JP2002541901A - オフ−ポンプ式心臓外科手術のための装置および方法 - Google Patents

オフ−ポンプ式心臓外科手術のための装置および方法

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JP2002541901A JP2000611821A JP2000611821A JP2002541901A JP 2002541901 A JP2002541901 A JP 2002541901A JP 2000611821 A JP2000611821 A JP 2000611821A JP 2000611821 A JP2000611821 A JP 2000611821A JP 2002541901 A JP2002541901 A JP 2002541901A
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ハンコック・アンドリュー
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Abstract

(57)【要約】 本発明は患者の心臓における外科手術を行なうための装置を提供し、当該装置は第1のアーム(26)、第2のアーム(24)およびアクチュエータ(40)を備えており、このアクチュエータは第1のアームを第2のアームに対して移動する。上記装置はさらに第1のアーム上の第1のブレード(52)および第2のアーム上の第2のブレード(54)を備えており、これら第1のブレードおよび第2のブレードは互いに離間する方向に向いていて組織または骨の退縮のために当該組織または骨に対して非外傷的に係合するように構成されている面部を有する第1の表面部分および第2の表面部分を有している。上記装置はさらに第1のアームおよび第2のアームの一方に取り付けるように構成されていて足部(80)を有している安定化装置(70)を備えており、当該足部は心臓の表面部分に対して非外傷的に係合するように構成されている。種々の実施形態において、上記装置は各アームに取り付けた取り外し可能なブレード(52,54)、各アームに取り外し可能に取り付けた縫合線ステイ(62)、および安定化装置を種々の位置に取り付けるための多数個のレール(28,29)を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は一般に外科装置に関し、特に心臓外科手術を行なうためのレトラクタ
および装置に関する。
【0002】
【発明の背景】
従来の心臓外科手術においては、切開部分が胸腔内に接近するために胸骨(胸
骨正中切開)または肋骨(開胸)を通して胸部に作成される。レトラクタ(開創
器)がその胸部切開部内に配置されて、胸部の骨および組織を広げて広い開口部
を形成することが可能になる。その後、外科装置がこの開口部の中に配置されて
心臓に関する外科手術を行なう。
【0003】 最も一般的な心臓外科手術の一例は冠動脈バイパス移植すなわちCABGであ
る。このCABGにおいては、移植管を遮断部分の下流側の冠動脈に接続するこ
とにより1本以上の冠動脈における遮断部分をバイパス処理する。この移植管を
冠動脈に接続する技法は吻合として知られている。上記の移植管は胸壁部から切
除した哺乳類動物の動脈とすることができ、この動脈の上流側の端部は無傷の状
態に維持されていて、下流側の端部が冠動脈に取り付けられる。あるいは、この
移植管は患者の体内の任意の場所からの動脈または静脈の一部分、または人工的
な脈管移植片とすることができ、この場合に、この移植片の上流側の端部が大動
脈等の動脈に取り付けられて、下流側の端部が冠動脈に接続される。このように
して、心臓の前部、側部、または後部の種々の場所における多数個の冠動脈の遮
断部分が多数個の移植管によりバイパス処理できる。
【0004】 これまで、CABGは心臓を停止した状態で行なって、患者は心肺バイパスに
より支援されていて、患者の血液を体外ポンプおよび酸素付加システムにより循
環していた。しかしながら、特定の場合においては、「鼓動心臓(beating heat
)」式または「オフ−ポンプ(off-pump)」式の冠動脈バイパス処理(OPCA
B)として知られる技法において心臓が鼓動している状態でCABGを行なうこ
とにより心肺バイパスを回避することもできる。このOPCABにおいては、冠
動脈の吻合部位の近傍における心臓の表面部分が心臓の鼓動を継続した状態で特
別な装置により安定化される。この局所的な安定化処理により吻合部位は移植管
を冠動脈に接続している間に可能な限り不動状態に維持される。吻合処理中に血
液がその部位に無い状態を保つために、冠動脈は一時的に閉塞されるか、あるい
は、一時的なシャントがその冠動脈内に挿入される。
【0005】 OPCAB処理において必要とされる基本的な機能として、胸骨または肋骨の
退縮、心臓の操縦、心臓の安定化、心臓周囲の退縮、冠動脈の牽引および止血等
が含まれる。胸骨の退縮は分割した胸骨の対向する半体部分を開いて胸腔を開口
することを含む。心臓の操縦は心臓の前部、後部または側部における冠動脈に接
近するために心臓を移動、回転または上昇する処理を含む。心臓の安定化は吻合
部位の近傍の鼓動している心臓の表面部分を安定化して吻合処理が行なえるよう
にすることである。心臓周囲の縮退は切開した心臓周囲部分を引き出して心臓に
接近しやすくするために使用される。冠動脈の縮退は吻合部位の近傍の冠動脈の
下に縫合線またはサイラスティックを配置してこの縫合線またはサイラスティッ
ク上で牽引を行なうことにより冠動脈をさらに露出させる処理を含む。この牽引
処理は吻合部位の上方または下方の冠動脈を閉塞して止血するように作用するこ
ともできる。特定の場合において、一時的なシャントを冠動脈内の動脈切開部分
に挿入して手術中に吻合部位に血液を流すことができる。
【0006】 このように、外科医は慣用的な装置により多年にわたりOPCAB外科手術を
行なっていたが、最近の数年において、特別に設計された装置がOPCAB処理
を容易にするために導入されている。しかしながら、これらの装置には幾つかの
欠陥があった。例えば、市販のOPCABシステムは安定化用の装置および処理
において利用するその他の装置を位置決めする場合に十分な位置範囲および自由
度が外科医に与えられない場合が多い。さらに、一部の市販のOPCABシステ
ムはその大部分またはその全体が廃棄可能であるので、処理を行なう度に1台の
システムを廃棄して新しいシステムを購入することが必要である。一方、完全に
再使用可能なシステムは上述した必要とされるOPCABの諸機能の全てを実行
するための手段を提供できない場合が多く、あるいは、これらの機能を実行する
のに十分な性能を有していない場合が多い。
【0007】 それゆえ、要望されていることは、心臓が鼓動している状態での胸骨の退縮、
心臓の安定化、心臓周囲の退縮、冠動脈の牽引、および心臓の操縦を容易にする
OPCABを行なうためのシステムである。このシステムは心臓安定化用の装置
およびシステムにおけるその他の構成部品を位置決めするための最高の柔軟性お
よび自由度を提供する必要がある。また、このシステムは最少数の廃棄可能な部
品を有していて、使用が簡単であり、コストの点で有利である必要がある。さら
に、このシステムは胸骨切開または開胸手術のいずれにおける使用においても柔
軟性を有しており、心臓鼓動有りおよび無しの状態におけるOPCAB外科手術
およびその他の形態の心臓外科手術の両方において有用である必要がある。
【0008】
【発明の概要】
本発明は現行の装置における欠陥の多くを解消するOPCABおよびその他の
種類の心臓外科手術を行なうためのシステムを提供する。このシステムは現在に
おいて有用な装置よりもさらに柔軟な位置決めの自由度および範囲を提供する。
本発明は単一の一体型システムによる胸骨または肋骨の退縮、心臓周囲の退縮、
心臓の操縦、冠動脈の牽引、および心臓の安定化を可能にする。好ましくは、本
発明のシステムは上記の機能を提供すると共に、完全に再使用可能な縮退プラッ
トホームを利用していて、一部の現行のシステムにおいて付随する廃棄物および
コストを排除する。
【0009】 第1の実施形態において、本発明は患者の心臓における外科手術を行なうため
の装置を提供し、当該装置は第1のアーム、第2のアームおよびアクチュエータ
を備えており、当該アクチュエータは上記第1のアームを第2のアームに対して
移動する。さらに、上記の装置は上記第1のアーム上の第1のブレードおよび上
記第2のアーム上の第2のブレードを備えており、これら第1のブレードおよび
第2のブレードは互いに離間する方向を向いている第1の表面部分および第2の
表面部分を有しており、これら第1の表面部分および第2の表面部分は組織また
は骨の縮退のためにこれらに非外傷的に係合するように構成されている。さらに
、上記装置は上記第1のアームおよび第2のアームの一方に取り付けるように構
成されていて足部を有している安定化装置を備えており、当該足部は心臓の表面
部分に非外傷的に係合するように構成されている。好ましい実施形態において、
上記第1のブレードおよび第2のブレードは上記第1のアームおよび第2のアー
ムに取り外し可能に連結していて、これら第1のブレードおよび第2のブレード
を取り外して代わりのブレードに取り替えることができる。この各ブレードを迅
速且つ容易に取り外して取り替える能力により、外科医は特定の患者および実行
中の処理に対応する理想的なブレードを選択できる。従って、本発明の装置は種
々の寸法、形状および材料のブレードを交換可能にする。上記のアームおよびブ
レードは再滅菌処理および再使用が可能な生体許容性(biocompatible)の金属
であることが好ましいが、これらの両方または一方をプラスチックまたはその他
の適当な材料により作成することが可能であり、単一回の使用に応じてそれぞれ
個別にパッケージ化および滅菌処理することも可能である。
【0010】 第2の実施形態において、本発明の装置は上記第1のアームおよび第2のアー
ムの少なくとも一方においてレセプタクル(受容器)を有している。縫合線ステ
イがこのレセプタクルに取り外し可能に取り付けられて、心臓周囲の退縮または
縫合線ステイの中に配置して処理中にその中に保持するための他の用途に縫合線
を使用することを可能にする。好ましくは、この縫合線ステイはプラスチックま
たはその他の廃棄可能な材料であって、この縫合線ステイの使用後におけるレセ
プタクルからの取り外しおよび廃棄が可能である。通常において、この縫合線ス
テイは複数の個別の縫合線に適応可能であり、さらに/または、上記アームは多
数個の縫合線ステイに適応する複数のレセプタクルを有している。例示的な実施
形態において、上記レセプタクルは縫合線ステイを受容するように構成されてい
る上記アーム中の空孔部により構成されている。さらに、この空孔部の中に縫合
線ステイを保持するための保持機構が縫合線ステイおよび/またはアームに備え
られている。
【0011】 好ましくは、上記の縫合線ステイは内側エッジ部および外側エッジ部を有する
本体部分、および当該本体部分上の保持構造部分を有しており、この保持構造部
分は本体部分を外科レトラクタのブレード上に保持する。少なくとも1個の溝部
が上記の内側エッジ部から外側エッジ部まで本体部分の中に延在していて、その
中に縫合線を取り外し可能に受容するように構成されている。さらに、この溝部
に近接してクランプが本体部分に連結されていて、縫合線を溝部の中に取り外し
可能に保持するように構成されている。通常において、縫合線ステイは袋、ポー
チまたはその他のコンテナの中に配置されてアームおよびその他の装置の構成部
品とは別に滅菌処理される。
【0012】 別の実施形態において、患者の心臓において外科手術を行なうための装置はラ
ック、当該ラックに取り付けた第1のアームおよび第2のアームを備えており、
当該第1のアームはラックおよび第2のアームに対して移動可能である。第1の
ブレードが第1のアームに取り付けられていて、第2のブレードが第2のアーム
に取り付けられており、これら第1のブレードおよび第2のブレードは互いに離
間する方向を向いている第1の表面部分および第2の表面部分を有しており、こ
れらの第1の表面部分および第2の表面部分は組織または骨の退縮のためにこれ
らに非外傷的に係合するように構成されている。第1のレールが第1のアームに
配置されており、第2のレールが第2のアームに配置されていて、第3のレール
がラックに配置されている。この装置はさらに上記第1のレール、第2のレール
または第3のレールのいずれか1個に連結するように構成されている安定化装置
を備えており、この安定化装置は足部を有していて、当該足部が心臓の表面部分
に非外傷的に係合するように構成されている。
【0013】 本発明はさらに患者の心臓の外表面部における一定の部位を安定化してその外
科手術を容易にするための安定化装置を提供する。実施形態の一例において、こ
の安定化装置は軸部、当該軸部に連結していて心臓の外表面部に非外傷的に係合
するための接触面部を有する足部、および取付部材を備えており、当該取付部材
は胸部レトラクタに取り付けるための第1の連結部、上記軸部に取り付けるため
の第2の連結部、これら第1の連結部および第2の連結部の間に内部接続されて
いる第1の移動可能なジョイント、および当該第1のジョイントと第2の連結部
との間に内部接続されている第2の移動可能なジョイントを有している。好まし
くは、これら第1のジョイントおよび第2のジョイントはそれぞれ少なくとも2
個の回転軸の回りに移動可能である。例えば、これら第1のジョイントおよび第
2のジョイントは球形ジョイントまたはボール−イン−ソケット形ジョイントに
より構成できる。実施形態の一例において、上記第1のジョイントは第1の軸上
に中心を置いた第1の半球状の部材により構成されており、第2のジョイントは
第2の軸上に中心を置いた第2の半球状の部材により構成されていて、これら第
1の軸および第2の軸は平行ではなく、好ましくは、概ね直交している。
【0014】 本発明の特徴および利点は本明細書における以下の部分および図面を参考にす
ることによりさらに理解できる。
【0015】
【特定の実施形態の詳細な説明】
本発明による心臓外科手術を行なうためのシステムは胸骨切開または開胸にお
ける退縮用のレトラクタを含む。このレトラクタは互いに接近または離間する移
動可能な一対のアーム、および胸部切開において配置可能なアームに取り付けた
一対のブレードを有している。これらのブレードは互いに離間する方向を向いて
いる接触面部を有しており、これらの接触面部は切開部分における対向面部にそ
れぞれ係合してこれらの退縮を可能にする。好ましくは、各アームは複数の歯部
を有するラックに取り付けられていて、少なくとも一方のアームがラック上の歯
部に係合して当該一方のアームの別のアームに対する移動を容易にするためのピ
ニオン・ギアを有している。また、別の実施形態において、ラックおよびピニオ
ンの代わりにケーブル駆動式機構を使用することが可能であり、あるいは、各ア
ームを互いに直接的に取り付けるか、回転ジョイントにより第3の部材に取り付
けることもできる。
【0016】 好ましい実施形態において、レールがレトラクタの各アームに配置されており
、2個のアームがラックに接続している場合に、レールはラック上においても配
置されている。心臓安定化装置、心臓レトラクタおよび操縦装置、CO2 ブロア
ー、灌注装置、吸引装置、脈管クランプ、照明装置、カテーテル、およびその他
の装置を含む種々の補助部品がこれらのレールに連結可能である。これらのレー
ルは上記のような補助部品を所定位置まで摺動可能に移動するように構成されて
いる。
【0017】 本発明のシステムはさらに心臓の表面部分を安定化するための安定化装置を備
えている。この安定化装置はレトラクタにおける種々の任意の場所、好ましくは
レトラクタのアームまたはラックにおけるレールの一つに取り付けられる。この
安定化装置は軸部および足部を有しており、この足部は心臓の表面部分に非外傷
的に係合して心臓が鼓動している状態においてその表面部分を安定化するように
構成されている。この足部は二又フォーク、部分的または完全なリング、または
多角形を含む種々の形態を有することができるが、吻合部位に近接する心臓を安
定化して冠動脈に移植管の吻合を可能にすることに適していることが必要である
。この足部は把持性を高めて心外膜上における移動を最少にするための摩擦性を
向上した表面部分を有しており、この表面部分は表面模様付き、刻み付き、粗面
状、または摩擦性向上材料により被覆またはコーティングした状態にできる。好
ましい実施形態において、上記足部は上記軸部の基端部に連結されているアクチ
ュエータにより係止または取り外し可能な接合ジョイントにより軸部に取り付け
られている。このことは接近角度および心臓の吻合部位の位置に応じて足部を軸
部に対して種々の配向に配置可能にする。
【0018】 上記の安定化装置は必要に応じて吻合処理またはその他の処理中に縫合線また
はサイラスティックを配置するために使用できる1個以上の保持部材を備えてい
る。これらの保持部材は外科部位に近接している足部自体に配置されているのが
好ましい。これらの保持部材は縫合線またはサイラスティックを一定の張力で保
持するように構成されていて、クランプ機構を有しているか、あるいは、縫合線
またはサイラスティックに対して摩擦係合するように寸法付けられている。一部
の実施形態において、これらの保持部材は安定化装置の足部に取り外し可能に取
り付けられていて、これらの保持部材を不要時に取り外して処理後に廃棄するこ
とができる。
【0019】 上記の安定化装置はレトラクタのレールに取り付けられている取付基部に連結
している。好ましくは、この取付基部はレールに対する取付位置と安定化装置に
対する取付位置との間に少なくとも2個の可動ジョイントを有しており、各ジョ
イントは2個の回転軸を有している。好ましくは、これらのジョイントは球形ジ
ョイントまたはボール−イン−ソケット形ジョイントであるために、安定化装置
の位置決めの際に有効になる自由度の数を最大にできる。上記の取付基部はレト
ラクタのレールに取り付けられて当該レール上における摺動を可能にして、取付
基部をレール上の所定位置に係止するための係止機構を有している連結部を備え
ている。
【0020】 さらに、上記システムは心臓外科手術において有用な種々の別の構成部品およ
び補助部品を備えることができる。これらには心臓レトラクタが含まれ、この心
臓レトラクタは好ましくは柔軟性を有する軸部、および心臓に係合するためのパ
ドル部を有している。好ましくは、このパドル部は心臓表面部分に対する把持性
を高めて心臓の回転移動または上昇移動を容易にするための摩擦向上性のガーゼ
またはその他の非外傷性の材料によりコーティングされている。また、このシス
テムはガスを吻合部位に吹き付けて当該部位を乾燥状態に維持して流体および破
片を除去して外科医に見えるようにするためのCO2 ブロアーを備えることもで
きる。好ましくは、このブロアーは当該ブロアーの吹き付け口を吻合部位の近傍
に容易に位置決めできるように安定化装置に取り付けられているかこれと一体に
なっている。さらに、脈管クランプを上記レトラクタの各レールに取り付けて備
えることもできる。このクランプは内胸動脈のような移植管の端部を一時的に把
持して外科医がその使用の準備をするまで外科領域の外においてこれを保持する
ために使用できる。さらに、照明、灌注、縫合線保持、および退縮用の装置、お
よびカテーテルおよび外科装置を含む種々の別の装置をシステム中の各レールま
たはその他の構成部品に取り付けることも可能である。
【0021】 図面において、図1は本発明による心臓外科手術を行なうためのシステムの第
1の実施形態を示している図である。このシステムはクロスビーム22、固定ア
ーム24、および可動アーム26を有するレトラクタ20を備えている。固定ア
ーム24および可動アーム26はこれらの上面部に沿ってそれぞれ配置されてい
るレール28,29を有しており、各レール28,29は各アーム24,26の
外側および内側の上側エッジ部に沿って一対のリップ部32をそれぞれ形成して
いる一対の反対側の溝部30により定められている。さらに、固定アーム24お
よび可動アーム26はこれらの側面部から外側に延出しているウイング部34,
36を有している。さらに、複数の溝部37が固定アーム24および可動アーム
26の各上面部を横切って延在していて、以下において詳述する心臓周囲部分ま
たはその他の組織の退縮用の縫合線を内部に受容するように寸法付けられて構成
されている。
【0022】 可動アーム24はクロスビーム22に摺動可能に取り付けられている搬送部材
38に取り付けられている。キー40は搬送部材38に回転可能に取り付けられ
ていて、クロスビーム22上のラック(後述する)に係合するピニオン・ギア(
後述する)に連結している。このようにして、可動アーム26はキー40を回転
することにより固定アーム24に対して接近および離間するように移動可能にな
る。一方、固定アーム24は不動状態となるようにクロスビーム22に取り付け
られているのが好ましいが、一部の実施形態においては、上記両方のアームを上
述した様式またはその他の任意の様式でクロスビーム22に移動可能に取り付け
ることもできる。さらに、クロスビーム22は一対の側方の溝部42をその前方
エッジ部および後方エッジ部に有しており、各溝部42は上方リップ部44およ
び下方リップ部46を形成していて、固定アーム24および可動アーム26にお
ける各レール28,29と構造的に類似しているレールを形成している。
【0023】 図2において、クロスビーム22の後方エッジ部は複数の線形に配列したギア
歯部50を有するラック48を形成している。キー40はピニオン・ギア51(
仮想線で示す)に連結しており、このピニオン・ギア51がラック48に係合し
ていることにより、キー40の回転による可動アーム26の移動を可能にしてい
る。側方溝部42はラック48の中に長手方向に延在して平行な2列のギア歯部
50を形成している。
【0024】 図1に戻って、第1のブレード52が固定アーム24に取り付けられており、
第2のブレード54が可動アーム26に取り付けられている。好ましくは、これ
ら第1のブレード52および第2のブレード54は各アーム24,26に対して
取り外し可能に連結していて、種々のブレードの取り外しおよび交換が可能であ
る。簡明化のために固定ブレード24および可動ブレード26をクロスビーム2
2から除去して示している図3に示すように、第1のブレード52および第2の
ブレード54はそれぞれ一対のピン56を有しており、これらのピン56は固定
アーム24および可動アーム26の各穴58の中に摺動可能に受容されている。
このようにして、種々の寸法および形状のブレードが特定の患者および装置を利
用する処理に応じて容易に交換できる。各ブレード52,54はそれぞれ組織ま
たは骨の退縮のためにこれらに非外傷的に係合するように構成されている外側に
対向している面部55,57を有している。
【0025】 好ましい実施形態において、クロスビーム22、固定アーム24、可動アーム
26、および第1のブレード52および第2のブレード54は全て各処理の後に
再滅菌処理および再使用が可能なステンレス・スチール、アルミニウムまたはチ
タン等の生体許容性で滅菌処理可能な金属により作成されている。しかしながら
、これらの構成部品の内の任意の物がプラスチックのような大量生産に適してい
る安価な材料により作成可能であって、この部品を単一回の使用の後に廃棄可能
にできることを留意すべきである。別の例示的な実施形態において、クロスビー
ム22は再使用可能な金属であるが、アーム24,26は単一回使用用のプラス
チックであって、それぞれクロスビーム22および搬送部材38に取り外し可能
に取り付けられている。あるいは、クロスビーム22およびアーム24,26を
再使用可能な金属にして、ブレード52,54を単一回使用用の廃棄可能なプラ
スチックにすることもできる。
【0026】 図3において、凹部60が固定アーム24および可動アーム26の上面部に示
されており、これらの凹部60は縫合線ステイ62を受容するように構成されて
いる。縫合線ステイ62は凹部60の中に挿入するための形状を有する本体部分
64および各アーム24,26における溝部37に位置合わせされている複数の
スロット66を有している。図4Aおよび図4Bに示すように、クランプ61が
各スロット66に近接して本体部分66に連結していて、スロット66内の縫合
線糸に係合して保持するように構成されている。例示的な実施形態において、各
クランプ61はポスト部65から延出しているリーフ部63を有している。本体
部分62の下面部62に、穴67が各スロット66に対して概ね横切る方向に配
置されていて、それぞれに近接する穴69を有している。各ポスト部65は各穴
69の中に嵌合しており、各リーフ部63は穴67の中に嵌合するように偏向し
ている。このようにして、リーフ部63はクランプ位置に予め装填されて付勢さ
れており、この状態においてそれぞれの外側エッジ部71は各スロット66の壁
部に対して係合している。各外側エッジ部71は矢印73の方向に偏向してスロ
ット66内に縫合線を引き込むことが可能であるが、後方に付勢されることによ
り縫合線に係合してこれを保持する。
【0027】 図1に戻って、本発明のシステムはさらに外科処理中に心臓またはその他の器
官の表面部分を安定化するための安定化装置70を備えている。この安定化装置
70は取付基部72によりレール28,29またはクロスビーム22のいずれか
に取り付けることができる。図5乃至図8にさらに明瞭に示すように、安定化装
置70は先端部76および基端部78を有する軸部74を備えている。足部80
はボール・ジョイント82により先端部76に回動自在に取り付けられている。
この足部80は吻合部位の各対向面部において心臓の表面部分に係合するように
構成されていて、好ましくは、約1cm乃至5cmの範囲内の距離で離間して互
いに概ね平行な一対のアーム84を有している。これらのアーム84は心臓に対
して係合するための概ね平坦な部分86、当該平坦部分86から上方に傾斜して
いる傾斜部分88、および基端側部分90を有しており、この基端側部分90は
各アーム84を接続していて、ボール・ジョイント82に連結しているステム部
92に対して取り付けるために適している湾曲状、傾斜状、またはその他の任意
の形状を有することができる。各アーム84の下面部は心外膜に対して非外傷的
に係合するように構成されていて、通常において滑らかまたは平坦である。好ま
しい実施形態において、摩擦向上性の要素が平坦部分86の下面部に配置されて
いる。例えば、この下面部は溝部、隆起部、傷付け処理、突起部またはその他の
形状により模様付けることができ、あるいは、発泡体、ダクロン(Dacron)ガー
ゼ、滑り止め材、または粗面処理または表面模様付けした金属材またはプラスチ
ック・プレートのような摩擦向上性の材料によりコーティングまたは被覆するこ
とができる。このような材料は足部の滑りまたは移動を十分に防止するが心外膜
組織を傷付けない程度に心外膜に対する摩擦を高めることができる。
【0028】 軸部74に対して所定の位置に足部80を係止するために、図7に示すように
ロッド89が軸部74の中の溝部93の中に摺動可能に配置されている。このロ
ッド89はボール・ジョイント82のボール97に係合している先端部95を有
している。軸部74の基端部におけるアクチュエータは軸部74に取り付けられ
ているネジ付きソケット103の中に受容されているネジ付き本体部分101を
有する回転可能なノブ99を有している。ネジ付き本体部分101の先端部はロ
ッド89の基端部105に取り付けられている。このようにして、ノブ99を回
転することにより、ロッドが先端側に駆動されてボール97に強固に係止および
係合することにより足部80が係止できる。
【0029】 上記の安定化装置70および足部80が種々の別の構成および形状を有し得る
ことが当然に理解されると考える。例えば、足部80は環状リング形状または環
状多角形の形状を有することができ、単一の心臓係合用アームを有することもで
きる。安定化装置70はさらに吸引内孔部および吸引穴またはカップを足部80
の下面部に備えていて、心外膜に対して吸引を供給することにより安定性および
不動性を高めることができる。さらに、本特許出願の譲受人に譲渡されていて本
明細書に参考文献として含まれる米国特許第5,807,243号に記載されて
いるような別の形状および構成もまた備えることができる。
【0030】 取付基部72はレール28,29に対して摺動可能に係合するように構成され
ている搬送部材90、当該搬送部材90に回転可能に取り付けられているタレッ
ト92、および当該タレット92に回転可能に取り付けられているクランプ94
を有している。搬送部材90はレール28,29またはクロスビーム22上に摺
動するように構成されている図7に示すような溝部96を有している。この溝部
96はアーム24,26の中の側方溝部30またはクロスビーム22内の側方溝
部42の中に配置されるように構成されている一対の内側に突出しているリップ
部98を有している。レール28,29またはクロスビーム22に沿って所定の
場所に搬送部材90を把持するために、搬送部材90は一体蝶番100を有して
おり、当該蝶番100は搬送部材90における外側部分102を内側部分104
に対して接近および離間する方向に回転可能にする。さらに、レバー106が搬
送部材90に回転可能に取り付けられていて、傾斜カム108を有しており、こ
の傾斜カム108は外側部分102におけるカム面109に係合してレバー10
6が時計方向(図8参照)に動作する際に外側部分102を内側部分104に向
けて押し出す。このことにより、搬送部材90がレール28,29またはクロス
ビーム22に沿う一定の位置に係止される。また、レバー106を逆方向に回転
することにより、外側部分102が内側部分104から離間する方向に回転可能
になり、この結果、搬送部材90がレール28,29またはクロスビーム22に
沿って摺動して取り外すことができる。レバー106の動作中にてこの作用を高
めるために固定フィンガー・グリップ110が搬送部材90の外側部分102に
取り付けられている。
【0031】 図9において、好ましくは、タレット92が少なくとも2個の軸の回りに回動
する。例示的な実施形態において、タレット92は搬送部材90に取り付けられ
ている基部114および半球状の上面部116を有する球状ジョイント112、
および空孔部120を有するソケット118を備えており、当該ソケット118
は基部114に対して多数個の軸の回りに回転可能である。ソケット118を基
部114に対して任意の位置に固定するために、ネジ付きポスト122が基部1
14に固定されていて、ソケット118の中を上方に延出して当該ソケット11
8に係合している下端部を有するネジ付きキャップ124に連結している。この
ようにして、ソケット118はキャップ124をポスト122上に締め付けるこ
とにより所定位置に係止することができ、当該ソケット118が押圧されて基部
114に係合する。
【0032】 図10において、クランプ94は安定化装置70の軸部74または本発明にお
いて使用する任意の種々の別の外科器具および装置を保持するように構成されて
いる。タレット92と同様に、好ましくは、クランプ94は少なくとも2個の軸
の回りに回転する。例示的な実施形態において、クランプ94は内側部材130
および外側部材132を有している。外側部材132は穴134を有しており、
この穴134の中に軸部74が摺動可能に配置される。外側部材132における
円筒形の延在部分136は内側部材130内の空孔部138の中に摺動可能に受
容されている。この円筒形の延在部分136は空孔部138内のテーパー状の面
部142に係合するテーパー状の内側端部140を有している。このテーパー状
の内側端部140は開口部144を有していて、内側部材130は開口部146
を有しており、これらの開口部の中にロッド148が延在している。ロッド14
8はその外側端部においてボール150を有しており、このボール150は円筒
形の延出部分136の中に配置されていて、当該ボール150よりも小さい開口
部144を有するテーパー状の内側端部140により円筒形の延出部分136の
中に保持されている。ロッド148はタレット92のソケット118の中に延在
していて、ボール150と反対側にネジ付き端部151を有している。さらに、
ネジ付きノブ152がネジ付き端部151に係合していて、このノブ152を回
転することにより外側部材132が内側部材130に向けて移動して軸部74を
穴134の中に把持することが可能になる。さらに、スプリング154がネジ付
き端部151の周囲に配置されていてノブ152に係合してこれを外側に付勢し
ている。このことによりノブ151が緩められても軸部74に対して少量の把持
力が加えられるので、安定化装置70が外科手術部位の中に偶発的に滑り込むこ
とが防げる。
【0033】 好ましくは、クランプ94は安定化装置70を位置決めする際にその自由度を
さらに加えるための球形ジョイント156を備えている。内側部材130は半球
状の外側端部158を有しており、この端部158はタレット92のソケット1
18に取り付けられているクランプ・ソケット160の中に受容されている。ク
ランプ・ソケット160は内側部材130および外側部材132をタレット92
に対して多数個の軸の回りに回転可能にする円錐形、球形、またはその他のテー
パー状の凹面形状にすることができる。内側部材130の中の開口部146はテ
ーパー状のエッジ部を有していて、内側部材130をロッド148の回りに広範
囲に回転可能にするのに十分な大きさを有している。球形ジョイント156はノ
ブ152を締め付けることによりクランプ94と同様に所定位置に係止され、こ
のことによりロッド148が引張られて内側部材130を押圧し、当該内側部材
130がクランプ・ソケット160に強固に係合する。
【0034】 使用時において、本発明のレトラクタ20は図11に示すように胸骨切開部分
の中に配置される。適当な寸法および形状の第1のブレード52および第2のブ
レード54が固定アーム24および可動アーム26に取り付けられている。可動
アーム26は固定アーム24に対して近接して配置されていて、ブレード52,
54は切開部分の中に挿入可能になっている。その後、キー40が回転して可動
アーム26が固定アームから離間移動することにより、第1のブレード52およ
び第2のブレード54が対向する組織エッジ部をそれぞれ退縮して切開部分を広
げることにより胸腔が露出する。心臓周囲(図11において示さず)に切開部分
が形成されて縫合線が心臓周囲の組織弁の中に配置される。これらの縫合線が胸
部から引き出されて、縫合線ステイ62の中の溝部37を通してスロット66の
中に配置され、心臓周囲の組織弁が引き出されて心臓の外科手術部位が露出する
まで張力が加えられる。その後、これら心臓周囲の縫合線は縫合線ステイ62の
中において把持または保持できる。
【0035】 冠動脈吻合を行なう場合に、安定化装置用の取付基部72は所望位置において
レール28,29またはクロスビーム22に沿って配置され、レバー106が作
動して取付基部72の位置に係止される。その後、安定化装置70は足部80が
吻合部位の近傍の心外膜に係合するように配置される。通常において、アーム8
4は吻合部位に位置合わせされた目的の冠動脈の反対側にそれぞれ配置される。
あるいは、アーム84の一方を吻合部位の上流側の冠動脈自体に係合するように
配置してその冠動脈を閉塞して吻合処理中に止血することもできる。上記の配置
が終わると、安定化装置70は固定キャップ124およびノブ152により係止
される。この安定化装置70は心臓が鼓動を続けて心臓壁部の残りの部分が収縮
している間に吻合領域内の心臓壁部において比較的静止した状態を維持する。
【0036】 図12Aおよび図12Bは本発明の安定化装置70の別の実施形態を示してい
る図である。この実施形態において、安定化装置70は足部80に取り付けるこ
とができる一対の縫合線保持装置164を備えている。好ましくは、この保持装
置164は足部80から除去可能にして、安定化装置70が保持装置164の有
無に拘わらず使用可能である。保持装置164は本体部分166および実行する
特定の外科処理において使用する縫合線またはサイラスティックを受容するよう
に構成されている複数の溝部168を有している。これらの溝部168は十分な
力により縫合線またはサイラスティックの材料に摩擦係合して張力下にこの材料
を保持するように構成されており、使用する縫合線またはサイラスティックの種
類または寸法に応じて約0.010インチ乃至0.030インチ(0.025セ
ンチメートル乃至0.076センチメートル)の幅、および約0.10インチ乃
至0.20インチ(0.25センチメートル乃至0.51センチメートル)の深
さを有することが好ましい。このようにして、縫合線またはサイラスティックを
目的の冠動脈の下部に配置して、吻合部位の一方または両方の側からスリング(
糸で吊り上げた)状態を形成し、縫合線またはサイラスティックに張力をかけて
冠動脈を周囲の心筋層に対してさらに良く露出すると共に冠動脈の閉塞および/
または止血を行なうことができる。その後、縫合線またはサイラスティックを溝
部168の中に配置して手術中にその中で張力を加えた状態で保持する。好まし
い実施形態において、保持装置164は当該保持装置164の下面部から延出し
て足部80の穴172の中に受容されている2個のピン170を有している。こ
れらのピン170は各穴172の中にスナップ嵌合して各ピン170をその穴の
中に保持するフランジ174を有している。保持装置164およびピン170は
金属、ゴムまたはプラスチックとすることができる。
【0037】 図13は本発明の安定化装置70の別の実施形態を示している図である。この
実施形態において、ブロアー176は安定化装置70に連結してCO2 等のガス
を外科手術部位に供給することを可能にしている。このことは手術部位から流体
および破片を排除すると共に、酸素が冠動脈の切開部分の中に導入されることを
防ぐ。ブロアー176はこの中に貫通する少なくとも1個の内孔部を有する軸部
178を備えている。好ましくは、第2の内孔部も備えられている。これらの内
孔部は軸部178の先端部180における少なくとも1個の開口部、および軸部
178の基端部における流入ポート182,184に連通している。流入ポート
182はCO2 等のガスの供給源に接続可能であり、流入ポート184は外科手
術部位を灌注または湿らせるための塩類溶液の供給源に接続するか、あるいは、
流体および破片等を吸引する吸引源に接続できる。これら両方の流入ポート18
2,184は軸部178の中の単一内孔部に連通可能であり、あるいは、それぞ
れの流入ポートが軸部において分離している内孔部にそれぞれ連通できる。少な
くとも1個のクリップ186が軸部178に取り付けられて、安定化装置70の
軸部78に取り外し可能に連結するように構成されている。好ましくは、ブロア
ー176はその先端部180が足部80の各アーム84の間に配置されて当該足
部の基端部に近接するように位置決め可能であり、これにより、吻合処理を干渉
することなく処理部位における流体の供給および吸引が可能になる。
【0038】 図14A乃至図14Cは本発明のシステムにおいて利用できる心臓レトラクタ
を示している図である。この心臓レトラクタ188は先端部にパドル192を有
し、基端部にハンドル194を有する軸部190を備えている。パドル192は
軟質で摩擦向上性の好ましくは吸収性であって接着剤を裏に備えているダクロン
(Dacron)ガーゼ等の材料196により被覆されている。パドル192は心臓の
外壁部に係合して外科手術中に心臓を所望位置に回転、上昇または押し出すこと
を可能にする寸法を有しており、好ましくは約1インチ乃至3インチ(2.54
センチメートル乃至7.62センチメートル)幅およびその面部を縦断する約2
インチ乃至4インチ(5.08センチメートル乃至10.16センチメートル)
の長さを有している。ハンドル194は外科医の手により把持するように構成さ
れており、軽量小形であり、好ましくは軽量のプラスチックにより作成されてい
る。好ましくは、心臓レトラクタ188は上述したように安定化装置70と共に
利用する取付基部70によりレール28,29またはクロスビーム22上に保持
されている。このようにして、心臓レトラクタ188は心臓を所望の位置に操縦
するために使用でき、この心臓レトラクタはレトラクタ20上に係止して吻合処
理またはその他の処理を行ないながら心臓の位置を維持することができる。この
ことにより、心臓の側部および後部における吻合処理が容易になり、多数管式の
冠動脈バイパス処理が可能になる。
【0039】 図15Aおよび図15Bは本発明のシステムと共に利用できる脈管クランプ・
ホルダーを示している図である。脈管クランプ・ホルダー200は図示のフォガ
ーティ・クランプ(Fogarty Clamp)のような市販の脈管クランプ203に取り
外し可能に取り付けるように構成されているクリップ202を備えている。この
クリップ202は脈管クランプ上のボタン206を受容するように構成されてい
るスロット204、および軸方向の溝部208を有しており、この溝部208を
通して脈管クランプの軸部209が延出できる。軸方向の溝部208は側方の開
口部210を有しており、この開口部210を通して軸部209が溝部の中に配
置可能であり、この側方開口部は軸部209よりも僅かに狭い幅を有していてこ
の軸部が挿入後に溝部208の中に維持されることが好ましい。柔軟なロッド2
12がクリップ202から取付部材214まで延在していて、クリップ202を
所望位置に配置可能にする形状を有することができる。取付部材214はレトラ
クタ20上のレール28,29またはクロスビーム22に取り付けるように構成
されていて、上記の取付基部72の場合と同様の様式で構成できる。しかしなが
ら、この取付部材214は取付基部72と同程度の位置決め性を有している必要
はなく、両方の球状ジョイントは排除できる。従って、取付部材214は上記搬
送部材90と同様の搬送部材216を有しており、レール28,29またはクロ
スビーム22に対して摺動可能に係合するように構成されている。搬送部材21
6は一体蝶番218を有しており、この蝶番218の回りに外側部分220が内
側部分222に対して回転する。回転可能なレバー224はカム226を有して
おり、このカム226が外側部分220におけるカム面228に係合してこのカ
ム面228をレール28,29またはクロスビーム22に向けて付勢することに
より取付部材214が係止される。
【0040】 以上において、本発明の好ましい実施形態の完全な説明を行なったが、本発明
の範囲に逸脱することなく種々の等価物、変更、付加および置換を行なうことが
可能であることが理解されると考える。それゆえ、上記の説明は本発明の範囲を
制限すると考えるべきではなく、この範囲は本明細書に記載する特許請求の範囲
により定められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による退縮および安定化システムの斜視図である。
【図2】 図1のシステムにおけるレトラクタの部分的斜視図であり、その後面部を示し
ている図である。
【図3】 図1のシステムにおける固定アームおよび可動アームの組立図である。
【図4A】 図1のシステムにおける縫合線ステイの上部斜視図である。
【図4B】 図1のシステムにおける縫合線ステイの下部斜視図である。
【図5】 図1のシステムにおけるアームに取り付けた安定化装置および取付基部の斜視
図である。
【図6】 図5の安定化装置および取付基部の前部の斜視図である。
【図7】 図5の安定化装置および取付基部の側部の斜視図である。
【図8】 図5の安定化装置および取付基部の上部の斜視図である。
【図9】 図5の取付基部における側方側断面図である。
【図10】 図5の取付基部における前方側見た断面図である。
【図11】 患者の胸部内の切開部分の中に配置した図1のシステムの斜視図である。
【図12A】 本発明による安定化装置の別の実施形態の斜視図である。
【図12B】 図12Aの安定化装置における先端部分の組立斜視図である。
【図13】 本発明による安定化装置およびブロアーの斜視図である。
【図14A】 本発明による心臓レトラクタの斜視図である。
【図14B】 本発明による心臓レトラクタの上面図である。
【図14C】 本発明による心臓レトラクタの側面図である。
【図15A】 本発明による脈管クランプ・ホルダーの斜視図である。
【図15B】 本発明による脈管クランプ・ホルダーの側面図である。
【符号の説明】
20 レトラクタ 22 クロスビーム 24 固定アーム 26 可動アーム 28,29 レール 30 溝部 40 キー(アクチュエータ) 50 歯部 51 ピニオン・ギア 52 第1のブレード 54 第2のブレード 70 安定化装置
───────────────────────────────────────────────────── 【要約の続き】 けるための多数個のレール(28,29)を備えてい る。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 患者の心臓における外科手術を行なうための装置において、 第1のアーム、第2のアーム、およびアクチュエータを備えており、当該アク
    チュエータが第1のアームを第2のアームに対して移動し、さらに、 前記第1のアーム上の第1のブレードおよび前記第2のアーム上の第2のブレ
    ードを備えており、これら第1のブレードおよび第2のブレードが互いに離間す
    る方向に向いている第1の表面部分および第2の表面部分を有しており、これら
    第1の表面部分および第2の表面部分が組織または骨の退縮のために当該組織ま
    たは骨に対して非外傷的に係合するように構成されており、さらに、 前記第1のアームおよび第2のアームの一方に取り付けられるように構成され
    ていて足部を有している安定化装置を備えており、当該足部が心臓の表面部分に
    対して非外傷的に係合するように構成されており、 前記第1のブレードおよび第2のブレードが前記第1のアームおよび第2のア
    ームに取り外し可能に連結していて、当該第1のブレードおよび第2のブレード
    を取り外して代わりのブレードに交換可能である装置。
  2. 【請求項2】 患者の心臓における外科手術を行なうための装置において、 第1のアーム、第2のアーム、およびアクチュエータを備えており、当該アク
    チュエータが第1のアームを第2のアームに対して移動し、これらの第1のアー
    ムおよび第2のアームの少なくとも一方がレセプタクルを有しており、さらに、 前記第1のアーム上の第1のブレードおよび前記第2のアーム上の第2のブレ
    ードを備えており、これら第1のブレードおよび第2のブレードが互いに離間す
    る方向に向いている第1の表面部分および第2の表面部分を有しており、これら
    第1の表面部分および第2の表面部分が組織または骨の退縮のために当該組織ま
    たは骨に対して非外傷的に係合するように構成されており、さらに、 前記第1のアームおよび第2のアームの一方に連結するように構成されていて
    足部を有している安定化装置を備えており、当該足部が心臓の表面部分に対して
    非外傷的に係合するように構成されており、さらに、 前記レセプタクルに取り外し可能に取り付けられている縫合線ステイを備えて
    いる装置。
  3. 【請求項3】 前記第1のアームおよび第2のアームが金属である請求項2
    に記載の装置。
  4. 【請求項4】 前記縫合線ステイがプラスチックである請求項3に記載の装
    置。
  5. 【請求項5】 前記縫合線ステイが前記第1のアームおよび第2のアームお
    よび前記第1のブレードおよび第2のブレードとは別に無菌パッケージ内に収容
    されている請求項2に記載の装置。
  6. 【請求項6】 患者の心臓における外科手術を行なうための装置において、 ラックと、 前記ラックに取り付けた第1のアームおよび第2のアームを備えており、当該
    第1のアームが前記ラックおよび第2のアームに対して移動可能であり、さらに
    、 前記第1のアーム上の第1のブレードおよび前記第2のアーム上の第2のブレ
    ードを備えており、これらの第1のブレードおよび第2のブレードが互いに離間
    する方向に向いている第1の表面部分および第2の表面部分を有しており、これ
    ら第1の表面部分および第2の表面部分が組織または骨の退縮のために当該組織
    または骨に対して非外傷的に係合するように構成されており、さらに、 前記第1のアーム上の第1のレール、前記第2のアーム上の第2のレール、お
    よび前記ラック上の第3のレールと、 前記第1のレール、第2のレールまたは第3のレールのいずれかの1個に連結
    するように構成されている安定化装置を備えており、当該安定化装置が足部を有
    していて、当該足部が心臓の表面部分に対して非外傷的に係合するように構成さ
    れている装置。
  7. 【請求項7】 患者の心臓における外科手術を容易にするために当該患者の
    心臓の外表面部における一定の部位を安定化するための安定化装置において、 軸部と、 前記軸部に連結されていて心臓の外表面部に非外傷的に係合するための接触面
    部を有している足部と、 胸部レトラクタに取り付けるための第1の連結部分、前記軸部に取り付けるた
    めの第2の連結部分、当該第1の連結部分および第2の連結部分の間において内
    部接続している第1の可動ジョイント、および当該第1のジョイントと第2の連
    結部分との間において内部接続している第2の可動ジョイントを有する取付部材
    を備えており、 前記第1のジョイントおよび第2のジョイントがそれぞれ少なくとも2個の回
    転軸の回りに移動可能である安定化装置。
  8. 【請求項8】 前記第1のジョイントおよび第2のジョイントが球形ジョイ
    ントである請求項7に記載の安定化装置。
  9. 【請求項9】 前記第1のジョイントが第1の軸上に中心を有する第1の半
    球状の部材により構成されており、前記第2のジョイントが第2の軸上に中心を
    有する第2の半球状の部材により構成されていて、これら第1の軸および第2の
    軸が概ね垂直である請求項7に記載の安定化装置。
  10. 【請求項10】 一対のブレードを有する外科手術レトラクタと共に使用す
    るための縫合線ステイにおいて、 内側エッジ部および外側エッジ部を有する本体部分と、 外科手術レトラクタのブレード上に前記本体部分を保持するための本体部分上
    の保持構造体と、 前記内側エッジ部から前記外側エッジ部まで前記本体部分の中に延在している
    少なくとも1個の溝部を備えており、当該溝部が縫合線をその中において移動可
    能に受容するように構成されており、さらに、 前記溝部に近接して前記本体部分に連結されていて、前記溝部の中に縫合線を
    放出可能に保持するように構成されているクランプを備えている縫合線ステイ。
JP2000611821A 1999-04-15 2000-04-13 オフ−ポンプ式心臓外科手術のための装置および方法 Pending JP2002541901A (ja)

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