JP2002521690A - 細胞運動性アッセイのための装置および方法 - Google Patents

細胞運動性アッセイのための装置および方法

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JP2002521690A JP2000562747A JP2000562747A JP2002521690A JP 2002521690 A JP2002521690 A JP 2002521690A JP 2000562747 A JP2000562747 A JP 2000562747A JP 2000562747 A JP2000562747 A JP 2000562747A JP 2002521690 A JP2002521690 A JP 2002521690A
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JP2000562747A
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ジャーナジン,カート・アール
クニタケ,スティーブン・ティ
マニアン,バラ・エス
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バイオメトリック イメージング インコーポレイテッド
シンテックス (ユー・エス・エイ) リミテッド ライアビリティ カンパニー
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Abstract

(57)【要約】 走化性因子の濃度勾配に応答する細胞の運動性を検査するために用いられる装置および方法。一般的に、この装置はチャンバ(6)を含み、このチャンバは関心のある細胞を含む生物サンプル(24)を受取るための領域を有し、かつそのような領域から距離をおいて、走化性因子を受取るための別の領域(26)を有する。これらの領域の間に濃度勾配が形成される。そのような濃度勾配に応答する個々の細胞の位置について地図を作成する。集められたデータを処理しかつ分析するための手段もまた設けられる。精製されたまたは未精製のサンプルに対する運動性の測定を行うことができる。単一サイトアッセイ装置(6)およびマルチサイト高スループットアッセイ装置(36、56、81)が開示される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の分野】
この発明は、細胞の運動性を測定するためのアッセイに関する。この発明は特
に、所定の走化性因子に対する選択されたタイプの細胞の運動応答を測定するた
めの装置およびそのために用いる方法を提供する。
【0002】
【発明の背景】
走化性は、化学的因子に対する細胞または生物体の配向または動きとして広く
定義される(ハリス、1954;アームストロング、1985)。ある種の細胞
は、ある特定の化学的因子を感知でき、それに応答して、より高い濃度の当該物
質に向いて移動したり、あるいはそこから離れるよう移動する。近年、研究者お
よび臨床医は、相当数の細胞タイプに関して細胞運動性を研究することに多大な
労力を費やしてきた。それはしばしば、たとえば臨床医にとっては、疾病に罹っ
ている患者の免疫細胞の運動性を測定する(たとえば、その応答が正常かまたは
抑制されているかを確かめる)ために、あるいは不妊症の患者に対する精子の運
動性を測定するために有用である。
【0003】 伝統的に、細胞の走化性を測定するための最も一般的なアッセイは、いわゆる
「ボイデンチャンバ」(ボイデン、1962)またはそれに類似の装置を用いる
ものであり、ここで細胞は、細胞の直径よりも小さい開口孔を有するフィルタを
通って移動する。典型的には、特定のタイプの細胞が、フィルタの一方側にある
チャンバに置かれ、走化性因子が他方側にあるチャンバに置かれる。結果は通常
、フィルタを通って移動した細胞の数を数えることによって定量される。こうし
た技術は適度に簡単でかつ広く使用可能であるが、それらにはある種の欠点があ
る。たとえばそれらは典型的に、多数の高度に精製された細胞を必要とする。細
胞の単離、装置の設定、および移動した細胞の計数は非常に労の多いものであり
得る。細胞を単離するプロセスはしばしば数時間を要し得る。さらに、ときに細
胞はそのプロセスの間に損傷を受ける。稀な細胞タイプに対しては、当然アッセ
イに用いるための非常に多数の細胞を単離する仕事は特に困難で時間のかかるも
のとなり得る。
【0004】 最も慣習的な走化性アッセイにおいては、動いた細胞を調べて数えるプロセス
もまた単調で時間のかかるものである。これは、手動の検査、計数および分析に
依存したアッセイに対して特に当てはまる。いくつかの走化性アッセイではこれ
らのプロセスがさまざまな程度に自動化されたが、それらはまだ完全に満足でき
るものではない。たとえば、ある走化性アッセイはサンプルから放射される大量
の放射物を検出するタイプの自動化されたリーダ、たとえば濃度計、蛍光分析計
または分光光度計などを用いる。こうしたデバイスは領域中の標識された細胞の
総数を測定するためには有用であるが、個々の細胞の位置に関する情報を与える
ことはできない。したがってこうしたデバイスを用いて個々の細胞を画像化した
り、またはその地図を作成したりすることはできない。
【0005】 別の欠点として、従来の細胞運動性アッセイデバイスは、多数の別々のサンプ
ルを同時に処理することができない。実際、公知のアッセイのほとんどは一度に
単一のサンプルのみを収容する。当然、たとえばある種の商業的調査および臨床
実験など、比較的短い時間で大量のサンプルを検査することが望ましい状況にお
いては、限られた容量の公知のアッセイデバイスは、スループットおよび生産性
に限度があり、深刻な問題となり得る。一度に複数のサンプルを収容可能ないく
つかのマルチサイトアッセイも開発されたが、同時に検査できるサンプルの総数
は典型的にかなり制限される(たとえば100以下)。さらに、公知のマルチサ
イトアッセイはなお前述の欠点を有しており、たとえばそれらの設定および操作
は単調で労力のかかるものであり、かつそれらは個々の細胞の位置の情報を与え
ることができない。
【0006】
【発明の概要】
この発明の1つの局面は、選択された走化性因子に応答する運動性を検査する
ための装置を提供する。1つの具体例によれば、この装置は第1および第2のサ
イド領域を有するチャンバを含む。第1のサイド領域から第2のサイド領域に漸
進的に増加する走化性因子の濃度勾配の確立を促進するような構造が設けられる
。チャンバの検査領域において選択された個々の細胞を検出するための光学系が
設けられる。この装置は、(たとえばデジタル化手段によって)電子的に読出可
能な形で検査領域中の個々の検出された細胞に位置を割当てるための手段をさら
に含む。2つまたはそれ以上の区切られた時間間隔で、検査領域中の検出され位
置を割当てられた細胞の分布を比較するために、プログラムされた計算装置が設
けられる。
【0007】 具体例の1つにおいて、コンピュータ手段は、区切られた時間間隔の各々にお
いて検査領域内に位置する検出された細胞の総数を比較するために機能する。別
の具体例においては、コンピュータ手段は(i)区切られた時間間隔にわたって
、検査領域中の検出された細胞の各々に対する濃度勾配の方向の運動ベクトルを
算出し、かつ(ii)検査領域中の検出された細胞の算出された個々のベクトルか
ら平均運動ベクトルを定めるために機能する。
【0008】 この発明の具体例の1つによれば、光学系はチャンバに光のビームを向けるた
めの照明源を含む。チャンバと光のビームとの間の相対的な動きを可能にして、
検査領域を形成する範囲をビームが連続的に走査するようにするための構造が設
けられる。
【0009】 この発明の装置が蛍光標識された細胞の検出に用いられるような別の具体例に
よれば、チャンバは選択された深さに細胞懸濁液を保持するように適合される。
さらにその光学系は、蛍光励起光源を有し、そのビームは、選択された深さの中
間であるチャンバの深さにおいて焦点合わせされるよう適合される。
【0010】 この発明の具体例の1つにおいて、チャンバは実質的に矩形の断面のキャピラ
リであり、第1のサイド領域に近い第1の入口と、第2のサイド領域に近い第2
の入口とを有する。
【0011】 別の具体例において、チャンバは、第1のサイド領域に沿って配置された複数
の分離されたサンプルウェルを含む。
【0012】 この発明の別の局面は、混合された細胞タイプのサンプルに含まれる選択され
たタイプの細胞の、所与の走化性因子に対する運動応答を測定するための装置を
提供する。具体例の1つによれば、この装置は、混合された細胞サンプルを受取
るように適合される第1のサイド領域と、対向する第2のサイド領域とを有する
チャンバを含む。第1のサイド領域から第2のサイド領域に漸進的に増加する走
化性因子の濃度勾配の確立を促進するような構造が設けられる。この装置は、混
合された細胞サンプルに含まれるその他の成分から選択されたタイプの個々の細
胞を識別するための手段と、第1および第2のサイド領域の間の領域において、
選択されたタイプの個々の細胞の位置を検出しかつその地図を作成するための手
段とをさらに含む。
【0013】 具体例の1つによれば、選択されたタイプの個々の細胞を識別するための手段
は、個々の細胞に選択的に結合可能な蛍光レポータを含む。この具体例において
、蛍光レポータはサンプル中の光学干渉を最小限にする励起および放射の波長を
有するタイプのものである。関連する具体例において、個々の細胞の位置を検出
しかつその地図を作成するための手段は、チャンバに光の励起ビームを向けるた
めの照明源を含む。この具体例において、励起ビームは、精製されていないサン
プル中の選択されたタイプの細胞以外の成分からの光学干渉を最小限にする波長
を有する。
【0014】 具体例の1つによれば、個々の細胞の位置を検出しかつその地図を作成するた
めの手段は、チャンバの近くに配置される焦点合わせレンズをさらに含む。焦点
合わせレンズは、光ビームの焦点をチャンバ内部のビームスポットに合わせるよ
う構成される。チャンバの近くには集光器が配置される。集光器はチャンバを離
れる蛍光放射を集め、かつチャンバから離れた蛍光放射をレトロビームとして伝
達するように構成される。光検出器は、レトロビームの経路に沿ってチャンバか
ら間隔を置かれており、かつレトロビームに応答する。集光器と光検出器との間
に空間フィルタが配置される。空間フィルタはレトロビームが当たるように配さ
れる。さらに、空間フィルタは、レトロビームの一部分のみを光検出器に入れる
ように構成される。
【0015】 具体例の1つにおいて、チャンバは実質的に矩形の断面のキャピラリである。
キャピラリには、第1のサイド領域の近くに第1の入口と、第2のサイド領域の
近くに第2の入口とが設けられる。別の具体例は、単一の基材上に配された複数
のチャンバを提供する。さらなる具体例によれば、各チャンバは第1のサイド領
域に沿って配置された複数の分離したサンプルウェルを含む。
【0016】 この発明のさらなる局面は、混合された細胞タイプのサンプルに含まれる選択
されたタイプの細胞の、所与の走化性因子に対する運動応答を測定する方法を提
供する。具体例の1つによれば、この方法は(i)混合された細胞サンプルに含
まれる選択されたタイプの細胞を、選択されたタイプの細胞に優先的に結合でき
る蛍光化合物で標識するステップ(その蛍光化合物はサンプル中の選択されたタ
イプの細胞以外の成分からの光学干渉を最小限にする励起および放射の波長を有
するものである)と、(ii)サンプルから離れる方向に濃度が漸進的に増加する
態様で、サンプルの近くの走化性因子の濃度勾配を確立するステップと、(iii
)濃度勾配の領域に沿って光の励起ビームを向けるステップ(その励起ビームは
サンプル中の選択されたタイプの細胞以外の成分からの光学干渉を最小限にする
波長を有するものである)と、(iv)サンプル中の選択されたタイプの細胞を表
わす蛍光ピークの範囲を検出するステップと、(v)その領域に沿って選択され
たタイプの細胞の個々の細胞の位置を明らかにするステップと、(vi)選択され
たタイプの細胞の位置を分析することによって、選択されたタイプの細胞の運動
性を測定するステップとを含む。
【0017】 具体例の1つによれば、ステップ(iii)から(v)は繰り返され、少なくと
も2回、所定の時間間隔を置いて行われる。
【0018】 具体例の1つにおいて、選択されたタイプの細胞の運動性を測定するため、単
一基材上で実質的に並行して、複数の異なるサンプルが分析される。関連する具
体例は次の付加的なステップを与える。すなわち(i)複数の細胞タイプを選択
し、かつ複数の選択された細胞タイプの各々を特有の蛍光体で標識するステップ
と、(ii)実質的に並行して、単一の基材上で、複数の選択された細胞タイプの
各々の運動性を測定するステップとである。
【0019】 この発明の前述およびその他の特徴および利点は、以下の説明から明らかにな
る。
【0020】 この発明の動作の構造および態様、ならびにそのさらなる目的および利点は、
添付の図面とともに以下の説明を参照することによって最もよく理解されるであ
ろう。図面において、同じ参照番号は類似の要素を示すものである。
【0021】
【より詳細な説明】
この発明の1つの局面は、走化性因子の濃度勾配に応答する細胞の運動性を検
査するための装置を提供する。一般的にこの装置は、目的の細胞を含む生物サン
プルを受取るための領域と、走化性因子を受取るための領域とを有するチャンバ
を含む。サンプルを受取る領域に隣接して、またはその近くに、走化性因子の濃
度勾配が確立される。この装置はさらに、こうした濃度勾配に応答する細胞の位
置を検出しかつその地図を作成するための運動性走査器を含む。集められたデー
タを処理および分析するための手段も設けられる。
【0022】 ここに用いられる「走化性因子」という語は、化学誘引物質および化学忌避物
質の両方を指すものである。
【0023】 I.運動性チャンバ A.キャピラリ装置 図1A−Cに、この発明の具体例による運動性アッセイチャンバの上面図、側
面図および斜視図をそれぞれ示す。ここに例示される具体例においては、参照番
号6で示されるキャピラリがアッセイチャンバを形成する。キャピラリ6は、一
方の端部で広がったヘッド部分8aを有する細長い基材8と、基材8と実質的に
同じ周縁形を有するカバープレート10との2つの部分から構成される。基材8
の最上面に沿って連続的な狭い隆起12が走っており、これは基材の周縁形を模
倣している。隆起12は、その長手方向において基材の上面から上に均一な高さ
を有するよう突出する。カバープレート10は、隆起12の上面に対し、液体が
侵入しないように密封される。隆起12によって区切られる範囲と、基材8およ
びカバープレート10の向かい合う面とによって、細長い内腔14が画定され、
それは、キャピラリ6の全長のほとんどに延在する。
【0024】 基材8のヘッド部分8aに形成される円筒形のウェル16は、基材の上面から
下向きに、基材の深さのほぼ中間まで伸びている。ウェル16の上には、ウェル
16の直径よりもわずかに小さい直径を有する円形の通路18がカバープレート
10を通って伸びており、ウェル16への外部のアクセスを許す。内腔14は、
基材の広がったヘッド部分8aに近いその端部において、ウェル16の上部領域
に直接開いている。内腔14はその他方端において、カバープレート10を通り
抜ける小さな孔28により外と通じている。
【0025】 内腔14は、矩形の断面を有しており、その内部の深さを画定する短辺の寸法
は約50から200μmであり、幅を画定する長辺の寸法は約1から4mmであ
る。内腔の最小限の長さは、キャピラリの1つの領域に置かれる運動性分析のた
めの細胞のサンプルと、キャピラリの別の領域に置かれる走化性因子との間に所
望の距離が与えられるように選択される。具体例の1つにおいて、図1に“l”
で示される内腔14の長さの寸法は5cmであり、“i.d.”で示される内腔
の内径は3mmであり、“d”で示される内腔の深さは100μmである。
【0026】 内腔14は、20で示される第1のサイド領域を有し、そこに細胞のサンプル
が投入されてもよく、さらに22で示される第2のサイド領域を有し、そこに走
化性因子が置かれてもよい。番号24によって示される第1の入口が、第1のサ
イド領域20の上方において、カバープレート10を貫通するように伸び、細胞
のサンプルをキャピラリの内腔に注入できるようにしている。番号26によって
示される第2の入口は、第2のサイド領域22の上方において、カバープレート
10を貫通するように伸び、走化性因子をキャピラリの内腔に注入できるように
している。具体例の1つにおいて、第1の入口および第2の入口は約4−5mm
の距離で離されている。
【0027】 以下に十分述べるように、キャピラリ6の外側に設けられる光学系は、カバー
プレート10を通じてキャピラリの内腔14中で起こる細胞の運動性を観察する
。したがってカバープレート10は、こうした観察を可能にする透明な材料、た
とえばコーニング社(コーニング、NY)から商品名「パイレックス(登録商標
)コード7740」として、またはショットグラステクノロジー社(Schott Gla
ss Technologies, Inc.)(ドゥリエー、PA)から商品名「デュラン(DURAN)
(登録商標)8330」として販売されているものなどの高品質ガラスなどで構
成されることが好ましい。その他の好適なキャピラリ用材料としては、アトハー
スアメリカス社(AtoHaas Americas)(フィラデルフィア、PA)より入手可能
な「プレクシグラス(登録商標)VS−UVT」などのアクリル樹脂、およびダ
ウケミカル社(ミッドランド、ミシガン)より入手可能な「スチロン(Styron)
663」などのポリスチレンが含まれる。
【0028】 基材8は、たとえばアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリス
チレンまたはポリメタクリル酸メチルなどのプラスチックまたは類似の材料で構
成されてもよい。基材の製造のために好適なABSは、BASF社(ワイアンド
ット、ミシガン)より商品名「タールクス(TERLUX)2802TR」として入手
可能である。
【0029】 図面に示さない具体例の1つにおいて、複数の別々の細長い内腔が単一の基材
に形成される。加えて、基材の周縁部は、運動性走査器のステージまたは回転ラ
ック上に載せ得るこうしたユニットの数を最適化するように構成されてもよい。
たとえば、各々が1つまたはそれ以上の細長いキャピラリ内腔を支持するいくつ
かの三角形の基材を、回転可能な回転ラック上に並べて円を形成するように配置
してもよい。回転ラックを回転させることによって、各内腔を適切な光学系によ
る観察のための視野に入れることができる。
【0030】 前述のとおり、この発明の装置の使用においては、細胞サンプルの近くに走化
性因子の濃度勾配が確立される。入口26と、第2のサイド領域22と、キャピ
ラリ内腔14とが一緒に、走化性因子の濃度勾配を確立するための手段を提供す
る。これに関して理解できることは、拡散可能な走化性因子を入口26を通じて
キャピラリ内腔14に注入すると、この因子は広がり、それによって2つのサイ
ド領域20と22の間で走化性因子の勾配が確立し、この勾配は第1のサイド領
域20から第2のサイド領域22へ漸進的に増加することである。
【0031】 一般的に、濃度勾配はこの領域にわたって滑らかであるべきである。そのよう
な品質の勾配は、重力などその他の力による実質的な影響なしに、主に拡散に従
った勾配の確立を確実にすることによって、達成できる。このためにこの発明の
具体例の1つは、拡散による走化性因子の広がりを可能にする一方、その他の力
による広がりを防ぐ、キャピラリの内腔中の材料を提供する。たとえば、キャピ
ラリ内腔は、アガロース、アクリルアミド、またはその他の高分子材料などの材
料でコーティングされ、かつ/または満たされてもよい。有利には、こうした材
料は、たとえばキャピラリの意図しない揺れなどによる、走化性因子以外の手段
による生物サンプル中の細胞の動きを、防ぐ役割を有し得る。
【0032】 キャピラリの内腔は、必要に応じて、以下の材料のいずれかによってコーティ
ングされ、または満たされてもよい。すなわち、(i)目的の細胞サンプルのた
めの適当な増殖培地、および/または(ii)目的の細胞タイプに対して適当な、
ラミニン、フィブロネクチン、コラーゲン、またはその他の走化性基質。
【0033】 B.マルチサイトの高スループットアッセイ装置 この発明の付加的な具体例は、多数の独立したアッセイチャンバを有するアッ
セイ装置を意図するものである。たとえば特定の具体例は、単一の基材または支
持プレート上の複数のアッセイチャンバを提供し、各アッセイチャンバは1つま
たはそれ以上のサンプルウェルまたはサブチャンバを有するサイド領域と、走化
性因子を受取るための別のサイド領域とを有する。サンプルを受取るサイド領域
から走化性因子を受取るサイド領域に向けて漸進的に増加する、走化性因子の濃
度勾配を確立するための手段が設けられる。
【0034】 図2Aおよび図2Bに、高スループットアッセイ装置の具体例が示される。こ
の高スループット装置は、番号36で示される共通の基材または支持プレート上
に、35に一般的に示されるような複数のアッセイチャンバまたはテスト部位を
組込む。ここに例示される具体例において、個々のテスト部位の各々は、その一
方のサイド領域に沿って、ウェル40および42などの1対の隣接するウェルを
含み、それらは、ウェル38などの他方のサイド領域に配置されるより大きなウ
ェルに対向する。ウェル38は、43などの介在する検査ゾーンと、番号44で
示されるような薄い多孔膜とによって、1対の隣接するウェル40および42か
ら分離される。他の具体例(図示せず)においては、膜の代わりに、アガロース
、アクリルアミドまたは類似の高分子材料、および/または細胞培地などの材料
によってコーティングされた、または満たされた小さなキャピラリが、各サンプ
ルウェルを対向する誘引物質ウェルから分離する。
【0035】 ウェル40、42の各々は、目的の細胞を含む流体サンプルを受取って保持す
るように構成される。ウェル38は、以下にさらに説明するとおり、サンプルウ
ェル40、42と誘引物質ウェル38との間に走化性因子の濃度勾配を確立でき
る態様で走化性因子を受取るように構成される。
【0036】 誘引物質ウェル38は、その面を介してサンプルウェル40、42に伸びる、
48および50などの1対の開口を有する。同様に各サンプルウェル40、42
には、その面を介して誘引物質ウェル38に対向する、それぞれ52および54
(図2B)などの開口が設けられる。なお、誘引物質ウェル38の各開口48、
50は、それぞれのサンプルウェルの開口52、54に直接対応するように配置
される。誘引物質ウェル38と、誘引物質ウェル38の開口48、50と、誘引
物質ウェル38およびサンプルウェル40、42の間の介在領域とが一緒になっ
て、走化性因子の濃度勾配を確立するための手段を提供する。これに関して理解
できることは、誘引物質ウェルに置かれた拡散可能な走化性因子が外側に向けて
拡散することにより、サンプルウェルから誘引物質ウェルに向かって延在する方
向に増加する濃度勾配が確立されることである。次いでサンプルウェルに置かれ
た運動性細胞は、増加する誘引物質濃度の方向に移動することができる。
【0037】 前述のとおり、52、54などの各サンプルウェルの開口は、44などの薄い
多孔膜で覆われる。具体例の1つにおいて、膜44は支持プレート36を横切っ
て横向きに延びており、少なくとも2つの隣接するサンプルウェルの開口を覆っ
ている。膜44は、運動性のない細胞をサンプルウェル中に保持し、一方で運動
性細胞がゆっくり動いて出られるようにする厚みおよび多孔性を有するべきであ
る。全血などのサンプルをテストする際には、好適な膜は約8μmの厚みで、約
8μmの孔径を有する。目的のサンプルに含まれる運動性細胞の性質および大き
さにより、その他の膜の孔径および膜の厚みを用いてもよいことは明らかである
。一般的に膜の孔径は、サンプル中の運動性細胞の直径よりもわずかに小さいも
のであるべきである。それにより、運動性細胞は孔をゆっくりと通ってサンプル
ウェルの外に移動することができるが、その孔の大きさのため、目的の細胞は単
なる流動または拡散によってはサンプルウェルの外に動くことができない。
【0038】 図3Aに例示される他の具体例において、膜44は先程の具体例のようにサン
プルウェルの開口52、54を覆う代わりに、誘引物質ウェル38の開口48、
50を覆う。先の具体例が集団(個体群)に基づく細胞運動性の研究のために特
に有利であるのに対し、この具体例は個々の細胞の運動性を追うために特に有用
である。この具体例においては、走化性因子の拡散を顕著に妨げることのない膜
44を用いることが重要である。同様に重要なのは、この膜が、たとえば重力な
ど拡散以外の力による走化性因子の広がりを防ぐのに効果的であるということで
ある。こうした目的に対しては、たとえば約10−15μmの厚みで約8μmの
孔径を有する薄い多孔性膜が好適となり得る。
【0039】 集団に基づく細胞運動性の研究に特に有用なさらなる具体例(図示せず)にお
いては、各テスト部位において2つの別々の膜が用いられる。たとえば、第1の
膜は(たとえば図2A−Bに関して例示および説明されるような態様で)サンプ
ルウェルの開口を覆い、第2の膜は(たとえば図3Aに関して例示および説明さ
れるような態様で)誘引物質ウェルの開口を覆う。
【0040】 ここで留意すべきは、(たとえば重力など)その他の力による顕著な影響を防
ぎ、拡散の力のみによってサンプルと走化性因子との会合/混合を進めるあらゆ
る構成が、この発明の一部を形成し得ることである。サンプルウェルと誘引物質
ウェルとを分離する前述の多孔膜および高分子は、この目的を果たすために好適
な構成の一例である。
【0041】 実質的に任意の大きさの、任意の適当な材料で構成された基材または支持プレ
ート上にさまざまなテスト部位を設けてもよいが、この発明の具体例の1つは、
通常の材料および手段を用いて構成可能な標準的な大きさの支持プレートを用い
ることを意図する。この具体例においては、5.030"×3.365"(127
.76mmおよび85.47mm)という一般的に用いられる標準サイズと同様
の長さおよび幅を有する、射出成形された矩形のプラスチックプレートが好まし
い。同様に、単一のプレートは任意の適当な数のテスト部位を支持できるが、一
般的に用いられる「96ウェル」マイクロタイタプレートの形式に対応する構成
が好ましい。図2Aの具体例においては、127.76mm×85.47mmの
射出成形された矩形のプラスチック支持プレート上に、8×12配列のテスト部
位がある。支持プレート上のテスト部位の位置および間隔は、たとえば中心と中
心との間が9mmなどの標準的な間隔であってもよい。プレートフレームに対す
る標準的な外側の寸法、およびプレート上のテスト部位に対する標準的な間隔を
用いることによって、必要に応じて、自動化されたディスペンサまたは光学リー
ダなどの既存の装置とともにプレートを用いることが容易になる。
【0042】 単一の127.76mm×85.47mmの支持プレート上に配列されるさま
ざまなテスト部位コンポーネントに対する例示的な寸法は以下のとおりである。
プレートの127.76mmの寸法に沿って、各ウェル38、40および42は
約3mmの断面幅を有することができ、誘引物質ウェル38とサンプルウェル4
0および42との間の距離に相当する検査レーン43は、約1mmの幅とするこ
とができる。したがって個々のテスト部位に対する例示的な合計幅は約7mmで
ある。プレートの85.47mmの寸法に沿ったテスト部位は、約7mmとする
ことができる。隣接するサンプルウェル40および42の間の、46などの仕切
りによって、各サンプルウェルに約3mm×3mmの床面積が設定される。テス
ト部位の8×12配列がプレートの一表面に配置され、隣接するテスト部位の中
心と中心との間隔は9mmに設定される。
【0043】 ここに例示される高スループットの具体例は、一般的な96ウェルの形式に従
って構成される装置を示すが、この発明はあらゆる好適な構成で配されるその他
任意の数のウェル(たとえば12、24、48、384、1536など)をも意
図するものである。
【0044】 図2Aの装置では、複数の同時進行および並行するアッセイの取扱いが可能で
あることが理解できる。たとえば、192のサンプルまたはアリコートを同時に
検査することが可能である。たとえば、96のテスト部位(すなわち96ウェル
)の各々における一方のサンプルウェルを96人の患者からの全血サンプルで満
たしてもよく、これらのサンプルはマクロファージマーカーに特異的な蛍光標識
された抗体とともにインキュベートされたものである。他方のサンプルウェル(
すなわち残りの96ウェル)は、それぞれ同じ96人の患者からの全血サンプル
で満たしてもよく、ただしこれらのサンプルはCD4ポジティブのT細胞マーカ
ーに特異的な、蛍光標識された抗体とともにインキュベートされたものである。
次いで走化性因子をさまざまな誘引物質ウェル中に置くことができ、各誘引物質
ウェルとそれに対向するサンプルウェルとの間に濃度勾配が確立される。こうし
て実質的に並行して細胞運動性が観察できる。
【0045】 具体例の1つにおいて、アッセイ装置は1回限りの使用のために設計される(
すなわち使い捨てである)。したがってすべてのアッセイはきれいな装置中で行
なわれる。
【0046】 C.マルチサイトの超高スループットアッセイ装置 この発明の他の具体例は、単一の基材上に配置される多数のテスト部位を意図
し、各々のテスト部位は走化性因子の濃度勾配を確立するための手段と隣接して
配置される3個またはそれ以上のサンプルウェルまたはサブチャンバを有する。
このような超高スループット装置の1つの具体例が図4A−Cに示される。図示
された具体例では、60、62、64、66、68および70のような6個の別
個のサンプルウェルが、誘引物質ウェル72に対向して、部位58のような多数
のテスト部位の各々に配置される。各サンプルウェルは、ウェル60(図4C)
の開口76のような開口を有し、その壁を介して誘引物質ウェル72と面する。
多孔膜74は支持プレート56を長手方向に横切って伸び、いくつかの隣接する
サンプルウェルの開口76を覆う。前述の具体例のように、ある特定の細胞タイ
プ、たとえば全血に好適な膜は約8μmの厚みでありかつ8μmの孔を有する。
参照番号78で図4Bに示される検査ゾーンは、誘引物質ウェル72の全長のわ
たり、膜74と平行にかつ近接して走る。検査ゾーン78は幅が約1mmである
領域を提供し、それに沿って細胞の運動性が観察され得る。
【0047】 誘引物質ウェル72および誘引物質ウェル72とサンプルウェル60、62、
64、66、68、70との間の介在領域が一緒になって、走化性因子の濃度勾
配を確立するための手段を提供する。この点において理解できることは、誘引物
質ウェル内およびその長さに沿って配置される拡散可能な走化性因子は、外向き
に広がり、サンプルウェルから誘引物質ウェルに延びる方向に増加する濃度勾配
を確立することである。サンプルウェル内におかれた運動性細胞は次に誘引物質
の濃度が増す方向に移動し得る。
【0048】 上述のように、本明細書中で意図される超高スループット装置は、単一の支持
プレート36上に設けられる多数のテスト部位またはアッセイチャンバを有する
。この点において、1つの具体例は、127.76mm×85.47mmの射出
成形された矩形のプラスチックの支持プレート上に設けられた8×12配列のテ
スト部位を意図する。各々のテスト部位の長さと幅は約7mm×7mmである。
【0049】 比較的限られた寸法(たとえば、標準的なマイクロタイタプレートのサイズ)
の支持プレートまたは基材を用いるこの発明の具体例では、そのようなプレート
または基材の上には多数のテスト部位が設けられるが、サンプルウェルまたはサ
ブチャンバは比較的小さくなり得、たとえばわずか約3μlまたはそれ未満の流
体サンプルを収容するようなものになり得ることがわかる。したがって、ウェル
60(図4C)の床面60aのような各々のサンプルウェルの床面は、検査領域
78に向かって下向きの傾斜を有するよう構成されるのが有利であり得る。この
構造は、運動性細胞が近くの走化性因子を感知して濃度勾配の高い方に移動する
機会を有するように、サンプルがサンプルウェル内で膜74に近接して置かれる
のを確実にするのに役立つ。
【0050】 明らかなように、図4A−Cの装置は、同時にかつ並行して多数のアッセイを
扱うことができる。具体的には、576個のサンプル(すなわち、96個のテス
ト部位の各々に6つの別個のサンプル)が同時に検査され得る。たとえば、各々
は単一の供給源からのものである、96個の異なる血液サンプルは各々、6つの
アリコートに分割することができ、各々のアリコートは次に特定の細胞タイプに
特異的な蛍光標識された抗体とともにインキュベートされる。サンプルは次に単
一の基材上の96個のそれぞれのテスト部位のサンプルウェルに装填することが
できる。たとえば、1つのテスト部位において、(i)第1のウェルは、好中球
に特異的な蛍光標識された抗体とともにインキュベートされたサンプルアリコー
トを含み得、(ii)第2のウェルは、マクロファージに特異的な蛍光標識された
抗体とともにインキュベートされたサンプルアリコートを含み得、(iii)第3
のウェルは、好酸球に特異的な蛍光標識された抗体とともにインキュベートされ
たサンプルアリコートを含み得、(iv)第4のウェルは、CD8ポジティブT細
胞に特異的な蛍光標識された抗体とともにインキュベートされたサンプルアリコ
ートを含み得、(v)第5のウェルは、CD4ポジティブT細胞に特異的な蛍光
標識された抗体とともにインキュベートされたサンプルアリコートを含み得、か
つ(vi)第6のウェルは、好塩基球に特異的な蛍光標識された抗体とともにイン
キュベートされたサンプルアリコートを含み得る。次に、対向する誘引物質ウェ
ル内に走化性因子を置き、かつサンプル細胞に向かってそれを外向きに拡散させ
ることにより確立される走化性因子の濃度勾配にさまざまなサンプルアリコート
をさらすことができる。次いで、細胞の運動性を実質的に並行して観察すること
ができる。
【0051】 D.アガロース下でのマルチサイト超高スループット装置 この発明による超高スループット装置のさらなる具体例が図5A−Bに示され
る。図4A−Cの具体例と同様に、この具体例は、図5Bに示されるサブチャン
バ80、82、84、86、88および90のような6つの別個のサンプル受取
ウェルまたはサブチャンバを含む。また前述の超高スループット装置と同様に、
サブチャンバ92のような走化性因子を受取るためのウェルまたはサブチャンバ
はサンプル受取サブチャンバに対向して設けられる。しかしながら、図5A−B
の具体例は、誘引物質サブチャンバ92をサンプルサブチャンバ80、82、8
4、86、88、90から分離する手段が、前述の具体例とは異なる。図示され
るように、94のようなキャピラリが各サンプルサブチャンバ80、82、84
、86、88、90と誘引物質サブチャンバ92との間に存在する。各キャピラ
リは、そのそれぞれのサンプルチャンバと、対向する誘引物質サブチャンバとを
連絡するように配置される。
【0052】 誘引物質サブチャンバ92および誘引物質サブチャンバ92とサンプルサブチ
ャンバ80、82、84、86、88、90とを連絡するさまざまなキャピラリ
94の内腔が一緒になって、走化性因子の濃度勾配を確立するための手段を提供
する。この点において明らかなのは、誘引物質サブチャンバ内におよびその長さ
に沿って置かれる拡散可能な走化性因子が、さまざまなキャピラリを通って外向
きに広がり、サンプルサブチャンバから誘引物質サブチャンバに延びる方向に増
す濃度勾配を確立することである。サンプルサブチャンバの中に置かれた運動性
細胞は次に誘引物質の濃度が増す方向に移動し得る。
【0053】 1つの具体例において、各キャピラリは、そのそれぞれのサンプルサブチャン
バと一体的に形成され、サンプルサブチャンバは、キャピラリの一方端において
広がったやや半球状のウェルからなる。さらに、サンプルサブチャンバと誘引物
質サブチャンバとの間のキャピラリ内腔は、アガロースおよび/または細胞培地
で満たされる。キャピラリを満たした材料を介する走化性因子の誘引物質サブチ
ャンバからの拡散が可能となる。同様に、ゆっくり動くことによるキャピラリを
介した、誘引物質サブチャンバに向かう細胞の移動も可能となる。しかしながら
、単なる流れまたは拡散による細胞の動きは阻止される。
【0054】 前述の超高スループット装置のように、図5A−Bの具体例は、単一の支持プ
レート36上に設けられた部位98のような多数のテスト部位を有する。この点
において、1つの具体例は127.76mm×85.47mmの射出成形された
矩形のプラスチックの支持プレート上に設けられた8×12配列のテスト部位を
意図し、各々のテスト部位の長さと幅は約7mm×7mmである。
【0055】 明らかなように、図5A−Bの装置は、同時に並行して多数のアッセイを扱う
ことができる。具体的には、576個のサンプル(すなわち、96個のテスト部
位の各々で6つの別個のサンプル)が同時に検査され得る。たとえば、(i)好
中球、(ii)マクロファージ、(iii)好酸球、(iv)CD8ポジティブT細胞
、(v)CD4ポジティブT細胞および(vi)好塩基球が、走化性因子に対する
応答性を単一の部位で同時にテストされ得る。96のそのようなテストが単一の
支持プレート上に設けられた異なる部位で並行して実施される。
【0056】 E.化学忌避物質に対する応答性を測定するための運動性アッセイ 上述の具体例は化学誘引物質に関連して主に説明されてきたが、留意すべきは
、この発明はまた、化学忌避物質に応答する細胞の運動性の測定も意図すること
である。これに関し、第1および第2のサイド領域を有するアッセイチャンバ内
に、(i)少なくとも1つの関心のある細胞タイプを含むサンプルと、(ii)1
つまたはそれ以上の化学忌避物質の両者を、同じサイド領域にまたはそれに沿っ
て置くことができる。たとえば、細胞サンプルおよび化学忌避物質は、第1のサ
イド領域に配置された同じ受取ウェルまたはサブチャンバに注入され得る。その
ような配置で理解できることは、化学忌避物質の濃度が、第1のサイド領域でま
たはその近くで最大になり、かつ第2のサイド領域に向かって延びる方向、たと
えば介在領域またはゾーンに沿って減少することである。ここでは、第1および
第2のサイド領域ならびに介在領域またはゾーンが、拡散可能な化学忌避物質の
濃度勾配を確立するための手段を提供する。たとえば第1のサイド領域に隣接す
るもしくはその近くの、および/または介在領域もしくはゾーンでのもしくはそ
れに沿った検査ゾーンが次に観察され、細胞が勾配の低い方に移動するのが確認
される。
【0057】 各テスト部位において、一方のサイド領域でサンプルを、かつ第2のサイド領
域で走化性因子を別個に受取るための対向する複数のウェルまたはサブチャンバ
は必要とされない。むしろ、2つのサイド領域の一方において(テストされるサ
ンプルまたはアリコートあたり)一つの受取ウェルまたはサブチャンバで十分で
ある。なぜなら細胞のサンプルと化学忌避物質の両者をその中に置くことができ
るからである。したがってこの発明は、1つまたはそれ以上の化学忌避物質に応
答する細胞の運動性を測定するのに有用な多数の具体例を意図する。いくつかの
具体例では、装置は2つの対向するサイド領域の両者に設けられた1つまたはそ
れ以上のウェルまたはサブチャンバを有する。ここでは、2つのサイド領域の1
つでウェルまたはサブチャンバが用いられてもよいしまたは用いられなくてもよ
い。他の具体例では、装置は2つの対向するサイド領域のただ1つにのみ設けら
れた1つまたはそれ以上のウェルまたはサブチャンバを有する。これらの後者の
具体例では、サイド領域の1つが、ウェルまたはサブチャンバを有していない。
【0058】 化学忌避物質に対する応答性を測定するための運動性アッセイは、前述の具体
例のいずれかとして構成することができ、たとえばキャピラリ型装置内で実施さ
れる1つもしくはいくつかのテスト部位、あるいは単一の基材プレート上の高ス
ループットもしくは超高スループット形態の多くのテスト部位を提供できること
は明らかである。
【0059】 II.運動性スキャナ この発明の別の局面は、細胞運動性チャンバの選択された領域における個々の
細胞の位置を検出し、その地図を作るための運動性スキャナ(運動性走査器)を
提供する。種々の具体例において、運動性スキャナは、光を用いて領域に呼掛け
、サンプルから離れていく(たとえば、サンプルを通過する、またはサンプルか
ら放射される)光を検出することにより、特定の時間に領域内に存在する個々の
細胞を互いから区別する光学系を含む。細胞の検出に関しては、検査領域内で検
出される個々の細胞に電子的に読出し可能な形で位置を割当てるための手段が提
供される。1つの具体例では、画素と称される複数の光電性セルを有する光電装
置が個々の細胞を示す光に応答する。たとえば、光電装置は電荷結合素子(CC
D)などであり得る。したがって、運動性スキャナは、さらなる処理および分析
のために、電子的に読出し可能な形で記憶され得る(たとえば、画素マップまた
はx、y座標の組として)個々の細胞の位置情報を生成させることができる。
【0060】 本明細書中において、検査レーン、領域またはゾーンと称される観察用に選択
された領域は、サンプルが置かれるサイド領域に隣接する領域であり、細胞が走
化性因子の濃度勾配に対して向かっていくか逃げていくとき、それに沿って移動
する細胞が通るサイド領域に隣接する領域である。たとえば、1本のキャピラリ
がサンプル受取領域(たとえば、サンプルウェルまたはサブチャンバ)を誘引物
質受取領域(たとえば誘引物質ウェルまたはサブチャンバ)から分離するこの発
明の具体例では、適当な検査ゾーンは、そのような1本のキャピラリに沿った中
間の領域を包含するウィンドウからなり得る。薄い多孔膜がサンプルウェルまた
はサブチャンバを誘引物質ウェルまたはサブチャンバから分離するこの発明の具
体例では、適当な検査ゾーンは、サンプルウェルと誘引物質ウェルとの間の膜の
そばの領域を包含するウィンドウからなり得る。
【0061】 1つの具体例では、関心のある細胞タイプを含む未精製のサンプルが、種々の
細胞タイプにより異なって吸収される染色剤とともにインキュベートされる。個
々の染色された細胞は、次に任意の適当な顕微鏡法を用いて、色または強度のコ
ントラストに基づき検出され、そのような細胞は位置座標を割当てられる。別の
具体例では、未精製の細胞サンプルは、1つまたはそれ以上の検出可能なレポー
タとともにインキュベートされる。各レポータは関心のある特定の細胞タイプに
選択的に結合でき、それで標識されたすべての細胞に特有の蛍光を付与すること
ができるものである。サンプルには、次に適当な波長の光が照射され、蛍光を発
する細胞が検出され、位置座標を割当てられる。
【0062】 当業者に明らかなように、選択された細胞を未精製のサンプル内の他の成分か
ら識別するため、さまざまな手段が利用可能である。たとえば、そのような手段
は、染料、放射性同位体、蛍光剤、化学発光剤、ビーズ、酵素および抗体を含み
得る。種々のタイプの白血球を異なる態様で染色し、伝達されるおよび/または
放射される光の相対的な強度に基づいて、未精製の血液サンプルにおける細胞の
細胞型特異的な識別を可能にする染料組成物が、米国特許第4,146,604
号明細書に開示される。これをここに引用により援用する。細胞タイプの特異的
な標識付けは、たとえば蛍光標識された抗体を用いて達成され得る。細胞を標識
するプロセスは、特定の細胞タイプを標識するために用いられ得る蛍光染料の種
類と同様に周知である。たとえば1996年にモレキュラープローブ社(Molecu
lar Probes, Inc)発行、R.P.ハウランド(R.P. Haughland)、「蛍光プロ
ーブおよび研究用化学物質のハンドブック」(“Handbook of Fluorescent Prob
es and Research Chemicals”)第6版を参照。
【0063】 必要であれば、単一のサンプルにおいて多数の細胞タイプを標識することがで
き、その各々は、1つまたはそれ以上の特有の、細胞タイプに特異的なレポータ
で標識され、単一のサンプルウェルに置くことができる。このようにして、複数
の細胞タイプを同じ検査ゾーンに沿って一度に追跡することができる。
【0064】 未精製のサンプルにおける特定のタイプの運動性細胞を観察することが必要な
場合、この発明の1つの具体例は、検出可能な標識として用いるために、未精製
のサンプルにおいて、選択される細胞以外の成分からの光学的干渉を最小限にす
る励起および放射(発光)の波長を有する蛍光化合物を意図する。この具体例で
はさらに、蛍光化合物を励起するのに用いられる照明源は、未精製のサンプルに
おいて、選択された細胞以外の成分からの光学的干渉を最小限にする波長を有す
ることが望ましい。たとえば、ここに引用により援用される米国特許第5,58
5,246号明細書には、光学的干渉を最小限にする特定の蛍光染料および励起
ビーム波長が開示されている。
【0065】 光学的干渉は、選択的に結合する染色剤を用いることにより最小化され、それ
は、結合因子上の検出可能な標識以外の、サンプル標本内における化合物による
吸収、自己蛍光発光および回折を最小限にする励起および放射(発光)波長を有
するものである。
【0066】 運動性スキャナは、固定されていない細胞サンプル中の細胞の位置の観察を可
能にする顕微鏡法システムを含む。たとえば、位相差顕微鏡法、示差−干渉差顕
微鏡法、暗視野顕微鏡法、共焦点レーザ走査型顕微鏡法、およびデジタルデコン
ボリューション顕微鏡法はすべて適当な顕微鏡法である。
【0067】 サンプル中の個々の細胞の位置を識別することができる位相差顕微鏡法システ
ムの例は、米国特許第4,896,967号明細書および第5,093,866
号明細書に開示され、各々はここに引用により援用される。
【0068】 共焦点システムの一例は、図6に図示される構成要素を含み、実線132は焦
点の合った光を表わし、破線134は焦点の外れた光を表わす。いずれにせよ、
光学系は、サンプルを含むアッセイチャンバ114において特定の深さにある単
一点上のビームスポット112に焦点を合わせる。たとえば、レーザ116は、
その光がピンホール118を通過するようにレンズ117により調整され、適切
な照明を与え得る。図示された配置では、レーザ116からの光はビームスプリ
ッタ119を通り、対物レンズ122によりビームスポット112に焦点合わせ
される。チャンバ内で照らされた材料から放射される蛍光は、同じ対物レンズ1
22により集められ、適当な光検出器120の入口ポートで像を形成する。ピン
ホール開口124は、検出器120において照明ピンホール118と共焦点であ
る位置に設けられる。したがって、試料中の焦点面Pからの光は、ピンホール開
口124上で収束し、検出器120に入る。これに対して、焦点面外の領域から
の光はピンホール開口124を介して焦点を合わせることができず、したがって
検出器120から大幅に排除される。
【0069】 図6に示されるように、特定の深さの単一の点にビームスポットを焦点合わせ
する代わりに、ビームスポットはチャンバ内の円柱状の領域を含むように調整さ
れてもよい。アッセイチャンバを備える円柱状の領域にビームスポットを焦点合
わせすることができる特定の画像化機器スキャナは、米国特許第5,547,8
49号明細書、第5,556,764号明細書および第5,585,246号明
細書に開示され、各々はここに引用により援用される。一般的に、対物レンズを
有するそのような画像化機器は、レーザ光のビームの焦点をアッセイチャンバと
交差するガウスウエストに合わせる。ガウスウエストは、チャンバ内の円柱状の
領域を照らす。円柱状の照明領域がチャンバを通過すると、レーザ照明は、照ら
された領域内の蛍光物質からの蛍光放射を励起し、その励起波長は照明光の波長
と一致する。
【0070】 光学系は、光の一部のみしか検出器に入らないように、空間フィルタを対物レ
ンズに合わせる。励起ビームをガウスウエストに焦点合わせするのに用いられる
レンズは蛍光放射のための集光器としてもはたらく。レンズに当たる蛍光放射の
うちレトロビームとして検出器光学系に伝えられるものもある。焦点合わせされ
たガウスウエストと、合わされた空間フィルタ/集光器との組合せにより、この
光学系は、限られた被写界深度で、容器からの蛍光を検出することが可能となる
【0071】 照らされた領域からの蛍光は、光検出器により検出されて蛍光発光信号を発生
する。発光信号は、たとえばデジタルサンプラなどのデジタル化手段によって定
期的にサンプリングされ、電子的に読出可能な形(デジタル)で一連の重複する
データサンプルを生じる。チャンバの選択された領域は、ラスタ走査の態様で観
察される。サンプリング回路はスキャナに結合されて、(ラスタ走査寸法および
被写界深度により規定される)チャンバの走査された領域内にある物の走査画像
を生成させる。
【0072】 デジタルデコンボリューション顕微鏡法システムの一例は、ビデオカメラ、標
準的な白色光顕微鏡、コンピュータ、冷却CCDカメラ、光源、z軸制御、フレ
ームグラバーならびに画像捕捉ソフトウェアおよびデコンボリューションソフト
ウェアを含む。デジタル化手段は、顕微鏡からの画像を取込みかつデジタル化し
、それらは次に電子的に読出可能な形で(たとえばコンピュータ上に)記憶され
る。画像強調アルゴリズムは、画像をデコンボリューションする、すなわち焦点
外の画像面が寄与するぼけやくもりを取除くのに用いられる。システムの一例は
バイテック(Vaytek Inc.)(フェアフィールド、アイオワ)により登録商標P
ROTEUSのもとに販売されている。
【0073】 2次元の画像を増強するために、サンプルの焦点領域内の各々の点または円柱
状の領域からのデータは、その範囲にわたりラスタパターンで走査することによ
り順に集められる。この目的のために、チャンバと光のビームとの間に相対的な
動きをもたらし、それによりビームスポットの2次元の配列で光線をチャンバの
内部に順に当てるための手段が提供される。そのような手段は、(i)照明ビー
ムを移動させることおよび/または(ii)サンプルを移動させることにより行な
うことができる。この発明の具体例は、たとえば以下の走査用の装置を意図する
。すなわち(i)光学系は静止したままで、標本を支持するステージが走査のた
めに動かされるステージ走査型および/または(ii)照らされる光の点または柱
が標本の上を走査するビーム走査型またはミラー走査型である。1つの特定の具
体例では、照明光と検出器での共焦点型のピンホールとが厳密に位置合わせされ
た状態で、振動鏡を二色性ミラーと対物レンズとの間に置いてビームを偏向させ
ることにより走査が達成される。
【0074】 1つの具体例では、チャンバと光のビームとの間の相対的な動きを与えるため
の手段により、ビームスポットは互いに部分的に重なる。たとえば、直径が約8
mmで、公知の蛍光標識で標識された運動性細胞を検出するため、直径が約4m
mである励起ビームスポットを、検査ゾーン上、2mm刻みでラスタ走査させる
ことができる。検出された蛍光放射はCCDカメラに送られ、2次元配列の4×
4mmの画素からなる画像を生成して、走査された領域内の細胞の位置を示す。
【0075】 共焦点走査システムなどに加えて、走化性因子の濃度勾配に応答する細胞の運
動性を確認するのに有用な他の検出手段は、ビデオ顕微鏡、CCD顕微鏡または
他の画像取込装置を含む。1つの具体例では、観察に必要な時間、細胞の挙動が
標準的なビデオカメラを用いてVHSまたはベータ方式のビデオテープに記録さ
れ、ビデオカメラは三眼複合顕微鏡の垂直方向の接眼レンズ管の中または倒立顕
微鏡の本体の中に設けられ、かつ高品質のビデオレコーダに取付けられる。ビデ
オ記録は次に、たとえばデータトランスレーション(マールボロ、マサチューセ
ッツ)から入手可能なMACHシリーズPCIフレームグラバーなどのデジタル
化手段に送られる。電子的に読出可能な(デジタル化された)データは次に、米
国特許第5,655,028号明細書(ここに引用により援用される)に開示さ
れるような、適当な動的画像分析システムを利用して処理される。そのようなシ
ステムはソルテック(Solltech Inc.)(オークランド、アイオワ)から登録商
標DIASのもとに市販されている。サンプル中に存在し得る破片および他の検
出される人工産物から細胞を識別するのを支援可能なソフトウェアは特に有利で
ある。
【0076】 明らかなように、精製されたサンプル(すなわち各サンプルが単一の選択され
た細胞タイプのみを実質的に含む)中の細胞の運動性を測定するために有用なア
ッセイを提供することに加えて、この発明は(たとえば混合された細胞タイプを
含む)未精製のサンプルの運動性の測定を行うためにも有用である。これは、一
般的には精製されたサンプルに限られてきた先行技術の運動性アッセイよりも有
意義な利点である。
【0077】 明らかなように、この発明の走化性アッセイはさまざまな細胞タイプに用いる
ことができる。その例には、リンパ球、単球、好中球、好塩基球、マクロファー
ジ、好酸球、多形核白血球、白血球、線維芽細胞、内皮細胞、上皮細胞、ニュー
ロン、腫瘍細胞、運動性生殖体(たとえば精子)、細菌の運動形(たとえば、グ
ラム陰性の細菌である大腸菌およびネズミチフス菌)、および菌類(たとえば粘
菌)などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0078】 特定の選択されたタイプの細胞は、たとえば、選択的におよび/または優先的
にそのような細胞と結合する検出可能なレポータまたは検出可能なレポータの選
択された組合せを用いて、混合細胞群の中で区別することができる。たとえば、
選択的に発現されるCD、抗原、受容体などに対するモノクローナル抗体を用い
て標識付けを行うことができる。腫瘍細胞抗原の例には、B細胞リンパ腫細胞上
に存在するCD9、CD10、CD19およびCD20がある。ある特定の乳癌
に特異的な腫瘍細胞抗原はHer2/Neuおよびエストロゲン受容体を含む。
たとえば1987年、ニューヨーク、プレガー出版(Praeger Publisher)から
出版されたナセル・ジャワドプール(Nasser Javadpour)の「腫瘍のマーク、生
物学および臨床応用」(“Tumor Marks, Biology and Clinical Applications”
)を参照。白血球の副次集団のマーカは、たとえばCD3、CD4、CD8、C
D10、CD14、CD16およびCD20などを含む。たとえば、1996年
にカレントバイオロジー/ガーランド出版(Current Biology Ltd/Garland Pub
lishing Inc.)から出版されたジェーンウェイ(Janeway)およびトラバース(T
ravers)の「免疫生物学:健康および疾患における免疫システム」(“Immunobi
ology: The Immune System in Health and Disease”)第2版、付録Iを参照。
さまざまな公知の細胞マーカを記載する多数の情報源(たとえば科学文献、商用
のカタログなど)が入手可能であることは、当業者に明らかである。さらに、さ
らなるマーカが継続的に発見されている。現在公知なものであろうが将来発見さ
れるものであろうが、細胞を標識するのに有用な任意のマーカを、この発明を実
践するのに活用することができる。
【0079】 ただ1つの単一の細胞のタイプに対して絶対的に特異的なマーカーは、あると
しても僅かなため、少なくとも2つの標識で標識づけること、すなわち選択され
た細胞タイプごとに異なる標識で標識づけすることが望ましい。選択された各細
胞タイプに対する複数の標識の検出は、関心のある細胞のみに運動性の分析を限
定するのを確実にし得る。
【0080】 この発明の走化性アッセイは、化学誘引物質および化学忌避物質を含むさまざ
まな走化性因子とともに用いることができる。これらには、‘ELR’IL−8
、GROα、β、Nap−2、ENA−78、IP−10、Mig、SDF−1
α、β、MCP−1、2、3、4、5、eotaxin、LARC、MIP−1
α、β、RANTES、TARC、I309、CCF18、趨リンパ球、SCM
−1、CX3Cケモカイン(フラクタルカイン)、補体成分C5a、アラキドン
酸塩の誘導体ロイコトリエンB4、(LTB4)、血小板活性化因子(PAF)
、formyl-met-leu-phe(fMLP)のような細菌起源のホルミルメチオニルペプ
チド、好中性α顆粒タンパクCAP37、cAMP、葉酸、D−グルコース、D
−ガラクトース、D−マンノース、マルトース、D−フルクトース、NaCl、
CaCl2、MgCl2、小胞因子、IL−4、PDGF、フィブロネクチン、E
GF、TGF−β1、ラミニン、インスリン、NGF、GABA、クエン酸エス
テル、塩化ベンゼン、リン酸エステル、アルファメチルアスパラギン酸、および
マクロファージ抑制因子(MIF)などが含まれるが、これらに限定されるもの
ではない。少なくとも1つの関心のある細胞タイプを含むサンプルまたはアリコ
ートは、単一の走化性因子またはいずれかの所望の数の走化性因子の組合せに対
して検査することができる。
【0081】 III.データ分析 細胞のサンプルの近くに走化性因子の濃度勾配を準備した後、運動性アッセイ
チャンバの適当な検査ゾーンが走査される。たとえば、図3B−Fは、図3Aの
運動性アッセイチャンバの領域にわたって確立された走化性因子の濃度勾配への
露出の後に、連続的に30分間隔で観察される、6つの個々の細胞を模式的に示
している。個々の細胞の位置が観察され、たとえば画素イメージおよび/または
x、y座標として記憶される。データを処理しかつ分析するためのコンピュータ
手段が設けられる。
【0082】 集められたデータは、(i)単一細胞追跡および/または(ii)群追跡の目的
のために分析することができる。単一細胞追跡に関して、個々の細胞は、それら
がそのそれぞれの経路に沿って移動していくのにしたがい、追跡される。群追跡
に関しては、個々の細胞の位置は、データが集められるたびに測定されるが、個
々の細胞は、そのそれぞれの経路に沿って追跡されるのではない。むしろ、個々
の細胞の位置は細胞群の挙動を測定するのに用いられる。
【0083】 この発明とともに用いるのに適当な動的画像分析システムは、米国特許第5,
655,028号明細書に開示され、ここに引用により援用される。このような
システムはソルテック(オークランド、アイオワ)から登録商標DIASのもと
に市販されている。またここに引用により援用されるさらなる分析システムは、
1997年にJ.H.チョン(J. H. Chon)らにより、また1989年にJ.E
.グラスゴウ(J. E. Glasgow)らにより教示されている。
【0084】 有利には、アッセイあたり数百個たらずの個々の細胞を追跡することにより、
ほとんどの目的に対して十分な結果を与えることができる。
【0085】 A.単一細胞追跡および単一細胞の運動のパラメータ アッセイにおいて単一の細胞の動きを追跡する目的のため、検査ゾーン内の個
々の細胞の位置が、いくつかの時間的に間隔をあけた時期に測定される。たとえ
ば、全血サンプルの白血球の運動性を測定するため、細胞移動の連続的な「速写
」が約1−4時間の期間にわたり約5−10分ごとに1回集められ得る。他の細
胞に関して、そのようなデータを約1−2日の期間にわたり約1時間ごとに1回
集めてもよい。
【0086】 表1に示されるように、いくつかの有用な測定が行なわれる。
【0087】
【表1】
【0088】 以下の表2は、正味のフラックスの測定につながる、単一の細胞の測定の分析
のためのフローチャートを示す。
【0089】
【表2】
【0090】 ∇a=化学誘引物質の勾配(単位=M/cm)。これは、膜の厚みにより除算さ
れた誘引物質の平均濃度にしばしば近似される。拡散方程式を用いると、より正
確に∇aを計算することもできる。 c=チャンバ内の細胞の濃度(単位=細胞数/cm3)。 A=細胞がその膜を通って移動する膜の面積(単位=cm2)。 t=その期間にわたって正味のフラックスJnetが測定される時間。
【0091】 B.群追跡 群に基づくの分析のため、走化性因子の濃度勾配への細胞サンプルの最初の露
出(t0)の後、検査ゾーンを通る細胞の数が、時間(t1、t2、t3、…tn
中1つまたはそれ以上の選択された点で測定されるか、あるいは選択された時間
の期間にわたるそれらの細胞の総数が測定される。
【0092】 1つの具体例では、検査ゾーン内の個々の細胞の位置が、走化性因子に対する
最初の露出(t0)の後、(たとえば30分の)適当な時間が経過した後に一度
測定される。典型的に、検査ゾーン内の細胞の数はt0で0であることがわかる
。別の具体例では、いくつかの測定が(たとえば2時間の)ある期間にわたり(
たとえば15分ごとに)連続的に行なわれる。さらなる具体例では、検査ゾーン
を通る細胞の総数が、設定された(たとえば2時間の)時間にわたり数えられる
【0093】 電算手段、たとえばIBM互換性PENTIUM(登録商標)クラスのパーソ
ナルコンピュータあるいはさまざまな製造者から容易に入手可能な同様の製品は
、群に基づく分析のため、個々の検出された細胞の位置を表わす電子的に読出可
能な(デジタル化された)データを処理する。これに関し、計算装置は、当該技
術分野で公知の方法により、2つの間をあけられた時間における検査領域内の、
検出されかつ位置を割当てられた細胞の分布を比較するようにプログラムされる
。1つの具体例では、プログラムされた計算装置が機能して、2つの間をあけら
れた時間の各々で検査領域内に位置する検出された細胞の総数を比較する。別の
具体例では、プログラムされた計算装置が機能して、(i)間をあけられた時間
間隔にわたり検査領域内の検出された細胞ごとに濃度勾配の方向への運動ベクト
ルを計算し、かつ(ii)検査領域内の検出された細胞の計算された個々のベクト
ルから平均の運動ベクトルを定める。
【0094】 明らかに、この発明は、個々の細胞の位置を表わすデータから分布/ヒストグ
ラムを示すことが可能である。少なくとも2つの時間的に間隔をあけた時期にお
いて検査ゾーン内の細胞の位置の分布を測定することにより、走化性因子の濃度
勾配に対する集合体の動きを確認することができる。
【0095】 前述の説明からこの発明の幅広い教示がさまざまな形で実現され得ることが当
業者には明らかである。したがって、この発明は特定の具体例およびその例と関
連して説明されたが、この発明の真の範囲はそのように限定されるべきではない
。添付の請求項に規定されるように、この発明の範囲から逸脱することなしにさ
まざまな変更および修正が行なわれ得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 Aは、この発明の具体例に従って構成された運動性アッセイチャ
ンバの上面図である。Bは、図1Aの運動性アッセイチャンバの側面図である。
Cは、図1A−Bの運動性アッセイチャンバの斜視図である。
【図2】 Aは、この発明の具体例に従った単一の基材上に配される運動性
アッセイチャンバの高スループット配列を示す、部分的に概略化した上面図であ
る。Bは、図2Aに示されるチャンバの配列からの、1組の隣接する運動性アッ
セイチャンバを示す、部分的に概略化した上面図である。
【図3】 Aは、この発明のさらなる具体例に従った、図2Aのものに類似
の高スループット配列においての使用に適合される1組の隣接する運動性アッセ
イチャンバを示す、部分的に概略化した上面図である。B−Fは、図3Aの運動
性アッセイチャンバの検査ゾーンを横切って確立される走化性因子の濃度勾配へ
の露出に続く連続的な30分の時間間隔における、6つの個々の細胞の位置およ
び動きを表わす概略図である。
【図4】 Aは、この発明の具体例に従った、単一の基材上に配される運動
性アッセイチャンバの超高スループット配列を示す、部分的に概略化した上面図
である。Bは、図4Aに示されるチャンバの配列からの、単一の運動性アッセイ
チャンバを示す、部分的に概略化した上面図である。Cは、図4Aに示されるチ
ャンバの配列からの、単一の運動性アッセイチャンバを示す、部分的に概略化し
た横断面図である。
【図5】 Aは、この発明のさらなる具体例に従った、単一の基材上に配さ
れた運動性配列チャンバの超高スループット配列を示す、部分的に概略化した上
面図である。Bは、図5Aに示されるチャンバの配列からの、単一の運動性アッ
セイチャンバを示す、部分的に概略化した上面図である。
【図6】 この発明の具体例に従った共焦点画像化システムを表わす概略図
である。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年9月16日(2000.9.16)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/58 G01N 33/58 Z 37/00 103 37/00 103 // G01N 33/49 33/49 A (72)発明者 ジャーナジン,カート・アール アメリカ合衆国、94402−4039 カリフォ ルニア州、サン・マテオ、ヨークタウン・ ロード、1759 (72)発明者 クニタケ,スティーブン・ティ アメリカ合衆国、94070 カリフォルニア 州、サン・カルロス、エクセター・アベニ ュ、153 (72)発明者 マニアン,バラ・エス アメリカ合衆国、94022 カリフォルニア 州、ロス・アルトス・ヒルズ、ベリィ・ヒ ル・コート、14240 Fターム(参考) 2G043 AA01 BA16 CA04 DA02 EA01 FA01 GA07 GB01 GB05 HA01 HA09 LA01 2G045 AA02 AA24 AA40 CA01 CB01 FA11 FA16 FA19 FA29 FB07 FB12 GA01 GC15 GC22 HA14 JA01 JA07 4B029 AA07 BB01 CC01 FA10 FA15 4B063 QA05 QQ05 QR51 QR66 QS01 QS11 QS36 QS39 QX02

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 選択された走化性因子に応答する細胞運動性を検査するため
    の装置であって、 第1および第2のサイド領域を有するチャンバと、 前記チャンバ内の走化性因子の濃度勾配(前記濃度勾配は、第1のサイド領域
    から第2のサイド領域へ漸進的に増加するものである)と、 前記チャンバの検査領域における少なくとも1つの選択されたタイプの個々の
    細胞を検出するための光学系と、 電子的に読出可能な形で個々の検出された細胞の位置を割当てるためのデータ
    プロセッサと、 2つまたはそれ以上の区切られた時間において、検査領域中の検出され位置を
    割当てられた細胞の分布を比較するために構成されたコンピュータとを含む、装
    置。
  2. 【請求項2】 前記コンピュータは、区切られた時間の各々において検査領
    域内に位置する検出された細胞の総数を比較するよう機能する、請求項1に記載
    の装置。
  3. 【請求項3】 前記光学系は、前記チャンバに光のビームを向けるための照
    明源と、 チャンバと光のビームとの間の相対的な動きを与えることによってビームが検
    査領域内の範囲を連続的に走査するようにするための光学系とを含む、請求項1
    に記載の装置。
  4. 【請求項4】 検査される細胞は蛍光標識され、前記チャンバは細胞懸濁液
    を保持するように適合され、前記光学系は蛍光励起光源を有し、該光源からのビ
    ームは前記チャンバのある深さにおいて焦点が合うようにされる、請求項1に記
    載の装置。
  5. 【請求項5】 前記チャンバは、細胞懸濁液をある選択した深さに保持する
    ように適合され、前記光学系はビデオ顕微鏡、CCD顕微鏡または画像取込デバ
    イスからなる群より選択される、請求項1に記載の装置。
  6. 【請求項6】 前記チャンバは、実質的に矩形の断面のキャピラリであり、
    前記キャピラリは、前記第1のサイド領域に近い第1の入口と、前記第2のサイ
    ド領域に近い第2の入口とを有する、請求項1に記載の装置。
  7. 【請求項7】 前記チャンバは、前記第1のサイド領域に沿って配置される
    複数の独立したサンプルウェルを含む、請求項1に記載の装置。
  8. 【請求項8】 前記チャンバは、混合された細胞の細胞懸濁液を保持するよ
    うに適合され、前記光学系は、前記懸濁液中の少なくとも1つの選択される細胞
    タイプを検出するように適合される、請求項4に記載の装置。
  9. 【請求項9】 個々の細胞のうち少なくとも1つの選択されるタイプを検出
    するための光学系は、前記個々の細胞に選択的に結合できる蛍光レポータを検出
    するための蛍光検出器と、前記検査領域に光の励起ビームを向けるための照明源
    とを含み、前記データプロセッサは、個々の細胞の位置を検出しかつその地図を
    作成するために適合される、請求項8に記載の装置。
  10. 【請求項10】 前記チャンバと前記励起ビームとの間の相対的な動きを与
    えることによって前記ビームが前記光学的検査領域に逐次的に当たるようにする
    ための光学系をさらに含む、請求項9に記載の装置。
  11. 【請求項11】 個々の細胞の位置を検出しかつその地図を作成するために
    適合される前記データプロセッサはさらに、 前記チャンバの近くに配置される焦点合わせレンズ(前記焦点合わせレンズは
    、前記チャンバにおいてガウスウエスト(gausian waist)に前記励起ビームの
    焦点を合わすように構成される)と、 前記チャンバの近くに配置された集光器(前記集光器は、前記チャンバを離れ
    る蛍光放射を集め、かつ前記チャンバから離れた蛍光放射をレトロビーム(retr
    obeam)として伝達するように構成される)と、 前記レトロビームの経路に沿って前記チャンバから間隔を置いて配置された、
    前記レトロビームに応答する光検出器と、 前記集光器と前記光検出器との間に配置され、かつレトロビームを遮断するよ
    う配された空間フィルタ(前記空間フィルタは、レトロビームの一部のみを前記
    光検出器に入れるように構成される)とを含む、請求項10に記載の装置。
  12. 【請求項12】 前記チャンバは実質的に矩形の断面のキャピラリであり、
    前記キャピラリは前記第1のサイド領域に近い第1の入口と、前記第2のサイド
    領域に近い第2の入口とを有する、請求項9に記載の装置。
  13. 【請求項13】 複数のチャンバが単一の基材上に配される、請求項9に記
    載の装置。
  14. 【請求項14】 前記チャンバの各々が、前記第1のサイド領域に沿って配
    置された複数の独立したサンプルウェルを含む、請求項13に記載の装置。
  15. 【請求項15】 混合された細胞タイプのサンプルに含まれる選択されたタ
    イプの細胞の、走化性因子への運動性応答を測定する方法であって、 (i) 前記混合された細胞サンプルに含まれる前記選択されたタイプの細胞
    を、前記選択されたタイプの細胞に優先的に結合できる蛍光化合物で標識するス
    テップと、 (ii) アッセイチャンバ中に走化性因子の濃度勾配を確立するステップと、 (iii) 前記混合された細胞サンプルを、前記アッセイチャンバ中の前記濃
    度勾配の近くに加えるステップと、 (iv) 前記濃度勾配の領域に光の励起ビームを向けるステップと、 (v) 前記領域においてサンプル中の前記選択されたタイプの細胞を表わす
    蛍光ピークの範囲を検出するステップと、 (vi) 前記領域に沿って前記選択されたタイプの細胞の個々の細胞の位置を
    認識するステップと、 (vii) 少なくとも1つの付加的な別の時間においてステップ(iv)から(v
    i)を繰返すステップと、 (viii) 前記選択されたタイプの細胞の位置を分析して前記選択されたタイ
    プの細胞の運動性を測定するステップとを含む、方法。
  16. 【請求項16】 前記励起ビームの波長ならびに前記蛍光化合物の励起およ
    び放射波長は、サンプル中のその他の蛍光化合物の吸収および自己蛍光波長より
    も上である、請求項15に記載の方法。
  17. 【請求項17】 単一の基材上で、実質的に並行して前記選択されたタイプ
    の細胞の運動性を測定するため、複数の異なるサンプルが分析される、請求項1
    5に記載の方法。
  18. 【請求項18】 複数の細胞タイプを選択し、かつ前記複数の選択された細
    胞タイプの各々を特有の蛍光体で標識するステップと、 実質的に並行して、単一の基材上で前記複数の選択された細胞タイプの各々の
    運動性を測定するステップとをさらに含む、請求項17に記載の方法。
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