 イヌの母乳の研究は、真のタンパク質、総脂肪、総炭水化物濃度、カゼインと
乳清の比率、アミノ酸プロファイル、および脂肪酸プロファイルを決定するため
に行われた。分析方法と結果を以下に記載する。
【００１７】 母乳サンプル（約10 ml）は全部で10匹のビーグル犬から、授乳期の1、3、7、
14、21、28、35、および42日目に集めて、実験室での分析がされるまで、凍結保
存された。総ての母イヌは同一の食餌を摂っている状態とした。母イヌと各個の
子イヌの体重は母乳を集めた日に記録された。
【００１８】 窒素分析--総窒素、NPN、および真のタンパク質窒素をマイクロケルダール法
で分析した。 カゼイン：乳清比--カゼインと乳清の比率は、この二つのクラスのタンパク質
の最適な分離条件を定めることにより、ゲル電気泳動で測定された。
【００１９】 アミノ酸--アミノ酸プロファイルは母乳、および乳清とカゼインタンパク質に
ついて測定された。 脂肪酸--脂肪酸プロファイルはガスクロマトグラフィーで分析された。
【００２０】 ラクトース--ラクトースはラクターゼアッセイで測定され、総脂質はフォルチ
（Folch）法により測定された。 ミネラル--ミネラル組成は原子吸光分析法で測定された。
【００２１】 乳タンパク質--乳タンパク質組成はゲル電気泳動とゲルろ過とイオン交換クロ
マトグラフィーを用いたFPLCで測定された。単離されたタンパク質はN末端配列
決定で同定された。
【００２２】 結果 タンパク質濃度は1日目のサンプルで非常に高く（144±60 g/L）、21日目にか
けて減少し（68±13 g/L）、その後緩やかな増加が観測された。NPNの濃度（総
窒素の約6-10％）に変化は無かった。カゼイン／乳清比は約70／30で授乳期間中
一定であった。ラクトース濃度は授乳期初期に増加した：1日目のサンプルは17
±4g/L含有していたのに対し、7日目から42日目のサンプルは34-40 g/L含有して
いた。脂質濃度は授乳期初期に高く（約13％）、その後少し減少した（約11％）
。クエン酸塩濃度は1日目から7日目に増加し（4.8±1.2から6.6±1.0 mM）、42
日目（3.9±1.2 mM）までに徐々に減少した。
【００２３】 データは授乳期間中通して採られたが、授乳期7日目のデータのみを以下に記
載する。母乳組成は授乳期中を通じて変化し、子イヌの栄養必要性は誕生後初め
の2週間の間が最も決定的なものなので、この初期の母乳組成が一つの母乳代替
品構成の基礎とする最も適したデータであると決定された。後述のデータはすべ
て、乾燥状態を基準として記載されている。必須アミノ酸および脂肪酸のプロフ
ァイルのパーセントは、各々、総必須アミノ酸および総脂肪酸に対する割合とし
て示されている。
【００２４】
【化１】
【００２５】 *この値はLonnerdalらの “Developmental Changes in the Composition of Bea
gle Dog Milk”（「ビーグル犬の母乳組成における発育上の変化」）, Am.J.Vet
.Res.,Vol.42:662-666(1981)、およびOftedalの “Lactation in the dog: Milk
Composition and Intake by Puppies”（「イヌにおける授乳：母乳組成と子イ
ヌによる摂取」）,J.Nutr.,114:803-812(1984)から得られた。
【００２６】
【化２】
【００２７】
【化３】
【００２８】 このデータに基づいて、本発明のイヌの母乳代替品は調合された。好ましくは
、約38％のタンパク質、約28％の脂肪、および約19％の炭水化物を含有する。本
組成中でのカゼインと乳清は重量比が約70：30である。
【００２９】 本母乳代替品組成物の脂肪源は、好ましくは、コーン油、キャノーラ油、バタ
ーオイル、アラキドン酸、およびドコサヘキサエン酸の混合物を含む。この脂肪
の混合物は、イヌの母乳のものと近い脂肪酸プロファイルを供給すると考えられ
ており、約15から19％のパルミチン酸、約5から9％のステアリン酸、約34から38
％のオレイン酸、約17から21％のリノール酸、約1から4％のα-リノレン酸、約0
.5から2％のアラキドン酸、約0.2から1.0％のドコサヘキサエン酸（DHA）、約2
から5％のオメガ3脂肪酸、約18から22％のオメガ6脂肪酸、および約1から4％の
トランス脂肪酸を含む（乾燥状態を基準とした総脂肪酸に対する割合として示し
た）。脂肪酸は、乾燥状態を基準とした総組成物の、好ましくは約25％から35％
、最も好ましくは約28％を含む。
【００３０】 本組成物はまた、実際のイヌの母乳のものと同様のプロファイルを示す必須ア
ミノ酸量を含有する。乾燥状態を基準とした総必須アミノ酸に対するパーセント
で表して、アミノ酸は、好ましくは約6から10％のアルギニン、4から8％のヒス
チジン、8から12％のイソロイシン、16から20％のロイシン、約13から17％のリ
ジン、約2から7％のメチオニン、約6から10％のフェニルアラニン、約8から12％
のスレオニン、約1から4％のトリプトファン、約9から13％のバリン、約2から5
％のシスチン、および、約2から6％のチロシンを含む。必須アミノ酸は、乾燥状
態を基準とした総組成物の、好ましくは約15から25％、最も好ましくは約20％を
構成する。
【００３１】 本組成物はまた、好ましくは、乾燥状態を基準として、約4-8重量％のラクト
ースと、約0.50重量％からのフルクトオリゴ糖を含有する。フルクトオリゴ糖（
FOS）は、好ましくは本調合品中に含まれる。これは、FOSは、多くの動物におい
て腸の健康のために有益であると、複数の研究が明らかにしているためである。
FOSは、ビフィズス菌のような有益な腸内細菌の種が代謝できる。しかし、サル
モネラ、大腸菌およびクロストリジウムのような有害な腸内細菌はFOSを処理で
きない。このため、FOSは動物の健康な腸内環境を促進していると思われる。
【００３２】 本組成物はまた、ビタミンAアセテート、コレカルシフェロール、d,l-アルフ
ァトコフェリルアセテート、シアノコバラミン、リボフラビン、ナイアシンアミ
ド、d-パントテン酸カルシウム、葉酸、チアミン一硝酸、ピリドキシン塩酸塩、
ビオチン、イノシトール、アスコルビン酸、デキストロース、リン酸三カルシウ
ム、塩化カリウム、クエン酸カリウム、硫酸マグネシウム、リン酸一ナトリウム
、硫酸亜鉛、硫酸銅、硫酸マンガン、亜セレン酸ナトリウム、ヨウ化カリウム、
硫酸コバルト、およびメチオニン第二鉄を含むが、これらに限定されないビタミ
ン類とミネラルを含有してもよい。
【００３３】 本発明の理解をより容易にするために、本発明の例証を意図する以下の実施例
が参照されるが、本発明の範囲を限定しない。
【００３４】
【実施例】
実施例1 母乳代用品は本発明に従って、以下の成分を合わせて調製された：
【００３５】
【化４】
【００３６】1 「ミネラルプレミックス」は以下のうちの一以上を含有する：りん酸三カルシ
ウム、塩化カリウム、クエン酸カリウム、硫酸マグネシウム、りん酸一ナトリウ
ム、硫酸亜鉛、硫酸銅、硫酸マンガン、亜セレン酸ナトリウム、よう化カリウム
、硫酸コバルト、およびメチオニン第二鉄。2 「ビタミンプレミックス」は以下のうちの一以上を含有する：ビタミンA酢酸エ
ステル、コレカルシフェロール、d,l-アルファトコフェリルアセテート、シアノ
コバラミン、リボフラビン、ナイアシンアミド、d-パントテン酸カルシウム、葉
酸、チアミン一硝酸、ピリドキシン塩酸塩、ビオチン、イノシトール、およびア
スコルビン酸。
【００３７】 本発明の調合品を現在入手できる製品と比較するため、いくつかの市販されて
いるイヌの母乳代替品フォーミュラの分析を行った。分析したフォーミュラはFa
rnam Pet Productsから入手できるJustBornTM(JBD)、Pet-Ag, Inc.から入手でき
るEsbilacR Milk Replacer for Puppies (ESB)、およびVeterinary Products La
boratoryから入手できるNurturall Pupppy Balanced Replacer (Nurtal)である
。表1は、本発明の組成物（フォーミュラA）と比較した、これらの市販フォーミ
ュラのタンパク質、脂肪、および炭水化物の含有量を示す。天然のイヌの母乳は
ベースライン値（100）*として用いた。 *乳の脂肪値はLonnerdalらの “Developmental Changes in the Composition of
Beagle Dog Milk”（「ビーグル犬の母乳組成における発育上の変化」）, Am.J
.Vet.Res.,Vol.42:662-666(1981)、およびOftedalの “Lactation in the dog:
Milk Composition and Intake by Puppies”（「イヌにおける授乳：母乳組成と
子イヌによる摂取」）,J.Nutr.,114:803-812(1984)から得られた。
【００３８】
【表１】
【００３９】 表1から分かるように、また上記のデータの棒グラフである図1に示されるよう
に、フォーミュラAの組成は他の製品よりも天然のイヌの母乳にもっと近い。 市販製品の脂肪酸とアミノ酸のプロファイルもまた分析され、以下表2と3に示
すようにイヌの母乳と本発明の組成物と比較された。比較は対照（イヌ＝100％
）に対するパーセントで示される。アミノ酸と脂肪酸の値は、各々総タンパク質
と総脂質に対するパーセントとして示される。
【００４０】
【表２】
【００４１】
【表３】
【００４２】 図2と図3は表2と3のデータを図示した棒グラフであり、本発明の組成物の脂肪
酸とアミノ酸のプロファイルが、他のどの製品よりもずっとイヌの母乳のプロフ
ァイルに類似していることをはっきりと示している。
【００４３】 実施例2 血清の脂肪酸プロファイルとアミノ酸プロファイルに対する食餌の影響を調べ
るため、7胎仔由来のビーグルの子イヌ40匹が、3つの処理に割り当てられた：イ
ヌの母乳（CTL）（n=15）、40％のタンパク質と30％の脂肪を含有する（本発明
の一例）母乳代替品I（MR-I）(n=14)、および、33％のタンパク質と40％の脂肪
を含む母乳代替品II（MR-II）（Pet-Ag, Inc.のEsbilacR Milk Replacer for Pu
ppies）(n=11)。総ての子イヌは24時間母イヌのもとに置かれ、次いで1-2日間は
3時間おき、研究期間中をかけて徐々に6時間おきに間隔を増やして母乳代替品を
与えられた。MR-IはMR-IIよりも必須アミノ酸（EAA）と非必須アミノ酸(NAA)を
高レベルに含有していることがわかった。MR-Iを与えられた子イヌは血清のEAA
とEAA:NAA比がCTLの場合とより類似していた。これらのデータは、成長中の子イ
ヌの血清の脂肪酸プロファイルとアミノ酸プロファイルは、母乳代替品調合品に
影響され得るものであり、また、母乳代替品調合品を反映するものであることを
示している。
【００４４】 実施例3 子イヌの成長と身体の組成への母乳組成の影響を測定するため、7胎仔由来の
のビーグルの子イヌ40匹が、ランダムに3つの処理に割り当てられた：イヌの母
乳（CTL）（n=15）、母乳代替品I（実施例2のMR-I）(n=14)、および、母乳代替
品II（実施例2のMR-II）(n=11)。総ての子イヌは24時間母イヌのもとに置かれた
。次いで、母乳代替品処理は、3時間おきに子イヌに与えられ、残りの研究期間
（30日）の間は4投与／日に減らされた。MRの子イヌ間で、摂取量に違いは見出
されなかった：しかし、MR-Iを与えられた子イヌはMR-IIを与えられた子イヌよ
りも1日当たりの平均体重増加量と増加効率が大きくなっていた、すなわち、増
加した体重に対する消費された製品量を測定したところ、MR-Iを与えられた子イ
ヌは体重の増加がより大きかった。これは、MR-Iの調合は子イヌの成長に必要と
されるものによりよく合っていることを示唆するものであった。MR-Iを与えられ
た子イヌの身体の組成は身体の脂肪率において、CTL子イヌと変らなかったが、
除脂肪組織はCTLとMR-IIよりも高かった。MR-IIを与えられた子イヌは最も体脂
肪が高く、除脂肪組織が最も低いことが見出された。MR-Iの調合は、脂肪酸プロ
ファイルとアミノ酸プロファイルにおいて、よりイヌの母乳に近く、新生児期の
子イヌの改良された栄養状態を示す構造組織成長が高まるという結果になること
を、これらのデータは示している。
【００４５】 本発明を説明する目的で特定の代表的な態様と詳細が示されたが、添付の請求
の範囲で定義された本発明の範囲をはずれることなく、ここで開示された方法や
装置の様々な変更がされ得ることは、当業者には明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
本発明の理解をより容易にするために、ここで実施例により、添付の図面が参
照される。すなわち：
【図１】 図1は、市販のイヌの母乳代替品とイヌの母乳に含有されるもの
と比較した、本発明の組成物におけるタンパク質、脂肪、および炭水化物のパー
セントを示した棒グラフである；
【図２】 図2は、市販のイヌの母乳代替品とイヌの母乳のプロファイルと
比較した、本発明の組成物における脂肪酸プロファイルを示した棒グラフである
；
【図３】 図3は、市販のイヌの母乳代替品とイヌの母乳のプロファイルと
比較した、本発明の組成物におけるアミノ酸プロファイルを示した棒グラフであ
る。
【手続補正書】
【提出日】平成１３年４月２日（２００１．４．２）
【手続補正１】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ， ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，Ｋ Ｅ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＵＧ，ＺＷ)，Ｅ Ａ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＲ， ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＤＭ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，Ｇ Ｂ，ＧＤ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ ，ＩＮ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ， ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，Ｍ Ｇ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ， ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＺ，ＶＮ，Ｙ Ｕ，ＺＡ，ＺＷ (71)出願人 7250 Ｐｏｅ Ａｖｅｎｕｅ，Ｄａｙｔｏ ｎ，Ｏｈｉｏ 45414，Ｕｎｉｔｅｄ Ｓ ｔａｔｅｓ ｏｆ Ａｍｅｒｉｃａ

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 乾燥状態基準で約35から45％のタンパク質、約25から35％の
    脂肪、および、約10から25％の炭水化物を含む、人工製造のイヌ科動物の母乳代
    用品組成物。
  2. 【請求項２】 タンパク質源が重量比約70：30のカゼインと乳清を含む、請
    求項1記載の組成物。
  3. 【請求項３】 約38％のタンパク質を含む、請求項1記載の組成物。
  4. 【請求項４】 約28％の脂肪を含む、請求項1記載の組成物。
  5. 【請求項５】 約19％の炭水化物を含む、請求項1記載の組成物。
  6. 【請求項６】 脂肪源がコーン油、キャノーラ油、バターオイル、アラキド
    ン酸、ドコサヘキサエン酸、およびそれらの混合物をからなる群から選ばれる、
    請求項1記載の組成物。
  7. 【請求項７】 乾燥状態を基準とした総脂肪酸に対する割合として、15から
    19％のパルミチン酸、約5から9％のステアリン酸、約34から38％のオレイン酸、
    約17から21％のリノール酸、約1から4％のα-リノレン酸、約0.5から2％のアラ
    キドン酸、約0.2から1％のドコサヘキサエン酸（DHA）、約2から5％のオメガ3脂
    肪酸、約18から22％のオメガ6脂肪酸、および、約1から4％のトランス脂肪酸で
    示される脂肪酸を含有する、請求項1記載の組成物。
  8. 【請求項８】 乾燥状態を基準とした総必須アミノ酸に対する割合として、
    約6から10％のアルギニン、4から8％のヒスチジン、8から12％のイソロイシン、
    16から20％のロイシン、約13から17％のリジン、約2から7％のメチオニン、約6
    から10％のフェニルアラニン、約8から12％のスレオニン、約1から4％のトリプ
    トファン、約9から13％のバリン、約2から5％のシスチン、および、約2から6％
    のチロシンで示されるアミノ酸を含有する、請求項1記載の組成物。
  9. 【請求項９】 約4から8重量％のラクトースを含有する、請求項1記載の組
    成物。
  10. 【請求項１０】 約0.50重量％のフルクトオリゴ糖を含有する、請求項1記
    載の組成物。
  11. 【請求項１１】 約27から37重量％の脂肪酸を含有する、請求項1記載の組
    成物。
  12. 【請求項１２】 約15から25重量％の必須アミノ酸を含有する、請求項1記
    載の組成物。
  13. 【請求項１３】 約4から8重量％のラクトースと約0.50重量％のフルクトオ
    リゴ糖をさらに含む、請求項1記載の組成物。
  14. 【請求項１４】 クリティカルケアのイヌ科動物に栄養供給する際に使用す
    る方法であって、乾燥状態基準で約35から45％のタンパク質、約25から35％の脂
    肪、および、約10から25％の炭水化物を含む人工製造のイヌ科動物の母乳代用品
    の組成物の一定量を、イヌ科動物に投与することを含む、方法。
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