JP2002524346A - タイヤ充てん装置を備えた車両のためのホイールユニット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、タイヤ充てん装置を備えた車両のためのホイールユニットであって、ホイール保持体内に回転可能に支承されたハブ（３）、および軸方向に取り外し可能なホイール（６）とから成っており、前記ハブが回転伝達部（５）を介してタイヤ充てん装置に接続されていて、ハブ内およびホイール内の互いにオーバーラップしている軸方向孔（１２；１３）を介してホイールと流れ接続されており、ホイール内の軸方向孔（１３）が閉鎖部材（２０；３０）を有した室（１７）に開口している形式のものに関する。ホイールを取り外す際、圧力が一時でも失われないように自動的に閉鎖する流れ接続部を、ハブとホイールとの間に提供するために、閉鎖部材（２０；３０）を軸方向孔（１３）の開口（２２；３２）の方向に負荷するばね（２３；３３）が設けられ、室（１７）の内部で側部開口（２６；３６）を有する管状部材（１４）が、ホイール内の軸方向孔（１３）に摺動可能にガイドされ、管状部材（１４）に接触するシールリング（２５；３５）が、ホイール内の軸方向孔（１３）に挿入されている。シールリングとホイール内の軸方向孔（１３）の開口（２２；３２）との距離（２８）は、管状部材（１４）の側部開口（２６；３６）の軸方向長さ（２７）よりも大きい。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 本発明は、タイヤ充てん装置を備えた車両のためのホイールユニットであって
、ホイール保持体内に回転可能に支承されたハブ、および軸方向に取り外し可能
なホイールとから成っており、前記ハブが回転伝達部を介してタイヤ充てん装置
に接続されていて、ハブ内およびホイール内の互いにオーバーラップしている軸
方向孔を介してホイールと流れ接続されており、ホイール内の軸方向孔が閉鎖部
材を有した室に開口している形式のものに関する。

【０００２】 このようなタイヤ充てん装置は、タイヤの空気圧の調節に役立っている。この
空気圧調節に必要である、ハブと取り外し可能なホイールとの間の流れ接続は、
オーバーラップした軸方向孔を介して得られる。ホイールの取り外しの際、空気
がホイールから漏れることを防ぐために、閉鎖部材を設けることは装甲車では経
験上公知であり、この閉鎖部材は、ホイールを取り外す前に、ホイールの軸方向
孔の開口に向かってねじ込まれるようになっている。しかし、この方式は実用的
でなく、また忘れられやすい。

【０００３】 本発明の課題は、ホイールを取り外す際、圧力が一時でも失われないように自
動的に閉鎖する流れ接続部をハブとホイールとの間に提供することである。

【０００４】 この課題は本発明の次の手段、すなわち、 ａ）閉鎖部材を軸方向孔の開口の方向に負荷するばねが設けられ、 ｂ）室の内部で側部開口を有する管状部材が、ホイール内の軸方向孔に摺動可能
にガイドされ、 ｃ）管状部材に接触するシールリングが、ホイール内の軸方向孔に挿入されるこ
とによって解決される。

【０００５】 ａ）に基づく閉鎖部材は、ばねによって負荷され、かつ室内に存在する圧力に
よって密に閉鎖する弁を形成する。ホイールがハブと接続されている場合には、
ｂ）に基づく管状部材が閉鎖部材を押して開放状態に保ち、管状部材の側部開口
によって、ホイールとハブとの間の円滑な流れ接続が保たれる。ｃ）に基づくシ
ールリングによって、圧力が失われないことが保証される。

【０００６】 本発明の有利な別の構成では、シールリングとホイール内の軸方向孔の開口と
の距離は、管状部材の側部開口の軸方向長さよりも大きい。これにより、ホイー
ルを取り外す際、つまり、管状部材がホイールの軸方向孔内で摺動され、側部開
口が軸方向孔内に入り込む際、側部開口がシールリングの下に入ることはない。
したがって、ホイールを取り外している間も、ホイールから外部に空気が全く漏
れないことが保証される。

【０００７】 １つの可能な実施例では、管状部材はハブに不動に接続されている。別の選択
的に可能な実施例では、管状部材は閉鎖部材に不動に接続されているか、または
閉鎖部材と一体的に構成されている。

【０００８】 次に本発明の実施例を、図面に基づき詳細に説明する。各図ではそれぞれ、 図１：本発明のホイールユニットの部分的な軸方向断面図、 図２：図１のＡの拡大詳細図、 図３：１つの選択的な実施例における、図１のＡの拡大詳細図 が示されている。

【０００９】 図１には、ホイール保持体１が図示されている。このホイール保持体１はホイ
ール軸受２を有しており、このホイール軸受２内にハブ３が回転可能に支承され
、駆動軸４によって駆動されている。ホイール保持体１とハブ３との間には、い
くつかのシールリングが挿入されており、これらのシールリングは回転伝達部５
を形成している。ハブ３には、公知の形式でホイール６が固定されており、この
ホイール６はホイールディスク７とリム８とから成る。ホイール６を固定してい
るホイールナット、およびリム８に装着されたタイヤは図示されていない。

【００１０】 ホイールディスク７は、分解することができるように、内部に取り付け部材１
０を有している。取り付け部材１０内に設けられている部材は、ホイールディス
ク７自体に設けることもできる。さらに、ホイールディスク７は、リム８に通じ
る空気通路１１を有している。ハブ３内には、少なくとも１つの軸方向孔１２が
設けられており、この軸方向孔１２の延長上に、もしくは少なくとも軸方向孔１
２とオーバーラップして、別の軸方向孔１３がホイール６内、つまりこの取り付
け部材１０内に設けられている。この両軸方向孔１２;１３は、管状部材１４に
よって接続されている。車両内に設けられているタイヤ充てん装置の空気供給路
もしくは空気排出路は、ホイール保持体１から回転伝動部５のシール部材の間に
形成された室へ通じており、これらの室から、ハブ３に固定されている制御弁（
図示せず）を介し、フィルタ１６のケーシングに設けられた開口１５を介してフ
ィルタ１６を通り、ハブ３に設けられた軸方向孔１２、管状部材１４、ホイール
６に設けられた軸方向孔１３、取り付け部材１０内の室１７、最終的には空気通
路１１を介してリム８に通じている。

【００１１】 図２には、ハブ３とホイール６との間における流れ接続部の第１の実施例が詳
細に示されている。円対称形のプランジャの形状をした閉鎖部材２０は、その端
面にやや円錐形をしたシール面２１を有しており、このシール面２１は、ホイー
ルが取り外されている時には、室１７に通じる軸方向孔１３の開口２２において
対抗面と協働する。閉鎖部材２０は、ばね２３によって閉鎖方向に負荷されてい
る。管状部材１４は一方の端部で、ハブ３内もしくはその軸方向孔１２内に不動
にはめ込まれている。管状部材１４がハブ３と一体的に構成されていないならば
、付加的にシール部材２４を設けることも可能である。管状部材１４とホイール
における軸方向孔１３との間には、シールリング２５が設けられている。管状部
材１４は、閉鎖部材２０側の端部に側部開口２６を有しており、この側部開口２
６によって、閉鎖部材２０の端面２９との管状部材１４の接触時にも流れ接続が
生ぜしめられる。この側部開口２６の軸方向長さは符号２７で示されており、開
口２２からシールリング２５に達するまでの距離２８より小さい。これにより、
ホイール６を取り外す際、つまり、管状部材１４がホイール６内の孔１３から引
き抜かれる際には、シール面２１が対抗面２２上に載着するまで、管状部材１４
と孔１３との間の密閉性が常に保たれることが保証される。つまり、ホイール６
を取り外す際、空気がホイール６から漏れる瞬間は一度としてない。

【００１２】 図３では、図２と同様の部材は同様の符号で示されている。閉鎖部材３０は、
ここでは、管状部材１４と一体的に構成されている。このため、ホイール６を取
り外す際、管状部材１４はハブ３の孔１２から引き抜かれる。閉鎖部材３０は、
管状部材１４との移行部において肩部３１を形成しており、この肩部３１はまた
、孔１３の開口のシール面となっている。ばね３３は、閉鎖部材３０全体をハブ
３内のシール部材３４に抗して押している。管状部材１４と孔１３との間にはま
た、シールリング３５が設けられており、このシールリング３５と開口３２との
間隔はこの場合もまた孔３６の直径より大きく、ここでは例えば４つの孔３６が
側部開口の代わりに示されている。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明のホイールユニットの部分的な軸方向断面図である。

【図２】 図１のＡの拡大詳細図である。

【図３】 択一的な実施例における、図１のＡの拡大詳細図である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 Ｗｏｌｆｓｂｕｒｇ，ＢＲＤ (72)発明者 ゲアハルト スコッフ オーストリア国 ヴィーン マウラー ラ ンゲ ガッセ 98／ハー20 (72)発明者 ハインツ クリステリー オーストリア国 ノイバウ バーンシュト ラーセ １ (72)発明者 アルフレート シュトラッサー オーストリア国 ヴィーゼン フートコー グルヴェーク 17 (72)発明者 アンドレアス クラウス ドイツ連邦共和国 リッベスビュッテル ベールビューシェ ５ 【要約の続き】 （１３）の開口（２２；３２）との距離（２８）は、管 状部材（１４）の側部開口（２６；３６）の軸方向長さ （２７）よりも大きい。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 タイヤ充てん装置を備えた車両のためのホイールユニットで
   あって、ホイール保持体内に回転可能に支承されたハブ（３）、および軸方向に
   取り外し可能なホイール（６）とから成っており、前記ハブ（３）が回転伝達部
   （５）を介してタイヤ充てん装置に接続されていて、ハブ（３）内およびホイー
   ル（６）内の互いにオーバーラップしている軸方向孔（１２；１３）を介してホ
   イールと流れ接続されており、ホイール内の軸方向孔が閉鎖部材（２０；３０）
   を有する室（１７）に開口している形式のものにおいて、 ａ）閉鎖部材（２０；３０）を軸方向孔（１３）の開口（２２；２３）の方向
   に負荷するばね（２３；３３）が設けられており、 ｂ）室（１７）の内部に側部開口（２６；３６）を有する管状部材（１４）が、
   ホイール内の軸方向孔（１３）に摺動可能にガイドされており、 ｃ）管状部材（１４）に接触するシールリング（２５；３５）が、ホイール内の
   軸方向孔（１３）に挿入されていることを特徴とする、タイヤ充てん装置を備え
   た車両のためのホイールユニット。
2. 【請求項２】 ホイール内の軸方向孔（１３）の開口（２２；２３）とシー
   ルリングとの距離が、管状部材（１４）の側部開口（２６；３６）の軸方向長さ
   （２７）より大きくなっている、請求項１記載のホイールユニット。
3. 【請求項３】 管状部材（１４）がハブ（３）と不動に接続されている、請
   求項１記載のホイールユニット。
4. 【請求項４】 管状部材（１４）が閉鎖部材（３０）と不動に接続されてい
   るか、または閉鎖部材（３０）と一体的に構成されている、請求項１記載のホイ
   ールユニット。