JP2002521122A - 外科手術のための安定化装置 - Google Patents

外科手術のための安定化装置

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JP2002521122A JP2000561899A JP2000561899A JP2002521122A JP 2002521122 A JP2002521122 A JP 2002521122A JP 2000561899 A JP2000561899 A JP 2000561899A JP 2000561899 A JP2000561899 A JP 2000561899A JP 2002521122 A JP2002521122 A JP 2002521122A
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ファンティコーラ、ジョン・エイ
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パウエル、ジェラード・エイ
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ピリング・ウェック、インコーポレイテッド
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Abstract

(57)【要約】 安定化装置は、吻合術のような外科手術を容易にするように、心臓やその他の器官の一部を不動化させるために使用される。この安定化装置は、連続したループを形成するようにヒンジで繋がれた、２つの、Ｃ型の、器官の壁に接触する要素（１２、１４）を有する。ヒンジは、Ｃ型要素が分離されることを可能にしており、それにより、器官に接続された管状の移植片が前記ループを通って延びることになる手術の後、安定化装置が移植片から解放されることができる。Ｃ型要素は、２つのロック可能に関節運動ができる部分（３０、３６）からなる柄に接続されており、２つの内の１つがＣ型要素の１つと直接接続され、ヒンジ軸と整列している。柄の前記部分を取り囲み、ばねで負荷をかけられたスリーブ（３２）は、閉じられた状態でＣ型要素をロックするようにＣ型部分の凹部に係合するピン（７６、７８）を有するが、Ｃ型部分が前記スリーブを操作することによって迅速に開かれることは可能にしている。取外し可能な使い捨てパッド（９２）が、器官の壁に接触する面を形成している。オプションとしての照明キャリア（１０２、１０４）は照明をもたらし、ポート（１１４）が吸引及び／又は灌注用に、Ｃ型要素の１つに設けられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、外科手術、特に、外科医が身体器官に処置を実行できるように、外
科手術の間、その器官の動きを抑えるための外科手術の器具に関する。
【０００２】
【従来の技術】
この明細書で使用される場合、「安定化させる(stabilize)」と「不動化させ
る(immobilize)」という用語は、器官での縫合とその他の外科手術の処置を十分
容易にするように、機械的手段による器官の一部分の自然な動きの抑制の意味を
有するものと理解されるべきである。
【０００３】 1998年3月17日に付与された米国特許第5,727,569号において説明されているよ
うに、心臓の特定部分内の心臓組織の位置を不動化する能力は、外科手術の行わ
れている心臓の部分が処置の間中、実質的に動きのない状態になっている間、外
科医が鼓動している心臓で繊細な外科手術の処置を実行することを可能にする。
特許第5,727,569号において説明されている器具は、負圧によって生じる組織へ
のトラウマ（外傷）を減少させている間、心臓の一部を不動化するための器具の
表面に複数の吸引ポートを利用する。吸引ポートの使用は、外科医が心臓の外側
組織層を通して縫合の糸を渡し、反対方向に縫合の糸を引き、その組織を伸ばし
、それによって、心臓の筋肉の収縮により惹き起こされる動きを抑制し、或いは
、部分的に補う、従来の方法を越えた改良として説明されている。
【０００４】 特許第5,727,569号において説明された器具のいくつかの実施形態において、
前記心臓接触装置は、円形、或いは、楕円形である。吻合によって冠状動脈バイ
パス移植を実行する時、冠状動脈に接続されている血管が前記器具の心臓接触表
面と心臓の外壁の間に位置されなければならない。もしそうでなければ、前記器
具は、取除かれることが出来ないであろう。従って、冠状動脈に接続されている
血管は、前記器具が心臓の壁と接触させられる前に、慎重に適切な位置に置かれ
なければならない。移植片への損傷を避けるように、前記器具の心臓の壁に接触
する表面は、好ましくは、移植片を収納するための、１つ或いはそれ以上の溝を
有し、途切れている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
前記器具の心臓接触表面が半楕円形、Ｕ字型、或いは、２つの別々で、平行な
部分からなる、その他の実施形態に関して、その器具は、移植片が適した位置に
配置される前に、心臓と接触させられ、吻合の後、取り除かれることが可能であ
る。しかしながら、半楕円形、Ｕ字型或いは複数の別々の表面を有する器具は、
不動化された心臓の一部を保持する際、円形や楕円形の器具と同じように効果的
ではない。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
本発明の主な目的は、実質的に連続し、閉じられたループ状の部分において、
心臓やその他の動いている器官の壁に接触し、移植片の吻合の後、容易に取除か
れることができる安定させる器具を提供することである。 本発明の別の目的は、前記器具の器官の壁に接触する表面の位置の簡単な調整
を可能にすることである。
【０００７】 本発明のさらに別の目的は、器官への損傷の回避と、器官の壁に接触する表面
を形成する容易に取替え可能な圧縮性パッドと、吸引による流体の排水と潅注の
ためのポートの供給と、外科手術箇所の改良された照明とを含む。
【０００８】 本発明の安定化装置は、各々が第１端部、第２端部、及び、器官の壁に接触す
る表面を具えた、一対の器官の壁に接触する要素を有する。この要素は、器官の
壁に接触する要素の１つが他方の要素に相対的にヒンジ軸の周りを回転できるよ
うに、前記器官の壁に接触する要素の第１端部同士を連結しているヒンジによっ
て結合されている。前記ヒンジ軸は、前記器官の壁に接触する表面を横切って (transverse)延びる。第２端部は、互いに会合(meet)したり、他方の要素に相対
的に前記ヒンジの周りを前記器官の壁に接触する要素の１つの回転によって、互
いに離れるたりすることができる。器官の壁に接触する要素は、器官の壁に接触
する表面が実質的に連続して閉じられたループ形状において器官の壁に接触でき
るように、各第２端部が互いに会合する時、中央の開口を有するループを形成す
るような形状である。
【０００９】
【発明の実施の形態】
好適実施形態では、ばねが、器官の壁に接触する要素の第２端部同士が互いか
ら離れるように付勢する。器官の壁に接触する要素の第２端部が互いに会合する
時、前記ヒンジ軸と平行方向において、互いに整列させられた穴を具えた、重な
り合う部分を有する。止めピンは、前記器官の壁に接触する要素を互いに固定さ
れた関係にロックするように、前記穴が整列させられた時、それらを通って延び
る。前記止めピンは、好適には、前記ヒンジ軸に沿って延びる安全装置の柄の部
分を囲む可動カラー（環、接官、軸つば）の突出部である。前記突出部は、前記
ヒンジ軸に沿った前記カラーの手動の動きによって前記穴の少なくとも１つから
解放可能である。かくして、前記ヒンジ軸に沿った第１方向における前記カラー
の動きによって、第２端部同士が互いに分離できるように、心臓の壁に接触する
要素が外されることができる。好適には、それらの第２端部が一緒になる時、器
官の壁に接触する要素が閉じられた状態で自動的にロックされるように、ばねが
反対方向にカラーを付勢するために設けられる。
【００１０】 前記柄は、好ましくは、器官壁に接触する要素の１つに固定された第１柄部分
と、解放可能にロックできる、関節運動継手によって第１柄部分に接続された第
２柄部分とからなる。第２柄部分は中空であり、その中で縦に延びているロッド
を有する。前記継手は、第１柄部分に固定されたボールと第２柄部分の１つの端
部に接続されたソケットからなる。第２柄部分の反対の端部にあるスリーブの手
動回転によって、前記ロッドは第１柄部分が第２柄部分に固定された関係におい
て保持されるように、関節運動継手をロックするように、ボールに対して付勢さ
れる。
【００１１】 前記安定化装置の好適実施形態において、器官の壁に接触する要素は圧縮性パ
ッドを含み、そのような各要素の各器官の壁に接触する表面はそのパッドの表面
である。各器官の壁に接触する要素が堅い部分とそれに取外し可能に付けられた
パッドアセンブリからなり、前記パッドアセンブリは可撓性のあるパッドとパッ
ドを支えている部材とからなる。器官の壁に接触する要素の前記パッドアセンブ
リのパッドを支えている部材は、堅い部分の穴と対になっている複数の突出部を
有する。前記突出部は、スナップ係合でそれらの対になっている穴に収まる。
【００１２】 器官の壁に接触する部材のいずれか或いは両方が、液体を取除くための吸引用
、又は、外科手術箇所の灌注（irrigation）用の導管に接続された複数のポート
を含んでもよい。
【００１３】 器官の壁に接触する部材のいずれか或いは両方が、可撓性のある光を伝える導
管を通って光を受けるために接続された付属の光を放つ部材を有してもよい。 本発明のその他の目的、詳細、そして、利点は、図面を参照して読まれれば、
以下の詳細な説明から明らかとなるであろう。
【００１４】 本発明は、これから、心臓安定化装置としての使用のために設計された特定の
実施形態に関して説明される。
【００１５】 図１に示されるとおり、本発明の第１実施形態の心臓安定化装置１０は、関節
でつながれた柄１６の下側端部に、一対の向かい合うＣ型で心臓の壁に接触する
要素１２と１４を含む。 要素１２と１４は、ヒンジで結合されたそれぞれの第１端部１８と２０と、図
１において互いに離れて示されているそれぞれの第２端部２２と２４を有してい
る。第２端部２２と２４は、図２に示されるように、要素１２の溝２８と対にな
っている要素１４のタング（舌状の物）２６と噛合わされることが可能である。
【００１６】 柄１６は、要素１２に固定され、要素１２と１４を接続するヒンジの軸と整列
させられた短い柄部分３０を含む。柄部分３０の下側部分は、ぎざぎざのある握
り部分３４を有する、スリーブ３２によって囲まれている。以下により詳細に説
明されるように、前記スリーブは内部のばねによって下方に付勢されており、図
２で示された位置において、すなわち、端部２２と２４が閉じられたループを形
作る状態で、要素１２と１４をロックできる突出部を有する。柄の上部は、より
長い中空部分３６を含む。図にで示されるように、このより長い部分は、柄部分
３０の上側端部に形成されたボール４０と対になっている、下側端部にソケット
３８を有する。ぎざぎざのあるキャップ４２は、部分３６を通って延びる、内部
ロッド４４の上側端部に固定されている。ロッド４４の上部は、中空の部分３６
の上部において内部のねじ山と係合させられたねじ山を有する。ぎざぎざのある
要素を回転させることによって、中空の柄部分３６内部で長さ方向に延びる内部
ロッド４４は、ボール４０に対して押されることができる。従って、前記ロッド
が前記ボールの上部に対して下方に押付けられると、ソケット３８は前記ボール
の下側に対して引上げられることになり、かくして、前記ボールとソケットから
なる継手を締付け、柄部分３０と３６が関節運動しないように固定させる。
【００１７】 図４の分解図に示されるように、要素１２と１４は、各々、前記ヒンジを形成
する、重なり合う部分４６と４８を有する。要素１２の部分４６は、要素１２の
前方に延びている部分の上面５２の下に引っ込められた環状の上面５０を有する
。部分４６は、柄部分３０のねじ山の付いた下側端部への接続のための内部のね
じ山を具えた、中央に位置する中空で直立した円形のシリンダ状突出部５４を有
する。この突出部５４を取り囲み、突出部５４と環状上面５０の間に位置するの
は、金属ばね５８のコイル部分を受けるための環状凹部５６である。凹部５６に
接続され、環状面５０へ延びる径方向のスロット６０は、ばね５８の一直線の端
部６２を受けるために設けられている。
【００１８】 要素１４の部分４８は、コイル５８の上部と前記ばねのまっすぐな部分６４を
収納するために、凹部５６と径方向スロット６０と同様に、環状の凹部とまっす
ぐな径方向のスロット（図示せず。）を有する。前記ばねと部分４６と４８の径
方向スロットは、前記ばねが要素１２と１４をそれらの開かれた状態に、すなわ
ち、それらの第２端部２２と２４が互いに分離する状態に向かうように付勢すべ
く、構成されている。
【００１９】 部分４６は、また、その環状の上面５０の外側部分において互いの反対側に凹
部６６と６８を有する。部分４８は、突出部５４を受ける貫通穴７０を有する。
突出部５４は、殆ど遊びがないような穴７０に合うサイズである。従って、突出
部５４が穴７０内に位置されると、要素１２と１４は、突出部５４の軸に相対的
な並進運動や傾斜運動をすることなく、その軸の周りに互いに相対的に回転する
ことができる。
【００２０】 部分４８の外側の縁は、穴７０の反対側で互いに向かい合う、スロット７２と
７４を有する。これらのスロットは、端部２２と２４が一緒のとき、凹部６６と
６８と各々、整列させられるように配置されている。スリーブ３２から下方に延
びるピン７６と７８は、閉じられた状態で、要素１２と１４をロックするように
、各々、スロット７２と７４を通って凹部６６と６８へ延びる。前記要素は、凹
部６６と６８からピン７６と７８をはずすように、スリーブ３２上で手で上向き
に押すことによって解放されることが可能である。
【００２１】 スリーブ３２は、要素１２と１４のそれらのロックされた状態からの偶発的解
放から保護するように、そして、自動的にそれらの端部２２と２４が接触すると
き、それらの閉じた状態で前記要素をロックするように、連続的に下向きに（ロ
ックしている方向に）内部コイルばね８０によって付勢されている。ばね８０は
ピン８２を囲み、その下側端部が突出部５４に突き通されている。前記ばねは、
ピン８２に形成されたカラー８４とその下側端部近くのスリーブ内に形成された
環８６との間で圧縮状態にある。
【００２２】 さらに図４を参照すると、ヒンジ部分４６を含む要素１２の上側部分は、好適
には、外科手術の器具に適した、ステンレス、その他の金属又はプラスチック材
料で形成されている。前記上部の下には、堅いパッド支持部材９０と圧縮性パッ
ド９２からなる、パッドアセンブリ８８がある。前記パッド支持部材は、好まし
くは、適当なプラスチック材料で成形され、前記支持部材に接着されている前記
パッド自体は、独立セルの発泡プラスチック材料で形成される。
【００２３】 要素２４は、同様のパッドアセンブリ９４を有する。各心臓の壁に係合する要
素１２と１４のパッドアセンブリは、好適には、２つの要素１２と１４がそれら
の閉じられた状態にあるとき、殆ど完全なリングを形成し、前記パッドが両端で
互いに密接に近づくように、前記ヒンジ軸と隣合う位置から前記要素の反対の端
まで延びる。パッドアセンブリ８８と９２のヒンジの端は、互いの間の如何なる
隙間の発生も避けるために、ヒンジ軸と同心で互いに補い合う、凹面と凸状弓形
であり得る。
【００２４】 図５に示されるように、パッドアセンブリ８８の堅い部分９０は、要素１２の
上部の対になる穴に合う、３つの上向きの突出部９６を有する。各突出部の上側
端部には、前記突出部が、スナップ係合でそれらの対になっている穴に収まるよ
うに、圧縮力がなくなるとわずかにその対になっている穴より大きい、圧縮可能
な膨大部がある。かくして、図６に見られるように、突出部９６は、それらの膨
大部が凹部９８に位置付けられ、要素１２の上部において穴を通って延びる。
【００２５】 パッドアセンブリは、使い捨てであり、殺菌された状態で予めパッケージされ
、各使用の前に圧力殺菌された、器具のその他（残り）の部分に素早く取付けら
れることができる。
【００２６】 図７に示されるように、キャップ４２はロッド４４の上側端部に固定される。
前記ロッドの上側端部は、中空で管状の柄部分３６の上側端部のねじ山と係合さ
せられたねじ山を有する。その結果、キャップ４２の手動回転によって軸方向に
前記ロッドが動かされる。ボール４０の下側と係合させられているスリーブ３８
は、柄部分３６の下側端部までねじ山が付けられている。キャップ４２の時計回
りの回転は、前記ボールの上部に対して下向きにロッド４４を押し、そして、同
時に、スリーブ３８を前記ボールの下部に対して上向きに引く。その結果、上側
の柄部分は、関節運動ができないように、前記下側の柄部分に摩擦でロックされ
ることができる。前記上側の柄部分は、例えば、手術台の側面レール又は補助レ
トラクター（開創器）を備え付けるための適当な用意を有する胸骨のリトラクタ
ーに置かれることができる、リトラクター支持（図示せず。）に固定されること
が可能である。
【００２７】 手術中、その要素１２と１４が閉じられている安定化装置は、移植片が付けら
れるべき位置がＣ型の心臓の壁に接触する要素１２と１４によって形成された開
口を通って露出され、バイパスを必要とする冠状動脈上の心臓壁に対して置かれ
る。前記心臓の壁に接触している要素は、移植片が付けられるべき範囲を不動化
するように、心臓に対して押され、器具の柄部分の関節運動を防止するように、
上側の柄部分３６をリトラクター支持に接続させているクランプ（図示せず。）
を締め、キャップ４２を締めることによって不動化された状態を確実にする。移
植片は、その後、吻合によって動脈に接続される。この時、移植片の他方の端部
は既に大動脈に取付けられており、その結果、それは、要素１２と１４の１つの
下よりもむしろ、要素１２と１４の間の開口を通って、大動脈から冠状動脈まで
延びる。前記器具を取除くために、外科医は、要素１２と１４を解放するように
、スリーブ３２上で上方に簡単に引くことができる。これらの要素は、その時、
ばね５８（図４）の作動によって自動的に互いに離れ、前記器具は、心臓から素
早く外されることができる。
【００２８】 外科手術箇所の照明のための照明器具のような付加的な要素を、図８に示され
ているように、この器具に組込むことができる。光の供給源は、光ファイバーの
光を伝えるケーブルを通してコネクター１００に接続される。光は、可撓性のあ
る光ファイバーケーブル１０２を通って、ヒンジ部分１０６とパッド支持１０８
の間の前記心臓の壁に接触する要素の１つの中にまで形成されたアクリルの光を
伝える要素１０４へ伝えられる。要素１０４は、前記心臓の壁に接触する要素の
間にある開口内の外科手術箇所へ光を伝える。要素１０４を通って伝えられた補
助的な光は、影をなくし、行われている繊細な外科手術を容易にするが、そうで
なければ、その箇所の視界は、従来の頭上のＯＲ（手術室）の照明と外科医のヘ
ッドライトによって供給された光の下では不十分であることもある。図８におけ
る２つの心臓の壁に接触している要素の１つのみが、光のエミッタを具えている
が、光のエミッタが両方の要素に具えられることも可能であることは理解される
であろう。前記２つの心臓の壁に接触している要素の１つに１つの光エミッタが
ある場合、反対の要素は、両方の要素の心臓の壁に接触している表面が実質的に
連続するように、十分厚く作られているべきである。
【００２９】 心臓の壁に接触している要素の１つ又は両方は、外科手術の箇所から余分な液
体を排出する、或いは、灌注を取入れるための吸引用ダクトを設けることができ
る。図９に示されるように、可撓性のあるチューブ１１０は、チューブ１１０と
内側に面している開口１１４との間に連通をもたらす内部通路（図示せず。）を
有する、要素１１２に接続される。吸引と灌注の開口は、所望により、前記心臓
の壁に接触する要素の両方に具えられることができる。
【００３０】 様々な変更が説明された器具に行われることが可能である。例えば、前記ヒン
ジ軸と前記下側の柄要素の軸との整列は、操作の簡素性と容易性にとって好まし
いが、前記柄から間隔をおいた位置にヒンジを付けられたゲートを安定化装置の
足に具えて、本発明の目的のいくつかを達成することが可能である。また、プラ
スチック材料、すなわち、負荷の下で永久変形することができる金属或いはプラ
スチックから作られた、関節運動しない、比較的堅いが曲げられる柄を安定化装
置に設けることも可能である。
【００３１】 さらにその他の変更が、上記の請求の範囲によって定められたような、本発明
の範囲から逸れることなく、上述の装置や方法に加えられてもよい。
【００３２】
【産業上の利用可能性】
本発明は、心臓を止めずに実行されるべき、冠状動脈バイパスのような処置を
可能にするための心臓安定化装置としての特定の実用性を有する。前記装置は、
心臓外科手術を特に参照して説明されているが、胃、腸、肺、大動脈等のような
その他の器官の部分を不動化するために使用されることができると理解されるで
あろう。例えば、前記安定化装置は、胃フィステル形成、人工肛門形成等のよう
な処置において吻合のために使用されることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 ヒンジを付けられた心臓の壁に接触する要素が開かれた状態である
、本発明の第１実施形態の心臓安定化装置の斜視図。
【図２】 心臓の壁に接触する要素が閉じられた状態である、心臓安定化装置
の部分的斜視図。
【図３】 心臓安定化装置の後部の部分的斜視図。
【図４】 図１、図２、及び図３の心臓安定化装置の分解図。
【図５】 本発明の好適実施形態における、ヒンジを付けられた器官の壁に接
続する要素の１つの一部を構成するパッドの斜視図。
【図６】 心臓壁に接触する要素の１つを通る縦断面図で、パッドが前記要素
の金属部品に取り付けられる方法を示す図。
【図７】 安定化装置の支持ロッドを通る縦断面図で、前記ロッドに相対的に
角度位置を調整する方法を示す図。
【図８】 光を伝える照明層を有する、安定化装置の変更された実施形態の正
面図。
【図９】 通路と吸引用の付属品を有する、安定化装置の変更された実施形態
の斜視図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ファンティコーラ、ジョン・エイ アメリカ合衆国ペンシルバニア州 19454 エヌ・ウェールズ、シアラー・ストリー ト 416 (72)発明者 バニック、ロバート アメリカ合衆国ニュー・ジャージー州 07853 ロング・ヴァリー、ダブリュー・ メイプル・アベニュー ９ (72)発明者 パウエル、ジェラード・エイ アメリカ合衆国ペンシルバニア州 19083 ヘイヴァータウン、メリーランド・アベ ニュー 1330 Ｆターム(参考） 4C060 DD31 MM24 【要約の続き】 ４）は照明をもたらし、ポート（１１４）が吸引及び／ 又は灌注用に、Ｃ型要素の１つに設けられる。

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 外科手術の間、器官の壁の一部を不動化するための安定化装
    置であって、 各々が第１端部（１８、２０）と第２端部（２２、２４）と器官の壁に接触す
    る表面とを具えた、器官の壁に接触する一対の要素（１２、１４）と、 前記器官の壁に接触する要素の１つが前記器官の壁に接触する表面を横切って
    ヒンジの軸の周りを他方の要素に相対的に回転可能な、前記器官の壁に接触する
    要素の第１端部を連結するヒンジ（４６、４８）とを有し、 前記第２端部は、前記ヒンジの周りを他方に相対的に前記器官の壁に接触する
    要素の１つの回転によって互いに会合しまた互いに分離できるように前記第１端
    部に相対的に位置付けられており、前記器官の壁に接触する要素は、前記第２端
    部同士が会合したとき、前記器官の壁に接触する要素が中央の開口を有するルー
    プを形成するような形状であり、前記器官の壁に接触する表面が実質的に連続し
    て閉じられたループの形状で器官の壁と接触できるようになっている、 安定化装置。
  2. 【請求項２】 前記器官の壁に接触する要素の第２端部が互いに離れるよう
    に付勢するためのばね手段（５８）を含む、請求項１の安定化装置。
  3. 【請求項３】 前記器官の壁に接触する要素が、重なり合う部分と、前記器
    官の壁に接触する要素の第２端部が互いに接触するとき前記ヒンジ軸に、そして
    、互いに固定された関係で前記器官の壁に接触する要素をロックするために、前
    記穴が互いに整列させられるとき、前記穴を通って延びる止めピン（７６、７８
    ）に平行である方向に互いに整列させられる前記重なり合う部分における穴（６
    ６、６８、７２、７４）を有する、前記器官の壁に接触する要素の第２端部が互
    いに離れるように付勢するためのばね手段（５８）を含む、請求項１の安定化装
    置。
  4. 【請求項４】 前記器官の壁に接触する要素が、重なり合う部分と、前記器
    官の壁に接触する要素の第２端部が互いに接触するとき前記ヒンジ軸に、そして
    、互いに固定された関係で前記器官の壁に接触する要素をロックするために、前
    記穴が互いに整列させられるとき、前記重なり合う部分の一方の穴を通って前記
    重なり合う部分の他方の穴に延びる止めピン（７６、７８）に平行である方向に
    互いに整列させられる前記重なり合う部分における穴（６６、６８、７２、７４
    ）を有する、請求項１の安定化装置。
  5. 【請求項５】 前記ヒンジ軸に沿って延びる柄部分（３０）と前記柄部分を
    取り囲み、前記ヒンジ軸の方向において前記柄部分に沿って移動可能なスリーブ
    （３２）を有する柄（１６）を含み、前記器官の壁に接触する要素が重なり合う
    部分と前記器官の壁に接触する要素の第２端部が互いに接触するとき、前記ヒン
    ジ軸に平行方向において互いに整列させられる前記重なり合う部分における穴（
    ６６、６８、７２、７４）とを有し、前記スリーブが互いに不動化された関係で
    前記器官の壁に接触する要素を解放可能にロックするために、前記穴が互いに整
    列させられるとき、前記重なり合う部分の一方の穴を通って前記重なり合う部分
    の他方の穴に延びる突出部（７６、７８）を具え、その前記第２端部が互いに分
    離できるように、前記器官の壁に接触する要素を解放するための前記ヒンジ軸に
    沿った前記スリーブの動きによって前記穴の少なくとも１つから解放可能である
    、請求項１の安定化装置。
  6. 【請求項６】 前記ヒンジ軸に沿って延びる柄部分（３０）と前記柄部分を
    取り囲み、前記ヒンジ軸の方向において前記柄部分に沿って移動可能なスリーブ
    （３２）を有する柄（１６）を含み、前記器官の壁に接触する要素が重なり合う
    部分と前記器官の壁に接触する要素の第２端部が互いに会合するとき、前記ヒン
    ジ軸に平行方向において互いに整列させられる前記重なり合う部分における穴（
    ６６、６８、７２、７４）とを有し、前記スリーブが互いに固定された関係で前
    記器官の壁に接触する要素を解放可能にロックするために、前記穴が互いに整列
    させられるとき、前記重なり合う部分の一方の穴を通って前記重なり合う部分の
    他方の穴に延びる突出部（７６、７８）を具え、前記第２端部が互いに分離でき
    るように、前記器官の壁に接触する要素を解放するための前記ヒンジ軸に沿った
    第１方向における前記スリーブの動きによって前記穴の少なくとも１つから解放
    可能であり、さらに前記第１方向と反対の前記ヒンジ軸に沿った方向に前記スリ
    ーブを付勢するばね手段（８０）を含む、請求項１の安定化装置。
  7. 【請求項７】 前記器官の壁に接触する要素の１つに固定された第１柄部分
    （３０）と、解放可能にロックできる関節運動継手（３８、４０）によって前記
    第１柄部分に接続された第２柄部分（３６）とを有する柄（１６）を含む、請求
    項１の安定化装置。
  8. 【請求項８】 前記器官の壁と接触する要素の１つに固定された第１柄部分
    （３０）を有する柄（１６）と第１及び第２端部を有する第２の中空で長くされ
    た柄部分（３６）とを含み、前記第１端部が前記第１柄部分に固定されたボール
    （４０）と前記第２柄部分に接続されたソケット（３８）を含む関節運動継手に
    よって前記第１柄部分に接続され、前記関節運動継手をロックするように、ロッ
    ド（４４）を前記ボールに対して付勢するための前記第２柄部分の第２端部にお
    いて、前記第２柄部分内で長さ方向に延びている前記ロッドと操作できる手段（
    ４２）を含み、これにより、前記第１柄部分が前記第２柄部分に固定された関係
    において保持されることができる、請求項１の安定化装置。
  9. 【請求項９】 第１及び第２の関節運動可能な部分（３０、３６）を有する
    柄を含み、前記柄の前記第１部分が前記器官の壁に接触する要素の１つに固定さ
    れ、前記ヒンジ軸と整列させられている、請求項１の安定化装置。
  10. 【請求項１０】 各器官の壁に接触する要素が圧縮可能なパッド（９２）を
    含み、各前記要素の器官の壁に接触する表面がその前記パッドの表面である、請
    求項１の安定化装置。
  11. 【請求項１１】 各器官の壁に接触する要素がそれに付けられた圧縮可能な
    パッド（９２）を有する堅い部分を含み、各前記要素の器官の壁に接触する表面
    がその前記圧縮可能なパッドの表面である、請求項１の安定化装置。
  12. 【請求項１２】 各器官の壁に接触する要素がそれに取外し可能に付けられ
    た圧縮可能なパッド（９２）を有する堅い部分を含み、各前記要素の器官の壁に
    接触する表面がその前記圧縮可能なパッドの表面である、請求項１の安定化装置
    。
  13. 【請求項１３】 各器官の壁に接触する要素が複数の穴とそれに取外し可能
    に付けられたパッドアセンブリを有する堅い部分を含み、前記パッドアセンブリ
    が可撓性のあるパッド（９２）と堅いパッド支持部材（９０）とからなり、各器
    官の壁に接触する要素の前記パッドアセンブリの堅いパッド支持部材が前記器官
    の壁に接触する要素の堅い部分に複数の穴と対になる複数の突出部（９６）を有
    し、各前記要素の器官の壁に接触する表面がその圧縮可能なパッドの表面であり
    、前記突出部がそれらの対になっている穴に合う、請求項１の安定化装置。
  14. 【請求項１４】 各器官の壁に接触する要素が複数の穴とそれに取外し可能
    に付けられたパッドアセンブリを有する堅い部分を含み、前記パッドアセンブリ
    が可撓性のあるパッド（９２）と堅いパッド支持部材（９０）とからなり、各器
    官の壁に接触する要素の前記パッドアセンブリの堅いパッド支持部材が複数の突
    出部（９６）を有し、各前記突出部がその堅い部分に複数の穴の１つと対になり
    、各前記要素の器官の壁に接触する表面がその圧縮可能なパッドの表面であり、
    各突出部が圧縮力がなくなるとそれらと対になっている穴より大きい圧縮可能な
    膨大部を有し、前記突出部がスナップ係合でそれらの対になっている穴に合うよ
    うになっている、請求項１の安定化装置。
  15. 【請求項１５】 液体導管（１１０）を含み、前記器官の壁に接触する部材
    の少なくとも１つが前記液体導管に接続されている複数の穴（１１４）を含む、
    請求項１の安定化装置。
  16. 【請求項１６】 光を伝える導管（１０２）と、前記光を伝える導管から光
    を受けるために、前記器官の壁に接触する要素の１つに付けられ、前記導管を通
    じて光を受けるように接続され、前記壁に接触する要素と隣合う外科手術箇所に
    照明をもたらすように、前記光を放つ手段（１０４）を含む、請求項１の安定化
    装置。
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